以下、図面を参照しながら、本発明に係る遊技機の実施形態をパチンコ遊技機を例にして説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す正面側の斜視図である。
<1.構成の概要:図1、図2>
図示のパチンコ遊技機1は、木製の外枠4の前面に額縁状の前面枠2を開閉可能に取り付け、前面枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前面枠2の開口部に臨ませた構成を有する。上記遊技領域3aは、遊技盤3の面上に配設した球誘導レール5(図2参照)で囲まれた領域からなる。この遊技領域3aの前側に、透明ガラスを支持したガラス扉枠6が設けられている。
またパチンコ遊技機1は、ガラス扉枠6の下側に配設された前面操作パネル7を有している。前面操作パネル7には上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。前面操作パネル7には、球貸しボタン11およびプリペイドカード排出ボタン12(カード返却ボタン12)が設けられている。また、上受け皿9の上皿表面部分には、内蔵ランプが点灯されて操作可能となり、その内蔵ランプ点灯時に押下することにより演出効果を変化させることができる押しボタン式の枠演出ボタン13が設けられている。この上受け皿9には、上受け皿9に貯留された遊技球をパチンコ遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14が設けられている。
また、前面操作パネル7の右端部側には、発射ユニットを作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。また、前面枠2の上部の両側、発射操作ハンドル15の上側には、効果音を発生するスピーカ46が設けられている。またさらに、ガラス扉枠6の各所には、光の装飾により演出効果を現出する装飾ランプ45が設けられている。
次に、遊技盤3の遊技領域3aについて説明する。図2に示すように、遊技盤3の略中央部には、3つ(左、中、右)の表示エリアにおいて、独立して数字やキャラクタや記号などによる図柄(装飾図柄)の変動表示が可能である画像表示装置としての液晶表示装置36(LCD:Liquid Crystal Display)が配設されている。この液晶表示装置36の真下には、第1の特別図柄始動口である上始動口34と、第2の特別図柄始動口である下始動口35とが上下に配設され、それぞれの内部には、入賞球を検出する特別図柄始動口センサ34a、35a(図3参照)が設けられている。下始動口35には、左右一対の可動翼片47が下始動口35を開閉可能に設けられ、いわゆるチューリップ型の電動役物(普通変動入賞装置41)を構成している。
上始動口34より上左側には、ゲートからなる普通図柄始動口37が配設されており、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が配設されている。
上記下始動口35の下方には、大入賞口40を開閉する開放扉42bで開閉可能に構成した特別変動入賞装置42が配設され、その両側に一般入賞口43が計4つ配設されている。各一般入賞口43は、それぞれ内部にセンサを有しており、遊技球の通過を検出できるようになっている。
また、遊技領域3aの右上縁付近には、7セグを3桁に並べて構成される特別図柄表示装置38と、2個のLEDからなる普通図柄表示装置39が設けられている。さらに、遊技領域3aには、センター飾り48、遊技球の落下方向変換部材としての風車44や複数の遊技釘(図示せず)、複数の発光装置(ランプ、LED等:図示せず)などが配設されている。さらに遊技盤3の両側端部近傍にも、装飾ランプ45などのランプ表示装置やLED装置が配設されている。
遊技球が上始動口34または下始動口35に入賞したことに基づき、主制御基板27(図3参照)において乱数抽選による大当りに関する抽選(大当り抽選)が行なわれる。この抽選結果に応じて特別図柄を特別図柄表示装置38に変動表示させて、特別図柄変動表示ゲーム(図柄遊技)を開始し、一定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置38に表示するようになっている。このとき、上記特別図柄変動表示ゲームに連動する形態で、装飾図柄を液晶表示装置36に変動表示させて、装飾図柄変動表示ゲームを開始し、上記一定時間経過後に、特別図柄表示装置38に抽選結果が表示されると共に、液晶表示装置36にも装飾図柄によりその結果が表示される。
本実施形態では液晶表示装置36により画像表示装置を構成しているが、これに限らず、画像表示装置として、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)、電子ペーパディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic ElectroLuminescent Display)等で構成しても良い。この液晶表示装置36は、後述する図柄制御基板23(図3参照)の制御の下で、種々の演出を画像で表示させる。すなわち、上記特別図柄変動表示ゲームでの抽選結果を反映させた演出、つまり装飾図柄を変動表示させて上記装飾図柄変動表示ゲームを現出し、これに付随して種々の予告演出(たとえば、連続予告演出やリーチ演出や背景演出など)を現出させる。
したがって、特別図柄表示装置38での特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」であった場合、この液晶表示装置36の装飾図柄変動表示ゲームの結果も「大当り」を反映させた演出が現出される。また、特別図柄表示装置38では特別図柄が大当りを示す所定の停止表示態様(たとえば、3個の7セグが全て「7」停止表示状態)となり、液晶表示装置36では「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、当り有効ライン上で装飾図柄が上記大当り抽選結果を反映させた所定の停止表示態様(たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」停止表示状態)となる。
そして、この大当りとなった場合には、特別変動入賞装置ソレノイド42a(図3参照)が作動して開放扉42bが開き、これにより大入賞口40が所定パターンで開閉制御されて、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、開放扉42bが所定時間(たとえば29秒)開放して大入賞口40が開放されるか、または所定個数(たとえば9個)の遊技球が入賞するまで大入賞口40が開放され、その後、所定時間(たとえば2秒)開放扉42bが閉まって大入賞口40を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、最大15回(15R(ラウンド))繰り返されるようになっている。
上記大当り遊技は、上記図柄変動表示ゲームにて大当りを示す図柄が確定表示されてから開始される。大当りが開始すると、最初に大当り開始ファンファーレによるオープニング演出が行われ、オープニング演出が終了した後、大入賞口40が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(たとえば、15ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口40が開放されてから閉鎖されるまでであり、1回のラウンド遊技中での大入賞口40の開放は、規定入賞個数(たとえば、9個)の遊技球が大入賞口40に入賞するまでの間、または規定時間(たとえば、29秒)が経過するまでの間、となっている。また、ラウンド遊技中では、対応するラウンド演出が行われる。そして、規定ラウンド数終了後には、大当り終了ファンファーレによるエンディング演出が行われ、大当りが終了する。
また普通図柄始動口37に遊技球が通過したことに基づき、普通図柄変動表示ゲームが開始され、普通図柄表示装置39が点滅等の変動表示を行い、一定時間経過後に、その普通図柄変動表示ゲームの結果を、LED39の点灯と非点灯の組み合わせまたは双方点灯の組み合わせにて停止表示する。すなわち、普通図柄始動口37に遊技球が通過したことに基づき普通図柄に関する乱数抽選が行われ、この抽選結果が当り(補助当り)であった場合には、普通図柄表示装置39の表示部を所定パターン(たとえば、2個のLEDが双方共に点灯状態)に表示させ、その後に、可動翼片47が開状態となって、遊技者に有利な遊技状態である補助遊技状態が発生する。
この補助遊技状態下では、普通変動入賞装置41の可動翼片47が、所定時間(たとえば、0.2秒)開放して下始動口35が開放されるか、または所定個数(たとえば、5個)の遊技球が普通変動入賞装置41に入賞するまで下始動口35が開放され、その後、所定時間(たとえば、0.5秒)可動翼片47が閉まり下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、最大2回)繰り返される。
また上記補助遊技状態中に遊技球が下始動口35に入賞した場合にも、同様に内部抽選が行われ、上記特別図柄変動表示ゲームが行なわれ、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが行なわれる。各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して排出される。
なお、上記特別図柄変動表示ゲームまたは上記普通図柄変動表示ゲームを行う最中に、さらに特別図柄始動口センサ34a、35aまたは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力がある場合には、この検出信号に基づいて各変動表示ゲームを行わせるための始動権利に関するデータである始動記憶(いわゆる、作動保留球数)を、変動表示中にかかわるものを除き、上限の所定個数まで記憶する。そして、この始動記憶個数を遊技者に明らかにするため、パチンコ遊技機1の適所にまたは液晶表示装置36による画面中に画像として表示させる。通常は、この始動記憶の発生順に、各始動記憶に対する変動表示ゲームが実行制御される。本実施形態では、上記上限の所定個数として、特別図柄、普通図柄に関する始動記憶をそれぞれ4個まで主制御基板27に設けられるRAM273(図3参照)に記憶され、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御基板27(主制御CPU271:図3参照)がその機能部を担う、確率変動(以下、「確変」と称する)機能を備えている。これには特別図柄の確変機能と普通図柄の確変機能の二種類がある。
特別図柄の確変機能は、大当り終了後に大当りの抽選確率(当選確率)が低確率である通常確率(本実施形態では300分の1)から高確率(本実施形態では30分の1)に変動する確変状態を付与する機能である。すなわち、確変状態においては、大当り抽選確率が低確率である低確率状態から、大当り抽選確率が高確率である高確率状態に変動している。大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが「確変大当り」となり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない大当りが「非確変大当り」となる。確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、この確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。なお、確変状態を継続させる条件は適宜定めることができる。たとえば、所定回数(たとえば、4回)の特別図柄変動表示ゲームが終了する迄の間(いわゆる、「回数切り確変(ST)」)、または次回の大当り遊技が開始される迄の間、もしくは抽選により低確率状態に移行することが決定される迄の間(いわゆる、「転落抽選」)を条件とすることができ、いずれの条件を付与するかは自由である。また、確変大当りを複数種類設けることにより、各確変大当りごとに、どの条件を付与するかを定めても良い。
普通図柄の確変機能は、大当り遊技終了後に補助当りの抽選確率(補助当りの当選確率)が低確率である通常確率(本実施形態では256分の1)から高確率(本実施形態では256分の255)に変動する確変状態を付与する機能である。すなわち、上述した特別図柄に関する確変状態と同じく、この確変状態においては、補助当り抽選確率が低確率である低確率状態から、補助当り抽選確率が高確率である高確率状態に変動している。普通図柄の確変機能は、後述する普通図柄の変動時間短縮機能に連動する形態となっている。
またさらに、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御CPU271がその機能部を担う、変動時間短縮(以下、「時短」と称する)機能を備えている。これには特別図柄の変動時間短縮機能と普通図柄の変動時間短縮機能の二種類がある。
特別図柄の時短機能は、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームにおける特別図柄の変動時間が短縮された時短状態を遊技者に付与する機能である。特別図柄の変動時間について時短状態が付与されると、1回の特別図柄変動表示ゲームの時間(特別図柄が変動を開始してから確定表示される迄の時間)が、たとえば、10秒(時短状態が付与されていないとき)から5秒(時短状態が付与されているとき)に短縮される。すなわち、この時短状態は、単位時間当りの大当りの抽選回数が向上する抽選回数向上状態である。
普通図柄の時短機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47を開動作させる(下始動口35に遊技球を入賞し易くする)か否かの抽選結果を導出する普通図柄変動表示ゲームにおける普通図柄の変動時間が短縮された時短状態を遊技者に付与する機能である。普通図柄の変動時間について時短状態が付与されると、1回の普通図柄変動表示ゲームの時間(普通図柄が変動を開始してから確定表示される迄の時間)が、たとえば、30秒(時短状態が付与されていないとき)から3秒(時短状態が付与されているとき)に短縮される。すなわち、この時短状態は、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態である。
上記の時短状態は、本実施形態では、確変大当り終了後の確変状態が継続する間、または非確変大当り終了後の予め定めた回数の図柄変動表示ゲームが終了する迄の間、もしくは当該予め定めた回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。
またさらに、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御CPU271がその機能部を担う、開放延長機能を備えている。
開放延長機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47を開動作させる期間およびその開放回数を延長した開放延長状態を遊技者に付与する機能である。開放延長状態が付与されると、可動翼片47の開動作期間がたとえば0.2秒から2秒に延長され、また開閉回数が、たとえば最大2回(開放延長状態が付与されていないとき)から最大3回(開放延長状態が付与されているとき)に延長される。すなわち、開放延長状態は、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態である。開放延長機能は、上記時短機能に連動する形態となっている。したがって、上記時短状態では、普通図柄の確変機能および開放延長機能をも付与されるので、可動翼片47の作動率が著しく向上するようになっている。以下では、確変機能(普通図柄に関する)、時短機能、および開放延長機能が付与される状態を必要に応じて「時短状態」と称して説明する。
このように普通変動入賞装置41の可動翼片47は、時短状態が付与されている場合と、時短状態が付与されていない場合とでは、普通図柄変動表示ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作する。すなわち、可動翼片47は、時短状態が付与されている場合、時短状態が付与されていない状態に比較して、遊技者にとって有利な動作をするようになっている。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記の特別図柄変動表示ゲームで抽選される大当り(内部当選)の種別として、大当り終了後の遊技状態を、大当り当選確率が所定確率である低確率状態とする「非確変大当り(15R非確変大当り)」と、それより高い当選確率の高確率状態とする「確変大当り(15R確変大当り、2R突然確変大当り、2R潜伏確変大当り)」とを設けてある。
これらの大当りのうち、15R非確変大当りと15R確変大当りは、大入賞口40の開放回数(ラウンド数)があらかじめ定めた最大回数の15ラウンド行われる大当りであり、また2R確変大当り(2R突然確変大当りと2R潜伏確変大当り)は、上記ラウンド数が2ラウンド行われる大当りである。また、「確変大当り」においては、次回大当りとなる迄の間、大当り遊技終了後に少なくとも確変状態が付与される。具体的には、15R確変大当りと2R突確大当りとには次回大当りまで確変状態および時短状態が付与され、2R潜伏確変大当りでは確変状態のみが付与されるようになっている。一方、「非確変大当り」においては、大当り遊技が終了した後に特別図柄変動表示ゲーム回数が所定回数(たとえば、100回)終了する迄の間か、またはその所定回数内で次回大当りとなる迄の間、時短状態が付与され、かつ確変状態が付与されないようになっている。
また、いずれかの大当りに当選した場合、特別図柄表示装置38における特別図柄に関しては、そのまま抽選結果が反映した特別図柄が表示される。つまり特別図柄表示装置38には、確変大当りを報知する特別図柄または非確変大当りを報知する特別図柄または確変大当りか非確変大当りのいずれかの可能性があることを報知する特別図柄が表示される。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機1には、大当り終了後に液晶表示装置36に表示される遊技状態における演出の演出モードとして、現在の遊技状態が高確率状態、つまり確変状態であることを確定的に報知する演出をなす確変演出モードと、これとは異なり大当り当選確率が高確率状態であることを確定的に報知しない演出をなす時短演出モードを設けてある。上記時短演出モードは、原則として非確変大当りを契機として移行する演出モードであり、現在の遊技状態が確変状態であることを確定的には報知しないが、時短状態であることを確定的に報知する演出をなすモードである。
<2.制御装置:図3>
図3は、上記のような遊技の進行状況に応じた遊技機制御を行う制御装置の概要を示した制御ブロック図である。
この制御装置は、遊技動作全般の制御を司る主制御基板27(主制御部)と、主制御基板27から制御コマンドを受けて、図柄制御を中心とする画像についての演出制御を行う図柄制御基板23と、この図柄制御基板23からの制御コマンドを受けて光と音についての演出制御を行う演出制御基板24と、を中心に構成される。そして、図柄制御基板23には、画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。なお本明細書においては、場合により、図柄制御基板23の機能と演出制御基板24の機能とを特に区別することなく、両機能を併せ持つ制御装置部分を「演出制御部」として説明する。なお本明細書において、演出装置といった場合、液晶表示装置36やランプやLEDや音響発生装置、可動体など、画像や光や音、可動体の動作態様によって演出を行う装置を広く指す。
また、主制御基板27には払出制御基板29が接続され、これに発射装置32を制御する発射制御基板28および遊技球払出装置19が接続されている。符号31は電源基板であり、電源基板31は外部電源(図示せず)に接続され、変圧トランスから供給される交流電圧(AC24V:メイン電源)から所要の電源を生成し、各制御基板にそれぞれ供給する。なお、図3には電源供給ルートは省略してある。
(2−1.主制御基板27)
主制御基板27は、主制御CPU271を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等を格納したROM272と、ワークエリアが形成されるRAM273を搭載して、1チップマイクロコンピュータを構成している。また図示はしていないが、一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能等を有するCTC(Counter Timer Circuit)やCPUに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路が設けられている。
また主制御基板27には、上始動口34への入賞を検出する特別図柄始動口センサ34aと、下始動口35への入賞を検出する特別図柄始動口センサ35aと、普通図柄始動口37の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aと、大入賞口40への入賞を検出する大入賞口センサ40aとが接続され、主制御基板27はこれらの各検出信号を受信可能となっている。
また主制御基板27には、特別図柄表示装置38、普通図柄表示装置39、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通変動入賞装置ソレノイド41a、および、大入賞口40の幅広な開放扉42bを開閉制御するための特別変動入賞装置ソレノイド42aが接続され、主制御基板27は各装置を制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御基板27は、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる「大当り」またはこの特別遊技状態を発生させない「ハズレ」のいずれであったかを抽選するとともに、その抽選結果である当否情報に応じて特別図柄の変動パターンや停止図柄を決定し、これらに対応する制御コマンドとして、少なくともこの抽選結果と変動パターンとを含む変動パターンコマンドや、決定された停止図柄に基づく装飾図柄指定コマンドを作成して図柄制御基板23に送信する構成となっている。
主制御基板27からの制御コマンドは、一方向通信により図柄制御基板23に送信される。これは、外部からのゴト行為による不正な信号が図柄制御基板23を介して主制御基板27に入力されることを防止するためである。
(2−2.図柄制御基板23)
図柄制御基板23には、主制御基板27から受信した制御コマンドに基づいて表示制御を行うために必要な制御データを生成してVDP60に出力する図柄制御CPU52と、図柄制御CPU52の動作手順を記述したプログラムを内蔵する図柄制御ROM53と、ワークエリアやバッファメモリとして機能する図柄制御RAM54とが設けられている。
また、図柄制御基板23には、図柄制御CPU52に接続されて画像展開処理を行う映像表示プロセッサVDP(Video Display Processor)60と、VDP60が画像展開する必要な画像データを格納した画像データROM55と、VDP60が展開した画像データを一時的に記憶するVRAM56とが設けられている。
遊技に関する情報は、大当り抽選の結果(大当りかハズレかの別)に基づく特別図柄変動パターン、現在の遊技状態、作動保留球数、抽選結果に基づき停止させる装飾図柄指定等に必要となる基本情報が、制御コマンドにより主制御基板27から図柄制御基板23へと送信される。
図柄制御基板23は、主制御基板27から送信された制御コマンドを受けて、これに関連付けられた図柄変動表示に必要な画像信号を作成し、これを所要のタイミングで液晶表示装置36に対し送信する。これにより変動パターンに対応した図柄変動が画像表示される。
また、図柄制御基板23は、液晶表示装置36の画面に映像で演出表示をさせるとともに、音・光による演出を行わせるべく、演出制御基板24に対して制御コマンドを送信する構成となっている。
また、図柄制御基板23には、枠演出ボタン13が接続されている。この枠演出ボタン13は遊技者が操作可能な押しボタンからなり、遊技者参加型の昇格演出ゲームに遊技者が参加するときなどにおいて遊技者により操作される。
なお、制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなり、これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、主制御CPU271は、送信すべきコマンドがある場合、図柄制御基板にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。更に、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。図柄制御CPU52は、ストローブ信号が送信されて来ると、これに対応して割り込みを発生させ、この割り込み処理によってコマンドを受信する。ストローブ信号は主制御CPU271により、図柄制御CPU52が確実にコマンドを受信することが可能な所定期間アクティブ状態に制御される。
制御コマンドの送信に際しては、主制御基板27は割り込み用ストローブ信号を発生し、図柄制御基板23にMODE信号とEVENT信号とで構成される2バイト長の制御コマンドを前後して送信する。なお、不正な行為に対する安全性を確保するため、図柄制御基板23から主制御基板27へは信号が流れないように構成される。
(2−3.演出制御基板24)
演出制御基板24は、演出制御CPU241を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、演出制御手順を記述した制御プログラムや演出データ等を格納した演出制御ROM242と、ワークエリアが形成される演出制御RAM243と、を搭載していて、1チップマイクロコンピュータを構成している。また図示はしていないが、音源IC、CTC、および割り込みコントローラ回路などが設けられている。この演出制御基板24の主な役割は、図柄制御基板23からの制御コマンドの受信、スピーカ46の音制御、枠ランプ・LEDの発光制御、可動体の可動制御、各種エラーの報知などである。
演出制御基板24は、光と音についての演出処理を行うため、装飾ランプ45やLEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部と、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部とを備えている。
<3.主制御基板側の処理:図4〜図7>
次に、図4〜図7を参照して、主制御基板27側における処理内容を説明する。
(3−1.主制御側メイン処理:図4)
パチンコ遊技機1に電源が投入されると、電源基板31によって各制御基板に電圧が供給され、主制御CPU271が図4に示す主制御側メイン処理を開始する。
この主制御側メイン処理において、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を実行する(ステップS101)。
次に、図示してない入力ポートを介して入力されるRAMクリアスイッチの出力信号の状態(オン、オフ)を確認し、RAMクリアスイッチがオンである場合(ステップS102:YES)にはステップS105の処理に進み、RAMの初期化処理として記憶エリアをクリアする。しかしRAMクリアスイッチがオンでない場合(ステップS102:NO)、次に電源断が発生した際にバックアップRAMに記憶されたバックアップ用データが有効であるか否かを判断する(ステップS103)。電源復旧の際には、チェックサムの比較を行うことにより、バックアップデータが有効であるか否かを確認している。
バックアップデータが有効である場合には(ステップS103:YES)、バックアップデータに基づき、電源遮断前におけるスタックポインタを復帰し、電源遮断時の処理状態から遊技を開始するために必要な遊技復旧処理を実行し(ステップS104)、ステップS107の処理に進む。バックアップデータが有効でない場合には(ステップS103:NO)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定し、RAMを初期化する(ステップS105)。そして、このRAMの初期化に伴い、RAMクリア情報を初期化コマンドとして各制御基板に送信する(ステップS106)。
次に、CPUに設けられているCTCの設定を行う(ステップS107)。本処理では、4msごとに定期的にタイマ割り込みがかかるように、初期値として4msに相当する値をCTCの時間定数レジスタに設定する。
ステップS101〜S107での電源初期投入後の処理を終えた後、正常動作時の処理(ステップS108〜S112)として、割込禁止(ステップS108)と割込許可(ステップS112)とを繰り返すとともに、その間に、各種乱数の更新処理を実行する(ステップS109〜S111)。
乱数の更新処理として、ステップS108の処理後、まず変動パターン用乱数値更新処理を実行する(ステップS109)。この変動パターン用乱数値更新処理では、主として、特別図柄変動パターンコマンドを決定するための抽選に用いる変動パターン用乱数値を更新する。
続いて、普通図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS110)と特別図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS111)を実行する普通図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS110)では、普通図柄変動表示ゲームの当否抽選に使用する普通図柄当り判定用乱数の初期値変更に使用する乱数を更新(たとえば、カウンタのカウント値を更新する処理)し、特別図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS111)では、前記特別図柄変動表示ゲームの当否抽選に使用する特別図柄当り判定用乱数の初期値変更に使用する乱数を更新する。
(3−2.主制御側タイマ割込処理:図5)
図5は、主制御側メイン処理において、一定時間(4ms)ごとの割り込みで起動される主制御側のタイマ割込処理を示すフローチャートである。
まず、主制御CPU271は、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理(ステップS201)を実行する。
次いで、各変動表示ゲームに係る乱数を定期的に更新する定期乱数更新処理を実行する(ステップS202)。定期乱数更新処理では、普通図柄変動表示ゲームや特別図柄変動表示ゲームの当否抽選に使用する各種乱数を定期的に更新する。
次いで、遊技動作に用いられるタイマを管理制御するためのタイマ管理処理を実行する(ステップS203)。遊技機制御に用いる各種のタイマのタイマ値はここで更新される。
次いで、入力管理処理を実行する(ステップS204)。この入力管理処理では、パチンコ遊技機1に設けられた各種センサによる検出情報を、図示しない自身内のレジスタに読み込み格納する。各種センサによる検出情報とは、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ40a、特別図柄始動口センサ34a、35a、一般入賞口センサ43a等が検出した信号である。
次いで、エラー管理処理を実行する(ステップS205)。このエラー管理処理では、上記入力管理処理で読み込み格納したデータを把握してスイッチのチェックを行い、不正入賞を監視したり、遊技動作状態を監視したりして、パチンコ遊技機1の異常を監視する。
次いで、賞球管理処理を実行する(ステップS206)。この賞球管理処理では、遊技球払出装置19に払出し動作を行わせるための制御情報(賞球数を指定する賞球払出制御コマンド)を出力する。
次いで、普通図柄管理処理を実行する(ステップS207)。この普通図柄管理処理では、普通図柄変動表示ゲームにおける当否抽選を実行し、その抽選結果に基づいて普通図柄の変動パターンや普通図柄の停止表示態様を決定したりする。
次いで、普通変動入賞装置管理処理を実行する(ステップS208)。普通変動入賞装置管理処理では、普通図柄管理処理(ステップS207)における当否抽選の結果に基づき、ソレノイド制御用の励磁制御信号を普通変動入賞装置ソレノイド41aに送信し、普通変動入賞装置41の可動翼片47の一連の動作を制御する。
次に、特別図柄管理処理を実行する(ステップS209)。この特別図柄管理処理では、特別図柄変動表示ゲームにおける大当り抽選(大当り判定処理)を実行し、その抽選の結果に基づいて特別図柄の変動パターンや特別図柄の停止表示態様(停止特別図柄)を決定する。
(3−3.特別図柄管理処理:図6〜図7)
次に、大当り抽選に係るステップS209の特別図柄管理処理について説明する。図6および図7は、特別図柄管理処理の詳細を示すフローチャートである。ここでは、上始動口34、下始動口35への入賞を検出したことを条件に、大当り判定処理、特別図柄停止図柄設定、変動パターン設定、特別図柄に関する制御コマンドの送信等の処理を行う。
図6において、主制御基板27(主制御CPU271)は、まず上始動口34または下始動口35において入賞球を検出したか否かを確認する(ステップS301)。
入賞球を検出した場合(ステップS301:YES)、主制御CPU271は、RAM54に記憶されている特別図柄の作動保留球数が上限値の4以上であるか否かを判断する(ステップS302)。この判断結果が否定(特別図柄作動保留球数<4)の場合(ステップS302:NO)、作動保留球数を1加算する(ステップS303)。ここでの作動保留球数の増加は、始動口へ遊技球が入賞した時点での保留球数情報として、上始動口34、下始動口35それぞれ個別に把握される。続いて当否判定処理を行う(ステップS304)。
この当否判定処理では、図8に示すように、まず特別図柄抽選用乱数値のカウンタの現在値を取得し(ステップS331)、これを判定値と比較することにより、取得した乱数値が大当り判定値に属するか否か、つまり大当りとハズレの別についての判定処理(大当り判定処理)を実行する(ステップS332)。この判定処理では、大当りの抽選を遊技状態(低確率状態、確変状態)に応じた抽選確率で行う。
続いて、特別図柄停止図柄乱数を用いて停止図柄の種別(2R確変、15R確変、15R非確変の別)の抽選を行うと共に(ステップS333)、リーチ決定用乱数を用いてリーチの有無についての抽選を行い(ステップS334)、これらの大当り判定結果、図柄抽選結果、リーチ有無の抽選結果を、それぞれ主制御RAM273内に個別に設けたバッファに記憶する(ステップS335)。なお、リーチ決定用乱数は変動パターン用乱数とは別に用意されたものでもよいし、変動パターン用乱数と同一であってもよい。また、抽選結果を格納するバッファは、保留情報(特別図柄抽選用乱数値、特別図柄停止図柄乱数など)を記憶するバッファに抽選結果情報を付加したものでもよいし、保留情報を記憶するバッファとは別の入賞判定専用のバッファとしてもよい。そして、これらの当否判定結果と抽選結果とに基づく入賞コマンドデータを設定する(ステップS336)。すなわち、大当りとハズレの別、2R確変、15R確変、15R非確変の別、リーチの有無の情報、および上記ステップS303で得た保留球数情報などを含む入賞コマンドデータを作成する。その後、この当否判定処理を終了して図6のステップS304に戻る。
図6のステップS304からステップS305に進み、上記当否判定処理において設定した入賞コマンドデータを持つ「入賞コマンド」(上始動口34については上始動口入賞コマンド、下始動口35については下始動口入賞コマンド)を、主制御基板27から図柄制御基板23に送信し、図柄制御基板23はこれに対応する制御コマンドを演出制御基板24に送信する(ステップS305)。この入賞コマンドにより入賞があった旨が光表示装置45a等で報知される。そしてステップS306の処理に進む。
一方、ステップS301の処理において入賞球を検出していないかった場合(ステップS301:NO)や、ステップS302の処理において特別図柄作動保留球数が4以上の場合(ステップS302:YES)には、上記のステップS303〜ステップS305の処理を行わずに、ステップS306の処理に進む。
ステップS306の処理に進むと「大当り中」であるか否かを判断して、「大当り中」であれば(ステップS306:YES)、特別図柄を管理する必要がないので、これにより特別図柄管理処理を終了し、図5のステップS210の特別変動入賞装置管理処理に移行する。
一方、ステップS306の処理で「大当り中」でないと判断された場合(ステップS306:NO)、特別図柄の挙動を示す処理状態が「特別図柄待機中」「特別図柄変動中」「特別図柄停止中」のいずれであるかを順に判断し(ステップS307、ステップS311、ステップS321)、該当する場合はそれぞれの処理状態に属する処理を行う。なお、「特別図柄待機中」とは特別図柄の変動が行なわれておらず次回の変動のための待機状態であることを示し、「特別図柄変動中」とは特別図柄が現在変動中であることを示し、「特別図柄停止中」とは特別図柄の変動が終了して停止中であることを示している。
以下、上記処理状態が「特別図柄待機中」「特別図柄変動中」「特別図柄停止中」である場合の処理内容について順に説明していく。
特別図柄待機中の場合は(ステップS307:YES)、特別図柄の作動保留球数がゼロかどうかを判断する(ステップS308)。
特別図柄作動保留球数がゼロの場合(ステップS308:YES)、遊技が全く行われていない可能性がある。そこでデモ演出を行うべきデモ表示条件が成立しているか否かを判断する(ステップS309)。本実施形態では、上始動口34または下始動口35の検出信号入力が所定時間(たとえば60秒)経過しても、その入力がなかった場合に、上記デモ表示条件を満たしたと判断するようにしている。上記デモ表示条件が成立している場合は(ステップS309:YES)、デモ表示コマンドを図柄制御基板23に送信する(ステップS310)。そして、この特別図柄管理処理を終了する。
一方、特別図柄作動保留球数がゼロでない場合(ステップS308:NO)、図7のフローに進み、特別図柄作動保留球数を1減算し(ステップS314)、減少した保留球数に対応した保留コマンド(上始動口34については上始動口保留コマンド、下始動口35については下始動口保留コマンド)を送信する(ステップS315)。この保留コマンドは、特別図柄の作動保留球数を液晶表示装置36に表示する際に利用される。
次に、ステップS335で記憶した抽選結果(大当り判定結果、図柄抽選結果、リーチ有無の抽選結果)を確認し(ステップS316)、特別図柄停止図柄を作成し設定する(ステップS317)。この特別図柄停止図柄により、大当り態様(たとえば、大当り遊技中のラウンド数を幾つにするか)および大当り終了後の遊技状態(たとえば、確率変動、時短状態、開放延長中等を設定するかどうか)が最終的に決定される。
次に、変動パターンの設定処理を実行する(ステップS318)。この変動パターン設定処理では、上記の抽選結果と変動パターン用乱数値、保留球数、遊技状態等に基づいて、特別図柄の変動パターンが決定され、さらにこの変動パターンに対応する変動時間が決定される。そして、処理状態を「特別図柄変動中」に切り替え(ステップS319)、特別図柄変動コマンドを図柄制御基板23に送信する(ステップS320)。ここでいう「特別図柄変動コマンド」とは、「特別図柄変動パターン」コマンドの他、決定された特別図柄停止図柄に対応した「装飾図柄指定」コマンドも、図柄制御基板23に送信される。したがって、これらの制御コマンドは、特別図柄の変動開始条件が成立したことを条件に図柄制御基板23に送信されることになる。これによりこの特別図柄管理処理を終了して、特別変動入賞装置管理処理(図5)に移行する。
特別図柄変動中の場合は(ステップS311:YES)、特別図柄変動時間が経過するのを待つ(ステップS312:NO)。特別図柄変動時間が経過した場合(ステップS312:YES)、処理状態を「特別図柄停止中」に切り替え、特別図柄の変動が終了し停止したことを示す「図柄停止」コマンドを図柄制御基板23に送信する(ステップS313)。これによりこの特別図柄管理処理を終了して、特別変動入賞装置管理処理(図5)に移行する。
特別図柄停止中の場合は(ステップS321:YES)、停止図柄を特別図柄表示装置38に表示させるための一定時間が経過するのを待ち(ステップS322:NO)、一定時間が経過したならば(ステップS322:YES)、その停止図柄が大当り図柄であるか否かを判断する(ステップS323)。大当り図柄である場合は(ステップS323:YES)、処理状態を「大当り中」に設定し(ステップS324)、「特別図柄待機中」に切り替える(ステップS325)。また停止図柄が大当り図柄でない場合は(ステップS323:NO)、ステップS324の処理を行わずにステップS325に進み、「特別図柄待機中」に切り替える(ステップS325)。これによりこの特別図柄管理処理を終了して、特別変動入賞装置管理処理(図5)に移行する。
図5に戻り、上記特別図柄管理処理(ステップS209)に次いで、特別変動入賞装置管理処理を実行する(ステップS210)。この特別変動入賞装置管理処理は、特別図柄管理処理(ステップS209)における大当りの当否抽選の結果に基づき、ソレノイド制御用の励磁制御信号を特別変動入賞装置ソレノイド42aに送信し、特別変動入賞装置42の大入賞口40を所定のパターンに従い開閉制御して、大当りに関する遊技を実行制御する処理である。
主制御基板(主制御CPU)27は、上記の特別変動入賞装置管理処理に次いで「LED管理処理」を実行する(ステップS211)。このLED管理処理は、処理の進行状態に応じて、普通図柄表示装置39や特別図柄表示装置38への出力データを作成したり、当該データに基づく制御信号を出力したりする処理である。
そして、上記のようにステップS202〜ステップS211の処理を実行した後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS212)、タイマ割込処理を終了する。
<4.図柄制御側の処理:図9〜図16>
次に、図9〜図16を参照して、図柄制御基板23側における処理内容について説明する。
(4−1.図柄制御側メイン処理:図9)
図9は図柄制御側メイン処理を示すフローチャートである。この図柄制御側メイン処理は、図柄制御基板23の図柄制御CPU52により実行される。
この図柄制御側メイン処理では、パチンコ遊技機1に電源が投入されると、初めての処理としてステップS401が行われ、その後は正常動作時の処理としてステップS402〜S406が行われる。
電源が投入されると、まず図柄制御CPU52は、自身のスタックポインタの設定、図柄制御RAM54の初期化、レジスタクリア等、表示制御開始前における必要な初期設定を実行する(ステップS401)。次いで、コマンド解析処理(ステップS402)、コマンド別実行処理(ステップS403)、シナリオ更新・設定処理(ステップS404)、Vブランク待ち処理(ステップS405)、各種設定処理(ステップS406)、の各処理を順次実行して行く。
コマンド解析処理(ステップS402)では、主制御基板27から受信した制御コマンドに基づいて、実行すべきルーチンの指定およびシナリオ進行カウンタの設定を行う。「シナリオ進行カウンタ」は毎フレームごとに歩進されてシナリオの進行を管理するカウンタである。コマンド別実行処理(ステップS403)の詳細は後述する。シナリオ更新・設定処理(ステップS404)では各種シナリオの設定および再設定とシナリオ進行カウンタの歩進とを行う。Vブランク待ち処理(ステップS405)では、VDP60が出力する外部信号である垂直同期信号(Vブランク)が発生したか否かを常時監視しており、Vブランクが発生した場合、VRAM56内のフレームバッファのバンク切替や、シナリオ進行カウンタの更新などを行う。各種設定処理(ステップS406)では、図柄制御CPU52の内部レジスタを更新するCPUレジスタ更新や、VDP60の内部レジスタ(VDPレジスタ)を更新するVDPレジスタ更新などの処理を行う。
(4−2.受信割込処理:図10)
図10は、制御コマンドの受信割込処理を示すフローチャートである。主制御基板27から新たな制御コマンドを受けた場合、その制御コマンドを受信した時点でINT割り込みが発生し、レジスタを所定のスタック領域に退避させた後(ステップS411)、この受信した制御コマンドをRAM54(図3)内のコマンド受信バッファに格納し(ステップS412)、レジスタを復帰(ステップS413)する。
(4−3.コマンド解析処理:図11〜図13)
図11はコマンド解析処理(ステップS402)の内容を示すフローチャートである。ここでは主制御基板27から新たな制御コマンドを受信した場合(ステップS501:YES)、その受信データを図柄制御RAM54(図3)内のコマンド受信バッファに格納する(ステップS502)。そして図柄制御RAM54に格納された受信コマンドを読み出して、どのようなコマンドであるかを解析する。本発明との関係では、受信コマンドが図6のステップS305で送信される入賞コマンドであるか否かを判断する(ステップS503)。入賞コマンドでない場合(ステップS503:NO)、この解析結果はステップS506で利用される。
入賞コマンドである場合(ステップS503:YES)、連続予告決定用乱数のカウンタの現在値を取得した後(ステップS504)、ステップS505の連続予告決定処理に進む。この連続予告決定処理については図21で後述する。
図11のステップS506は、受信コマンドに基づく実行指示の設定、具体的には変動パターンの実行ルーチンの指定と、シナリオ進行カウンタの設定をなすステップである。図柄制御RAM54には、変動パターンの種類に応じた複数の変動シナリオの実行ルーチンが用意されており、解析により特定された実行ルーチンをアドレス指定する設定がステップS506でなされる。
詳述するに、図柄制御RAM54には、変動パターンの種類に応じた複数の変動シナリオの実行ルーチンとして、たとえば図12に示すように、実行ルーチン記憶領域中のアドレスAにハズレ変動パターンルーチン(10秒変動)が格納され、アドレスBにハズレ変動パターンルーチン(60秒変動)が格納され、アドレスCに当り変動パターンルーチン(70秒変動)が格納されている。
そして、これらの各実行ルーチンには、1変動内での1または複数のシナリオ(部分シナリオ)により構成された変動シナリオデータが用意されている。
たとえば、上記アドレスBの変動パターンルーチンにおいては、図13に例示するように、スタート(0)、(イ)開始〜リーチになるまでの部分シナリオ(X1)、(ロ)リーチ成立から発展前までの部分シナリオ(X2)、(ハ)発展から終了までの部分シナリオ(X3)からなるシナリオデータを保有している。
ここで、カッコ内は、シナリオの進行を管理する「シナリオ進行カウンタ」によるカウント値であり、初期値(0)から始まり、毎フレームごとに1加算される。上記図23の例では、シナリオ進行カウンタのカウント値(0)はシナリオのスタート値、(X1)〜(X2)はそれぞれ部分シナリオ(イ)〜(ハ)の分岐点値、そして(X3)は部分シナリオ(ハ)の終了値であり、同時に(X3)はシナリオ全体の終了値を示している。すなわちシナリオの初期値(0)から始まり各分岐点値(X1)〜(X2)を経て終了値(X3)となるまでの各節目のシナリオ進行カウント値により、変動パターンの内容が定義されている。
上記図11のステップS506は、受信コマンドに基づき上記のような変動パターンの実行ルーチンの指定とシナリオ進行カウンタの設定とを行う。
(4−4.コマンド別実行処理:図14〜図15)
上記のようにして図柄制御RAM54に格納された制御コマンドを解析すると(図9のステップS402)、その内容に応じ、図柄制御CPU52は、コマンド別実行処理(図9のステップS403)を行う。
図14にこのコマンド別実行処理の詳細を示す。これは、コマンドノード分ループの処理であり、1ループはステップS531で開始され、ステップS545で終了する。
図14において、図柄制御CPU52は、コマンド種類別の分岐に従い、装飾図柄の変動停止処理、変動開始処理、装飾図柄指定処理、保留処理、予告処理、大当り開始処理、ラウンド処理、インターバル処理、大当り終了処理、状態指定処理および回数処理を行い(ステップS533〜S543)、最後にそれらの処理で生じたコマンドの送信を行う(ステップS544)。
変動停止処理(ステップS533)では背景を表示し、図柄シーンを表示する。変動開始処理(ステップS534)では受信したコマンドに対応する変動シーンを再生する。装飾図柄指定処理(ステップS535)では受信した装飾図柄指定をセーブすると共に本図柄決定処理を行う。
図15はこの装飾図柄指定処理(ステップS535)の内容を示したものである。装飾図柄指定コマンドが正常に受信されるのを待ち(ステップS555)、正常に受信した場合は(ステップS555:YES)、その装飾図柄指定コマンドをセーブする(ステップS556)。そして、大当り抽選毎の変動動作おいて停止される装飾図柄列の停止図柄を本図柄として決定する本図柄決定処理を行う(ステップS557)。この本図柄決定処理の内容は後で図24〜図26において詳述する。
図14に戻り、保留処理(ステップS536)では指定保留数をセーブする。予告処理(ステップS537)では該当データを予告ワークにセーブする。
大当り開始処理(ステップS538)では、変動中の状態、ラウンドの状態をそれぞれクリアし、ラウンドシナリオを初期化し、対応する大当り開始シーンを表示する。ラウンド処理(ステップS539)ではラウンドの状態に設定し、対応するラウンドシーンを表示する。インターバル処理(ステップS540)ではラウンドの状態に設定し、対応するインターバルシーンを表示する。大当り終了処理(ステップS541)では指定に従ってモード(低確率・開放延長なし、高確率・開放延長有りなどのモード)を変更し、対応する大当り終了シーンを表示する。状態指定処理(ステップS542)はモードの変更先を指定する。回数処理(ステップS543)では連荘回数をセーブする。
この後、プログラムは図9に戻り、ステップS404のシナリオ更新・設定処理に進む。
(4−5.シナリオ更新・設定処理:図16)
図16はシナリオ更新・設定処理(ステップS404)の内容を示すフローチャートである。
ここでは、図柄制御RAM54に格納されている実行ルーチン(図12)のうち、アドレスBの領域に格納されているハズレ変動パターンルーチン(60秒変動)が、図13に示した部分シナリオ(イ)〜(ハ)から構成される変動シナリオデータを有する場合を例にして説明する。
図16において、図柄制御CPU52は、まずシナリオ進行カウンタ(図13の左欄参照)がゼロであるか否かの確認を行う(ステップS561)。シナリオ進行カウンタはVブランクの入力により内容が更新されるカウンタ、すなわち毎フレームごとにカウント値が進行(歩進)して行くカウンタである。シナリオ進行カウンタの値は最初ゼロ(0)である。そこで、ステップS561での判断はYESとなり、ステップS562に進み、ここで各種シナリオの初期設定を行う。この初期設定は1つのシナリオを進行させる上で最初に1度のみ行われる設定であり、図13に示したハズレ変動シナリオデータが設定されることになる。
(4−5−1.開始からリーチになるまで)
シナリオ進行カウンタを1加算し(ステップS563)、シナリオ進行カウンタのカウント値がシナリオデータの終了値に至ったか否かを判定する(ステップS564)。ここで扱っているのは、シナリオ進行カウント値が初期値(0)から各分岐点値(X1)〜(X2)を経て終了値(X3)となるシナリオデータ(図13)であるので、このシナリオデータの終了値(X3)とシナリオ進行カウンタの現在値との比較を行う。図12に示す60秒変動(ハズレ変動)では、そのシナリオデータの終了値が182(6000/33)であるので、ステップS564ではこの終了値182との比較を行うことになる。
部分シナリオ(イ)〜(ハ)が終了する前はまだ上記終了値(X3)にシナリオ進行カウンタの値が達していないので、ステップS564の判断はNOとなり、ステップS565を経ることなく、シナリオ更新・設定処理を抜ける。
プログラムは再びこのシナリオ更新・設定処理に戻ってくる。シナリオは既に進行しており、シナリオ進行カウンタがゼロで無い状態にある。そこで、上記ステップS561における判断はNOとなり、ステップS566に進み、シナリオ進行カウンタの現在値が部分シナリオの分岐点としてあらかじめ定めた所定値に達したか否かを判断する(ステップS566)。図13のシナリオデータの場合、シナリオ部分(イ)〜(ハ)の分岐点としてシナリオ進行カウント値(X1)〜(X2)が定まっているので、この分岐点値(X1)〜(X2)を所定値としてシナリオ進行カウンタの現在値を比較することになる。
シナリオ進行カウンタの現在値が上記最初の所定値(X1)にまだ達しない間は(ステップS566:NO)、ステップS563に移行し、シナリオ進行カウンタを1加算して、シナリオ更新・設定処理を抜け(ステップS563〜S564)、上記ステップS561、S566、S563〜S564を繰り返す。
その後、シナリオ進行カウンタの現在値が所定値(X1)に達した場合は(ステップS566:YES)、開始〜リーチになるまでの部分シナリオ(イ)が終了したことになる。
(4−5−2.リーチ成立から発展前まで)
部分シナリオ(イ)が終了すると、シナリオ進行カウンタの現在値が所定値(X1)に達する。ここでステップS566の判断がYESとなり、ステップS567に移行し、次のリーチ成立から発展前までの部分シナリオ(ロ)(図13参照)を再設定する(ステップS567)。その後、シナリオ進行カウンタを1加算して、シナリオ更新・設定処理を抜ける(ステップS563〜S564)。
プログラムは再びこのシナリオ更新・設定処理に戻ってくる。シナリオは既に分岐点(X1)から(X2)に向かって進行しており、シナリオ進行カウンタの値はゼロで無いので、上記ステップS561における判断はNOとなる。そこで、ステップS566に進み、シナリオ進行カウンタの現在値がシナリオの分岐点としてあらかじめ定めた次の分岐点(X2)の所定値に達したか否かを判断する(ステップS566)。
シナリオ進行カウンタの現在値が次の分岐点、すなわちリーチが発展する時点である所定値(X2)に達しない間は(ステップS566:NO)、シナリオ進行カウンタを1加算して、シナリオ更新・設定処理を抜ける処理(ステップS561、S566、S563〜S564)を繰り返す。
その後、シナリオ進行カウンタの現在値が所定値(X2)に達した場合は(ステップS566:YES)、リーチ成立から発展前までの部分シナリオ(ロ)が終了したことになる。
(4−5−3.発展から終了まで)
リーチ成立から発展前までの部分シナリオ(ロ)が終了し、シナリオ進行カウンタの現在値が所定値(X2)に達した場合(ステップS566:YES)、ステップS567に移行し、次のリーチ発展から終了までの部分シナリオ(ハ)(図13参照)を再設定する(ステップS567)。その後、シナリオ進行カウンタを1加算して、シナリオ更新・設定処理を抜ける(ステップS563〜S564)。
プログラムは再びこのシナリオ更新・設定処理に戻ってくる。シナリオは分岐点(X2)から終了値(X3)に向かって進行している。そこで上記ステップS561からステップS566に進み、シナリオ進行カウンタの現在値が終了値(X3)に達したか否かを判断する(ステップS566)。
シナリオ進行カウンタの現在値が終了値(X3)に達しない間は(ステップS566:NO)、シナリオ進行カウンタを1加算して、シナリオ更新・設定処理を抜ける処理(ステップS561、S566、S563〜S564)を繰り返す。
その後、シナリオ進行カウンタの現在値が終了値(X3)に達した場合は(ステップS566:YES)、リーチ発展から終了までの部分シナリオ(ハ)が終了したことになる。
これによりステップS564の判断がYESとなり、ステップS565に進み、シナリオ進行カウンタに、シナリオが終了したことを示す値としてFFFF[H]を設定し(ステップS565)、シナリオ更新・設定処理を終了する。
かくしてハズレ変動の全シナリオ(X1)〜(X3)が実行される。
<5.演出制御側の処理:図17〜図20>
次に、図17〜図20を参照して、演出制御基板24側における処理内容について説明する。
(5−1.演出制御側メイン処理:図17)
遊技機に電源が投入されると、電源基板31から各制御基板に電源が投入された旨の電源投入信号が送られる。この電源投入信号を受けて、演出制御CPU241が図17に示す演出制御側メイン処理を開始する。
この演出制御側メイン処理では、電源投入が行われてから初めての処理としてステップS601が行われ、これ以外の場合には正常動作時の処理としてステップS602〜S605が行われる。
まず、演出制御基板24は、電源投入が行われてから初めての処理として、遊技動作開始前における必要な初期設定を実行する(ステップS601)。
次に、正常動作時の処理として演出用乱数更新処理を実行する(ステップS602)。この演出用乱数更新処理では、主として、演出内容を選択するために利用される演出抽選用の乱数値を定期的に更新している。
次に、コマンド受信割り込み、タイマ割り込み、外部INT等を許可する割り込み許可状態に設定し(ステップS603)、その後、割り込み禁止状態に設定する(ステップS604)。そして、ウォッチドッグタイマをクリアして(ステップS605)、電断が発生しない限り、ステップS603からステップS605の処理をループ処理にて実行する。
(5−2.コマンド受信割込処理:図18)
図18は、演出制御側のコマンド受信割込処理を示すフローチャートである。ここではレジスタを所定のスタック領域に退避させた後(ステップS611)、制御コマンドをRAM242の所定領域に格納する処理を行い(ステップS612)、レジスタを復帰(ステップS613)する。図柄制御基板23から送られてくる各種制御コマンドを受けた場合、INT割り込みが発生し、この受信割込処理にて、制御コマンドを受信した時点で、これをコマンド受信バッファに格納する。このコマンド受信割込処理は、次に述べる演出制御側タイマ割込処理(図19)よりも優先して処理される。
(5−3.演出制御側タイマ割込処理:図19)
図19は、演出制御基板24における演出制御側メイン処理において、一定時間(2ms)ごとの割り込みで起動される演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。
まず、演出制御CPU241は、レジスタを所定のスタック領域に退避させるレジスタ退避処理を実行する(ステップS621)。次いでプログラム異常を監視しているウォッチドッグタイマをクリアして、タイマのカウントを再スタートさせる(ステップS622)。
次いで、定期更新処理を行う(ステップS623)。この定期更新処理では、演出パターンを選択するために利用される演出用乱数の初期値や、演出パターンの実行に必要な各種タイマの内容を割り込みごとに更新する。
上記各種タイマの代表的なものは、演出の発生に関するタイムスケジュールを管理するタイマである。たとえば、特別図柄表示装置38に特別図柄が変動されている変動期間内(特別図柄の変動期間内)と実質的に同一期間内である液晶表示装置36の画面に装飾図柄が変動表示されている変動期間内(装飾図柄の変動期間内)において、その時間軸上で、どのような演出パターンの演出内容を、どれだけの時間幅をもって、演出手段である装飾ランプ45やスピーカ46や液晶表示装置36などにより現出させるかについての時間的なスケジュールが、このタイマにより時間管理される。
次いで、演出決定管理処理として、図柄制御基板23から受信した制御コマンドに基づいて演出のシナリオを決定するコマンド解析処理(ステップS624)と、演出シナリオに基づき、音出力、LED出力設定を行う演出シナリオ更新処理(ステップS625)とを実行する。
(5−4.コマンド解析処理:図20)
図20にコマンド解析処理(ステップS624)の詳細を示す。このコマンド解析処理では、図柄制御基板23から制御コマンドを受信したか否か、つまりコマンド受信バッファ(図示せず)に制御コマンドが格納されているか否かを割り込みごとに監視し(ステップS631)、制御コマンドが格納されている場合(ステップS631:YES)、コマンド受信処理として、この制御コマンドを読み出して、上記演出シナリオの主体である演出パターンを決定する(ステップS632)。
また、この演出パターンの決定に関連して、演出表示抽選処理を実行する(ステップS633)。この演出表示抽選処理では、演出シナリオの追加的な構成要素である「予告演出パターン」を抽選する。
この実施形態においては、演出制御側で演出抽選を行うようにしているが、図柄制御基板23にて演出抽選を行い、抽選情報をコマンドとして演出制御基板24に送信する構成(以下では構成例Aと称する)とすることもできる。演出制御基板24側では、図柄制御基板23で決定された抽選情報に対応した音声、ランプ演出を実行させるための指示データを予め記憶しておけば、受信したコマンドに基づいた対応データを特定すればよく、演出制御基板側での演出抽選を必要最小限(演出抽選を行わないことも含む)にすることができる。
この構成例Aとする場合、図柄制御基板23はコマンド解析処理(ステップS402)において、主制御基板27から受信した変動パターンに対応する演出パターンのシナリオを抽選により決定する。ここでの「演出シナリオ」とは、装飾図柄の変動パターンに対応する狭義の演出パターンに、予告演出を含めた広義の演出パターンを指す。
また構成例Aとする場合、上記の「予告演出パターン」は、一方では、その内容に応じた映像再生用の制御信号が図柄制御基板23で作成され、液晶表示装置36に送られて画像表示のために用いられる。すなわち、図柄制御CPU52は、映像再生用の制御信号を、映像の再生に必要なタイミングで液晶表示装置36に送信する。これにより、液晶表示装置36において予告演出画像が所定の演出シナリオに沿って表示される。ここで表示される予告演出画像には、装飾図柄やキャラクタや背景などの演出画像が含まれる。また他方では、図柄制御基板23から、上記の「予告演出パターン」を指定するコマンドが演出制御基板24に送信され(図14、ステップS544)、音・ランプや可動体による予告制御に用いられる。
「予告演出パターン」は、特別図柄が所定の変動パターンの変動を開始してから停止するまでの期間と等価的な時間幅である装飾図柄の変動パターン演出時、つまり図柄遊技中に、静止画像または動画像として表示させる演出や、音、発光、可動体等を、所定態様にて行う演出であり、図柄制御基板23において複数種類の予告演出の内容が定められた演出パターン選択テーブルの中から抽選により選択される。この抽選される「予告演出」の中には、選択確率が所定値より低い予告演出であるプレミア演出の表示が含まれる。
なお、制御コマンドを受信していなければ(ステップS631:NO)、何もしないでコマンド解析処理を終了する。
このコマンド解析処理では、上記コマンド受信割込処理で優先的に常に新しいものに更新された制御コマンドが処理されることになる。
図19に戻り、次いで、演出シナリオ更新処理(ステップS625)を実行する。この演出シナリオ更新処理では、上記コマンド解析処理(図20)において決定された上記演出シナリオの内容に基づいてランプやLEDやスピーカ46を作動させる制御信号(発光制御信号や音声制御信号)の作成を行う。そして、作成した上記制御信号をRAM243の所定の格納領域に格納して、ステップS625の演出シナリオ更新処理を終了する。
上記ステップS625の処理に続いて、演出制御CPU241は、上記所定のコマンド格納領域において再生する音データの音声制御信号が有るか否かを判断し(ステップS626)、再生する音データの音声制御信号が有る場合には(ステップS626:YES)、音の再生が必要なタイミングで、サウンドLSIの音声制御信号を入力し、音源ICを通じてスピーカ46から音を出力させる(ステップS627)。これにより、演出シナリオに沿った効果音がスピーカ46から発生される。
続いて、LED出力処理を実行する(ステップS628)。このLED出力処理は、上記音声制御信号がサウンドLSIに送信された場合、この情報を受け、対応する演出に伴い発光制御信号を装飾ランプ45やLEDなどに送信し点灯もしくは点滅させて光による演出を実現する。
そして、退避したレジスタの内容を復帰させ(ステップS629)、これにより演出制御側タイマ割込処理を終了する。
<6.連続予告決定処理:図21)
図柄制御側におけるコマンド解析処理(図11)中で、連続予告用乱数が取得された後、連続予告決定処理がなされる。図21は、この連続予告決定処理(図11のステップS505)の詳細を示したものである。
図柄制御CPU52は、まず連続カウンタがゼロであること、つまり現に連続予告が実行されていないことを確認する(ステップS701)。また、受信した入賞コマンドが1個以上の保留記憶が存在する旨の保留記憶情報を持つものであることを条件として、それら複数個の保留記憶内(いわゆる保留内)に大当りが存在するか否か判断する(ステップS702)。保留内に既に大当りが存在する場合(ステップS702:YES)、この実施形態では連続予告開始のための処理を特には行わず、なにもせずに連続予告決定処理を抜ける。
保留内に大当りが存在しないことが確認できた場合(ステップS702:NO)、変動連続予告が可能であるので、入賞コマンドの受信時に上記ステップS504(図11)で取得した連続予告決定用乱数の数値を読み込み(ステップS703)、読み込んだ連続予告決定用乱数を図示してない連続予告決定テーブルの判定値と照合する乱数判定を行う(ステップS704)。そして、連続予告を実施するか否かを上記の連続予告用乱数を用いて決定する(ステップS705)。
なお、ここでは、保留内に大当りが存在する場合には連続予告を実施しないようにしたが、必ずしもこのようにする必要はなく、保留内に大当りが存在する場合であっても連続予告を実施するようにしてもよい。この場合、大当りとなる保留情報(大当り種別)に基づいて、大当りに至るまでの変動における図柄を決定するようにするのが望ましい。
たとえば、保留記憶1〜3が既に存在し、そのうちの保留記憶3が大当りとなる変動のものである状況下において、入賞コマンドにより新たな保留記憶4が発生した場合は、保留記憶1から大当りに係る保留記憶3までを連続予告の実施対象とし、保留記憶4ついては連続予告の実施対象から外す。そして、この大当りに係る保留記憶3に基づく変動を連続予告の最終回の変動動作として扱う。保留記憶4も含めて保留記憶1〜4を連続予告の実施対象にしたとすると、大当りとなる変動の図柄種別(保留記憶3に基づく変動の図柄種別)と、入賞コマンドにより連続予告を実施することに決定した際の最終図柄種別(保留記憶4に基づく変動の図柄種別)が異なる可能性があり、最終図柄種別のみに基づいて連続予告中の図柄を決定した場合に成り下がりが生ずる可能性がある為である。保留内の大当りの発生によって各種情報(連続カウンタ、図柄フラグ、維持フラグ等)をクリアするようにしてもよいし、大当り終了後も継続して各種情報を用いるようにしてもよい。
ステップS705の判断において、連続予告を実施しないと決定した場合は(ステップS705:NO)、何も行わずに図11のステップS505に戻り、ステップS506に進む。
一方、ステップS705の判断において、連続予告を実施すると決定した場合は(ステップS705:YES)、入賞コマンドを受信した時点の上記保留記憶数を考慮して特定される連続予告回数Nを連続カウンタに設定する(ステップS706)。この実施形態の場合、連続予告回数Nは、入賞コマンドを受信した時点において、現在の図柄変動表示が終了した時点で何個先まで保留記憶が存在するか、という保留記憶の総個数を示すものである。したがって、図柄変動表示ゲームが現在図柄変動表示中でかつ保留記憶が3個存在しているときに、入賞口への新たな入賞があり、保留記憶がその上限値の4個に増加した場合であれば、この上限値の4回に連続予告回数Nが設定されることになる。
しかし、連続予告回数Nは、入賞コマンドを受信した時点(たとえば入賞により保留記憶4個目が発生した時点)において、現在(保留記憶ゼロ個目)の図柄変動表示が終了した時点で何個先(たとえば保留記憶3個目)に当りが存在するのかという、当りが存在する保留先(保留記憶3個目)までの保留記憶の個数を示す構成とすることもできる。
次いで、詳しくは後述する本図柄種別設定処理(ステップS707)を行い、その後に図11のステップS505に戻りステップS506に進む。
(6−1.当否種別と図柄列、図22)
変動連続予告に係らない通常の図柄変動においては、変動パターンコマンドまたは装飾図柄指定コマンドの一方または双方で当否種別(ハズレの場合も含めた種別)が指定される。これには度ハズレ(リーチ無しハズレ)、リーチ有りハズレ、15R非確変大当り、15R確変大当り、2R確変大当りなどの種別がある。
変動連続予告に係る図柄変動における当否種別(図8の当否判定処理により得られる入賞コマンドデータ)もこれと同様であり、図柄変動表示ゲームの大当り判定結果である当否情報、図柄種別抽選による停止図柄の種別(2R確変、15R確変、15R非確変の別)、リーチ有無の抽選結果を含む。ただし、停止図柄の種別から確変図柄および非確変図柄のいずれであるかが明らかとなるのは大当りの場合だけであり、ハズレの場合にはそのような図柄種別情報は得られない。これらを考慮して図23でステップS714が追加され、図22に示す図柄フラグによる図柄種別の区分けがなされる。この図柄フラグは変動連続予告に係る図柄種別を管理するためのものである。
ここで装飾図柄の停止順序は、左図柄、右図柄、中図柄の順であり、左図柄と右図柄が有効ライン(ここでは中央の横ライン)上で同じになったとき「リーチ」となり、残りの中央図柄も左右の図柄と同じになったとき「大当り」となる。扱っている図柄列は、確変図柄と非確変図柄の少なくとも一方を含む所定の図柄列の組合せ(複数種別)からなる。本実施形態では0〜9までの数字図柄のうち偶数数字「2、4、6、8、0」を非確変図柄とし、奇数数字「1、3、5、7、9」を確変図柄として扱う。15R非確変大当りは、上記の非確変図柄(2、4、6、8、0)のいずれかが3桁の所定の図柄列(大当り図柄列)に揃って大当りする場合であり、また15R確変大当りは、上記の確変図柄(1、3、5、7、9)のいずれかが3桁の所定の図柄列(大当り図柄列)に揃って大当りする場合である。2R確変大当りは、所定の図柄列(チャンス目の「157」)となって大当りする場合であり、上記した2R突然確変大当りと2R潜伏確変大当りの種類がある。
非確変図柄で大当りした場合、大当り後の遊技状態が所定回数(たとえば100回)の遊技終了まで時短状態(低確率状態、開放延長あり)となる利益(一の利益状態)が約束される。また確変図柄で大当りした場合、大当り後の遊技状態が、次回大当たりとなるまでの間少なくとも確変状態(高確率状態)となる利益(一の利益状態よりも利益価値の高い利益状態)が約束される。具体的には、15R確変大当り、2R突然確変(2R突確)大当りについては、次回大当りまで確変状態(高確率状態)および時短状態(開放延長あり)が付与され、2R潜伏確変大当りでは確変状態(高確率状態)のみが付与される。したがって、非確変図柄は「上記一の利益状態を発生させる図柄列(偶数図柄揃い列)の組合せを構成する第1利益図柄」と称することができ、また確変図柄は、「上記一の利益状態よりも利益価値の高い利益状態を発生させる図柄列(奇数図柄揃い列)の組合せを構成する第2利益図柄」と称することができる。
また、同じ確変図柄(奇数図柄)であったとしても、構成される図柄列によって、大当り時のラウンド数が異なる場合(例えば、「111」の図柄列での大当り時は5R、「777」の図柄列での大当り時は15Rに定めている場合)、ラウンド数の少ない図柄列を構成する確変図柄は「上記一の利益状態を発生させる図柄列の組合せを構成する第1利益図柄」と称することができ、またラウンド数の多い図柄列を構成する確変図柄は「上記一の利益状態よりも利益価値の高い利益状態を発生させる図柄列の組合せを構成する第2利益図柄」と称することができる。
一方、変動連続予告の場合は、変動連続予告における装飾図柄列の停止図柄を決定する本図柄決定処理(図24〜図26参照)および連続予告図柄決定処理(図32〜図33参照)の便宜のため、大当りの有無と、リーチの有無と、確変図柄または非確変図柄の別とを考慮して、図22に示す図柄フラグによる区分がなされる。
この実施形態の場合、図22に示すように図柄フラグ01[H]〜04[H]による区分がなされている。図柄フラグ01[H]はリーチがかかることなくハズレとなる図柄変動(度ハズレ)の場合を区分するものである。この度ハズレの図柄変動ではリーチが発生しないため、遊技者は大当りすることを期待し得ない。このため、変動連続予告の途中の変動動作で、左図柄が確変図柄から非確変図柄に変わる図柄変更(本明細書において「図柄の成り下がり」と称する)を論ずる必要がなく、結果として図柄の成り下がりが許される。
図柄フラグ02[H]は、非確変図柄でリーチとなりその後ハズレとなる図柄変動(非確変リーチハズレ)の場合と、非確変図柄で15R大当りとなる図柄変動(非確変15R大当り)の場合とを、他から区分するものである。このように左図柄が最終的に非確変図柄となる場合には、その後に確変図柄に変更することは行わないので、上記図柄の成り下がりとは無関係な存在となる。
図柄フラグ03[H]は確変図柄でリーチがかかりその後ハズレとなる図柄変動(確変リーチハズレ)の場合を区分するものである。このように確変図柄でリーチが発生した場合、遊技者は確変図柄で大当りすることを期待する。そこで、この確変リーチハズレのケースでは、上記図柄の成り下がりを禁止する。
図柄フラグ04[H]は確変図柄で15R大当りとなる図柄変動(確変図柄15R大当り)の場合と、確変図柄で2R大当りとなる図柄変動(確変図柄2R大当り)の場合とを他から区分するものである。本発明は、一度確変図柄でリーチ変動が生じた後は、その後の連続変動の変動動作において非確変図柄となる成り下がりを禁ずるという規則性ないし法則性を持たせるものである。ただし、極めてまれなケースとして、図柄フラグ04[H]を設定するケース(確変図柄15R大当り、確変図柄2R大当り)では最終的に確変大当りすることが確定しているので、「上記の法則崩れが生じた場合はリーチ前でも大当りが確定する」ことを遊技者に報せる報知手段として、成り下がりを許容することもできる。
(6−2.本図柄種別設定処理:図23)
図23に本図柄種別設定処理(図21、ステップS707)の詳細を示す。この本図柄種別設定処理は、後述する変動連続予告の各回の変動動作において停止させる装飾図柄列の停止図柄(本図柄)に関し、その本図柄の種別を区分し管理するための「図柄フラグ」(図22参照)を設定する処理である。
図柄制御CPU52は、まず主制御部側から送られて来た入賞コマンドが、大当りまたはハズレのいずれの当否情報を有するコマンドであるかを判断する(ステップS711)。ハズレ情報を含む入賞コマンドである場合(ステップS711:ハズレ)は、さらに当該入賞コマンドがリーチ有りの情報を含むか否かについて判断する(ステップS712)。
(イ)入賞コマンドがハズレ情報とリーチなし情報とを含むものである場合(ステップS712:NO)、つまりリーチなしハズレ(度ハズレ)の図柄変動である場合は、図柄フラグとして01[H]を設定する(ステップS713)。この度ハズレの図柄変動ではリーチが発生しないので、変動連続予告の途中で、第1停止図柄である左図柄が確変図柄から非確変図柄に成り下がることが許される(図22参照)。
(ロ)入賞コマンドがハズレ情報とリーチ有り情報とを含むものである場合(ステップS712:YES)、つまりリーチ後にハズレとなる図柄変動の場合は、入賞コマンド受信時に図示してない乱数発生手段から取得される図柄判定用乱数値に基づき、第1停止図柄である左図柄について、その図柄の種別、つまり確変図柄であるか非確変図柄の別を決定する(ステップS714)。この図柄種別決定処理を必要とする理由は、入賞コマンドがハズレの場合(ステップS711:ハズレ)、確変図柄であるか非確変図柄であるかを区別する必要がないため、通常、入賞コマンドには図柄の種別情報が含まれていないことから、確変図柄であるか非確変図柄であるかの区別性を付与してやることが必要となるためである。
次に、上記ステップS714で付与した図柄の種別を判断し(ステップS715)、非確変図柄である場合(ステップS715:NO)、つまり左図柄が非確変図柄でリーチとなり最終的にハズレとなる図柄変動(非確変リーチハズレ)の場合は、図柄フラグとして02[H]を設定する(ステップS718)。なお下記(ハ)で述べるが、15R非確変大当りとなる図柄変動(非確変15R大当り)の場合も(ステップS717:NO)、図柄フラグとして02[H]を設定する(ステップS718)。
(ハ)一方、上記ステップS714で付与した図柄の種別が確変図柄であった場合(ステップS715:YES)、つまり左図柄が確変図柄でリーチとなり最終的にハズレとなる図柄変動(確変リーチハズレ)の場合は、図柄フラグとして03[H]を設定する(ステップS716)。この確変リーチハズレのように変動連続予告の途中で左図柄が一度でも確変図柄となった場合は、同じ変動連続予告のその後の変動動作において左図柄が確変図柄から非確変図柄に成り下がることが禁止される(図22参照)。
(ニ)入賞コマンドが大当り情報を含むものである場合(ステップS711:当り)、つまりリーチ後に大当りとなる図柄変動の場合は、入賞コマンドの停止図柄情報に基づき、その第1停止図柄である左図柄が確変図柄であるか非確変図柄であるかを判断する(ステップS717)。非確変図柄である場合(ステップS717:NO)、つまり非確変図柄で大当りする図柄変動(非確変15R大当り)の場合は、上記(ロ)の場合と同じく、図柄フラグとして02[H]を設定する(ステップS718)。
(ホ)上記ステップS717において、第1停止図柄である左図柄が確変図柄であると判断される場合(ステップS717:YES)、つまりリーチ後に確変図柄で大当りとなる図柄変動(確変図柄15R大当り、確変図柄2R大当り)の場合は、図柄フラグとして04[H]を設定する(ステップS719)。確変図柄15R大当りや確変図柄2R大当りでは、まれなケースではあるが、「法則崩れが生じた場合は確変大当りが確定する」旨を遊技者に報知する手段として、成り下がりが許容され得る(図22参照)。
<7.通常時の本図柄決定処理、図24〜図29>
次に、図24〜図29を参照しながら、本図柄決定処理(ステップS557、図15)の内容について説明する。この本図柄決定処理は、上記した本図柄種別設定処理において図柄フラグにより設定した区分にしたがい、変動連続予告の各変動動作における停止図柄を決定する処理である。変動連続予告の各変動動作は、通常の変動パターンコマンドを受信して図柄変動を実行する際の変動動作と共通である。あらかじめ連続カウンタにNが設定されていて、変動連続予告がなされることが決定されていることを条件に、図柄フラグの区分を参照しつつ、毎回の図柄変動の都度、停止させるべき本図柄を決定するものである。
図24〜図26は、本図柄決定処理(図15、ステップS557)のうち、通常時つまりまだ連続予告が設定されていない場合と連続予告の場合とに共通に用いられる本図柄決定処理部分を示したものである。まず通常時つまりまだ連続予告が設定されていない場合から説明する。
図24において、図柄制御CPU52は、まず主制御基板27から送られてきた変動パターンコマンドまたは装飾図柄指定コマンドから、図柄変動が大当りに係るものであるか否かを判断する(ステップS801)。
(7−1.大当りの場合:処理ルートG1〜G3)
主制御基板27から送られてきた変動パターンコマンドまたは装飾図柄指定コマンドが大当りの場合は、その変動パターンコマンドまたは装飾図柄指定コマンドから判明する大当りの種別(15R非確変、15R確変、2R確変)に応じて、次のように処理する(ステップS802)。
15R非確変大当りの場合ならば、図27に示す左図柄テーブルTBL1〜TBL3のうちから、非確変図柄テーブルである左図柄テーブルTBL1を設定し(ステップS803)、図柄乱数値に応じてこの左図柄テーブルTBL1から左図柄(非確変図柄)を抽選により選択する(ステップS804)。そして、抽選により選択された左図柄(非確変図柄)を、左図柄格納バッファ(HBF1)に格納する(ステップS805)。また、上記左図柄と同じ図柄に中図柄と右図柄を決定し、左図柄=中図柄=右図柄とする(ステップS806)。そして、中図柄格納バッファ(HBF2)に中図柄を格納し(ステップS807)、右図柄格納バッファ(HBF3)に右図柄を格納する(ステップS808)。そして本図柄種別設定処理(図23)にて図柄フラグが設定されている場合は、その図柄フラグをクリアし、また連続予告図柄決定処理(図32〜図33)で維持フラグが設定されている場合はその維持フラグをクリアし、連続カウンタの値もクリアして(ステップS814〜S815)、本図柄決定処理を終了する。
通常時つまり連続予告を行うことが決定されていない場合には、図柄フラグ、維持フラグ等の連続予告に関連するフラグは0に設定されているはずであるので、ステップS814の判定処理においてはYESとなり、ステップS815の処理を経ることなく本図柄決定処理を終了することになる。
上記のステップS801〜S808を通る非確変ルートを「処理ルートG1」と称する。
15R確変大当りの場合ならば、図27に示す左図柄テーブルTBL2(確変図柄テーブル)を設定し(ステップS809)、図柄乱数値に応じてこの左図柄テーブルTBL2から左図柄(確変図柄)を抽選により選択する(ステップS810)。そしてステップS805に移行し、抽選により選択された左図柄(確変図柄)を、左図柄格納バッファ(HBF1)に格納する(ステップS805)。また上記左図柄と同じ図柄に、中図柄と右図柄を決定し(ステップS806)、中図柄を中図柄格納バッファ(HBF2)に格納し(ステップS807)、右図柄を右図柄格納バッファ(HBF3)に格納する(ステップS808)。そしてステップS814を経て、本図柄決定処理を終了する。
上記のステップS801〜S802、ステップS809〜S810、およびステップS805〜S808を通る確変ルートを「処理ルートG2」と称する。
2R確変大当りの場合ならば、左図柄格納バッファ(HBF1)に「1」図柄を格納し(ステップS811)、中図柄格納バッファ(HBF2)に「5」図柄を格納し(ステップS812)、右図柄格納バッファ(HBF3)に「7」図柄格納する(ステップS813)。そしてステップS814を経て、本図柄決定処理を終了する。
上記のステップS801〜S802、ステップS811〜S813を通るチャンス目ルートを「処理ルートG3」と称する。
(7−2.大当りでない場合:処理ルートF1、F2)
ステップS801でハズレと判断される場合、つまり変動パターンコマンドまたは装飾図柄指定コマンドがハズレ情報を含むものである場合は(ステップS801:NO)、図25のステップS821に進み、連続カウンタをチェックし、連続カウンタの値Nがゼロであるか否かを判断する(ステップS821)。通常時はここでの連続カウンタ値Nがゼロとなっているので(ステップS821:YES)、次いで、図柄フラグの値をチェックする(ステップS822)。ここでは、図柄フラグ≦01[H]、図柄フラグ=02[H]、図柄フラグ=03[H]のいずれであるかを判断する(ステップS822)。
図柄フラグ≦01[H]である場合は、上記左図柄テーブルTBL3(非確変、確変混在図柄テーブル)を設定し(ステップS823)、図柄乱数値に応じて左図柄テーブルTBL3から図柄を抽選する(ステップS824)。仮にここで図柄フラグが02[H]であるならば、非確変図柄の左図柄テーブルTBL1(非確変図柄テーブル)(図27参照)を設定し(ステップS825)、図柄乱数値に応じて左図柄テーブルTBL1から図柄を抽選する(ステップS826)。また仮に図柄フラグが03[H]であるならば、確変図柄の左図柄テーブルTBL2(確変図柄テーブル)(図27参照)を設定し(ステップS827)、図柄乱数値に応じて左図柄テーブルTBL2から図柄を抽選する(ステップS828)。
ここでは連続予告でない通常時のハズレの場合を扱っているので、図柄フラグ≦01[H]に分岐される。そして、非確変図柄と確変図柄とが混在した左図柄テーブルTBL3(非確変、確変混在図柄テーブル)(図27参照)を設定し(ステップS823)、図柄乱数値に応じて左図柄テーブルTBL3から図柄を抽選する(ステップS824)。
次いで図26のステップS830に進み、上記で抽選した左図柄を左図柄格納バッファ(HBF1)に格納する(ステップS830)。次に、ステップS831に進み、ここでリーチとなる場合であるかどうかを判断する(ステップS831)。
リーチとならない場合は、右図柄テーブルTBL1(左図柄に対する差分値テーブル)(図29参照)を設定し(ステップS832)、図柄乱数値に応じて右図柄テーブルTBL1から左図柄に対する差分値を決定し(ステップS833)、これにより特定される右図柄を右図柄格納バッファ(HBF3)に格納する(ステップS834)。
ここで左図柄が「1」かつ右図柄が「7」であるか否か、つまりチャンス目の「157」が構成される可能性があるか否かを判断する(ステップS835)。チャンス目になる可能性がない場合(ステップS835:NO)、中図柄テーブルTBL1(左図柄に対し任意の差分値の差分値テーブル)(図28参照)を設定し(ステップS836)、図柄乱数値に応じて中図柄テーブルTBL1から左図柄に対する差分値を決定し(ステップS838)、これにより特定される中図柄を中図柄格納バッファ(HBF2)に格納する(ステップS839)。
一方、チャンス目になる可能性がある場合(ステップS835:YES)は、中図柄テーブルTBL2(左図柄に対し2R確変出目の出現の差分値が排斥されている差分値テーブル)(図28参照)を設定する(ステップS837)。この中図柄テーブルTBL2には、図28から分かるように中図柄テーブルTBL1と異なり差分値「4」が含まれていない。左図柄「1」に対する差分値4の中図柄は「5」であるため、差分値4が存在しない中図柄テーブルTBL2が用いられれば、中図柄が「5」である2R確変出目「157」が選択されることはない。すなわち、2R確変出目「157」の出現する可能性が完全に排除されている。この中図柄テーブルTBL2を設定したならば、図柄乱数値に応じて中図柄テーブルTBL2から左図柄に対する差分値を決定し(ステップS838)、これにより特定される中図柄を中図柄格納バッファ(HBF2)に格納する(ステップS839)。
上記のステップS823〜S824、S830〜S839を通る度ハズレルートを「処理ルートF0」と称する。
度ハズレ以外のケースであって、ステップS831でリーチとなる場合は(ステップS831:YES)、右図柄を左図柄と同じ(右図柄=左図柄)にして(ステップS842)、その右図柄を右図柄格納バッファ(HBF3)に格納する(ステップS843)。
また中図柄テーブルTBL1(左図柄に対する差分値テーブル)(図28参照)を設定し(ステップS844)、図柄乱数値に応じて中図柄テーブルTBL1から左図柄に対する差分値を決定し(ステップS845)、これにより特定される中図柄を中図柄格納バッファ(HBF2)に格納する(ステップS846)。
ここでは、図柄乱数値に基づき抽選により中図柄を決定しているが、必ずしもこのように決定する必要はなく、変動パターンに応じて中図柄を一義的に決定するようにしてもよい。たとえば、スーパーリーチを行う変動パターンである場合には、中図柄を左図柄に対して+1(または1)とする図柄として決定するようにしてもよい。
上記のステップS825〜S826およびステップS830を経た後に、ステップS831〜S839を通るか、またはステップS831、S842〜S846を通る非確変ルートを「処理ルートF1」と称する。また、ステップS827〜S828およびステップS830を経た後に、ステップS831〜S839を通るか、またはステップS831、S842〜S846を通る確変ルートを「処理ルートF2」と称する。
かくして通常時における本図柄決定処理を終了する。
<8.連続予告時の本図柄決定処理、図24〜図29>
次に、図24〜図29を参照しながら、変動連続予告における本図柄決定処理について説明する。
変動連続予告が実施される場合は、連続カウンタ値Nが上限のN=4までの任意の数値に設定されている(図21のステップS706参照)。そこで、図25のステップS821の判断はNOとなり、ステップS910の連続予告図柄決定処理に進む。図32〜図33にて詳述するが、この連続予告図柄決定処理内で連続カウンタ値Nが1減算され、かつ当該図柄変動における停止図柄が決定される。そして次の図柄変動において、再びこの本図柄決定処理に入り、図25のステップS821に進む。ここで連続カウンタ値Nがゼロでなければ、つまり連続予告がまだ継続する場合には、ステップS910の連続予告図柄決定処理に入り、この連続予告図柄決定処理内で連続カウンタ値Nが1減算され、かつ当該図柄変動における停止図柄が決定される。そして次の図柄変動において、再びこの本図柄決定処理に入る。これを繰り返す。このとき連続カウンタ値Nがゼロつまり最終回の本図柄変動であれば、上記した処理ルートG1〜G3またはF0〜F2を経て、当該変動の停止図柄が決定される。かくして変動連続予告を実行する。
<8−1.連続予告図柄の推移の概要、図30〜図31>
本実施形態における変動連続予告は、その毎回の変動動作において装飾図柄列の停止図柄を図23に示した図柄フラグ区分に従って決定しつつ、その連続予告図柄で装飾図柄列を一回または複数回にわたり変動動作させるものである。この変動連続予告においては、途中で図26のステップS842〜S846のルートを経由してリーチ態様が発生することもある。
図30は、変動連続予告における連続変動パターンの種類(パターン1〜パターン14)と、各パターンにおける左停止図柄の種別および参照テーブルとの関係を示した図(便宜上、連続変動停止図柄テーブルと呼ぶ)である。連続予告1回の場合として2種類のパターン1〜2を、連続予告2回の場合として3種類のパターン3〜5を、連続予告3回の場合として4種類のパターン6〜9を、そして連続予告4回の場合として5種類のパターン10〜14を示してある。
ここでは、一例として、連続予告の最終回変動でリーチとなり且つ最終回までの途中回変動においてリーチとならない場合(度ハズレ)の連続変動停止図柄テーブルを示している。本実施形態の場合、連続予告を行なわない場合の変動態様や連続予告の途中の変動態様(度ハズレ、リーチ等)は、主制御基板27から送信される変動パターンコマンドに基づき、変動開始時に初めて決定される。よって、図30に示すようなパターン以外にも、連続予告の途中でリーチとなるような場合も想定される。また、図柄フラグが示すように、連続変動の最終回では必ずしもリーチで終わることがないこともこれまでの説明から明確である。
また図31は、それらのパターン1〜14における1回目から4回目までの右図柄の左図柄に対する異同を示したものであり、「−」は最終回の変動動作でリーチがかかる同一図柄となることを、また「+1」は左図柄に対して1個進んだ位置の図柄(ここでは1個多い数字)が右図柄となることを示している。
連続予告1回の「パターン1」は、左図柄が図27の左図柄テーブルTBL1の偶数数字「2」「4」「6」「8」「0」より選択される非確変図柄で1回目の変動動作がなされ、かつリーチが発生(図31参照)するケースである。
連続予告1回の「パターン2」は、左図柄が図27の左図柄テーブルTBL2の奇数数字「1」「3」「5」「7」「9」より選択される確変図柄で1回目の変動動作がなされ、かつリーチが発生(図31参照)するケースである。
連続予告2回の「パターン3」は、1回目および2回目の変動動作における左停止図柄として、それぞれ図27の左図柄テーブルTBL1の偶数数字「2」「4」「6」「8」「0」より選択される非確変図柄で変動動作がなされ、かつ2回目の変動動作後にリーチが発生(図31参照)するケースである。
連続予告2回の「パターン4」は、1回目の変動動作における左停止図柄として、図27の左図柄テーブルTBL1の偶数数字「2」「4」「6」「8」「0」より選択される非確変図柄が決定され、2回目の変動動作における左停止図柄として、図27の左図柄テーブルTBL2の奇数数字「1」「3」「5」「7」「9」より選択されて確変図柄で変動動作がなされ、かつ2回目の変動動作後にリーチが発生(図31参照)するケースである。
連続予告2回の「パターン5」は、1回目および2回目の変動動作における左停止図柄として、それぞれ図27の左図柄テーブルTBL2の奇数数字「1」「3」「5」「7」「9」より選択される確変図柄が決定され、かつ2回目の変動動作後にリーチが発生(図31参照)するケースである。装飾図柄列の左図柄は初回の変動動作から最終回の変動動作まで確変図柄であるため、装飾図柄列の成り下がり感を遊技者に与えない。
連続予告3回の「パターン6」は、1回目〜3回目の変動動作において、左停止図柄がそれぞれ図27の左図柄テーブルTBL1の偶数数字「2」「4」「6」「8」「0」より選択される非確変図柄に決定され、かつ3回目の変動動作後にリーチが発生(図31参照)するケースである。
連続予告3回の「パターン7」は、1回目〜2回目の変動動作において、左停止図柄がそれぞれ図27の左図柄テーブルTBL1の偶数数字「2」「4」「6」「8」「0」より選択される非確変図柄に決定され、また3回目の変動動作おいて、左図柄が図27の左図柄テーブルTBL2の奇数数字「1」「3」「5」「7」「9」より選択される確変図柄に決定され、かつ3回目の変動動作後にリーチが発生(図31参照)するケースである。
連続予告3回の「パターン8」は、1回目の変動動作おいて、左停止図柄が図27の左図柄テーブルTBL1の偶数数字「2」「4」「6」「8」「0」より選択される非確変図柄に決定され、また2回目および3回目の変動動作において、左図柄が図27の左図柄テーブルTBL2の奇数数字「1」「3」「5」「7」「9」より選択される確変図柄に決定され、かつ3回目の変動動作後にリーチが発生(図31参照)するケースである。装飾図柄列の左図柄は2回目の変動動作で確変図柄となった以降は、最終回の変動動作まで確変図柄を維持するため、装飾図柄列の成り下がり感を遊技者に与えない。
連続予告3回の「パターン9」は、1回目〜3回目の変動動作における左停止図柄として、それぞれ図27の左図柄テーブルTBL2の奇数数字「1」「3」「5」「7」「9」より選択される確変図柄が決定され、かつ3回目の変動動作後にリーチが発生(図31参照)するケースである。装飾図柄列の左図柄は初回の変動動作から最終回の変動動作まで確変図柄であるため、装飾図柄列の成り下がり感を遊技者に与えない。
連続予告4回の「パターン10」は、1回目〜4回目の変動動作において、左停止図柄がそれぞれ図27の左図柄テーブルTBL1の偶数数字「2」「4」「6」「8」「0」より選択される非確変図柄に決定され、かつ4回目の変動動作後にリーチが発生(図31参照)するケースである。
連続予告4回の「パターン11」は、1回目〜3回目の変動動作おいて、左停止図柄がそれぞれ図27の左図柄テーブルTBL1の偶数数字「2」「4」「6」「8」「0」より選択される非確変図柄に決定され、また4回目の変動動作において、左図柄が図27の左図柄テーブルTBL2の奇数数字「1」「3」「5」「7」「9」より選択される確変図柄に決定され、かつ4回目の変動動作後にリーチが発生(図31参照)するケースである。
連続予告4回の「パターン12」は、1回目〜2回目の変動動作おいて、左停止図柄が図27の左図柄テーブルTBL1の偶数数字「2」「4」「6」「8」「0」より選択される非確変図柄に決定され、また3回目および4回目の変動動作において、左図柄が図27の左図柄テーブルTBL2の奇数数字「1」「3」「5」「7」「9」より選択される確変図柄に決定され、かつ4回目の変動動作後にリーチが発生(図31参照)するケースである。装飾図柄列の左図柄は3回目に確変図柄となった以降は、最終回の変動動作まで確変図柄を維持するため、装飾図柄列の成り下がり感を遊技者に与えない。
連続予告4回の「パターン13」は、1回目の変動動作おいて、左停止図柄が図27の左図柄テーブルTBL1の偶数数字「2」「4」「6」「8」「0」より選択される非確変図柄に決定され、また2回目〜4回目の変動動作において、左図柄が図27の左図柄テーブルTBL2の奇数数字「1」「3」「5」「7」「9」より選択される確変図柄に決定され、かつ4回目の変動動作後にリーチが発生(図31参照)するケースである。装飾図柄列の左図柄は2回目に確変図柄となった以降は、最終回の変動動作まで確変図柄を維持するため、装飾図柄列の成り下がり感を遊技者に与えない。
連続予告4回の「パターン14」は、1回目〜4回目の変動動作における左停止図柄として、それぞれ図27の左図柄テーブルTBL2の奇数数字「1」「3」「5」「7」「9」より選択される確変図柄が決定され、かつ4回目の変動動作後にリーチが発生(図31参照)するケースである。装飾図柄列の左図柄は初回の変動動作から最終回の変動動作まで確変図柄であるため、装飾図柄列の成り下がり感を遊技者に与えない。
この図30の連続変動停止図柄テーブルの特徴は、連続変動予告中において装飾図柄列を構成する一部の停止図柄つまり左停止図柄を確変図柄(第2利益図柄)とする場合、その後の変動動作における左停止図柄を非確変図柄(第1利益図柄)に決定することを禁止する、という「図柄成り下り禁止則」を含んでいる点にある。このため、変動連続予告中に遊技者に停止図柄の成り下がり感を与えることを大きく軽減することができる。また、このように停止図柄に法則性をもたせることにより、演出の多様化を図ることができる。
<8−2.連続予告図柄決定処理、図32〜図33>
図32〜図33は連続予告図柄決定処理(図25のステップS910)の詳細を示したフローチャートである。
図柄制御CPU52は、連続予告図柄決定処理に入ると、図32において、まず図21のステップS706で設定された連続カウンタの値Nから1減算する(ステップS920)。
次いで、連続カウンタがゼロであるか否か(連続予告が残り1回で終了する場合であるか否か)を判断する(ステップS921)。
(8−2−1.連続予告1回の場合:処理ルートF0〜F2)
連続予告が1回だけの場合は、連続カウンタの値Nが「1」に設定される。なお図柄変動表示はハズレ態様になるものとする。
この連続予告が1回だけの図柄変動においては、まず図24の本図柄決定処理に入り、大当りでない場合としてステップS801を抜ける。次いで、図25に入り、連続カウンタ値がゼロでない場合としてステップS821を抜け、ステップS910の連続予告図柄決定処理に入る。この連続予告図柄決定処理においては、まず図32のステップS920で連続カウンタの値が「1」から「0」に減算される。そこで、連続カウンタ値がゼロの場合としてステップS921から図25のステップS822に進み、図柄フラグの内容が判断される。
ここで図柄フラグ=01[H](度ハズレ)である場合は、上記左図柄テーブルTBL3(非確変、確変混在図柄テーブル)から図柄を抽選する(ステップS823〜S824)。また図柄フラグが02[H](非確変図柄)である場合は、左図柄テーブルTBL1(非確変図柄テーブル)から図柄を抽選する(ステップS825〜S826)。そして図柄フラグが03[H](確変図柄)である場合は、左図柄テーブルTBL2(確変図柄テーブル)から図柄を抽選する(ステップS827〜S828)。
次いで図26に進み、上記により決定された左図柄を左図柄格納バッファ(HBF1)に格納した後(ステップS830)、リーチとなる場合であるかどうかを判断する(ステップS831)。
リーチとならない場合は、右図柄テーブルTB1(左図柄に対する差分値テーブル)から左図柄に対する差分値を決定し、これにより特定される右図柄を右図柄格納バッファ(HBF3)に格納する(ステップS832〜S834)。
ここで左図柄が「1」かつ右図柄が「7」であるか否かを判断し、2R確変出目(チャンス目)になる可能性がない場合(ステップS835:NO)、中図柄テーブルTBL1(左図柄に対し任意の差分値の差分値テーブル)から左図柄に対する差分値を決定し、これにより特定される中図柄を中図柄格納バッファ(HBF2)に格納する(ステップS836〜S839)。一方、チャンス目になる可能性がある場合(ステップS835:YES)は、中図柄テーブルTBL2(左図柄に対し2R確変出目の出現の差分値が排斥されている差分値テーブル)から左図柄に対する差分値を決定し、これにより特定される中図柄を中図柄格納バッファ(HBF2)に格納する(ステップS836〜S839)。
ステップS831でリーチとなる場合は(ステップS831:YES)、右図柄を左図柄と同じ(右図柄=左図柄)にして、その右図柄を右図柄格納バッファ(HBF3)に格納する(ステップS842〜S843)。また中図柄テーブルTBL1(左図柄に対する差分値テーブル)から左図柄に対する差分値を決定し、これにより特定される中図柄を中図柄格納バッファ(HBF2)に格納する(ステップS844〜S846)。
上記のステップS823〜S824を通る場合は処理ルートF0、ステップS825〜S826を通る場合は処理ルートF1、ステップ827〜S828を通る場合は処理ルートF2になる。
上記のようにして連続予告1回の変動動作について停止図柄が設定され、対応する装飾図柄列の変動動作が実行表示される。
上記は連続カウンタがN=1に設定された場合であったが、N≧2に設定された場合は、図32のステップS921において連続カウンタがゼロでない、つまり、まだ連続予告の最終回変動に至っていないと判断される(ステップS921:NO)。この場合は、図柄フラグの内容をチェックし(ステップS922)、図柄フラグが01[H]〜04[H]のいずれであるかに応じて分岐する。これ以降の処理は、次のように場合を分けて説明する。
(8−2−2.初回から最終回まで非確変図柄である場合)
図30に掲げたケースのうち、連続予告1回のパターン1、連続予告2回のパターン3、連続予告3回のパターン6、連続予告4回のパターン10のケースは、すべて、初回から最終回の変動動作まで左停止図柄が非確変図柄である場合に該当する。
これらのケースでは、ステップS922の判断結果が図柄フラグ=02(非確変図柄)つまり「偶数図柄」となるので、ステップS923に進み、左図柄テーブルTBL1(偶数図柄テーブル)を設定し、図柄乱数値に応じて左図柄テーブルTBL1から左図柄として、たとえば「8」を抽選により選択する(ステップS924)。このように図柄抽選を行うのは、停止図柄のランダム性を出すためである。そして、この左図柄「8」を左図柄格納バッファに格納し(ステップS925)、右図柄格納バッファに左図柄より1多い図柄(左図柄+1)として右図柄「9」を設定し(ステップS926)、中図柄格納バッファに左図柄より1多い図柄(左図柄+1)として中図柄「9」を設定する(ステップS927)。これで変動連続予告の1回目の停止図柄が「899」に設定されることになり、対応する図柄変動が実行される。
次の変動パターンを受信して行う図柄変動において、再び上記のステップS920〜S927を繰り返し、変動連続予告の2回目以降の変動動作について停止図柄が決定されることになり、それぞれ対応する図柄変動が実行される。ここで連続予告4回の場合とすると、2回目〜3回目の変動動作について上記の如く停止図柄が決定された後、プログラムが再び図32のステップS921に戻って来た時点で、連続カウンタの値はゼロ(連続予告の終了回)となっている。そこで、ステップS921の判断はYESとなり、図25のステップS822に進み、ステップS825〜S826(図柄フラグ=02[H]の区分)およびステップS830と、ステップS831〜S839またはステップS842〜S846を経て、4回目の変動動作について停止図柄が決定され、それぞれ対応する図柄変動が実行される。かくして連続予告の図柄決定と対応する図柄変動の実行とが終了する。
(8−2−3.初回から最終回まで確変図柄である場合:処理ルートA、B)
図30に掲げたケースのうち、連続予告2回のパターン5、連続予告3回のパターン9、連続予告4回のパターン14のケースは、すべて、初回から最終回まで左図柄が確変図柄である場合に該当する。ここでは代表例として連続予告3回の「パターン9」のケースについて説明する。また、ここでは図34(a)〜(f)に示すように、連続変動の1回目と2回目が「788」と「344」の装飾図柄列で行われ、最終回の変動動作(連続予告3回目変動)で「7」図柄のリーチが掛かり(図34(f))、中図柄が「8」となって確変図柄の「7」が揃わず、ハズレの図柄列「787」(図34(g))が発生するものとする。
(イ.1回目の変動図柄:処理ルートA)
この連続予告3回の「パターン9」における1回目の変動図柄の決定処理は次のように処理ルートAにより行われる。
まず、1回目の図柄変動において、図24の本図柄決定処理に入り、大当りでない場合としてステップS801を抜ける。次いで、図25に入り、連続カウンタ値がゼロでない場合としてステップS821を抜け、ステップS910の連続予告図柄決定処理に入る。この連続予告図柄決定処理(図32)においては、まず図32のステップS920で連続カウンタの値が「3」から「2」に減算された後、連続カウンタ値がゼロでない場合としてステップS921を抜け、ステップS922に進み、図柄フラグの内容が判断される。
最終回の図柄変動における左図柄は奇数図柄(確変図柄)の「7」となるケースを想定している。そこで、ステップS922の判断結果は図柄フラグ=03[H]、04[H](確変図柄)への分岐となり、図33のステップS931に進み、「変換フラグ」が設定状態(5A[H])であるか否かを判断する。「変換フラグ」は後述するように、最終回変動までの間、左図柄の種別の変換状態を管理するためのフラグである。変換フラグは初期状態が非設定状態(00[H])であるので(ステップS931:NO)、ステップS931からステップS932に進み、「維持フラグ」が設定状態(5A[H])であるか否かを判断する。「維持フラグ」は後述するように、最終回変動までの間、左図柄の種別が変わらないように維持するためのフラグである。維持フラグも初期状態は非設定状態(00[H])であるので(ステップS932:NO)、ステップS933に進む。
ステップS933では図柄変換抽選を行う。この図柄変換抽選は左図柄を元の奇数図柄のままとするか偶数図柄とするかの抽選を行う処理である。この図柄変換抽選に当選しなかった場合(ステップS934:NO)、つまり左図柄を奇数図柄のままとすべき本例(パターン9)の場合には、維持フラグを設定状態(5A[H])とした後(ステップS936)、左図柄テーブルTBL2(奇数図柄テーブル)を設定し(ステップS937)、図柄乱数値に応じて左図柄テーブルTBL2から左図柄として、抽選によりたとえば「7」を選択する(ステップS938)。このように図柄抽選を行うのは、停止図柄のランダム性を出すためである。
なお、上記図柄変換抽選において当選する割合(変換当選割合)は否当選割合よりも高く設定するのが望ましい。すなわち、再抽選を伴う遊技機の仕様においては、確変図柄(奇数図柄)直撃で大当りするケースが少ないため(非確変図柄(偶数図柄)で停止図柄を作成することが多いため)、変動連続予告中の早期の段階で第1停止図柄として確変図柄が停止してしまうと、大当りに対する期待感が低くなってしまうからである。勿論、当選割合は否当選割合と同じとしてもよいし、変換当選割合の方が否当選割合よりも低く設定してもよい。また、遊技状態に応じて変換当選割合を異ならせるようにしてもよい。たとえば、通常中は変換当選割合を高くし、確変状態中は変換当選割合を低くするようにしてもよい。確変状態中は次回の大当りがほぼ確約されているため、遊技者の期待感の矛先は確変大当りとなるか否かに重きが置かれる。よって、変動連続予告中の早期の段階で確変図柄に変換することで確変大当りへの期待感の持続が長くなり興趣が増す。
次いで、上記ステップS938から図32に移行し、上記左図柄「7」を左図柄格納バッファに格納し(ステップS925)、右図柄格納バッファに左図柄より1多い図柄(左図柄+1)として右図柄「8」を設定し(ステップS926)、中図柄格納バッファに左図柄より1多い図柄(左図柄+1)として中図柄「8」を設定する(ステップS927)。次いで、連続カウンタの値(現在N=3)がまだ「1」となっていないことを確認し(ステップS928:NO)、連続予告図柄決定処理を抜ける。これで連続予告1回目の変動動作について停止図柄が「788」に設定され、対応する図柄変動表示が実行されることになる(図34(b)参照)。
上記のステップS920〜S922、S931〜S934、S936〜S938、S925〜S927のルートを「処理ルートA」と称する。
(ロ.2回目の変動図柄:処理ルートB)
このパターン9における2回目の変動図柄の決定処理は次のように処理ルートBにより行われる。
まず、2回目の図柄変動において、図24の本図柄決定処理に入り、大当りでない場合としてステップS801を抜ける。次いで、図25に入り、連続カウンタ値がゼロでない場合としてステップS821を抜け、ステップS910の連続予告図柄決定処理に入る。この連続予告図柄決定処理(図32)においては、まず図32のステップS920で連続カウンタの値が「2」から「1」に減算された後、連続カウンタ値がゼロでない場合としてステップS921を抜け、ステップS922に進み、図柄フラグの内容が判断される。
2回目の図柄変動における左図柄は奇数図柄(確変図柄)の「3」となることを想定している。この結果が得られるためには、次のようなルートを経ることになる。
まずステップS922の判断結果は図柄フラグ=03[H]、04[H](確変図柄)への分岐となり、図33のステップS931に進み、変換フラグの状態を判断する。変換フラグはまだ非設定状態(00[H])であるので(ステップS931:NO)、ステップS931からステップS932に進み維持フラグの状態が判断される。維持フラグは処理ルートA内に在り、1回目の変動動作におけるステップS936で既に設定状態(5A[H])となっているので、ステップS932の判断がYESになる。そこで、上記図柄変換抽選処理(ステップS933)を行わずにステップS937に進み、左図柄テーブルTBL2(奇数図柄テーブル)を設定し(ステップS937)、図柄乱数値に応じて左図柄テーブルTBL2から左図柄として、抽選により確変図柄の「3」を選択する(ステップS938)。
次いで、上記ステップS938から図32のステップS925に移行し、上記の左図柄「3」を左図柄格納バッファに格納し(ステップS925)、右図柄格納バッファに左図柄より1多い右図柄「4」を設定し(ステップS926)、中図柄格納バッファに左図柄より1多い中図柄「4」を設定する(ステップS927)。これで2回目の変動動作の停止図柄が「344」に設定され、対応する図柄変動表示が実行されることになる(図34(d)参照)。
次いでステップS928に進む。連続カウンタの値は「1」となっているので、ステップS928の判断はYESとなり、維持フラグをクリアして非設定状態(00[H])に戻す(ステップS929)。
上記のステップS920〜S922、S931〜S932、S937〜S938、S925〜S927のルートを「処理ルートB」と称する。
(ハ.3回目の変動図柄:処理ルートF2)
3回目の図柄変動において、図24の本図柄決定処理に入り、大当りでない場合としてステップS801を抜ける。次いで、図25に入り、連続カウンタ値がゼロでない場合としてステップS821を抜け、ステップS910の連続予告図柄決定処理に入る。この連続予告図柄決定処理においては、まず図32のステップS920で連続カウンタの値が「1」から「0」に減算される。連続カウンタの値はゼロ(最終回変動を残して連続予告が終了)となっているので、ステップS921の判断はYESとなり、ステップS921から図25のステップS822に進み、図柄フラグの内容が判断される。
ここで図柄フラグ=03[H](確変リーチハズレ)に分岐し、ステップS827〜S828およびS830を経た後、ステップS831、S842〜S846の処理ルートF2を経て、左図柄格納バッファHBF1に確変図柄「7」、右図柄格納バッファHBF3に確変図柄「7」、そして中図柄格納バッファHBF2に「8」が設定される。
これにより3回目の変動動作について停止図柄が決定され、液晶表示画面では確変図柄「7」のリーチが発生し(図34(f)参照)、中図柄が一つずれた「8」となり、停止図柄列はハズレ態様となる(図34(g)参照)。
そして本図柄種別設定処理(図23)にて設定された図柄フラグ、連続予告図柄決定処理(図32〜図33)で設定された維持フラグ、および連続カウンタの値をクリアして(図24のステップS814〜S815)、本図柄決定処理を終了する。かくして計3回の変動連続予告が終了する。
上記の連続変動動作では途中でステップS938の左図柄抽選があるため、その抽選結果として、奇数図柄抽選テーブルTBL2の中から左図柄が選択され、それまでの奇数数字から別の奇数数字に変わることはあり得るが、奇数数字が偶数数字に変化してしまうことはない。したがって、初回の変動動作の左図柄が奇数数字であった場合、初回から最終回の変動動作まで停止図柄の左図柄が奇数数字に維持されるので、左図柄の成り下がり感を遊技者に与えない。
(8−2−4.非確変図柄が途中で確変図柄となり以後確変図柄が維持される場合:パターン12)
図30に掲げたケースのうち、連続予告2回のパターン4、連続予告3回のパターン7、パターン8、連続予告4回のパターン11〜パターン13のケースは、すべて、非確変図柄が途中で確変図柄となり以後確変図柄が維持される場合に該当する。ここでは代表例として連続予告4回の「パターン12」のケースについて説明する。ここでは図35に示すように、1回目の変動動作が「889」の装飾図柄列で行われ、2回目の変動動作が「677」の装飾図柄列で行われ、3回目の変動動作が「566」の装飾図柄列で行われ、最終回である4回目の変動動作で「7」図柄のリーチが掛かり、「7」図柄が揃って確変図柄「777」の大当りが発生するものとする。
(イ.1回目の変動図柄:処理ルートC)
このパターン12のケースにおける1回目の変動図柄の決定処理は、次のように処理ルートCにより行われる。
まず、1回目の図柄変動において、図24の本図柄決定処理に入り、大当りでない場合としてステップS801を抜ける。次いで、図25に入り、連続カウンタ値がゼロでない場合としてステップS821を抜け、ステップS910の連続予告図柄決定処理に入る。この連続予告図柄決定処理(図32)においては、まず図32のステップS920で連続カウンタの値が「4」から「3」に減算された後、連続カウンタ値がゼロでない場合としてステップS921を抜け、ステップS922に進み、図柄フラグの内容が判断される。
連続予告における最終回変動の左停止図柄は確変図柄(奇数図柄の「7」)となることを想定しており、また1回目の図柄変動における左図柄は偶数図柄(非確変図柄)の「8」となることを想定している。この結果が得られるためには、次のようなルートを経ることになる。
まず最終回変動の左停止図柄は確変図柄の「7」となることを想定しているので、ステップS922の判断結果として、図柄フラグ=03[H]、04[H](確変図柄)に分岐する。図33のステップS931に進み、ここで「変換フラグ」が設定状態(5A[H])であるか否かを判断する。変換フラグの初期状態は非設定状態(00[H])であるので、ステップS932に進み、維持フラグが設定状態(5A[H])であるか否かを判断する。維持フラグの初期状態は非設定状態(00[H])であるので、ステップS933に進む。
ステップS933では図柄変換抽選を行う。本例で扱っているパターン12は、この図柄変換抽選に当選した場合(ステップS934:YES)である、つまり左図柄が偶数図柄に変換される場合であるので、変換フラグを設定状態(5A[H])とした後(ステップS935)、ステップS923に進み、左図柄テーブルTBL1(偶数図柄テーブル)を設定し、図柄乱数値に応じて左図柄テーブルTBL1から左図柄として「8」を抽選により選択する(ステップS924)。そして、この左図柄「8」を左図柄格納バッファに格納し(ステップS925)、右図柄格納バッファに左図柄より1多い図柄(左図柄+1)として右図柄「9」を設定し(ステップS926)、中図柄格納バッファに左図柄より1多い図柄(左図柄+1)として中図柄「9」を設定する(ステップS927)。これで1回目の変動動作の停止図柄が「899」に設定され、対応する図柄変動が実行されることになる(図35(b)参照)。
上記のステップS920〜S922、S931〜S935、S923〜S927のルートを「処理ルートC」と称する。
(ロ.2回目の変動図柄:処理ルートE)
このパターン12のケースにおける2回目の変動図柄の決定処理は、次のように処理ルートEにより行われる。
まず、2回目の図柄変動において、図24の本図柄決定処理に入り、大当りでない場合としてステップS801を抜ける。次いで、図25に入り、連続カウンタ値がゼロでない場合としてステップS821を抜け、ステップS910の連続予告図柄決定処理に入る。この連続予告図柄決定処理(図32)において、まず図32のステップS920で連続カウンタの値が「3」から「2」に減算された後、連続カウンタ値がゼロでない場合としてステップS921を抜け、ステップS922に進み、図柄フラグの内容が判断される。
最終回変動の左停止図柄は確変図柄「7」となることを想定しており、また2回目の図柄変動における左図柄は偶数図柄(非確変図柄)の「6」となることを想定している。この結果が得られるためには、次のようなルートを経ることになる。
ステップS922において図柄フラグ=03[H]、04[H](確変図柄)に分岐して図33のステップS931に進み、ここで「変換フラグ」が設定状態(5A[H])であるか否かを判断する。変換フラグは処理ルートC中に在り、1回目の変動動作に係るステップS935で既に設定状態(5A[H])となっているので、ステップS931の判断がYESになり、ステップS939に進む。
ステップS939では図柄再変換抽選を行う。この図柄再変換抽選は左図柄を偶数図柄のままとするか元の奇数図柄に戻すかの抽選を行う処理である。この図柄再変換抽選に当選しなかった場合(ステップS940:NO)、つまり左図柄が偶数図柄のままとなる場合には、図32のステップS923に進み、左図柄テーブルTBL1(偶数図柄テーブル)を設定し、図柄乱数値に応じて左図柄テーブルTBL1から左図柄として「6」を抽選により選択する(ステップS924)。そして、この左図柄「6」を左図柄格納バッファに格納し(ステップS925)、右図柄格納バッファに左図柄より1多い右図柄「7」を設定し(ステップS926)、中図柄格納バッファに左図柄より1多い中図柄「7」を設定する(ステップS927)。これで2回目の変動動作の停止図柄が「677」に設定され、対応する図柄変動が実行されることになる(図35(d)参照)。
これは左図柄が同じ偶数数字であるという制約の中で、1回目の変動動作では「899」で表示された停止図柄が、2回目の変動動作では「677」に変化したことを意味する。
上記のステップS920〜S922、S931、S939〜S940、S923〜S927のルートを「処理ルートE」と称する。
(ハ.3回目の変動図柄:処理ルートD)
このパターン12のケースにおける3回目の変動図柄の決定処理は、次のように処理ルートDにより行われる。
まず、3回目の図柄変動において、図24の本図柄決定処理に入り、大当りでない場合としてステップS801を抜ける。次いで、図25に入り、連続カウンタ値がゼロでない場合としてステップS821を抜け、ステップS910の連続予告図柄決定処理に入る。この連続予告図柄決定処理(図32)において、まず図32のステップS920で連続カウンタの値が「2」から「1」に減算された後、連続カウンタ値がゼロでない場合としてステップS921を抜け、ステップS922に進み、図柄フラグの内容が判断される。
最終回変動の左停止図柄は確変図柄「7」となることを想定しており、また3回目の図柄変動における左図柄は奇数図柄(確変図柄)の「5」となることを想定している。この結果が得られるためには、次のようなルートを経ることになる。
ステップS922において図柄フラグ=03[H]、04[H](確変図柄)に分岐して図33のステップS931に進み、ここで変換フラグの状態が設定状態(5A[H])と判断され、ステップS939に進む。
ステップS939では、左図柄を偶数図柄のままとするか元の奇数図柄に戻すかの抽選を行う。ここでの3回目の変動動作は、図柄再変換抽選に当選した場合(ステップS940:YES)、つまり左図柄が奇数図柄「5」になる場合を想定しているので、変換フラグをクリアして非設定状態(00[H])に戻し(ステップS941)、ステップS936に進む。ここで維持フラグを設定状態(5A[H])とした後(ステップS936)、左図柄テーブルTBL2(奇数図柄テーブル)を設定し(ステップS937)、図柄乱数値に応じて左図柄テーブルTBL2から左図柄として、抽選によりた奇数図柄の「5」を選択する(ステップS938)。
そして、この左図柄「5」を左図柄格納バッファに格納し、右図柄格納バッファに左図柄より1多い右図柄「6」を設定し、中図柄格納バッファに左図柄より1多い中図柄「6」を設定する(ステップS925〜S927)。これで3回目の変動動作の停止図柄が「566」に設定され、対応する図柄変動が実行されることになる。これは、それまで左図柄が偶数数字である「899」、「677」と表示されてきたものが、3回目の変動動作では左図柄が奇数数字である「566」に変化したことを意味する(図35(f)参照)。
上記のステップS920〜S922、S931、S939〜S941、S936〜S938、S925〜S927のルートを「処理ルートD」と称する。
連続予告が継続している途中で、上記の維持フラグが設定状態(5A[H])となり、図柄変動の左停止図柄が一旦確変図柄になった場合には、この維持フラグが非設定状態に戻されるまで、図柄変動の左停止図柄は確変図柄に維持される。
しかし、この例では、3回目の連続予告図柄決定処理を終えた現時点において、連続カウンタがN=1となっているので、ステップS928の判断がYESとなり、維持フラグをクリアして非設定状態の00[H]に戻す。かくして、3回目の連続予告図柄決定処理を終了する。
(ニ.4回目の変動図柄:処理ルートG2)
このパターン12のケースにおける4回目の変動動作の図柄決定処理は、次のように処理ルートG2により行われる。
まず、4回目の図柄変動において、図24の本図柄決定処理に入り、大当りか否かを判断する(ステップS801)。パターン12は15R確変大当りとなるケースを扱っている。そこで大当りの場合としてステップS801からステップS822に進み、ここで「15R確変大当り」の処理ルートに分岐する。
ここで左図柄テーブルTBL2(確変図柄テーブル)を設定し(ステップS809)、図柄乱数値に応じてこの左図柄テーブルTBL2から左図柄(確変図柄)を抽選により選択する(ステップS810)。そしてステップS805に移行し、抽選により選択された左図柄(確変図柄)を左図柄格納バッファ(HBF1)に格納する(ステップS805)。また上記左図柄と同じ図柄に、中図柄と右図柄を決定し(ステップS806)、中図柄を中図柄格納バッファ(HBF2)に格納し(ステップS807)、右図柄を右図柄格納バッファ(HBF3)に格納する(ステップS808)。そして図柄フラグ、維持フラグ、連続カウンタをそれぞれクリアし(ステップS814〜S815)、連続予告図柄決定処理を終了する。
これにより、連続予告の最終回(4回目)の変動動作として、液晶表示画面では装飾図柄「7」のリーチがかかり(図35(h)参照)、図柄「777」で大当りすることになる(図35(i)参照)。
上記のステップS801〜S802、ステップS809〜S810、およびステップS805〜S808を通る確変ルートは「処理ルートG2」である。
この結果、連続変動動作の途中の3回目にいったん奇数数字の「5」に変換された後、これに続く4回目の本変動では左図柄がそれまでの奇数数字「5」から別の奇数数字「7」に変わってはいるが、「左図柄が同じ奇数数字(確変図柄)である」という規則性が維持され、奇数数字から偶数数字に戻ってしまうことはない。したがって、左図柄が初めて奇数数字(確変図柄)となった3回目から最終回の変動動作まで、停止図柄の左図柄が奇数数字に維持され、結果として左図柄の成り下がり感を遊技者に与えない。
上記の例では連続予告の最終回変動が大当りである場合について述べたが、最終回変動がハズレである場合も同様に処理することができる。ハズレの場合は、ステップS827〜S828、S830〜ステップS831、ステップS842〜S846の処理ルートF2を経て、4回目の変動動作について停止図柄が決定される。
たとえば4回の連続変動において、1回目変動から3回目変動までの変動動作が図35に示すように、装飾図柄列「899」「677」「566」と進行することで行われ、最終回の変動動作で「7」図柄のリーチが掛かり、停止図柄列「787」となってハズレとなるケースについては、上記と同様に処理ルートC、E、D、G2を経て連続変動が行われる。その際、最終回の変動動作の停止図柄設定(ステップS827〜S828、S830、S842〜S846)においては、左、中、右の各図柄格納バッファHBF1〜HBF3の値に「7」「8」「7」が設定され、「7」図柄でのリーチ後にハズレとなる。
[第2の実施形態]
次に本発明の第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態は、入賞コマンドを受信した段階で、連続予告回数分の停止図柄を一括して決定し、各図柄変動を実行する際にはこれを参照して変動動作の停止図柄を表示する構成のものである。上述した第1の実施形態では、連続予告の各回の実際の変動動作時になって初めて表示すべき図柄が決定されるが、この第2の実施形態では、入賞コマンドを受信した段階で、既に連続予告の全回数分の停止図柄が決定されてしまう、という点において両者は相違する。
この第2の実施形態は、第1の実施形態における図11のコマンド解析処理の替わりに図36のコマンド解析処理を用いるとともに、図15の装飾図柄指定処理の替わりに図43〜図44の装飾図柄指定処理を用いた構成となっている。
図36のコマンド解析処理が図11と相違するのは、ステップS503に続いて連続予告実行カウンタがゼロであるか否かを判断するステップS503Aが挿入されている点と、ステップS505に続いて連続予告図柄決定処理のステップS505Aが挿入されている点にある。この連続予告図柄決定処理(ステップS505A)は、図37に示すように、連続予告のN回の変動動作のうちで、最終回の変動動作における図柄決定に係る最終回図柄決定処理(ステップS855)と、それに至る前までの途中回の変動動作における図柄決定に係る途中回図柄決定処理(ステップS854)とに分けられている。
また図43〜図44の装飾図柄指定処理が図15と相違する点は、図15では本図柄決定処理(ステップS557)が連続予告時と通常動作時とに共通の処理となっているのに対し、図43では図柄変動を実行する際に、連続予告用の図柄決定ルーチンAとは別に用意された通常動作用の図柄決定ルーチンBを用いて、変動動作の左図柄を決定する構成となっている点にある。
<9.図柄制御側のコマンド解析処理:図36>
図36は第2の実施形態に係るコマンド解析処理(図9、ステップS402)の内容を示すフローチャートである。この第2の実施形態のコマンド解析処理でも、図11の場合と同様に、主制御基板27から新たな制御コマンドを受信した場合、どのようなコマンドであるかを解析する(ステップS501〜S503)。この解析結果はステップS504〜S506で利用される。
受信コマンドが、図6のステップS305で送信される入賞コマンド(大当りの当否情報等を含む)である場合(ステップS503:YES)、連続予告実行カウンタがゼロであるか否かを判断する(ステップS503A)。「連続予告実行カウンタ」は連続予告実行中であることを管理するためのカウンタであり、後述する装飾図柄指定処理(図43)において用いられる。
上記連続予告実行カウンタは連続予告の設定をする前にはゼロであるので、ステップS503AからステップS504に進み、連続予告決定用乱数のカウンタの現在値を取得する(ステップS504)。次いで、ステップS505の「連続予告決定処理」を経て、ステップS505Aの「連続予告図柄決定処理」を行う。
次いで、ステップS506に進む。このステップS506は、受信コマンドに基づく実行指示の設定(変動パターンの実行ルーチンの指定と、シナリオ進行カウンタの設定)をなすステップである。入賞コマンドでないコマンドを受信した場合(ステップS503:NO)、上記ステップS504〜S505Aを行わずに、このステップS506に進む。RAM54には、変動パターンの種類に応じた複数の変動シナリオの実行ルーチンが用意されており、解析により特定された実行ルーチンをアドレス指定する設定がステップS506でなされる。
<9−1.連続予告決定処理:図36のステップS505)
この連続予告決定処理は連続予告を実施しようとする初回に1回だけ行われ、連続カウンタ値Nの設定と本図柄種別設定とがなされる処理である。入賞コマンドを受信した際、最初に連続カウンタがゼロであるか否かを判断し、既に連続カウンタに何らかの数値が存在していれば(ステップS701:NO)、何もせずにこの連続予告決定処理を抜ける。この連続予告決定処理の内容は、既に図21〜図23において説明したものと同じであるので、説明を省略する。
<9−2.連続予告図柄決定処理:図36のステップS505A>
この連続予告図柄決定処理は、連続予告決定処理で連続カウンタ値Nが設定された後に行われる処理であり、連続予告決定処理が入賞コマンドの受信時に1回だけ行われるタイミングで、連続カウンタの設定値であるN回分の変動動作について、連続予告の変動図柄(途中回図柄+最終回図柄)を一括して決定してしまう。この連続予告図柄決定処理の内容については、次に図37〜図42において詳述する。
<9−3.連続予告図柄決定処理:図37>
図37は第2の実施形態に係る連続予告図柄決定処理(図36のステップS505A)の内容を示すフローチャートである。
図柄制御CPU52は、まず連続カウンタの値がゼロであるか否かをチェックする(ステップS851)。図21のステップS706において連続カウンタの値Nが設定されているので、ここでの判断はゼロでないことが確認される(ステップS851:NO)。そこで、ステップS852に進み、連続カウンタの値Nから1減算し、連続カウンタの値NがN=0となったか否かを判断する(ステップS853)。N=0は連続予告の最終回の変動動作に対応しているので、N=0でなければそれより前の回の変動動作に係る途中回図柄決定処理に進み(ステップS854)、N=0ならば最終回の変動動作に係る最終回図柄決定処理に進む(ステップS855)。
この連続予告図柄決定処理のステップS851〜S855は、連続カウンタがN=0となるまで繰り返される。このN回の繰り返しにおいて、ステップS855の最終回図柄決定処理は、連続予告における最終回(N=0)の変動動作について、その装飾図柄列の停止図柄(最終回図柄)を決定するものである。連続予告が1回(N=1)に設定されたときは、上記ステップS852でN=0に減算され、その1回の変動動作が最終回の変動動作として処理される。
またステップS854の途中回図柄決定処理は、変動連続予告において連続カウンタがN=0となる前までの変動動作について、その装飾図柄列の停止図柄(途中回図柄)を決定するものである。変動連続予告が複数回に設定されている場合に用いられる。たとえば上限の4回(N=4)に設定されている場合、その1回(N=3)から3回(N=1)までの変動動作に係る途中回図柄が、この途中回図柄決定処理により決定される。最終回(N=0)の変動動作に係る最終回図柄については、最終回図柄決定処理にて決定される。
上記のステップS851〜S855の繰り返しにおいて、最終回で連続カウンタの値Nがゼロとなり(ステップS853:YES)、対応する最終回図柄決定処理(ステップS855)が終了した場合、ステップS851に戻る。既に連続カウンタの値Nがゼロとなっているので、ステップS851の判断はYESとなる。そこで、ステップS856に進み、実際に連続予告を実行する際の回数を管理するための連続予告実行カウンタの値MがN+1(連続回数N=4の場合はM=5)に設定される。これにより連続予告図柄決定処理を終了する。
<10.装飾図柄指定処理:図43〜図44>
図43〜図44は第2の実施形態に係る装飾図柄指定処理を示す。これは図14のコマンド別実行処理において行われる装飾図柄指定処理(ステップS535)の内容を具体的に示したもので、図15の装飾図柄指定処理に替えて行われる処理である。
この装飾図柄指定処理(ステップS535)では、まず図43において、装飾図柄指定コマンドが正常に受信されるのを待ち(ステップS971)、正常に受信した場合は(ステップS971:YES)、その装飾図柄指定コマンドをセーブする(ステップS972)。そして、連続予告実行カウンタがゼロであるか否かをチェックする(ステップS973)。
この連続予告実行カウンタの値Mは、連続予告実行中とされる場合は図37のステップS856でM=N+1に設定されている。そこで、一方において、連続予告実行カウンタがゼロであるならば(ステップS973:YES)、連続予告の実行中でない通常時の処理であるので、図柄決定ルーチンB(図45〜図47)をコールして、大当り抽選毎の変動動作おいて停止される装飾図柄列の停止図柄を本図柄として決定する(ステップS974)。
(10−1.通常時の処理:図柄決定ルーチンB、図45〜図47)
図45〜図47は装飾図柄指定処理(図43)で呼び出される図柄決定ルーチンBの詳細を示したフローチャートである。この図柄決定ルーチンBは、図45に示すステップS801〜S813の部分と、図46に示すステップS822〜S828の部分と、図47に示すステップS830〜S846の部分とからなる。
この図柄決定ルーチンBにおいて、図45に示すステップS801〜S813の部分は、第1の実施形態に係る図24のステップS801〜S813の部分と同じ構成である。また、図46に示すステップS822〜S828の部分は、第1の実施形態に係る図25のステップS822〜S828の部分と同じ構成である。また図47に示すステップS830〜S846の部分は、第1の実施形態に係る図26のステップS830〜S846の部分と同じ構成である。そこで、これらの部分については説明を省略する。
(10−2.連続予告実行中の処理:図43〜図44)
図43のステップS973において、連続予告実行カウンタがゼロでなければ(ステップS973:NO)、連続予告実行中であるので、まず1回目として、連続予告実行カウンタの値Mを1減算する(ステップS975)。
次いで図44に進み、まず変動パターンコマンドまたは装飾図柄指定コマンドから図柄変動が大当りに係るものであるか否かを判断し(ステップS980)、大当りに係る場合はステップS981に進み、さらにリーチに係るものであるか否かを判断する。これは、変動開始時に主制御側から変動パターンコマンドおよび装飾図柄指定コマンドが送信されるが、連続予告の最終回変動までは、どのような変動パターンとなるかが不明であるため、とりあえず左図柄のみを作成しておいて、変動開始時に変動パターンを参照して、そのパターンに応じて右図柄、中図柄の作成(図柄補完設定)を行うようにするためである。
この装飾図柄指定処理では、図37の連続予告図柄決定処理の途中回図柄決定処理(ステップS854)および最終回図柄決定処理(ステップS855)で決定された左図柄の値を、これらが格納されている左図柄格納バッファを参照することで読取り、その左図柄に対して変動パターンを参照して補完すべき中図柄、右図柄を決定し、当該連続予告の図柄変動動作を実行する。
図44において、大当りとなる場合(ステップS980:YES)は、右図柄格納バッファに左図柄格納バッファの値を格納し(ステップS987)、中図柄格納バッファに左図柄格納バッファの値左図柄を格納する(ステップS988)。大当りとならない場合(ステップS980:NO)は、リーチ態様となる場合であるか否かを判断する(ステップS981)。
上記ステップS981での判断として、リーチとならない場合(ステップS981:NO)は、右図柄格納バッファに左図柄に対する差分値+1の図柄を格納し(ステップS982)、また中図柄格納バッファに左図柄に対する差分値+1の図柄を格納する(ステップS983)。またリーチとなる場合(ステップS981:YES)は、右図柄格納バッファに左図柄格納バッファの値を格納し(ステップS984)、図柄乱数値に応じて中図柄テーブルTBLから左図柄に対する差分値を決定し(ステップS985)、中図柄格納バッファに中図柄を格納する(ステップS986)。
図43に戻ってステップS976に進み、左、中、右の図柄格納バッファに正しい図柄データが格納されていることを確認する。つまり図柄格納バッファに格納された図柄と装飾図柄指定された図柄との整合性がとれていることを確認して、装飾図柄指定処理を終了する。
その後、連続予告実行カウンタの値MがM=1になったか否か、つまり連続予告における最終回の変動動作の実行であるか否かを判断する(ステップS977)。M=1でない場合、つまり連続予告の実行中である場合は(ステップS977:NO)、装飾図柄指定処理を終了する。これによりたとえば連続予告1回目の図柄変動動作を実行する。
同様に、連続予告における2回目以降の変動動作の実行に関しても、上記ステップS971〜S973、S975、S980〜S988、S976〜S977を繰り返すことで、連続予告実行カウンタの値Mを1減算させつつ、連続予告における最終回までの変動動作を実行して行く。
連続予告における最終回の図柄作成処理が終わると、連続予告実行カウンタの値MがM=1になる。そこでステップS977の判断がYESとなり、連続予告実行カウンタをクリア(M=0)して(ステップS978)、装飾図柄指定処理を終了する。
かくして、連続予告におけるN回の変動動作の実行が行われ、連続予告が完結することになる。
この第2の実施形態において、図37の途中回図柄決定処理(ステップS854)および最終回図柄決定処理(ステップS855)では、停止図柄の左図柄が確変図柄から非確変図柄に成り下がることを禁止する「成り下がり禁止則」が設けられている。以下、これを図38〜図39(途中回図柄決定処理)および図40(最終回図柄決定処理)を用いて説明する。
<11.最終回図柄決定処理:図40>
図40は、最終回図柄決定処理(図37、ステップS855)の内容を示したものである。この処理では、図柄決定ルーチンA(図41〜図42)をコールし、その内容を実施する(ステップS961)。そして、この最終回図柄決定処理に入る前に、既に図柄フラグや維持フラグやあるいは連続カウンタが設定されている場合は(ステップS962:NO)、これらをクリアして(ステップS963)、この最終回図柄決定処理を終わる。
(11−1.図柄決定ルーチンA:図41〜図42)
最終回図柄決定処理(図40)において呼び出される図柄決定ルーチンAは、図41に示すステップS801〜S810の部分と、図42に示すステップS822〜S828の部分とからなる。この図柄決定ルーチンAのステップS801〜S805、S809〜S810の部分は、図柄決定ルーチンB(図45)のステップS801〜S805、S809〜S810の部分と外見上同じ構成である。しかし、図柄決定ルーチンAは図柄決定ルーチンBとは、ステップS801(当り、ハズレの別)、ステップS802(大当りの種別)、ステップS831(リーチの有無)の判断部分の実質が異なっている。
実質的な相違点の第1は判断の時期であり、大当りとハズレの別(ステップS801)、大当りの種別(15R非確変大当り、15R確変大当り、2R確変)(ステップS802)、リーチの有無(ステップS831)について、図柄決定ルーチンAでは始動口に遊技球が入賞して始動条件が成立した時点で判断され、図柄決定ルーチンBでは、大当りであるか否か等が変動パターンコマンドまたは装飾図柄指定コマンドが到来した時点で判断される。第2は判断情報源であり、大当りとハズレの別(ステップS801)、大当りの種別(15R非確変大当り、15R確変大当り、2R確変)(ステップS802)、リーチの有無(ステップS831)について、その判断の基礎となるのが、図柄決定ルーチンAでは入賞コマンドであり、図柄決定ルーチンBでは変動パターンコマンドまたは装飾図柄指定コマンドである。
上記相違が生じる理由として、第2の実施形態では、始動口に遊技球が入賞して始動条件が成立した時点では、当該入賞に係る変動パターンコマンドが図柄制御基板23にまだ送られてきていないため、第1の実施形態のように変動パターンコマンドを判断情報源としたのでは、当該入賞に係る変動動作(連続予告の最終回)の停止図柄を確変図柄または非確変図柄のいずれとするかについて判断できないからである。そこで、この第2の実施形態においては、図柄決定ルーチンAとBとに分け、一方の図柄決定ルーチンAでは変動パターンや装飾図柄指定コマンではなく入賞コマンドから情報を得て、大当りとハズレの別、大当りの種別、リーチの有無などを判断し、他方の図柄決定ルーチンBでは変動パターンコマンドや装飾図柄指定コマンドから情報を得て、大当りとハズレの別、大当りの種別、リーチの有無などを判断する。
図41において、図柄制御CPU52は、まず連続予告の最終回が大当りの変動動作となる場合であるか否かを、受信した入賞コマンドが大当り情報を含むものであるか否かにより判断する(ステップS801)。以下、図柄決定ルーチンA(図41〜図42)の内容を、連続予告1回でハズレとなる場合と連続予告1回で当りとなる場合とに分けて説明する。
(11−2.連続予告1回でハズレとなる場合:処理ルートF0〜F2)
連続予告が1回だけの場合は、連続カウンタの値Nが「1」に設定される。図柄変動表示はここではハズレ態様になるものとする。
この連続予告が1回だけの図柄変動においては、まず大当りでない場合としてステップS801を抜ける。次いで、図42のステップS822に進み、図柄フラグの内容が判断される。
ここで図柄フラグ=01[H](度ハズレ)である場合は、上記左図柄テーブルTBL3(非確変、確変混在図柄テーブル)から図柄を抽選する(ステップS823〜S824)。また図柄フラグが02[H](非確変図柄)である場合は、左図柄テーブルTBL1(非確変図柄テーブル)から図柄を抽選する(ステップS825〜S826)。そして図柄フラグが03[H](確変リーチハズレ)である場合は、左図柄テーブルTBL2(確変図柄テーブル)から図柄を抽選する(ステップS827〜S828)。次いで図41のステップS805に進み、左図柄格納バッファ(HBF1)に左図柄を格納する。かくして図柄決定ルーチンAの処理を終了する。
上記のステップS822〜S828、S805を通るルートは第1の実施形態における「処理ルートF0〜F2」に対応する。
図40に戻り、図柄フラグが設定されていることを確認し(ステップS962:NO)、上記の最終回図柄決定処理に入る前に既に設定されていた図柄フラグ、維持フラグ、連続カウンタをクリアして(ステップS963)、この最終回図柄決定処理を終わる。
上記のようにして連続予告1回の変動動作について左停止図柄が設定される。したがって、当該入賞に係る変動パターンコマンドが到来した際には、装飾図柄指定処理(図43)において、対応する左停止図柄により装飾図柄列の変動動作が実行表示される。
(11−3.連続予告1回で当りとなる場合:処理ルートG1〜G3)
連続予告が1回だけの場合は、連続カウンタの値Nが「1」に設定される。図柄変動表示はここでは当り態様になるものとする。
図41の上記ステップS801で大当りと判断される場合、つまり入賞コマンドが大当り情報を含むものである場合は(ステップS801:YES)、ステップS802に進み、その大当りの種別(15R非確変、15R確変)に応じて次のように処理する(ステップS802)。
15R非確変大当りの場合ならば、図27に示す左図柄テーブルTBL1〜TBL3のうちから、非確変図柄テーブルである左図柄テーブルTBL1を設定し(ステップS803)、図柄乱数値に応じてこの左図柄テーブルTBL1から左図柄(非確変図柄)を抽選により選択する(ステップS804)。そして、抽選により選択された左図柄(非確変図柄)を、左図柄格納バッファ(HBF1)に格納する(ステップS805)。また15R確変大当りの場合ならば、図27に示す左図柄テーブルTBL2(確変図柄テーブル)を設定し(ステップS809)、図柄乱数値に応じてこの左図柄テーブルTBL2から左図柄(確変図柄)を抽選により選択する(ステップS810)。そして、抽選により選択された左図柄(非確変図柄)を、左図柄格納バッファ(HBF1)に格納する(ステップS805)。
図40に戻り、図柄フラグが設定されていることを確認し(ステップS962:NO)、上記の最終回図柄決定処理に入る前に既に設定されていた図柄フラグ、維持フラグ、連続カウンタをクリアして(ステップS963)、この最終回図柄決定処理を終わる。
上記のステップS801〜S805、ステップS809〜S810、ステップS805を通るルートは第1の実施形態における「処理ルートG1、G2」に対応する。
上記のようにして連続予告1回の変動動作について左停止図柄が設定される。したがって、当該入賞に係る変動パターンコマンドが到来した際には、装飾図柄指定処理(図43〜図44)において、対応する左図柄と補完された中、右図柄とにより装飾図柄列の変動動作が実行表示される。
上記は連続カウンタがN=1に設定された場合であったが、N≧2に設定された場合は、図37のステップS853において連続カウンタがゼロでない、つまり、まだ連続予告の最終回変動に至っていないと判断されるので(ステップS853:NO)、先に途中回図柄決定処理(ステップS854)がなされる。
<12.途中回図柄決定処理:図38〜図39>
図38〜図39は途中回図柄決定処理(図37のステップS854)の詳細を示したフローチャートである。前提として、連続カウンタの値Nは最初「2」以上に設定され、連続予告図柄決定処理を1回通るたびにステップS852にてカウンタ値が1減算されて、ステップS854からこの図38の途中回図柄決定処理に入って来る。
図柄制御CPU52は、途中回図柄決定処理に入ると、まず図柄フラグの内容をチェックし(ステップS922)、図柄フラグが01[H]〜04[H]のいずれであるかに応じて分岐する。
図柄フラグ=01[H](度ハズレ)の場合は、非確変図柄と確変図柄とが混在した左図柄テーブルTBL3(非確変、確変混在図柄テーブル)(図27参照)を設定し(ステップS951)、図柄乱数値に応じて左図柄テーブルTBL3から図柄を抽選する(ステップS952)。そして得られた左図柄を左図柄格納バッファに格納する(ステップS925)。
また図柄フラグ=02[H](非確変図柄)つまり「偶数図柄」の場合は、ステップS923に進み、ステップS923〜S925の処理がなされる。
また図柄フラグ=03[H](確変リーチはズレ)と図柄フラグ=04[H](確変当たり)の場合は、図39のステップS931に進み、ステップS931〜S941の処理(処理ルートA、B、C、D、E)がなされる。これ以降の処理は、次のように場合を分けて説明する。
(12−1.初回から最終回まで非確変図柄である場合)
説明の便宜上、この第2の実施形態においても、図30の連続変動停止図柄テーブルに示した連続予告のパターン1〜パターン14に基づいて説明する。
図30において、パターン1、パターン3、パターン6、パターン10のケースは、すべて、初回から最終回の変動動作まで左停止図柄が非確変図柄である場合に該当する。
これらのケースでは、図38のステップS922の判断結果が図柄フラグ=02(非確変図柄)となるので、ステップS923に進み、左図柄テーブルTBL1(偶数図柄テーブル)を設定し、図柄乱数値に応じて左図柄テーブルTBL1から左図柄として、たとえば「8」を抽選により選択する(ステップS924)。そして、この左図柄「8」を左図柄格納バッファに格納する(ステップS925)。ここでの左図柄「8」の設定と、装飾図柄指定処理のステップS980〜S983(図44)による中、右図柄「9」「9」の図柄補完設定とにより、変動連続予告の1回目の停止図柄が「899」に設定され当該図柄列で変動実行されることになる。
再び図37のステップS851〜S853、ステップS854、および図38のステップS922〜S925を繰り返し、変動連続予告の2回目以降の変動動作について停止図柄が決定されることになる。ここで連続予告4回の場合とすると、2回目〜3回目の変動動作について上記の如く停止図柄が決定された後、プログラムが再び図37のステップS853に戻って来て、連続カウンタの値がゼロか否かが判断される。この時点で連続カウンタの値はゼロ(連続予告の最終回の開始直前)となっている。そこで、ステップS853の判断はYESとなり、最終回図柄決定処理(ステップS855)に進む。
最終回図柄決定処理(図40)では図柄決定ルーチンAがコールされる。図柄決定ルーチンA(図41〜図42)において、15R非確変大当りの場合であれば、ステップS801〜S805の処理ルートG1を経て、4回目の変動動作について停止図柄が決定される。
また非確変ハズレの場合であれば、図42に進み、ステップS825〜S826、図41のステップS805の処理(第1の実施形態の処理ルートF1に対応する)を経て、4回目の変動動作について左停止図柄が設定される。かくして連続予告図柄決定処理を終了する。
そして、この左図柄の設定と、装飾図柄指定処理の中、右図柄の図柄補完設定とにより、変動連続予告の4回目の左、中、右の停止図柄が設定され当該図柄列で変動実行されることになる。
(12−2.初回から最終回まで確変図柄である場合:処理ルートA、B)
図30に掲げたケースのうち、パターン5、パターン9、パターン14のケースは、すべて、初回から最終回まで左図柄が確変図柄である場合に該当する。ここでは代表例として連続予告3回の「パターン9」のケースについて説明する。ここでは図34(a)〜(f)に示すように、連続変動の1回目と2回目が「778」と「344」の装飾図柄列で行われ、最終回の変動動作(連続予告3回目変動)で「7」図柄のリーチが掛かり(図34(f))、中図柄が一つずれた「8」となって、停止図柄列がハズレ態様(図34(g))となるものとする。
(イ.1回目の変動図柄:処理ルートA)
この連続予告3回の「パターン9」のケースにおける1回目の変動図柄の決定処理は次のように処理ルートAにより行われる。
まず、図37のステップS852で連続カウンタの値が「3」から「2」に減算された後、ステップS853、S854を経て図38の途中回図柄決定処理に進む。最終回の変動時の左図柄は奇数図柄(確変図柄)の「7」となることを想定していることから、最終回の左図柄は、図柄フラグ=03[H]または04[H](確変図柄)の振り分け区分に属することになる。そこで、ステップS922の判断結果は図柄フラグ=03[H]、04[H]への分岐となり、図39のステップS931に進み、「変換フラグ」が設定状態(5A[H])であるか否かを判断する。「変換フラグ」は最終回変動までの間、左図柄の種別の変換状態を管理するためのフラグである。変換フラグは初期状態が非設定状態(00[H])であるので(ステップS931:NO)、ステップS931からステップS932に進み、「維持フラグ」が設定状態(5A[H])であるか否かを判断する。「維持フラグ」は、最終回変動までの間、左図柄の種別が変わらないように維持するためのフラグである。維持フラグも初期状態は非設定状態(00[H])であるので(ステップS932:NO)、ステップS933に進む。
ステップS933では図柄変換抽選を行う。この図柄変換抽選は左図柄を元の奇数図柄のままとするか偶数図柄とするかの抽選を行う処理である。この図柄変換抽選に当選しなかった場合(ステップS934:NO)、つまり左図柄を奇数図柄のままとすべき場合には、維持フラグを設定状態(5A[H])とした後(ステップS936)、左図柄テーブルTBL2(奇数図柄テーブル)を設定し(ステップS937)、図柄乱数値に応じて左図柄テーブルTBL2から左図柄として、抽選によりたとえば「7」を選択する(ステップS938)。
なお、第1の実施形態の場合と同様に、上記図柄変換抽選において当選する割合(変換当選割合)は否当選割合よりも高く設定するのが望ましい。また、遊技状態に応じて変換当選割合を異ならせるようにしてもよい。
そして、図38のステップS925に移行し、上記の左図柄「7」を左図柄格納バッファに格納する(ステップS925)。ここでの左図柄「7」の設定と、装飾図柄指定処理のステップS980〜S983(図44)による中、右図柄「8」「8」の図柄補完設定とにより、変動連続予告における1回目の変動の停止図柄が「788」が設定され、当該図柄列で変動実行されることになる(図34(b)参照)。次いで、連続カウンタの値がまだ「1」となっていないことを確認し(ステップS928:NO)、連続予告図柄決定処理を抜ける。
上記のステップS853〜S854、S922、S931〜S934、S936〜S938、S925のルートは第1の実施形態における「処理ルートA」に対応する。
(ロ.2回目の変動図柄:処理ルートB)
このパターン9のケースにおける2回目の変動図柄の決定処理は次のように処理ルートBにより行われる。
2回目の連続予告図柄決定処理として、図37のステップS852で連続カウンタの値が「2」から「1」に減算された後、ステップS853、S854、ステップS922を経て、プログラムは再び図39のフローに戻って来る。そして、ステップS931を経て、ステップS932で維持フラグの状態が判断される。維持フラグはステップS936で既に設定状態(5A[H])となっているので、ステップS932の判断がYESになる。そこで、上記図柄変換抽選処理(ステップS933)を行わずにステップS937に進み、左図柄テーブルTBL2(奇数図柄テーブル)を設定し(ステップS937)、図柄乱数値に応じて左図柄テーブルTBL2から左図柄として、抽選によりたとえば「3」を選択する(ステップS938)。
ここでの左図柄「3」の設定と、装飾図柄指定処理のステップS980〜S983(図44)による中、右図柄「4」「4」の図柄補完設定とにより、変動連続予告の2回目の停止図柄が「344」が設定され当該図柄列で変動実行されることになる(図34(d)参照)。
次いでステップS928に進む。連続カウンタの値は「1」となっているので、ステップS928の判断はYESとなり、維持フラグをクリアして非設定状態(00[H])に戻す(ステップS929)。
上記のステップS853、S854、S922、S931〜S932、S937〜S938、S925のルートは第1の実施形態における「処理ルートB」に対応する。
(ハ.3回目の変動図柄:処理ルートF2)
2回目の変動動作の停止図柄が決定された後、再び図37のステップS852に戻って連続カウンタの値が「1」から「0」に減算された後、ステップS853で連続カウンタの値がチェックされる。連続カウンタの値はゼロ(最終回変動を残して連続予告が終了)となっているので、ステップS853の判断はYESとなり、ステップS855の最終回図柄決定処理に移行する。
この最終回図柄決定処理(図40)では、ステップS961で図柄決定ルーチンA(図41〜図42)を呼び出し、まず当りの場合であるか否かを判断する(ステップS801)。ここでは確変図柄でリーチハズレとなる場合を想定している。そこで、図41のステップS801から図42のステップS822に進んで、図柄フラグ=03[H](確変リーチハズレ)に分岐し、ステップS825〜S826の処理を経て(第1の実施形態における処理ルートF1、F2に対応する)、ステップS805で左図柄格納バッファHBF1に確変図柄「7」を設定する。かくして図柄決定ルーチンAを終了する。
ここでの左図柄「7」の設定と、装飾図柄指定処理のステップS984〜S986(図44)による右図柄「7」および中図柄「8」の図柄補完設定とにより、最終回の停止図柄が「787」に設定され当該図柄列で変動実行されることになる。すなわち、液晶表示画面では確変図柄「7」のリーチが発生し(図34(f)参照)、中図柄が一つずれた「8」となり、図43の装飾図柄指定処理で実行表示される停止図柄列はハズレ態様の「787」となる(図34(g)参照)。かくして最終回図柄決定処理を終了する。
上記の変動連続予告では、その途中でステップS938の左図柄抽選があるため、その抽選結果として、奇数図柄抽選テーブルTBL2の中から左図柄が選択され、それまでの奇数数字から別の奇数数字に変わることはあり得るが、奇数数字が偶数数字に変化してしまうことはない。したがって、初回の変動動作の左図柄が奇数数字であった場合、初回から最終回の変動動作まで停止図柄の左図柄が奇数数字に維持されるので、左図柄の成り下がり感を遊技者に与えない。
(12−3.非確変図柄が途中で確変図柄となり以後確変図柄が維持される場合:パターン12)
図30に掲げたケースのうち、パターン4、パターン7、パターン8、パターン11〜パターン13のケースは、すべて、非確変図柄が途中で確変図柄となり以後確変図柄が維持される場合に該当する。代表例として連続予告4回の「パターン12」のケースについて説明する。ここでは図35に示すように、1回目の変動動作が「889」の装飾図柄列で行われ、2回目の変動動作が「677」の装飾図柄列で行われ、3回目の変動動作が「566」の装飾図柄列で行われ、4回目の変動動作(最終回変動)で「7」図柄のリーチが掛かり、「7」図柄が揃って装飾図柄列「777」で大当りが発生するものとする。
図48は、通常時と連続予告実行時とでは扱う図柄の種別が異なることを示した図である。
連続予告が行われない通常時においては、装飾図柄列の変動動作中(X0)中にさらに始動口に遊技球が入賞して始動条件が成立した場合、その変動動作の処理が保留され、保留記憶1〜保留記憶4として停止図柄種別情報X1〜X4が順次記憶される。そして対応する変動パターンコマンドが主制御基板から送られて来るたびに、その変動パターンコマンドまたは装飾図柄指定コマンドに基づいて決定される図柄種別X1〜X4により図柄変動を実行することになる。このとき保留記憶1〜保留記憶4が消化される順番は、記憶順位に従い記憶の古い順である。
さらに図48は、停止図柄種別X0にて現在変動中であり、かつ保留記憶1〜保留記憶3が存在している状態下で、新たに始動口に遊技球が入賞して保留記憶4が発生した状態を示している。この保留記憶4に係る図柄種別は、確変図柄であったと仮定している。
一方、連続予告に関して、図48は、上記の保留記憶4に係る当該入賞が発生したときに連続予告の抽選に当選したものと仮定している。したがって、上記の連続予告図柄決定処理によって、左図柄格納バッファHBF1に、図30のパターン12に対応する左図柄情報が記憶されているものと仮定している。なお装飾図柄指定処理の図柄補完設定(図44参照)においては、左図柄、中図柄、右図柄の図柄格納バッファが取り扱われるが、図48では、特に左図柄格納バッファHBF1についてのみ示し、他は省略されている。
連続予告図柄設定処理によって左図柄格納バッファHBF1に格納されている左図柄(正確には左図柄情報)は、連続予告1回目がα1(非確変図柄)、2回目がα2(非確変図柄)、3回目がα3(確変図柄)、4回目がα4(確変図柄)であり、それぞれRAM54の異なる記憶領域に格納されている。これらの左図柄情報α1〜α4は、保留記憶4となる当該入賞が発生したとき、その入賞コマンド(ステップS305)に基づいて、連続予告図柄決定処理により一括して決定されたものである。
装飾図柄指定処理(図43)は、上記左図柄格納バッファHBF1に左図柄情報α1〜α4が存在する場合は、上記図柄種別X1〜X4を無視する。そして連続予告図柄決定処理によってM=5に設定された連続予告実行カウンタの値MがM=1になるまで、左図柄の種別α1〜α4と補完設定した中図柄および右図柄とに基づいて、逐次、連続予告の変動動作を実行して行く。
すなわち、左図柄だけに着目すると、連続予告1回目の変動動作は左図柄格納バッファHBF1の図柄種別情報α1に基づいて実行され、2回目の変動動作はα2に基づいて、3回目の変動動作はα3に基づいて、そして4回目の変動動作はα4に基づいて実行される。このとき、図30に示すパターン12の通り、左図柄の種別はα1(非確変)、α2(非確変)、α3(確変)、α4(確変)となる。これにより連続予告の途中で左図柄が確変図柄から非確変図柄へ移行する「図柄の成り下がり」を禁止する、という図柄成り下り禁止法則を持って、変動連続予告が実施されることになる。
(イ.1回目の変動図柄:処理ルートC)
パターン12のケースにおける1回目の変動図柄の決定処理は、次のように処理ルートCにより行われる。
図37のステップS852で連続カウンタの値が「4」から「3」に減算された後、ステップS853、ステップS854を経て、図38の途中回図柄決定処理に入り、ステップS922で図柄フラグをチェックする。このケース12の場合、最終回変動で左停止図柄が確変図柄(奇数図柄の「7」)となることを想定しているので、ステップS922の判断結果として、図柄フラグ=03[H]、04[H](確変図柄)に分岐し、図39のステップS931に進み、ここで「変換フラグ」が設定状態(5A[H])にあるか否かを判断する。変換フラグの初期状態は非設定状態(00[H])であるので、ステップS932に進み、維持フラグが設定状態(5A[H])であるか否かを判断する。維持フラグの初期状態は非設定状態(00[H])であるので、ステップS933に進む。
ステップS933では図柄変換抽選を行う。本例で扱っているパターン12は、この図柄変換抽選に当選した場合(ステップS934:YES)である、つまり左図柄が偶数図柄に変換される場合であるので、ステップS935に進んで変換フラグを設定状態(5A[H])とする。その後、図38のステップS923に進み、左図柄テーブルTBL1(偶数図柄テーブル)を設定し、図柄乱数値に応じて左図柄テーブルTBL1から左図柄として、ここでは「8」を抽選により選択する(ステップS924)。そして、この左図柄「8」(停止図柄α1)を左図柄格納バッファの記憶順位1のエリアに格納する(ステップS925)。
ここでの左図柄「8」の設定と、装飾図柄指定処理のステップS980〜S983(図44)による中、右図柄「9」「9」の図柄補完設定とにより、連続予告の1回目の停止図柄「899」が設定され当該図柄列で変動実行されることになる(図35(b)参照)。
上記のステップS853、S854、S922、S931〜S935、S923〜S925のルートは第1の実施形態における「処理ルートC」に対応する。
(ロ.2回目の変動図柄:処理ルートE)
2回目の連続予告図柄決定処理として、プログラムは再び図37のステップS852に戻り、連続カウンタの値が「3」から「2」に減算される。その後、ステップS853、ステップS854を経て、図38のステップS922に進み、図柄フラグに応じた分岐がなされる。最終回変動の左停止図柄は確変図柄(奇数図柄の「7」)となることを想定しているので、図柄フラグ=03[H]、04[H](確変図柄)に分岐して図39のステップS931に進み、ここで「変換フラグ」が設定状態(5A[H])であるか否かを判断する。変換フラグはステップS935で既に設定状態(5A[H])となっているので、ステップS931の判断がYESになり、ステップS939に進む。
ステップS939では図柄再変換抽選を行う。この図柄再変換抽選は左図柄を偶数図柄のままとするか元の奇数図柄に戻すかの抽選を行う処理である。この図柄再変換抽選に当選しなかった場合(ステップS940:NO)、つまり左図柄が偶数図柄のままとなる場合には、ステップS923に進み、左図柄テーブルTBL1(偶数図柄テーブル)を設定し、図柄乱数値に応じて左図柄テーブルTBL1から左図柄として、「6」を抽選により選択する(ステップS924)。そして、この左図柄「6」(停止図柄α2)を左図柄格納バッファの記憶順位2のエリアに格納する(ステップS925)。
ここでの左図柄「6」の設定と、装飾図柄指定処理のステップS980〜S983(図44)による中、右図柄「7」「7」の図柄補完設定とにより、連続予告の2回目の停止図柄「677」が設定され当該図柄列で変動実行されることになる(図35(d)参照)。これは左図柄が同じ偶数数字であるという制約の中で、1回目の変動動作では「899」で表示された停止図柄が、2回目の変動動作では「677」に変化することを意味する。
上記のステップS853、S854、S922、S931、S939〜S940、S923〜S925のルートは第1の実施形態における「処理ルートE」に対応する。
(ハ.3回目の変動図柄:処理ルートD)
3回目の連続予告図柄決定処理として、プログラムは再び図37のステップS852に戻って来て連続カウンタの値が「2」から「1」に減算された後、ステップS853、ステップS854を経て、図38のステップS922に進み、図柄フラグ=03[H]、04[H](確変図柄)に分岐される。そこで図39のステップS931に進み、ここで変換フラグの状態が設定状態(5A[H])と判断され、ステップS939に進む。
ステップS939では、左図柄を偶数図柄のままとするか元の奇数図柄に戻すかの抽選を行う。ここでは3回目の連続予告図柄決定処理で図柄再変換抽選に当選した場合(ステップS940:YES)、つまり左図柄を奇数図柄にすべき場合を扱っているので、変換フラグをクリアして非設定状態(00[H])に戻し(ステップS941)、ステップS936に進む。ここで維持フラグを設定状態(5A[H])とした後(ステップS936)、左図柄テーブルTBL2(奇数図柄テーブル)を設定し(ステップS937)、図柄乱数値に応じて左図柄テーブルTBL2から左図柄として、抽選によりここでは「5」を選択する(ステップS938)。そして、この左図柄「5」を左図柄格納バッファの記憶順位3のエリアに格納する(ステップS925)。
ここでの左図柄「5」の設定と、装飾図柄指定処理のステップS980〜S983(図44)による中、右図柄「6」「6」の図柄補完設定とにより、変動連続予告の3回目の停止図柄が「566」に設定され当該図柄列で変動実行されることになる(図35(f)参照)。これは、それまで左図柄が偶数数字である「899」、「677」と表示されてきたものが、3回目の変動動作では左図柄が奇数数字である「566」に変化することを意味する。
上記のステップS853、S854、S922、S931、S939〜S941、S936〜S938、S925のルートは第1の実施形態における「処理ルートD」に対応する。
上記の連続予告では、連続予告が継続している途中で、上記の維持フラグが設定状態(5A[H])となり、図柄変動の左停止図柄が一旦確変図柄になった場合、この維持フラグが非設定状態に戻されるまで、図柄変動の左停止図柄は確変図柄に維持される。
ステップS928に進み、連続カウンタの値Nが「1」となっているか否かをチェックする。上記3回目の連続予告図柄決定処理を終えた時点において、連続カウンタはN=1となっているので、ステップS928の判断がYESとなり、維持フラグをクリアして非設定状態の00[H]に戻す。かくして、3回目の連続予告図柄決定処理を終了する。
(ニ.4回目の変動図柄:処理ルートG2)
パターン12のケースにおける4回目の変動動作の図柄決定処理は、次のように処理ルートG2により行われる。
4回目の連続予告図柄決定処理として、プログラムは再び図37のフローに戻って、ステップS852で連続カウンタの値が「1」から「0」に減算され、次いで、ステップS853で連続カウンタの値がチェックされる。ここで連続カウンタはゼロ(最終回変動を残し連続変動が終了)となっているため、ステップS853の判断はYESとなり、最終回図柄決定処理(ステップS855)に進む。
図40に示す最終回図柄決定処理において、図柄決定ルーチンAがコールされ、この図柄決定ルーチンA(図41〜図42)の中で、最終回の変動動作について大当りか否かが判断される(ステップS801)。ここで扱っているパターン12は確変図柄「7」で大当りするケースであり、入賞コマンドデータには大当り情報と確変図柄情報とが含まれている。そこでステップS801の判断はYESとなり、ステップS801からステップS802に進む。このステップS802において入賞コマンドに基づいて大当りの図柄種別を判断し、その判断結果としてステップS802で15R確変のルートに分岐する。そこで、ステップS809〜S810およびステップS805を通る処理(第1の実施形態における処理ルートG2に対応する)を経ることで左図柄として確変図柄「7」が設定され、左図柄格納バッファに格納される。
このようにして、4回目の変動動作について停止図柄が決定される。そして図40のステップS962で図柄フラグが00[H]であることを確認し、そのまま図柄決定ルーチンAの処理を終了する。
ここでの4回目の左図柄「7」の設定と、装飾図柄指定処理のステップS984〜S986(図44)による右図柄および中図柄の「7」の図柄補完設定とにより、最終回の停止図柄が「777」が設定され当該図柄列で変動実行されることになる。すなわち、液晶表示画面では確変図柄「7」のリーチが発生し(図35(h)参照)、図柄「7」で大当りすることになる(図35(i)参照)。かくして最終回図柄決定処理を終了する。
この結果、連続予告の連続した変動動作の途中の3回目に一旦奇数数字の「5」に変換された後、これに続く4回目の最終回変動では左図柄がそれまでの奇数数字「5」から別の奇数数字「7」に変わってはいるが、「左図柄が同じ奇数数字(確変図柄)である」という規則性が維持され、奇数数字から偶数数字に戻ってしまうことはない。したがって、左図柄が初めて奇数数字(確変図柄)となった3回目から最終回の変動動作まで、停止図柄の左図柄が奇数数字に維持され、結果として左図柄の成り下がり感を遊技者に与えない。
上記の例では大当りの場合について述べたが、ハズレの場合も同様である。たとえば連続予告4回の連続変動において、1回目変動から3回目変動までの変動動作が図35に示すように、装飾図柄列「899」「677」「566」と進行することで行われ、最終回の変動動作で「7」図柄のリーチが掛かり、停止図柄列「787」となってハズレとなるケースについては、上記と同様に処理ルートC、E、D、F2を経て連続変動が行われる。
[第3の実施形態]
上記第2の実施形態では、停止図柄のランダム性を出すため、変動連続予告の変動動作ごとに図柄抽選を行って停止図柄を決定した。しかし、あらかじめ初回から所定回まで(連続変動の最終回変動の直前回まで、または連続変動の最終回変動まで)の各変動動作で表示すべき停止図柄を一括して定めておき、その定められた停止図柄を表示させるように構成することもできる。かかる構成において、上記第1の実施形態では、変動連続予告時の各変動動作の停止出目を、左図柄Xに対して右図柄および中図柄の数値が1多い図柄(左:中:右=X:X+1:X+1)の形としたが、必ずしもこのよう形に定める必要はなく、任意の数の停止図柄に設定することができる。
図49は、第3の実施形態として、連続変動の初回から最終回までの変動動作における停止図柄に関連する情報を一括して定めた連続変動停止図柄テーブルを例示したものである。この連続変動停止図柄テーブルには、連続予告1回から連続予告4回の場合について、図30の場合と同様に停止図柄パターン1〜14を定めてある。その各パターンに定義されている停止図柄に関する図柄情報(図49の例では確変図柄または非確変図柄の別)は、1回目変動については連続カウンタバッファ1に、2回目変動については連続カウンタバッファ2に、3回目変動については連続カウンタバッファ3に、そして3回目変動については連続カウンタバッファ4に、それぞれ設定されている。連続カウンタバッファの値がA5[H]で非確変図柄、また5A[H]で確変図柄である。
第3の実施形態は、この図49の停止図柄テーブルから、本図柄の種類に応じて停止図柄パターン1〜14うちの一つを選択する構成(変動停止図柄決定手段)を有し、この連続カウンタバッファ1〜4を参照して連続予告の各変動動作の停止図柄を決定する。
図49から判るように、上記連続変動停止図柄テーブルは、連続変動中において図柄列の左停止図柄を確変図柄とする場合、その後の変動動作における左停止図柄を非確変図柄に決定することを禁止する図柄成り下り禁止則を含んでいる。すなわち、図柄成り下り禁止則に従い、連続変動中の変動動作で停止する所定の図柄列の種別の決定に関し、初回の変動動作における左停止図柄が第2利益図柄に決定される場合、または連続変動の途中で左停止図柄が第1利益図柄から第2利益図柄に変更される場合、その後の変動動作における前記一部の停止図柄を前記第2利益図柄に決定し維持する関係となっている。したがって、この第3の実施形態において図49の停止図柄テーブルを選択することは、「成り下がりパターンの存在するテーブルを選択しないようにすること」を意味する。換言すれば、本発明の成り下がり禁止手段に相当するのは、「成り下がりパターンの存在する図柄停止テーブルを選択しないようにすること」が該当する。
この第3の実施形態によれば、第2の実施形態における最終回図柄に基づく変換手段や再変換手段、維持手段などの煩わしい処理を省くことができる。また、この第3の実施形態は、連続変動停止図柄テーブルが図柄成り下り禁止則を含んでいるため、変動連続予告中に遊技者に停止図柄の成り下がり感を与えることを大きく軽減することができると共に、このように停止図柄に法則性をもたせることにより、演出の多様化を図ることができる。
[第4の実施形態]
上記第1の実施形態では、図柄列が、一の利益状態を発生させる非確変図柄列(222、444、666、888、000など)の組合せを構成する非確変図柄(第1利益図柄:2、4、6、8、0など)と、上記一の利益状態よりも利益価値の高い利益状態を発生させる確変図柄列(111、333、555、777、999など)の組合せを構成する確変図柄(第2利益図柄:1、3、5、7、9など)との少なくとも一方を含む所定の図柄列(1**、2**など)の組合せにより表現される図柄列であるとし、3桁の図柄からなる装飾図柄列を例にして説明した。そして、上記図柄列のうちの最初に停止される第1停止図柄として左停止図柄に着目し、この左停止図柄が、一の変動動作において上記非確変図柄から確変図柄に替わった場合は、それ以降の変動動作においても、確変図柄を維持するように構成した。
しかし、上記図柄列のうちの2番目に停止される第2停止図柄である右停止図柄に着目し、この右停止図柄が、一の変動動作において上記非確変図柄から確変図柄に替わった場合、それ以降の変動動作においても確変図柄を維持するように構成することもできる。
図50は第4の実施形態として、通常図柄と、確変図柄と、および両図柄として兼用できるオールマイティー図柄(兼用図柄)とを含む図柄種から、重複を許して3個を選び取る組合せにより表現される図柄列が変動動作する例を示したものである。この図50の図柄列は3桁の装飾図柄からなり、左、右、中の順に停止される。そして連続予告1回目の変動動作(図50(a)(b))、連続予告2回目の変動動作(図50(c)(d))、連続予告3回目の変動動作(図50(e)(f))、4回目の変動動作(図50(g)(h))でリーチが発生し(図50(h))、最後に大当りする(図50(i))。
この3桁の装飾図柄列の変動において、たとえば連続予告3回目の変動動作(図50(e)(f))で先に兼用図柄「All」が左停止し次いで確変図柄「5」が右停止したときは、兼用図柄(第1停止図柄)が左停止した時点では図柄種が不明で、確変図柄(第2停止図柄)「5」が右停止した時点で初めて左右の図柄種が確定し、かつ確変図柄「5」で左右の図柄が揃った停止状態が出現する。このため、遊技者は、右停止により確定した確変図柄「5」により大当りが発生するものと期待する。そこで、この遊技者の期待感を維持させるべく、次の4回目の変動動作(図50(g)(h))においては、選択された図柄の数字は「5」から「7」に変更にされているが、左が兼用図柄「All」で右が確変図柄「7」であるという図柄列の関係が維持される。そして確変図柄「7」でリーチが発生し(図50(h))、確変図柄「7」で大当りとなる(図50(i))。
[第5の実施形態]
上記第1の実施形態では、変動連続予告中の変動動作について所定の図柄列を構成する左停止図柄(一部の停止図柄)を確変図柄(第2利益図柄)とすることに決定した場合、その後の変動動作における左停止図柄を、非確変図柄(第1利益図柄)に決定することを禁止する図柄成り下り禁止手段(処理ルートB:S932、S937〜S938、S925〜S927)を有する構成とした。
しかし第5の実施形態として、最終的に大当りすることが約束されている連続変動においては、この図柄成り下り禁止手段の作動を無効にする無効化手段を設けた構成とすることもできる。
すなわち、この第5の実施形態では、液晶表示装置36に図柄列の変動開始および変動停止を繰り返し表示させる図柄遊技を行い、その遊技結果として液晶表示装置36に確定表示された装飾図柄列が予め定められた図柄の組合せからなる大当り図柄列となった場合に、通常遊技状態よりも遊技者に有利な利益状態を供与する大当りに移行させる遊技状態移行手段(特別変動入賞装置管理処理:ステップS210)を有することを前提とする。そして、確変図柄(第2利益図柄)の組合せからなる所定の図柄列が大当り図柄列として確定表示されて大当りとなる場合の一部または全部について、連続変動中であることを条件として図柄成り下り禁止手段の作動を無効とする無効化手段(図示せず)を設ける。
また、予告キャラクタが出現する発生割合が高くなるように構成しておく。ここで確変予告キャラクタは、たとえば第1停止図柄が確変図柄となることを示唆する桜花びら予告などである。またこの第5の実施形態の場合、確変予告キャラクタの出現と同時にまたは確変予告キャラクタの替わりに確変予告音響も発生させる構成としておく(図19のステップS627参照)。確変予告音響はたとえば稲妻の閃光と同時に発生する落雷音であり、確変図柄での大当りとなることが確定するものである。
上記のように無効化手段を設けた構成にすると、変動連続予告中に装飾図柄列の組合せを構成する図柄が確変図柄から非確変図柄へとなる成り下がりが発生するのではないか、との懸念が生じる。しかし最終的に本図柄の変動動作で大当りとなるときには、必ず確変図柄の組合せで大当りとなるという法則性が付与される。したがって、一度でも確変図柄での変動動作があった場合には、必ず確変図柄の装飾図柄列で大当りとなるであろう、という遊技者の期待に添うこととなる。
これに加えて、上記無効化手段の作動中は、確変図柄での大当りを示唆する確変予告演出、たとえば確変予告キャラクタの出現割合を100%とすることにより、図柄成り下がり感の発生を防止することができる。たとえば、上記無効化手段の作動している間は、複数回行われる各変動動作において、毎回確変予告キャラクタである桜花びら予告を出現させることにより、遊技者に対して、必ず確変図柄の装飾図柄列で大当りとなるであろう、という期待感を維持させることができる。
またこの第5の実施形態の場合、上記無効化手段の作動している間に複数回行われる各変動動作において、たとえば毎回確変予告音響である稲妻の落雷音を出現させることにより、必ず確変図柄の装飾図柄列で大当りとなるであろう、という遊技者の期待感を維持させることができる。このように構成することにより、音響による聴覚的な面からも、大当り時の付与価値に関する成り下がり感の発生を防止することができる。
よって図柄成り下り禁止手段の作動を無効としている期間中において、仮に確変図柄から非確変図柄へと図柄による成り下がりがあったとしても、これに替えて上記の確変予告キャラクタや確変予告音響を発生させるにより、遊技者による確変図柄での大当り期待感を維持し、図柄による成り下がり感の減少をカバーすることができる。
[第6の実施形態]
上記第1〜第5の実施形態では、変動連続予告の開始からこれに続く最終回変動が終了するまでの連続変動期間に関して、遊技者の成り下がり感を防止する形態について説明した。しかし、第6の実施形態として、この連続変動期間外において、図柄の成り下がり感を防止する形態とすることもできる。すなわち、第6の実施形態では、上記無効化手段の作動により大当り図柄列が非確変図柄(第1利益図柄)の組合せにて大当りとなった場合の一部または全部について、大当り中または大当り終了後に必ず上記確変図柄(第2利益図柄)の組合せにて大当りとなった場合と同等の利益状態となることを報知する報知手段(図示せず)を設ける。
この第6の実施形態においても、上記無効化手段により、変動連続予告中に装飾図柄列の組合せを構成する図柄が確変図柄から非確変図柄へとなる成り下がりが発生し、最終的に必ず確変図柄の組合せで大当りとなることが明らかとなるケースを扱っているが、第5の実施形態の場合と異なり、確変図柄で大当りしたことが遊技者に報知されるのは、大当り遊技中または大当り遊技が終了した時点であり、連続変動中や大当り直後にはまだ報知されない。
しかし、大当り中または大当り終了後において、必ず上記確変図柄で大当りした場合と同等の利益状態に移行する旨の報知がなされるので、遊技者は、確変図柄での大当り期待感を維持し、図柄による成り下がり感の減少をカバーすることができる。
また、この第6の実施形態の場合も、大当り中に、確変図柄での大当りを示唆する確変予告演出の出現する発生割合が高くなるように構成しておくことで、必ず確変図柄の装飾図柄列で大当りとなるであろう、という遊技者の期待感を維持することができる。
[第7の実施形態]
また上記実施形態は特別図柄が一つである遊技機の場合であったが、特別図柄を2個設けている遊技機では、変動連続予告と関連させて、一方の特別図柄変動表示ゲームに係る図柄作成を他方の特別図柄変動表示ゲームに係る当否情報や変動パターン情報により作成することもできる。
たとえば、上始動口34を第1特別図柄変動表示ゲームについての始動口(第1始動口)とし、下始動口35を第2特別図柄変動表示ゲームについての始動口(第2始動口)として区別し、第1始動口に入賞した場合の第1特別図柄変動表示ゲームについての作動保留(保留記憶)が上限のたとえば4個まで、また第2始動口に入賞した場合の第2特別図柄変動表示ゲームについての保留記憶が上限のたとえば4個まで、最大計8個まで許される構成とする。
ここで、上記の第1特別図柄変動表示ゲームの保留記憶1〜4のうちのいずれか、たとえば2番目に消化されるべき「保留記憶2」が、入賞時に大当りの乱数値(確変状態でも通常状態でも大当りと判定される乱数値)が抽出されて大当り変動パターンで変動表示されることが確定しているものである場合があり得る。そこで確変状態が終了し時短状態を経て通常遊技状態に移行したとすると、下始動口35の可動翼片47の開放延長機能が付与されなくなるので、第2始動口に入賞した場合の保留記憶5〜8から第1始動口に入賞した場合の保留記憶1〜4の消化が順次行われるだけ、という遊技状態が到来する。
この第7の実施形態では、かかる遊技状態が発生した場合、上記の第1特別図柄の「保留記憶2」の当否情報または変動パターン情報に基づいて、第2特別図柄変動表示ゲームの保留記憶5〜8の複数回分、たとえば上限の4回分の変動動作について、あるいはさらにこれに第1特別図柄変動表示ゲームの保留記憶1〜2の2回分を加えた計6回の変動動作について、左停止図柄の確変図柄から非確変図柄への成り下がりを生じさせないという成り下がり禁止則の下で、装飾図柄列の停止図柄の作成を行い、変動連続予告を実施する。
このようにすると、第1特別図柄変動表示ゲームの保留記憶1〜4のいずれかに大当りが含まれていることを遊技者に報知することができる。遊技者は、時短状態が終了して通常遊技状態に移行した際に再度大当りとなることを予知することができるため、開放延長機能が付与されることによる利益を最大限受けるべく保留記憶5〜8が途切れないように遊技を続行し、その後に確変状態および時短状態が終了して通常遊技状態に移行する際には、変動連続予告が発生するか否かにより連荘大当りする可能性について、遊技を楽しむことができる。
また、第1特別図柄変動表示ゲームの保留記憶1〜4と第2特別図柄変動表示ゲームの保留記憶5〜8とでは、確変図柄で大当りする割合は同じであるが、15R確変で大当りする割合については、前者の第1始動口に入賞した場合の保留記憶1〜4よりも後者の第2始動口に入賞した場合の保留記憶5〜8の方が高い設定であり、かつ保留記憶5〜8の方が保留記憶1〜4よりも優先して消化される構成としても良く、このケースにおいても、遊技者は、時短状態が終了して通常遊技状態に移行した際に再度大当りとなることを予知することができるため、時短状態中および確変状態中は15R確変で大当りする確率の高い第2特別図柄変動表示ゲームに基づく大当り抽選を行わせるべく保留記憶5〜8が途切れないように遊技を続行し、その後に時短状態が終了して通常遊技状態に移行する際には、変動連続予告が発生するか否かにより連荘大当りする可能性について、遊技を楽しむことができる。
<変形例1>
また上記の各実施形態では、変動連続予告の途中で、確変図柄を左図柄に持つ装飾図柄列が相次いで停止する場合、左図柄テーブルの中から一の左図柄を抽選により選択する構成とすることにより、図35(f)(h)のように変動表示させる確変図柄にランダム性を持たせた。すなわち、変動停止される装飾図柄列の左図柄について、同じ確変図柄という種別に属するが、一の確変図柄(たとえば奇数図柄の「5」)から、別の確変図柄(たとえば奇数図柄の「7」)に変更される可能性のある形態とした。
しかし、一旦、一の確変図柄(奇数図柄「5」)を左図柄に持つ装飾図柄列「566」が発生したならば、その後の変動動作においても、同じ奇数図柄「5」を左図柄持つ装飾図柄列「566」が停止表示され、左図柄に同じ確変図柄を持つ装飾図柄列「566」が維持される構成とすることもできる。
<変形例2>
また、上記の各実施形態では、装飾図柄の停止図柄として、左図柄、中図柄および右図柄の3つの図柄とされていたが、3以上の図柄であれば、表示される図柄の数はいくつでもよい。たとえば、液晶表示装置36の表示画面を、最も左の表示領域と、左から2番目の表示領域と、左から3番目の表示領域と、最も右の表示領域とに分割し、それぞれの表示領域に装飾図柄を表示させるようにしてもよい。この構成では、装飾図柄の停止図柄は、最も左の図柄、左から2番目の図柄、左から3番目の図柄および最も右の図柄の4つの図柄となる。この場合、4つの図柄が全て揃ったときに大当りとしてもよいし、4つの図柄のうち3つの図柄が揃えば大当りとしてもよい。
また、図柄列は有効ライン上に連なる複数の図柄を意味するものであり、厳密な行列の方向を意味するものではない。有効ラインは図柄のスクロール方向と直交する方向に一直線状の他、段差状やV字状やくの字状にずれていたり、一画面内に同じ図柄が点在する状態などであってもよい。
また、液晶表示装置36の表示画面を、3行3列のマトリクス状の表示領域(装飾図柄表示エリアあるいはマス)に分割し、それぞれの表示領域に装飾図柄を表示させるようにしてもよい。この構成では、装飾図柄の停止図柄は、上段左図柄、上段中図柄、上段右図柄、中段左図柄、中段中図柄、中段右図柄、下段左図柄、下段中図柄、下段右図柄の9つの図柄となる。この場合、所定の有効ライン(たとえば、上段横ライン、中段横ライン、下段横ライン、左縦ライン、中縦ライン、右縦ライン、右下がり斜めライン、右上がり斜めライン)に特定図柄が3つ揃ったときに大当りとするようにしてもよい。
<変形例3>
上記の各実施形態において、停止図柄パターン1〜14に定義する停止図柄に関する図柄情報として、確変図柄または非確変図柄の別を掲げたが、この連続変動停止図柄テーブルで規定する図柄情報は、確変・非確変情報のほかに図柄そのものの情報であってもよい。または、最終回図柄に対する差分値を規定するものでも良い。
<変形例4>
また、パチンコ機において大当りすると、通常、大入賞口40が予め定めた規定ラウンド数だけ開放されるが、いわゆるバトルタイプのパチンコ機などにおいては、ラウンド数の異なる複数種の大当りが用意されており、たとえば7R(ラウンド)と15R(ラウンド)の2種類の大当りを持つだけで、確変図柄または非確変図柄の概念を持たないものがある。しかし、本発明はこのようなタイプのパチンコ機においても適用可能であり、7R大当りを第1利益図柄として扱い、15R大当りを第2利益図柄として扱うことにより、連続動作において15R大当り図柄が第1停止図柄(または第2停止図柄)に停止した場合、これを最終回の変動動作まで継続するように構成することができる。
<変形例5>
また上記第3の実施形態においては、第5の実施形態(図柄成り下り禁止手段の作動を無効にする構成)と同様に、最終的に確変大当りとなる場合の一部または全部において、図柄成り下り禁止則を含んだテーブルに基づく選択を行なわないようにしてもよい。すなわち、連続変動停止図柄テーブルとして、図柄成り下り禁止側を含まない連続変動停止図柄テーブルを別途設けそのテーブルを選択するようにしてもよい。
<変形例6>
また、連続変動中に選択表示される図柄がたとえば「3」「5」「7」と変化する場合、その連続変動中に選択表示される図柄の履歴を表示するように構成してもよい。
<変形例7>
また遊技者が操作可能な操作手段により、複数の停止図柄のうちから所望する一の停止図柄を選択し決定する構成とすることもできる。たとえば遊技者が操作ボタンを押下するたびに図柄種が変化する構成とし、遊技者が所望するところで操作を止めることにより停止図柄を決定する構成に本実施例を適用してもよい。
<変形例8>
連続予告実施中は、連続予告専用の音声、ランプ、表示等の演出をすることにより遊技者に対して連続予告中であることを認識可能に構成するのが一般的であるが、連続予告中の任意の保留では連続予告専用演出の一部または全部を実施しない構成としてもよい。このように専用演出を実施しない場合であっても本実施例の成り下がり禁止則は適用されるのが望ましいが、連続変動の最終変動において特定の大当り(確変大当り)となる場合においては、成り下がりを許容するようにしてもよい。
<変形例9>
上記の実施形態では、連続予告の決定や、これに関連する情報の管理を、図柄制御基板および演出制御基板の少なくとも一方にて行うようにしたが、主制御基板にて決定および管理を行うようにしてもよい。主制御基板にて管理する場合、管理された情報(当否、種別等)に基づいて、連続変動の最終変動に至るまでの図柄種別、変動パターン等を変動開始時や連続予告決定時等に決定するようにしてもよい。
<変形例10>
連続予告の実施条件として、通常遊技中、確変中、時短中、特定のモード演出時などの全ての遊技状態またはそれらの任意の組み合わせの遊技状態において実施するようにしてもよいし、特定の遊技状態のみで実施するようにしてもよい。特定の遊技状態とは、通常遊技中のみ、確変中のみ、時短中のみ、特定のモード演出時のみなどが該当する。特に次回大当りがほぼ約束される確変中においては、遊技者の興味の矛先は次回大当りが確変か否かという部分に向けられるため、上記実施形態のように図柄自体によって連続予告を行う場合、興趣の向上に繋がる。
<変形例11>
また、上記実施形態ではパチンコ機を例にして説明したが、本発明はパチンコ機に限定されるものではなく、回胴式遊技機(スロットマシン)のような遊技機にも、等しく適用が可能である。回胴式遊技機には、通常、機械式のリールが用いられ、その外周に特別図柄に相当する図柄が配列され、上記リールの回転によって特別図柄の変動表示ゲームが行われるが、その他に遊技の進行状況に応じた演出画像の表示のために液晶表示装置に代表される画像表示装置が用いられている。したがって、特別図柄の変動表示ゲーム中、すなわちリールが回転中の図柄変動中に、上記ボーナスゲーム当選時の演出として、画像表示装置に連続変動の演出画像を表示させるように構成することもできる。