JP5250889B2 - テンショナー - Google Patents

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    • F16H2007/0853Ratchets

Description

本発明は、無端状のベルトやチェーンの張力を一定に保つよう調整するテンショナーに関する。
テンショナーは、例えば、自動車のエンジンに使用されるタイミングチェーンやタイミングベルトを所定の力で押しており、これらに伸びや緩みが生じた場合に、その張力を一定に保つように作用する。
図6に、テンショナー100を自動車のエンジン本体200に実装した状態を示す。エンジン本体200の内部には、一対のカムスプロケット210とクランクスプロケット220とが配置されており、これらのスプロケット210、220の間にタイミングチェーン230が無端状となって掛け渡されている。また、タイミングチェーン230の移動路上には、チェーンガイド240が揺動自在に配置されており、タイミングチェーン230はチェーンガイド240を摺動するようになっている。エンジン本体200には、取付面250が形成されており、テンショナー100は取付面250に開設された取付孔260に挿通されてボルト270により取付面250に固定される。なお、エンジン本体200の内部には、図示しない潤滑用のオイルが封入されている。
従来のテンショナーは、走行するチェーンに向けて進退自在に突出する円柱状の推進部材と、この推進部材を進退自在に嵌挿する摺動孔が推進部材と同心円状に設けられたケースと、このケースに対して推進部材を突出方向に付勢する推進ばねと、前記摺動孔の先端開口側で同心円状に設けられた凹部内で推進部材に外嵌して推進部材の軸方向に変位するとともに前記凹部と同心円状に設けられたホルダー部材と、このホルダー部材を推進部材の突出方向に付勢するホルダーばねと、前記ホルダー部材に形成されたスロープ状のカム斜面内を滑動するとともに前記推進部材の外周に刻設された複数の係止歯にそれぞれ噛合する複数の係止駒と、前記摺動孔内で推進部材に外嵌して複数の係止駒の噛み外れを規制するカム誘導用リングと、前記推進部材を進退自在に嵌挿するとともに前記摺動孔の凹部内に順次配置したホルダーばねとホルダー部材と係止駒とカム誘導用リングを移動自在に封入する封止プレートとを備えている。このテンショナーは、エンジン運転時にチェーンが伸びてくると、推進部材が一歯分ずつ順次前進することによって、適正なチェーン張力を維持するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
以上の構造のテンショナーでは、推進部材は推進ばねにより進出方向に付勢され、係止駒が拡径して推進部材の係止歯を乗り越えながら、進出方向に移動可能である。また、推進部材は、後退方向には係止駒がカム斜面に押圧され縮径されて推進部材の係止歯と噛合うことにより後退が拘束されてロックされる。
エンジン本体に取付けられたとき、推進部材は、適切なチェーン張力が得られる位置まで進出し、チェーンガイドから振動を受けながら過度に戻ることを防止し、過大荷重が作用した場合は、ホルダー部材が後退しホルダーばねが撓んでチェーン張力を適正に保つように作用する。また、長期使用によりチェーンが伸びた場合は、チェーンガイドが前進するのに伴い適宜推進部材が進出して、最適なチェーン張力が得られる構造になっている。
特許第3717473号明細書
図8(a)は上記特許文献1と同様な構成による従来のテンショナーの縦断面図、(b)はその側面図、図9(a)は図8のテンショナーの推進部材が係止駒と完全係止状態の作動説明図、(b)は(a)のD−D線断面図、図10(a)は図9の推進部材前進時における係止駒拡径状態の作動説明図、(b)は(a)のE−E線断面図である。これらの図において、符号310は推進部材、320は係止駒、330はホルダー部材、340は推進ばね、350は係止駒320をホルダー部材330のカム斜面330aに押圧して推進部材310と噛み込ませるように縮径方向に付勢する押圧ばね、360はホルダーばね、370はケースである。
従来のテンショナーは、軸中心部から推進部材310→係止駒320→ホルダー部材330→ケース370の順で部品が同心円状に配置されている。通常ケース370の外径は、エンジン本体200の取付孔260の径(図7)に合せて決定するため、推進部材310の係歯部310bの外径は部品配列の関係で細くなる傾向がある。高出力エンジン等では、カムチェーンからの振動が大きく、その負荷過重に耐えるため推進部材310及び係止駒320の係止面積を増大するように推進部材310の外径を比例的に大きく取る必要がある。しかし、推進部材310の外径を大きくすると、ケース370の外径が大きくなり、所定の取付孔260に挿入できないため、設計自由度が小さい問題がある。
推進部材310が進出する際、係止駒320が一山越えて次の係止歯と噛合うときに、ホルダー部材330のカム斜面330aに沿って外径方向に拡径する。係止歯の山高さh、それを乗り越える拡径量cとすると、ホルダー部材330の内部に、製品寸法のばらつきがあっても確実に1山越えられるように、cより幾分大きめの隙間Cが必要であり(図9、10)、その分、ケース370の外径が大きくなる。係止駒320が2個対向配置の場合は2Cが必要となる。
また、係止駒320はノーバック設計であり、推進部材の後退方向には戻り作動が期待できない。エンジン内部の温度変化に伴うエンジン本体(ブロック)200の熱間膨張によりタイミングチェーン230が掛けられているクランク軸とカム軸間の距離が変動し(図7)、低温時は弛み、高温時は張り込む。低温時は、タイミングチェーン230が弛んでいるため、係止駒320が一山越えて次の係止歯と噛合うか噛合わないかの位置に推進部材310がある場合、バックラッシュによって主に「ガチャガチャ」という機械的な接触音が発生する。逆に高温時は、タイミングチェーン230が張り込んで推進部材310を後退方向に押し込む。このとき、係止駒320が推進部材310に完全に係合し、さらに推進部材310がタイミングチェーン230により押し込まれても推進部材310が後退できず、タイミングチェーン230に過大な張力を及ぼす過負荷状態となる。このような状況において、係止歯のピッチを細かくすることにより接触音の低減を図るとともに、過負荷防止のためホルダー部材330の背面に設置したホルダーばね360が縮むことにより過負荷防止を行っている。しかし、係止歯のピッチを細かくし過ぎると、係止歯の山高さhが低くなり、係止歯の強度が低下するなど設計自由度が小さく限定される。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、構造を簡素化し、係止歯の強度アップ及びバックラッシュの低減、部品点数削減及びコストダウンが可能で設計自由度が大きいテンショナーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、発明のテンショナーは、内周面に係止歯が形成された筒状部材と、前記係止歯に係合する係止歯が外周に形成された1つ又は複数の係止駒と、前記係止駒を受け止める係止駒受け部を有し、前記筒状部材の内部に配置されるシャフト部材と、を備え、前記筒状部材又はシャフト部材のいずれか一方が、付勢力により進退自在に推進する推進部材となっており、前記係止駒が縮径方向に移動して前記筒状部材の係止歯を乗り越えることにより前記推進部材の進出を可能とし、前記係止駒が拡径方向に移動して前記筒状部材の係止歯に係合することにより前記推進部材の後退を拘束するラチェット機構が設けられ、前記係止歯は、いずれもリード角θを有するねじ状歯であって、式3の関係が成立するように式3の各部寸法・諸元が設定され、前記係止歯は前記筒状部材の内周面の軸方向略全長に亘り連続的に形成されており、前記ラチェット機構は、前記係止駒受け部に形成され、前記係止駒を前記筒状部材の係止歯に係合する方向に拡径させるように形成されたカム斜面と、前記係止駒をシャフト部材のカム斜面に押圧して拡径方向に付勢する押圧ばねとを備え、前記カム斜面は軸方向の先端部に向かって漸次縮径しており、前記押圧ばねは前記カム斜面の先端部に連続した小径軸部の径方向外側を囲む位置に設けられていることを特徴とする。
R1・tanρ1+R2・tan(ρ2−θ)<0 ・・・式3
(式3において、R1=d1e/2、d1e=係止駒受け部の有効接触径、R2=d2e/2、d2e=係止駒の係止歯の接触有効径、ρ1=tan−1μ1(摩擦角度)、μ1=係止駒及び係止駒受け部の見掛け上の摩擦係数、ρ2=tan−1μ2(摩擦角度)、μ2=筒状部材及び係止駒の係止歯の見掛け上の摩擦係数である。)
従来のテンショナーにおいては、推進部材が推進するとき1対の係止駒が係止歯を乗り越える際に必要な可動空間が、従来のテンショナーにおいては外周方向に2箇所の2C必要であった(図9、10)のに対し、請求項1の発明では、係止駒が縮径方向に移動して乗り越えるため、隙間Cを外周方向に設ける必要がない。さらに、従来のテンショナーにおけるホルダー部材330(図8(a))を設ける必要がないことから、ケース胴部の外径を従来のテンショナーと同一にした場合はこれらの径方向寸法を筒状部材の増径に充当させることが可能となる。筒状部材が増径すると、横方向の荷重に対する剛性が増大する。また、従来のテンショナーと同一の筒状部材の外径とした場合、係止駒と筒状部材内面の係止歯の強度を大きな荷重に耐え得る寸法に設定することができる。一方、筒状部材の内径を従来のテンショナーの推進部材の外径と同等とした場合は、係止駒と筒状部材内面の係止歯の強度が同一であるにも拘らずテンショナー全体を細くしたコンパクト化が可能である。
また、係止駒及び筒状部材の係合する係止歯は、リード角θを有するねじ状歯であって、式3の両辺にエンジンからの動荷重Wcを乗ずると、Wc・R1・tanρ1=Tm=Wcにより係止駒受け部の有効接触半径R1に発生する制動トルク<−Wc・R2・tan(ρ2−θ)=−Tn=Wcにより係止歯の有効接触半径R2に発生する回転トルクとなり、Tnは負の回転トルクであることからエンジンからの動荷重Wcを受けた係止駒が回転するようになる。この際、例えば筒状部材が付勢力により進退自在に推進する推進部材となっている場合、係止駒が回転すると係止駒の係止歯が係合する筒状部材は回転方向の作動が規制されることにより軸方向に後退すること、すなわち戻り作動を起こすことが可能となる。したがって、エンジンが高温になり、カムチェーンが張り込んだ場合でも、式3の関係が成立するような設定が行われているので過負荷防止効果が得られ、前記従来のテンショナーのような過負荷防止のための特別なホルダー部材330及びホルダーばね360(図8(a)参照)を省くことも可能となる。
さらに、エンジン冷間時のようにカムチェーンが弛むと、前記従来のテンショナーでは係止駒320及びシャフト部材310の係合が不完全となり、バックラッシュによる接触音の発生することがあるが、本発明では推進部材の細かい進退作動により、係止駒に交番荷重が作用し、推進部材の進出方向に回転しながら係止歯のバックラッシュを減ずる方向に移動する。このため、係止歯のバックラッシュの軽減が可能であり、係止歯の山高さを極端に小さくすることなく係止歯のバックラッシュを低減することが可能となる。また、シャフト部材のカム斜面及び押圧ばねによる簡単な構造のラチェット機構により、係止駒が拡径して筒状部材の係止歯に係合し、推進部材の後退を拘束する。また、押圧ばねが係止駒をシャフト部材のカム斜面に押圧して拡径方向に付勢することにより、係止駒及び筒状部材の係止歯のがたつきのない係合が可能となる。
このようなテンショナーにおいて、前記筒状部材とシャフト部材とはいずれか一方又は双方の回転方向の作動が拘束され、前記係止駒は、いずれの場合も前記筒状部材に対しては相対回転可能に係合されていることが好ましい前記式3の条件を満たすよう各部材寸法が設定された状態でエンジンからの動荷重Wcを受けた係止駒が回転することにより、筒状部材とシャフト部材のいずれか一方又は双方の回転方向の作動が拘束されることから推進部材となる筒状部材とシャフト部材のいずれか一方が戻り作動を行うようにすることができる。また、前記筒状部材は回転方向の作動が拘束され、前記係止駒及びシャフト部材は回転方向に同期して作動可能に結合されていることが好ましい。係止駒及びシャフト部材が回転方向に同期して作動可能に結合されることにより、シャフト部材が軸方向に支持される軸方向支持面と軸直角面とのなす接触角度γを小さく設定することが可能となる(ここで、tanρ1=μ/cosγ、μ=係止歯のねじ面、係止駒受け部、シャフト部材が軸方向に支持される軸方向支持部の実摩擦係数である)ことから前記係止駒及びシャフト部材の摩擦による制動トルクTm=Wc・R1・tanρ1を小さくして推進部材となる筒状部材とシャフト部材のいずれか一方の戻り作動を確実に行うようにすることができる。
また、前記係止駒受け部又は前記シャフト部材が軸方向に支持される軸方向支持面と軸直角面とのなす接触角度γが、γ≒0°に設定されていることが好ましい係止駒受け部又は前記シャフト部材が軸方向に支持される軸方向支持面と軸直角面とのなす接触角度γがγ≒0°に設定されることから、係止駒及びシャフト部材の摩擦による制動トルクTmを小さくして推進部材となる筒状部材とシャフト部材のいずれか一方の戻り作動をさらに容易に行う信頼性を向上させることができる。
本発明によれば、係止駒、シャフト部材が筒状部材内に収容され、軸心から外周方向に向かってシャフト部材、係止駒、筒状部材の順に配列され、係止駒が縮径方向に移動して乗り越えるため、隙間Cを外周方向に設ける必要がないとともに、ホルダー部材を設ける必要もないことから、筒状部材の径を適宜選定できる。従って、従来のテンショナーと同一の筒状部材の外径であっても、筒状部材を増径した場合には、横方向荷重に対する剛性を高めることが可能となり、また、係止駒と筒状部材内面の係止歯の強度を大きな荷重に耐え得る寸法に設定することができる。また、係止駒及び筒状部材の係止歯の強度が同一であるように筒状部材の内径を従来のテンショナーの推進部材の外径と同等とする場合は、テンショナー全体を従来のテンショナーよりも細くしたコンパクト化が可能となる。また、係止駒及び筒状部材の係止歯がリードを有するねじ状歯であって、エンジンからの動荷重Wcを受けた係止駒が回転して推進部材となる筒状部材とシャフト部材のいずれか一方の戻り作動が可能となり、過負荷防止効果が得られとともに従来のテンショナーのような過負荷防止のための特別なホルダー部材及びホルダーばねを省くことも可能となる。さらに、推進部材の細かい進退作動により、係止駒に交番荷重が作用し、推進部材の進出方向に回転しながら係止歯のバックラッシュを減ずる方向に移動することから、係止歯の山高さを極端に小さくすることなく係止歯のバックラッシュを低減することが可能となる。
従って、本発明によれば、構造を簡素化し、係止歯の強度アップ及びバックラッシュの低減、部品点数削減及びコストダウンが可能で設計自由度が大きいテンショナーを提供することができる。
以下、本発明のテンショナーを実施するための実施形態図面を参照しながら詳細に説明する。
[実施形態1]
図1(a)は本発明の実施形態1のテンショナーを示す縦断面図、(b)はその右側面図、(c)は(a)のA−A線断面図、図2は実施形態1のテンショナーの先端要部(ラチェット機構部)の分解斜視図である。
実施形態1のテンショナーは、中空内面に複数の係止歯1bが形成された推進部材である筒状部材1、筒状部材1内面の係止歯1bに係合する複数(図示では4個)の割断ナット状の係止駒2、筒状部材1の中空内に遊嵌され、先端部外周側に係止駒2を受け止める係止駒受け部を有するシャフト部材3、筒状部材1を推進方向に付勢する推進ばね4、係止駒2をシャフト部材3の係止駒受け部方向に付勢する押圧ばね5、筒状部材1を進退自在に嵌挿する有底中空状のケース7、ケース7の先端に装着された軸受10等から大略構成されている。
ケース7は、胴部7aの後端部にフランジ部7bを備えた有底円筒状に形成されている。胴部7a内部には、先端部にかけて軸方向(推進方向)に延びる収納穴7cが形成されている。収納穴7cの先端部分は開放されており、この収納穴7c内に、筒状部材1、係止駒2、シャフト部材3、推進ばね4、押圧ばね5の組付体が収容される。ケース7の後端底部7eの中心には、雌ねじ孔7fが開設されている。
ケース7のフランジ部7bは、エンジン本体200への取付けを行うものであり、エンジン本体200への取付けに際しては、フランジ部7bの図示下面がエンジン本体200のいずれも図示しない内壁に設けられた取付面に当接した状態で2本のボルト部材を介して装着される。
筒状部材1は、後端部1cが開口し、先端に閉鎖壁1aを有し、内面には、4個の係止駒2が係合する係止歯1bが形成されている。エンジン本体200へのテンショナー取付けに際しては、この筒状部材1の閉鎖壁1aの先端面がベルト又はチェーンガイド240に当接して取付けられる(図7参照)。
筒状部材1の後端1c面とケース7の後端底部7e内面との間に圧縮ばね部材からなる推進ばね4がシャフト部材3に挿通された状態でケース7の収納穴7c内面寄りに配置されている。筒状部材1は、推進ばね4によって付勢されることによりケース7から突出して軸方向に推進する。
この実施形態においては、従来のテンショナー(図8(a))における過負荷防止用のホルダー部材330及びホルダーばね360が省かれている。エンジンからの過負荷が作用した場合の過負荷防止機能については後述する。
軸受10は、所定厚さの平板からなるキャップ状に形成され、ケース2の先端部に装着されて外周部から加締められることにより固定されている。軸受10は、一対の凸辺10bが形成された摺動孔10aを有しており、この摺動孔10a内に筒状部材1が摺接自在に挿通されている。筒状部材1の先端側前半部の外面には一対の凹溝1dが形成され、この一対の凹溝1d内に軸受10の一対の凸辺10bが摺接自在に嵌合するように対応しており、これにより筒状部材1は回転が拘束された状態で軸方向の移動が可能となる。
シャフト部材3は、図1に示すように、後端部に形成された雄ねじ部3bがケース7の後端底部7eの雌ねじ孔7fに螺着され固定されている。シャフト部材3の軸体3aの径より大きい大径の傘状段端面3dが形成された先端部の外周側には推進方向に漸次縮径する円錐面状のカム斜面3cが形成されるとともに、カム斜面3cの先端外周に溝3iが穿設された小径軸部3eが連続して形成されている。カム斜面3cが後述する4個の割断ナット状の係止駒2を受け止める係止駒受け部となっている。この場合、シャフト部材3の傘状段端面3dの外径は、筒状部材1内の係止歯1bの内径より僅かに小さく設定される。
係止駒2は、図1、2に示すように、外周に係止歯2aが形成された円筒ナットを軸方向に割断した平行カット面2dを有する形状となっている。係止駒2の後端内周側に筒状部材1の推進方向に漸次縮径する部分円錐面状のカム斜面2bが形成され、その先端には部分円筒面状の小径段部2cが連続して形成されている。カム斜面2bは、シャフト部材3のカム斜面3cに相応して滑動自在に摺接する形状となっている。この実施形態では、4個の係止駒2が中心軸を挟んだ対向状態すなわち放射状に等配されている。この係止駒2の数量は、4個に限定するものではなく、エンジンからの入力荷重の大小により適宜増減して設定される。
この実施形態においては、押えプレート9がシャフト部材3の小径軸部3eに外嵌されるとともに、小径軸部3eの溝3i内に係合するCリング11により小径軸部3e先端からの脱落が防止されている。
また、押えプレート9と係止駒2の小径段部2cに嵌装されたワッシャ8との間には圧縮ばねからなる押圧ばね5が配置されている。押圧ばね5により、係止駒2はシャフト部材3のカム斜面3cに押圧される方向に常時付勢されている。これにより、押圧ばね5が常に係止駒2をシャフト部材3のカム斜面3cに押圧して拡径方向に付勢する。このことにより、係止駒2及び筒状部材1の係止歯2a、1bのがたつきのないバックラッシュを低減した係合が確保できる。押圧ばね5と係止駒2との間にワッシャ8が設けられて回転方向に拘束されない形態では、係止駒2はシャフト部材3のカム斜面3cの周りを回転可能な状態となっている。
この実施形態の係止駒2及び筒状部材1の係止歯2a、1bは、軸直角方向に対してリード角θの1条又は多条ねじ状歯で構成される。
係止歯2a、1bがねじ状歯では所定の強度を確保しながら、1条ねじではピッチを細かくして係止歯2a、1bのがたつきを防止でき、多条ねじではさらにピッチを細かくして係止歯2a、1bのがたつきを一層防止できる。さらに、係止歯2a、1bをねじ状歯とした理由は、上記に加えての後述する効能により明白となる。
この実施形態では、係止駒2、シャフト部材3、押圧ばね5、ワッシャ8及び押えプレート9が筒状部材1内に収容され、軸心から外周方向に向かってシャフト部材3、係止駒2、筒状部材1の順に配列され、係止駒2及び筒状部材1を係合させた状態でケース7の収納穴7c内に収設される。
以上の実施形態1のテンショナーにおいて、筒状部材1の推進方向には係止駒2の縮径方向に移動して係止歯2aが筒状部材1内面の係止歯1bを乗り越えることにより筒状部材1が推進可能であり、筒状部材1の後退方向には、係止駒2及び筒状部材1の係止歯2a、1bとの係合により後退が拘束されることが可能なラチェット機構を有している。
ラチェット機構は、係止駒2を筒状部材1内面の係止歯1bに係合させる方向に拡径させるシャフト部材3及び係止駒2のカム斜面3c、2bと、係止駒2をシャフト部材3のカム斜面3cに押圧して拡径方向に付勢する押圧ばね5と、を備えている。筒状部材1が推進する際には、係止駒2がカム斜面3cへの押圧に抗してシャフト部材3のカム斜面3cに沿って縮径方向に移動し係止歯2aが筒状部材1内面の係止歯1bを乗り越えることにより筒状部材1が推進可能である。筒状部材1が後退する際には、係止駒2がシャフト部材3のカム斜面3cに押圧され拡径して係止駒2の係止歯2aが筒状部材1内面の係止歯1bに係合することにより後退が拘束されることが可能となっている。
以上の構成による実施形態1においては、係止駒2、シャフト部材3が筒状部材1内に収容され、軸心から外周方向に向かってシャフト部材3、4個の係止駒2、筒状部材1の順に配列されている。これにより、筒状部材1が推進するとき係止駒2が筒状部材1内面の係止歯1bを乗り越える際に必要な空間が、従来のテンショナーにおいては外周方向に2箇所の2C必要であったのに対し、この実施形態では係止駒2が縮径方向に移動して乗り越えるため、隙間Cを外周方向に設ける必要がない(図9、10参照)。さらに、従来のテンショナーのホルダー部材330を設ける必要がないことから、ケース胴部7aの外径を従来のテンショナーのケース胴部の外径d5と同一にした場合は(図8(a)参照)、これらの径方向寸法を筒状部材1の増径に充当することが可能となる。
筒状部材1が増径すると、横方向の荷重に対する剛性もアップする効果があり、従来のテンショナーのケース胴部の外径d5と同一の筒状部材1の外径とする場合には、係止駒2及び筒状部材1内面の係止歯2a、1bの強度を大きな荷重に耐え得る寸法に設定することができる。一方、筒状部材1の内径d1を従来のテンショナーの推進部材の外径d1と同等とした場合は、係止歯2a、1bの強度が同一であるにも拘らずテンショナー全体を細く構成したコンパクト化が可能である。
表1は、従来のテンショナーとの要部寸法(単位:mm)の比較を示す。記号は、図1(a)及び8(a)に示す通りである。
従来品のケースの胴部7aの外径d5を20mmとした場合、本発明1例は筒状部材1の内径d1を従来品の推進部材の係止歯の外径d1と同等としたものである。この場合、従来品のケースの胴部の外径d5は20mm程度必要であるが、本発明1例では16mm程度で良い。このように本発明はコンパクト化が可能で、さらに、胴部7aの外径d5を従来品と同じにした場合はより大きな荷重に耐えることができる。
本発明2例は、胴部7aの外径d5を従来品と同一径に合せたものである。この場合、筒状部材1の係止歯1bの外径d1が従来品の8mmに対して12mmと大きくすることができる。この理由は、上述した通りである。
推進部材である筒状部材1には前記ベルト又はチェーンガイド240からの荷重を受ける。エンジン運転中の荷重形態は動的荷重Wc(交番荷重)を受ける。ここで説明する記号と各部寸法は以下の通りである。
Wc=エンジンからの動荷重
d1e=係止駒カム斜面2bの有効接触径(mm)
R1(=d1e/2)=係止駒カム斜面2bの有効接触半径(mm)
d2e=係止駒係止歯(ねじ状歯)2aの接触有効径(mm)
R2(=d2e/2)=係止駒係止歯(ねじ状歯)2aの接触有効半径(mm)
γ=軸直角面とシャフト部材3及び係止駒2のカム斜面3c、2b又はシャフト部材3が軸方向に支持される大径段部3dとのなす角度(deg)
θ=筒状部材1及び係止駒2の係止歯(ねじ状歯)1b、2aねじ面のR2におけるねじリード角(deg)
α=軸断面における係止歯(ねじ状歯)1b、2aねじ面のフランク角度(deg)
μ=係止歯(ねじ状歯)1b、2aねじ面、カム斜面3c、2b、大径段部3dの実摩擦係数(−)
μ1=カム斜面3c、2b、大径段部3dの見掛け上の摩擦係数(−)
μ2=係止歯(ねじ状歯)1b、2aねじ面の見掛け上の摩擦係数(−)
ρ=摩擦係数から得られる実摩擦角度(=tan−1μ)(deg)
ρ1=摩擦係数μ1から得られる見掛け上の摩擦角度(=tan−1μ1)(deg)
ρ2=摩擦係数μ2から得られる見掛け上の摩擦角度(=tan−1μ2)
α’=(計算途中の数値)
Tn=Wcによって係止駒2の係止歯(ねじ状歯)2aねじ面のR2に発生する回転トルク(N−mm)
Tm=Wcによって係止駒2のカム斜面2bのR1に発生する制動トルク(N−mm)
Wcが筒状部材1先端の閉鎖壁1aに作用すると、動的荷重変動によりμの値が時間と共に刻々と変化する。係止駒2は、リード角θを持った係止歯(ねじ状歯)2aを有しているため、Wcによって回転トルクTnが発生するとともにカム斜面2bには摩擦による制動トルクTmが発生する。
TnとTmは変動を繰り返し、TnがTmを上回った瞬間に係止駒2はシャフト部材3のカム斜面3c上で僅かな滑り回転を生じる。この係止駒2の回転により、係止駒2の係止歯2aが係合する筒状部材1は回転方向の作動が規制されていることから後退方向の荷重Wcにより軸方向に後退し、いわゆる戻り作動を起こす。この係止駒2の回転角度はごく小さな値であり、Wcを連続して受けると筒状部材1は徐々に後退して行くことができる。
これらの関係を数式に置き換えると次のようになる。
まず、回転トルクTnについては、
[式1] Tn=Wc・R2・tan(ρ2−θ)
[式1−1] tanρ2=μ/cosα’
[式1−2] tanα’=tanα・cosθ
制動トルクTmについては、
[式2] Tm=Wc・R1・tanρ1
[式2−1] tanρ1=μ/cosγ
で表わされ、ここで、ρ1、ρ2は、それぞれ係止駒2のカム斜面2b、係止歯(ねじ状歯)2aねじ面の見掛け上の摩擦角度を示す。
通常、係止駒2のカム斜面2bは軸直角方向になす角度γを持っているため、同じR1の平面すなわちγ=0(deg)で接触した場合より制動トルクTmが楔効果により増加する。係止歯(ねじ状歯)2aねじ面においてもフランク角度αを持った場合に同様のことが起こる。なお、接触面での実摩擦角度はρであるが、計算上ではρ1及びρ2を用いて表す。
また、ρ2<θのとき、係止歯(ねじ状歯)2aねじ面に回転トルクTnが発生する。このとき、Tnは負の値となって係止駒2を回転させるトルクになる。
係止駒2が回転することにより筒状部材1が後退する戻り作動が起きるのはTnがTmを上回ったときであり、その条件を数式に表すと、Tm+Tn<0となる。
これに式1及び式2を代入すると、
Wc・R1・tanρ1+Wc・R2・tan(ρ2−θ)<0
となり、両辺をWcで除すると
[式3] R1・tanρ1+R2・tan(ρ2−θ)<0
が得られ、この式3が筒状部材1の戻り作動が実現する条件となる。
図4、5は、それぞれ本発明のテンショナーと従来のテンショナーの戻り作動領域設定例1、設定例2の比較図である。図4、5において、X(横)軸はR1/R2の比、Y(縦)軸は式3の左辺値を示す。
図4の設定例1は、θ=10°、γ=60°、α=30°、R2=5mmと設定した場合の計算例である。上記したように、筒状部材1先端の閉鎖壁1aにエンジンの振動荷重Wcを受け、Wcにより係止駒2が回転作動して推進部材1が戻り作動を起こす戻り作動領域は、式3の左辺値であるY軸の値が0未満の時である。
前記したように、本発明のテンショナーと従来のテンショナーとの最大相違点は、係止駒2の係止歯(ねじ状歯)2aの有効接触半径R2=d2e/2と係止駒2のカム斜面2bの有効接触半径R1=d1e/2の大小関係が逆転している点であって、X軸値が1.0以下の領域にある本発明のテンショナーとX軸値1.0以上の領域にある従来のテンショナーの領域で比較すると、本発明のテンショナーはY軸0未満のプロット点が圧倒的に多く、推進部材1の戻り作動が可能な条件を満たす組合せが多くなることを図4は示している。
図5の設定例2は、θ=10°、γ=60°、α=30°、ρ=3°と設定した場合の前記[表1]の従来品、本発明1例(実施例I)、本発明2例(実施例II)の各部寸法・諸元をそれぞれ式3に適用した計算例である。
この計算結果を次の表2に示す。
この計算例による式3左辺の値を図5にプロットすると、本発明のテンショナーは従来のテンショナーよりY軸値すなわち式3左辺の値が低い値を示し、推進部材の戻り作動が可能となることが一目瞭然である。
このように、本発明のテンショナー設計に際しては、推進部材である筒状部材1の戻り作動が可能な条件である図4のY軸値が負になるように前記記号説明で示した各部寸法・諸元を適宜設定することができる。従来のテンショナーは推進部材の後退方向への戻り作動が見込めず、前記図8(a)等に示すように、ホルダー部材330の背面に収設したホルダーばね360が縮むことにより過負荷防止を図らざるを得なかった点を改善し、上記本発明における推進部材である筒状部材1の戻り作動可能な条件設定によりホルダーばね無しで推進部材の戻り作動が可能となる。
なお、意図的に推進部材である筒状部材1の戻り作動を起こさないY軸値が正になる設定とする場合も必要に応じて選択可能であることは言うまでもない。
[実施形態2]
図3の(a)は本発明の実施形態2のテンショナーを示す縦断面図、(b)及び(c)は実施形態2の回転防止板のそれぞれ側面図及び左側面図である。
実施形態2においては、実施形態1におけるシャフト部材3の形状及びケース7後端部への取付け構造の形態が異なり、シャフト部材3がケース7に対して回転自在に取付けられる点、実施形態1における係止駒2の小径段部2cに嵌装されたワッシャ8に換えてシャフト部材3のカム斜面3c部との相対回転を拘束する回転防止板8’が設けられ、1対の係止駒2とシャフト部材3とが同期回転可能に構成される点を除く他の構成は実施形態1と同様である。したがって、これらの変更点について以下に説明する。
この実施形態のケース7は、後端底部7e中央に、収納穴7c内中間部まで軸方向に延出した突起部7gが設けられ、この突起部7gの中心部にガイド穴7hが後端底部7eから穿設されるとともに先端壁7iにシャフト部材3の軸体3aが挿通されて回転自在に支持する軸体支持孔7jが開設されており、この点を除く他の構成は実施形態1と同様である。
ケース7の突起部7gの外径は、筒状部材1内の係止歯1bの内径より小さく設定される。
シャフト部材3は、図3(a)に示すように、軸体3aの後端部外周に溝3gが設けられ、軸体3aがケース7の突起部7gの軸体支持孔7j内に回転自在に嵌挿された状態で、溝3gに嵌着されたCリング12により抜け止めされる。
シャフト部材3の先端部の形状は、大径の傘状段端面3dに軸方向に沿って平行カット面3fが形成される点を除き実施形態1と全く同様であって、カム斜面3c及びその先端の小径軸部3eが連続して形成されている。平行カット面3f及び小径軸部3eの機能については後述する。
また、この実施形態においては、実施形態1と同様に従来のテンショナー(図8(a))におけるホルダー部材330及びホルダーばね360が省かれている。エンジンからの過負荷が作用した場合の過負荷防止機能については後述する。
この実施形態では、実施形態1と同じ形態の係止駒2が中心軸を挟んだ1対の対向状態で配置されている。
そして、シャフト部材3の傘状段端面3d部の平行カット面3fと係止駒2に係合してシャフト部材3及び係止駒2の相対回転を拘束する回転防止板8’が、係止駒2の先端小径段部2cに嵌着されている。
回転防止板8’は、図3(b)、(c)に示すように、中心孔8’dを有し、両側に平行カット面8’eが形成されたフランジ部8’b、フランジ部8’bの平行カット面8’eに連続して直角に屈曲され軸方向に延びる1対の平行アーム8’aからなる薄板部材により一体的に形成されている。1対の平行アーム8’a間内にシャフト部材3及び係止駒2の平行カット面3d、2dが共に挟み込まれて密着状態で収容される。図3(a)に示すように、先端のフランジ部8’bが中孔8’dを介して係止駒2の小径段部2cに嵌着される。この回転防止板8’により、係止駒2及びシャフト部材3は相対回転が拘束された状態で、シャフト部材3の軸体3aがケース7の軸体支持孔7jに支持されて同期回転可能に構成される。
また、図3(a)に示すように、係止駒2の小径段部2cに嵌装された回転防止板8’のフランジ部8’b前面と押えプレート9の外フランジ部9b後面との間には圧縮ばねからなる押圧ばね5が挟設されている。押圧ばね5により、係止駒2はシャフト部材3のカム斜面3cに押圧される方向に常時付勢されている。このように押圧ばね5が常に係止駒2をシャフト部材3のカム斜面3cに押圧して拡径方向に付勢することにより、係止駒2及び筒状部材1の係止歯2a、1bのがたつきのないバックラッシュを低減した係合を確保できる。
この実施形態2において、係止駒2、シャフト部材3、押圧ばね5及び回転防止板8’、押えプレート9が筒状部材1内に収容され、軸心から外周方向に向かってシャフト部材3、係止駒2、筒状部材1の順に配列され、係止駒2及び筒状部材1を係合させた状態でケース7の収納穴7c内に収設される。この際に、シャフト部材3の軸体3aは、ケース7の突起部7gの軸体支持孔7j内に挿通された状態で、後端部の溝3gにCリング12が嵌着されることにより抜け止めされる。
以上の構成による実施形態2においても、実施形態1と同様に、ラチェット機構により筒状部材1が、推進方向には係止駒2が縮径方向に移動して係止歯2aが筒状部材1内面の係止歯1bを乗り越えることにより推進可能で、後退方向には係止駒2及び筒状部材1の係止歯2a、1bとの係合によるロック機能を備えることにより後退が拘束されることが可能である。
また、係止駒2、シャフト部材3が筒状部材1内に収容され、軸心から外周方向に向かってシャフト部材3、係止駒2、筒状部材1の順に配列され、係止駒2が縮径方向に移動して乗り越えるため、従来のテンショナーにおける外周方向に必要な隙間(2C:図9、10参照)を設ける必要がない。さらに、従来のテンショナーのホルダー部材330を設ける必要がないことから、ケース胴部7aの外径を従来のテンショナーのケース胴部の外径d5と同一にした場合は(図8参照)、これらの径方向寸法を筒状部材1の増径に充当することが可能となり、係止駒2及び筒状部材1内面の係止歯2a、1bの強度が大きな荷重に耐え得る寸法に設定することができる。また、係止歯2a、1bの所定の強度を確保しながらテンショナー全体を細くしたコンパクト化も可能である。
さらに、この実施形態においても、推進部材である筒状部材1にはエンジン運転中のベルト又はチェーンガイド240からの動的荷重Wc(交番荷重)を受ける。Wcが筒状部材1先端の閉鎖壁1aに作用すると、実施形態1と同様に、動的荷重変動により前記μの値が時間と共に刻々と変化する。係止駒2は、リード角θを持った係止歯(ねじ状歯)2aを有しているため、Wcによって回転トルクTnが発生するとともにカム斜面2bには摩擦による制動トルクTmが発生する。
TnとTmは変動を繰り返し、TnがTmを上回った瞬間に係止駒2は回転防止板8’により回転方向に拘束されたシャフト部材3と共にケース7の突起部7g先端壁7iの前面と傘状段端面3dの後面との当接面間で僅かな滑り回転を生じる。先端壁7i及び傘状段端面3dの当接面の軸直角方向になす角度γはγ=0(deg)であって、実施形態1における係止駒2の回転摺動面となる係止駒2及びシャフト部材3のカム斜面2b、3cの軸直角方向になす角度γ>0を持っている(楔効果を有する)場合に比べて前記式2及び式2−1で表わされる制動トルクTmが小さい。したがって、TnがTmを上回り易くなり、係止駒2及びシャフト部材3は同期回転し易くなる。
この係止駒2のシャフト部材3との同期回転により、係止駒2の係止歯2aが係合する筒状部材1は回転方向の作動がケース2の先端部に固着された軸受10との係合により規制されていることから軸方向に後退する、すなわち戻り作動を起こす。この係止駒2の回転角度はごく小さな値であり、Wcを連続して受けると筒状部材1はゆっくり徐々に後退することができる。
この実施形態においても、実施形態1と同様に、推進部材である筒状部材1の戻り作動が可能な条件である前記式3を満足する図4のY軸値が負になるように前記記号説明で示した各部寸法・諸元を適宜設定することができる。これにより、従来のテンショナーは推進部材の後退方向への戻り作動が見込めず、図8(a)等に示すように、ホルダー部材330の背面に収設したホルダーばね360が縮むことにより過負荷防止を図らざるを得なかった点を改善し、ホルダーばね無しで推進部材の戻り作動による過負荷防止を行うことが可能となる。
[実施形態3]
図6は、本発明の実施形態3のテンショナーを示す縦断面図である。
実施形態3では、実施形態1、2におけるケース7内に収容された組付け部材の全体を軸方向前後に逆転配置するとともにケース7を省いた簡単な構造としている。そして、筒状部材1を直接エンジン本体200の取付け孔260内に挿入して固着し、シャフト部材3を進出するように推進部材として設定している。筒状部材1及びシャフト部材3の両端部の形状が若干異なるとともに筒状部材1のエンジン本体200への取付け構造が異なるものの、他の構成は実施形態1と基本的に同様である。
この実施形態3の筒状部材1は、両端部が開口し、内面には1対の係止駒2が係合する係止歯1bが全面的に形成され、後端には外フランジ部1eが設けられている。筒状部材1の外フランジ部1eから先側の胴部がその外面に嵌装された後述する推進ばね4と共に取付け孔260内に挿通されるとともに、外フランジ部1eがエンジン本体200の取付け面250に当接した状態でキャップ状取付け蓋11により外フランジ部1eが被せられている。
キャップ状取付け蓋11は、フランジ部11aに設けられたいずれも図示しないボルト取付け孔に挿通されたボルトがエンジン本体200の取付け面250の雌ねじ穴内に螺合され、筒状部材1の外フランジ部1eと共にエンジン本体200の取付け面250に固定される。
実施形態3のシャフト部材3は、先端に筒状部材1の先端1c’から突出して外フランジ3hが設けられ、外フランジ3hから後側の軸体3aが筒状部材1内に挿通されるとともに、外フランジ3hの先端面が図示しないベルト又はチェーンガイドに当接して進退自在に推進する。この場合、シャフト部材3の軸体3aの外径は、筒状部材1内の係止歯1bの内径より僅かに小さく設定される。筒状部材1の内面とシャフト部材3の軸体3aの外面との径方向の隙間を小さくすることにより、シャフト部材3と筒状部材1の横荷重強度を高めることが可能である。また、筒状部材1内に油圧を作用させる場合に、シールに適した隙間に設定することによりシールの機能を持たせることが可能で、さらに、シール性を高める必要がある場合には、筒状部材1の先端1c’内面とシャフト部材3の軸体3aの外面との間にシール部材12を組み入れて油圧のシール性を確保することができる。
シャフト部材3の後端部軸体3aの外周側には、推進方向に漸次拡径する円錐面状のカム斜面3cが形成されるとともにその後端外周に溝3iが穿設された小径軸部3eが連続して形成されている。このカム斜面3cが前記実施形態1と同様な複数の割断ナット状の係止駒2を受け止める係止駒受け部となっている。
シャフト部材3の外フランジ3h後面と筒状部材1の外フランジ部1e前面との間に圧縮ばねからなる推進ばね4が筒状部材1の胴部に外嵌された状態でエンジン本体200の取付け孔260内に収設されている。この推進ばね4によって付勢されることによりシャフト部材3が筒状部材1から突出して軸方向に推進する。
この実施形態においては、実施形態1、2と同様に従来のテンショナー(図8(a))におけるホルダー部材330及びホルダーばね360が省かれている。エンジンからの過負荷が作用した場合の過負荷防止機能については後述する。
実施形態3の係止駒2は、実施形態1、2における係止駒2を前後逆転して用いられるもので、先端内周側にシャフト部材3の推進方向に漸次拡径する部分円錐面状のカム斜面2bが形成され、後端には小径段部2cが形成されており、その他の形状は実施形態1、2と同様である。この実施形態でも、エンジンからの荷重の大小により設定された所定数量の係止駒2が中心軸を挟み対称的に配置される。
この実施形態においても押えプレート9が、シャフト部材3の小径軸部3eに摺動自在に外嵌されるとともに、小径軸部3eの溝3i内に係合するCリング10により小径軸部3e後端からの脱落が防止されている。
さらに、押えプレート9と係止駒2の小径段部2cに嵌装されたワッシャ8との間には圧縮ばねからなる押圧ばね5が配置されている。押圧ばね5により、係止駒2はシャフト部材3のカム斜面3cに押圧される方向に常時付勢されている。これにより、押圧ばね5が常に係止駒2をシャフト部材3のカム斜面3cに押圧して拡径方向に付勢する。このことにより、係止駒2及び筒状部材1の係止歯2a、1bのがたつきのないバックラッシュを低減した係合が確保できる。また、この実施例では、実施形態1と同様のワッシャ8が設けられており、係止駒2は相対回転方向に拘束されない関係にあるシャフト部材3のカム斜面3cの周りを回転可能となっている。
以上の構成による実施形態3において、実施形態1、2と同様なラチェット機構によりシャフト部材3が、推進方向には係止駒2が縮径方向に移動して係止歯2aが筒状部材1内面の係止歯1bを乗り越えることにより推進可能で、後退方向には係止駒2及び筒状部材1の係止歯2a、1bとの係合によるロック機能を備えることにより後退が拘束される。そして、小型エンジンの通常運転時の適正負荷状態、冷間運転時の軽負荷状態に相応して実施形態1、2と同様な作動を行うことができる。
この実施形態においても、係止駒2、シャフト部材3が筒状部材1内に収容され、軸心から外周方向に向かってシャフト部材3、係止駒2、筒状部材1の順に配列され、係止駒2が縮径方向に移動して乗り越えるため、従来のテンショナーにおける外周方向に必要な隙間(2C:図9、10参照)を外周方向に設ける必要がない。さらに、従来のテンショナーのホルダー部材330を設ける必要がないことから、ケース胴部7aの外径を従来のテンショナーのケース胴部の外径d5と同一にした場合は(図8参照)、これらの径方向寸法を筒状部材1の増径に充当することが可能となり、係止駒2及び筒状部材1内面の係止歯2a、1bの強度が大きな荷重に耐え得る寸法に設定することができる。また、係止歯2a、1bの所定の強度を確保しながらテンショナー全体を細くしたコンパクト化も可能である。
これに加えて、実施形態3においては、実施形態1、2におけるケース7を省いているため、テンショナーの構造を簡素化し、コンパクト化、軽量化及びコストダウンを図ることができる。
さらに、この実施形態において、エンジン運転中の前記ベルト又はチェーンガイド240からの動的荷重Wc(交番荷重)が推進部材であるシャフト部材3先端の外フランジ3hに作用すると、実施形態1と同様に、シャフト部材3のカム斜面3cを介して後退方向の軸荷重Wcを受けた係止駒2は、リード角θを持った係止歯(ねじ状歯)2aを有しているため、Wcによる回転トルクTnが発生するとともにカム斜面2bには摩擦による制動トルクTmが発生する。
TnとTmは変動を繰り返し、TnがTmを上回った瞬間に係止駒2はシャフト部材3のカム斜面3c上で僅かな滑り回転を生じる。
エンジン本体200側に固定されている筒状部材1内の係止歯1bに係止歯2aが係合する係止駒2の回転により係止駒2が軸方向に後退する。この係止駒2の後退に伴い後退方向の軸荷重Wcを受けたシャフト部材3が戻り作動を起こす。この係止駒2の回転角度はごく小さな値であり、Wcを連続して受けるとシャフト部材3は徐々に後退することが可能となる。
この実施形態においても、実施形態1と同様に、推進部材であるシャフト部材3の戻り作動が可能な条件である前記式3を満足する図4のY軸値が負になるように前記記号説明で示した各部寸法・諸元を適宜設定することができる。これにより、従来のテンショナーは推進部材の後退方向への戻り作動が見込めず、前記図8(a)等に示すように、ホルダー部材330の背面に収設したホルダーばね360が縮むことにより過負荷防止を図らざるを得なかった点を改善し、ホルダーばね無しでシャフト部材3の戻り作動による過負荷防止を行うことが可能となる。
本発明において、テンショナーとしては、図1〜6に示した実施形態以外にも組合せは自由に設定でき、筒状部材1、係止駒2、シャフト部材3、推進ばね4、押圧ばね5、ケース7及びその他の構成部材について、任意に形状を変更したり、あるいは組合せを変更し、簡易な構造で、係止歯の強度アップ及びバックラッシュレス、部品点数削減及びコストダウンが可能で設計自由度が大きいテンショナーを提供することができる。
また、推進ばね4、押圧ばね5などの圧縮ばねについても、径を含むばね部材寸法や形状は、任意に変更が可能であり、これにより、ばね圧縮力を任意に調整することができる。さらに、これらの圧縮ばねはコイルばね、皿ばね、ゴム形成体又は樹脂形成体等、その他いずれか任意選択的に適用することができる。
(a)は本発明の実施形態1のテンショナーを示す縦断面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は(a)のA−A線断面図である。 図1(a)のテンショナーの先端要部(ラチェット機構部)の分解斜視図である。 (a)は本発明の実施形態2のテンショナーを示す縦断面図、(b)及び(c)は実施形態2の回転防止板のそれぞれ側面図及び左側面図である。 本発明のテンショナーと従来のテンショナーの戻り作動領域設定例1の比較図である。 本発明のテンショナーと従来のテンショナーの戻り作動領域設定例2の比較図である。 本発明の実施形態3のテンショナーを示す縦断面図である。 テンショナーをエンジン本体に装着した状態のレイアウト図の一例である。 (a)は従来のテンショナーの一例を示す縦断面図、(b)は(a)の右側面図である。 (a)は図8のテンショナーの推進部材が係止駒と係止状態の作動説明図、(b)は(a)のD−D線断面図である。 (a)は図9の推進部材前進時における係止駒拡径状態の作動説明図、(b)は(a)のE−E線断面図である。
1 筒状部材
1b、2a 係止歯(ねじ状歯)
2 係止駒
2b カム斜面
3 シャフト部材
3c カム斜面(係止駒受け部)
4 推進ばね
5 押圧ばね
7 ケース
8 ワッシャ
8’ 回転防止板
9 押えプレート
10 軸受
200 エンジン本体
250 取付面
260 取付孔
d1e 係止駒受け部の有効接触径
d2e 係止駒の係止歯の接触有効径
R1 係止駒受け部の有効接触半径(=d1e/2)
R2 係止歯の有効接触半径(=d2e/2)
Tm 係止駒受け部の有効接触半径R1に発生する制動トルク
Tn 係止歯の有効接触半径R2に発生する回転トルク
Wc エンジンからの(動)荷重
ρ1 摩擦角度(=tan−1μ1)
ρ2 摩擦角度(=tan−1μ2)
μ1 係止駒及び係止駒受け部の見掛け上の摩擦係数
μ2 筒状部材及び係止駒の係止歯の見掛け上の摩擦係数
γ 軸直角面と係止駒受け部又はシャフト部材が軸方向に支持される軸方向支持面とのなす接触角度

Claims (4)

  1. 内周面に係止歯が形成された筒状部材と、
    前記係止歯に係合する係止歯が外周に形成された1つ又は複数の係止駒と、
    前記係止駒を受け止める係止駒受け部を有し、前記筒状部材の内部に配置されるシャフト部材と、を備え、
    前記筒状部材又はシャフト部材のいずれか一方が、付勢力により進退自在に推進する推進部材となっており、
    前記係止駒が縮径方向に移動して前記筒状部材の係止歯を乗り越えることにより前記推進部材の進出を可能とし、前記係止駒が拡径方向に移動して前記筒状部材の係止歯に係合することにより前記推進部材の後退を拘束するラチェット機構が設けられ、
    前記係止歯は、いずれもリード角θを有するねじ状歯であって、式3の関係が成立するように式3の各部寸法・諸元が設定され
    前記係止歯は前記筒状部材の内周面の軸方向略全長に亘り連続的に形成されており、
    前記ラチェット機構は、前記係止駒受け部に形成され、前記係止駒を前記筒状部材の係止歯に係合する方向に拡径させるように形成されたカム斜面と、前記係止駒をシャフト部材のカム斜面に押圧して拡径方向に付勢する押圧ばねとを備え、
    前記カム斜面は軸方向の先端部に向かって漸次縮径しており、
    前記押圧ばねは前記カム斜面の先端部に連続した小径軸部の径方向外側を囲む位置に設けられていることを特徴とするテンショナー。
    R1・tanρ1+R2・tan(ρ2−θ)<0 ・・・式3
    (式3において、R1=d1e/2、d1e=係止駒受け部の有効接触径、R2=d2e/2、d2e=係止駒の係止歯の接触有効径、ρ1=tan−1μ1(摩擦角度)、μ1=係止駒及び係止駒受け部の見掛け上の摩擦係数、ρ2=tan−1μ2(摩擦角度)、μ2=筒状部材及び係止駒の係止歯の見掛け上の摩擦係数である。)
  2. 前記筒状部材とシャフト部材とはいずれか一方又は双方の回転方向の作動が拘束され、
    前記係止駒は、いずれの場合も前記筒状部材に対しては相対回転可能に係合されていることを特徴とする請求項1記載のテンショナー。
  3. 前記筒状部材は回転方向の作動が拘束され、
    前記係止駒及びシャフト部材は回転方向に同期して作動可能に結合されていることを特徴とする請求項1記載のテンショナー。
  4. 前記係止駒及びシャフト部材の摩擦による制動トルクを小さくするように、軸直角面と前記係止駒受け部又は前記シャフト部材が軸方向に支持される軸方向支持面とのなす接触角度γが、γ≒0°に設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のテンショナー。
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