以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程(ステップ)、工程の順序などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
以下の実施の形態では、照明用光源の一態様である直管LEDランプ、及び、当該直管LEDランプを備える照明装置について例示する。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1に係る直管LEDランプについて説明する。なお、本実施の形態に係る直管LEDランプは、従来の直管形蛍光ランプに代替する照明用光源の一例である。
[直管LEDランプの全体構成]
まず、本実施の形態に係る直管LEDランプの構成の一例について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る直管LEDランプ1の一部切り欠き概観斜視図である。
図1に示すように、直管LEDランプ1は、長尺状の筐体20と、筐体20の長手方向(管軸方向)の端部のそれぞれに固定された給電用口金30及び非給電用口金40と、筐体20内に配置されたLED素子120とを備える。給電用口金30は、底部と開口部とを有する筒状の口金本体310と、底部を貫通するように設けられた給電ピン320とを有する。
詳細は後述するが、給電用口金30は、さらに、口金本体310内において給電ピン320を挟むように底部から開口部に向かう方向に延設された絶縁性の一対の隔壁381及び382とを有しており、一対の隔壁381及び382の高さは、給電ピン320の高さよりも高くなっている。
なお、基板110とLED素子120は、筐体20内に配置されたLEDモジュール10の一部である。また、直管LEDランプ1は、例えば、40形の直管LEDランプであり、ランプ全長が約1200mmである。
以下、直管LEDランプ1の各構成部材について詳述する。
[LEDモジュール]
図1に示すように、LEDモジュール10は、直管LEDランプ1の光源であり、筐体20内に配置される。LEDモジュール10は、発光素子を有する発光モジュールであって、白色などの所定の色(波長)の光を放出する。本実施の形態におけるLEDモジュール10は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって白色光を放出するB−Yタイプの白色LED光源である。LEDモジュール10(基板110)は、筐体20から端部がはみ出るように配置されている。
図2は、本発明の実施の形態1に係るLEDモジュール10の一部を示す平面図である。
本実施の形態に係るLEDモジュール10は、表面実装(SMD:Surface Mount Device)型の発光モジュールであって、基板110と、基板110に実装された複数のLED素子120と、複数のLED素子120を点灯するための点灯回路130とを備える。また、図示しないが、LEDモジュール10は、さらに、複数のLED素子120及び点灯回路130を電気的に接続するための所定形状にパターン形成された金属配線を備える。
基板110は、主面(表面)に複数のLED素子120が配置された長尺状の基板である。基板110の詳細な構成については、後で説明する。
LED素子120は、発光素子の一例であり、基板110上に実装される。本実施の形態では、複数のLED素子120は、基板110の長手方向に沿ってライン状に一列配置されるように実装されている。複数のLED素子120のそれぞれは、図1に示すように、互いに離間して配置されている。
LED素子120は、LEDチップと蛍光体とがパッケージ化された、いわゆるSMD型の発光素子である。図2に示すように、LED素子120は、パッケージ121と、パッケージ121に配置されたLEDチップ122と、LEDチップ122を封止する封止部材123とを備える。LED素子120は、例えば、白色光を発する白色LED素子である。
パッケージ121は、白色樹脂などによって成形された容器であり、逆円錐台形状の凹部(キャビティ)を備える。凹部の内側面は傾斜しており、LEDチップからの光を上方に反射させるように構成されている。
LEDチップ122は、パッケージ121の凹部の底面に実装されている。LEDチップ122は、所定の直流電力により発光する半導体発光素子の一例であって、単色の可視光を発するベアチップであり、ダイアタッチ材(ダイボンド材)によって、パッケージ121の凹部の底面にダイボンディング実装されている。LEDチップ122は、例えば、通電されると青色光を発する青色LEDチップである。
封止部材123は、光波長変換体である蛍光体を含む蛍光体含有樹脂であり、LEDチップ122から発せられた光を所定の波長に変換(色変換)する。また、封止部材123は、LEDチップ122を封止することで、LEDチップ122を保護する。封止部材123は、パッケージ121の凹部に充填されており、当該凹部の開口面まで封入されている。
封止部材123は、LEDチップ122が発する光の色(波長)と、光源として求められる光の色(波長)とに基づいて選択された材料を含む。例えば、LEDチップ122が青色LEDチップである場合に白色光を得るために、封止部材123として、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系の黄色蛍光体粒子をシリコーン樹脂に分散させた蛍光体含有樹脂を用いることができる。これにより、黄色蛍光体粒子が青色LEDチップの青色光によって励起されて黄色光を放出するので、封止部材123からは、励起された黄色光と青色LEDチップの青色光との合成光として白色光が放出される。なお、封止部材123に、シリカ(SiO2)などの光拡散材を含有させてもよい。
このように構成されるLED素子120は、正極及び負極の2つの電極端子を有しており、これらの電極端子と基板110に形成された金属配線とが電気的に接続されている。
点灯回路130は、LEDモジュール10に実装されたLED素子120の点灯状態を制御するためのLED点灯回路であり、LED素子120を点灯させるための所定の電力をLED素子120に供給する。点灯回路130は、1つ又は複数の回路素子(回路部品)130aから構成される。
点灯回路130は、例えば、リード線50を介して入力される直流電圧を、LED素子120を発光させるための所定の電圧値に調整して出力する。点灯回路130から出力される直流電力は、例えば、基板110に形成された金属配線を介してLEDモジュール10のLED素子120に供給される。
回路素子130aは、LEDモジュール10の基板110を利用して、基板110に直接実装されている。回路素子130aは、例えば、整流回路、検知回路又はヒューズ素子などである。その他必要に応じて、抵抗、コンデンサ、コイル、ダイオード又はトランジスタなどを回路素子130aとして用いてもよい。なお、本実施の形態において、回路素子130aは、LEDモジュール10の基板110に実装したが、基板110とは別個の基板(回路基板)を設けて、当該基板に実装してもよい。
金属配線は、銅(Cu)などの金属を含み、基板110に予め定められた形状でパターン形成されている。
ここで、LED素子120に電力を供給するためのリード線50の一端は、給電用口金30の給電ピンに接続される。リード線50の他端は、基板110の第1主面(表面)の接続点に接続される。例えば、リード線50の他端は、接続点にはんだ付けされている。
ここで、接続点は、金属配線に電気的に接続されている部分である。例えば、接続点は、矩形状などにパターン形成された金属電極である。リード線50及び金属配線を介して、外部から点灯回路130及びLED素子120に電力が供給される。
なお、金属電極の代わりに、口金型に構成された接続端子を用いてもよい。接続端子は、接続点の一例であり、LED素子120を発光させるための直流電力を、LEDモジュール10の外部から受電する外部接続端子(電極端子)である。具体的には、接続端子は、樹脂型の口金部(ソケット)と、直流電力を受電するための導電部(ピン)とを有するコネクタである。当該導電部は、金属配線を介して点灯回路130に接続される。このように、リード線50の他端は、基板110の主面にコネクタ接続されてもよい。
また、LEDモジュール10の光取り出し効率を向上させるために、基板110の表面に白色塗料(白レジスト)を塗膜してもよい。白レジストは、高光反射性を有するので、LEDモジュール10の光取り出し効率を向上させることができる。また、白レジストを形成することによって、基板110の絶縁性(耐圧)を向上させることができ、かつ、金属配線の酸化を抑制することができる。
[基板]
続いて、本実施の形態に係る基板110についてより詳細な構成を説明する。
基板110は、例えば、長尺状の略矩形の基板であり、長手方向(図1のY軸方向)が直管状の筐体20の長手方向と平行になり、かつ、短手方向(図1のX軸方向)が筐体20の短手方向と平行になるように、筐体20内に配置される。基板110は、例えば、接着剤によって筐体20の内面に固定されている。あるいは、基板110は、筐体20内に固定されたヒートシンク(基台)の戴置面上に戴置されていてもよい。基板110と筐体20との接着に用いられる接着剤は、例えば、シリコーン樹脂又はセメントである。
基板110の主面には、点灯回路130(回路素子130a)と複数のLED素子120とが基板110の長手方向に並んで配置されている。なお、基板110の長手方向の長さは筐体20の全長よりも長い。
具体的には、基板110は、LED素子120を実装するための実装基板である。基板110は、例えば、樹脂をベースとする樹脂基板、金属をベースとするメタルベース基板、セラミックからなるセラミック基板、又は、ガラスからなるガラス基板などである。
樹脂基板は、例えば、ガラス繊維とエポキシ樹脂とからなるガラスエポキシ基板(CEM−3、FR−4など)、紙フェノール若しくは紙エポキシからなる基板(FR−1など)、又は、ポリイミドなどからなる可撓性を有するフレキシブル基板などである。メタルベース基板は、例えば、表面に絶縁膜が形成されたアルミニウム合金基板、鉄合金基板又は銅合金基板などである。本実施の形態では、基板110として、CEM−3の両面基板を用いている。
基板110の長手方向の一方の端部は、給電用口金30に覆われている。例えば、基板110は、筐体20から端部がはみ出るように配置されており、少なくともはみ出た部分は、給電用口金30に覆われている。例えば、基板110の端部は、点灯回路130が給電用口金30に覆われるような部分まで覆われている。
図2に示すように、基板110は、互いに対向する第1主面(表面)及び第2主面(裏面)を有する。給電用口金30の給電ピン320に接続されたリード線50を通すために、基板110には貫通孔140及び凹部150が設けられている。貫通孔140は、基板110の裏面から表面にリード線50を通過させるために設けられる。具体的には、リード線50の他端は、貫通孔140を通過し、基板110の第1主面に形成された金属電極と接続されるようにはんだ付けされる。また、凹部150は、基板110の長手方向の端面から基板110の長手方向に向かって凹状に形成される。凹部150は、例えば、矩形の基板110の長手方向の端面から基板110の一部を切り欠くことで形成される。
[筐体]
筐体20は、内部に基板110が配置された長尺状の筐体である。具体的には、筐体20は、LEDモジュール10の一部を覆う透光性を有する長尺状の透光性カバーである。
例えば、図1に示すように、筐体20は、両端部に開口を有する長尺状の筒体である。具体的には、筐体20は、直管状の外管であり、透明樹脂材料又はガラスから構成される。筐体20は、短手方向の断面(XZ断面)が円形の円筒である。
例えば、筐体20は、可視光に対して透明なシリカガラス製のガラスバルブ(クリアバルブ)である。この場合、筐体20内に配置されたLEDモジュール20は、筐体20の外側から視認することができる。
具体的には、筐体20は、シリカが70〜72%のソーダ石灰ガラスを主成分として含み、熱伝導率が約1.0W/m・Kのガラス管(ガラスバルブ)である。あるいは、筐体20は、アクリル(PMMA)又はポリカーボネート(PC)などの樹脂材料を含むプラスチック管でもよい。
なお、LEDモジュール10からの光を拡散させるために、筐体20は光拡散機能を有してもよい。例えば、筐体20の内面又は外面に光拡散シート又は光拡散膜を形成すればよい。具体的には、シリカ若しくは炭酸カルシウムなどの光拡散材(微粒子)を含有する樹脂、又は、白色顔料を筐体20の内面又は外面に付着させることで、乳白色の光拡散膜を形成することができる。
また、筐体20の内部若しくは外部に設けられたレンズ構造物、又は、筐体20の内面若しくは外面に形成された凹部若しくは凸部によって光拡散機能を実現してもよい。例えば、筐体20の内面又は外面にドットパターンを印刷し、又は、筐体20の一部を加工することで、光拡散機能を実現することができる。あるいは、光拡散材が分散された樹脂材料などを用いて筐体20そのものを成形することで、光拡散機能を実現することもできる。
このように、筐体20に光拡散機能を持たせることによって、LEDモジュール10から放射された光を、筐体20を当該光が通過する際に拡散させることができる。例えば、本実施の形態のように、SMD型のLED素子120が離間して配置されていると、光のつぶつぶ感(輝度ばらつき)が発生する恐れがある。これに対して、筐体20に光拡散機能を持たせることで、光のつぶつぶ感を抑制することができる。
[給電用口金]
給電用口金30は、第1口金の一例であり、LEDモジュール10に電力を供給するための給電用口金である。給電用口金30は、筐体20又は基板110の長手方向(Y軸方向)の一方の端部に設けられる。給電用口金30は、LED素子120を点灯させるための電力をランプ外部から受ける。
給電用口金30は、筐体20の長手方向の一方の端部に蓋をするようにキャップ状に構成されている。つまり、給電用口金30は、有底筒形状であり、筐体20の長手方向の一方の端部を覆うように設けられる。例えば、給電用口金30は、接着剤によって筐体20の一方の端部に接着される。本実施の形態では、給電用口金30は、一方に開口を有し、他方に底面を有する円筒である。
なお、給電用口金30と筐体20との接着に用いられる接着剤は、例えば、シリコーン樹脂である。例えば、接着剤は、基板110と筐体20との固着に用いられる接着剤と同じ材料から構成される。このとき、筐体20からはみ出た基板110の一方の端部と給電用口金30とを接着剤によって固定してもよい。
図3及び図4は、本発明の実施の形態1に係る給電用口金30の概観斜視図である。図3に示すように、給電用口金30は、口金本体310と、給電ピン320とを備える。
口金本体310は、筐体20の一方の端部に設けられた第1口金本体の一例である。例えば、口金本体310は、底面を構成する底部と開口を構成する開口部とを有する筒状の口金本体部であり、給電用口金30の外郭をなす。口金本体310は、接続部材を保持する保持部材の一例である。口金本体310は、接続部材の一例である給電ピン320を保持する。
具体的には、口金本体310は、開口及び底面を有する筒状の口金本体である。本実施の形態に係る口金本体310は、有底円筒形状であり、円形の開口と円板状の底面とを有する。
口金本体310は、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの樹脂材料から構成される。ここで、口金本体310は、例えば、給電ピン320と樹脂材料とを用いたインサート成形によって作製される。なお、樹脂成形体である口金本体310に給電ピン320を圧入することで、給電用口金30を作製することもできる。
給電ピン320は、口金ピンの一例であり、口金本体310に設けられる。給電ピン320は、具体的には、LEDモジュール10を発光させるための電力を照明器具などの外部機器から受ける一対の導電ピンである。
例えば、給電ピン320は、真鍮などの金属材料から構成される。給電用口金30を照明器具の受金(ソケット)に装着することで、給電ピン320は、照明器具に内蔵された電源装置から直流電力を受けることができる。
具体的には、給電ピン320は、口金本体310の底部の底面を貫通するように設けられている。給電ピン320は、口金本体310の底面の外面から外方に向かって突出し、かつ、口金本体310の底面の内面から開口に向かって突出している。後述するように、給電ピン320のうち、口金本体310の底面の内面から開口に向かって突出している部分(口金本体310内の部分)は、基板110の接続点にリード線50によって接続される。
給電ピン320は、接続部材の一例である。給電ピン320には、例えば、図4に示すように貫通孔321が形成され、リード線50の一端が貫通孔321を介して接続されている。
貫通孔321は、給電ピン320の、口金本体310の開口側に露出した部分に設けられている。貫通孔321は、リード線50の一端を接続するために設けられる。具体的には、貫通孔321は、はんだ付け用のビアである。リード線50の一端の金属芯線は、貫通孔321に通されて、はんだ付けによって給電ピン320に電気的及び物理的に接続される。
なお、本実施の形態に係る給電用口金30は、JIS C 7709−1に準拠した直管LEDランプにおけるGX16t−5口金(L形ピン口金)であるので、給電ピン320は、L字形である。
続いて、口金本体310の詳細な構造について説明する。図3に示すように、口金本体310は、筐体20の長手方向において2つの領域に分割される。つまり、口金本体310は、幅狭領域330と、幅広領域340とを含む。
幅狭領域330は、筐体20の長手方向(Y軸方向)に直交する断面(XZ断面)における開口面積が幅広領域340より小さい領域である。幅狭領域330は、具体的には、Y軸方向に沿って口金本体310を複数の領域に分割した場合において、他の領域の少なくとも1つよりも幅が狭い領域である。
幅広領域340は、筐体20の長手方向(Y軸方向)に直交する断面(XZ断面)における開口面積が幅狭領域330より大きい領域である。幅広領域340は、具体的には、Y軸方向に沿って口金本体310を複数の領域に分割した場合において、他の領域の少なくとも1つよりも幅が広い領域である。
具体的には、幅広領域340は、口金本体310のうち、筐体20の一方の端部を覆う部分を含む領域である。したがって、幅広領域340における口金本体310の内径は、筐体20の端部の外径より大きい。言い換えると、XZ断面において幅広領域340における口金本体310の開口面積は、筐体20の開口面積よりも大きい。
本実施の形態では、図3に示すように、幅狭領域330及び幅広領域340は、共に円筒形状である。したがって、幅狭領域330の外径は、幅広領域340の外径より小さい。つまり、口金本体310の外側面には、段差が形成されている。
例えば、幅狭領域330の深さ(Y軸方向)は、1〜30mmである。また、幅狭領域330の内径は、1〜35mmである。なお、幅狭領域330の外径は、20〜40mmである。
また、幅広領域340の深さ(Y軸方向)は、3〜40mmである。また、幅広領域340の内径は、20〜40mmである。なお、幅広領域340の外径は、21〜42mmである。
図4に示すように、口金本体310は、位置決め部350と、ガイド面360と、内壁370と、ピン保護部380と、カバー部390とを内部に備える。口金本体310と、位置決め部350、ガイド面360、内壁370、ピン保護部380及びカバー部390とは、PBTなどの同一の樹脂材料を用いた成形方法によって一体成形される。これにより、製造工程数を削減することができ、製造コストを低減することができる。なお、位置決め部350、ガイド面360、内壁370、ピン保護部380及びカバー部390の少なくとも1つは、口金本体310とは別体で設けられていてもよい。
ここで、口金本体310の内部構造の詳細について、図4を用いて説明する。
位置決め部350は、基板110の位置を決める部分である。位置決め部350の当接面351に基板110の長手方向の端面が当接することによって、基板110の長手方向の位置が決定される。また、位置決め部350の対向する基準面352に基板110の側面(短手方向の端面)が当接することによって、基板110の短手方向の位置が決定される。2つの基準面352は、基板110を短手方向から挟むように設けられている。基板110は、2つの基準面352の双方に接していてもよいが、一方のみに接していてもよい。
ガイド面360は、給電ピン320の貫通孔321にリード線50をガイドするためのガイド面である。ガイド面360は、口金本体310の内面から貫通孔321に向かって延設された面である。
例えば、リード線50を給電ピン320の貫通孔321に挿入する場合、リード線50をガイド面360に当てて屈曲させることによって、リード線50を貫通孔321へと導いて貫通孔321に挿入する。
内壁370は、口金本体310の外郭(外壁)と所定の間隔をあけるとともに口金本体310の内側面に沿って口金本体310の内部に設けられる。筐体20は、口金本体310の内側面と内壁370との間に挿入され、例えば、シリコーン樹脂などの接着剤などによって口金本体310に接着される。
具体的には、筐体20の一方の端部は、口金本体310の内側面と、内壁370と、ガイド面360とによって形成される空間に挿入され、当該空間に塗布された接着剤によって給電用口金30に固定される。このとき、接着剤は、筐体20の端部と、口金本体310の内側面、内壁370及びガイド面360のそれぞれとの間に塗布されている。これにより、筐体20の端部の外側面と口金本体310の内側面とが接着され、さらに、筐体20の端部の内側面と内壁370とが接着されるので、給電用口金30と筐体20とがより強固に固着される。
また、接着剤は、口金本体310の全周に沿って塗布されていてもよい。これにより、埃、又は、虫などの異物が口金本体310内に入ってくることを抑制できる。
口金本体310が円筒形状であるから、内壁370は、口金本体310の円周に沿って設けられる。例えば、内壁370も円筒形状の一部を構成する形状になる。一例として、内壁370の外径は、10〜36mmである。内壁370の内径は、例えば、幅狭領域330の内径に等しい。なお、内壁370は、円筒形状に限らず、楕円筒状、又は、角筒形状など、他の形状でもよい。このとき、内壁370は、筐体20と接触しない形状であることが好ましい。
また、内壁370にはスリットが設けられていてもよい。スリットを設けることによって、内壁370と口金本体310の内面との間に接着剤を塗布して筐体20を挿入する場合、余分な接着剤をスリットを介して口金本体310の内側へと逃がすことができる。これにより、余分な接着剤が筐体20と口金本体310との隙間から外部にはみ出して露出することを抑制できるので、外観品質が損なうことを抑制できる。
ピン保護部380は、露出した給電ピン320を外部から保護するために衝立状に設けられた障壁の一例である。ピン保護部380は、給電ピン320を囲むように設けられる。
このとき、ピン保護部380は、給電ピン320の一部が口金本体310の開口側に露出するように設けられる。また、ピン保護部380は、はんだごての先端が給電ピン320の貫通孔321まで到達可能で、かつ、人体(指)が給電ピン320に到達不可能となる形状の開口が形成されるように設けられる。ピン保護部380の詳細構造については後述する。
カバー部390は、基板110に設けられた回路素子130a(点灯回路130)を覆うためのカバーの一例である。
カバー部390は、口金本体310の一部を筐体20の長手方向に突出させることにより構成されている。具体的には、カバー部390は、回路素子130a(点灯回路130)を覆うように口金本体310の底部から開口部に向かって舌片状に突出している。また、カバー部390は、絶縁性樹脂材料で成形された口金本体310の一部を突出させている。これにより、部品点数を増加させることなく、かつ、点灯回路130の充電部に人体(指)が触れることによる感電を防止できるので、低コストでかつ安全性に優れた直管LEDランプを実現できる。さらに、カバー部390と基板110との間の隙間は、人の指が入らない大きさであるとよい。
また、カバー部390にはスリット状の開口391が形成されている。これにより、点灯回路130の近傍にLED素子120が配置されている場合でも、当該LED素子120の光を、開口391を介してカバー部390を通過させることができる。したがって、点灯回路130に近接配置されたLED素子120の光がカバー部390で遮光されることを抑制できるので、筐体20に影が発生することを抑制できる。
なお、カバー部390に開口391を形成する場合、開口391の大きさは人の指が入らない大きさにするとよい。これにより、カバー部390による感電防止効果を確保しつつ、カバー部390によってLED素子120の光が遮光してしまうことを抑制できる。
また、給電ピン320に接続されたリード線50を引き回す際、リード線50をカバー部390の開口391に挿通させて、リード線50が開口391を通過するようにしてもよい。これにより、リード線50などの部材を設置する際の作業スペースとして開口391を利用することができる。さらに、リード線50をガイドすることができるので、基板110と口金本体310との間にリード線50が挟まることを防止でき、リード線50の断線を回避できる。
[非給電用口金]
非給電用口金40は、第2口金の一例であり、直管LEDランプ1を照明器具に取り付ける機能を有する非給電側の口金である。非給電用口金40は、例えば照明器具のソケットに係止され、直管LEDランプ1を支持するように構成されている。
非給電用口金40は、図1に示すように、筐体20又は基板110の長手方向(Y軸方向)の他方の端部に設けられる。なお、非給電用口金40は、照明器具を介してLEDモジュール10の所定領域を接地(アース)してもよい。
非給電用口金40は、筐体20の長手方向の他方の端部に蓋をするようにキャップ状に構成されている。つまり、非給電用口金40は、有底筒形状であり、筐体20の長手方向の他方の端部を覆うように設けられる。例えば、非給電用口金40は、接着剤によって筐体20の他方の端部に接着される。本実施の形態では、非給電用口金40は、一方に開口を有し、他方に底面を有する円筒である。
なお、非給電用口金40と筐体20との接着に用いられる接着剤は、例えば、シリコーン樹脂である。例えば、接着剤は、基板110と筐体20との固着に用いられる接着剤と同じ材料から構成される。このとき、筐体20からはみ出た基板110の他方の端部と非給電用口金40とを接着剤によって固定してもよい。
図5及び図6は、本発明の実施の形態1に係る非給電用口金40の概観斜視図である。図5に示すように、非給電用口金40は、口金本体410と、非給電ピン420とを備える。
口金本体410は、筐体20の他方の端部に設けられた第2口金本体の一例である。例えば、口金本体410は、底面を構成する底部と開口を構成する開口部とを有する筒状の口金本体部であり、非給電用口金40の外郭をなす。具体的には、口金本体410は、開口及び底面を有する筒状の口金本体である。本実施の形態に係る口金本体410は、有底円筒形状であり、円形の開口と円板状の底面とを有する。
口金本体410は、例えば、ポリブチレンテレフタレートなどの樹脂材料から構成される。ここで、非給電用口金40は、例えば、非給電ピン420と樹脂材料とを用いたインサート成形によって作製される。なお、樹脂成形体である口金本体410に非給電ピン420を圧入することで、非給電用口金40を作製することもできる。
非給電ピン420は、口金ピンの一例であり、直管LEDランプ1を照明器具に取り付けるための取り付けピンである。例えば、非給電ピン420は、真鍮などの金属材料から構成された断面T字状の導電ピンである。
非給電ピン420は、口金本体410の底面から外方に向かって突出するように設けられている。非給電ピン420は、口金本体410の内面側には露出しておらず、口金本体410に埋め込まれている。なお、非給電ピン420は、口金本体410の底面を貫通するように設けられていてもよい。具体的には、非給電ピン420は、口金本体410の底面の外面から外方に向かって突出し、かつ、口金本体410の底面の内面から開口に向かって突出していてもよい。
続いて、口金本体410の詳細な構造について説明する。図5に示すように、口金本体410は、筐体20の長手方向において2つの領域に分割される。つまり、口金本体410は、幅狭領域430と、幅広領域440とを含む。
幅狭領域430は、筐体20の長手方向(Y軸方向)に直交する断面(XZ断面)における開口面積が幅広領域440より小さい領域である。幅狭領域430は、具体的には、Y軸方向に沿って口金本体410を複数の領域に分割した場合において、他の領域の少なくとも1つよりも幅が狭い領域である。
幅広領域440は、筐体20の長手方向(Y軸方向)に直交する断面(XZ断面)における開口面積が幅狭領域430より大きい領域である。幅広領域440は、具体的には、Y軸方向に沿って口金本体410を複数の領域に分割した場合において、他の領域の少なくとも1つよりも幅が広い領域である。
具体的には、幅広領域440は、口金本体410のうち、筐体20の一方の端部を覆う部分を含む領域である。したがって、幅広領域440における口金本体410の内径は、筐体20の端部の外径より大きい。言い換えると、XZ断面において幅広領域440における口金本体410の開口面積は、筐体20の開口面積よりも大きい。
本実施の形態では、図5に示すように、幅狭領域430及び幅広領域440は、共に円筒形状である。したがって、幅狭領域430の外径は、幅広領域440の外径より小さい。つまり、口金本体410の外側面には、段差が形成されている。
例えば、幅狭領域430の深さ(Y軸方向)は、1〜30mmである。また、幅狭領域430の内径は、1〜35mmである。なお、幅狭領域430の外径は、20〜40mmである。
また、幅広領域440の深さ(Y軸方向)は、3〜40mmである。また、幅広領域440の内径は、20〜40mmである。なお、幅広領域440の外径は、21〜42mmである。
なお、非給電用口金40がLEDモジュール10の所定領域を接地する場合、非給電ピン420と基板110とは接続される。このとき、非給電ピン420は、接続部材の一例であり、口金本体410は、接続部材を保持する保持部材の一例である。
図6に示すように、口金本体410は、位置決め部450と、内壁470とを内部に備える。なお、口金本体410の内部とは、筒内であり、口金本体410の開口側に露出した部分である。口金本体410と、位置決め部450及び内壁470とは、PBTなどの同一の樹脂材料を用いた成形方法によって一体成形される。これにより、製造工程数を削減することができ、製造コストを低減することができる。なお、位置決め部450及び内壁470の少なくとも1つは、口金本体410とは別体で設けられていてもよい。
位置決め部450は、基板110の位置を決める部分である。位置決め部450の対向する基準面452に基板110の側面(短手方向の端面)が当接することによって、基板110の短手方向の位置が決定される。2つの基準面452は、基板110を短手方向から挟むように設けられている。基板110は、2つの基準面452の双方に接していてもよいが、一方のみに接していてもよい。
なお、基板110の長手方向の他方の端面は、底面451に接していない。言い換えると、基板110の長手方向の他方の端面と底面451との間には隙間が存在する。これにより、基板110が熱膨張した場合であっても、基板110が隙間に逃げ込むことができるので、基板110の破損などが発生する可能性を抑制することができる。
内壁470は、口金本体410の外郭(外壁)と所定の間隔をあけるとともに、口金本体410の内側面に沿って設けられる。筐体20は、口金本体410の内側面と内壁470との間に挿入され、例えば、シリコーン樹脂などの接着剤などによって口金本体410に接着される。
口金本体410が円筒形状であるから、内壁470は、口金本体410の円周に沿って設けられる。例えば、内壁470も円筒形状の一部を構成する形状になる。一例として、内壁470の外径は、10〜36mmである。内壁470の内径は、例えば、幅狭領域430の内径に等しい。なお、内壁470は、円筒形状に限らず、楕円筒状、又は、角筒形状など、他の形状でもよい。このとき、内壁470は、筐体20と接触しない形状であることが好ましい。
また、内壁470にはスリットが設けられていてもよい。スリットを設けることによって、内壁470と口金本体410の内面との間に接着剤を塗布して筐体20を挿入する場合、余分な接着剤をスリットを介して口金本体310の内側へと逃がすことができる。これにより、余分な接着剤が筐体20と口金本体410との隙間から外部にはみ出して露出することを抑制できるので、外観品質が損なうことを抑制できる。
[給電用口金とリード線との接続関係]
ここで、給電用口金30とリード線50との接続関係について、図7及び図8を用いて説明する。図7は、本発明の実施の形態1に係る直管LEDランプの部分断面図(YZ断面図)である。図8は、同直管LEDランプの断面図(XZ断面図)であって、図7のA−A’線における断面を示している。
図7及び図8に示すように、給電用口金30の給電ピン320と回路素子130a(点灯回路130)とは、リード線50によって電気的に接続されている。具体的には、リード線50の一端は、給電ピン320の貫通孔321に挿通されてはんだ322によって給電ピン320に接続される。また、リード線50の他端は、基板110の接続点、具体的には金属電極に接続される。より具体的には、上述のとおり、リード線50の他端を貫通孔140に通過して、基板110の第1主面に形成された金属電極にはんだ131によってはんだ付けされる。
リード線50は、LED素子120を発光させるための電力を供給するための導線であって、例えば、導電性の金属線がポリ塩化ビニルなどで覆われたビニル線である。なお、リード線50の両端部分は、はんだ付けなどの接続のために金属線が露出している。
リード線50は、給電ピン320から基板110の第1主面(表面)側、第2主面(裏面)側、及び、貫通孔140(図2参照)を順に通過して接続点(金属電極)に至るように配線される。このとき、リード線50は、基板110の凹部150(図2参照)と口金本体310とによって形成された隙間を通してもよい。このようにリード線50を引き回すことによって、基板110と口金本体310との間にリード線50が挟まってリード線50が断線してしまうことを抑制できる。
また、リード線50を引き回す際、リード線50をカバー部390の開口391に挿通させて、リード線50が開口391を通過するようにしてもよい。
これにより、リード線50などの部材を設置する際の作業スペースとして開口391を利用したり、リード線50のガイドとして利用したりすることができる。
また、リード線50の長さは取り付け作業性等を考慮して余裕を持たせた長さにしてあるので、基板110と口金本体310との間にリード線50が挟まって断線するおそれがあるが、開口391にリード線50を挿通してガイドさせることによって、基板110と口金本体310との間にリード線50が挟まることを防止できるので、リード線50の断線を回避できる。
[本発明の主な特徴構成]
次に、本実施の形態に係る直管LEDランプ1の特徴構成について、図4を参照しながら、図9A、図9B、図10及び図11を用いて説明する。図9A及び図9Bは、図8のB−B’線における本発明の実施の形態1に係る直管LEDランプにおける給電用口金の断面図(YZ断面図)であって、図9Aは断面斜視図、図9Bは断面図である。図10は、同直管LEDランプにおいて、給電ピンにリード線を半田接続する場合の様子を示す図である。図11は、同直管LEDランプにおける給電用口金の正面図である。
図4、図9A及び図9Bに示すように、給電用口金30には、給電ピン320を囲むようにピン保護部380が設けられている。ピン保護部380は、給電ピン320が口金本体310の開口部側に露出するように、かつ、口金本体310の一部を底部から開口部に向かって突出するように衝立状に形成されている。
具体的には、ピン保護部380は、口金本体310内において一対の給電ピン320の各々を挟むように口金本体310の底部から開口部に向かう方向に延設された絶縁性の一対の隔壁(リブ)381及び382とを有している。本実施の形態において、一対の隔壁381及び382と給電ピン320とは接触しておらず、一対の隔壁381及び382と給電ピン320との間には隙間を設けている。
一対の隔壁381及び382の高さ(口金本体310の底部からの高さ)は、底部からの給電ピン320の高さ(口金本体310の底部からの高さ)よりも高くなっている。つまり、一対の隔壁381及び382の各々における口金本体310の開口部側の少なくとも一部の先端は、給電ピン320における口金本体310の開口部側の先端よりも、当該開口部側に位置している。
一対の隔壁381及び382は、口金本体310の一部である。すなわち、一対の隔壁381及び382は、口金本体310を形成する際に一体成形によって設けられる。口金本体310は、PCTなどの絶縁性樹脂材料によって形成されているので、一対の隔壁381及び382も絶縁性樹脂材料で形成される。例えば、一対の隔壁381及び382と口金本体310とは、給電ピン320を用いたインサート成形によって一体成形される。
隔壁381は、第1の隔壁であり、内壁370に接続されている。隔壁381は、主面がXY平面と平行な板状に形成されている。本実施の形態において、隔壁381の開口部側の一部が切り欠かれている。これにより、図4及び図9Aに示すように、Z軸方向から見たときに給電ピン320が隔壁381に隠れずに露出するので、給電ピン320とリード線50とのはんだ接続作業を行いやすくすることができる。
一方、隔壁382は、第2の隔壁であり、カバー部390に接続される。隔壁382は、主面がYZ平面と平行な板状に形成されている。本実施の形態において、隔壁382の開口部側がテーパ状に切り欠かれている。これにより、給電ピン320とリード線50とのはんだ接続作業を行いやすくすることができる。また、隔壁382は、舌片状に延設されたカバー部390の補強リブとしても機能する。
なお、隔壁381と隔壁382との底部側は、主面がYZ平面に平行な板状の接続部によって接続されている。
また、本実施の形態では、ピン保護部380だけではなく内壁370についても給電ピン320を挟む隔壁として機能する。つまり、給電ピン320は、隔壁381及び382とともに内壁370によって囲まれている。なお、内壁370のみを隔壁として機能させてもよい。
以上、本実施の形態に係る直管LEDランプ1によれば、給電用口金30には、給電ピン320よりも突出するように、かつ、給電ピン320を挟むように、絶縁性の一対の隔壁381及び382が設けられている。
この構成により、筐体20が破損したり給電用口金30から外れたりしたとしても、一対の隔壁381及び382が障壁となって人体(指)が給電ピン320に到達しなくなる。これにより、給電ピン320に人体(指)が接触することを回避できるので、給電ピン320での感電を防止できる。また、一対の隔壁381及び382は、給電用口金30(口金本体310)の一部を利用しているので、部品点数を増加させる必要もない。これにより、給電ピン320とリード線50との接続部分を保護カバーで覆うためだけに別途独立した部品を作製したり取り付け作業を増やしたりする必要がない。したがって、低コストでかつ安全性に優れた直管LEDランプを実現できる。
しかも、本実施の形態では、ピン保護部380が給電ピン320の全周を完全に囲む構成になっておらず、ピン保護部380は、給電ピン320を挟むように設けられた一対の隔壁381及び382によって構成されている。つまり、ピン保護部380を複数の隔壁に分離することによって、ピン保護部380に開口(隙間)を設けている。
この構成により、図10に示すように、リード線50と給電ピン320とをはんだ接続する際に、一方の隔壁381と他方の隔壁382との間の隙間からはんだごて500を挿入させることができる。したがって、感電を防止するために給電ピン320の周囲にピン保護部380を形成した場合であっても、リード線50と給電ピン320とのはんだ付けを容易に行うことができる。
以上、本実施の形態に係る直管LEDランプ1によれば、給電ピン320での感電を防止しつつ、給電ピン320とリード線50とのはんだ接続作業を容易に行うことができる。
また、一対の隔壁381及び382は、図10に示すような形状に限らず、人体の指に見立てた試験指が給電ピン320に到達不可能となるような形状であればよい。例えば、隔壁381と隔壁382との間隔は、人の指が入らない長さにするとよい。この場合、図11に示すように、隔壁381と隔壁382との任意の箇所の間隔L1は、例えば、7mm以下とすることができる。なお、試験指としては、「JIS C 0920」によって規定された標準試験指を用いることができる。
また、一対の隔壁381及び382は、はんだごて500の種類に関わらず、各種はんだごてが給電ピン320の貫通孔321に到達可能な形状であるとよい。具体的には、図11に示すように、一対の隔壁381及び382の最も狭い部分の間隔L2が、任意の半田ごてが入る長さにするとよく、例えば、5mm以上である。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る照明装置は、上述の照明用光源を備える照明装置である。例えば、実施の形態2に係る照明装置は、実施の形態1に係る直管LEDランプ1を備える。
図12は、本発明の実施の形態2に係る照明装置2の概観斜視図である。図12に示すように、実施の形態2に係る照明装置2は、ベースライトであり、直管LEDランプ1と、照明器具200とを備える。
直管LEDランプ1は、実施の形態1に係る直管LEDランプ1であり、照明装置2の照明用光源として用いられる。なお、本実施の形態に係る照明装置2は、一例として2本の直管LEDランプ1を備える。
照明器具200は、直管LEDランプ1と電気的に接続され、かつ、直管LEDランプ1を保持する一対の受金(ソケット)210と、受金210が取り付けられる器具本体220とを備える。
器具本体220は、例えば、アルミ鋼板をプレス加工などすることによって成型することができる。また、その表面は、直管LEDランプ1から発せられた光を所定方向(例えば、下方)に反射させる反射面の機能を有する。
照明器具200は、例えば、天井などに固定具を介して装着される。なお、照明器具200には、例えば、商用の交流電力を直流電力に変換する機能を有する電源回路などが内蔵されている。変換された直流電力は、受金を介して直管LEDランプ1の給電用口金30の給電ピン320に供給される。その他、照明器具200には、直管LEDランプ1の点灯を制御するための回路などが内蔵されていてもよい、また、直管LEDランプ1を覆うようにカバー部材が設けられていてもよい。
以上のように、本実施の形態に係る直管LEDランプ1は、照明装置として実現することができる。
(その他)
以上、本発明に係る照明用光源及び照明装置について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施の形態において、LEDモジュールが、パッケージ化されたLED素子を用いたSMD型のLEDモジュールである場合について説明したが、これに限らない。LEDモジュールは、基板上に複数のLEDチップ(発光素子)が直接実装され、複数のLEDチップを蛍光体含有樹脂によって一括封止した構成であるCOB(Chip On Board)型のLEDモジュールでもよい。
また、上記の実施の形態では、接続部材(給電ピン)とリード線とをはんだ付けにより接続する例について示したが、はんだの代わりに導電性接着剤を用いてもよい。
また、筐体内に配置される基板(LEDモジュール)は、2枚以上並べてもよい。この場合、接続端子を介してそれぞれの基板に設けられた金属配線を接続すればよい。
また、筐体は、例えば、LEDモジュールを覆う長尺状の透光性カバーと、金属などからなる基台とによって構成されてもよい。この場合、LEDモジュールは、例えば、基台に戴置される。つまり、筐体は、一体の筐体でなくてもよく、透光性カバーと筐体となど、複数に分割可能な筐体であってもよい。
また、上記の実施の形態では、口金本体は、幅広領域と幅狭領域とを含む構成、すなわち、口金本体の側面に段差を有する構成について説明した。これに対して、口金本体は、筒状であればよく、例えば、外径が略均一の円筒でもよい。言い換えると、口金本体は、開口面又は底面に平行な断面の形状が略均一の円筒でもよい。あるいは、口金本体は、開口面又は底面に平行な断面の形状が略均一の角筒でもよい。
なお、口金本体は、底面を有していなくてもよい。つまり、口金本体は、両端に開口を有する筒体でもよい。
また、筐体の端部が口金を覆ってもよい。つまり、口金の外径が筐体の端部の内径より小さくてもよい。
また、筐体、口金が円筒である場合について説明したが、筐体及び口金は、円筒でなくてもよい。例えば、筐体及び口金は角筒でもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、給電用口金のみの片側から筐体内の全LEDに給電を行う片側給電方式を採用したが、2つの口金の両方から給電を行う両側給電方式としても構わない。
また、上記の実施の形態において、給電用口金はL形口金としたが、G13口金としても構わない。さらに、両側給電方式とする場合には、2つの口金の両方をG13口金としてもよい。つまり、本実施の形態のように、2つの口金のうち一方を1本ピン(1ピン)とし、他方を2本ピン(2ピン)とする1ピン−2ピンの口金構造としてもよいし、2つの口金をいずれも2本ピン(2ピン)とする2ピン−2ピンの口金構造としてもよい。
なお、一対の給電ピン又は非給電ピンは、棒状金属に限らず、平板金属などによって構成されてもよい。
また、上記の実施の形態に係る直管LEDランプは、外部電源から直流電力を受電する方式であるが、電源回路(AC−DCコンバータ回路)を内蔵することにより、外部電源から交流電力を受電する方式であってもよい。
また、上記の実施の形態において、LEDモジュールは、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって白色光を放出するように構成したが、これに限られない。例えば、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する蛍光体含有樹脂を用いて、これと青色LEDチップと組み合わせることによりに白色光を放出するように構成してもよい。また、青色以外の色を発光するLEDチップを用いてもよく、例えば、青色LEDチップが放出する青色光よりも短波長である紫外光を放出する紫外LEDチップを用いて、主に紫外光により励起されて青色光、赤色光及び緑色光を放出する青色蛍光体、緑色蛍光体及び赤色蛍光体によって白色光を放出するように構成してもよい。
また、上記実施の形態において、発光素子としてLEDを例示したが、半導体レーザ等の半導体発光素子、有機EL(Electro Luminescence)又は無機EL等の発光素子、その他の固体発光素子を用いてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。