以下、この発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、この発明に係る遊技機の一実施の形態の左側部を示す斜視図である。この実施の形態のパチンコ機(遊技機)1は、外枠(筐体)2、前扉(第1扉)3及びガラス扉(第2扉)4を備えている。外枠2は、上下に長い長方形の枠体として形成されている。前扉3は、前枠3Aと基板3Bとを有している。前枠3Aは、外枠2と同様に、上下に長い長方形の枠体として形成されており、その幅は外枠2とほぼ同一であるが、上下方向の長さは外枠2より短くなっている。前枠3Aは、正面から見たとき、その上面及び左右両側面が外枠2の上面及び左右両側面とほぼ一致するように配置されている。基板3Bは、図4に示すように、前枠3Aに嵌め込まれた状態で固定されている。基板3Bの左上隅部には、当該隅部を前後方向に貫通する貫通孔3aが形成されている。基板3Bの前面には釘や風車(いずれも図示せず)等が設けられ、背面にはゲーム用の各種の機器(図示せず)が設置されている。ガラス扉4は、図4に示すように、ガラス扉枠4Aと二枚の板ガラス4Bとを有している。ガラス扉枠4Aは、前枠3Aと同様に、上下に長い長方形の枠体として形成されており、その幅は前枠3Aとほぼ同一であるが、上下の長さは前枠3Aよりより短くなっている。ガラス扉枠4Aは、正面から見たとき、その上面及び左右両側面が前枠3Aの上面及び左右両側面とほぼ一致するように配置されている。ガラス扉枠4Aの少なくとも左上隅部は不透明になっている。板ガラス4Bは、ガラス扉枠4Aに嵌め殺し状態で設けられている。
前枠3Aの左側部(一側部)の上下両端部は、外枠2の左側部(一側部)の上下両端部に上ヒンジ(第1、第2上ヒンジ)10及び下ヒンジ(第1下ヒンジ)30を介して水平方向へ回動可能に支持されている。ガラス扉枠4Aの左側部(一側部)の上下両端部は、前枠3Aの左側部の上下両端部に上ヒンジ10及び中間ヒンジ(第2下ヒンジ)40を介して水平方向へ回動可能に支持されている。
図2〜図9に示すように、上ヒンジ10は、第1取付部材(筐体側取付部材)11、第2取付部材(第1扉側取付部材)12及び第3取付部材(第2扉側取付部材)13を有している。第1取付部材11は、金属製の板材からなるものであり、外枠2の天井面及び左上内側面に固定されている。第1取付部材11には、前方へ向かって水平に突出する保持板部11aが形成されている。この保持板部11aの前側の大部分は、前扉3の左上隅部に形成された貫通孔3aを通ってガラス扉4内に、すなわち前扉3とガラス扉4とによって囲まれる空間内に入り込んでいる。ここで、この実施の形態では、前扉3が板状をなし、ガラス扉4が、背面部が開口した深さの浅い箱状をなしているので、保持板部11aの前側の部分がガラス扉4内に入り込んでいるが、前扉3が、前面部が開口した深さの浅い箱状をなし、ガラス扉4が板状をなしているときには、保持板部11aは、前扉3内に位置し、ガラス扉4の背面側にそれに隣接して位置することになる。ガラス扉4内に入り込んだ保持板部11aの背面側の左隅部には、切欠き部11bが形成されている。この切欠き部11bが形成されることにより、保持板部11aの左前端部には左方へ向かって突出する連結腕部(突出部)11cが形成されている。連結腕部11cの下面には、それぞれの軸線を上下方向に向けた連結軸11d及び係合軸(係合部材;当接部)11fが下方に向かって設けられている。支持軸11dは、断面円形の軸体からなるものであり、その下端部には、円板状をなす頭部11eが設けられている。係合軸11fは、断面円形の軸体からなるものであり、連結軸11dに対して右側に所定距離だけ離間した位置に配置されている。
第2取付部材12は、金属製の板材からなるものであり、基板3Bの背面に固定されている。第2取付部材12の上端部には、前方へ向かって水平に突出する連結板部12aが形成されている。連結板部12aは、貫通孔3aを通ってガラス扉4内に入り込んでいる。ここで、この実施の形態では、前扉3が板状をなし、ガラス扉4が、背面部が開口した深さの浅い箱状をなしているので、連結板部12aの前側の部分がガラス扉4内に入り込んでいるが、前扉3が、前面部が開口した深さの浅い箱状をなし、ガラス扉4が板状をなしているときには、連結板部12aは、前扉3内に位置し、ガラス扉4の背面側にそれに隣接して位置することになる。連結板部12aは、第1取付部材11の保持板部11aに対して所定距離だけ下側に配置されている。ガラス扉4内に入り込んだ連結板部12aの背面側の左隅部には、切欠き部12bが形成されている。この切欠き部12bが形成されることにより、連結板部12aの左前端部には左方へ向かって突出する支持腕部(突出部)12cが形成されている。支持腕部12cの先端部(左端部)には、当該端部を上下に貫通する貫通孔12dが形成されている。この貫通孔12dは、連結軸11dの下方に位置するように配置されている。連結板部12aの前端部には、下方に突出する補強部12eが形成されている。
第3取付部材13は、ガラス扉枠4Aの背面の左上隅部に固定されている。第3取付部材13には、金属製の板材からなるものであり、その上端部には後方へ向かって水平に突出する板部13aが形成されている。この板部13aは、連結板部12に対して所定距離だけ下側に配置されている。板部13aの上面には、軸線を上下方向に向けた係合軸13b,13cが設けられている。係合軸13b,13cは、左右方向へ所定距離だけ互いに離間して配置されている。
上記のように、この実施の形態においては、前扉3に貫通孔3aを形成することによって、第1取付部材11を外枠2の内部に配置することを可能にしている。そして、第1取付部材11を外枠2の内部に配置することにより、第1取付部材11が外部から直接目視されることを防止し、それによって美観の向上が図られている。特に、この実施の形態では、第1取付部材11のみならず、第2及び第3取付部材12,13が外枠2及びガラス扉4の内部に配置されており、それらも外部から直接目視することができない。しかも、ガラス扉枠4Aの取付部材11〜13と対向する左上隅部が不透明になっている。したがって、第1〜第3取付部材11,12,13は、外部から全く目視することができない。よって、パチンコ機1の美観を向上させることができる。なお、図1においては、図示の都合上、ガラス扉4が透明に描かれている。
第1取付部材11の連結軸11dには、第1歯車部材(ヒンジ部材)14が着脱可能に支持されている。第1歯車部材14は、軸線を上下方向に向けた筒部14aを有している。筒部14aは、有底円筒状をなしており、上端部が底部によって閉じられ、下端部が開口している。筒部14aの周壁部の上端部及と底部との交差部には、切欠き部(係合凹部)14bが形成されている。この切欠き部14bは、頭部11eを有する連結軸11dが水平方向へ出没することができるような形状及び寸法を有している。しかも、切欠き部14bは、その底部に連結軸11bが突き当たったとき、連結軸11dの軸線と筒部14aの軸線とが互いに一致するように配置されている。また、切欠き部14bは、連結軸11dの頭部11eが上下方向へ通り抜けることができないような形状、寸法を有している。したがって、連結軸11dが切欠き部14bの底部に突き当たった状態では、第1歯車部材14の底部が頭部11eに突き当たり、それによって連結軸11dが第1歯車部材14に上方へ抜け止め状態で連結されている。しかも、連結軸11dは、切欠き部14b内に連結軸11dの軸線を中心として回動可能に挿入されている。この結果、第1歯車部材14が第1取付部材11に連結軸11dの軸線を中心として回動可能に、かつ水平方向へ着脱可能に取り付けられている。これから明らかなように、連結軸11dと第1歯車部材14の底部に形成された切欠き部14bとによって連結機構60が構成されている。第1歯車部材14の上端面に連結軸を設け、第1取付部材11に切欠き部(係合凹部)を設けてもよい。
筒部14aの内周面の下部には、第1内歯車部14cが形成されている。第1内歯車部14cは、その軸線を筒部14aの軸線と一致させて配置されている。
筒部14aの外周面の一側部には、水平方向に延びる腕部14dが形成されている。この腕部14dの後側を向く側部には、凹部14eが形成されている。この凹部14eは、第1取付部材11を連結軸11dを中心として所定の位置に回動させると、凹部14eに係合軸11fが入り込むように配置されている。腕部14dの基端部には、腕部14dを上下に貫通する長孔14fが形成されている。長孔14feは、腕部14dの長手方向に沿って延びている。
腕部14dには、筒状をなす可動部材15が腕部14dの長手方向へ摺動可能に外挿されている。可動部材15の一端部には、軸線を上下方向に向けた規制軸16が固定されている。この規制軸16は、腕部14dの長孔14fにその長手方向へ移動可能に挿入されている。規制軸16が長孔14fの一端部(図9において右端部)に突き当たると、可動部材15がそれ以上腕部14dの先端側へ移動することができなくなる。以下、このときの可動部材15の位置を初期位置(係合位置)という。規制軸16が長孔14fの他端部(図9において左端部)に突き当たると、可動部材15がそれ以上腕部14dの基端側へ移動することができなくなる。以下、このときの可動部材15の位置を限界位置という。可動部材15は、それと腕部14dとの間に設けられたコイルばね(付勢手段)17によって腕部14の先端側へ向かって付勢されており、この付勢力によって通常時は初期位置に位置させられている。
可動部材15には、その長手方向に延びる長孔状の係合孔15aが形成されている。係合孔15aの一端部(図9において右側の端部)、つまり腕部14の先端側に位置する端部は、切欠き15bを介して可動部材15の後側の側部に開放されている。切欠き部15bの両側部のうち、腕部14dの基端側に位置する側部には、傾斜面(カム面)15cが形成されている。この傾斜面15cは、可動部材15が初期位置に位置している状態で、第1歯車部材14を所定の位置まで図9の反時計方向へ回動させると、係合軸11fに突き当たるように配置されている。傾斜面15cが係合軸11fに突き当たった状態において、第1歯車部材14をさらに同方向へ回動させると、傾斜面15cが係合軸11fによって押され、可動部材15がコイルばね17の付勢力に抗して初期位置から限界位置側へ移動させられる。第1歯車部材14をさらに回動させると、可動部材15が限界位置の若干手前の位置(解除位置)まで移動させられる。すると、係合軸11fが傾斜面15cを乗り越えるとともに、切欠き部15bを通り抜け、係合孔15aの一端部に入り込む。その結果、可動部材15が初期位置側へ移動可能になり、コイルばね17によって初期位置まで移動させられる。すると、係合軸11fが係合孔15aの他端部に入り込む。これにより、第1歯車部材14が第1取付部材11に回動不能に取り付けられる。
上記の内容から明らかなように、傾斜面15cと係合軸11fとによってカム機構80が構成され、係合軸11f、可動部材15及びカム機構80によって係止機構70が構成されている。第1取付部材11に傾斜面(カム面)を設け、可動部材15に係合軸(係合部材)を設けてもよい。また、第1取付部材11に可動部材を設け、第1歯車部材(ヒンジ部材)14に係合軸(係合部材)を設けてもよい。さらに、係合軸11fが、係止機構70の係合部材及びカム機構80の当接部として兼用されているが、係止部材と当接部とを互いに独立した別部材としてもよい。
第1歯車部材14の筒部14aの内部には、上端部に底部を有する有底円筒状の第1保持部材18が挿入されている。第1保持部材18は、その軸線を筒部14aの軸線と一致させており、筒部14aに回動可能に、かつ筒部14aの軸線方向へ移動不能に嵌合されている。第1保持部材18の上底部には、当該底部を上下に貫通する保持孔18aが形成されている。この保持孔18aは、その軸線を保持部材18の軸線(筒部14aの軸線)から所定距離だけ離間させて配置されている。つまり、保持孔18aは、第1保持部材18に偏心状態で設けられている。したがって、保持孔18aは、保持部材18が回転すると、第1歯車部材14の軸線を中心とする円周上を移動する。第1保持部材18の周壁部には、切欠き部18bが形成されている。切欠き部18bは、上下方向において第1内歯車部14cとほぼ同一位置に配置されている。
上記第2取付部材12の貫通孔12dには、第2歯車部材19が挿入されている。第2歯車部材19の中間部には、段差面19aが環状に形成されている。この段差面19aが第2取付部材12の下面に突き当たることにより、第2歯車部材19が第2取付部材12に対して上方へ移動可能になっている。しかも、段差面19aに対して上側に続く第2歯車部材19の外周面には、キー部19bが形成されている。そして、このキー部19bが貫通孔12bの内周面に形成されたキー溝12fに嵌り込むことにより、第2歯車部材19が第2取付部材12に回動不能に連結されている。したがって、第2歯車部材19は、第2取付部材12及び前扉3と一体に回動する。
第2歯車部材19の上端部には、軸部19cが形成されている。この軸部19cは、保持部材18の保持孔18aにその軸線を中心として回動可能に、かつ上下方向へ移動不能に嵌合されている。したがって、第2歯車部材19は、保持部材18がその軸線(第1内歯車部14cの軸線)を中心として回転すると、第1内歯車部材14cの軸線を中心として公転する。
第2歯車部材19の外周には、第1外歯車部19dが形成されている。この第1外歯車部19dは、軸部19aに隣接してその下側に配置されている。しかも、第1外歯車部19dは、軸部19aと同芯に配置されている。第1外歯車部19dの一部は、切欠き部18bから保持部材18の外部に突出しており、第1内歯車部14cと噛み合っている。第1外歯車部19dの歯数は、第1内歯車部14cの歯数より少なく設定されている。この実施の形態では、第1内歯車部14cと第1外歯車部19dとの歯数比が4:3に設定されている。勿論、歯数比は、他の大きさに設定してもよい。第1外歯車部19dは、その軸線を中心として自転しながら第1内歯車部14cの軸線を中心として公転する。したがって、前扉3は、外枠2に対して第1外歯車部19dと一緒にその軸線を中心として水平方向へ回動する。しかも、前扉3の回動軸線たる第1外歯車部19dの軸線が前扉3の回動に伴って第1内歯車部14cの回りを公転してその位置を変化させるので、前扉3はその回転に伴って水平方向へ移動する。これから明らかなように、上ヒンジ10のうちの第1取付部材11、第1歯車部材14、第1保持部材18、第2歯車部材19及び第2取付部材12によって第1上ヒンジが構成されている。
第2歯車部材19の下部には、その下端面から上方に向かって延びる収容孔19eが形成されている。この収容孔19eは、第1外歯車部19dに対し偏心して配置されている。その偏心量、つまり収容孔19aの軸線と第1歯車部19dの軸線との間の距離は、第1内歯車部14cの軸線と第1外歯車部19dの軸線との間の距離に等しく設定されている。しかも、収容孔19eは、その軸線を第1歯車部材14の第1内歯車部14cの軸線と一致させて配置されている。収容孔19eの内周面には、第2内歯車部19fが形成されている。この第2内歯車部19fは、その軸線を収容孔19eの軸線と一致させて形成されている。したがって、第2内歯車部19fの軸線は、第1内歯車部14cの軸線とも一致している。第2内歯車部19fの軸線は、第1内歯車部14cの軸線に対しそれと直交する方向へ若干離間させてもよい。
収容孔19eの内部には、上端部に底部を有する有底円筒状の第2保持部材20が挿入されている。第2保持部材20は、その軸線を収容孔19eの軸線と一致させており、収容孔19eに回動可能に、かつ収容孔19eの軸線方向へ移動不能に嵌合されている。第2保持部材20の上底部には、当該底部を上下に貫通する保持孔20aが形成されている。この保持孔20aは、その軸線を収容孔19eの軸線から所定距離だけ離間させて配置されている。つまり、保持孔20aは、第2保持部材20に偏心状態で設けられている。したがって、保持孔20aは、第2保持部材20が回転すると、収容孔19eの軸線を中心とする円周上を移動する。第2保持部材20の周壁部には、切欠き部20bが形成されている。切欠き部20bは、上下方向において第2内歯車部19fとほぼ同一位置に配置されている。
第2保持部材20の内部には、第3歯車部材21が挿入されている。第3歯車部材21の上端部には、軸部21aが形成されている。この軸部21aは、第2保持部材20の保持孔20aに回動可能に、かつ移動不能に嵌合されている。したがって、第3歯車部材21は、第2保持部材20がその軸線(第2内歯車部19fの軸線)を中心として回転すると、第2内歯車部材19fの軸線を中心として公転する。
第3歯車部材21の外周には、第2外歯車部21bが形成されている。この第2外歯車部21bは、軸部21aに隣接してその下側に配置されている。しかも、第2外歯車部21bは、軸部20aと同芯に配置されている。第2外歯車部21bの一部は、第2保持部材20から切欠き部20bを通って外部に突出している。そして、その突出した部分において第2内歯車部19fと噛み合っている。勿論、第2外歯車部21bの歯数は、第2内歯車部19fの歯数より少なく設定されており、第2外歯車部21bは、その軸線を中心として自転しながら第2内歯車部19fの軸線を中心として公転する。
第2内歯車部19f及び第2外歯車部21bの各歯車諸元は、第1内歯車部14c及び第1外歯車部19dの各歯車諸元と実質的に同一に設定されている。したがって、第2歯車部材19の自転角度と公転角度との関係及び公転円の直径は、第3歯車部材21の自転角度と公転角度との関係及び公転円の直径とそれぞれ同一になっている。ただし、第2内歯車部19f及び第2外歯車部21bの各歯車諸元と、第1内歯車部14c及び第1外歯車部19dの各歯車諸元とは、必ずしも同一にする必要がなく、互いに異なる値に設定してもよい。それによって、自転角度と公転角度との関係及び公転直径を、第1内歯車部14c及び第1外歯車部19dと、第2内歯車部19f及び第2外歯車部21bとで互いに異なるものにしてもよい。また、第2外歯車部21bは、前扉3及びガラス扉4の両者が閉位置に位置しているとき、第2外歯車部21bの軸線が第1外歯車部18dの軸線と一致するように配置されているが、両軸線がそれらと直交する方向へ若干離間するように配置してもよい。
第3歯車部材21の下部は、第2保持部材20から下方に突出しており、そこには連結軸部21cが形成されている。この連結軸部21cには、長手方向を水平方向に向けた中間部材22の基端部(図9において左端部)が固定されている。中間部材22の基端面(左方を向く端面)には、係合凹部22a(図8参照)が形成されている。中間部材22の前方を向く側部には、切欠き部22bが形成されている。切欠き部22bは、第3取付部材13の係合軸13bを係合凹部22aにその底部に突き当たるまで挿入した後、第3取付部材13を係合軸13bを中心として図9の反時計方向へ所定位置まで回動させると、係合軸13cが切欠き部22bに入り込むように配置されている。
中間部材22には、可動部材23が中間部材22の長手方向へ移動可能に設けられている。この可動部材23には、その移動方向に延びる長孔23aが形成されている。この長孔23aには、中間部材22に固定された規制軸24が長孔23aの長手方向へ移動可能に挿入されている。規制軸24が長孔23aの一端部(図9において左端部)に突き当たると、可動部材23がそれ以上中間部材22の基端部から先端部へ向かう方向へ移動することができなくなる。以下、このときの可動部材23の位置を初期位置(係合位置)という。規制軸24が長孔23aの他端部に突き当たると、可動部材23はそれ以上中間部材の先端部から基端部へ向かう方向へ移動することができなくなる。以下、このときの係合部材23の位置を限界位置という。可動部材23は、それと中間部材22との間に設けられたコイルばね(付勢手段)25によって限界位置から初期位置に向かう方向(図9において右方向)へ付勢され、通常時は初期位置に位置させられている。なお、可動部材23の図9における左端部には、長孔23aと平行に延びる凹部23bが形成されており、この凹部23bには係合軸13bが移動可能に、かつ回動可能に挿入されている。
可動部材23の下面には、長孔23aと平行に延びる長孔23cが形成されている。この長孔23cの限界位置側の端部は、切欠き部23dを介して前方に開放されている。切欠き部23dの一端側(図9において左側)の側部には、傾斜面(カム面)23eが形成されている。この傾斜面23eは、可動部材23を初期位置に位置させた状態において、第3取付部材13を中間部材22に対し係合軸13bを中心として所定位置まで相対回動させると、係合軸(係合部材;当接部)13cが傾斜面23eに突き当たるように配置されている。係合軸13cが傾斜面23eに突き当たった状態において第3取付部材13をさらに回動させると、係合軸13cが傾斜面23eを押す。その結果、可動部材23がコイルばね25の付勢力に抗して初期位置から限界位置に向かって移動させられる。可動部材23が限界位置の若干手前の位置(解除位置)まで移動すると、係合軸13cが傾斜面23eを乗り越えて長孔23c内に入り込む。すると、可動部材23がコイルばね25によって初期位置まで移動させられ、係合軸13cが長孔23cのうちの切欠き部23dによって開放されていない初期位置側の端部に入り込む。その結果、第3取付部材13が中間部材22に回動不能に連結される。この状態では、ガラス扉4が前扉3に上ヒンジ10の第3取付部材13、中間部材22、第3歯車部材21、第2歯車部材19及び第2取付部材12を介して水平方向へ回動可能に連結されている。換言すれば、上ヒンジ10の第3取付部材13、中間部材22、第3歯車部材21、第2歯車部材19及び第2取付部材12によって第2上ヒンジが構成されている。ガラス扉4は、その回動軸線たる第2外歯車部21bの軸線が前扉3の回動に伴って第2内歯車部19fの軸線を中心として公転するので、回転に伴って水平方向へ移動する。
ここで、第3取付部材13は、この発明に係る第1取付部材とみなすことができる。その場合には、中間部材22がヒンジ部材になる。そして、係合凹部22aと係合軸(連結軸)13bとによって回動連結機構が構成され、傾斜面23e及び係合軸13cによってカム機構が構成され、可動部材23、係合軸13c及びコイルばね25によって係止機構が構成される。
図10〜図12に示すように、下ヒンジ30は、下ブラケット31及び上ブラケット32を有している。下ブラケット31は、外枠2の下端部内面に固定されている。下ブラケット31の前側の一端部は、外枠2から前方に突出しており、当該一端部には貫通孔31aが形成されている。貫通孔31aの内周面には、キー溝31bが形成されている。上ブラケット32は、前枠3Aの背面に固定されている。上ブラケット32の前側の一端部は、前扉3の前方に突出している。この突出した一端部は、外枠2から前方に突出した下ブラケット31の一端部の近傍上側に配置されており、両者は上下に対向している。上ブラケット32の前扉3から突出した一端部には、当該一端部を上下に貫通する連結孔32aが形成されている。
下ブラケット31の上面には、下端部に底部を有する有底円筒状の内歯車部材33が載置されている。つまり、内歯車部材33が、下ブラケット31の上面によって支持されている。内歯車部材33の下端部には、軸部33aが形成されている。この軸部33aは、貫通孔31aにその上端開口部から挿脱可能に挿入されている。しかも、軸部33aに形成されたキー部33bがキー溝31bに嵌り込むことにより、内歯車部材33が下ブラケット31に回動不能に連結されている。したがって、内歯車部材33は、外枠2に下ブラケット31を介して回動不能に連結され、回動することがない。内歯車部材33には、その軸線上を上端面から下方に延びる収容孔33cが形成されている。収容孔33cの内周面には、軸線を収容孔33cの軸線と一致させた内歯車部33dが形成されている。内歯車部33dは、第1内歯車部14cと実質的に同一の歯車諸元を有している。しかも、内歯車部33dは、その軸線が第1内歯車部14cの軸線と一致するように配置されている。
収容孔33cには、保持部材34が収容孔33cの軸線方向へ移動不能に収容されている。保持部材34の外周面は、円筒面によって形成されており、収容孔33cの内周に回動可能に嵌合している。保持部材34には、それを上下に貫通する保持孔34aが形成されている。この保持孔34aの軸線は、保持部材34の外周面の軸線に対し、第1歯車部材14の筒部14aの軸線と第1保持部材18の保持孔18aの軸線との間の距離と等しい距離だけ偏心している。したがって、保持孔34aは、保持部材34が収容孔33cの軸線を中心として回動すると、収容孔33cの軸線を中心として公転する。保持部材34の周壁部には、切欠き部34bが形成されている。切欠き部34bは、収容孔33cの軸線から保持孔34aの軸線に向かう直線と保持部材34の周壁部との交差部に配置されている。
保持孔34aには、外歯車部材35が保持孔34aの軸線方向へ移動不能に、かつ回動可能に収容されている。外歯車部材35の上下方向の中間部には外歯車部35aが形成されている。外歯車部35aは、第2歯車部材19の第1外歯車部19dと実質的に同一の歯車諸元を有している。外歯車部35aの一部は、保持孔34aから切欠き部34bを通って外部に露出しており、当該一部が内歯車部33dと噛み合っている。したがって、外歯車部材35は、その軸線を中心として自転しながら収容孔33bの軸線を中心として保持部材34と一緒に公転する。
外歯車部材35の上端面には、軸部35bが形成されている。この軸部35bは、上ブラケット32の連結孔32aに嵌合固定されている。この結果、外歯車部材35、保持部材34及び内歯車部材33が上ブラケット32に分離不能に設けられている。しかも、内歯車部材33は、上ブラケット32に外歯車部材35を介して回動可能に連結されている。この結果、前扉3の下端部が外枠2に下ヒンジ30を介して回動可能に支持されている。外歯車部材35の外歯車部35aの軸線は、第2歯車部材19の第1外歯車部19dの軸線と一致させられている。
内歯車部材33の外周面には、その軸線に沿って上下方向に延びる第1、第2突条33e,33fが形成されている。第1、第2突条33e,33fは、周方向へ所定の角度だけ離間して配置されている。一方、上ブラケット32には、当接軸36が固定されている。この当接軸36は、第1、第2突条33e,33f間に配置されている。しかも、当接軸36は、前扉3が図4及び図5に示す閉位置に位置すると、第1突条33eに突き当たり、前扉3が閉位置から所定の角度(例えば100°)だけ開回動すると、第2突条33fに突き当たるように配置されている。換言すれば、第1突条33eが当接軸36に突き当たることによって前扉3の閉位置が決定され、第2突条33fが当接軸36に突き当たることによって前扉3の開位置が決定されている。
中間ヒンジ40は、図13〜図15に示すように、下ヒンジ30と形状及び寸法の相違があるものの、構造的には下ヒンジ30と同様に構成されている。すなわち、中間ヒンジ40は、下ヒンジ30の下ブラケット31、上ブラケット32、内歯車部材33、保持部材34、外歯車部材35及び当接軸36にそれぞれ対応する下ブラケット41、上ブラケット42、内歯車部材43、保持部材44、外歯車部材45及び当接軸46を有している。下ブラケット41には、貫通孔31a及びキー溝31bに対応する貫通孔41a及びキー溝41bが形成され、上ブラケット42には、連結孔32aに対応する連結孔42aが形成され、内歯車部材43には、軸部33a、キー部33b、収容孔33c、内歯車部33d、第1突条33e及び第2突条33fにそれぞれ対応する軸部43a、キー部43b、収容孔43c、内歯車部43d、第1突条43e及び第2突条43fが形成され、保持部材44には、保持孔34a及び切欠き部34bにそれぞれ対応する保持孔44a及び切欠き部44bが形成され、外歯車部材45には、外歯車部35a及び軸部35bにそれぞれ対応する外歯車部45a及び軸部45bが形成されている。
ただし、下ブラケット41は、前枠3Aに固定され、上ブラケット42は、ガラス扉枠4Aに固定されている。したがって、図14に示すように、軸部43aを貫通孔41aに嵌合させるとともに、内歯車部材43を下ブラケット41に載置すると、ガラス扉4の下端部が前扉3に中間ヒンジ40を介して回動可能に支持される。しかも、ガラス扉4の回動範囲は、図4及び図5に示す閉位置と閉位置から所定の角度(100°)だけ離れた開位置との間に規制されている。
なお、前扉3の閉位置及び開位置並びにガラス扉4の閉位置及び開位置は、上ヒンジ10によって決定してもよい。その場合、第1歯車部材14の外周面に二つの突条を形成するとともに、第1取付部材11に規制軸を設けることにより、前扉3の閉位置及び開位置を決定することができる。また、第2歯車部材19の外周面に二つの突条を形成するとともに、中間部材22又は第3取付部材13に規制軸を設けることにより、ガラス扉4の閉位置及び開位置を決定することができる。
上記構成の上ヒンジ10、下ヒンジ30及び中間ヒンジ40を用いて外枠2に前扉3を取り付け、さらに前扉3にガラス扉4を取り付ける場合には、予め外枠2に第1取付部材11及び下ブラケット31を取り付け、前枠3Aに第2取付部材12、上ブラケット32及び下ブラケット41を取り付け、ガラス扉枠4Aに第3取付部材13及び上ブラケット42を取り付けておく。
その後、前扉3を外枠2に取り付ける場合には、図20に示すように、まず下ヒンジ30の内歯車部材33の軸部33aの下端部を下ブラケット31の貫通孔31aに挿入し、内歯車部材33を下ブラケット31に載置する。次に、キー部33bとキー溝31bとの周方向の位置合わせをする。位置合わせは、上ブラケット32を下ブラケット31に対して相対的に回動させることによって行われる。ここで、仮に当接軸36が設けられていないものとすると、内歯車部材33が上ブラケット32に対して回動可能であるため、上ブラケット32を下ブラケット31に対して回動させたとしても、上ブラケット32が回動するだけであり、内歯車部材33が回動することがなく、位置合わせを行うことができない。しかし、下ヒンジ30においては、上ブラケット32に当接軸36が設けられており、当接軸36が第1、第2突条33e,33fのいずれかに突き当たるまで上ブラケット32を回動させると、その後は内歯車部材33が上ブラケット32と一緒に回動する。したがって、キー部33bとキー溝31bとの位置合わせを容易に行うことができる。そして、軸部33a及びキー部33bを貫通孔31a及びキー溝31bに嵌め込むとともに、内歯車部材33を下ブラケット31に載置することにより、前扉3の下端部が外枠2に下ヒンジ30を介して回動可能に支持される。
次に、図16及び図17に示すように、前扉3の上端部をほぼ水平方向へ移動させて、第1取付部材11の連結軸11dを第1歯車部材14の切欠き部14bに通し、連結軸11dの頭部11eを筒部14a内に挿入する。その後、第1歯車部材14を連結軸11dを中心として係止位置まで回動させる。すると、係合軸11fが可動部材15の係合孔15aに係合し、第1歯車部材14が第1取付部材11に係止位置において固定される。この結果、前扉3の上端部が外枠2に上ヒンジ10を介して回動可能に連結される。この場合、前扉3の外枠2への取付は、連結軸11dを第1歯車部材14に切欠き部14bから挿入した後、前扉3を係止位置まで回動させるだけでよく、前扉3を両手で持って取付操作を行うことができる。したがって、前扉3を外枠2に容易に取り付けることができる。
ガラス扉4を前扉3に取り付ける場合には、図21に示すように、中間ヒンジ40の内歯車部材43の軸部43a及びキー部43bを下ブラケット41の貫通孔41a及びキー溝41bに挿入するとともに、内歯車部材43を下ブラケット41に載置する。これにより、ガラス扉4の下端部が、前扉3に中間ヒンジ40を介して回動可能に支持される。なお、キー部43bとキー溝41bとの位置合わせは、下ヒンジ30の場合の位置合わせと同様にして行うことができる。次に、図18及び図19に示すように、ガラス扉4の上端部をほぼ水平方向へ移動させて、第3取付部材13の係合軸13bを中間部材22の係合凹部22aにその底部に突き当たるまで挿入する。その後、係合軸13bを中心としてガラス扉4を係止位置まで回動させ、係合軸13cを可動部材23の長孔23cに係合させる。これにより、ガラス扉4の上端部が前扉3に上ヒンジ10を介して回動可能に連結される。その結果、ガラス扉4が前扉3に上ヒンジ10及び中間ヒンジ40を介して回動可能に取り付けられる。この場合も、ガラス扉4を両手で取り扱うことができるので、ガラス扉4を前扉3に容易に取り付けることができる。なお、ガラス扉4は、前扉3に対し、前扉3を外枠2に取り付ける前に取り付けてもよく、取付後に取り付けてもよい。
また、上記のように、第1、第2取付部材11が外部から目視されないよう、第1、第2取付部材11,12を外枠2及びガラス扉4の内部に配置しているので、パチンコ機の美観を向上させることができる。しかし、第1、第2取付部材11,12を外枠2及びガラス扉4の内部に配置すると、前扉3及びガラス扉4を閉位置から開回動させたときに、それらが第1、第2取付部材11,12に干渉してしまい、開回動角度を大きくすることができなくなるおそれがある。しかるに、このパチンコ機においては、第1、第2取付部材11,12に切欠き部11b,12bが形成されているので、図6及び図7に示すように、前扉3及び/ガラス扉4が第1、第2取付部材11,12に干渉することを防止することができ、前扉3及びガラス扉4を閉位置から大きな角度(この実施の形態では100°)だけ開くことができる。
さらに、このパチンコ機においては、図22に示すように、前扉3が閉位置に位置しているときに、第2歯車部材19の第1外歯車部19dの軸線O2が、第1外歯車部材14の第1内歯車部14cの軸線O1に対し前後方向においては同一位置に位置し、かつ前扉3の自由端(図22(A)において右端)から吊り元端(図22(A)において左端)へ向かう方向においては前方に位置するように、第1外歯車部19dが第1内歯車部14cに対して配置されている。その結果、前扉3が閉位置に位置しているときの第1歯車部19dと第1内歯車部14cとの噛み合い位置Aが、図23に示すように、第1内歯車部14cと、その軸線O1から前扉3の自由端側から吊り元側へ向かう直線との交点に位置している。このような配置では、前扉3の閉位置からの開回動当初、第1外歯車部19dが第1内歯車部14cに対して外側へ移動する。よって、開回動当初には、前扉3の外枠2に対する干渉量を少なくすることができる。換言すれば、前扉3の干渉を防止するために外枠2の前面に形成すべき切欠き等の逃げ部の量を少なくし、あるいは前扉3が閉位置に位置しているときの前扉3と外枠2との間の前後方向の隙間を小さくすることができる。
このような効果は、前扉3の閉位置からの開回動当初に前扉3が前方へ移動するように、第1外歯車部19dを第1内歯車部14cに対して配置することによって得られる。そのためには、図23に示すように、前扉3が閉位置に位置しているときに第1外歯車部19dが第1内歯車部14cと噛み合っているときの噛み合い位置をAとし、第1内歯車14cの軸線O1を通って前後方向に延びる直線Yと第1内歯車部14cとの交点をP,Qとしたとき、噛み合い位置Aが直線Yより前扉3の自由端から吊り元端へ向かう方向の前方側(図23(A)において左側)に位置するようにすればよい。ただし、交点Qを除く。
前扉3が閉位置に位置しているときの第1歯車部19dと第1内歯車部14cとの噛み合い位置Aを適宜に選択することにより、上記と異なる効果が得られる。なお、上記の効果は、第2外歯車部21bと第2内歯車部19fとの噛み合いによるガラス扉4の移動によっても同様に得られるが、その作用は同様であるので説明を省略する。
図24は、前扉3が閉位置に位置しているときの第1歯車部19dと第1内歯車部14cとの噛み合い位置Aが、第1内歯車14cの軸線O1を通って外枠2側へ向かって延びる直線Yと第1内歯車部14cとの交点に位置するように、第1歯車部19d及び第1内歯車部14cを配置したものである。このように配置した場合には、前扉3が閉位置から回動し始めると、前扉3が左方へ移動する。このため、前扉3の背面にゴム等の弾性材からなる略半円状のシール材Sを設け、前扉3が閉位置に位置しているときにシール材Sが外枠の前面に突き当たるようにしたときには、シール材S、特に前扉3の吊り元側に位置するシール材Sの端部がめくれ上がることを防止することができる。このような効果は、図25に示すように、第1内歯車部14cの軸線O1を通り、かつ左右方向に延びる線Xと第1内歯車部14cとの交点をP,Qとしたとき、噛み合い位置Aを線Xより外枠2側に位置させることによって得られる。ただし、交点Qは除く。なお、前扉3が左方へ移動すると、前扉3の自由端側に位置するシール材Sの端部がめくれ上がり易くなるが、シール材Sの同端部は、前扉3が閉位置から開回動すると直ちに外枠2から前方に離間するので、実際にはめくれ上がることがない。
図26は、前扉3が閉位置に位置しているときの第1歯車部19dと第1内歯車部14cとの噛み合い位置Aが、第1内歯車14cの軸線O1から前方へ向かう線Yと第1内歯車14cとの交点に位置するように、第1歯車部19d及び第1内歯車部14cを配置したものである。このように配置した場合には、前扉3が閉位置から回動し始めると、前扉3が水平方向右方へ移動する。したがって、前扉3を外枠2の開口部の内部に配置したときには、前扉3の吊り元側の端部が外枠2に干渉することを防止ないしは少なくすることができる。その一方、前扉3の自由端側の端部は、外枠2に干渉し易くなる。しかし、前扉3の自由端側の端部は前扉3が閉位置から開回動すると、直ちに外枠2から前方に離間する。したがって、外枠2に干渉することはほとんどない。前扉3をこのように移動させることは、第1内歯車部14cの軸線O1を通って左右方向に延びる線Xと第1内歯車部14cとの交点をP,Qとしたとき、噛み合い位置Aを線Xより前側に位置させることによって達成することができる。ただし、交点Qは除く。
図27は、前扉3が閉位置に位置しているときの第1歯車部19dと第1内歯車部14cとの噛み合い位置Aが、第1内歯車14cの軸線O1から前扉3の自由端側へ向かう線Xと第1内歯車14cとの交点に位置するように、第1歯車部19d及び第1内歯車部14cを配置したものである。このように配置した場合には、前扉3が閉位置から回動し始めると、前扉3が後方へ移動する。前扉3をこのように移動させることは、第1内歯車部14cの軸線O1を通って前後方向に延びる線Yと第1内歯車部14cとの交点をP,Qとしたとき、噛み合い位置Aを線Yより前扉3の自由端側に位置させることによって達成することができる。ただし、交点Qは除く。
前扉3の水平方向への移動は、第1外歯車部19dを枠体2に固定するとともに、第1内歯車部14cを前扉3に固定してもなし得る。図28は、前扉3が閉位置に位置しているときの第1歯車部19dと第1内歯車部14cとの噛み合い位置Aが、第1外歯車19dの軸線O2から左方へ向かう線Yと第1外歯車18dとの交点に位置するように、第1歯車部19d及び第1内歯車部14cを配置したものである。このように配置した場合には、前扉3が閉位置から回動し始めると、前扉3が前方へ移動する。したがって、図22に示す実施の形態と同様の効果が得られる。前扉3をこのように移動させることは、第1外歯車部19dの軸線O2を通って前後方向に延びる線Yと第1外歯車部19dとの交点をP,Qとしたとき、噛み合い位置Aを線Xより後方に位置させることによって達成することができる。ただし、交点Qは除く。
図29は、前扉3が閉位置に位置しているときの第1歯車部19dと第1内歯車部14cとの噛み合い位置Aが、第1外歯車19dの軸線O2から後方へ向かう線Yと第1外歯車18dとの交点に位置するように、第1歯車部19d及び第1内歯車部14cを配置したものである。このように配置した場合には、前扉3が閉位置から回動し始めると、前扉3が左方へ移動する。したがって、図24に示す実施の形態と同様の効果が得られる。前扉3をこのように移動させることは、第1外歯車部19dの軸線O2を通って左右方向に延びる線Xと第1外歯車部19dとの交点をP,Qとしたとき、噛み合い位置Aを線Xより後方に位置させることによって達成することができる。ただし、交点Qは除く。
図30は、前扉3が閉位置に位置しているときの第1歯車部19dと第1内歯車部14cとの噛み合い位置Aが、第1外歯車19dの軸線O2から前方へ向かう線Yと第1外歯車18dとの交点に位置するように、第1歯車部19d及び第1内歯車部14cを配置したものである。このように配置した場合には、前扉3が閉位置から回動し始めると、前扉3が右方へ移動する。したがって、図26に示す実施の形態と同様の効果が得られる。前扉3をこのように移動させることは、第1外歯車部19dの軸線O2を通って左右方向に延びる線Xと第1内歯車部14cとの交点をP,Qとしたとき、噛み合い位置Aを線Xより前方に位置させることによって達成することができる。ただし、交点Qは除く。
図31は、前扉3が閉位置に位置しているときの第1歯車部19dと第1内歯車部14cとの噛み合い位置Aが、第1外歯車19dの軸線O2から右方へ向かう線Xと第1外歯車18dとの交点に位置するように、第1歯車部19d及び第1内歯車部14cを配置したものである。このように配置した場合には、前扉3が閉位置から回動し始めると、前扉3が後方へ移動する。前扉3をこのように移動させることは、第1外歯車部19dの軸線O2を通って前後方向に延びる線Yと第1外歯車部19dとの交点をP,Qとしたとき、噛み合い位置Aを線Xより後方に位置させることによって達成することができる。ただし、交点Qは除く。