JP5157087B2 - 帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末およびそれを用いたポリイミド成形体 - Google Patents

帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末およびそれを用いたポリイミド成形体 Download PDF

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本発明は、芳香族テトラカルボン酸成分とジアミン成分とからなるポリイミド粉末にカーボンブラックを添加してなり、ポリイミドの特性を損なうことなしに帯電防止性能を有するポリイミド成形体を得ることができる帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末、およびそれを用いた帯電防止ポリイミド成形体の製法およびポリイミド成形体に関するものである。
従来、芳香族テトラカルボン酸成分、例えば3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸成分とパラフェニレンジアミン成分とから得られるポリイミド粉末の成形体の製法としては、例えば特許文献1、特許文献2などに記載されている。これらの文献によると、上記成形体は耐熱性、寸法安定性、圧縮強度等の機械的強度に優れていることが示されている。
しかし、上記の公知文献に記載されているポリイミド粉末の成形体は、単独では摺動性、耐磨耗性あるいは帯電防止性能は持たないことが知られている。このため、ポリイミド粉末に無機質微粉末、他の樹脂およびグラファイトあるいは無機質繊維状物を添加してこれらの性能を向上させたポリイミド成形体が知られている(特許文献3〜5)。
一方、ポリイミドフィルムの帯電防止性能を向上させるために、ポリイミド中にスルホン酸塩を添加した帯電防止性芳香族ポリイミドフィルム(特許文献6)、ポリイミドフィルム表面に金属酸化物と導電性超微粒子との混合物を塗布法で形成する帯電防止フィルムが提案された(特許文献7)。
特開昭61−241326号公報 特開平1−266134号公報 特開昭62−132960号公報 特開昭62−185748号公報 特開昭63−81160号公報 特公平5−28727号公報 特開2004−58562号公報
しかし、前記の各公報に記載の技術によれば、カ−ボンあるいはグラファイト等はポリイミド成形体の耐磨耗性あるいは摺動性を向上させるためにはポリイミドに対して5.5〜100質量%添加することが必要であり、却ってポリイミド本来の特性が損なわれてしまう。
本発明の目的は、ポリイミド本来の特性を大幅に損なうことなく帯電防止機能を備えたポリイミド成形体を与える帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末、それを用いたポリイミド成形体の製法およびそのような優れた特性を有するポリイミド成形体を提供することである。
本発明者らは、前記の課題を達成するために鋭意検討した結果、ポリイミド粉末に特定の添加剤を少量添加することによって目的が達成されることを見出し、この発明を完成した。
本発明は、芳香族テトラカルボン酸成分とジアミン成分とから得られたポリイミド粉末にDBP吸油量が300ml/100g以上の導電性カ−ボンブラックをポリイミド粉末に対して0.75〜5質量%の割合で添加してなる帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末に関する。
また、本発明は、前記に記載の帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末を金型内に充填し、圧力および熱を同時あるいは別々に加えて成形することを特徴とする帯電防止ポリイミド成形体の製法に関する。
さらに、本発明は、前記に記載の製法によって得られる帯電防止ポリイミド成形体に関する。
本発明によれば、少量のカ−ボンブラックを添加することによって充分な帯電防止性能を有するポリイミド成形体を与える帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末を得ることができる。
また、本発明によれば、少量のカ−ボンブラックを添加した帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末によって、充分な帯電防止性能を有するポリイミド成形体を製造することができる。
さらに、本発明によれば、少量のカ−ボンブラックを添加した帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末によって、充分な帯電防止性能を有するポリイミド成形体を得ることができる。
以下に本発明の好ましい態様を列記する。
1)ASTM D2414に従って測定したDBP吸油量が300ml/100g以上の導電性カ−ボンブラックの添加量が、ポリイミド粉末に対して1〜3質量%である帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末。
2)ポリイミド粉末が、芳香族テトラカルボン酸成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用いたものである帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末。
3)ポリイミド粉末が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物からなる芳香族テトラカルボン酸成分およびパラフェニレンジアミンを80モル%以上含む芳香族ジアミン成分とからなり、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が全芳香族テトラカルボン酸成分中0.5モル%以上30モル%未満の範囲である上記に記載の帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末。
4)ポリイミド粉末が、ジアミン成分としてパラフェニレンジアミンあるいは4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルを用いたものである帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末。
5)前記帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末の成形を成形温度350〜600℃および成形圧力30〜2000MPaで加熱圧縮成形、または室温〜350℃および成形圧力30〜2000MPaにて得た予備成形体を非圧縮下350〜600℃にて後焼結を行う帯電防止ポリイミド成形体の製法。
6)前記帯電防止ポリイミド成形体の製法で得られる、JIS K6911に従って測定した表面抵抗率が10〜10Ω/□である帯電防止ポリイミド成形体。
本発明におけるポリイミド粉末は、芳香族テトラカルボン酸成分、例えば、芳香族テトラカルボン酸二無水物、好適には3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物とジアミン成分、例えば芳香族ジアミン、好適にはパラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルとを有機極性溶媒中で反応させて得られるポリアミック酸溶液から得られる。この場合、ポリアミック酸溶液からポリイミド前駆体粉末を単離した後、加熱乾燥してポリイミド粉末を得てもよく、あるいはポリアミック酸溶液を加熱してイミド化してポリイミド粉末を生成して単離し加熱して乾燥してポリイミド粉末を得ても良い。
また、本発明におけるポリイミド粉末は、結晶性芳香族ポリイミドを与える芳香族テトラカルボン酸成分、例えば好適には3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸あるいはその酸二無水物またはその酸と低級アルコ−ルとのエステル化物、および非結晶性ポリイミドを与えるテトラカルボン酸成分、例えば好適には2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸あるいはその酸二無水物またはその酸と低級アルコ−ルとのエステル化物(いずれも好適には酸二無水物)を主成分とし、非結晶性ポリイミドを与えるテトラカルボン酸成分(好適には2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸あるいはその酸二無水物またはその酸と低級アルコ−ルとのエステル化物、より好適には2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物)を全テトラカルボン酸成分に対して約0.5モル%以上30モル%未満、特に1モル%以上25モル%未満、その中でも特に1.5モル%以上20モル%未満の割合で含む芳香族テトラカルボン酸成分と、パラフェニレンジアミンを全ジアミン成分に対して少なくとも約80モル%以上の割合で含む芳香族ジアミン成分とを、略等モル量を公知の方法によって有機極性溶媒中で、重合およびイミド化、次いで反応系からの粉末回収によって得ることができる。
本発明におけるポリイミド粉末は、平均粒子径(一次粒子)が0.5〜100μmの粉末が好ましい。
前記の芳香族テトラカルボン酸成分としては、3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類あるいはこれと2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類のみを前記の割合で使用することが粉末成形体の高いレベルの物性(特に機械的強度と使用時の耐熱性)から望ましいが、ビフェニルテトラカルボン酸類の一部、好適には50モル%以下、特に20モル%以下を他の芳香族テトラカルボン酸類で置き換えてもよい。なお、前記テトラカルボン酸類とは、テトラカルボン酸あるいはその酸二無水物またはその酸と低級アルコ−ルとのエステル化物等をいう。
これらの芳香族テトラカルボン酸類としては、ピロメリット酸あるいはその酸二無水物またはその酸と低級アルコ−ルとのエステル化物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸あるいはその酸二無水物またはその酸と低級アルコ−ルとのエステル化物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパンあるいはその酸二無水物またはその酸と低級アルコ−ルとのエステル化物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタンあるいはその酸二無水物またはその酸と低級アルコ−ルとのエステル化物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エ−テルあるいはその酸二無水物またはその酸と低級アルコ−ルとのエステル化物などを挙げることができる。
また、前記のジアミンは粉末成形品の物性と重合・イミド化の操作の簡単さからパラフェニレンジアミンあるいは4,4’−ジアミノゾフェニルエ−テルを単独で使用することが望ましいが、物性を実質的に損なわない範囲でその少量部、好適には約20モル%以下を他の芳香族ジアミンで置き換えてもよい。例えば、このようなジアミンとしては、メタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、ビス(4−アミノフェニル)ジメチルシラン、1,4−ビス(4−アミノ−フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−フェノキシ)ベンゼンなどを挙げることができる。
前記の各成分をN,N−ジメチルアセトアミドやN−メチル−2−ピロリドンなどのポリアミック酸(ポリイミド前駆体)の製造に通常使用される有機極性溶媒中で、好ましくは10〜80℃で1〜30時間重合して、ポリマ−の対数粘度(測定温度:30℃、濃度:0.5g/100ml溶媒、溶媒:N−メチル−2−ピロリドン)が5以下、ポリマ−濃度が25重量%以下であり、回転粘度(30℃)が4500ポイズ以下であるポリアミック酸(イミド化率:5%以下)溶液を得る。次いで、前記ポリアミック酸溶液を160〜300℃、0.2〜20時間程度加熱することによってイミド化を完了し、反応系からの粉末回収によってポリイミド粉末を得ることができる。
本発明においては、前記ポリイミド粉末に対して、0.75〜5質量%、好適には1〜3質量%の割合でDBP吸油量が300ml/100g以上の導電性カ−ボンブラックを添加し、好適には均一に混合して、本発明の帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末を得ることができる。
本発明においては、導電性カ−ボンブラックとして、DBP吸油量が300ml/100g以上の導電性カ−ボンブラックを添加することが必要であり、DBP吸油量が300ml/100g未満の導電性カ−ボンブラックを添加してもポリイミド粉末成形体の表面抵抗率を10〜10Ω/□程度とするためには大量の添加が必要となり却ってポリイミド粉末成形体の物性が低下するとか均一混合が困難である。
前記のDBP吸油量が300ml/100g以上の導電性カ−ボンブラックは、例えばライオン株式会社の各種ケッチェンブラック、例えばケッチェンブラックEC−600JD(粉末状、DBP吸油量が495ml/100g)、ケッチェンブラックEC(粉末状、DBP吸油量が360ml/100g)を挙げることができる。前記のDBP吸油量が300ml/100g以上の導電性カ−ボンブラックとしては、入手の容易さおよび効果の観点から、DBP吸油量が300〜550ml/100gの導電性カ−ボンブラックが好適である。
ポリイミド粉末に所定量のケッチェンブラックを添加した後、それ自体公知の混合方法、好適にはボ−ルミルを用いて1〜50時間程度混合して、本発明の帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末を得ることができる。
本発明において、前記帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末を金型内に充填し、圧力および熱を同時あるいは別々に加えて成形してポリイミド粉末成形体を製造することができる。
前記製法において、成形温度350〜600℃および成形圧力30〜2000MPaで加熱圧縮成形、または室温〜350℃および成形圧力30〜2000MPaにて得た予備成形体を非圧縮下350〜600℃にて後焼結を行うことによって、帯電防止ポリイミド成形体を得ることが好ましい。
また、前記のポリイミド粉末成形体を製造する装置としては、例えば、4柱式油圧式プレス、高圧ホットプレスなどを挙げることができる。また、前記の予備成形体は、例えば、ロ−タリ−プレス、タブレットマシ−ンを使用する方法によって形成することが好ましい。
本発明において、カーボンブラックのDBP吸油量はASTM D2414に従って測定したものである。また、ポリイミド成形体の表面抵抗率はJIS K6911に従って測定したものである。
以下、本発明を実施例及び比較例によって説明する。なお、以下の記載において、各略号は次の化合物を意味する。
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
PPD:パラフェニレンジアミン
a−BPDA:2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
s−BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
ODA:4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル
〔実施例1〕
NMP2987.89gと、ジアミン成分としてPPD140.58g(1.300モル)とを、攪拌機と還流冷却管(水分離器付き)、温度計および窒素導入管を装着した5Lの4つ口セパラブルフラスコに60℃において添加し、その混合液に窒素ガス流通と攪拌しながら、テトラカルボン酸成分としてa−BPDA26.77g(0.091モル)およびs−BPDA355.71g(1.209モル)をほぼ同時に添加し、2時間攪拌して各モノマ−成分をNMPに均一に溶解した溶液を調製した。次いで、その溶液を窒素ガス流通と攪拌を継続しながら、溶媒と生成水とを還流させ、生成水を除去しながら、約60分間で190℃まで昇温した。ポリイミド粉末の析出は内温165℃付近から始まった。内温が190℃に達した後、その温度で3時間継続し反応を完結させた。その後、反応液を冷却しポリイミド粉末を濾別し、その粉末をアセトンで洗浄し、さらに真空乾燥機により150℃で10時間乾燥し、次いで300℃にて常圧乾燥30分行いポリイミド粉末を得た。
上記で得られたポリイミド粉末400gにケッチェンブラック(ライオン社製EC−600JD、DBP吸油量が495ml/100g)を8g添加しボ−ルミルで24時間混合して、帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末を得た。
〔実施例2〕
円形の金型に実施例1で得た帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末を詰め、押し蓋をしないで300℃で6時間かけて予備加熱した後、直ちに金型に押し蓋を重ね、300℃に加熱したプレス機にセットして200MPaの圧力で押しながら450℃まで6時間かけて昇温した。その後、450℃になったら直ちに冷却を開始し12時間かけ室温まで下げ、金型から直径100mm、厚み25mmの帯電防止ポリイミド成形体を取り出した。この帯電防止ポリイミド成形体は全体が黒色で色斑は見られず分散性は良好であった。また、表面抵抗率は5×10Ω/□であった。
〔実施例3〕
ケッチェンブラック(ライオン社製EC−600JD、DBP吸油量が495ml/100g)の添加量を4gとした以外は、実施例1と同様に行って、帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末を得た。そして、この帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末を使用した他は実施例2と同様にして、帯電防止ポリイミド成形体を得た。
得られた帯電防止ポリイミド成形体は、全体が黒色で色斑は見られず分散性は良好であった。また、表面抵抗率は3×10Ω/□であった。
〔実施例4〕
テトラカルボン酸成分としてs−BPDAのみを382.49g(1.300モル)使用してポリイミド粉末を合成した以外は、実施例1と同様に行って、帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末を得た。そして、この帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末を使用した他は実施例2と同様にして、帯電防止ポリイミド成形体を得た。
得られた帯電防止ポリイミド成形体は、全体が黒色で色斑は見られず分散性は良好であった。また、表面抵抗率は5×10Ω/□であった。
〔実施例5〕
テトラカルボン酸成分としてs−BPDAを382.49g(1.300モル)ジアミン成分としてODAを260.31g(1.300モル)使用してポリイミド粉末を合成した以外は、実施例1と同様に行なって、帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末を得た。そして、この帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末を使用した他は実施例2と同様にして、帯電防止ポリイミド成形体を得た。
得られた帯電防止ポリイミド成形体は、全体が黒色で色斑は見られず分散性は良好であった。また、表面抵抗率は5×10Ω/□であった。
〔比較例1〕
カ−ボンブラックとして導電性カ−ボンブラック(三菱化学社、3350B、DBP吸油量が165ml/100g))を用いた他は、実施例1と同様に行なって、帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末を得た。そして、この帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末を使用した他は実施例2と同様にして、ポリイミド成形体を得た。
得られたポリイミド成形体は、部分的に斑点が見られ分散性は不良であった。また、表面抵抗率は4×1015Ω/□であった。
〔比較例2〕
カ−ボンブラックとしてグラファイト(日本黒鉛工業社製ACP、DBP吸油量が100ml/100g)を用い、添加量を40gとした以外は、実施例1と同様に行なって、帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末を得た。そして、この帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末を使用した他は実施例2と同様にして、ポリイミド成形体を得た。
得られたポリイミド成形体は、部分的に斑点が見られ分散性はやや不良であった。また、表面抵抗率は4×10Ω/□であった。
実施例1〜5で得られた帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末の粒径をSEM写真(5000倍)で測定したところ、いずれも20μm以下であった。
本発明によって、少量のカ−ボンブラックを添加することによって充分な帯電防止性能を有するポリイミド成形体を与える帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末を得ることができる。
また、本発明によって、少量のカ−ボンブラックを添加した帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末によって、充分な帯電防止性能を有するポリイミド成形体を製造することができる。
さらに、本発明によって、少量のカ−ボンブラックを添加した帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末によって、充分な帯電防止性能を有するポリイミド成形体を得ることができる。

Claims (6)

  1. 芳香族テトラカルボン酸成分とジアミン成分とから得られたポリイミド粉末に、ASTM D2414に従って測定したDBP吸油量が300ml/100g以上の導電性カーボンブラックをポリイミド粉末に対して0.75〜3質量%の割合で添加し、均一に混合してなる帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末。
  2. ポリイミド粉末が、芳香族テトラカルボン酸成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用いたものである請求項1に記載の帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末。
  3. ポリイミド粉末が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物からなる芳香族テトラカルボン酸成分およびパラフェニレンジアミンを80モル%以上含む芳香族ジアミン成分とからなり、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が全芳香族テトラカルボン酸成分中0.5モル%以上30モル%未満の範囲である請求項1に記載の帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末。
  4. ポリイミド粉末が、ジアミン成分としてパラフェニレンジアミンあるいは4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを用いたものである請求項1に記載の帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末。
  5. 請求項1〜4のいずれかにに記載の帯電防止ポリイミド成形体用ポリイミド粉末を金型内に充填し、圧力および熱を同時あるいは別々に加えて成形することによって得られる帯電防止ポリイミド成形体。
  6. JIS K6911に従って測定した表面抵抗率が104〜107Ω/□である請求項5に記載の帯電防止ポリイミド成形体。
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