JP2007256664A - トナーおよびその製造方法、ならびに画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 帯電性に優れるとともに、画像濃度の高い画像を形成することのできるトナーおよびその製造方法、ならびにそのトナーを用いる画像形成方法を提供する。
【解決手段】 導電性着色剤たとえばカーボンブラックを6.0重量%以上8.0重量%以下の含有量で含有するトナー原料をオープンロール型混練機1によって混練し、得られた混練物を粒子化してトナー粒子を生成する。これによって導電性着色剤の含有量がトナー粒子全量の6.0重量%以上8.0重量%以下であり、温度25℃および相対湿度50%の環境下における電気抵抗率が1.50×1011Ω以上3.00×1011Ω・cm以下である黒トナーを得る。この黒トナーを用いて、記録媒体上の画像濃度が1.40以上となるように記録媒体へのトナーの付着量を0.40mg/cm2以上0.50mg/cm2以下として画像を形成する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、電子写真法などによる画像形成過程において静電潜像の現像などに用いられるトナーおよびその製造方法、ならびにそのトナーを用いる画像形成方法に関する。
電子写真法では、感光体を帯電させた後、形成すべき画像に応じて露光して静電潜像を形成し、形成された静電潜像を、トナーを含む現像剤で現像してトナー像を形成し、形成されたトナー像を紙などの記録媒体に転写して定着することによって画像を形成する。トナーは、摩擦帯電によって帯電されて感光体に供給される。
トナーは、着色剤と、着色剤を結着するための結着樹脂とを含有する。着色剤は、結着樹脂中に分散される。トナーとしては、白黒画像の形成に使用されるブラックトナー(以後、「黒トナー」とも称する)、およびカラー画像の形成に使用されるカラートナーがある。ブラックトナーの着色剤としては、カーボンブラックが用いられている。
トナーの製造方法としては、粉砕法、ならびに懸濁重合法および乳化重合法などの重合法などが知られている。重合法によって製造される場合、トナーを構成するトナー粒子は球形状になる。トナー粒子は表面の突起部分が集中して帯電されるので、表面の突起部分が少ない球形状のトナー粒子では、トナーの帯電量が予め定める量よりも小さくなり、帯電量が不足するという帯電不良が発生する。トナーの帯電量が不足すると、トナーが不所望に飛散し、記録媒体の白地となるべき部分にトナーが付着する、いわゆる白地かぶりが発生する。
球形状のトナー粒子で構成されるトナーにおける帯電不良を防ぐために、トナーの電気抵抗値R[Ω・cm]の常用対数値LogRを9〜11に規定する、すなわちトナーの電気抵抗値Rを1.0×109〜1.0×1011Ω・cmに規定する技術がある(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に開示の技術では、着色剤として用いられるカーボンブラックの導電性を利用し、トナー中のカーボンブラックの含有量を6重量%以上と従来よりも多くすることによって、トナーの電気抵抗値Rを1.0×109〜1.0×1011Ω・cmに調整して帯電性を向上させている。
着色剤の含有量を増加させることは、形成される画像の画像濃度を高める手段としても用いられる。画像濃度を高めることによって、記録媒体へのトナーの付着量を低減し、トナーの消費量を削減することが可能になる。
特許文献1に開示の技術において、トナー中のカーボンブラックの含有量は6重量%以上と従来よりも多いが、トナーの電気抵抗値Rは1.0×109〜1.0×1011Ω・cmと低いので、カーボンブラックは結着樹脂中において幾分凝集しており、カーボンブラックの分散性は充分でない。したがって着色剤であるカーボンブラックの含有量を増加させているにも関わらず、形成される画像の画像濃度の増加は得られないので、記録媒体へのトナーの付着量を低減することはできず、トナーの消費量を削減することはできない。
以上のように、特許文献1に開示の従来技術では、トナーの帯電性を向上させることは可能であるが、画像濃度を高めることはできず、記録媒体へのトナーの付着量、ひいてはトナーの消費量を低減することはできない。
本発明の目的は、帯電性に優れるとともに、トナー消費量を削減できる程度に高い画像濃度の画像を形成することのできるトナーおよびその製造方法、ならびにそのトナーを用いる画像形成方法を提供することである。
本発明は、結着樹脂に少なくとも導電性を有する導電性着色剤が分散されたトナー粒子を含み、
導電性着色剤の含有量が、トナー粒子全量の6.0重量%以上8.0重量%以下であり、
温度25℃および相対湿度50%の環境下における電気抵抗率が、1.50×1011Ω・cm以上3.00×1011Ω・cm以下であることを特徴とするトナーである。
導電性着色剤の含有量が、トナー粒子全量の6.0重量%以上8.0重量%以下であり、
温度25℃および相対湿度50%の環境下における電気抵抗率が、1.50×1011Ω・cm以上3.00×1011Ω・cm以下であることを特徴とするトナーである。
本発明に従えば、導電性着色剤の含有量はトナー粒子全量の6.0重量%以上8.0重量%以下であり、温度25℃および相対湿度50%の環境下におけるトナーの電気抵抗率(以後、単に「電気抵抗率」とも称する)は1.50×1011Ω・cm以上3.00×1011Ω・cm以下である。「トナー粒子」とは、結着樹脂中に少なくとも導電性着色剤が分散された粒子のことであり、結着樹脂中に導電性着色剤とともに導電性着色剤以外の添加剤が分散された粒子を含む。「トナー」とは、トナー粒子に外添剤が外添されない場合にはトナー粒子の集合体のことであり、トナー粒子に外添剤が外添される場合には外添剤が外添されたトナー粒子の集合体のことである。トナー粒子に外添剤が外添される場合、前述の導電性着色剤の含有量は、トナー粒子に外添剤が外添されていない状態における値である。
トナー粒子中に含有される導電性着色剤は導電性を有するので、たとえば結着樹脂中の導電性着色剤の分散性が悪く、導電性着色剤同士の凝集が発生すると、導電性着色剤同士が導通し、トナー全体の電気抵抗率が低くなる。このようにトナーの電気抵抗率はトナー粒子中に含有される導電性着色剤の分散性に依存し、導電性着色剤の分散性の指標になる。
導電性着色剤の含有量がトナー粒子全量の6.0重量%以上8.0重量%以下であるときのトナーの電気抵抗率が1.50×1011Ω・cm未満であると、電気抵抗率が1.50×1011Ω・cm以上である場合に比べて、結着樹脂中での導電性着色剤の分散性が低くなるので、形成される画像の画像濃度が低くなる。また電気抵抗率が1.50×1011Ω・cm未満であるトナーは、電荷保持能力が低く、電荷の逸散が速いので、このようなトナーを用いて繰返し画像を形成させると、そのトナーを用いた最初の画像形成時からの経過時間の増加に伴ってトナーの帯電量が減少し、白地かぶりが発生する。トナーの電気抵抗率が3.00×1011Ω・cmを超えると、帯電の立ち上がりが遅くなるので、実用可能な帯電量、たとえば20〜30μC/g程度の帯電量に達するのに時間がかかり、画像形成動作を開始するまでに要する時間が長くなる。また帯電されにくくなるので、帯電不良が発生し、白地かぶりが発生する。
本発明のトナーは、電気抵抗率が1.50×1011Ω・cm以上3.00×1011Ω・cm以下であるので、結着樹脂中での導電性着色剤の分散性に優れ、画像濃度の高い画像を形成することができる。これによって同じ画像濃度の画像を形成するために必要な記録媒体へのトナーの付着量を低減することができるので、トナーの消費量を削減することができる。また帯電の立ち上がりを過度に遅くすることなく、電荷の逸散を遅くすることができるので、優れた帯電安定性を実現し、連続して繰返し画像を形成させるときの帯電量の減少を防ぎ、白地かぶりの発生を抑えることができる。
導電性着色剤の含有量がトナー粒子全量の6.0重量%未満であると、トナーの電気抵抗率が3.00×1011Ω・cmを超えやすく、前述のように帯電の立ち上がりの遅延および帯電不良が発生するおそれがある。またトナーの電気抵抗率が1.50×1011Ω・cm以上3.00×1011Ω・cm以下になるように導電性着色剤を分散させたとしても、充分な画像濃度が得られない。導電性着色剤の含有量がトナー粒子全量の8.0重量%を超えると、導電性着色剤の含有量がトナー粒子全量の8.0重量%以下の場合と同様にして導電性着色剤を結着樹脂中に分散させたとしても、トナーの電気抵抗率が1.50×1011Ω・cm未満になりやすく、前述のように白地かぶりが発生するおそれがある。
本発明のトナーは、導電性着色剤の含有量がトナー粒子全量の6.0重量%以上8.0重量%以下であるので、トナーの電気抵抗率をより確実に1.50×1011Ω・cm以上3.00×1011Ω・cm以下とし、帯電の立ち上がりの遅延、帯電不良および白地かぶりの発生を抑えることができる。また画像濃度の高い画像をより確実に実現することができるので、記録媒体へのトナーの付着量、ひいてはトナーの消費量を削減することができる。
以上のように本発明に従えば、導電性着色剤の含有量がトナー粒子全量の6.0重量%以上8.0重量%以下であり、かつ温度25℃および相対湿度50%の環境下における電気抵抗率が1.50×1011Ω・cm以上3.00×1011Ω・cm以下であるので、帯電性に優れるとともに、トナー消費量を削減できる程度に高い画像濃度の画像を形成することのできるトナーを得ることができる。また画像濃度の高い画像を形成できることによって、記録媒体へのトナーの付着量を低減し、定着部材で加熱および加圧して記録媒体に定着させるときにトナーを溶融しやすくすることができるので、低温オフセット現象が発生し始める温度を低くすることができる。「低温オフセット現象」とは、トナーが充分に溶融しないことによってトナーと記録媒体との接着力が不足し、トナーが定着部材に付着して取去られる現象のことである。
また本発明は、トナー粒子は、離型剤をさらに含有し、
離型剤の含有量が、トナー粒子全量の4.0重量%以上5.0重量%以下であることを特徴とする。
離型剤の含有量が、トナー粒子全量の4.0重量%以上5.0重量%以下であることを特徴とする。
本発明に従えば、トナー粒子は離型剤を含有し、離型剤の含有量はトナー粒子全量の4.0重量%以上5.0重量%以下である。トナー粒子に離型剤を含有させることによって、トナーに離型性を付与することができるので、定着部材で加熱及び加圧してトナーを記録媒体に定着させる時に高温オフセット現象が発生し始める温度を高めることができる。またトナーを記録媒体に定着させるときにトナーを溶融しやすくすることができるので、低温オフセット現象が発生し始める温度を低くすることができる。これによって低温オフセット現象および高温オフセット現象を発生させることなく定着させることのできる温度範囲である非オフセット域をさらに広げることができる。「高温オフセット現象」とは、トナーが過度に溶融することによって定着部材に融着して取去られる現象のことである。
離型剤の含有量がトナー粒子全量の4.0重量%未満であると、離型剤を含有させることによる効果が充分に発揮されず、充分な非オフセット域を確保できないおそれがある。離型剤の含有量がトナー粒子全量の5.0重量%を超えると、離型剤の含有量がトナー粒子全量の5.0重量%以下である場合に比べて、結着樹脂中に離型剤を分散性良く分散させることが困難になるので、結着樹脂中での離型剤の分散性が低下し、離型剤の凝集が発生することがある。凝集した離型剤は、画像を形成する過程におけるトナーの撹拌などによって結着樹脂から遊離しやすい。遊離した離型剤は、感光体などの像担持体の表面にフィルム状に融着する、いわゆるフィルミングを招く。これに対し、前述のように離型剤の含有量をトナー粒子全量の4.0重量%以上5.0重量%以下にすることによって、非オフセット域をより確実に広げることができる。また結着樹脂からの離型剤の遊離を防ぎ、遊離した離型剤によるフィルミングの発生を防ぐことができる。
また本発明は、導電性着色剤が、カーボンブラックであることを特徴とする。
本発明に従えば、導電性着色剤はカーボンブラックであるので、前述のように帯電性に優れるとともに、トナー消費量を削減できる程度に高い画像濃度の画像を形成することのできるブラックトナーを得ることができる。
本発明に従えば、導電性着色剤はカーボンブラックであるので、前述のように帯電性に優れるとともに、トナー消費量を削減できる程度に高い画像濃度の画像を形成することのできるブラックトナーを得ることができる。
また本発明は、像担持体に形成される潜像を、トナーを含む現像剤によって現像してトナー像を形成し、トナー像を記録媒体に転写して定着させることによって画像を形成する画像形成方法であって、
前記トナーは、前記本発明のトナーであり、
前記記録媒体上の画像濃度が1.40以上となるように、前記トナーの記録媒体への付着量は、0.40mg/cm2以上0.50mg/cm2以下に制御されることを特徴とする画像形成方法である。
前記トナーは、前記本発明のトナーであり、
前記記録媒体上の画像濃度が1.40以上となるように、前記トナーの記録媒体への付着量は、0.40mg/cm2以上0.50mg/cm2以下に制御されることを特徴とする画像形成方法である。
本発明に従えば、像担持体に形成される潜像を、前述の本発明のトナーを含む現像剤によって現像し、形成されたトナー像を記録媒体に転写して定着させることによって画像を形成する。このとき、前記記録媒体上の画像濃度が1.40以上になるように、トナーの記録媒体への付着量は、0.40mg/cm2以上0.50mg/cm2以下に制御される。トナーの記録媒体への付着量が0.40mg/cm2未満であると、付着量が0.40mg/cm2以上である場合に比べて、記録媒体の単位面積当たりのトナーの量が少なくなるので、画像濃度の低い画像が形成される。トナーの記録媒体への付着量が0.50mg/cm2を超えると、付着量が0.50mg/cm2以下である場合に比べて、記録媒体の単位面積当たりのトナーの量が多くなるので、記録媒体に定着させるときにトナー全体を充分に溶融させることができず、低温オフセット現象が発生し始める温度が高くなり、非オフセット域が狭くなる。前述のように本発明のトナーを用い、前記記録媒体上の画像濃度が1.40以上となるように本発明のトナーの記録媒体への付着量を0.40mg/cm2以上0.50mg/cm2以下にすることは、一定の画像濃度を確保した上でトナー付着量を規定しているので、充分な画像濃度を有する画像を形成することができ、また記録媒体に定着させるときにトナーを全体にわたって充分に溶融させることができるため、低温オフセット現象が発生し始める温度を低下させ、非オフセット域を広げることができる。
また本発明は、前記本発明のトナーの製造方法であって、
導電性を有する導電性着色剤および結着樹脂を含有し、導電性着色剤の含有量がトナー原料全量の6.0重量%以上8.0重量%以下であるトナー原料を混練することによって混練物を生成する混練工程と、
混練物を粒子化してトナー粒子を生成する造粒工程とを含み、
混練工程では、
外方に臨み、平行な軸線まわりに互いに逆方向に回転可能に設けられ、表面温度を調整可能な第1および第2混練ロールを備え、トナー原料を第1および第2混練ロールの軸線方向一端部から受入れ、第1および第2ロールの軸線方向他端部から排出するオープンロール型連続混練機によって、トナー原料を混練することを特徴とするトナーの製造方法である。
導電性を有する導電性着色剤および結着樹脂を含有し、導電性着色剤の含有量がトナー原料全量の6.0重量%以上8.0重量%以下であるトナー原料を混練することによって混練物を生成する混練工程と、
混練物を粒子化してトナー粒子を生成する造粒工程とを含み、
混練工程では、
外方に臨み、平行な軸線まわりに互いに逆方向に回転可能に設けられ、表面温度を調整可能な第1および第2混練ロールを備え、トナー原料を第1および第2混練ロールの軸線方向一端部から受入れ、第1および第2ロールの軸線方向他端部から排出するオープンロール型連続混練機によって、トナー原料を混練することを特徴とするトナーの製造方法である。
本発明に従えば、混練工程において、導電性着色剤および結着樹脂を含有し、導電性着色剤の含有量がトナー原料全量の6.0重量%以上8.0重量%以下であるトナー原料を混練することによって、結着樹脂中に少なくとも導電性着色剤が分散された混練物が生成される。混練工程で得られた混練物は、造粒工程において粒子化され、トナー粒子となる。混練工程では、オープンロール型連続混練機によってトナー原料を混練する。トナー原料は、オープンロール型連続混練機の第1および第2混練ロールの軸線方向一端部に供給され、第1混練ロールと第2混練ロールとの間を通過するときに加わる圧力によって混練され、結着樹脂中に少なくとも導電性着色剤が分散された混練物として第1および第2混練ロールの軸線方向他端部から排出される。第1および第2混練ロールは外方に臨んで設けられるので、トナー原料は外方に臨んだ状態で混練される。このように外方に臨んだ状態でトナー原料を混練することによって、混練によるトナー原料の各成分同士の摩擦によって生じる熱を外部に放出させることができるので、第1および第2混練ロールの表面温度をそれぞれ調整することによって、混練されるトナー原料の温度を調整することができる。これによって、トナー原料の温度が過度に上昇することを防ぎ、トナー原料中の結着樹脂の粘度が低くなりすぎることを防ぐことができるので、たとえば閉鎖型二軸押出混練機を用いる場合に比べて、第1混練ロールと第2混練ロールとの間を通過するトナー原料に対してより大きな圧力を加えることができる。したがって、導電性着色剤の含有量が6.0重量%以上8.0重量%以下と多くても、温度25℃および相対湿度50%の環境下におけるトナーの電気抵抗率が1.50×1011Ω・cm以上3.00×1011Ω・cm以下になるように導電性着色剤を結着樹脂中に分散させることができるので、帯電性に優れるとともに、画像濃度の高い画像を形成することのできるトナーを容易に製造することができる。
本発明によれば、帯電性に優れると共に、トナーの消費量を削減できる程度に高い画像濃度の画像を形成することのできるトナーを得ることができる。また画像濃度の高い画像を形成できることによって、記録媒体へのトナーの付着量を低減し、定着部材で加熱及び加圧して記録媒体に定着させるときにトナーを溶融しやすくすることができるので、低温オフセット現象が発生し始める温度を低下させ、非オフセット域を広げることができる。
また本発明によれば、非オフセット域を広げるとともに、結着樹脂からの離型剤の遊離を防ぎ、フィルミングの発生を防ぐことができる。
また本発明によれば、帯電性に優れるとともに、トナーの消費量を削減できる程度に高い画像濃度の画像を形成することのできるブラックトナーを得ることができる。
また本発明によれば、画像濃度を高め、充分な画像濃度を有する画像を形成することができる。また記録媒体に定着させるときにトナーを全体にわたって充分に溶融させることができるので、非オフセット域が狭くなることを防ぐことができる。
また本発明によれば、導電性着色剤の含有量が6.0重量%以上8.0重量%以下と多くても、温度25℃および相対湿度50%の環境下におけるトナーの電気抵抗率が1.50×1011Ω・cm以上3.00×1011Ω・cm以下になるように導電性着色剤を結着樹脂中に分散させることができるので、帯電性に優れるとともに、画像濃度の高い画像を形成することのできるトナーを容易に製造することができる。
本発明の第1実施形態であるトナーは、結着樹脂に少なくとも導電性を有する導電性着色剤が分散されたトナー粒子を含む。トナー粒子中に含有される導電性着色剤の含有量は、トナー粒子全量の6.0重量%以上8.0重量%以下である。また本実施の形態のトナーは、温度25℃および相対湿度50%の環境下における電気抵抗率(以後、単に「電気抵抗率」とも称する)が、1.50×1011Ω・cm以上3.00×1011Ω・cm以下である。
トナー粒子中に導電性着色剤が含有されるトナーの電気抵抗率は、トナー粒子中に含有される導電性着色剤の分散性に依存する。たとえば結着樹脂中の導電性着色剤の分散性が悪く、導電性着色剤同士が凝集していると、導電性着色剤同士が導通するので、トナー全体の電気抵抗率が低くなる。したがってトナーの電気抵抗率は、トナー粒子中における導電性着色剤の分散性の指標になる。
導電性着色剤の含有量がトナー粒子全量の6.0重量%以上8.0重量%以下である時に、トナーの電気抵抗率が1.50×1011Ω・cm未満であると、電気抵抗率が1.50×1011Ω・cm以上である場合に比べて、結着樹脂中での導電性着色剤の分散性が低くなるので、形成される画像の画像濃度が低くなる。本実施形態のトナーは、電気抵抗率が1.50×1011Ω・cm以上3.00×1011Ω・cm以下であるので、結着樹脂中での導電性着色剤の分散性に優れ、画像濃度の高い画像を実現することができる。
したがって、本実施形態のトナーを用いることによって、たとえば記録媒体へのトナーの付着量が0.40mg/cm2以上0.50mg/cm2以下と少なくても、画像濃度(Image Density;略称ID)が1.40以上と高い画像を形成することができる。
「画像濃度(ID)」とは、印字濃度のことであり、画像の光を吸収する程度を表す値である。IDは、反射率濃度または透過率濃度であり、反射率または透過率の逆数の常用対数で表される。より詳細には、IDは、入射光量をPiとし、反射光量または透過光量をP0としたとき、ID=10log(Pi/P0)で表される。IDとしては、反射原稿の場合には反射率濃度が用いられ、オーバーヘッドプロジェクタ(Over Head
Projector;略称OHP)用のシートに形成された画像のような透過原稿の場合には透過率濃度が用いられる。
Projector;略称OHP)用のシートに形成された画像のような透過原稿の場合には透過率濃度が用いられる。
IDが1.40以上の画像であれば、その画像を観察する観察者は、明瞭な画像として認識することができるので、画像濃度(ID)は1.40以上であることが好ましい。本実施形態のトナーを用いたシステム、たとえば後述する画像形成方法では、前述のように記録媒体への付着量が0.40mg/cm2以上0.50mg/cm2以下であるときのIDが1.40以上確保できるので、トナーの消費量を削減することができる。
また、このように記録媒体へのトナーの付着量を低減できることによって、定着部材で加熱および加圧して記録媒体に定着させるときにトナーを溶融しやすくすることができるので、低温オフセット現象が発生し始める温度(以後、「低温オフセット開始温度」とも称する)を低下させることができる。したがって非オフセット域を広げることができる。
トナーの電気抵抗率は、導電性着色剤の分散性の指標になるだけでなく、トナーの帯電性の指標にもなる。トナーの電気抵抗率が1.50×1011Ω・cm未満であると、電気抵抗率が1.50×1011Ω・cm以上である場合に比べて帯電されやすいので初期の帯電の立ち上がりは良好であるが、電荷保持能力が低く、電荷の逸散が速いので、帯電された後に現像に使用されずに収容容器内に放置されている間に帯電量が減少する。このようなトナーを1成分現像剤または2成分現像剤として用いて繰返し画像形成を行なうと、そのトナーを用いた最初の画像形成時からの経過時間の増加に伴ってトナーの帯電量が急激に減少し、トナーが不所望に飛散して白地かぶりが発生する。本実施形態のトナーは、電気抵抗率が1.50×1011Ω・cm以上3.00×1011Ω・cm以下であるので、帯電安定性に優れ、連続して繰返し画像を形成させるときの帯電量の減少を防ぐことができる。これによって白地かぶりの発生を抑えることができる。またトナーの電気抵抗率が1.50×1011Ω・cm以上3.00×1011Ω・cm以下であれば、帯電の立ち上がりは遅くならず、良好に維持することができる。
またトナーの電気抵抗率が3.00×1011Ω・cmを超えると、帯電の立ち上がりが遅くなるので、実用可能な帯電量、たとえば20〜30μC/g程度の帯電量に達するのに時間がかかり、画像形成動作を開始するまでに要する時間が長くなる。また電気抵抗率が3.00×1011Ω・cm以下である場合に比べて帯電されにくくなるので、帯電不良が発生し、白地かぶりが発生する。本実施形態のトナーは、電気抵抗率が1.50×1011Ω・cm以上3.00×1011Ω・cm以下であるので、電気抵抗率が3.00×1011Ω・cmを超える場合に比べて帯電の立ち上がりを速くし、実用可能な帯電量に達するまでに要する時間を短くすることができる。したがって、本実施形態のトナーを用いて画像を形成するときに、画像形成動作を開始するまでに要する時間を短縮することができる。
前述のように本実施形態のトナーにおいて、導電性着色剤の含有量は、トナー粒子全量の6.0重量%以上8.0重量%以下である。導電性着色剤の含有量がトナー粒子全量の6.0重量%未満であると、トナーの電気抵抗率が3.00×1011Ω・cmを超えやすく、帯電の立ち上がりの遅延および帯電不良が発生するおそれがある。またトナー中の着色剤量が不足し、トナーの電気抵抗率が1.50×1011Ω・cm以上になるように導電性着色剤を分散させたとしても、画像濃度(ID)の低い、かすんだ画像が形成される。本実施形態では、導電性着色剤の含有量はトナー粒子全量の6.0重量%以上8.0重量%以下であるので、導電性着色剤の含有量が6.0重量%未満である場合に比べて、トナーの電気抵抗率をより確実に1.50×1011Ω・cm以上3.00×1011Ω・cm以下にすることができる。これによって帯電の立ち上がりの遅延および帯電不良の発生を防ぐことができる。また導電性着色剤の含有量が6.0重量%未満である場合に比べて、画像濃度を向上させることができるので、記録媒体へのトナーの付着量を低減し、トナーの消費量を削減することができる。
また導電性着色剤の含有量がトナー粒子全量の8.0重量%を超えると、後述する混練工程において外部から強いシェアをかけても、導電性着色剤を結着樹脂中に均一に分散させることができず、トナーの電気抵抗率が1.50×1011Ω・cm未満になりやすく、白地かぶりが発生するおそれがある。本実施形態では、導電性着色剤の含有量はトナー粒子全量の6.0重量%以上8.0重量%以下であるので、トナーの電気抵抗率をより確実に1.50×1011Ω・cm以上3.00×1011Ω・cm以下にすることができる。これによって白地かぶりの発生を防ぐことができる。
以上のように本実施形態によれば、導電性着色剤の含有量がトナー粒子全量の6.0重量%以上8.0重量%以下であり、かつ温度25℃および相対湿度50%の環境下におけるトナーの電気抵抗率が1.50×1011Ω・cm以上3.00×1011Ω・cm以下であるので、帯電性に優れるとともに、画像濃度の高い画像を形成することのできるトナーを実現することができる。
本実施形態のトナーは、トナー粒子中に、離型剤および帯電制御剤などの添加剤を含有してもよい。これらの添加剤は、導電性着色剤とともに結着樹脂中に分散される。また本実施形態のトナーは、トナー粒子に外添剤が外添されたものであってもよい。
添加剤として帯電制御剤などの導電性を有する添加剤が内添または外添される場合、添加剤の種類および含有量によってトナーの電気抵抗率が若干変化することがあるが、この変化量は、導電性着色剤の分散性の違いによる変化量に比べれば小さい。これは、添加剤の電気抵抗率が導電性着色剤の電気抵抗率に比べて大きいためであると推察される。このようにトナーの電気抵抗率に対しては、導電性着色剤の分散性が、添加剤の種類および含有量よりも大きく影響するので、前述のようにトナーの電気抵抗率を結着樹脂中における導電性着色剤の分散性の指標として用いることができる。
(a)導電性着色剤
導電性着色剤としては、温度25℃および相対湿度50%の環境下における電気抵抗率が1.00×103Ω・cm以上1.00×105Ω・cm以下である導電性着色剤を用いることが好ましい。導電性着色剤の電気抵抗率が1.00×103Ω・cm未満であると、導電性着色剤の含有量を前述のようにトナー粒子全量の6.0重量%以上8.0重量%以下としても、トナーの電気抵抗率が1.50×1011Ω・cm以上にならないおそれがある。導電性着色剤の電気抵抗率が1.00×105Ω・cmを超えると、導電性着色剤の含有量を前述のようにトナー粒子全量の6.0重量%以上8.0重量%以下としても、トナーの電気抵抗率が3.00×1011Ω・cm以下にならないおそれがある。電気抵抗率が1.00×103Ω・cm以上1.00×105Ω・cm以下である導電性着色剤を用いることによって、トナーの電気抵抗率をより確実に1.50×1011Ω・cm以上3.00×1011Ω・cm以下にすることができるので、前述のように帯電性に優れるとともに、画像濃度の高い画像を形成することのできるトナーをより確実に実現することができる。
導電性着色剤としては、温度25℃および相対湿度50%の環境下における電気抵抗率が1.00×103Ω・cm以上1.00×105Ω・cm以下である導電性着色剤を用いることが好ましい。導電性着色剤の電気抵抗率が1.00×103Ω・cm未満であると、導電性着色剤の含有量を前述のようにトナー粒子全量の6.0重量%以上8.0重量%以下としても、トナーの電気抵抗率が1.50×1011Ω・cm以上にならないおそれがある。導電性着色剤の電気抵抗率が1.00×105Ω・cmを超えると、導電性着色剤の含有量を前述のようにトナー粒子全量の6.0重量%以上8.0重量%以下としても、トナーの電気抵抗率が3.00×1011Ω・cm以下にならないおそれがある。電気抵抗率が1.00×103Ω・cm以上1.00×105Ω・cm以下である導電性着色剤を用いることによって、トナーの電気抵抗率をより確実に1.50×1011Ω・cm以上3.00×1011Ω・cm以下にすることができるので、前述のように帯電性に優れるとともに、画像濃度の高い画像を形成することのできるトナーをより確実に実現することができる。
本実施形態では、導電性着色剤としてカーボンブラックを用いる。これによってブラックトナーが得られる。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラックおよびランプブラックなどが挙げられる。
これらの中でも、前述のように温度25℃および相対湿度50%の環境下における電気抵抗率が1.00×103Ω・cm以上1.00×105Ω・cm以下であるカーボンブラックを用いることが好ましい。電気抵抗率が1.00×103Ω・cm以上1.00×105Ω・cm以下であるカーボンブラックとしては、たとえば前述のファーネスブラックが挙げられる。
(b)結着樹脂
結着樹脂としては、加熱によって溶融可能な樹脂であれば特に制限されず用いることができる。「溶融」とは、流動化することを意味し、軟化を含む。結着樹脂の溶融温度Tmは、特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、150℃以下であることが好ましく、より好ましくは60℃以上150℃以下である。結着樹脂の溶融温度Tmが150℃を超えると、後述する混練工程において結着樹脂が溶融しにくくなるので、トナー原料の混練が困難になり、結着樹脂中における導電性着色剤およびその他の添加剤の分散性が低下するおそれがある。また記録媒体に定着させるときにトナーが溶融しにくくなるので、トナーの定着性が低下して記録媒体に定着されにくくなり、定着不良が発生するおそれがある。結着樹脂の溶融温度Tmが60℃未満であると、トナーの保存安定性が低下し、画像形成装置内部での保存中にトナーが熱凝集を起こしやすくなる。トナーの熱凝集が起こると、トナーを安定して像担持体に供給することができず、現像不良が発生するおそれがある。また画像形成装置の故障が誘発されるおそれもある。
結着樹脂としては、加熱によって溶融可能な樹脂であれば特に制限されず用いることができる。「溶融」とは、流動化することを意味し、軟化を含む。結着樹脂の溶融温度Tmは、特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、150℃以下であることが好ましく、より好ましくは60℃以上150℃以下である。結着樹脂の溶融温度Tmが150℃を超えると、後述する混練工程において結着樹脂が溶融しにくくなるので、トナー原料の混練が困難になり、結着樹脂中における導電性着色剤およびその他の添加剤の分散性が低下するおそれがある。また記録媒体に定着させるときにトナーが溶融しにくくなるので、トナーの定着性が低下して記録媒体に定着されにくくなり、定着不良が発生するおそれがある。結着樹脂の溶融温度Tmが60℃未満であると、トナーの保存安定性が低下し、画像形成装置内部での保存中にトナーが熱凝集を起こしやすくなる。トナーの熱凝集が起こると、トナーを安定して像担持体に供給することができず、現像不良が発生するおそれがある。また画像形成装置の故障が誘発されるおそれもある。
結着樹脂のガラス転移温度Tgは、特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、得られるトナーの定着性および保存安定性などを考慮すると、30℃以上80℃以下であることが好ましい。結着樹脂のガラス転移温度Tgが30℃未満であると、保存安定性が不充分になり、画像形成装置内部でのトナーの熱凝集が起こりやすくなり、現像不良が発生するおそれがある。また高温オフセット現象が発生し始める温度(以後、「高温オフセット開始温度」と称する)が低下し、非オフセット域が狭まるおそれもある。結着樹脂のガラス転移温度Tgが80℃を超えると、トナーの定着性が低下し、定着不良が発生するおそれがある。
結着樹脂の分子量は、特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、重量平均分子量で5000以上500000以下であることが好ましい。結着樹脂の重量平均分子量が5000未満であると、結着樹脂の機械的強度が低下し、得られるトナー粒子が現像装置内部での撹拌などによって粉砕されやすくなり、造粒工程において生成されるトナー粒子の形状が変化し、たとえば帯電性能にばらつきが生じるおそれがある。結着樹脂の重量平均分子量が500000を超えると、溶融しにくくなるので、混練工程における着色剤および添加剤との混練が困難になり、混練物中における導電性着色剤および添加剤の分散性が低下するおそれがある。またトナーの定着性が低下し、定着不良が発生するおそれがある。結着樹脂の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(Gel Permeation
chromatography;略称GPC)によって測定されるポリスチレン換算の値である。
chromatography;略称GPC)によって測定されるポリスチレン換算の値である。
結着樹脂としては、たとえば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びアクリル樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、1種が単独で使用されてもよく、また2種以上が併用されてもよい。また同一種の樹脂であっても、分子量および単量体組成などのいずれか1つまたは複数が異なる樹脂を複数種併用することができる。
前述の樹脂の中でもポリエステル樹脂を用いることが好ましい。ポリエステル樹脂はアクリル樹脂などの他の樹脂に比べて溶融温度Tmが低いので、ポリエステル樹脂を用いることによって、より低い温度で定着することのできる低温定着性に優れるトナーを得ることができる。またポリエステル樹脂を用いることによって、他の樹脂を用いる場合に比べてトナーの流動性を向上させることができる。またポリエステル樹脂は透光性に優れるので、ポリエステル樹脂を用いることによって、発色性に優れ、また他の色のトナーとの重ね合わせによって形成される二次色の発色性に優れるカラートナーを得ることができる。
(c)離型剤
トナー粒子は、離型剤を含有することが好ましい。トナー粒子に離型剤を含有させることによって、トナーに離型性を付与することができるので、離型剤を用いない場合に比べて、高温オフセット開始温度を高め、耐高温オフセット性を向上させることができる。またトナーを定着させるときの加熱によって離型剤を溶融させ、トナーを溶融しやすくすることができるので、低温オフセット開始温度を低下させ、耐低温オフセット性を向上させることができる。これによって非オフセット域を広げることができる。
トナー粒子は、離型剤を含有することが好ましい。トナー粒子に離型剤を含有させることによって、トナーに離型性を付与することができるので、離型剤を用いない場合に比べて、高温オフセット開始温度を高め、耐高温オフセット性を向上させることができる。またトナーを定着させるときの加熱によって離型剤を溶融させ、トナーを溶融しやすくすることができるので、低温オフセット開始温度を低下させ、耐低温オフセット性を向上させることができる。これによって非オフセット域を広げることができる。
トナー粒子が離型剤を含有する場合、離型剤の含有量は、トナー粒子全量の4.0重量以上5.0重量%以下であることが好ましい。離型剤の含有量がトナー粒子全量の4.0重量%未満であると、離型剤を含有させることによる効果が充分に発揮されず、充分な非オフセット域を確保できないおそれがある。離型剤の含有量がトナー粒子全量の5.0重量%を超えると、離型剤の含有量がトナー粒子全量の5.0重量%以下である場合に比べて、結着樹脂中に離型剤を分散性良く分散させることが困難になるので、結着樹脂中での離型剤の分散性が低下し、離型剤の凝集が発生することがある。凝集した離型剤は、画像を形成する過程におけるトナーの撹拌などによって結着樹脂から遊離しやすく、遊離した離型剤は、感光体などの像担持体の表面にフィルム状に融着してフィルミングを発生させる。したがって、離型剤の含有量は、トナー粒子全量の4.0重量%以上5.0重量%以下であることが好ましい。
離型剤の含有量をトナー粒子全量の4.0重量%以上5.0重量%以下にすることによって、離型剤を添加することによる耐高温オフセット性および耐低温オフセット性の向上効果を充分に発揮させることができるので、非オフセット域をより確実に広げることができる。また離型剤の含有量がトナー粒子全量の5.0重量%を超える場合に比べて、結着樹脂中での離型剤の分散性を向上させることができるので、離型剤の結着樹脂からの遊離を防ぎ、遊離した離型剤による像担持体へのフィルミングの発生を防ぐことができる。
離型剤としては、たとえばワックスなどが挙げられる。ワックスとしては、カルナウバワックスおよびライスワックスなどの天然ワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックスおよびフィッシャートロプッシュワックスなどの合成ワックス、モンタンワックスなどの石炭系ワックス、パラフィンワックスなどの石油系ワックス、アルコール系ワックス、ならびにエステル系ワックスなどが挙げられる。離型剤は、1種が単独で使用されてもよく、また2種以上が併用されてもよい。
(d)帯電制御剤
帯電制御剤は、トナーの帯電極性を制御し、帯電値を安定させるために添加される。トナー粒子が帯電制御剤を含有する場合、帯電制御剤の含有量は、トナー粒子全量の0.5重量%以上2.0重量%以下であることが好ましい。帯電制御剤の含有量がトナー粒子全量の0.5重量%未満であると、帯電の立ち上がりが遅くなるおそれがある。帯電制御剤の含有量がトナー粒子全量の2.0重量%を超えると、帯電制御剤の分散状態が悪くなり、逆極性に帯電されたトナーが発生し、トナーの帯電安定性を阻害するおそれがある。帯電制御剤の含有量をトナー粒子全量の0.5重量%以上2.0重量%以下とすることによって、帯電立ち上がりが良好で、かつ、安定した帯電値の推移が得られる。
帯電制御剤は、トナーの帯電極性を制御し、帯電値を安定させるために添加される。トナー粒子が帯電制御剤を含有する場合、帯電制御剤の含有量は、トナー粒子全量の0.5重量%以上2.0重量%以下であることが好ましい。帯電制御剤の含有量がトナー粒子全量の0.5重量%未満であると、帯電の立ち上がりが遅くなるおそれがある。帯電制御剤の含有量がトナー粒子全量の2.0重量%を超えると、帯電制御剤の分散状態が悪くなり、逆極性に帯電されたトナーが発生し、トナーの帯電安定性を阻害するおそれがある。帯電制御剤の含有量をトナー粒子全量の0.5重量%以上2.0重量%以下とすることによって、帯電立ち上がりが良好で、かつ、安定した帯電値の推移が得られる。
帯電制御剤としては、たとえば、カリックスアレン類、4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、有機金属錯体、キレート化合物、サリチル酸亜鉛などのサリチル酸の金属塩、およびスルホン酸基またはアミノ基などのイオン性基を有するモノマーを単独重合または共重合させた重合体などが挙げられる。帯電制御剤は、1種が単独で用いられてもよく、また2種以上が併用されてもよい。帯電制御剤の電気抵抗率は、温度25℃および相対湿度50%の環境下において1.0×108Ω・cm〜1.0×1010Ω・cm程度である。
(e)外添剤
外添剤としては、たとえば流動性向上剤などが挙げられる。流動性向上剤をトナー粒子に外添することによって、トナーの流動性を向上させることができる。流動性向上剤としては、たとえば、シリカ(二酸化ケイ素)、チタニア(二酸化チタン)、マグネシア(酸化マグネシウム)およびアルミナ(酸化アルミニウム)などの金属酸化物粒子、ならびに重合法などによって生成される樹脂粒子などが挙げられる。外添剤の1次粒径は、たとえば30μmである。流動性向上剤の電気抵抗率は、温度25℃および相対湿度50%の環境下において1.0×108Ω・cm〜1.0×1010Ω・cm程度である。
外添剤としては、たとえば流動性向上剤などが挙げられる。流動性向上剤をトナー粒子に外添することによって、トナーの流動性を向上させることができる。流動性向上剤としては、たとえば、シリカ(二酸化ケイ素)、チタニア(二酸化チタン)、マグネシア(酸化マグネシウム)およびアルミナ(酸化アルミニウム)などの金属酸化物粒子、ならびに重合法などによって生成される樹脂粒子などが挙げられる。外添剤の1次粒径は、たとえば30μmである。流動性向上剤の電気抵抗率は、温度25℃および相対湿度50%の環境下において1.0×108Ω・cm〜1.0×1010Ω・cm程度である。
外添剤の添加量は、トナー粒子100重量部に対して、たとえば1重量部である。外添剤の添加量は、これに限定されるものではないが、トナー粒子100重量部に対して、0.05重量部以上1重量部以下であることが好ましく、0.05重量部以上0.10重量部以下であることがさらに好ましい。外添剤の添加量がトナー粒子100重量部に対して0.05重量部未満であると、外添剤を添加することによる流動性などの向上効果が充分に発揮されないおそれがある。外添剤の添加量がトナー粒子100重量部に対して0.10重量部を超えると、トナー中に外添剤が遊離した状態で存在し、この遊離した外添剤によって感光体などの像担持体が損傷を受け、画像欠陥が生じるおそれがある。特に外添剤の添加量がトナー粒子100重量部に対して1重量部を超えると、トナー粒子からの外添剤の遊離が発生しやすくなり、遊離した外添剤による像担持体の損傷およびそれによる画像欠陥が一層生じやすくなる。
本実施形態のトナーは、記録剤として、電子写真法または静電記録法によって画像を形成して記録するときの静電潜像の現像に使用することができ、特に電子写真法による記録に用いられる電子写真記録用トナーとして好適に用いられる。静電潜像の現像において、本実施形態のトナーは、たとえば非磁性2成分現像用トナーとして用いられる。本実施形態のトナーは、単独で1成分現像剤として用いられてもよく、キャリアと混合されて2成分現像剤として用いられてもよい。本実施形態のトナーは、トナー粒子に磁性材料が含有されて磁性トナーとして用いられてもよい。
本実施形態のトナーを含む2成分現像剤において、本実施形態のトナーと混合して使用されるキャリアは、温度25℃および相対湿度50%の環境下における電気抵抗率が、1.00×106Ω・cm以上1.00×108Ω・cm以下であることが好ましい。キャリアの電気抵抗率が1.00×106Ω・cm未満であると、電気抵抗率が1.00×106Ω・cm以上である場合に比べて帯電保持能力が低いので、帯電されて現像剤収容容器内に収容されている間にキャリアの帯電量が減少してトナーの帯電量が減少し、白地かぶりが発生するおそれがあり、現像性に劣る。キャリアの電気抵抗率が1.00×108Ω・cmを超えると、電気抵抗率が1.00×108Ω・cm以下である場合に比べて摩擦帯電されにくくなるので、帯電の立ち上がりが悪くなり、設定された値よりも低い帯電量のトナーが現像に使用され、白地かぶりが発生するおそれがある。したがって、キャリアの電気抵抗率は1.00×106Ω・cm以上1.00×108Ω・cm以下である事が好ましい。キャリアの電気抵抗率を1.00×106Ω・cm以上1.00×108Ω・cm以下とする事によって、帯電の立ち上がりが良好で、かつ、現像性も良好になる。
キャリアとしては、たとえば、鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、フェライトおよびマグネタイトなどの粒子が挙げられる。またこれらの粒子の表面をアクリル樹脂またはシリコーン樹脂などの樹脂で被覆したものを用いることもできる。
以上に述べた第1実施形態のトナーは、たとえば本発明の実施の第2形態である画像形成方法に使用される。本実施形態の画像形成方法は、電子写真法によって画像を形成する画像形成方法である。本実施形態において第1実施形態のトナーは、キャリアと混合されて2成分現像剤として用いられる。
本実施形態では、像担持体である電子写真感光体(以後、単に「感光体」とも称する)に形成される静電潜像を、第1実施形態のトナーを含む現像剤によって現像してトナー像を形成し、形成されたトナー像を記録媒体に転写して定着させることによって画像を形成する。より詳細には、本実施形態の画像形成方法は、感光体に静電潜像を形成する潜像形成工程と、形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写工程と、転写されたトナー像を記録媒体に定着させる定着工程とを含む。
潜像形成工程では、感光体の表面をコロナ帯電装置などの帯電手段によって一様に帯電させた後、形成すべき画像に従って露光する。これによって静電潜像が形成される。現像工程では、静電潜像が形成された感光体の表面に、キャリアとの摩擦帯電によって帯電された第1実施形態のトナーを供給する。これによって静電潜像が現像され、第1実施形態のトナーから成るトナー像が形成される。転写工程では、形成されたトナー像を転写ローラなどの転写手段によって記録媒体に転写する。記録媒体としては、たとえば紙、およびポリエステルフィルムなどの樹脂フィルムなどが挙げられる。定着工程では、記録媒体に転写されたトナー像を定着手段によって加熱して記録媒体に定着させる。定着手段としては、たとえば、定着部材として加熱可能な加熱ローラと加熱ローラに当接して設けられる加圧ローラとを備え、加熱ローラと加圧ローラとの間に記録媒体を通過させることによって、記録媒体とともにトナー像を加熱および加圧して記録媒体に定着させる熱ローラ定着装置などが挙げられる。
本実施形態では、前記記録媒体上の画像濃度が1.40以上となるように、記録媒体へのトナーの付着量は、0.40mg/cm2以上0.50mg/cm2以下に制御される。より詳細には、前記記録媒体上の画像濃度が1.40以上となるように、記録媒体へのトナーの付着量は、記録媒体への転写後であって定着させる前の状態において、0.40mg/cm2以上0.50mg/cm2以下になるように制御される。このように本実施形態では、記録媒体へのトナーの付着量、より詳細には記録媒体への転写後であって定着させる前の状態における記録媒体へのトナーの付着量は、0.40mg/cm2以上0.50mg/cm2以下の範囲から、記録媒体上の画像濃度が1.40以上となるように選ばれる。
記録媒体へのトナーの付着量が0.50mg/cm2を超えると、前記付着量が0.50mg/cm2以下である場合に比べて、記録媒体への単位面積当たりのトナーの量が多くなるので、記録媒体に定着させるときにトナー全体を充分に溶融させることができず、低温オフセット発生温度が高くなり、非オフセット域が狭くなる。したがって、記録媒体へのトナーの付着量は、0.50mg/cm2以下にすることが好ましい。
また記録媒体へのトナーの付着量を0.50mg/cm2以下と少なくすると、形成される画像の画像濃度が低下し、画像濃度(ID)が1.40未満と低い画像が形成されるおそれがあるが、本実施形態では、トナーとして第1実施形態のトナーが用いられるので、記録媒体へのトナーの付着量を0.50mg/cm2以下としても、画像濃度(ID)が1.40以上と高い画像を形成することができる。ただし、記録媒体へのトナーの付着量が0.40mg/cm2未満であると、前記付着量が0.40mg/cm2以上である場合に比べて、記録媒体への単位面積当たりのトナーの量が少なくなるので、画像濃度(ID)を1.40以上にすることが困難になり、画像濃度(ID)が1.40未満と低い画像が形成されることになる。したがって、記録媒体へのトナーの付着量は、0.40mg/cm2以上にすることが必要となる。
本実施形態では、第1実施形態のトナーを用い、1.40以上という高い画像濃度(ID)を有する画像を形成するときのトナーの記録媒体への付着量を0.40mg/cm2以上0.50mg/cm2以下にするので、記録媒体に定着させるときにトナーを全体にわたって充分に溶融させることができ、低温オフセット開始温度を低下させ、非オフセット域を広げることができる。また少ないトナー付着量で画像を形成できる事によって、トナーの消費量を削減する事ができる。
また記録媒体へのトナーの付着量が0.40mg/cm2以上0.50mg/cm2以下と少なく、1回の画像形成で消費されるトナーの量が少ないと、同じトナー粒子が現像槽内に長期間貯留されることになる。この場合に、トナーの電気抵抗率が前述のように1.50×1011Ω・cm未満であると、電気抵抗率が1.50×1011Ω・cm以上である場合に比べて電荷保持能力が低く、帯電安定性に劣るので、繰返し画像形成を行なう間にトナーの帯電量が減少して予め定める値よりも小さくなり、白地かぶりが発生する。本実施形態では、前述のように電気抵抗率が1.50×1011Ω・cm以上3.00×1011Ω・cm以下であり、帯電安定性に優れる第1実施形態のトナーが用いられるので、前述のように少ないトナー消費量で連続して繰返し画像形成を行なう場合におけるトナーの帯電量の減少を防ぎ、白地かぶりの発生を抑えることができる。
記録媒体へのトナーの付着量は、現像工程において感光体に付着するトナーの量および転写工程において感光体から記録媒体に転写されるときのトナーの転写率などに依存する。現像工程における感光体へのトナーの付着量は、感光体の表面電位および現像剤を担持する現像剤担持体の表面電位、感光体と現像剤担持体との距離、キャリアの磁力、キャリアの電気抵抗率、現像剤担持体による現像剤の担持量、ならびに感光体と現像剤担持体との周速比などの現像条件によって決定される。したがって、記録媒体へのトナーの付着量は、たとえば、試験的に種々の現像条件で記録媒体に画像を形成させ、得られた画像における記録媒体へのトナーの付着量および画像濃度(ID)を測定し、記録媒体上の画像濃度(ID)が1.40以上になり、かつ記録媒体へのトナーの付着量が0.40mg/cm2以上0.50mg/cm2以下になるときの現像条件を求め、その現像条件で画像を形成することによって、記録媒体上の画像濃度(ID)が1.40以上となるように、0.40mg/cm2以上0.50mg/cm2以下に制御することができる。
第1実施形態のトナーは、例えば本発明の第3実施形態であるトナーの製造方法によって製造される。図1は、本発明の第3実施形態であるトナーの製造方法の手順を示すフローチャートである。本実施形態のトナーの製造方法は、大略的に、混練工程と造粒工程とを含む。より詳細には、本実施形態のトナーの製造方法は、前混合工程(ステップs1)と、混練工程(ステップs2)と、粉砕工程(ステップs3)と、分級工程(ステップs4)とを含む。本実施形態では、粉砕工程及び分級工程が造粒工程に相当する。本実施形態によるトナーの製造は、ステップs0で開始され、ステップs1の前混合工程に進む。
ステップs1の前混合工程では、混合機を用いて、結着樹脂および導電性着色剤を含有するトナー原料を混合し、原料混合物を生成する。導電性着色剤は、トナー原料全量の6.0重量%以上8.0重量%以下の割合でトナー原料に含有される。前述の離型剤などの添加剤がトナー粒子に含有される場合、離型剤などの添加剤はトナー原料に含有される。この場合、離型剤の含有量は、トナー原料全量の4.0重量%以上5.0重量%以下であることが好ましい。トナー原料中の結着樹脂および導電性着色剤などの各材料は予め必要量計量されて混合機に供給される。混合機としては、たとえば、Q型ミキサーおよびヘンシェルミキサーなどの高速攪拌型混合機などが挙げられる。このようにして原料混合物が生成されると、ステップs2の混練工程に進む。
混練工程では、オープンロール型連続混練機によって原料混合物を混練する。図2はオープンロール型連続混練機1における要部の構成を概略的に示す平面図であり、図3は図2に示すオープンロール型連続混練機1の斜視図である。
オープンロール型連続混練機1は、原料混合物を供給する原料供給部3と、原料混合物を溶融混練する加熱ロール4および冷却ロール5と、排出口が形成される図示しない排出口部に取付けられ、加熱ロール4の表面に付着する原料混合物の混練物を加熱ロール4表面から掻き取り落下させる円形状のストリップカッター6と、ストリップカッター6によって掻き取られ落下する落下物を捕集する回収ボックス7と、加熱ロール4および冷却ロール5を水平に支持するロール支持部8とを含んで構成される。加熱ロール4は第1混練ロールに相当し、冷却ロール5は第2混練ロールに相当する。加熱ロール4および冷却ロール5は、外方に臨んで設けられる、いわゆるオープンロールである。
本実施形態において原料供給部3は、スクリューフィーダであり、テーブルフィーダーなどによって定量的かつ連続的に原料混合物の供給を受けるホッパ部2aと、内部にらせん状のスクリューを備え、ホッパ部2aから供給される原料混合物を加熱ロール4および冷却ロール5の軸線方向一端部に供給するスクリュー部2bとを含む。スクリュー部2bの内部には、2本のスクリューが互いに平行に配置されている。加熱ロール4および冷却ロール5の軸線方向におけるスクリュー部2bの幅寸法である供給幅W1は、たとえば300mmである。原料供給部3は、スクリューフィーダに限定されない。原料供給部3は、たとえば振動型の電磁フィーダによって実現されてもよい。原料供給部3が電磁フィーダである場合、電磁フィーダのトラフは、たとえば水平方向に対して鉛直方向下向きに約10°傾斜するように設けられる。
加熱ロール4は、略円柱状であり、軸線方向両端部に突出して形成される加熱ロール軸4aを介してロール支持部8に回転可能に支持される。加熱ロール軸4aは、軸線まわりに図示しない駆動手段によって矢符9方向に回転駆動される。冷却ロール5は、略円柱状であり、軸線方向両端部に突出して形成される冷却ロール軸5aを介してロール支持部8に回転可能に支持される。冷却ロール軸5aは、軸線まわりに図示しない駆動手段によって、加熱ロール4の回転方向と逆の方向である矢符10方向に回転駆動される。加熱ロール軸4と冷却ロール軸5とは、軸線が平行になるようにロール支持部8に支持される。加熱ロール軸4aおよび冷却ロール軸5aが互いに逆方向に回転駆動されることによって、加熱ロール4および冷却ロール5は、平行な軸線まわりに互いに逆方向に回転駆動される。本実施形態では、加熱ロール4および冷却ロール5の外周面には、らせん状の溝11、12が形成されているが、溝は形成されていなくてもよい。
加熱ロール4の内部には、図示しないけれども、加熱ロール4を加熱する温水または温オイルなどの加熱媒体が流下する流路が形成されており、加熱媒体を循環させることができる。これによって加熱ロール4を加熱することができる。加熱媒体は、原料混合物供給側である加熱ロール4の軸線方向一端部の温度を検出する不図示の供給側加熱温度センサ、および混練物排出側である加熱ロール4の軸線方向他端部の温度を検出する排出側加熱温度センサの検出出力に応じて、不図示の供給量制御手段によって加熱ロール4内の流路に供給される量が制御される。これによって、加熱ロール4の表面温度、より詳細には原料混合物供給側である加熱ロール4の軸線方向一端部の表面温度および混練物排出側である加熱ロール4の軸線方向他端部の表面温度をそれぞれ調整することができる。
加熱ロール4と同様、冷却ロール5の内部には、図示しないけれども、冷却ロール4を冷却する水などの冷却媒体が流下する流路が形成されており、冷却媒体を循環させることができる。これによって冷却ロール5を冷却することができる。冷却媒体は、加熱媒体と同様に、原料混合物供給側である冷却ロール5の軸線方向一端部の温度を検出する不図示の供給側冷却温度センサ、および混練物排出側である冷却ロール5の軸線方向他端部の温度を検出する排出側冷却温度センサの検出出力に応じて、不図示の供給量制御手段によって冷却ロール5内の流路に供給される量が制御される。これによって、冷却ロール5の表面温度、より詳細には原料混合物供給側である冷却ロール5の軸線方向一端部の表面温度および混練物排出側である冷却ロール5の軸線方向他端部の表面温度をそれぞれ調整することができる。このように加熱ロール4および冷却ロール5の表面温度を調整することによって、混練物の温度を調整することができる。
加熱ロール4および冷却ロール5は、軸線方向の長さ寸法Lおよび外径寸法Dが略等しく形成される。加熱ロール4および冷却ロール5の軸線方向の長さ寸法Lは、たとえば800mmである。加熱ロール4および冷却ロール5の外径寸法Dは、たとえば140mmである。加熱ロール4と冷却ロール5とは、外周面同士が対向するように間隔W2を空けて設けられる。加熱ロール4と冷却ロール5との間隔W2は、図示しないけれども、冷却ロール軸5aの両端に取付けられた油圧シリンダのロッドを進退させて、冷却ロール5の水平方向の位置を変更することによって調整することができる。加熱ロール4と冷却ロール5との間隔W2は、たとえば3.0mmである。
ロール支持部8には、図示しないけれども、前述の加熱ロール4および冷却ロール5を駆動する駆動手段、油圧シリンダ、加熱ロール4内の流路に加熱媒体を供給する供給手段および冷却ロール5内の流路に冷却媒体を供給する供給手段などが収容される。ストリップカッター6は、たとえば金属によって形成される。
ステップs1の前混合工程で得られた原料混合物は、原料供給部3のホッパ部2aに供給され、一時的に貯留される。オープンロール型連続混練機1によれば、ホッパ部2aに貯留される原料混合物が、スクリュー部2bを介して鉛直方向下方である矢符13方向に排出され、原料混合物供給側である加熱ロール4および冷却ロール5の軸線方向一端部に供給される。
原料供給部3から供給された原料混合物は、供給された地点付近、より詳細には加熱ロール4および冷却ロール5の軸線方向一端部の加熱ロール4と冷却ロール5との間隙に滞留する。この滞留物は、加熱ロール4による加熱、加熱ロール4との摩擦による発熱および冷却ロール5との摩擦による発熱などによって溶融し、加熱ロール4に巻きつく。加熱ロール4に巻きついた滞留物である原料混合物は、加熱ロール4および冷却ロール5の回転によって圧力を受ける。この圧力によって、原料混合物に剪断力が生じ、原料混合物中の結着樹脂内に導電性着色剤などの結着樹脂以外の原料が練り込まれて混練される。
原料混合物は連続的に供給されるので、それに伴って加熱ロール4と冷却ロール5との間に滞留する原料混合物の量が増加する。滞留する原料混合物は、その量の増加に伴って、混練物排出側である加熱ロール4および冷却ロール5の軸線方向他端部に向かって順次移動する。この移動のときに原料混合物は、加熱ロール4および冷却ロール5から繰返し圧力を受ける。これによって、結着樹脂中に導電性着色剤などの結着樹脂以外の原料が分散された混練物が、加熱ロール4表面に巻きついた状態で生成する。加熱ロール4の表面に巻きついた混練物は、ストリップカッター6によって切断され、鉛直方向下方である矢符14方向に排出され、回収ボックス7に回収される。
オープンロール型連続混練機1では、加熱ロール4および冷却ロール5は外方に臨んで設けられるので、原料混合物は外方に臨んだ状態で混練される。この状態では、原料混合物を混練することによる原料混合物中の各成分同士の摩擦によって生じる熱は外部に放出されるので、原料混合物の温度は、加熱ロール4および冷却ロール5の表面温度に依存する。したがって、加熱ロール4および冷却ロール5の表面温度をそれぞれ調整することによって、原料混合物の温度を目的とする温度により容易に調整することができる。
これに対し、閉鎖型二軸押出混練機などの閉鎖型押出混練機では、原料混合物の温度を目的とする温度に調整することは困難である。たとえば、池貝鉄工株式会社製のPCM−65(型番)などのPCM型混練機(商品名)は、軸線が平行に配置される二本のスクリューを備え、供給口から供給される原料混合物を二本のスクリュー同士の間に流し込み、二本のスクリューの回転によって順次排出口の方に押出して移動させることによって混練する。原料混合物を混練するスクリューは外方に臨むようには設けられておらず、シリンダ内に収容されているので、原料混合物の混練による各成分同士の摩擦によって生じる熱は外部に放出されず、原料混合物をさらに加熱することになる。この加熱によって原料混合物の温度がシリンダの内表面温度によって規定される温度よりも上昇することになるので、原料混合物中の結着樹脂の粘度が低くなりすぎ、原料混合物に対して圧力を充分に加えることができなくなる。したがって、前述のPCM型混練機などの閉鎖型二軸押出混練機などの閉鎖型押出混練機では、原料混合物に加わる圧力であるシェアは、オープンロール型連続混練機に比べて低くなる。
オープンロール型連続混練機1では、前述のように原料混合物の温度を目的とする温度に容易に調整することができる。これによって原料混合物の温度が過度に上昇することを防ぎ、原料混合物中の結着樹脂の粘度が低くなりすぎることを防ぐことができるので、閉鎖型二軸押出混練機を用いる場合に比べて、原料混合物に対してより大きな圧力を加えることができる。したがって、導電性着色剤の含有量が6.0重量%以上8.0重量%以下と多くても、温度25℃および相対湿度50%の環境下におけるトナーの電気抵抗率が1.50×1011Ω・cm以上3.00×1011Ω・cm以下になる程度に均一に導電性着色剤を結着樹脂中に分散させる事ができるので、帯電性に優れるとともに、画像濃度の高い画像を形成することのできる第1実施形態のトナーを容易に製造することができる。
本実施形態のオープンロール型連続混練機1は、混練に用いられる混練ロールとして、加熱ロール4および冷却ロール5の2本のロールを備えるが、これに限定されず、3本以上の混練ロールを備えていてもよい。この場合、3本以上の混練ロールは、軸線が互いに平行になるように並設される。また本実施形態では、混練ロールである加熱ロール4および冷却ロール5は、外径寸法Lが軸線方向全体にわたって一様に形成されるが、これに限定されず、軸線方向一方側から他方側に向かって外径寸法Dが大きくなるように形成される円柱形状のロールであってもよい。
図2および図3に示すようなオープンロール型連続混練機は、市販されており、市販品としては、たとえば三井鉱山株式会社製のニーデックスMOS−140−800(商品名)などが挙げられる。
以上のようにしてオープンロール型連続混練機によって原料混合物が混練されて混練物が生成すると、ステップs3の粉砕工程に進む。ステップs3の粉砕工程では、混練物が粉砕装置によって粉砕され、トナー粒子が生成する。粉砕装置としては、たとえば、旋回流式ジェットミルおよび衝突板式ジェットミルなどのジェット式粉砕装置、ならびに回転型機械ミルなどが挙げられる。このようにしてトナー粒子が生成すると、ステップs4の分級工程に進む。
ステップs4の分級工程では、ステップs3の粉砕工程において生成するトナー粒子を含むトナーを分級装置によって分級し、所望の粒径分布を有するトナーを得る。分級装置としては、たとえば、風力分級装置、慣性式分級装置および篩式分級装置などが挙げられる。このようにして得られるトナーの体積平均粒径は、たとえば6.5μmである。得られたトナーは、そのままトナーとして用いることができる。また得られたトナーに前述の外添剤を外添して、トナー粒子に外添剤が外添されたトナーとしてもよい。
以上のようにしてトナーが得られると、ステップs5に進み、本実施形態によるトナーの製造が終了する。本実施形態では、導電性着色剤としてカーボンブラックが用いられるので、ブラックトナーが得られる。
本実施形態では、ステップs2の混練工程において、オープンロール型連続混練機によって原料混合物を混練するので、閉鎖型二軸押出混練機などの閉鎖型押出混練機を用いる場合に比べて、原料混合物に対してより大きな圧力を加える事ができ、結着樹脂中に導電性着色剤をより均一に分散させる事ができる。したがって、前述のように導電性着色剤の含有量がトナー粒子全量の6.0重量%以上8.0重量%以下であり、温度25℃および相対湿度50%の環境下における電気抵抗率が1.50×1011Ω・cm以上3.00×1011Ω・cm以下である第1実施形態のトナーをより容易に製造する事ができる。
以上のように本実施形態では、造粒工程として粉砕工程および分級工程を含む、いわゆる粉砕法によって第1実施形態のトナーが製造されるが、第1実施形態のトナーの製造方法は、これに限定されない。第1実施形態のトナーは、たとえば、造粒工程として前述のステップs3の粉砕工程およびステップs4の分級工程に代えて、ステップs2で得られた原料混合物の混練物を溶融させて水性媒体中に分散させることによって粒子化してトナー粒子を生成する工程を含む溶融乳化法などのケミカル法などによって製造されてもよい。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明するけれども、本発明は以下の記載内容に限定されるものではない。
(a)測定方法
以下の実施例および比較例で用いた結着樹脂の溶融温度Tm、ガラス転移温度、重量平均分子量および数平均分子量、離型剤の吸熱ピーク温度および針入度、ならびに以下の実施例および比較例で得られたトナーの体積基準分布の50%平均粒径(以後、「体積平均粒径」とも称する)、記録媒体への付着量および電気抵抗率Rは、以下のようにして測定した。
以下の実施例および比較例で用いた結着樹脂の溶融温度Tm、ガラス転移温度、重量平均分子量および数平均分子量、離型剤の吸熱ピーク温度および針入度、ならびに以下の実施例および比較例で得られたトナーの体積基準分布の50%平均粒径(以後、「体積平均粒径」とも称する)、記録媒体への付着量および電気抵抗率Rは、以下のようにして測定した。
〔結着樹脂の溶融温度Tm〕
結着樹脂の溶融温度Tmは、フローテスター(商品名:CFT−500、株式会社島津製作所製)を用いて測定した。具体的には、ダイとして細孔の径が1mmであり、長さが1mmであるダイを用い、荷重20kgf/cm2(1.96133MPa)、昇温開始温度60℃、昇温速度6℃/分の測定条件で1mm3の試料を溶融流出させ、流出量と温度との関係を表す流出量−温度特性曲線を求めた。流出量−温度特性曲線の流出開始点から流出終了点までの高さの2分の1(1/2)に相当する温度を求め、この温度を溶融温度Tmとした。
結着樹脂の溶融温度Tmは、フローテスター(商品名:CFT−500、株式会社島津製作所製)を用いて測定した。具体的には、ダイとして細孔の径が1mmであり、長さが1mmであるダイを用い、荷重20kgf/cm2(1.96133MPa)、昇温開始温度60℃、昇温速度6℃/分の測定条件で1mm3の試料を溶融流出させ、流出量と温度との関係を表す流出量−温度特性曲線を求めた。流出量−温度特性曲線の流出開始点から流出終了点までの高さの2分の1(1/2)に相当する温度を求め、この温度を溶融温度Tmとした。
〔結着樹脂のガラス転移温度Tg〕
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線のガラス転移に相当する吸熱ピークの高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立ち上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度Tgとして求めた。
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線のガラス転移に相当する吸熱ピークの高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立ち上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度Tgとして求めた。
〔結着樹脂の重量平均分子量および数平均分子量〕
GPC装置(東ソー株式会社製:HLC−8220GPC)を用い、温度40℃において、試料の0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液を試料溶液とし、注入量100mLで測定し、分子量校正曲線から重量平均分子量および数平均分子量を求めた。分子量校正曲線は標準ポリスチレンを用いて作成した。
GPC装置(東ソー株式会社製:HLC−8220GPC)を用い、温度40℃において、試料の0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液を試料溶液とし、注入量100mLで測定し、分子量校正曲線から重量平均分子量および数平均分子量を求めた。分子量校正曲線は標準ポリスチレンを用いて作成した。
〔離型剤の吸熱ピーク温度〕
示差走査熱量分析計(商品名:DSC−5200、セイコー電子工業株式会社製)を用い、試料を温度30℃から昇温速度10℃/分で昇温させ、温度30〜200℃の範囲でDSC曲線を求めた。得られたDSC曲線から吸熱ピークの頂点の温度を求め、この温度を試料の吸熱ピーク温度とした。リファレンスサンプルにはアルミナを用いた。
示差走査熱量分析計(商品名:DSC−5200、セイコー電子工業株式会社製)を用い、試料を温度30℃から昇温速度10℃/分で昇温させ、温度30〜200℃の範囲でDSC曲線を求めた。得られたDSC曲線から吸熱ピークの頂点の温度を求め、この温度を試料の吸熱ピーク温度とした。リファレンスサンプルにはアルミナを用いた。
〔離型剤の針入度〕
JIS K2235に準じ、温度25℃において測定した。
JIS K2235に準じ、温度25℃において測定した。
〔トナーの体積平均粒径〕
粒度分布測定装置(商品名:コールターマルチサイザーII、コールター株式会社製)を用い、試料の体積基準分布の50%平均粒径である体積平均粒径を測定した。測定粒子数は50,000カウントとし、アパーチャ径は100μmとした。
粒度分布測定装置(商品名:コールターマルチサイザーII、コールター株式会社製)を用い、試料の体積基準分布の50%平均粒径である体積平均粒径を測定した。測定粒子数は50,000カウントとし、アパーチャ径は100μmとした。
〔トナーの記録媒体への付着量〕
未使用の記録媒体の重量を電子天秤で測定し、未使用状態における記録媒体の単位面積あたりの重量(以後、「転写前重量」とも称する)m1(mg/cm2)を求めた。この記録媒体にトナー像を転写した後、定着する前に、トナー像が転写された記録媒体の重量を電子天秤で測定し、トナー像の転写後における単位面積あたりの記録媒体の重量(以後、「転写後重量」とも称する)m2(mg/cm2)を求めた。転写後重量m2から転写前重量m1を減算した値(m2−m1)をトナーの記録媒体への付着量(mg/cm2)として求めた。
未使用の記録媒体の重量を電子天秤で測定し、未使用状態における記録媒体の単位面積あたりの重量(以後、「転写前重量」とも称する)m1(mg/cm2)を求めた。この記録媒体にトナー像を転写した後、定着する前に、トナー像が転写された記録媒体の重量を電子天秤で測定し、トナー像の転写後における単位面積あたりの記録媒体の重量(以後、「転写後重量」とも称する)m2(mg/cm2)を求めた。転写後重量m2から転写前重量m1を減算した値(m2−m1)をトナーの記録媒体への付着量(mg/cm2)として求めた。
〔トナーの電気抵抗率R〕
温度25℃および相対湿度50%の環境下で、直径30mm、深さ2mmの真円形状の穴が開いた管にトナーを投入し、上下方向から100kg/cm2の圧力で成形し、測定サンプルを作製した。
温度25℃および相対湿度50%の環境下で、直径30mm、深さ2mmの真円形状の穴が開いた管にトナーを投入し、上下方向から100kg/cm2の圧力で成形し、測定サンプルを作製した。
誘電体損自動測定装置TR−10C型(商品名、安藤電気株式会社製)を用い、温度25℃および相対湿度50%の環境下において、作製した測定サンプルの電気抵抗率Rを周波数1kHzの条件で測定した。
(b)トナー原料
以下の実施例および比較例では、以下に示す結着樹脂、着色剤、離型剤および帯電制御剤を使用した。
以下の実施例および比較例では、以下に示す結着樹脂、着色剤、離型剤および帯電制御剤を使用した。
〔結着樹脂〕
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂(溶融温度110℃、ガラス転移温度60℃、重量平均分子量10、000、数平均分子量3、000)を使用した。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂(溶融温度110℃、ガラス転移温度60℃、重量平均分子量10、000、数平均分子量3、000)を使用した。
〔着色剤〕
着色剤としては、カーボンブラック(商品名:ナイペックス60(1次粒径60μm)、デグサ社製、ファーネスブラック)を使用した。使用したナイペックス60の温度25℃および相対湿度50%の環境下における電気抵抗率は、5.0×104Ω・cmである。
着色剤としては、カーボンブラック(商品名:ナイペックス60(1次粒径60μm)、デグサ社製、ファーネスブラック)を使用した。使用したナイペックス60の温度25℃および相対湿度50%の環境下における電気抵抗率は、5.0×104Ω・cmである。
〔離型剤〕
離型剤としては、パラフィン系離型剤(吸熱ピーク温度73℃、25℃における針入度7、100℃における粘度8mm2/s、25℃における密度0.93g/cm3)を使用した。
離型剤としては、パラフィン系離型剤(吸熱ピーク温度73℃、25℃における針入度7、100℃における粘度8mm2/s、25℃における密度0.93g/cm3)を使用した。
〔帯電制御剤〕
帯電制御剤としては、サリチル酸金属塩系帯電制御剤であるサリチル酸クロムを使用した。
帯電制御剤としては、サリチル酸金属塩系帯電制御剤であるサリチル酸クロムを使用した。
(c)実施例
(実施例1)
(b)に示す結着樹脂、着色剤、離型剤および帯電制御剤を表1に示す割合で混合機(商品名:ヘンシェルミキサー、三井鉱山株式会社製)に投入し、3分間混合して原料混合物を調製した。表1では、原料混合物の全量を100重量%としたときの各材料の割合(重量%)で各材料の使用量を示す。
(実施例1)
(b)に示す結着樹脂、着色剤、離型剤および帯電制御剤を表1に示す割合で混合機(商品名:ヘンシェルミキサー、三井鉱山株式会社製)に投入し、3分間混合して原料混合物を調製した。表1では、原料混合物の全量を100重量%としたときの各材料の割合(重量%)で各材料の使用量を示す。
得られた原料混合物を前述の図2および図3に示す構成のオープンロール型連続混練機(商品名:ニーデックスMOS−140−800、三井鉱山株式会社製)にて混練し、混練物を生成した。オープンロール型連続混練機の加熱ロールおよび冷却ロールには、外径寸法Dが140mmであり、軸線方向の長さ寸法Lが800mmであるロールを用い、加熱ロールと冷却ロールとの間隔W2は3.0mmとした。
得られた混練物を冷却して粗砕した後、ジェット式粉砕機(商品名:IDS−2型、日本ニューマチック工業株式会社製)によって微粉砕した。得られた微粉砕物を風力分級機(商品名:DS−2型、日本ニューマチック工業株式会社製)にて分級し、体積平均粒径が6.5μmであるトナー粉末を得た。得られたトナー粉末100重量部に、外添剤である流動性付与剤としてシリカ(1次粒径30μm)1重量部を混合し、黒トナーを得た。得られたトナーの電気抵抗率R(以後、単に「R」と表記する事がある)を表1に示す。
(実施例2〜8)
原料混合物中の各材料の割合を表1に示す割合にそれぞれ変更すること以外は実施例1と同様にして、黒トナーを製造した。得られたトナーの電気抵抗率Rを表1に示す。
原料混合物中の各材料の割合を表1に示す割合にそれぞれ変更すること以外は実施例1と同様にして、黒トナーを製造した。得られたトナーの電気抵抗率Rを表1に示す。
(比較例1)
原料混合物の混練に際し、オープンロール型連続混練機に代えて、閉鎖型二軸押出混練機(商品名:PCM−65、池貝鉄工株式会社製)を用いる以外は実施例1と同様にして、黒トナーを製造した。シリンダの内表面温度は、実施例1で使用したオープンロール型連続混練機の加熱ロールの最高表面温度となる原料混合物供給側における加熱ロールの表面温度と同じ温度に設定した。得られたトナーの電気抵抗率Rを表1に示す。
原料混合物の混練に際し、オープンロール型連続混練機に代えて、閉鎖型二軸押出混練機(商品名:PCM−65、池貝鉄工株式会社製)を用いる以外は実施例1と同様にして、黒トナーを製造した。シリンダの内表面温度は、実施例1で使用したオープンロール型連続混練機の加熱ロールの最高表面温度となる原料混合物供給側における加熱ロールの表面温度と同じ温度に設定した。得られたトナーの電気抵抗率Rを表1に示す。
(比較例2および3)
原料混合物中の各材料の割合を表1に示す割合にそれぞれ変更すること以外は比較例1と同様にして、黒トナーを製造した。得られたトナーの電気抵抗率Rを表1に示す。
原料混合物中の各材料の割合を表1に示す割合にそれぞれ変更すること以外は比較例1と同様にして、黒トナーを製造した。得られたトナーの電気抵抗率Rを表1に示す。
(比較例4〜7)
原料混合物中の各材料の割合を表1に示す割合にそれぞれ変更すること以外は実施例1と同様にして、黒トナーを製造した。得られたトナーの電気抵抗率Rを表1に示す。
原料混合物中の各材料の割合を表1に示す割合にそれぞれ変更すること以外は実施例1と同様にして、黒トナーを製造した。得られたトナーの電気抵抗率Rを表1に示す。
(d)評価
[評価1]
実施例1〜8および比較例1〜7で得られた各トナーについて、以下のようにして画像濃度、非オフセット域、帯電性、耐フィルミング性および帯電安定性を評価した。
[評価1]
実施例1〜8および比較例1〜7で得られた各トナーについて、以下のようにして画像濃度、非オフセット域、帯電性、耐フィルミング性および帯電安定性を評価した。
<画像濃度>
得られたトナーを用い、市販のディジタル複写機(商品名:AR−C280、シャープ株式会社製)にて、記録媒体である記録用紙(商品名:PPC用紙SF−4AM3、シャープ株式会社製)に、全面がべたである画像を形成させ、これを評価用画像とした。「全面がべたである画像」とは、前述のディジタル複写機によって画像を形成可能な領域全体の記録媒体にトナーが付着されて形成される画像のことであり、「全面べたの画像」とも称する。未定着状態でのトナーの記録媒体への付着量は、表1に示す値になるように調整した。前述のディジタル複写機AR−C280において、定着装置への通紙速度である定着スピードは175mm/secである。
得られたトナーを用い、市販のディジタル複写機(商品名:AR−C280、シャープ株式会社製)にて、記録媒体である記録用紙(商品名:PPC用紙SF−4AM3、シャープ株式会社製)に、全面がべたである画像を形成させ、これを評価用画像とした。「全面がべたである画像」とは、前述のディジタル複写機によって画像を形成可能な領域全体の記録媒体にトナーが付着されて形成される画像のことであり、「全面べたの画像」とも称する。未定着状態でのトナーの記録媒体への付着量は、表1に示す値になるように調整した。前述のディジタル複写機AR−C280において、定着装置への通紙速度である定着スピードは175mm/secである。
スペクトロデンシトメーター(商品名:X−Rite938、X−Rite社製)を用い、得られた評価用画像の反射率濃度を測定し、これを画像濃度(ID)とした。測定された画像濃度(ID)の値を評価指標として用い、以下に示される3段階の評価基準に基づいて画像濃度を評価した。
○:良好。ID値が、1.40以上である。
△:実用上問題なし。ID値が、1.30以上1.40未満である。
×:不良。ID値が、1.30未満である。
○:良好。ID値が、1.40以上である。
△:実用上問題なし。ID値が、1.30以上1.40未満である。
×:不良。ID値が、1.30未満である。
<耐オフセット性>
市販のディジタル複写機(商品名:AR−C280、シャープ株式会社製)から定着装置を取除いて得た試験用複写機を用い、記録用紙(商品名:PPC用紙SF−4AM3、シャープ株式会社製)に、得られたトナーの全面べたの画像を未定着の状態で形成させた。未定着状態でのトナーの記録媒体への付着量は、表1に示す値になるように調整した。
市販のディジタル複写機(商品名:AR−C280、シャープ株式会社製)から定着装置を取除いて得た試験用複写機を用い、記録用紙(商品名:PPC用紙SF−4AM3、シャープ株式会社製)に、得られたトナーの全面べたの画像を未定着の状態で形成させた。未定着状態でのトナーの記録媒体への付着量は、表1に示す値になるように調整した。
形成された未定着画像を別体の定着装置に通紙速度175mm/secで通紙して定着し、定着された画像を目視によって観察し、前述のディジタル複写機による画像形成可能な領域にトナーの付着していない部分が生じているか否かを判断することによって、オフセット現象の発生の有無を判断した。別体の定着装置には、前述の複写機AR−C280から取除いた定着装置を外部駆動できるように、また加熱ローラの表面温度を任意の温度に制御できるように改造したものを用いた。
この操作を、加熱ローラの表面温度を130℃から210℃まで10℃ずつ順次上昇させて繰返し行ない、オフセット現象が発生しない加熱ローラの表面温度の範囲を求め、これを非オフセット域(℃)とした。表1に非オフセット域(℃)を示す。表1に示す非オフセット域の下限値は、オフセット現象が発生しない加熱ローラの表面温度の最低値であり、上限値は、オフセット現象が発生しない加熱ローラの表面温度の最高値である。非オフセット域を評価指標として用い、以下に示される3段階の評価基準に基づいて、耐オフセット性を評価した。
○:良好。非オフセット域が140℃以上200℃以下の範囲を含む。
△:実用上問題なし。非オフセット域が、150℃以上190℃以下の範囲を含み、140℃以上150℃未満の範囲または190℃を超え200℃以下の範囲を含まない。
×:不良。非オフセット域が150℃以上190℃以下の範囲よりも狭い。
○:良好。非オフセット域が140℃以上200℃以下の範囲を含む。
△:実用上問題なし。非オフセット域が、150℃以上190℃以下の範囲を含み、140℃以上150℃未満の範囲または190℃を超え200℃以下の範囲を含まない。
×:不良。非オフセット域が150℃以上190℃以下の範囲よりも狭い。
<帯電性>
実施例1〜8および比較例1〜7で得られた各トナーと、前記複写機AR−C280のキャリア(電気抵抗率1.00×107Ω・cm)とを、トナーとキャリアとの合計重量であるデベロッパー重量Dに対するトナーの重量Tの割合T/Dが6重量%になるようにそれぞれ混合した後、容量50mLのポリエチレン製容器に投入し、撹拌機としてボールミルを用い、回転速度175回転/分の条件で撹拌した。キャリアの電気抵抗率は、トナーの電気抵抗率と同様にして測定した。
実施例1〜8および比較例1〜7で得られた各トナーと、前記複写機AR−C280のキャリア(電気抵抗率1.00×107Ω・cm)とを、トナーとキャリアとの合計重量であるデベロッパー重量Dに対するトナーの重量Tの割合T/Dが6重量%になるようにそれぞれ混合した後、容量50mLのポリエチレン製容器に投入し、撹拌機としてボールミルを用い、回転速度175回転/分の条件で撹拌した。キャリアの電気抵抗率は、トナーの電気抵抗率と同様にして測定した。
この撹拌サンプルの一部を撹拌開始から5分間隔で採取し、吸引法にてトナーの帯電量を測定し、撹拌開始からの経過時間とトナーの帯電量との関係を求め、トナーの帯電量が初めて飽和値に達したときの撹拌開始からの経過時間を帯電の立ち上がり時間として求めた。帯電の立ち上がり時間を評価指標として用い、以下に示される3段階の評価基準に基づいて、帯電性を評価した。
○:良好。帯電の立ち上がり時間が10分以下であり、撹拌開始から10分後までの間に帯電が立ち上がり、飽和値に達している。
△:実用上問題なし。帯電の立ち上がり時間が10分を超え、30分以下であり、撹拌開始から10分を超え30分後までの間に帯電が立ち上がり、飽和値に達している。
×:不良。帯電の立ち上がり時間が30分を超え、撹拌開始から30分後までの間に帯電が立ち上がっていない。
○:良好。帯電の立ち上がり時間が10分以下であり、撹拌開始から10分後までの間に帯電が立ち上がり、飽和値に達している。
△:実用上問題なし。帯電の立ち上がり時間が10分を超え、30分以下であり、撹拌開始から10分を超え30分後までの間に帯電が立ち上がり、飽和値に達している。
×:不良。帯電の立ち上がり時間が30分を超え、撹拌開始から30分後までの間に帯電が立ち上がっていない。
<耐フィルミング性>
得られたトナーを市販のディジタル複写機(商品名:AR−C280、シャープ株式会社製)の現像槽に投入し、記録用紙に全面べたの画像を連続して形成させる印字試験を行なった。未定着状態でのトナーの記録用紙への付着量は、表1に示す値になるように調整した。記録用紙10、000枚への印字終了後および記録用紙20、000枚への印字終了後に、前記複写機AR−C280内部の感光体の状態を目視によって観察し、フィルミングの有無を判断した。フィルミングの有無から、以下に示される3段階の評価基準に基づいて、耐フィルミング性を評価した。
○:良好。20、000枚印字終了後においてもフィルミングなし。
△:実用上問題なし。10、000枚印字終了後にはフィルミングはないが、20、000枚印字終了後にはフィルミングあり。
×:不良。10、000枚印字終了後にフィルミングあり。
得られたトナーを市販のディジタル複写機(商品名:AR−C280、シャープ株式会社製)の現像槽に投入し、記録用紙に全面べたの画像を連続して形成させる印字試験を行なった。未定着状態でのトナーの記録用紙への付着量は、表1に示す値になるように調整した。記録用紙10、000枚への印字終了後および記録用紙20、000枚への印字終了後に、前記複写機AR−C280内部の感光体の状態を目視によって観察し、フィルミングの有無を判断した。フィルミングの有無から、以下に示される3段階の評価基準に基づいて、耐フィルミング性を評価した。
○:良好。20、000枚印字終了後においてもフィルミングなし。
△:実用上問題なし。10、000枚印字終了後にはフィルミングはないが、20、000枚印字終了後にはフィルミングあり。
×:不良。10、000枚印字終了後にフィルミングあり。
<帯電安定性>
得られたトナーを市販のディジタル複写機(商品名:AR−C280、シャープ株式会社製)の現像槽に投入し、印字率5%のサンプル画像を記録用紙20、000枚に連続して形成させる連続印字試験を行なった。未定着状態でのトナーの記録用紙への付着量は、表1に示す値になるように調整した。
得られたトナーを市販のディジタル複写機(商品名:AR−C280、シャープ株式会社製)の現像槽に投入し、印字率5%のサンプル画像を記録用紙20、000枚に連続して形成させる連続印字試験を行なった。未定着状態でのトナーの記録用紙への付着量は、表1に示す値になるように調整した。
連続印字試験後に、シャープ株式会社製のPPC用紙SF−4AM3(商品名)を前記複写機内に給紙して排紙させた。この動作前後において、日本電色工業株式会社製のカラーメーターZE−2000(商品名)を用いて、前記PPC用紙のJIS P8148に規定される白色度を白地かぶり値として測定した。排紙後の前記PPC用紙の白地かぶり値M2から、給紙前の前記PPC用紙の白地かぶり値M1を減算した値(M2−M1)をかぶり変化量として求めた。かぶり変化量を評価指標として用い、以下に示される3段階の評価基準に基づいて帯電安定性を評価した。
○:良好。かぶり変化量が0.40以下である。
△:実用上問題なし。かぶり変化量が0.40を超え0.50未満である。
×:不良。かぶり変化量が0.50以上である。
○:良好。かぶり変化量が0.40以下である。
△:実用上問題なし。かぶり変化量が0.40を超え0.50未満である。
×:不良。かぶり変化量が0.50以上である。
<総合判定>
以上の画像濃度、非オフセット域、帯電性、耐フィルミング性および帯電安定性の評価結果から、以下に示す4段階の評価基準に基づいて、トナー性能の総合判定を行なった。
◎:非常に良好。全項目が○である。
○:良好。1項目が△であり、それ以外の項目が○である。
△:実用上問題なし。2項目以上の項目が△であり、それ以外の項目が○である。
×:不良。1項目以上が×である。
以上の評価結果および総合判定結果を表1に示す。
以上の画像濃度、非オフセット域、帯電性、耐フィルミング性および帯電安定性の評価結果から、以下に示す4段階の評価基準に基づいて、トナー性能の総合判定を行なった。
◎:非常に良好。全項目が○である。
○:良好。1項目が△であり、それ以外の項目が○である。
△:実用上問題なし。2項目以上の項目が△であり、それ以外の項目が○である。
×:不良。1項目以上が×である。
以上の評価結果および総合判定結果を表1に示す。
実施例1〜8と比較例1〜3との比較から、オープンロール型連続混練機を用いた実施例1〜8では、トナーの電気抵抗率を1.50×1011Ω・cm以上3.00×1011Ω・cm以下とし、比較例1〜3に比べて着色剤の分散性を向上させ、画像濃度(ID)を高めることができることが判る。
これに対し、閉鎖型二軸押出混練機であるPCM型混練機で原料混合物を混練して製造した比較例1〜3のトナーは、電気抵抗率が1.50×1011Ω・cm未満であり、実施例1〜8のトナーに比べて着色剤の分散性に劣り、画像濃度(ID)が低いことが判る。これは、閉鎖型二軸押出混練機では、オープンロール型連続混練機に比べて、混練するときに原料混合物に加わるシェアが小さいためであると推察される。
また比較例1〜3のトナーは、帯電の立ち上がりは良好であるが、着色剤の含有量およびトナーの記録媒体への付着量の増加に伴って、非オフセット域が狭まり、また電気抵抗率Rが小さくなり、連続印字試験後には白地かぶり値が高くなることが判る。
比較例4および5の結果から明らかなように、導電性着色剤であるカーボンブラックの含有量がトナー粒子全量の6.0重量%未満であると、電気抵抗率Rが3.00×1011Ω・cmを超え、導電性着色剤の含有量がトナー粒子全量の6.0重量%以上8.0重量%以下である実施例1〜8のトナーに比べ、帯電の立ち上がりが遅く、画像濃度(ID)も低いことが判る。
比較例6および7の結果から明らかなように、導電性着色剤の含有量がトナー粒子全量の8.0重量%を超えると、電気抵抗率Rが1.50×1011Ω・cm未満となり、導電性着色剤の含有量が6.0重量%以上8.0重量%以下である実施例1〜8のトナーに比べ、帯電安定性に劣り、連続印字試験後には白地かぶり値が高くなることが判る。また比較例6および7のトナーは、実施例1〜8のトナーに比べ、非オフセット域が狭くなっていることが判る。これは、比較例6および7のトナーでは、導電性着色剤の含有量の増加に伴って結着樹脂の含有量が実施例1〜8のトナーに比べて少なくなっていること、および実施例1〜8のトナーに比べて着色剤量が過多の為に、定着時に全着色剤量を溶融させるのに必要な定着最適温度範囲が狭くなることが原因であると推察される。
実施例1〜4と実施例5および6との比較から、離型剤の含有量がトナー粒子全量の4.0重量%以上5.0重量%以下である実施例1〜4のトナーは、離型剤の含有量が4.0重量%未満である実施例5および6のトナーに比べ、非オフセット域が広く、耐オフセット性に優れることが判る。
実施例1〜4と実施例7および8との比較から、離型剤の含有量がトナー粒子全量の4.0重量%以上5.0重量%以下である実施例1〜4のトナーは、離型剤の含有量が5.0重量%を超える実施例7および8のトナーに比べ、耐フィルミング性に優れることが判る。
[評価2]
(試験例1)
実施例1のトナーを用い、評価1と同様にして、画像濃度、非オフセット域、帯電性、耐フィルミング性および帯電安定性を評価した。トナーの記録媒体への付着量は、0.40mg/cm2とした。
(試験例1)
実施例1のトナーを用い、評価1と同様にして、画像濃度、非オフセット域、帯電性、耐フィルミング性および帯電安定性を評価した。トナーの記録媒体への付着量は、0.40mg/cm2とした。
(試験例2〜4)
実施例2〜4のトナーをそれぞれ用い、トナーの記録媒体への付着量を表2に示す値にすること以外は試験例1と同様にして、画像濃度、非オフセット域、帯電性、耐フィルミング性および帯電安定性を評価した。
実施例2〜4のトナーをそれぞれ用い、トナーの記録媒体への付着量を表2に示す値にすること以外は試験例1と同様にして、画像濃度、非オフセット域、帯電性、耐フィルミング性および帯電安定性を評価した。
(比較試験例1および2)
実施例1のトナーを用い、トナーの記録媒体への付着量をそれぞれ表2に示す値にすること以外は試験例1と同様にして、画像濃度、非オフセット域、帯電性、耐フィルミング性および帯電安定性を評価した。
実施例1のトナーを用い、トナーの記録媒体への付着量をそれぞれ表2に示す値にすること以外は試験例1と同様にして、画像濃度、非オフセット域、帯電性、耐フィルミング性および帯電安定性を評価した。
(比較試験例3および4)
実施例4のトナーを用い、トナーの記録媒体への付着量を表2に示す値にすること以外は試験例1と同様にして、画像濃度、非オフセット域、帯電性、耐フィルミング性および帯電安定性を評価した。
以上の評価結果を表2に示す。表2には、トナーの電気抵抗率Rを合わせて示す。
実施例4のトナーを用い、トナーの記録媒体への付着量を表2に示す値にすること以外は試験例1と同様にして、画像濃度、非オフセット域、帯電性、耐フィルミング性および帯電安定性を評価した。
以上の評価結果を表2に示す。表2には、トナーの電気抵抗率Rを合わせて示す。
比較試験例1および3の結果から明らかなように、記録媒体へのトナーの付着量を0.40mg/cm2未満として画像を形成すると、定着させるときに溶融させて記録媒体に固着させるべきトナーの量が少ないので非オフセット域は充分に確保できるが、記録媒体へのトナーの付着量が0.40mg/cm2以上0.50mg/cm2以下である試験例1〜4に比べ、画像濃度(ID)が低くなり、1.40未満になることが判る。
比較試験例2および4の結果から明らかなように、記録媒体へのトナーの付着量を0.50mg/cm2を超える値にして画像を形成すると、画像濃度(ID)は高いが、定着させるときに溶融させて記録媒体に固着させるべきトナーの量が多いので、試験例1〜4に比べて非オフセット域が狭くなることが判る。また比較試験例2および4では、連続印字試験後の白地かぶり値が試験例1〜4に比べて高くなっていることが判る。これは、比較試験例2および4では、試験例1〜4に比べ、1回の画像形成におけるトナーの消費量が多くなるので、現像剤収容容器に補給されたトナーが、予め定める帯電量に達する前に現像に使用され、トナーの飛散が生じるためであると推察される。
以上のように、導電性着色剤の含有量を6.0重量%以上8.0重量%以下とし、かつ電気抵抗率Rを1.50×1011Ω・cm以上3.00×1011Ω・cm以下とすることによって、記録媒体へのトナーの付着量が0.40mg/cm2以上0.50mg/cm2以下であるときに画像濃度(ID)が1.40以上と高い画像を形成できるトナーが得られることが判った。またトナーの帯電値を安定させ、連続して画像を形成するときの白地かぶりの発生を防ぐことができることが判った。
また導電性着色剤の含有量が6.0重量%以上8.0重量%以下であり、電気抵抗率が1.50×1011Ω・cm以上3.00×1011Ω・cm以下である本発明のトナーを用い、記録媒体へのトナーの付着量を0.40mg/cm2以上0.5mg/cm2以下として画像を形成することによって、充分な非オフセット域を確保できるとともに、画像濃度(ID)が1.40以上と高い画像を形成できることが判った。
またオープンロール型連続混練機を用いてトナー原料を混練することによって、導電性着色剤の含有量が6.0重量%以上8.0重量%以下と高くても、トナーの電気抵抗率Rが1.50×1011Ω・cm以上3.00×1011Ω・cm以下になるように導電性着色剤を分散させることができ、記録媒体へのトナーの付着量が0.40mg/cm2以上0.50mg/cm2以下であるときに画像濃度(ID)が1.40以上と高い画像を形成できるトナーが得られることが判った。
1 オープンロール型連続混練機
2a ホッパ部
2b スクリュー部
3 原料供給部
4 加熱ロール
4a 加熱ロール軸
5 冷却ロール
5a 冷却ロール軸
6 ストリップカッター
7 回収ボックス
8 ロール支持部
2a ホッパ部
2b スクリュー部
3 原料供給部
4 加熱ロール
4a 加熱ロール軸
5 冷却ロール
5a 冷却ロール軸
6 ストリップカッター
7 回収ボックス
8 ロール支持部
Claims (5)
- 結着樹脂に少なくとも導電性を有する導電性着色剤が分散されたトナー粒子を含み、
導電性着色剤の含有量が、トナー粒子全量の6.0重量%以上8.0重量%以下であり、
温度25℃および相対湿度50%の環境下における電気抵抗率が、1.50×1011Ω・cm以上3.00×1011Ω・cm以下であることを特徴とするトナー。 - トナー粒子は、離型剤をさらに含有し、
離型剤の含有量が、トナー粒子全量の4.0重量%以上5.0重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。 - 導電性着色剤が、カーボンブラックであることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
- 像担持体に形成される潜像を、トナーを含む現像剤によって現像してトナー像を形成し、トナー像を記録媒体に転写して定着させることによって画像を形成する画像形成方法であって、
前記トナーは、請求項1〜3のいずれか1つに記載のトナーであり、
前記記録媒体上の画像濃度が1.40以上となるように、前記トナーの記録媒体への付着量は、0.40mg/cm2以上0.50mg/cm2以下に制御されることを特徴とする画像形成方法。 - 請求項1〜3のいずれか1つに記載のトナーの製造方法であって、
導電性を有する導電性着色剤および結着樹脂を含有し、導電性着色剤の含有量がトナー原料全量の6.0重量%以上8.0重量%以下であるトナー原料を混練することによって混練物を生成する混練工程と、
混練物を粒子化してトナー粒子を生成する造粒工程とを含み、
混練工程では、
外方に臨み、平行な軸線まわりに互いに逆方向に回転可能に設けられ、表面温度を調整可能な第1および第2混練ロールを備え、トナー原料を第1および第2混練ロールの軸線方向一端部から受入れ、第1および第2ロールの軸線方向他端部から排出するオープンロール型連続混練機によって、トナー原料を混練することを特徴とするトナーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006081454A JP2007256664A (ja) | 2006-03-23 | 2006-03-23 | トナーおよびその製造方法、ならびに画像形成方法 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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ID=38630959
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Country Status (1)
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011081022A (ja) * | 2009-09-14 | 2011-04-21 | Ricoh Co Ltd | 電子写真用トナー |
JP2013205844A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Xerox Corp | トナープロセス |
JP2020091467A (ja) * | 2018-11-27 | 2020-06-11 | 株式会社沖データ | トナー収容器、画像形成ユニット、画像形成装置及びカラートナーセット |
JP7528599B2 (ja) | 2020-07-21 | 2024-08-06 | 住友ベークライト株式会社 | ボンド磁石用樹脂組成物およびボンド磁石用樹脂組成物の製造方法 |
-
2006
- 2006-03-23 JP JP2006081454A patent/JP2007256664A/ja not_active Withdrawn
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JP2013205844A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Xerox Corp | トナープロセス |
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