JP5153228B2 - 多関節型座標測定装置のパラメータ校正方法 - Google Patents

多関節型座標測定装置のパラメータ校正方法 Download PDF

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Description

本発明は、ユーザが多関節型の測定アームを操作して、測定アームの一端に取り付けられたプローブを測定対象物上の測定点に近づけて、その測定点の空間座標を測定する多関節型座標測定装置におけるパラメータ校正方法に関する。
従来、測定対象物の複雑な三次元形状を測定する多関節型測定装置として、屈曲自在な多関節型の測定アームを備えたものが知られている(例えば特許文献1参照)。従来の多関節型測定装置では、ユーザがこの測定アームを動かして、測定アームの先端に取り付けられたプローブを測定対象物上の任意の測定点に近づけて、測定対象物の位置や寸法などを測定する。この多関節型座標測定装置には、測定アームの各関節の回転角度を測定する角度センサ(例えばロータリーエンコーダ等)が内蔵されている。そして、測定アームの各関節の回転角度と関節−関節間や関節−プローブ間の設計上の長さに基づいて、プローブの先端の空間座標が算出される。具体的には、角度センサから得られた回転角度を示すパラメータと関節−関節間や関節−プローブ間の長さを示すパラメータを、空間座標に変換する演算処理、すなわち、測定アームの座標系を測定対象物の座標系に変換する演算処理が行われる。
特開2004−264135号公報(第8−14頁、第1図)
ところで、上記のような多関節型測定装置を用いて測定を行うときに、ユーザが測定アームを強い力で操作することがある。例えば、測定アームを強く引っ張ったり、曲げたり、縮めたりすることがある。このようにして、測定アームにストレスが加えられると、測定アームの各センサから読み出されるパラメータに誤差が生じることになる。
多関節型測定装置では、複雑な三次元形状を高精度で測定することが要求される。しかし、上記のように多関節型測定装置の測定アームの各パラメータに誤差が生じていると、高精度の測定を行うことが困難になる。そこで、従来、アーティファクト(標準器)を用いて、測定アームの各パラメータを校正し、パラメータ誤差を低減する方法が提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開2005−157784号公報(第12−26頁)
しかしながら、従来の方法では、測定アームのすべてのパラメータの校正が行われる。多関節型の測定アームは多くの関節を有しているので、その分だけ校正対象のパラメータの数も多い。測定アームのパラメータの校正作業は、高精度な測定を行うためには必須の準備作業であるが、すべてのパラメータについて校正を行うためには、作業に多くの手間と時間を要することになる。確かに、工場出荷時や装置設置時などには、すべてのパラメータについての校正作業を十分な時間をかけて行う必要がある。しかし、特に、毎日のように測定を行うユーザにとっては、パラメータの校正作業も毎日のように行う必要があり、日々の校正作業の手間や時間の削減が望まれていた。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、測定アームのパラメータの校正作業に要する手間や時間を削減することのできる多関節型座標測定装置のパラメータ校正方法を提供することを目的とする。
本発明の多関節型座標測定装置のパラメータ校正方法は、多関節型の測定アームを操作して、前記測定アームの一端に取り付けられたプローブを測定対象物上の測定点に近づけて、前記測定点の空間座標を測定する多関節型座標測定装置におけるパラメータ校正方法であって、複数の一次校正基準部を有する一次標準器を、前記測定アームの操作空間内に設置し、前記測定アームを操作して前記プローブを前記一次校正基準部に近づけて、複数のアーム姿勢で前記一次校正基準部の各々の空間座標を測定し、前記複数のアーム姿勢は、校正対象のパラメータ群のうち、所定期間が経過したときにパラメータ誤差が所定基準より大きくなる特性を有する一次校正パラメータに対応しており、前記一次校正基準部の測定結果に基づいて、前記一次校正パラメータについてのパラメータ校正処理を行い、前記一次校正基準部より少数の二次校正基準部を有する二次標準器を、前記測定アームの操作空間内に設置し、前記測定アームを操作して前記プローブを前記二次校正基準部に近づけて、前記複数のアーム姿勢より少数のアーム姿勢で前記二次校正基準部の各々の空間座標を測定し、前記少数のアーム姿勢は、前記一次校正パラメータのうち、前記所定期間より短い期間が経過したときにパラメータ誤差が前記所定基準より大きくなる特性を有する二次校正パラメータに対応しており、前記二次校正基準部の測定結果に基づいて、前記二次校正パラメータについてのパラメータ校正処理を行うものである。
測定アームのパラメータの校正を行うときには、まず、校正対象であるすべてのパラメータ(パラメータ群)のうち、所定期間が経過したときにパラメータ誤差が所定基準より大きくなる特性を有するパメメータ(一次校正パラメータ)についてパラメータ校正処理を行い、次に、その一次校正パラメータのうち、所定期間より短い期間が経過したときにパラメータ誤差が所定基準より大きくなる特性を有するパラメータ(二次校正パラメータ)についてパラメータ校正処理を行う。したがって、経時的に変化するパラメータ(一次校正パラメータと二次校正パラメータ)についてのみ校正処理を行えば済み、すべてのパラメータについて校正処理を行わずに済む。これにより、日常的に(例えば、毎日、毎週、毎月)パラメータ校正作業を行うユーザにとって、測定アームのパラメータの校正作業に要する手間や時間を削減することができる。また、経時的な変化の大きい二次校正パラメータ(例えば、毎日の誤差が大きいパラメータ)については、従来のように一度のパラメータ校正だけでは不十分であることもある。この場合、そのようなパラメータに対して、もう一度、パラメータ校正が行われる。このように、校正が必要なパラメータを絞り込んで重点的に校正行うことにより、効率よくパラメータ校正を行うことができる。すなわち、各パラメータの特性を考慮して、経時的な変化に応じた重み付けをしたパラメータ校正を行うことができる。この場合、二次校正で測定する二次校正基準部の数は、一次校正で測定する一次校正基準部の数より少なく、また、二次校正基準部を測定するときのアーム姿勢の数も、一次校正基準部を測定するときのアーム姿勢の数より少ない。つまり、二次校正作業は、一次校正作業より簡易であり、したがって、二次校正作業に要する手間や時間は、一次校正作業に比べて少なくて済む。
また、本発明の多関節型座標測定装置のパラメータ校正方法では、前記多関節型の測定アームは、一端に前記プローブが取り付けられるプローブ取付け部材と、前記プローブ取付け部材に連結される第1リンクと、前記第1リンクに対する前記プローブ取付け部材の曲げ動作を提供する第1関節と、前記第1リンクに対する前記プローブ取付け部材のねじり動作を提供する第2関節とを備え、前記プローブ取付け部を縦にした状態で、前記プローブを前記一次校正基準部または前記二次校正基準部に近づけたまま、前記第2関節をねじり方向に回転させて、前記第1リンクをねじり回転させたときに、複数のアーム姿勢で前記一次校正基準部または前記二次校正基準部の空間座標を測定してもよい。
上記の複数のアーム姿勢は、測定アームの第1関節のパラメータに対応する。測定アームの第1関節は、測定時などにストレスを加えられることが多く、第1関節の回転角度のパラメータは、経時的な変化が大きいパラメータ(例えば、毎日の誤差が大きいパラメータ)である。このようなパラメータを絞り込んで重点的に校正行うことにより、パラメータ誤差を小さく抑えることができる。
また、本発明の多関節型座標測定装置のパラメータ校正方法では、前記多関節型の測定アームは、一端に前記プローブが取り付けられるプローブ取付け部材と、前記プローブ取付け部材に連結される第1リンクと、前記第1リンクに対する前記プローブ取付け部材の曲げ動作を提供する第1関節と、前記第1リンクに対する前記プローブ取付け部材のねじり動作を提供する第2関節とを備え、前記プローブ取付け部を横にした状態から、前記プローブを前記一次校正基準部または前記二次校正基準部に近づけたまま、前記第1関節を曲げ方向に回転させて、前記プローブ取付け部を縦平面に沿って回転させたときに、複数のアーム姿勢で前記一次校正基準部または前記二次校正基準部の空間座標を測定してもよい。
上記の複数のアーム姿勢は、測定アームの第1関節のパラメータに対応する。測定アームの第1関節は、測定時などにストレスを加えられることが多く、第1関節の回転角度のパラメータは、経時的な変化が大きいパラメータ(例えば、毎日の誤差が大きいパラメータ)である。このようなパラメータを絞り込んで重点的に校正行うことにより、パラメータ誤差を小さく抑えることができる。
また、本発明の多関節型座標測定装置のパラメータ校正方法では、前記多関節型の測定アームは、一端に前記プローブが取り付けられるプローブ取付け部材と、前記プローブ取付け部材に連結される第1リンクと、前記第1リンクに対する前記プローブ取付け部材の曲げ動作を提供する第1関節と、前記第1リンクに対する前記プローブ取付け部材のねじり動作を提供する第2関節とを備え、前記プローブ取付け部を横にした状態から、前記プローブを前記一次校正基準部または前記二次校正基準部に近づけたまま、前記第2関節をねじり方向に回転させて、前記プローブ取付け部を横平面に沿って回転させたときに、複数のアーム姿勢で前記一次校正基準部または前記二次校正基準部の空間座標を測定してもよい。
上記の複数のアーム姿勢は、測定アームの第1関節と第2関節のパラメータに対応する。測定アームの第1関節と第2関節は、測定時などにストレスを加えられることが多く、第1関節と第2関節の回転角度のパラメータは、経時的な変化が大きいパラメータ(例えば、毎日の誤差が大きいパラメータ)である。このようなパラメータを絞り込んで重点的に校正行うことにより、パラメータ誤差を小さく抑えることができる。
また、本発明の多関節型座標測定装置のパラメータ校正方法では、前記多関節型の測定アームは、一端に前記プローブが取り付けられるプローブ取付け部材と、前記プローブ取付け部材に連結される第1リンクと、前記第1リンクに連結され支持部材に取り付けられる第2リンクと、前記第2リンクに対する前記第1リンクのねじり動作を提供する第4関節と、前記支持部材に対する前記第2リンクの曲げ動作を提供する第5関節と、前記支持部材に対する前記第2リンクのねじり動作を提供する第6関節とを備え、前記プローブ取付け部を縦にした状態で、前記プローブを前記一次校正基準部または前記二次校正基準部に近づけたまま、前記第4関節と前記第6関節をねじり方向に回転させて、前記第1リンクを横方向に倒したときに、複数のアーム姿勢で前記一次校正基準部または前記二次校正基準部の空間座標を測定してもよい。
上記の複数のアーム姿勢は、測定アームの第4関節と第5関節と第6関節のパラメータに対応する。測定アームの第4関節と第5関節と第6関節は、測定時などにストレスを加えられることが多く、第4関節と第5関節と第6関節の回転角度のパラメータは、経時的な変化が大きいパラメータ(例えば、毎日の誤差が大きいパラメータ)である。このようなパラメータを絞り込んで重点的に校正行うことにより、パラメータ誤差を小さく抑えることができる。
また、本発明の多関節型座標測定装置のパラメータ校正方法では、前記パラメータ校正処理は、測定によって得られた座標値を、前記一次校正パラメータまたは前記二次校正パラメータで偏微分したときの偏微分値を成分とする行列をP行列とし、測定によって得られた座標値を、測定アームの座標系を標準器の座標系に変換する座標変換ベクトルのベクトル成分で偏微分したときの偏微分値を成分とする行列をR行列としたときに、前記P行列と前記R行列を用いた行列を計画行列として、最小二乗法によるパラメータ推定処理を行ってもよい。
測定アームの座標系を標準器の座標系に変換する座標変換ベクトルを用いるとともに、計画行列を利用した最小二乗法を用いることにより、測定アームの正しいパラメータ値を推定することができる。
本発明のパラメータ校正案内装置は、ユーザに対して、多関節型座標測定装置のパラメータ校正のための案内を行うパラメータ校正案内装置であって、前記案内は、前記ユーザに、複数の一次校正基準部を有する一次標準器を、前記測定アームの操作空間内に設置させるための案内と、前記測定アームを操作して前記プローブを前記一次校正基準部に近づけて、複数のアーム姿勢で前記一次校正基準部の各々の空間座標を測定させるための案内と、前記複数のアーム姿勢は、校正対象のパラメータ群のうち、所定期間が経過したときにパラメータ誤差が所定基準より大きくなる特性を有する一次校正パラメータに対応しており、前記一次校正基準部の測定結果に基づいて、前記一次校正パラメータについてのパラメータ校正処理を、コンピュータに実行させるための案内と、前記一次校正基準部より少数の二次校正基準部を有する二次標準器を、前記測定アームの操作空間内に設置させるための案内と、前記測定アームを操作して前記プローブを前記二次校正基準部に近づけて、前記複数のアーム姿勢より少数のアーム姿勢で前記二次校正基準部の各々の空間座標を測定させるための案内と、前記少数のアーム姿勢は、前記一次校正パラメータのうち、前記所定期間より短い期間が経過したときにパラメータ誤差が前記所定基準より大きくなる特性を有する二次校正パラメータに対応しており、前記二次校正基準部の測定結果に基づいて、前記二次校正パラメータについてのパラメータ校正処理を、コンピュータに実行させるための案内と、を含むものである。
ユーザは、この案内装置から提供される案内に従って校正作業を進めることにより、上述のパラメータ校正方法を作業手順に沿って容易に行うことができる。これにより、測定アームのパラメータの校正作業に要する手間や時間を削減することができる。
本発明のパラメータ校正用の案内プログラムは、ユーザに対して、多関節型座標測定装置のパラメータ校正のための案内を行うための案内プログラムであって、コンピュータに、複数の一次校正基準部を有する一次標準器を、前記測定アームの操作空間内に設置させる案内を前記ユーザに対して行う手順と、前記測定アームを操作して前記プローブを前記一次校正基準部に近づけて、複数のアーム姿勢で前記一次校正基準部の各々の空間座標を測定させる案内を前記ユーザに対して行う手順と、前記複数のアーム姿勢は、校正対象のパラメータ群のうち、所定期間が経過したときにパラメータ誤差が所定基準より大きくなる特性を有する一次校正パラメータに対応しており、前記一次校正基準部の測定結果に基づいて、前記一次校正パラメータについてのパラメータ校正処理を行う手順と、前記一次校正基準部より少数の二次校正基準部を有する二次標準器を、前記測定アームの操作空間内に設置させる案内を前記ユーザに対して行う手順と、前記測定アームを操作して前記プローブを前記二次校正基準部に近づけて、前記複数のアーム姿勢より少数のアーム姿勢で前記二次校正基準部の各々の空間座標を測定させる案内を前記ユーザに対して行う手順と、前記少数のアーム姿勢は、前記一次校正パラメータのうち、前記所定期間より短い期間が経過したときにパラメータ誤差が前記所定基準より大きくなる特性を有する二次校正パラメータに対応しており、前記二次校正基準部の測定結果に基づいて、前記二次校正パラメータについてのパラメータ校正処理を行う手順と、を実行させるものである。
ユーザは、この案内プログラムから提供される案内に従って校正作業を進めることにより、上述のパラメータ校正方法を作業手順に沿って容易に行うことができる。これにより、測定アームのパラメータの校正作業に要する手間や時間を削減することができる。
本発明の多関節型座標測定装置のパラメータ校正方法によれば、測定アームのパラメータの校正作業に要する手間や時間を削減することができる。また、測定アームのパラメータの特性を考慮して、経時的な変化に応じた重み付けをしたパラメータ校正を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態の多関節型座標測定装置のパラメータ校正方法について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、パラメータ校正案内装置のHDDやメモリに格納された案内プログラムによって、ユーザがパラメータ校正方法を行う場合を例示する。
図1は、本実施形態に係る多関節型座標測定装置の一例の外観を示す図である。図1に示すように、多関節型座標測定装置1の測定アーム2は、プローブ3が取り付けられるプローブ取付け部4(第1アームともいう)と、前記プローブ取付け部4に連結される第1リンク5(第2アームともいう)と、前記第1リンク5に連結される第2リンク6(第3アームともいう)と、No.1〜No.6の6個の関節7〜12を備えている。
図2は、測定アーム2の各関節の回転方向を説明するための図である。図2に示すように、No.1関節7(手首関節ともいう)は、第1リンク5に対するプローブ取付け部4の曲げ動作(図2のA軸周りの回転)を提供し、No.2関節8は、第1リンク5に対するプローブ取付け部4のねじり動作(図2のB軸周りの回転)を提供する。No.3関節9(肘関節ともいう)は、第2リンク6に対する第1リンク5の曲げ動作(図2のC軸周りの回転)を提供し、No.4関節10は、第2リンク6に対する第1リンク5のねじり動作(図2のD軸周りの回転)を提供する。No.5関節11(肩関節ともいう)は、支柱13に対する第2リンク6の曲げ動作(図2のE軸周りの回転)を提供し、No.6関節12は、支柱13に対する第2リンク6のねじり動作(図2のF軸周りの回転)を提供する。
ここでは、No.1関節7が、本発明の第1関節に相当し、No.2関節8が、本発明の第2関節に相当する。また、No.4関節10が、本発明の第4関節に相当し、No.6関節12が、本発明の第6関節に相当する。
測定アーム2のNo.1〜No.6の各関節には、ロータリーエンコーダ等の角度センサ(図示せず)が内蔵されており、それぞれの軸周りの回転角度が検出される。No.2、No.4、No.6関節12のねじり動作は、回転角度に限界があってもよいし、エンドレスに回転するものであっても良い。
図1に示すように、支柱13は、移動可能な台14に据え付けられており、台14には、専用プロセッサ15と、コンピュータ16が、備え付けられている。専用プロセッサ15は、各関節のロータリーエンコーダと有線または無線で接続されており、各ロータリーエンコーダの角度情報が、専用プロセッサ15に入力されるようになっている。専用プロセッサ15は、入力される各関節の角度と、各部材の固定的な位置関係(リンクやプローブの長さ等を含む)とに基づいて、プローブ3の先端の(X,Y,Z)座標を算出することができる。コンピュータ16では、様々なアプリケーションプログラムを起動実行することができ、専用プロセッサ15で算出された空間座標値が、そのアプリケーションプログラムに入力される。
また、コンピュータ16のHDDやメモリ内(図示せず)には、パラメータ校正用の案内プログラムが格納されている。ユーザが案内プログラムを実行すると、コンピュータ16のディスプレイ17に後述する案内画面が表示される。ここでは、このコンピュータ16が、本発明のパラメータ校正案内装置に相当する。
測定アーム2のプローブ取付け部4には、様々な種類のプローブ3を取り付けることができる。プローブ3の種類には、プローブ先端を測定対象物に接触させて、プローブ先端の空間座標を求める接触型プローブや、プローブ先端を測定対象物に接触させずに、赤外線レーザ等を用いて測定対象物の空間座標を求める非接触型プローブがある。つまり、この測定アーム2のプローブ取付け部4は、様々なプローブ3を付け替え可能であるともいえる。
測定アーム2のパラメータ校正を行うときには、例えば、テーパ状の凹部18を有する先端を被測定物の球面に接触させて、球中心の座標を求めるテーパプローブ3Aが使用される(図4参照)。あるいは、ボール状の凸部19を有する先端を被測定物の凹部に接触させて、球中心の座標を求めるボールプローブ3Bが使用される(図7参照)。
また、測定アーム2のパラメータ校正を行うときには、プローブ3の種類に応じて、様々な種類の標準器20(ゲージともいう)が用いられる。
図3は、テーパプローブ用の標準器の一例を示す図である。図3の標準器20A(テーパプローブ用の専用ゲージともいう)は、基台21の上に3つの小球22がそれぞれ異なる高さで設けられている。3つの小球22の直径および中心間の距離は、精密な測定装置(図示せず)によって予め測定されている。これらの小球22の直径および中心間の距離の情報は、測定アーム2のパラメータの校正を行うときに用いられる。
図4は、テーパプローブ用の標準器の他の例を示す図である。図4の標準器20B(テーパプローブ用のバーゲージともいう)は、バー23の両端に2つの小球22が設けられている。2つの小球22の直径および中心間の距離は、精密な測定装置(図示せず)によって予め測定されている。これらの小球22の直径および中心間の距離の情報は、測定アーム2のパラメータの校正を行うときに用いられる。
図5は、テーパプローブ用の標準器の他の例を示す図である。図5の標準器20C(テーパプローブ用の簡易ゲージともいう)は、基台21の上に1つの小球22が設けられている。この小球22の直径は、精密な測定装置(図示せず)によって予め測定されている。小球22の直径の情報は、測定アーム2のパラメータの校正を行うときに用いられる。
本実施の形態では、一次校正を行うために2つの小球22を測定し、二次校正を行うために1つの小球22を測定する。したがって、ここでは、一次校正のために測定する2つの小球22が、本発明の一次校正基準部に相当し、二次校正のために測定する1つの小球22が、本発明の二次校正基準部に相当する。
そして、一次校正基準部(一次校正のための2つの小球22)を有する標準器20が、本発明の一次標準器に相当し、二次校正基準部(二次校正のための1つの小球22)を有する標準器20が、本発明の二次標準器に相当する。したがって、例えば、図3の標準器20Aが、本発明の一次標準器に相当すると、図4または図5の標準器20B、20Cが、本発明の二次標準器に相当する。また、図4の標準器20Bが、本発明の一次標準器に相当すると、図5の標準器20Cが、本発明の二次標準器に相当する。
ただし、一つの標準器20が、本発明の一次校正基準部と二次校正基準部を両方とも備えている場合には、本発明の一次標準器と二次標準器として同じ標準器20を兼用してもよい。例えば、図3の標準器20Aでは、3つの小球22のうちの2つの小球22を、本発明の一次校正基準部として用い、残りの1つの小球22を、本発明の二次校正基準部として用いることも可能である。そうすると、図3の標準器20Aは、本発明の一次標準器と二次標準器の両方に相当するともいえる。その場合には、二次標準器を設置する作業工程が不要になり、測定アーム2のパラメータの校正作業に要する手間や時間をさらに削減することができる。
図6は、ボールプローブ用の標準器の一例を示す図である。図6の標準器20D(ボールプローブ用の専用ゲージともいう)は、基台21の上に3つの凹部24(V座ともいう)がそれぞれ異なる高さで設けられている。3つの凹部24の中心点の座標および中心間の距離は、精密な測定装置(図示せず)によって予め測定されている。これらの凹部24の中心点の座標および中心間の距離の情報は、測定アーム2のパラメータの校正を行うときに用いられる。
図7は、ボールプローブ用の標準器の他の例を示す図である。図7の標準器20E(ボールプローブ用の簡易ゲージともいう)は、基台21の上に1つの凹部24(V座)が設けられている。この凹部24の中心点の座標は、精密な測定装置(図示せず)によって予め測定されている。凹部24の中心点の座標の情報は、測定アーム2のパラメータの校正を行うときに用いられる。
この場合、一次校正を行うために2つの凹部24(V座)を測定し、二次校正を行うために1つの凹部24(V座)を測定する。したがって、ここでは、一次校正のために測定する2つの凹部24が、本発明の一次校正基準部に相当し、二次校正のために測定する1つの凹部24が、本発明の二次校正基準部に相当する。
したがって、上記と同様、図6の標準器20Dが、本発明の一次標準器に相当し、図7の標準器20Eが、本発明の二次標準器に相当する。また、図6の標準器20Dは、図3の標準器20Aと同様、本発明の一次標準器と二次標準器の両方を兼ねることもできる。
専用プロセッサ15では、一次校正基準部(例えば2つの小球22)や二次校正基準部(例えば1つの小球22)の測定結果に基づいて、測定アーム2のパラメータの校正処理が行われる。本実施の形態では、測定アーム2の座標系を標準器の座標系に変換する座標変換ベクトルを用いるとともに、計画行列を利用した最小二乗法を用いることにより、測定アーム2の正しいパラメータ値の推定が行われる。
より具体的には、P行列とR行列を用いた行列を計画行列として、最小二乗法によるパラメータ推定処理が行われる。ここでは、一次校正基準部や二次校正基準部の測定によって得られた座標値を、一次校正パラメータまたは二次校正パラメータで偏微分したときの偏微分値を成分とする行列をP行列とする。また、一次校正基準部や二次校正基準部の測定によって得られた座標値を、測定アーム2の座標系を標準器20の座標系に変換する座標変換ベクトルのベクトル成分で偏微分したときの偏微分値を成分とする行列をR行列とする。なお、本実施の形態で用いるパラメータ校正処理の基本理論については、特許文献2(特開2005−157782)に詳述されている。
本実施の形態のパラメータ校正方法の特徴は、すべてのパラメータについて校正処理を行うのではなく、その一部のパラメータについてのみ校正処理を行う点にある。より詳細には、まず、すべてのパラメータの一部である一次校正パラメータについて一次的に校正処理を行い、次に、その一次校正パラメータの一部である二次校正パラメータについて二次的に校正処理を行うことが特徴の一つである。そこで、一次校正パラメータと二次校正パラメータについて説明する。
図8は、一次校正パラメータと二次校正パラメータを概念的に示した図である。図8に示すように、校正対象のパラメータ群(すべてのパラメータ)の中には、所定期間が経過したときにパラメータ誤差が所定基準より大きくなる特性を有するパラメータ(一次校正パラメータ)が含まれており、その一次校正パラメータの中には、所定期間より短い期間が経過したときにパラメータ誤差が所定基準より大きくなる特性を有するパラメータ(二次校正パラメータ)が含まれている。ここで、所定基準とは、「不確かさ」の基準であり、例えば、「計測に関わる国際機関」が1993年にまとめた「Guide to the expression of uncertainty in measurement」によって定義された測定誤差に代わる指標などである。
また、所定期間とは、例えば1月や1週間であり、所定期間より短い期間とは、例えば1日である。すなわち、所定期間(例えば、1月や1週間)が経過すると、その間のユーザの使用に起因するストレス等によりパラメータに誤差が生じるようなパラメータが、一次校正パラメータに該当し、それより短い期間(例えば、1日)経過しただけでも、パラメータに誤差が生じるようなパラメータが、二次校正パラメータに該当する。つまり、二次校正パラメータは、一次校正パラメータよりも経時的な変化が大きいともいえる。
具体的には、測定アーム2のNo.1関節7やNo.2関節8は、測定時などにストレスを加えられることが多く、No.1関節7やNo.2関節8の回転角度のパラメータは、経時的な変化が大きい二次校正パラメータ(例えば、毎日、誤差が生じるパラメータ)である。
また、測定アーム2のNo.4関節10やNo.6関節12は、測定時などにストレスを加えられることが多く、No.4関節10やNo.6関節12の回転角度のパラメータは、経時的な変化が大きい二次校正パラメータ(例えば、毎日、誤差が生じるパラメータ)である。
この場合、測定アーム2のNo.3関節9やNo.5関節11は、測定時などにストレスを加えられることがあり、No.3関節9やNo.5関節11の回転角度のパラメータは、経時的な変化が生じる一次校正パラメータ(例えば、毎月や毎週、誤差が生じるパラメータ)である。
以上のように構成された多関節型座標測定装置1のパラメータ校正方法について、図9〜図22を用いて説明する。ここでは、コンピュータ16のディスプレイ17に表示される案内に従って、ユーザが測定アーム2のパラメータ校正を行うときの動作を説明する。ユーザがコンピュータ16の案内プログラムを実行すると、コンピュータ16のディスプレイ17には、図9〜図22に示すような案内画面が表示される。図9〜図22に示した案内画面の例では、アーム姿勢を説明するための案内図が表示されているが、これらの案内図とともに、作業内容を説明するための案内文が表示されてもよい。
(一次校正パラメータの校正)
まず、本実施の形態の多関節型座標測定装置1において、測定アーム2の一次校正パラメータの校正を行うときの動作を説明する。ここでは、図3に示した標準器20Aを用いてパラメータ校正を行う場合を例示する。
一次校正パラメータの校正用の案内プログラムが実行されると、まず、コンピュータ16のディスプレイ17には、測定アーム2の操作空間内の所定位置に標準器20Aを設置するような案内画面(図示せず)が表示される。このとき、ディスプレイ17には、例えば「標準器を定盤上に設置してください。標準器は測定装置を正面に見て、ボールaとボールbが左右に並ぶように設置してください。ボールcは使用しません。」などの案内文が一緒に表示されてもよい。ユーザは、ディスプレイ17に表示された案内に従って、測定アーム2の操作空間内の所定位置に標準器20Aを設置する。
次に、コンピュータ16のディスプレイ17には、図9〜図22に示すような複数のアーム姿勢で、標準器20Aの小球22の空間座標を測定するような案内が表示される。
本実施の形態では、まず、ボールaについて複数のアーム姿勢で空間座標の測定を行う。この場合、コンピュータ16のディスプレイ17には、図9に示すように、測定アーム2を操作して、所定のアーム姿勢Aでボールaの空間座標を測定するような案内画面が表示される。このとき、ディスプレイ17には、例えば「No.2関節とNo.4関節が初期位置であることを確認し、No.1関節もほぼ初期位置に合わせ、プローブ取付け部を立ててください。No.2関節のみを180°回転させながら、アーム姿勢1〜10で等間隔にボールaを10点測定してください。常にプローブ取付け部が立てられた状態であることに注意してください。」などの案内文が一緒に表示されてもよい。ユーザは、ディスプレイ17に表示された案内に従って、測定アーム2を操作してアーム姿勢A(アーム姿勢1〜10)でボールaの空間座標を10点測定する。
次に、コンピュータ16のディスプレイ17には、図10に示すように、測定アーム2を操作して、所定のアーム姿勢Bでボールaの空間座標を測定するような案内画面が表示される。このとき、ディスプレイ17には、例えば「No.2関節とNo.4関節がほぼ初期位置であることを確認し、No.1関節を90°回転させ、測定装置側からプローブ取付け部を水平にし、ボールaにプローブを当ててください。No.1関節を180°回転させながらプローブ取付け部を縦方向に回し、アーム姿勢11〜20で等間隔にボールaを10点測定してください。アーム姿勢11とアーム姿勢20では、プローブ取付け部が水平になっていることに注意してください。」などの案内文が一緒に表示されてもよい。ユーザは、ディスプレイ17に表示された案内に従って、測定アーム2を操作してアーム姿勢B(アーム姿勢11〜20)でボールaの空間座標を10点測定する。
続いて、コンピュータ16のディスプレイ17には、図11に示すように、測定アーム2を操作して、所定のアーム姿勢Cでボールaの空間座標を測定するような案内画面が表示される。このとき、ディスプレイ17には、例えば「No.4関節がほぼ初期位置であることを確認し、No.2関節を時計回り方向に90°回転させてください。No.1関節を90°回転させ、プローブ取付け部を水平にし、左側からボールaにプローブを当ててください。No.2関節を180°回転させながらプローブ取付け部を横方向に回し、アーム姿勢21〜30で等間隔にボールaを10点測定してください。アーム姿勢30では、右側からボールaにプローブが当たっていることに注意してください。」などの案内文が一緒に表示されてもよい。ユーザは、ディスプレイ17に表示された案内に従って、測定アーム2を操作してアーム姿勢C(アーム姿勢21〜30)でボールaの空間座標を10点測定する。
次に、コンピュータ16のディスプレイ17には、図12に示すように、測定アーム2を操作して、所定のアーム姿勢Dでボールaの空間座標を測定するような案内画面が表示される。このとき、ディスプレイ17には、例えば「No.2関節とNo.4関節をほぼ初期位置とし、No.1関節を90°回転させてください。プローブ取付け部を水平にし、測定装置側からボールaにプローブを当てて、アーム姿勢31でボールaを1点測定してください。」などの案内文が一緒に表示されてもよい。ユーザは、ディスプレイ17に表示された案内に従って、測定アーム2を操作してアーム姿勢D(アーム姿勢31)でボールaの空間座標を1点測定する。
続いて、コンピュータ16のディスプレイ17には、図13に示すように、測定アーム2を操作して、所定のアーム姿勢Eでボールaの空間座標を測定するような案内画面が表示される。このとき、ディスプレイ17には、例えば「アーム姿勢31から、No.2関節を180°回転させてください。No.4関節をほぼ初期位置とし、No.1関節を90°回転させてください。プローブ取付け部を水平にし、測定装置側からボールaにプローブを当てて、アーム姿勢32でボールaを1点測定してください。」などの案内文が一緒に表示されてもよい。ユーザは、ディスプレイ17に表示された案内に従って、測定アーム2を操作してアーム姿勢E(アーム姿勢32)でボールaの空間座標を1点測定する。
次に、コンピュータ16のディスプレイ17には、図14に示すように、測定アーム2を操作して、所定のアーム姿勢Fでボールaの空間座標を測定するような案内画面が表示される。このとき、ディスプレイ17には、例えば「No.4関節がほぼ初期位置であることを確認し、No.2関節を初期位置から時計回り方向に90°回転させてください。No.1関節を90°回転させ、プローブ取付け部を水平にし、左側からボールaにプローブを当てて、アーム姿勢33でボールaを1点測定してください。」などの案内文が一緒に表示されてもよい。ユーザは、ディスプレイ17に表示された案内に従って、測定アーム2を操作してアーム姿勢F(アーム姿勢33)でボールaの空間座標を1点測定する。
続いて、コンピュータ16のディスプレイ17には、図15に示すように、測定アーム2を操作して、所定のアーム姿勢Gでボールaの空間座標を測定するような案内画面が表示される。このとき、ディスプレイ17には、例えば「アーム姿勢33から、No.2関節を180°回転させてください。No.4関節をほぼ初期位置とし、No.1関節を90°回転させてください。プローブ取付け部を水平にし、左側からボールaにプローブを当てて、アーム姿勢34でボールaを1点測定してください。」などの案内文が一緒に表示されてもよい。ユーザは、ディスプレイ17に表示された案内に従って、測定アーム2を操作してアーム姿勢G(アーム姿勢34)でボールaの空間座標を1点測定する。
次に、コンピュータ16のディスプレイ17には、図16に示すように、測定アーム2を操作して、所定のアーム姿勢Hでボールaの空間座標を測定するような案内画面が表示される。このとき、ディスプレイ17には、例えば「No.2関節とNo.4関節をほぼ初期位置とし、No.1関節を90°回転させてください。プローブ取付け部を水平にし、測定装置の反対側からボールaにプローブを当てて、アーム姿勢35でボールaを1点測定してください。」などの案内文が一緒に表示されてもよい。ユーザは、ディスプレイ17に表示された案内に従って、測定アーム2を操作してアーム姿勢H(アーム姿勢35)でボールaの空間座標を1点測定する。
続いて、コンピュータ16のディスプレイ17には、図17に示すように、測定アーム2を操作して、所定のアーム姿勢Iでボールaの空間座標を測定するような案内画面が表示される。このとき、ディスプレイ17には、例えば「アーム姿勢35から、No.2関節を180°回転させてください。No.4関節をほぼ初期位置とし、No.1関節を90°回転させてください。プローブ取付け部を水平にし、測定装置の反対側からボールaにプローブを当てて、アーム姿勢36でボールaを1点測定してください。」などの案内文が一緒に表示されてもよい。ユーザは、ディスプレイ17に表示された案内に従って、測定アーム2を操作してアーム姿勢I(アーム姿勢36)でボールaの空間座標を1点測定する。
次に、コンピュータ16のディスプレイ17には、図18に示すように、測定アーム2を操作して、所定のアーム姿勢Jでボールaの空間座標を測定するような案内画面が表示される。このとき、ディスプレイ17には、例えば「No.4関節がほぼ初期位置であることを確認し、No.2関節を初期位置の位置から反時計回り方向に90°回転させてください。No.1関節を90°回転させ、プローブ取付け部を水平にし、右側からボールaにプローブを当てて、アーム姿勢37でボールaを1点測定してください。」などの案内文が一緒に表示されてもよい。ユーザは、ディスプレイ17に表示された案内に従って、測定アーム2を操作してアーム姿勢J(アーム姿勢37)でボールaの空間座標を1点測定する。
続いて、コンピュータ16のディスプレイ17には、図19に示すように、測定アーム2を操作して、所定のアーム姿勢Kでボールaの空間座標を測定するような案内画面が表示される。このとき、ディスプレイ17には、例えば「アーム姿勢37から、No.2関節を180°回転させてください。No.4関節をほぼ初期位置とし、No.1関節を90°回転させてください。プローブ取付け部を水平にし、右側からボールaにプローブを当てて、アーム姿勢38でボールaを1点測定してください。」などの案内文が一緒に表示されてもよい。ユーザは、ディスプレイ17に表示された案内に従って、測定アーム2を操作してアーム姿勢K(アーム姿勢38)でボールaの空間座標を1点測定する。
次に、コンピュータ16のディスプレイ17には、図20に示すように、測定アーム2を操作して、所定のアーム姿勢Lでボールaの空間座標を測定するような案内画面が表示される。このとき、ディスプレイ17には、例えば「アーム姿勢1から、No.4関節を回転させて、第1リンクおよび第2リンクを左側に倒しながら、アーム姿勢39〜48で等間隔にボールaを10点測定してください。アーム姿勢48で、第1リンクがほぼ水平になります。このとき、プローブ取付け部は常に垂直に保たれていることに注意してください。」などの案内文が一緒に表示されてもよい。ユーザは、ディスプレイ17に表示された案内に従って、測定アーム2を操作してアーム姿勢L(アーム姿勢39〜48)でボールaの空間座標を10点測定する。
続いて、コンピュータ16のディスプレイ17には、図21に示すように、測定アーム2を操作して、所定のアーム姿勢Mでボールaの空間座標を測定するような案内画面が表示される。このとき、ディスプレイ17には、例えば「アーム姿勢1から、No.4関節を回転させて、第1リンクおよび第2リンクを右側に倒しながら、アーム姿勢49〜58で等間隔にボールaを10点測定してください。アーム姿勢58で、第1リンクがほぼ水平になります。このとき、プローブ取付け部は常に垂直に保たれていることに注意してください。」などの案内文が一緒に表示されてもよい。ユーザは、ディスプレイ17に表示された案内に従って、測定アーム2を操作してアーム姿勢M(アーム姿勢49〜58)でボールaの空間座標を10点測定する。
以上で、ボールaについての空間座標の測定を終了する。次に、ボールbについて複数のアーム姿勢で空間座標の測定を行う。
まず、コンピュータ16のディスプレイ17には、上述のアーム姿勢AおよびBと同様のアーム姿勢A’およびB’(アーム姿勢1’〜20’)でボールbの空間座標を測定するような案内が表示される(図9および図10参照)。ユーザは、ディスプレイ17に表示された案内に従って、アーム姿勢A’およびB’(アーム姿勢1’〜20’)でボールbの空間座標を測定する。
次に、コンピュータ16のディスプレイ17には、図22に示すように、測定アーム2を操作して、所定のアーム姿勢C’でボールbの空間座標を測定するような案内画面が表示される。このとき、ディスプレイ17には、例えば「No.2関節とNo.4関節がほぼ初期位置であることを確認し、No.1関節を90°回転させ、プローブ取付け部を水平にし、測定装置側からボールbにプローブを当ててください。No.2関節を180°回転させ、プローブ取付け部を横方向に回しながら、アーム姿勢21’〜30’で等間隔にボールbを10点測定してください。アーム姿勢30’では、測定装置の反対側からプローブが水平に当たっていることに注意してください。」などの案内文が一緒に表示されてもよい。ユーザは、ディスプレイ17に表示された案内に従って、測定アーム2を操作してアーム姿勢C’(アーム姿勢21’〜30’)でボールbの空間座標を10点測定する。
続いて、コンピュータ16のディスプレイ17には、上述のアーム姿勢D〜Mと同様のアーム姿勢D’〜M’(アーム姿勢31’〜58’)でボールbの空間座標を測定するような案内が表示される(図12〜21参照)。ユーザは、ディスプレイ17に表示された案内に従って、アーム姿勢D’〜M’(アーム姿勢31’〜58’)でボールbの空間座標を測定する。
以上で、ボールbについての空間座標の測定を終了する。
最後に、コンピュータ16のディスプレイ17には、標準器20Aのボールa、bの測定結果に基づいて、一次校正パラメータについてのパラメータ校正処理を専用プロセッサ15に実行させるような案内画面(図示せず)が表示される。このとき、ディスプレイ17には、例えば「CALボタンをクリックすると、計算を開始します。CALボタンをクリックせずに、ダイアログを閉じると、始めから測定のやり直しになります。」などの案内文が一緒に表示されてもよい。ユーザは、ディスプレイ17に表示された案内に従って、CALボタンをクリックし、専用プロセッサ15に一次校正パラメータについてのパラメータ校正処理を実行させる。
(二次校正パラメータの校正)
次に、本実施の形態の多関節型座標測定装置1において、測定アーム2の二次校正パラメータの校正を行うときの動作を説明する。ここでは、図6に示した標準器20Cを用いてパラメータ校正を行う場合を例示する。
二次校正パラメータの校正用の案内プログラムが実行されると、まず、コンピュータ16のディスプレイ17には、測定アーム2の操作空間内の所定位置に標準器20Cを設置するような案内画面(図示せず)が表示される。このとき、ディスプレイ17には、例えば「標準器を定盤上に設置してください。標準器は測定装置を正面に設置してください。」などの案内文が一緒に表示されてもよい。ユーザは、ディスプレイ17に表示された案内に従って、測定アーム2の操作空間内の所定位置に標準器20Cを設置する。
次に、コンピュータ16のディスプレイ17には、上述のアーム姿勢A〜C、L、Mと同様のアーム姿勢A”〜C”、L”、M”(アーム姿勢1”〜30”、39”〜48”、48”〜58”)でボールの空間座標を測定するような案内が表示される(図9〜11、図20、図21参照)。ユーザは、ディスプレイ17に表示された案内に従って、アーム姿勢A”〜C”、L”、M”(アーム姿勢1”〜30”、39”〜48”、48”〜58”)でボールの空間座標を測定する。
最後に、コンピュータ16のディスプレイ17には、標準器20Cのボールの測定結果に基づいて、二次校正パラメータについてのパラメータ校正処理を専用プロセッサ15に実行させるような案内画面(図示せず)が表示される。このとき、ディスプレイ17には、例えば「CALボタンをクリックすると、計算を開始します。CALボタンをクリックせずに、ダイアログを閉じると、始めから測定のやり直しになります。」などの案内文が一緒に表示されてもよい。ユーザは、ディスプレイ17に表示された案内に従って、CALボタンをクリックし、専用プロセッサ15に二次校正パラメータについてのパラメータ校正処理を実行させる。
このような本実施の形態の多関節型座標測定装置1のパラメータ校正方法によれば、測定アーム2のパラメータの校正作業に要する手間や時間を削減することができる。また、測定アーム2のパラメータの特性を考慮して、経時的な変化に応じた重み付けをしたパラメータ校正を行うことができる。
すなわち、本実施の形態では、測定アーム2のパラメータの校正を行うときには、まず、校正対象であるすべてのパラメータ(パラメータ群)のうち、所定期間が経過したときにパラメータ誤差が所定基準より大きくなる特性を有するパラメータ(一次校正パラメータ)についてパラメータ校正処理を行い、次に、その一次校正パラメータのうち、所定期間より短い期間が経過したときにパラメータ誤差が所定基準より大きくなる特性を有するパラメータ(二次校正パラメータ)についてパラメータ校正処理を行う。したがって、経時的に変化するパラメータ(一次校正パラメータと二次校正パラメータ)についてのみ校正処理を行えば済み、すべてのパラメータについて校正処理を行わずに済む。これにより、日常的に(例えば、毎日、毎週、毎月)パラメータ校正作業を行うユーザにとって、測定アーム2のパラメータの校正作業に要する手間や時間を削減することができる。
この場合、経時的な変化の大きい二次校正パラメータ(例えば、毎日の誤差が大きいパラメータ)については、従来のように一度のパラメータ校正だけでは不十分であることもある。この場合、そのようなパラメータに対して、もう一度、パラメータ校正が行われる。このように、校正が必要なパラメータを絞り込んで重点的に校正行うことにより、効率よくパラメータ校正を行うことができる。すなわち、各パラメータの特性を考慮して、経時的な変化に応じた重み付けをしたパラメータ校正を行うことができる。この場合、二次校正で測定する二次校正基準部の数は、一次校正で測定する一次校正基準部の数より少なく、また、二次校正基準部を測定するときのアーム姿勢の数も、一次校正基準部を測定するときのアーム姿勢の数より少ない。つまり、二次校正作業は、一次校正作業より簡易であり、したがって、二次校正作業に要する手間や時間は、一次校正作業に比べて少なくて済む。
また、本実施の形態では、アーム姿勢A(アーム姿勢A’、A”)とアーム姿勢B(アーム姿勢B’、B”)は、測定アーム2のNo.1関節7のパラメータに対応する。測定アーム2のNo.1関節7は、測定時などにストレスを加えられることが多く、No.1関節7の回転角度のパラメータは、経時的な変化が大きいパラメータ(例えば、毎日の誤差が大きいパラメータ)である。このようなパラメータを絞り込んで重点的に校正行うことにより、パラメータ誤差を小さく抑えることができる。
また、本実施の形態では、アーム姿勢C(アーム姿勢C’、C”)は、測定アーム2のNo.1関節7とNo.2関節8のパラメータに対応する。測定アーム2のNo.1関節7とNo.2関節8は、測定時などにストレスを加えられることが多く、No.1関節7とNo.2関節8の回転角度のパラメータは、経時的な変化が大きいパラメータ(例えば、毎日の誤差が大きいパラメータ)である。このようなパラメータを絞り込んで重点的に校正行うことにより、パラメータ誤差を小さく抑えることができる。
また、本実施の形態では、アーム姿勢L(アーム姿勢L’、L”)とアーム姿勢M(アーム姿勢M’、M”)は、測定アーム2のNo.4関節10とNo.5関節11とNo.6関節12のパラメータに対応する。測定アーム2のNo.4関節10とNo.5関節11とNo.6関節12は、測定時などにストレスを加えられることが多く、No.4関節10とNo.5関節11とNo.6関節12の回転角度のパラメータは、経時的な変化が大きいパラメータ(例えば、毎日の誤差が大きいパラメータ)である。このようなパラメータを絞り込んで重点的に校正行うことにより、パラメータ誤差を小さく抑えることができる。
また、本実施の形態では、パラメータ校正処理を行う専用プロセッサ15において、測定アーム2の座標系を標準器の座標系に変換する座標変換ベクトルを用いるとともに、計画行列を利用した最小二乗法が用いられる。これにより、測定アーム2の正しいパラメータ値(校正後のパラメータ値)を推定することができる。
また、本実施の形態では、コンピュータ16で案内プログラムが実行される。ユーザは、このコンピュータ16のディスプレイ17に表示される案内に従って校正作業を進めることにより、容易に上述のパラメータ校正方法を行うことができる。これにより、測定アーム2のパラメータの校正作業に要する手間や時間を削減することができる。
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
例えば、以上の説明では、一次校正パラメータの校正処理と二次校正パラメータの校正処理を一時に行う場合を例示したが、一次校正パラメータの校正処理を1月毎や1週間毎に行い、二次校正パラメータの校正処理を1日毎に行ってもよい。
以上のように、本発明にかかる多関節型座標測定装置のパラメータ校正方法は、測定アームのパラメータの校正作業に要する手間や時間を削減することができるという効果を有し、日常的なパラメータ校正作業に用いられ、有用である。
図1は、本実施の形態における多関節型座標測定装置の外観を示す図である。 図2は、測定アームの各関節の回転方向を示す図である。 図3は、テーパプローブ用の標準器の一例を示す図である。 図4は、テーパプローブ用の標準器の他の例を示す図である。 図5は、テーパプローブ用の標準器のさらに他の例を示す図である。 図6は、ボールプローブ用の標準器の一例を示す図である。 図7は、ボールプローブ用の標準器の他の例を示す図である。 図8は、一次校正パラメータおよび二次校正パラメータの説明図である。 図9は、アーム姿勢Aで基準部(ボールa)の測定をするときの案内画面の一例を示す図である。 図10は、アーム姿勢Bで基準部(ボールa)の測定をするときの案内画面の一例を示す図である。 図11は、アーム姿勢Cで基準部(ボールa)の測定をするときの案内画面の一例を示す図である。 図12は、アーム姿勢Dで基準部(ボールa)の測定をするときの案内画面の一例を示す図である。 図13は、アーム姿勢Eで基準部(ボールa)の測定をするときの案内画面の一例を示す図である。 図14は、アーム姿勢Fで基準部(ボールa)の測定をするときの案内画面の一例を示す図である。 図15は、アーム姿勢Gで基準部(ボールa)の測定をするときの案内画面の一例を示す図である。 図16は、アーム姿勢Hで基準部(ボールa)の測定をするときの案内画面の一例を示す図である。 図17は、アーム姿勢Iで基準部(ボールa)の測定をするときの案内画面の一例を示す図である。 図18は、アーム姿勢Jで基準部(ボールa)の測定をするときの案内画面の一例を示す図である。 図19は、アーム姿勢Kで基準部(ボールa)の測定をするときの案内画面の一例を示す図である。 図20は、アーム姿勢Lで基準部(ボールa)の測定をするときの案内画面の一例を示す図である。 図21は、アーム姿勢Mで基準部(ボールa)の測定をするときの案内画面の一例を示す図である。 図22は、アーム姿勢C’で基準部(ボールb)の測定をするときの案内画面の一例を示す図である。
符号の説明
1 多関節型座標測定装置
2 測定アーム
3 プローブ
3A テーパプローブ
3B ボールプローブ
4 プローブ取付け部
5 第1リンク
6 第2リンク
7 No.1関節
8 No.2関節
9 No.3関節
10 No.4関節
11 No.5関節
12 No.6関節
15 専用プロセッサ
16 コンピュータ
17 ディスプレイ
20 標準器
20A テーパプローブ用の標準器
20B テーパプローブ用の標準器
20C テーパプローブ用の標準器
20D ボールプローブ用の標準器
20E ボールプローブ用の標準器
22 小球
24 凹部

Claims (8)

  1. 多関節型の測定アームを操作して、前記測定アームの一端に取り付けられたプローブを測定対象物上の測定点に近づけて、前記測定点の空間座標を測定する多関節型座標測定装置におけるパラメータ校正方法であって、
    複数の一次校正基準部を有する一次標準器を、前記測定アームの操作空間内に設置し、
    前記測定アームを操作して前記プローブを前記一次校正基準部に近づけて、複数のアーム姿勢で前記一次校正基準部の各々の空間座標を測定し、
    前記複数のアーム姿勢は、校正対象のパラメータ群のうち、所定期間が経過したときにパラメータ誤差が所定基準より大きくなる特性を有する一次校正パラメータに対応しており、
    前記一次校正基準部の測定結果に基づいて、前記一次校正パラメータについてのパラメータ校正処理を行い、
    前記一次校正基準部より少数の二次校正基準部を有する二次標準器を、前記測定アームの操作空間内に設置し、
    前記測定アームを操作して前記プローブを前記二次校正基準部に近づけて、前記複数のアーム姿勢より少数のアーム姿勢で前記二次校正基準部の各々の空間座標を測定し、
    前記少数のアーム姿勢は、前記一次校正パラメータのうち、前記所定期間より短い期間が経過したときにパラメータ誤差が前記所定基準より大きくなる特性を有する二次校正パラメータに対応しており、
    前記二次校正基準部の測定結果に基づいて、前記二次校正パラメータについてのパラメータ校正処理を行うことを特徴とする多関節型座標測定装置のパラメータ校正方法。
  2. 前記多関節型の測定アームは、一端に前記プローブが取り付けられるプローブ取付け部材と、前記プローブ取付け部材に連結される第1リンクと、前記第1リンクに対する前記プローブ取付け部材の曲げ動作を提供する第1関節と、前記第1リンクに対する前記プローブ取付け部材のねじり動作を提供する第2関節とを備え、
    前記プローブ取付け部を縦にした状態で、前記プローブを前記一次校正基準部または前記二次校正基準部に近づけたまま、前記第2関節をねじり方向に回転させて、前記第1リンクをねじり回転させたときに、複数のアーム姿勢で前記一次校正基準部または前記二次校正基準部の空間座標を測定することを特徴とする請求項1に記載の多関節型座標測定装置のパラメータ校正方法。
  3. 前記多関節型の測定アームは、一端に前記プローブが取り付けられるプローブ取付け部材と、前記プローブ取付け部材に連結される第1リンクと、前記第1リンクに対する前記プローブ取付け部材の曲げ動作を提供する第1関節と、前記第1リンクに対する前記プローブ取付け部材のねじり動作を提供する第2関節とを備え、
    前記プローブ取付け部を横にした状態から、前記プローブを前記一次校正基準部または前記二次校正基準部に近づけたまま、前記第1関節を曲げ方向に回転させて、前記プローブ取付け部を縦平面に沿って回転させたときに、複数のアーム姿勢で前記一次校正基準部または前記二次校正基準部の空間座標を測定することを特徴とする請求項1に記載の多関節型座標測定装置のパラメータ校正方法。
  4. 前記多関節型の測定アームは、一端に前記プローブが取り付けられるプローブ取付け部材と、前記プローブ取付け部材に連結される第1リンクと、前記第1リンクに対する前記プローブ取付け部材の曲げ動作を提供する第1関節と、前記第1リンクに対する前記プローブ取付け部材のねじり動作を提供する第2関節とを備え、
    前記プローブ取付け部を横にした状態から、前記プローブを前記一次校正基準部または前記二次校正基準部に近づけたまま、前記第2関節をねじり方向に回転させて、前記プローブ取付け部を横平面に沿って回転させたときに、複数のアーム姿勢で前記一次校正基準部または前記二次校正基準部の空間座標を測定することを特徴とする請求項1に記載の多関節型座標測定装置のパラメータ校正方法。
  5. 前記多関節型の測定アームは、一端に前記プローブが取り付けられるプローブ取付け部材と、前記プローブ取付け部材に連結される第1リンクと、前記第1リンクに連結され支持部材に取り付けられる第2リンクと、前記第2リンクに対する前記第1リンクのねじり動作を提供する第4関節と、前記支持部材に対する前記第2リンクの曲げ動作を提供する第5関節と、前記支持部材に対する前記第2リンクのねじり動作を提供する第6関節とを備え、
    前記プローブ取付け部を縦にした状態で、前記プローブを前記一次校正基準部または前記二次校正基準部に近づけたまま、前記第4関節と前記第6関節をねじり方向に回転させて、前記第1リンクを横方向に倒したときに、複数のアーム姿勢で前記一次校正基準部または前記二次校正基準部の空間座標を測定することを特徴とする請求項1に記載の多関節型座標測定装置のパラメータ校正方法。
  6. 前記パラメータ校正処理は、
    測定によって得られた座標値を、前記一次校正パラメータまたは前記二次校正パラメータで偏微分したときの偏微分値を成分とする行列をP行列とし、
    測定によって得られた座標値を、測定アームの座標系を標準器の座標系に変換する座標変換ベクトルのベクトル成分で偏微分したときの偏微分値を成分とする行列をR行列としたときに、
    前記P行列と前記R行列を用いた行列を計画行列として、最小二乗法によるパラメータ推定処理を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の多関節型座標測定装置のパラメータ校正方法。
  7. ユーザに対して、多関節型座標測定装置のパラメータ校正のための案内を行うパラメータ校正案内装置であって、
    前記案内は、前記ユーザに、
    複数の一次校正基準部を有する一次標準器を、前記測定アームの操作空間内に設置させるための案内と、
    前記測定アームを操作して前記プローブを前記一次校正基準部に近づけて、複数のアーム姿勢で前記一次校正基準部の各々の空間座標を測定させるための案内と、
    前記複数のアーム姿勢は、校正対象のパラメータ群のうち、所定期間が経過したときにパラメータ誤差が所定基準より大きくなる特性を有する一次校正パラメータに対応しており、
    前記一次校正基準部の測定結果に基づいて、前記一次校正パラメータについてのパラメータ校正処理を、コンピュータに実行させるための案内と、
    前記一次校正基準部より少数の二次校正基準部を有する二次標準器を、前記測定アームの操作空間内に設置させるための案内と、
    前記測定アームを操作して前記プローブを前記二次校正基準部に近づけて、前記複数のアーム姿勢より少数のアーム姿勢で前記二次校正基準部の各々の空間座標を測定させるための案内と、
    前記少数のアーム姿勢は、前記一次校正パラメータのうち、前記所定期間より短い期間が経過したときにパラメータ誤差が前記所定基準より大きくなる特性を有する二次校正パラメータに対応しており、
    前記二次校正基準部の測定結果に基づいて、前記二次校正パラメータについてのパラメータ校正処理を、コンピュータに実行させるための案内と、
    を含むことを特徴とするパラメータ校正案内装置。
  8. ユーザに対して、多関節型座標測定装置のパラメータ校正のための案内を行うための案内プログラムであって、
    コンピュータに、
    複数の一次校正基準部を有する一次標準器を、前記測定アームの操作空間内に設置させる案内を前記ユーザに対して行う手順と、
    前記測定アームを操作して前記プローブを前記一次校正基準部に近づけて、複数のアーム姿勢で前記一次校正基準部の各々の空間座標を測定させる案内を前記ユーザに対して行う手順と、
    前記複数のアーム姿勢は、校正対象のパラメータ群のうち、所定期間が経過したときにパラメータ誤差が所定基準より大きくなる特性を有する一次校正パラメータに対応しており、
    前記一次校正基準部の測定結果に基づいて、前記一次校正パラメータについてのパラメータ校正処理を行う手順と、
    前記一次校正基準部より少数の二次校正基準部を有する二次標準器を、前記測定アームの操作空間内に設置させる案内を前記ユーザに対して行う手順と、
    前記測定アームを操作して前記プローブを前記二次校正基準部に近づけて、前記複数のアーム姿勢より少数のアーム姿勢で前記二次校正基準部の各々の空間座標を測定させる案内を前記ユーザに対して行う手順と、
    前記少数のアーム姿勢は、前記一次校正パラメータのうち、前記所定期間より短い期間が経過したときにパラメータ誤差が前記所定基準より大きくなる特性を有する二次校正パラメータに対応しており、
    前記二次校正基準部の測定結果に基づいて、前記二次校正パラメータについてのパラメータ校正処理を行う手順と、
    を実行させることを特徴とするパラメータ校正用の案内プログラム。
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