JP5153543B2 - ディスクブレーキ用板金製サポートの製造方法 - Google Patents

ディスクブレーキ用板金製サポートの製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、自動車の制動に使用するディスクブレーキを構成するサポートのうち、金属板にプレス加工等を施して造る、ディスクブレーキ用板金製サポートの製造方法の改良に関する。特に本発明は、引きアンカとなるトルク受面のコイニング加工時のダレを抑えられる製造方法を実現するものである。
自動車の制動に使用するディスクブレーキとして、従来から各種構造のものが知られているが、厚肉鋼板等の金属板に曲げ加工を施して成る板金製サポートを使用するものが、コスト並びに重量の低減を図る面から研究が進められている。図24〜27は、この様な板金製サポートを組み込んだディスクブレーキの従来構造の1例として、特許文献1に記載されたものを示している。先ず、この従来構造に就いて簡単に説明する。
この従来構造のディスクブレーキは、車輪と共に回転するロータ1に隣接した状態で懸架装置に対し固定されるサポート2にキャリパ3を、1対のガイドピン4a、4bにより、上記ロータ1の軸方向(図24の上下方向、図25の左右方向)の変位自在に支持している。上記サポート2には、上記ロータ1を挟んでアウタ側(車両の幅方向に関して外側)のアウタパッド5及びインナ側(車両の幅方向に関して中央側)のインナパッド6を、上記ロータ1の軸方向の変位自在に支持している。又、上記キャリパ3のシリンダ部7に嵌装したピストン8の先端面(図25の左端面)を、上記インナパッド6を構成するプレッシャプレート9bに突き当て、上記キャリパ3のアウタ側端部に形成したキャリパ爪10の内側面を、上記アウタパッド5を構成するプレッシャプレート9aに当接させている。
制動を行う場合には、上記シリンダ部7内への圧油の送り込みにより、上記ピストン8が上記インナパッド6を上記ロータ1の側面に押し付ける。この押し付けの反作用として、上記キャリパ3がインナ側に変位するので、上記キャリパ爪10が上記アウタパッド5を上記ロータ1の側面に押し付ける。この結果、このロータ1が1対のパッド5、6のライニング11、11により両側から強く挟持されて、制動が行われる。この制動の際、これら各ライニング11、11とロータ1との摩擦に伴って上記各パッド5、6に加わる制動トルクは、これら各パッド5、6のプレッシャプレート9a、9bを支持した、上記サポート2により支承される。この様な図24〜27に示した従来構造の場合、サポート2のアウタ側部分を連結部12により連結し、このサポート2のアウタ側部分の強度及び剛性を確保している。
これに対して特許文献2〜3には、上述の様な連結部を省略した構造が記載されている。図28は、このうちの特許文献2に記載された構造を示している。この図28に示した従来構造の場合、サポート2aは、基板部13と、1対の連結板部14、14と、1対の突出板部15、15とを備える。このうちの基板部13は、インナ側に配置され、径方向内方部分の周方向両端部に、車体に取り付ける為のねじ孔16、16を形成している。又、上記両連結板部14、14は、上記基板部13の周方向両端部からロータ1(図24、25参照)の外周縁部を越えてアウタ側に伸びる様に形成されている。又、上記両突出板部15、15は、上記両連結板部14、14の先端部から互いに近づく方向に延出されている。
又、上記両突出板部15、15の径方向外側面には、溝部17、17を形成している。これら両溝部17、17は、アウタパッド5aの周方向両端部に設けた1対の鉤部18、18の径方向内方に伸びる先端部を係止自在としている。そして、制動時には、これら両鉤部18、18のうち、上記ロータ1の回入側の鉤部18の先端部を、上記両溝部17、17のうちの回入側の溝部17の周方向内方(サポート2aの中央寄り)の側面に当接させて、制動時に上記アウタパッド5aから作用するトルク(制動トルク)の一部を支承している(引きアンカ)。この為に、上記両溝部17、17の周方向内側面をトルク受面19、19としている。尚、上記制動トルクは、上記両突出板部15、15のうち、上記ロータ1の回出側の突出板部15の先端面と上記アウタパッド5aの周方向両端縁部のうち、回出側の端縁部(鉤部18の根元部)とが当接する事によっても支承される(押しアンカ)。即ち、上述の図28に示した従来構造の場合、制動時に上記アウタパッド5aから作用するトルクは、引きアンカと押しアンカとにより支承される。
上述の様に、周方向内側面がトルク受面19、19として機能する両溝部17、17は、コイニング加工により形成する。即ち、これら両溝部17、17を形成していない素突出板部の径方向外側面に所定形状のパンチを押し付けるプレス加工を施し、これら両素突出板部を塑性変形させて、上記両溝部17、17を形成する。従来、これら両溝部17、17をコイニング加工により形成した場合、図29、30に示す様なダレ41(図29の梨子地部分)が生じていた。特に、図29に示す様に、トルク受面19の軸方向(図29の上下方向)両端部には、大きなダレ41が生じる。これは、コイニング加工により上記トルク受面19の両端部の肉が多く引っ張られる為である。又、同様に、このトルク受面19の径方向外端部(図30の上端部)の肉も引っ張られ、この部分にも大きなダレ41が生じる。
上述の様にトルク受面19の径方向外端部に大きなダレ41が生じた場合には、前述した様な鉤部18(図28参照)から作用するトルクを十分に支承しにくくなる。即ち、上記トルク受面19の径方向外端部に大きなダレ41が生じた場合、上記鉤部18の先端部と係合する部分の径方向の高さが小さくなる。言い換えれば、上記トルク受面19のうちで、ダレ41が生じておらず、上記鉤部18とトルク支承可能に係合する、平坦面の割合が少なくなる。従って、上記トルク受面19とこの鉤部18の先端部との係合が不十分となり、このトルク受面19で十分なトルクを支承しにくくなる。
又、上記トルク受面19の軸方向両端部に大きなダレ41が生じた場合には、ライニングが摩耗していない新品状態と、ライニングが交換が必要な程度に摩耗した交換寸前の状態とで、アウタパッド5aが、上記溝部17から脱落する可能性がある。即ち、これら両状態では、このアウタパッド5aの鉤部18、18が、上記溝部17の軸方向両端寄り部分に存在する。従って、これら両状態で制動トルクを支承する場合、大きなダレ41が生じている上記トルク受面19の軸方向両端部と、上記アウタパッド5aの鉤部18とが係合する。この為、この係合が不十分となり、このアウタパッド5aが脱落する可能性がある。
実開昭52−80389号公報 特開2002−295538号公報 特開2007−211873号公報
本発明のディスクブレーキ用板金製サポートの製造方法は、上述の様な事情に鑑みて、コイニング加工により形成する溝部のうち、トルク受面のダレを抑えられる製造方法を実現すべく発明したものである。
本発明の製造方法の対象となるディスクブレーキ用板金製サポートは、車輪と共に回転するロータの両側にアウタパッドとインナパッドとを軸方向に変位自在に支持すると共に、これら両パッドを上記ロータの両側面に押し付ける為のキャリパをこのロータの軸方向に変位自在に支持する為、このロータの一方の側に隣接して設けられる。
又、上記板金製サポートは、金属板に所定の加工を施す事により、基板部と、1対の連結板部と、1対の突出板部とを形成している。
このうちの基板部は、車体に取り付ける部分である。
又、上記両連結板部は、上記基板部の周方向両端部から上記ロータの外周縁部を越えて他方の側に伸びた部分である。
又、上記両突出板部は、上記両連結板部の先端部から互いに近づく方向に延出された部分である。
又、これら両突出板部の径方向外側面には、それぞれ溝部を設けている。
そして、これら両溝部の周方向内方の側面を、上記アウタパッドの周方向両端部に設けた1対の鉤部の径方向内方に伸びる先端部を係止自在で、制動時にこれら両鉤部の先端部から作用するトルクを支承するトルク受面としている。
本発明の製造方法は、この様なディスクブレーキ用板金製サポートを製造すべく、上記両溝部を形成する前の素突出板部のうち、これら両溝部を形成すべき部分に切り欠きを形成する。
その後、これら両素突出板部にコイニング加工を施す事により、これら両素突出板部に上記両溝部を形成する。
尚、本明細書及び特許請求の範囲で、「周方向」とは、特に断らない限りロータの周方向を言い、同じく「軸方向」とは、特に断らない限りロータの軸方向を言い、同じく「径方向」とは、特に断らない限りロータの径方向を言う。又、「周方向外方」とは、サポートの周方向端部に向かう方向であり、「周方向内方」とは、サポートの周方向中央に向かう方向である。
特に、本発明の場合には、上記両溝部を形成する前の素突出板部の軸方向両側面のうち、上記トルク受面に相当する仮想面よりも周方向外方部分に、それぞれ軸方向に凹んだ切り欠きを形成する。
その後、上記両素突出板部にコイニング加工を施す。
又、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、上記両素突出板部の上記両溝部を形成すべき部分より周方向内方部分に、上記両突出板部のこれら両溝部より周方向内方部分に対し、軸方向に増幅した増幅部を設ける。
この増幅部は、上記コイニング加工により上記両溝部を形成した後に除去する。
上述の様に構成する本発明のディスクブレーキ用板金製サポートの製造方法によれば、素突出板部のうち、コイニング加工により溝部を形成すべき部分に切り欠きを形成している為、このコイニング加工の加圧力を低減できる。この加圧力を低減できれば、コイニング加工時の肉の圧縮や引き込みが減少し、トルク受面に生じるダレを抑えられる。この結果、アウタパッドの鉤部とこのトルク受面との係合を十分に図れる構造を得られる。
又、本発明の場合には、素突出板部の軸方向両端面のうち、トルク受面に相当する仮想面よりも周方向外方部分に切り欠きを設けるので、コイニング加工時の肉の移動がこの仮想面の軸方向両端部まで及びにくい為、特に、コイニング加工後のトルク受面の軸方向両端部で大きなダレが生じにくくなる。この結果、アウタパッドの新品状態や交換寸前の状態でも、制動時にこのアウタパッドの脱落防止を図れる構造を得られる。
又、コイニング加工後に、素突出板部の軸方向端部の形状を整える場合には、請求項2に記載した発明の様に、この素突出板部に増幅部を設け、この増幅部をコイニング加工後に除去する事が好ましい。この様にすれば、形状を整えるべく、例えばシェービング加工により軸方向端部を削った後も、トルク受面の軸方向端部で大きなダレが生じない構造を得られる。
図1〜23は、本発明の実施の形態の1例を示している。先ず、図1〜9により、本発明の製造方法により得られるサポート2bと、このサポート2bを組み込んだディスクブレーキ20とに就いて簡単に説明する。図1〜4は、このうちのディスクブレーキ20を示している。このディスクブレーキ20は、前述の図24〜28に示した従来構造と同様のフローティングキャリパ型ディスクブレーキである。従って、重複する部分の説明を省略或は簡略にし、以下、上記図24〜28に示した従来構造と異なる部分を中心に説明する。
本例の場合、上記サポート2bに、キャリパ3aをガイドピン4、4により軸方向(図1、2の表裏方向、図3の上下方向、図4の左右方向)に変位自在に支持している。又、このサポート2bのインナ側(図2の手前側、図3の下側、図4の右側)に配置される基板部13aの周方向中間部には、インナパッド6aをパッドクリップ21、21を介して、軸方向の変位自在に支持している。一方、上記サポート2bのアウタ側(図1の手前側、図3の上側、図4の左側)に設けた1対の突出板部15a、15aの先端部には、アウタパッド5bを軸方向の変位自在に支持している。
又、上記キャリパ3aのアウタ側に設けたキャリパ爪10aと、上記両突出板部15a、15aとの間にアンチラトルスプリング22を設け、このキャリパ爪10aを含む、上記キャリパ3aのがたつきを防止している。このアンチラトルスプリング22は、基端部をこのキャリパ爪10aの外端面に係止すると共に、先端部を折り返す様に曲げ形成して、上記両突出板部15a、15aの径方向内側面に設けた膨出部23、23に、弾性的に当接させている。これにより、上記キャリパ爪10aに径方向内方に向かう力を付与し、このキャリパ爪10aを含む上記キャリパ3aが非制動時等に径方向に振動する等して異音が生じる事を防止している。
又、図5〜9は、上述の様にディスクブレーキ20に組み込まれるサポート2bを示している。このサポート2bは、前述の図28に示した従来構造と同様に、厚肉鋼板等の金属板に所定の加工を施す事により形成されるもので、前記基板部13aと、この基板部13aの周方向両端部からアウタ側に伸びた1対の連結板部14a、14aと、これら両連結板部14a、14aの先端部から互いに近づく方向に延出された前記両突出板部15a、15aとを備える。又、これら両突出板部15a、15aの径方向外側面には、後述するコイニング加工により溝部17a、17aを形成している。
これら両溝部17a、17aには、図1に示す様なアウターパッド5bの周方向両端部に設けた1対の鉤部18a、18aを係止し、このアウタパッド5bを軸方向の変位自在に支持する。又、上記両溝部17a、17aの周方向内側面は、制動時に上記両鉤部18a、18aの先端部から作用するトルクを支承するトルク受面19a、19aとしている。又、上記両突出板部15a、15aの径方向内側面には、これら両溝部17a、17aを形成する際に同時に形成される、前記膨出部23、23が存在する。
尚、これら膨出部23、23は、前述した様にアンチラトルスプリング22の受面として機能するが、コイニング加工時に生じる内部応力を低減する機能も有する。即ち、コイニング加工時に前記両突出板部15a、15aの径方向内側面を変形させないと(例えば、平らなままとすると)、これら両突出板部15a、15aに内部応力が残り、使用時に制動に伴って発生する摩擦熱等により、これら両突出板部15a、15aが変形する可能性がある。本例の場合、上記膨出部23、23を形成して上述の様な内部応力を低減している為、使用時に生じる熱等により上記両突出板部15a、15aが変形する事はない。
上述の様に構成されるサポート2bの製造方法に就いて、図10〜23により説明する。このうちの図10は、厚肉鋼板等の金属板に所定の打ち抜き加工、曲げ加工等を施して、基板部13aと、この基板部13aの周方向両端部にそれぞれ、連結板部14aと、これら両連結板部14aの先端部から延出した素突出板部24を形成した状態を示している。この素突出板部24の先端部乃至中間部の軸方向(図10の上下方向)に関する幅は、完成後の突出板部15aの先端部乃至中間部の幅よりも広くしている。又、図10に示す、上記素突出板部24のうちの梨子地で示す部分は、コイニング加工の前に除去する部分で、同じく斜格子で示す部分は、コイニング加工の後に除去する部分である。
先ず、図10の梨子地で示す部分をトリミング加工により除去し、上記素突出板部24の軸方向両側面のうち、前記トルク受面19aに相当する仮想面αよりも周方向外方部分(図10の左側部分)に、それぞれ軸方向に凹んだ切り欠き25a、25bを形成する。尚、これら各切り欠き25a、25bの大きさ及び形状は、サポート2bの材質や次述するコイニング加工の加圧力等を考慮して任意に設定する。又、本例の場合、上記素突出板部24の先端部もトリミング加工により除去している。この理由は、後述する様に、この素突出板部24の先端面の寸法精度を良好にする為である。
この様なトリミング加工を終えた状態で、上記素突出板部24の上記仮想面αより周方向内方部分(図10の右側部分)は、前記突出板部15aのうちでトルク受面19aとなるべき部分より周方向内方部分に対し、軸方向に関する幅が広い。即ち、図10の斜格子で示す部分を増幅部26としている。尚、本例の場合、トリミング加工を行った後の上記素突出板部24の先端部も、上記突出板部15aに対し円周方向内方(図10の右方)に突出させている。そして、後述する様に、この部分も、コイニング加工の後に上記増幅部26と共に除去する。
次に、図11〜18に示す様に、切り欠き25a、25bを形成した素突出板部24にコイニング加工を施す。コイニング加工を施す為のプレス装置27は、基台上に固定されたダイ28と、このダイ28に対し横方向に移動自在に設けられた位置決め部材30と、このダイ28に対し上下方向に移動自在に設けられた加圧部35とを備える。この様なプレス装置27によりコイニング加工を施すべく、先ず、図11、12に示す様に、上記ダイ28上に、素サポート29のうちで、上記素突出板部24を載置する。そして、図12に示す様に、上記位置決め部材30をこの素サポート29の基板部13aに押し付け、この素サポート29を上記ダイ28に支持する。この際、図13、14に示す様に、黒く塗りつぶした丸で示す位置(図13の左右両端部)で仮位置決めをし、黒く塗りつぶした三角形で示す位置で本位置決めを行う。
即ち、図12、14中に矢印で示す様に、上記位置決め部材30を上記基板部13aに押し付け、この位置決め部材30と上記ダイ28の側面との間で上記基板部13aを挟持する。又、この位置決め部材30の側面に突出形成した突出部31を、上記基板部13aに形成したインナパッド6aを支持する為の凹部32、32内に挿入し、上記素サポート29が図13、14の左右方向にがたつく事を防止する。尚、上記ダイ28の上端面には、図11に示す様に、前記膨出部23を形成する為の凹入部33を設けている。
この様に素サポート29をダイ28に支持したならば、パンチ34を固定した前記加圧部35を図11の下方に移動させる。このパンチ34は、図15に拡大して示す様に、先端部(下端部)に前記両溝部17a、17aを形成する為の凸部36を設けている。又、上記パンチ34の側面には段部37を形成しており、上記加圧部35に固定したガイド部38に当接させている。又、上記パンチ34に隣接する部分に、抑え部材39を、スプリング40を介して支持している。上記加圧部35は、図16に示す様に、この抑え部材39の下端面が前記素突出板部24の基端部上面に、弾性的に当接するまで下降させる。この際、上記ガイド部38の側面を上記素突出板部24の先端面に当接させる。これにより、前述の図13、14に黒く塗りつぶした三角形で示した様に、素サポート29の位置決めが行われる。
この状態で、図17、18に示す様に、上記加圧部35を更に下降させ、上記パンチ34の凸部36により、上記素突出板部24の仮想面α(図10参照)よりも周方向外方部分の上面を押圧する。そして、この部分を塑性変形させて、前記両溝部17aを形成する。この際、上記素突出板部24の径方向内側面は、前記ダイ28の上端面に設けた凹入部33内に入り込む様に変形し、この部分に前記膨出部23が形成される。
尚、本例の場合、この様に、素サポート29の各部分をプレス装置27のガイド部38等により位置決めする為、各部の寸法精度が要求される。特に、このガイド部38と上記素突出板部24の先端面との当接部の寸法精度を高くしなければ、コイニング加工時にこの素突出板部24が所望以上に変形したりして不良品が生じる可能性がある。本例の場合、この素突出板部24の先端面は、前述した様に、トリミング加工を施す事により寸法精度を良好にしている為、コイニング加工時に不良品を生じにくくできる。
又、この様なコイニング加工時に於ける応力分布を推測したものを、図19に示す。同図の矢印で示す方向がそれぞれ力が作用する方向で、矢印の幅が広い程、作用する力が大きい事を示している。又、上述した様なコイニング加工時には、図20の矢印イ、イで示す様に、両連結板部14a、14aが広がる方向に力が作用する。そして、コイニング加工による加圧力を解除すると、同図の矢印ロ、ロで示す様なスプリングバックが生じる。この結果、図21に誇張して示す様に、素突出板部24が、基板部13aと平行となる位置(正規の位置)よりも、先端がこの基板部13aに向かう方向に傾斜する可能性がある。従って、本例の場合、この様なスプリングバックを考慮して、予め、コイニング加工前の素突出板部24、24を、基板部13aと平行な方向に対し、先端がこの基板部13aから離れる方向に、例えば1゜程度傾斜させている。
上述の様に、素突出板部24に溝部17aを形成したならば、図10、20、21に示した斜格子部分をシェービング加工により除去する。即ち、上記両素突出板部24の増幅部26と、これら両素突出板部24の先端部分をそれぞれ除去して、外形を整えた突出板部15aを得る。本例の場合、上記両素突出板部24のロータ1と隣接する側に上記増幅部26を設け、この増幅部26をコイニング加工後に除去している。これは、突出板部15aのロータ1と隣接する側面の寸法精度を良好にして、このロータ1との干渉を防止する為である。この際、コイニング加工時の肉の移動により上記素突出板部24の軸方向に突出した部分も除去する事もできる。又、上記両素突出板部24の先端部分を除去する事により、上記両突出板部15aの先端面を平坦とし、制動時にアウタパッド5bの周方向端部と当接する押しアンカ側のトルク受面とする。尚、この様なシェービング加工により除去する部分は、任意に設定できる。
上述の様に、素突出板部24にコイニング加工及びシェービング加工を施す事により、図22、23に示す様な溝部17aを径方向外側面に有する突出板部15aが得られる。本例の場合、これら両突出板部15aのうち、コイニング加工により溝部17aを形成すべき部分に切り欠き25a、25bを形成している為、このコイニング加工の加圧力を低減できる。即ち、これら各切り欠き25a、25bを形成する事により、このコイニング加工により変形させる体積が小さくなる為、このコイニング加工の加圧力を低減できる。
この様に、コイニング加工の加圧力を低減できれば、このコイニング加工時の肉の圧縮や引き込みが減少し、トルク受面19aに生じるダレ41(図22の梨子地部分)を抑えられる(ダレ41の寸法を小さくできる)。即ち、図23に示す様に、トルク受面19aの上端部に生じるダレ量aを、前述の図30に示したダレ量bに比べて小さくできる。そして、トルク受面19aのダレ41が生じていない平坦面の割合を多くできる。又、本例の場合、各切り欠き25a、25bを、上記トルク受面19aに相当する仮想面αの軸方向両端部に隣接する部分に形成している為、コイニング加工時の肉の移動がこの仮想面αの軸方向両端部まで及びにくい。この結果、図22に示す様に、トルク受面19aの軸方向両端部にはダレ41が殆ど生じない。
又、本例の場合、コイニング加工後に、素突出板部24の軸方向片端部(図10、20、21の下端部)の形状をシェービング加工により整えているが、このシェービング加工を施す部分は、前述した増幅部26である為、上記トルク受面19aの両端部のうち、このシェービング加工を施した側の端部のダレ41が大きくなる事はない。言い換えれば、シェービング加工により除去する部分を含めて、上記素突出板部24の軸方向に関する幅を規制している。尚、本例の場合、素突出板部24のロータ1と隣接する側の軸方向片端部に増幅部26を設けているが、勿論、軸方向他端部に設ける事もできる。又、突出板部15a、15aの軸方向両端部の形状を整える必要がなければ、この様な増幅部26及びシェービング加工を省略しても良い。
上述の様に得られるサポート2bを、前述の図1〜4に示した様に、ディスクブレーキ20に組み込んだ場合、両突出板部15a、15aに形成したトルク受面19a、19aのダレ41(図22、23参照)が少ない為、これらトルク受面19a、19aのアウタパッド5bの鉤部18a、18aの先端部内側面と係合する平坦面の割合を多くできる。そして、これら鉤部18a、18aとトルク受面19a、19aとの係合を十分に図れる。又、これらトルク受面19a、19aの軸方向両端部には大きなダレ41は殆ど存在しない為、上記アウタパッド5bの新品状態や交換寸前の状態でも、制動時にこのアウタパッド5bの脱落防止を図れる。
本発明は、両溝部を形成する前の素突出板部の軸方向両側面に切り欠きを形成した構造を得る為のディスクブレーキ用板金製サポートの製造方法に関するものであるが、切り欠きを、例えば、素突出板部の両溝部を形成すべき部分の径方向両側面のうちの少なくとも何れかの側面に形成した構造に関して、本発明と同様の加工方法を採用する事もできる。
本発明の製造方法により得られるサポートを組み込んだディスクブレーキを、アウタ側から見た正投影図。 同じくインナ側から見た正投影図。 同じく、パッドを省略してロータの外径側から見た部分切断正投影図。 図2のA−A断面図。 本発明の製造方法により得られるサポートを、アウタ側から見た正投影図。 同じくインナ側から見た正投影図。 同じくロータの外径側から見た正投影図。 図6のB−B断面図。 図5のC部拡大図。 素サポートの半部をロータの外径側から見た正投影図。 コイニング加工を施す為のプレス装置のプレス前の状態を示す半部断面図。 位置決め部材により素サポートを支持する状態を示す模式図。 素サポートの支持状態を、アウタ側から見た状態で示す模式図。 同じくロータの外径側から見た状態で示す模式図。 パンチのみを取り出して示す断面図。 素サポートを抑え付けている状態を示す、プレス装置の部分拡大断面図。 プレスの途中状態を示す、プレス装置の部分拡大断面図。 プレス装置によるプレス完了状態を示す半部断面図。 コイニング加工時の応力分布を、素突出板部の溝部部分を拡大して示す模式図。 コイニング加工時と加工後とにそれぞれ作用する力の状態をサポートの外径側から見た模式図。 コイニング加工後のスプリングバックにより素突出板部が傾斜した状態を誇張して示す、図20の左半部に相当する図。 コイニング加工及びシェービング加工後の突出板部の溝部を外径側から見た図。 同じく軸方向から見た図。 ディスクブレーキの従来構造の第1例を、一部を切断して外径側から見た図。 図24のD−D断面図。 サポートと片側のガイドピンのみを取り出して外径側から見た正投影図。 同じくインナ側から見た正投影図。 ディスクブレーキの従来構造の第2例を、サポートにパッドを組み付け、キャリパを省略した状態で、アウタ側から見た正投影図。 従来方法でコイニング加工を施した場合の突出板部の溝部を外径側から見た図。 同じく軸方向から見た図。
符号の説明
1 ロータ
2、2a、2b サポート
3、3a キャリパ
4、4a、4b ガイドピン
5、5a、5b アウタパッド
6、6a インナパッド
7 シリンダ部
8 ピストン
9a、9b プレッシャプレート
10 キャリパ爪
11 ライニング
12 連結部
13、13a 基板部
14、14a 連結板部
15、15a 突出板部
16 ねじ孔
17、17a 溝部
18、18a 鉤部
19、19a トルク受面
20 ディスクブレーキ
21 パッドクリップ
22 アンチラトルスプリング
23 膨出部
24 素突出板部
25a、25b 切り欠き
26 増幅部
27 プレス装置
28 ダイ
29 素サポート
30 位置決め部材
31 突出部
32 凹部
33 凹入部
34 パンチ
35 加圧部
36 凸部
37 段部
38 ガイド部
39 抑え部材
40 スプリング
41 ダレ

Claims (2)

  1. 車輪と共に回転するロータの両側にアウタパッドとインナパッドとを軸方向に変位自在に支持すると共に、これら両パッドを上記ロータの両側面に押し付ける為のキャリパをこのロータの軸方向に変位自在に支持する為、このロータの一方の側に隣接して設けられ、金属板に所定の加工を施す事により、車体に取り付ける為の基板部と、この基板部の周方向両端部から上記ロータの外周縁部を越えて他方の側に伸びた1対の連結板部と、これら両連結板部の先端部から互いに近づく方向に延出された1対の突出板部とを形成しており、これら両突出板部の径方向外側面に設けた、上記アウタパッドの周方向両端部に設けた1対の鉤部の径方向内方に伸びる先端部を係止自在な溝部の周方向内方の側面を、制動時に上記両鉤部の先端部から作用するトルクを支承するトルク受面としたディスクブレーキ用板金製サポートの製造方法であって、
    上記両溝部を形成する前の素突出板部の軸方向両側面のうち、上記トルク受面に相当する仮想面よりも周方向外方部分に、それぞれ軸方向に凹んだ切り欠きを形成した後、上記両素突出板部にコイニング加工を施す事により、これら両素突出板部に上記両溝部を形成するディスクブレーキ用板金製サポートの製造方法。
  2. 上記両素突出板部の上記両溝部を形成すべき部分より周方向内方部分に、上記両突出板部のこれら両溝部より周方向内方部分に対し、軸方向に増幅した増幅部を設けており、この増幅部を、上記コイニング加工により上記両溝部を形成した後に除去する、請求項1に記載したディスクブレーキ用板金製サポートの製造方法。
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