以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態をパチンコ遊技機を例にして説明する。
<1.構成の概要:図1、図2>
図1は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す正面側の斜視図である。
図示のパチンコ遊技機1は、木製の外枠4の前面に額縁状の前面枠2を開閉可能に取り付け、前面枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前面枠2の開口部に臨ませた構成を有する。上記遊技領域3aは、遊技盤3の面上に配設した球誘導レール5(図2参照)で囲まれた領域からなる。この遊技領域3aの前側に、透明ガラスを支持したガラス扉枠6が設けられている。
またパチンコ遊技機1は、ガラス扉枠6の下側に配設された前面操作パネル7を有している。前面操作パネル7には上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。前面操作パネル7には、球貸しボタン11およびプリペイドカード排出ボタン12(カード返却ボタン12)が設けられている。また、上受け皿9の上皿表面部分には、内蔵ランプが点灯されて操作可能となり、その内蔵ランプ点灯時に押下することにより演出効果を変化させることができる押しボタン式の枠演出ボタン13が設けられている。この上受け皿9には、上受け皿9に貯留された遊技球をパチンコ遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14が設けられている。
また、前面操作パネル7の右端部側には、発射ユニットを作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。また、前面枠2の上部の両側、発射操作ハンドル15の上側には、効果音を発生するスピーカ46が設けられている。またさらに、ガラス扉枠6の各所には、光の装飾により演出効果を現出する装飾ランプ45が設けられている。
次に、遊技盤3の遊技領域3aについて説明する。図2に示すように、遊技盤3の略中央部には、3つ(左、中、右)の表示エリアにおいて、独立して数字やキャラクタや記号などによる図柄(装飾図柄)の変動表示が可能である画像表示装置としての液晶表示装置36(LCD:Liquid Crystal Display)が配設されている。この液晶表示装置36の真下には、第1の特別図柄始動口である上始動口34と、第2の特別図柄始動口である下始動口35とが上下に配設され、それぞれの内部には、入賞球を検出する特別図柄始動口センサ34a、35a(図3参照)が設けられている。下始動口35には、左右一対の可動翼片47が下始動口35を開閉可能に設けられ、いわゆるチューリップ型の電動役物(普通変動入賞装置41)を構成している。
上始動口34より上左側には、ゲートからなる普通図柄始動口37が配設されており、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が配設されている。
上記下始動口35の下方には、大入賞口40を開閉する開放扉42bで開閉可能に構成した特別変動入賞装置42が配設され、その内部には、入賞球を検出する大入賞口センサ40a(図3参照)が配設されている。
特別変動入賞装置42の両側に一般入賞口43が計4つ配設されており、それぞれ内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ43a(図3参照)が形成されている。
また、遊技領域3aの右上縁付近には、7セグを3桁に並べて構成される特別図柄表示装置38と、2個のLEDからなる普通図柄表示装置39が設けられている。さらに、遊技領域3aには、センター飾り48、遊技球の落下方向変換部材としての風車44や複数の遊技釘(図示せず)、複数の発光装置(ランプ、LED等:図示せず)などが配設されている。さらに遊技盤3の両側端部近傍にも、装飾ランプ45などのランプ表示装置やLED装置が配設されている。
遊技球が上始動口34または下始動口35に入賞したことに基づき、主制御部20(図3参照)において乱数抽選による大当りに関する抽選(大当り抽選)が行なわれる。この抽選結果に応じて特別図柄を特別図柄表示装置38に変動表示させて、特別図柄変動表示ゲーム(図柄遊技)を開始し、一定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置38に表示するようになっている。このとき、上記特別図柄変動表示ゲームに連動する形態で、装飾図柄を液晶表示装置36に変動表示させて、装飾図柄変動表示ゲームを開始し、上記一定時間経過後に、特別図柄表示装置38に抽選結果が表示されると共に、液晶表示装置36にも装飾図柄によりその結果が表示される。
本実施形態では液晶表示装置36により画像表示装置を構成しているが、これに限らず、画像表示装置として、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)、電子ペーパディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic ElectroLuminescent Display)等で構成しても良い。この液晶表示装置36は、後述する演出制御部24(図3参照)の制御の下で、種々の演出を画像で表示させる。すなわち、上記特別図柄変動表示ゲームでの抽選結果を反映させた演出、つまり装飾図柄を変動表示させて上記装飾図柄変動表示ゲームを現出し、これに付随して種々の予告演出(たとえば、連続予告演出やリーチ演出や背景演出など)を現出させる。
したがって、特別図柄表示装置38での特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」であった場合、この液晶表示装置36の装飾図柄変動表示ゲームの結果も「大当り」を反映させた演出が現出される。また、特別図柄表示装置38には、大当りを示す特別図柄が所定の表示態様(たとえば、2個の7セグが全て「7」の表示状態)で停止表示され、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、当り有効ライン上で装飾図柄が上記大当り抽選結果を反映させた所定の表示態様(たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示状態)で停止表示される。
そして、この大当りとなった場合には、特別変動入賞装置ソレノイド42a(図3参照)が作動して開放扉42bが開き、これにより大入賞口40が所定パターンで開閉制御されて、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、開放扉42bが所定時間(たとえば、30秒)開放して大入賞口40が開放されるか、または所定個数(たとえば、9個)の遊技球が入賞するまで大入賞口40が開放され、その後、所定時間(たとえば、2秒)開放扉42bが閉まって大入賞口40を閉鎖する、といった動作(ラウンド遊技)が所定回数(たとえば、最大15回(最大15R(ラウンド))繰り返されるようになっている。
上記大当り遊技は、上記図柄変動表示ゲームにて大当りを示す図柄が確定表示されてから開始される。大当りが開始すると、最初に大当り開始ファンファーレによるオープニング演出が行われ、オープニング演出が終了した後、大入賞口40が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。また、ラウンド遊技中では、対応するラウンド演出が行われる。そして、規定ラウンド数終了後には、大当り終了ファンファーレによるエンディング演出が行われ、大当りが終了する。
また、遊技球が普通図柄始動口37を通過したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による補助当りに関する抽選(補助当り抽選)が行なわれる。この抽選結果に応じて2個のLED39により表現される普通図柄を普通図柄表示装置39に変動表示させて、普通図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果をLED39の点灯と非点灯の組合せまたは双方点灯の組合せにて停止表示するようになっている。普通図柄表示装置39での普通図柄変動表示ゲームの結果が「補助当り」であった場合、普通図柄表示装置39の表示部を所定パターン(たとえば、2個のLED39が双方共に点灯状態)にて停止表示させる。
そして補助当りとなった場合には、左右の可動翼片47を駆動させるための普通変動入賞装置ソレノイド41a(図3参照)が作動し、上記可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35が開放または拡大されて遊技球が流入し易い状態となり、遊技者に有利な補助遊技状態(以下、「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47が、所定時間(たとえば、0.2秒)開放して下始動口35が開放されるか、または所定個数(たとえば、5個)の遊技球が普通変動入賞装置41(下始動口35)に入賞するまで下始動口35が開放され、その後、所定時間(たとえば、0.4秒)可動翼片47が閉まって下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、1回)繰り返されるようになっている。
また、上記普電開放遊技中に遊技球が下始動口35に入賞した場合にも、同様に上記特別図柄変動表示ゲームが行なわれ、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが行なわれる。各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。
なお、上記特別図柄変動表示ゲームまたは上記普通図柄変動表示ゲームを行う最中に、さらに特別図柄始動口センサ34a、35aまたは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力がある場合には、この検出信号に基づいて各変動表示ゲームを行わせるための始動権利に関するデータである始動記憶(いわゆる、作動保留球)を、変動表示中にかかわるものを除き、上限の所定個数まで記憶する。そして、この始動記憶個数を遊技者に明らかにするため、パチンコ遊技機1の適所にまたは液晶表示装置36による画面中に画像として表示させる。通常は、この始動記憶の発生順に、各始動記憶に対する変動表示ゲームが実行制御される。本実施形態では、上記上限の所定個数として、特別図柄、普通図柄に関する始動記憶をそれぞれ4個まで主制御部20に設けられるRAM203(図3参照)に記憶され、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留される。
次に、大当り遊技終了後に発生する特定遊技状態について説明する。この特定遊技状態は、大当りの種別に応じてあらかじめ定められたものであり、以下の機能が作動することで、種々の特定遊技状態が発生することになる。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20(主制御CPU201:図3参照)がその機能部を担う、確率変動(以下、「確変」と称する)機能を備えている。これには特別図柄に係る確変機能(以下、「特別図柄確変機能」と称する)と普通図柄に係る確変機能(以下、「普通図柄確変機能」と称する)の二種類がある。
特別図柄確変機能は、大当りの抽選確率が低確率である通常確率(たとえば、348分の1)から高確率(たとえば34.8分の1)に変動する大当り確変状態を発生させる機能である。すなわち、特別図柄確変機能が作動中の遊技状態(大当り確変状態)下では、大当り抽選確率が低確率である低確率状態から、大当り抽選確率が高確率である高確率状態に変動している。この特別図柄確変機能の作動契機となる大当りを「確変大当り」と称し、特別図柄確変機能の作動契機とはならない大当りを「非確変大当り」称する。上記特別図柄確変機能が作動中の遊技状態下では、大当り抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、上記「確変大当り」は遊技者が最も期待する大当り種別と言える。
なお、大当り確変状態を継続させる条件は適宜定めることができる。たとえば、所定回数(たとえば、4回)の特別図柄変動表示ゲームが終了する迄の間(いわゆる、「回数切り確変(ST)」)、または次回の大当りが確定する迄の間、もしくは所定の抽選(いわゆる、「転落抽選」)により低確率状態に移行することが決定される迄の間などを、大当り確変状態が継続する条件とすることができ、いずれの条件を定めるかは自由である。また、確変大当りを複数種類設けることにより、それぞれの確変大当りごとに、いずれの条件を付与するかを定めても良い。
普通図柄確変機能は、補助当り抽選確率が低確率である通常確率(たとえば、256分の1)から高確率(たとえば、256分の255)に変動する補助当り確変状態を発生させる機能である。普通図柄確変機能が作動中の遊技状態(補助当り確変状態)下では、補助当り抽選確率が高確率に変動して補助当りが生起され易くなるため、普電開放遊技が頻繁に発生し、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記普通図柄確変機能の作動契機は後述の特別図柄時短機能の作動契機と同期し、その終了契機も特別図柄時短機能の終了契機と同期する形態となっている。
さらにまた、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御CPU201がその機能部を担う、変動時間短縮(以下、「時短」と称する)機能を備えている。これには特別図柄に係る時短機能(以下、「特別図柄時短機能」と称する)と普通図柄に係る時短機能(以下、「普通図柄時短機能」と称する)の二種類がある。
特別図柄時短機能は、特別図柄変動表示ゲームにおける特別図柄の変動時間を短縮した特別図柄時短状態を発生させる機能である。特別図柄時短機能が作動中の遊技状態下では、1回の特別図柄変動表示ゲームの時間(特別図柄が変動を開始してから確定表示される迄の時間)が、たとえば、平均時間もしくはリーチなしハズレ変動において、30秒(特別図柄時短機能未作動中のとき)から4秒(特別図柄時短機能動作中のとき)に短縮され、通常遊技状態よりも単位時間当りの大当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。
普通図柄時短機能は、普通図柄変動表示ゲームにおける普通図柄の変動時間が短縮された普通図柄時短状態を発生させる機能である。普通図柄時短機能が作動中の遊技状態下では、1回の普通図柄変動表示ゲームの時間(普通図柄が変動を開始してから確定表示される迄の時間)が、たとえば、10秒(普通図柄時短機能未作動中のとき)から1秒(普通図柄時短機能動作中のとき)に短縮され、通常遊技状態よりも単位時間当りの補助当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記普通図柄時短機能の作動契機は上記特別図柄時短機能の作動契機と同期し、その終了契機も、特別図柄時短機能の終了契機と同期する形態となっている。
さらにまた、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御CPU201がその機能部を担う、開放延長機能を備えている。
開放延長機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47を開動作させる期間およびその開放回数を延長した開放延長状態を発生させる機能である。開放延長機能が作動中の遊技状態下では、可動翼片47の1回の開動作期間がたとえば0.2秒から1秒に延長され、また開閉回数が、たとえば1回(開放延長機能未作動中のとき)から3回(開放延長機能作動中のとき)に延長され、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記開放延長機能の作動契機は上記特別図柄時短機能の作動契機と同期し、その終了契機も、特別図柄時短機能の終了契機と同期する形態となっている。これにより、開放延長機能が作動中の遊技状態下では、普通図柄確変機能および普通図柄時短機能も作動中となるため、通常遊技状態よりも可動翼片47の作動率が著しく向上した遊技状態が発生する。
本実施形態では上記の普通図柄に関する機能、すなわち普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能は、特別図柄時短機能の作動契機と同期する形態となっているため、3つの機能が同じ契機にて動作することになる。しかし、上記の普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能を個々に着目した場合、これらの機能のうち少なくともいずれか1つが作動すると、上記の可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となり下始動口35への入賞頻度が高くなることから、遊技状態としては、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高くなる「高ベース遊技状態(始動条件向上状態)」に移行することになる。なお、ここでいう「高ベース遊技状態」とは、上記のように普通図柄に関する機能が作動する場合の遊技状態をいい、特別図柄に関する機能、すなわち特別図柄確変機能および特別図柄時短機能の少なくともいずれか1つが作動する場合の遊技状態とは異なる。
特別図柄に関する機能を個々に着目した場合、上記特別図柄確変機能が作動する場合には通常遊技状態よりも大当りが生起し易くなる、つまり大当り抽選の当選確率が通常遊技状態より高くなる「高確率遊技状態」となり、上記特別図柄時短機能が作動する場合には特別図柄変動表示ゲームの消化時間が通常遊技状態よりも速まる「特別図柄時短遊技状態」となる。この点において、特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高くなる「高ベース遊技状態」とは区別される。
本実施形態では上記「高ベース遊技状態」の一例として、可動翼片47の作動率が著しく向上する開放延長機能が作動中の遊技状態を「高ベース遊技状態」として扱う。普通変動入賞装置41の可動翼片47は、開放延長機能が作動中の「高ベース遊技状態」下では、開放延長機能が未作動中の遊技状態(本実施形態では「通常遊技状態」に相当する)に比較して、遊技者にとって有利な高ベース遊技状態の動作をすることになる。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機1における大当りについて説明する。ここで、本実施形態のパチンコ遊技機1は、上述したように、特別図柄確変機能、普通図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能を有している。また、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能の作動契機は、特別図柄時短機能の作動契機と同期するようになっている。以下では、説明の便宜上、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が動作する遊技状態を「時短遊技状態(以下、「時短状態」と略す)」と称し、この時短状態に加えてさらに特別図柄確変機能が動作する遊技状態を「確変遊技状態(以下、「確変状態」と略す)」と称し、特別図柄確変機能のみが動作する遊技状態を「潜伏確変遊技状態(以下、「潜伏確変状態」と略す)」と称し、いずれの機能も作動中でない状態(大当り遊技中は除く)を「通常遊技状態」と称する。上記各遊技状態における大当り抽選確率に着目した場合、時短状態または通常遊技状態下においては、少なくとも大当り抽選確率が低確率状態となっており、上記確変状態または潜伏確変状態下においては、少なくとも大当り抽選確率が高確率状態となっている。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記の特別図柄変動表示ゲームで抽選される大当りの種別として、非確変大当りの「15R非確変大当り」と、確変大当りの「15R確変大当り」「2R突然確変大当り(2R突確大当り)」および「2R潜伏確変大当り」と、が設けられている。
これらの大当りによる大当り遊技のうち、15R非確変大当りと15R確変大当りでは、ラウンド遊技数(大入賞口40の開放回数)が最大規定回数の15ラウンド行われ、2R突確大当りと2R潜伏確変大当りでは、2ラウンド行われる。また、上記2R突確大当りと2R潜伏確変大当りについては、1回のラウンド遊技中の大入賞口40の開放時間が15R非確変大当りや15R確変大当りよりも短く(たとえば、0.5秒)設定されている。
また大当り遊技終了後には、その大当りに応じた特定遊技状態が発生するようになっている。具体的には、15R確変大当りと2R突確大当りとには次回大当りが確定(大当り遊技が発生)するまで「確変状態」が発生し、2R潜伏確変大当りには次回大当りとなるまで潜伏確変状態が発生し、15R非確変大当りには特別図柄変動表示ゲーム回数が所定回数(たとえば、100回)終了する迄の間か、またはその所定回数内で大当りが確定するまでの間、「時短状態」が発生するようになっている。ここで、確変状態中または時短状態中では、開放延長機能が作動中となるので、これら遊技状態は「高ベース遊技状態」となっている。
また上述した大当りの他、2R潜伏確変大当りによる大当り遊技の場合と実質的に同じ遊技動作態様で大入賞口40が2回開閉される当り状態(小当り遊技)が付与される「小当り」を設けてある。この小当り遊技は、2R潜伏確変大当りによる大当り遊技と実質的に同一の遊技動作態様を呈することにより擬似的なラウンド遊技を表現し、あたかも2R潜伏確変大当りが発生したかの如く装うことを可能にしている。すなわち、この小当りによる当り遊技動作は、2R潜伏確変大当りによる大当り遊技動作との違いを、遊技者が識別困難とする動作態様で行われる。
したがって、小当り遊技中に遊技者に付与される遊技価値と2R潜伏確変大当りによる大当り遊技中に遊技者に付与される遊技価値とは、実質的に同じとなる。しかし小当り遊技終了後には、当該小当りの当選時の遊技状態がそのまま継続されるようになっており、この点において、上記の特定遊技状態の発生する大当りとはその性質を異にする。たとえば、通常遊技状態中に「小当り」に当選した場合、その小当り遊技終了後の遊技状態は、小当り当選時の遊技状態である通常遊技状態がそのまま継続される。以下、説明の便宜上特に必要がない限り、上記小当りについては他の大当りと区別することなく大当りの種別の一つとして同列に扱うことにする。
なお、上記のいずれかの大当りに当選した場合、特別図柄表示装置38における特別図柄に関しては、そのまま抽選結果が反映した特別図柄が表示される。つまり特別図柄表示装置38には、確変大当りを報知する特別図柄または非確変大当りを報知する特別図柄もしくは確変大当りか非確変大当りかいずれかの可能性があることを報知する特別図柄が表示される。一方、液晶表示装置36には、当選した大当りが確変大当りであっても、装飾図柄に関しては必ずしも最初から当該確変大当りが明らかとなる図柄で表示することを行わない。通常、遊技者は液晶表示装置36の装飾図柄変動表示ゲームを見ながら遊技に興じているので、当該ゲーム結果が非確変大当り種別を示す図柄であっても、遊技者に確変大当りへの期待感を残すためである。
次に、遊技状態おける演出の演出モードについて説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1には、報知すべき現在の遊技状態に関連した演出の演出モードとして、大当り抽選確率が高確率状態であることを確定的に報知する演出をなす「確変確定演出モード」と、時短状態であることを確定的に報知する演出をなす「時短演出モード」と、大当り抽選確率状態を隠匿状態とする演出モード、具体的には、大当り抽選確率が高確率状態であるかのように装い、現在の遊技状態を隠匿して遊技者に潜伏確変状態の期待感を与える「確変隠匿演出モード」とが設けられている。
さらにまた、小当りの当選情報、すなわち小当りフラグが設定状態であるかまたは非設定状態であるかに依存して決定される2つの演出モードを備えている。その一つは小当りフラグが非設定状態のときにとる「通常演出モード」であり、他の一つは小当りフラグが設定状態のときにとる確変隠匿演出モード(ガセの場合)である。なお、上記小当りフラグは、小当りの当選を契機に設定状態にされ、所定の抽選(モード転落抽選)または所定の図柄変動表示ゲーム回数消化によりその設定が非設定状態に変更される。この「通常演出モード」では1回の図柄変動動作毎に完結する演出が表示される。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記のように遊技状態に応じた複数の演出モードを設定し、その演出モード間の行き来を可能に構成している。具体的には、確変状態であれば「確変確定演出モード」に、時短状態であれば「時短演出モード」に、潜伏確変状態であれば「確変隠匿演出モード(本物)」に移行制御され、通常遊技状態においては、小当りフラグに依存して「通常演出モード」または「確変隠匿演出モード(ガセ)」に移行制御される。特に、通常遊技状態から小当りまたは2R潜伏確変大当りに当選した場合、その大当り遊技中の遊技動作態様は実質的に同じ動作に制御され、その大当り遊技終了後の演出モードも同じ「確変隠匿演出モード」に移行制御され、さらにまた大当り遊技終了後に開放延長機能が作動せずに可動翼片47の作動率向上状態ともならない。結果として大当り抽選確率状態が隠匿され、現在の遊技状態の識別が困難になる。
<2.制御装置:図3>
図3は、上記のような遊技の進行状況に応じた遊技機制御を行う制御装置の概要を示した制御ブロック図である。
この制御装置は、遊技動作全般の制御を司る主制御部20と、主制御部20から演出制御コマンドを受けて、画像と光と音についての演出制御とを行う演出制御部24とを中心に構成される。そして、演出制御部24には、画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。なお本明細書において、演出装置といった場合、液晶表示装置36やランプやLEDや音響発生装置、可動体など、画像や光や音、可動体の動作態様によって演出を行う装置を広く指す。
また、主制御部20には払出制御基板29が接続され、これに発射装置32を制御する発射制御基板28および遊技球払出装置19が接続されている。符号31は電源基板であり、電源基板31は外部電源(図示せず)に接続され、変圧トランスから供給される交流電圧(AC24V:メイン電源)から所要の電源を生成し、各制御基板にそれぞれ供給する。なお、図3には電源供給ルートは省略してある。
(2−1.主制御部20)
主制御部20は、主制御CPU201を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等を格納した主制御ROM202と、ワークエリアが形成される主制御RAM203を搭載して、1チップマイクロコンピュータを構成している。また図示はしていないが、一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能等を有するCTC(Counter Timer Circuit)やCPUに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路が設けられている。
また主制御部20には、上始動口34への入賞を検出する特別図柄始動口センサ34aと、下始動口35への入賞を検出する特別図柄始動口センサ35aと、普通図柄始動口37の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aと、大入賞口40への入賞を検出する大入賞口センサ40aとが接続され、主制御部20はこれらの各検出信号を受信可能となっている。
また主制御部20には、特別図柄表示装置38、普通図柄表示装置39、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通変動入賞装置ソレノイド41a、および、大入賞口40の幅広な開放扉42bを開閉制御するための特別変動入賞装置ソレノイド42aが接続され、主制御部20は各装置を制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20は、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる「大当り」またはこの特別遊技状態を発生させない「ハズレ」のいずれであったかを抽選するとともに、その抽選結果である当否情報に応じて特別図柄の変動パターンや停止図柄を決定し、少なくともこの抽選結果と変動パターンとを含む演出制御コマンドや、決定された停止図柄に基づく特別図柄指定コマンドを作成して演出制御部24に送信する構成となっている。
主制御部20からの演出制御コマンドは、一方向通信により演出制御部24に送信される。これは、外部からのゴト行為による不正な信号が演出制御部24を介して主制御部20に入力されることを防止するためである。
(2−2.主制御ROMと主制御RAM:図4〜図6B)
主制御ROM202は、使用領域のうち制御用のプログラム領域が3KB以内で、データ領域が3KB以内となるように、プログラムサイズとデータ容量が定められている。
この主制御ROM202のデータ領域には、複数個の変動時間データとその他の時間データを記憶した時間データ領域と、変動パターン決定テーブル等の記憶領域とが設けられている。
図4は図柄遊技の図柄動作に係わる図柄動作用時間データを記憶したROM領域の構成を示したもので、n個の変動時間データ1〜nが格納されている変動時間テーブル221、図柄停止時間データ、オープニング演出時間データ、特別変動入賞装置の開放時間データ、閉鎖時間(ラウンド間インターバル時間)データ、エンディング演出時間データなどが設けられている。これらの図柄動作用時間データはそれぞれ1バイトで構成され、データ容量が従来の変動時間テーブルの半分になっている。
また、図4には示していないが、ROM202には図柄遊技の図柄動作には係わらない非図柄動作用時間データとして、普通図柄用時間データや不正情報用時間データが記憶されている。この非特別図柄動作用時間データは従来通り2バイトサイズとなっている。
変動時間テーブル221における各変動時間データのデータ長が1バイト(8ビット)であるので、変動時間データの数nは256種類(最大カウント数255)まで確保することができ、本実施形態の場合はn=222としている。変動時間テーブル221のサイズ(データ容量)は222バイトとなり、各変動時間データが2バイトサイズの従来の場合に比べ、変動時間テーブル221のデータ量は合計222バイトだけ小さくなる。
図5は変動パターン決定テーブルを例示したものであり、変動パターン番号(A1〜Am、ここではm=587の種類を示す)と、その変動パターン番号を指定する変動パターン指定コード(XXXX[H])とが対応付けて格納されている。変動パターン番号A1〜Amが意味するところは、図5中に内容説明として示す通りであり、大当りまたはハズレの別と、リーチ演出の有無および種別と、図柄変動表示ゲームの開始から終了迄の変動時間(秒)とである。
この例では、変動パターン番号A1、A2、A51がハズレ変動とされ、A3、A52、A91が大当り変動とされている。また演出指定内容は、リーチなしのハズレ変動と、ノーマルリーチ(リーチパターン1)と、スーパーリーチ(リーチパターン2、3)の3種類とされている。「ハズレ変動」とは、たとえば、図柄変動表示ゲームで左列、右列、中列と停止する3列の図柄による組み合わせを導出する形態である場合、3列の図柄表示列がリーチを形成することなく、左列→右列→中列の順に変動停止される変動形態である。「ノーマルリーチ」と「スーパーリーチ」は、左列と右列の図柄表示列が同一種類の図柄で変動停止してリーチを形成し、リーチ演出にて中列の図柄を変動停止させる変動形態である。そして、ここでの「スーパーリーチ」は、ノーマルリーチを経由して行われ、リーチ演出が2段階で行われる変動形態である。
図柄変動表示ゲームの開始から終了迄の変動時間(秒)は、変動パターンが決定された場合に、図4の変動時間テーブル221を参照して、変動パターン番号に応じて取得され、主制御RAM203のワークエリアにあるタイマ領域(図6Aの特電動作用タイマ232)にセットされる特別図柄変動中用の変動時間データである。このセットされる変動時間(秒)は、特別図柄変動中に特電動作用タイマ232が特別図柄変動中用タイマとして作動するためのタイマ初期設定値であり、ここでは代表的に、変動パターンコマンドA1〜A3について、それぞれ10秒(A1:ハズレ変動)、20秒(A2:ノーマルリーチハズレ変動)、20秒(A3:ノーマルリーチ大当り変動)となっている。また、変動パターンコマンドA51、A52、A91について、それぞれ70秒(A51:スーパーリーチハズレ変動)、80秒(A52:スーパーリーチ大当り変動)、222秒(A91:スーパーリーチ大当り変動)となっている。これらの変動時間(秒)は、図4に示した変動時間テーブル221における変動時間データ1〜nのいずれかと対応している。
ここで、たとえば図5の番号A2とA3の変動パターンに着目してみると、変動時間として同じ20秒が関連づけられている。このように変動パターンについては、変動パターン番号に基づいて、変動時間テーブル221中から重複を許して上記222種類のうちの対応する1つを読み出し、RAM203の特電動作用タイマ232(特別図柄変動中用タイマとしての作用時)にセットする。重複的に同一の時間データが選択されることを許すことにより、変動時間データの数よりも多い変動パターンの存在を可能にしている。よって、各変動パターンは1対1で変動時間データのいずれか1つと対応しており、変動パターンの数mは変動時間データの数nよりも多い関係にある。本実施形態の場合、n=222の変動時間データを用いて、m=587種類の変動パターンを決定している。
また、主制御RAM203には、図6Aに示すタイマ管理領域231が定められ、ここに、図柄動作用時間データのタイマ値を管理する第1のタイマとして、特電動作用タイマ232(特別電動役物(特別変動入賞装置)動作用タイマの略称)が設けられている。第1のタイマである特電動作用タイマ232が管理するタイマ値は、複数個の変動時間データ(図柄変動中の時間に関するデータ)とその他の時間データ(図柄変動中および大当り中の時間に関するデータ)である。
また、同タイマ管理領域231には、非図柄動作用時間データに関するタイマ値を管理する第2のタイマとして、普電動作用タイマ233(普通電動役物(普通変動入賞装置)動作用タイマの略称)と、不正情報用タイマ234とが設けられている。さらに、このタイマ管理領域231には、第1のタイマを更新する周期(第1周期)を特定する計時タイマとして計時単位作成カウンタ235が設けられている。
特電動作用タイマ232は、特別図柄変動中に作用する「特別図柄変動中用タイマ」と、大当り中に作用する「大当り中用タイマ」と、特別図柄が停止中に作用する「特別図柄停止中用タイマ」との、3つのタイマに共通のタイマ領域として用いられる。これら3つのタイマは、時間軸上でそれぞれ独立してタイムカウントが可能なタイマである。
この特電動作用タイマ232には、そのタイマ値の更新(歩進)が行われる更新周期に、図柄遊技の遊技状態の区分に応じて周期が変更される可変周期の第1周期が用いられている。この遊技状態の区分は、本実施形態の場合、図6Bに示すように、「特別図柄変動中」、「大当り中」、「特別図柄停止中」の3つの区分に分けられており、特別図柄変動中においては1000msの周期で、大当り中においては200msの周期で、そして特別図柄停止中においては4msの周期で、それぞれ特電動作用タイマ232のタイマ値が更新(歩進)されるように構成されている。
上記の特電動作用タイマ232の更新周期(第1周期)を変更可能にするため、特電動作用タイマ232の更新周期を特定する計時単位作成カウンタ235が計時タイマとして設けられ、その計時タイマ初期値に、遊技状態の区分に応じたタイマ変数TIMEを設定することにより変更できる構成になっている。本実施形態の場合、計時単位作成カウンタ235に対するタイマ変数として、図6Bに示すように、特別図柄変動中は「250」が、大当り中は「50」が、そして特別図柄停止中は「1」が、それぞれ初期設定される。計時単位作成カウンタ235は4msごとに歩進する計時タイマであるので、特電動作用タイマ232は、特別図柄変動中用タイマとして機能するときは4msの250倍の1000msを計時単位(更新周期)として、また大当り中用タイマとして機能するときは4msの50倍の200msを更新周期として、そして特別図柄停止中用タイマとして機能するときは4msの1倍の4msを更新周期として、それぞれ歩進(更新)動作をすることになる。
具体的に説明すれば、図6Aにおいて、第2のタイマである普電動作用タイマ233および不正情報用タイマ234は、それぞれ後述する主制御側タイマ割込処理(図8)が4msを周期として実行される度に歩進動作し、それぞれのタイマ値が、カウント初期設定値から0まで繰り返し1減算(更新)される。すなわち、4msの割込周期(固定周期の第2周期)毎にタイマ値が更新される。
計時単位作成カウンタ235は、4ms周期の割込制御の実行毎に歩進動作する計時タイマであるが、第1のタイマである特電動作用タイマ232が歩進動作することとなる所定の値、すなわち所定の計時単位の時間長さまで計数したことに基づいて、自己の計時タイマ初期値(カウンタ更新値)が再設定される。
この計時単位作成カウンタ235の自己の計時タイマ初期値(カウンタ更新値)を与えるタイマ変数TIMEは、図柄遊技における特別図柄の遊技状態の区分に応じて値が異なり、この実施形態では、図6Bに示すように、特別図柄変動中はTIME=250が、大当り中はTIME=50が、そして特別図柄停止中はTIME=1がセットされる。このため計時単位作成カウンタ235は、上記4ms周期の割込制御の実行(第2周期)を250回、50回または1回計数して、特電動作用タイマ232が歩進動作する計時単位である1000ms(1秒)、200ms、4msを計数する毎に、カウンタ更新値が再設定される。
このように計時単位作成カウンタ235は、特電動作用タイマ232が歩進動作をすることとなる計時単位ないし更新周期を作成する計時タイマである。また、特電動作用タイマ232が特別図柄変動中用タイマおよび特別図柄停止中用タイマとして働く場合、計時単位作成カウンタ235は計時単位(第1周期)の間隔(更新周期ないし計時目盛)を、通常計時用の4msという速い周期から特別図柄変動中用の1000msまたは特別図柄停止中用の200msという遅い周期に拡大(粗く)するものであり、その作用は、いわば4ms周期の割込信号を分周して4msの整数倍(ここでは250倍と50倍)の間隔(1000ms、200ms)を持つ周期信号に変換する分周カウンタに近似する。この実施形態ではカウントダウン方式の計時を考えているので、計時単位作成カウンタ235は、上記4ms周期の割込制御の実行毎に、自己のカウンタ値(初期設定値は250、50、1)がカウント値ゼロになるまで1減算することを繰り返し、これにより上記計時単位(減算単位)に相当する時間長さを逐次作成して行く。
次に第1のタイマである特電動作用タイマ232は、計時単位作成カウンタ235のカウント値が上記した所定の値(カウンタ更新値)になることに基づいて1歩進(更新)動作するカウントタイマである。すなわち特電動作用タイマ232は、上記計時単位作成カウンタ235が4ms周期の割込をタイマ変数TIMEにより与えられた所定の回数(計250回または計50回または計1回)だけカウントしてカウント値がゼロになるたびに、つまり上記第2周期よりも遅い第1周期が1回到来するたびに1歩進するカウントタイマである。この結果、特電動作用タイマ232は、特別図柄変動中用タイマおよび大当り中用タイマとして働く場合は、停止用タイマとして働く場合よりも遅い周期で更新される。この場合の作用を上記分周動作との関連で説明するならば、上記分周カウンタに分周出力が発生するたびに歩進動作するタイマである。
上記した特電動作用タイマ232が計時する対象つまり監視対象は、特別図柄変動中用タイマとして働く場合は、変動パターン番号に基づき変動時間テーブル221から取得されて当該特電動作用タイマ232にセットされる特別図柄変動時間(変動時間1〜nのうちの一つ)である。特別図柄変動中用タイマとして働く場合の計時対象は、たとえば大入賞口の開放時間(図17、ステップS424)などあり、また特別図柄停止中用タイマとして働く場合の計時対象は、たとえば特別図柄停止用時間(図15、ステップS325)などである。
ここではカウントダウン方式の計時を考えているので、特電動作用タイマ232は、計時単位作成カウンタ235が上記計時単位の時間長(1秒、200ms、4ms)の計時を終了してカウンタ更新値が到来する度に、自己に計時対象としてセットされた特別図柄変動時間、大入賞口開放時間、特別図柄停止用時間などの初期設定値から、カウント値が0となるまで繰り返し1減算する。これにより、遊技状態に応じて自己にセットされた諸時間の計時を行う。したがって、この実施形態で例示した特電動作用タイマ232は、特別図柄変動中、大当り中、特別図柄停止中と変化する遊技状態に応じてタイマ変数が更新されて計時単位の時間長さが1秒、200ms、4msと変更される第1周期に基づいて、変動時間、大入賞口開放時間、特別図柄停止用時間などを計時する1バイトタイマである。
(2−3.演出制御部24)
演出制御部24は、演出制御CPU241を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、演出制御手順を記述した制御プログラムや演出データ等を格納した演出制御ROM242と、ワークエリアが形成される演出制御RAM243と、を搭載している。また図示はしていないが、音源IC、CTC、および割り込みコントローラ回路などが設けられている。この演出制御部24の主な役割は、主制御部20からの演出制御コマンドの受信、演出パターンの抽選、液晶表示装置36の制御、スピーカ46の音制御、枠ランプ・LEDの発光制御、可動体の可動制御、各種エラーの報知などである。
演出制御部24は、光と音についての演出処理を行うため、装飾ランプ45やLEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部と、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部とを備えている。
また、演出制御部24は、演出制御コマンドを受けて、変動パターンに対応する演出パターンを抽選し、液晶表示装置36の画面に映像で演出表示をさせる。
また、演出制御部24には、演出介入操作手段となる枠演出ボタン13が接続されている。この枠演出ボタン13は遊技者が操作可能な押しボタンからなり、遊技者参加型の昇格演出ゲームに遊技者が参加するときなどにおいて遊技者により操作される。
演出制御CPU241は、主制御CPU201から演出制御コマンドを受けて各種演出を実行制御する演出実行制御手段として機能する。
また演出制御部24は、液晶表示装置36の表示制御を行うために必要な制御データを生成してVDPに出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの動作手順を記述したプログラムを内蔵する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMとを有している。
また、演出制御部24には、液晶制御CPUに接続されて画像展開処理を行う映像表示プロセッサVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開する必要な画像データを格納した画像データROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAMなども設けられている。
遊技状態に関する情報は、まず、大当り抽選の結果(大当りかハズレかの別)に基づく特別図柄変動パターン、現在の遊技状態、作動保留球数、抽選結果に基づき停止させる装飾図柄等に必要となる基本情報が、演出制御コマンドにより主制御部20から演出制御部24へと送信される。
演出制御部24は、遊技制御部20から送信される演出制御コマンドに応じて液晶表示装置36、光表示装置45aおよび音響発生装置46aを制御することにより、遊技上の演出を制御する。液晶表示装置36に表示する装飾図柄に関しては、変動パターンコマンド(変動パターン指定コード)により指定された変動パターンのタイムスケジュールに従って、装飾図柄を変動させ、図柄指定コマンドの受信により最終的な図柄を確定し、特電動作用タイマ232(特別図柄変動中用タイマ)が管理する所定の変動時間の経過後に図柄停止コマンドを受信するにより、図柄変動を停止させる。この動きは特別図柄表示装置38における特別図柄の変動と連動しており、最終停止図柄が、大当り図柄(3つの装飾図柄が揃った状態)であれば、遊技機が大当り状態となり、特別変動入賞球装置42が開口されることになる。
上記演出を実行するため、演出制御部24側は、図柄変動を含めた演出シナリオを特定する演出パターンテーブルを有している。この演出パターンテーブルは、上記変動パターン指定コードと装飾図柄の図柄変動と変動時間とをあらかじめ対応付けた演出パターンを、変動パターン指定コードの数だけ有しており、1つの演出パターン指定コードには複数の演出パターンが対応付けられている。変動パターンコマンド(変動パターン指定コード)が受信された場合、演出制御部24側は、上記演出パターンテーブルを参照し、演出パターン指定コードに対応付けられている一群の演出パターンの中から、抽選により一つの演出パターンを選択し決定する。この決定された演出パターンを実行指示する制御信号が、演出制御部24から液晶表示装置36、音響発生装置46aおよび光表示装置45aに送られ、当該演出パターンに対応した液晶表示装置36での画像の再生と、演出パターンに対応する効果音の再生と、装飾ランプ45およびLED等の点灯点滅駆動とが実現される。
なお、演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなり、これらの情報を有効なものとして送信する場合、モードおよびイベント各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、主制御CPU201は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部24にコマンドを送信するためのモード情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行なう。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行なう。演出制御CPU241は、ストローブ信号が送信されて来ると、これに対応して割り込みを発生させ、この割込処理によってコマンドを受信する。ストローブ信号は主制御CPU201により、演出制御CPU241が確実にコマンドを受信することが可能な所定期間アクティブ状態に制御される。
<3.主制御側の処理:図7〜図17>
次に、図7〜図17を参照して、主制御部20側における処理内容を説明する。
(3−1.主制御側メイン処理:図7)
パチンコ遊技機1に電源が投入されると、電源基板31によって各制御基板に電圧が供給され、主制御CPU201が図7に示す主制御側メイン処理を開始する。
この主制御側メイン処理において、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を実行する(ステップS101)。
次に、図示してない入力ポートを介して入力されるRAMクリアスイッチの出力信号の状態(オン、オフ)を確認し、RAMクリアスイッチがオンである場合(ステップS102:YES)にはステップS105の処理に進み、RAMの初期化処理として記憶エリアをクリアする。しかしRAMクリアスイッチがオンでない場合(ステップS102:NO)、次に電源断が発生した際にバックアップRAMに記憶されたバックアップ用データが有効であるか否かを判断する(ステップS103)。電源復旧の際には、チェックサムの比較を行うことにより、バックアップデータが有効であるか否かを確認している。
バックアップデータが有効である場合には(ステップS103:YES)、バックアップデータに基づき、電源遮断前におけるスタックポインタを復帰し、電源遮断時の処理状態から遊技を開始するために必要な遊技復旧処理を実行し(ステップS104)、ステップS107の処理に進む。バックアップデータが有効でない場合には(ステップS103:NO)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定し、RAMを初期化する(ステップS105)。そして、このRAMの初期化に伴い、RAMクリア情報を初期化コマンドとして各制御基板に送信する(ステップS106)。
次に、CPUに設けられているCTCの設定を行う(ステップS107)。本処理では、4msごとに定期的にタイマ割り込みがかかるように、初期値として4msに相当する値をCTCの時間定数レジスタに設定する。
ステップS101〜S107での電源初期投入後の処理を終えた後、正常動作時のループ処理(ステップS108〜S112)として、割込禁止(ステップS108)と割込許可(ステップS112)とを繰り返すとともに、その間に、各種乱数の更新処理を実行する(ステップS109〜S111)。
乱数の更新処理として、Sステップ108の処理後、まず変動パターン用乱数値更新処理を実行する(ステップS109)。この変動パターン用乱数値更新処理では、主として、特別図柄変動パターンを決定するための抽選に用いる変動パターン用乱数値を更新する。
続いて、普通図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS110)と特別図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS111)を実行する、普通図柄変動表示ゲームの当否抽選に使用する普通図柄当り判定用乱数の初期値変更に使用する乱数を更新(たとえば、カウンタのカウント、普通図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS110)では値を更新する処理)し、特別図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS111)では、前記特別図柄変動表示ゲームの当否抽選に使用する特別図柄当り判定用乱数の初期値変更に使用する乱数を更新する。
(3−2.主制御側タイマ割込処理:図8)
図8は、主制御側メイン処理においてループ処理が行われている間に、一定時間(4ms)ごとの割り込みで起動される、主制御側のタイマ割込処理を示すフローチャートである。
まず、主制御CPU201は、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理(ステップS201)を実行する。
次いで、各変動表示ゲームに係る乱数を定期的に更新する定期乱数更新処理を実行する(ステップS202)。定期乱数更新処理では、普通図柄変動表示ゲームや特別図柄変動表示ゲームの当否抽選に使用する各種乱数を定期的に更新する。
次いで、遊技動作に用いられるタイマを管理制御するためのタイマ管理処理を実行する(ステップS203)。遊技機制御に用いる各種のタイマのカウント値はここで更新される。タイマ管理処理の詳細は図9にて後述する。
次いで、入力管理処理を実行する(ステップS204)。この入力管理処理では、パチンコ遊技機1に設けられた各種センサによる検出情報を、図示しない自身内のレジスタに読み込み格納する。各種センサによる検出情報とは、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ40a、特別図柄始動口センサ34a、35a、一般入賞口センサ43a等が検出した信号である。
次いで、エラー管理処理を実行する(ステップS205)。このエラー管理処理では、上記入力管理処理で読み込み格納したデータを把握してスイッチのチェックを行い、不正入賞を監視したり、遊技動作状態を監視したりして、パチンコ遊技機1の異常を監視する。
次いで、賞球管理処理を実行する(ステップS206)。この賞球管理処理では、遊技球払出装置19に払出し動作を行わせるための制御情報(賞球数を指定する賞球払出制御コマンド)を出力する。
次いで、普通図柄管理処理を実行する(ステップS207)。この普通図柄管理処理では、普通図柄変動表示ゲームにおける当否抽選を実行し、その抽選結果に基づいて普通図柄の変動パターンや普通図柄の停止表示態様を決定したりする。普通図柄管理処理の詳細は図10〜図11にて後述する。
次いで、普通変動入賞装置管理処理を実行する(ステップS208)。普通変動入賞装置管理処理では、普通図柄管理処理(ステップS207)における当否抽選の結果に基づき、ソレノイド制御用の励磁制御信号を普通変動入賞装置ソレノイド41aに送信し、普通変動入賞装置41の可動翼片47の一連の動作を制御する。普通変動入賞装置管理処理の詳細は図12〜図13にて後述する。
次に、特別図柄管理処理を実行する(ステップS209)。この特別図柄管理処理では、特別図柄変動表示ゲームにおける大当り抽選(大当り判定処理)を実行し、その抽選の結果に基づいて特別図柄の変動パターンや特別図柄の停止表示態様(停止特別図柄)を決定する。特別図柄管理処理の詳細は図14〜図15にて後述する。
次いで、特別変動入賞装置管理処理を実行する(ステップS210)。この特別変動入賞装置管理処理は、特別図柄管理処理(ステップS209)における大当りの当否抽選の結果に基づき、ソレノイド制御用の励磁制御信号を特別変動入賞装置ソレノイド42aに送信し、特別変動入賞装置42の大入賞口40を所定のパターンに従い開閉制御して、大当りに関する遊技を実行制御する処理である。特別変動入賞装置管理処理の詳細は図16〜図17にて後述する。
主制御CPU201は、上記の特別変動入賞装置管理処理に次いで「LED管理処理」を実行する(ステップS211)。このLED管理処理は、処理の進行状態に応じて、普通図柄表示装置39や特別図柄表示装置38への出力データを作成したり、当該データに基づく制御信号を出力したりする処理である。
さらに主制御CPU201は、大当りの発生、特別図柄確定、普通図柄確定、図柄始動口の入賞球検出などの遊技状態を示す信号を、図示してない外部集中端子基板を通して、遊技場の遊技島管理に使用されるホールコンピュータHCや島ランプなど、遊技機外部に対して出力する外部端子管理処理を行う(ステップS212)。
そして、上記のようにステップS202〜ステップS212の処理を実行した後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS213)、タイマ割込処理を終了する。
(3−3.タイマ管理処理:図9)
図9は、遊技動作に用いられるタイマ232〜235(図6A参照)を管理制御するためのタイマ管理処理(ステップS203)の詳細を示したものである。
このタイマ管理処理では、タイマ割込みが4ms毎に起動されるので、上述のRAM203のタイマ管理領域231における2バイトタイマである普電動作用タイマ233および不正情報用タイマ234については、カウント値がゼロでなければ、4msの割込ごとにカウント値から1減算をする(ステップS221)。
次に、特電動作用タイマ232(特別図柄変動中用タイマ、大当り中用タイマ、特別図柄停止中用タイマのいずれかとして作用する)のタイマ値がゼロとなっているか否かを判断し(ステップS222)、ゼロならばタイマ管理処理を終了する。特電動作用タイマ232が演算中でありそのカウント値がゼロでなければ(ステップS222:NO)、計時単位作成カウンタ235のカウント値から1減算する(ステップS223)。この計時単位作成カウンタ235の減算は4msの割込ごとに行われる。
次に、計時単位作成カウンタ235のカウント値がゼロ(カウンタ更新値)になったか否かを判断する(ステップS224)。この計時単位作成カウンタ235については、カウンタ更新値となるタイマ変数TIMEを、図6Bに示すように、特別図柄変動中はTIME=250、大当り中はTIME=50、特別図柄停止中はTIME=1に初期設定することで、計時単位の時間長1000ms、200ms、4msが確保されている。そこで、計時単位作成カウンタ235はタイマ割込みが4ms毎に起動されると、これらの初期設定値(250、50または1)からカウント値がゼロとなるまで、繰り返し1ずつ減算して行く(ステップS224:NO)。
計時単位作成カウンタ235のカウント値がゼロとなった場合(ステップS224:YES)、新規タイマとしてカウンタ更新値(計時タイマ初期値)の250、50または1が再セットされ(ステップS225)、計時単位作成カウンタ235が初期状態に戻される。このため特別図柄変動中は上記4ms周期の割込を250回計数する毎に、また大当り中は上記4ms周期の割込を50回計数する毎に、そして特別図柄停止中は上記4ms周期の割込を1回計数する毎に、計時単位作成カウンタ235のカウンタ更新値が再設定される。これにより計時単位作成カウンタ235は、図柄変動中は1000ms(1秒)の計時単位を作成し、大当り中は200msの計時単位を作成し、また特別図柄停止中は4msの計時単位を作成し、これを特電動作用タイマ232に付与する。
上記した計時単位作成カウンタ235のカウント値が所定の値のカウンタ更新値になることに基づいて特電動作用タイマ232が歩進され、そのカウント値が1減算される(ステップS226)。
ここで特別図柄変動中、大当り中、特別図柄停止中の3つの期間に分けて、特電動作用タイマ23の動作を説明する。
(イ)まず特別図柄変動中の期間においては特電動作用タイマ232が特別図柄変動中用タイマとして作用する。この特別図柄変動中用タイマとして作用する場合、特電動作用タイマ232は、計時単位作成カウンタ235が4ms周期の割込を250回計数して計時単位の1秒を作成する度に1カウントする、という計時動作を行う。この特別図柄変動中用タイマとしての作用時において、特電動作用タイマ232には、図5の変動パターン決定テーブルにおける変動パターン番号に応じて変動時間テーブル221から取得した変動時間(変動時間データ1〜nのうちのいずれか1つ)が、カウント対象の初期設定値としてセットされる。特電動作用タイマ232は、このセットされた変動時間を、上記1秒を計時単位として計時(減算)して行きゼロに達した時点で、上記変動時間の計時を終了する。
かくして、従来は2バイトのデータ長を取り扱うことで1秒未満の数値まで細かく表現していた多数種の変動時間データを、1秒を計時単位として粗く計数しかつ従来の半分のデータ長である1バイトデータを取り扱うことで、変動時間データの主制御ROM202における占有記憶領域を小さくしながら、変動パターンの種類ないし数については、従来と同じ多数種の変動パターンを確保して表現することが可能となった。
上記のように、図9のタイマ管理処理は、所定の周期(4ms)毎にアクティブとなって、変動時間データとその他の時間データのタイマ値を管理するタイマ(第1のタイマ:特電動作用タイマ232)について、そのタイマ値の更新を管理する。そして、第1のタイマのタイマ値を更新する更新周期(可変の第1周期)を遊技状態に応じて設定する。このためROMのデータ領域における上記変動時間データそれ自体のサイズを小さくし、本実施形態のように、従来の2バイトからその半分の1バイトのサイズにすることができる。
図4に例示した変動時間データ1〜nは実際上膨大な数として存在する。このため、主制御ROM202中で変動時間データが占める領域が従来の半分で良いことになると、主制御ROM202中に相当量の、他の用途に自由に利用可能な未活用領域を創生できることになる。この新たに創生された未活用領域を、たとえば演出動作のバリエーションを増加させることに割り当てるとした場合、主制御ROM202のデータ容量について3KB以内に納めるべしとの要請を満たしつつ、演出動作のバリエーションを増加させることが、従来よりも容易に実現可能となる。
(ロ)次に、大当り中の期間においては特電動作用タイマ232が大当り中用タイマとして作用する。この大当り中用タイマとして作用する場合、特電動作用タイマ232は、計時単位作成カウンタ235が4ms周期の割込を50回計数して計時単位の200ms(0.2秒)を作成する度に1カウントする、という計時動作を行う。この大当り中用タイマとしての作用時において、特電動作用タイマ232にはたとえば大入賞口開放時間がカウント対象の初期設定値としてセットされる。特電動作用タイマ232は、このセットされた大入賞口開放時間を、上記0.2秒を計時単位として減算して行きゼロに達した時点で、上記大入賞口開放時間の計時を終了する。同様に、この大当り中用タイマとしての作用時においては、必要な監視タイミングにおいて、特電動作用タイマ232に、大入賞口閉鎖時間、オープニング演出時間、エンディング演出時間が初期値設定としてセットされ、これらの時間が0.2秒を計時単位とする大当り中用タイマにより監視され管理される。
(ハ)また特別図柄停止中の期間においては特電動作用タイマ232が特別図柄停止中用タイマとして作用する。この特別図柄停止中用タイマとして作用する場合、特電動作用タイマ232は、計時単位作成カウンタ235が4ms周期の割込を1回計数して計時単位の1秒を作成する度に1カウントする、という計時動作を行う。この特別図柄停止中用タイマとしての作用時において、特電動作用タイマ232には、たとえば特別図柄停止用時間が、カウント対象の初期設定値としてセットされる。特電動作用タイマ232は、このセットされた変動時間を、上記4msを計時単位として減算して行きゼロに達した時点で、上記特別図柄停止用時間の計時を終了する。
このようにして、大当り中用タイマや特別図柄停止中用タイマとして作用する場合は、それに適した200msや4msを計時単位とする早い周期で細かい計時動作を確保し、他方、特別図柄変動中用タイマとして作用する場合は1000msを計時単位として遅い周期で粗く計数する。これにより、従来は2バイトのデータ長を取り扱うことで最長で4分20秒程度から最小で1秒未満までの広範囲にわたり細かく表現していた多数種の変動時間データに関し、従来の半分のデータ長である1バイトデータを取り扱って1秒未満の数値をまるめることで、変動時間データの主制御ROM202における占有記憶領域を小さくすることが可能となり、かつ、変動パターンの種類ないし数については、従来と同じ多数種の変動パターンを確保して表現することが可能となった。
なお、普電動作用タイマ233および不正情報用タイマ234については、従来通りの2バイトタイマのままとなっているので、普通電動役物(普通変動入賞装置)動作用や不正情報用の時間管理については、1秒未満まで細かく管理することができる。
(3−4.普通図柄管理処理:図10、図11)
図10および図11は、普通図柄管理処理(ステップS207)の詳細を示すフローチャートである。
この普通図柄管理処理が開始されると、図10において、主制御CPU201は、普通図柄始動口37を通過した遊技球の検出(普通図柄始動口センサ37aの検出信号入力)があったか否かを判断する(ステップS231)。遊技球を検出したときには(ステップS231:YES)、ステップS232の処理に移行する。普通図柄の作動保留球数(以下、「普通図柄作動保留球数」と称する)が4以上であるか否かを判定する。普通図柄作動保留球数は、普通図柄始動口37を通過した遊技球を普通図柄始動口センサ37aが検出した場合に、ミニマム値0からマックス値4まで変動し、電源投入時には初期化されてミニマム値の0がセットされようになっている。
そして、ステップS232の処理判断がNOの場合、すなわち普通図柄作動保留球数が4未満の値の場合には、ステップS233の処理へ移行して、普通図柄作動保留球数をインクリメント(1加算)し、次に、ステップS234の処理へ移行して、普通図柄抽選用乱数値を記憶する処理(乱数取得処理)を実行する(ステップS234)。すなわち普通図柄当り判定用乱数のカウンタの現在値を取得してRAMの取得数値記憶エリアに格納する。
上記ステップS231で遊技球を検出していない場合(ステップS231:NO)および上記ステップS232で普通図柄作動保留球数が4以上である場合(ステップS232:YES)は、これらステップS232〜S234の処理を行わずに、ステップS235の処理に進む。
次いで、ステップS235に進んで「当り中」フラグが設定されているか否かを判断し、「当り中」であれば(ステップS235:YES)、普通図柄を管理する必要がないので、この普通図柄管理処理を終了して図8の普通変動入賞装置管理処理(ステップS208)に移行する。
一方、「当り中」でない場合は(ステップS235:NO)、普通図柄の挙動を示す処理状態が「普通図柄待機中」「普通図柄変動中」「普通図柄停止中」のいずれであるかを順に判断し(ステップS236、ステップS238、ステップS247)、該当する場合はそれぞれの遊技状態に属する処理を行う。なお、「普通図柄待機中」とは普通図柄の変動が行なわれておらず次回の変動のための待機状態であることを示し、「普通図柄変動中」とは普通図柄が現在変動中であることを示し、「普通図柄停止中」とは普通図柄の変動が終了して停止中であることを示している。
以下、普通図柄の挙動を示す処理状態が「普通図柄待機中」「普通図柄変動中」「普通図柄停止中」の場合の処理内容について順に説明して行く。
「普通図柄待機中」である場合(ステップS236:YES)、普通図柄作動保留球数がゼロであるか否かを判断する(ステップS237)。普通図柄作動保留球数がゼロの場合(ステップS237:YES)、この普通図柄管理処理を終了してステップS208の普通変動入賞装置管理処理(図8)に移行する。
一方、普通図柄作動保留球数がゼロでない場合は(ステップS237:NO)、図11のステップS241に進み、普通図柄作動保留球数を1減算し(ステップS241)、上記ステップS234で取得した乱数値が当り判定値に属するか否かの判定処理(当り判定処理)を実行する(ステップS242)。この判定処理では、補助当りの抽選を遊技状態(低確率状態、確変状態)に応じた抽選確率で行なう。次いで、ステップS242の判定結果に基づいて、抽選結果を示す停止図柄の設定(普通図柄停止図柄設定)を行い(ステップS243)、次に変動パターンの設定を行う(ステップS244)。この変動パターンの設定の処理では、ステップS242の判定結果に基づいて普通図柄の変動パターンが決定され、さらにこの変動パターンに対応する変動時間(たとえば、非時短状態中では10秒、時短状態中は1秒)が決定される。この普通図柄の変動時間は第2のタイマである普電動作用タイマ233にセットされ監視される。
そして、処理状態を「普通図柄変動中」に切り替え(ステップS245)、普通図柄が変動中である旨の情報および変動時間情報を含む普通図柄変動コマンドを演出制御部24に送信する(ステップS246)。これにより普通図柄管理処理を終了してステップS208の普通変動入賞装置管理処理(図8)に移行する。
「普通図柄変動中」である場合は(ステップS238:YES)、普電動作用タイマ233により管理される普通図柄変動時間が経過するのを待つ(ステップS239:NO)。そして普通図柄変動時間が経過したならば(ステップS239:YES)、処理状態を「普通図柄停止中」に切り替え、普通図柄の変動が終了し停止したことを示す普通図柄停止コマンドを演出制御部24に送信する(ステップS240)。これにより普通図柄管理処理を終了してステップS208の普通変動入賞装置管理処理(図8)に移行する。
図11において、「普通図柄停止中」である場合は(ステップS247:YES)、停止図柄を普通図柄表示装置39に表示させるための一定時間が経過するのを待つ(ステップS248:NO)。この一定時間も、第2のタイマである普電動作用タイマ233により管理される。上記一定時間が経過したならば(ステップS248:YES)、その停止図柄が当り図柄であるか否かを判断する(ステップS249)。停止図柄が当り図柄である場合は(ステップS249:YES)、「当り(補助当り)中」のフラグを設定し(ステップS250)、処理状態を「普通図柄待機中」に切り替える(ステップS251)。また停止図柄が当り図柄でない場合は(ステップS249:NO)、ステップS250の当りフラグ設定処理を行わずにステップS251に進み、処理状態を「普通図柄待機中」に切り替える(ステップS251)。これにより普通図柄管理処理を終了してステップS208の普通変動入賞装置管理処理(図8)に移行する。
(3−5.普通変動入賞装置管理処理:図12、図13)
図12および図13は、上述した普通変動入賞装置管理処理(ステップS208)の詳細を示すフローチャートである。この普通変動入賞装置管理処理は可動翼片47の開閉動作を制御するための処理であり、具体的には、普通図柄管理処理(ステップS207)における当否抽選の結果に基づき、ソレノイド制御用の励磁制御信号を普通変動入賞装置ソレノイド41aに送信し、可動翼片47の一連の動作を制御するための処理である。
この普通変動入賞装置管理処理が開始されると、図12において、主制御CPU201は、まず上記普通図柄管理処理のステップS250(図11)により、普通図柄が停止したときの停止図柄が当り図柄であって「当り中」フラグが設定されているか否かを判断する(ステップS261)。「当り中」でなければ(ステップS261:NO)何もしないで、この普通変動入賞装置管理処理を終了する。
一方、「当り中」である場合は(ステップS261:YES)、普通変動入賞装置41が作動中か否か、つまり可動翼片47の開閉動作が実行中であるか否かを判断し(ステップS262)、普通変動入賞装置41が作動中ならば(ステップS262:YES)、その下始動口35への遊技球が入賞して、特別図柄始動口センサ35aにより遊技球の入賞が検出されたか否かを判断する(ステップS263)。下始動口35への入賞が検出された場合(ステップS263:YES)、「下始動口入賞数」に1加算し(ステップS264)、加算後の下始動口入賞数が最大入賞数(たとえば、10個)以上となったか否かを判断する(ステップS265)。
下始動口入賞数が最大入賞数以上となった場合(ステップS265:YES)、ステップS271で普通変動入賞装置41の作動時間を設定している動作切り替え用タイマをクリアする(ステップS266)。そしてステップS267の処理に進む。
上記ステップS262〜S263における判断がNOの場合、すなわち「普通変動入賞装置作動中」でない場合や、下始動口35への入賞検出がない場合は(S262〜S263:NO)、ステップ264〜S266の処理を行わずにステップS267に進む。またステップS265で下始動口入賞数が最大入賞数未満となっている場合(ステップS265:NO)には、上記動作切り替え用タイマをクリアせずにステップS267の処理に進む。
ステップS267に進むと、動作切り替え用タイマのカウント値がゼロであるか否かを判断し(ステップS267)、当該カウント値がゼロでない間(ステップS267:NO)は、何もしないでこの普通変動入賞装置管理処理を終了する。
一方、動作切り替え用タイマの演算が終了してカウント値がゼロである場合(ステップS267:YES)、次に普通変動入賞装置41が作動待機中であるのか(ステップS268)、作動開始中であるのか(ステップS270)、作動中であるのか(ステップS273)、終了中であるのか(ステップS276)を順次確認して行く。なお、「普通変動入賞装置作動待機中」とは普通変動入賞装置41の動作が停止しており次回の動作のための待機状態であることを示し、「普通変動入賞装置作動開始中」とは普通変動入賞装置41が作動開始前待機状態であることを示し、「普通変動入賞装置作動中」とは普通変動入賞装置41が現在作動中であることを示し、「普通変動入賞装置終了中」とは普通変動入賞装置41の動作が終了して終了処理前の待機状態であることを示している。
以下、「普通変動入賞装置作動待機中」「普通変動入賞装置作動開始中」「普通変動入賞装置作動中」「普通変動入賞装置終了中」である場合の処理内容について順に説明していく。
「普通変動入賞装置作動待機中」である場合は(ステップS268:YES)、作動開始前時間、すなわち普通図柄の停止表示時間が経過して当りが確定した後、普通変動入賞装置41の動作開始までに必要な待ち時間(たとえば0.6秒)を普電動作用タイマ233にセットするとともに、「普通変動入賞装置作動開始中」に切り替える(ステップS269)。そして、この普通変動入賞装置管理処理を終了する。
「普通変動入賞装置作動開始中」である場合は(ステップS270:YES)、上記待ち時間の経過を待って、動作切り替え用タイマ(普電動作用タイマ233)に、遊技状態(開放延長機能動作状態等)に応じた作動時間(可動翼片47の開動作制御時間)セットするとともに、「普通変動入賞装置作動中」に切り替える(ステップS271)。その後、タイマのカウント値に基づいてソレノイド制御用の励磁制御信号を所定のパターン(たとえば、開放延長機能未作動中であれば、可動翼片47の開動作1回に制御)に従い普通変動入賞装置ソレノイド41aに送信し、可動翼片47を作動させて下始動口35を開放する(ステップS272)。
「普通変動入賞装置作動中」である場合は(ステップS273:YES)、下始動口35を閉鎖し(ステップS274)、作動終了後の待ち時間、たとえば作動終了時間(たとえば、0.2秒)を普電動作用タイマ233にセットするとともに、「普通変動入賞装置終了中」に切り替える(ステップS275)。そして、この普通変動入賞装置管理処理を終了する。
「普通変動入賞装置終了中」である場合は(ステップS276:YES)、「当り中」を終了し、待機時間(たとえば、0.2秒)を普電動作用タイマ233にセットするとともに、「普通変動入賞装置待機中」に切り替える(ステップS277)。そして、この普通変動入賞装置管理処理を終了する。
図8に戻り、次いで特別図柄管理処理(ステップS209)を実行することになる。
(3−6.特別図柄管理処理:図14〜図15)
次に、図14〜図15を参照して、上述した特別図柄管理処理(ステップS209)の詳細について説明する。この特別図柄管理処理では、上始動口34、下始動口35への入賞を検出したことを条件に、大当り判定処理、特別図柄停止図柄設定、変動パターン設定、特別図柄に関する演出制御コマンドの送信等の処理を行う。また、この特別図柄管理処理は、図柄の変動開始時に変動時間データを第1タイマにセットするとともに、タイマ変数を計時タイマ初期値として計時タイマ(計時単位作成カウンタ235)にセットする図柄変動管理手段として機能する。
図14において、主制御CPU201は、まず上始動口34または下始動口35において入賞球を検出したか否かを確認する(ステップS301)。入賞球を検出した場合(ステップS301:YES)、入賞を示す特別図柄始動口入賞コマンド(上始動口34については上始動口入賞コマンド、下始動口35については下始動口入賞コマンド)を演出制御部24に送信する(ステップS302)。
続いてステップS303の処理に進み、特別図柄の作動保留球数が4以上であるか否か判断する(ステップS303)。特別図柄の作動保留球数(以下、「特別図柄作動保留球数」と称する)が4以上でない場合、つまり4未満の場合は(ステップS303:NO)、特別図柄作動保留球数を1加算し(ステップS304)、増加した保留球数に対応した保留コマンドを送信する(ステップS305)。この保留コマンドは、特別図柄の作動保留球数を液晶表示装置36に表示する際に利用される。次いで特別図柄当り判定用乱数値、特別図柄用停止図柄乱数、および変動パターン用乱数値のカウンタの現在値を取得して、それぞれRAM203の取得数値記憶エリアに格納する(ステップS306)。そしてステップS307の処理に進む。
ステップS301において入賞球の検出がないと判断された場合(ステップS301:NO)や、ステップS303において特別図柄作動保留球数が4以上と判断された場合(ステップS303:YES)には、上記のステップS302〜ステップS306の処理を行わずに、ステップS307の処理に進む。
ステップS307の処理に進むと「大当り中」のフラグが設定されているか否かを判断して、「大当り中」であれば(ステップS307:YES)、特別図柄を管理する必要がないので、これにより特別図柄管理処理を終了し、図8のステップS210の特別変動入賞装置管理処理に移行することとなる。
一方、ステップS307の処理で「大当り中」でないと判断された場合(ステップS307:NO)、特別図柄の挙動を示す処理状態が「特別図柄待機中」「特別図柄変動中」「特別図柄停止中」のいずれであるかを順に判断し(ステップS308、ステップS312、ステップS324)、該当する場合はそれぞれの処理状態に属する処理を行う。なお、「特別図柄待機中」とは特別図柄の変動が行なわれておらず次回の変動のための待機状態であることを示し、「特別図柄変動中」とは特別図柄が現在変動中であることを示し、「特別図柄停止中」とは特別図柄の変動が終了して停止中であることを示している。
以下、上記処理状態が「特別図柄待機中」「特別図柄変動中」「特別図柄停止中」である場合の処理内容について順に説明していく。
特別図柄待機中の場合は(ステップS308:YES)、特別図柄の作動保留球数(保留記憶)がゼロかどうかを判断する(ステップS309)。
特別図柄作動保留球数がゼロの場合(ステップS309:YES)、特別図柄が待機中でかつ保留記憶なしの状態となったのであり、この状態に突入したことを演出制御部24側に報せて、待機演出(本実施形態の場合、直前の画像が引き続き表示される待機状態と、これに続いて表示されるデモ演出状態とを含めた概念を指す)を開始させる必要がある。このため、本実施形態では待機演出コマンドの送信を行う。ただし特別図柄作動保留球数がゼロの場合に条件なしに待機演出コマンドを送信すると、特別図柄作動保留球数がゼロである間4msの周期で待機演出コマンドの送信を繰り返すことになり、不必要な送信が発生する。
そこで待機演出コマンドが未送信であるか否かを判断し(ステップS310)、未送信の場合は(ステップS310:YES)、待機演出コマンドを演出制御部24に送信する(ステップS311)。このため、デモ演出表示を行うか否かの判断は演出制御部24に委ねられる。そして、この特別図柄管理処理を終了する。しかし、既に待機演出コマンドが送信済みである場合は(ステップS310:NO)、待機演出コマンドを演出制御部24に送信することなく、この特別図柄管理処理を終了する。
一方、特別図柄作動保留球数がゼロでない場合(ステップS309:NO)、図15のフローに進み、特別図柄作動保留球数を1減算し(ステップS316)、減少した保留球数に対応した保留コマンドを送信する(ステップS317)。次いで、ステップS306で取得した乱数値が大当り判定値に属するか否かの判定処理(大当り判定処理)を実行する(ステップS318)。この判定処理では、大当りの抽選を遊技状態(低確率状態、確変状態)に応じた抽選確率で行なう。
次に、ステップS318における大当りの判定結果とステップS306で取得した特別図柄用停止図柄乱数値とに基づいて、停止図柄(特別図柄停止図柄)を抽選により選択する(ステップS319)。この処理で抽選される特別図柄停止図柄により、大当り態様(たとえば、大当り遊技中のラウンド数を幾つにするか)および大当り終了後の遊技状態(たとえば、確率変動、時短状態、開放延長中等を設定するかどうか)が最終的に決定される。
次に、変動パターンの設定処理を実行する(ステップS320)。この変動パターン設定処理では、ステップS319の停止図柄の抽選結果とステップS306で取得した変動パターン用乱数値とに基づいて、特別図柄の変動パターンが決定される。さらにこの変動パターンの番号に対応して、変動時間テーブル221中から1つの変動時間データを選択し、特電動作用タイマ232にセットする(ステップS321)。これにより、当該変動パターンに対応する変動時間が決定され特別図柄変動中用タイマが設定される。また、このステップS321で特電動作用タイマ232に変動時間をセットするときに、計時単位作成カウンタ235に特別図柄変動中用のタイマ変数TIME(カウンタ更新値)として250をセットする。そして、処理状態を「特別図柄変動中」に切り替え(ステップS322)、特別図柄変動コマンドを演出制御部24に送信する(ステップS323)。ここでいう「特別図柄変動コマンド」とは、特別図柄変動パターンコマンドの他、特別図柄指定コマンドも含み、それぞれ演出制御部24に送信される。したがって、これらの演出制御コマンドは、特別図柄の変動開始条件が成立したことを演出制御部24に報せることになる。その後、特別図柄管理処理を終了して、特別変動入賞装置管理処理(図8)に移行することとなる。
特別図柄変動中の場合は(ステップS312:YES)、特別図柄変動時間が経過したか否か、つまり特別図柄変動中用タイマとして作用する特電動作用タイマ232のカウント値がゼロであるか否かを判断する(ステップS313)。この特電動作用タイマ232の初期設定値には、変動パターン設定時においてステップ321で設定した特別図柄変動時間がセットされている。特電動作用タイマ232のカウント値がゼロでない間は(ステップS313:NO)、何もしないでこの特別図柄管理処理を抜ける。
特別図柄変動中用タイマとして作用する特電動作用タイマ232は1秒を計時単位として特別図柄変動時間を計時して行く。特別図柄変動時間が経過して特電動作用タイマ232のカウント値がゼロになった場合は(ステップS313:YES)、処理状態を「特別図柄停止中」に切り替えるとともに、ここで停止図柄を特別図柄表示装置38に表示させる図柄停止時間を監視するための停止中用タイマを設定する(ステップS314)。具体的には、図柄停止時間(たとえば500ms)を特電動作用タイマ232にセットする。この停止中用タイマは特電動作用タイマ232をその機能に着目して名称付けしたものである。また、計時単位作成カウンタ235のタイマ変数TIMEとして、停止中用のTIME=1を初期設定する(ステップS314)。次いで、特別図柄の変動が終了し停止したことを示す図柄停止コマンドを演出制御部24に送信する(ステップS315)。これによりこの特別図柄管理処理を終了して、特別変動入賞装置管理処理(図8)に移行することになる。
特別図柄停止中の場合は(ステップS324:YES)、上記図柄停止時間(500ms)が経過したか否か、すなわちステップS314で設定した特別図柄停止中用タイマのカウント値がゼロであるか否かを判断する(ステップS325)。特別図柄停止中用タイマが計時中でありカウント値がゼロでない場合(ステップS325:NO)、何もしないで特別図柄管理処理を抜け、図柄停止時間が経過するのを待つ。特別図柄停止中用タイマの計時が終了してタイマカウント値がゼロとなったときは(ステップS325:YES)、その停止図柄が大当り図柄であるか否かを判断する(ステップS326)。大当り図柄である場合は(ステップS326:YES)、「大当り中」のフラグを設定し(ステップS327)、処理状態を「特別図柄待機中」に切り替える(ステップS328)。また停止図柄が大当り図柄でない場合は(ステップS326:NO)、ステップS327の処理を行わずにステップS328に進み、「特別図柄待機中」に切り替える(ステップS328)。これによりこの特別図柄管理処理を終了して、特別変動入賞装置管理処理(図8)に移行することとなる。
なお、大当り中用のタイマ変数「50」のセットは、後述するステップS408、S410、S425、S417などにおいて、各種のタイマ時間をセットする際に、その都度同時に行う構成となっている。
この実施形態では、上記ステップS326で、停止図柄が大当り図柄と一致するか否かに基づいて大当りかどうかを判断しているが、ステップS318の大当り判定処理で大当りと判定した場合に大当りフラグをセットし、その大当りフラグのセット状態から大当りかどうかを判断するように構成してもよい。
(3−7.特別変動入賞装置管理処理:図16、図17)
図16および図17は、特別変動入賞装置管理処理(ステップS210)の詳細を示したものである。
この特別変動入賞装置管理処理が開始されると、図16において、主制御CPU201は、まず上記の特別図柄管理処理のステップS327(図15)で「大当り中」のフラグが設定されているか否かを判断する(ステップS401)。「大当り中」でなければ(ステップS401:NO)何もしないで、この特別変動入賞装置管理処理を終了する。
一方、「大当り中」のフラグが設定されている場合は(ステップS401:YES)、上述した特別図柄管理処理(ステップS209)における大当りの当否抽選の結果の大当り遊技に応じて、特別変動入賞装置42の一連の動作を制御するために、以下の処理を実行して行く。
役物連続作動装置が「作動停止中」であるか否かを判断し(ステップS402)、作動停止中ならば(ステップS402:YES)、「役物連続作動装置作動中」に切り替えるとともに、オープニング演出時間(たとえば10秒)を特電動作用タイマ232(第1のタイマ)にセットし、かつタイマ変数の50を計時単位作成カウンタ235にセットする(ステップS408)。ここで、役物連続作動装置とは、特別変動入賞装置42の1ラウンド分の動作を所定回数連続して動作させるための機能部をいう。また、オープニング演出時間とは、ステップS325の停止中用タイマ時間が経過して当りが確定した後、特別変動入賞装置42の動作が開始するまでのインターバル区間であってオープニング演出が行われる区間を定めた時間幅を指す。なお、このオープニング演出時間は大当りの種別などに応じて複数種類の時間を設けてもよい。
役物連続作動装置が「作動停止中」でない場合(ステップS402:NO)、すなわち役物連続作動装置が作動中にある場合は、特別変動入賞装置が作動開始前なのか(ステップS403)、作動中なのか(ステップS404)、作動停止中なのか(ステップS412)、役物連続作動装置が作動終了中なのか(ステップS418)を順次確認して行く。なお、「特別変動入賞装置作動開始前」とは大当りして特別変動入賞装置42の動作が開始前状態であることを示し、「特別変動入賞装置作動中」とは特別変動入賞装置42が現在作動中であることを示し、「特別変動入賞装置作動停止中」とは特別変動入賞装置42が現在停止中であることを示している。
以下、「特別変動入賞装置作動開始前」「特別変動入賞装置作動中」「特別変動入賞装置作動停止中」の処理内容について順に説明していく。
「特別変動入賞装置作動開始前」である場合は(ステップS403:YES)、特別変動入賞装置42の大入賞口40が開放される前の一定時間(開始前一定時間)が経過したか否か判断する(ステップS409)。なお、初回のラウンドでは、上記開始前一定時間は、ステップS325の停止中用タイマ時間が経過して当りが確定した後、特別変動入賞装置42の動作が開始するまでのオープニング演出区間を定める時間幅(ステップS408で設定するオープニング演出時間)が監視されるが、2ラウンド目以降でこのステップS409を通過するときは、ラウンド間インターバル時間(ステップS425で設定される閉鎖時間)が監視される。この開始前一定時間は、図9のタイマ管理処理で更新される特電動作用タイマ232(大当り中用タイマ:更新周期200ms)のタイマ値を監視することで管理される。
上記開始前一定時間が経過した場合は(ステップS409:YES)、「特別変動入賞装置作動中」に切り替える(ステップS410)。このステップS410においては、特別変動入賞装置の開放時間(たとえば30秒)を特電動作用タイマ232(第1のタイマ)にセットし、かつタイマ変数の50を計時単位作成カウンタ235にセットする。また特別変動入賞装置42の動作パターンにより開閉扉42bの動作パターンを設定し、これに基づいてソレノイド制御用の励磁制御信号を特別変動入賞装置ソレノイド42aに送信し、開放扉42bを作動させて大入賞口40を開放させる(ステップS411)。そして、この特別変動入賞装置管理処理(ステップS409〜S411の特別変動入賞装置作動開始処理)を終了する。
上記「特別変動入賞装置作動開始前」でない場合は(ステップS403:NO)、特別変動入賞装置42が作動中であるか否かを判断する(ステップS404)。「特別変動入賞装置作動中」である場合は(ステップS404:YES)、特別変動入賞装置の大入賞口40への入賞球が検出されたか否かを判断する(ステップS405)。
大入賞口40への入賞球が検出された場合は(ステップS405:YES)、「大入賞口入賞数」に1加算し(ステップS406)、その旨を示す大入賞口入賞コマンドを演出制御部24に送信する(ステップS407)。そして、図17のステップS423に進む。なお、大入賞口40への入賞球が検出されなかった場合は(ステップS405:NO)、上記の1加算処理(ステップS406)および送信処理(ステップS407)を行わずにステップS423に進む。
ステップS423に進むと、加算後の大入賞口入賞数が最大入賞数となったか否かを判断する(ステップS423)。大入賞口入賞数が最大入賞数に至っていなければ(ステップS423:NO)、あらかじめ設定した大入賞口40が開いている時間(大入賞開放時間:ステップS410で設定された開放時間の30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS424)。この大入賞開放時間は、図9のタイマ管理処理で更新される特電動作用タイマ232(大当り中用タイマ:更新周期200ms)のタイマ値を監視することで管理される。そして、大入賞口入賞数が最大入賞数に至っておらず(ステップS423:NO)、かつ大入賞開放時間が経過していなければ(ステップS424:NO)、何もしないで、この特別変動入賞装置管理処理を終了する。
大入賞口入賞数が最大入賞数に至った場合(ステップS423:YES)、大入賞口40を閉鎖し、「特別変動入賞装置作動停止中」に切り替えるとともに、ラウンド間インターバル時間となる特別変動入賞装置の閉鎖時間(たとえば2秒)を特電動作用タイマ232(大当り中用タイマ)にセットし、かつタイマ変数の50を計時単位作成カウンタ235にセットする(ステップS425)。また大入賞口入賞数が最大入賞数に至る前であっても、大入賞開放時間が経過した場合は(ステップS424:YES)、その時点で大入賞口40を閉鎖し、「特別変動入賞装置作動停止中」に切り替える。そして、この特別変動入賞装置管理処理(ステップS405〜S425の特別変動入賞装置作動中処理)を終了する。
一方、上記ステップS404(図16)において特別変動入賞装置41が作動中でないと判断された場合(ステップS404:NO)、処理状態が「特別変動入賞装置作動停止中」であるか否かを判断する(ステップS412)。
特別変動入賞装置が作動停止中の場合は(ステップS412:YES)、大入賞口40が閉鎖されて一定時間が経過したか否か、つまりステップS425でセットされたラウンド間インターバル時間となる閉鎖時間(2秒)が経過したか否かを判断する(ステップS413)。このラウンド間インターバル時間は、図9のタイマ管理処理で更新される特電動作用タイマ232(大当り中用タイマ:更新周期200ms)のタイマ値を監視することで管理される。
ラウンド間インターバル時間が経過した場合(ステップS413:YES)、「特別変動入賞装置作動開始前」に切り替える(ステップS414)。そして、特別変動入賞装置の作動回数(ラウンド数)があらかじめ定めた最大回数(たとえば15ラウンド)に至ったか否かを判断する(ステップS415)。最大ラウンド数である15ラウンドに至るまでの間は(ステップS415:NO)、「特別変動入賞装置作動回数」に1加算して(ステップS416)、ラウンド数の現在値を更新して行く。最大ラウンド数に至ったときは(ステップS415:YES)、「役物連続作動装置作動終了中」に切り替えるとともに、エンディング演出時間(たとえば5秒)を特電動作用タイマ232(大当り中用タイマ)にセットし、かつタイマ変数の50を計時単位作成カウンタ235にセットする(ステップS417)。そして、この特別変動入賞装置管理処理(ステップS413〜S417の特別変動入賞装置作動継続判定処理)を終了する。なお、上記のエンディング演出時間は大当りの種別に応じて複数種類の時間を設けてもよい。
一方、上記ステップS412において「特別変動入賞装置作動停止中」でないと判断された場合(ステップS412:NO)、役物連続作動装置が作動終了中か否かを判断する(ステップS418)。
そして「役物連続作動装置作動終了中」である場合(ステップS418:YES)、上記最終ラウンドの特別変動入賞装置42の大入賞口40が閉鎖された後のインターバル区間である一定時間、つまりステップS417でセットされたエンディング演出時間(30秒)が経過したか否かを判断する(ステップS419)。このエンディング演出時間は、図9のタイマ管理処理で更新される特電動作用タイマ232(大当り中用タイマ:更新周期200ms)のタイマ値を監視することで管理される。そして、このエンディング演出時間が経過した場合は(ステップS419:YES)、「役物連続作動装置作動停止中」に切り替え(ステップS420)、大当り終了処理を行う(ステップS421)。この大当り終了処理は、大当り終了後の上記特殊遊技への遊技状態移行準備のための移行準備設定処理に相当する。具体的には「大当り中」のフラグをクリアし、時短状態中(特別図柄変動時間短縮機能、普通図柄変動時間短縮機能の設定)、確変状態中(確率変動機能の設定)、開放延長(開放延長機能の開始条件および終了条件の設定)等の特殊遊技への遊技状態移行設定を行う。その後、演出制御部24に、これらの遊技状態情報を含む「遊技状態演出」コマンドを送信し(ステップS422)、この特別変動入賞装置管理処理(ステップS419〜S422の大当り終了処理)を終了することとなる。
(3−8.外部端子管理処理:図8)
上述した不正情報用タイマ234は、図8の外部端子管理処理(ステップS212)において不正情報の管理に用いられる。
図8の外部端子管理処理(ステップS212)では、大当りの発生、特別図柄確定、普通図柄確定、特別図柄始動口センサ35aや大入賞口センサ40aの入賞球検出などの遊技状態を示す信号を、外部集中端子基板(図示せず)からホールコンピュータHCに対して出力する。
主制御CPU201は、普通変動入賞装置41の開放延長機能が未作動時であって、かつ、普通変動入賞装置41の可動翼片47の未作動時であるにも係わらず、特別図柄始動口センサ35aにより入賞球の通過が検出された場合には、その時から30秒間、外部集中端子基板(図示せず)の情報端子に論理レベル1の端子信号を出力する。30秒の設定は、不正に関する情報信号であるかを判断するための送信時間を規定するものであり、検査などの正常動作の場合は、上記30秒の時間経過後に出力が論理レベル0に立ち下がる出力波形(出力信号A)となる。
しかし、普通変動入賞装置41の可動翼片47が強制的に開けられて不正に入球が行われた場合は、この論理レベル1の端子信号の出力中に新たに入賞球が検出されることになるため、論理レベル1の端子信号はその時点から更に30秒間出力が延長される。これは不正の疑いのある出力波形(出力信号B)として把握される。
大入賞口センサ40aの入賞球検出についても同様であり、特別変動入賞装置42の未作動時において、大入賞口センサ40aにより入賞球が検出された場合には、その時から30秒間、外部集中端子基板(図示せず)の情報端子に論理レベル1の端子信号を出力する。この端子信号は、正常動作の場合は、上記30秒の時間経過後に出力が論理レベル0に立ち下がる出力波形(出力信号A)となる。
しかし、特別変動入賞装置42の大入賞口40が強制的に開けられて不正に入球が行われた場合は、この論理レベル1の端子信号の出力中に新たに入賞球が検出されることになるため、論理レベル1の端子信号はその時点から更に30秒間出力が延長される。これも不正の疑いのある出力波形(出力信号B)として把握される。
このように、意図的な不正行為による入賞球の発生であれば、30秒を超える継続的な出力信号Bが現れるので、ホール側でも不正の判別が可能となる。上記送信時間の30秒は2バイトタイマ(第2のタイマ)である不正情報用タイマ234(更新周期4ms)により厳しく監視される。
<4.演出制御部側の処理:図18〜図21>
次に、図18〜図21を参照して、演出制御部24側における処理内容について説明する。
(4−1.演出制御側メイン処理:図18)
遊技機本体に電源が投入され、電源基板31から電源投入信号を受信した演出制御部24は、図18に示す演出制御側メイン処理を開始する。
この演出制御側メイン処理では、電源投入が行われてから初めての処理としてステップS501が行われ、これ以外の場合には正常動作時の処理としてステップS502〜S505が行われる。
まず、演出制御基板24は、電源投入が行われてから初めての処理として、遊技動作開始前における必要な初期設定を実行する(ステップS501)。
次に、正常動作時の処理として演出用乱数更新処理を実行する(ステップS502)。この演出用乱数更新処理では、主として、演出内容を選択するために利用される演出抽選用の乱数値を定期的に更新している。
次に、コマンド受信割り込み、タイマ割り込み、外部INT等を許可する割り込み許可状態に設定し(ステップS503)、その後、割り込み禁止状態に設定する(ステップS504)。そして、ウォッチドッグタイマをクリアして(ステップS505)、電断が発生しない限り、ステップS503からステップS505の処理をループ処理にて実行する。
(4−2.コマンド受信割込処理:図19)
図19は、演出制御側のコマンド受信割込処理を示すフローチャートである。ここではレジスタを所定のスタック領域に退避させた後(ステップS511)、制御コマンドをRAM242の所定領域に格納する処理を行い(ステップS512)、レジスタを復帰(ステップS513)する。主制御部27から送られてくる各種制御コマンドを受けた場合、INT割り込みが発生し、この受信割込処理にて、制御コマンドを受信した時点で、これをコマンド受信バッファに格納する。このコマンド受信割込処理は、次に述べる演出制御側タイマ割込処理(図20)よりも優先して処理される。
(4−3.演出制御側タイマ割込処理:図20)
図20は、演出制御基板24における演出制御側メイン処理において、一定時間(2ms)ごとの割り込みで起動される演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。
まず、演出制御CPU241は、レジスタを所定のスタック領域に退避させるレジスタ退避処理を実行する(ステップS521)。次いでプログラム異常を監視しているウォッチドッグタイマをクリアして、タイマのカウントを再スタートさせる(ステップS522)。プログラムが暴走状態となった場合は、ウォッチドッグタイマがタイムアップし、演出用CPUが自動的にリセットされて前記暴走状態から復帰する。
次いで、定期更新処理を行う(ステップS523)。この定期更新処理では、演出パターンを選択するために利用される演出用乱数の初期値や、演出パターンの実行に必要な各種タイマの内容を割り込みごとに更新する。
上記各種タイマの代表的なものは、演出の発生に関するタイムスケジュールを管理するタイマである。たとえば、特別図柄表示装置38に特別図柄が変動されている変動期間内(特別図柄の変動期間内)と実質的に同一期間内である液晶表示装置36の画面に装飾図柄が変動表示されている変動期間内(装飾図柄変動期間内)において、その時間軸上で、どのような演出パターンの演出内容を、どれだけの時間幅をもって、演出手段である装飾ランプ45やスピーカ46や液晶表示装置36などにより現出させるかについての時間的なスケジュールが、このタイマにより時間管理される。
次いで、演出決定管理処理として、受信した制御コマンドに基づいて演出のシナリオを決定するコマンド解析処理(ステップS524)と、演出シナリオに基づき、音出力、LED出力設定を行う演出シナリオ更新処理(ステップS525)とを実行する。
図21に示すように、コマンド解析処理では、主制御部20から制御コマンドを受信したか否か、つまりコマンド受信バッファに制御コマンドが格納されているか否かを割り込みごとに監視する(ステップS531)。制御コマンドとして変動パターンコマンドが受信され、変動パターン指定コードが受信バッファに格納されている場合(ステップS531:YES)、コマンド受信処理において、この変動パターン指定コードを読み出し、演出パターンテーブルを参照して、対応する演出パターンを決定する(ステップS532)。
ここで演出パターンテーブルは、少なくとも変動パターン指定コードと図柄の変動パターンと変動時間とをあらかじめ対応付けて演出パターンとし、1つの変動パターン指定コードごとに複数の演出パターンを対応付けたテーブルである。この演出パターンテーブルを参照することにより、当該変動パターン指定コードに対応する演出パターンを、当該変動パターン指定コードに属する演出パターン群のうちから1つを抽選により選択することで決定する(ステップS532)。
演出制御部は、この変動パターンコマンドを受信したことにより、装飾図柄の変動を開始し、演出パターンによる演出シナリオに沿って演出を実行して行くことになる。その後、特電動作用タイマ232が管理する所定の変動時間(30秒)の経過後に主制御部20から図柄停止コマンドが送信され、これを演出制御部24が受信することで図柄変動が停止することになる。上記の演出パターンはこの変動開始から停止までの間における図柄の動きパターンなどを制御することになる。
また、この演出パターンの決定に関連して、演出表示抽選処理を実行する(ステップS533)。この演出表示抽選処理では、演出シナリオの追加的な構成要素である「予告演出パターン」を抽選する。
図20に戻り、次いで、演出シナリオ更新処理(ステップS525)を実行する。この演出シナリオ更新処理では、上記コマンド解析処理(図21)において決定された上記演出シナリオの内容に基づいてランプやLEDやスピーカ46を作動させる制御信号(発光制御信号や音声制御信号)の作成を行う。そして、作成した上記制御信号をRAM243の所定の格納領域に格納して、ステップS525の演出シナリオ更新処理を終了する。
上記ステップS525の処理に続いて、上記所定のコマンド格納領域において再生する音データの音声制御信号が有るか否かを判断し(ステップS526)、再生する音データの音声制御信号が有る場合には(ステップS526:YES)、音の再生が必要なタイミングで、サウンドLSIの音声制御信号を入力し、音源ICを通じてスピーカ46から音を出力させる(ステップS527)。これにより、演出シナリオに沿った効果音がスピーカ46から発生される。
続いて、LED出力処理を実行する(ステップS528)。このLED出力処理は、上記音声制御信号がサウンドLSIに送信された場合、この情報を受け、対応する演出に伴い発光制御信号を装飾ランプ45やLEDなどに送信し点灯もしくは点滅させて光による演出を実現する。
そして、退避したレジスタの内容を復帰させ(ステップS529)、これにより演出制御側タイマ割込処理を終了する。
上記したように、本実施形態では、タイマを図柄動作用時間データに関するタイマ値を管理する第1のタイマ(特電動作用タイマ232)と、非図柄動作用時間データに関するタイマ値を管理する第2のタイマ(普電動作用タイマ233、不正情報用タイマ234)とに分け、第1のタイマについては、そのタイマ値を更新する更新周期(第1周期)を遊技状態の区分に応じて変更し、特別図柄変動中は1000ms、大当たり中は200ms、特別図柄停止中は4msの周期で更新されるように構成とした。このようにすると、1000ms、200ms、4msといった別々の更新周期で表現できる独自の範囲で、つまり変動時間データや大当たり中の時間データや特別図柄停止時間データについて互いに制約を受けることなく、自由に時間データの種類や数を定めることが可能になる。このため同じデータサイズの時間データであっても多彩なタイマ管理を行うことができ、またROMのデータ領域における上記変動時間データなどの時間データそれ自体を従来よりも小さいサイズにすることができる。
図柄動作用時間データのうちで特に変動時間データのタイマ値を監視する場合は、割込み制御が実行される4msの周期よりも遅い1000msの周期で第1のタイマが更新される。図柄の変動時間について、従来は4msなどの割込周期で細かく計数していた計時動作を、それより粗い計時単位である1秒に拡大して計数することにより、ROMのデータ領域における変動時間データは、たとえば1秒以下の端数をまるめた、おおまかな時間データとして保持しておくことができる。これにより、ROMのデータ領域における変動時間データそれ自体のサイズを小さくして、遊技機本来の制御動作に支障をきたすことなく、演出動作のバリエーションを増加させることができる。
上記実施形態の場合、具体的には、データ数が多いために主制御ROM202のデータ領域の中で無視できないサイズを占める変動時間データについて、その各変動時間データのサイズを従来の2バイトから1バイトに半減させ、変動時間データの数n×1バイトに相当する未活用の記憶領域を創生している。この未活用の記憶領域は、演出動作のバリエーションを増加させるためのデータ量の増加やプログラムの複雑化に向けて利用することができる。この結果、3KBという限られたROMのデータ容量の制約下において、遊技機本来の制御動作に支障をきたすことなく、演出動作のバリエーションを増加させることができる。
また、従来の2バイトサイズ(16ビット)のタイマを用い4msの割込周期を計時単位として計時できる最大時間は、65535×4ms=262140ms(約4分20秒)である。これに対し本実施形態の第1のタイマを特別図柄変動中用タイマとして用い1000ms(1秒)の周期を計時単位として計時できる最大時間は、255×1000ms=25500ms(約4分15秒)である。したがって、本実施形態の計時処理によっても、従来行ってきた長い演出時間をカバーすることができ、従来と遜色のない演出動作のバリエーションを確保することができる。
<変形例>
上記実施形態では、変動時間データのデータサイズを従来の2バイトから1バイトに半減させているが、事情によってはこれ以外の減少数とすることができる。ただし、1アドレスのデータ量であるワードを単位として減少させることが望まれる。
また上記実施形態では、図柄遊技の遊技状態を特別図柄変動中、大当り中および特別図柄停止中の3つに区分し、これに対応して第1のタイマのタイマ値を更新する周期を、1000ms、200ms、4msのいずれかに変更可能としたが、これに限定されるものではなく、図柄遊技の遊技状態を2つまたは4つ、あるいはそれ以上の数に区分し、それぞれに適した時間長さの更新周期を割り当てることもできる。また、特別図柄変動中は第1のタイマが1000msを計時単位として歩進動作するように構成したが、割込処理の実行が4msでない場合、このカウンタ更新値を増減することにより1000msを計時単位として歩進動作するように構成することができる。たとえば2ms毎に割込処理が実行される場合は、計時単位作成用カウンタのタイマ変数(カウンタ更新値)を500に設定することにより、1秒を計時単位として第1のタイマが歩進動作するように構成することができる。
また、上記実施形態では、ROM202に図柄遊技の図柄動作には係わらない非特別図柄動作用時間データとして記憶される普通図柄用時間データや不正情報用時間データについては、従来通り2バイトサイズとしたが、これを1バイトサイズで記憶し、その非特別図柄動作用時間を管理する第2のタイマ(普電動作用タイマ233、不正情報用タイマ234として作用)の更新周期を、特別図柄動作用時間データのタイマ値を管理する第1のタイマ(特電動作用タイマ232)の場合と同様に、可変に構成してもよい。