以下、図面を参照しながら、本発明に係る弾球遊技機の好ましい実施形態について詳細に説明する。先ず図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の構成の概要について説明する。図1は本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す正面側の斜視図を、図2は本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技盤の構成を例示した図である。
<1.構成の概要:図1、図2>
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1は、木製の外枠4の前面に額縁状の前面枠2を開閉可能に取り付け、前面枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前面枠2の開口部に臨ませた構成を有する。上記遊技領域3aは、遊技盤3の面上に配設した球誘導レール5(図2参照)で囲まれた領域からなる。この遊技領域3aの前側に、透明ガラスを支持したガラス扉枠6が設けられている。
またパチンコ遊技機1は、ガラス扉枠6の下側に配設された前面操作パネル7を有している。前面操作パネル7には上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。前面操作パネル7には、球貸しボタン11およびプリペイドカード排出ボタン12(カード返却ボタン12)が設けられている。また、上受け皿9の上皿表面部分には、内蔵ランプが点灯されて操作可能となり、その内蔵ランプ点灯時に押下することにより演出効果を変化させることができる押しボタン式の枠演出ボタン13が設けられている。この上受け皿9には、上受け皿9に貯留された遊技球をパチンコ遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14が設けられている。
また、前面操作パネル7の右端部側には、発射ユニットを作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。また、前面枠2の上部の両側、発射操作ハンドル15の上側には、効果音を発生するスピーカ46が設けられている。またさらに、ガラス扉枠6の各所には、光の装飾により演出効果を現出する装飾ランプ45が設けられている。
次に、遊技盤3の遊技領域3aについて説明する。図2に示すように、遊技盤3の略中央部には、3つ(左、中、右)の表示エリアにおいて、独立して数字やキャラクタや記号などによる図柄(装飾図柄)の変動表示が可能である画像表示装置としての液晶表示装置36(LCD:Liquid Crystal Display)が配設されている。この液晶表示装置36の真下には、第1の特別図柄始動口である上始動口34と、第2の特別図柄始動口である下始動口35とが上下に配設され、それぞれの内部には、入賞球を検出する特別図柄始動口センサ34a、35a(図3参照)が設けられている。下始動口35には、左右一対の可動翼片47が下始動口35を開閉可能に設けられ、いわゆるチューリップ型の電動役物(普通変動入賞装置41)を構成している。
上始動口34より上左側には、ゲートからなる普通図柄始動口37が配設されており、この普通図柄始動口37には通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が配設されている。
上記下始動口35の下方には、大入賞口40を開放扉42bで開閉可能に構成した特別変動入賞装置42が配設され、その内部には、入賞球を検出する大入賞口センサ40a(図3参照)が配設されている。
特別変動入賞装置42の両側に一般入賞口43が計4つ配設されており、それぞれ内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ43a(図3参照)が形成されている。
上記した上始動口34、下始動口35、普通図柄始動口37、および一般入賞口43は、遊技球が流下する遊技領域内に配置された入賞手段であり、また、それぞれに設けられた特別図柄始動口センサ34a、35a、普通図柄始動口センサ37a、一般入賞口センサ43aは、上記入賞手段へ入球した遊技球を検出する入賞検出スイッチである。これらの入賞検出スイッチは、フォトスイッチや近接スイッチなどの無接点スイッチや、マイクロスイッチなどの有接点スイッチで構成することができる。
また、遊技領域3aの右上縁付近には、7セグメント表示器(ドット付)を上始動口34と下始動口35に対応させて2つ横に並べて構成される特別図柄表示装置38と、2個のLEDを二つ横に配置してなる普通図柄表示装置39が設けられている。さらに、遊技領域3aには、センター飾り48、遊技球の落下方向変換部材としての風車44や複数の遊技釘(図示せず)、複数の発光装置(ランプ、LEDなど:図示せず)などが配設されている。さらに遊技盤3の両側端部近傍にも、装飾ランプ45などのランプ表示装置やLED装置が配設されている。
遊技球が上始動口34または下始動口35に入賞したことに基づき、主制御部20(図3参照)において抽選で乱数が取得され、その乱数値に基づき大当りに関する抽選(大当り抽選と図柄抽選)が行なわれる。この抽選結果に応じて特別図柄を特別図柄表示装置38に変動表示させて、特別図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置38に表示するようになっている。このとき、上記特別図柄変動表示ゲームに連動する形態で、装飾図柄を液晶表示装置36に変動表示させて、装飾図柄変動表示ゲームを開始し、上記一定時間経過後に、特別図柄表示装置38に抽選結果が表示されると共に、液晶表示装置36にも装飾図柄によりその結果が表示される。
本実施形態では液晶表示装置36により画像表示装置を構成しているが、これに限らず、画像表示装置として、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)、電子ペーパディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic ElectroLuminescent Display)などで構成しても良い。この液晶表示装置36は、後述する演出制御部24(図3参照)の制御の下で、種々の演出を画像で表示させる。すなわち、上記特別図柄変動表示ゲームでの抽選結果を反映させた演出、つまり装飾図柄を変動表示させて上記装飾図柄変動表示ゲームを現出し、これに付随して種々の予告演出(たとえば、連続予告演出やリーチ演出や背景演出など)を現出させる。
したがって、特別図柄表示装置38での特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」であった場合、この液晶表示装置36の装飾図柄変動表示ゲームの結果も「大当り」を反映させた演出が現出される。また、特別図柄表示装置38には、大当りを示す特別図柄が所定の表示態様(たとえば、2個の7セグメント表示器が全て「7」の表示状態)で停止表示され、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、当り有効ライン上で装飾図柄が上記大当り抽選結果を反映させた所定の表示態様(たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示状態)で停止表示される。
そして、この大当りとなった場合には、特別変動入賞装置ソレノイド42a(図3参照)が作動して開放扉42bが開き、これにより大入賞口40が所定パターンで開閉制御されて、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態としての大当り遊技が発生する。この大当り遊技では、開放扉42bが所定時間(たとえば、29秒)開放して大入賞口40が開放されるか、または所定個数(たとえば、9個)の遊技球が入賞するまで大入賞口40が開放され、その後、所定時間(たとえば、2秒)開放扉42bが閉まって大入賞口40を閉鎖する、といった動作(ラウンド遊技)が所定回数(たとえば、最大15回(最大15R(ラウンド))繰り返されるようになっている。
上記大当り遊技は、上記図柄変動表示ゲームにて大当りを示す図柄が確定表示されてから開始される。大当りが開始すると、最初に大当り開始ファンファーレによるオープニング演出が行われ、オープニング演出が終了した後、大入賞口40が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。また、ラウンド遊技中では、対応するラウンド演出が行われる。そして、規定ラウンド数終了後には、大当り終了ファンファーレによるエンディング演出が行われ、大当りが終了する。
また、遊技球がゲートの普通図柄始動口37を通過したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による補助当りに関する抽選(補助当り抽選)が行なわれる。この抽選結果に応じて2個のLED39により表現される普通図柄を普通図柄表示装置39に変動表示させて、普通図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果をLED39の点灯と非点灯の組合せまたは双方点灯の組合せにて停止表示するようになっている。普通図柄表示装置39での普通図柄変動表示ゲームの結果が「補助当り」であった場合、普通図柄表示装置39の表示部を所定パターン(たとえば、2個のLED39が双方共に点灯状態)にて停止表示させる。
そして補助当りとなった場合には、左右の可動翼片47を駆動させるための普通変動入賞装置ソレノイド41a(図3参照)が作動し、上記可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35が開放または拡大されて遊技球が流入し易い状態となり、遊技者に有利な補助遊技状態(以下、「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47が、所定時間(たとえば、0.2秒)開放して下始動口35が開放されるか、または所定個数(たとえば、5個)の遊技球が普通変動入賞装置41(下始動口35)に入賞するまで下始動口35が開放され、その後、所定時間(たとえば、0.5秒)可動翼片47が閉まって下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、1回)繰り返されるようになっている。
また、上記普電開放遊技中に遊技球が下始動口35に入賞した場合にも、同様に上記特別図柄変動表示ゲームが行なわれ、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが行なわれる。各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。
なお、上記特別図柄変動表示ゲームまたは上記普通図柄変動表示ゲームを行う最中に、さらに特別図柄始動口センサ34a、35aまたは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力があり、始動条件が成立した場合には、この検出信号に基づいて大当り判定用乱数や転落判定用乱数などの遊技情報を取得し、これを保留データとして、あらかじめ定めた最大保留記憶個数まで始動条件の成立順に保留記憶する。そして、この保留記憶個数を遊技者に明らかにするため、パチンコ遊技機1の適所に設けた保留表示器、または液晶表示装置36による画面中にアイコン画像として設けた保留表示器を点灯表示させる。通常は、この保留記憶の発生順に、各保留記憶に対する変動表示ゲームが実行制御される。本実施形態では、上記最大保留記憶個数と同数の4個を上限の所定個数として扱い、特別図柄、普通図柄に関する保留記憶をそれぞれ4個まで主制御部20のRAM203(図3参照)に記憶し、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留する。
(1−1.内部遊技状態)
本実施形態のパチンコ遊技機1には、内部的な遊技状態(主制御部20側で管理される遊技状態:内部遊技状態)として、通常遊技状態、確変状態、潜伏確変状態、時短状態という四種類の遊技状態が設けられている。先ず、本発明の理解を容易なものとするために、種々の遊技状態の発生に関連する機能(手段)について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御基板20(主制御CPU201:図3参照)がその機能部を担う、確率変動(以下、「確変」と称する)機能を備えている。これには特別図柄に係る確変機能(以下「特別図柄確変機能」と称する)と普通図柄に係る確変機能(以下「普通図柄確変機能」称する)の二種類がある。
特別図柄確変機能は、大当りの抽選確率を所定確率の低確率(たとえば、399分の1)から高確率(たとえば39.9分の1)に変動させて大当り確率変動状態(以下、「大当り確変状態」と称する)を発生させる機能である。この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態、つまり大当り確変状態下では、大当り抽選確率が高確率である高確率状態に変動して、大当りが生起され易くなる。したがって、遊技者が期待する遊技状態は、特別図柄確変機能が作動中の遊技状態であるといえる。
普通図柄確変機能は、補助当り抽選確率を低確率である通常確率(たとえば、256分の1)から高確率(たとえば、256分の255)に変動させて補助当り確変状態を発生させる機能である。普通図柄確変機能が作動中の遊技状態(補助当り確変状態)下では、補助当り抽選確率が高確率に変動して補助当りが生起され易くなるため、普電開放遊技が頻繁に発生するようになり、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記普通図柄確変機能の作動契機は後述の特別図柄時短機能の作動契機と同期し、その終了契機も特別図柄時短機能の終了契機と同期する形態となっている。
さらにまた、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御CPU271がその機能部を担う、変動時間短縮(以下、「時短」と称する)機能を備えている。これには特別図柄に係る時短機能(以下、「特別図柄時短機能(特図時短機能)」と称する)と普通図柄に係る時短機能(以下、「普通図柄時短機能(普図時短機能)」と称する)の二種類がある。
特別図柄時短機能は、特別図柄変動表示ゲームにおける特別図柄の変動時間を短縮した特別図柄時短状態を発生させる機能である。特別図柄時短機能が作動中の遊技状態下では、1回の特別図柄変動表示ゲームの時間つまり特別図柄の変動時間(特別図柄が変動を開始してから確定表示される迄の時間)が、平均時間もしくはリーチなしハズレ変動において、たとえば30秒(特別図柄時短機能が未作動中のとき)から5秒(特別図柄時短機能が作動中のとき)に短縮される。つまり通常遊技状態よりも特別図柄の平均変動時間が短縮されて、通常遊技状態よりも単位時間当りの大当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。
普通図柄時短機能は、普通図柄変動表示ゲームにおける普通図柄の変動時間を短縮した普通図柄時短状態を発生させる機能である。普通図柄時短機能が作動中の遊技状態下では、1回の普通図柄変動表示ゲームの時間(普通図柄が変動を開始してから確定表示されるまでの時間)が、たとえば、10秒(普通図柄時短機能が未作動中のとき)から1秒(普通図柄時短機能が作動中のとき)に短縮され、通常遊技状態よりも単位時間当りの補助当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記普通図柄時短機能の作動契機は上記特別図柄時短機能の作動契機と同期し、その終了契機も、特別図柄時短機能の終了契機と同期する形態となっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う、開放延長機能を備えている。
開放延長機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47を開動作させる期間およびその開放回数を延長した開放延長状態を発生させる機能である。開放延長機能が作動中の遊技状態(大当り確変状態および大当り後の特別図柄変動100回)下では、可動翼片47の開動作期間がたとえば0.2秒から1.7秒に延長され、また開閉回数が、たとえば1回(開放延長機能が未作動中のとき)から2回(開放延長機能が作動中のとき)に延長され、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記開放延長機能の作動契機は上記特別図柄時短機能の作動契機と同期し、その終了契機も、特別図柄時短機能の終了契機と同期する形態となっている。これにより、開放延長機能が作動中の遊技状態下では、普通図柄確変機能および普通図柄時短機能も作動中となるため、可動翼片47の作動率が著しく向上した遊技状態が発生する。
上述した各機能を1または複数種類作動させることにより遊技状態に変化をもたらすことができる。ここで本実施形態では、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能の作動契機は、特別図柄時短機能の作動契機と同期するようになっている。以下では、説明の便宜上、特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動する遊技状態を「確変状態(確変中)」と称し、これらの機能のうちから特別図柄確変機能を除去した遊技状態を「時短状態(時短中)」と称し、特別図柄確変機能のみが作動する遊技状態を「潜伏確変状態(潜確中または潜伏確変中)」と称し、いずれの機能も作動中でない状態を「通常遊技状態(通常状態または通常状態中)」と称する。
(1−2.高ベース遊技状態)
本実施形態では上記の普通図柄に関する機能、すなわち普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能は、特別図柄時短機能の作動契機と同期する形態となっているため、3つの機能が同じ契機にて動作することになる。しかし、上記の普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能を個々に着目した場合、これらの機能のうち少なくともいずれか1つが作動すると、上記の可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となり下始動口35への入賞頻度が高くなることから、遊技状態としては、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高くなる「高ベース遊技状態(始動条件向上状態)」に移行することになる。なお、ここでいう「高ベース遊技状態」とは、上記のように普通図柄に関する機能が作動する場合の遊技状態をいい、特別図柄に関する機能、すなわち特別図柄確変機能および特別図柄時短機能の少なくともいずれか1つが作動する場合の遊技状態とは異なる。
特別図柄に関する機能を個々に着目した場合、上記特別図柄確変機能が作動する場合には通常遊技状態よりも大当りが生起し易くなる、つまり大当り抽選の当選確率が通常遊技状態より高くなる「高確率遊技状態」となり、上記特別図柄時短機能が作動する場合(大当り確変状態に突入した場合)には特別図柄変動表示ゲームの消化時間が通常遊技状態よりも速まる「特別図柄時短遊技状態」となる。この点において、特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高くなる「高ベース遊技状態」とは区別される。
本実施形態では上記「高ベース遊技状態」の一例として、可動翼片47の作動率が著しく向上する開放延長機能が付与された遊技状態を「高ベース遊技状態」として扱う。普通変動入賞装置41の可動翼片47は、開放延長機能が付与されている「高ベース遊技状態」下では、開放延長機能が付与されていない状態(本実施形態では、潜伏確変状態、または通常遊技状態に相当)に比較して、遊技者にとって有利な高ベース遊技状態の動作をすることになる。
(1−3.大当りの種別)
次に、主制御部側で管理される大当りの種別について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記の特別図柄変動表示ゲームで抽選される大当りの種別として、確変大当りの「15R確変大当り」が一種類のみ設けられている。そして、この大当り終了後に転落抽選付の確変状態に突入する。転落抽選にハズレ続け、100回転以内に大当りできないときは、開放延長機能の付加(いわゆる電チューサポート)が無くなるが、確変状態は継続する。具体的には、開放延長機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、および普通図柄時短機能の付加が無くなり、潜伏確変状態に移行する。
15R確変大当りでは、遊技者に有利な利益状態(当り遊技)の供与として、1回のラウンド遊技中の大入賞口40の開放時間が30秒に設定され、そのラウンド遊技数(大入賞口40の開放回数)が最大規定回数の15ラウンド行われる。
また大当り遊技終了後には、その大当りに応じた特別遊技状態(特典遊技状態)が発生するようになっている。具体的には、大当り遊技の終了後、遊技機は高確率状態でかつ開放延長機能が付いた「確変状態」に突入し、その後は、転落抽選に当選しない限り「確変状態」が継続する。ただし、この確変状態は、特別図柄変動表示ゲーム回数が所定回数(ここでは100回)に達することで終了し、その後は潜伏確変状態に突入するが、上記100回の確変状態中に転落抽選に当選した場合には、大当りの抽選確率が所定確率の低確率である低確率状態に転落し、遊技状態が「時短状態」に移行する。そして、上記100回の確変状態中に「15R確変大当り」に当選した場合、大入賞口40の開放が15ラウンド行われた後、再び確変状態に突入する。したがって開放延長機能が付与されている上記100回の高ベース遊技状態中(確変状態中または時短状態中)に「15R確変大当り」に当選し続ける限り、次回もまた高ベース遊技状態下で15R確変大当り引く可能性を獲得できることになる。
また上述した大当りの他「小当り」を設けてある。この「小当り」では、大入賞口40の開閉時間を短く設定された大入賞口40の開閉が複数回(たとえば、2回)行われる当り状態(小当り遊技)を付与するものとなっている。
この小当り遊技終了後には、当該小当りの当選時の遊技状態がそのまま継続されるようになっており、この点において、上記の特典遊技状態の発生する大当りとはその性質を異にする。たとえば、通常遊技状態中に「小当り」に当選した場合、その小当り遊技終了後の遊技状態は、小当り当選時の遊技状態である通常遊技状態となる。以下、特に必要がない限り、上記小当りについては他の大当りと区別することなく大当りの種別の一つとして同列に扱うことにする。
上記のいずれかの大当りに当選した場合、特別図柄表示装置38における特別図柄に関しては、そのまま抽選結果が反映した特別図柄が表示される。つまり特別図柄表示装置38には、確変大当りを報知する特別図柄またはハズレを報知する特別図柄もしくは小当りを報知する特別図柄が表示される。一方、液晶表示装置36には、装飾図柄と称される別の図柄を用いて特別図柄変動表示ゲームに対応する図柄ゲームが表示される。
(1−4.演出モード)
次に、演出モード、具体的には、演出制御部24側の遊技状態(演出状態)について説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1には、報知すべき現在の遊技状態に関連した演出の演出モードとして、遊技状態が通常状態または潜伏確変状態であることを報知する「通常演出モード」と、開放延長機能付きの高ベース状態(確変状態または時短状態)であることを報知する「高ベース状態演出モード」とが設けられている。通常演出モードは、基本的には通常状態または潜伏確変状態のときに両者を区別することなく開放延長機能が付与されていないことを報知するものであり、遊技者は通常状態または潜伏確変状態のいずれの状態にいるのかを判別することが困難または不可能とする演出モードとなっている。また高ベース状態演出モードは、高確率状態または時短状態のときに両者を区別することなく開放延長機能付きであることを報知するものであり、遊技者は高確率状態または時短状態のいずれの状態にいるのかを判別することが困難または不可能とする演出モードとなっている。このような演出モードを採用することにより、現在の遊技状態が如何なる遊技状態下であるかが秘匿され、遊技者は現在の遊技状態を推測しながら遊技に興じることができるので、遊技状態を明確に把握できる演出モードを採用した場合よりも遊技に対する面白みを増すことができる。
<2.制御装置:図3>
図3は、上記のような遊技の進行状況に応じた遊技機制御を行う制御装置の概要を示した制御ブロック図である。
この制御装置は、遊技動作全般の制御を司る主制御部20と、主制御部20から演出制御コマンドを受けて、画像と光と音についての演出制御とを行う演出制御部24とを中心に構成される。そして、演出制御部24には、画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。なお本明細書において、演出装置といった場合、液晶表示装置36やランプやLEDや音響発生装置、可動体など、画像や光や音、可動体の動作態様によって演出を行う装置を広く指す。
また、主制御部20には、主制御部20からの各種情報を遊技機外部に出力するための各外部端子を備えた外部集中端子基板21が接続されている。さらまた、主制御部20には払出制御基板29が接続され、これに発射装置32を制御する発射制御基板28および遊技球払出装置19が接続されている。符号31は電源基板であり、電源基板31は外部電源(図示せず)に接続され、変圧トランスから供給される交流電圧(AC24V:メイン電源)から所要の電源を生成し、各制御基板にそれぞれ供給する。なお、図3には電源供給ルートは省略してある。
(2−1.主制御部20)
主制御部20は、主制御CPU201を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データなどを格納した主制御ROM202と、ワークエリアが形成される主制御RAM203を搭載して、1チップマイクロコンピュータを構成している。また図示はしていないが、一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能などを有するCTC(Counter Timer Circuit)やCPUに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路が設けられている。
また主制御部20には、上始動口34への入賞を検出する特別図柄始動口センサ34aと、下始動口35への入賞を検出する特別図柄始動口センサ35aと、普通図柄始動口37の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aと、大入賞口40への入賞を検出する大入賞口センサ40aとが接続され、主制御部20はこれらの各検出信号を受信可能となっている。
また主制御部20には、特別図柄表示装置38、普通図柄表示装置39、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通変動入賞装置ソレノイド41a、および、大入賞口40の幅広な開放扉42bを開閉制御するための特別変動入賞装置ソレノイド42aが接続され、主制御部20は各装置を制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20は、遊技者に有利な特別遊技状態である大当り遊技を発生させる「大当り」、またはこの大当り遊技を発生させない「ハズレ」のいずれであったかに関し、大当り抽選をするとともに、その抽選結果である当否情報に応じて特別図柄の変動パターンや停止図柄を決定し、少なくともこの抽選結果と変動パターンとを含む演出制御コマンドや、決定された特別図柄の停止図柄に基づく特別図柄指定コマンドを作成して演出制御部24に送信する構成となっている。
主制御部20からの演出制御コマンドは、一方向通信により演出制御部24に送信される。これは、外部からのゴト行為による不正な信号が演出制御部24を介して主制御部20に入力されることを防止するためである。
(2−2.演出制御部24)
演出制御部24は、演出制御CPU241を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、演出制御手順を記述した制御プログラムや演出データなどを格納した演出制御ROM242と、ワークエリアが形成される演出制御RAM243と、を搭載している。また図示はしていないが、音源IC、CTC、および割り込みコントローラ回路などが設けられている。この演出制御部24の主な役割は、主制御部20からの演出制御コマンドの受信、演出パターンの抽選、液晶表示装置36の制御、スピーカ46の音制御、枠ランプ・LEDの発光制御、可動体の可動制御、各種エラーの報知などである。
演出制御部24は、光と音についての演出処理を行うため、装飾ランプ45やLEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部と、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部とを備えている。
また、演出制御部24は、演出制御コマンドを受けて、変動パターンに対応する演出パターンを抽選し、液晶表示装置36の画面に映像で演出表示をさせる。
また、演出制御部24には、演出介入操作手段となる枠演出ボタン13が接続されている。この枠演出ボタン13は遊技者が操作可能な押しボタンからなり、特別演出モードの停止ボタンチャンスゲームに遊技者が参加する場合などにおいて遊技者により操作される。
また演出制御部24は、液晶表示装置36の表示制御を行うために必要な制御データを生成してVDPに出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの動作手順を記述したプログラムを内蔵する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMとを有している。
また、演出制御部24には、液晶制御CPUに接続されて画像展開処理を行う映像表示プロセッサVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開する必要な画像データを格納した画像データROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAMなども設けられている。
遊技状態に関する情報は、まず、大当り抽選の結果(大当りかハズレかの別)に基づく特別図柄変動パターン、現在の遊技状態、作動保留球数(保留記憶個数)、抽選結果に基づき停止させる装飾図柄などに必要となる基本情報が、演出制御コマンドにより主制御部20から演出制御部24へと送信される。
演出制御部24側では、主制御部20から送られてくる演出制御コマンドにより指示された演出シナリオに対応する演出パターンが、あらかじめ用意された多数の演出パターンの中から抽選により決定され、この決定された演出パターンを実行指示する制御信号が、演出制御部24から液晶表示装置36、音響発生装置46aおよび光表示装置45aに送られる。これにより、演出パターンに対応した液晶表示装置36での画像の再生と、演出パターンに対応する効果音の再生と、装飾ランプ45やLEDなどの点灯点滅駆動とが実現される。
なお、演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなり、これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、主制御CPU201は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部24にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行なう。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行なう。演出制御CPU241は、ストローブ信号が送信されて来ると、これに対応して割り込みを発生させ、この割り込み処理によってコマンドを受信する。ストローブ信号は主制御CPU201により、演出制御CPU241が確実にコマンドを受信することが可能な所定期間アクティブ状態に制御される。
(2−3.保留先読み予告の表示系:図4)
図4は、主制御部20から上記演出制御コマンドの一つとして演出制御部24に送信される先読み判定結果の情報を含む保留加算コマンドと、この保留加算コマンドの先読み判定結果に関連する情報を連続予告演出にて報知するための所定の演出手段の構成とを概略的に示した図である。この所定の演出手段は、本実施形態の場合、液晶表示装置36の画面360内の一部に、最大保留個数と同数(4個)だけ設けた保留アイコンからなる保留表示器(保留表示手段)a、b、c、dにより構成され、この保留表示器a、b、c、dが、保留表示変化系(始動時変化系)の演出手段361として機能する構成となっている。
これらの保留表示器a〜dは、通常は、先読み判定する際に存在する保留記憶個数と同数、たとえば3個だけ、その表示態様が作動状態(点灯状態)に切り替えられるように制御され、したがって保留記憶個数を表示する手段として働く。しかし、先読み予告として連続予告演出を実行する場合は、保留表示器a〜dのうちの該当する一の保留表示器の保留表示態様を所定の先読み予告表示態様に変更し、これにより連続予告演出を発生させる手段として働く。
すなわち、保留表示器a、b、c、dは、特別図柄始動口に入賞して始動条件が成立した場合の始動時変化系の演出手段、つまり保留表示変化系の演出手段361として機能する場合は、保留表示器a、b、c、dの保留アイコンのうちで、その先読み対象となった保留アイコンが、白色、青色、黄色、緑色、赤色、虹色などの特殊な表示態様に変化する。ここで保留アイコンの白色、青色、黄色、緑色、赤色、虹色の表示は、この色の順に、大当りとなる期待度が高いことを意味しており、特に虹色の保留アイコンの場合は、大当りとなることが確定することを遊技者に報知する。しかし、保留表示変化系の演出手段の表示態様としては、このような色変化予告に限らず、特殊なキャラクターを模したアイコンなどに変化するようにしてもよい。
なお、保留表示器a〜dの保留アイコン上に付したアラビア数字は、特別図柄始動口(上始動口34、下始動口35)に入賞した遊技球についての保留記憶がなされ、かつ保留表示がされる順番を示しており、1、2、3、4は、1回目、2回目、3回目、4回目の図柄遊技(特別図柄変動表示ゲーム)を実行する権利の保留に対応することを意味する。また、これら保留表示器a、b、c、dの円形アイコン中に付したハッチングは、当該ハッチングを施したアイコンが点灯状態(作動状態)であることを示し、ハッチングを施していないアイコンは消灯状態(非作動状態)であることを示す。
主制御部20からは、保留記憶個数(場合により保留球数と略す)と乱数を先読み判定した結果に応じた情報を、保留加算コマンドにより、演出制御部24に送信する。
この主制御部20から演出制御部24に送信される保留加算コマンドは、2バイトからなり、その上位バイトが保留球数情報を持ち、また下位バイトは、大当り判定用乱数や転落判定用乱数や変動パターン用乱数を先読み判定した結果の情報として、「転落」、「大当りの当否」や「変動パターン」の種別情報を持つ部分となっている。この例では、上位バイトがB6[H]、B7[H]、B8[H]またはB9[H]であることにより、保留1個入賞、保留2個入賞、保留3個入賞および保留4個入賞を、それぞれ指定する。また下位バイトが01[H]であることにより「先読み禁止」を、02[H]により高確率状態から低確率状態への「転落」を、03[H]〜33[H]により「ハズレ」変動を、そして34[H]〜71[H]により「当り」変動を、それぞれ種別情報として指定する。ただし下位バイトの01[H]による先読み禁止の種別情報については、演出制御部24側に送信されず、専ら主制御部20側において先読み禁止が必要となる場合に利用される。なお上記種別情報の「転落」は特別図柄の図柄遊技の実行に供された場合、高確率状態から低確率状態への転落が発生することとなる先読み結果情報であることを、「当り」変動は、特別図柄の図柄遊技の実行に供された場合、当りの変動表示動作が行われることとなる先読み結果情報であることを、また「ハズレ」変動は、図柄遊技の実行に供された場合、ハズレの変動表示動作が行われることとなる先読み結果情報であることを指定している。
図4において、2個の保留表示器a、b(保留1、保留2)が点灯している状況下で、新たに特別図柄始動口(上始動口34または下始動口35)に3個目の入賞があった場合には、次のようにして3個目の入賞に係る保留記憶に対応する保留表示として、保留表示器c(保留3)が点灯する。
すなわち、まず、保留加算コマンドとして次のような情報が演出制御部24に送信される。たとえば、当該入賞時に取得された遊技情報(乱数値)が保留データとして保留記憶された場合において、当該保留データの種別が「ハズレ」の場合であれば[B8[H](保留3個入賞)+31[H](ハズレ変動)]が送信され、「当り」の場合であれば[B8[H](保留3個入賞)+70[H](当り変動)]が送信され、転落の場合であれば[B8[H](保留3個入賞)+02[H](転落)]が送信される。そして、この保留加算コマンドを受信した演出制御部24が、予告演出制御手段(この例では連続予告演出制御手段;より具体的には始動時保留表示制御手段)として、保留表示器a、b(保留1、保留2)に加えて保留表示器c(保留3)を点灯させる。このように、保留加算コマンドが主制御部20から演出制御部24に送信される度に、保留記憶個数に関する表示が1個ずつ加算される形態で表示され、図柄遊技が開始される度(最も古い保留が消化される度に)に1ずつ減算される形態で表示されるようになっている。
図4は上記した3個の保留表示器a〜c(保留1〜3)が点灯している状態を示している。演出制御部24は、連続予告実行判定手段として働き、先読み判定結果を演出開始条件として、当該判定結果に関連する情報を報知する予告演出(この例では連続予告演出)の実行可否を判定する。
本実施形態の場合、始動入賞口に入賞があり、このとき取得された遊技情報(当り判定用乱数値)が保留データとして保留記憶された場合において、先読み機能により、当該保留データの種別が「変動開始時には大当り抽選に当選して当りとなる」と先読みされる「当り入賞」、または当該保留データの種別が「変動開始時には大当り抽選に外れる」と先読みされる「ハズレ入賞」であるときは、保留加算コマンドが、先読み結果情報としてハズレまたは当りの種別情報(たとえば上記例で31[H]または70[H])を含むことになる。
そこで、このような「当り」または「ハズレ」の先読み結果情報を含む場合には、当該入賞に係る保留記憶(3回目の図柄遊技の変動表示動作の実行に供されるべく保留記憶されている保留3)について、先読み予告用の予告演出(保留表示変化系および変動開始時変化系の予告演出)を実行するか否かについての抽選(先読み予告抽選)を行う。この先読み予告抽選は、当該入賞が発生した時点である始動条件成立時、つまり現在実行中の特別図柄の変動表示動作が終了する以前に行われる。したがって、先読み予告抽選は、当該入賞に係る保留データが特別図柄の変動表示動作に供される前、つまり大当り判定用乱数に基づいて大当り抽選(変動開始時の当り判定)を図柄遊技の変動開始時に実行するに先だって行われる。
上記の連続予告実行判定手段により連続予告演出を実行可と判定された場合、演出手段361に対して連続予告演出を発生させる。
すなわち、始動条件成立時の先読み予告抽選に当選した場合、当該入賞に係る保留記憶(保留3)について、保留表示変化系の予告演出を行う。具体的には、現在実行中の変動表示動作が終了する以前に、最新の保留記憶(保留3)に係る保留表示器cについての表示態様を、先読み予告抽選の当選結果を反映させた先読み予告表示態様、たとえば赤色に変更する。この表示態様の変更は保留加算コマンドが大当りまたはハズレのいずれの先読み結果情報を持つかに拘わらず、先読み予告抽選に当選したことを条件として行うことができるが、保留加算コマンドが大当りの先読み結果情報を持つ場合にのみ行うこともできる。
この始動条件成立時の予告演出が実行されることにより、保留表示器a〜c(保留1〜3)の表示態様は、たとえば「白、白、赤」の表示態様となる。その結果、図柄遊技の変動表示動作が行われる順番で見た場合、現在実行中の図柄遊技の変動表示動作が終了した後の3回目に生じる図柄遊技の変動表示動作またはその図柄遊技の結果について、保留記憶(保留3)の保留データの内容(乱数値)を先読みし、その結果に基づいて保留表示(先読み予告)をしたことになる。この先読み結果を反映した保留表示は、現存する保留記憶について図柄遊技の変動表示動作が1回目〜3回目と実行されて行く間、すなわち保留記憶が順に消化されてその保留記憶個数が減少し、かつ保留表示器a〜cの表示位置が「abc」→「ab」→「a」と繰り上げ移行されて行く間も、連続的に行われる。よって、上記赤色の保留(保留3)は表示位置が「c→b→a」と移行して表示され続け、この連続予告演出により、当該3回目の図柄遊技の変動表示動作において大当りが生じる可能性のあることが、遊技者に先読み予告されることになる。
また演出制御部24は、上記した先読み予告抽選に当選した場合、上記した保留表示変化系の予告演出とは別に、保留1〜3に跨る連続予告演出として、保留1〜3の各図柄遊技の変動表示動作が実行される際に、特定の変動開始時変化系の予告演出をその都度現出させる。この特定の変動開始時変化系の予告演出としては、たとえば、大当りの期待感が高まるチャンス目画像や特殊なカットイン画像や3つの装飾図柄(左図柄、中図柄、右図柄)を特定の表示態様で停止表示させるなどの連続予告画像を表示する画像表示変化系の予告演出、あるいは特定の音響を発生させる音響変化系の予告演出、あるいは特定の可動体を作動させる可動体変化系の予告演出、などのいわゆる「煽り演出」がある。図4では、特定の画像表示変化系の予告演出として、稲妻画像からなる予告画像362を画面360内に出現させ、これにより連続予告演出を行う。
以下、説明の便宜のため、保留表示変化系の予告演出だけに着目して説明を続け、変動開始時変化系の予告演出については、具体例の中で説明する。
(2−4.従来の保留表示変化系の予告演出:図5)
図5において、「保留名称」の保留1〜保留4は、液晶表示装置36の画面360内に表示される保留表示器a、b、c、dの表示位置(以下単に、表示位置a、b、c、dと言う)に対応している。また図5は、図4の場合と同じく、2個の保留記憶が存在し、その保留が点灯している状態下で、新たに始動口に入賞があり、これにより3個目の保留記憶がなされて、保留3が新たに追加点灯した状態を示している。また、この図5では、空となっている表示位置dについて新たな入賞の保留記憶に係る保留4が生じ、またその後に保留1〜3の保留記憶が発生することを想定している。また保留Y1〜Y3は、保留4より時間的に後の入賞により生じ得る保留であって、最も古い表示位置aの保留記憶に係る保留データが1個消化されて、その図柄遊技の変動表示動作が実行されると、現存する保留1〜4の保留表示が全体として左にシフトされ、これにより空となった表示位置dに、保留Y1〜Y3のデータが古い順に入り込む関係になることを示している。
図5(a)に示す「従来のケースa」は、保留3の入賞時に転落抽選に当選して低確率状態へ転落してしまった場合である。この転落時に主制御部20から演出制御部24に送信される保留加算コマンドは、「保留3個入賞」と先読み判定結果の「転落」の種別情報を含むだけであり、ハズレ変動や当り変動といった連続予告演出の実行可否を判定する契機となる種別情報は含まれていない。このため転落入賞の場合、演出制御部24は、この入賞を契機とする先読み予告抽選自体を行うことがなく、このため保留表示変化系の予告演出による連続予告演出は行われない。
図5(b)に示す「従来のケースb」は保留3の入賞が「当り」と先読み判定された場合、また図5(c)のケースcは保留3の入賞が「ハズレ」と先読み判定された場合である。これらの場合は、保留加算コマンドにより先読み結果情報として「ハズレ」または「当り」の種別情報が送信される。そこで「ハズレ」または「当り」の種別情報を含む保留加算コマンドを受信したことを演出開始の条件として先読み予告抽選が行われる。そして従来では、この抽選に当選することを条件として、図5(b)(c)に示すように、先読み判定結果に対応する予告演出を行い、これを複数回の特別図柄の変動表示動作に跨って実行し連続予告演出を行うことが可能となっている。つまり保留加算コマンドの「ハズレ」または「当り」の種別情報に応じ、保留表示器a〜dの表示態様を変化させて、保留表示変化系の予告演出(保留の色変化)を行うことが可能となっている。
従来は、上記ケースaのように保留3の入賞で転落抽選に当選して低確率状態へ転落してしまった場合、その後に発生しうる保留記憶の保留4、保留Y1〜Y3について先読み予告をするか否かは自由であり、特には制限が設けられていない。またケースbの本物の連続先読み予告を行った場合、またはケースcのガセの連続先読み予告を行った場合も同様であり、その保留記憶(保留3)よりも後で発生しうる保留記憶(保留4、保留Y1〜Y3)について、先読み予告をするか否かは自由であり、特には制限が設けられていない。
(2−5.従来の保留表示変化系予告演出での不信感:図6)
しかし上記した図5のような構成では、転落後や大当り後になされる保留表示変化系の予告演出に関して、遊技者に不信感を与える事象が生じる場合がある。たとえば、次のようなケースである。
なお、説明の便宜上、始動入賞口に入賞があり、このとき取得された遊技情報(乱数値)が保留データとして保留記憶された場合において、先読み機能により、(イ)当該保留データの種別が「変動開始時には転落抽選に当選する」と先読みされるものを「転落入賞」、(ロ)当該保留データの種別が「変動開始時には当り抽選に当選して当りとなる」と先読みされるものを「当り入賞」、(ハ)当該保留データの種別が「変動開始時には当り抽選に外れる」と先読みされるものを「ハズレ入賞」、そして(ニ)当該保留データの種別が「変動開始時には当り抽選に当選してプレミアム大当りとなる」と先読みされるものを「プレミアム大当り入賞」と称して説明する。
図6(a)に示すケースa−1は、保留3の入賞が「プレミアム大当り(図中ではプレミア当りと略す)入賞」であった場合で、これを契機として保留3のタイミングで「プレミアム大当り」の虹色保留が発生するが、その前の保留1の入賞時において既に遊技状態が低確率状態に「転落」することが確定してしまっていたケースである。
このプレミアム大当り入賞の保留3が発生した時点においては遊技機が高確率状態にあるため、そこでは大当り判定用テーブルに高確率状態用のテーブルが用いられる。しかし、同じ大当り判定用乱数値でありながら、低確率状態時の判定用テーブルではハズレとなる大当り判定用乱数値である場合、次に図6(a)にケースa−1として示すような不信感を与える事象が生じる。
図6(a)に示すケースa−1において、図6(a)の上段は、保留表示器a、b、cに、順に転落入賞に係る保留記憶の「保留1」、ハズレ入賞に係る保留記憶の「保留2」、プレミアム大当り入賞に係る保留記憶の「保留3」の表示がなされている状態である。転落入賞に係る保留記憶の保留1は、その図柄遊技の変動表示動作の実行がまだ保留されており、このため遊技状態は高確率状態下にある。
しかし、現在実行中の図柄遊技の変動表示動作が完了して、転落の保留記憶(保留1)が図柄遊技の変動表示動作に供されると、その時点において、つまり当該プレミアム大当り入賞に係る保留記憶(保留3)が図柄遊技の変動表示動作に供される以前において、遊技状態が低確率状態に転落してしまう。このため、たとえば上記虹色保留が消化されるまで、上記虹色保留が虹色のまま表示され続ける構成である場合は、図6(a)の下段に示すように、大当りとなるはずの当該虹色保留が消化されたのに、その図柄遊技の結果が「ハズレ」となってしまう。このため、遊技者に不信感を与えることになる。このような不信感は虹色以外の赤色などの場合にも生じ得る。
図6(b)は不信感を与える他のケースb−1を示したものである。保留表示器a、b、cに、順次に大当り入賞に係る保留記憶の「保留1」、ハズレ入賞に係る保留記憶の「保留2」、プレミアム大当り入賞に係る保留記憶の「保留3」が表示されている状態である。保留3の入賞が「プレミアム大当り」であり、これを演出開始条件として実施される先読み予告抽選に当選したケースであるので、保留3の入賞タイミングで保留表示器cの表示態様がプレミアム大当りの虹色に変化する。したがって、これを見た遊技者は、当該変動表示動作が終了した後の3回目の図柄変動においてプレミアム大当りとなることを知り、大きな期待を抱くことになる。
しかし、このケースb−1の場合、先読み予告抽選に当選しなかったために保留変化は生じていないが、大当りの保留記憶に係る「保留1」が存在する。そして、当該プレミア保留3の保留記憶の図柄遊技が実行される前に、この保留3について、その保留記憶の図柄遊技が実行されることにより、大当りが発生してしまうことになる。
そこで、「大当り遊技が発生すると、その後、すべての保留表示が通常表示に変更されてしまう」という演出制御を行う機種の場合、予期しない当りの発生により、たとえば15ラウンドの大当り遊技が開始されてしまう結果、その後のすべての保留表示が通常表示に変更される。この結果、遊技者にとっては、まれにしか遭遇しないプレミアム大当りの虹色保留が消えてしまうことになり、遊技者に不信感を与えることになる。これの不信感は虹色以外の赤色などの場合も同様に生じることになる。
また、大当りの種類として、大当り後の遊技状態が低確率状態に移行してしまう「普通大当り」を含む機種の場合、プレミアム大当りの虹色保留が発生したが、その前に普通大当りの入賞に係る保留が発生していたときは、低確率状態の当り判定テーブル上でのハズレに該当して、プレミアム大当りの虹色保留がハズレとなる事象が発生することになり、遊技者に不信感を与えることになる。
図6(c)は遊技者に不信感を与える他のケースc−1を示したものである。保留表示器a、bに、順次にハズレ入賞に係る保留記憶の「保留1」、「保留2」が表示されている状態で、更に保留表示器cにハズレ入賞に係る保留記憶の「保留3」が生じた場合を示している。ハズレ入賞に係る保留2では、先読み判定で「ハズレ」の種別情報であると判定されたことを演出開始条件として先読み予告抽選が実施され、その抽選に当選したことに基づき1回目の保留表示変化系の予告演出が実施され、保留表示器bがたとえば緑色に変化する。この保留表示変化系の予告演出(緑色保留)が表示位置bからaへと移動して連続的に出現する連続予告演出中に、ハズレ入賞に係る保留3の発生があり、これに基づく先読み予告抽選に再び当選し、これを契機として、2回目の保留表示変化系の予告演出が行われ、保留表示器cがたとえば緑色に変化する。というケースである。
このケース(c−1)では、保留2のハズレ入賞を契機とする1回目の保留表示変化系予告演出(緑色保留)と、保留3のハズレ入賞を契機とする第2回目の保留表示変化系予告演出(緑色保留)とが連続して発生することとなるため、たとえば連続予告画像362として稲妻画像が出現しているが、これは1回目と第2回目の保留表示変化系予告演出(緑色保留)のどちらに基づいて連続予告演出がなされているのか不明となる等、遊技者に不信感を与える場合があり得る。
そこで、これらの遊技者に不信感を与えるケースa−1や、b−1、c−1のケース等が生じないように対策を施すことが望まれる。
(2−6.不信感をなくす手段:図7)
そこで、本実施形態では、上記不信感をなくすため、下記の3つの手段A〜Cを採用する。
図7(a)は、上記図6(a)に示したケース(a−1)の不信感をなくす手段(解決策)Aを示したものである。この解決策Aでは、転落抽選に当選したと先読み判定された場合、当該転落抽選の判断対象となった保留データよりも後に保留記憶された保留データに関しては、所定回数の特別図柄の変動表示動作が終了するまで連続予告演出を実行不可とする。
つまり、始動入賞口に入賞があり、このとき取得された上記保留3に係る保留記憶が転落当選と先読み判定される種別情報(乱数値)のものである場合、これより後の始動口入賞に基づき発生する最大保留記憶個数と同数の4回分の保留記憶(保留4、保留Y1、保留Y2、保留Y3)については、これについて先読み予告抽選を行わないこととして先読み予告を禁止する(先読み予告禁止A)。この先読み予告禁止Aにより、転落入賞に係る保留記憶が生じたとき、つまり転落抽選に当選したと先読みされた後は、その後の保留4個分の入賞について、先読み予告抽選が行われなくなり、保留4、保留Y1〜保留Y3のいずれの入賞タイミングにおいても、プレミアム大当りの虹色保留が発生しなくなる。したがって図6(a)で説明した不都合、すなわち、虹色保留が消化されるまで、当該虹色保留が虹色のまま表示され続ける構成において、当該虹色保留が消化されたのに、その図柄遊技の結果が「ハズレ」となってしまう、という不都合が解消される。また、たとえば変動開始ごとに転落抽選結果を参照して、その結果に基づき、シフト時の保留表示(保留色)を変化させる演出を行う構成とした場合の不都合、つまり一旦発生したプレミアム大当りの虹色保留や赤色保留が、表示位置をc→b→aと進行する間に通常色保留に変化し、プレミアム大当りの虹色保留が消失し存在しなくなってしまう、という事象も発生しなくなる。
図7(b)は、上記図6(b)に示したケース(b−1)の不信感をなくす手段(解決策)Bを示したものである。この解決策Bでは、上記保留3の保留記憶が大当りと先読み判定される種別情報のものである場合、これより後の始動口入賞に基づく最大保留記憶個数と同数の4個分の保留記憶(保留4、保留Y1、保留Y2、保留Y3)については、これについて先読み予告抽選を行わないこととして先読み予告を禁止する(先読み予告禁止B)。この先読み予告禁止Bにより、大当り入賞が発生した後は、それから後の保留4個分の入賞について、先読み予告抽選が行われなくなり、保留4、保留Y1〜保留Y3のいずれの入賞タイミングにおいても、プレミアム大当りの虹色保留が発生しなくなる。
したがって図6(b)のケース(b−1)で説明した不都合、すなわち、一旦虹色保留が表示されたのに、当該虹色保留が図柄変動表示動作に供されたとき、その図柄遊技の結果が「ハズレ」となってしまい、遊技者に不信感を与えるという不都合や、プレミアム大当りの虹色保留が発生しているのにも拘わらず、その表示位置がc→b→aと進行する間に、その前の通常色保留において大当りしてしまう、という不都合が解消される。
また、大当りの種類として「普通大当り」を含む機種において、プレミアム大当りの虹色保留が発生したが、その前に普通大当りの入賞に係る保留が発生していたときは、低確率状態の当り判定テーブル上でのハズレに該当してしまうため、プレミアム大当りの虹色保留がハズレとなってしまい、遊技者に不信感を与える、という問題も解消される。
また、大当り遊技が発生すると、その後、保留表示が通常表示に変更されてしまう、という演出制御を行う機種において、プレミアム大当りの虹色保留が発生したが、その前に大当り入賞に係る保留記憶が発生していたとき、遊技後に保留表示が通常表示に変更されてプレミアム大当りの虹色保留が消えてしまう、という不都合も解消される。
図7(c)は、上記図6(c)に示したケース(c−1)の不信感をなくす手段(解決策)Cを示したものである。この解決策Cでは、上記保留3の保留記憶がハズレと先読み判定される種別情報のものである場合、これより後の始動口入賞に基づき発生する最大保留記憶個数と同数の4個分の保留記憶(保留4、保留Y1、保留Y2、保留Y3)については、これについて先読み予告抽選を行わないこととして先読み予告を禁止する(先読み予告禁止C)。この先読み予告禁止Bにより、ハズレ入賞に係る保留記憶が発生した後は、それから後の保留4個分の入賞については先読み予告抽選が行われなくなり、保留4、保留Y1〜保留Y3のいずれのタイミングにおいても、ガセの保留変化が発生しなくなる。したがってケース(c−1)で説明した不都合、すなわちガセの保留変化が遊技者の意識の上で矛盾する形で発生することがある、という不信感が解消される。
図7に示した例では、最大保留記憶個数と同数の4個に対応する4個(4回分の図柄遊技)の保留記憶(保留4、保留Y1、保留Y2、保留Y3)について先読み予告を禁止しているが、現在保留記憶されている保留記憶個数と同数(この例では3個)の保留記憶(保留4、保留Y1、保留Y2)について先読み予告を禁止してもよい。
以下、図8〜図37の制御例に従って説明する。
<3.主制御側の処理:図8〜図28>
まず、図8〜図28を参照して、主制御部20側における処理内容を説明する。
(3−1.主制御側メイン処理:図8)
パチンコ遊技機1に電源が投入されると、電源基板31によって各制御基板に電圧が供給され、主制御CPU201が図8に示す主制御側メイン処理を開始する。
この主制御側メイン処理において、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を実行する(ステップS101)。
次に、図示してない入力ポートを介して入力されるRAMクリアスイッチの出力信号の状態(オン、オフ)を確認し、RAMクリアスイッチがオンである場合(ステップS102:YES)にはステップS105の処理に進み、RAMの初期化処理として記憶エリアをクリアする。しかしRAMクリアスイッチがオンでない場合(ステップS102:NO)、次に電源断が発生した際にバックアップRAMに記憶されたバックアップ用データが有効であるか否かを判断する(ステップS103)。電源復旧の際には、チェックサムの比較を行うことにより、バックアップデータが有効であるか否かを確認している。
バックアップデータが有効である場合には(ステップS103:YES)、バックアップデータに基づき、電源遮断前におけるスタックポインタを復帰し、電源遮断時の処理状態から遊技を開始するために必要な遊技復旧処理を実行し(ステップS104)、ステップS107の処理に進む。バックアップデータが有効でない場合には(ステップS103:NO)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定し、RAMを初期化する(ステップS105)。そして、このRAMの初期化に伴い、RAMクリア情報を初期化コマンドとして各制御基板に送信する(ステップS106)。
次に、CPUに設けられているCTCの設定を行う(ステップS107)。本処理では、4msごとに定期的にタイマ割り込みがかかるように、初期値として4msに相当する値をCTCの時間定数レジスタに設定する。
ステップS101〜S107での電源初期投入後の処理を終えた後、正常動作時の処理(ステップS108〜S112)として、割込禁止(ステップS108)と割込許可(ステップS112)とを繰り返すとともに、その間に、各種乱数の更新処理を実行する(ステップS109〜S111)。
乱数の更新処理として、Sステップ108の処理後、まず変動パターン用乱数値更新処理を実行する(ステップS109)。この変動パターン用乱数値更新処理では、主として、特別図柄変動パターンコマンドを抽選に用いる変動パターン用乱数値を更新する。
続いて、普通図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS110)と特別図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS111)を実行する普通図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS110)では、普通図柄変動表示ゲームの当否抽選に使用する普通図柄当り判定用乱数の初期値変更に使用する乱数を更新(たとえば、カウンタのカウント値を更新する処理)し、特別図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS111)では、上記特別図柄変動表示ゲームの当否抽選に使用する特別図柄当り判定用乱数の初期値変更に使用する乱数を更新する。
(3−2.主制御側タイマ割込処理:図9)
図9は、主制御側メイン処理に割り込んで、一定時間(4ms)ごとの割り込みで起動される主制御側のタイマ割込処理を示すフローチャートである。
まず、主制御CPU201は、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理(ステップS201)を実行する。
次いで、各変動表示ゲームに係る乱数を定期的に更新する定期乱数更新処理を実行する(ステップS202)。定期乱数更新処理では、普通図柄変動表示ゲームや特別図柄変動表示ゲームの当否抽選に使用する各種乱数を定期的に更新する。
次いで、遊技動作に用いられるタイマを管理制御するためのタイマ管理処理を実行する(ステップS203)。遊技機制御に用いる各種のタイマのタイマ値はここで更新される。
次いで、入力管理処理を実行する(ステップS204)。この入力管理処理では、パチンコ遊技機1に設けられた各種センサによる検出情報を、図示しない自身内のレジスタに読み込み格納する。各種センサによる検出情報とは、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ40a、特別図柄始動口センサ34a、35a、一般入賞口センサ43aなどの入賞検出スイッチから出力されるスイッチ信号のON、OFF情報である。
次いで、エラー管理処理を実行する(ステップS205)。このエラー管理処理では、上記入力管理処理で読み込み格納したデータを把握してスイッチのチェックを行い、不正入賞を監視したり、遊技動作状態を監視したりして、パチンコ遊技機1の異常を監視する。
次いで、賞球管理処理を実行する(ステップS206)。この賞球管理処理では、遊技球払出装置19に払出し動作を行わせるための制御情報(賞球数を指定する賞球払出制御コマンド)を出力する。
次いで、普通図柄管理処理を実行する(ステップS207)。この普通図柄管理処理では、普通図柄変動表示ゲームにおける当否抽選を実行し、その抽選結果に基づいて普通図柄の変動パターンや普通図柄の停止表示態様を決定したりする。
次いで、普通変動入賞装置管理処理を実行する(ステップS208)。普通変動入賞装置管理処理では、普通図柄管理処理(ステップS207)における当否抽選の結果に基づき、ソレノイド制御用の励磁制御信号を普通変動入賞装置ソレノイド41aに送信し、普通変動入賞装置41の可動翼片47の一連の動作を制御する。
次に、特別図柄管理処理を実行する(ステップS209)。この特別図柄管理処理では、特別図柄変動表示ゲームにおける大当り抽選(大当り判定処理)を実行し、その抽選の結果に基づいて特別図柄の変動パターンや特別図柄の停止表示態様(停止特別図柄)を決定する。特別図柄管理処理の詳細は図10〜図20にて後述する。
次いで、特別変動入賞装置管理処理を実行する(ステップS210)。この特別変動入賞装置管理処理は、特別図柄管理処理(ステップS209)における大当りの当否抽選の結果に基づき、ソレノイド制御用の励磁制御信号を特別変動入賞装置ソレノイド42aに送信し、特別変動入賞装置42の大入賞口40を所定のパターンに従い開閉制御して、大当りに関する遊技を実行制御する処理である。特別変動入賞装置管理処理の詳細は図21〜図28にて後述する。
主制御CPU201は、上記の特別変動入賞装置管理処理に次いで「LED管理処理」を実行する(ステップS211)。このLED管理処理は、処理の進行状態に応じて、普通図柄表示装置39や特別図柄表示装置38への出力データを出力する処理である。後述する特別図柄表示データ更新処理(図10のステップS310)で作成される特別図柄の表示データは、このLED管理処理で出力される。
さらに主制御CPU201は、大当りの発生、特別図柄確定、普通図柄確定、図柄始動口の入賞球検出などの遊技状態を示す信号を、図示してない外部集中端子基板を通して、遊技場の遊技島管理に使用されるホールコンピュータHCや島ランプなど、遊技機外部に対して出力する外部端子管理処理を行う(ステップS212)。
そして、上記のようにステップS202〜ステップS212の処理を実行した後、一時退避していたレジスタの内容を復帰させ(ステップS213)、タイマ割込処理を終了して、割り込み前の上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割り込みが発生するまで当該主制御側メイン処理を行う。
<4.特別図柄管理処理:図10>
次に、大当り抽選に係るステップS209の特別図柄管理処理について説明する。図10は、特別図柄管理処理の詳細を示すフローチャートである。ここでは、まず始動口チェック処理(ステップS301)を行う。
(4−1.始動口チェック処理:図11)
始動口チェック処理では、保留球数(保留記憶個数)が上限値(最大保留記憶個数、ここでは4個)未満であることを条件に保留球数加算と各種乱数の取得を行う。
図11において、主制御CPU201は、まず上始動口34または下始動口35において入賞球を検出したか否かを確認する(ステップS311)。入賞球を検出した場合(ステップS311:YES)、入賞を示す特別図柄始動口入賞コマンド(上始動口34については上始動口入賞コマンド、下始動口35については下始動口入賞コマンド)を演出制御部24に送信する(ステップS312)。
続いてステップS313の処理に進み、特別図柄の保留球数(保留記憶個数)、正確には作動保留球数(以下、「特別図柄作動保留球数」と称する)が4以上となる場合であるか否か判断する(ステップS313)。特別図柄作動保留球数が4以上とはならない場合、つまり4未満の場合は(ステップS313:NO)、特別図柄作動保留球数を1加算する(ステップS314)。次いで始動条件が成立したことに基づいて、特別図柄抽選用乱数(大当り判定用乱数、小当り判定用乱数、転落判定用乱数、特別図柄判定用乱数)および変動パターン用乱数のカウンタの現在値を取得して、それぞれRAM203の保留記憶エリアに格納する(ステップS315)。このRAM203は、取得された大当り判定用乱数(第1の遊技情報)、転落判定用乱数(第2の遊技情報)、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数などの乱数値を、保留データとして、図柄遊技における特別図柄の変動表示動作に供されるまで、最大保留記憶個数を上限として、始動条件の成立順に保留記憶する保留記憶手段として働く。
次いで、上記の取得された乱数値が、転落、大当り、ハズレなどのいずれの種別情報に係るものであるかを先読み判定する始動口入賞時乱数判定処理を行う(ステップS316)。
(4−1−1.始動口入賞時乱数判定処理:図12)
図12に、この始動口入賞時乱数判定処理の詳細を示す。この始動口入賞時乱数判定処理では、まず現在が高確率状態中であるか否かを判断する(ステップS321)。高確率状態中であれば(ステップS321:YES)、保留記憶エリアに保留データとして格納された転落判定用乱数の乱数値(種別情報)の先読み判定を行い(ステップS322)、ステップS323に進む。また、低確率状態中であれば(ステップS321:NO)、転落判定用乱数の先読み判定を行わないでステップS323に進む。そしてステップS323において、保留記憶エリアに保留データとして格納された大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数および変動パターン用乱数の乱数値(種別情報)について先読み判定を行う(ステップS323)。これら各乱数の判定は入賞時の遊技状態に基づいて行う。すなわち、入賞時の遊技状態が低確率状態中の場合は低確率の抽選データに基づいて、また高確率状態中の場合は高確率の抽選データに基づいて判定を行う。
上記のステップS323は、保留記憶された大当り判定用乱数(第1の遊技情報)に基づき、抽選手段(図13のステップS338の当り判定処理)による大当り抽選の結果が当りとなるか否かを当該保留記憶が前記特別図柄の変動表示動作に供される前に先読み判定する第1の先読み判定手段として働く。また上記ステップS322は、保留記憶された転落判定用乱数(第2の遊技情報)に基づき、転落抽選手段(図13のステップS337の転落判定処理:図14のステップS352〜S353)による転落抽選において転落することになるか否かを当該保留記憶が前記特別図柄の変動表示動作に供される前に先読み判定する第2の先読み判定手段として働く。
ついで、それらの先読み判定結果と保留球数(保留記憶個数)に応じた保留加算コマンドを作成する(ステップS324)。この保留加算コマンドの構成は、既に図4で説明した通りであり、保留球数情報を持つ上位バイトと、転落、当否(当り、ハズレ)、変動パターンのいずれかの種別情報を持つ下位バイトとからなる。
そして図11のステップS316に戻ってステップS317に進み、保留球数および先読み判定結果に応じた保留加算コマンドを送信する(ステップS317)。この実施形態の場合、転落判定用乱数値の先読み判定結果と、大当り判定用乱数の先読み判定結果とを別の保留加算コマンドとして演出制御部24に送信しているが、同じ保留加算コマンドに含ませて送信することもできる。この保留加算コマンドは、液晶表示装置36に特別図柄の作動保留球数や保留変化を表示する際に利用される(図33のステップS721参照)。そして図10のステップS301に戻り、ステップS302〜S303の判断処理に進む。
上記ステップS311において入賞球の検出がないと判断された場合(ステップS311:NO)や、上記ステップS313において特別図柄作動保留球数が4以上と判断された場合には(ステップS313:YES)、上記のステップS312〜ステップS317の処理を行わずに、図10のステップS301に戻り、ステップS302〜S303の処理に進む。
図10のステップS302〜S303の処理に進むと、小当り中フラグまたは大当り中フラグが設定されているか否かを判断して、「小当り中」または「大当り中」であれば(ステップS302またはS303:YES)、特別図柄表示データの更新処理を行う(ステップS310)。この特別図柄表示データ更新処理では、特別図柄が変動中であるか否かを判断し、変動中であれば、0.5秒毎に点滅を繰り返す特別図柄のデータ(特別図柄変動中データ)を作成する。また特別図柄が変動中でなければ、特別図柄が停止している態様のデータ(停止図柄データ)を作成する。ここで作成した特別図柄の表示データは、図9のLED管理処理(ステップS211)で出力される。かくして、図10の特別図柄管理処理を終了し、図9のステップS210の特別変動入賞装置管理処理に移行することとなる。
一方、ステップS302またはS303の処理で「小当り中」または「大当り中」でないと判断された場合(ステップS302またはS303:NO)、特別図柄の挙動を示す処理状態(特別図柄動作ステータス)が「特別図柄待機中(01H)」「特別図柄変動中(02H)」「特別図柄停止中(03H)」のいずれであるかを順に判断し(ステップS304、ステップS306、ステップS308)、該当する場合はそれぞれの処理状態に属する処理を行う。なお、「特別図柄待機中」とは特別図柄の変動が行なわれておらず次回の変動のための待機状態であることを示し、「特別図柄変動中」とは特別図柄が現在変動中であることを示し、「特別図柄停止中」とは特別図柄の変動が終了して停止中(特別図柄確認時間中)であることを示している。
以下、上記処理状態が「特別図柄待機中」「特別図柄変動中」「特別図柄停止中」である場合の処理内容について順に説明していく。
(4−2.特別図柄変動開始処理:図13)
図13は、特別図柄管理処理(図10)で特別図柄待機中と判断された場合(ステップS304:YES)に移行する特別図柄変動開始処理の詳細を示す。
この図13の特別図柄変動開始処理においては、まず特別図柄の作動保留球数(保留記憶)がゼロかどうかを判断する(ステップS331)。特別図柄作動保留球数がゼロの場合(ステップS331:YES)、特別図柄が待機中でかつ保留記憶なしの状態となったのであり、この状態に突入したことを演出制御部24側に報せる必要がある。このため、本実施形態では待機演出コマンドの送信を行う(ステップS345)。
ただし、特別図柄作動保留球数がゼロの場合に条件なしに待機演出コマンドを送信すると、特別図柄作動保留球数がゼロである間は4msの周期で待機演出コマンドの送信を繰り返すことになり、不必要な送信が発生する。そこで待機演出コマンドが未送信であるか否かを判断し(ステップS344)、待機演出コマンドが未送信の場合は(ステップS344:YES)、待機演出コマンドを演出制御部24に送信し(ステップS345)、既に待機演出コマンドが送信済みである場合は(ステップS344:NO)、待機演出コマンドを演出制御部24に送信することなく、この特別図柄管理処理を終了する。
なお、ここでデモ演出を行なうべきデモ表示条件が成立しているか否かを判断し、デモ表示条件が成立している場合は、デモ表示コマンドを演出制御部24に送信してもよいが、本実施形態の遊技機では、この判断を演出制御部24に委ねることとし、デモ表示条件が成立しているか否かの判断は行わずに、この特別図柄管理処理を終了する。
一方、特別図柄作動保留球数がゼロでない場合(ステップS331:NO)、特別図柄作動保留球数を1減算し(ステップS332)、減少した保留球数に対応した保留数コマンド(ここでは保留減算コマンド)を送信する(ステップS333)。
次いで、特別図柄作動確認データをセットし、特別図柄の変動を開始させ、RAM203の取得数値記憶エリア(保留記憶エリア)をシフトする(ステップS334)。ここでは、保留記憶数n=1に対応する保留記憶エリア(たとえば、第1作動保留球記憶エリア)に格納されている各乱数値を読み出して、RAM203の所定の乱数記憶エリア(判定用乱数記憶エリア)に格納すると共に、保留記憶エリアn(n=2、3、4)に対応する保留記憶エリア(第2保留球記憶エリア、第3保留球記憶エリア、第4保留球記憶エリア)に格納されている各乱数値を、保留球数=n−1に対応する保留記憶エリアに格納する。つまり、第1保留球記憶エリアの保留球に関する情報を判定用として判定用乱数記憶エリアにシフトするとともに、保留記憶エリアn=2以降の各保留球に関する情報を1つずつ下位側の番号(2→1、3→2、4→3)にそれぞれシフトして上書きし、空き領域を設ける。これにより、図柄遊技開始順番は、保留球数n(n=1、2、3、4)の順番と一致し、保留球が生じたときに取得された乱数値がいずれの保留球に対応するのかが特定される。そして電チューサポートが付加される特別図柄の変動回数(電サポ回数と称する)として定められている100回転について、残り電サポ回数が有るか否かをチェックし(ステップS335)、残り電サポ回数が有る場合は(ステップS335:YES)、残り電サポ回数コマンドを送信(ステップS336)して、ステップS337の転落判定処理に進む。残り電サポ回数がない場合は(ステップS335:NO)、このコマンドの送信をせずにステップS337の転落判定処理に進む。
(4−2−1.転落判定処理:図14)
図14に、ステップS337の転落判定処理の詳細を示す。これは変動開始時の転落判定処理であり、当り判定処理(ステップS338)に先立って行われる。まず、現在の変動開始時の遊技状態が確変状態であるか否か、すなわち特図確率変動状態フラグがセット(=5A)されているか否かを判断する(ステップS351)。特図確率変動状態フラグがセットされている場合(ステップS351:=5A)は、転落判定用乱数を判定テーブルで判定し(ステップS352)、図柄遊技の変動開始時の判断として、転落抽選に当選しているか否かを判断する(ステップS353)。
図柄遊技の変動開始時の判断として転落抽選に当選していると判断された場合は(ステップS353:YES)、「特図確率変動状態フラグ」をOFFするとともに、「特図確変時短状態フラグ」をOFFとし、報知LED出力番号を00Hにする(ステップS354)。この特図確変時短状態フラグは、大当り終了後に確変状態が維持される場合、後述する大当り終了処理(図27)のステップS467においてON状態に設定されるものである。なお、上記特図確率変動状態フラグがONからOFFになると、大当り抽選状態が高確率状態から低確率状態に移行(転落)することになる。
そしてステップS355に進み、主制御部20での制御のため転落コマンドを送信する(ステップS355)。この転落コマンドは、開放延長機能が作動して高ベース状態となっている電チューサポート中(電サポ中と略す)とそれ以外の状態に応じてコマンドを分けて送信する。そして処理を終了し、図13のステップS337に戻る。
一方、特図確率変動状態フラグがセットされていない場合(ステップS351:≠5A)は転落判定用乱数の判定を行わずに処理を終了し、また転落抽選に非当選であった場合(ステップS353:NO)は何もしないで処理を終了し、図13のステップS337に戻る。
(4−2−2.当り判定処理:図15)
次いで図13においてステップS338に進み、ステップS315(図11)で取得した乱数値が当りに属するか否かの判定(変動開始時の当り判定処理)を実行する(ステップS338)。
図15は、この当り判定処理の詳細を示したもので、小当り以外の大当り判定用乱数値を判定し、大当りならば「大当り判定フラグ」をONする(ステップS356)。この当り判定処理は、特図確率変動状態フラグの値に基づいて当り判定(当り抽選)を行う。その際、低確率状態中の場合は低確率の抽選データに基づいて、また高確率状態中の場合は高確率の抽選データに基づいて当り判定を行う。そして、高確率状態中に変動開始する場合でも、先の転落抽選で転落当選してしまった場合は低確率での当り判定を行う。
次いで小当り判定用乱数値を判定し、小当りならば「小当り判定フラグ」をONする(ステップS357)。この大当り判定フラグと小当り判定フラグは、たとえば図20のステップS383やステップS386において、小当り以外の大当りであるか小当りであるかの判断に利用される。
(4−2−3.特別図柄停止図柄設定処理:図16)
次に、図13においてステップS339の特別図柄停止図柄設定処理に進み、特別図柄判定用乱数(特別図柄停止図柄用乱数)の値を判定し、停止図柄(特別図柄停止図柄)を決定する(ステップS339)。その際、低確率状態中の場合は低確率用の一の停止図柄を選択して、また高確率状態中の場合は高確率用の一の停止図柄を選択してセットする。
詳しくは、この特別図柄停止図柄設定処理では、図16に示すように、ステップS315(図11)で取得した特別図柄判定用乱数値を取得し(ステップS361)、図示してない特別図柄停止図柄テーブルを参照し、乱数値に対応する「特別図柄判定データ」と「特別図柄停止図柄番号」をセットする(ステップS362)。この特別図柄停止図柄番号は、主制御部20側において特定図柄の停止図柄を特定するのに利用されるが、大当り態様(たとえば、大当り遊技中のラウンド背景や楽曲)を定めるのに利用することもできる。
(4−2−4.遊技状態移行準備処理:図17)
次に、図13においてステップS340の遊技状態移行準備処理に進む。図17に詳細を示すように、大当り判定フラグ(図15のステップS356でセットされる)がONの状態であるか否かをチェックし(ステップS363)、ONの場合は(ステップS363:YES)、遊技状態移行テーブルを参照し、特別図柄判定データ(図16のステップS362でセットされる)に基づき、開放延長機能、普図時短機能、普図確変機能、特図時短機能、特図確変機能、電サポ回数カウンタの各移行状態バッファをセットする(ステップS364)。これにより、大当りの都度、その種類に応じて移行すべき遊技状態に必要とされる機能がセットされることになる。そして、この遊技状態移行準備処理を終了する。大当り判定フラグがOFFの場合は(ステップS363:NO)、これらのバッファをセットすることなく遊技状態移行準備処理を終了する。
ここで「電サポ」とは電チューサポートの略であり、「電チューサポート」とは、下始動口35に左右一対の可動翼片47が開閉可能に設けられたチューリップ型の電動役物(普通変動入賞装置41)に関して開放延長機能が付与された状態、つまり可動翼片47が頻繁に開閉して下始動口35に遊技球が入賞しやすくなる状態が、特別図柄の変動に付加されることをいう。「電サポ回数」とは、この電チューサポートが付加されている特別図柄の変動回数をいう。本実施形態の場合、電チューサポートは大当り終了後の特別図柄の変動回数に関し100回だけ付加される(図28参照)。
なお、弾球遊技機の種類によっては、上記したチューリップ型の電動役物と異なる、たとえばベロが出入りして始動口を開閉するベロ式の電動役物を備えるものがあるが、このように厳密にはたチューリップ型とは言えないような電動役物(普通変動入賞装置41)をも含めて、電チューサポート(電サポ)、電サポ回数などと称することにする。
(4−2−5.特別図柄変動パターン設定処理:図18)
次に、図13においてステップS341の特別図柄変動パターンの設定処理に進む。
図18はこの特別図柄変動パターン設定処理の詳細を示したものである。この変動パターン設定処理では、現在の遊技状態、大当り判定フラグのON、OFF、および保留球数に応じて、抽選により1つの特別図柄変動パターンを選択し決定する(ステップS365)。したがって、低確率状態中の場合は低確率用の一の特別図柄変動パターンを選択して、また高確率状態中の場合は高確率用の一の特別図柄変動パターンを選択してセットする。これにより当該特別図柄変動パターンの図柄変動時間も決定される。
このようにして特別図柄の変動パターンが決定され、結果としてこの変動パターンに対応する変動時間が決定される。そこで、この決定した特別図柄変動パターンについての変動パターン指定コマンドを演出制御部24に送信した後(ステップS366)、この特別図柄の変動時間を特別図柄変動用タイマにセットし(ステップS367)、特別図柄変動パターン設定処理を終了する。
(4−2−6.特別図柄指定コマンド送信処理)
図13においてステップ342の特別図柄指定コマンド送信処理に進み、特別図柄指定コマンドを演出制御部24に送信する(ステップS342)。したがって特別図柄変動パターンコマンド(ステップS366)と特別図柄指定コマンド(ステップS342)がともに演出制御コマンドとして演出制御部24に送信されることになる。
次いで、処理状態(特別図柄動作ステータス)を「特別図柄変動中(02H)」に切り替えて(ステップS343)、特別図柄変動開始処理を終了する。そして図10のステップS305に戻り、ステップS310に進んで特別図柄表示データを更新する。これにより特別図柄管理処理を終了して、特別変動入賞装置管理処理(図9)に移行することになる。
(4−3.特別図柄変動中処理:図19)
図19は、特別図柄管理処理(図10)で特別図柄変動中と判断された場合(ステップS306:YES)に移行する特別図柄変動中処理(ステップS307)の詳細を示したものである。
この図19の特別図柄変動中処理においては、まず特別図柄変動用タイマを監視し(ステップS371)、図18のステップS367で特別図柄変動用タイマにセットした特別図柄変動時間が経過するのを待つ(ステップS371:NO)。特別図柄変動時間が経過した場合(ステップS371:YES)、特別図柄の変動が終了し停止したことを示す「変動停止コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS372)。そして処理状態(特別図柄動作ステータス)を「特別図柄停止中(03H)」に切り替え、停止図柄を特別図柄表示装置38に表示させるための変動停止用時間(たとえば0.5秒)を変動停止用タイマに設定する(ステップS373)。これにより特別図柄変動中処理を終了して図10のステップS307に戻り、特別図柄表示データを更新して(ステップS310)、特別図柄管理処理を終了する。そして、特別変動入賞装置管理処理(図9)に移行する。
(4−4.特別図柄変動停止中処理:図20)
図20は、特別図柄管理処理(図10)で特別図柄動作ステータスが特別図柄停止中(03H)と判断された場合(ステップS308:YES)に移行する特別図柄変動停止中処理(ステップS309)の詳細を示す。
この図20の特別図柄変動停止中処理においては、まずステップS373(図19)で変動停止用タイマにセットした変動停止用時間(たとえば0.5秒)が経過するのを待つ(ステップS381:NO)。すなわち特別図柄の変動停止用時間が経過するまでは、何もしないで特別図柄変動停止中処理を抜ける。
(4−4−1.通常状態の場合)
上記した変動停止用時間が経過した場合(ステップS381:YES)、特別図柄動作ステータスを「特別図柄待機中(01H)」に切り替える(ステップS382)。そして停止図柄が大当り図柄であるかハズレ図柄であるかを判断する。すなわち、当り判定処理(図15)のステップS356、S357でONされる大当り判定フラグと小当り判定フラグの内容を順にチェックして行く(ステップS383、S386)。そして両フラグが共にOFFであった場合(ステップS383:NO、S386:NO)、つまり停止図柄がハズレ図柄であった場合は、ステップS388に進み、電サポ回数カウンタの値がゼロであるか否かを判断する(ステップS388)。通常状態のハズレ変動の場合、電サポ回数カウンタの値はゼロであるので、ステップS388の判断はYESとなり、特別図柄変動停止中処理を抜ける。図10に戻り、特別図柄表示データを更新して(ステップS310)、特別図柄管理処理を終了する。
(4−4−2.大当りの場合)
上記のステップS383において大当り判定フラグがON(小当りを除く大当り)であると判断された場合は(ステップS383:YES)、大当り判定フラグをOFFに戻した後「大当り中フラグ」をONに設定する(ステップS384)。また大当り終了時にステップS464(図27)でセットされる開放延長機能フラグ、普図時短機能、普図確変機能フラグ、特図時短機能フラグ、特図確変機能フラグの各々をOFFし、電サポ回数カウンタをクリアすると共に、時短状態フラグ、確変状態フラグ、潜確状態フラグの各々をOFFし(ステップS385)、特別図柄変動停止中処理を終了する。ここで「普図」とは普通図柄の略称、「特図」とは特別図柄の略称である。図10に戻り、特別図柄表示データを更新して(ステップS310)、特別図柄管理処理を終了する。
上記した大当り中フラグがONに設定されると、後述する特別変動入賞装置管理処理(図21)のステップS403の判断がYESとなり、遊技者に有利な特別遊技状態として特別変動入賞装置42が15ラウンドの開放動作を行う大当り遊技が付与される。この15ラウンドの開放動作は、本実施形態では30秒の開放(大入賞口40の開放)を15回(ラウンド)繰り返す15R確変大当りの1種類である(図28参照)。しかし、さらにラウンド数の異なる複数種類の大当り、たとえば30秒の開放を4回(ラウンド)または7回(ラウンド)繰り返す4R確変大当りや7R確変大当りを設けたり、同じく15ラウンドの開放動作を行う大当りであるが、その全ラウンド中の前半のたとえば7回が30秒の開放を行い、後半の8回が0.1秒の開放を行うなど、ラウンド数および大入賞口40の開放動作の少なくとも1つが異なる大当りを複数種類設けてもよい。また場合によっては、潜伏確変状態となる大当り(たとえば、0.1秒の開放を15回(ラウンド)繰り返15R潜伏確変大当り)を設けてもよい。なお0.1秒の開放は、遊技者に有利な特別遊技状態といっても実質的に出球(賞球)が得られない(開放秒数が少ないため、賞球を得られたとしても、15R確変大当りのような多量な賞球を得ることはできない)ことを意味する。
(4−4−3.小当りの場合)
上記のステップS383において大当り判定フラグがOFFであると判断された場合は(ステップS383:NO)、ステップS386に進む。このステップS386において小当り判定フラグがON(小当り)であると判断された場合は(ステップS386:YES)、小当り判定フラグをOFFに戻した後、「小当り中フラグ」をONに設定する(ステップS387)。
上記した小当り中フラグがONに設定されると、後述する特別変動入賞装置管理処理(図21)のステップS401の判断がYESとなり、特別遊技状態として特別変動入賞装置42が15ラウンドの開放動作を行う大当り遊技が付与される。ただし、小当りの場合の当り中開放パターンは0.6秒の開放を2回(ラウンド)繰り返すものであり、したがって実質的に出球が殆ど得られない。
(4−4−4.電チューサポート付状態の場合)
15R確変大当りの場合は大当り遊技の終了後に転落抽選付の確変状態に移行し、途中で転落抽選に当選して高確率状態から低確率状態に転落するか否かに拘わらず、開放延長機能が作動する遊技状態、つまり電チューサポートが付与される遊技状態(本実施形態では、確変状態または時短状態。以下、確変状態または時短状態を「電チューサポート付状態」とも称する)が、所定回数(本実施形態では、100回)の図柄遊技(特別図柄の変動表示動作)が終了するまで行われる。ただし、この100回の図柄変動が行われる期間中は、各図柄変動が行われる毎に転落抽選が実施されるため、そのいずれかの図柄変動で転落抽選に当選した場合は、主制御部20の遊技状態が確変状態(高確率状態)から時短状態中(低確率状態)に転落する。したがって転落抽選に当選するまでの電チューサポート付状態の期間は大当り抽選確率が高確率状態であり、その後の転落抽選に当選して上記100回に達するまでの電チューサポート付状態の期間は大当り抽選確率が低確率状態となる。なお、100回の図柄変動が行われる期間中に転落抽選に当選しなかった場合には、主制御部20の遊技状態が、確変状態から潜伏確変状態(いずれも高確率状態)になり、この潜伏確変状態中に転落抽選に当選した場合には当該潜伏確変状態(高確率状態)から通常状態(低確率状態)になる(転落する)。
上記のステップS388において判断される電サポ回数カウンタの値がゼロでない場合(ステップS388:NO)、すなわち特別図柄の変動回数がまだ上限の100回に達していない場合は、電チューサポート付状態を継続中であるので、電サポ回数カウンタの値を1減算し(ステップS389)、減算後の確変回数カウンタの値がゼロになったか否かを判断する(ステップS390)。本実施形態では、現在の遊技状態が確変状態であるかまたは時短状態であるかを問わず、必ず電チューサポート状態が変動回数100回で終了する。そこで変動回数が100回までは電サポ回数カウンタの値がゼロでない状況にあるため、ステップS390の判断はNOとなり、特別図柄変動停止中処理を抜ける。図10に戻り、特別図柄表示データを更新して(ステップS310)、特別図柄管理処理を終了する。
その後、特別図柄の変動表示動作が1回実行される度に、この図20の特別図柄変動停止中処理において電サポ回数カウンタが1減算されて行く(ステップS389)。
電サポ回数カウンタの値がゼロになった場合(ステップS390:YES)、電チューサポート状態が終了となるタイミングであるので、電サポ回数カウンタをクリアする(ステップS391)。また開放延長機能フラグ、普図時短機能、普図確変機能フラグ、特図時短機能フラグ、時短状態フラグの各々をOFFし(ステップS391)、特別図柄変動停止中処理を終了する。図10に戻り、特別図柄表示データを更新して(ステップS310)、特別図柄管理処理を終了する。
<5.特別変動入賞装置管理処理:図21>
図9に戻り、上記特別図柄管理処理(ステップS209)に次いで、特別変動入賞装置管理処理を実行する(ステップS210)。この特別変動入賞装置管理処理は、特別図柄管理処理(ステップS209)における大当りの当否結果に基づき、ソレノイド制御用の励磁制御信号を特別変動入賞装置ソレノイド42aに送信し、特別変動入賞装置42の大入賞口40を所定のパターンに従い開閉制御して、大当りに関する遊技(特別遊技)を実行制御する処理である。
図21は、この特別変動入賞装置管理処理の詳細を示したものである。主制御CPU201は、まず小当り中フラグや大当り中フラグが設定(ON)されているか否かをチェックし(ステップS401、S403)、小当り中および大当り中でなければ(ステップS401:NO、S403:NO)何もしないで、この特別変動入賞装置管理処理を終了する。
(5−1.小当りの場合:図22)
小当り中フラグが設定(ON)されている場合は(ステップS401:YES)、ステップS402の小当り処理に進む。この「小当り処理」では、図22に示すように、特別変動入賞装置42の大入賞口40が開放される前の所定時間(開始前所定時間)が経過したか否か判断する(ステップS411)。上記開始前所定時間が経過するまでの間は(ステップS411:NO)、何もしないでこの特別変動入賞装置作動開始前処理を抜ける。
上記開始前所定時間が経過した場合は(ステップS411:YES)、小当り遊技における特別変動入賞装置42の一連の動作(大入賞口40の開放動作2回)を制御するために、電動役物(特別変動入賞装置)動作ステータスに応じた処理を行う。ここでは電動役物動作ステータスが大当り開始処理中(00H)において小当り開始コマンドを送信し、特別変動入賞装置作動中(02H)において大入賞口開閉動作を設定し、特別変動入賞装置作動停止中(03H)において小当り終了コマンドの送信を実行する(ステップS413〜S415)。これによりたとえば、「0.6秒×2回」という速い当り中開放パターンで特別変動入賞装置42の大入賞口40が開放される。
(5−2.大当りの場合:図23〜図28)
図21のステップ403の判断において、大当り中フラグが設定(ON)されている場合は(ステップS403:YES)、大当り遊技における特別変動入賞装置42の一連の動作(15回の開放動作)を制御するために、電動役物動作ステータスが00H〜04Hのいずれであるかに応じて、それぞれの状態に属する処理(ステップS405〜S409)を実行して行く。
電動役物動作ステータスが大当り開始処理中(00H)である場合は「大当り開始処理」(ステップS405)を行い、特別変動入賞装置作動開始前(01H)である場合は「特別変動入賞装置作動開始前処理」(ステップS406)を行い、特別変動入賞装置作動中(02H)である場合は「特別変動入賞装置作動中処理」(ステップS407)を行い、特別変動入賞装置作動停止中(03H)である場合は「特別変動入賞装置作動停止中処理」(ステップS408)を行い、大当り終了処理中(04H)である場合は「大当り終了処理」(ステップS409)を行う。なお、「特別変動入賞装置作動開始前」とは大当りして特別変動入賞装置42の動作が開始前状態であることを示し、「特別変動入賞装置作動中」とは特別変動入賞装置42が現在作動中であることを示し、「特別変動入賞装置作動停止中」とは特別変動入賞装置42が現在停止中であり継続判定中であることを示している。
(5−2−1.大当り開始処理:図23)
図23は、電動役物動作ステータスが大当り開始処理中(00H)である場合に行われる大当り開始処理(ステップS405)の詳細を示したものである。大当りした場合、この大当り開始処理において役物連続作動装置作動フラグをONにして「役物連続作動装置作動中」に切り替える(ステップS421)。ここで役物連続作動装置とは、特別変動入賞装置42の1ラウンド分の動作を所定回数連続して動作させるための機能部をいう。ついで電動役物動作ステータスを「特別変動入賞装置作動開始前(01H)」に切り替える(ステップS422)。そして最大ラウンド数(たとえば15回)、オープニング演出時間(たとえば10秒)をセットする(ステップS423)。ここでオープニング演出時間とは、ステップS373の変動停止用タイマ時間が経過して当りが確定した後、特別変動入賞装置42の動作が開始するまでのインターバル区間であってオープニング演出が行われる区間を定めた時間幅を指す。そして大当り開始コマンドを送信して(ステップS424)、大当り開始処理を終了する。
(5−2−2.特別変動入賞装置作動開始前処理:図24)
図24は、電動役物動作ステータスが特別変動入賞装置作動開始前(01H)である場合に行われる「特別変動入賞装置作動開始前処理」(ステップS406)の詳細を示したものである。この特別変動入賞装置作動開始前処理においては、特別変動入賞装置42の大入賞口40が開放される前の所定時間(開始前所定時間)が経過したか否か判断する(ステップS431)。なお、ここでの開始前所定時間としては、初回のラウンドではステップS381の変動停止用タイマの特別図柄停止用時間が経過して当りが確定した後、特別変動入賞装置42の動作が開始するまでのオープニング演出時間(図23のステップS423で設定される)が監視されるが、2ラウンド目以降でこのステップS431を通過するときは、ラウンド間インターバル時間(図26のステップS455で設定される開放前インターバル時間)が監視される。
上記開始前所定時間が経過するまでの間は(ステップS431:NO)、何もしないでこの特別変動入賞装置作動開始前処理を抜ける。
上記開始前所定時間が経過した場合は(ステップS431:YES)、特別変動入賞装置の大入賞口開放時間(確変大当りの場合は30秒)をセットし、大入賞口入賞数カウンタをゼロにクリアする(ステップS432)。そして電動役物動作ステータスを「特別変動入賞装置作動中(02H)」に切り替える(ステップS433)。また特別変動入賞装置42の動作パターンにより開閉扉42bの動作パターンを設定し、これに基づいてソレノイド制御用の励磁制御信号を特別変動入賞装置ソレノイド42aに送信し、開放扉42bを作動させて大入賞口40を開放させる(ステップS434)。そして、この特別変動入賞装置作動開始処理を終了する。
(5−2−3.特別変動入賞装置作動中処理:図25)
図25は、電動役物動作ステータスが特別変動入賞装置作動中(02H)である場合に行われる「特別変動入賞装置作動中処理」(ステップS407)の詳細を示したものである。この特別変動入賞装置作動中処理においては、特別変動入賞装置の大入賞口40への入賞球が検出されたか否かを判断する(ステップS441)。
大入賞口40への入賞球が検出された場合は(ステップS441:YES)、「大入賞口入賞数」に1加算し(ステップS442)、その旨を示す大入賞口入賞コマンドを演出制御部24に送信する(ステップS453)。そしてステップS444に進む。一方、大入賞口40への入賞球が検出されなかった場合はこれらの処理(ステップS442〜S443)を行わずにステップS444に進む。
ステップS444に進むと、加算後の大入賞口入賞数が最大入賞数となったか否かを判断する(ステップS444)。大入賞口入賞数が最大入賞数に至っていなければ(ステップS444:NO)、あらかじめ設定した大入賞口40が開いている時間(大入賞口開放時間:ステップS432で設定された30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS445)。そして、大入賞口入賞数が最大入賞数に至っておらず(ステップS444:NO)、かつ大入賞口開放時間が経過していなければ(ステップS445:NO)、何もしないで、この特別変動入賞装置管理処理を終了する。
大入賞口入賞数が最大入賞数に至った場合(ステップS444:YES)、大入賞口40を閉鎖し(ステップS446)、インターバルコマンドを送信する(ステップS447)。そして電動役物動作ステータスを「特別変動入賞装置作動停止中(03H)」に切り替える。また残存球の排出のために特別変動入賞装置を閉鎖しておく残存球排出時間(たとえば2秒)をセットする(ステップS449)。
また大入賞口入賞数が最大入賞数に至る前であっても、大入賞開放時間が経過した場合は(ステップS445:YES)、その時点で大入賞口40を閉鎖し、電動役物動作ステータスを「特別変動入賞装置作動停止中(03H)」に切り替える。そして、この特別変動入賞装置作動中処理を終了する。
(5−2−4.特別変動入賞装置作動停止中処理:図26)
図26は、電動役物動作ステータスが特別変動入賞装置作動停止中(03H)である場合に行われる「特別変動入賞装置作動停止中処理」(ステップS408)の詳細を示したものである。この特別変動入賞装置作動停止中処理においては、大入賞口40が閉鎖されて一定時間が経過したか否か、つまりステップS449で残存球排出時間としてセットされた閉鎖時間(2秒)が経過したか否かを判断する(ステップS451)。残存球排出時間が経過するまでの間は(ステップS451:NO)、何もしないでこの特別変動入賞装置作動停止中処理を抜ける。
残存球排出時間が経過した場合(ステップS451:YES)、特別変動入賞装置の作動回数(ラウンド数)があらかじめ定めた最大回数(ここでは15ラウンド)に至ったか否かを判断する(ステップS452)。最大ラウンド数である15ラウンドに至るまでの間は(ステップS452:NO)、電動役物動作ステータスを「特別変動入賞装置作動開始前(01H)」に切り替える(ステップS453)。そして「特別変動入賞装置作動回数」に1加算して(ステップS454)、ラウンド数の現在値を更新し、開放前インターバル時間をセットする(ステップS455)。
ステップS452の判断において最大ラウンド数に至ったときは(ステップS452:YES)、電動役物動作ステータスを「大当り終了処理中(04H)」に切り替える(ステップS456)。またエンディング演出時間(たとえば5秒)をセットし(ステップS457)、エンディング演出コマンドを送信して(ステップS458)、この特別変動入賞装置作動継続判定処理を終了する。
(5−2−5.大当り終了処理:図27〜図28)
図27は、電動役物動作ステータスが大当り終了処理(04H)である場合に行われる「大当り終了処理」(ステップS409)の詳細を示したものである。この大当り終了処理においては、上記最終ラウンドの特別変動入賞装置42の大入賞口40が閉鎖された後のインターバル区間である一定時間、つまりステップS457でセットされたエンディング演出時間(5秒)が経過したか否かを判断する(ステップS461)。エンディング演出時間(5秒)が経過するまでは、何もしないでこの大当り終了処理を抜ける(ステップS461:NO)。
一方、エンディング演出時間が経過した場合は(ステップS461:YES)、大当り中フラグをクリアすると共に役物連続作動装置作動フラグをOFFにして(ステップS462)、「役物連続作動装置作動停止中」に切り替える(ステップS463)。そして大当り終了時の各種設定として、遊技状態移行準備処理(図17)のステップS364でセットした各移行状態バッファの値を各状態フラグにセットする(ステップS464)。この処理は、大当り終了後の遊技状態を、所定の確変状態へ移行させるための遊技状態移行準備設定処理に相当する。
具体的には、図28に示す「大当り終了時遊技状態移行設定テーブル」に従い、開放延長機能フラグ、普図時短機能フラグ、普図確変機能フラグ、特図時短機能フラグ、特図確変機能フラグ、電サポ回数カウンタをセットする(ステップS364)。またこれらの情報に基づき把握される確変状態、時短状態について、特図確変状態フラグ(確変状態フラグ)、特図時短状態フラグ(時短状態フラグ)をセットする。
また、特図時短状態フラグおよび特図確変状態フラグが双方とも設定されている場合(ステップS465:YES、ステップS466:YES)には、「特図確変時短状態フラグ」をONにする(ステップS467)。そして、ステップSS468に進み、各移行状態バッファをクリアする。一方、特図時短状態フラグが設定されていない場合(ステップS465:NO)または特図確変状態フラグが設定されていない場合(ステップS466:NO)には、直接にステップSS468に進み、各移行状態バッファをクリアする。
その後、遊技状態報知情報を更新し(ステップS469)、この遊技状態報知情報を含む遊技状態コマンドとして大当り終了コマンドを演出制御部24に送信する(ステップS470)。これにより、7セグメント表示器やランプなどにより大当り状態から確変状態などへ遊技状態が移行した旨が報知される。
この後は図21のステップS409に戻って上記の特別変動入賞装置管理処理を終了し、そして図9に戻り、上記の特別変動入賞装置管理処理に次いでLED管理処理(ステップS211)、外部端子管理処理(ステップS212)を実行する。そして、タイマ割込処理を終了し、割込み処理ルーチンからメインルーチンに処理が戻ることになる。
<6.演出制御部側の処理:図29〜図37>
次に演出制御部側の処理(図29〜図37)について説明する。
(6−1.演出制御側メイン処理:図29)
遊技機本体に電源が投入され、電源基板31から電源投入信号を受信した演出制御部24は、図29に示す演出制御側メイン処理を開始する。この演出制御側メイン処理では、電源投入が行われてから初めての処理としてステップS501が行われ、これ以外の場合には正常動作時の処理としてステップS502〜S505が行われる。
まず、演出制御基板24は、電源投入が行われてから初めての処理として、遊技動作開始前における必要な初期設定を実行する(ステップS501)。
次に、正常動作時の処理として演出用乱数更新処理を実行する(ステップS502)。この演出用乱数更新処理では、主として、演出内容を選択するために利用される演出抽選用の乱数値を定期的に更新している。
次に、コマンド受信割り込み、タイマ割り込み、外部INT等を許可する割り込み許可状態に設定し(ステップS503)、その後、割り込み禁止状態に設定する(ステップS504)。そして、ウォッチドッグタイマをクリアして(ステップS505)、電断が発生しない限り、ステップS502からステップS505の処理をループ処理にて実行する。
(6−2.コマンド受信割込処理:図30)
次に、上記した主制御部20からの演出制御コマンドを受信した場合に実行されるコマンド受信割込処理について説明する。
図30は、この演出制御側のコマンド受信割込処理を示すフローチャートである。このコマンド受信割り込み処理は、主制御部20から演出制御コマンドを受信した場合、後述する演出制御側タイマ割込処理(図31)よりも優先的に実行される処理である。
まず、演出制御部24は、主制御部20からの演出制御コマンドを受信した場合、レジスタを所定のスタック領域に退避させた後(ステップS506)、制御コマンドをRAM242の所定領域に格納する処理を行い(ステップS507)、レジスタを復帰(ステップS508)する。主制御部20から送られてくる各種制御コマンドを受けた場合、INT割り込みが発生し、この受信割込処理にて、制御コマンドを受信した時点で、これをコマンド受信バッファに格納する。
(6−3.演出制御側タイマ割込処理:図31)
図31は、演出制御基板24における演出制御側メイン処理において、一定時間(2ms)ごとの割り込みで起動される演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。
まず、演出制御CPU241は、レジスタを所定のスタック領域に退避させるレジスタ退避処理を実行する(ステップS601)。次いでプログラム異常を監視しているウォッチドッグタイマをクリアして、タイマのカウントを再スタートさせる(ステップS602)。プログラムが暴走状態となった場合は、ウォッチドッグタイマがタイムアップし、演出用CPUが自動的にリセットされて前記暴走状態から復帰する。
次いで、定期更新処理を行う(ステップS603)。この定期更新処理では、演出パターンを選択するために利用される演出用乱数の初期値や、演出パターンの実行に必要な各種タイマの内容を割り込みごとに更新する。上記各種タイマの代表的なものは、演出の発生に関するタイムスケジュールを管理するタイマである。たとえば、特別図柄表示装置38に特別図柄が変動表示されている変動期間内(特別図柄の変動期間内)と実質的に同一期間内である液晶表示装置36の画面に装飾図柄が変動表示されている変動期間内(装飾図柄変動期間内)において、その時間軸上で、どのような演出パターンの演出内容を、どれだけの時間幅をもって、演出手段である装飾ランプ45やスピーカ46や液晶表示装置36などにより現出させるかについての時間的なスケジュールが、このタイマにより時間管理される。
次いで、各種スイッチからの入力を監視する入力監視処理を行う(ステップS604)。枠演出ボタン13がON操作されたか否かもここで監視される。
次いで、演出決定管理処理として、コマンド解析処理(ステップS605)と演出シナリオ更新処理(ステップS606)を実行する。そして、演出出力管理処理としてステップS607〜S609を実行する。
まず受信した制御コマンドに基づいて演出のシナリオを決定するコマンド解析処理(ステップS605)を実行する。このコマンド解析処理では、主制御部20から制御コマンドを受信したか否か、つまりコマンド受信バッファに制御コマンドが格納されているか否かを割り込みごとに監視する。たとえば変動パターンコマンドが受信され、変動パターン指定コードが受信バッファに格納されている場合、コマンド受信処理において、この変動パターン指定コードを読み出し、図示してない演出パターンテーブルを参照して、対応する演出パターンを決定する。
次いで、演出シナリオ更新処理(ステップS606)を実行する。この演出シナリオ更新処理では、上記コマンド解析処理(ステップS605)において決定された上記演出シナリオの内容に基づいて、液晶表示装置36を作動させる制御信号(画像演出制御信号)の作成や、ランプやLEDやスピーカ46を作動させる制御信号(発光制御信号や音声制御信号)の作成を行う。そして、作成した上記制御信号をRAM243の所定の格納領域に格納する。また、演出シナリオの進行に伴って上記画像演出制御信号を液晶表示装置36に対して出力するとともに、その画像演出に合わせて音とLEDのための制御信号(発光制御信号や音声制御信号)の出力も行う。
上記ステップS606の処理に続いて、演出出力管理処理の内容として、上記所定のコマンド格納領域において再生する音データの音声制御信号が有るか否かを判断し(ステップS607)、再生する音データの音声制御信号が有る場合には(ステップS607:YES)、音の再生が必要なタイミングで、サウンドLSIの音声制御信号を入力し、音源ICを通じてスピーカ46から音を出力させる(ステップS608)。これにより、演出シナリオに沿った効果音がスピーカ46から発生される。
続いて、LED出力処理を実行する(ステップS609)。このLED出力処理は、上記音声制御信号がサウンドLSIに送信された場合、この情報を受け、対応する演出に伴い発光制御信号を装飾ランプ45やLEDなどに送信し点灯もしくは点滅させて光による演出を実現する。
そして、退避したレジスタの内容を復帰させ(ステップS610)、これにより演出制御側タイマ割込処理を終了する。
<7.コマンド解析処理の内容:図32〜図37)
次にコマンド解析処理(ステップS605)の内容について具体的に説明する。
(7−1.大当り終了コマンドの受信処理:図32)
図32〜図36は、コマンド解析処理(図31のステップS605)で実行される処理のうち、大当り遊技の終了後に突入する特典遊技と関連性の深いものを示したものである。
図32は、大当り終了処理(図27)のステップS470で送信される大当り終了コマンドを受信した場合の処理を示す。この大当り終了コマンドを受信した場合、これに含まれる遊技状態報知情報に基づいて、大当りの種類に応じた状態演出(演出モード)の演出シナリオをセットする(ステップS701)。この演出シナリオがセットされると、液晶表示装置36の画面に表示させる背景が、当該演出モード用の背景に切り替わり、スピーカからは対応する演出状態用のBGMが流れる。
15R確変大当りに当選した場合、その大当り遊技後、主制御部20は確変状態に移行し、演出制御部24は高ベース状態演出モード(たとえば夜背景)に移行する。また大当り遊技後の図柄遊技100回は電チューサポートが付加されるが、その期間中において、確変状態下で転落抽選に当選した場合、主制御部20の遊技状態は、時短状態に移行する。しかし、この電チューサポート付の期間中、演出制御部24は同じ高ベース状態演出モード(夜背景)を継続する。
また通常状態下で小当りに当選した場合、その当り遊技後、主制御部20は小当り当選時の通常状態を維持し、演出制御部24は通常演出モードを継続する(たとえば、朝方背景)。また電チューサポート付状態下で小当りに当選した場合、その当り遊技後は、主制御部20は確変状態を維持し、演出制御部24は高ベース状態演出モード(夜背景)を継続する。
(7−2.保留加算コマンドの受信処理:図33)
図33は、始動口チェック処理(図11)のステップS317で送信される保留加算コマンドを受信した場合の処理を示す。
この保留加算コマンドを受信した場合、まずそのコマンドの内容を解析し(ステップS711)、先読み結果の種別情報が把握される。たとえば上位バイトがB8[H](保留3個入賞指定)で下位バイトが32[H](ハズレ変動)のハズレ入賞、上位バイトがB8[H](保留3個入賞指定)で下位バイトが70[H](当り変動)の当り入賞、上位バイトがB9[H](保留4個入賞指定)で下位バイトが02[H](転落)の転落入賞など、が把握される。
次いで、「先読み禁止カウンタ」の値がゼロであるか否かを判断する(ステップS712)。この「先読み禁止カウンタ」は、転落入賞した場合(ステップS717:YES)または当り入賞した場合(ステップS719:YES)に最大保留球数の「4」に設定され、それより後で生じた4回の保留記憶を管理すべく、それら4回の保留記憶の契機となった入賞毎に1減算されるカウンタである。
先読み禁止カウンタの値がゼロである場合は(ステップS712:YES)、ステップS713に進んで、「連続予告カウンタ」がゼロか否かが判断される(ステップS713)。
ここで「連続予告カウンタ」は、次に述べるステップS714で1回目の先読み予告抽選(保留表示変化系および画像表示変化系の先読み予告抽選)が行われ、これに当選して実施されるガセの連続予告演出中に、新たに先読み予告抽選(2回目以降)を繰り返すことのないようにするためのカウンタである。したがって、この連続予告カウンタは、先読み予告抽選に当選した場合(ステップS715:YES)、その当選時点で存在する保留記憶個数と同数の図柄変動回数を管理すべく、その当選時点において現存する保留球数(保留記憶個数)の値、たとえば3個の保留記憶がある場合は「3」がセットされ(ステップS716)、その後に図柄変動が行われる度に上記セット値が図37のステップS753で1減算されて行く。
この連続予告カウンタがゼロでない場合(ステップS713:NO)、つまり連続予告演出中である場合は、何もしないでステップS717に進む。
この連続予告カウンタの値がゼロである場合(ステップS713:YES)、つまり連続予告演出中でない場合は、ステップS713からステップS714に進み、保留表示変化系の予告演出と画像表示変化系の予告演出による連続予告演出を実施するか否かについての先読み予告抽選を行う(ステップS714)。そして、これらの先読み予告抽選に当選したか否かについての判断をする(ステップS715)。
このステップS714〜ステップS715の処理は、保留加算コマンドにより送られて来る先読み判定結果を演出開始条件として、連続予告演出(先読み予告演出)の実行可否を判定する連続予告実行判定手段であって、連続予告演出の実行可否を抽選により判定する実行抽選手段として働く。
ここで「連続予告演出」には二種類がある。一つは、始動口に遊技球が入賞して始動条件が成立した際(つまり入賞時または始動条件成立時)に生起させる入賞時変化系ないし始動時変化系の予告演出を、複数回の特別図柄変動表示動作に跨って連続して実行することによる連続予告演出であり、本実施形態では保留表示変化系の予告演出(色変化保留の出現)を連続させることにより行う連続予告演出である。他の一つは、図柄遊技の特別図柄変動表示動作を実行する際(つまり変動開始時)に生起させる変動開始時変化系の予告演出を、複数回の特別図柄変動表示動作に跨って連続して実行することによる連続予告演出であり、本実施形態では画像表示変化系の予告演出(稲妻の予告画像362の出現)を連続させることにより行う連続予告演出である。
上記先読み予告抽選に当選しなかった場合(ステップS715:NO)、何もしないでステップS717に進む。
上記先読み予告抽選に当選した場合(ステップS715:YES)、その時点における保留球数(保留記憶個数)と同数、たとえば図4のように3個の保留記憶があるときは「3」が、連続予告カウンタにセットされる(ステップS716)。したがって、保留表示変化系の連続予告演出(先読み予告演出)を実施するか否かについての先読み予告抽選(以下単に「保留表示変化系の先読み予告抽選」という)に当選している場合には、ステップS721の保留加算表示処理の働きにより、保留表示変化系の予告演出として、当該3個目の保留記憶に係る保留表示態様が、たとえば青色、黄色、緑色、赤色または虹色のいずれかの色の保留に変化し、この3個目の保留記憶が特別図柄変動表示動作に供されるまでの間、当該色の保留が連続的に出現することになる。
また、画像表示変化系の連続予告演出(先読み予告演出)を実施するか否かについての先読み予告抽選(以下単に「画像表示変化系の先読み予告抽選」という)に当選している場合には、上記3個の保留記憶が順次消化されて、それぞれの特別図柄変動表示動作が実行される際に、特別図柄指定コマンドを受信することで図36の予告演出処理がなされ(図36のステップS742)、ここで画像表示変化系の予告演出として後述する予告演出抽選(図37のステップS752)がなされて稲妻の予告画像362の一つが選択され、液晶表示装置36の画面360内に出現することになる。したがって図4の保留1〜保留3が順次保留消化される度に稲妻の予告画像362が表示され、保留1〜保留3に跨って連続予告がなされることになる。
(7−2−1.保留加算表示処理:図34)
図34は上記保留加算表示処理(図33、ステップS721)の詳細を示す。
この保留加算表示処理は、主に、先読み予告抽選結果に基づく保留表示変化系の予告演出シナリオを、保留情報管理エリア(RAM243)にセットする処理である。この上記保留情報管理エリアは、保留球数に対応する第1(N=1)〜第4(N=4)保留情報管理エリアが設けられており、それぞれ保留表示に関する演出シナリオデータの格納領域を含んで構成されている。なお、RAM243の保留情報管理エリアに格納されている情報は、後述のステップS733において、変動パターン指定コマンドを受信する度に、保留球数=Nに対応する保留記憶エリア(第N保留情報管理エリア)を保留球数=N−1に対応する保留記憶エリア(第N−1保留情報管理エリア)にそれぞれシフトして上書きし、空き領域を設け、この空き領域に該当する保留記憶エリアに存在した情報は、シフト時にクリアされるようになっている。演出制御CPU241は、この保留情報管理エリア内にどのような予告演出シナリオが格納されている否かを参照して、何番目の保留球に対してどのような保留表示を行うかを特定できるようになっている。
この保留加算表示処理では、まず、先読み禁止カウンタおよび連続予告カウンタの値をチェックする(ステップS724、S725)。先読み禁止カウンタおよび連続予告カウンタの値が共にゼロである場合は(ステップS724:YES、ステップS725:YES)、先読み予告抽選に当選しているか否かの判断をする(ステップS726)。なお、このステップS724、S725は事情により省略することもできる。
先読み予告抽選に当選している場合は(ステップS726:YES)、専用保留表示演出シナリオの一つを抽選により選択し(ステップS727)、その抽選結果に基づく専用保留表示演出シナリオを、今回入賞した保留球に対応する保留情報管理エリアにセットする(ステップS728)。たとえば、今回入賞した保留球に基づく保留加算コマンドが持つ保留球数の情報が3個を示すものであるならば、その演出シナリオを第3保留情報管理エリアにセットする。他方、先読み予告抽選に当選していない場合は(ステップS726:NO)、通常保留表示演出シナリオをセットする(ステップS726)。
この保留加算表示処理(図33のステップ721、詳細は図34)および上記ステップS742の予告演出処理(図36、詳細は図37)は、連続予告実行判定手段を構成するステップS711〜S715により連続予告演出を実行可と判定された場合、所定の演出手段に対して連続予告演出を発生させる連続予告演出制御手段を構成する。
このうち上記保留加算表示処理(ステップS721)は、保留表示変化系(始動時変化系)の予告演出に係る処理をなすもので、上記所定の演出手段としては、最大保留個数と同数だけあらかじめ設けられ、先読み判定の際に現存する保留記憶個数と同数だけ作動状態に設定される保留表示手段である保留表示器a〜dを対象とし、これを次のように制御する。すなわち保留加算表示処理(ステップS721)は、上記連続予告実行判定手段(ステップS711〜S71)により連続予告演出を実行可と判定された場合、保留表示器a〜dのうちの該当する一の保留表示器の保留表示態様を、上記選択された専用保留表示演出シナリオに従って、所定の先読み予告表示態様に変更する。そして、これを、現在変動表示動作中のものを除き、現存する保留記憶に跨って連続的に出現させることにより、上記連続予告演出を発生させる。
具体的には、ステップS721の保留加算表示処理は、保留表示変化系の予告演出として、当該保留記憶に係る保留表示態様を、あらかじめ定めた、たとえば青色、黄色、緑色、赤色のうちから一の色を抽選により選択し、保留色として表示させる。また先読み結果が当りである場合には、この選択対象となる色の中に虹色を含ませて、抽選によりいずれかの色を選択し、保留色として表示させる。
(7−2−2.転落入賞の場合)
受信した先読み判定結果情報、つまり保留加算コマンドの下位バイトの種別情報が「転落」であった場合(ステップS717:YES)、先読み禁止カウンタに「4」がセットされる(ステップS718)。これにより先読み予告禁止A(図7(a)参照)が実施されることになる。この後、保留加算コマンドを受信した場合、ステップS712の判断がNOとなり、ステップS722を経て先読み禁止カウンタの値が1減算された後、ステップS717に進むルート(第1の先読み予告抽選迂回ルート)を通るため、上記のステップS713〜ステップS716の処理が行われなる。
上記ステップS718に次いで、ステップS719において、当該下位バイトの種別情報が「当り」か否かが判断されるが(ステップS719)、今扱っている種別情報が「転落」の場合、当りやハズレの種別情報を持たないので、ステップS719の判断はNOとなり、何もしないでステップS721に進む。
ステップS721では保留加算表示処理がなされ、保留表示変化系の予告演出について、通常保留表示演出シナリオ(本実施形態では、白色表示)が対応する保留情報管理エリアにセットされる(ステップS721)。これにより当該転落入賞の保留記憶に基づく保留表示が、通常の白色保留として表示される。
上記転落入賞より後の入賞に基づく4回分の保留記憶については、ステップS717で先読み禁止カウンタが「4」にセットされているので、保留加算コマンドを受信する度に、上記ステップS712の判断がNOとなり、ステップS722において先読み禁止カウンタが1減算された後、先読み予告抽選迂回ルートを通ってステップS717に進む。このように転落入賞した場合は、当該入賞より後に生じる4回分の入賞については、保留表示変化系の予告演出の発生が禁止されるため、転落後の低確率状態下では「ハズレ」となってしまう可能性のあるプレミア保留記憶が、虹色保留として表示されることはない。ここで「ハズレとなってしまう可能性のある」と称したのは、たとえば乱数範囲0〜65535のときの当り判定値が、低確率中は10001〜10200、高確率中が10001〜12000であるとした場合、プレミア保留記憶であっても、取得した乱数値が10001〜10200の範囲の値のものであるときは、低確率状態中であるか高確率状態中であるかに関係なく当りとなるため、ハズレとならない場合があり得る、ということを考慮したものである。
(7−2−3.当り入賞の場合)
先読み禁止カウンタの値がゼロで(ステップS712:YES)かつ連続予告カウンタの値がゼロ(ステップS713:YES)の場合、先読み結果情報が「当り」または「ハズレ」であることを演出開始条件として、始動時変化系の予告演出と変動開始時変化系の連続予告演出(先読み予告演出)を実施するか否かの先読み予告抽選を行う(ステップS714)。ここで始動時変化系の予告演出については、保留加算コマンドに応じた保留表示変化系の予告演出(保留の色変化)を行うか否かについての抽選を行う。また変動開始時変化系の予告演出については、画像表示変化系の予告演出として、稲妻の予告画像362を画面360内に出現させるか否かについての抽選を行う。そして、これらの先読み予告に当選したか否かについての判断する(ステップS715)。
上記先読み予告抽選に当選した場合(ステップS715:YES)、その時点における保留球数、たとえば図4のように3個の保留記憶があるときは「3」が連続予告カウンタにセットされる(ステップS716)。したがって、この3個の保留が消化されて、それぞれの図柄変動表示がなされる際には、画像表示変化系の予告演出を実施する特定の変動開始時予告として、稲妻の予告画像362が画面360内に出現されることになる。
次にステップS717に進み、保留加算コマンドが指定する先読み結果の種別情報が「転落」であるか否かが判断される(ステップS717)、次いでステップS719に進み、先読み結果の種別情報が「当り」であるか否かが判断される(ステップS719)。受信した保留加算コマンドの下位バイトの内容(先読み結果の種別情報)が「当り」である場合、ステップS717の判断はNO(転落せず)、ステップS719の判断はYES(当たりの種別情報)となる。そこで、ステップS720に進み、先読み禁止カウンタに「4」をセットする(ステップS720)。これにより当該入賞より後で生じる4回分の保留について先読み予告演出が禁止されることになる。
すなわち、当該当り入賞後の4回分の保留記憶については、ステップS720で先読み禁止カウンタが「4」にセットされ、この値が、その後の各回の保留記憶が発生する度に1減算されて行く(ステップS722)。したがって、これより後の4回分の入賞保留については、保留表示変化系の予告演出が禁止されているので、プレミア保留の虹色保留が出現することはない。よって、従来のように、プレミアの虹色保留が表示されたのに、その前の保留に基づく図柄変動において大当りとなってしまう、という不都合な事象の発生することが回避される。
次いでステップS721の保留加算表示に進みに、保留表示変化系の予告演出について、保留球数の加算と色変化に関する保留表示演出シナリオがセットされる(ステップS721)。ここでは、先読み結果が当りの場合であるので、ステップS721の保留加算表示処理により専用保留表示演出シナリオがセットされ、当該保留の表示が、大当りを匂わす表示態様、たとえば赤色の保留として表示される。この赤色保留は、当該保留が特別図柄の変動表示動作の実行に消化されるまでの間、すなわち保留1〜保留3という複数の保留に跨って、連続的に表示されることになる。
一方、上記先読み予告抽選に当選しなかった場合(ステップS715:NO)、その時点における保留球数を連続予告カウンタにセットする処理が行われないで、直接にステップS717に移行する。したがって、図柄変動表示がなされる際に、稲妻の予告画像362が画面360内に出現されない。またステップS721の保留加算表示においては、保留表示変化系の予告演出として、保留球の色変化を生じさせることはない。すなわち、ステップS721の保留加算表示処理では、当該保留が通常の白色保留として表示される。
(7−2−4.ハズレ入賞の場合)
受信した保留加算コマンドの下位バイトの内容が「ハズレ」であった場合も、ステップS712、ステップS713からステップS714に進み、保留表示変化系と画像表示変化系の連続予告演出についての先読み予告を実施するか否かの先読み予告抽選を行う(ステップS714)。
そして、先読み予告抽選に当選した場合(ステップS715:YES)、その時点における保留球数、たとえば図4のように3個の保留記憶があるときは「3」が連続予告カウンタにセットされる(ステップS716)。したがって、この3個の保留が消化されて、それぞれの図柄変動表示がなされる際には、変動開始時変化系の予告演出として、稲妻の予告画像362が画面360内に出現されることになる。
またステップS721の保留加算表示処理に進み、保留球数の加算処理と、保留表示変化系の予告演出すなわち色変化に関する専用保留表示演出シナリオがセットされる(ステップS721)。すなわち、ステップS721の保留加算表示処理では、当該保留がたとえば黄色保留として表示される。
一方、先読み予告抽選に当選しなかった場合(ステップS715:NO)、稲妻の予告画像362は出現せず、ステップS721の保留加算表示処理では、当該保留が通常の白色保留として表示されるだけとなる。
(7−3.変動パターン指定コマンドの受信処理:図35)
図35は、特別図柄変動パターン設定処理(図18)のステップS366で送信される変動パターン指定コマンドを受信した場合の処理を示す。変動パターン指定コマンドを受信した場合、これに対応する演出パターン、つまり装飾図柄の演出用の変動パターンをセットする(ステップS731)。
すなわち変動パターン指定コマンドが受信され、変動パターン指定コードが受信バッファに格納されている場合、コマンド受信処理において、この変動パターン指定コードを読み出し、演出パターンテーブルを参照して、対応する演出パターンを決定する。ここで演出パターンテーブルは、少なくとも変動パターン指定コードと装飾図柄の変動パターンと変動時間とをあらかじめ対応付けて演出パターンとし、1つの変動パターン指定コードごとに複数の演出パターンを対応付けたテーブルである。この演出パターンテーブルを参照することにより、当該変動パターン指定コードに対応する演出パターンを、当該変動パターン指定コードに属する演出パターン群のうちから1つを抽選により選択することで決定する。
また、この変動パターン指定コマンドを受信した場合、演出制御部24は、RAM243に設けられた保留情報管理エリアをシフトする(ステップS733)。すなわち、RAM243の保留球数=Nに対応する保留記憶エリア(第N保留情報管理エリア)を保留球数=N−1に対応する保留記憶エリア(第N−1保留情報管理エリア)にそれぞれシフトして上書きして空き領域を設け、この空き領域に該当する保留記憶エリアに存在した情報をクリアする。なお、上記した保留情報に関する保留記憶エリアのシフトや次に述べる保留表示のシフトは、図13のステップS333で送信される保留減算コマンドを受信したことに基づいて行うようにしてもよい。
(7−4.特別図柄指定コマンドの受信処理:図36〜図37)
図36は、特別図柄変動開始処理(図10)のステップS342で送信される特別図柄指定コマンドを受信した場合の処理を示す。この特別図柄指定コマンドを受信した場合、当該変動で停止図柄となる装飾図柄を抽選により決定するとともに(ステップS741)、演出装置(液晶表示装置36、ランプやLEDを含む光表示装置45a、スピーカ46を含む音響発生装置46a、可動体など)による予告演出(変動開始時変化系の予告演出)を抽選により決定する(ステップS742)。そしてこの予告演出を伴う装飾図柄変動演出(装飾図柄変動表示ゲーム)を開始させる(ステップS743)。
また、上記S743の処理では、装飾図柄変動演出を開始するに伴い、保留情報管理エリア内に格納されている演出シナリオデータが参照され、他の保留球に対応する保留表示態様(保留表示演出)を古い記憶位置側に1つシフトさせる形態で保留表示を行わせると共に、今回消化される保留記憶に対応する保留表示を終了させるための演出処理を行う。なお、空き領域となっている保留情報管理エリアには保留表示に関する演出シナリオがセットされていないため、この場合は、当該保留情報管理エリアに該当する保留球を対象とした保留表示演出は行われずに該当表示箇所は消灯状態として表現される。これにより、記憶順の最も古い保留記憶に係る保留データが1個消化されると、これに続く保留記憶が現存している場合は、その現存する保留記憶の保留記憶位置および保留表示位置が全体として古い記憶位置側に1つシフトされて現在の保留表示が行われることになる。
図37は、このステップS742で行われる予告演出抽選処理の詳細を示す。まず連続予告カウンタの値がゼロであるか否かを判断し(ステップS751)、ゼロである場合つまり連続予告を行わない場合は(ステップS751:YES)、ステップS754に進み、通常の演出シナリオに沿った多数の予告演出の中から、抽選により、当該変動パターンに応じた一の予告演出を選択して決定する(ステップS754)。
連続予告カウンタの値がゼロでない場合つまり連続予告を行う場合は(ステップS751:NO)、ステップS752に進み、多数の変動開始時変化系の予告演出の中から抽選により一の予告演出を選択して決定する(ステップS754)。これにより画像表示変化系の予告演出として稲妻の予告画像362の一つが選択され、液晶表示装置36の画面360内に出現することになる。次いで連続予告カウンタの値を1減算した後(ステップS753)、ステップS754に進み、通常の演出シナリオに沿った予告演出の中から、当該変動パターンに応じた一の予告演出を抽選により選択して決定する(ステップS754)。したがって、液晶表示装置36の画面360には、通常の演出シナリオに沿った予告演出と共に稲妻の予告画像362が出現することになる。
<8.動作例A:図38(a)>
本実施形態における遊技機は、全大当り終了後に転落抽選付の確変状態に突入し、電チューサポート付の図柄遊技が100回行われ、この100回以内に転落抽選に当選することなく大当り入賞すると、その大当り終了後に再び転落抽選付の確変状態に突入する。なお転落抽選にハズレ続け、100回転以内に大当りできないときは、電チューサポートが無くなり、確変状態が継続する。
図38(a)は、この転落抽選付の確変状態において上述の不信感の生じるケース(a−1)に対する解決策(図7(a))を含む動作例Aを示したものである。この動作例Aは、図7(c)の場合と同じく表示位置a、bに保留1、保留2が点灯している状況下で、新たに「ハズレ入賞」があり、その保留加算コマンドを受けて表示位置cに保留3が点灯するとともに、保留表示変化系と画像表示変化系の連続予告演出を行うか否かの先読み予告抽選が行われ、これに当選した状態を、動作開始点としている。
そして説明の便宜上、この後、新たなハズレ入賞に係る保留記憶が生じて、空となっている表示位置dに保留4が表示され、その後も保留1〜4が生じ、それらの保留表示が全て点灯状態で生じることを想定している。また保留Y1〜Y6は、保留4より時間的に後の入賞により生じ得る保留記憶であって、最も古い表示位置aにある保留データが1個消化されて、現在の保留2〜4がその表示位置a〜dを全体として左に1つシフトされると、その都度、空となった表示位置dに、順次に保留Y1〜Y6が古い順に入り込む関係となっている。
そして、この動作例Aでは、保留4がハズレ入賞、保留Y1が転落入賞、保留Y2がハズレ入賞、保留Y3がプレミアム大当り入賞、保留Y4〜Y6がハズレ入賞に係る保留記憶であるケースとなっている。
したがって、この図38(a)の動作例Aの場合、ハズレ入賞(先読み予告抽選に当選)の保留3を契機として、それより後の保留(保留4、保留Y1〜Y2)を対象とする先読み予告抽選禁止C1が実施され、また、転落入賞の保留Y1を契機として、それより後の保留(保留Y2〜Y5)を対象とする先読み予告演出禁止Aが実施される。なお、図33に示す制御フローに従った実施形態では先読み予告抽選禁止C1が保留個数分だけ行われるが、保留記憶可能な上限値である4個に対応する4回分だけ先読み予告抽選禁止C2とすることもできる。
(8−1.保留3のハズレ入賞と先読み予告抽選当選)
図33のフローにおいて、保留1、保留2が点灯している状況下で、新たに当り入賞があると、その保留加算コマンドが送信される。これを受信すると、まずそのコマンドの内容を解析し(ステップS711)、たとえば上位バイトがB8[H](保留3個入賞指定)で下位バイトが31[H](ハズレ変動)であることが把握される。次いで、「先読み禁止カウンタ」の値がゼロであるか否かを判断する(ステップS712)。先読み禁止カウンタの値は、保留1と保留2では先読み予告抽選に当選していないため、保留3が生じる段階では、まだゼロである。そこでステップS712の判断はYESとなり、ステップS713に進む。
続いて、連続予告カウンタがゼロであるか否かを判断する(ステップS713)。この時点において連続予告カウンタの値はまだゼロであるため、ステップS713からステップS714に進み、保留表示変化系と画像表示変化系の連続予告演出による先読み予告演出を実施するか否かについて先読み予告抽選を行う(ステップS714)。そして、その先読み予告抽選の当否について判断する(ステップS715)。
ここでは、先読み予告抽選に当選した場合を扱っているので、ステップS715の判断はYESとなり、保留3の入賞時点における保留球数である「3」が連続予告カウンタにセットされる(ステップS716)。これにより、その後において保留1の図柄変動表示動作がなされる際には、画像表示変化系の予告演出として稲妻の予告画像362が画面360内に現出することになる。
図33に戻り、次いでステップS721の保留加算表示に進み、保留球数の加算処理と、保留表示変化系の予告演出の色変化に関する専用保留表示演出シナリオがセットされる。これにより表示位置cの保留3がたとえば黄色の表示態様で表示される。
(8−2.保留1〜保留3の消化時の連続予告演出:図36〜図37)
やがて保留1〜保留3が順次消化され、それらの図柄遊技について特別図柄変動表示動作が行われることとなる。
すなわち、図36の特別図柄指定コマンドの受信処理において、保留1についての特別図柄指定コマンドが受信され、これに基づき図37の予告演出抽選処理が行われる。この図柄変動開始時の「予告演出抽選処理」の詳細を図37に示す。
この予告演出抽選処理(図37)では、まず連続予告カウンタの値がゼロか否かがチェックされる(ステップS751)。この時点においては、連続予告カウンタの値が「3」であるため(ステップS751:NO)、連続予告演出の一つが抽選により選択され(ステップS752)、また連続予告カウンタの値が1減算されて「3」から「2」に変更される(ステップS753)。そして、変動パターンに応じたシナリオの予告演出が抽選により選択される。この結果、保留1が消化されてその図柄変動表示動作がなされる際には、画像表示変化系の予告演出として稲妻の予告画像362が画面360内に出現されることになる。
なお、この稲妻の予告演出とは別系統の予告演出として、変動パターンに応じた予告演出シナリオが抽選により選択され発生される(ステップS753)。
上記と同様に、保留2およびこれに続く保留3の特別図柄変動表示動作が行われる際は、それぞれ一の連続予告演出が抽選され(ステップS752)、その都度、連続予告カウンタの値が1減算される(ステップS753)。すなわち保留2の消化に基づく図柄変動の際には「2」から「1」に、保留3の消化に基づく図柄変動の際には「1」から「0」に、続予告カウンタの値が変化する。このケースでは、最終的な保留3の図柄変動がハズレで終わることとなるため、保留1〜保留3にかけて続いた連続予告演出はガセの連続予告演出であった、ということになる。
(8−3.保留4のハズレ入賞)
動作例Aでは、保留3のハズレ入賞(先読み予告抽選に当選)の次にハズレ入賞に係る保留記憶があり、これにより表示位置dに保留4が点灯するケースとなっている。
図33のステップS712において、上記保留4の入賞時には、先読み禁止カウンタがゼロであるので、ステップS712の判断がYESとなり、ステップS713に進む。この時点において連続予告カウンタの値は「3」であるため(ステップS713:NO)、先読み予告抽選(ステップS714)および連続予告カウンタのセット(ステップS716)を行うことなく、ステップS713から直接にステップS717に進むルート(第2の先読み予告抽選迂回ルート)を通り、次いで(ステップS717:NO)および(ステップS719:NO)を経てステップS721の保留加算表示処理に進み、表示位置dの保留4が通常色(たとえば白色)で点灯せしめられる(ステップS721)。
すなわち、一度入賞時(ここでは保留3の入賞時)に先読み予告抽選が行われると、その後は連続予告カウンタがゼロに戻るまで、つまり当該保留3が特別図柄変動表示動作に供されて消化されるまでの間は、仮に新たな入賞として保留4、保留Y1、保留Y2の入賞が発生したとしても、これらを契機として先読み予告抽選が再び行われることはない。これを図38(a)に先読み予告抽選禁止C1区間と示してある。この実施例の場合、先読み予告抽選禁止C1区間は保留1〜保留3の消化個数分に対応する先読み3回分となっている。なお、この保留4およびこれに続く保留1〜保留Y2の点灯表示態様は、先読み予告演出禁止C1の範囲に属する点灯であり、保留加算表示処理のステップS729において通常保留表示演出シナリオがセットされるため、保留加算表示処理において通常色(たとえば白色)で表示されることになる。
(8−4.保留Y1の転落入賞)
動作例Aでは、保留4が表示位置dから表示位置cに移動した後、保留Y1の転落入賞がある。上記保留4の入賞の場合と同様に、当該転落入賞により表示位置dに保留Y1が点灯することとなる。この保留Y1の転落入賞時には先読み禁止カウンタが「0」であるので、図33のステップS712の判断がYESとなり、連続予告カウンタの値がチェックされる(ステップS712)。
連続予告カウンタの値は保留1〜保留3に基づく図柄変動が行われる度に1減算されるため、保留Y3が消化されるまでゼロ以外の値を有している。つまり、この保留Y1が表示位置dに発生した時点においてはまだゼロに戻っていない。そこで、ステップS713から第2の先読み予告抽選迂回ルートを経てステップS717に進み、受信した保留加算コマンドの内容が「転落」であるか否かを判断する(ステップS717)。
ここでは受信した保留加算コマンドの内容が「転落」である場合を想定しているので、ステップS717の判断がYESとなり、ステップS718に進み、先読み禁止カウンタが「4」にセットされる(ステップS718)。これにより、保留Y1より後の3回分の保留(保留Y2〜保留Y5)について、先読み予告演出の抽選が禁止され、連続予告演出の発生を防止されることになる。これを先読み予告禁止Aとして図38(a)中に示す。
その後、ステップS719において当該入賞が「当り」か否かが判断される(ステップS719)。保留加算コマンドが「転落」の場合、当り変動やハズレ変動の情報を持たないので、ステップS719の判断はNOとなり、ステップS721に進んで保留加算表示処理が行われ(ステップS721)、保留Y1が通常の白色保留として表示される。
(8−5.保留Y2のハズレ入賞)
動作例Aでは、保留Y1が表示位置dから表示位置cに移動した後、保留Y2のハズレ入賞があり、当該ハズレ入賞により表示位置dに保留Y2が点灯することとなる。この保留Y2の入賞時には先読み禁止カウンタが「4」であるので、図33のステップS712の判断がNOとなってステップS722に進み、先読み禁止カウンタの内容が1減算されて「4」から「3」になる(図38(a)参照)。そして第1の先読み予告抽選迂回ルートを経てステップS721に進み、保留加算表示の処理がなされ(ステップS721)、表示位置dに保留Y2が点灯表示される。この保留Y2の点灯は先読み予告禁止Aの範囲に属する点灯であり、保留加算表示処理のステップS729において通常保留表示演出シナリオがセットされるため、保留表示変化系の予告演出は実施されず、保留Y2の保留アイコンdは通常色の白色とされる。
(8−6.保留Y3のプレミアム大当り入賞)
動作例Aでは、保留Y2が表示位置cに移動した後、保留Y3のプレミアム大当りの入賞があり、当該当り入賞により表示位置dに保留Y3が点灯することとなる。この保留Y3のプレミア入賞時には先読み禁止カウンタが「3」であるので、図33のステップS712の判断がNOとなってステップS722に進み、先読み禁止カウンタの内容が1減算されて「3」から「2」になる(図38(a)参照)。そして第1の先読み予告抽選迂回ルートを経てステップS721に進み、保留加算表示の処理がなされ(ステップS721)、表示位置dに保留Y3が点灯する。この保留Y2の点灯は先読み予告禁止Aの範囲に属する点灯であり、保留加算表示処理のステップS729において通常保留表示演出シナリオがセットされるため、保留表示変化系の予告演出は実施されない。保留加算表示処理において保留Y3の保留アイコンdは通常色(白色)のままとされ、保留Y3としてプレミアム大当りの虹色保留は出現しない。
したがって従来のように、保留Y3としてプレミアム大当りの虹色保留が出現したのにも拘わらず、その前の保留Y1の転落入賞があった場合、その転落入賞保留Y1が図柄遊技の特別図柄変動表示動作に供された時点で遊技状態が高確率状態から低確率状態に移行してしまうために、低確率状態下でのハズレ入賞に該当して、プレミアム大当り保留表示が消えてしまう、という不都合は生じない。
(8−7.保留Y4のハズレ入賞)
動作例Aでは、保留Y3が表示位置cに移動した後、保留Y4のハズレ入賞がある。上記保留Y1の入賞の場合と同様に、当該当り入賞により表示位置dに保留Y4が点灯することとなる。この保留Y4の入賞時には先読み禁止カウンタが「2」であるので、図33のステップS712の判断がNOとなってステップS722に進み、先読み禁止カウンタの内容が1減算されて「2」から「1」になる(図38(a)参照)。そして第1の先読み予告抽選迂回ルートを経てステップS721に進み、保留加算表示の処理がなされ(ステップS721)、表示位置dに保留Y4が点灯する。この保留Y4の点灯は先読み予告禁止Aの範囲に属する点灯であり、保留加算表示処理のステップS729において通常保留表示演出シナリオがセットされるため、保留表示変化系の予告演出は実施されない。保留加算表示処理において保留Y4の保留アイコンdは通常色(白色)のままとされる。
(8−8.保留Y5のハズレ入賞)
動作例Bでは、保留Y4が表示位置cに移動した後、保留Y5のハズレ入賞があり、当該ハズレ入賞により表示位置dに保留Y5が点灯することとなる。この保留Y5の入賞時には先読み禁止カウンタが「1」であるので、図33のステップS712のからステップS722に進み、先読み禁止カウンタの内容が1減算されて「1」から「0」になる(図38(a)参照)。そして第1の先読み予告抽選迂回ルートを経てステップS721に進み、保留加算表示処理がなされ(ステップS721)、表示位置dに保留Y5が点灯する。この保留Y4の点灯は先読み予告禁止Aの範囲に属する点灯であり、保留加算表示処理のステップS729において通常保留表示演出シナリオがセットされるため、保留表示変化系の予告演出は実施されない。保留加算表示処理において保留Y4の保留アイコンdは通常色(白色)のままとされる。
上記したように、この動作例Aの場合、既にステップS718で先読み禁止カウンタが「4」にセットされ、保留3より後の4回分の保留(保留Y2〜保留Y5)については保留表示変化系の予告演出が禁止されているので、これらの保留Y2〜保留Y5のいずれがプレミアム大当り入賞に係るものであっても、プレミア保留の虹色保留として表示されることはない。従って、その前に保留Y1の転落入賞があった場合の不都合、つまり、その転落入賞保留Y1の消化時点で遊技状態が低確率状態に移行してしまうために、低確率状態下でのハズレ入賞に該当して、プレミアム大当り保留表示が消えてしまう、あるいはプレミアム大当り保留表示の変動表示が実行されたのにハズレとなってしまう、といった不都合は生じない。
<9.動作例B:図38(b)>
図38(b)は、転落抽選付の確変状態において上述の不信感の生じるケース(b−1)に対する解決策(図7(b))を含む動作例Bを示したものである。この動作例Bは、表示位置a、bに保留1、保留2が点灯している状況下で、新たに当り入賞があり、その保留加算コマンドを受けて先読み予告抽選が行われ、これに当選して表示位置cの保留3が通常色と異なる赤色で点灯した状態を動作開始点としている。
そして説明の便宜上、この後、空となっている表示位置dについて新たな入賞により保留4が生じ、保留1〜保留4の表示が全て点灯状態となることを想定している。また保留Y1〜Y6は、保留4より時間的に後の入賞により生じ得る保留であって、最も古い保留の表示位置aにある保留(保留Y1)の保留データが消化され、これに続く保留(保留2〜保留4)が、その表示位置a〜dを全体として左にシフトされると、その都度、空となった表示位置dに、順次に保留Y1〜Y6が古い順に入り込む関係となっている。そして、この図7(b)の動作例Bの場合、当り入賞の保留3が先読み予告抽選に当選したことにより、保留1〜保留3に跨って保留表示変化系および変動開始時変化系の連続予告演出が行われ、またこの保留3よりも後の保留(保留4、保留Y1〜Y3)を対象として先読み予告禁止B1が実施される。
(9−1.保留3の当り入賞)
図33のフローにおいて、保留1、保留2が点灯している状況下で、新たに当りの入賞があると、その保留加算コマンドが送信される。これを受信すると、まずそのコマンドの内容を解析し(ステップS711)、たとえば上位バイトがB8[H](保留3個入賞指定)で下位バイトが70[H](当り変動)であることが把握される。次いで、「先読み禁止カウンタ」の値がゼロであるか否かを判断する(ステップS712)。先読み禁止カウンタの値は、保留1と保留2では先読み抽選に当選していないため、保留3が生じる段階では、まだゼロである。そこでステップS712の判断はYESとなり、ステップS713に進む。
続いて、連続予告カウンタがゼロであるか否かを判断する(ステップS713)。この時点において連続予告カウンタの値はまだゼロであるため、先読み予告抽選を行う(ステップS714)。ここでは先読み予告抽選に当選した場合を扱っているので、ステップS715の判断がYESとなり、保留3の入賞時点における保留球数である「3」が連続予告カウンタにセットされる(ステップS716)。これにより、その後において保留1の図柄変動表示動作がなされる際には、画像表示変化系の予告演出として稲妻の予告画像362が画面360内に現出することになる。
次に、ステップS717に進み、受信した保留加算コマンドの内容が「転落」の種別情報であるか否かを判断する(ステップS717)。ここでは受信した保留加算コマンドの内容が「当り」の種別情報である場合を想定していて、受信した保留加算コマンドが転落の種別情報を持たないので、ステップS717の判断がNOとなる。そこで、ステップS719に進み、受信した保留加算コマンドの内容が「当り」の種別情報であるか否かを判断する(ステップS719)。
ここでは受信した保留加算コマンドの内容が「当り」の種別情報である場合を想定しているので、ステップS719の判断はYESとなり、ステップS720に進み、ここで先読み禁止カウンタに「4」がセットされる(ステップS720)。これにより保留3より後の4回分の保留(保留4、保留1〜保留3)について連続予告演出(先読み予告演出)の発生が禁止されることになる。これを図38(b)に先読み予告禁止B1として示す。
次いでステップS721の保留加算表示に進みに、保留球の加算処理と保留表示変化系の予告演出の色変化に関する専用保留表示演出シナリオがセットされる。これにより表示位置cの保留3が赤色の表示態様で表示される。
(9−2.保留1〜保留3の消化時の連続予告演出:図36〜図37)
やがて保留1〜保留3が順次消化されそれらの特別図柄変動表示動作が行われることとなる。
図37の予告演出抽選処理において、連続予告カウンタの値がゼロか否かがチェックされる(ステップS751)。保留1〜保留3に基づく図柄変動が行われる際には、連続予告カウンタの値がゼロとなっていない(ステップS751:NO)。
まず、保留1の消化に基づく図柄変動が行われる際には、連続予告カウンタの値が「3」にセットされているため(ステップS751:NO)、連続予告演出の一つが抽選により選択され(ステップS752)、また連続予告カウンタの値が1減算されて「3」から「2」に変更される(ステップS753)。そして、変動パターンに応じたシナリオの予告演出が抽選により選択される。この結果、保留1が消化されてその図柄変動表示動作がなされる際には、画像表示変化系の予告演出として稲妻の予告画像362が画面360内に出現されることになる。なお、この稲妻の予告演出とは別系統の予告演出として、変動パターンに応じた予告演出シナリオが抽選により選択され発生される(ステップS753)。
上記と同様に、保留2およびこれに続く保留3の図柄変動が行われる際は、それぞれ一の連続予告演出が抽選され(ステップS752)、その都度、連続予告カウンタの値が1減算される(ステップS753)。すなわち保留2の消化に基づく図柄変動の際には「2」から「1」に、保留3の消化に基づく図柄変動の際には「1」から「0」に、続予告カウンタの値が変化する。このケースでは、最終的な保留3の図柄変動が当りで終わることとなるため、保留1〜保留3にかけて続いた連続予告演出は本物の連続予告演出であった、ということになる。
(9−3.保留4のハズレ入賞)
動作例Bでは、保留3の当り入賞(先読み予告抽選に当選)の次にハズレ入賞があり、このハズレ入賞により表示位置dに保留4が点灯するケースとなっている。
図33のステップS712において、上記保留4の入賞時には、先読み禁止カウンタが「4」にセットされておりゼロになっていないので、ステップS712の判断がNOとなり、ステップS722に進む。ここで先読み禁止カウンタの内容が1減算されて「4」から「3」になる(ステップS722)(図38(b)参照)。そして第1の先読み予告抽選迂回ルートを経てステップS721に進み、保留加算表示処理がなされ(ステップS721)、表示位置dに保留4が点灯する。この保留4の点灯は先読み予告禁止B1の範囲に属する点灯であり、保留加算表示処理のステップS729において通常保留表示演出シナリオがセットされるため、保留表示変化系の予告演出は実施されず、保留4の保留アイコンdは通常色(白色)のままとされる。
(9−4.保留Y1のハズレ入賞)
動作例Bでは、保留4が表示位置cに移動した後、保留Y1のハズレ入賞がある。上記保留4のハズレ入賞の場合と同様に、当該ハズレ入賞により表示位置dに保留Y1が点灯することとなる。この保留Y1の入賞時には先読み禁止カウンタが「3」であるので、図33のステップS712の判断がNOとなってステップS722に進み、先読み禁止カウンタの内容が1減算されて「3」から「2」になる(図38(b)参照)。そして第1の先読み予告抽選迂回ルートを経てステップS721に進み、保留加算表示処理がなされ(ステップS721)、表示位置dに保留Y1が点灯する。この保留Y1の点灯は先読み予告禁止B1の範囲に属する点灯であるので、保留加算表示処理のステップS729において通常保留表示演出シナリオがセットされるため、保留表示変化系の予告演出は実施されない。保留加算表示処理において保留Y1の保留アイコンdは通常色(白色)のままとされる。
(9−5.保留Y2のプレミアム大当り入賞)
動作例Bでは、保留Y1が表示位置cに移動した後、保留Y2のプレミアム大当りの入賞がある。上記保留Y1の入賞の場合と同様に、当該当り入賞により表示位置dに保留Y2が点灯することとなる。この保留Y2の入賞時には先読み禁止カウンタが「2」であるので、図33のステップS712の判断がNOとなってステップS722に進み、先読み禁止カウンタの内容が1減算されて、一旦「2」から「1」になる。そして第1の先読み予告抽選迂回ルートを経てステップS717に進み、先読み結果の種別情報が転落であるか否かが判断される(ステップS717)、次いでステップS719に進み、先読み結果の種別情報が当りであるか否かが判断される(ステップS719)。受信した保留加算コマンドの下位バイトの内容が「当り」の場合であるので、ステップS717の判断はNO、ステップS719の判断はYESとなる。そこで、ステップS720に進み、先読み禁止カウンタに「4」がセットされ、先読み禁止カウンタの値が「1」から「4」に再度変更される。この結果として、先読み禁止カウンタの内容は「2」から「4」になる(図38(b)参照)。これにより当該保留Y2より後で生じる4回分の保留(保留Y3〜保留Y6)について先読み予告演出が禁止されることになる。これを「先読み予告禁止B2」として図38(b)に示す。
次いで、ステップS721に進み、当該保留Y2について保留加算表示処理がなされ(ステップS721)、表示位置dに保留Y2が点灯する。この保留Y2の点灯は先読み予告禁止B1の範囲に属する点灯であり、保留加算表示処理のステップS729において通常保留表示演出シナリオがセットされるため、保留加算表示処理(ステップS721)は保留表示変化系の予告演出を実施しない。保留加算表示処理において保留Y2の保留アイコンdは通常色(たとえば白色)のままとされる。したがって従来のように、保留Y2としてプレミアム大当りの虹色保留が出現したのにも拘わらず、その前の保留3の図柄変動で大当りが発生しているために、当該プレミアム大当り保留表示が消えてしまう、あるいはプレミアム大当り保留表示の変動表示が実行されたのにハズレとなってしまう、といった不都合は生じない。
(9−6.保留Y3のハズレ入賞)
動作例Bでは、保留Y2が表示位置cに移動した後、保留Y3のハズレ入賞があり、当該ハズレ入賞により、表示位置dに保留Y3が点灯することとなる。このハズレ入賞に係る保留Y3の発生時には、先読み禁止カウンタが「4」であるので、図33のステップS712のからステップS722に進み、先読み禁止カウンタの内容が1減算されて「4」から「3」になる(図38(b)参照)。そして第1の先読み予告抽選迂回ルートを経てステップS721に進み、保留加算表示処理がなされ(ステップS721)、表示位置dに保留Y3が点灯する。この保留Y3の点灯は先読み予告禁止B2の範囲に属する点灯であり、保留加算表示処理のステップS729において通常保留表示演出シナリオがセットされるため、保留表示変化系の予告演出は実施されず、保留Y3の保留アイコンdは通常色の白色とされる。
(9−7.保留Y4のハズレ入賞)
動作例Bでは、保留Y3が表示位置cに移動した後、保留Y4のハズレ入賞がある。上記保留Y3のハズレ入賞の場合と同様に、当該ハズレ入賞により表示位置dに保留Y4が点灯することとなる。この保留Y4の入賞時には先読み禁止カウンタが「3」であるので、図33のステップS712のからステップS722に進み、先読み禁止カウンタの内容が1減算されて「3」から「2」になる(図38(b)参照)。そして第1の先読み予告抽選迂回ルートを経てステップS721に進み、保留加算表示処理がなされ、表示位置dに保留Y4が点灯する。この保留Y4の点灯は先読み予告禁止B2の範囲に属する点灯であり、保留加算表示処理のステップS729において通常保留表示演出シナリオがセットされるため、保留表示変化系の予告演出は実施されず、保留Y4の保留アイコンdは通常色の白色とされる。
(9−8.保留Y5のハズレ入賞)
動作例Bでは、保留Y4が表示位置cに移動した後、保留Y5のハズレ入賞がある。上記保留Y4の入賞の場合と同様に、当該ハズレ入賞により表示位置dに保留Y5が点灯することとなる。この保留Y5の入賞時には先読み禁止カウンタが「2」であるので、図33のステップS712のからステップS722に進み、先読み禁止カウンタの内容が1減算されて「2」から「1」になる(図38(b)参照)。そして第1の先読み予告抽選迂回ルートを経てステップS721に進み、保留加算表示処理がなされ、表示位置dに保留Y5が点灯する。この保留Y5の点灯は先読み予告禁止B2の範囲に属する点灯であり、保留加算表示処理のステップS729において通常保留表示演出シナリオがセットされるため、保留表示変化系の予告演出は実施されず、保留Y5の保留アイコンdは通常色の白色とされる。
(9−9.保留Y6のハズレ入賞)
動作例Bでは、保留Y3が表示位置cに移動した後、保留Y6のハズレ入賞があり、当該ハズレ入賞により表示位置dに保留Y6が点灯することとなる。このハズレ入賞に係る保留Y6の発生時には先読み禁止カウンタが「1」であるので、図33のステップS712のからステップS722に進み、先読み禁止カウンタの内容が1減算されて「1」から「0」になる(図38(b)参照)。そして第1の先読み予告抽選迂回ルートを経てステップS721に進み、保留加算表示処理がなされ、表示位置dに保留Y6が点灯する。この保留Y6の点灯は先読み予告禁止B2の範囲に属する点灯であり、保留加算表示処理のステップS729において通常保留表示演出シナリオがセットされるため、保留表示変化系の予告演出は実施されず、保留Y6の保留アイコンdは通常色の白色とされる。
<変形例>
上記実施形態では、保留記憶された保留データの種別情報が転落抽選に当選したものであると先読み判定された場合、当該転落抽選の対象となった保留データよりも後に保留記憶された保留データに関しては、最大保留記憶個数と同数である4回分の図柄遊技の保留記憶について、その特別図柄の変動表示動作が終了するまで、つまり図38(a)の動作例Aでは保留Y2〜保留Y5について、連続予告演出の実行を不可能(先読み予告禁止A)としているが、先読み判定した際に現存する保留記憶個数と同数の特別図柄の変動表示動作が終了するまで連続予告演出の実行を不可能とするように構成してもよい。
また、上記実施形態では、保留記憶された保留データの種別情報が大当り変動のものであると先読み判定された場合、当該保留データよりも後に保留記憶された保留データに関しても、最大保留記憶個数と同数である4回分の図柄遊技の保留記憶について、特別図柄の変動表示動作が終了するまで、つまり図38(b)の動作例Bでは保留4、保留Y1〜保留Y3について、連続予告演出の実行を不可能(先読み予告禁止B1)としているが、先読み判定した際に現存する保留記憶個数と同数の特別図柄の変動表示動作が終了するまで連続予告演出の実行を不可能とするように構成してもよい。
更にまた、上記実施形態では、保留記憶された保留データの種別情報がハズレ変動のものであると先読み判定された場合、当該保留データよりも後に保留記憶された保留データに関しては、先読み判定した際に現存する保留記憶個数と同数の特別図柄の変動表示動作が終了するまで、つまり図38(a)の動作例Aでは保留4、保留Y1〜保留Y2について、連続予告演出の実行を不可能(先読み予告禁止C1)としているが、最大保留記憶個数と同数の4回分の図柄遊技の保留記憶(図38(a)の保留4、保留Y1〜保留Y3)について特別図柄の変動表示動作が終了するまで、連続予告演出の実行を不可能(先読み予告禁止C2)とするように構成してもよい。
また、上記実施形態では、専用保留表示演出シナリオとして、一旦通常と異なる表示態様の始動時変化系の予告演出(専用保留表示演出)が発生した場合、たとえば通常と異なる色の緑色保留が発生した場合、当該表示態様の緑色表保留がそのまま保留記憶数管理エリアの保留記憶位置を記憶順の古い側にシフトするとして説明した。しかし、当該通常と異なる表示態様である緑色表保留が保留記憶位置を記憶順の古い側にシフトする場合、その途中でより大当りの期待度の高い表示態様たとえば赤色保留に変化したり、別のアイコンの姿に変化するように、専用保留表示演出シナリオの内容を構成しても良い。
また、上記実施形態では、確変状態中に大当り期待度の高いたとえば虹色保留が発生したが、その前に転落入賞に係る保留が発生していた場合を例にして説明した。しかし、本発明は、大当りの種類として、「確変大当り」の他に、大当り後の遊技状態が低確率状態に移行してしまう「普通大当り」を含む構成とすることができる。この構成の場合、大当り期待度の高いたとえば虹色保留が発生したが、その前に「普通大当り」入賞に係る保留が発生していたケースが考えられる。かかるケースでは、図6(a)のケースと同様に、当該虹色保留表示が消化されるまでに消えてしまったり、当該虹色保留が消化される時点まで連続的に表示されていたのにハズレとなってしまう、という不信感のある事象が発生する可能性がある。そこで、このケースに対しても本発明を適用し、普通大当りが発生した場合、それから後で生じる入賞に関し、最大保留記憶個数(4個)と同数または保留記憶個数(たとえば3個)と同数の入賞に係る保留記憶については、その先読み予告を禁止する構成とし、これにより上記の不信感を解消することができる。
<本発明の好ましい形態>
本発明の好ましい形態を列挙すると次のようになる。
(1)始動条件が成立したことに基づいて、第1の遊技情報(当り判定用乱数)および第2の遊技情報(転落判定用乱数)を含む複数種類の遊技情報を取得する取得手段(図11の始動口チェック処理中のS315)と、
前記取得手段により取得された第1の遊技情報に基づき、当り遊技を発生させるか否かの当り抽選を実行する抽選手段(図13の特別図柄変動開始処理中の当り判定処理(S338)、図15のS356)と、
図柄遊技として特別図柄の変動開始および変動停止を一セットとする変動表示動作を行い、当該特別図柄の変動停止時の表示態様により前記抽選手段による抽選結果を報知するための図柄表示手段(特別図柄表示装置38、図10の特別図柄管理処理中の特別図柄表示データ更新処理(S310))と、
前記抽選手段による抽選結果に基づき、あらかじめ定められた複数種類の変動パターンのうちからいずれかを選択的に決定する変動パターン決定手段(図13の特別図柄変動開始処理中の特別図柄変動パターン設定処理(S341)、図18)と、
前記変動パターン決定手段により決定された変動パターンに基づき、前記図柄表示手段における前記特別図柄の変動表示動作を制御する図柄表示制御手段(図10の特別図柄管理処理中の特別図柄変動中処理(S307)、図19)と、
前記取得手段により取得された前記第1の遊技情報と前記第2の遊技情報を、保留データとして、前記図柄表示手段における前記特別図柄の変動表示動作に供されるまで、あらかじめ定めた最大保留記憶個数を上限として保留記憶する保留記憶手段(RAM203の保留記憶エリア、図11の始動口チェック処理中のS315、図13の特別図柄変動開始処理中の保留記憶エリアシフト処理(S334))と、
前記図柄表示手段に前記特別図柄が特定の表示態様で停止表示された場合、前記当り遊技を実行制御する当り遊技実行制御手段(図9の主制御側タイマ割込処理中の特別変動入賞装置管理処理(S210)、図21のS401〜S409)と、
前記当り遊技が終了した後の遊技状態を、前記抽選手段による当り抽選の抽選確率が所定の低確率状態である通常状態よりも高い高確率状態に移行制御する確率変動状態移行手段(図21の特別変動入賞装置管理処理中の大当り終了処理(S409)、図27のS464)と、
前記保留記憶手段に保留記憶された前記第2の遊技情報に基づき、前記遊技状態を前記高確率状態から前記低確率状態に転落させるか否かの転落抽選を実行する転落抽選手段(図13の特別図柄変動開始処理中の転落判定処理(S337)、図14のS352〜S353)と、
前記転落抽選に当選したことを条件に、前記当り抽選の当選確率を前記高確率状態から前記低確率状態に転落移行制御する転落移行制御手段(図14の転落判定処理中のS354)と、
前記保留記憶手段に保留記憶された前記第1の遊技情報に基づき、前記当り抽選の結果が当りとなるか否かを当該保留記憶が前記特別図柄の変動表示動作に供される前に先読み判定する第1の先読み判定手段(図11の始動口チェック処理中の始動口入賞時乱数判定処理(S316)、図12のS323)と、
前記保留記憶手段に保留記憶された前記第2の遊技情報に基づき、前記転落抽選の結果が転落となるか否かを当該保留記憶が前記特別図柄の変動表示動作に供される前に先読み判定する第2の先読み判定手段(図11の始動口チェック処理中の始動口入賞時乱数判定処理(S316)、図12のS322)と、
前記第1の先読み判定手段による判定結果を演出開始条件に、当該判定結果に関連する情報を報知する予告演出の実行可否を判定する予告実行判定手段(図33の保留加算コマンド受信処理中のS711〜S715)と、
前記予告実行判定手段により前記予告演出を実行可と判定された場合、所定の演出手段に対して前記予告演出を発生させる予告演出制御手段(図33の保留加算コマンド受信処理中の保留加算表示処理S721、またはこれと図36の特別図柄指定コマンド受信処理中の予告演出抽選処理(S742、図37)の双方)と、
を備え、
前記予告実行判定手段は、前記第2の先読み判定手段により前記転落抽選手段による前記転落抽選の結果が転落となると先読み判定された場合、当該転落抽選の対象となった前記保留データよりも後に前記保留記憶手段に保留記憶される所定個数分の保留データに関しては、前記予告演出を実行不可と判定する(図33の保留加算コマンド受信処理中のS717〜S718およびS722)、
ことを特徴とする弾球遊技機。
ここで「先読み判定手段の判定結果に関連する情報を報知する予告演出」は、特別図柄表示装置38による複数回の特別図柄の変動表示動作に跨って継続し得る連続予告演出が、その代表的なものであるが、複数回の変動表示動作に跨らない予告演出、たとえば入賞した瞬間に「ピュイ」と鳴るだけの演出も、ここでいう「判定結果に関連する情報を報知する予告演出」に含まれる。
(2)前記予告実行判定手段は、前記第1の先読み判定手段による判定結果を演出開始条件として、前記予告演出の実行可否を抽選により判定する実行抽選手段(図33の保留加算コマンド受信処理中のS714〜S715)を含み、
前記実行抽選手段は、前記先読み判定手段により前記当りとなると判定された場合と前記当りとはならない(ハズレ)と判定された場合とで、前記予告演出を実行可と判定する確率が異なるように抽選する、ことを特徴とする上記(1)に記載の弾球遊技機。
これは上記した実施形態の変形例となる形態であって、この形態の弾球遊技機では、第1の先読み判定手段により当りとなると判定された場合であっても、必ずしも当該保留を対象とする連続予告演出(本物の連続予告演出)を100%行うとは限らず、実行抽選手段による抽選結果によっては連続予告演出を行わないときもある。また第1の先読み判定手段によりハズレと判定された場合であっても、当該保留を対象とする連続予告演出を100%行わないとは限らず、実行抽選手段による抽選結果によっては連続予告演出(ガゼの連続予告演出)を行うときもある。これらの本物またはガセの連続予告演出を行うか否かは、実行抽選手段にて所定の抽選確率で決定される。
(3)前記予告実行判定手段は、前記第1の先読み判定手段による判定結果に基づき、前記予告演出の実行可否を抽選により判定する実行抽選手段を含む、ことを特徴とする上記(1)に記載の弾球遊技機。
これも上記した実施形態の変形例となる形態であって、この形態の弾球遊技機では、第1の先読み判定手段により当りとなると判定された場合、必ず実行抽選手段により予告演出を実行するか否かに関する実行可否抽選が行われるため、この実行可否抽選に当選することで、現存する保留に跨って連続予告演出(本物の連続予告演出)が行われる。一方、第1の先読み判定手段によりハズレと判定された場合は、上記実行可否抽選が行われないため、当該保留を対象とする連続予告演出(ガゼの連続予告演出)は行われない。
(4)前記予告実行判定手段により前記予告演出の実行を不可とする前記所定回数は、前記第2の先読み判定手段が先読み判定する際に現存する保留記憶個数と同数である、ことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の弾球遊技機。これも上記した実施形態の変形例となる形態である。
(5)前記予告実行判定手段により前記予告演出の実行を不可とする前記所定回数は、前記最大保留記憶個数と同数である〔図33の保留加算コマンド受信処理中のS718、S722〕、ことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の弾球遊技機。
(6)前記所定の演出手段は、前記最大保留個数と同数だけ設けられ前記第1の先読み判定手段および前記第2の先読み判定手段が先読み判定する際に現存する前記保留記憶個数分だけ作動状態となる保留表示手段〔図4の保留表示器a〜d、演出手段361〕からなり、
前記予告演出制御手段は、前記予告実行判定手段により前記予告演出を実行可と判定された場合、前記保留表示手段のうちの該当する一の保留表示手段の保留表示態様を所定の先読み予告表示態様に変更することにより、前記予告演出を発生させる〔図33の保留加算コマンド受信処理中のS721(保留加算表示処理)〕、ことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の弾球遊技機。