JP2010075950A - ねじ孔の形成方法及びディスクブレーキ用板金製サポートの製造方法 - Google Patents

ねじ孔の形成方法及びディスクブレーキ用板金製サポートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ねじの強度を確保できる構造を効率良く安定して得られる、ねじ孔の形成方法を実現する。
【解決手段】素材13aの一部に打ち抜きにより形成した下孔14aの破断面側の開口部に、面取り部33を形成する。この際、コイニングパンチ26の杆部29を上記下孔14a内に隙間なく挿入すると共に、段部30により上記面取り部33を形成すべき部分の周囲部分を押圧する。この面取り部33の形成に伴い、肉が破断面部分に移動し、この破断面部分の径を小さくして、上記下孔14aをほぼ均一な円筒面とする事ができる。この状態で、この下孔14aにねじを形成すれば、上記破断面部分のねじ山の盛り上がりを確保でき、ねじ強度を確保できる。
【選択図】図3

Description

この発明は、自動車の制動に使用するディスクブレーキを構成する板金製サポート等の、金属板に所定の加工を施して形成される部材の製造に関し、素材である金属板にねじ孔を形成する方法の改良に関する。特に本発明は、ねじの強度を確保できる構造を効率良く得られるねじ孔の形成方法を実現すると共に、良好なねじ孔を有する板金製サポートを得られる製造方法を実現するものである。
自動車の制動に使用するディスクブレーキとして、従来から各種構造のものが知られているが、厚肉鋼板等の金属板に曲げ加工を施して成る板金製サポートを使用するものが、コスト並びに重量の低減を図る面で有利である事から、研究が進められている。図4〜7は、この様な板金製サポートを組み込んだディスクブレーキの従来構造の1例として、特許文献1に記載されたものを示している。先ず、この従来構造に就いて簡単に説明する。
この従来構造のディスクブレーキは、車輪と共に回転するロータ1に隣接した状態で懸架装置に対し固定されるサポート2にキャリパ3を、1対のガイドピン4a、4bにより、上記ロータ1の軸方向(図4の上下方向、図5の左右方向)の変位自在に支持している。上記サポート2には、上記ロータ1を挟んでアウタ側(車両の幅方向に関して外側)のアウタパッド5及びインナ側(車両の幅方向に関して中央側)のインナパッド6を、上記ロータ1の軸方向の変位自在に支持している。又、上記キャリパ3のシリンダ部7に嵌装したピストン8の先端面(図5の左端面)を、上記インナパッド6を構成するプレッシャプレート9bに突き当て、上記キャリパ3のアウタ側端部に形成したキャリパ爪10の内側面を、上記アウタパッド5を構成するプレッシャプレート9aに当接させている。
尚、上記サポート2の内径寄り部分の周方向両端部には、上記懸架装置に対しこのサポート2を固定する為のねじ孔11a、l1aを形成している。又、このサポート2の外径寄り部分の周方向両端寄り部分には、上記ガイドピン4a、4bを固定する為のねじ孔11bを形成している。
制動を行う場合には、上記シリンダ部7内への圧油の送り込みにより、上記ピストン8が上記インナパッド6を上記ロータ1の側面に押し付ける。この押し付けの反作用として、上記キャリパ3がインナ側に変位するので、上記キャリパ爪10が上記アウタパッド5を上記ロータ1の側面に押し付ける。この結果、このロータ1が1対のパッド5、6のライニング12、12により両側から強く挟持されて、制動が行われる。
上述の様な、車体に固定する為のねじ孔11a、11b及びガイドピン4a、4bを固定する為のねじ孔11bは、従来、ドリルや打ち抜き加工により下孔を形成した後、転造或は切削にて、タップ加工を行う事により形成していた。但し、上記サポート2は、例えば厚肉鋼板製である為、例えば鋳物と違って、柔らかく粘りがある。この為、ドリルにより上記下孔を形成する場合、加工中に切粉が連続して発生し、この切粉がドリルに巻き込まれて加工トルクが急上昇する。この結果、このドリルが破損したりこのドリルの寿命が低下する可能性がある。又、ドリルにより下孔を形成する場合、加工時間が長くなる為、生産性が低下し、製造コストが高くなる。
一方、打ち抜き加工により下孔を形成する場合、加工時間が短い為、生産性が高いが、剪断面だけでなく(この剪断面に連続する状態で)、表面が粗く、しかも剪断面に比べて内径が大きくない破断面が生じる。この為、この破断面部分でねじ山の盛り上がりが少なくなる。この様にねじ山の盛り上がりが少ない部分があると、ねじ強度を確保しにくくなる。又、この様な方法により各ねじ孔11a、11bを形成する場合、打ち抜き加工の際にバリが生じる為、このバリ取りの為の加工が必要となる。
この様な事情に鑑み、特許文献2には、打ち抜き加工により下孔を形成した後、タップ加工によりねじ孔を形成しても、ねじ山の盛り上がりが少ない部分をなくせる、ねじ孔の形成方法に関する発明が記載されている。この従来方法では、図8に示す様に、素材13に下孔14を形成した後、この下孔14の開口部周囲に溝15を形成する事により、この下孔14の周囲部分の肉を破断面16に移動させて、この破断面16部分の径を小さくする。その後、上記下孔14にタップ加工を施してねじ孔を形成すれば、上記破断面16部分のねじ山の盛り上がりを確保でき、ねじ強度の低下を防止できる。
一方、下孔の開口部には、タップ加工を行う場合のタップの導入案内の為に面取り部を形成する。この面取り部を形成する場合、図9に示す様に、先端部に傾斜面17を有するコイニングパンチ18により、下孔14の開口部を塑性変形させる事が考えられる。但し、この様に、下孔14の開口部を塑性変形させた場合、図10に詳示する様に、面取り部19の周囲部分が盛り上がる可能性がある。即ち、この面取り部19の形成に伴い、この面取り部19の周囲部分に肉(金属材料)が移動して、上記図10に示す様な盛り上がりが生じる。これは、上述の特許文献2に記載された発明の様に、破断面16部分の径を小さくした後、図9に示す様にコイニングパンチ18により面取り部19を形成する場合にも生じ得る。
例えば、サポート2に、このサポート2を車体に固定する為のねじ孔11a、11aを形成する際に、上述の様な肉の盛り上がりが、懸架装置に取り付ける側の側面に生じた場合、この肉の盛り上がりにより、上記サポート2を、この懸架装置の取付面に対し十分に密着させる事ができず、このサポート2がこの懸架装置に対してがたつく可能性がある。
又、上述の様に面取り部19を形成した場合に、図示は省略するが、肉が下孔14の内部に移動する場合もある。この場合、この肉の移動により内径が必要以上に小さくなり、良好なねじ孔を形成できなくなる。従って、一般的には、面取り部を形成した後にシェービング加工を行って、下孔の内径を整える。
尚、上述の特許文献2に記載された発明の場合、面取り部を省略して、タップ加工を下孔14のダレが生じている側(打ち抜きパンチの押し込み側)から行う事が考えられる。即ち、このダレをタップの案内として利用する。但し、この場合でも、下孔14の、ダレが生じている側と反対側である、破断面が生じていた側の開口部のバリを除去する工程が必要である。又、転造によりねじを形成した場合、肉の移動によりダレが生じている側と反対側の開口部に肉の盛り上がりが生じ、この肉の盛り上がりが生じた面を、上述の様に取付面に密着させる場合に、やはり、がたつきが生じる可能性がある。
実開昭52−80389号公報 特開2008−62274号公報
本発明のねじ孔の形成方法及びディスクブレーキ用板金製サポートの製造方法は、上述の様な事情に鑑みて、ねじの強度を確保できる構造を効率良く得られる方法を実現すべく発明したものである。
本発明のうち、請求項1に記載した発明は、金属板製の素材にねじ孔を形成するねじ孔の形成方法に関する。
特に、請求項1に記載したねじ孔の形成方法は、先ず、上記素材に打ち抜き加工により下孔を形成する。次いで、この下孔の破断面側を塑性変形させる事により、この下孔の破断面側の開口周縁部に面取り部を形成しつつ、肉をこの破断面部分に移動させて、この破断面部分の径を小さくする。その後、この面取り部を形成した側から、タップ加工を行う。
尚、上記タップ加工は、切削によりねじを切るねじ切りタップ、或は、ねじを転造により形成する転造タップ(ロールタップ、盛り上げタップ)を使用して行うが、ねじ切りタップを使用した場合には、切粉が出て工具に負担が掛かる可能性がある。これに対して、転造タップを使用した場合には、切粉は出ないが、やはり、工具への負担が大きくなる。従って、どちらのタップを使用するかは、素材の材質、板厚等を考慮して決める。
上述の発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、打ち抜き加工の後にシェービング加工を行い、その後、面取り部を形成する加工を行う。
又、面取り部を形成する場合に具体的には、請求項3に記載した発明の様に、上記下孔の内径とほぼ同じ(実質的に隙間なく挿入できる)外径を有する杆部を、この下孔に挿入する。これと共に、この下孔の上記面取り部を形成すべき部分の周囲を、上記素材のこの面取り部を形成する側の側面と平行な面を有する押圧面により押圧する。そして、この状態で、この面取り部を形成する。
又、上記請求項3に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項4に記載した発明の様に、上記面取り部を形成する際に、上記押圧面によりこの面取り部の周囲部分も、この面取り部と共に塑性変形させて、この部分に凹部を形成する。
又、請求項5、6に記載した製造方法の対象となるディスクブレーキ用板金製サポートは、金属板に所定の加工を施す事により形成されるものである。
又、車輪と共に回転するロータの両側に1対のパッドをそれぞれ軸方向に変位自在に支持すると共に、これら両パッドを上記ロータの両側面に押し付ける為のキャリパをこのロータの軸方向に変位自在に支持する為、このロータの一方の側に隣接して設けられる。
又、請求項5に記載した発明の場合、車体に取り付ける為のねじ孔を、上記板金製サポートの一部に有する。
一方、請求項6に記載した発明の場合、上記キャリパを軸方向に変位自在に支持する為のガイドピンを固定するねじ孔を、上記板金製サポートの一部に有する。
特に、請求項5、6に記載したディスクブレーキ用板金製サポートの製造方法の場合、上記何れかのねじ孔を、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載したねじ孔の製造方法により形成する。
上述の様に構成する本発明のねじ孔の形成方法及びディスクブレーキ用板金製サポートの製造方法のうち、請求項1に記載したねじ孔の形成方法によれば、打ち抜き加工により下孔を形成した後タップ加工を行う為、ドリルにより下孔を形成する場合の様な、下孔加工時の切削加工がなくなり、工具が破損したり寿命が低下する事を抑えられる。又、下孔の破断面側を塑性変形させる事により、この下孔の破断面側の開口部に面取り部を形成しつつ、肉をこの破断面に移動させてこの破断面部分の径を小さくしている為、ねじ孔を形成した場合にこの破断面部分のねじ山の盛り上がり(ねじ山高さ)を確保できる。本発明の場合、この様に、面取り部の形成に伴い、破断面部分のねじ山の盛り上がりを確保できる為、ねじ強度を確保できる構造を効率良く、しかも安定して得られる。又、上記面取り部を形成する際に、上記打ち抜き加工により生じたバリも塑性変形させれば(押し潰せば)、バリ取り為の加工を省略でき、低コスト化を図れる。
又、請求項2に記載した発明の場合、打ち抜き加工の後にシェービング加工を行う為、このシェービング加工による加工代分、この打ち抜き加工後の径を小さくできる。従って、破断面部分の径も予め小さくできる(必要とする下孔の内径に近づけられる)為、面取り部を形成する際の肉の移動量を少なくできる。この結果、例えば、上記破断面部分の径を小さくする為に、必要以上に面取り部を大きく形成する必要はない。
又、請求項3に記載した発明の場合、面取り部を形成する際の肉の移動により、破断面部分を剪断面部分とほぼ均一の円筒面とする事ができる。この結果、ねじ山の盛り上がりが均一なねじ孔を形成できる。又、上記面取り部を形成する際に、素材のこの面取り部を形成する側の側面でこの面取り部の周囲部分が盛り上がる事を防止でき、この素材を相手部材に取り付ける際にがたつく事を防止できる。
又、請求項4に記載した発明の場合、素材の肉厚の寸法公差に拘らず、面取り部の形成に伴う肉の移動が十分にできなかったり、面取り部の周囲部分に盛り上がりが生じる事を防止できる。
又、請求項5、6に記載した発明の様に、ディスクブレーキ用板金製サポートの車体に固定する為のねじ孔或はガイドピンを固定する為のねじ孔の形成に、上述の様なねじ孔の形成方法を適用すれば、これら各ねじ孔を良好に形成できる。
図1〜3は、本発明の実施の形態の1例を示している。本例の場合、ディスクブレーキ用板金製サポートを構成する為の、厚肉鋼板等の金属板製の素材13aに、車体に取り付ける為のねじ孔、或は、キャリパを軸方向に変位自在に支持する為のガイドピンを固定するねじ孔を形成する。この為に、図1(A)に示す様に、上記素材13aに打ち抜き加工により素孔20を形成する。この素孔20の内周面には、同図の上から(打ち抜き用パンチを押し込む側から)順に、ダレ21、剪断面22、破断面23が存在する。
次に、図1(B)の斜格子で示す部分を、シェービング加工により除去する。これにより、図1(C)に示す様に、上記素孔20の内径を拡大すると共に、上記破断面23のこの素孔20の軸方向(図1の上下方向)に関する長さを小さくして、下孔14aを得る。尚、この様なシェービング加工によりダレ21も削るが、図1(C)に示す様に、このダレ21の一部は残す。この理由は、後述する転造によるタップ加工により、ダレ21側(打ち抜き加工用パンチの押し込み側)に移動した肉をこのダレ21部分で吸収する事により、この移動した肉の一部が上記素材13aのダレ21側の側面から突出する事を防止する為である。
次いで、上述の様な下孔14aを形成した素材13aを、図2に示す様なコイニング加工装置24に配置する。このコイニング加工装置24は、基台25と、この基台25上に設置したダイ35と、このダイ35内に配置されたコイニングパンチ26と、このダイ35内でこのコイニングパンチ26に隣接した位置に設置した、リフトピン27及びスプリング28とを備える。このうちのコイニングパンチ26は、基端部に設けた鍔部36を上記ダイ35で抑え付ける事により、上記基台25上に設置される。又、上記コイニングパンチ26は、上記下孔14aの(ダレ21及び破断面23を除く部分の)内径とほぼ同じ外径を有する杆部29と、上記素材13aの片側面(図2の下面)と平行な面を有する段部30とを有する。尚、この段部30が、特許請求の範囲に記載した押圧面に相当する。又、図2及び図3(A)に示す例の場合、この段部30と上記ダイ35の上端面とは同一平面上に存在する。又、上記杆部29の先端部は円すい状の案内部31とし、上記コイニングパンチ26の上記下孔14a内への挿入を容易にしている。又、上記杆部29の基端部と上記段部30との連続部には、先端部に向かう程径が小さくなる方向に傾斜した傾斜面32を形成している。
上述の様なコイニング加工装置24により、上記下孔14aの破断面23側の開口部に面取り部33を形成する。この為に、先ず、この下孔14a内に上記コイニングパンチ26の杆部29を、上記破断面23側から、がたつきなく挿入しつつ、上記素材13aを設置する。この状態で、上記下孔14aのうち、上記破断面23部分と上記杆部29との間には隙間が存在する。又、上記段部30と上記素材13aの下面との間にも、隙間が存在する。次いで、上記素材13aを図示しない加圧装置により、図2の下側に加圧する。これにより、図3(A)に詳示する様に、上記コイニングパンチ26の傾斜面32が上記下孔14aの下端側開口周縁部を塑性変形させると共に、上記段部30がこの下孔14aの上記面取り部33を形成すべき部分の周囲部分に全周に亙り当接し、この部分を押圧する。
この結果、上記下孔14aの破断面23側の開口部に上記面取り部33が形成されると共に、この面取り部33の形成に伴って余分になった肉(金属材料)が、上記破断面23部分に移動する。本例の場合、上記下孔14aの開口部周囲は、上述の様に段部30により押圧される為、この下孔14aの開口部周囲に向けて肉が、この下孔14aの径方向外方に移動する事を防止できる。又、この下孔14a内には、この下孔14aの内径とほぼ同じ外径を有する杆部29ががたつきなく(上記破断面23に対向する部分を除き、実質上隙間なく)挿入されている為、この破断面23以外の部分まで肉の移動が及ぶ事を防止できる。従って、上記面取り部33の形成に伴う肉は、上記破断面23部分と上記杆部29との隙間を埋める様に移動し、この破断面23部分の径が小さくなる。本例の場合、後述するタップの導入性(挿入し易さ)を考慮して、上記面取り部33の傾斜角度を45゜としている。
尚、上述の様に面取り部33を形成する際、図3(B)に示す様に、上記段部30によりこの面取り部33の周囲部分も塑性変形させて、この部分に凹部34を形成しても良い。この場合、同図に示す様に、コイニングパンチ26の段部30をダイ35の上端面よりも突出させた状態でプレスする。この様に凹部34を形成する理由は、上記素材13aの肉厚の寸法公差に拘らず、上記下孔14aの下端側開口周縁部をコイニングパンチ26の傾斜面32により、この開口部周囲を同じく段部30により、それぞれ確実に押圧する為である。
即ち、上記素材13aは、製造誤差等により肉厚が多少異なる場合(寸法公差)がある。従って、例えば、上述の図3(A)に示した様に、段部30を素材13aの片側面に当接する位置までしか押圧しない場合、この素材13aの肉厚が小さ過ぎた時に、上記段部30が上記素材13aの片側面(下面)に当接しない可能性がある。この場合、上記下孔14aの開口周縁部に上記傾斜面32を十分に押し付ける事ができず、上記面取り部33の形成の際の肉の移動が十分に行われない可能性がある。又、上記下孔14aの開口部周囲に上記段部30を押し付ける事ができなければ、上記面取り部33の形成に伴う肉の移動により、上記下孔14aの開口部に肉の盛り上がり生じる可能性がある。
これに対して、上記段部30により上記面取り部33の周囲部分に凹部34を形成する様に加工を行えば、上記素材13aの肉厚が多少小さくても、上記段部30を確実に上記面取り部33の周囲部分に当接させる事ができると共に、上記傾斜面32を上記下孔14aに十分に押し付ける事ができる。
上述の様に、コイニング加工装置24により、下孔14aの破断面23側の開口部に面取り部33を形成しつつ、肉をこの破断面23部分に移動させてこの破断面23部分の径を小さくした後、素材13aをこのコイニング加工装置24から取り出す。この際、スプリング28の弾性復元力でリフトピン27が上昇する事により、上記下孔14a内からコイニングパンチ26が抜け出す。そこで、この下孔14aに予備加工(面取り部33を形成)した素材13aを次の工程に移して、この面取り部33を形成した下孔14aに、この面取り部33を形成した側から転造によるタップ加工を行う。即ち、この面取り部33により(転造)タップを案内し、転造により上記下孔14aの内周面にねじを形成する。この際、この下孔14aの両端開口部に肉の移動が生じるが、面取り部33側の開口部はこの面取り部33により、ダレ21側の開口部はこのダレ21により、それぞれ肉の移動を吸収し(移動した肉を、面取り部33やダレ21内に止め)、素材13aの両側面に肉の盛り上がりが生じる事を防止する。
上述の様に構成する本例の場合、下孔14aの破断面23側を塑性変形させる事により、この下孔14aの破断面23側の開口部に面取り部33を形成しつつ、肉をこの破断面23に移動させてこの破断面23部分の径を小さくしている。この加工の際、上記下孔14a内にコイニングパンチ26の杆部29をがたつきなく挿入している為、この下孔14aの内周面のうち、ダレ21及び面取り部33を除く部分をほぼ均一の円筒面とする事ができる。この為、この状態で、上述の様にタップ加工によりねじを形成すれば、ねじ山の盛り上がり(ねじ山高さ)が均一なねじ孔を形成できる。即ち、上記破断面23部分に関しても、前記剪断面22部分と同様に、ねじ山の盛り上がりを確保できる。本例の場合、この様に、面取り部33の形成に伴い、破断面23部分のねじ山の盛り上がりを確保できる為、ねじ孔にボルトやねじを螺合した場合のねじ強度を確保できる構造を効率良く、しかも安定して得られる。又、上記面取り部33を形成する際に、上記打ち抜き加工により生じたバリも塑性変形させれば、バリ取り為の加工を省略でき、低コスト化を図れる。
又、本例の場合、上記面取り部33を形成する際に、上記コイニングパンチ26の段部30により、前記素材13aのうち、この面取り部33を形成する側の側面でこの面取り部33の周囲部分を押圧している為、この部分が盛り上がる事を防止できる。この結果、上記素材13aを相手部材に取り付ける際にがたつく事を防止できる。
又、本例の場合、打ち抜き加工の後にシェービング加工を行う為、この打ち抜き加工による素孔20の径を予め小さくできる。即ち、シェービング加工による加工代分、打ち抜き加工後(、シェービング加工前)の、この素孔20の径を小さくできる。従って、上記破断面23部分の径も予め小さくできる(シェービング加工後に於ける、上記破断面23部分と前記剪断面22部分との内径差を小さくできる)為、上記面取り部33を形成する際の肉の移動量を少なくできる。この結果、例えば、上記破断面23部分の径を小さくする為に、必要以上に面取り部33を大きく形成する必要はない。
上述した実施の形態では、打ち抜き加工後にシェービング加工を施したが、例えば、素材の板厚や打ち抜き加工のパンチとダイとのクリアランスを規制して、破断面の軸方向長さを短くできれば、このシェービング加工を省略しても良い。又、打ち抜きパンチとシェービングパンチとを一体とし、一度のプレスで、打ち抜き加工に続いてシェービング加工を行う事もできる。即ち、先端側よりも基端側の外径が大きい段付のパンチを使用すれば、一度のプレスにより打ち抜き加工とシェービング加工とを連続して行える。この場合、パンチの先端側を打ち抜きパンチとし、基端側の外径が大きい方をシェービングパンチとする。
又、上述の実施の形態の場合、タップの導入性を考慮して、面取り部の傾斜角度を45゜としているが、この傾斜角度は、この面取り部を形成する目的によって変える事もできる。例えば、タップの導入をダレ側から行う場合、面取り部により、バリ取りとねじ形成時の肉の盛り上がりを防止する事が出きれば良いので、この面取り部の傾斜角度を急に(例えば30゜と)する事もできる。或は、ねじを切削により形成する場合には、ねじの形成に伴う肉の移動がない為、面取り部の傾斜角度を緩やかに(例えば、60゜と)しても、面取り部側に肉の盛り上がりが生じる事はない。尚、面取り部の傾斜角度とは、下孔の軸方向に対する傾斜角度を言う。
本発明の実施の形態の1例の下孔の加工状態を工程順に示す、素材の部分断面図。 同じく、コイニング加工装置の部分断面図。 同じく、面取り部の加工状態の2例を示す部分拡大断面図。 ディスクブレーキの従来構造の1例を、一部を切断して外径側から見た図。 図4のイ−イ断面図。 サポートと片側のガイドピンのみを取り出して外径側から見た正投影図。 同じくインナ側から見た正投影図。 ねじ孔を形成する為の従来方法の1例を示す部分断面図。 下孔に面取り部を形成する状態を示す部分断面図。 同じく面取り部を形成した後の状態を示す部分断面図。
符号の説明
1 ロータ
2 サポート
3 キャリパ
4 ガイドピン
5 アウタパッド
6 インナパッド
7 シリンダ部
8 ピストン
9a、9b プレッシャプレート
10 キャリパ爪
11a、11b ねじ孔
12 ライニング
13、13a 素材
14、14a 下孔
15 溝
16 破断面
17 傾斜面
18 コイニングパンチ
19 面取り部
20 素孔
21 ダレ
22 剪断面
23 破断面
24 コイニング加工装置
25 基台
26 コイニングパンチ
27 リフトピン
28 スプリング
29 杆部
30 段部
31 案内部
32 傾斜面
33 面取り部
34 凹部
35 ダイ
36 鍔部

Claims (6)

  1. 金属板製の素材にねじ孔を形成するねじ孔の形成方法であって、この素材に打ち抜き加工により下孔を形成した後、この下孔の破断面側を塑性変形させる事により、この下孔の破断面側の開口周縁部に面取り部を形成しつつ、肉をこの破断面部分に移動させてこの破断面部分の径を小さくし、その後、この面取り部を形成した側からタップ加工を行うねじ孔の形成方法。
  2. 打ち抜き加工の後にシェービング加工を行い、その後、面取り部を形成する加工を行う、請求項1に記載したねじ孔の形成方法。
  3. 上記下孔の内径とほぼ同じ外径を有する杆部をこの下孔に挿入すると共に、この下孔の上記面取り部を形成すべき部分の周囲を、上記素材のこの面取り部を形成する側の側面と平行な面を有する押圧面により押圧しつつ、この面取り部を形成する、請求項1又は請求項2に記載したねじ孔の形成方法。
  4. 上記面取り部を形成する際に、上記押圧面によりこの面取り部の周囲部分も、この面取り部と共に塑性変形させて、この部分に凹部を形成する、請求項3に記載したねじ孔の形成方法。
  5. 金属板に所定の加工を施す事により形成され、車輪と共に回転するロータの両側に1対のパッドをそれぞれ軸方向に変位自在に支持すると共に、これら両パッドを上記ロータの両側面に押し付ける為のキャリパをこのロータの軸方向に変位自在に支持する為、このロータの一方の側に隣接して設けられ、一部に車体に取り付ける為のねじ孔を有するディスクブレーキ用板金製サポートの製造方法であって、このねじ孔を請求項1〜4のうちの何れか1項に記載したねじ孔の形成方法により形成するディスクブレーキ用板金製サポートの製造方法。
  6. 金属板に所定の加工を施す事により形成され、車輪と共に回転するロータの両側に1対のパッドをそれぞれ軸方向に変位自在に支持すると共に、これら両パッドを上記ロータの両側面に押し付ける為のキャリパをこのロータの軸方向に変位自在に支持する為、このロータの一方の側に隣接して設けられ、一部に上記キャリパを軸方向に変位自在に支持する為のガイドピンを固定するねじ孔を有するディスクブレーキ用板金製サポートの製造方法であって、このねじ孔を請求項1〜4のうちの何れか1項に記載したねじ孔の製造方法により形成するディスクブレーキ用板金製サポートの製造方法。
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