以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここでは、本発明にかかる遊技機の適例としてのパチンコ遊技機について図1から図16を用いて説明を行う。
図1に示すように、本実施形態の遊技機100は、矩形枠状に構成された機枠110を備え、機枠110の前面側には、該機枠110に対して前方向へ扉状に回動可能に矩形枠状の前面枠120が軸着されている。
前面枠120は、当該前面枠120に備えられる各種部材等の取付用のベースとなる前面枠本体130と、当該前面枠本体130に対して、その前面側に回動可能に軸支されたクリア部材保持枠140と、前面枠本体130の前面のクリア部材保持枠140の下側に取り付けられた発射操作ユニット150と、を有する。
前面枠本体130は、矩形枠状の機枠110の前面側をちょうど覆うような概略矩形板状に構成されるとともに、その中央から上端部に渡る部分に、図2に示すような遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部が形成されている。そして、前面枠本体130に収容された遊技盤1の前面が前面枠本体130の開口部から前側に臨むようになっている。すなわち遊技盤1は、前面枠本体130に嵌め込まれることで前面枠120に取り付けられている。
また、前面枠本体130の遊技盤1が嵌め込まれた開口部、すなわち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部にわたる部分には、前面枠本体130の前側を覆うクリア部材保持枠140が配置されており、遊技盤1の前面とクリア部材保持枠140に嵌め込まれたクリア部材としてのガラス板141との間で、遊技盤1の前面に設けられたガイドレール2に囲まれた部分が、遊技球が発射されて流下する遊技領域1aとされている。
また、クリア部材保持枠140の一方の側部(遊技機100の前面側から見て左側の側部)は、前面枠本体130の一方の側部に回動可能に軸支されて、扉状に開閉自在とされ、クリア部材保持枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の遊技領域1aの前側を開放可能となっている。クリア部材保持枠140には、前面枠本体130の開口部をほぼ閉塞するように、該開口部に嵌め込まれた遊技盤1との間に遊技球が流下可能な遊技領域1aとなる間隔を開けて二重のガラス板141が固定されている。そして、クリア部材保持枠140において、遊技機100の前側からガラス板141を介して遊技盤1の前面側の少なくとも遊技領域1aの部分が視認可能となっている。また、クリア部材保持枠140の前面であって、ガラス板141が固定されて遊技領域1aを視認可能とする部分の周囲には、枠装飾装置としての装飾ランプ・LED144、音声を出力するスピーカ145,157などが設けられている。
また、前面枠本体130に軸着されたクリア部材保持枠140の開放端側となる前面側から見て右側の端部の前面には、施錠装置の一部をなす鍵穴143が形成されている。この鍵穴143は、前面枠本体130の施錠装置の一部であるとともに、クリア部材保持枠140の施錠装置の一部でもあって、鍵穴143に鍵を入れて一方(例えば左回り)に回すと前面枠本体130の施錠が解除され、他方(例えば右回り)に回すとクリア部材保持枠140の施錠が解除されるようになっている。
また、前面枠本体130の前面側のクリア部材保持枠140の下側には、発射操作ユニット150が取り付けられている。発射操作ユニット150は、左右側部のうちの一側部となる左側部を前面枠本体130に軸着されて、左右方向に回動して開閉自在な開閉パネル151とその下の下部パネル152とからなる。開閉パネル151は、排出された遊技球を貯留するとともに、遊技球を発射する発射装置52(図3に図示)に遊技球を送る上皿153を有している。この上皿153の周囲には、遊技者が操作可能な演出用ボタン(図示略)が設けられている。また、開閉パネル151の下側の下部パネル152には、上皿153に収容しきれない遊技球を収容する下皿154及び灰皿155と、遊技領域1aに向けての遊技球の発射操作を行うとともに、該遊技領域1aに遊技球を発射する際の発射勢を調節するための操作ハンドル156、音声を出力するスピーカ157などが設けられている。
遊技盤1は、図2に示すように、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体1b(木製もしくは合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体1bの前面に、ガイドレール2で囲まれた遊技領域1aを有している。また、遊技盤本体1bの前面であってガイドレール2の外側には、前面構成部材3,3,…が取り付けられている。そして、このガイドレール2で囲まれた遊技領域1a内に発射装置から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うようになっている。
遊技領域1a内には、普図始動ゲート4と、始動入賞口をなす普通変動入賞装置7、始動入賞装置13,13と、始動遊技としての特図変動表示ゲームの未処理回数を点灯表示する特別図柄記憶表示器8が設けられている。また、遊技領域1a内には、始動遊技を行う変動入賞装置80、各種情報を表示可能な演出表示装置14aを備えた装飾装置14が設けられている。また、遊技盤1における遊技者から視認可能な位置には、普図変動表示ゲームの未処理回数を表示する普通図柄記憶表示器6、普図の変動表示ゲームを表示する普通図柄表示器5、特図変動表示ゲームを表示する特別図柄表示器9、特別遊技状態となった場合のラウンド数(2R,7R,15R)を表示するラウンド数表示器10(LED)が設けられている。
また、遊技領域1aには、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト穴11が設けられている。さらに、遊技領域1aには、一般入賞口12,12,12、打球方向変換部材としての風車(図示略)、多数の障害釘(図示略)などが配設されている。
普図始動ゲート4内には、該普図始動ゲート4を通過した遊技球を検出するための普図始動センサ4aが設けられている。そして、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート4内を通過すると、普通図柄変動表示ゲームが行われる。また、普通図柄変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普通図柄変動表示ゲームが行われ、その普通図柄変動表示ゲームが終了していない状態や、普通図柄変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置7が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート4を遊技球が通過すると、普通図柄始動記憶数の上限数未満でならば、普通図柄始動記憶数が1加算されて普通図柄始動記憶が1つ記憶されることとなる。なお、普通図柄変動表示ゲームの始動記憶はLEDを備える普通図柄記憶表示器6にて表示されるようになっている。
普通図柄変動表示ゲームは普通図柄表示器5で実行されるようになっており、この普通図柄変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様となれば、普通図柄の当たりとなって、普通変動入賞装置7の開閉部材7a,7aが所定時間(例えば、0.5秒間)開放される。これにより、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞しやすくなり、特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
普通変動入賞装置7は左右一対の開閉部材7a,7aを具備し、この開閉部材7a,7aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普通図柄変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としてのソレノイド(普電開閉SOL7b、図3に図示)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置7に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。この普通変動入賞装置7は、特別図柄変動表示ゲームの始動入賞口も兼ねている。また、始動入賞口13や普通変動入賞装置7の内部(入賞領域)には、入賞した遊技球を検出する特図始動センサ7dが備えられており、この特図始動センサ7dによって遊技球を検出することに基づき特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生するようになっている。
この特図変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば4)の範囲内で始動記憶(特別図柄始動記憶)として記憶される。従って、特図変動表示ゲームが開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、特別図柄変動表示ゲームが開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図変動表示ゲームが直ちに開始できない状態、例えば、既に特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口13や普通変動入賞装置7に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図変動表示ゲームが開始可能な状態となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図変動表示ゲームが開始される。なお、特図変動表示ゲームの始動記憶は、LEDを備える特別図柄記憶表示器8にて表示されるようになっている。
特図(特別図柄、識別情報)変動表示ゲームは、遊技盤1に設けられた7セグからなる特別図柄表示器9(図3に図示)で実行されるようになっており、複数の識別情報を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。この特図変動表示ゲームの結果として、特別図柄表示器9の表示態様が大当り態様(例えば、「7」)となった場合は、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、この特図変動表示ゲームの結果として、特別図柄表示器9の表示態様が小当り態様(例えば、「3」や「5」)となった場合は、小当りとなって始動遊技が実行される。なお、遊技機100に特別図柄表示器9を備えずに、始動入賞口をなす普通変動入賞装置7、始動入賞装置13,13への入賞に基づき始動遊技を行うようにしても良い。
遊技領域1aの略中央に設けられた変動入賞装置80は、遊技盤1に形成された取付開口部に遊技盤1の前面側から取り付けられるものであり、前方側が開放し、遊技盤1の後方に延在する入賞空間81を有する。また、変動入賞装置80の前面側は、遊技盤1の前面を覆うガラス板141の近傍まで突出した状態となっており、後述する可動部材87,87が開いた場合以外は変動入賞装置80内に遊技球が入らないようになっている。
入賞空間81の上部には、上部構造部材(鎧部材)85が遊技盤1の表面より前方に突出するように設けられ、変動入賞装置80の上部の装飾装置として機能している。さらに、上部構造部材85は、変動入賞装置80の上方から流下する遊技球が入賞空間81に入ることを防止するとともに、その遊技球を左右方向に誘導するようになっている。また、この上部構造部材85には、特別図柄記憶表示器8が設けられている。
上部構造部材85の下側の左右側部には、変動入賞装置80の入賞口となる流入口86,86が設けられており、この左右の流入口86,86には、流入口86,86を開閉する可動部材87,87がそれぞれ設けられている。この可動部材87,87は、その下端部に回動中心を有しており、遊技制御装置30により制御される開閉ソレノイド(大入賞口SOL87a、図3に図示)によって左右に回動可能となっている。
そして、可動部材87,87が略垂直に立った状態においては、可動部材87,87が流入口86,86を塞いだ状態となり変動入賞装置80へ入賞できない状態となる。すなわち、この状態が遊技者にとって不利な閉状態となる。これに対して、左右の可動部材87,87が下端部を中心にそれぞれ変動入賞装置80から離れる方向に回動した状態においては、可動部材87,87が、逆「ハ」の字状に開いて流入口86,86を開放した状態となり、変動入賞装置80への入賞が可能な状態となる。すなわち、この状態が遊技者にとって有利な開状態となる。なお、可動部材87,87は付勢部材によって通常時は閉じた状態(閉状態)を保つようになっている。
この可動部材87,87は、始動遊技の発生条件の成立(ここでは特図変動表示ゲーム表示ゲームの結果態様が小当りになること)に基づく始動遊技において、大入賞口SOL87a(図3に図示)の駆動によって所定態様で開状態に変換され、変動入賞装置80への入賞の機会が得られるようになっている。また、小当たりの種類によって、例えば、可動部材87,87が開放動作(開状態に変換)し、所定時間経過後(ここでは0.5秒経過後)に再び閉鎖動作(閉状態に変換)するといった所定の態様の開放動作を1回行う第1始動遊技か、可動部材87,87が所定の態様の開放動作(ここでは開放時間0.8秒の開放動作)を所定時間(ここでは0.8秒)の閉鎖動作をはさんで2回行う第2始動遊技の何れかが行われるようになっている。
入賞空間81の上部であって流入口86,86の近傍には、左右の流入口86,86に流入した遊技球を検出可能な位置に、それぞれカウントセンサ左88、カウントセンサ右88(図3に図示)が設けられている。このカウントセンサ左88、カウントセンサ右88は、遊技球が通過可能な検出部を有し、検出部を遊技球が通過したときに検出信号を出力するようになっている。そして、この検出信号を後述する遊技制御装置30でカウントすることで、変動入賞装置80に入賞した遊技球の数を計数することができる。すなわち、このカウントセンサ左88、カウントセンサ右88が、変動入賞装置80に受け入れた遊技球を検出する入賞球検出手段をなす。また、この検出信号に基づき所定数(例えば10個)の賞球が排出装置51から排出される。
また、入賞空間81の上部であって流入口86,86の下方には、上方に開口するとともに前後方向に延在する樋状の上部流路形成部材89が設けられている。この上部流路形成部材89は後方へ向かって下るように形成され、左右の流入口から流入した遊技球を集合して下方の入賞空間81の後方へ流下誘導するようになっている。
入賞空間81には、貯留装置160、棚部材92、床部が設けられている。貯留装置160は、遊技球を貯留可能な矩形箱状の貯留部162を備えており、該貯留部162は、遊技球を貯留可能となるように開口部を上方に向けた貯留状態と、貯留した遊技球を排出可能となるように開口部を前方に向けた貯留解除状態とに変換可能となっている。なお、貯留部162は、貯留状態において上部流路形成部材89を流下した遊技球を受け入れ可能な位置に配されるようになっている。このように貯留状態と貯留解除状態に変換可能な貯留部162は、人形モータ164(図3に図示)により駆動されるようになっている。また、人形モータ164の回転位相は、人形モータセンサ164c(図3に図示)により検出可能となっており、遊技制御装置30は、この人形モータセンサ164cからの情報に基づき、貯留装置160の状態を検出可能となっている。
棚部材92は、貯留装置160の前方を除く周囲を囲むような略U字型をした板状の部材で、側端及び後端が入賞空間81の左右の側壁及び後壁に沿って配されている。この棚部材92は前方に向かって下るように傾斜しており、上部流路形成部材89を流下したが貯留部162に貯留されなかった遊技球を受けるとともに前方に誘導して、前端から下方に形成された床部へ流下させるようになっている。
また、棚部材92の下流側端部となる前端部は、入賞空間81の前端よりも遊技球の直径以上後退した位置にあって、棚部材92を前方へ流下した遊技球は前端部から下方の床部上に落下するようになっている。また、この棚部材92の左右の位置となる入賞空間81の左右の側壁には、棚部材92を流下する遊技球の流下方向を変更するレバー部材93,93が設けられている。このレバー部材93,93は、後方側が上下方向に沿った回動軸により軸支されているとともに、レバーソレノイド93a(図3に図示)により、駆動可能となっている。そして、レバーソレノイド93aを動作させることにより、棚部材92上から退避した状態と、棚部材92上に出現した状態とに変換可能となっており、棚部材92を流下する遊技球を、入賞空間81の中央方向へ誘導できるようになっている。
床部は棚部材92の下面よりも遊技球の直径以上下方に離れた位置にあって、その上面が後方に向かって下る傾斜面となっていて、棚部材92や貯留装置160からの遊技球が入賞空間81の前端側に位置する上流側部分に流入するようになっている。この床部には床モータ84c(図3に図示)により駆動されて遊技球の流下方向を変化させる流下方向変換部材が設けられているとともに、傾斜下流側となる後端部(奥部)には、左右方向の中央に特別入賞口が形成され、その左右両側に一般入賞口が形成されている。よって、床部を流下した遊技球は特別入賞口と一般入賞口の何れかに流入するようになっている。また、特別入賞口には、入賞した遊技球を検出する特別検出手段をなす特別入賞センサ90(図3に図示)が設けられている。この特別入賞センサ90によって遊技球が検出されることで、検出信号が遊技制御装置30に特別入力として入力され、特別遊技状態の発生等の処理が行われるようになっている。
また、入賞空間81の下部には、床部を流下して特別入賞口もしくは一般入賞口に流入した遊技球を回収する回収流路が形成されている。この回収流路には流下する遊技球を検出可能な残存球検出センサ94(図3に図示)が設けられており、遊技制御装置30はこの残存球検出センサ94からの情報に基づき、変動入賞装置80から流出するすべての遊技球を検出できるようになっている。
また、変動入賞装置80における流入口86,86の近傍と床部の下側には、磁気を検出する磁気センサ17(図3に図示)が設けられている。さらに、変動入賞装置80の近傍には、遊技機に与えられた振動を検出する振動センサ18(図3に図示)が設けられている。この磁気センサ17、振動センサ18は遊技機100の異常を検出するための異常検出手段をなすものであって、後述するように、磁気センサ17により磁石による不正行為を検出し、振動センサ18により振動による不正行為を検出するようになっている。
また、遊技領域1aに設けられた各一般入賞口12には、一般入賞口12に入った遊技球を検出するための入賞口センサ12a(図3に図示)が配設されている。そして、遊技を開始することにより遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口12,12,…、普通変動入賞装置7、始動入賞装置13,13、変動入賞装置80等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球が排出装置51によって排出される(払い出される)ようになっている。
また、図3に示すように、遊技機100は、その制御系として遊技の進行を制御する遊技制御装置30、この遊技制御装置30の制御下で各種の演出に関する制御を行うサブ制御装置としての演出制御装置40、排出装置51による賞球または貸球の払い出しの制御と、発射装置52による遊技球の発射の制御を行うサブ制御装置としての排出発射制御装置50、電力を供給する電源供給装置60を備えている。
遊技制御装置30は、CPU31a、RAM31b、ROM31c等を有する遊技用マイクロコンピュータ31を備えるとともに、入出力インタフェース(入出力I/F)33、各種処理の同期やタイマ等のためのパルス信号を出力するクロック(CLK)32(発振器)等により構成されている。
CPU31aは、制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値、変動パターン決定用乱数値などの各種乱数値なども生成している。RAM31bは、普通変動入賞装置7、始動入賞装置13,13に設けられた特図始動センサ7dのオン信号などを記憶する記憶領域や、各種乱数値の記憶領域、並びに、CPU31aの作業領域等を備えている。ROM31cには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、上述の大当り判定用乱数値、変動パターン決定用乱数値などの各種乱数値に対応した判定値などが記憶されている。
また、入出力インタフェース33には、ローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、特図始動センサ7d、普図始動センサ4a、入賞口センサ12a,12a,…、カウントセンサ88、特別入賞センサ90、残存球検出センサ94、人形モータセンサ164c、床モータセンサ84d、磁気センサ17、振動センサ18などが接続されている。なお、磁気センサ17は磁石による不正行為を検出するものであり、振動センサ18は遊技機100を振動させることによる不正行為を検出するものである。そして、入出力インタフェース33は、これらから入力された各種信号を中継し、CPU31aに対し出力する。
さらに、入出力インタフェース33には、CPU30bから出力される各種の制御信号が入力される。これら制御信号は、該入出力インタフェース33により中継されて、図示しない出力ポート及びドライバを介して、ラウンド数表示器10、特別図柄表示器9、特別図柄記憶表示器8、普通図柄表示器5、普通図柄記憶表示器6、普電開閉SOL7b、人形モータ164、床モータ84c、大入賞口SOL87a、レバーソレノイド93a、床ソレノイド98a、遊技機外部の管理装置などと接続する外部出力端子16、演出制御装置40、排出発射制御装置50に出力される。
サブ制御装置としての演出制御装置40は、演算処理用CPU、ROM、RAM等を備え、遊技制御装置30から受信した演出制御データに基づいて(遊技制御装置30の制御の下に)遊技機の制御を行うものである。演出制御装置40が制御を行うものとしては、例えば、枠装飾装置としての装飾ランプ・LED144の点灯、点滅や、スピーカ145,157からの効果音の出力、演出表示装置14aの表示がある。
サブ制御装置としての排出発射制御装置50は、演算処理用CPU、ROM、RAM等を備え、遊技制御装置30からの賞球制御指令(賞球数データの受信)や、球貸機(図示略)からの球貸制御指令に基づいて、排出装置51に所定数の遊技球(賞球、貸球)を排出させる制御を行う。また、発射装置52による遊技球の発射制御を行ようになっており、排出発射制御装置50には、遊技者が操作ハンドル156に触れることで、操作ハンドル156に設けられたタッチセンサ54からの信号が入力されるようになっている。また、遊技者が操作ハンドル156に設けられた発射停止スイッチ53を操作することで、該発射停止スイッチ53からの入力信号がタッチセンサ54からの入力信号と併せて入力されるようになっている。
また、遊技制御装置30には、電源供給装置60から電力が供給されており、その他の装置にも電源供給装置60から電力が供給されるようになっている。さらに、電源供給装置60には、停電時等の外部からの電力の供給が途絶えた場合でも電力を供給可能とするためのバックアップ電源61が備えられ、停電時等に各制御装置の揮発性メモリに保存されたデータの消失を防止するようになっている。
これらの制御回路においては、例えば以下のような制御が行われる。遊技制御装置30では、普図始動ゲート4に備えられた普図始動センサ4aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普通図柄の当り判定用乱数値を抽出してROM31cに記憶されている判定値と比較し、普通図柄変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。そして、普通図柄表示器5に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普通図柄変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普通図柄変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普通図柄表示器5に特別の結果態様を表示するとともに、普電開閉SOL7bを動作させ、普通変動入賞装置7の開閉部材7a,7aを所定時間(例えば、0.5秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普通図柄変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普通図柄表示器5にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置30では、始動入賞口13や普通変動入賞装置7に備えられた特図始動センサ7dからの遊技球の検出信号の入力に基づき、各種の乱数を抽出記憶するとともに変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として記憶する。すなわち、遊技制御装置30が、始動入賞口(始動入賞口13、普通変動入賞装置7)への遊技球の入賞に基づき乱数を抽出記憶するとともに変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として記憶する始動記憶手段をなす。
また、遊技制御装置30は、特図変動表示ゲームの開始時に始動記憶に記憶された特図の大当り判定用乱数値をROM31cに記憶されている判定値と比較し、特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。また、変動パターン決定用乱数値に基づき変動パターンを決定する処理も行う。また、これらの結果を含む制御信号(演出制御データ)を、演出制御装置40に出力する。そして、特別図柄表示器9に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。すなわち、特別図柄表示器9が、始動記憶に基づき変動表示ゲームを表示する表示手段をなす。また、演出制御装置40では、遊技制御装置30からの制御信号に基づき、スピーカ145,157からの音の出力、枠装飾装置としての装飾ランプ、LED144、演出表示装置14aを制御する処理を行う。この処理としては、例えば、特図変動表示ゲームに対応した表示ゲームに関する制御処理が含まれ、演出表示装置14aでの表示ゲームの表示制御や、表示ゲームに合わせたスピーカ145,157からの音の出力および装飾ランプ、LED144の制御を行う。
そして、遊技制御装置30は、大当り判定用乱数の抽出結果(判定結果)が特別結果である場合に特図変動表示ゲームの結果を大当りとして、特別図柄表示器9に大当りの結果態様(特別態様)を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
また、遊技制御装置30は、大当り判定用乱数の抽出結果(判定結果)が第1特定結果である場合に特図変動表示ゲームの結果を小当り1として、特別図柄表示器9に小当りの1の結果態様(小当り1態様)を表示するとともに、第1始動遊技を実行する処理を行う。第1始動遊技を実行する処理では、可動部材87,87を開放動作(開状態に変換)し、所定時間経過後(ここでは0.5秒経過後)に再び閉鎖動作(閉状態に変換)するといった所定の態様の開放動作を1回行う制御を行う。
また、遊技制御装置30は、大当り判定用乱数の抽出結果(判定結果)が第2特定結果である場合に特図変動表示ゲームの結果を小当り2として、特別図柄表示器9に小当りの2の結果態様(小当り2態様)を表示するとともに、第2始動遊技を実行する処理を行う。第2始動遊技を実行する処理では、可動部材87,87を、所定の態様の開放動作(ここでは開放時間0.8秒の開放動作)を所定時間(ここでは0.8秒)の閉鎖動作をはさんで2回行う制御を行う。すなわち、遊技制御装置30が、乱数の抽出結果が第1特定結果(小当り1態様)となった場合に、変動入賞装置80を1回開状態に変換する第1始動遊技を実行する一方、乱数の抽出結果が第2特定結果(小当り2態様)となった場合に、変動入賞装置80を複数回(2回)開状態に変換する第2始動遊技を実行する始動遊技制御手段をなす。
そして、第1始動遊技および第2始動遊技では、変動入賞装置80に流入した遊技球が特別入賞口に流入し、特別入賞センサ90で検出された場合は、上述の特別遊技状態を発生させる処理を行う。また、変動入賞装置80に流入した遊技球が特別入賞口に流入せず、かつ、流入した遊技球の全てが残存球検出センサ94で検出された場合は、次回の特図変動表示ゲームを実行可能とする処理を行う。なお、大当り判定用乱数の抽出結果(判定結果)がはずれの場合は、特図変動表示ゲームの結果をはずれとして、特別図柄表示器9にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、例えば、大入賞口SOL87aにより変動入賞装置80の可動部材87,87を開放し、変動入賞装置80内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、変動入賞装置80に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するか、変動入賞装置80を所定回数(例えば18回)開閉動作するかの何れかの条件が達成されるまで変動入賞装置80を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(2回、7回、16回の何れか)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。特別遊技状態におけるラウンド数は大当り判定用乱数値により決定する。すなわち遊技制御装置30が、特別遊技状態のラウンド数を複数のラウンド数の何れかに決定するラウンド数決定手段をなす。なお、始動遊技を行う変動入賞装置80とは別に特別遊技状態で開放される特別変動入賞装置を備えるようにしても良い。また、特別遊技状態におけるラウンド数を決定するための乱数(大当り図柄乱数)を始動記憶の発生時に抽出記憶するようにしても良い。
また、遊技制御装置30は、各種入賞口に設けられたセンサ(特図始動センサ7d、カウントセンサ88、入賞口センサ12a)から入力される遊技球の検出信号に基づき、排出発射制御装置50に制御信号(賞球数データ)を出力する。排出発射制御装置50は、制御信号の入力に基づき排出装置51を制御して所定数の遊技球が払い出されるようにする。
また、遊技制御装置30では、所定のタイミング(始動入賞時など任意のタイミング)で、始動記憶に記憶されている大当り判定用乱数値や変動パターン判定用乱数などの判定を行う。そして、特図変動表示ゲームの結果や変動パターン(リーチの発生の有無)などを判定する先読み処理を行う。これらの判定の結果は、結果情報として遊技制御装置30から演出制御装置40へ送信される。すなわち、遊技制御装置30が、始動記憶手段(遊技制御装置30)に記憶されて変動表示ゲームの実行を待機している始動記憶に対応した乱数の抽出結果を変動表示ゲームの実行前に事前に判定する事前判定手段をなす。
また、排出発射制御装置50は、操作ハンドル156に設けられたタッチセンサ54からの信号が入力されている間は、発射装置52を動作させて遊技球を発射する制御を行う。また、タッチセンサ54から信号が入力されている間であっても、操作ハンドル156に設けられた発射停止スイッチ53からの入力信号が入力されている場合は、発射装置52を停止させて遊技球の発射を停止する制御を行う。
図4には、遊技状態の状態遷移図を示した。通常遊技状態ST1は、特図変動表示ゲームの実行を待機している状態である。この通常遊技状態ST1において、始動記憶があると特図変動表示ゲームを実行する変動表示状態ST2に移行する。この変動表示状態ST2において特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合は通常遊技状態ST1に戻る。
また、変動表示状態ST2において特図変動表示ゲームの結果が小当り1態様であった場合は、第1始動遊技状態ST3に移行し、始動遊技が実行される。第1始動遊技状態ST3では、変動入賞装置80の可動部材87,87を開放動作(開状態に変換)し、所定時間経過後に再び閉鎖動作(閉状態に変換)するといった所定の態様の開放動作が1回行われる。そして、変動入賞装置80に流入した遊技球が特別入賞口に流入すると特別遊技状態ST5に移行する。また、変動入賞装置80に流入した遊技球が一般入賞口に流入した場合、もしくは、変動入賞装置80に遊技球が流入しなかった場合は、通常遊技状態ST1に戻る。
また、変動表示状態ST2において特図変動表示ゲームの結果が小当り2態様であった場合は、第2始動遊技状態ST4に移行し、始動遊技が実行される。第2始動遊技状態ST4では、変動入賞装置80の可動部材87,87を開放動作(開状態に変換)し、所定時間経過後に再び閉鎖動作(閉状態に変換)するといった所定の態様の開放動作が所定時間の閉鎖動作をはさんで2回行われる。そして、変動入賞装置80に流入した遊技球が特別入賞口に流入すると特別遊技状態ST5に移行する。また、変動入賞装置80に流入した遊技球が一般入賞口に流入した場合、もしくは、変動入賞装置80に遊技球が流入しなかった場合は、通常遊技状態ST1に戻る。
また、変動表示状態ST2において特図変動表示ゲームの結果が大当り態様(特別結果)であった場合は、特別遊技状態ST5に移行する。そして、特別遊技状態ST5において所定の回数のラウンド遊技を行った後、通常遊技状態ST1に戻る。なお、特図変動表示ゲームの結果が小当り1態様もしくは小当り2態様である場合は、特別遊技状態における継続可能なラウンド数として、2ラウンドが20%、7ラウンドが60%、16ラウンドが20%の割合で選択されている。つまり、第1始動遊技状態および第2始動遊技状態で遊技球が特別入賞口に流入することに基づき特別遊技状態が発生する場合の継続可能なラウンド数は、2ラウンドが20%、7ラウンドが60%、16ラウンドが20%の割合となっている。また、特図変動表示ゲームの結果が特別結果である場合は、特別遊技状態における継続可能なラウンド数として16ラウンドのみが選択される。
図5には、特図変動表示ゲームで各結果態様が導出される確率を示した。特図変動表示ゲームの結果がはずれとなる確率は1/300であり、小当り1態様となる確率は249/300である。また、小当り2態様となる確率は49/300であり、大当りとなる確率は1/300である。この特図変動表示ゲームでの結果態様は、大当り判定用乱数値により決定される。
また、小当り1態様が導出される場合に、リーチ演出が実行されない確率は29/30であり、リーチ演出が実行される確率は1/30である。また、小当り2態様が導出される場合に、リーチ演出が実行されない確率は27/30であり、リーチ演出が実行される確率は3/30である。また、大当り態様が導出される場合には必ずリーチ演出が実行されるようになっている。このリーチ演出の有無は、変動パターン決定用乱数値により決定される。なお、はずれとなる場合には小当り(小当り1及び小当り2)でリーチ演出が実行される場合の1/10程度の確率でリーチ演出が実行されるようになっているが、リーチ演出を行わないようにしても良い。
ここで、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な演出表示装置14aにおいて、特図変動表示ゲームに関連して実行される表示ゲームとして時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機において、前記複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、演出表示装置14aの変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、演出表示装置14aの表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、前記表示結果が導出表示される以前に決定されている前記複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して演出表示装置14aに表示される表示ゲームが、演出表示装置14aにおける上、中、下の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、上、下、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、上、下の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、上、中、下のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)複数のリーチ演出が含まれる。
図6から8には、遊技機100における始動遊技の一例を示した。図6に示すように、始動記憶に基づき特図変動表示ゲームが開始される(t1)と、特別図柄表示器9で特別図柄の変動表示が開始される。このとき、遊技制御装置30から演出制御装置40に対して、特図変動表示ゲームの開始に関する情報である変動表示開始情報、特図変動表示ゲームの結果(当りやはずれ、ラウンド数など)に関する情報である結果情報、特図変動表示ゲームの変動態様に関する情報である変動パターン情報が送信される。
また、特図変動表示ゲームの実行中に遊技球が始動入賞口13もしくは普通変動入賞装置7に入賞して特図始動センサ7dからの検出信号が遊技制御装置30に送信される(t2)と、(始動記憶数が上限数未満であれば)始動記憶が発生する。このとき、遊技制御装置30から演出制御装置40に対して、始動記憶の発生に関する情報である始動入賞情報、当該始動記憶についての先読み処理の結果に関する情報である先読み情報が送信される。なお、先読み情報には、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果(大当り、小当り1、小当り2、はずれ、及びラウンド数など)や、変動パターン(リーチの有無)などの情報が含まれる。
そして、特図変動表示ゲームの開始から所定時間後に、識別情報の変動表示を停止して結果態様を表示する(t3)。ここでは、結果態様として小当り2態様が導出されたものとする。このとき、遊技制御装置30から演出制御装置40に対して、特図変動表示ゲームの終了に関する情報である変動表示停止情報、特図変動表示ゲームの結果(当りやはずれ、ラウンド数など)に関する情報である結果情報が送信される。その後、始動遊技として第2始動遊技が実行される(t3からt13)。
この第2始動遊技では、まず、一回目の開閉動作として変動入賞装置80の可動部材87,87が開放動作される(t5)。このとき、遊技制御装置30から演出制御装置40に対して可動部材87,87の開放動作に関する情報である開放情報が送信される。そして、所定時間の経過後に変動入賞装置80の可動部材87,87が閉鎖動作される(t6)。このとき、遊技制御装置30から演出制御装置40に対して可動部材87,87の閉鎖動作に関する情報である閉鎖情報が送信される。この開閉動作において遊技球が変動入賞装置80に流入してカウントセンサ88で検出される(t7)と、遊技制御装置30から演出制御装置40に対して変動入賞装置80への遊技球の流入に関する情報であるカウント情報が送信される。
また、一回目の開閉動作から所定時間の経過後、二回目の開閉動作として変動入賞装置80の可動部材87,87が開放動作される(t8)。このとき、遊技制御装置30から演出制御装置40に対して可動部材87,87の開放動作に関する情報である開放情報が送信される。そして、所定時間の経過後に変動入賞装置80の可動部材87,87が閉鎖動作される(t9)。このとき、遊技制御装置30から演出制御装置40に対して可動部材87,87の閉鎖動作に関する情報である閉鎖情報が送信される。この開閉動作において遊技球が変動入賞装置80に流入してカウントセンサ88で検出される(t10)と、遊技制御装置30から演出制御装置40に対して変動入賞装置80への遊技球の流入に関する情報であるカウント情報が送信される。
また、始動遊技の実行中に遊技球が始動入賞口13もしくは普通変動入賞装置7に入賞して特図始動センサ7dからの検出信号が遊技制御装置30に送信される(t4)と、(始動記憶数が上限数未満であれば)始動記憶が発生する。このとき、遊技制御装置30から演出制御装置40に対して、始動記憶の発生に関する情報である始動入賞情報、当該始動記憶についての先読み処理の結果に関する情報である先読み情報が送信される。なお、先読み情報には、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果(大当り、小当り1、小当り2、はずれ、及びラウンド数など)や、変動パターン(リーチの有無)などの情報が含まれる。
その後、変動入賞装置80に流入した遊技球から排出される際に、残存球検出センサ94からの検出信号が遊技制御装置30に送信される(t11,t12)。このとき、遊技制御装置30から演出制御装置40に対して変動入賞装置80に流入した遊技球が排出されたことに関する情報である残存球排出情報が送信される。また、変動入賞装置80に流入した遊技球の全てが排出された際(t12)には、遊技制御装置30から演出制御装置40に対して始動遊技を終了することに関する情報である始動遊技終了情報が送信される。そして、変動入賞装置80に流入した遊技球が特別入賞口に流入せずに始動遊技が終了すると、始動記憶に基づき次回の特図変動表示ゲームが開始される(t13)。
図7には、始動遊技において変動入賞装置80に流入した遊技球が特別入賞口に流入する例を示した。なお、図6と同様の部分については説明を省略する。始動遊技において変動入賞装置80に流入した遊技球が特別入賞口に流入すると、特別入賞センサ90からの検出信号が遊技制御装置30に送信される(t20)。このとき、遊技制御装置30から演出制御装置40に対して特別入賞口への遊技球の流入があったことに関する情報である特別入賞情報が送信される。
その後、変動入賞装置80に流入した遊技球が排出される際に、残存球検出センサ94からの検出信号が遊技制御装置30に送信される(t21)。このとき、遊技制御装置30から演出制御装置40に対して変動入賞装置80に流入した遊技球が排出されたことに関する情報である残存球排出情報が送信される。また、変動入賞装置80に流入した遊技球の全てが排出された際(t21)には、遊技制御装置30から演出制御装置40に対して特別遊技状態を開始することに関する情報である特別遊技状態開始情報が送信される。さらに、遊技制御装置30から演出制御装置40に対して、特別遊技状態の開始時の演出に関する情報(ラウンド数を決定するゲームの実行パターンや実行時間など)である開始パターン情報、特別遊技状態におけるラウンド数に関する情報であるラウンド数情報が送信される。
その後、特別遊技状態の開始時の演出を行う(t22からt23)。この特別遊技状態の開始時の演出では、遊技球が特別入賞口に流入して特別遊技状態が開始される旨の情報や、ラウンド数を決定するゲームなどが実行される。なお、ラウンド数を決定するゲームは常に同じ時間としてもよいし、ゲームの実行パターンにより変動する時間としても良い。そして、ラウンド遊技が開始される(t23)。このラウンド遊技の開始の際には、遊技制御装置30から演出制御装置40に対して、開始されるラウンドの数(何ラウンド目か)に関する情報であるラウンド情報が送信される。
図8には、特図変動表示ゲームの結果が大当り(特別結果)となる例を示した。なお、図6,7と同様の部分については説明を省略する。この場合は、特図変動表示ゲームにおいてリーチ演出が実行される(t30からt31)。そして、特図変動表示ゲームの開始から所定時間後に、識別情報の変動表示を停止して結果態様(特別結果)を表示する(t31)。このとき、遊技制御装置30から演出制御装置40に対して特図変動表示ゲームの結果が大当りとなって特別遊技状態を開始することに関する情報である特別遊技状態開始情報が送信される。さらに、遊技制御装置30から演出制御装置40に対して、特別遊技状態の開始時の演出に関する情報(ラウンド数を決定するゲームの実行パターンや実行時間など)である開始パターン情報、特別遊技状態におけるラウンド数に関する情報であるラウンド数情報が送信される。その後、特別遊技状態が開始される(t31)。
また、本実施形態の遊技機は、特図変動表示ゲームの実行を待機している始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果に関わる情報を事前に報知する事前報知として連続予告を実行可能となっている。ここで、連続予告とは、複数の特図変動表示ゲームに亘って連続的に演出を行う連続演出である。なお、必ずしも特定の結果(例えば大当り)の導出を予告するものでなくても良く、特定の結果の導出の可能性があることを予告するものとしても良い。
この連続予告は遊技制御装置30における先読み処理の情報に基づき演出制御装置40により制御されるようになっており、図9に示すように、演出表示装置14aに特図始動記憶と対応して表示する特図始動記憶表示170に事前報知表示171を行うようになっている。また、連続予告はステップ1から5の5段階が設定されており、図10に示すように、可動部材87,87の開放動作(t40,t41,t42)に対応してステップ1から順次段階が進行するように実行される。なお、必ずしもステップ5まで順次段階が進行するように実行されるわけではなく、同じステップが繰り返し実行される(段階が進行しない)こともあり、ステップが進行するほど大当たりとなる可能性が高くなるようにパターンが決定されるようになっている。
このように対象となる始動記憶より前に実行される複数の始動遊技に亘って連続的に事前報知を行うことで、事前演出をより興趣の高い態様で実行できるとともに、期待感を極めて高めることができる。また、事前報知を始動遊技における可動部材87,87の開放動作(変動入賞装置80の開状態への変換)に対応して行うことで、事前報知をより明確に実行でき、遊技者が確実に認識して期待感が高まるような事前報知を行うことができる。また、変動入賞装置80が開状態に変換する際は遊技球が入賞するか否かに遊技者の興味が集中するが、それと同時に事前報知が行われるので、期待感が高く興趣の高い事前報知を行うことができる。
図9に示す例では、特図変動表示ゲームの実行中に始動記憶aからcの3つがある状態で、3つ目の始動記憶cを対象として連続予告が行われる例を示した。なお、この例は、始動記憶cに基づく特図変動表示ゲームの結果が大当り(特別結果)となるものである。そして、連続予告の実行の決定から始動記憶cに基づく特図変動表示ゲームの開始までに5回の可動部材87,87の開放動作があって、これに対応して5回の連続予告が実行され、ステップ5まで順次段階が進行する場合を示している。
この例では、まず、実行中の特図変動表示ゲームの結果が小当り1であり第1始動遊技が実行される。この第1始動遊技において可動部材87,87の開放動作に伴い、連続予告の1回目として第1段階であるステップ1が実行される。図9(a)に示すように、このステップ1では、可動部材87,87の開放動作に伴い、対象となる始動記憶に対応した特図始動記憶表示170に「普」の文字を表示する事前報知表示171が行われる。なお、特図始動記憶表示170の大きさは変更しない。
またこの例では、始動記憶aに基づく特図変動表示ゲームの結果が小当り2であり第2始動遊技が実行される。この第2始動遊技においては1回目の可動部材87,87の開放動作に伴い、連続予告の2回目として第2段階であるステップ2が実行される。図9(b)に示すように、このステップ2では、可動部材87,87の開放動作に伴い、対象となる始動記憶に対応した特図始動記憶表示170に「中」の文字を表示する事前報知表示171が行われる。また、特図始動記憶表示170の大きさはステップ1よりも大きくなるように表示される。さらに、第2始動遊技における2回目の可動部材87,87の開放動作に伴い、連続予告の3回目として第3段階であるステップ3が実行される。図9(c)に示すように、このステップ3では、可動部材87,87の開放動作に伴い、対象となる始動記憶に対応した特図始動記憶表示170に「熱」の文字を表示する事前報知表示171が行われる。また、特図始動記憶表示170の大きさはステップ2よりも大きくなるように表示される。
またこの例では、始動記憶bに基づく特図変動表示ゲームの結果が小当り2であり第2始動遊技が実行される。この第2始動遊技においては1回目の可動部材87,87の開放動作に伴い、連続予告の4回目として第4段階であるステップ4が実行される。図9(d)に示すように、このステップ4では、可動部材87,87の開放動作に伴い、対象となる始動記憶に対応した特図始動記憶表示170に「激」の文字を表示する事前報知表示171が行われる。また、特図始動記憶表示170の大きさはステップ3よりも大きくなるように表示される。さらに、第2始動遊技における2回目の可動部材87,87の開放動作に伴い、連続予告の5回目として第5段階であるステップ5が実行される。図9(e)に示すように、このステップ5では、可動部材87,87の開放動作に伴い、対象となる始動記憶に対応した特図始動記憶表示170に「確」の文字を表示する事前報知表示171が行われる。また、特図始動記憶表示170の大きさはステップ4よりも大きくなるように表示される。なお、ステップ5の事前報知表示171は、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合にのみ表示される。すなわち、ステップ5は大当り確定予告である。その後、始動記憶cに基づく特図変動表示ゲームが開始され、結果として特別結果が導出されて特別遊技状態となる。
演出制御装置40では、このような連続予告に関する処理として図11に示す連続予告設定処理を行う。この連続予告設定処理では、まず、始動入賞情報を受信したか否かの判定(ステップS1)を行う。上述したように始動入賞情報は、始動記憶が発生した場合に遊技制御装置30から演出制御装置40に送信されるものである。この始動入賞情報を受信したか否かの判定(ステップS1)において、始動入賞情報を受信していない場合(ステップS1;No)は、連続予告設定処理を終了する。また、始動入賞情報を受信したか否かの判定(ステップS1)において、始動入賞情報を受信している場合(ステップS1;Yes)は、特別遊技状態中であるか否かの判定(ステップS2)を行う。
特別遊技状態中であるか否かの判定(ステップS2)において、特別遊技状態中である場合(ステップS2;Yes)は、連続予告設定処理を終了する。また、特別遊技状態中であるか否かの判定(ステップS2)において、特別遊技状態中でない場合(ステップS2;No)は、連続予告中であるか否かの判定(ステップS3)を行う。
連続予告中であるか否かの判定(ステップS3)において、連続予告中である場合(ステップS3;Yes)は、連続予告設定処理を終了する。また、連続予告中であるか否かの判定(ステップS3)において、連続予告中でない場合(ステップS3;No)は、当該記憶の前に大当りがあるか否かの判定(ステップS4)を行う。
当該記憶の前に大当りがあるか否かの判定(ステップS4)では、今回発生した始動記憶(事前判定手段による判定対象の始動記憶)より前に発生し、未だ特図変動表示ゲームの実行を待機している始動記憶に、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる始動記憶があるかが判定される。なお、この判定は、今回発生した始動記憶より前に発生し、未だ特図変動表示ゲームの実行を待機している始動記憶ついて受信して記憶している先読み情報に基づき判定を行う。この当該記憶の前に大当りがあるか否かの判定(ステップS4)において、当該記憶の前に大当りがある場合(ステップS4;Yes)は、連続予告設定処理を終了する。また、当該記憶の前に大当りがあるか否かの判定(ステップS4)において、当該記憶の前に大当りがない場合(ステップS4;No)は、開放回数情報を取得する処理(ステップS5)を行う。
開放回数情報を取得する処理(ステップS5)では、今回発生した始動記憶(事前判定手段による判定対象の始動記憶)より前に発生し、未だ特図変動表示ゲームの実行を待機している始動記憶および、特図変動表示ゲームを実行しているが未だ始動遊技を開始していない始動記憶に基づく始動遊技における可動部材87,87の開放回数(開閉動作の回数)の合計を取得する処理を行う。すなわち、演出制御装置40が、事前判定手段(遊技制御装置30)による判定対象の始動記憶より以前に実行される始動遊技において変動入賞装置80が開状態に変換される合計数を事前に計数する事前計数手段をなす。
その後、当該記憶は大当りであるか否かの判定(ステップS6)を行う。この当該記憶は大当りであるか否かの判定(ステップS6)では、今回発生した始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りとなるかが判定される。すなわち、事前判定手段(遊技制御装置30)による判定結果が特別結果となるかが判定される。この当該記憶は大当りであるか否かの判定(ステップS6)において、当該記憶は大当りでない場合(ステップS6;No)は、当該記憶はリーチであるか否かの判定(ステップS7)を行う。この当該記憶はリーチであるか否かの判定(ステップS7)では、今回発生した始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでリーチを発生するかが判定される。当該記憶はリーチであるか否かの判定(ステップS7)において、当該記憶はリーチでない場合(ステップS7;No)は、連続予告設定処理を終了する。また、当該記憶はリーチであるか否かの判定(ステップS7)において、当該記憶はリーチである場合(ステップS7;Yes)連続予告決定乱数を取得する処理(ステップS8)を行う。そして、小当り用連続予告発生テーブルにより連続予告を発生するかを決定する処理(ステップS9)を行い、連続予告を発生するか否かの判定(ステップS12)を行う。
小当り用連続予告発生テーブルにより連続予告を発生するかを決定する処理(ステップS9)では、開放回数情報を取得する処理(ステップS5)で取得した開放回数と、今回発生した始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果に基づき、所定の確率で連続予告の発生が決定される。このように事前判定手段(遊技制御装置30)による判定結果が特別結果とならなかった場合にも、所定の確率で特別結果の場合と同様の事前報知を行うので、事前報知の頻度を高めることができるとともに、事前報知ばかりに遊技者の興味が集中してしまうことを防止でき、遊技の興趣を高めた上で効果的に期待感を高めることができる。なお、結果が小当りである場合の事前報知は、結果が特別結果である場合の事前報知と完全に同じものではなく、演出のパターン等が異なる。また、大当り確定報知(ここではステップ5)は実行されない。
図12,13には、連続予告の発生率の一例を示した。今回発生した始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が小当り1態様である場合の連続予告の発生率は、図12に示すように、開放回数が2回以下の場合に30%、3回、4回の場合に20%、5回の場合に10%、6回以上の場合に5%となっている。また、今回発生した始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が小当り2態様である場合の連続予告の発生率は、図13に示すように、開放回数が2回以下の場合に50%、3回の場合に40%、4回の場合に30%、5回の場合に20%、6回以上の場合に10%となっている。なお、小当り用連続予告発生テーブルでは、開放回数が多くなるほど連続予告の発生率が低くなるように設定されている。これは、結果が小当りである場合は、始動遊技で特別入賞しなければ結果的には大当りとならない場合であるためであり、つまりは、連続予告の実行態様として、開放回数が多いほど、すなわち連続予告回数が多いほど大当りとなる可能性が高まるようにするためである。また小当り2態様が導出される場合は、小当り1態様が導出される場合よりも遊技者にとっては有利であるので、開放回数、すなわち連続予告(演出)回数が多いときの連続予告の発生率が高まるようになっている。
また、当該記憶は大当りであるか否かの判定(ステップS6)において、当該記憶は大当りである場合(ステップS6;Yes)は、連続予告決定乱数を取得する処理(ステップS10)を行う。そして、大当り用連続予告発生テーブルにより連続予告を発生するかを決定する処理(ステップS11)を行い、連続予告を発生するか否かの判定(ステップS12)を行う。
大当り用連続予告発生テーブルにより連続予告を発生するかを決定する処理(ステップS11)では、開放回数情報を取得する処理(ステップS5)で取得した開放回数に基づき、所定の確率で連続予告の発生が決定される。このように事前判定手段(遊技制御装置30)による判定結果が特別結果となった場合に、所定の確率で事前報知として特別遊技状態の発生を報知するので、遊技者の期待感を極めて高めることができる。また、所定の確率(100%以外の確率)で事前報知を行うので、事前報知が行われなかった場合にも特別結果となることに対する期待感を遊技者に持たせることができる。
図14には、連続予告の発生率の一例を示した。今回発生した始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当り態様である場合の連続予告の発生率は、図14に示すように、開放回数が1回以下の場合に10%、2回、3回の場合に20%、4回、5回の場合に30%、6回以上の場合に40%となっている。すなわち、事前計数手段(演出制御装置40)の計数結果に基づいて事前報知の発生率を制御するようにしている。なお、大当り用連続予告発生テーブルでは、開放回数が多くなるほど連続予告の発生率が高くなるように設定されている。これは、始動遊技で特別入賞しなくても結果的には大当りとなる場合であるので、開放回数が多いほど期待感が高まるようにしている。また、開放回数が多いほど連続予告の発生率が高まるので、始動記憶が多いほど連続予告の発生率が高まることとなり、始動記憶が上限数となった際の所謂止め打ちを防止することも可能となる。
そして、連続予告を発生するか否かの判定(ステップS12)では、小当り用連続予告発生テーブルもしくは大当り用連続予告発生テーブルにより連続予告の発生が決定されたかを判定する。この連続予告を発生するか否かの判定(ステップS12)において、連続予告を発生しない場合(ステップS12;No)は、連続予告設定処理を終了する。また、連続予告を発生するか否かの判定(ステップS12)において、連続予告を発生する場合(ステップS12;Yes)は、連続予告発生フラグをセットする処理(ステップS13)を行い、連続予告パターン決定用乱数を取得する処理(ステップS14)を行う。
その後、当該記憶は大当たりか否かの判定(ステップS15)を行う。この当該記憶は大当たりか否かの判定(ステップS15)において、当該記憶は大当たりでない場合(ステップS15;No)は、小当り用連続予告パターンテーブルにより連続予告パターンを決定する処理(ステップS16)を行い、連続予告設定処理を終了する。また、当該記憶は大当たりか否かの判定(ステップS15)において、当該記憶は大当たりである場合(ステップS15;Yes)は、大当り用連続予告パターンテーブルにより連続予告パターンを決定する処理(ステップS17)を行い、連続予告設定処理を終了する。
小当り用連続予告パターンテーブルにより連続予告パターンを決定する処理(ステップS16)、大当り用連続予告パターンテーブルにより連続予告パターンを決定する処理(ステップS17)では、連続予告パターン決定用乱数を取得する処理(ステップS14)で取得した連続予告パターン決定用乱数に基づき、連続予告パターンを決定する処理を行う。
図15には、連続予告パターンの一例として、開放回数が3回である場合の連続予告パターンとその選択率を示した。この場合の連続予告パターンには、パターン1からパターン4の4種類が設定されている。パターン1は、可動部材87,87の開放動作1回目から3回目まで連続予告のステップ1を表示するパターンである。パターン2は、可動部材87,87の開放動作1回目、2回目で連続予告のステップ1を表示し、可動部材87,87の開放動作3回目で連続予告のステップ2を表示するパターンである。パターン3は、可動部材87,87の開放動作1回目で連続予告のステップ1を表示し、可動部材87,87の開放動作2回目、3回目で連続予告のステップ2を表示するパターンである。パターン4は、可動部材87,87の開放動作1回目で連続予告のステップ1を表示し、可動部材87,87の開放動作2回目で連続予告のステップ2を表示し、可動部材87,87の開放動作3回目で連続予告のステップ3を表示するパターンである。これら4つのパターンは、実行される演出の段階が高いものほど、かつ、演出の段階の進行が早いものほど期待度が高く、パターン1<パターン2<パターン3<パターン4の順に期待度が高い。
そして、小当り用連続予告パターンテーブルでは、パターン1を選択する確率が40%、パターン2を選択する確率が30%、パターン3を選択する確率が20%、パターン4を選択する確率が10%となっている。また、大当り用連続予告パターンテーブルでは、パターン1を選択する確率が10%、パターン2を選択する確率が20%、パターン3を選択する確率が30%、パターン4を選択する確率が40%となっている。すなわち、小当り用連続予告パターンテーブルでは、期待度の低いパターンが選択される確率が高くされ、大当り用連続予告パターンテーブルでは期待度の高いパターンが選択される確率が高くされている。
また、上述したように連続予告の段階は5段階に設定されており、開放回数が多い方が高い段階の予告がなされる可能性が高まる。すなわち、上述のように開放回数が3回の場合は、最高でステップ3までの報知が可能であるが、開放回数が5回以上であればステップ5(最終段階)までの報知が可能である。つまり、事前計数手段の計数結果が多いほどより信頼度の高い事前報知を行うような対象となる始動記憶までに実行される遊技の実行態様に対応した事前報知を行え、遊技の興趣を高めた上で期待感を極めて高めることができる。また、計数結果が多いほどより信頼度の高い報知が行われる可能性が高まるので、始動記憶が多いほどより信頼度の高い事前報知が行われるようになり、始動記憶が上限数となった際の所謂止め打ちを防止することも可能となる。つまり、事前計数手段(演出制御装置40)の計数結果に基づいて事前報知の態様を決定するとも言える。
また、演出制御装置40では、連続予告の停止に関する処理として図16に示す連続予告停止処理を行う。なお、この処理は始動遊技の終了毎に行われる。この連続予告停止処理では、まず、連続予告中であるか否かの判定(ステップS20)を行う。この連続予告中であるか否かの判定(ステップS20)において、連続予告中でない場合(ステップS20;No)は、連続予告停止処理を終了する。また、連続予告中であるか否かの判定(ステップS20)において、連続予告中である場合(ステップS20;Yes)は、連続予告実行回数が0であるか否かの判定(ステップS21)を行う。
連続予告実行回数とは、連続予告を実行する回数であるがこの回数は連続予告の実行が決定された際に算出された開放回数の合計値である。なお、連続予告の実行回数の計数は、連続予告の実行が決定された際に算出された開放回数の合計値を連続予告回数カウンタにセットするとともに、可動部材87,87の開放動作毎(連続予告の実行毎)に連続予告回数カウンタの値を1デクリメントすることで、連続予告の実行回数を計数するようにしている。連続予告実行回数が0であるか否かの判定(ステップS21)において、連続予告実行回数が0である場合(ステップS21;Yes)は、連続予告発生フラグをクリアする処理(ステップS23)を行い、連続予告停止処理を終了する。これにより、連続予告が終了する。また、連続予告実行回数が0であるか否かの判定(ステップS21)において、連続予告実行回数が0でない場合(ステップS21;No)は、特別遊技開始情報を受信したか否かの判定(ステップS22)を行う。
特別遊技開始情報は、特別遊技状態が開始される際に遊技制御装置30から演出制御装置40に送信されるものである。なお、連続予告の発生を決定する際に、対象となる始動記憶よりも前に記憶された始動記憶に、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる始動記憶がある場合は、連続予告を開始しないようにしている。すなわち、この特別遊技開始情報を受信したか否かの判定(ステップS22)は、始動遊技において変動入賞装置80に流入した遊技球が特別入賞口に流入することにより発生した特別遊技状態を監視するための処理である。この特別遊技開始情報を受信したか否かの判定(ステップS22)において、特別遊技開始情報を受信していない場合(ステップS22;No)は、連続予告停止処理を終了する。また、特別遊技開始情報を受信したか否かの判定(ステップS22)において、特別遊技開始情報を受信している場合(ステップS22;Yes)は、連続予告発生フラグをクリアする処理(ステップS23)を行い、連続予告停止処理を終了する。この処理により、連続予告の実行中に特別遊技状態が発生した場合に連続予告が終了するようになる。
以上のような処理により、事前報知として図9,10に示したような連続予告が実行されることとなる。すなわち、演出制御装置40が、事前判定手段(遊技制御装置30)による判定結果に基づき判定対象の始動記憶より以前に実行される始動遊技の実行中に判定結果に関わる情報を事前に報知する事前報知を行う事前報知手段をなす。
以上のことから、始動入賞口(始動入賞口13、普通変動入賞装置7)への遊技球の入賞に基づき乱数を抽出記憶するとともに変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として記憶する始動記憶手段(遊技制御装置30)と、始動記憶に基づき変動表示ゲームを表示する表示手段(特別図柄表示器9)と、開状態と閉状態とに変換可能であるとともに受け入れた遊技球が入賞可能な特別入賞口を有する変動入賞装置80と、を備え、乱数の抽出結果が所定の結果(小当り1、小当り2)となった場合に変動表示ゲームを所定の態様で停止するとともに変動入賞装置80を閉状態から開状態に変換する始動遊技を実行し、該始動遊技の実行により受け入れられた遊技球が特別入賞口に入賞した場合に特別遊技状態を発生させるとともに、乱数の抽出結果が特別結果となった場合に変動表示ゲームを特別態様で停止するとともに特別遊技状態を発生させるようにした遊技機において、始動記憶手段に記憶されて変動表示ゲームの実行を待機している始動記憶に対応した乱数の抽出結果を変動表示ゲームの実行前に事前に判定する事前判定手段(遊技制御装置30)と、事前判定手段による判定結果に基づき判定対象の始動記憶より以前に実行される始動遊技の実行中に判定結果に関わる情報を事前に報知する事前報知を行う事前報知手段(演出制御装置40)と、を備え、事前報知手段は、始動遊技における変動入賞装置80の開状態への変換に対応して事前報知を行うようにしたこととなる。
また、事前報知手段(演出制御装置40)は、事前判定手段(遊技制御装置30)による判定結果が特別結果となった場合に、所定の確率で事前報知として特別遊技状態の発生を報知するようにしたこととなる。
また、事前報知手段(演出制御装置40)は、事前判定手段(遊技制御装置30)による判定結果が特別結果とならなかった場合にも、所定の確率で特別結果の場合と同様の事前報知を行うようにしたこととなる。
また、事前報知手段(演出制御装置40)は、事前判定手段(遊技制御装置30)による判定対象の始動記憶より前に実行される複数の始動遊技に亘って連続的に事前報知を行うようにしたこととなる。
また、乱数の抽出結果が第1特定結果(小当り1態様)となった場合に、変動入賞装置80を1回開状態に変換する第1始動遊技を実行する一方、乱数の抽出結果が第2特定結果(小当り2態様)となった場合に、変動入賞装置80を複数回(2回)開状態に変換する第2始動遊技を実行する始動遊技制御手段(遊技制御装置30)と、事前判定手段(遊技制御装置30)による判定対象の始動記憶より以前に実行される始動遊技において変動入賞装置80が開状態に変換される合計数を事前に計数する事前計数手段(演出制御装置40)と、を備え、事前報知手段(演出制御装置40)は、事前計数手段の計数結果に基づいて事前報知の発生率を制御するようにしたこととなる。
また、乱数の抽出結果が第1特定結果(小当り1態様)となった場合に、変動入賞装置80を1回開状態に変換する第1始動遊技を実行する一方、乱数の抽出結果が第2特定結果(小当り2態様)となった場合に、変動入賞装置80を複数回(2回)開状態に変換する第2始動遊技を実行する始動遊技制御手段(遊技制御装置30)と、事前判定手段(遊技制御装置30)による判定対象の始動記憶より以前に実行される始動遊技において変動入賞装置80が開状態に変換される合計数を事前に計数する事前計数手段(演出制御装置40)と、を備え、事前報知手段(演出制御装置40)は、事前計数手段の計数結果に基づいて事前報知の態様を決定するようにしたこととなる。
なお、上述の実施形態では、既に事前報知(連続予告)の実行中においては、新たな始動記憶に基づく事前報知の発生を禁止するようにしているが、新たな始動記憶に基づく事前報知の発生を許容して事前報知を連続的に発生させる事前報知連続発生制御手段(演出制御装置40)を備えるようにしてもよい。この場合、先の事前報知の対象が第2始動遊技であることを条件に後の事前報知の発生を許容することが望ましい。また、先の事前報知の対象が第2始動遊技でかつ後の事前報知の対象が特別遊技状態を発生させるものであることを条件に後の事前報知の発生を許容するようにしてもよい。このような事前報知の連続発生制御を行う場合には、後の事前報知におけるステップ数の決定を先の事前報知の最終ステップ数を反映(ステップ数を継続させる)させて行うようにすればより期待感を高めることができる。
また、上述の実施形態では、特図変動表示ゲームの結果が小当り1態様の時でも連続予告を発生させるようにしているが、小当り1態様の時は連続予告を発生させないようにしてもよい。つまり、連続予告が発生した場合には、特別遊技状態が発生するか、もしくはしない場合でも第2始動遊技は発生することとなり、遊技者に一定の期待感を与えることが可能となる。
すなわち、乱数の抽出結果が第1特定結果(小当り1態様)となった場合に、変動入賞装置80を1回開状態に変換する第1始動遊技を実行する一方、乱数の抽出結果が第2特定結果(小当り2態様)となった場合に、変動入賞装置80を複数回(2回)開状態に変換する第2始動遊技を実行する始動遊技制御手段(遊技制御装置30)を備え、事前報知手段(演出制御装置40)は事前報知として第2始動遊技の発生を報知するようにしてもよい。
また、小当りの発生時には連続予告は発生させないで、連続予告は大当り(特別結果)と外れの場合のみ行うようにしてもよい。なぜならば、連続予告の対象の始動記憶の変動表示ゲームではリーチを発生させることが望ましいが、小当りの時にリーチを発生させると、始動遊技の開状態のタイミングが通常よりも遅延することから、この時に止め打ち等を実行しているとその後の始動遊技において変動入賞装置80を狙った遊技を行えない場合が生じる。しかし、大当りと外れの場合にのみ連続予告を発生させることにより、このような課題を解決することができる。この場合には、外れ時にも結果が外れとなるリーチを発生させるようにする。なお、外れの場合に連続予告を発生させる確率は、全ての外れ(100%)としても良いし、外れの場合の所定確率(例えば50%)でもよい。
また、事前報知を特別遊技状態中に行ってもよい。この場合、全ての特別遊技状態中に行ってもよいし、16Rの特別遊技状態、例えば、変動表示ゲームが特別態様となった場合の特別遊技状態中にのみ行うようにしてもよい。特別遊技状態中に事前報知を行う場合にも変動入賞装置80の開状態への変換に対応して行うこととし、報知態様は特別遊技状態時専用のものがよい(例えば、対戦ゲーム等比較的結果の導出までに長時間を要するもの)。
また、特図変動表示ゲームの結果としてはずれを含むようにしたが、含まないようにしても良い(全て当りとしても良い)。
図17には、上述した実施形態の遊技機の第1変形例を示した。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は事前報知の実行態様が異なる。
本変形例の遊技機は、可動部材87,87の後方に演出表示装置14aを備えており、この演出表示装置14aにおいて事前報知を行う。本変形例の事前報知の表示態様は、図17(a)に示すように可動部材87,87が閉状態となっている状態から開状態に変換する際に、図17(b)に示すように演出表示装置14aにおける可動部材87,87に隠れていた部分から事前報知表示171の表示が開始される。そして、図17(c)に示すように可動部材87,87が完全に開状態となると、事前報知表示171の全体が視認可能となるように表示される。
その後、可動部材87,87が開状態となっている状態から閉状態に変換する際に、図17(d)に示すように可動部材87,87に覆われる部分から事前報知表示171が消去される。そして、図17(e)に示すように可動部材87,87が完全に閉状態となると、事前報知表示171の全体が視認不能となるように表示が消去される。さらに、図17(f)(g)に示すように、次回の可動部材87,87の開状態への変換の際には、同様の表示態様で事前報知表示171が行われる。また、このとき事前報知の段階が進行するようにする(しなくても良い)。このような表示態様とすることで、可動部材87,87の動作と事前報知表示171を同時に見ることが容易となり、遊技者が事前報知表示を見逃してしまうことを防止できる。
すなわち、本変形例の表示態様では、可動部材87,87が開状態中でのみ報知が行われることとなる。また、複数の始動遊技に亘って継続せずに始動遊技の期間の一部で報知を行うがその報知が相互に関連性を有するようになっている。なお、事前報知の表示態様はここに挙げたものに限られるものではなく、演出表示装置14aによる報知の他、音声や発光手段などによる報知を行うようにしても良い。
次に、上述した実施形態の遊技機の第2変形例について図18を参照して説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、特別遊技状態の実行中に事前報知を行うようにしている。
本変形例の遊技機では、始動遊技において特別入賞口に遊技球が流入することで発生した特別遊技状態の開始時に、演出表示装置14aにおいてはラウンド数が2R、7R、16Rのいずれかであるかを報知せず、ラウンド数が2R、7Rになった際に次ラウンドに継続するかが報知される。例えば、図18(a)に示すように特別遊技状態の6Rが終了した後、所定のゲームが実行され、継続可能なラウンド数が16Rである場合は、ゲームの結果として図18(b)に示すように7ラウンド目の開始時に「継続」の文字が表示される。なお、この場合は図18(c)に示すように最終ラウンドとなる16ラウンド目の開始時に「最終回」の表示がなされることとなる。また、継続可能なラウンド数が7Rである場合は、ゲームの結果として図18(d)に示すように7ラウンド目の開始時に「最終回」の文字が表示される。
演出制御装置40では、特別遊技状態の開始時に遊技制御装置30から送信されるラウンド数情報に基づきこのような報知(ゲーム)の制御を行ようになっている。すなわち、演出制御装置40が、特別遊技状態中における所定のラウンドで最終ラウンドを特定可能に報知する最終ラウンド報知手段をなす。なお、最終ラウンドを特定可能に報知するゲームは、区切りのラウンドとなる2ラウンド目や7ラウンド目よりも前のラウンドに行っても良い。また、複数のラウンドに跨って実行するようにしても良い。
また、特別遊技状態中には、最終ラウンドを特定可能とする報知の他に事前報知も行われる。この事前報知は演出制御装置40により制御され、例えば図18(c)(d)に示すように、特図始動記憶表示170に「1」、「2」、「当」の事前報知表示171を行うことで報知するようになっている。なお、「1」の事前報知表示171は、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が小当り1態様であることを予告するものである。また、「2」の事前報知表示171は、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が小当り2態様であることを予告するものである。また、「当」の事前報知表示171は、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が特別結果であることを予告するものである。すなわち、演出制御装置40が、特別遊技状態中に事前報知を行う特別遊技中事前報知手段をなす。
ここで、最終ラウンドを特定可能な報知と事前報知の報知タイミングは、同時あるいは事前報知よりも最終ラウンドを特定可能な報知を先に行うようになっている。すなわち、最終ラウンドを特定可能な報知より前に事前報知を行うよりも、当該報知より後に事前報知を行う方が多くなるように制御するようになっている。これにより、ゲームに対する期待感が低下してしまうことを防止できる。すなわち、事前報知は当該大当り時の最終ラウンド(例えば、7Rや16R)の近くで行った方が遊技者の期待感を引き延ばすことができ、また、事前報知のタイミングを遅くした方が、始動記憶が多くなってから事前報知が行え、より遊技者の期待感を高めることができるが、同時に、事前報知を行うことでその報知したラウンドが最終ラウンド或いは最終ラウンドに近いラウンドであることが分かってしまう可能性も高い。そして、その後に最終ラウンドを決定するようなゲームが行われても、遊技者は既に事前報知の実行から最終ラウンドがある程度分かってしまっているので、ゲームに対する期待感が低下してしまうこととなる。しかし、上記のような制御を行うことで、このような課題を解決することができる。なお、最終ラウンド報知手段による報知より前に事前報知を行わないようにしても良い。
以上のことから、特別遊技状態のラウンド数を複数のラウンド数の何れかに決定するラウンド数決定手段(遊技制御装置30)と、特別遊技状態中における所定のラウンドで最終ラウンドを特定可能に報知する最終ラウンド報知手段(演出制御装置40)と、を備え、事前報知手段(演出制御装置40)は、特別遊技状態中に事前報知を行う特別遊技中事前報知手段(演出制御装置40)を備え、特別遊技中事前報知手段は、最終ラウンド報知手段による報知より前に事前報知を行うよりも、当該報知より後に事前報知を行う方が多くなるように制御するようにしたこととなる。
以上のような遊技機100は、始動入賞口(始動入賞口13、普通変動入賞装置7)への遊技球の入賞に基づき乱数を抽出記憶するとともに変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として記憶する始動記憶手段(遊技制御装置30)と、始動記憶に基づき変動表示ゲームを表示する表示手段(特別図柄表示器9)と、開状態と閉状態とに変換可能であるとともに受け入れた遊技球が入賞可能な特別入賞口を有する変動入賞装置80と、を備え、乱数の抽出結果が所定の結果となった場合に変動表示ゲームを所定の態様で停止するとともに変動入賞装置80を閉状態から開状態に変換する始動遊技を実行し、該始動遊技の実行により受け入れられた遊技球が特別入賞口に入賞した場合に特別遊技状態を発生させるとともに、乱数の抽出結果が特別結果となった場合に変動表示ゲームを特別態様で停止するとともに特別遊技状態を発生させるようにした遊技機であって、始動記憶手段に記憶されて変動表示ゲームの実行を待機している始動記憶に対応した乱数の抽出結果を変動表示ゲームの実行前に事前に判定する事前判定手段(遊技制御装置30)と、事前判定手段による判定結果に基づき判定対象の始動記憶より以前に実行される始動遊技の実行中に判定結果に関わる情報を事前に報知する事前報知を行う事前報知手段(演出制御装置40)と、を備え、事前報知手段は、始動遊技における変動入賞装置80の開状態への変換に対応して事前報知を行うようにしている。
したがって、事前報知を始動遊技における変動入賞装置80の開状態への変換に対応して行うので、事前報知をより明確に実行でき、遊技者が確実に認識して期待感が高まるような事前報知を行うことができる。また、変動入賞装置が開状態に変換する際は遊技球が入賞するか否かに遊技者の興味が集中するが、それと同時に事前報知が行われるので、期待感が高く興趣の高い事前報知を行うことができる。
また、事前報知手段(演出制御装置40)は、事前判定手段(遊技制御装置30)による判定結果が特別結果となった場合に、所定の確率で事前報知として特別遊技状態の発生を報知するようにしている。
したがって、事前報知手段は、事前判定手段による判定結果が特別結果となった場合に、所定の確率で事前報知として特別遊技状態の発生を報知するので、遊技者の期待感を極めて高めることができる。また、100%以外の確率で事前報知を行うようにすれば、事前報知が行われなかった場合にも特別結果となることに対する期待感を遊技者に持たせることができる。
また、事前報知手段(演出制御装置40)は、事前判定手段(遊技制御装置30)による判定結果が特別結果とならなかった場合にも、所定の確率で特別結果の場合と同様の事前報知を行うようにしている。
したがって、事前報知手段は、事前判定手段による判定結果が特別結果とならなかった場合にも、所定の確率で特別結果の場合と同様の事前報知を行うので、事前報知の頻度を高めることができるとともに、事前報知ばかりに遊技者の興味が集中してしまうことを防止でき、遊技の興趣を高めた上で効果的に期待感を高めることができる。
また、事前報知手段(演出制御装置40)は、事前判定手段(遊技制御装置30)による判定対象の始動記憶より前に実行される複数の始動遊技に亘って連続的に事前報知を行うようにしている。
したがって、事前報知手段は、事前判定手段による判定対象の始動記憶より前に実行される複数の始動遊技に亘って連続的に事前報知を行うので、事前演出をより興趣の高い態様で実行できるとともに、期待感を極めて高めることができる。
また、乱数の抽出結果が第1特定結果(小当り1態様)となった場合に、変動入賞装置80を1回開状態に変換する第1始動遊技を実行する一方、乱数の抽出結果が第2特定結果(小当り2態様)となった場合に、変動入賞装置80を複数回(2回)開状態に変換する第2始動遊技を実行する始動遊技制御手段(遊技制御装置30)を備え、事前報知手段(演出制御装置40)は事前報知として第2始動遊技の発生を報知するようにしている。
したがって、事前報知手段は、事前報知として第2始動遊技の発生を報知するので、事前報知の実行頻度を高めることができ興趣を向上させることができるとともに、第1始動遊技よりも遊技者にとって有利な第2始動遊技の発生に対する期待感を高めることができる。
また、乱数の抽出結果が第1特定結果(小当り1態様)となった場合に、変動入賞装置80を1回開状態に変換する第1始動遊技を実行する一方、乱数の抽出結果が第2特定結果(小当り2態様)となった場合に、変動入賞装置80を複数回(2回)開状態に変換する第2始動遊技を実行する始動遊技制御手段(遊技制御装置30)と、事前判定手段(遊技制御装置30)による判定対象の始動記憶より以前に実行される始動遊技において変動入賞装置80が開状態に変換される合計数を事前に計数する事前計数手段(演出制御装置40)と、を備え、事前報知手段(演出制御装置40)は、事前計数手段の計数結果に基づいて事前報知の発生率を制御するようにしている。
したがって、事前報知手段は、事前計数手段の計数結果に基づいて事前報知の発生率を制御するので、計数結果が多いほど事前報知の発生率を高める等の、対象となる始動記憶までに実行される遊技の実行態様に対応した事前報知を行え、遊技の興趣を高めた上で期待感を極めて高めることができる。また、計数結果が多いほど事前報知の発生率を高めるようにした場合は、始動記憶が多いほど事前報知の発生率が高まることにもなるので、始動記憶が上限数となった際の所謂止め打ちを防止することも可能となる。
また、乱数の抽出結果が第1特定結果(小当り1態様)となった場合に、変動入賞装置80を1回開状態に変換する第1始動遊技を実行する一方、乱数の抽出結果が第2特定結果(小当り2態様)となった場合に、変動入賞装置80を複数回(2回)開状態に変換する第2始動遊技を実行する始動遊技制御手段(遊技制御装置30)と、事前判定手段(遊技制御装置30)による判定対象の始動記憶より以前に実行される始動遊技において変動入賞装置80が開状態に変換される合計数を事前に計数する事前計数手段(演出制御装置40)と、を備え、事前報知手段(演出制御装置40)は、事前計数手段の計数結果に基づいて事前報知の態様を決定するようにしている。
したがって、事前報知手段は、事前計数手段の計数結果に基づいて事前報知の態様を決定するので、計数結果が多いほどより信頼度の高い事前報知を行う等の、対象となる始動記憶までに実行される遊技の実行態様に対応した事前報知を行え、遊技の興趣を高めた上で期待感を極めて高めることができる。また、計数結果が多いほどより信頼度の高めるようにした場合は、始動記憶が多いほどより信頼度の高い事前報知が行われるので、始動記憶が上限数となった際の所謂止め打ちを防止することも可能となる。
また、特別遊技状態のラウンド数を複数のラウンド数の何れかに決定するラウンド数決定手段(遊技制御装置30)と、特別遊技状態中における所定のラウンドで最終ラウンドを特定可能に報知する最終ラウンド報知手段(演出制御装置40)と、を備え、事前報知手段(演出制御装置40)は、特別遊技状態中に事前報知を行う特別遊技中事前報知手段(演出制御装置40)を備え、特別遊技中事前報知手段は、最終ラウンド報知手段による報知より前に事前報知を行うよりも、当該報知より後に事前報知を行う方が多くなるように制御するようにしている。
したがって、事前報知手段は、特別遊技状態中に事前報知を行う特別遊技中事前報知手段を備え、特別遊技中事前報知手段は、最終ラウンド報知手段による報知より前に事前報知を行うよりも、当該報知より後に事前報知を行う方が多くなるように制御するので、ゲームに対する期待感が低下してしまうことを防止できる。すなわち、事前報知は当該大当り時の最終ラウンド(例えば、7Rや16R)の近くで行った方が遊技者の期待感を引き延ばすことができ、また、事前報知のタイミングを遅くした方が、始動記憶が多くなってから事前報知が行え、より遊技者の期待感を高めることができるが、同時に、事前報知を行うことでその報知したラウンドが最終ラウンド或いは最終ラウンドに近いラウンドであることが分かってしまう可能性も高い。そして、その後に最終ラウンドを決定するようなゲームが行われても、遊技者は既に事前報知の実行から最終ラウンドがある程度分かってしまっているので、ゲームに対する期待感が低下してしまうこととなる。しかし、上記のような制御を行うことで、このような課題を解決することができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。