JP2009122283A - トナー、二成分現像剤、現像装置および画像形成装置 - Google Patents

トナー、二成分現像剤、現像装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract


【課題】 高い流動性を有し、定着性を損なうことなく、非画像部のかぶりを発生させず、高精細で高解像度の高画質画像を形成することができるトナー、二成分現像剤、現像装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】 少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を含むトナーであって、粒径分布、個数分布として、体積平均粒子径を3.0〜6.0μmとし、5.0μm以下の粒子を40個数%以上とし、8.0μm以上の粒子を2体積%未満とする。さらに、トナー表面の離型剤量を0.7重量%以上1.8重量%以下とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トナー、二成分現像剤、現像装置および画像形成装置に関する。
潜像を顕像化するトナーは、種々の画像形成プロセスに用いられており、その一例として電子写真方式の画像形成プロセスに用いられることが知られている。
電子写真方式の画像形成装置は従来から複写機として普及し、最近ではコンピュータによって作成されるコンピュータ画像の出力装置としても優れた適性を有することから、コンピュータの普及に伴って、プリンタ、ファクシミリ装置などにも広く利用されている。電子写真方式の画像形成装置とは、一般に、感光体ドラム表面の感光層を均一に帯電させる帯電工程、帯電状態にある感光体ドラム表面に原稿像の信号光を投射して静電潜像を形成する露光工程、感光体ドラム表面の静電潜像に電子写真用トナー(以下単に「トナー」という)を供給して可視像化する現像工程、感光体ドラム表面の可視像を紙、OHPシートなどの記録媒体に転写する転写工程、可視像を加熱、加圧などにより記録媒体上に定着させる定着工程および可視像転写後の感光体ドラム表面に残留するトナーなどをクリーニングブレードにより除去して清浄化するクリーニング工程を実行して記録媒体上に所望の画像を形成する装置である。記録媒体への可視像の転写は、中間転写媒体を介して行われることもある。
近年、高画質化の流れに伴い、トナーを小粒径化する傾向があるが、非画像部へのかぶりが問題となり、特にトナー補給後のかぶりが問題となっている。トナーの小粒径化により、バルクでの帯電量は増加するが、トナー粒子個々の帯電量(特に小粒径のトナー粒子の帯電量)が低く、トナー粒子の帯電を十分に制御しきれないことが原因である。このような帯電量分布の不安定性を改善するために以下のような方法が提案されている。
特許文献1には、平均粒径が異なり、それぞれに内添される少なくとも1種類の内添剤(磁性粉、帯電制御剤、滑剤)の粒径が異なる少なくとも2種類のトナー粒子群を混合して用いることにより、トナーの粒度分布のブロード化に伴う各粒径間の帯電量の差を最小限にして、非画像部のかぶりのない安定した画像品質が得られる技術が開示されている。
特許文献2には、体積平均粒子径が3.0μm〜9.0μmのトナーにおいて、体積平均粒子径、色材含有量、および現像されるトナー重量の間に特定の条件を規定することにより、高画質と現像性(適正濃度とカブリ防止)とを両立させており、より高画質画像を得るために、粒度分布をD50p/D84p≦1.45または1.25≦Dn50/Dn25≦1.50とすることが開示されている。
特許文献3には、少なくともポリエステル樹脂、着色剤、離型剤、疎水性シリカ及び酸化チタンを含有するトナーにおいて、ワックス成分を樹脂中に島状に分散させ、トナー表面近傍に存在するWAX量を全反射型赤外分光法で測定されるトナー中の全成分に対し2〜10wt%に、トナーの体積平均粒径(Dv)を4.0〜6.0μmに、トナー粒子の形状係数SF−1を140〜200にすることで、トナーの流動性を良好に保ち、カブリのない高画質画像を得る技術が開示されている。
特開平7−199520号公報 特開平9−114127号公報 特開2005−234410号公報
特許文献1記載の発明では、粒度分布の小径側と大径側とで帯電制御剤の粒径を異ならせることで、長期間での帯電安定性には有効であるが、トナー補給直後に小粒径のトナーを十分に帯電させることは難しい。
特許文献2記載の発明では、トナーの粒度分布をD50p/D84p≦1.45または1.25≦Dn50/Dn25≦1.50に規定しているが、この粒度分布の規定では、体積平均粒径が4μm以下の微粉トナー粒子の含有量が不十分であり、十分に高精細化および高解像度化された画像を得ることはできない。
特許文献3記載の発明では、トナー表面近傍に存在するWAX量がトナー中の全成分に対し2〜10wt%と高いため、流動性が低下し、個々のトナー粒子の帯電も制御できないため、非画像部へのかぶりを抑制することはできない。また体積平均粒径だけを規定しているため、十分に高精細化および高解像度化された画像を得ることはできず、SF1の大きい領域では転写性が大きな課題となる。
本発明は上述のような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、高い流動性を有し、定着性を損なうことなく、非画像部のかぶりを発生させず、高精細で高解像度の高画質画像を形成することができるトナー、二成分現像剤、現像装置および画像形成装置を提供することである。
本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を含むトナーであって、
体積平均粒子径が3.0〜6.0μmであり、5.0μm以下の粒子が40個数%以上であり、8.0μm以上の粒子が2体積%未満であり、トナー表面の離型剤量が0.7重量%以上1.8重量%以下であることを特徴とするトナーである。
また本発明は、トナー表面の離型剤量が1.0重量%以上1.8重量%以下であることを特徴とする。
また本発明は、平均円形度が0.950以上0.960以下であることを特徴とする。
また本発明は、離型剤の融点が70℃以上であることを特徴とする。
また本発明は、離型剤が、石油系の離型剤であることを特徴とする。
また本発明は、石油系の離型剤がパラフィン系の離型剤であることを特徴とする。
また本発明は、トナー100重量部に対して外添剤を2.0重量部以上4.0重量部未満含むことを特徴とする。
また本発明は、上記のトナーとキャリアとを含むことを特徴とする二成分現像剤である。
また本発明は、キャリアの体積平均粒子径が50μm以下であることを特徴とする。
また本発明は、上記の二成分現像剤を用いて現像を行うことを特徴とする現像装置である。
また本発明は、上記の現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を含むトナーであって、体積平均粒子径が3.0〜6.0μmであり、5.0μm以下の粒子が40個数%以上であり、8.0μm以上の粒子が2体積%未満である。また、トナー表面の離型剤量が0.7重量%以上1.8重量%以下である。特に好ましくは、トナー表面の離型剤量が1.0重量%以上1.8重量%以下である。
トナー表面の離型剤量を上記範囲に規定することにより離型剤量が適正化され、小粒径で微粉の多いトナーであっても流動性が良好であり、個々のトナー粒子の帯電も適正に制御できるために、定着性を損なうことがない。また、トナーの小粒径化による課題である非画像部でのかぶりも発生せず、高精細で高解像度の高画質画像を形成することができる。
トナー表面の離型剤量が0.7重量%未満であると、定着時に離型剤が必要量溶出されず、定着不良、高温オフセットが発生し、1.8重量%を超えると、流動性が低下し、個々のトナー粒子の帯電も適正に制御できず非画像部でのかぶりが発生する。
トナーの粒径分布および個数分布を所定範囲に規定することにより、トナー飛散を抑え、高精細で高解像度の高画質画像を形成することができる。体積平均粒子径が3.0μm未満では、トナー飛散が発生し、6.0μmを超えると、十分に高精細で高解像度化された画像を形成することができない。5.0μm以下のトナー粒子が40個数%未満では、十分に高精細で高解像度化された画像を形成することができない。8.0μm以上のトナー粒子が2体積%より多いと、十分に高精細で高解像度化された画像を形成することができない。
また本発明によれば、平均円形度を0.950以上0.960以下とすることにより、かぶりの発生をより抑制し、クリーニング性を損なうことなく高画質な画像を形成することができる。平均円形度が0.950未満であると、かぶりの発生を十分に抑制できず、0.960を超えると、クリーニング不良が発生しやすくなる。
また本発明によれば、離型剤の融点を70℃以上とすることで、トナー保存安定性を損なうことなく、かぶりを抑制し、かつ高画質な画像を形成することができる。
また本発明によれば、離型剤を、石油系の離型剤、好ましくはパラフィン系の離型剤とすることで、定着性とトナー保存安定性を両立しつつ、かぶりを抑制し、かつ高画質な画像を形成することができる。
また本発明によれば、トナー100重量部に対して外添剤を2.0重量部以上4.0重量部未満とすることで、より流動性が良好で個々のトナー粒子の帯電も適正に制御できるために、定着性を損なうことなく、かぶりを抑制し、かつ高画質な画像を形成することができる。外添剤の含有量が2.0重量部未満であると、小径化トナー、特に微粉の多いトナーの場合は流動性が低下し、さらに表面積が大きいため、外添剤量が少ないと外添剤の効果が不十分となってしまう。このため現像剤中で個々のトナー粒子が十分帯電されずに非画像部でのかぶりが発生しやすい。また外添剤の含有量が4.0重量部以上であると、外添剤粒子同士が凝集しやすくなるため、トナー表面を効率よく覆うことができずに流動性を上げることができないため、現像剤中で個々のトナー粒子が十分帯電されずに非画像部でのかぶりが発生しやすい。
また本発明によれば、上記のトナーとキャリアとを含むことにより、個々のトナー粒子の帯電が適正に帯電され、非画像部でのかぶりの発生がなく、かつ高画質な画像を形成できる二成分現像剤を提供することができる。
また本発明によれば、キャリアの体積平均粒子径を50μm以下とすることにより、トナーとキャリアの接触機会が増え、個々のトナー粒子の帯電も適正に制御できるために、非画像部でのかぶりをさらに抑制し、かつ高画質な画像を形成することができる。
また本発明によれば、上記の二成分現像剤を用いて現像を行うことにより、非画像部でのかぶりがなく、かつ高画質なトナー像を形成することができる。
また本発明によれば、上記の現像装置を備えることにより、非画像部でのかぶりがない、高画質な画像を形成することができる。
本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を含むトナーであって、体積平均粒子径が3.0〜6.0μmであり、5.0μm以下の粒子が40個数%以上であり、8.0μm以上の粒子が2体積%未満であり、トナー表面の離型剤量が0.7重量%以上1.8重量%以下であることを特徴としている。特に、トナー表面の離型剤量は、1.0重量%以上1.8重量%以下であることが好ましい。
トナーの粒径分布および個数分布を所定範囲に規定することにより、トナー飛散を抑え、高精細で高解像度の高画質画像を形成することができる。
5.0μm以下の粒子は、40個数%未満では高画質化が困難となるため、40個数%以上である。しかしながら、55個数%を超えるとトナー飛散が発生するため、55個数%以下が好ましい。また、8.0μm以上の粒子は、2体積%未満であることが好ましい。2体積%以上では、高画質化が困難となる。
トナー表面の離型剤量を上記範囲に規定することにより離型剤量が適正化され、小粒径で微粉の多いトナーであっても流動性が良好であり、個々のトナー粒子の帯電も適正に制御できるために、定着性を損なうことがない。また、トナーの小粒径化による課題である非画像部でのかぶりも発生せず、高精細で高解像度の高画質画像を形成することができる。
ここで、トナー表面の離型剤量とは、トナー表面からの深さが700nm以下の表層部領域に含まれる離型剤量である。
トナー表面の離型剤量が0.7重量%未満の場合は、定着時に離型剤が必要量溶出されず、定着不良、高温オフセットが発生する。また、トナー表面の離型剤量が1.8重量%を超える場合は、流動性が低下し、個々の小径トナー粒子の帯電も適正に制御できず非画像部でのかぶりが発生する。
本発明において、トナー表面の離型剤量は、トナー表面の離型剤を離型剤のみが可溶(易溶)な溶媒により溶出処理したトナーと溶出処理前のトナーとの熱容量の差から見積もった。トナーの熱容量(トナー中の離型剤含有量)は、示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)によって測定した。具体的には、試料1gを温度20℃から昇温速度毎分10℃で150℃まで昇温させ、次いで150℃から20℃まで急冷させる操作を2回繰返し、DSC曲線を測定した。2回目の操作で測定されるDSC曲線の融解熱量によって離型剤含有量を計算した。
また、本発明のトナーは、その円形度を0.950以上0.960以下とすることで、円形度が適正化され、トナーの小粒径化による課題であるかぶりの発生をより抑制し、クリーニング性を損なうことなく高画質な画像を達成することができる。
本発明において、体積平均粒径(D50V)および含有率(体積%、個数%)は、ベックマン・コールター株式会社製粒度分布測定装置「Multisizer3」によって測定する。測定条件を以下に示す。
アパーチャ径:100μm
測定粒子数:50000カウント
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン1.19(ベックマン・コールター株式会社製)
電解液:ISOTON−II(ベックマン・コールター株式会社製)
分散剤:アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム
測定手順は、ビーカーに電解液50ml、試料20mgおよび分散剤1mlを加え、超音波分散器にて3分間分散処理して測定用試料を調製し、測定装置「Multisizer3」により粒径の測定を行う。得られた測定結果から試料粒子の体積粒度分布および個数粒度分布を求め、体積粒度分布から体積平均粒径(D50V)を求める。また個数粒度分布から、微粉トナーの含有率(個数%)を求める。
また、トナーの円形度(ai)は、下記式(1)によって定義される。このようなトナーの円形度(ai)は、たとえばシスメックス株式会社製フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」を用いることによって測定できる。本発明におけるトナーの円形度は、m個のトナーの平均値である平均円形度(a)であり、式(2)の算出式により算出される。m個のトナー粒子についてそれぞれ測定した各円形度(ai)の総和を求め、その総和をトナー粒子数mで除算することによって得られる算術平均値である。
円形度(ai)=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)
/(粒子の投影像の周囲の長さ) …(1)
Figure 2009122283
分析装置「FPIA−3000」では、各トナー粒子の円形度(ai)を算出後、得られた各トナー粒子の円形度(ai)を、円形度を0.40〜1.00まで0.01毎に61分割した各分割範囲に分けて頻度を求め、各分割範囲の中心値と頻度とを用いて平均円形度の算出を行うという簡易算出法を用いている。この簡易算出法で算出される平均円形度の値と、前記式(2)で与えられる平均円形度(a)の値との誤差は、非常に小さく実質的に無視出来る程度のものなので、本実施の形態では、簡易算出法による平均円形度を、前記式(2)で定義される平均円形度(a)として取扱う。
平均円形度(ai)の具体的な測定方法は、以下のとおりである。
界面活性剤を約0.1mg溶解した水10mLに、トナー5mgを分散させて分散液を調製し、周波数20kHz、出力50Wの超音波を分散液に5分間照射し、分散液中のトナー粒子濃度を5000個/μL〜20000個/μLとして、分析装置「FPIA−3000」により円形度(ai)の測定を行い、平均円形度(a)を求める。
以下に、本発明のトナーの製造方法について説明する。図1は、本発明のトナーの製造方法における手順の一例を示すフロー図である。本発明のトナーの製造方法は、図1に示すように、少なくとも結着樹脂および着色剤を混合して混合物を作製する前混合工程(ステップS1)と、混合物を溶融混練して溶融混練物を作製する溶融混練工程(ステップS2)と、溶融混練物を粉砕して粉砕物を作製する粉砕工程(ステップS3)と、得られたトナー粒子を球形化する球形化工程(ステップS4)と、粉砕物から過粉砕分や粗粉を除去する分級工程(ステップS5)とを含む。
以下に、ステップS1〜ステップS5の各製造工程について詳細に説明する。
[前混合工程]
ステップS1の前混合工程では、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を混合機により乾式混合して混合物を作製する。トナーには、結着樹脂および着色剤の他に、その他のトナー添加成分が含有されていてもよい。その他のトナー添加成分としては、帯電制御剤などが挙げられる。これらの各原料およびその使用量においては、特に制限されるものではなく、公知のものを一般的な使用量で用いることができる。
乾式混合に用いられる混合機としては、公知のものを使用でき、たとえば、ヘンシェルミキサ(商品名:FMミキサ、三井鉱山株式会社製)、スーパーミキサ(商品名、株式会社カワタ製)、メカノミル(商品名、岡田精工株式会社製)などのヘンシェルタイプの混合装置、オングミル(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)、コスモシステム(商品名、川崎重工業株式会社製)などが挙げられる。
以下では、混合工程で用いられる各トナー原料について説明する。
本発明に用いられる結着樹脂としては、特に限定されるものではなく、ブラックトナーまたはカラートナー用の結着樹脂を使用することができ、たとえば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレンおよびスチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂などのスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが挙げられ、また原料モノマー混合物に離型剤を混合し、重合反応させて得られる樹脂を用いてもよいが、ポリエステル樹脂を含むことが好ましい。結着樹脂にポリエステル樹脂を含むことにより、耐久性が高く、透明性に優れたトナーを得ることができる。結着樹脂は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
着色剤としては、たとえば、イエロートナー用着色剤、マゼンタトナー用着色剤、シアントナー用着色剤、およびブラックトナー用着色剤などが挙げられる。
イエロートナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー5、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー15、およびC.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185などの有機系顔料、黄色酸化鉄および黄土などの無機系顔料、C.I.アシッドイエロー1などのニトロ系染料、C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエロー19、およびC.I.ソルベントイエロー21などの油溶性染料などが挙げられる。
マゼンタトナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ベーシックレッド10、およびC.I.ディスパーズレッド15などが挙げられる。
シアントナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ソルベントブルー55、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ダイレクトブルー25、およびC.I.ダイレクトブルー86などが挙げられる。
ブラックトナー用着色剤としては、たとえば、チャンネルブラック、ローラーブラック、ディスクブラック、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、およびアセチレンブラックなどのカーボンブラックが挙げられる。これら各種カーボンブラックの中から、得ようとするトナーの設計特性に応じて、適切なカーボンブラックを適宜選択すればよい。
これらの顔料以外にも、紅色顔料、緑色顔料などを使用できる。着色剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。また、同色系のものを2種以上用いることができ、異色系のものをそれぞれ1種または2種以上用いることもできる。
着色剤は、マスターバッチとして使用されることが好ましい。着色剤のマスターバッチは、たとえば、合成樹脂の溶融物と着色剤とを混練することによって製造することができる。合成樹脂としては、トナーの結着樹脂と同種の樹脂またはトナーの結着樹脂に対して良好な相溶性を有する樹脂が使用される。合成樹脂と着色剤との使用割合は特に制限されないけれども、好ましくは合成樹脂100重量部に対して30重量部以上100重量部以下である。マスターバッチは、たとえば粒径2〜3mm程度に造粒されて用いられる。
本発明のトナーにおける着色剤の含有量は特に制限されないけれども、好ましくは結着樹脂100重量部に対して4重量部以上20重量部以下である。マスターバッチを用いる場合、本発明のトナーにおける着色剤の含有量が前記範囲になるように、マスターバッチの使用量を調整することが好ましい。着色剤を前記範囲で用いることによって、充分な画像濃度を有し、発色性が高く画像品位に優れる良好な画像を形成することができる。
本発明に用いられる離型剤としては、公知のものを使用することができるけれども、50℃以上150℃以下であることが好ましく、特に融点が70℃以上のものを用いることが好ましい。
離型剤の融点を70℃以上にすることにより、トナー保存安定性を損なうことなく、且つ高画質な画像を達成することができる。離型剤の融点が50℃未満であると、現像装置内において離型剤が溶融してトナー粒子同士が凝集したり、感光体表面へのフィルミングなどの不良を引き起こしたりするおそれがあり、融点が150℃を超えると、トナーを記録媒体に定着するときに離型剤が充分に溶出することができず、耐ホットオフセット性の向上効果が充分に発揮されないおそれがある。ここで、離型剤の融点とは、示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry:略称DSC)によって得られるDSC曲線の融解に相当する吸熱ピークの温度のことである。
本発明に用いられる離型剤の種類としては、特に限定されるものではなく、たとえば、パラフィンワックスおよびその誘導体、ならびにマイクロクリスタリンワックスおよびその誘導体などの石油系ワックス、フィッシャートロプシュワックスおよびその誘導体、ポリオレフィンワックスおよびその誘導体、低分子ポリプロピレンワックスおよびその誘導体、ならびにポリオレフィン系重合体ワックスおよびその誘導体などの炭化水素系合成ワックス、カルナバワックスおよびその誘導体、エステル系ワックスなどが挙げられるが、パラフィン系の離型剤を用いることが好ましい。
パラフィン系の離型剤を用いることにより、定着性とトナー保存安定性を両立しつつ、且つ高画質な画像を達成することができる。
本発明において、トナー表面の離型剤量を適切な範囲に調整するためには、前混合工程における添加量を制御する必要がある。
具体的には、トナー表面の離型剤量を0.7重量%以上1.8重量%以下とするために、前混合工程における離型剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して2.5重量部以上6.0重量部以下とする。また、トナー表面の離型剤量をより好ましい範囲である1.0重量%以上1.8重量%以下とするためには、離型剤添加量を3.0重量部以上5.0重量部以下とすることが好ましい。
本発明のトナーには、結着樹脂、着色剤、離型剤の他に、帯電制御剤などのその他のトナー添加成分が含有されてもよい。帯電制御剤を含有させることによって、トナーに好ましい帯電性を付与することができる。帯電制御剤としては、正電荷制御用または負電荷制御用の帯電制御剤を使用できる。たとえば、ニグロシン染料、塩基性染料、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン、ニグロシン染料およびその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、グアニジン塩、およびアミジン塩などの正電荷制御用の帯電制御剤と、たとえば、オイルブラックおよびスピロンブラックなどの油溶性染料、含金属アゾ化合物、アゾ錯体染料、ナフテン酸金属塩、サリチル酸およびその誘導体の金属錯体および金属塩(金属はクロム、亜鉛、ジルコニウムなど)、ホウ素化合物、脂肪酸石鹸、長鎖アルキルカルボン酸塩、ならびに樹脂酸石鹸などの負電荷制御用の帯電制御剤が挙げられる。帯電制御剤は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。相溶性の帯電制御剤の使用量は、好ましくは結着樹脂100重量部に対して0.5重量部以上5重量部以下であり、より好ましくは結着樹脂100重量部に対して0.5重量部以上3重量部以下である。帯電制御剤が5重量部よりも多く含まれると、キャリアが汚染されてしまい、トナー飛散が発生し、非相溶性の帯電制御剤の含有量が0.5重量部未満であると、トナーに十分な帯電特性を付与することができない。
[溶融混練工程]
ステップS2の溶融混練工程では、前混合工程で作製された混合物を溶融混練して溶融混練物を作製する。混合物の溶融混練は、結着樹脂の軟化点以上、熱分解温度未満の温度に加熱して行われ、結着樹脂を溶融または軟化させて結着樹脂中に結着樹脂以外のトナー原料を分散させる。
混練機としては公知のものを使用でき、たとえば、二軸押出し機、三本ロール、ラボブラストミルなどの一般的な混練機を使用できる。さらに具体的には、たとえば、TEM−100B(商品名、東芝機械株式会社製)、PCM−65/87、PCM−30(以上いずれも商品名、株式会社池貝製)などの1軸または2軸のエクストルーダ、ニーデックス(商品名、三井鉱山株式会社製)などのオープンロール方式の混練機が挙げられる。これらの中でも、オープンロール方式の混練機が好ましい。トナー原料混合物は、複数の混練機を用いて溶融混練されても構わない。
[粉砕工程]
ステップS3の粉砕工程では、溶融混練工程にて得られた溶融混練物を冷却して固化させた後、粉砕して粉砕物を作製する。冷却固化された溶融混練物は、まずハンマーミルまたはカッティングミルなどによって、たとえば体積平均粒径100μm以上5mm以下程度の粗粉砕物に粗粉砕される。その後、得られた粗粉砕物は、たとえば体積平均粒径の15μm以下の粉砕物にまでさらに微粉砕される。粗粉砕物の微粉砕には、たとえば、超音速ジェット気流を利用して粉砕するジェット式粉砕機、高速で回転する回転子(ロータ)と固定子(ライナ)との間に形成される空間に粗粉砕物を導入して粉砕する衝撃式粉砕機などを用いることができる。
なお、冷却固化された溶融混練物は、ハンマーミルまたはカッティングミルなどによる粗粉砕を経ることなく、直接ジェット式粉砕機または衝撃式粉砕機などにより粉砕されてもよい。
本発明においては、トナーの粒径分布および個数分布を規定しており、これらは、粉砕工程において、エアーを使用する粉砕機では供給エアー量、ロータを使用する粉砕機ではロータ回転速度によって制御することができる。
[球形化工程]
ステップS4の球形化工程では、粉砕工程で作製された粉砕物を機械的衝撃力や熱風によって球形化する。粉砕物を球形化することによって、トナーの平均円形度および円形度分布を制御することができるため、トナーの形状を好適にすることができる。したがって、製造されたトナーは、転写効率を高い水準に保つことができ、安定して高画質画像を形成することができる。
球形化工程が設けられない場合には、不定形トナーの含有量が多くなるため、転写効率が低下し、高画質画像を安定して形成できないおそれがある。
球形化処理の方法としては、たとえば、機械的衝撃力によって球形化する方法や熱風によって球形化する方法などが挙げられる。
機械的衝撃力による球形化処理に用いられる衝撃式球形化装置としては、市販されているものを使用することができ、たとえば、ファカルティ(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)などを用いることができる。
熱風による球形化処理に用いられる熱風式球形化装置としては、市販されているものを使用することができ、たとえば、表面改質機メテオレインボー(商品名、日本ニューマチック工業株式会社製)などを用いることができる。
このように、球形化工程において、球形化処理は機械的衝撃力または熱風によって行われることにより、トナーの平均円形度および円形度分布を容易に制御することができるため、トナーの形状をより容易に好適にすることができる。したがって、製造されたトナーは、より容易に、転写効率を高い水準に保つことができ、安定して高画質画像を形成することができる。
[分級工程]
ステップS5の分級工程では、球形化処理されたトナー粒子から、分級機によって、過粉砕トナー粒子や粗大トナー粒子を除去する。過粉砕トナー粒子や粗大トナー粒子は、他のトナーの製造に再利用するために回収して使用できる。
分級には、遠心力による分級や風力による分級によって過粉砕トナー粒子や粗大トナー粒子を除去できる公知の分級機を使用することができ、たとえば、旋回式風力分級機(ロータリー式風力分級機)などを使用することができる。
分級工程では、分級条件を適宜調整して、分級後に得られるトナー粒子の体積平均粒径が3.0〜6.0μmとなるように行われることが好ましい。トナー粒子の体積平均粒径が3.0μm未満であると、流動性や転写効率が悪化し、トナー飛散やかぶりが生じ、またクリーニング性も低下するおそれがある。またトナーの製造も困難になるおそれがある。6.0μmを超えると、トナーの体積平均粒径が大きくなりすぎるため高精細な画像を得ることができないおそれがある。
上述の調整すべき分級条件とは、たとえば、旋回式風力分級機(ロータリー式風力分級機)における分級ロータの回転速度などである。
分級工程が終了すると、本発明のトナーの製造が終了する。
球形化工程において使用する装置の種類によっては、ステップS4の球形化工程とステップS5の分級工程とは同時に行われてもよいし、順番が入れ替わってもよい。
以上のようにして製造されたトナーには、たとえば、粉体流動性向上、摩擦帯電性向上、耐熱性、長期保存性改善、クリーニング特性改善および感光体表面磨耗特性制御などの機能を担う外添剤を混合してもよい。外添剤としては、たとえば、シリカ微粉末、酸化チタン微粉末およびアルミナ微粉末などが挙げられる。外添剤は、1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。外添剤の添加量としては、トナーに必要な帯電量、外添剤を添加することによる感光体の摩耗に対する影響、トナーの環境特性などを考慮して、トナー粒子100重量部に対し0.1重量部以上10重量部以下が好適であり、2.0重量部以上4.0重量部未満がより好適である。
外添剤を2.0重量部以上4.0重量部未満含むことにより、さらに流動性が良好で個々のトナー粒子の帯電も適正に制御できるために、定着性を損なうことなく、トナー小粒径化による課題であるかぶりが発生せず、かつ高画質な画像を形成することができる。
外添剤の含有量が2.0重量部未満であると、小径化トナー、特に微粉の多いトナーの場合は流動性が悪く、さらに表面積が大きいため、外添剤量が少ないと外添剤の効果が不十分である。このため現像剤中で個々のトナー粒子が十分帯電されずに非画像部でのかぶりが発生しやすく、4.0重量部以上であると、外添剤粒子同士が凝集しやすくなるため、トナー表面を効率よく覆うことができずに流動性を上げることができないため、現像剤中で個々のトナー粒子が十分帯電されずに非画像部でのかぶりが発生しやすい。
このようにして製造される本発明のトナーは、そのまま一成分現像剤として使用することができ、またキャリアと混合して二成分現像剤として使用することができる。
本発明のトナーを含む二成分現像剤は、個々のトナー粒子の帯電が適正に帯電されるため、非画像部へのカブリの発生がなく、かつ高画質な画像を形成することができる。
二成分現像剤を構成するキャリアとしては、磁性を有する粒子を使用することができる。磁性を有する粒子の具体例としては、たとえば、鉄、フェライトおよびマグネタイトなどの金属、これらの金属とアルミニウムまたは鉛などの金属との合金などが挙げられる。これらの中でも、フェライトが好ましい。
また磁性を有する粒子に樹脂を被覆した樹脂被覆キャリア、または樹脂に磁性を有する粒子を分散させた樹脂分散型キャリアなどをキャリアとして用いてもよい。磁性を有する粒子を被覆する樹脂としては特に制限はないけれども、たとえば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、エステル系樹脂、およびフッ素含有重合体系樹脂などが挙げられる。また樹脂分散型キャリアに用いられる樹脂としても特に制限されないけれども、たとえば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、およびフェノール樹脂などが挙げられる。
キャリアの形状は、球形または扁平形状が好ましい。
また、キャリアの体積平均粒子径は特に制限されないけれども、高画質化を考慮すると、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは50μm以下である。
キャリアの体積平均粒子径を50μm以下にすることにより、トナーとキャリアとの接触機会が増え、個々の小径トナーの帯電も適正に制御できるために、トナー小粒径化による課題である非画像部カブリが発生せず、かつ高画質な画像を形成することができる。
さらにキャリアの抵抗率は、好ましくは10Ω・cm以上、さらに好ましくは1012Ω・cm以上である。キャリアの抵抗率は、キャリアを0.50cmの断面積を有する容器に入れてタッピングした後、容器内に詰められた粒子に1kg/cmの荷重を掛け、荷重と底面電極との間に1000V/cmの電界が生ずる電圧を印加したときの電流値を読取ることから得られる値である。抵抗率が低いと、現像スリーブにバイアス電圧を印加した場合にキャリアに電荷が注入され、感光体にキャリア粒子が付着し易くなる。またバイアス電圧のブレークダウンが起こり易くなる。
キャリアの磁化強さ(最大磁化)は、好ましくは10〜60emu/g、さらに好ましくは15〜40emu/gである。磁化強さは現像ローラの磁束密度にもよるけれども、現像ローラの一般的な磁束密度の条件下においては、10emu/g未満であると磁気的な束縛力が働かず、キャリア飛散の原因となるおそれがある。また磁化強さが60emu/gを超えると、キャリアの穂立ちが高くなり過ぎる非接触現像では、像担持体と非接触状態を保つことが困難になる。また接触現像ではトナー像に掃き目が現れ易くなるおそれがある。
二成分現像剤におけるトナーとキャリアとの使用割合は特に制限されず、トナーおよびキャリアの種類に応じて適宜選択できるけれども、樹脂被覆キャリア(密度5〜8g/cm)を例にとれば、現像剤中に、トナーが現像剤全量の2〜30重量%、好ましくは2〜20重量%含まれるように、トナーを用いればよい。また二成分現像剤において、トナーによるキャリアの被覆率は、40〜80%であることが好ましい。
図2は、本発明の他の実施形態である画像形成装置の構成を示す模式図である。画像形成装置は、複写機能、プリンタ機能およびファクシミリ機能を併せ持つ複合機であり、伝達される画像情報に応じて、記録媒体上にフルカラーまたはモノクロの画像を形成する。すなわち、画像形成装置においては、コピアモード(複写モード)、プリンタモードおよびファクシミリモードという3種の印刷モードを有しており、図示しない操作部からの操作入力、パーソナルコンピュータ、携帯端末装置、情報記録記憶媒体、メモリ装置を用いた外部機器からの印刷ジョブの受信などに応じて、図示しない制御部により、印刷モードが選択される。画像形成装置は、トナー像形成手段2と、転写手段3と、定着手段4と、記録媒体供給手段5と、排出手段6とを含む。トナー像形成手段2を構成する各部材および中間転写手段3に含まれる一部の部材は、カラー画像情報に含まれるブラック(b)、シアン(c)、マゼンタ(m)およびイエロー(y)の各色の画像情報に対応するために、それぞれ4つずつ設けられる。ここでは、各色に応じて4つずつ設けられる各部材は、各色を表すアルファベットを参照符号の末尾に付して区別し、総称する場合は参照符号のみで表す。
トナー像形成手段2は、感光体ドラム11と、帯電手段12と、露光ユニット13と、現像装置14と、クリーニングユニット15とを含む。帯電手段12、現像装置14およびクリーニングユニット15は、感光体ドラム11まわりに、この順序で配置される。帯電手段12は、現像装置14およびクリーニングユニット15よりも鉛直方向下方に配置される。
感光体ドラム11は、図示しない駆動手段により、軸線回りに回転駆動可能に支持され、図示しない、導電性基体と、導電性基体の表面に形成される感光層とを含む。導電性基体は種々の形状を採ることができ、たとえば、円筒状、円柱状、薄膜シート状などが挙げられる。これらの中でも円筒状が好ましい。導電性基体は導電性材料によって形成される。導電性材料としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、アルミニウム、銅、真鍮、亜鉛、ニッケル、ステンレス鋼、クロム、モリブデン、バナジウム、インジウム、チタン、金、白金などの金属、これらの2種以上の合金、合成樹脂フィルム、金属フィルム、紙などのフィルム状基体にアルミニウム、アルミニウム合金、酸化錫、金、酸化インジウムなどの1種または2種以上からなる導電性層を形成してなる導電性フィルム、導電性粒子および/または導電性ポリマーを含有する樹脂組成物などが挙げられる。なお、導電性フィルムに用いられるフィルム状基体としては、合成樹脂フィルムが好ましく、ポリエステルフィルムが特に好ましい。また、導電性フィルムにおける導電性層の形成方法としては、蒸着、塗布などが好ましい。
感光層は、たとえば、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを積層することにより形成される。その際、導電性基体と電荷発生層または電荷輸送層との間には、下引き層を設けるのが好ましい。下引き層を設けることによって、導電性基体の表面に存在する傷および凹凸を被覆して、感光層表面を平滑化する、繰り返し使用時における感光層の帯電性の劣化を防止する、低温および/または低湿環境下における感光層の帯電特性を向上させるといった利点が得られる。また最上層に感光体表面保護層を設けた耐久性の大きい三層構造の積層感光体であっても良い。
電荷発生層は、光照射により電荷を発生する電荷発生物質を主成分とし、必要に応じて公知の結着樹脂、可塑剤、増感剤などを含有する。電荷発生物質としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ペリレンイミド、ペリレン酸無水物などのペリレン系顔料、キナクリドン、アントラキノンなどの多環キノン系顔料、金属および無金属フタロシアニン、ハロゲン化無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、スクエアリウム色素、アズレニウム色素、チアピリリウム色素、カルバゾール骨格、スチリルスチルベン骨格、トリフェニルアミン骨格、ジベンゾチオフェン骨格、オキサジアゾール骨格、フルオレノン骨格、ビススチルベン骨格、ジスチリルオキサジアゾール骨格またはジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料などが挙げられる。これらの中でも、無金属フタロシアニン顔料、オキソチタニルフタロシアニン顔料、フローレン環および/またはフルオレノン環を含有するビスアゾ顔料、芳香族アミンからなるビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料などは高い電荷発生能を有し、高感度の感光層を得るのに適する。電荷発生物質は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。電荷発生物質の含有量は特に制限はないけれども、電荷発生層中の結着樹脂100重量部に対して好ましくは5〜500重量部、さらに好ましくは10〜200重量部である。電荷発生層用の結着樹脂としてもこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタン、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、ポリアミド、ポリエステルなどが挙げられる。結着樹脂は1種を単独で使用できまたは必要に応じて2種以上を併用できる。
電荷発生層は、電荷発生物質および結着樹脂ならびに必要に応じて可塑剤、増感剤などのそれぞれ適量を、これらの成分を溶解または分散し得る適切な有機溶媒に溶解または分散して電荷発生層塗液を調製し、この電荷発生層塗液を導電性基体表面に塗布し、乾燥することにより形成できる。このようにして得られる電荷発生層の膜厚は特に制限されないが、好ましくは0.05〜5μm、さらに好ましくは0.1〜2.5μmである。
電荷発生層の上に積層される電荷輸送層は、電荷発生物質から発生する電荷を受け入れて輸送する能力を有する電荷輸送物質および電荷輸送層用の結着樹脂を必須成分とし、必要に応じて公知の酸化防止剤、可塑剤、増感剤、潤滑剤などを含有する。電荷輸送物質としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒ縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、ピラゾリン誘導体、フェニルヒドラゾン類、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルアミン系化合物、テトラフェニルジアミン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、スチルベン系化合物、3−メチル−2−ベンゾチアゾリン環を有するアジン化合物などの電子供与性物質、フルオレノン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、インデノチオフェン誘導体、フェナンスレンキノン誘導体、インデノピリジン誘導体、チオキサントン誘導体、ベンゾ[c]シンノリン誘導体、フェナジンオキサイド誘導体、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、プロマニル、クロラニル、ベンゾキノンなどの電子受容性物質などが挙げられる。電荷輸送物質は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。電荷輸送物質の含有量は特に制限されないけれども、好ましくは電荷輸送物質中の結着樹脂100重量部に対して10〜300重量部、さらに好ましくは30〜150重量部である。電荷輸送層用の結着樹脂としては、この分野で常用されかつ電荷輸送物質を均一に分散できるものを使用でき、たとえば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリエステル、ポリケトン、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、これらの共重合樹脂などが挙げられる。これらの中でも、成膜性、得られる電荷輸送層の耐摩耗性、電気特性などを考慮すると、ビスフェノールZをモノマー成分として含有するポリカーボネート(以後「ビスフェノールZ型ポリカーボネート」と称す)、ビスフェノールZ型ポリカーボネートと他のポリカーボネートとの混合物などが好ましい。結着樹脂は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
電荷輸送層には、電荷輸送物質および電荷輸送層用の結着樹脂と共に、酸化防止剤が含まれるのが好ましい。酸化防止剤としてもこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ビタミンE、ハイドロキノン、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール、パラフェニレンジアミン、アリールアルカンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物などが挙げられる。酸化防止剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。酸化防止剤の含有量は特に制限されないけれども、電荷輸送層を構成する成分の合計量の0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%である。電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂ならびに必要に応じて酸化防止剤、可塑剤、増感剤などのそれぞれ適量を、これらの成分を溶解または分散し得る適切な有機溶媒に溶解または分散して電荷輸送層用塗液を調製し、この電荷輸送層用塗液を電荷発生層表面に塗布し、乾燥することにより形成できる。このようにして得られる電荷発生層の膜厚は特に制限されないが、好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは15〜40μmである。なお、1つの層に、電荷発生物質と電荷輸送物質とが存在する感光層を形成することもできる。その場合、電荷発生物質および電荷輸送物質の種類、含有量、結着樹脂の種類、その他の添加剤などは、電荷発生層および電荷輸送層を別々に形成する場合と同様でよい。
本実施の形態では、前述のような、電荷発生物質および電荷輸送物質を用いる有機感光層を形成してなる感光体ドラムを用いるけれども、それに代えて、シリコンなどを用いる無機感光層を形成してなる感光体ドラムを使用できる。
帯電手段12は、感光体ドラム11を臨み、感光体ドラム11の長手方向に沿って感光体ドラム11表面から間隙を有して離隔するように配置され、感光体ドラム11表面を所定の極性および電位に帯電させる。帯電手段12には、帯電ブラシ型帯電器、チャージャー型帯電器、鋸歯型帯電器、イオン発生装置などを使用できる。本実施の形態では、帯電手段12は感光体ドラム11表面から離隔するように設けられるけれども、それに限定されない。たとえば、帯電手段12として帯電ローラを用い、帯電ローラと感光体ドラムとが圧接するように帯電ローラを配置しても良く、帯電ブラシ、磁気ブラシなどの接触帯電方式の帯電器を用いても良い。
露光ユニット13は、露光ユニット13から出射される各色情報の光が、帯電手段12と現像装置14との間を通過して感光体ドラム11の表面に照射されるように配置される。露光ユニット13は、画像情報を該ユニット内でb、c、m、yの各色情報の光に分岐し、帯電手段12によって一様な電位に帯電された感光体ドラム11表面を各色情報の光で露光し、その表面に静電潜像を形成する。露光ユニット13には、たとえば、レーザ照射部および複数の反射ミラーを備えるレーザスキャニングユニットを使用できる。他にもLEDアレイ、液晶シャッタと光源とを適宜組み合わせたユニットを用いてもよい。
図3は、本発明の他の実施形態である現像装置14の構成を示す模式図である。現像装置14は、現像槽20とトナーホッパ21とを含む。現像槽20は感光体ドラム11表面を臨むように配置され、感光体ドラム11の表面に形成された静電潜像にトナーを供給して現像し、可視像であるトナー像を形成する容器状部材である。現像槽20は、その内部空間にトナーを収容しかつ現像ローラ、供給ローラ、撹拌ローラなどのローラ部材またはスクリュー部材を収容して回転自在に支持する。現像槽20の感光体ドラム11を臨む側面には開口部が形成され、この開口部を介して感光体ドラム11に対向する位置に現像ローラが回転駆動可能に設けられる。現像ローラは、感光体ドラム11との圧接部または最近接部において感光体11表面の静電潜像にトナーを供給するローラ状部材である。トナーの供給に際しては、現像ローラ表面にトナーの帯電電位とは逆極性の電位が現像バイアス電圧(以下単に「現像バイアス」とする)として印加される。これによって、現像ローラ表面のトナーが静電潜像に円滑に供給される。さらに、現像バイアス値を変更することによって、静電潜像に供給されるトナー量(トナー付着量)を制御できる。供給ローラは現像ローラを臨んで回転駆動可能に設けられるローラ状部材であり、現像ローラ周辺にトナーを供給する。攪拌ローラは供給ローラを臨んで回転駆動可能に設けられるローラ状部材であり、トナーホッパ21から現像槽20内に新たに供給されるトナーを供給ローラ周辺に送給する。トナーホッパ21は、その鉛直方向下部に設けられるトナー補給口(図示せず)と、現像槽20の鉛直方向上部に設けられるトナー受入口(図示せず)とが連通するように設けられ、現像槽20のトナー消費状況に応じてトナーを補給する。またトナーホッパ21を用いず、各色トナーカートリッジから直接トナーを補給するよう構成しても構わない。
本発明の二成分現像剤を用いて現像する現像装置は、感光体上の非画像部でのかぶりがなく、かつ高画質な画像となるトナー像を形成することができる。
クリーニングユニット15は、記録媒体にトナー像を転写した後に、感光体ドラム11の表面に残留するトナーを除去し、感光体ドラム11の表面を清浄化する。クリーニングユニット15には、たとえば、クリーニングブレードなどの板状部材が用いられる。なお、本発明の画像形成装置においては、感光体ドラム11として、主に有機感光体ドラムが用いられ、有機感光体ドラムの表面は樹脂成分を主体とするものであるため、帯電装置によるコロナ放電によって発生するオゾンの化学的作用によって表面の劣化が進行しやすい。ところが、劣化した表面部分はクリーニングユニット15よる擦過作用を受けて摩耗し、徐々にではあるが確実に除去される。したがって、オゾンなどによる表面の劣化の問題が実際上解消され、長期間にわたって、帯電動作による帯電電位を安定に維持することができる。本実施の形態ではクリーニングユニット15を設けるけれども、それに限定されず、クリーニングユニット15を設けなくてもよい。
トナー像形成手段2によれば、帯電手段12によって均一な帯電状態にある感光体ドラム11の表面に、露光ユニット13から画像情報に応じた信号光を照射して静電潜像を形成し、これに現像装置14からトナーを供給してトナー像を形成し、このトナー像を中間転写ベルト25に転写した後に、感光体ドラム11表面に残留するトナーをクリーニングユニット15で除去する。この一連のトナー像形成動作が繰り返し実行される。
転写手段3は、感光体ドラム11の上方に配置され、中間転写ベルト25と、駆動ローラ26と、従動ローラ27と、中間転写ローラ28(b,c,m,y)と、転写ベルトクリーニングユニット29、転写ローラ30とを含む。中間転写ベルト25は、駆動ローラ26と従動ローラ27とによって張架されてループ状の移動経路を形成する無端ベルト状部材であり、矢符Bの方向に回転駆動する。中間転写ベルト25が、感光体ドラム11に接しながら感光体ドラム11を通過する際、中間転写ベルト25を介して感光体ドラム11に対向配置される中間転写ローラ28から、感光体ドラム11表面のトナーの帯電極性とは逆極性の転写バイアスが印加され、感光体ドラム11の表面に形成されたトナー像が中間転写ベルト25上へ転写される。フルカラー画像の場合、各感光体ドラム11で形成される各色のトナー画像が、中間転写ベルト25上に順次重ねて転写されることによって、フルカラートナー像が形成される。駆動ローラ26は図示しない駆動手段によってその軸線回りに回転駆動可能に設けられ、その回転駆動によって、中間転写ベルト25を矢符B方向へ回転駆動させる。従動ローラ27は駆動ローラ26の回転駆動に従動回転可能に設けられ、中間転写ベルト25が弛まないように一定の張力を中間転写ベルト25に付与する。中間転写ローラ28は、中間転写ベルト25を介して感光体ドラム11に圧接し、かつ図示しない駆動手段によってその軸線回りに回転駆動可能に設けられる。中間転写ローラ28は、前述のように転写バイアスを印加する図示しない電源が接続され、感光体ドラム11表面のトナー像を中間転写ベルト25に転写する機能を有する。転写ベルトクリーニングユニット29は、中間転写ベルト25を介して従動ローラ27に対向し、中間転写ベルト25の外周面に接触するように設けられる。感光体ドラム11との接触によって中間転写ベルト25に付着するトナーは、記録媒体の裏面を汚染する原因となるので、転写ベルトクリーニングユニット29が中間転写ベルト25表面のトナーを除去し回収する。転写ローラ30は、中間転写ベルト25を介して駆動ローラ26に圧接し、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に設けられる。転写ローラ30と駆動ローラ26との圧接部(転写ニップ部)において、中間転写ベルト25に担持されて搬送されて来るトナー像が、後述する記録媒体供給手段5から送給される記録媒体に転写される。トナー像を担持する記録媒体は、定着手段4に送給される。転写手段3によれば、感光体ドラム11と中間転写ローラ28との圧接部において感光体ドラム11から中間転写ベルト25に転写されるトナー像が、中間転写ベルト25の矢符B方向への回転駆動によって転写ニップ部に搬送され、そこで記録媒体に転写される。
定着手段4は、転写手段3よりも記録媒体の搬送方向下流側に設けられ、定着ローラ31と加圧ローラ32とを含む。定着ローラ31は図示しない駆動手段によって回転駆動可能に設けられ、記録媒体に担持される未定着トナー像を構成するトナーを加熱して溶融させ、記録媒体に定着させる。定着ローラ31の内部には図示しない加熱手段が設けられる。加熱手段は、定着ローラ31表面が所定の温度(加熱温度)になるように定着ローラ31を加熱する。加熱手段には、たとえば、ヒータ、ハロゲンランプなどを使用できる。加熱手段は、後記する定着条件制御手段によって制御される。定着条件制御手段による加熱温度の制御については、後に詳述する。定着ローラ31表面近傍には温度検知センサが設けられ、定着ローラ31の表面温度を検知する。温度検知センサによる検知結果は、後記する制御手段の記憶部に書き込まれる。加圧ローラ32は定着ローラ31に圧接するように設けられ、加圧ローラ32の回転駆動に従動回転可能に支持される。加圧ローラ32は、定着ローラ31によってトナーが溶融して記録媒体に定着する際に、トナーと記録媒体とを押圧することによって、トナー像の記録媒体への定着を補助する。定着ローラ31と加圧ローラ32との圧接部が定着ニップ部である。定着手段4によれば、転写手段3においてトナー像が転写された記録媒体が、定着ローラ31と加圧ローラ32とによって挟持され、定着ニップ部を通過する際に、トナー像が加熱下に記録媒体に押圧されることによって、トナー像が記録媒体に定着され、画像が形成される。
記録媒体供給手段5は、自動給紙トレイ35と、ピックアップローラ36と、搬送ローラ37と、レジストローラ38、手差給紙トレイ39を含む。自動給紙トレイ35は画像形成装置の鉛直方向下部に設けられ、記録媒体を貯留する容器状部材である。記録媒体には、普通紙、カラーコピー用紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート、葉書などがある。ピックアップローラ36は、自動給紙トレイ35に貯留される記録媒体を1枚ずつ取り出し、用紙搬送路S1に送給する。搬送ローラ37は互いに圧接するように設けられる一対のローラ部材であり、記録媒体をレジストローラ38に向けて搬送する。レジストローラ38は互いに圧接するように設けられる一対のローラ部材であり、搬送ローラ37から送給される記録媒体を、中間転写ベルト25に担持されるトナー像が転写ニップ部に搬送されるのに同期して、転写ニップ部に送給する。手差給紙トレイ39は、手動動作によって記録媒体を画像形成装置内に取り込む装置であり、手差給紙トレイ39から取り込まれる記録媒体は、搬送ローラ37によって用紙搬送路S2内を通過し、レジストローラ38に送給される。記録媒体供給手段5によれば、自動給紙トレイ35または手差給紙トレイ39から1枚ずつ供給される記録媒体を、中間転写ベルト25に担持されるトナー像が転写ニップ部に搬送されるのに同期して、転写ニップ部に送給する。
排出手段6は、搬送ローラ37と、排出ローラ40と、排出トレイ41とを含む。搬送ローラ37は、用紙搬送方向において定着ニップ部よりも下流側に設けられ、定着手段4によって画像が定着された記録媒体を排出ローラ40に向けて搬送する。排出ローラ40は、画像が定着された記録媒体を、画像形成装置の鉛直方向上面に設けられる排出トレイ41に排出する。排出トレイ41は、画像が定着された記録媒体を貯留する。
画像形成装置は、図示しない制御手段を含む。制御手段は、たとえば、画像形成装置の内部空間における上部に設けられ、記憶部と演算部と制御部とを含む。制御手段の記憶部には、画像形成装置の上面に配置される図示しない操作パネルを介する各種設定値、画像形成装置内部の各所に配置される図示しないセンサなどからの検知結果、外部機器からの画像情報などが入力される。また、各種手段を実行するプログラムが書き込まれる。各種手段とは、たとえば、記録媒体判定手段、付着量制御手段、定着条件制御手段などである。記憶部には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、リードオンリィメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)などが挙げられる。外部機器には、画像情報の形成または取得が可能であり、かつ画像形成装置に電気的に接続可能な電気・電子機器を使用でき、たとえば、コンピュータ、デジタルカメラ、テレビ、ビデオレコーダ、DVDレコーダ、HDVD、ブルーレイディスクレコーダ、ファクシミリ装置、携帯端末装置などが挙げられる。演算部は、記憶部に書き込まれる各種データ(画像形成命令、検知結果、画像情報など)および各種手段のプログラムを取り出し、各種判定を行う。制御部は、演算部の判定結果に応じて該当装置に制御信号を送付し、動作制御を行う。制御部および演算部は中央処理装置(CPU、Central
Processing Unit)を備えるマイクロコンピュータ、マイクロプロセッサなどによって実現される処理回路を含む。制御手段は、前述の処理回路とともに主電源を含み、電源は制御手段だけでなく、画像形成装置内部における各装置にも電力を供給する。
本発明の画像形成装置を用いることにより、非画像部でのかぶりがなく、高精細で高解像度の高画質画像を形成することができる。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
実施例および比較例におけるトナーの体積平均粒径および変動係数CV、トナー表面の離型剤量、平均円形度、離型剤の融点は、次のようにして測定した。
〔トナーの体積平均粒径および変動係数CV〕
前述の測定条件で、コールターマルチサイザーIII(ベックマン・コールター株式会社製)によって測定した粒径の粒度分布を求め、算出して得た。
また、体積粒度分布における標準偏差(μm)を求めて、下記式(3)に基づいて変動係数(CV値、%)を算出した。変動係数は、その値が小さいほど、粒度分布幅が狭いことを意味する。
CV値(%)={体積粒度分布における標準偏差(μm)
/体積平均粒径(μm)}×100 …(3)
〔トナー表面の離型剤量〕
トナー1gをヘキサン20mlに分散させ、スターラーを入れて10分間攪拌してヘキサンでトナー表面の離型剤を溶出させた後に、ろ過して40℃設定の乾燥機に一晩入れて乾燥させた。ヘキサンにより溶出処理したトナーと処理していないトナーとについて、前述の測定条件で、示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)によって熱容量の測定を行い、熱容量の差からトナー表面の離型剤量を見積もった。
〔平均円形度〕
界面活性剤を約0.1mg溶解している水10mlに、トナー5mgを分散させて分散液を調製し、周波数20kHz、出力50Wの超音波を分散液に5分間照射し、分散液中のトナー粒子濃度を5000個/μl〜20000個/μlとして、前述のフロー式粒子像分析装置FPIA−3000(商品名、シスメックス株式会社製)によって、前述の式(1)に基づいて円形度(ai)を測定した。そして、得られた円形度の測定結果から、簡易算出法により平均円形度(a)を算出した。
〔離型剤の融点〕
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、試料1gを温度20℃から昇温速度毎分10℃で200℃まで昇温させ、次いで200℃から20℃に急冷させる操作を2回繰返し、DSC曲線を測定した。2回目の操作で測定されるDSC曲線の融解に相当する吸熱ピークの頂点の温度を離型剤の融点として求めた。
(実施例1)
ポリエステル(結着樹脂、商品名:FC1494、三菱レーヨン株式会社製、ガラス転移点(Tg)62℃、軟化点(Tm)127℃)81.8重量部、マスターバッチ(C.I.Pigment Red57:1を40重量%含有)12重量部、パラフィンワックス(離型剤、HNP10、日本精鑞株式会社製、融点75℃)4.8重量部、アルキルサリチル酸金属塩(帯電制御剤、商品名:BONTRON E−84、オリエント化学株式会社製)1.5重量部を、ヘンシェルミキサによって10分間混合した後、二軸押出混練機(商品名:PCM65、株式会社池貝製)にて溶融混練した。
この溶融混練物をカッティングミル(商品名:VM−16、菱興産業株式会社製)で粗粉砕した後、カウンタジェットミルで微粉砕した。その後、衝撃式球形化装置(商品名:ファカルティF−600型、ホソカワミクロン株式会社製)用いて球形化処理し、ロータリー式分級機にて過粉砕トナーを分級除去した。
その後、外添剤として疎水性シリカ(商品名:R−974、日本アエロジル株式会社製)2.2部と、疎水性チタン(商品名:T−805、日本アエロジル株式会社製)1.6部、合計3.8重量部をヘンシェルミキサ(商品名:FMミキサ、三井鉱山株式会社製)で混合することによって外添し、実施例1のトナー粒子を作製した。この時の体積平均粒径は、5.5μmであり、5.0μm以下の粒子が45個数%、8.0μm以上の粒子が1.5体積%であった。平均円形度は0.958であった。トナー表面の離型剤量は1.6重量%であった。
また、キャリアとして、粒子径45μmのフェライトコアキャリアを用いて、キャリアに対するトナーの被覆率が60%となるようにV型混合器混合機(商品名:V−5、株式会社特寿工作所製)にて20分間混合して、実施例1の二成分現像剤を作製した。
(実施例2)
前混合工程での離型剤量を4.2重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例2のトナー、二成分現像剤を得た。トナー表面の離型剤量は1.2重量%であった。
(実施例3)
前混合工程での離型剤量を3.0重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例3のトナー、二成分現像剤を得た。トナー表面の離型剤量は1.0重量%であった。
(実施例4)
前混合工程での離型剤量を2.5重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例4のトナー、二成分現像剤を得た。トナー表面の離型剤量は0.7重量%であった。
(実施例5)
球形化工程の操作条件を変更することにより、トナー平均円形度を0.952に調整したこと以外は実施例1と同様にして実施例5のトナー、二成分現像剤を得た。トナーの体積平均粒径5.9μmであり、5.0μm以下の粒子が45個数%、8.0μm以上の粒子が1.5体積%であった。
(実施例6)
球形化工程の操作条件を変更することにより、トナー平均円形度を0.960に調整したこと以外は実施例1と同様にして実施例6のトナー、二成分現像剤を得た。トナーの体積平均粒径5.2μmであり、5.0μm以下の粒子が51個数%、8.0μm以上の粒子が1.1体積%であった。
(実施例7)
球形化工程の操作条件を変更することにより、トナー平均円形度を0.962に調整したこと以外は実施例1と同様にして実施例7のトナー、二成分現像剤を得た。トナーの体積平均粒径5.1μmであり、5.0μm以下の粒子が54個数%、8.0μm以上の粒子が0.8体積%であった。
(実施例8)
球形化工程を実施しないことにより、トナー平均円形度を0.948としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例8のトナー、二成分現像剤を得た。トナーの体積平均粒径5.8μmであり、5.0μm以下の粒子が42個数%、8.0μm以上の粒子が1.6体積%であった。
(実施例9)
外添剤の量を2.2重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例9のトナー、二成分現像剤を得た。
(実施例10)
離型剤をカルナバワックス(REFINED CARNAUBA WAX、株式会社加藤洋行製、融点83℃)に変更し、前混合工程での離型剤量を5.8重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例10のトナー、二成分現像剤を得た。トナー表面の離型剤量は1.8重量%であった。
(実施例11)
離型剤をパラフィンワックス(HNP11、日本精鑞株式会社製、融点68℃)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例11のトナー、二成分現像剤を得た。
(実施例12)
離型剤をマイクロクリスタリンワックス(Hi―MIC−2045、日本精鑞株式会社製、融点67℃)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例12のトナー、二成分現像剤を得た。
(実施例13)
外添剤の量を4.2重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例13のトナー、二成分現像剤を得た。
(実施例14)
外添剤の量を1.8重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例14のトナー、二成分現像剤を得た。
(実施例15)
キャリアの粒子径を55μmにしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例15のトナー、二成分現像剤を得た。
(比較例1)
前混合工程での離型剤量を6.1重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして比較例1のトナー、二成分現像剤を得た。トナー表面の離型剤量は2.0重量%と規定範囲を超える量となった。
(比較例2)
前混合工程での離型剤量を2.3重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして比較例2のトナー、二成分現像剤を得た。トナー表面の離型剤量は0.6重量%と規定範囲にまで満たない量であった。
(比較例3)
粉砕、分級条件を変更することにより、トナー体積平均粒子径を2.8μmにすること以外は実施例1と同様にして比較例3のトナー、二成分現像剤を得た。5.0μm以下の粒子が65個数%、8.0μm以上の粒子が0.2体積%であった。
(比較例4)
粉砕、分級条件を変更することにより、トナー体積平均粒子径を6.2μmと規定範囲を超える粒径としたこと以外は実施例1と同様にして比較例4のトナー、二成分現像剤を得た。5.0μm以下の粒子が42個数%、8.0μm以上の粒子が1.9体積%であった。
(比較例5)
分級条件を変更することにより、5.0μm以下の粒子を38個数%にすること以外は実施例1と同様にして比較例4のトナー、二成分現像剤を得た。トナー体積平均粒子径5.9μm、8.0μm以上の粒子が1.5体積%であった。
(比較例6)
分級条件を変更することにより、5.0μm以下の粒子を56個数%と規定範囲を超える分布にしたこと以外は実施例1と同様にして比較例5のトナー、二成分現像剤を得た。トナー体積平均粒子径4.6μm、8.0μm以上の粒子が0.5体積%であった。
(比較例7)
分級条件を変更することにより、8.0μm以上の粒子を3.0体積%と規定範囲を超える分布にしたこと以外は実施例1と同様にして比較例5のトナー、二成分現像剤を得た。トナー体積平均粒子径5.8μm、5.0μm以下子を40個数%であった。
実施例1〜15および比較例1〜7で得られたトナー、二成分現像剤の物性を表1にまとめた。
Figure 2009122283
実施例および比較例で得られた二成分現像剤を用いて、非画像部かぶり、定着性、クリーニング性、保存安定性を下記の方法によって評価した。
〔非画像部かぶり〕
市販複写機(商品名:MX-4500、シャープ株式会社製)に二成分現像剤を充填し、感光体上にトナー付着量が0.4mg/cmとなるように調節して印字したときの非画像部に付着したトナーを粘着テープで採取し、その画像濃度(ID)を測色色差計(商品名:X−Rite938、X−Rite社製)によって測定した。評価基準は次のとおりである。
◎:非常に良好。IDが0.05未満。
○:良好。IDが0.05以上0.1未満。
△:実使用上問題なし。IDが0.1以上0.2未満。
×:不良。IDが0.2以上。
〔画像再現性〕
カラー複写機(商品名:MX−4500、シャープ株式会社製)によって画像濃度が0.3であり、直径5mmのハーフトーン画像を、画像濃度0.3以上0.5以下で複写できる条件において、線幅が正確に100μmである細線のオリジナル画像が形成される原稿を複写し、得られたコピー画像を測定用サンプルとした。この測定用サンプルを、粒子アナライザ(商品名:ルーゼックス450、株式会社ニレコ製)を用いて100倍に拡大したモニタ画像から、インジケータによって測定用サンプルに形成される細線の線幅を測定した。細線には凹凸があり、線幅は測定位置によって異なるので、複数の測定位置において線幅を測定して平均値をとり、この線幅を測定用サンプルの線幅とした。測定用サンプルの線幅を、原稿の線幅である100μmで除し、得られた値を100倍したものを細線再現性の値として得た。この細線再現性の値が100に近いほど、細線の再現性がよく、画像再現性に優れ、解像性に優れることを示す。評価基準は次のとおりである。なお、画像濃度は、反射濃度計(商品名:RD−918、マクベス社製)によって測定された光学反射濃度を示す。
◎:細線再現性の値が100以上105未満である。
○:細線再現性の値が105以上115未満である。
△:細線再現性の値が115以上125未満である。
×:細線再現性の値が125以上である。
〔定着性〕
カラー複合機(商品名:MX−4500、シャープ株式会社製)を改造したものを用いて、記録媒体である記録用紙(商品名:PPC用紙SF−4AM3、シャープ株式会社製)に、縦20mm、横50mmの長方形状のべた画像部を含むサンプル画像を、べた画像部における未定着状態でのトナーの記録用紙への付着量が0.5mg/cmになるように調整して未定着画像を形成し、カラー複合機の定着部を用いて作成した外部定着器を用いて定着画像を作成した。定着プロセス速度は124mm/秒とし、定着ローラの温度を130℃から5℃刻みで温度を上げ、低温オフセットも高温オフセットも起こらない温度域を定着非オフセット域とした。
また、高温および低温オフセットの定義は、定着時にトナーが記録用紙に定着せずに定着ローラに付着したままローラが一周した後に記録用紙に付着することをオフセット発生とした。
◎:定着非オフセット域が60℃以上
○:定着非オフセット域が45℃以上60℃未満。
△:定着非オフセット域が35℃以上45℃未満。
×:定着非オフセット域が35℃未満。
〔クリーニング性〕
市販複写機(商品名:MX−4500、シャープ株式会社製)に備わるクリーニングユニットのクリーニングブレードが感光体ドラムに当接する圧力であるクリーニングブレード圧を、初期線圧で25gf/cm(2.45×10−1N/cm)となるように調整した。この複写機に実施例1〜15および比較例1〜7のトナーをそれぞれ含む二成分現像剤を充填し、温度25℃、相対湿度50%の常温常湿環境中でシャープ株式会社製文字テストチャートを記録紙10万枚に形成し、クリーニング性の確認を行った。
クリーニング性は、画像形成前(初期)、5,000枚(5K枚)印字後、10,000枚(10K枚)印字後の各段階において、形成された画像を目視で確認することによって、画像部と非画像部との境界部の鮮明度、感光体ドラムの回転方向へのトナー漏れによって形成される黒すじの有無を試験し、さらに後述の測定器によってかぶり量Wkを求めて、クリーニング性を評価した。
形成画像のかぶり量Wkは、日本電色工業株式会社製Z−Σ90 COLORMEASURINGSYSTEMを用いて反射濃度を測定し、次のようにして求めた。まず画像形成前の記録紙の反射平均濃度Wrを測定した。次にその記録紙に画像を形成し、画像形成後、記録紙の白地部分各所の反射濃度を測定した。最もかぶりの多いと判断された部分、すなわち白地部でありながら濃度の最も濃い部分の反射濃度Wsと、前記Wrとから、下記式(4)で求められる値をかぶり量Wk(%)と定義した。評価基準は次のとおりである。
Wk=100×{(Ws−Wr)/Wr} …(4)
◎:非常に良好。鮮明度良く黒すじなし。かぶり量Wkが3%未満である。
○:良好。鮮明度良く黒すじなし。かぶり量Wkが3%以上5%未満である。
△:実使用上問題なし。鮮明度実使用上問題のないレベルであり、黒すじの長さが2.0mm以下かつ5個以下である。かぶり量Wkが5%以上10%未満である。
×:実使用不可。鮮明度実使用上問題あり。黒すじの長さが2.0mmを超えるか、または黒すじが6個以上の少なくともいずれかである。かぶり量Wkが10%以上である。
〔保存安定性〕
トナーをそれぞれ50mlのポリ瓶3本に、1本当り28〜30g入れる。ポリ瓶の蓋を閉めた状態で50℃、10%RHの恒温恒湿槽に入れ、24時間毎に1本ずつ取り出し、嵩比重測定器(筒井理化学器械(株)製)を用い、JIS K−5101−12−1に従って、トナーの嵩密度を測定した。初期、72時間後の嵩密度を比較し、変動の少ないトナーほど保存性が良好であると判断した。評価基準は次のとおりである。
具体的には、変動率は下記式(5)により算出した。
(変動率)=(72時間後の嵩密度)/(初期の嵩密度)×100 …(5)
○:変動率が90%以上。
△:変動率が80%以上90%未満。
×:変動率が80%未満。
〔総合評価〕
総合評価の評価基準は次のとおりである。
◎:非常に良好。すべての項目が◎。
○:良好。評価結果に△および×がない。
△:実使用上問題なし。評価結果に×がなく、△が1〜2個である。
×:不良。評価結果に少なくとも1つ×がある。△が3個以上である。
実施例1〜15および比較例1〜7で得られたトナー、二成分現像剤の評価結果および総合評価結果を表2に示す。
Figure 2009122283
以上の結果から、各実施例は、流動性が良好であり、個々の小径トナーの帯電も適正に制御できるために、定着性を損なうことなく、トナー小粒径化による課題である非画像部かぶりが発生せず、かつ高画質な画像を形成できることが明らかとなった。
本実施例においてはトナーとして、マゼンタトナーを例示した。これは、着色剤として、マゼンタにかかるC.I.Pigment Red57:1を含ませているためであるが、その着色剤に代えて、先に例示している各種着色剤を含ませることで同様にして実施できる。
本発明のトナーの製造方法における手順の一例を示すフロー図である。 本発明の他の実施形態である画像形成装置の構成を示す模式図である。 本発明の他の実施形態である現像装置14の構成を示す模式図である。
符号の説明
1 画像形成装置
2 トナー像形成手段
3 転写手段
4 定着手段
5 記録媒体供給手段
6 排出手段
11 感光体ドラム
12 帯電手段
13 露光ユニット
14 現像手段
15 クリーニングユニット
20 現像槽
20a 現像ローラ
20b 供給ローラ
20c 撹拌ローラ
21 トナーホッパ
25 中間転写ベルト
26 駆動ローラ
27 従動ローラ
28 中間転写ローラ
29 転写ベルトクリーニングユニット
30 転写ローラ
31 定着ローラ
32 加圧ローラ
35 自動給紙トレイ
36 ピックアップローラ
37 搬送ローラ
38 レジストローラ
39 手差給紙トレイ
40 排出ローラ
41 排出トレイ

Claims (11)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を含むトナーであって、
    体積平均粒子径が3.0〜6.0μmであり、5.0μm以下の粒子が40個数%以上であり、8.0μm以上の粒子が2体積%未満であり、トナー表面の離型剤量が0.7重量%以上1.8重量%以下であることを特徴とするトナー。
  2. トナー表面の離型剤量が1.0重量%以上1.8重量%以下であることを特徴とする請求項1記載のトナー。
  3. 平均円形度が0.950以上0.960以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
  4. 離型剤の融点が70℃以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のトナー。
  5. 離型剤が、石油系の離型剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のトナー。
  6. 石油系の離型剤がパラフィン系の離型剤であることを特徴とする請求項5記載のトナー。
  7. トナー100重量部に対して外添剤を2.0重量部以上4.0重量部未満含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のトナー。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載のトナーとキャリアとを含むことを特徴とする二成分現像剤。
  9. キャリアの体積平均粒子径が50μm以下であることを特徴とする請求項8記載の二成分現像剤。
  10. 請求項8または9記載の二成分現像剤を用いて現像を行うことを特徴とする現像装置。
  11. 請求項10記載の現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
JP2007294853A 2007-11-13 2007-11-13 トナー、二成分現像剤およびトナーの製造方法 Active JP4489111B2 (ja)

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