以下、本発明の実施形態に係るランプ及びランプの製造方法、並びに照明装置について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係るランプ1について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るランプの概略構成を示す一部切り欠き外観斜視図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係るランプ1は、直管蛍光灯と略同形の直管型LEDランプであって、長尺筒状の直管10と、LEDモジュール20と、LEDモジュール20が載置された基台30とを備える。さらに、ランプ1は、直管10の両端部に装着された一対の口金40を備える。
なお、ランプ1の内部又は外部には、口金40を介して給電を受けてLEDモジュール20のLEDを発光させるための点灯回路(不図示)が設置される。点灯回路は、例えば、4個のツェナーダイオードを用いたダイオードブリッジからなる整流回路で構成することができる。
次に、図1に示すランプの各構成要素の詳細構成について、以下説明する。
まず、本実施形態に係る直管10について説明する。直管10は、図1に示すように、LEDモジュール20及び基台30を収納するための筐体(外囲器)である。直管10は、両端部に開口を有する長尺筒体であり、その横断面形状は円環状である。直管10としては、ガラス管又はプラスチック管等で構成することができる。
本実施形態において、直管10は、ガラス管であり、例えば、シリカ(SiO2)が7
0〜72[%]で構成されたソーダ石灰ガラスで構成される。なお、直管10は、JIS(日本工業規格)に規定されている蛍光灯の製造に用いられる両端封止前の直管と同じ寸法規格のものが用いられる。直管10としては、例えば、長さが1198[mm]、外径が25.5[mm]、厚みが0.7[mm]のガラス管が用いられる。
また、直管10の外面又は内面には拡散処理が施されていることが好ましい。これにより、LEDモジュール20から発する光を拡散させることができる。拡散処理としては、例えば、ガラス管等の直管10の内面にシリカや炭酸カルシウム等を塗布する方法がある。
次に、本実施形態に係るLEDモジュール20について、図2を用いて説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係るランプにおけるLEDモジュールの平面図である。
図2に示すように、本実施形態に係るLEDモジュール20は、COB型(Chip On Board)の発光モジュールであって、ライン状(線状)に光を発するライン状光源である。LEDモジュール20は、実装基板21と、実装基板21上に配列された複数のLED22と、LED22を封止する封止部材23とを備える。さらに、LEDモジュール20は、配線24、静電保護素子25、電極端子26及びワイヤ27を備える。
実装基板21は、LED22を実装するためのLED実装用基板であって、本実施形態では、長尺矩形形状の基板である。実装基板21としては、アルミナ又は透光性の窒化アルミニウムからなるセラミックス基板、アルミニウム合金からなるアルミニウム基板、透明なガラス基板又は樹脂からなる可撓性のフレキシブル基板(FPC)等を用いることができる。本実施形態では、実装基板21として、長辺(長手方向の長さ)が140[mm]、短辺(短手方向の長さ)が7[mm]、厚みが1[mm]の長尺状のアルミナからなるセラミック基板(アルミナ基板)を用いた。
複数のLED22は、半導体発光素子の一例であって、実装基板21上に直接実装される。複数のLED22は、実装基板21の長手方向に沿ってライン状(一直線状)に一列に配列されている。各LED22は、単色の可視光を発するベアチップであり、ダイアタッチ材(ダイボンド材)によって実装基板21上にダイボンディングされている。各LED22としては、例えば青色光を発光する青色発光LEDチップが用いられる。青色発光LEDチップとしては、例えばInGaN系の材料によって構成された、中心波長が440nm〜470nmの窒化ガリウム系の半導体発光素子を用いることができる。
封止部材23は、光波長変換体である蛍光体を含む蛍光体含有樹脂であって、LED22からの光を波長変換するとともに、実装基板21上の全てのLED22を一括封止してLED22を保護する。封止部材23は、断面形状が上に凸の略半円状のドーム形状であり、実装基板21上の全てのLED22を覆うようにLED22の配列方向に沿って直線状に形成されている。なお、本実施形態において、直線状(ストライプ状)の封止部材23は、実装基板21の短手方向の中心を通る直線よりも一方の長辺側に寄って形成されている。また、封止部材23は、実装基板21の一方の短辺の端面から対向する他方の短辺の端面まで途切れることなく形成されている。封止部材23としては、例えば、LED22が青色発光LEDである場合、白色光を得るために、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系の黄色蛍光体粒子をシリコーン樹脂に分散させた蛍光体含有樹脂を用いることができる。
本実施形態では、LED22として青色発光LEDチップが用いられ、封止部材23として黄色蛍光体粒子が含有された蛍光体含有樹脂が用いられる。これにより、黄色蛍光体粒子は青色発光LEDチップの青色光によって励起されて黄色光を放出するので、封止部材23(発光部)からは、励起された黄色光と青色発光LEDチップの青色光とによって白色光が放出される。
配線24は、タングステン(W)又は銅(Cu)等からなる金属配線であり、複数のLED22同士を電気的に接続するために所定形状にパターン形成されている。さらに、配線24は、複数のLED22と静電保護素子25とを電気的に接続するともに、電極端子26とも電気的に接続されるようにパターン形成されている。
静電保護素子25は、例えば例えばツェナーダイオードであり、逆耐圧が低いLED22が実装基板21上に生じる逆方向極性の静電気によって破壊されることを防止する。
電極端子26は、外部電源から直流電力を受電するとともにLED22に直流電力を給電する受給電部(外部接続端子)であり、配線24に電気的に接続されている。例えば、電極端子26からLED22に直流電流が供給されることにより、LED22が発光し、LED22から所望の光が放出される。なお、本実施形態において、2つの電極端子26は、封止部材23を基準として実装基板21の一方の長辺側に片寄せられている。
ワイヤ27は、LED22と配線24とを電気的に接続するための電線であり、例えば、金ワイヤで構成される。LED22のチップ上面には電流を供給するためのp側電極及びn側電極が形成されており、p側電極及びn側電極のそれぞれと配線24とがワイヤ27によってワイヤボンディングされている。
次に、本実施形態に係る基台30について、図3を用いて説明する。図3(a)は、本発明の第1の実施形態に係るランプにおいて、LEDモジュールが載置された状態の基台の一部拡大平面図であり、図3(b)は、図3(a)のX−X’線に沿って切断した同基台の断面図である。
基台30は、直管10の内部に配置され、直管10に固定される。基台30は、図3(a)及び図3(b)に示すように、複数のLEDモジュール20を載置するための長尺状の基板であって、LEDモジュール20の熱を放熱するための放熱体(ヒートシンク)としても機能する。従って、基台30は、金属等の高熱伝導性材料によって構成することが好ましく、本実施形態では、アルミニウムからなる長尺状のアルミニウム基板を用いた。
また、図3(b)に示すように、本実施形態において、基台30は半円柱形状であり、平面状の表側の面はLEDモジュール20を載置するための載置面31であり、円筒面状の裏側の面は、直管10に対向する面である。基台30の裏側の円筒面は、直管10の内面と略同形状であり、基台30の裏側の円筒面と直管10の内面とが接着剤等によって接着されることによって、直管10と基台30とが固着される。これにより、直管10とLEDモジュール20との間に基台30が介在する構成となるので、LEDモジュール20の熱を効率的に直管10に導くことができる。従って、LEDモジュール20の熱を直管10の外側表面から放熱することができる。
以上のように、本実施形態では、LEDに対して一次実装基板として実装基板21が用いられ、二次実装基板として基台30が用いられる。
ここで、基台30について、図4も参照しながら詳述する。図4は、本発明の第1の実施形態に係るランプにおける基台の拡大斜視図である。
図3(a)及び図4に示すように、基台30は、直管10の管軸方向に沿って長尺形状をなしており、基台30の一方の面(表側の面)には管軸方向に沿って形成された長尺状で断面が凸状の凸部32が形成されている。本実施形態において、2つの凸部32は所定間隔をあけて対向するように設けられており、対向する凸部32によって管軸方向に沿って延びる凹部(溝)が構成されている。
図3(b)及び図4に示すように、2つの凸部32によって構成される凹部の底面は、LEDモジュール20の実装基板21を載置するための載置面31であり、平面状の平坦部で構成されている。載置面31には、複数のLEDモジュール20が基台30の長手方向(直管の管軸方向)に沿って一列に載置される。また、図3(a)に示すように、隣り合うLEDモジュール20については、一方のLEDモジュール20の電極端子26と、これに隣接する他方のLEDモジュール20の電極端子26とが、配線50によって電気的に接続されている。これにより、基台30上の複数のLEDモジュール20のLED22は直列接続されている。なお、配線50は、例えば、絶縁被膜された導線からなるリード線等の導電部材によって構成することができる。
図3(b)及び図4に示すように、基台30の凸部32は、実装基板21の側面に対向する側壁部32aと、載置面31から実装基板21の厚み方向に所定の距離を有する平面状の平面部32b(平坦部)とを有する。さらに、基台30の凸部32には、実装基板21を基台30に固定するための固定部33が形成されている。固定部33は、基台30の凸部32の一部を塑性変形させることによって構成されている。
本実施形態において、固定部33は、凸部32の側壁部32aを塑性変形させることによって形成される。凸部32の平面部32bには、複数の円錐状の窪み34が形成されている。固定部33は、凸部32の平面部32bに窪み34を形成する際の機械的応力によって凸部32が塑性変形することによって形成される。
具体的には、凸部32の平面部32bにポンチ等によって加圧して窪み34を形成することによって固定部33を形成する。この場合、窪み34を形成する際、凸部32に応力が発生し、この応力によって凸部32の側壁部32aが実装基板21に向かって突出するように塑性変形する。突出した側壁部32aは固定部33として実装基板21に当接するとともに実装基板21の斜め上方から実装基板21を押さえるようにして支持する。なお、この塑性変形によって、対向する側壁部32aの間隔が狭まり、固定部33が形成された部分における側壁部32aの間隔は、固定部33が形成されていない部分における側壁部32aの間隔よりも短くなっている。
このように、本実施形態に係るランプ1は、基台30の一部を利用してLEDモジュール20を固定するための固定部33を形成するものであり、基台30の凸部32の縁部分である側壁部32aをかしめるようにして側壁部32aを実装基板21に密着させるものである。これにより、LEDモジュール20(実装基板21)は、固定部33によって基台30に固定され、この固定状態において実装基板21の動きは規制される。すなわち、実装基板21に当接する固定部33によって、載置面31の垂直方向における実装基板21の動きが規制されるとともに、載置面31に平行であって基台30の長尺方向に対して垂直な方向における実装基板21の動きが規制される。本実施形態では、固定部33によって、基台30の長尺方向における実装基板21の動きも規制されている。
また、このように形成される固定部33は、ヒートシンクとしての基台30の一部であって実装基板21のLED実装面(表面)に接するように形成される。これにより、LEDで発生した熱は、実装基板21を伝導し、実装基板21のLED実装面から固定部33に伝導する。すなわち、固定部33からもLEDで発生した熱を熱伝導させることができる。これにより、LEDモジュール20の放熱性を向上させることもできる。なお、LEDモジュール20は中央部分に熱がこもりやすいことから、固定部33はLEDモジュール20(実装基板21)の少なくとも中央部分に形成することが好ましい。
本実施形態では、LEDモジュール20の基台30への固定状態及び放熱性を考慮して、固定部33は、図3(a)に示すように、1つのLEDモジュール20に対して4つ形成し、1つの実装基板21の一方の長辺に2つ、他方の長辺に2つ、それぞれ対向するようにして形成した。
図1に戻り、次に、本実施形態に係る一対の口金40について説明する。各口金40は、有底筒状の口金本体と、口金本体の底部の外面から外方に延出される一対の口金ピンとを備える。口金40は、ランプ1を装着する照明器具に合わせて適宜選択することができ、例えばG型口金等が用いられる。口金40の口金ピンによって、LEDモジュール20への電力の供給を行うことができる。この場合、LEDモジュール20への電力の供給は、一対の口金40の両方から行うように構成してもよいし、いずれか一方からのみから行うように構成してもよい。後者の場合、他方の口金は照明器具に装着するために使用される。
なお、上述のとおり、直管10と基台30とは接着剤(不図示)によって固着されている。接着剤は、基台30の裏面と直管10の内面との間に配される。接着材としては、放熱性の観点からは、熱伝導率が1[W/m・K]以上の材料を用いることが好ましく、また、軽量化の観点からは、比重が2以下の接着材を用いることが好ましい。接着材としては、例えばシリコーン樹脂又はセメント等からなる接着剤が用いられる。
次に、本発明の第1の実施形態に係るランプの製造方法について、図5を用いて説明する。図5(a)〜図5(b)は、本発明の第1の実施形態に係るランプの製造方法の工程を示す断面図である。
まず、図5(a)に示すように、LED(不図示)が実装された複数の実装基板21(LEDモジュール20)を基台30の載置面31に載置する(実装基板載置工程)。このとき、載置面31の実装基板21の幅方向の長さ(対向する凸部32の側壁部32aの間隔)は、実装基板21の幅方向の長さよりも僅かに長くなるように構成されている。すなわち、側壁部32aと実装基板21との間に僅かな隙間が存在する。これは、LEDモジュール20を載置する際の作業容易性及び当該載置する際の実装基板21の欠け防止等を考慮したものである。
続いて、同図に示すように、先端が鋭角なセンターポンチ100を、基台30の凸部32の平面部32bに対向するように配置する。このとき、センターポンチ100の先端と凸部32の側壁部32aの側壁面(平面部32bの実装基板側端縁)との距離は、窪み34を形成したときに凸部32の側壁部32aが実装基板21側に突出して実装基板21に当接するような距離に設定する。センターポンチ100の先端と凸部32の側壁部32aの側壁面(平面部32bの実装基板側端縁)との距離は、0.5[mm]〜2.0[mm]とすることが好ましく、本実施形態では、1.0[mm]とした。なお、センターポンチ100の先端の位置制御は、平面部32bの実装基板側端縁(エッジ)を画像処理等によって認識し、当該エッジからの位置が所定の距離となるように制御することによって行うことができる。あるいは、平面部32bの表面に予め認識マーク等を付しておくことによって、センターポンチ100の先端の位置制御を行うこともできる。
次に、図5(b)に示すように、センターポンチ100によって基台30の一部を塑性変形させて実装基板21を基台30に固定する(実装基板固定工程)。
具体的には、同図に示すように、凸部32の側壁部32aが実装基板21に向かって突出するとともに実装基板21に当接するように、センターポンチ100によって凸部32の平面部32bの所定の位置に窪みを穿つ。すなわち、対向する凸部32の側壁部32aの間隔が狭まるようにして窪みを穿つ。
これにより、凸部32の平面部32bがセンターポンチ100の先端によって加圧され、この加圧によって凸部32に発生する機械的応力によって凸部32の側壁部32aが実装基板21に向かって突出して実装基板21に当接する。これにより、突出して当接した側壁部32aが固定部33として実装基板21の斜め上方から実装基板21を押さえるようにして支持する。このように、本実施形態では、基台30の凸部32の側壁部32aは、かしめられるようにして塑性変形し、固定部33として実装基板21に密着する。これにより、実装基板21の動きが規制され、実装基板21を基台30に固定することができる。
なお、センターポンチ100の加圧は、実装基板21に衝撃を与えない程度の加圧力で行うことが好ましい。これは以降の実施形態でも同様である。
次に、図5(c)に示すように、センターポンチ100を基台30から取り去る。これにより、固定部33を形成した痕跡として、基台30の凸部32の平坦部に窪み34が形成された状態となる。
その後、図示しないが、実装基板21が固定された基台30を直管10に配置する(基台配置工程)。このとき、基台30と直管10とは例えば接着剤によって固着する。具体的には、接着剤が塗布された基台30を、ガラス管からなる直管10の一方の開口から挿通し、基台30を直管10内の所定の位置に配置する。その後、接着剤を所定の方法によって硬化する。さらに、その後、口金40等、その他の部品を設ける。これにより、ランプ1を完成させることができる。
なお、図5では、一方の凸部32のみに固定部33を形成する場合について図示したが、他方の凸部32についても同様に行うことができる。あるいは、対向する凸部32について同時に固定部33を形成しても構わない。
以上、本発明の第1の実施形態に係るランプ1及びその製造方法は、基台30の一部(凸部32)を塑性変形させることによって形成された固定部33によって、LEDモジュール20を基台30に固定することができる。従って、別途固定部材を用いることなく簡単な構成でLEDモジュール20を基台30に固定することができる。また、接着剤を用いることなくLEDモジュール20を基台30に固定することができるので、接着剤のみによって固着した場合に起こりうるLEDモジュールの落下という問題も生じない。
また、本発明の第1の実施形態に係るランプ1及びその製造方法によれば、基台30の一部である固定部33が実装基板21に接するので、LEDモジュール20で発生する熱の放熱性を向上させることもできる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係るランプについて、図6(a)、図6(b)及び図7を用いて説明する。図6(a)は、本発明の第2の実施形態に係るランプにおいて、LEDモジュールが載置された状態の基台の一部拡大平面図であり、図6(b)は、図6(a)のX−X’線に沿って切断した同基台の断面図である。また、図7は、本発明の第2の実施形態に係るランプにおける基台の拡大斜視図である。
本発明の第2の実施形態に係るLEDランプは、本発明の第1の実施形態に係るランプ1と基本的な構成は同じである。従って、図6(a)、図6(b)及び図7において、図3(a)、図3(b)及び図4に示す構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付しており、詳しい説明は省略化又は簡略化する。
本発明の第2の実施形態に係るランプが、本発明の第1の実施形態に係るランプ1と異なる点は、基台30Aの構成である。
本実施形態に係る基台30Aは、図6(a)及び図7に示すように、第1の実施形態に係る基台30と同様に、直管10の管軸方向に沿って長尺形状をなしており、基台30Aの一方の面(表側の面)には管軸方向に沿って形成された長尺状で断面が凸状の凸部32Aが形成されている。本実施形態においても、2つの凸部32Aは所定間隔をあけて対向するように設けられており、対向する凸部32Aによって管軸方向に沿って延びる凹部(溝)が構成されている。
また、図6(b)及び図7に示すように、2つの凸部32Aによって構成される凹部の底面は、LEDモジュール20の実装基板21を載置するための載置面31Aであり、平面状の平坦部で構成されている。載置面31Aには、複数のLEDモジュール20が基台30Aの長手方向(直管の管軸方向)に沿って一列に載置される。
図6(b)及び図7に示すように、基台30Aの凸部32Aは、実装基板21の側面に対向する側壁部32Aaと、載置面31Aから実装基板21の厚み方向に所定の距離を有する平面状の平面部32Ab(平坦部)を有する。さらに、基台30Aの凸部32Aには、実装基板21を基台30Aに固定するための長尺状の固定部36が形成されている。固定部36は、基台30Aの凸部32Aの一部を塑性変形させることによって構成されている。
そして、本実施形態では、第1の実施形態と異なり、基台30Aの凸部32Aは、固定部36を形成するための溝部35を有する。溝部35は、凸部32Aの側壁部32Aaの近傍において凸部32Aの平面部32Abの表面から窪むように形成される。このように形成される溝部35は、凸部32Aにおいて他の部分よりも肉厚が薄い薄肉部であり、凸部32Aを塑性変形させる前に既に形成されている。本実施形態において、溝部35は、断面形状が凹状で基台30Aの長手方向に沿って一直線状に形成されている。
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、固定部36は、凸部32Aの側壁部32Aaを塑性変形させることによって形成されるが、本実施形態では、溝部35を利用して固定部36が形成される。
すなわち、凸部32Aの塑性変形前に予め形成された溝部35によって、溝部35周辺部における凸部32Aの機械的強度が、特に溝部35よりも実装基板21側の側壁部32Aaの機械的強度が、溝部35周辺部以外における凸部32Aの機械的強度よりも低くなる。これにより、凸部32Aの側壁部32Aaは、加圧等の応力によって塑性変形しやすくなるので、固定部36を容易に加工形成することができる。
さらに、溝部35は、凸部32Aに応力を付加する際の応力付加位置を示す目印(認識マーク)として利用することができる。これにより、凸部32Aを加圧する箇所を容易に特定することができるので、固定部36を形成する際の作業性が向上する。
固定部36の具体的な形成は、溝部35に沿って加圧ローラ等を転がすことによって、凸部32Aの側壁部32Aaに対して横方向に押圧を付加することによって行われる。このときに発生する機械的応力によって凸部32Aの側壁部32Aaが実装基板21に向かって突出するように塑性変形し、この塑性変形によって固定部36が形成される。このように形成された固定部36は、基台30の長尺方向に沿って直線状に形成されるので、実装基板21の長辺部分全てに当接するとともに、実装基板21の斜め上方から実装基板21の長辺部分全てを押さえるようにして支持する。なお、この塑性変形によって、対向する側壁部32Aaの間隔が狭められる。
このように、本実施形態に係るランプも、基台30Aの一部を利用してLEDモジュール20を固定する固定部36を形成するものであり、基台30Aの凸部32Aの縁部分である側壁部32Aaをかしめるようにして側壁部32Aaを実装基板21に密着させるものである。これにより、LEDモジュール20(実装基板21)は、固定部36によって基台30Aに固定され、この固定状態において実装基板21の動きが規制される。すなわち、実装基板21に当接する固定部36によって、載置面31Aの垂直方向における実装基板21の動きが規制されるとともに、載置面31Aに平行であって基台30Aの長尺方向に対して垂直な方向における実装基板21の動きが規制される。また、本実施形態においても、固定部36によって、基台30Aの長尺方向における実装基板21の動きも規制されている。
さらに、本実施形態では、第1の実施形態と異なり、基台30の長尺方向に沿って延びる固定部36によって実装基板21の全長辺部分が支持されている。これにより、第1の実施形態よりも強固に実装基板21を支持し固定することができる。
また、本実施形態においても、固定部36は、ヒートシンクとしての基台30Aの一部であって実装基板21のLED実装面(表面)に接するように形成される。これにより、LEDで発生した熱は、実装基板21を伝導し、実装基板21のLED実装面から固定部36に伝導する。すなわち、固定部36からもLEDで発生した熱を熱伝導させることができる。これにより、LEDモジュール20の放熱性を向上させることもできる。しかも、本実施形態では、実装基板21の全長辺部分が固定部36と接しているので、第1の実施形態よりも放熱性を一層向上させることができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係るランプの製造方法について、図8を用いて説明する。図8(a)〜図8(c)は、本発明の第2の実施形態に係るランプの製造方法の工程を示す断面図である。
まず、図8(a)に示すように、第1の実施形態と同様に、LED(不図示)が実装された複数の実装基板21(LEDモジュール20)を基台30Aの載置面31Aに載置する。続いて、同図に示すように、先端が鋭角なローラ100Aを、基台30Aの溝部35に対向するように配置する。
次に、図8(b)に示すように、ローラ100Aによって基台30Aの一部を塑性変形させて実装基板21を基台30Aに固定する。
具体的には、同図に示すように、凸部32Aの側壁部32Aaが実装基板21に向かって突出するとともに実装基板21に当接するように、ローラ100Aによって凸部32Aの溝部35の周辺部を加圧する。このとき、基台30Aの長手方向に沿って形成される側壁部32Aaの全てを実装基板21側に次々と倒すようにして、ローラ100Aを溝部35に沿って転がす。すなわち、ローラ100Aは、溝部35の深さ方向(平面部32Abの垂直方向)と側壁部32Aaの方向とに押圧を付加しながら基台30Aの長手方向に沿って進行する。
これにより、図8(c)に示すように、実装基板21を基台30Aに固定するための長尺状の固定部36を形成することができる。
すなわち、凸部32Aの側壁部32Aaが、ローラ100Aによって基板30の長手方向に沿って順次加圧され、この加圧によって凸部32Aに発生する機械的応力によって凸部32Aの側壁部32Aaが実装基板21に向かって突出して実装基板21に当接する。これにより、突出して当接した側壁部32Aaが固定部36として実装基板21の斜め上方から実装基板21を押さえるようにして支持する。このように、基台30Aの凸部32Aの側壁部32Aaは、かしめられるようにして塑性変形し、固定部36として実装基板21に密着する。これにより、実装基板21の動きが規制され、実装基板21を基台30に固定することができる。
その後は、第1の実施形態と同様にして、実装基板21が固定された基台30Aを直管10に配置し、口金40等その他の部品を設けることにより、ランプを完成させることができる。
なお、図8では、一方の凸部32Aのみに固定部36を形成する場合を図示したが、他方の凸部32Aについても同様に行うことができる。あるいは、対向する凸部32Aについて同時に固定部36を形成しても構わない。
以上、本発明の第2の実施形態に係るランプ及びその製造方法は、第1の実施形態と同様に、基台30Aの一部(凸部32A)を塑性変形させることによって形成された固定部36によって、LEDモジュール20を基台30Aに固定することができる。従って、別途固定部材を用いることなく簡単な構成でLEDモジュール20を基台30Aに固定することができる。また、接着剤を用いることなくLEDモジュール20を基台30Aに固定することができるので、接着剤のみによって固着した場合に起こりうるLEDモジュールの落下という問題も生じない。さらに、本実施形態に係るランプ及びその製造方法によれば、実装基板21の全長辺部分が固定部36によって支持されているので、より強固に実装基板21を支持固定することができる。
また、本発明の第2の実施形態に係るランプ1及びその製造方法によれば、第1の実施形態と同様に、基台30の一部である固定部33が実装基板21に接するので、LEDモジュール20で発生する熱の放熱性を向上させることもできる。しかも、本実施形態では、実装基板21の全長辺部分が固定部36と接しているので、一層放熱性を向上させることができる。
さらに、本発明の第2の実施形態に係るランプ及びその製造方法によれば、固定部36は、溝部35を利用して形成することができる。従って、凸部32Aの側壁部32Aaは塑性変形しやすくなるので、固定部36を容易に加工形成することができる。また、溝部35は応力付加位置を示す目印になるので、固定部36を形成する際の作業性が向上する。
(第2の実施形態の変形例1)
次に、本発明の第2の実施形態の変形例1に係るランプについて、図9を用いて説明する。図9(a)及び図9(b)は、本発明の第2の実施形態の変形例1に係るランプの製造方法の工程を示す断面図である。なお、図9(a)及び図9(b)は、それぞれ図8(a)及び図8(c)に対応する。
本変形例1に係るランプが、図8に示す本発明の第2の実施形態に係るランプと異なる点は、基台30Bの構成である。
本変形例1において、基台30Bの凸部32Bは、図8に示す第2の実施形態と同様に、実装基板21の側面に対向する側壁部32Baと、載置面31Bから実装基板21の厚み方向に所定の距離を有する平面状の平面部32Bb(平坦部)を有するとともに、凸部32Bの側壁部32Ba近傍には、固定部36Bを形成するための溝部35Bが形成されている。
そして、本変形例1では、第2の実施形態と異なり、溝部35Bは、その底面が載置面31Bと同一面となるように形成されている。すなわち、本変形例1に係る溝部35Bは、第2の実施形態に係る溝部35よりも、深さが深くなるように形成されている。なお、その他の構成は、第2の実施形態と同様である。
本変形例1に係る固定部36Bは、第2の実施形態と同様の方法によって形成することができる。すなわち、固定部36Bは、ローラ100Aによって凸部32Bの側壁部32Baを塑性変形させることによって形成される。この場合、本変形例1では、溝部35Bの深さが深いので、溝部35B周辺部における凸部32Bの機械的強度は第2の実施形態よりもさらに低下しているので、機械的応力によって側壁部32Baは一層塑性変形しやすくなる。従って、本変形例1では、第2の実施形態よりも、さらに容易に固定部36Bを形成することができる。
(第2の実施形態の変形例2)
次に、本発明の第2の実施形態の変形例2に係るランプについて、図10を用いて説明する。図10(a)及び図10(b)は、本発明の第2の実施形態の変形例2に係るランプの製造方法の工程を示す断面図である。なお、図10(a)及び図10(b)は、それぞれ図8(a)及び図8(c)に対応する。
本変形例2に係るランプが、図8に示す本発明の第2の実施形態に係るランプと異なる点は、基台30Cの構成である。
本変形例2において、基台30Cの凸部32Cは、図8に示す第2の実施形態と同様に、実装基板21の側面に対向する側壁部32Caと、載置面31Cから実装基板21の厚み方向に所定の距離を有する平面状の平面部32Cb(平坦部)を有するとともに、凸部32Cの側壁部32Ca近傍には、固定部36Cを形成するための溝部35Cが形成されている。
本変形例2では、溝部35Cの凹部形状が、第2の実施形態の溝部35と異なっており、本変形例2における溝部35Cの凹部の形状は、断面がV字形状となるように形成されている。なお、その他の構成は、第2の実施形態と同様である。
また、本変形例2では、第2の実施形態と同様の方法によって固定部36Cを形成することができる。すなわち、固定部36Cは、ローラ100Aによって凸部32Cの側壁部32Caを塑性変形させることによって形成される。この場合、本変形例2では、溝部35Cの断面形状がV次形状であるので、ローラ100Aの先鋭な先端がV字の底に誘導されるので、ローラ100Aの先端の位置を一定の箇所(V字の底)に安定させることができる。これにより、基台30Cの長手方向に沿って固定部36Cを均一に形成することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係るランプについて、図11を用いて説明する。図11(a)は、本発明の第3の実施形態に係るランプにおいて、LEDモジュールが載置された状態の基台の一部拡大平面図であり、図11(b)は、図11(a)のX−X’線に沿って切断した同基台の断面図である。
本発明の第3の実施形態に係るランプは、本発明の第1の実施形態に係るランプ1と基本的な構成は同じである。従って、図11(a)及び図11(b)において、図3(a)及び図3(b)に示す構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付しており、詳しい説明は省略化又は簡略化する。
本発明の第3の実施形態に係るランプが、本発明の第1の実施形態に係るランプ1と異なる点は、基台30Dの構成である。
本実施形態に係る基台30Dは、図11(a)に示すように、第1の実施形態に係る基台30と同様に、直管10の管軸方向に沿って長尺形状をなしており、基台30Dの一方の面(表側の面)には管軸方向に沿って形成された長尺状で断面が凸状の凸部32Dが形成されている。本実施形態においても、2つの凸部32Dは所定間隔をあけて対向するように設けられており、対向する凸部32Dによって管軸方向に沿って延びる凹部(溝)が構成されている。
また、図11(b)に示すように、2つの凸部32Dによって構成される凹部の底面は、LEDモジュール20の実装基板21を載置するための載置面31Dであり、平面状の平坦部で構成されている。載置面31Dには、複数のLEDモジュール20が基台30Dの長手方向(直管の管軸方向)に沿って一列に載置される。
図11(a)及び図11(b)に示すように、基台30Dの凸部32Dには、固定部37が形成されている。固定部37は、実装基板21を基台30Dに固定するために、基台30Dの凸部32Dの一部を塑性変形させることによって構成されている。具体的には、固定部37は、凸部32Dの側壁面から突出するように設けられた突出部を塑性変形することによって形成される。
すなわち、加圧前において凸部32Dの上部から載置面31Dと略平行に突出するように設けられた庇状の突出部に対して、載置面31Dの垂直方向からポンチ等によって加圧し、このときに発生する機械的応力によって突出部は実装基板21に向かって折り曲げられる。そして、折り曲げられた突出部は、固定部37として実装基板21に当接するとともに実装基板21の上方から実装基板21を押さえるようにして支持する。
このとき、加圧前の突出部は、凸部32Dの上部から当該凸部32Dに対向する凸部32Dに向かって(凸部間の凹部の幅方向に)突出するように庇状に設けられているので機械的強度が弱く、加圧等の応力によって容易に塑性変形させることができる。これにより、固定部37を容易に加工形成することができる。
また、固定部37は、図11(a)に示すように、基台30Dの長尺方向に沿って所定間隔で部分的に突出する突出部を塑性変形させて形成しているので、当該突出部に応力を付加する際、突出部そのものが応力付加位置を示す目印になる。これにより、加圧する箇所を容易に特定することができるので、固定部37を形成する際の作業性が向上する。なお、この突出部は、凸部32Dと一体成形されており、凸部32Dの一部を構成している。
このように、本実施形態に係るランプは、基台30Dの一部を利用してLEDモジュール20を固定する固定部37を形成するものであり、基台30Dの凸部32Dに設けられた庇状の突出部をかしめるようにして実装基板21に密着させるものである。これにより、LEDモジュール20(実装基板21)は、かしめられた突出部で形成された固定部37によって基台30Dに固定され、この固定状態において、実装基板21の動きが規制される。すなわち、実装基板21に当接する固定部37によって、載置面31Dの垂直方向における実装基板21の動きが規制されるとともに、載置面31Dに平行であって基台30Dの長尺方向に対して垂直な方向における実装基板21の動きが規制される。本実施形態では、固定部37によって、基台30Dの長尺方向における実装基板21の動きも規制されている。
また、このように形成される固定部37は、ヒートシンクとしての基台30Dの一部であって実装基板21のLED実装面(表面)に接するように形成される。これにより、LEDで発生した熱は、実装基板21を伝導し、実装基板21のLED実装面から固定部37に伝導する。すなわち、固定部37からもLEDで発生した熱を熱伝導させることができる。これにより、LEDモジュール20の放熱性を向上させることもできる。なお、LEDモジュール20は中央部分に熱がこもりやすいことから、固定部37はLEDモジュール20(実装基板21)の少なくとも中央部分に形成することが好ましい。
本実施形態では、LEDモジュール20の基台30への固定状態及び放熱性を考慮して、固定部37は、図11(a)に示すように、1つのLEDモジュール20に対して4つ形成し、1つの実装基板21の一方の長辺に2つ、他方の長辺に2つ、それぞれ対向するようにして形成した。
次に、本発明の第3の実施形態に係るランプの製造方法について、図12を用いて説明する。図12(a)〜図12(c)は、本発明の第3の実施形態に係るランプの製造方法の工程を示す断面図である。なお、図12(a)〜図12(c)は、それぞれ、図5(a)〜図5(c)に対応する。
まず、図12(a)に示すように、第1の実施形態と同様にして、LED(不図示)が実装された複数の実装基板21(LEDモジュール20)を基台30Dの載置面31Dに載置する。
続いて、同図に示すように、先端が鋭角なセンターポンチ100を、基台30Dの凸部32Dに設けられた庇状の突出部37aに対向するように配置する。なお、加圧前の突出部37aは、凸部32Dの上部に設けられた薄板状の庇状に形成された鍔部であって、上述のとおり、載置面31Dと平行に、かつ、対向する凸部32Dに向かって(凹部の幅方向に)突出するように、凸部32Dと一体に形成されている。
次に、図12(b)に示すように、センターポンチ100によって基台30Dの一部を塑性変形させて実装基板21を基台30Dに固定する。
具体的には、凸部32Dに設けられた突出部37aが実装基板21と当接するように、センターポンチ100によって突出部37aに対して突出部37aの上方(載置面31Dの垂直方向)から加圧する。
これにより、凸部32Dの突出部37aがセンターポンチ100の先端によって加圧され、この加圧によって突出部37aが下方に折り曲げられて実装基板21に当接する。これにより、折り曲げられた突出部37aが固定部37として実装基板21の上方から実装基板21を押さえるようにして支持する。このように、突出部37aはかしめられるようにして塑性変形し、固定部37として実装基板21に密着する。これにより、実装基板21の動きが規制され、実装基板21を基台30Dに固定することができる。
次に、図12(c)に示すように、センターポンチ100を基台30Dから取り去る。
その後は、第1の実施形態と同様にして、実装基板21が固定された基台30Dを直管10に配置し、口金40等その他の部品を設けることにより、ランプを完成させることができる。
なお、図12では、一方の凸部32Dのみに固定部37を形成する場合について図示したが、他方の凸部32Dについても同様に行うことができる。あるいは、対向する凸部32Dについて同時に固定部37を形成しても構わない。
以上、本発明の第3の実施形態に係るランプ及びその製造方法は、基台30Dの一部(突出部37a)を塑性変形させることによって形成された固定部37によって、LEDモジュール20を基台30Dに固定することができる。従って、別途固定部材を用いることなく簡単な構成でLEDモジュール20を基台30Dに固定することができる。また、接着剤を用いることなくLEDモジュール20を基台30Dに固定することができるので、接着剤のみによって固着した場合に起こりうるLEDモジュールの落下という問題も生じない。
また、本発明の第3の実施形態に係るランプ1及びその製造方法によれば、基台30Dの一部である固定部37が実装基板21に接するので、LEDモジュール20で発生する熱の放熱性を向上させることもできる。
さらに、本発明の第3の実施形態に係るランプ及びその製造方法によれば、固定部37は、凸部32Dから部分的に突出した突出部37aを利用して形成することができる。従って、突出部37aは塑性変形しやすい構造となっているので、固定部37を容易に加工形成することができる。また、部分的に突出する突出部37aは、応力付加位置を示す目印になるので、固定部37を形成する際の作業性が向上する。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係る照明装置200について、図13を用いて説明する。図13は、本発明の第4の実施形態に係る照明装置の構成を示す斜視図である。
本発明の第4の実施形態に係る照明装置200は、上記第1の実施形態に係るランプ1と、照明器具210とを備える。
照明器具210は、ランプ1と電気的に接続され、かつ、ランプ1を保持する一対のソケット220と、ソケット220が取り付けられる器具本体230と、回路ボックス(図外)とを備える。器具本体230の内面231は、ランプ1から発せられた光を所定方向(例えば、下方である。)に反射させる反射面となっている。なお、回路ボックスは、その内部に、図外のスイッチがオン状態ではランプ1に給電し、オフ状態では給電しない点灯回路を収納する。本実施形態に係る照明装置200は、例えば、天井等に固定具を介して装着される。
なお、本実施形態では、ランプとして、第1の実施形態に係るランプ1を用いたが、第2及び第3の実施形態又はその変形例に係るランプを用いても構わない。
(その他変形例又は他の実施形態)
以上、本発明に係るランプ及び照明装置について、実施形態及び変形例に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施形態及び変形例に限定されるものではない。
例えば、上記第1の実施形態においては、1つのLEDモジュール20に対して基台30に3箇所の窪み34を形成して3つの固定部33を形成したが、これに限らない。図14に示すように、1つのLEDモジュール20に対して固定部33を3つのみ形成しても構わない。この場合、1つの実装基板21の一方の長辺に2つ、他方の長辺に1つの固定部33を形成することにより、実装基板21を固定することができる。また、固定部33は、4つ以上の複数個形成しても構わない。
また、上記の実施形態においては、基台の一部である固定部のみによって実装基板21を固定したが、これに限らない。例えば、図15に示すように、実装基板21の一方の長辺は固定部33等の本実施形態に係る固定部によって固定するととともに、実装基板21の他方の長辺は固定部33とは別の他の固定部材60によって固定しても構わない。固定部材60は、1つの実装基板21の一方の長辺部分を基台30に固定するものであり、実装基板21を基台30との間に挟んだ状態でねじ61によって基台30の表面にねじ止めされて固定される。例えば、図15に示すように、固定部材60は、基台30の凸部32の平面部32bの表面から実装基板21の表面まで側壁部32aを跨るように形成された可撓性の樹脂部品又は金属片によって構成することができる。
また、上記の実施形態では、基台の上方(載置面に対して垂直方向)から加圧して基台の一部を塑性変形するように構成したが、これに限らない。例えば、基台の横方向(載置面に対して水平方向)から加圧することにより基台の一部を塑性変形して、実装基板を固定する固定部を形成しても構わない。このような方法について、図16及び図17を用いて、以下説明する。図16(a)〜図16(c)は、本発明の第5の実施形態に係るランプの製造方法の工程を示す断面図である。また、図17(a)〜図17(c)は、本発明の第6の実施形態に係るランプの製造方法の工程を示す断面図である。なお、図16(a)〜図16(c)及び図17(a)〜図17(c)は、それぞれ、図5(a)〜図5(c)に対応する。
まず、図16(a)に示すように、本発明の第5の実施形態に係るランプにおいては、基台30Eの凸部32Eは、変形しやすいように横方向の厚みが薄く形成されている。そして、同図に示すように、まず、基台30Eの載置面31Eに実装基板21(LEDモジュール20)を載置し、先端が鋭角なセンターポンチ100Bを、凸部32Eの外側の側面に対向するように配置する。
次に、図16(b)に示すように、対向する凸部32Eの間隔が狭まるようにセンターポンチ100Bによって凸部32Eを横方から加圧する。これにより、凸部32E(側壁部32Ea)が実装基板21に向かって倒されて、固定部として実装基板21に当接するとともに実装基板21の斜め上方から実装基板21を押さえるようにして支持する。これにより、実装基板21の動きが規制され、実装基板21を基台30Eに固定することができる。
次に、図16(c)に示すように、センターポンチ100Bを基台30Eから取り去る。これにより、本発明の第5の実施形態に係るランプを得ることができる。
また、図17(a)に示すように、本発明の第6の実施形態に係るランプにおいても、基台30Fの凸部32Fは、変形しやすいように横方向の厚みが薄く形成されている。そして、同図に示すように、まず、基台30Fの載置面31Fに実装基板21(LEDモジュール20)を載置し、先端が鋭角で細いセンターポンチ100Cを、凸部32Fの外側の側面に対向するように配置する。
次に、図17(b)に示すように、センターポンチ100Cによって凸部32Fを横方向から加圧する。これにより、凸部32Fの側壁面のうち実装基板21の側面に対向する部分が実装基板21の側面に向かって突出し、実装基板21の側面に当接する。これにより、凸部32Fの突出した部分が固定部として実装基板21の側面を両側から押さえるようにして実装基板21を支持する。従って、実装基板21の動きが規制され、実装基板21を基台30Fに固定することができる。
次に、図17(c)に示すように、センターポンチ100Cを基台30Fから取り去る。これにより、本発明の第6の実施形態に係るランプを得ることができる。
また、以上、上記の実施形態においては、LEDモジュール20は実装基板21上にLEDそのもの(ベアチップ)を直接実装するCOB型(Chip On Board)であるとしたが、これに限らない。例えば、図18に示すように、樹脂等で成型されたキャビティの中にLEDチップを実装し、当該キャビティ内を蛍光体含有樹脂によって封入したパッケージ型、つまり表面実装型(SMD:Surface Mount Device)のLEDモジュール300であってもよい。
図18に示すSMD型のLEDモジュール300は、実装基板301と、実装基板301上に一列に実装された複数のパッケージ390とを備える。パッケージ390は、樹脂等で構成され、そのキャビティ内にはLEDチップ321が実装されている。そして、実装されたLEDチップ321は蛍光体含有樹脂320で覆われている。複数のパッケージ390は、配線パターン又はワイヤ等で互いに電気的に接続されると共に、外部接続端子である電極端子391と電気的に接続されている。
また、上記の各実施形態において、基台は、筒状の直管10の内部に収納するように構成したが、これに限らない。例えば、基台そのものを筐体の一部として構成し、基台のLEDモジュール実装面とは反対側を外表面となるように構成しても構わない。すなわち、断面が中実半円形でアルミニウム等の金属によって構成された基台兼筐体である金属筐体と、LEDモジュールを覆うように金属筐体に取り付けられ、断面が半円弧状の透光性カバーとによってランプを構成しても構わない。すなわち、金属筐体と透光性カバーとでランプ全体の筐体を構成する。
例えば、金属筐体は略半円柱形状であって、透光性カバーで覆われる側の平面にはLEDモジュール20が実装され、円筒面は外部に露出されるように構成する。また、透光性カバーは、略半円筒形状であって、プラスチック等の合成樹脂によって構成する。なお、透光性カバーと金属筐体との両端部分には、上述の本発明の実施形態に係る口金40と同様の構成の口金を取り付ける。
また、上記の実施形態では、直管型LEDランプについて説明したが、これに限らない。例えば、電球型LEDランプにも適用することができる。この場合、LEDモジュールの実装基板としては、アスペクト比の小さい正方形に近い形のセラミックス基板を用いることができる。また、このようなLEDモジュールを載置する基台として、上記形状のセラミックス基板と同程度の大きさの凹部となるように形成された凸部を有する基台を用いることができる。そして、この基台の凸部を塑性変形させることによって実装基板を基台に固定するための固定部を形成する。
また、上記の実施形態では、機械的応力によって基台の一部を塑性変形したが、これに限らない。例えば、レーザ等による熱的応力によって基台の一部を塑性変形しても構わない。この場合、基台の凸部の側壁部に対してレーザ照射することによって凸部の一部を溶融し、溶融した凸部の一部を固定部として実装基板を基台に固定することができる。
また、上記の第1の実施形態においては、センターポンチを用いて窪みを形成したが、これに限らない。センターポンチ以外の窪み形成手段を用いて窪みを形成しても構わない。さらには、上記の各実施形態において、基台の凸部を加圧するための加圧手段は例示であって、これらの加圧手段に限定されるものではない。
また、上記の第2の実施形態及びその変形例1、2において、薄肉部は、基台の長尺方向に沿って形成した直線状の溝部で構成したが、これに限らない。薄肉部は、スポット状に部分的に形成された円錐状の窪み等によって構成しても構わない。
また、上記の第2の実施形態及びこれらの変形例においては、加圧ローラを溝に沿って転がすことにより側壁部全てを倒すようにして固定部を形成したが、これに限らない。例えば、ポンチを用いて、基台の長手方向に沿って断続的に溝に加圧することにより、当該加圧した箇所のみの側壁部を倒して断続的に固定部を形成しても構わない。
また、上記の第3の実施形態では、庇状の凸部37が基台30Dの長手方向において断続的に形成されているが、これに限らない。例えば、庇状の凸部を基台の長手方向全体に形成するようにして基台を構成しても構わない。これにより、基台をアルミニウム等の押出加工によって容易に形成することができる。なお、この場合、凸部を加圧して塑性変形させる加圧手段としては、ローラを用いても構わないし、ポンチを用いても構わない。ローラを用いる場合は、基台の長手方向に沿って凸部全体を加圧することによって固定部を形成することができ、ポンチを用いる場合は、基台の長手方向に沿って断続的に凸部を加圧することによって固定部を形成することができる。
また、上記の実施形態において、半導体発光素子としてLEDを例示したが、半導体レーザ及び有機EL(Electro Luminescence)であってもよい。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、複数の実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。