JP2004129912A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】変動表示ゲームの表示結果が特別結果態様であった場合に、特定の遊技価値を付与可能な制御手段を備える遊技機において、制御手段は、変動表示ゲームの変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、変動表示ゲームの表示態様を制御する変動表示ゲーム制御手段と、前回のリーチ状態を構成した前回リーチ図柄を記憶する前回リーチ図柄記憶手段と、前回リーチ図柄を前回リーチ図柄表示領域に表示する前回リーチ図柄表示手段と、を備え、変動表示ゲーム制御手段は、変動表示ゲームにおいて特別結果態様を表示することを決定した場合に、前回リーチ図柄と同一の図柄でリーチ状態を発生させる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、表示装置に複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを行い、この結果態様に関連して特定の遊技価値を付与可能な遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技領域に発射した遊技球の入賞等にしたがって、液晶表示器等からなる変動表示装置に複数の識別情報(図柄)を変動表示する変動表示ゲームを行い、その表示結果が特別結果態様となったことに関連して、特典遊技を発生する等の特定の遊技価値を付与するようにした遊技機(パチンコ遊技機)がある。
【0003】
このような遊技機では、変動表示ゲーム1回ごとに表示演出が完結し、当該変動表示ゲームの結果を導出するようになっている。そして、変動表示ゲームを大当たりを得るまで反復して行うようになっている。
【0004】
このような変動表示ゲームにメリハリをつけるため、変動時間の短い通常変動と、変動時間を長く設定したリーチ変動(大当たりの可能性のあるリーチ状態を発生したときの変動)等が知られている。また、変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様(大当たり)になりやすい状況になったことを事前に遊技者に知らしめるように、予告報知演出を行うことが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−182822号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、変動表示ゲームに変動時間を長くしたリーチ変動を行わせるようにしても、同じようなゲームの繰り返しである以上、1回ごとの変動表示時間には自ずと制限が生じ、期待感を向上させるための表示演出に制約がある。また、予告報知の場合、同じ演出を繰り返すため、特別結果態様となるまでは変動表示ゲームの単調な繰り返しとなってしまい、遊技が冗長になりかねないという問題がある。
【0007】
この発明は、このような問題に鑑み、変動表示時間に拘わらず、趣向に富み、新鮮感のある変動表示ゲームを実現することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、表示内容が変化可能な表示領域を備える表示装置と、始動条件の成立に基づき前記表示装置の表示領域に複数の識別図柄を変動表示させる変動表示ゲームを制御すると共に、変動表示ゲームの表示結果が特別結果態様であった場合に、特定の遊技価値を付与可能な制御手段と、を備える遊技機において、前記制御手段は、始動条件の成立に基づいて、変動表示ゲームの変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、前記変動パターン決定手段の決定に基づき変動表示ゲームの表示態様を制御する変動表示ゲーム制御手段と、前回のリーチ状態を構成した前回リーチ図柄を記憶する前回リーチ図柄記憶手段と、前記前回リーチ図柄記憶手段に記憶されている前回リーチ図柄を前記表示装置の前回リーチ図柄表示領域に表示する前回リーチ図柄表示手段と、を備え、前記変動表示ゲーム制御手段は、変動表示ゲームにおいて特別結果態様を表示することが決定された場合に、前記前回リーチ図柄記憶手段により記憶されている前回リーチ図柄と同一の図柄でリーチ状態を発生させる同一図柄リーチ状態表示制御手段を備える。
【0009】
始動条件の成立とは、例えば、遊技領域に設けた始動入賞口に遊技球が入賞すること、あるいは始動領域を遊技球が通過することである。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、前記同一図柄リーチ状態表示制御手段は、変動表示ゲームにおいて特別結果態様を表示しないことが決定された場合であっても、前記前回リーチ図柄と同一の図柄でリーチ状態を発生させる。
【0011】
第3の発明は、第1、第2の発明において、前記変動表示ゲーム制御手段は、変動表示ゲーム中以外は停止表示する図柄で前記前回リーチ図柄表示領域に表示される前回リーチ図柄を隠蔽する。
【0012】
第4の発明は、第1〜第3の発明において、前記特別結果態様は、所定の遊技価値を付与可能な通常の大当たり特別結果態様と、通常の大当たり特別結果態様が発生された場合よりも有利な遊技状態を発生可能な特定の大当たり特別結果態様と、を含み、前記変動表示ゲーム制御手段は、通常の大当たり特別結果態様を表示することが決定された場合に、前回リーチ図柄が特定の大当たり特別結果態様の対象図柄であった場合には、前回リーチ図柄と同一の図柄でリーチ状態が発生することを禁止する前回リーチ図柄同一リーチ状態禁止手段を備える。
【0013】
第5の発明は、第1〜第3の発明において、前記特別結果態様は、所定の遊技価値を付与可能な通常の大当たり特別結果態様と、通常の大当たり特別結果態様が発生された場合よりも有利な遊技状態を発生可能な特定の大当たり特別結果態様と、を含み、前記変動表示ゲーム制御手段は、通常の大当たり特別結果態様を表示することが決定された場合に、前回リーチ図柄が特定の大当たり特別結果態様の対象図柄であった場合には、前回リーチ図柄と同一の図柄でリーチ状態を発生させると共に、前回リーチ図柄でのリーチ状態から通常の大当たり特別結果態様の対象図柄でのリーチ状態に成り下がる成り下がりリーチ発生手段を備える。
【0014】
第6の発明は、第4、第5の発明において、前記制御手段は、始動条件の成立を始動記憶として所定数まで記憶可能であり、前記始動記憶を基に変動表示ゲームを行うと共に、前記始動条件が成立した際に所定の特別結果態様を発生するかどうかならびに特別結果態様の図柄の判定を行う一方、通常の大当たり特別結果態様発生の判定結果があった場合、その前の始動記憶に基づく変動表示ゲームにおいて通常の大当たり特別結果態様の対象図柄でリーチ状態を発生させる通常リーチ発生手段を備える。
【0015】
第7の発明は、第1〜第6の発明において、前記制御手段は、変動表示ゲームの表示結果である停止図柄を決定するための乱数を演算により値を逐次更新することで生成する停止図柄乱数生成手段と、変動表示ゲームの表示結果が特別結果態様であるか否かを決定するための乱数を演算により値を逐次更新することで生成する特別結果態様乱数生成手段と、変動表示ゲームがリーチ状態を発生するか否かを決定するための乱数を演算により値を逐次更新することで生成するリーチ乱数生成手段と、変動表示ゲームの変動パターンを決定するための乱数を演算により値を逐次更新することで生成する変動パターン乱数生成手段と、前記始動条件が成立した際に前記特別結果態様乱数生成手段により更新されている特別結果態様数値データと、前記停止図柄乱数生成手段により更新されている停止図柄数値データと、前記リーチ乱数生成手段により更新されているリーチ数値データと、前記変動パターン乱数生成手段により更新されている変動パターン数値データと、を抽出する乱数値抽出手段と、を備え、前記同一図柄リーチ状態表示制御手段は、前記乱数値抽出手段により抽出された、特別結果態様数値データと停止図柄数値データ、あるいは特別結果態様数値データと停止図柄数値データとリーチ数値データの判定に基づき、変動パターンを決定するための変動パターン決定テーブルを選択し、選択された変動パターン決定テーブルと前記乱数値抽出手段によって抽出された変動パターン数値データに基づき、前回リーチ図柄と同一の図柄でリーチ状態を発生させるか否かを決定する。
【0016】
【発明の効果】
第1の発明では、変動表示ゲームにおいて特別結果態様(大当たり)を表示することを決定した場合に、前回リーチ図柄と同一の図柄でリーチを発生させるため、前回リーチ図柄と同じ図柄でのリーチの発生を期待しつつ、遊技を行える。また、前回リーチ図柄を表示すると共に、前回リーチ図柄は一定でないため、変動表示ゲーム毎に、遊技者に前回リーチ図柄と同じ図柄でのリーチを発生しないかとのわくわく感を与えられ、変化に富む新鮮感のある変動表示ゲームを行える。
【0017】
第2の発明では、前回リーチ図柄と同じ図柄でのリーチの出現頻度を増すことができ、遊技者が大当たりへの期待感を抱く機会が増大する。
【0018】
第3の発明では、変動表示ゲームが開始しないと、前回リーチ図柄は見えないため、その他の表示の邪魔になることはない。
【0019】
第4の発明では、通常の大当たりを発生する場合、前回リーチ図柄が特定の図柄であれば、前回リーチ図柄と同じ図柄でのリーチを禁止するので、例えば一旦特定の図柄の大当たりの組み合わせが現された後、再変動によって通常の図柄の大当たりの組み合わせに戻すといった成り下がりを回避でき、したがって遊技者を不愉快にさせることを回避できる。
【0020】
第5の発明では、リーチパターンが多彩になる。また、特定の図柄のリーチから通常の図柄のリーチに成り下がるのは、遊技者をがっかりさせることになるが、このような成り下がりリーチが発生した場合は、100%大当たりになるので、遊技者に不快感を与えない。
【0021】
第6の発明では、通常の図柄の大当たりが判定された場合、その前に始動記憶があれば、その通常の図柄の大当たりの変動表示ゲームが行われる前に前回リーチ図柄が通常の図柄に切り替えられる。そのため、通常の大当たりを発生する場合、前回リーチ図柄が特定の図柄であったことで前回リーチ図柄と同じ図柄でのリーチの発生無しとなる事態を低減することができ、前回リーチ図柄と同じ図柄でのリーチの発生率を相対的に高められる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
【0023】
図1は遊技機(パチンコ遊技機)の遊技盤1の正面図である。
【0024】
遊技盤1の表面には、ガイドレール2で囲われた遊技領域3のほぼ中央に変動表示装置(画像表示装置)4が、遊技領域3の下方に大入賞口としての特別変動入賞装置5が配設される。
【0025】
変動表示装置4は、例えばLCD(液晶表示装置)、CRT(ブラウン管)等で構成され、複数の識別情報(図柄)を変動表示する変動表示ゲーム等、遊技の進行に基づく画像が表示される。
【0026】
特別変動入賞装置5は、大入賞口ソレノイド6(図2参照)への通電により、球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。
【0027】
特別変動入賞装置5の直ぐ上方には、普通変動入賞装置(普通電動役物)8を有する始動口(始動入賞口)7が、その左右の所定の位置には、普通図柄始動ゲート20が配設される。
【0028】
普通変動入賞装置8は、普通電動役物ソレノイド10(図2参照)への通電により、始動口7への入口を拡開するように変換される。
【0029】
遊技領域3の各所には、N個(図1には4個のみ示す)の一般入賞口11が設けられる。遊技領域3の最下端には、アウト口12が設けられる。
【0030】
図示しない打球発射装置から遊技領域3に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることにより遊技が行われ、打ち出された遊技球は、遊技領域3内の各所に配置された風車等の転動誘導部材13により転動方向を変えられながら遊技領域3表面を流下し、始動口7、一般入賞口11、特別変動入賞装置5に入賞するか、アウト口12から排出される。
【0031】
始動口7への入賞は、特別図柄始動センサ14(図2参照)により検出される。特別変動入賞装置5への入賞は、カウントセンサ15、継続センサ16(図2参照)により検出される。N個の一般入賞口11への入賞は、各一般入賞口11毎に備えられたN個の入賞センサ17A〜17N(図2参照)により検出される。また、普通図柄始動ゲート20への遊技球の通過は、普通図柄始動センサ21(図2参照)により検出される。
【0032】
始動口7への遊技球の入賞は、特別図柄始動記憶(未だ変動表示ゲームを行っていない入賞の記憶)として、例えば最大8回分を限度として記憶され、変動表示装置4の上部に、その特別図柄始動記憶の数を表示する特別図柄記憶表示器18が設けられる。
【0033】
普通図柄始動ゲート20への遊技球の通過は、普通図柄始動記憶として、例えば最大4回分を限度として記憶され、特別変動入賞装置5の右側にその普通図柄始動記憶の数を表示する普通図柄記憶表示器22が、特別変動入賞装置5の左側にLED等からなる普通図柄表示器23が配設される。
【0034】
始動口7、一般入賞口11、特別変動入賞装置5に遊技球が入賞すると、入賞した入賞装置の種類に応じた数の賞球が図示しない払出ユニット(排出装置)から排出され、図示しない供給皿(遊技者に対して賞球または貸球が払い出される皿)に供給される。
【0035】
遊技機の要所には、装飾用ランプ、LED等の装飾発光装置が備えられる。また、遊技機には、音出力装置(スピーカ)が備えられる。
【0036】
図2、図3は、遊技制御装置100を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
【0037】
遊技制御装置100(変動パターン決定手段、変動表示ゲーム制御手段、前回リーチ図柄記憶手段、成り下がりリーチ発生手段、通常リーチ発生手段)は、遊技を統括的に制御する主制御装置であり、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための不変の情報を記憶しているROM、遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAMを内蔵した遊技用マイクロコンピュータ101、入力インターフェース102、出力インターフェース103、発振器104等から構成される。
【0038】
遊技用マイクロコンピュータ101は、入力インターフェース102を介しての各種検出装置(特別図柄始動センサ14、一般入賞口センサ17A〜17N、カウントセンサ15、継続センサ16、普通図柄始動センサ21)からの検出信号を受けて、大当たり抽選等、種々の処理を行う。そして、出力インターフェース103を介して、各種制御装置(演出制御装置150、排出制御装置200)、大入賞口ソレノイド6、普通電動役物ソレノイド10、普通図柄表示器23等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
【0039】
排出制御装置200は、遊技制御装置100からの賞球指令信号または図示しないカード球貸ユニットからの貸球要求に基づいて、払出ユニットの動作を制御し、賞球または貸球の排出を行わせる。
【0040】
演出制御装置150(変動パターン決定手段、変動表示ゲーム制御手段、リーチ図柄表示手段、同一図柄リーチ状態表示制御手段、前回リーチ図柄同一リーチ状態禁止手段、成り下がりリーチ発生手段、通常リーチ発生手段)は、変動表示装置4の表示、ならびに特別図柄記憶表示器18、普通図柄記憶表示器22の表示、装飾用ランプ、LED等の装飾発光装置、スピーカからの効果音出力を制御するもので、CPU151、ROM152、RAM153、インターフェース154、表示装置用のDMAC(ダイレクト・メモリ・アクセス・コントローラ)155、VDC(ビデオ・ディスプレイ・コントローラ)156、画像データ(図柄データ、背景画データ、動画キャラクタデータ等)を格納したフォントROM157、発振器158、γ補正回路159、各表示器、装飾、スピーカ用のインターフェース160等から構成される。
【0041】
CPU151は、遊技制御装置100からの表示指令信号に基づいて、画面情報(図柄表示情報、背景画面情報、動画キャラクタ画面情報等)を作成して、RAM153に記憶する。この画面情報は、VDC156の垂直同期割込のタイミングで、転送指令を受けたDMAC155により、VDC156に転送される。VDC156は、この画像情報に基づき、フォントROM157の該当画像データを取り込み、変動表示装置4の画面に水平走査、垂直走査を行って、所定の画像表示(描画)を行う。
【0042】
フォントROM157には、変動表示ゲームに用いる各識別図柄のデータならびに背景、キャラクタ等の演出表示のデータを格納してある。
【0043】
インターフェース154の手前には、信号伝達方向規制手段であるバッファ回路161が設けられ、遊技制御装置100から演出制御装置150への信号入力のみが許容され、演出制御装置150から遊技制御装置100への信号出力を禁止している
γ補正回路159は、変動表示装置4の信号電圧に対する照度の非線形特性を補正して、変動表示装置4の表示照度を調整するものである。
【0044】
また、CPU151は、遊技制御装置100からの指令信号に基づいて、特別図柄記憶表示器18、普通図柄記憶表示器22の表示を制御すると共に、装飾用ランプ、LED等の装飾発光装置、スピーカからの効果音出力を制御する。
【0045】
次に、遊技の概要について、図4の流れ図にしたがって説明する。なお、変動表示装置4の変動表示ゲームの識別図柄は、例えば左図柄(左領域の図柄)、右図柄(右領域の図柄)、中図柄(中領域の図柄)とする。
【0046】
まず、遊技開始当初(あるいは遊技開始前)の時点では、客待ち状態となっており、客待ち画面の表示を指令する表示指令信号が遊技制御装置100から演出制御装置150に送信され、変動表示装置4の画面には客待ち画面(動画または静止画)が表示される。
【0047】
そして、遊技領域3に打ち出された遊技球が始動口7に入賞すると、その入賞に基づき、遊技制御装置100によって所定の乱数が抽出され、変動表示ゲームの大当たりの抽選が行われると共に、遊技制御装置100から表示制御装置150に変動表示を指令する表示指令信号が送信され、変動表示装置4の画面の左、右、中の変動表示領域に複数の図柄の変動表示が開始される。
【0048】
この変動表示の開始後、所定時間経過すると、変動表示は例えば左図柄、右図柄、中図柄の順に仮停止(例えば、停止位置にて識別図柄を微笑に変動させること等:最終停止態様が確定しない状態である)されていくが、この過程でリーチ状態(例えば、左図柄と右図柄が大当たりの組合せを発生する可能性のある組合せ)が発生すると、所定のリーチ遊技が行われる。このリーチ遊技では、例えば中図柄の変動表示を極低速で行ったり、高速変動したり、所定の停止位置に来る毎に仮停止したり、変動表示を逆転したりする。また、リーチ遊技に合わせた背景表示、キャラクタ表示が行われる。
【0049】
そして、大当たり抽選の結果が大当たりであれば、左、右、中の図柄が大当たりの組合せで停止され、大当たりが確定されると共に、大当たりが通常の大当たり(通常の図柄の大当たりの組合せ:通常の大当たり特別結果態様)かどうか、特定の大当たり(特定の図柄の大当たりの組合せ:特定の大当たり特別結果態様)かどうか、図柄の再変動(再抽選)が選択的に行われて、左、右、中の図柄の変動が最終的に停止され、大当たり遊技が発生される。
【0050】
大当たり遊技が発生すると、特別変動入賞装置5が所定期間にわたって開かれる特別遊技が行われる。この特別遊技は、特別変動入賞装置5への遊技球の所定数(例えば10個)の入賞または所定時間の経過(例えば30秒)を1単位(1ラウンド)として実行され、特別変動入賞装置5内の継続入賞口への入賞(継続センサ16による入賞球の検出)を条件に、規定ラウンド(例えば16ラウンド)繰り返される。また、大当たり遊技が発生すると、大当たりのファンファーレ表示、ラウンド数表示、大当たりの演出表示等、遊技制御装置100から表示制御装置150に大当たり遊技の表示を指令する表示指令信号が送信され、変動表示装置4の画面に大当たり遊技の表示が行われる。
【0051】
この場合、大当たりが特定の大当たりであれば、大当たり遊技後に特定遊技状態が発生され、次回の大当たりの発生確率を高確率(確変状態)にしたり、遊技球の始動口7への入賞に基づく変動表示装置4の変動表示ゲームの変動表示時間の短縮(時短状態)等が行われる。
【0052】
変動表示ゲームが終了したとき(ハズレのとき)にあるいは大当たり遊技が終了したときに、特別図柄始動記憶があれば、その特別図柄始動記憶に基づき、新たな変動表示ゲームが繰り返される。また、この際特別図柄始動記憶がないときは、客待ち状態に戻される。
【0053】
なお、普通図柄始動ゲート20を遊技球が通過すると、その通過または普通図柄始動記憶に基づき、普通図柄に関する乱数が抽出され、乱数が当たりであれば、普通図柄表示器23に当たり表示が行われて、始動口7の普通変動入賞装置8が所定時間にわたって拡開され、始動口7への入賞が容易にされる。
【0054】
次に、遊技制御装置100、演出制御装置150の制御内容を、図5〜図13のフローチャートに基づいて説明する。
【0055】
遊技制御装置100の処理は図5〜図12に示す。
【0056】
図10のタイマ割込処理(実行周期は例えば4ms毎)に示すように、S11にて始動口7に入賞があり、S12にて始動記憶(特別図柄始動記憶)に空き(例えば、8個未満)があると、S13の各種乱数抽出処理、S14のストック変更フラグ処理、S15の始動記憶数更新処理、S16の始動入賞時データ送信処理に入る。
【0057】
S13の各種乱数抽出処理では、図11のように大当たりかどうかを決定する大当たり乱数(特別結果態様乱数)、図柄用乱数(停止図柄乱数)、変動パターン(変動表示ゲーム時間)を選択するための変動パターン乱数、リーチ(ハズレリーチ)を発生するかどうかを選択するリーチ用乱数を抽出して、それぞれ該当する乱数記憶領域に格納する(S21〜S24)。各乱数記憶領域の記憶データは変動表示ゲームを行う毎に順にシフトする。それぞれの乱数は、それぞれ特別結果態様乱数生成手段、停止図柄乱数生成手段、変動パターン乱数生成手段、リーチ用乱数生成手段(それぞれカウンタからなる)の演算によって数値データを逐次更新する。
【0058】
S14のストック変更フラグ処理では、図12のようにS13で抽出した大当たり乱数値が大当たり値かどうか、図柄用乱数値が通常の大当たりの図柄に対応した値かどうかを判定して、通常の大当たりの図柄の大当たりの場合に、所定の割合(例えば、4/5の確率)でストック変更フラグ(通常の図柄でリーチ状態の発生を指示するフラグ)をオンする(S31〜S33)。
【0059】
S15の始動記憶数更新処理では、始動記憶数を更新(+1)する。
【0060】
S16の始動入賞時データ送信処理では、大当たりかどうかのデータならびに始動記憶数データの送信処理を行う。
【0061】
S17では、各種タイマを更新する。各種タイマの更新は、変動時間を計測するためのタイマや図柄停止時間を計測するタイマ等の計時手段だけでなく、大当たり乱数、リーチ用乱数、図柄用乱数等の各種乱数として用いるカウンタ値の更新(例えば+1)を行うカウンタ値更新手段を含む。
【0062】
図5は、変動表示ゲーム処理を示し、電源投入時に初期化処理(S51)を行った後は、S52〜S60の処理に入る。初期化処理では、RAMを初期化すると共に、各種フラグの初期化設定が行われる。さらに、割込処理を実行するタイミングを規定するタイマ割込時間(例えば4ms)をCPUに設定する処理を行う。また、種々のタイマがセットされると共に、演出制御装置150へ初期化コマンドを出力する処理が行われる。また、初期化処理において、後述のストック図柄記憶領域のストック図柄はバックアップするようにしてある。
【0063】
S52では、始動記憶があるかどうかを見て、ある場合、S53の各種乱数判定処理に進む。
【0064】
各種乱数判定処理では、図6のように、S71、S72にて大当たり乱数記憶領域に格納してある最先の大当たり乱数値が大当たり値かどうかを判定する。
【0065】
大当たり乱数値が大当たり値の場合、S73の変動パターン決定処理に進む。
【0066】
変動パターン決定処理では、図7のように、S91にて通常の大当たりでない場合(特定の大当たりの場合)は、S92、S93にて停止図柄(最終停止図柄)に特定の大当たりの図柄(図7の例は確変状態を発生する大当たりの図柄)を設定すると共に、特定大当たり用変動パターン決定テーブル(図7の例は確変状態を発生する大当たり用変動パターン決定テーブル)と、該当する乱数記憶領域に格納してある最先の変動パターン乱数とにより、変動表示ゲームの変動パターン(特定大当たり用変動パターン)を決定する。
【0067】
S91にて通常の大当たりの場合は、S94にてストック図柄(前回リーチ図柄:ストック図柄記憶領域に格納)が特定の大当たりの図柄(図7の例は確変状態を発生する大当たりの図柄)かどうかを見て、特定の大当たりの図柄の場合は、S95、S96に進み、特定の大当たりの図柄でない場合は、S97、S98に進む。
【0068】
S95、S96では、停止図柄(最終停止図柄)に通常の大当たりの図柄を設定すると共に、ストックリーチ無し大当たり用変動パターン決定テーブルと、該当する乱数記憶領域に格納してある最先の変動パターン乱数とにより、変動表示ゲームの変動パターン(ストックリーチ無し大当たり用変動パターン)を決定する。
【0069】
S97、S98では、停止図柄(最終停止図柄)に通常の大当たりの図柄を設定すると共に、通常大当たり用変動パターン決定テーブルと、該当する乱数記憶領域に格納してある最先の変動パターン乱数とにより、変動表示ゲームの変動パターン(通常大当たり用変動パターン)を決定する。
【0070】
特定大当たり用変動パターン決定テーブルは、図14のK欄のように、大当たり確定後、図柄の再変動無しでそのまま停止する変動パターンPを例えば30%の割合で、一旦通常の図柄で大当たり確定後、再変動してストック図柄以外の図柄で停止する変動パターンQを例えば30%の割合で、ストックリーチ(前回リーチ図柄と同一の図柄でのリーチ)を発生するストック変動パターンRを例えば40%の割合で選択するようにしている。
【0071】
ストックリーチ無し大当たり用変動パターン決定テーブルは、図14のL欄のように、大当たり確定後、図柄の再変動無しでそのまま停止する変動パターンPを例えば50%の割合で、一旦通常の図柄で大当たり確定後、再変動してストック図柄以外の図柄で停止する変動パターンQを例えば50%の割合で選択するようにして、ストックリーチ(前回リーチ図柄と同一の図柄でのリーチ)を発生するストック変動パターンRを選択する割合は0%にしている。
【0072】
通常大当たり用変動パターン決定テーブルは、図14のM欄のように、大当たり確定後、図柄の再変動無しでそのまま停止する変動パターンPを例えば30%の割合で、一旦通常の図柄で大当たり確定後、再変動してストック図柄以外の図柄で停止する変動パターンQを例えば30%の割合で、ストックリーチ(前回リーチ図柄と同一の図柄でのリーチ)を発生するストック変動パターンRを例えば40%の割合で選択するようにしている。
【0073】
前記S71、S72にて大当たり乱数値が大当たり値でない場合、S74〜S81に進む。
【0074】
S74では、ストック変更フラグがオンしているかどうかを見て、ストック変更フラグがオンしている場合は、S75、S76にて停止図柄(最終停止図柄)を通常の図柄のハズレリーチ状態に設定して、ストック変更フラグをオフして、S79のハズレリーチ変動パターン決定処理を行う。
【0075】
ストック変更フラグがオンしてない場合は、S77にて該当する乱数記憶領域に格納してある最先のリーチ用乱数によりハズレリーチ発生かどうかを判定して、ハズレリーチ発生の場合は、S78にて停止図柄(最終停止図柄)をハズレリーチ図柄に設定して、S79のハズレリーチ変動パターン決定処理を行い、ハズレリーチ発生でない場合は、S80、S81に進む。
【0076】
S79のハズレリーチ変動パターン決定処理は、図8のようにS111にてハズレリーチ図柄がストック図柄がどうかを判定し、ストック図柄であれば、S112にてストックリーチ変動を所定の割合(例えば、20%)で含ませてあるハズレリーチ変動パターンテーブルを選択し、ストック図柄でなければ、S113にてストックリーチ変動を含まないハズレリーチ変動パターンテーブルを選択する。
【0077】
S114では、選択したハズレリーチ変動パターンテーブルと該当する乱数記憶領域に格納してある最先の変動パターン乱数との比較によりハズレリーチ変動パターンを決定する。
【0078】
この場合、遊技店の営業開始後あるいは大当たり遊技の終了後あるいは大当たり遊技を終了して一定期間が経過した後等に、一定期間、所定の割合でストック図柄のハズレリーチ図柄を選択するようにしても良い。
【0079】
S80、S81では、停止図柄(最終停止図柄)をハズレ図柄(リーチ無し)に設定すると共に、該当する乱数記憶領域に格納してある最先の変動パターン乱数により、変動表示ゲームのハズレ変動パターンを決定する。
【0080】
図5の変動表示ゲーム処理は、この各種乱数判定処理後、S54にて変動開始データ送信処理を、S55にて始動記憶数更新処理を行う。
【0081】
変動開始データ送信処理では、各種乱数判定処理で選定した停止図柄(最終停止図柄)のデータ、変動パターンのデータの送信処理を行う。
【0082】
始動記憶数更新処理では、始動記憶数を更新(−1)する。
【0083】
S56にて変動表示ゲーム時間が経過するのを待ち、経過すると、S57にて変動停止を指令する変動停止データの送信処理を行う。
【0084】
S58、S59にて変動表示ゲームが大当たりの場合、大当たり処理(大当たり遊技の処理)に進む。
【0085】
そして、S60では、ストック図柄記憶処理を行う。
【0086】
ストック図柄記憶処理では、図9のように、S101にて変動表示ゲームがリーチ(あるいは大当たり)を発生するものであったかどうかを判定して、リーチを発生するものであった場合、S102そのリーチ図柄をストック図柄としてストック図柄記憶領域に格納(更新)する。
【0087】
演出制御装置150の処理は図13に示す。
【0088】
図13は、変動実行処理を示し、電源投入時に初期化処理(S151)を行った後は、S152〜S163の処理に入る。初期化処理では、表示画面の初期画面表示、ランプ、LED等の初期化(例えば、全消灯)、音データの初期化(例えば、無音)等の処理が行われる。
【0089】
S152では、遊技制御装置100より変動開始コマンドを受信する。
【0090】
S153では、変動開始コマンドに基づき変動表示ゲームを開始するための開始処理を行う。
【0091】
S154では、変動パターン(変動開始コマンド)に該当する処理に入る。
【0092】
ハズレ変動パターン(図6のS80、S81)のときは、S155に進み、ハズレ変動パターンのゲーム時間、変動表示装置4の図柄をハズレ停止の変動を行うように制御する。
【0093】
ハズレのリーチ変動パターン(図6のS75、S76、S78、S79)のときは、S156に進み、ハズレのリーチ変動パターンのゲーム時間に、変動表示装置4の図柄をリーチ状態にすると共に、リーチハズレ停止の変動を行うように制御する。
【0094】
通常の大当たり(S95、S96、S97、S98)あるいは特定の大当たり(S92、S93)のときは、変動パターンPの場合は、S157に進み、変動パターンPのゲーム時間に、変動表示装置4の図柄をリーチ状態にすると共に、大当たり確定後、図柄の再変動無しで当たり停止する変動を行うように制御する。
【0095】
変動パターンQの場合は、S158に進み、変動パターンQのゲーム時間に、変動表示装置4の図柄をリーチ状態にすると共に、一旦通常の図柄で大当たり確定後、再変動してストック図柄以外の図柄で当たり停止する変動を行うように制御する。
【0096】
変動パターンRの場合は、S159に進み、変動パターンRのゲーム時間に、変動表示装置4の図柄をストックリーチ(前回リーチ図柄と同一の図柄でのリーチ)状態にすると共に、大当たり確定後、選択的に再変動して当たり停止する変動を行うように制御する。
【0097】
S160では、変動表示ゲームの最終停止図柄を仮停止状態に表示するように制御する。
【0098】
S161では、遊技制御装置100より変動停止コマンドを受信する。
【0099】
S162では、変動停止コマンドに基づき停止図柄を停止表示するように制御する。
【0100】
そして、S163では、ストック図柄処理を行う。これは、表示用ストック図柄記憶領域に格納してあるストック図柄を、変動表示ゲーム中、変動表示装置4の所定のストック図柄表示領域に表示するように制御すると共に、変動表示ゲームにおいてリーチを発生した場合に、そのリーチ図柄を新たなストック図柄として表示用ストック図柄記憶領域に格納(更新)する。一方、変動表示ゲーム中以外は、ストック図柄を隠蔽するように制御する。
【0101】
次に、ストック図柄、ストックリーチの表示の例を図15、図16に示し、説明する。
【0102】
ストック図柄は、図15の(A)のように、変動表示ゲームにおいてリーチが発生して、ゲームが終了すると(図は左図柄Aと右図柄Bが同じ「7」の図柄のリーチ後のハズレ状態を示す)、そのリーチ図柄(「7」)がストック図柄Gとして表示用ストック図柄記憶領域に格納(更新)され、図15の(B)のように、次の変動表示ゲームにおいてそのストック図柄G(「7」)が中図柄Cの変動表示領域の下部に設定されたストック図柄表示領域Tに表示される(図は左、右、中の各図柄A、B、Cの変動中を示す)。
【0103】
この場合、ストック図柄表示領域Tは、中図柄Cの変動表示領域の下層に設定され、中図柄Cが停止しているときおよびストック図柄表示領域T上に位置しているときはストック図柄Gが見えないが、変動中、中図柄Cがストック図柄表示領域T上にないときストック図柄Gが現れるようになっている。
【0104】
ストックリーチは、図16の(A)のように、変動表示ゲームにおいて左図柄Aと右図柄Bが異なる図柄で仮停止した後(図は左図柄Aがストック図柄Gと同じ「7」の図柄、右図柄Bがストック図柄Gと異なる「6」の図柄を示す)、図16の(B)のように、右図柄B(「6」)がストック図柄G(「7」)に変えられて、ストック図柄G(「7」)と同じ図柄でリーチが発生され、図16の(C)のように、リーチ遊技が行われる。
【0105】
この場合、左図柄Aと右図柄Bのいずれもストック図柄Gでないときは、左図柄Aと右図柄Bの両方をストック図柄Gに変えようになっている。
【0106】
このような構成により、趣向に富んだ新鮮感のある変動表示ゲームを行える。
【0107】
例えば、変動表示ゲームの図柄を「1」〜「9」、通常の図柄を「1」、「2」、「4」〜「6」、「8」、「9」、特定の図柄を「3」、「7」として、通常の大当たりを発生する場合、ストック図柄Gが通常の図柄「1」、「2」、「4」〜「6」、「8」、「9」であれば、高い確率(例えば40%)でストックリーチが発生される。また、ストック図柄Gが特定の図柄「3」、「7」であれば、ストックリーチは禁止される(確率0%)。
【0108】
また、特定の大当たりを発生する場合は、ストック図柄Gが通常の図柄「1」、「2」、「4」〜「6」、「8」、「9」か、特定の図柄「3」、「7」かに拘わらず、高い確率(例えば40%)でストックリーチが発生される。
【0109】
そのため、遊技者は、前回リーチ図柄と同じストック図柄Gでのストックリーチの発生を期待しつつ、遊技を行うことができる。
【0110】
また、変動表示ゲームが開始すると、ストック図柄Gを確認できる一方、ストック図柄Gは、ほぼリーチが発生する毎に更新される。
【0111】
そのため、変動表示ゲーム毎に、遊技者にストック図柄Gでのストックリーチを発生しないかとのわくわく感を与えられると共に、変化に富む新鮮感のある変動表示ゲームを行える。
【0112】
また、変動表示ゲーム中以外は、ストック図柄Gを隠蔽するため、その他の表示の邪魔にならない。
【0113】
また、通常の大当たりを発生する場合、ストック図柄Gが特定の図柄「3」、「7」であれば、ストックリーチを禁止するので、例えば一旦特定の図柄「3」または「7」の大当たりの組み合わせが現された後、再変動によって通常の図柄「1」、「2」、「4」〜「6」、「8」、「9」の大当たりの組み合わせに戻すといったことを回避できる。特定の図柄の大当たりの組み合わせが現された後、通常の図柄の大当たりの組み合わせに戻されたのでは、つまり成り下がったのでは、遊技者を不愉快にさせるが、このようにすることで、解消する。
【0114】
また、始動口7への入賞を始動記憶(特別図柄始動記憶)として記憶すると共に、そのときに抽出した大当たり乱数値、図柄用乱数値が通常の図柄の大当たりの場合に、所定の割合(例えば、4/5の確率)でストック変更フラグがオンされる。このストック変更フラグがオンされると、その前の始動記憶に基づく変動表示ゲームにおいて通常の図柄でリーチが発生される。
【0115】
即ち、通常の図柄の大当たりが判定された場合、その前に始動記憶があれば、その通常の図柄の大当たりの変動表示ゲームが行われる前にストック図柄Gが通常の図柄に切り替えられる。そのため、通常の大当たりを発生する場合、ストック図柄Gが特定の図柄であったことでストックリーチ無しとなる事態を低減することができ、ストックリーチの発生率を相対的に高められる。
【0116】
一方、大当たり乱数値がハズレで、ハズレリーチ発生の場合は(ストック変更フラグはオフ状態とする)、ストック図柄G以外の図柄でリーチを発生するようにしているが、この場合所定の遊技条件等の成立によって所定の割合でストックリーチを発生するようにしてその出現頻度を増すようにすれば、遊技者が大当たりへの期待感を抱く機会が増大する。
【0117】
また、遊技店の営業開始後あるいは大当たり遊技の終了後あるいは大当たり遊技を終了して一定期間が経過した後等に、一定期間、所定の割合でストックリーチを発生するようにすれば、遊技者は大当たりへの期待感を一層高めつつ遊技を行える。
【0118】
図17、図18は本発明の別の実施の形態を示す。これは、通常の大当たりを発生する場合、ストック図柄が特定の図柄のときは、ストックリーチを禁止する代わりに、ストックリーチを一旦発生させ、その後、通常の図柄のリーチ(成り下がりリーチと称する)を発生させるようにしたものである。
【0119】
図17は遊技制御装置100による変動パターン決定処理を示し、通常の大当たり(S91)で、ストック図柄が特定の大当たりの図柄(図の例は確変状態を発生する大当たりの図柄)の場合(S94)、S95、S96において、停止図柄(最終停止図柄)に通常の大当たりの図柄を設定すると共に、成り下がりリーチを選択するストック成り下がりリーチ大当たり用変動パターン決定テーブルと、該当する乱数記憶領域に格納してある最先の変動パターン乱数とにより、変動表示ゲームの変動パターン(ストック成り下がりリーチ大当たり用変動パターン)を決定する。
【0120】
ストック成り下がりリーチ大当たり用変動パターン決定テーブルは、図19のL欄のように、大当たり確定後、図柄の再変動無しでそのまま停止する変動パターンPを例えば50%の割合で、一旦通常の図柄で大当たり確定後、再変動してストック図柄以外の図柄で停止する変動パターンQを例えば20%の割合で、成り下がりリーチ(ストックリーチ後)を発生する成り下がりリーチ変動パターンRSを例えば30%の割合で選択するようにしている。
【0121】
図18は演出制御装置150による変動実行処理を示し、前記成り下がりリーチ変動パターンRSの場合は、S159において成り下がりリーチ変動パターンRSのゲーム時間に、変動表示装置4の図柄を一旦ストックリーチ状態に、その後、通常の図柄のリーチ状態(成り下がりリーチ)にすると共に、大当たり確定後、選択的に再変動して当たり停止する変動を行うように制御する。
【0122】
この成り下がりリーチの表示の例を図20に示す。
【0123】
成り下がりリーチの前のストックリーチは、図20の(A)のように、変動表示ゲームにおいて左図柄Aと右図柄Bが異なる図柄で仮停止した後(図は左図柄Aがストック図柄Gと同じ特定の図柄「7」、右図柄Bがストック図柄Gと異なる通常の図柄「6」を示す)、図20の(B)のように、右図柄B(通常の図柄「6」)がストック図柄G(特定の図柄「7」)に変えられて、ストック図柄G(特定の図柄「7」)と同じ図柄(特定の図柄「7」)でリーチが発生される。
【0124】
そして、図20の(C)のように、一旦リーチ変動が行われ、その後、図20の(D)のように、リーチ図柄(特定の図柄「7」)が通常の図柄(図は通常の図柄「8」を示す:変動パターン決定処理のS95にて設定)に切り替えられて、再びリーチ変動が行われる。
【0125】
このようにすれば、リーチパターンが多彩になる。また、特定の図柄のリーチから通常の図柄のリーチに成り下がるのは、遊技者をがっかりさせることになるが、このような成り下がりリーチが発生した場合は、100%大当たりになるので、遊技者に不快感を与えない。
【0126】
なお、実施の形態では、遊技機としてパチンコ遊技機に適用した例を示したが、その他の遊技機、例えばパチスロ、アレンジボール等の遊技機にも適用できる。
【0127】
また、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における遊技機の遊技盤を示す正面図である。
【図2】制御系のブロック構成図である。
【図3】制御系のブロック構成図である。
【図4】遊技の流れを示す説明図である。
【図5】制御内容を示すフローチャートである。
【図6】制御内容を示すフローチャートである。
【図7】制御内容を示すフローチャートである。
【図8】制御内容を示すフローチャートである。
【図9】制御内容を示すフローチャートである。
【図10】制御内容を示すフローチャートである。
【図11】制御内容を示すフローチャートである。
【図12】制御内容を示すフローチャートである。
【図13】制御内容を示すフローチャートである。
【図14】変動パターン決定テーブルの例を示す表図である。
【図15】ストック図柄の表示例を示す図である。
【図16】ストックリーチの表示例を示す図である。
【図17】本発明の別の実施の形態の制御内容を示すフローチャートである。
【図18】本発明の別の実施の形態の制御内容を示すフローチャートである。
【図19】変動パターン決定テーブルの例を示す表図である。
【図20】ストックリーチ、成り下がりリーチの表示例を示す図である。
【符号の説明】
1 遊技盤
4 変動表示装置
5 特別変動入賞装置
7 始動口
14 特別図柄始動センサ
18 特別図柄記憶表示器
100 遊技制御装置
150 演出制御装置
Claims (7)
- 表示内容が変化可能な表示領域を備える表示装置と、始動条件の成立に基づき前記表示装置の表示領域に複数の識別図柄を変動表示させる変動表示ゲームを制御すると共に、変動表示ゲームの表示結果が特別結果態様であった場合に、特定の遊技価値を付与可能な制御手段と、を備える遊技機において、
前記制御手段は、
始動条件の成立に基づいて、変動表示ゲームの変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、
前記変動パターン決定手段の決定に基づき変動表示ゲームの表示態様を制御する変動表示ゲーム制御手段と、
前回のリーチ状態を構成した前回リーチ図柄を記憶する前回リーチ図柄記憶手段と、
前記前回リーチ図柄記憶手段に記憶されている前回リーチ図柄を前記表示装置の前回リーチ図柄表示領域に表示する前回リーチ図柄表示手段と、
を備え、
前記変動表示ゲーム制御手段は、
変動表示ゲームにおいて特別結果態様を表示することが決定された場合に、前記前回リーチ図柄記憶手段により記憶されている前回リーチ図柄と同一の図柄でリーチ状態を発生させる同一図柄リーチ状態表示制御手段を備えることを特徴とする遊技機。 - 前記同一図柄リーチ状態表示制御手段は、
変動表示ゲームにおいて特別結果態様を表示しないことが決定された場合であっても、前記前回リーチ図柄と同一の図柄でリーチ状態を発生させることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。 - 前記変動表示ゲーム制御手段は、
変動表示ゲーム中以外は停止表示する図柄で前記前回リーチ図柄表示領域に表示される前回リーチ図柄を隠蔽することを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。 - 前記特別結果態様は、
所定の遊技価値を付与可能な通常の大当たり特別結果態様と、通常の大当たり特別結果態様が発生された場合よりも有利な遊技状態を発生可能な特定の大当たり特別結果態様と、を含み、
前記変動表示ゲーム制御手段は、
通常の大当たり特別結果態様を表示することが決定された場合に、前回リーチ図柄が特定の大当たり特別結果態様の対象図柄であった場合には、前回リーチ図柄と同一の図柄でリーチ状態が発生することを禁止する前回リーチ図柄同一リーチ状態禁止手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の遊技機。 - 前記特別結果態様は、
所定の遊技価値を付与可能な通常の大当たり特別結果態様と、通常の大当たり特別結果態様が発生された場合よりも有利な遊技状態を発生可能な特定の大当たり特別結果態様と、を含み、
前記変動表示ゲーム制御手段は、
通常の大当たり特別結果態様を表示することが決定された場合に、前回リーチ図柄が特定の大当たり特別結果態様の対象図柄であった場合には、前回リーチ図柄と同一の図柄でリーチ状態を発生させると共に、前回リーチ図柄でのリーチ状態から通常の大当たり特別結果態様の対象図柄でのリーチ状態に成り下がる成り下がりリーチ発生手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の遊技機。 - 前記制御手段は、
始動条件の成立を始動記憶として所定数まで記憶可能であり、前記始動記憶を基に変動表示ゲームを行うと共に、前記始動条件が成立した際に所定の特別結果態様を発生するかどうかならびに特別結果態様の図柄の判定を行う一方、通常の大当たり特別結果態様発生の判定結果があった場合、その前の始動記憶に基づく変動表示ゲームにおいて通常の大当たり特別結果態様の対象図柄でリーチ状態を発生させる通常リーチ発生手段を備えることを特徴とする請求項4または5に記載の遊技機。 - 前記制御手段は、
変動表示ゲームの表示結果である停止図柄を決定するための乱数を演算により値を逐次更新することで生成する停止図柄乱数生成手段と、
変動表示ゲームの表示結果が特別結果態様であるか否かを決定するための乱数を演算により値を逐次更新することで生成する特別結果態様乱数生成手段と、
変動表示ゲームがリーチ状態を発生するか否かを決定するための乱数を演算により値を逐次更新することで生成するリーチ乱数生成手段と、
変動表示ゲームの変動パターンを決定するための乱数を演算により値を逐次更新することで生成する変動パターン乱数生成手段と、
前記始動条件が成立した際に前記特別結果態様乱数生成手段により更新されている特別結果態様数値データと、前記停止図柄乱数生成手段により更新されている停止図柄数値データと、前記リーチ乱数生成手段により更新されているリーチ数値データと、前記変動パターン乱数生成手段により更新されている変動パターン数値データと、を抽出する乱数値抽出手段と、
を備え、
前記同一図柄リーチ状態表示制御手段は、
前記乱数値抽出手段により抽出された、特別結果態様数値データと停止図柄数値データ、あるいは特別結果態様数値データと停止図柄数値データとリーチ数値データの判定に基づき、変動パターンを決定するための変動パターン決定テーブルを選択し、選択された変動パターン決定テーブルと前記乱数値抽出手段によって抽出された変動パターン数値データに基づき、前回リーチ図柄と同一の図柄でリーチ状態を発生させるか否かを決定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の遊技機。
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