JP5156526B2 - 電子機器 - Google Patents

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Description

この発明は、防爆弁を有する電解コンデンサを備えた電子機器に関する。
従来、インバータ電源装置等の電子機器には、例えば特許文献1のように、電解コンデンサを他の電子部品と共に回路基板の実装面に実装した状態でケース内に収容し、ケース内部に樹脂を充填して気密封止したものがある。
この電子機器に備える電解コンデンサでは、内部の電解液が漏れないように気密性が高められているが、何らかの要因で過電圧、逆電圧が電解コンデンサに印加されたり、電解コンデンサが過酷な充放電条件や許容以上の高温で使用される等すると、電解コンデンサの内部圧力が上昇することがある。このため、電解コンデンサの外面には防爆弁が形成されており、電解コンデンサの内部圧力が過剰に上昇する前に防爆弁において破裂させるようにしている。すなわち、電解コンデンサが上記防爆弁を備える場合には、防爆弁が正常に作動するように電解コンデンサの外面側に防爆弁を破裂させるための空間部を確保する必要がある。
そこで、上記従来の電子機器には、図5に示すように、ケース101に形成された窓部102を介して防爆弁をケース101の外方に露出させたものがある。この構成では、窓部102の周縁に位置するケース101の内面に電解コンデンサ103の防爆弁の周縁が密接するように電解コンデンサ103が配置されており、ケース101の内部が樹脂封止されている。
また、上記従来の電子機器には、図6に示すように、筒状に形成されたチムニー105を防爆弁上に被せたものがある。この構成では、チムニー105を電解コンデンサ103に取り付けた状態でこれらをケース101内に配置すると共に、チムニー105の開口部分が露出した状態でケース101内に樹脂107を充填して電解コンデンサ103及びチムニー105を封止している。
特開平8−154377号公報
しかしながら、上記従来の電子機器において、窓部102の周縁に位置するケース101の内面に防爆弁の周縁を密接して配置する場合には、樹脂107をケース101内に充填する際に樹脂107が窓部102からケース101の外側に樹脂107が漏れ出ないように、窓部102と防爆弁との相対的な位置決めに高い精度が要求される。このため、ケース101の窓部102に対する電解コンデンサ103の位置決めが面倒になる、という問題がある。
また、筒状に形成されたチムニー105を防爆弁上に被せた構成では、樹脂107を充填する際にチムニー105の開口部分からチムニー105内に樹脂107が入り込まないように注意を要するため、樹脂107の充填が面倒となる虞がある。
さらに、電解コンデンサ103には水分や塵埃が接触しないことが望ましいが、上記従来の電子機器においては、防爆弁が窓部102を介してケース101の外側空間に露出している、あるい、チムニー105の開口部分がケース101及び充填された樹脂107の外側に露出しているため、水分や塵埃が電解コンデンサ103に到達してしまう虞もある。
この発明は、上述した事情に鑑みたものであって、水分や塵埃が電解コンデンサに接触することを防止しながらも、防爆弁を正常に作動させることができる電子機器を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明の電子機器は、防爆弁を有する電解コンデンサが実装された回路基板をケース内に収容すると共に、当該ケース内に樹脂を充填する構成の電子機器であって、前記ケースには、前記防爆弁に対向するように前記ケースの内部領域を外方に連通させる貫通孔が形成されると共に、当該貫通孔に挿入することで前記貫通孔を閉塞する有底筒状のキャップが取り付けられ、前記キャップは、前記防爆弁に対向配置される薄板状の易破断壁部、当該易破断壁部の面方向の周縁に立設されて前記電解コンデンサの外周面に対向配置される筒状の周壁部、及び、前記周壁部と前記電解コンデンサの外周面との隙間を周方向にわたって埋める弾性保持部を備え、前記キャップの外周面及び前記貫通孔の内周面の少なくとも一方に凹凸形状が形成され、当該凹凸形状によって前記貫通孔に前記キャップを嵌合させる嵌合部が構成されることを特徴としている。
この発明に係る電子機器を製造する際には、キャップをケースの貫通孔に挿入するだけでケースの貫通孔を容易に閉塞することができる。これにより、ケース内に樹脂を充填する際にケースの貫通孔から外方に漏れ出すことを容易に防止できる。また、例えば防爆弁を覆うようにキャップを電解コンデンサに取り付けた状態でキャップをケースの貫通孔に挿入するだけで、あるいは、キャップをケースの貫通孔に取り付けた後に電解コンデンサをキャップに取り付けるだけで、ケースの貫通孔に対する電解コンデンサの位置決めを容易に行うこともできる。
さらに、この電子機器を製造する際に、電解コンデンサが実装された回路基板がケース内に収容された状態でケース内に樹脂を充填した際には、回路基板と共に電解コンデンサのうちキャップによって覆われていない部分が樹脂によって封止される。一方、電解コンデンサのうちキャップによって覆われる外周面及び防爆弁は樹脂によって封止されない。これは、キャップの周壁部と電解コンデンサの外周面との隙間が弾性保持部によって閉塞されていることで、この隙間に樹脂が侵入することを防止できるためである。
そして、以上のようにして製造される電子機器においては、電解コンデンサがキャップによって電子機器の外側空間に対して密閉されているため、水分や塵埃が電解コンデンサに接触することを確実に防止できる。
なお、この電子機器において電解コンデンサの内部圧力が過度に上昇した際には、防爆弁を正常に作動させることができる。ここで、防爆弁にはキャップの易破断壁部が対向配置されているが、この易破断壁部は薄板状に形成されることで防爆弁の破裂に伴って容易に破断するため、防爆弁を正常に作動させることができる。
また、この電子機器においては、前記キャップの外周面及び前記貫通孔の内周面の少なくとも一方に凹凸形状が形成され、当該凹凸形状によって前記貫通孔に前記キャップを嵌合させる嵌合部が構成されるため、キャップによって貫通孔を確実に閉塞することが可能となる。
そして、前記電子機器においては、前記嵌合部が、前記キャップの外周面に形成された環状凹部、及び、前記貫通孔の内周面から径方向内側に突出して前記環状凹部に嵌合する環状突起部によって構成されてもよい。
また、前記電子機器において、前記ケースには、外方に突出して前記電解コンデンサを挿入する筒状壁部が形成され、当該筒状壁部によって前記貫通孔が構成されていてもよい。
この場合には、回路基板や電解コンデンサが収容されるケース内の容積を縮小して電子機器の小型化を図ることができる。すなわち、回路基板(の実装面)には、電解コンデンサの他に各種電子部品が実装されるが、これら電子部品の高さ寸法は電解コンデンサの高さ寸法と比較して低いことが多い。そこで、ケースに電解コンデンサ用の筒状壁部を形成しておくことで、ケース内に余分な空間が形成されることを防止できるため、前述したように電子機器の小型化を図ることができる。
さらに、前記電子機器において、前記弾性保持部が、前記周壁部の内周面から当該周壁部の径方向内側に突出する環状の内向突起部によって構成されていてもよいし、さらに、前記内向突起部が、その突出方向に向けて先細に形成されていてもよい。
これらの場合には、弾性保持部が電解コンデンサの外周面に当接する面積を小さくすることができるため、キャップを小さな力で電解コンデンサに取り付けることが可能となる。
また、前記電子機器においては、前記キャップを構成する前記易破断壁部、前記周壁部及び前記弾性保持部が、弾性変形可能な弾性材料によって一体に形成されていてもよい。
本発明によれば、キャップによりケースの貫通孔を容易に閉塞できると共にケースに対する電解コンデンサの位置決めを容易に行うことができる。また、ケース内に樹脂を充填する際には、注意を要しなくても防爆弁が樹脂によって封止されることを防止できるため、電子機器の製造を容易に行うことができる。
また、水分や塵埃が電解コンデンサに接触することを確実に防止しつつ、電解コンデンサの内部圧力が過度に上昇した際には、防爆弁を正常に作動させることができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1,2に示すように、この実施形態に係る電子機器1は、2つの回路基板2,3と、第1回路基板2に実装される円柱状の電解コンデンサ5と、これら2つの回路基板2,3及び電解コンデンサ5を収容するケース7と、回路基板2,3及び電解コンデンサ5が収容されたケース7内に充填される樹脂9と、を備えている。
電解コンデンサ5は、例えば既存のアルミニウム電解コンデンサであり、その一端面5aに第1回路基板2と電気接続するための電極11を形成し、かつ、他端面5bに防爆弁(不図示)を形成して構成されている。
ケース7は、電解コンデンサ5と電気的に接続される複数の端子12を備えたコネクタ部13と、2つの回路基板2,3及び電解コンデンサ5を収容する収容部15とから構成されている。
収容部15は、その厚さ方向に開口する開口部15aを有する箱状に形成されている。第2回路基板3はこの収容部15の底面16aに配置されており、第1回路基板2は収容部15の底面16aの上方に間隔をあけて配置されている。そして、第2回路基板3には、第1回路基板2の実装面2aのうち電解コンデンサ5が実装されていない領域が対向している。また、第1回路基板2は、第1接続子17、第2回路基板3及び第2接続子18を介してコネクタ部13の端子12に電気接続されている。
また、ケース7には、底面16aをなす収容部15の底壁部16から外方に突出する円筒状の筒状壁部21が形成されており、この筒状壁部21によってケース7の内部領域を外方に連通させる貫通孔23が形成されている。第1回路基板2をケース7内に収容した状態においては、第1回路基板2に実装された電解コンデンサ5がこの筒状壁部21に挿入されるようになっている。そして、この挿入状態においては、電解コンデンサ5の他端面5bが筒状壁部21の突出方向の先端に位置する貫通孔23の外側開口部23aに対向して配置される。
以上のように構成されるケース7には、筒状壁部21の貫通孔23に挿入することで貫通孔23を閉塞する有底円筒状のキャップ31が取り付けられている。
このキャップ31は、図3に示すように、ゴム等のように弾性変形可能な弾性材料により、電解コンデンサ5の他端面5bに対向配置される薄板状の易破断壁部32、易破断壁部32の面方向の周縁に立設されて電解コンデンサ5の外周面に対向配置される円筒状の周壁部33、及び、周壁部33と電解コンデンサ5の外周面との隙間を周方向にわたって埋める弾性保持部34を一体に形成して構成されている。
易破断壁部32は、キャップ31をケース7に取り付けた状態において貫通孔23の外側開口部23aに配置され、この易破断壁部32の厚さ寸法や形状は、防爆弁が破裂した際に容易に破断する程度の強度を有するように設定されている。
そして、キャップ31の外周面には、易破断壁部32から周壁部33にわたって周壁部33の立設方向に沿う凹凸形状が形成されており、この凹凸形状によって径方向内側に窪む環状凹部35が構成されている。この環状凹部35は周壁部33の外周面の周方向にわたって環状に形成されている。一方、図1,4に示すように、貫通孔23の外側開口部23aに位置する貫通孔23の内周面には、筒状壁部21の突出方向に沿う凹凸形状が形成されており、この凹凸形状によって貫通孔23の内周面から径方向内側に突出する環状突起部25が形成されている。この環状突起部25は貫通孔23の内周面の周方向にわたって形成されている。
この筒状壁部21の環状突起部25が前述したキャップ31の環状凹部35に嵌合することで、キャップ31がケース7に固定され、キャップ31によって貫通孔23の外側開口部23aが閉塞される。すなわち、キャップ31の環状凹部35及びケース7の環状突起部25によって、貫通孔23にキャップ31を嵌合させる嵌合部37が構成されている。なお、この実施形態においては、キャップ31全体が弾性材料によって形成されているため、特に、キャップ31を弾性変形させながら筒状壁部21の環状突起部25をキャップ31の環状凹部35に容易に嵌合させることができ、また、キャップ31によって貫通孔23を確実に閉塞することができる。
また、キャップ31がケース7に固定された状態においては、環状凹部35が周壁部33の立設方向の基端側に位置しており、この環状凹部35の形成位置よりも周壁部33の立設方向の先端側に位置する周壁部33の外周面と貫通孔23の内周面との間には隙間が形成されている。
弾性保持部34は、周壁部33の内周面から周壁部33の径方向内側に突出する環状の内向突起部39によって構成されている。この内向突起部39は、周壁部33の内周面のうち周壁部33の立設方向の先端と基端との間に形成されており、その突出方向に向かって先細に形成されている。
また、図1,2に示すように、内向突起部39の内径寸法は、電解コンデンサ5の外径寸法よりも小さく形成されている。すなわち、内向突起部39は、防爆弁が覆われるように電解コンデンサ5の他端面5b側の端部をキャップ31内に挿入した状態において、周壁部33の内周面とこれに対向する電解コンデンサ5の外周面との隙間を埋める閉塞手段を構成している。
そして、電解コンデンサ5の端部をキャップ31内に挿入した状態においては、図4に示すように、内向突起部39よりも先端側、及び、内向突起部39よりも基端側に位置する周壁部33の内周面と電解コンデンサの外周面との間には、それぞれ隙間が形成されることになる。
なお、図示例では、第1回路基板2に実装された電解コンデンサ5をケース7に固定されたキャップ31内に挿入した状態においては、電解コンデンサ5の他端面5bとキャップ31の易破断壁部32との間にも隙間が形成されているが、例えば電解コンデンサ5の他端面5bがキャップ31の易破断壁部32に当接していても構わない。
図1,4に示すように、樹脂9は、前述したように2つの回路基板2,3、電解コンデンサ5、2つの接続子17,18がケース7内に収容されると共に、キャップ31がケース7に取り付けられた状態において、収容部15内に充填されるものであり、2つの回路基板2,3及び2つの接続子17,18を封止している。
また、樹脂9は、電解コンデンサ5のうちキャップ31によって覆われていない部分のみを封止しており、キャップ31によって覆われる部分は樹脂によって封止されない。なお、本実施形態において、キャップ31によって覆われる部分とは、電解コンデンサ5のうち内向突起部39に当接した部分よりも他端面5b側の部分を示している。
さらに、樹脂9は、内向突起部39よりも先端側に位置する周壁部33の内周面と電解コンデンサ5の外周面との隙間、及び、環状凹部35の形成位置よりも周壁部33の立設方向の先端側に位置する周壁部33の外周面と貫通孔23の内周面との隙間にも充填されている。
次に、以上のように構成された電子機器1を製造する方法について述べる。
電子機器1を製造する際には、はじめに、第1回路基板2に電解コンデンサ5を実装しておき、また、ケース7にキャップ31を取り付けておく。
次いで、第2回路基板3を収容部15の底面16aに配置し、その後、電解コンデンサ5が実装された第1回路基板2を収容部15内に収容する。この収容の際には、電解コンデンサ5を筒状壁部21に挿入し、さらに、電解コンデンサ5の他端面5b側の端部をキャップ31内に挿入する。この際には、例えば、先細に形成された内向突起部39が電解コンデンサ5の挿入方向に屈曲するように弾性変形し、この弾性力によって内向突起部39の先端が電解コンデンサ5の外周面に押し付けられる。すなわち、内向突起部39によって周壁部33の内周面とこれに対向する電解コンデンサ5の外周面との隙間が埋められることになる。
上述のように、第1回路基板2に実装された電解コンデンサ5をケース7に取り付けられたキャップ31内に挿入することで、電解コンデンサ5の端部を容易にキャップ31内に挿入することができる。すなわち、第1回路基板2に対する電解コンデンサ5の実装位置にズレが生じていても、挿入の際にキャップ31が弾性変形することで、このズレを解消することができる。すなわち、ケース7の貫通孔23に対する電解コンデンサ5の位置決めを容易に行うことができる。
第1回路基板2の収容が完了した後には、第1接続子17により第1回路基板2と第2回路基板3とを電気接続すると共に、第2接続子18により第2回路基板3とコネクタ部13の端子12とを電気接続する。最後に、開口部15a側から収容部15内に溶融した樹脂9を流し込み、この樹脂9が硬化することで電子機器1の製造が完了する。
なお、この樹脂充填に際して、第1回路基板2は収容部15の開口部15aの大半を覆うように配置されているが、図2に示すように、第1回路基板2にはその厚さ方向に貫通する開口孔2bが形成され、また、第1回路基板2の実装面2aの周縁と収容部15の側壁との間にも隙間が形成されているため、樹脂9を第1回路基板2とケース7の底壁部16との間や筒状壁部21内に滑らかに導くことができる。
また、貫通孔23の外側開口部23aがキャップ31によって閉塞されているため、筒状壁部21内に導かれた樹脂9は、外側開口部23aからケース7の外方に漏れ出すことを容易に防止できる。
さらに、図4に示すように、周壁部33の内周面と電解コンデンサ5の外周面との隙間は内向突起部39によって埋められているため、筒状壁部21内に導かれた樹脂9がこの隙間に侵入することも防止できる。すなわち、電解コンデンサ5と内向突起部39との当接部分よりも電解コンデンサ5の他端面5b側に位置する電解コンデンサ5とキャップ31との隙間には、樹脂9が入り込まない。
そして、筒状壁部21内に導かれた樹脂9は、内向突起部39よりも先端側に位置する周壁部33の内周面と電解コンデンサ5の外周面との隙間、及び、環状凹部35の形成位置よりも周壁部33の立設方向の先端側に位置する周壁部33の外周面と貫通孔23の内周面との隙間に充填される。これにより、内向突起部39よりも先端側に位置する周壁部33はその内側及び外側の両方から樹脂9によって挟み込まれるため、キャップ31を樹脂9に強固に固定することができる。
以上説明したように、上記実施形態による電子機器1によれば、キャップ31によりケース7の貫通孔23を容易に閉塞できると共にケース7に対する電解コンデンサ5の位置決めを容易に行うことができる。また、ケース7内に樹脂9を充填する際には、注意を要しなくても防爆弁が樹脂9によって封止されることを防止できるため、電子機器1の製造を容易に行うことができる。
また、この電子機器1によれば、電解コンデンサ5がキャップ31によって電子機器1の外側空間に対して密閉されているため、水分や塵埃が電解コンデンサ5に接触することを確実に防止できる。なお、この電子機器1において電解コンデンサ5の内部圧力が過度に上昇した際には、防爆弁を正常に作動させることができる。ここで、防爆弁にはキャップ31の易破断壁部32が対向配置されているが、この易破断壁部32は薄板状に形成されることで防爆弁の破裂に伴って容易に破断するため、防爆弁を正常に作動させることができる。
さらに、ケース7に電解コンデンサ5を挿入する筒状壁部21が形成されることで、第1回路基板2や電解コンデンサ5が収容されるケース7内の容積を縮小して電子機器1の小型化を図ることができる。すなわち、第1回路基板2の実装面2aには、電解コンデンサ5の他にも各種電子部品が実装されることがあるが、これら電子部品の高さ寸法は電解コンデンサ5の高さ寸法と比較して低いことが多い。そこで、ケース7に電解コンデンサ5用の筒状壁部21を形成しておくことで、ケース7内に余分な空間が形成されることを防止できるため、前述したように電子機器1の小型化を図ることができる。
また、弾性保持部34が先細状の内向突起部39によって構成されることで、電解コンデンサ5の外周面に当接する弾性保持部34の面積を小さくすることができるため、キャップ31を小さな力で電解コンデンサ5に取り付けることができる。
以上、本発明の実施形態である電子機器1について説明したが、本発明の技術的範囲はこれに限定されることはなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、電子機器1は、回路基板2,3を2つ備えるとしたが、少なくとも電解コンデンサ5を実装する第1回路基板2を備えていればよい。この場合には、第1回路基板2とコネクタ部13の端子12とを接続子のみにより接続すればよい。
また、ケース7の筒状壁部21やキャップ31は円筒状に形成されるとしたが、これに限ることは無く、少なくとも電解コンデンサ5の形状に対応する筒状に形成されていればよい。
さらに、内向突起部39は、周壁部33の先端と基端との間に形成されるとしたが、少なくとも電解コンデンサ5の他端面5bと易破断壁部32との隙間に樹脂が侵入しないように形成されていればよい。したがって、内向突起部39は、例えば周壁部33の先端に形成されていてもよいし、周壁部33の基端に形成されていてもよい。
また、キャップ31の周壁部33には、その内周面から周壁部33の径方向内側に突出する環状の内向突起部39が形成されるとしたが、少なくとも周壁部33と電解コンデンサ5の外周面との隙間を周方向にわたって埋める弾性保持部34が形成されていればよい。したがって、この弾性保持部34は、例えば周壁部33の内周面全体に形成されていてもよい、すなわち、周壁部33全体が電解コンデンサ5の外周面に押し付けられてもよい。
さらに、環状突起部25は貫通孔23の外側開口部23aに形成されるとしたが、これに限ることは無く、例えば外側開口部23aよりも第1回路基板2に近い側に形成されてもよい。この場合には、キャップ31の易破断壁部32も外側開口部23aよりも第1回路基板2に近い側に位置することになる。
また、貫通孔23にキャップ31を嵌合させる嵌合部37は、キャップ31の環状凹部35及び貫通孔23の環状突起部25によって構成されるとしたが、キャップ31の外周面及び貫通孔23の内周面の少なくとも一方に形成された凹凸形状によって構成されていればよい。例えば、嵌合部は、キャップ31の外周面から径方向外側に突出する環状の突起部と、貫通孔23の内周面から径方向外側に窪んで前記突起部に嵌合する環状の凹部とによって構成されてもよい。なお、突起部はキャップ31の外周面に凹凸形状を形成することで構成することができ、貫通孔23の凹部は貫通孔23の内周面に凹凸形状を形成することで構成することができる。
さらに、ケース7には、電解コンデンサ5を挿入する筒状壁部21が形成されるとしたが、少なくとも電解コンデンサ5の防爆弁に対向する位置に、ケース7の内部領域を外方に連通させる貫通孔23が形成されていればよい。すなわち、ケース7の収容部15の厚さ寸法が第1回路基板2に実装された電解コンデンサ5を収容できる程度に設定されていれば、例えばケース7の底壁部16のうち電解コンデンサ5の他端面5bに対向する位置に貫通孔が形成されていてもよい。
なお、このようにケース7が筒状壁部21を有さない場合には、例えば上記実施形態と同様の環状凹部35をキャップ31に形成しておき、この環状凹部35を貫通孔周縁の底壁部16に嵌合させればよい。この場合には、キャップ31の外周面に形成された凹凸形状のみによって貫通孔にキャップ31を嵌合させる嵌合部を構成することができる。
また、キャップ31は、易破断壁部32、周壁部33及び弾性保持部34を弾性材料によって一体に形成して構成されるとしたが、少なくとも弾性保持部34が弾性変形可能に形成されていればよく、易破断壁部32及び周壁部33は例えば他の樹脂材料によって形成されてもよい。
さらに、上記実施形態において電子機器1を製造する際には、第1回路基板2に実装された電解コンデンサ5をケース7に取り付けられたキャップ31内に挿入するとしたが、例えば電解コンデンサ5をキャップ31内に挿入した後に、キャップ31を貫通孔23に挿入してもよいし、例えば第1回路基板2に実装された電解コンデンサ5をケース7に取り付けた後に、キャップ31をケース7に取り付けることで電解コンデンサ5をキャップ31内に挿入してもよい。これらの場合でも、上記実施形態と同様に、ケース7の貫通孔23に対する電解コンデンサ5の位置決めを容易に行うことができる。
本発明の一実施形態である電子機器を示す概略断面図である。 図1の電子機器において、樹脂を充填する前の状態を示す概略断面図である。 図1の電子機器に備えるキャップを示す拡大断面図である。 図1の電子機器において、貫通孔の外側開口部近傍の構造を示す要部拡大断面図である。 従来の電子機器の一例を示す概略断面図である。 従来の電子機器の他の例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 電子機器
2 第1回路基板
5 電解コンデンサ
5b 他端面
7 ケース
9 樹脂
21 筒状壁部
23 貫通孔
31 キャップ
32 易破断壁部
33 周壁部
34 弾性保持部
37 嵌合部
39 内向突起部

Claims (6)

  1. 防爆弁を有する電解コンデンサが実装された回路基板をケース内に収容すると共に、当該ケース内に樹脂を充填する構成の電子機器であって、
    前記ケースには、前記防爆弁に対向するように前記ケースの内部領域を外方に連通させる貫通孔が形成されると共に、当該貫通孔に挿入することで前記貫通孔を閉塞する有底筒状のキャップが取り付けられ、
    前記キャップは、前記防爆弁に対向配置される薄板状の易破断壁部、当該易破断壁部の面方向の周縁に立設されて前記電解コンデンサの外周面に対向配置される筒状の周壁部、及び、前記周壁部と前記電解コンデンサの外周面との隙間を周方向にわたって埋める弾性保持部を備え
    前記キャップの外周面及び前記貫通孔の内周面の少なくとも一方に凹凸形状が形成され、当該凹凸形状によって前記貫通孔に前記キャップを嵌合させる嵌合部が構成されることを特徴とする電子機器。
  2. 前記嵌合部が、前記キャップの外周面に形成された環状凹部、及び、前記貫通孔の内周面から径方向内側に突出して前記環状凹部に嵌合する環状突起部によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記ケースには、外方に突出して前記電解コンデンサを挿入する筒状壁部が形成され、当該筒状壁部によって前記貫通孔が構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子機器。
  4. 前記弾性保持部が、前記周壁部の内周面から当該周壁部の径方向内側に突出する環状の内向突起部によって構成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電子機器。
  5. 前記内向突起部が、その突出方向に向けて先細に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
  6. 前記キャップを構成する前記易破断壁部、前記周壁部及び前記弾性保持部が、弾性変形可能な弾性材料によって一体に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の電子機器。
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