JP5152372B2 - 電子写真用トナーおよびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、電子写真用トナーに係り、特に、優れた耐久性を有し、小粒径化及びオイルレス化の可能な電子写真用トナーおよびその製造方法に関する。
近年の電子写真方式では、高画質化、高速化、及びエコロジー性の要求が高い。トナーに求められる要件として、高画質化のためには小粒径化、高速化のためにはトナーの耐久性向上及び低温定着性、エコロジー性のためには定着ロールへのシリコーンオイルなどの離型剤の廃止(オイルレス化)が挙げられる。
これらの要求のうち、オイルレス化達成のためには、トナーにワックスを多量に含有させることが効果的であるが、ワックスを増量することで、粉砕トナーにおいては、粉砕界面にワックスが偏析し易くなり、結果として、トナーによる機内汚染、ドクターブレードへの融着などが生じ、耐久性が悪化する。ワックスの偏析は画質にも影響がある。
特に、トナーが小粒径(5〜7μm)になる程、比表面積が増えるため、ワックスの偏析の傾向は強くなる。また、小粒径化は、粉砕エネルギーが増大し、コストアップとなる。
トナーに内添される離型剤としては、従来、融点が100〜130℃程度のポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)が用いられてきたが、低温定着、オイルレス特性を満足するには、融点が100℃以下の低融点の離型剤が有効であり、検討されている。しかしながら、低融点ワックスは、PEやPPと比較し、耐久性の面で、不具合が出易い。
また、粉砕トナーと比較して、重合トナーでは、小粒径化、ワックスの高濃度添加に対しては非常に優位ではあるものの、材料選択の幅が狭く、カラートナーに好適なポリエステル樹脂を使用できないなどの問題がある。また、多大な設備投資が必要であることも問題である。
以上のように、トナーに要求される小粒径化、高耐久性、オイルレス化を同時に達成することは、従来の粉砕トナーでは、非常に困難であるのが現状である。トナー粒子を効率良く製造する方法として、原料を溶融し、穴の開いたダイより押出して繊維状の混練物を形成し、これを切断して微粒子を作製する方法がいくつか提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
本発明者らは、この方法について試験を重ねた結果、原料を溶融し、穴の開いたダイより押出し、トナー径相当の繊維状の混練物を形成し、これを切断して微粒子を作製する方法で得られたトナーは、従来の例えば2軸押出機で混練し、粉砕することにより得たトナーと比較し、耐久性を損なうことなく、離型剤を増加できることを見出した。これにより、従来困難であった小粒径化、高耐久性、オイルレス化、高画質を同時に達成するトナーを提供することが可能となった。
しかしながら、融点が100℃以下の低融点の離型剤を高濃度添加した場合、粉砕性が大きく悪化するという現象が生じた。これは、低融点の離型剤が高濃度で添加されることで、繊維化された混練物が軟化し、結果として、粉砕しにくくなったものと考えられる。
特開平6−138704号公報 特開平7−248648号公報 特開2004−332130号公報
本発明は、以上のような事情の下になされ、生産性を損なうことなく、小粒径化、高耐久性、オイルレス性、及び高画質を達成した電子写真用トナーを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、軟化点が110〜150℃である結着樹脂、70〜100℃の融点を有する離型剤、及び着色剤を含む原料に、GPCにより測定された数平均分子量Mnが600〜2000であり、軟化点が100℃〜160℃であり、ガラス転移点Tgが55℃〜100℃である低分子量熱可塑性樹脂を添加して、これらを溶融し、穴の開いたダイから押し出し、トナー相当径を有する糸状混練物を形成した後、糸状混練物を切断又は粉砕することにより製造され、前記低分子量熱可塑性樹脂を略5〜30重量パーセント含み、前記結着樹脂を58重量パーセント以上含むことを特徴とする電子写真用トナーを提供する。
また、本発明の第2の態様は、軟化点が110〜150℃である結着樹脂、70〜100℃の融点を有する離型剤着色剤、及びGPCにより測定された数平均分子量Mnが600〜2000であり、軟化点が100℃〜160℃であり、ガラス転移点Tgが55℃〜100℃である低分子量熱可塑性樹脂を含む原料を混合する混合工程と、該混合工程により混合された混合物を溶融混練し、穴の開いたダイから押し出してトナー相当径を有する糸状混練物を形成する溶融混練押出工程と、該溶融混練押出工程にて得られた糸状混練物を切断又は粉砕する粉砕工程とを少なくとも具備し、トナー中に、前記低分子量熱可塑性樹脂を略5〜30重量パーセント含み、前記結着樹脂を58重量パーセント以上含むよう、前記結着樹脂を前記原料として混合したことを特徴とする電子写真用トナーの製造方法を提供する。
このような電子写真用トナーにおいて、低分子量の熱可塑性樹脂として、芳香族石油樹脂を用いることができる。
以上の本発明の電子写真用トナーにおいて、離型剤の具体例としては、カルナバワックスまたはフィッシャートロプシュワックスを挙げることができる。
また、結着樹脂の具体例としては、ポリエステルを用いることができる。
本発明の電子写真用トナーは、平均体積粒径が5〜7μmであることが望ましい。
また、本発明の電子写真用トナーは、トナーを担持搬送するための弾性現像ローラと、該弾性現像ローラ上に前記トナーを薄層状に形成すべく該トナーの厚さを規制するためのトナー層規制部材とを備え、前記弾性現像ローラの搬送速度が100mm/秒以上である現像装置に好適に用いることができる。
本発明によると、粉砕性が向上し、生産性を損なうことなく、小粒径化、高耐久性、オイルレス性、及び高画質を達成した電子写真用トナーが提供される。
本発明の一実施形態で用いた繊維状の混練物を得るための装置を示す図である。 本発明の一実施形態で用いた繊維状の混練物を粉砕するための装置を示す図である。 本発明の一実施形態で得たトナーを用いて画像形成をするための画像形成装置を示す図。
以下、発明を実施するための形態について説明する。
本発明の実施形態に係る電子写真用トナーは、軟化点が110〜150℃である結着樹脂、70〜100℃の融点を有する離型剤、及び着色剤を含む原料に、GPCにより測定された数平均分子量Mnが600〜2000であり、軟化点が100℃〜160℃であり、ガラス転移点Tgが55℃〜100℃である低分子量熱可塑性樹脂を添加して、これらを溶融し、穴の開いたダイから押し出し、トナー相当径を有する糸状混練物を形成した後、糸状混練物を切断又は粉砕することにより製造され、前記低分子量熱可塑性樹脂を略5〜30重量パーセント含み、前記結着樹脂を58重量パーセント以上含むことを特徴とする。
また、本発明の実施形態に係る電子写真用トナーの製造方法は、軟化点が110〜150℃である結着樹脂、70〜100℃の融点を有する離型剤着色剤、及びGPCにより測定された数平均分子量Mnが600〜2000であり、軟化点が100℃〜160℃であり、ガラス転移点Tgが55℃〜100℃である低分子量熱可塑性樹脂を含む原料を混合する混合工程と、該混合工程により混合された混合物を溶融混練し、穴の開いたダイから押し出してトナー相当径を有する糸状混練物を形成する溶融混練押出工程と、該溶融混練押出工程にて得られた糸状混練物を切断又は粉砕する粉砕工程とを少なくとも具備し、トナー中に、前記低分子量熱可塑性樹脂を略5〜30重量パーセント含み、前記結着樹脂を58重量パーセント以上含むよう、前記結着樹脂を前記原料として混合したことを特徴とする。
この低分子量熱可塑性樹脂は、一般に、ゴムなどのエラストマーに配合することにより、粘着性を付与するいわゆる粘着付与剤として使用されている。粘着付与剤は、天然系樹脂として、ロジン、変性ロジン、ロジンエステル、テルペン樹脂、変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水添テルペン樹脂、合成樹脂として、脂肪族石油樹脂、芳香族石油樹脂、共重合石油樹脂、脂環族系樹脂、クロマン・インデン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂などが挙げられる。
本発明の実施形態で用いる低分子量の熱可塑性樹脂は、上記粘着付与剤の中でも、分子量Mnが600〜2000であり、軟化点が100℃〜160℃であり、Tgが55℃〜100℃の範囲のものである必要がある。分子量、軟化点、及びTgが上記範囲より低すぎると耐久性が悪化し、高すぎると、粉砕性改善の効果が薄れてしまう。また、軟化点については、原材料を溶融させる工程で、十分な溶融状態になる温度を選択する必要がある。
原料中にこのような低分子量の熱可塑性樹脂を添加することで、耐久性、低温定着性、オイルレス性、及び高画質を満足する優れたトナーを得ることができる。
低分子量の熱可塑性樹脂の配合量としては、原料配合中1〜50質量%の範囲であり、5〜30質量%がより好ましい。配合量が少な過ぎると、添加の効果を得ることができず、多すぎると、粉砕時の融着が起こり易い。
以上の本発明の実施形態に係るトナーに用いる結着樹脂としては、公知のものを含む広い範囲から選択することができる。具体的には、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、およびスチレン−ブタジエン共重合体などのスチレン系樹脂をはじめ、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、クマロン樹脂、キシレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂などが例示でき、これらの樹脂を二種類以上組み合わせて用いてもよい。なお、これらの樹脂のうち、ポリエステル系樹脂が好ましい。
離型剤としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、パラフィン等の極性の低いもの或いはカルナバワックス、エステル系等の極性の高いものを挙げることが出来る。また、エマルジョンタイプのカルボキシル基変性ポリオレフィンとして、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1等のオレフィン単位を骨格としてカルボキシル基を有するように変性され、かつアンモニアまたはアミンでカルボキシル基の少なくとも一部が中和されたポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等を使用することも可能である。これらのワックスのうち、カルナバワックスが好ましい。
図1は、本発明の第1及び第2の実施形態に係る電子写真用トナーを得るための糸状の混練物を製造する装置を概略的に示す図である。図1において、ホッパー1に投入された原料2は、押出機3で溶融混練され、ダイ4に供給される。ダイ4は紡糸口4aと熱風吐出口4bとを備える。ダイ4に供給された溶融混練物5は、熱風吐出口4bからの熱風とともに紡糸口4aから吐出され、その結果、糸状の混練物6が形成される。
ダイ4の内径は、例えば100μmであり、原料供給量、吐出圧力、及び熱風温度を変化させることにより、糸状混練物6の径を6〜7μmに調整することが出来る。
ダイ4の出口では、糸状混練物6に冷風を吹き付けることにより、糸状混練物同士が融着することなく、糸状混練物6を安定して得ることが出来る。
次に、このようにして得た糸状混練物は、コンベア7により輸送され、図示しない切断機又は粉砕機により切断又は粉砕され、更に分級されて、本発明の一実施形態に係る電子写真用トナーが得られる。なお、粉砕の際には、糸状混練物は既にトナー粒径に相当する断面径を有しているため、通常の粉砕トナーを製造する場合よりも粉砕エネルギーを低く抑えることが出来る。また、微粉の発生が少なく、収率及び生産性が向上する。
なお、繊維状の混練物を得る方法としては、以上説明した方法以外にも、溶融紡糸装置のような装置を用いて穴の開いたダイより押し出された繊維を延伸する方法などがある。
繊維状の混練物を粉砕する方法としては、図2に示すよう微粒子製造装置を用いることができる。図2に示す微粒子製造装置は、糸状混練物6を所定の長さに切断し、微粒子を製造する微粒子製造装置であって、糸状混練物6を一定の間隔で連続して切断する切断部11と、糸状混練物6を所定の速度で切断部11へ送る搬送部12と、切断部11において糸状混練物6の搬送方向に沿った気流を作り出す排気部14とを備えるものである。
図3は、以上説明した本発明の実施形態に係る電子写真用トナーを用いて画像形成をするための画像形成装置を示す。
図3に示す画像形成装置は、現像装置21と感光体ドラム22とを備えている。現像装置21は、内部にトナーを収容するトナーホッパー23、トナーを供給する供給ロール24、供給ロール24から供給されたトナーを感光体ドラム22に付与し、感光体ドラム22の表面の静電潜像を現像する弾性体からなる現像ローラ25、この現像ローラ25に摺接して、現像ローラ25表面のトナー層の厚さを規制するドクターブレード26を具備している。感光体ドラム22の周囲には、感光体ドラム22の表面を一様に帯電する帯電ロール27、帯電した感光体ドラム22の表面に原稿像を露光して、静電潜像を形成するLED28が配置されている。
感光体ドラム22の下部には、転写ベルト29が感光体ドラム22の回転とともに走行しており、転写シート30により感光体ドラム22と接触して、現像されたトナー像は、用紙31に転写される。なお、転写後も感光体ドラム22の表面に残留する、転写されなかったトナーは、クリーニングブレード32により除去される。
以上のように構成される画像形成装置に上述した本実施形態に係るトナーを実装し、弾性現像ローラの搬送速度を100mm/秒以上の高速で動作させた場合、ブレード上にトナーが融着したり、画像の均一性が劣化することはなく、優れた耐久性、高画質化が達成される。
以下、本発明の実施例と比較例を示し、本発明についてより具体的に説明する。
各例で用いた試験方法は、下記の通りである。
試験1−耐久性
非磁性一成分現像装置「カシオページプレストN−5」(カシオ計算機(株)製:カラープリンタ毎分29枚(A4横)機)にトナーを実装し、通常環境(25℃、50%RH)において、普通紙(XEROX−P紙A4サイズ)を用いて5%印字画像を10,000枚連続印字した後、ベタ画像を印字し、画像の劣化を評価した。同時にドクターブレードを取り外し、ブレード上のトナーの融着状態を観察した。
(評価基準)
◎:画像劣化は見られず、ドクターブレード上のトナーの融着も確認されない。
○:画像劣化は見られず、実用上の問題はないが、ドクターブレード上にトナーの融着が認められる。
×:画像劣化が見られ、実用上問題あり。ドクターブレード上にトナーの融着が発生した。
試験2−低温定着性
試験1と同様の装置の定着器部分の温度を可変できるように改造し、定着試験器とする。試験例1と同様の装置で未定着画像を得た後、定着試験器にて定着温度130〜200℃の範囲で10℃毎に温度を可変し、未定着画像を定着させた際の非オフセット領域を測定し、低温定着特性とした。ここでいう定着温度とは、2本ある定着ロールの上の方の設定温度であり、下の定着ロールは設定温度を(上ロール−20℃)とした。画像パターンはベタ印字とし、用紙はXEROX P紙A4サイズ(重量64g/m2 )で行った。
(評価基準)
◎:最低定着温度が140℃未満である。
○:最低定着温度が140℃以上、150℃未満である。
×:最低定着温度が150℃以上である。
試験3−オイルレス特性
試験1と同様の装置を用い、定着器部分のオイル塗布ローラーを外す。用紙としてはA4サイズ(ゼロックス−P紙)を使用し、ベタ画像を印字して、定着性を判断した。プロセス速度は129.3mm/sec、定着温度は150℃で行った。
(評価基準)
◎:オフセットの発生がない。
○:オフセットの発生は軽微であり、実用上問題ないレベル。
×:オフセットの発生が認められ、実用上問題のあるレベル。
試験4−画質
非磁性一成分現像装置「カシオページプレストN−5」(カシオ計算機(株)製:カラープリンタ毎分29枚(A4横)機)にトナーを実装し、通常環境(25℃、50%RH)において、普通紙(XEROX−P紙A4サイズ)を用いて5%印字画像を10,000枚連続印字した後、ハーフトーン画像を印字し、画像の均一性を評価した。
(評価基準)
◎:濃度ムラがなく、均一なハーフトーン画像である。
○:若干濃度ムラが見られるものの、実用上問題のないレベル。
×:濃度ムラが見られ、実用上問題のあるレベル。
試験5−粉砕性
粉砕分級工程において、粉砕圧力を0.8MPaと固定し、平均粒径6.6μm、粒径10μm以上の粒子の体積%が0.3%以下になるように、供給量を調整し、そのときの原料供給量を測定し、評価基準に従い、評価した。
(評価基準)
◎:供給量が10kg/h以上
○:供給量が5〜10kg
×:供給量が5kg/h未満
試験6−軟化点の測定
フローテスター(島津製作所(株)製、CFT−500D)を用い、1gの試料について、下記の条件で、1/2法により試料の半分が流出した温度を軟化点とした。
昇温速度:6℃/分
荷重:20kg
ノズル:直径1mm、長さ1mm
試験7−ガラス転移点(Tg)の測定
示差走査熱量計(島津製作所(株)製:DSC−60)を用いて測定する。8mgの試料を10℃/分で200℃まで昇温し、降温速度10℃/分で35℃まで冷却した後、再度10℃/分で200℃まで昇温する。2回目の昇温時において、転移により得られる曲線部分の2つの接線の交点をガラス転移点とした。
試験8−粒径の測定
ビーカーに、少量のトナー、精製水、及び界面活性剤を入れ、超音波洗浄器にて分散した溶液試料に対し、マルチサイザーII(コールター社製)を用いて、トナーの粒径を測定した。アパーチャーは100μmとし、カウントは50,000個で行い、体積平均粒径を得た。
試験9−分子量測定
分子量Mnは、分子量既知のポリスチレン試料によって作成した検量線を標準としてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて測定される数平均分子量である。
実施例1
内添剤として、着色剤C.Iピグメントレッド57:1を4重量部、荷電制御剤「E−84」(オリエント化学(株)製:サルチル酸系金属錯体)を1重量部、離型剤「カルナバワックス1号粉末」((株)加藤洋行輸入品)を5重量部、低分子量熱可塑性樹脂として、「FTR−2140」(三井化学(株)製:芳香族系石油樹脂)を10重量部、更に、結着樹脂として軟化点137℃のポリエステル樹脂を全体が100重量部になるように計量し、内添剤と結着樹脂をヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製)を用いて混合した。
続いて混合物を溶融混練し、穴の開いたダイより押出し、トナー相当径の繊維状の混練物を得た後、粉砕分級して微粒子を作製した。得られた微粒子の平均粒径は、6.6μmであった。
ここで、粉砕前の繊維状の混練物は、そのまま回収した場合、綿あめのような状態であり、そのまま粉砕するには、取り扱い上困難である。そのため、メッシュ状のベルトコンベアに繊維状の混練物を吹付け、不織布の状態で回収した後、粗砕機で解砕した。粉砕機にはカウンタ式ジェットミル200−AFG(ホソカワ/アルピネ(株)製)、分級機は100−TTSP(ホソカワ/アルピネ(株)製)を用いて行った。
得られた着色微粒子100重量部に外添剤として、「R972」(日本アエロジル(株)製:疎水性シリカ)を2重量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合し、トナーを得た。
実施例2
低分子量熱可塑性樹脂として、「FTR−2140」(三井化学(株)製:芳香族系石油樹脂)を30重量部とした以外は実施例2と同様にしてトナーを得た。
実施例3
低分子量熱可塑性樹脂として、「FTR−2140」(三井化学(株)製:芳香族系石油樹脂)を5重量部とした以外は実施例2と同様にしてトナーを得た。
実施例4
離型剤として「カルナバワックス1号粉末」の代わりにフィッシャートロプシュワックス「パラプリントC77」((株)加藤洋行輸入品)を5重量部とした以外は実施例2と同様にしてトナーを得た。
実施例5
低分子量熱可塑性樹脂として、「クリアロンP−115」(ヤスハラケミカル社製:水添テルペン樹脂)を10重量部とした以外は実施例2と同様にしてトナーを得た。
比較例1
低分子量熱可塑性樹脂を添加しない以外は実施例2と同様にしてトナーを得た。
比較例2
低分子量熱可塑性樹脂として、「アルコンP−90」(荒川化学(株)製:脂環族飽和炭化水素樹脂)を10重量部とした以外は実施例2と同様にしてトナーを得た。
比較例3(従来法)
実施例2と同様の原材料をヘンシェルミキサーで混合した後、2軸押出機で溶融混練し、圧延冷却し、スクリーン目開きが2mm径の粗砕機で粗粉砕した。粗粉砕した後は、粉砕(200−AFG)及び分級(100−TTSP)し、実施例2と同様にしてトナーを得た。
以上の実施例1〜5及び比較例1〜3により得たトナーについて、上述した各特性を評価した。その結果を下記表2に示す。
Figure 0005152372
カルナバ:カルナバワックス1号粉末(融点83℃)
FT :フィッシャートロプシュワックス(融点78℃)
上記表1から、粉砕助剤として、所定の低分子量熱可塑性樹脂を含む溶融混練物を穴の開いたダイより押出し、トナー相当径の繊維状の混練物を得た後、粉砕分級して得た実施例1〜5により得たトナーは、耐久性、低温定着性、オイルレス性、画質、及び粉砕性がいずれも優れているか叉はほぼ良好であることがわかる。
これに対し、実施例1と同様の方法で製造されたが、溶融混練物が低分子量熱可塑性樹脂を含有しない比較例1により得たトナーは、低温定着性及びオイルレス性に優れ、耐久性及び画質もほぼ良好であるが、粉砕性に劣っている。
また、比較例2では、低分子量熱可塑性樹脂の分子量Mn、軟化点、及びTgが低いため、耐久性が悪化した。
また、比較例3では、離型剤含有量を実施例1〜5と同様に多くして、従来の粉砕法にてトナー化を行ったため、耐久性が悪化した。
以上の結果から、原料に所定の低分子量熱可塑性樹脂を添加することにより、粉砕性が向上するとともに、耐久性、高画質化にも大きな効果が得られることがわかる。
1…ホッパー、2…原料、3…押出機、4…ダイ、4a…紡糸口、4b…熱風吐出口、5…溶融混練物、6…糸状混練物、11…切断部、12…搬送部、14…排気部、21…現像装置、22…感光体ドラム、23…トナーホッパー、24…供給ロール、25…現像ロール、26…ドクターブレード、27…帯電ロール、28…LED、29…転写ベルト、30…転写シート、31…用紙、32…クリーニングブレード。

Claims (7)

  1. 軟化点が110〜150℃である結着樹脂、70〜100℃の融点を有する離型剤、及び着色剤を含む原料に、GPCにより測定された数平均分子量Mnが600〜2000であり、軟化点が100℃〜160℃であり、ガラス転移点Tgが55℃〜100℃である低分子量熱可塑性樹脂を添加して、これらを溶融し、穴の開いたダイから押し出し、トナー相当径を有する糸状混練物を形成した後、糸状混練物を切断又は粉砕することにより製造され、
    前記低分子量熱可塑性樹脂を略5〜30重量パーセント含み、
    前記結着樹脂を58重量パーセント以上含むことを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 前記低分子量熱可塑性樹脂が、芳香族石油樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 前記離型剤は、カルナバワックスまたはフィッシャートロプシュワックスであることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用トナー。
  4. 前記結着樹脂がポリエステルであることを特徴とする請求項に記載の電子写真用トナー。
  5. 平均体積粒径が5〜7μmであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  6. トナーを担持搬送するための弾性現像ローラと、該弾性現像ローラ上に前記トナーを薄層状に形成すべく該トナーの厚さを規制するためのトナー層規制部材とを備え、前記弾性現像ローラの搬送速度が100mm/秒以上である現像装置に用いられる、請求項1〜のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  7. 軟化点が110〜150℃である結着樹脂、70〜100℃の融点を有する離型剤着色剤、及びGPCにより測定された数平均分子量Mnが600〜2000であり、軟化点が100℃〜160℃であり、ガラス転移点Tgが55℃〜100℃である低分子量熱可塑性樹脂を含む原料を混合する混合工程と、
    該混合工程により混合された混合物を溶融混練し、穴の開いたダイから押し出してトナー相当径を有する糸状混練物を形成する溶融混練押出工程と、
    該溶融混練押出工程にて得られた糸状混練物を切断又は粉砕する粉砕工程と
    を少なくとも具備し、
    トナー中に、前記低分子量熱可塑性樹脂を略5〜30重量パーセント含み、前記結着樹脂を58重量パーセント以上含むよう、前記結着樹脂を前記原料として混合したことを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
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