JP5157013B2 - テンショナー - Google Patents

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Description

本発明は、無端状のベルトやチェーンの張力を一定に保つよう調整するテンショナーに関する。
テンショナーは、例えば、自動車のエンジンに使用されるタイミングチェーンやタイミングベルトを所定の力で押しており、これらに伸びや緩みが生じた場合に、その張力を一定に保つように作用する。
図23に、テンショナー100を自動車のエンジン本体200に実装した状態を示す。エンジン本体200の内部には、一対のカムスプロケット210とクランクスプロケット220とが配置されており、これらのスプロケット210、220の間にタイミングチェーン230が無端状となって掛け渡されている。また、タイミングチェーン230の移動路上には、チェーンガイド240が揺動自在に配置されており、タイミングチェーン230はチェーンガイド240を摺動するようになっている。エンジン本体200には、取付面250が形成されており、テンショナー100は取付面250に開設された取付孔260に挿通されてボルト270により取付面250に固定される。なお、エンジン本体200の内部には、図示しない潤滑用のオイルが封入されている。
従来のテンショナーは、走行するチェーンに向けて進退自在に突出する円柱状の推進部材と、この推進部材を進退自在に嵌挿する摺動孔が推進部材と同心円状に設けられたケースと、このケースに対して推進部材を突出方向に付勢する推進ばねと、前記摺動孔の先端開口側で同心円状に設けられた凹部内で推進部材に外嵌して推進部材の軸方向に変位するとともに前記凹部と同心円状に設けられたホルダー部材と、このホルダー部材を推進部材の突出方向に付勢するホルダーばねと、前記ホルダー部材に形成されたスロープ状のカム斜面内を滑動するとともに前記推進部材の外周に刻設された複数の係止歯にそれぞれ噛合する複数の係止駒と、前記摺動孔内で推進部材に外嵌して複数の係止駒の噛み外れを規制するカム誘導用リングと、前記推進部材を進退自在に嵌挿するとともに前記摺動孔の凹部内に順次配置したホルダーばねとホルダー部材と係止駒とカム誘導用リングを移動自在に封入する封止プレートとを備えている。このテンショナーは、エンジン運転時にチェーンが伸びてくると、推進部材が一歯分ずつ順次前進することによって、適正なチェーン張力を維持するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
以上の構造のテンショナーでは、推進部材は推進ばねにより進出方向に付勢され、係止駒が拡径して推進部材の係止歯を乗り越えながら、進出方向に移動可能である。また、推進部材は、後退方向には係止駒がカム斜面に押圧され縮径されて推進部材の係止歯と噛合うことにより後退が拘束されてロックされる。
エンジン本体に取付けられたとき、推進部材は、適切なチェーン張力が得られる位置まで進出し、チェーンガイドから振動を受けながら過度に戻ることを防止し、過大荷重が作用した場合は、ホルダー部材が後退しホルダーばねが撓んでチェーン張力を適正に保つように作用する。また、長期使用によりチェーンが伸びた場合は、チェーンガイドが前進するのに伴い適宜推進部材が進出して、最適なチェーン張力が得られる構造になっている。
特許第3717473号明細書
図24(a)は上記特許文献1と同様な構成による従来のテンショナーの縦断面図、(b)はその側面図、図25(a)は図24のテンショナーの推進部材が係止駒と完全係止状態の作動説明図、(b)は(a)のD−D線断面図、図26(a)は図25の推進部材前進時における係止駒拡径状態の作動説明図、(b)は(a)のE−E線断面図である。これらの図において、符号310は推進部材、320は係止駒、330はホルダー部材、340は推進ばね、350は係止駒320をホルダー部材330のカム斜面330aに押圧して推進部材310と噛み込ませるように縮径方向に付勢する押圧ばね、360はホルダーばね、370はケースである。
従来のテンショナーは、軸中心部から推進部材310→係止駒320→ホルダー部材330→ケース370の順で部品が同心円状に配置されている。通常ケース370の外径は、エンジン本体200の取付孔260の径(図23)に合せて決定するため、推進部材310の係歯部310bの外径は部品配列の関係で細くなる傾向がある。高出力エンジン等では、カムチェーンからの振動が大きく、その負荷過重に耐えるため推進部材310及び係止駒320の係止面積を増大するように推進部材310の外径を比例的に大きく取る必要がある。しかし、推進部材310の外径を大きくすると、ケース370の外径が大きくなり、所定の取付孔260に挿入できないため、設計自由度が小さい問題がある。
推進部材310が進出する際、係止駒320が一山越えて次の係止歯と噛合うときに、ホルダー部材330のカム斜面330aに沿って外径方向に拡径する。係止歯の山高さh、それを乗り越える拡径量cとすると、ホルダー部材330の内部に、製品寸法のばらつきがあっても確実に1山越えられるように、cより幾分大きめの隙間Cが必要であり(図25、26)、その分、ケース370の外径が大きくなる。係止駒320が2個対向配置の場合は2Cが必要となる。
また、係止駒320はノーバック設計であり、推進部材の後退方向には戻り作動が期待できない。エンジン内部の温度変化に伴うエンジン本体(ブロック)200の熱間膨張によりタイミングチェーン230が掛けられているクランク軸とカム軸間の距離が変動し(図23)、低温時は弛み、高温時は張り込む。低温時は、タイミングチェーン230が弛んでいるため、係止駒320が一山越えて次の係止歯と噛合うか噛合わないかの位置に推進部材310がある場合、バックラッシュによって主に「ガチャガチャ」という機械的な接触音が発生する。逆に高温時は、タイミングチェーン230が張り込んで推進部材310を後退方向に押し込む。このとき、係止駒320が推進部材310に完全に係合し、さらに推進部材310がタイミングチェーン230により押し込まれても推進部材310が後退できず、タイミングチェーン230に過大な張力を及ぼす過負荷状態となる。このような状況において、係止歯のピッチを細かくすることにより接触音の低減を図るとともに、過負荷防止のためホルダー部材330の背面に設置したホルダーばね360が縮むことにより過負荷防止を行っている。しかし、係止歯のピッチを細かくし過ぎると、係止歯の山高さhが低くなり、係止歯の強度が低下するなど設計自由度が小さく限定される。
さらに、従来のテンショナーは、上記の推進部材310、係止駒320、ホルダー部材330、推進ばね340、押圧ばね350、ホルダーばね360を内部に配置するためのケース370が必要であり、形状も複雑な構造である等々の問題点があった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、構造を簡素化し、係止歯の強度アップ及びバックラッシュの低減、部品点数削減及びコストダウンが可能で設計自由度が大きいテンショナーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1の発明のテンショナーは、複数の係止歯が形成された筒状部材と、前記係止歯に係合する係止歯が形成された1つ又は複数の係止駒と、前記筒状部材に係合する係止駒を受け止める係止駒受け部又は係止駒支持部を有し、前記筒状部材の内部に配置されるシャフト部材と、を備え、前記筒状部材又はシャフト部材のいずれか一方が、付勢力により進退自在に推進する推進部材となっており、前記係止駒が縮径方向に移動して前記筒状部材の係止歯を乗り越えることにより前記推進部材の進出を可能とし、前記係止駒が拡径方向に移動して前記筒状部材の係止歯に係合することにより前記推進部材の後退を拘束するラチェット機構が設けられていることを特徴とする。
従来のテンショナーにおいては、推進部材が推進するとき1対の係止駒が係止歯を乗り越える際に必要な可動空間が、従来のテンショナーにおいては外周方向に2箇所の2C必要であった(図25、26)のに対し、請求項1の発明では、係止駒が縮径方向に移動して乗り越えるため、隙間Cを外周方向に設ける必要がない。さらに、従来のテンショナーにおけるホルダー部材330(図24)を設ける必要がないことから、ケース胴部の外径を従来のテンショナーと同一にした場合は、これらの径方向寸法を筒状部材の増径に充当させることが可能となる。筒状部材が増径すると、横方向の荷重に対する剛性が増大する。また、従来のテンショナーと同一の筒状部材の外径とした場合、係止駒と筒状部材内面の係止歯の強度を大きな荷重に耐え得る寸法に設定することができる。一方、筒状部材の内径を従来のテンショナーの推進部材の外径と同等とした場合は、係止駒と筒状部材内面の係止歯の強度が同一であるにも拘らずテンショナー全体を細くしたコンパクト化が可能である。
請求項2の発明は、請求項1記載のテンショナーであって、前記ラチェット機構は、前記係止駒受け部に形成され、前記係止駒を前記筒状部材の係止歯に係合する方向に拡径させるように形成されたカム斜面と、前記係止駒をシャフト部材のカム斜面に押圧して拡径方向に付勢する押圧ばねを備えていることを特徴とする。
請求項2記載の発明では、シャフト部材のカム斜面及び押圧ばねによる簡単な構造のラチェット機構により、係止駒が拡径して筒状部材の係止歯に係合し、推進部材の後退を拘束する。また、押圧ばねが係止駒をシャフト部材のカム斜面に押圧して拡径方向に付勢することにより、係止駒及び筒状部材の係止歯のがたつきのない係合が可能となる。
請求項3の発明は、請求項1又は2記載のテンショナーであって、前記ラチェット機構は、前記係止駒支持部に形成され、前記係止駒を収容する係止駒収容溝と、前記係止駒収容溝内の係止駒を径方向に揺動自在に枢支する支持軸と、前記係止駒を拡径方向に付勢する押圧ばねと、を備えていることを特徴とする。
請求項3記載の発明では、シャフト部材の係止駒収容溝内で支持軸及び押圧ばねにより係止駒を径方向に揺動自在に枢支する簡単な構造のラチェット機構により、係止駒が拡径して筒状部材の係止歯に係合し、推進部材の後退を拘束する。また、押圧ばねが係止駒をシャフト部材のカム斜面に押圧して拡径方向に付勢することにより、係止駒及び筒状部材の係止歯のがたつきのない係合が可能となる。
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載のテンショナーであって、前記筒状部材及び係止駒の係止歯は、軸方向と直角方向の溝状に形成されたリード0の平歯、1条又は多条ねじ状歯のいずれかであることを特徴とする。
請求項4記載の発明において、筒状部材及び係止駒の係止歯がリード0の平歯では、加工が容易で係止駒及び筒状部材の相対的な回転無しで係脱可能なラチェット機能が得られる。ねじ状歯では所定の強度を確保することができる。そして、ピッチとリードが同一の1条ねじでは通常の汎用的なねじ加工が可能であり、ピッチを細かくして係止駒及び筒状部材の係止歯のがたつきを防止でき、ピッチと条数との積算値がリードとなる多条ねじでは、さらにピッチを細かくして係止駒及び筒状部材の係止歯のがたつきを一層防止することができる。
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載のテンショナーであって、前記筒状部材の内面にシャフト部材の外面が径方向の隙間を介して軸方向に相対移動可能に配置されることを特徴とする。
請求項5記載の発明では、筒状部材の内面とシャフト部材の外面との径方向の隙間を小さくするため、シャフト部材が筒状部材に長手方向に亘って進退自在に支持されることから偏入力(横荷重)に対する強度を高くすることができる。また、筒状部材内に油圧を作用させる場合に、シールに適した隙間に設定することによりシールの機能を持たせることができる。さらに、シール性を高める必要がある場合には、筒状部材の内面とシャフト部材の外面との間にシール部材を組み入れて油圧のシール性を確保することができる。
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項記載のテンショナーであって、前記推進部材が推進する方向に油圧を作用させる油圧源を備えていることを特徴とする。
請求項6記載の発明では、油圧源から推進部材の推進方向に油圧を作用させることにより推進部材の推進力がアップするため、これに相応して圧縮力を低く設定した小形の推進ばねを用いることができる。また、粘性を有する油圧油が、推進部材及び係止駒等の可動部材の作動に対して油圧油の粘性抵抗によるダンピング効果及び潤滑効果が付加されるため、推進部材の進退時の振幅を安定的に抑制することができるとともに、これら可動部材の摩耗を抑制することができ、耐久性を向上させることができる。
本発明によれば、係止駒、シャフト部材が筒状部材内に収容され、軸心から外周方向に向かってシャフト部材、係止駒、筒状部材の順に配列され、係止駒が縮径方向に移動して乗り越えるため、隙間Cを外周方向に設ける必要がないとともに、ホルダー部材を設ける必要もないことから、筒状部材の径を適宜選定できる。従って、従来のテンショナーと同一の筒状部材の外径であっても、筒状部材を増径した場合には、横方向荷重に対する剛性を高めることが可能となり、また、係止駒と筒状部材内面の係止歯の強度を大きな荷重に耐え得る寸法に設定することができる。また、係止駒及び筒状部材の係止歯の強度が同一であるように筒状部材の内径を従来のテンショナーの推進部材の外径と同等とする場合は、テンショナー全体を従来のテンショナーよりも細くなったコンパクト化が可能となる。
従って、本発明によれば、構造を簡素化し、係止歯の強度アップ及びバックラッシュの低減、部品点数削減及びコストダウンが可能で設計自由度が大きいテンショナーを提供することができる。
以下、本発明のテンショナーを実施するための実施形態図面を参照しながら詳細に説明する。
[実施形態1]
図1(a)は本発明の実施形態1のテンショナーを示す縦断面図、(b)はその右側面図、(c)は(a)のA−A線断面図、図2は実施形態1のテンショナーの先端要部(ラチェット機構部)の分解斜視図、図3(a)は実施形態1のシャフト部材の側面図(一部縦断面図)、(b)、(c)はその平面図、右側面図、図4(a)は実施形態1の係止駒の側面図(上半縦断面図)、(b)、(c)はその左側面図、右側面図、図5(a)は実施形態1の回転防止板の側面図、(b)及び(c)はその平面図及び左側面図である。
実施形態1のテンショナーは、中空内面に複数の係止歯1bが形成された推進部材である筒状部材1、筒状部材1内面の係止歯1bに係合する1対の割断ナット状の係止駒2、筒状部材1の中空内に遊嵌され、先端部外周側に係止駒2を受け止める係止駒受け部を有するシャフト部材3、筒状部材1を推進方向に付勢する推進ばね4、係止駒2をシャフト部材3の係止駒受け部方向に付勢する押圧ばね5、シャフト部材3を筒状部材1の推進方向に付勢するホルダーばね6、筒状部材1を進退自在に嵌挿する有底中空状のケース7等から大略構成されている。
ケース7は、胴部7aの中間部にフランジ部7bを備えた略有底円筒状に形成されている。胴部7a内部には、先端部にかけて軸方向(推進方向)に延びる収納孔7cが形成されている。収納孔7cの先端部分は開放されており、この収納孔7c内に、筒状部材1、係止駒2、シャフト部材3、推進ばね4、押圧ばね5、ホルダーばね6の組付体が収容される。ケース7の後端底部7eに開設されたねじ穴7fには、先端部がねじ径より細いシャフト状のガイド部16aが延長された保持ボルト16が螺着されている。
ケース7のフランジ部7bは、エンジン本体200への取付けを行うものであり、エンジン本体200に螺合するボルト270(図23)が貫通する取付孔7dが形成されている。エンジン本体200への取付けに際しては、図23に示すように、フランジ部7bの先端面がエンジン本体200の取付面250に当接する。
筒状部材1は、後端部1cが開口し、先端に閉鎖壁1aを有し、内面には、1対の係止駒2が係合する係止歯1bが形成されている。エンジン本体200へのテンショナー取付けに際しては、図23に示すように、この筒状部材1の閉鎖壁1aの先端面がベルト又はチェーンガイド240に当接して取付けられる。
筒状部材1の後端1c面とケース7の後端底部7e内面との間に圧縮ばね部材からなる推進ばね4がケース7の収納孔7c内面寄りに配置されている。推進ばね4によって付勢されることにより筒状部材1がケース7から突出して軸方向に推進する。
シャフト部材3は、図1、図3に示すように、後端部に設けられたフランジ3aの中央部からガイド穴3bが穿設され、このガイド穴3bがケース7の底部7eに取付けられた保持ボルト16のガイド部16に進退自在に挿通される。シャフト部材3の先端部の外周側には推進方向に漸次縮径する円錐面状のカム斜面3cが形成されとともにその後方に平行カット面3d及び溝3eが連設されている。カム斜面3cが後述する1対の割断ナット状の係止駒2を受け止める係止駒受け部となっている。
このように形成されたシャフト部材3は、フランジ3a部より先端側が筒状部材1内に軸方向に相対移動可能に嵌挿される。この場合、シャフト部材3の外径は、筒状部材1内の係止歯1bの内径より僅かに小さく設定される。筒状部材1の内面とシャフト部材3の外面との径方向の隙間を小さくし、筒状部材1内に油圧を作用させる場合に筒状部材1の後端1c内面とシャフト部材3の外面との間にシール部材12を組み入れて油圧のシール性を確保することができる。
シャフト部材3のフランジ3aの後端面とケース7の後端底部7e内面との間に圧縮ばねからなるホルダーばね6が配置されている。ホルダーばね6によってシャフト部材3は筒状部材1の推進方向に付勢されている。このため、エンジンからの過負荷が作用した場合に、筒状部材1の係止歯1bと係合している係止駒2をカム斜面3cで受け止めるシャフト部材3の後退方向の力を受けたホルダーばね6が圧縮されてシャフト部材3が後退する。このことにより過負荷防止が確保される。
係止駒2は、図1、2及び4に示すように、外周に係止歯2aが形成された円筒ナットを割断した平行カット面2dを有する形状となっている。係止駒2の後端内周側に筒状部材1の推進方向に漸次縮径する部分円錐面状のカム斜面2bが形成され、先端には部分円筒面状の小径段部2cが形成されている。カム斜面2bは、シャフト部材3のカム斜面3cに相応して滑動自在に嵌合する形状となっている。この実施形態でも、2個1対の係止駒2が中心軸を挟んだ状態で対向している。
シャフト部材3先端部の平行カット面3d及び係止駒2に係合してシャフト部材3及び係止駒2の相対回転を拘束する回転防止板8が、筒状部材1の先端の内部に配置されている。
回転防止板8は、図5に示すように、中心孔8dを有し、両側に平行カット面が形成されたフランジ部8b、フランジ部8bの平行カット面に連続して直角に屈曲され軸方向に延びる1対の平行アーム8a及び1対のアーム8aの後端部が軸方向に対向してそれぞれ直角に屈曲形成された爪部8cからなる薄板部材によって形成されている。1対の平行アーム8a間内にシャフト部材3及び係止駒2の平行カット面3d、2dが共に挟み込まれて収容され、後端の爪部8cがシャフト部材3の先端部の溝3eに嵌合されるとともに、先端のフランジ部8bが筒状部材1の先端中空内に内嵌される。回転防止板8に対し係止駒2は筒状部材1の軸方向には平行アーム8a内面に沿って移動可能であるが、シャフト部材3及び係止駒2の相対回転は拘束された状態となる。
図1、2に示すように、係止駒2の小径段部2cと回転防止板8のフランジ部8bとの間には圧縮ばね部材からなる押圧ばね5が配置されている。この押圧ばね5によって係止駒2はシャフト部材3のカム斜面3cに押圧される方向に常時付勢されている。このように、押圧ばね5が常に係止駒2をシャフト部材3のカム斜面3cに押圧して拡径方向に付勢することにより、係止駒2及び筒状部材1の係止歯2a、1bのがたつきのないバックラッシュを低減した係合が確保される。
係止駒2及び筒状部材1の係止歯2a、1bは、軸方向と直角方向の溝状に形成されたリード0の平歯(ラック)、あるいは1条又は多条ねじ状歯のいずれかで構成することができる。
係止歯2a、1bがリード0の平歯では係止駒2及び筒状部材1の相対的な回転無しで係脱可能なラチェット機能が得られる。ねじ状歯では所定の強度を確保しながら、1条ねじではピッチを細かくして係止歯2a、1bのがたつきを防止でき、多条ねじではさらにピッチを細かくして係止歯2a、1bのがたつきを一層防止できる。
この実施形態では、係止駒2、シャフト部材3、押圧ばね5及び回転防止板8が筒状部材1内に収容され、軸心から外周方向に向かってシャフト部材3、係止駒2、筒状部材1の順に配列され、係止駒2及び筒状部材1を係合させた状態でケース7の収納孔7c内に配置される。
以上の実施形態1のテンショナーにおいて、筒状部材1の推進方向には係止駒2の縮径方向に移動して係止歯2aが筒状部材1内面の係止歯1bを乗り越えることにより筒状部材1が推進可能であり、筒状部材1の後退方向には、係止駒2及び筒状部材1の係止歯2a、1bとの係合により後退が拘束されるラチェット機構を有している。
ラチェット機構は、係止駒2を筒状部材1内面の係止歯1bに係合させる方向に拡径させるシャフト部材3及び係止駒2のカム斜面3c、2bと、係止駒2をシャフト部材3のカム斜面3cに押圧して拡径方向に付勢する押圧ばね5とを備えている。筒状部材1が推進する際には、係止駒2がカム斜面3cへの押圧に抗してシャフト部材3のカム斜面3cに沿って縮径方向に移動して係止歯2aが筒状部材1内面の係止歯1bを乗り越えることにより筒状部材1が推進可能である。筒状部材1が後退する際には、係止駒2がシャフト部材3のカム斜面3cに押圧され拡径方向に移動して係止駒2の係止歯2aが筒状部材1内面の係止歯1bに係合することにより後退が拘束される。
本発明のテンショナーのさらに詳細な作動については、実施形態1と基本的に構成が同様な実施形態2において具体的に説明する。
以上の構成による実施形態1においては、係止駒2、シャフト部材3が筒状部材1内に収容され、軸心から外周方向に向かってシャフト部材3、1対の係止駒2、筒状部材1の順に配列されている。これにより、筒状部材1が推進するとき係止駒2が筒状部材1内面の係止歯1bを乗り越える際に必要な空間が、従来のテンショナーにおいては外周方向に2箇所の2C必要であったのに対し、この実施形態では係止駒2が縮径方向に移動して乗り越えるため、隙間Cを外周方向に設ける必要がない。さらに、従来のテンショナーのホルダー部材330を設ける必要がないことから、ケース胴部7aの外径を従来のテンショナーのケース胴部の外径d5と同一にした場合は(図24参照)、これらの径方向寸法を筒状部材1の増径に充当することが可能となる。
筒状部材1が増径すると、横方向の荷重に対する剛性もアップする効果があり、従来のテンショナーのケース胴部の外径d5と同一の筒状部材1の外径とする場合には、係止駒2及び筒状部材1内面の係止歯2a、1bの強度を大きな荷重に耐え得る寸法に設定することができる。一方、筒状部材1の内径d1を従来のテンショナーの推進部材の外径d1と同等とした場合は、係止歯2a、1bの強度が同一であるにも拘らずテンショナー全体を細く構成したコンパクト化が可能である。
表1は、従来のテンショナーとの要部寸法(単位:mm)の比較を示す。記号は、図1、24に示す通りである。
Figure 0005157013
従来品のケースの胴部7aの外径d5を20mmとした場合、本発明1例は筒状部材1の内径d1を従来品の推進部材の係止歯の外径d1と同等としたものである。この場合、従来品のケースの胴部の外径d5は20mm程度必要であるが、本発明1例では16mm程度で良い。このように本発明はコンパクト化が可能で、さらに、胴部7aの外径d5を従来品と同じにした場合はより大きな荷重に耐えることができる。
本発明2例は、胴部7aの外径d5を従来品と同一径に合せたものである。この場合、筒状部材1の係止歯1bの外径d1が従来品の8mmに対して12mmと大きくすることができる。この理由は、上述した通りである。
[実施形態2]
図6(a)は本発明の実施形態2のテンショナーを示す縦断面図、(b)は(a)のB−B線断面図、図7は実施形態2のテンショナーの先端要部(ラチェット機構部)の分解斜視図、図8(a)は実施形態2のシャフト部材の側面図、(b)、(c)はその平面図、右側面図、図9(a)は実施形態2の係止駒の側面図、(b)、(c)はその左側面図、右側面図、図10(a)は実施形態2の回転防止板の側面図、(b)、(c)はその平面図、左側面図、図11(a)は実施形態2の押えプレートの側面図、(b)はその左側面図である。
実施形態2においては、実施形態1におけるシャフト部材3の形状及びケース7後端部への取付け構造の形態が異なる点、係止駒2と押圧ばね5と間に押えプレート9が追加されるとともに係止駒2と押えプレート9との当接部ならびに回転防止板8の形状が異なる点を除く他の構成は実施形態1と同様である。したがって、これらの変更点について以下に説明する。
この実施形態のケース7は、後端底部7e中央に、収納孔7c内中間部まで軸方向に延出した突起部7gが設けられ、この突起部7g中心部にガイド孔7hが開設されており、この点を除く他の構成は実施形態1と同様である。
ケース7の突起部7gの外径は、筒状部材1内の係止歯1bの内径より僅かに小さく設定される。筒状部材1の内面と突起部7gの外面との径方向の隙間を小さくすることにより、筒状部材1内に油圧を作用させる場合のシールの役目をする。さらに、高いシール性を必要とする場合は、筒状部材1の後端1c内面と突起部7gの外面との間にシール部材12を組み入れて油圧のシール性を確保することができる。
シャフト部材3は、図6、8に示すように、後端部にねじ部3fが設けられ、シャフト部がケース7の底部7eに設けけられた突起部7gのガイド孔7h内に進退自在に嵌挿された状態で、ねじ部3fに後述するナット17が螺着される。
シャフト部材3の先端部の外周側には、推進方向に漸次縮径する円錐面状のカム斜面3cがシャフト部より大径の傘状段端面3gを有して形成されるとともに平行カット面3d及びカム斜面3cの先端に溝3iが穿設された小径軸部3hが連続して形成されている。このカム斜面3cが後述する1対の割断ナット状の係止駒2を受け止める係止駒受け部となっている。段部3gの外径は、筒状部材1内の係止歯1bの内径より僅かに小さく設定される。平行カット面3d及び小径軸部3hの機能については後述する。
この実施形態2においても、シャフト部材3の段部3gの後端面とケース7の突起部7gの先端面との間に圧縮ばねからなるホルダーばね6がシャフト部材3のシャフト部に外嵌されている。このホルダーばね6により、シャフト部材3は筒状部材1の推進方向に付勢されている。これにより、エンジンからの過負荷が作用した場合に、筒状部材1と係合している係止駒2をカム斜面3cで受け止めるシャフト部材3の後退方向の力を受けたホルダーばね6が圧縮されてシャフト部材3が後退する。このことにより過負荷防止が可能である。
実施形態2の係止駒2は、図6、7及び9に示すように、外周に係止歯2aが刻設された円筒ナットを割断した平行カット面2dを有する形状となっており、後端内周側に筒状部材1の推進方向に漸次縮径する部分円錐面状のカム斜面2bが形成され、先端には推進方向に漸次縮径する部分円錐面状の小径段部2cが形成されている。カム斜面2bは、シャフト部材3のカム斜面3cに相応して滑動自在に嵌合する形状に形成されている。この実施形態でも、係止駒2が中心軸を挟み対向して1対が配置されている。
また、シャフト部材3の先端部の平行カット面3d及び係止駒2に係合してシャフト部材3及び係止駒2の相対回転を拘束する回転防止板8が、係止駒2の先端小径段部2cに固定されている。
回転防止板8は、図10に示すように、中心孔8dを有し、両側に平行カット面8eが形成されたフランジ部8b、フランジ部8bの平行カット面8eに連続して直角に屈曲され軸方向に延びる1対の平行アーム8aからなる薄板部材によって一体的に形成されている。1対の平行アーム8a間内にシャフト部材3及び係止駒2の平行カット面3d、2dが共に挟み込まれて密着状態で収容される。図6に示すように、先端のフランジ部8bが中空孔8dを介してシャフト部材3の小径軸部3hに挿通される係止駒2の小径段部2cに嵌着される。この回転防止板8により、係止駒2は筒状部材1の軸方向には回転防止板8と共に一体的に移動可能であるが、シャフト部材3及び係止駒2の相対回転は拘束された状態となる。
図6、7に示すように、係止駒2の部分円錐面状の小径段部2cと筒状部材1先端の閉鎖壁1a内面との間には、押圧ばね5を保持する押えプレート9がシャフト部材3先端部の小径軸部3hに軸方向に移動可能に配置されている。
押えプレート9は、図6、11に示すように、略円筒体の先端部に外フランジ部9bを有し、内面の軸方向中間部に中心円孔9aが開設された内フランジ部9dを有し、さらに、先端部に推進方向に漸次縮径する円錐面状のカム斜面9cが形成されている。
押えプレート9は、同心円孔9a部がシャフト部材3の小径軸部3hに摺動自在に外嵌され、小径軸部3hの溝3i内に係合するCリング10に内フランジ部9dの先端面が当接することにより小径軸部3h先端からの脱落が防止されている。そして、押えプレート9のカム斜面9cは、係止駒2の部分円錐面状の小径段部2cに相応した形状に形成され当接して押圧されることにより、筒状部材1が進出する際、係止駒2が縮径方向に移動を促す。
さらに、図6、7に示すように、係止駒2の小径段部2cに嵌装された回転防止板8のフランジ部8b前面と押えプレート9の外フランジ部9b後面との間には圧縮ばねからなる押圧ばね5が押えプレート9の円筒体の外周に配置されている。押圧ばね5により、係止駒2はシャフト部材3のカム斜面3cに押圧される方向に常時付勢されている。このように押圧ばね5が常に係止駒2をシャフト部材3のカム斜面3cに押圧して拡径方向に付勢することにより、係止駒2及び筒状部材1の係止歯2a、1bのがたつきのないバックラッシュを低減した係合を確保できる。
この実施形態2において、係止駒2、シャフト部材3、押圧ばね5及び回転防止板8、押えプレート9が筒状部材1内に収容され、軸心から外周方向に向かってシャフト部材3、係止駒2、筒状部材1の順に配列され、係止駒2及び筒状部材1を係合させた状態でケース7の収納孔7c内に配置される。この際に、シャフト部材3のシャフト部がケース7の突起部7gのガイド孔7h内に嵌挿された状態で、シャフト部材3のねじ部3fに螺着されるナット17は、シャフト部材3のシャフト部に外嵌されて段部3gとケース7の突起部7gとの間に弾装されるホルダーばね6の所定の初期設定圧縮力が得られるように締め付け調整される。
以上の構成による実施形態2においても、実施形態1と同様に、ラチェット機構により筒状部材1が、推進方向には係止駒2が縮径方向に移動して係止歯2aが筒状部材1内面の係止歯1bを乗り越えることにより推進可能で、後退方向には係止駒2及び筒状部材1の係止歯2a、1bとの係合によるロック機能を備えることにより後退が拘束される。
実施形態2においても、係止駒2、シャフト部材3が筒状部材1内に収容され、軸心から外周方向に向かってシャフト部材3、係止駒2、筒状部材1の順に配列され、係止駒2が縮径方向に移動して乗り越えるため、従来のテンショナーにおける外周方向に必要な隙間(2C:図25、26参照)を設ける必要がない。このため筒状部材1の増径に充当させることが可能となり、係止駒2及び筒状部材1内面の係止歯2a、1bの強度が大きな荷重に耐え得るテンショナーとすることができる。また、係止歯2a、1bの所定の強度を確保しながらテンショナー全体を細くしたコンパクト化も可能である。
図12は、実施形態2のテンショナーの作動を示し、(a)はエンジン熱間運転時の過負荷状態、(b)はエンジン通常運転時の適正負荷状態、(c)はエンジン冷間運転時の軽負荷状態を示す。
エンジン内部の温度変化に伴うエンジンブロックの熱間膨張によりタイミングチェーンの掛けられているクランク軸とカム軸間の距離が変動し、低温時は弛み、高温時は張り込むことにより、タイミングチェーンを押圧保持しているテンショナーに対しエンジン熱間運転時の過負荷状態、通常運転時の適正負荷状態、冷間運転時の軽負荷状態が発生することは前述した通りである。
図12(a)に示すエンジン熱間運転時の過負荷状態においては、タイミングチェーンからの過負荷を受けた筒状部材1が後退する際に、係止駒2がシャフト部材3のカム斜面3cに押圧され拡径して筒状部材1の係止歯1bと係止駒2の係止歯2aが係合する。この状態でさらに、これらを収容する筒状部材1と共に一体となってシャフト部材3が押し込まれることによりホルダーばね6が圧縮されシャフト部材3の傘状段端面3gがP1の位置まで後退する。このとき、筒状部材1の先端面はP3の位置にある。
図12(b)に示すエンジン通常運転時の適正負荷状態においては、タイミングチェーンからの適正負荷を受けた筒状部材1の係止歯1bと係止駒2の係止歯2aが係合してガタ(隙間)がない状態が保持される。このとき、シャフト部材3は前記過負荷状態における傘状段端面3gの位置P1からP2まで進出するとともに、筒状部材1は前記過負荷状態における先端面の位置P3からP4まで進出した状態にある。
図12(c)に示すエンジン冷間運転時の軽負荷状態においては、タイミングチェーンからの軽負荷を受けた筒状部材1と係止駒2が進出し始めるとともに、係止駒2は進出しながら図12(c)中の矢印で示す内径方向にスライドして筒状部材1の係止歯1bと係止駒2の係止歯2aは係合状態から外れ始める。さらに筒状部材1が進出すると、係止駒2の係止歯2aが筒状部材1の係止歯1bを1つ乗り越えて再度、前記適正負荷作用時のような両者の係止歯2a、1bが係合状態となる。このとき、シャフト部材3は前記適正負荷状態における傘状段端面3gの位置P2に留まったままで、筒状部材1だけの先端面の位置が前記適正負荷状態におけるP4からP5まで進出した状態となる。
以上説明した実施形態1、2における圧縮ばね部材からなる推進ばね4、押圧ばね5及びホルダーばね6は、上記エンジン運転時の負荷状態におけるテンショナーの作動を満足するように設定圧縮力が相対的にバランス調整されて筒状部材1内に組み込まれている。
[実施形態3]
図13は、本発明の実施形態3のテンショナーを示す縦断面図、図14は実施形態3のテンショナーの先端要部(ラチェット機構部)の分解斜視図である。
実施形態3では、前記実施形態1、2におけるケース7内に収容された組み付け部材の全体を軸方向前後逆転配置するとともにケース7及びホルダーばね6を省いた簡単な構造としている。そして、筒状部材1を直接エンジン本体200の取付け孔260内に挿入して固着し、シャフト部材3を進出するように推進部材として設定している。筒状部材1及びシャフト部材3の両端部の形状が若干異なるとともに筒状部材1のエンジン本体200への取付け構造が異なるものの、他の構成は実施形態2と基本的に同様である。
この実施形態3の筒状部材1は、両端部が開口し、内面には1対の係止駒2が係合する係止歯1bが全面的に形成され、後端には外フランジ部1dが設けられている。筒状部材1の外フランジ部1dから先側の胴部がその外面に配置された後述するホルダーばね6と共に取付け孔260内に挿通されるとともに、外フランジ部1dがエンジン本体200の取付け面250に当接した状態でキャップ状取付け蓋11により外フランジ部1dが被せられている。
キャップ状取付け蓋11は、図14に示すように、フランジ部11aに設けられたボルト取付け孔11bに挿通されたボルト21がエンジン本体200の取付け面250の雌ねじ穴251内に螺合され、筒状部材1の外フランジ部1dと共にエンジン本体200の取付け面250に固定される。
実施形態3のシャフト部材3は、先端に筒状部材1の先端1c’から突出して外フランジ3aが設けられ、外フランジ3aから後側のシャフト部が筒状部材1内に挿通されるとともに、外フランジ3aの先端面が図示しないベルト又はチェーンガイドに当接して進退自在に推進する。この場合も、シャフト部材3の挿入部の外径は、筒状部材1内の係止歯1bの内径より僅かに小さく設定される。筒状部材1の内面とシャフト部材3の外面との径方向の隙間を小さくすることにより、シャフト部材3と筒状部材1の横荷重強度を高めることが可能である。また、筒状部材1内に油圧を作用させる場合に、シールに適した隙間に設定することによりシールの機能を持たせることが可能で、さらに、シール性を高める必要がある場合には、筒状部材1の先端内面とシャフト部材3の外面との間にシール部材12を組み入れて油圧のシール性を確保することができる。
シャフト部材3の後端部の外周側には、推進方向に漸次拡径する円錐面状のカム斜面3cが形成されるとともに図示しない平行カット面及びその後端に溝3iが穿設された小径軸部3hが連続して形成されている。このカム斜面3cが前記実施形態と同様な1対の割断ナット状の係止駒2を受け止める係止駒受け部となっている。
シャフト部材3の外フランジ3a後面と筒状部材1の外フランジ部1d前面との間に圧縮ばねからなる推進ばね4が筒状部材1の胴部に外嵌された状態でエンジン本体200の取付け孔260内に配置されている。この推進ばね4によって付勢されることによりシャフト部材3が筒状部材1から突出して軸方向に推進する。
この実施形態においては、前記実施形態1、2におけるホルダーばね6が省かれている。エンジンからの過負荷が作用した場合には、シャフト部材3の後退方向の力をカム斜面3cに押圧された係止駒2が係合している筒状部材1が受け、取付け蓋11が押圧されてその取付けフランジ部が変形することにより過負荷防止が行われるように設計することも可能ではある。しかし、この実施形態は、過負荷防止用のホルダーばねが省かれている簡略型として、実施形態1、2に比べて比較的軽負荷運転を行う中小型エンジン用に適している。
実施形態3の係止駒2は、前記実施形態1、2における係止駒2を前後逆転して用いられるもので、先端内周側にシャフト部材3の推進方向に漸次拡径する部分円錐面状のカム斜面2bが形成され、後端には小径段部2cが形成されており、その他の形状は実施形態1、2と同様である。この実施形態でも、係止駒2が中心軸を挟み対向して1対(2個)配置されている。
この実施形態においても押えプレート9が、シャフト部材3の小径軸部3hに摺動自在に外嵌されるとともに、小径軸部3hの溝3i内に係合するCリング10により小径軸部3h後端からの脱落が防止されている。
さらに、押えプレート9と係止駒2の小径段部2cに嵌装されたワッシャ8’との間には圧縮ばねからなる押圧ばね5が配置されている。押圧ばね5により、係止駒2はシャフト部材3のカム斜面3cに押圧される方向に常時付勢されている。これにより、押圧ばね5が常に係止駒2をシャフト部材3のカム斜面3cに押圧して拡径方向に付勢する。このことにより、係止駒2及び筒状部材1の係止歯2a、1bのがたつきのないバックラッシュを低減した係合が確保できる。なお、この実施例では、前記実施形態1、2における回転防止板8に換えて前記ワッシャ8’が設けられていることから、係止駒2はシャフト部材3のカム斜面3cの周りを回転可能となっている。
以上の構成による実施形態3において、前記実施形態1、2と同様なラチェット機構によりシャフト部材3が、推進方向には係止駒2が縮径方向に移動して係止歯2aが筒状部材1内面の係止歯1bを乗り越えることにより推進可能で、後退方向には係止駒2及び筒状部材1の係止歯2a、1bとの係合によるロック機能を備えることにより後退が拘束される。そして、小型エンジンの通常運転時の適正負荷状態、冷間運転時の軽負荷状態に相応して前記実施形態1、2と同様な作動を行うことができる。
実施形態3においても、係止駒2、シャフト部材3が筒状部材1内に収容され、軸心から外周方向に向かってシャフト部材3、係止駒2、筒状部材1の順に配列され、係止駒2が縮径方向に移動して乗り越えるため、従来のテンショナーにおける外周方向に必要な隙間(2C:図25、26参照)を外周方向に設ける必要がない。このため筒状部材1の増径に充当させることが可能となる。また、係止駒2及び筒状部材1内面の係止歯2a、1bの強度が大きな荷重に耐え得るテンショナーとすることができる。そして、係止歯2a、1bの所定の強度を確保しながらテンショナー全体を細くしたコンパクト化も可能である。
これに加えて、実施形態3においては、実施形態1、2におけるケース7及びホルダーばね6を省いているため、テンショナーの構造を簡素化し、コンパクト化、軽量化及びコストダウンを図ることができる。
図15は、実施形態3の変形形態のテンショナーを示す縦断面図、図16(a)は図15のシャフト部材の側面図(一部縦断面図)、(b)、(c)はその平面図、左側面図である。
この変形形態においては、実施形態3における係止駒2が中心軸に対して片側に1個設けられている点と、これに伴いシャフト部材3の後端部の係止駒受け部関係の構成形状が部分的に変更されている点が異なるだけで、他の構成は実施形態3と同様である。
この変形形態のシャフト部材3の後端部の外周側には、推進方向に漸次拡径する平面状のカム斜面3cを有するカム溝3jが1箇所形成されるとともに図示しない平行カット面が形成されている。このカム溝3jが係止駒2をスライド自在に収容する溝幅を有し、これにより係止駒2及びシャフト部材3の相対回転が拘束されるとともに、カム斜面3cが係止駒2を受け止める係止駒受け部となっている。
したがって、この変形形態においては、前記実施形態における回転防止板8が省かれており、さらに構成が簡素化され、コストダウンを図ることができ、軽負荷運転を行う小型エンジン用に好適である。
この変形形態の係止駒2は、前記実施形態1、2における係止駒2を前後逆転して用いられる実施形態3の係止駒2の変形形態であって、後端が垂直面に形成され、外周に係止歯2aが刻設されるとともに内周側にシャフト部材3の推進方向に漸次拡径する平面状のカム斜面2bが形成され、平行カット面(図示しない)を有する楔形割断ナット状に形成されている。カム斜面2bは、シャフト部材3のカム斜面3cに相応して当接する斜面形状に形成されている。
また、シャフト部材3の後端面にねじ穴3kが穿設されており、ねじ穴3kに螺着されるねじ部材19により押えプレート9がシャフト部材3の後端面に固着されている。
さらに、押えプレート9と係止駒2後端面との間には小径の圧縮ばねからなる押圧ばね5が配置され、その前半部がシャフト部材3のカム溝3j内に嵌挿されている。
以上の構成によるこの変形形態においても、前記実施形態3と同様の作用及び効果を奏することができる。
[実施形態4]
図17(a)は本発明の実施形態4のテンショナーを示す側面図(要部縦断面図)、(b)はその平面図、図18の(a)は実施形態4のブラケットの平面図、(b)はその左側面図である。
実施形態4は、実施形態3における筒状部材1後端部のエンジン本体200への取付け構造が異なる点、及び筒状部材1内に油圧源300からの油圧301が充填され、シャフト部材3が推進する方向に油圧301が作用する点が異なるだけで、他の構成は実施形態3と同様である。
この実施形態4の筒状部材1は、両端部が開口し、内面に1対の係止駒2が係合する係止歯1bが形成され、先端内面とシャフト部材3の外面との間にシール部材12が装着されるとともに後端内面に盲蓋14が嵌着されている。また、筒状部材1の後端の胴部には油圧流通口1eが開設されており、エンジン本体200側に設けられた油圧源300からの油圧301が油圧流通口1eから筒状部材1内部に充填される。
シール部材12は、上記各実施形態においても同様に、筒状部材1内の油圧をシールするとともにシャフト部材3の抜け止めの効果がある。したがって、シャフト部材3が進出し続けると、シャフト部材3の後端部のカム斜面3cに組み込まれている係止駒2の係止歯2aがシール部材12に突き当たることによりシャフト部材3の進出が制止される。
筒状部材1は、後端部の下方外面がエンジン本体200の内壁201に穿設された浅い凹状の取付け溝202内に配置された状態でU字型クランプ13により2本のボルト部材20を介して装着される。この際、エンジン本体200側に設けられた油圧源300に連通する油圧流通口302と筒状部材1の後端胴部の油圧流通口1eとが油圧流通口302の周囲に嵌着されたシール部材303を介して対向し合致するように設定される。
U字型クランプ13は、図17、18に示すように、中央円筒面部13aの頂天部後側面に連続して下方(取付け面250側)に直角に屈曲された爪部13eを有し、両端水平部13bにボルト部材20が挿通するボルト取付け孔13cが開設されている。U字型クランプ13による前記エンジン本体200への筒状部材1の装着状態において、爪部13eは筒状部材1の後端面上部に当接しており、これによりシャフト部材3の外フランジ3aの先端面が当接するベルト又はチェーンガイド240からの負荷を受けた筒状部材1がスライドして後退するのを阻止する機能を有する。
なお、エンジン本体200の内壁201には、図17に示すように、取付け溝202に連続して、シャフト部材3の推進方向に沿ってシャフト部材3の外フランジ3a及びベルト又はチェーンガイド240に対する逃げ部203が設けられている。
また、筒状部材1の前端面とシャフト部材3の外フランジ3a後面との間に推進ばね4が筒状部材1の胴部に外嵌された状態で配置され、この推進ばね4によって付勢されることによりシャフト部材3が筒状部材1から突出して軸方向に推進する。
この実施形態においても前記実施形態3と同様に、実施形態1、2における過負荷防止用のホルダーばね6が省かれている。
以上の構成による実施形態4においても、前記実施形態3と同様の作用及び効果を奏することに加えて、筒状部材1内のシャフト部材3の推進方向に油圧を作用させることによりシャフト部材3の推進力がアップするため、これに相応して圧縮力を低く設定した小形の推進ばね4を用いることができる。また、粘性を有する油圧油が、シャフト部材3及び係止駒2等の可動部材の作動に対して油圧油の粘性抵抗によるダンピング効果及び潤滑効果が付加されるため、シャフト部材3の進退時の振幅を安定的に抑制する効果が高められるとともに、これら可動部材の摩耗を抑制することにより耐久性を向上させることができる。
このため、実施形態4は、比較的軽負荷運転を行う小型エンジンから中負荷運転を行う中型エンジンに亘って適用し得る設計の自由度がある。
[実施形態5]
図19(a)は本発明の実施形態5のテンショナーを示す側面図(要部縦断面図)、(b)はその平面図である。
実施形態5は、実施形態4における筒状部材1の後端部の形状及びエンジン本体200への取付け構造が異なる点、シャフト部材3が2分割化されてその間にホルダーばね6が装着された状態で連結された変形構造である点を除き、他の構成はシャフト部材3が推進する方向に油圧301を作用させる実施形態4と同様である。
この実施形態5の筒状部材1は、両端部が開口し、内面に1対の係止駒2が係合する係止歯1bが全面的に形成され、先端内面とシャフト部材3の外面との間にシール部材12が装着されている。シール部材12は、筒状部材1内の油圧をシールするとともにシャフト部材3の抜け止めの効果がある。また、筒状部材1の後端部外面に六角ナット部1dが形成されている。
この実施形態の筒状部材1は、後端部内面の係止歯1bがエンジン本体200の内壁201に穿設された低段部205の段端部206に突設して形成された雄ねじ部207に螺着される。このため、筒状部材1のエンジン本体200本体への取付けに際しては、実施形態4におけるU字型クランプ13及び2本のボルト部材20等の取付け部材を省略することができる。
エンジン本体200の雄ねじ部207には軸方向に油圧流通口302が開設されており、エンジン本体200側に設けられた油圧源300からの油圧301が油圧流通口302から筒状部材1内部に充填される。これにより、シャフト部材3が推進する方向に油圧301が作用する
実施形態5のシャフト部材3は、先側シャフト部材31と後側シャフト部材32とに2分割されており、両者が後述する連結部材33により連結される。
先側シャフト部材31は、後端部に中心孔31cが開設された底部31bを有し、先端部が開口する有底筒状に形成され、先端部の外面に設けられた外フランジ3aから後側のシャフト部31aが筒状部材1内に嵌挿されるとともに、筒状部材1の先端1cから突出する外フランジ3aの先端面がベルト又はチェーンガイド240に当接して進退自在に推進する。この場合も、シャフト部31aの外径は、筒状部材1内の係止歯1bの内径より僅かに小さく設定される。筒状部材1の内面とシャフト部31aの外面との径方向の隙間を小さくすることにより、筒状部材1内に油圧を作用させる場合に筒状部材1の後端の内面とシャフト部31aの外面との間に設けられるシール部材12により油圧301のシール性を確保するとともに、先側シャフト部材31の筒状部材1からの抜け止め防止が図られる。
後側シャフト部材32の後端部の外周側には、推進方向に漸次拡径する円錐面状のカム斜面3cがその先に連続するシャフト部32aより大径の傘状段端面3gを有して形成されるとともに平行カット面3d及びその後端に溝3iが穿設された小径軸部3hが連続して形成されている。このカム斜面3cが前記実施形態4と同様な1対の割断ナット状の係止駒2を受け止める係止駒受け部となっている。さらに、シャフト部32aの先端面中心には、軸方向に雌ねじ穴32bが穿設されている。
後側シャフト部材32の傘状段端面3gと先側シャフト部材31の後端面との間にホルダーばね6が後側シャフト部材32のシャフト部32aに外嵌された状態で、先側シャフト部材31の先端開口部から後端底部31bの中心孔31cに摺接自在に挿通された鍔33a付きボルト部材(連結部材)33により、後側シャフト部材32のシャフト部32aに設けられた雌ねじ穴32bに螺着される。これにより、先側シャフト部材31は、ホルダーばね6に推進方向に付勢されながら後側シャフト部材32に対して連結部材33にガイドされ軸方向に進退自在に移動できる。組み付けの際には、ホルダーばね6の所定の初期付勢力(圧縮力)が得られるよう鍔付きボルト部材33によりホルダーばね6の所定取付け長さが調整される。
先側シャフト部材31の外フランジ3a後面と筒状部材1の前端面との間に推進ばね4が筒状部材1の胴部に外嵌された状態で配置されている。推進ばね4によって付勢されることにより前記連結状態のシャフト部材3が筒状部材1から先側シャフト部材31の外フランジ3a側を突出して軸方向に推進する。
以上の構成による実施形態5においても、前記実施形態3、4等と同様に、ラチェット機構により連結状態のシャフト部材3が、推進方向には係止駒2が縮径方向に移動して係止歯2aが筒状部材1内面の係止歯1bを乗り越えることにより推進可能で、後退方向には係止駒2及び筒状部材1の係止歯2a、1bとの係合によるロック機能を備えることにより後退が拘束される。
また、エンジンからの過負荷が作用した場合に、筒状部材1と係合している係止駒2をカム斜面3cで受け止めるシャフト部材3の先側シャフト部材31を介して後退方向の力を受けたホルダーばね6が圧縮されて先側シャフト部材31が後退することにより過負荷防止を確保できる。
さらに、実施形態4と同様の作用及び効果を奏することに加えて、実施形態4における筒状部材1のエンジン本体200内壁201へのU字型クランプ13による取付け構造に変えて、実施形態5においては筒状部材1を直接エンジン本体200内壁201の雄ねじ部207に螺着する取付け構造としたこと、及び別途追加したホルダーばね6による過負荷防止により、エンジン本体200からの一層強大な負荷に対応することができる。
以上により実施形態5は、さらに高負荷運転を行う新型大型エンジンにも適用し得ることから、設計の自由度が一層拡張される。
[実施形態6]
図20は本発明の実施形態6のテンショナーを示す縦断面図、図21(a)は実施形態6の係止駒の側面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(a)の左側面図、図22(a)は実施形態6のシャフト部材の側面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(a)の左側面図である。
この実施形態においては、実施形態3の変形形態(図15)における係止駒2、シャフト部材3のカム斜面3c及び係止駒2を拡径方向に付勢する押圧ばね5からなるラチェット機構の構造が異なっている点と、これに伴うシャフト部材3の後端部の係止駒支持部関係の構成形状が部分的に変更されている点が異なるだけで、他の構成は図15の変形形態と同様である。
この実施形態のシャフト部材3の後端部の外周側には、図20、22に示すように、軸方向に沿って後端部側が開放され後述する係止駒2を可動自在に収容する係止駒収容溝3mが1箇所穿設されている。係止駒収容溝3mの後端近傍の底面には、後述の押圧ばね5を収容するばね収容穴3nが軸直角方向すなわち径方向に穿設されている。さらに、係止駒収容溝3mの前端近傍の両側面には、係止駒2を枢支する支持軸22を取付けるための軸取付け孔3pが開設されている。
この実施形態の係止駒2は、図20、21に示すように、前記実施形態1〜5における係止駒2及びシャフト部材3のカム斜面2b、3cを介して係止駒2が軸方向に移動可能な形態とは異なり、外周の後半部に係止歯2aが刻設されるとともにその前半部が軸方向に徐々に縮径するように図示前方に下り勾配の傾斜面2gが形成さている。また、内周面(図示下端面)2hが略水平面に、前端面が図示前倒れの傾斜面2iに形成され、両側面が平行カット面2dを有する割断ナット状に形成されている。外周の後半部の傾斜面2g及び前端面の傾斜面2iは、係止駒2が縮径方向に揺動する際のそれぞれ筒状部材1内面の係止歯1b及び係止駒収容溝3の略軸直角の前端壁に対して干渉を避ける逃げ部となっている。さらに、側面すなわち平行カット面2dの内周面2hと前端面2iとの角部には、支持軸22が挿通され回転自在に枢支される軸孔2fが開設されている。このように、係止駒2の軸孔2fを内周面2hと前端面2iとの角部に配置される効能については後述する。
また、シャフト部材3の後端部のばね収容穴3n内には、小径の圧縮ばねからなる押圧ばね5が収容され、係止駒2の内周面2hの後端側を押圧して拡径方向に付勢している。
したがって、この実施形態においては、前記実施形態1〜5におけるシャフト部材3のカム斜面3cがカム斜面2bを介して係止駒2を軸方向に移動可能に受け止める係止駒受け部とは異なり、シャフト部材3後端部の係止駒収容溝3及び係止駒収容溝3内の係止駒2を径方向に揺動自在に支持する支持軸22が係止駒2を揺動自在に枢支する係止駒支持部となっている。
この実施形態においては、係止駒収容溝3内で径方向に揺動自在に枢支される係止駒2は軸方向に移動することがないため図15の変形形態における押えプレート9が省かれており、構成が簡素化された簡易型テンショナーとして軽負荷運転を行う小型エンジン用に好適である。
以上の構成によるこの実施形態においても、上述の図15の変形形態等と同様の作用及び効果を奏することができる。
前記ラチェット機構により、シャフト部材3が推進する際には、筒状部材1及び係止駒2の係止歯1b、2a部における軸方向後方への反力を受けた係止駒2が支持軸22を支点として図示反時計回り方向の回転トルクが発生することから、筒状部材1内面の係止歯1bへの押圧ばね5の付勢力に抗して縮径方向に回転(揺動)移動して係止歯2aが筒状部材1の係止歯1bを乗り越えることによりシャフト部材3が推進可能である。シャフト部材3が後退する際には、係止歯1b、2a部における軸方向前方への反力を受けた係止駒2が支持軸22を支点として図示時計回り方向の回転トルクが発生することから、係止駒2が押圧ばね5の付勢力に加えて拡径方向に回転(揺動)移動するように筒状部材1内面の係止歯1bに押圧され、係止駒2の係止歯2aが筒状部材1の係止歯1bに係合することにより後退が拘束される。そして、小型エンジンの通常運転時の適正負荷状態、冷間運転時の軽負荷状態に相応して前記実施形態1、2等と同様な作動を行うことができる。
なお、実施形態6においては係止駒2をシャフト部材3の中心軸に対して片側に1個設けた構成としたが、エンジンからの荷重の大きさなどに適宜対応して中心軸に対し対称に複数個の係止駒2を配置して設けた構成とすることができることは言うまでもない。
本発明において、テンショナーとしては、図1〜22に示した実施形態以外にも組合せは自由に設定でき、筒状部材1、係止駒2、シャフト部材3、推進ばね4、押圧ばね5、ホルダーばね6、ケース7及びその他の構成部材について、任意に形状を変更したり、組合せを変更し、簡易な構造で、係止歯の強度アップ及びバックラッシの低減、部品点数削減及びコストダウンが可能で設計自由度が大きいテンショナーを提供することができる。
また、推進ばね4、押圧ばね5、ホルダーばね6などの圧縮ばねについても、径を含むばね部材寸法や形状は、任意に変更が可能であり、これにより、ばね圧縮力を任意に調整することができる。さらに、これらの圧縮ばねはコイルばね、皿ばね、ゴム形成体又は樹脂形成体等、その他いずれか任意選択的に適用することができる。
(a)は本発明の実施形態1のテンショナーを示す縦断面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は(a)のA−A線断面図である。 実施形態1のテンショナーの先端要部(ラチェット機構部)の分解斜視図である。 (a)は実施形態1のシャフト部材の側面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(a)の右側面図である。単 (a)は実施形態1の係止駒の側面図、(b)は(a)の左側面図、(c)は(a)の右側面図である。 (a)は実施形態1の回転防止板の側面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(a)の左側面図である。 (a)は本発明の実施形態2のテンショナーを示す縦断面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。 実施形態2のテンショナーの先端要部(ラチェット機構部)の分解斜視図である。 (a)は実施形態2のシャフト部材の側面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(a)の右側面図である。 (a)は実施形態2の係止駒の側面図、(b)は(a)の左側面図、(c)は(a)の右側面図である。 (a)は実施形態2の回転防止板の側面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(a)の左側面図である。 (a)は実施形態2の押えプレートの側面図、(b)は(a)の左側面図である。 実施形態2のテンショナーの作動を示し、(a)はエンジン熱間運転時の過負荷状態、(b)はエンジン通常運転時の適正負荷状態、(c)はエンジン冷間運転時の軽負荷状態を示す図である。 本発明の実施形態3のテンショナーを示す縦断面図である。 実施形態3のテンショナーの先端要部(ラチェット機構部)の分解斜視図である。 実施形態3の変形形態のテンショナーを示す縦断面図である。 (a)は図15のシャフト部材の側面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(a)の左側面図である。 (a)は本発明の実施形態4のテンショナーを示す側面図、(b)は(a)の平面図である。 (a)は実施形態4のブラケットの平面図、(b)は(a)の左側面図である。 (a)は本発明の実施形態5のテンショナーを示す側面図、(b)は(a)の平面図である。 本発明の実施形態6のテンショナーを示す縦断面図である。 (a)は実施形態6の係止駒の側面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(a)の左側面図である。 (a)は実施形態6のシャフト部材の側面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(a)の左側面図である。 テンショナーをエンジン本体に装着した状態のレイアウト図の一例である。 従来のテンショナーの一例を示す縦断面図である。 (a)は図24のテンショナーの推進部材が係止駒と係止状態の作動説明図、(b)は(a)のD−D線断面図である。 (a)は図25の推進部材前進時における係止駒拡径状態の作動説明図、(b)は(a)のE−E線断面図である。
符号の説明
1 筒状部材
1b、2a 係止歯
2 係止駒
2b カム斜面
3 シャフト部材
3c カム斜面(係止駒受け部)
3m 係止駒収容溝
3n ばね収容穴
3p 軸取付け孔(係止駒支持部)
4 推進ばね
5 押圧ばね
6 ホルダーばね
7 ケース
8 回転防止板
8’ ワッシャ
9 押えプレート
22 支持軸
200 エンジン本体
201 内壁
207 雄ねじ部

Claims (6)

  1. 複数の係止歯が形成された筒状部材と、
    前記係止歯に係合する係止歯が形成された1つ又は複数の係止駒と、
    前記筒状部材に係合する係止駒を受け止める係止駒受け部又は係止駒支持部を有し、前記筒状部材の内部に配置されるシャフト部材と、を備え、
    前記筒状部材又はシャフト部材のいずれか一方が、付勢力により進退自在に推進する推進部材となっており、
    前記係止駒が縮径方向に移動して前記筒状部材の係止歯を乗り越えることにより前記推進部材の進出を可能とし、前記係止駒が拡径方向に移動して前記筒状部材の係止歯に係合することにより前記推進部材の後退を拘束するラチェット機構が設けられていることを特徴とするテンショナー。
  2. 前記ラチェット機構は、
    前記係止駒受け部に形成され、前記係止駒を前記筒状部材の係止歯に係合する方向に拡径させるように形成されたカム斜面と、
    前記係止駒をシャフト部材のカム斜面に押圧して拡径方向に付勢する押圧ばねと、を備えていることを特徴とする請求項1記載のテンショナー。
  3. 前記ラチェット機構は、
    前記係止駒支持部に形成され、前記係止駒を収容する係止駒収容溝と、
    前記係止駒収容溝内の係止駒を径方向に揺動自在に枢支する支持軸と、
    前記係止駒を拡径方向に付勢する押圧ばねと、を備えていることを特徴とする請求項1記載のテンショナー。
  4. 前記筒状部材及び係止駒の係止歯は、軸方向と直角方向の溝状に形成されたリード0の平歯、1条又は多条ねじ状歯のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のテンショナー。
  5. 前記筒状部材の内面にシャフト部材の外面が径方向の隙間を介して軸方向に相対移動可能に配置されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のテンショナー。
  6. 前記推進部材が推進する方向に油圧を作用させる油圧源を備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のテンショナー。
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