JP2012027279A - トナーの製造方法、トナー、現像剤および画像形成方法 - Google Patents

トナーの製造方法、トナー、現像剤および画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 保存安定性および定着性の良好なトナーを効率的に得ることができるトナーの製造方法、およびこのトナーの製造方法で得られたトナーを提供することである。
【解決手段】 トナーの製造方法は、第1混練工程と、第2混練工程とを含む。第1混練工程は、第1結着樹脂と、第1結晶性物質とを、加熱加圧下で溶融混練して混練物を得る。第2混練工程は、前記混練物と、前記第1結着樹脂よりも溶融粘度の高い第2結着樹脂と、前記第1結晶性物質よりも融点が10℃以上低い第2結晶性物質と、着色剤とを溶融混練する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トナーの製造方法、トナー、現像剤および画像形成方法に関する。
電子写真方式を利用した画像形成装置では、たとえば帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電および定着の各工程を経ることにより画像が形成される。帯電工程で、回転駆動される感光体の表面を帯電装置によって均一に帯電し、露光工程で、帯電した感光体表面に露光装置によってレーザ光が照射され、感光体表面に静電潜像が形成される。次に現像工程で、感光体表面の静電潜像が現像装置によって現像剤を用いて現像されて感光体表面にトナー像が形成され、転写工程で、感光体表面のトナー像が転写装置によって転写材上に転写される。その後、定着工程で、定着装置で加熱加圧されることによって、トナー像が転写材上に定着される。また、画像形成動作後に感光体表面上に残留した転写残留トナーは、クリーニング工程で、クリーニング装置により除去されて所定の回収部に回収され、除電工程で、クリーニング後の感光体表面における残留電荷が、次の画像形成に備えるために、除電装置により除電される。
感光体表面の静電潜像を現像する現像剤としては、たとえばトナーのみからなる1成分現像剤やトナーとキャリアとからなる2成分現像剤が用いられる。
画像形成装置による画像形成プロセスの高速化および省エネルギー化を達成するため、トナーは低温での定着が可能であることが好ましい。特許文献1,2には、低温定着が可能なトナーとして、融点の低い結晶性ポリエステルを含み、乾式法で作製されたトナーが開示されている。
また、特許文献3〜6には、融点の異なる2種類のワックスを含むトナーが開示されており、特許文献7には、軟化点の異なる2種類の結着樹脂と、融点の異なる2種類のワックスとを混練することによって作製したトナーが開示されている。また、特許文献8には、相対的に軟化点の高いワックスを重合中に添加して得られた結着樹脂と、相対的に軟化点の低いワックスとを混練することによって作製したトナーが開示されている。
特開昭64−35456号公報 特開2006−65077号公報 特開平8−278657号公報 特開平8−278662号公報 特開平9−43906号公報 特開2007−304276号公報 特開2007−148085号公報 特開平4−358159号公報
しかしながら、特許文献1に開示のトナーは、ブロッキングが生じやすく、保存安定性が充分ではない。この理由としては、結晶性ポリエステルを含むトナー原料を単純に混合するだけでは、融点が低い結晶性ポリエステルを含むトナーの保存安定性を良好にすることができないからである。この問題を改善するために、特許文献2には、混練機で溶融混練した後に冷却固化した被粉砕物を所定温度で所定時間保管する処理(アニール処理)を行うことでポリエステルを結晶化させ、トナーの保存安定性を向上させる方法が記載されているが、この方法でトナーを製造すると時間が掛かり、効率が悪い。
さらに、特許文献3〜8に開示のトナーは、定着性が充分ではない。この理由としては、特許文献3〜8において、ワックスは、定着時にトナー表面に染み出させて離型作用を発揮させる目的で用いているので、相対的に軟化点または融点の高いワックスのトナー中での分散性が考慮されておらず、特許文献3〜8に開示のトナーの製造方法では、相対的に軟化点または融点の高いワックスをトナー中に充分に分散させることができない。相対的に軟化点または融点の高いワックスがトナー中に均一に分散されていないトナーは、定着時の応答速度が遅くなるので、定着性が低下する。
本発明の目的は、保存安定性および定着性の良好なトナーを効率的に得ることができるトナーの製造方法、このトナーの製造方法で得られたトナー、現像剤および画像形成方法を提供することである。
本発明は、第1結着樹脂と、第1結晶性物質とを、加熱加圧下で溶融混練して混練物を得る第1混練工程と、
前記混練物と、前記第1結着樹脂よりも溶融粘度の高い第2結着樹脂と、前記第1結晶性物質よりも融点が10℃以上低い第2結晶性物質と、着色剤とを溶融混練する第2混練工程とを含むことを特徴とするトナーの製造方法である。
また本発明は、前記第1結晶性物質および前記第2結晶性物質が、ワックスであり、
前記第1結晶性物質の融点が85℃以上であることを特徴とする。
また本発明は、前記第1結晶性物質が、極性基を含むワックスであることを特徴とする。
また本発明は、前記第1結晶性物質および前記第2結晶性物質が、ワックスであり、
前記第1結晶性物質および前記第2結晶性物質の少なくともいずれか一方が、メタロセン系触媒を用いて合成されたワックスであることを特徴とする。
また本発明は、前記第1結着樹脂および第2結着樹脂が、ポリエステル樹脂であることを特徴とする。
また本発明は、前記メタロセン系触媒を用いて合成されたワックスが、酸価を有するワックスであることを特徴とする。
また本発明は、本発明のトナーの製造方法によって得られることを特徴とするトナーである。
また本発明は、本発明のトナーとキャリアとを含む2成分現像剤であることを特徴とする現像剤である。
また本発明は、像担持体に潜像を形成する工程と、
本発明の現像剤を用いて、像担持体に形成された潜像を現像してトナー像を形成する工程とを含むことを特徴とする画像形成方法である。
本発明によれば、トナーの製造方法は、第1混練工程と、第2混練工程とを含む。第1混練工程では、第1結着樹脂と、第1結晶性物質とを、加熱加圧下で溶融混練して混練物を得る。第2混練工程では、前記混練物と、前記第1結着樹脂よりも溶融粘度の高い第2結着樹脂と、前記第1結晶性物質よりも融点が10℃以上低い第2結晶性物質と、着色剤とを溶融混練する。
第1結着樹脂と、第1結晶性物質とを、加熱加圧下で溶融混練して得られた混練物は、第2結着樹脂、第2結晶性物質および着色剤などのトナー原料と混合されやすく、第1混練工程で得られた混練物と、第2結着樹脂と、第2結晶性物質と、着色剤とを溶融混練することによって、前記トナー原料中に、融点差が10℃以上の第1結晶性物質と第2結晶性物質とを分散させることができ、融点差が10℃以上の第1結晶性物質と第2結晶性物質とが微分散されたトナーを得ることができる。
このように、相対的に融点の高い第1結晶性物質が微分散されたトナーは、加熱加圧下での定着時における加圧力に対して応答性が速く、低温定着が可能で、定着性が良好である。これは、定着時の温度が第1結晶性物質の融点に達すると、トナー中の第1結晶性物質が、固体状態から液体状態へと変化する(相変化する)ことによって、トナーの弾性率が低下し、加圧力に対して変形しやすくなるためである。
また、相対的に溶融粘度の高い第2結着樹脂をトナー原料として用いることによって、アニール処理を行わなくても、ブロッキングを抑制し、保存安定性の良好なトナーを得ることができるので、効率的にトナーを得ることができる。
また本発明によれば、第1結晶性物質および第2結晶性物質が、ワックスであり、第1結晶性物質の融点が85℃以上である。第1結晶性物質および第2結晶性物質が、ワックスであり、第1結晶性物質の融点が85℃以上であることによって、加熱加圧下での定着時における加圧力に対し、安定して応答性を速くでき、低温定着を可能にすることができる。
また本発明によれば、第1結晶性物質は、極性基を含むワックスである。第1結晶性物質が極性基を含むワックスであることによって、第1結晶性物質がより微分散されたトナーを得ることができる。
また本発明によれば、第1結晶性物質および第2結晶性物質が、ワックスであり、第1結晶性物質および第2結晶性物質の少なくともいずれか一方が、メタロセン系触媒を用いて合成されたワックスである。メタロセン系触媒を用いて合成されたワックスは、分子量分布が狭いので、第1結晶性物質および第2結晶性物質の少なくともいずれか一方がメタロセン系触媒を用いて合成されたワックスであることによって、フィルミングおよびブロッキングを抑制し、より保存安定性の良好なトナーとすることができる。
また本発明によれば、第1結着樹脂および第2結着樹脂がポリエステル樹脂である。ポリエステル樹脂は、透明性に優れるので、第1結着樹脂および第2結着樹脂がポリエステル樹脂であることによって、色再現性が高いトナーを得ることができる。
また本発明によれば、メタロセン系触媒を用いて合成されたワックスが、酸価を有するワックスである。メタロセン系触媒を用いて合成されたワックスが、酸価を有するワックスであることによって、メタロセン系触媒を用いて合成されたワックスと、第1結着樹脂および第2結着樹脂との親和性が向上するので、メタロセン系触媒を用いて合成されたワックスの、第1結着樹脂および第2結着樹脂への分散性を向上させることができ、定着性を向上させることができる。
また本発明によれば、トナーは本発明のトナーの製造方法によって得られる。本発明のトナーの製造方法では、相対的に融点の高い第1結晶性物質が微分散されたトナーを得ることができ、このように相対的に融点の高い第1結晶性物質が微分散されたトナーは、加熱加圧下での定着時における加圧力に対して応答性が速く、定着性が良好である。
また本発明によれば、現像剤は、本発明のトナーとキャリアとを含む2成分現像剤であるので、低温定着が可能で、定着性が良好であるとともに、保存安定性が良好である。
また本発明によれば、画像形成方法は、像担持体に潜像を形成する工程と、本発明の現像剤を用いて、像担持体に形成された潜像を現像してトナー像を形成する工程とを含むので、定着性が良好で、高画質な画像を形成することができる。
本発明の実施の一形態であるトナーの製造方法を示す工程図である。 本発明のトナーを用いるのに適した画像形成装置10の構成を模式的に示す図である。 現像手段24の構成を模式的に示す断面図である。
1、トナー
本発明の実施の一形態であるトナーは、第1結着樹脂と、第1結着樹脂よりも溶融粘度の高い第2結着樹脂と、第1結晶性物質と、第1結晶性物質よりも融点の低い第2結晶性物質と、着色剤とを含む。
(結着樹脂)
結着樹脂としては、特に限定されるものではなく、ブラックトナー用の結着樹脂またはカラートナー用の結着樹脂を使用することができ、たとえば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン樹脂およびスチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂などのスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン樹脂、ならびにエポキシ樹脂などが挙げられる。
また、結着樹脂として、原料モノマー混合物に結晶性物質を混合し、重合反応させて得られる樹脂を用いてもよく、この場合、第1結着樹脂および第2結着樹脂としてとしてポリエステル樹脂を用いることが好ましい。このような場合にポリエステル樹脂を用いることによって、トナーに優れた耐久性と透明性とを付与することができる。なお、原料モノマー混合物に混合する結晶性物質としては、後述する第1結晶性物質または第2結晶性物質と同じ種類の結晶性物質を用いることができる。第1結着樹脂および第2結着樹脂はそれぞれ1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
ポリエステル樹脂としては、特に制限されず公知のものを使用でき、たとえば、多塩基酸類と多価アルコール類との縮重合物が挙げられる。多塩基酸類とは、多塩基酸、および多塩基酸の誘導体たとえば多塩基酸の酸無水物またはエステル化物などのことである。多価アルコール類とは、ヒドロキシル基を2個以上含有する化合物のことであり、アルコール類およびフェノール類のいずれをも含む。
多塩基酸類としては、ポリエステル樹脂のモノマーとして常用されるものを使用でき、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸およびナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマル酸、コハク酸およびアジピン酸などの脂肪族カルボン酸類が挙げられる。多塩基酸類は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。
多価アルコール類としてもポリエステル樹脂のモノマーとして常用されるものを使用でき、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールおよびグリセリンなどの脂肪族多価アルコール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールおよび水添ビスフェノールAなどの脂環式多価アルコール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物およびビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族系ジオール類が挙げられる。「ビスフェノールA」とは、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパンのことである。ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物としては、たとえばポリオキシエチレン−2,2−ビス4−ヒドロキシフェニルプロパンが挙げられる。ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物としては、たとえばポリオキシプロピレン−2,2−ビス4−ヒドロキシフェニルプロパンが挙げられる。多価アルコール類は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。
ポリエステル樹脂は、縮重合反応によって合成することができる。たとえば、有機溶媒中または無溶媒下で、触媒の存在下に多塩基酸類と多価アルコール類とを重縮合反応、具体的には脱水縮合反応させることによって合成することができる。このとき、多塩基酸類の一部に、多塩基酸のメチルエステル化物を用い、脱メタノール重縮合反応を行なってもよい。多塩基酸類と多価アルコール類との重縮合反応は、生成するポリエステル樹脂の酸価および軟化点が、合成しようとするポリエステル樹脂における値となったところで終了させればよい。この重縮合反応において、多塩基酸類と多価アルコール類との配合比および反応率などの反応条件を適宜変更することによって、たとえば、得られるポリエステル樹脂の末端に結合するカルボキシル基の含有量、ひいては得られるポリエステル樹脂の酸価、軟化点、その他の物性値を調整することもできる。
アクリル樹脂としては、特に制限されず、公知のものを使用でき、たとえばアクリル系モノマーの単独重合体およびアクリル系モノマーとビニル系モノマーとの共重合体が挙げられる。その中でも、酸性基を有するアクリル樹脂が好ましい。
アクリル系モノマーとしては、アクリル樹脂のモノマーとして常用されるものを使用でき、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシルおよびアクリル酸ドデシルなどのアクリル酸エステル系単量体、ならびにメタクリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸デシルおよびメタクリル酸ドデシルなどのメタクリル酸エステル系単量体などが挙げられる。これらのアクリル系モノマーは、置換基を有していてもよい。
置換基を有するアクリル系モノマーとしては、たとえば、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシル基を有するアクリル酸エステル系またはメタクリル酸エステル系単量体などが挙げられる。アクリル系モノマーは、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。
ビニル系モノマーとしては、公知のものを使用でき、たとえば、スチレンおよびα−メチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体、臭化ビニル、塩化ビニルおよび酢酸ビニルなどの脂肪族ビニル単量体、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルなどのアクリロニトリル系単量体などが挙げられる。ビニル系モノマーは、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。
アクリル樹脂は、たとえば、アクリル系モノマーの1種または2種以上、もしくアクリル系モノマーの1種または2種以上とビニル系モノマーの1種または2種以上とを、ラジカル重合開始剤の存在下に、溶液重合法、懸濁重合法または乳化重合凝集法などで重合させることによって製造することができる。酸性基を有するアクリル樹脂は、たとえば、アクリル系モノマーまたはアクリル系モノマーとビニル系モノマーとを重合させるに際し、酸性基または親水性基を含有するアクリル系モノマーおよび酸性基または親水性基を有するビニル系モノマーのいずれか一方または両方を用いることによって製造することができる。
ポリウレタン樹脂としては、特に制限されず、公知のものを使用でき、たとえば、ポリオールとポリイソシアネートとの付加重合物が挙げられる。その中でも、酸性基または塩基性基を有するポリウレタン樹脂が好ましい。酸性基または塩基性基を有するポリウレタン樹脂は、たとえば、酸性基または塩基性基を有するポリオールと、ポリイソシアネートとを付加重合反応させることによって合成することができる。
酸性基または塩基性基を有するポリオールとしては、たとえば、ジメチロールプロピオン酸、N−メチルジエタノールアミンなどのジオール類、ポリエチレングリコールなどのポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオールなどの3価以上のポリオール類などが挙げられる。ポリオールは1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
ポリイソシアネートとしては、たとえば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。ポリイソシアネートは、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。
エポキシ樹脂としては、特に制限されず、公知のものを使用でき、たとえば、ビスフェノールAとエピクロヒドリンとから合成されるビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールとホルムアルデヒドとの反応生成物であるフェノールノボラックとエピクロルヒドリンとから合成されるフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールとホルムアルデヒドとの反応生成物であるクレゾールノボラックとエピクロルヒドリンとから合成されるクレゾールノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。その中でも、酸性基または塩基性基を有するエポキシ樹脂が好ましい。酸性基または塩基性基を有するエポキシ樹脂は、たとえば、前述のエポキシ樹脂をベースとし、このベースのエポキシ樹脂にアジピン酸、無水トリメリット酸などの多価カルボン酸またはジブチルアミン、エチレンジアミンなどのアミンを付加または付加重合させることによって製造することができる。
第1結着樹脂および第2結着樹脂としては、前述の樹脂の中でもポリエステル樹脂を用いることが好ましい。第1結着樹脂および第2結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いることによって、優れたシャープメルト性および耐久性を兼ね備えたカラートナーに最適なトナーを得ることができる。また、ポリエステル樹脂はアクリル樹脂などの他の樹脂に比べて軟化点(T1/2)が低いので、ポリエステル樹脂を用いることによって、より低い温度で定着することのできる低温定着性に優れるトナーを得ることができる。さらに、ポリエステル樹脂は透過性に優れるので、ポリエステル樹脂を用いることによって、色再現性および発色性に優れ、また他の色のトナーとの重ね合わせによって作製される二次色の発色性に優れるカラートナーを得ることができる。
第1結着樹脂および第2結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、得られるトナーの定着性および保存安定性などを考慮すると、30℃以上80℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が30℃未満であると、保存安定性が不充分になるため画像形成装置内部でのトナーの熱凝集が起こりやすくなり、現像不良が発生するおそれがある。またホットオフセット現象が発生し始める温度(以後、「ホットオフセット開始温度」と記す)が低下してしまう。なお、「ホットオフセット現象」とは、加熱ローラなどの定着部材で加熱および加圧してトナーを記録媒体に定着させる際に、トナーが過熱されることによってトナー粒子の凝集力がトナーと定着部材との接着力を下回ってトナー層が分断され、トナーの一部が定着部材に付着して取去られる現象のことである。またガラス転移温度が80℃を超えると、定着性が低下するため定着不良が発生するおそれがある。
第1結着樹脂および第2結着樹脂の軟化点(T1/2)は、特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、150℃以下であることが好ましく、さらには60℃以上120℃以下であることが好ましい。軟化点が60℃未満であると、トナーの保存安定性が低下し、画像形成装置内部でトナーの熱凝集が起こりやすくなり、トナーを安定して像担持体に供給することができず、現像不良が発生するおそれがある。また画像形成装置の故障が誘発されるおそれもある。軟化点が150℃を超えると、溶融混練工程において結着樹脂が溶融しにくくなるため、各トナー原料の混練が困難になり、溶融混練物中における着色剤、第1結晶性物質、第2結晶性物質および帯電制御剤などの分散性が低下するおそれがある。またトナーを記録媒体に定着させる際に、トナーが溶融または軟化しにくくなるので、トナーのメディア(記録媒体)への定着性が低下し、定着不良が発生するおそれがある。
第1結着樹脂および第2結着樹脂の分子量は、特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、重量平均分子量(Mw)で5000以上500000以下であることが好ましい。分子量が5000未満であると、結着樹脂の機械的強度が低下し、得られるトナー粒子が現像装置内部での撹拌などによって粉砕されやすくなり、トナー粒子の形状が変化し、たとえば帯電性能にばらつきが生じるおそれがある。また分子量が500000を超えると、溶融されにくくなるため、溶融混練工程における混練が困難になり、溶融混練物中における着色剤、第1結晶性物質、第2結晶性物質および帯電制御剤などの分散性が低下するおそれがある。またトナーの定着性が低下し、定着不良が発生するおそれがある。ここで、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(Gel Permeation chromatography;略称GPC)によって測定されるポリスチレン換算の値である。
第1結着樹脂の溶融粘度は、3000Pa・s以上20000Pa・s以下が好ましい。第1結着樹脂の溶融粘度が3000Pa・s以上20000Pa・s以下であることによって、後述する第1混練工程において、第1結晶性物質が微分散された第1混練物を得ることができ、この第1結晶性物質が微分散された第1混練物を用いることによって、第1結晶性物質が微分散されたトナーを得ることができる。また、コールドオフセット現象が発生し始める温度(以後、「コールドオフセット開始温度」と記す)を低下させ、低温定着が可能なトナーとすることができる。なお、「コールドオフセット現象」とは、加熱ローラなどの定着部材で加熱および加圧してトナーを記録媒体に定着させる際に、トナーに与えられる熱が不充分となることによってトナー粒子の凝集力がトナーと定着部材との接着力を下回ってトナー層が分断され、トナーの一部が定着部材に付着して取去られる現象のことである。
第1結着樹脂よりも溶融粘度の高い第2結着樹脂の溶融粘度は、6000Pa・s以上20000Pa・s以下が好ましい。第2結着樹脂の溶融粘度が6000Pa・s以上20000Pa・s以下であることによって、第1結着樹脂が微分散されたトナーとすることができる。また、アニール処理を行わなくても、ブロッキングを抑制してトナーの保存安定性を向上させることができ、効率的にトナーを得ることができる。さらにホットオフセット温度を上昇させて、定着性を向上させることができる。
第1結着樹脂と第2結着樹脂との溶融粘度差は、0Pa・s以上10000Pa・s以下が好ましい。
第1結着樹脂および第2結着樹脂の酸価は、1KOHmg/g以上60KOHmg/g以下が好ましい。
第1結着樹脂と第2結着樹脂との含有量の比率は、1:99〜99:1であることが好ましい。
(第1結晶性物質および第2結晶性物質)
第1結晶性物質および第2結晶性物質としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば結晶性化合物、ワックス類、および結晶性ポリマーなどが挙げられる。
結晶性化合物としては、たとえば、1−ヘキサデカノール、1−ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、1−ノナデカノール、1−エイコサノール、ベヘニルアルコール、1−トリコサノール、1−テトラコサノール、セリルアルコール等の高級アルコール;パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、ベヘン酸、トリコサン酸、リグノセリン酸等の高級脂肪酸とそのエステル類;、リノール酸アミド、リシノール酸アミド、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、エイコセン酸アミド、エルシン酸アミド、パルミトレイン酸アミド等の脂肪酸アミド;炭素数21以上のn−パラフィンなどが挙げられる。
ワックス類としては、たとえば、みつろう、鯨ろう等の動物系ワックス;カルナバワックス、キャンデリラワックス、木ろう等の植物系ワックス;モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;ポリオレフィンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックスおよびフィッシャートロプッシュワックスなどの合成ワックス;低分子量ポリエチレンの如き合成炭化水素類などが挙げられる。
結晶性ポリマーとしては、たとえば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサメチレングリコール、テトラメチレングリコール等のポリオールと、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の多塩基酸とを縮重合して得られるポリエステル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテル類;アクリル酸ベヘニル、メタクリル酸ベヘニル、イタコン酸ベヘニル、イタコン酸ステアリル等の長鎖のアルキルエステルを主重合単位として含むビニル系重合体などのうち、重合時の分子設計によって官能基が導入されたものが挙げられる。第1結晶性物質および第2結晶性物質は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。第1結晶性物質としては、極性基を有するワックスが好ましい。
第1結晶性物質の融点は、85℃以上140℃以下が好ましい。本実施形態において、第1結晶性物質はトナー中に微分散されているが、このように相対的に融点の高い第1結晶性物質が微分散されたトナーは、加熱加圧下での定着時における加圧力に対して応答性が速く、低温定着が可能で、定着性が良好である。これは、定着時の温度が第1結晶性物質の融点に達すると、トナー中の第1結晶性物質が、固体状態から液体状態に変化する(相変化する)ことによって、トナーの弾性率が低下し、加圧力に対して変形しやすくなるためである。
第1結晶性物質よりも融点の低い第2結晶性物質の融点は、40℃以上100℃以下が好ましい。第2結晶性物質の融点が40℃以上100℃以下であることによって、定着時に定着装置の定着ローラおよび加圧ローラに対する離型性を向上させることができ、定着性を良好にすることができる。
第1結晶性物質と第2結晶性物質との融点の差は、10℃以上80℃以下が好ましい。
第1結晶性物質としてワックスを用いる場合、どのようなワックスを用いることも可能であるが、用いるワックスが極性基を有するワックスであることが好ましい。第1結晶性物質が極性基を含むワックスであることによって、第1結晶性物質がより微分散されたトナーを得ることができる。
また、第1結晶性物質として合成ワックスを用いる場合は、重合法ワックスを用いることが好ましい。重合法には、ラジカル重合法、チーグラ重合法、メタロセン重合法がある。チーグラ重合法は、チーグラナッタ系触媒を用いてワックスを合成する方法であり、メタロセン重合法は、メタロセン系触媒を用いてワックスを合成する方法である。いずれの方法でもワックスを合成できるが、メタロセン重合法では、分子量分布が狭いワックスを合成することができる。そのため、本実施形態では、第1結晶性物質および第2結晶性物質がワックスであり、第1結晶性物質および第2結晶性物質の少なくともいずれか一方が、メタロセン系触媒を用いて合成されたワックスであることがより好ましい。第1結晶性物質および第2結晶性物質の少なくともいずれか一方がメタロセン系触媒を用いて合成されたワックスであることによって、フィルミングおよびブロッキングを抑制し、より保存安定性の良好なトナーとすることができる。
結晶性物質の配合量は特に制限されず、結着樹脂、着色剤などの他の成分の種類および含有量、作製しようとするトナーに要求される特性などの各種条件に応じて広い範囲から適宜選択することができるが、好ましくは、結着樹脂(第1結着樹脂および第2結着樹脂の合計)100重量部に対して、第1結晶性物質および第2結晶性物質の合計が3重量部以上30重量部以下であることが好ましい。第1結晶性物質および第2結晶性物質それぞれの配合量としては、第1結晶性物質は、結着樹脂(第1結着樹脂および第2結着樹脂の合計)100重量部に対して、2重量部以上27重量部以下が好ましく、第2の結晶性物質は、結着樹脂(第1結着樹脂および第2結着樹脂の合計)100重量部に対して3重量部以上10重量部以下が好ましい。結晶性物質の配合量が3重量部未満であると、低温定着性および耐ホットオフセット性の向上効果が充分に発揮されないおそれがある。結晶性物質の配合量が10重量部を超えると、溶融混練物中における結晶性物質の分散性が低下し、一定の性能を有するトナーを安定して得ることができなくなるおそれがある。またトナーが感光体などの像担持体の表面に皮膜(フィルム)状に融着するフィルミングと呼ばれる現象が発生しやすくなるおそれがある。
第1結晶性物質および第2結晶性物質が、メタロセン系触媒を用いて合成されたワックスである場合、ワックスの添加量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜30重量部が好ましく、2〜20重量部がより好ましい。
メタロセン系触媒を用いて合成されたワックスは、酸価を有するワックスであることが好ましい。メタロセン系触媒を用いて合成されたワックスが、酸価を有するワックスであることによって、メタロセン系触媒を用いて合成されたワックスと、第1結着樹脂および第2結着樹脂との親和性が向上するので、メタロセン系触媒を用いて合成されたワックスの、第1結着樹脂および第2結着樹脂への分散性を向上させることができ、定着性を向上させることができる。
メタロセン系触媒を用いて合成されたワックスの酸価は、1KOHmg/g以上60KOHmg/g以下が好ましい。
(着色剤)
着色剤としては、染料および顔料が挙げられる。その中でも、顔料を用いることが好ましい。顔料は染料に比べて耐光性および発色性に優れるので、顔料を用いることによって耐光性および発色性に優れるトナーを得ることができる。着色剤の具体例としては、以下に記すように、たとえば、イエロートナー用着色剤、マゼンタトナー用着色剤、シアントナー用着色剤、およびブラックトナー用着色剤などが挙げられる。以下では、カラーインデックス(Color Index)を「C.I.」と略記する。
イエロートナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー5、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー15、およびC.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185などの有機系顔料、黄色酸化鉄および黄土などの無機系顔料、C.I.アシッドイエロー1などのニトロ系染料、C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエロー19、およびC.I.ソルベントイエロー21などの油溶性染料などが挙げられる。
マゼンタトナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ベーシックレッド10、およびC.I.ディスパーズレッド15などが挙げられる。
シアントナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ソルベントブルー55、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ダイレクトブルー25、およびC.I.ダイレクトブルー86やKET.BLUE111などが挙げられる。
ブラックトナー用着色剤としては、たとえば、チャンネルブラック、ローラーブラック、ディスクブラック、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、およびアセチレンブラックなどのカーボンブラックが挙げられる。これら各種カーボンブラックの中から、得ようとするトナーの設計特性に応じて、適切なカーボンブラックを適宜選択すればよい。
これらの顔料以外にも、紅色顔料、緑色顔料などを使用できる。着色剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。また、同色系のものを2種以上用いることができ、異色系のものをそれぞれ1種または2種以上用いることもできる。
着色剤は、マスターバッチとして使用されることが好ましい。着色剤のマスターバッチは、たとえば、合成樹脂の溶融物と着色剤とを混練することによって製造することができる。合成樹脂としては、トナーの結着樹脂における主成分である樹脂と同種の樹脂またはトナーの結着樹脂における主成分である樹脂に対して良好な相溶性を有する樹脂が使用される。合成樹脂と着色剤との使用割合は特に制限されないけれども、好ましくは合成樹脂100重量部に対して30重量部以上100重量部以下である。マスターバッチは、たとえば粒径2mm〜3mm程度に造粒されて用いられる。
着色剤の含有量は特に制限されないが、好ましくは結着樹脂100重量部に対して4重量部以上20重量部以下である。マスターバッチを用いる場合には、トナーにおける着色剤の含有量が上記範囲になるように、マスターバッチの使用量を調整することが好ましい。着色剤の含有量が上記範囲の値であることにより、着色剤の添加によるフィラー効果を抑え、かつ高着色力を有するトナーを得ることができる。また、充分な画像濃度を有し、発色性が高く画像品位に優れる良好な画像を形成することができる。着色剤の含有量が20重量部を超えると、着色剤のフィラー効果によって、弾性が上昇し、トナーの定着性が低下するおそれがある。
(電荷制御剤)
本実施形態のトナーは、帯電制御剤を含んでもよい。帯電制御剤は、トナーに好ましい帯電性を付与するために添加する。帯電制御剤としては、正電荷制御用または負電荷制御用の帯電制御剤を使用できる。たとえば、ニグロシン染料、塩基性染料、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン、ニグロシン染料およびその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、グアニジン塩、およびアミジン塩などの正電荷制御用の帯電制御剤と、たとえば、オイルブラックおよびスピロンブラックなどの油溶性染料、含金属アゾ化合物、アゾ錯体染料、ナフテン酸金属塩、サリチル酸およびその誘導体の金属錯体および金属塩(金属はクロム、亜鉛、ジルコニウムなど)、ホウ素化合物、脂肪酸石鹸、長鎖アルキルカルボン酸塩、ならびに樹脂酸石鹸などの負電荷制御用の帯電制御剤が挙げられる。
帯電制御剤は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。帯電制御剤の使用量は、好ましくは結着樹脂100重量部に対して0.5重量部以上5重量部以下であり、より好ましくは結着樹脂100重量部に対して0.5重量部以上3重量部以下である。帯電制御剤が5重量部よりも多く含まれると、キャリアが汚染されてしまい、トナー飛散が発生するおそれがある。0.5重量部未満であると、トナーに充分な帯電特性を付与することができないおそれがある。
カラートナーにおいては無色の帯電制御剤を使用することが望ましく、たとえばサリチル酸およびその誘導体の金属錯体および金属塩を使用することが望ましい。
2、トナーの製造方法
図1は、本発明の実施の一形態であるトナーの製造方法を示す工程図である。本実施形態のトナーの製造方法は、第1混合工程と、第1混練工程と、第2混合工程と、第2混練工程と、粉砕工程と、分級工程とを含む。
(第1混合工程)
ステップS1の第1混合工程では、少なくとも第1結着樹脂と、第1結晶性物質とを混合機により乾式混合して第1混合物を作製する。
乾式混合に用いられる混合機としては、公知のものを使用でき、たとえば、ヘンシェルミキサー(商品名:FMミキサー、三井鉱山株式会社製)、スーパーミキサー(商品名、株式会社カワタ製)およびメカノミル(商品名、岡田精工株式会社製)などのヘンシェルタイプの混合装置、オングミル(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)、ならびにコスモシステム(商品名、川崎重工業株式会社製)などが挙げられる。
(第1混練工程)
ステップS2の第1混練工程では、第1混合物を加熱加圧下で溶融混練して第1混練物を作製する。
第1結着樹脂および第1結晶性物質を含む第1混練物を、加熱加圧下で溶融混練することによって、第1結晶性物質が微分散された第1混練物を得ることができる。なお、第1結着樹脂の代わりに、第1結着樹脂よりも溶融粘度の高い第2結着樹脂を用いて第1混練物を作製した場合には、第1混練物中における第1結晶性物質の分散径が小さくなりにくく、第1結晶性物質を所望の分散径まで微分散させるために長時間溶融混練する必要が生じるため、好ましくない。また、本工程を加圧下で行わない場合にも、第1混練物中における第1結晶性物質の分散径が小さくなりにくい。第1結晶性物質の所望の分散径としては、0.01μm以上1μm以下が好ましい。
加熱加圧下で第1混練物を溶融混練するため、本工程では、たとえば加圧ニーダ(商品名:KDHJ−60、株式会社ダルトン製)を用いる。
本工程での加圧ニーダの回転速度は、2rpm以上50rpm以下が好ましい。
本工程での加熱温度は、100℃以上150℃以下が好ましく、本工程での圧力は、1Pa以上30Pa以下が好ましい。なお、第1混合工程を行うことなく、本工程を行ってもよい。その場合には、第1結着樹脂と第1結晶性物質とを予め混合することなく、第1結着樹脂と第1結晶性物質とを加熱加圧下で溶融混練する。
本工程の混練時間は、10分間以上180分間以下が好ましい。
(第2混合工程)
ステップS3の第2混練工程では、第1混練物と、第2結着樹脂と、第2結晶性物質と、着色剤と、帯電制御剤とを混合機により乾式混合して第2混合物を作製する。混合機としては、前述の混合機を用いることができる。なお、第1混練工程で得られた第1混練物を粗粉砕し、その粗粉砕物を本工程で用いてもよい。第1混練物の粗粉砕には、ハンマーミルまたはカッターミルを用いることができる。
本工程での混合機の回転速度は、10rpm以上300rpm以下が好ましい。
本工程の混合時間は、10分間以上180分間以下が好ましい。
(第2混練工程)
ステップS4の第2混練工程では、第2混合物を混練機により溶融混練して、第2混練物を作製する。
混練機としては公知のものを使用でき、たとえば、二軸押出し機、三本ロールおよびラボブラストミルなどの一般的な混練機を使用することができる。さらに具体的には、たとえば、TEM−100B(商品名、東芝機械株式会社製)、PCM−65/87、PCM−30(以上いずれも商品名、株式会社池貝製)などの1軸または2軸のエクストルーダ、ニーデックス(商品名、三井鉱山株式会社製)などのオープンロール方式の混練機が挙げられる。これらの中でも、オープンロール方式の混練機が好ましい。第2混合物は、複数の混練機を用いて溶融混練されても構わない。
第1結着樹脂中に第1結晶性物質が微分散された第1混練物は、第2結着樹脂、第2結晶性物質、着色剤および帯電制御剤などのトナー原料と混合されやすいので、上記のような通常の溶融混練粉砕法で用いる混練機を用いても、トナー原料中に第1結晶性物質を微分散させることができる。
また、第1混練工程および第2混練工程と2回の混練工程を行うことによって、トナー原料中に第1結晶性物質を充分に微分散させることができる。
本工程での混練機の回転速度は、5rpm以上300rpm以下が好ましい。
本工程の混練時間は、10分間以上300分間以下が好ましい。
本工程での加熱温度は、第1結着樹脂および第2結着樹脂の軟化点以上、熱分解温度未満が好ましい。
(粉砕工程)
ステップS5の粉砕工程では、第2混練物を冷却して固化させ、冷却固化させた第2混練物を粉砕することによって、粉砕物を作製する。
冷却固化された第2混練物は、まずハンマーミルまたはカッターミルなどによって、たとえば体積平均粒子径が100μm以上5mm以下程度である粗粉砕物にそれぞれ粉砕される。その後、得られた粗粉砕物は、所望の体積平均粒子径を有する所望の体積平均粒子径を有する粉砕物にまでそれぞれ微粉砕される。
粗粉砕物の微粉砕には、たとえば、超音速ジェット気流を利用して粉砕するジェット式粉砕機、高速で回転する回転子であるロータと固定子であるライナとの間に形成される空間に、粗粉砕物を導入して粉砕する衝撃式粉砕機などを用いることができる。
冷却固化された溶融混練物は、ハンマーミルまたはカッティングミルなどによる粗粉砕を経ることなく、直接ジェット式粉砕機または衝撃式粉砕機などにより粉砕されてもよい。
(分級工程)
ステップS6の分級工程では、粉砕工程S5にて得られた粉砕物から、分級機で過粉砕トナー粒子および粗大トナー粒子を除去することによって、トナーを作製する。過粉砕トナー粒子および粗大トナー粒子は、回収し、他のトナーの製造に再利用するために使用することができる。
分級には、遠心力による分級または風力による分級によって過粉砕トナー粒子および粗大トナー粒子を除去できる公知の分級機を使用することができ、たとえば、旋回式風力分級機(ロータリー式風力分級機)などを使用することができる。
本工程では、分級条件を適宜調整することによって、分級後に得られるトナーの体積平均粒子径が5.5μm以上6.5μm以下となるように分級を行うことが好ましい。トナーの体積平均粒子径が5.5μm未満であると、トナー中の小粒径粒子の含有量が多くなりすぎるので、クリーニング性が低下するおそれがある。トナーの体積平均粒子径が6.5μmを超えると、トナーの体積平均粒子径が大きくなりすぎるので、高精細な画像を得ることができないおそれがある。またトナー粒子の比表面積が減少し、トナーの帯電量が小さくなることによって、トナーが像担持体に安定して供給されず、トナー飛散による機内汚染が発生するおそれがある。さらに、トナー粒子表面の凹凸が多くなるので、像担持体に対するトナー粒子間での物理的付着力のバランスが崩れやすくなる。したがって上記のように、分級後に得られるトナー粒子の体積平均粒子径が5.5μm以上6.5μm以下に選ばれる。
上述の適宜調整する分級条件とは、たとえば、旋回式風力分級機(ロータリー式風力分級機)における分級ロータの回転速度などである。
(球形化工程)
本実施形態では、球形化工程が設けられてもよい。球形化工程は、粉砕工程S5の後、または分級工程S6の後に行われることが好ましい。すなわち、粉砕工程S5で得られた微粉砕物または分級工程S6で得られたトナーに対して、球形化処理が行われる。球形化処理を行うことによって、トナー粒子表面の凹凸を少なくすることができるので、トナー粒子全体として良好なクリーニング性を得ることができる。したがって、かぶりがなく、長期間にわたって高精細で高解像度の高画質画像をより安定して形成することができるトナーを得ることができる。
球形化処理の方法としては、たとえば、機械的衝撃力によって球形化する方法や熱風によって球形化する方法などが挙げられるが、適度に凹凸を持たせながら球形化することが可能な、機械的衝撃力によるものが好ましい。熱による球形化処理ではトナー粒子同士が融着し、トナー粒子中に含有される結晶性物質がトナー粒子表面にブリードすることでトナーの流動性が悪化するおそれがある。
機械的衝撃力による球形化処理に用いられる衝撃式球形化装置としては、市販されているものを使用することができ、たとえば、ファカルティ(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)などを用いることができる。熱風による球形化処理に用いられる熱風式球形化装置としては、市販されているものを使用することができ、たとえば、表面改質機メテオレインボー(商品名、日本ニューマチック工業株式会社製)などを用いることができる。
(外添剤)
このようにして製造されたトナーには、たとえば、粉体流動性向上、摩擦帯電性向上、耐熱性向上、長期保存性改善、クリーニング特性改善および感光体表面磨耗特性制御などの機能を担う外添剤が外添されてもよい。
外添剤としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、シリカ微粉末、酸化チタン微粉末およびアルミナ微粉末などが挙げられる。これらの無機微粉末は、疎水化、帯電性コントロールなどの目的でシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物などの処理剤で処理されていることが好ましく、1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。外添剤の添加量としては、トナーに必要な帯電量、外添剤を添加することによる感光体の摩耗に対する影響、トナーの環境特性などを考慮して、トナー粒子100重量部に対して5重量部以下が好適である。
外添剤は、一次粒子の個数平均粒子径が10nm〜500nmであることが好ましい。このような粒径の外添剤を用いることによって、トナーの流動性向上効果が一層発揮されやすくなる。
3、現像剤
上述のように、必要に応じて外添剤が外添された本発明のトナーは、そのまま1成分現像剤として使用することができ、またキャリアと混合して2成分現像剤として使用することができる。これによって、地球環境保全に配慮し、また高温高湿環境下での帯電安定性に優れる現像剤とすることができる。このような現像剤を用いることで、高温高湿環境下においても帯電性を良好にすることができ、良好な画像を安定して形成することができる。
(キャリア)
キャリアとしては、磁性を有する粒子を使用することができる。磁性を有する粒子の具体例としては、たとえば、鉄、フェライトおよびマグネタイトなどの金属、これらの金属とアルミニウムまたは鉛などの金属との合金などが挙げられる。これらの中でも、フェライトが好ましい。
また磁性を有する粒子に樹脂を被覆した樹脂被覆キャリア、または樹脂に磁性を有する粒子を分散させた樹脂分散型キャリアなどをキャリアとして用いてもよい。磁性を有する粒子を被覆する樹脂としては特に制限はないけれども、たとえば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂、およびフッ素含有重合体系樹脂などが挙げられる。また樹脂分散型キャリアに用いられる樹脂は、特に制限されないけれども、たとえば、スチレンアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、およびフェノール系樹脂などが挙げられる。
キャリアの形状は、球形または扁平形状が好ましい。また、キャリアの体積平均粒子径は特に制限されないけれども、高画質化を考慮すると、好ましくは10μm〜100μm、さらに好ましくは50μm以下である。
このように、キャリアの体積平均粒子径を50μm以下にすることにより、トナーとキャリアとの接触機会が増え、個々のトナー粒子の帯電も適正に制御できるために、非画像部かぶりが発生せず、かつ高画質な画像を達成することが出来る。
キャリアの抵抗率は、好ましくは10Ω・cm以上、さらに好ましくは1012Ω・cm以上である。キャリアの抵抗率は、キャリアを0.50cmの断面積を有する容器に入れてタッピングした後、容器内に詰められた粒子に1kg/cmの荷重を掛け、荷重と底面電極との間に1000V/cmの電界が生ずる電圧を印加したときの電流値を読取ることから得られる値である。抵抗率が低いと、現像スリーブにバイアス電圧を印加した場合にキャリアに電荷が注入され、感光体にキャリア粒子が付着し易くなる。またバイアス電圧のブレークダウンが起こりやすくなる。
キャリアの磁化強さ(最大磁化)は、好ましくは10emu/g〜80emu/g、さらに好ましくは15emu/g〜60emu/gである。磁化強さは現像ローラの磁束密度にもよるけれども、現像ローラの一般的な磁束密度の条件下においては、10emu/g未満であると磁気的な束縛力が働かず、キャリア飛散の原因となるおそれがある。また磁化強さが80emu/gを超えると、キャリアの穂立ちが高くなり過ぎる非接触現像では、像担持体と非接触状態を保つことが困難になる。また接触現像ではトナー像に掃き目が現れ易くなるおそれがある。
2成分現像剤におけるトナーとキャリアとの使用割合は特に制限されず、トナーおよびキャリアの種類に応じて適宜選択できるけれども、樹脂被覆キャリア(密度5g/cm〜8g/cm)に例をとれば、現像剤中に、トナーが現像剤全量の2重量%〜30重量%、好ましくは2重量%〜20重量%含まれるように、トナーを用いればよい。また2成分現像剤において、トナーによるキャリアの被覆率は、40%〜80%であることが好ましい。
4、現像装置および画像形成装置
図2は、本発明のトナーを用いるのに適した画像形成装置10の構成を模式的に示す図である。画像形成装置10は、複写機能、プリンタ機能およびファクシミリ機能を併せ持つ複合機であり、伝達される画像情報に応じて、記録媒体上にフルカラーまたはモノクロの画像を形成する。すなわち、画像形成装置においては、コピアモード(複写モード)、プリンタモードおよびFAXモードという3種の印刷モードを有しており、図示しない操作部からの操作入力、パーソナルコンピュータ、携帯端末装置、情報記録記憶媒体、メモリ装置を用いた外部機器からの印刷ジョブの受信などに応じて、図示しない制御部により、印刷モードが選択される。画像形成装置10は、トナー像形成手段20と、転写手段30と、定着手段40と、記録媒体供給手段50と、排出手段60とを含む。トナー像形成手段20を構成する各部材および転写手段30に含まれる一部の部材は、カラー画像情報に含まれるブラック(b)、シアン(c)、マゼンタ(m)およびイエロー(y)の各色の画像情報に対応するために、それぞれ4つずつ設けられる。ここでは、各色に応じて4つずつ設けられる各部材は、各色を表すアルファベットを参照符号の末尾に付して区別し、総称する場合は参照符号のみで表す。
トナー像形成手段20は、像担持体である感光体ドラム21と、帯電手段22と、露光ユニット23と、現像手段24と、クリーニングユニット25とを含む。帯電手段22、現像手段24およびクリーニングユニット25は、感光体ドラム21まわりに、この順序で配置される。帯電手段22は、現像手段24およびクリーニングユニット25よりも鉛直方向下方に配置される。
感光体ドラム21は、図示しない駆動手段により、軸線回りに回転駆動可能に支持され、図示しない、導電性基体と、導電性基体の表面に形成される感光層とを含む潜像担持体である。導電性基体は種々の形状を採ることができ、たとえば、円筒状、円柱状、薄膜シート状などが挙げられる。これらの中でも円筒状が好ましい。導電性基体は導電性材料によって形成される。導電性材料としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、アルミニウム、銅、真鍮、亜鉛、ニッケル、ステンレス鋼、クロム、モリブデン、バナジウム、インジウム、チタン、金、白金などの金属、これらの2種以上の合金、合成樹脂フィルム、金属フィルム、紙などのフィルム状基体にアルミニウム、アルミニウム合金、酸化錫、金、酸化インジウムなどの1種または2種以上からなる導電性層を形成してなる導電性フィルム、少なくとも導電性粒子または導電性ポリマーのいずれかを含有する樹脂組成物などが挙げられる。なお、導電性フィルムに用いられるフィルム状基体としては、合成樹脂フィルムが好ましく、ポリエステルフィルムが特に好ましい。また、導電性フィルムにおける導電性層の形成方法としては、蒸着、塗布などが好ましい。
感光層は、たとえば、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを積層することにより形成される。その際、導電性基体と電荷発生層または電荷輸送層との間には、下引き層を設けることが好ましい。下引き層を設けることによって、導電性基体の表面に存在する傷および凹凸を被覆して、感光層表面を平滑化する、繰り返し使用時における感光層の帯電性の劣化を防止する、少なくとも低温環境下または低湿環境下のいずれかにおける感光層の帯電特性を向上させるといった利点が得られる。また最上層に感光層表面を保護する保護層を設けた耐久性に優れる三層構造の積層感光層であっても良い。
電荷発生層は、光照射により電荷を発生する電荷発生物質を主成分とし、必要に応じて公知の結着樹脂、可塑剤、増感剤などを含有する。電荷発生物質としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ペリレンイミド、ペリレン酸無水物などのペリレン系顔料、キナクリドン、アントラキノンなどの多環キノン系顔料、金属および無金属フタロシアニン、ハロゲン化無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、スクエアリウム色素、アズレニウム色素、チアピリリウム色素、カルバゾール骨格、スチリルスチルベン骨格、トリフェニルアミン骨格、ジベンゾチオフェン骨格、オキサジアゾール骨格、フルオレノン骨格、ビススチルベン骨格、ジスチリルオキサジアゾール骨格またはジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料などが挙げられる。これらの中でも、無金属フタロシアニン顔料、オキソチタニルフタロシアニン顔料、少なくともフローレン環またはフルオレノン環のいずれかを含有するビスアゾ顔料、芳香族アミンからなるビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料などは高い電荷発生能を有し、高感度の感光層を得るのに適する。電荷発生物質は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。電荷発生物質の含有量は特に制限はないけれども、電荷発生層中の結着樹脂100重量部に対して好ましくは5重量部〜500重量部、さらに好ましくは10重量部〜200重量部である。電荷発生層用の結着樹脂としてもこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、ポリアミド、ポリエステルなどが挙げられる。結着樹脂は1種を単独で使用できまたは必要に応じて2種以上を併用できる。
電荷発生層は、電荷発生物質および結着樹脂ならびに必要に応じて可塑剤、増感剤などのそれぞれ適量を、これらの成分を溶解または分散し得る適切な有機溶媒に溶解または分散して電荷発生層塗液を調製し、この電荷発生層塗液を導電性基体表面に塗布し、乾燥することにより形成できる。このようにして得られる電荷発生層の膜厚は特に制限されないが、好ましくは0.05μm〜5μm、さらに好ましくは0.1μm〜2.5μmである。
電荷発生層の上に積層される電荷輸送層は、電荷発生物質から発生する電荷を受け入れて輸送する能力を有する電荷輸送物質および電荷輸送層用の結着樹脂を必須成分とし、必要に応じて公知の酸化防止剤、可塑剤、増感剤、潤滑剤などを含有する。電荷輸送物質としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、ピラゾリン誘導体、フェニルヒドラゾン類、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルアミン系化合物、テトラフェニルジアミン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、スチルベン系化合物、3−メチル−2−ベンゾチアゾリン環を有するアジン化合物などの電子供与性物質、フルオレノン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、インデノチオフェン誘導体、フェナンスレンキノン誘導体、インデノピリジン誘導体、チオキサントン誘導体、ベンゾ[c]シンノリン誘導体、フェナジンオキサイド誘導体、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、プロマニル、クロラニル、ベンゾキノンなどの電子受容性物質などが挙げられる。電荷輸送物質は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。電荷輸送物質の含有量は特に制限されないけれども、好ましくは電荷輸送層中の結着樹脂100重量部に対して10重量部〜300重量部、さらに好ましくは30重量部〜150重量部である。電荷輸送層用の結着樹脂としては、この分野で常用されかつ電荷輸送物質を均一に分散できるものを使用でき、たとえば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリエステル、ポリケトン、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、これらの共重合樹脂などが挙げられる。これらの中でも、成膜性、得られる電荷輸送層の耐摩耗性、電気特性などを考慮すると、ビスフェノールZをモノマー成分として含有するポリカーボネート(以後「ビスフェノールZ型ポリカーボネート」と記す)、ビスフェノールZ型ポリカーボネートと他のポリカーボネートとの混合物などが好ましい。結着樹脂は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
電荷輸送層には、電荷輸送物質および電荷輸送層用の結着樹脂と共に、酸化防止剤が含まれることが好ましい。酸化防止剤としてもこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ビタミンE、ハイドロキノン、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール、パラフェニレンジアミン、アリールアルカンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物などが挙げられる。酸化防止剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。酸化防止剤の含有量は特に制限されないけれども、電荷輸送層を構成する成分の合計量の0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.05重量%〜5重量%である。電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂ならびに必要に応じて酸化防止剤、可塑剤、増感剤などのそれぞれ適量を、これらの成分を溶解または分散し得る適切な有機溶媒に溶解または分散して電荷輸送層用塗液を調製し、この電荷輸送層用塗液を電荷発生層表面に塗布し、乾燥することにより形成できる。このようにして得られる電荷発生層の膜厚は特に制限されないが、好ましくは10μm〜50μm、さらに好ましくは15μm〜40μmである。なお、1つの層に、電荷発生物質と電荷輸送物質とが存在する感光層を形成することもできる。その場合、電荷発生物質および電荷輸送物質の種類、含有量、結着樹脂の種類、その他の添加剤などは、電荷発生層および電荷輸送層を別々に形成する場合と同様でよい。
本実施の形態では、前述のような、電荷発生物質および電荷輸送物質を用いる有機感光層を形成してなる感光体ドラムを用いるけれども、それに代えて、シリコンなどを用いる無機感光層を形成してなる感光体ドラムを使用できる。
帯電手段22は、感光体ドラム21を臨み、感光体ドラム21の長手方向に沿って感光体ドラム21表面から間隙を有して離隔するように配置され、感光体ドラム21表面を所定の極性および電位に帯電させる。帯電手段22には、帯電ブラシ型帯電器、チャージャー型帯電器、鋸歯型帯電器、イオン発生装置などを使用できる。本実施の形態では、帯電手段22は感光体ドラム21表面から離隔するように設けられるけれども、それに限定されない。たとえば、帯電手段22として帯電ローラを用い、帯電ローラと感光体ドラム21とが圧接するように帯電ローラを配置しても良く、また帯電ブラシ、磁気ブラシなどの接触帯電方式の帯電器を用いても良い。
露光ユニット23は、露光ユニット23から出射される各色情報の光が、帯電手段22と現像手段24との間を通過して感光体ドラム21の表面に照射されるように配置される。露光ユニット23は、画像情報を該ユニット内でブラック(b)、シアン(c)、マゼンタ(m)、イエロー(y)の各色情報の光に分岐し、帯電手段22によって一様な電位に帯電された感光体ドラム21表面を各色情報の光で露光し、その表面に静電潜像を形成する。露光ユニット23には、たとえば、レーザ照射部および複数の反射ミラーを備えるレーザスキャニングユニットを使用できる。他にもLEDアレイ、液晶シャッタと光源とを適宜組み合わせたユニットを用いてもよい。
図3は、現像手段24の構成を模式的に示す断面図である。現像手段24は、現像槽26とトナーホッパ27とを含む。現像槽26は感光体ドラム21表面を臨むように配置され、感光体ドラム21の表面に形成された静電潜像にトナーを供給して現像し、可視像であるトナー像を形成する容器状部材である。現像槽26は、その内部空間にトナーを収容しかつ現像ローラ26a、供給ローラ26b、撹拌ローラ26cなどのローラ部材またはスクリュー部材を収容して回転自在に支持する。現像槽26の感光体ドラム21を臨む側面には開口部が形成され、この開口部を介して感光体ドラム21に対向する位置に現像ローラ26aが回転駆動可能に設けられる。現像ローラ26aは、感光体ドラム21との圧接部または最近接部において感光体ドラム21表面の静電潜像にトナーを供給するローラ状部材である。トナーの供給に際しては、現像ローラ26a表面にトナーの帯電電位とは逆極性の電位が現像バイアス電圧(以下単に「現像バイアス」とする)として印加される。これによって、現像ローラ26a表面のトナーが静電潜像に円滑に供給される。さらに、現像バイアス値を変更することによって、静電潜像に供給されるトナー量(トナー付着量)を制御できる。供給ローラ26bは現像ローラ26aを臨んで回転駆動可能に設けられるローラ状部材であり、現像ローラ26a周辺にトナーを供給する。撹拌ローラ26cは供給ローラ26bを臨んで回転駆動可能に設けられるローラ状部材であり、トナーホッパ27から現像槽26内に新たに供給されるトナーを供給ローラ26b周辺に送給する。トナーホッパ27は、その鉛直方向下部に設けられるトナー補給口(図示せず)と、現像槽26の鉛直方向上部に設けられるトナー受入口(図示せず)とが連通するように設けられ、現像槽26のトナー消費状況に応じてトナーを補給する。またトナーホッパ27を用いず、各色トナーカートリッジから直接トナーを補給するよう構成しても構わない。
クリーニングユニット25は、記録媒体にトナー像を転写した後に、感光体ドラム21の表面に残留するトナーを除去し、感光体ドラム21の表面を清浄化する。クリーニングユニット25には、たとえば、クリーニングブレードなどの板状部材が用いられる。なお、本発明の画像形成装置においては、感光体ドラム21として、主に有機感光体ドラムが用いられ、有機感光体ドラムの表面は樹脂成分を主体とするものであるため、帯電手段22によるコロナ放電によって発生するオゾンの化学的作用によって表面の劣化が進行しやすい。ところが、劣化した表面部分はクリーニングユニット25よる擦過作用を受けて摩耗し、徐々にではあるが確実に除去される。したがって、オゾンなどによる表面の劣化の問題が実際上解消され、長期間にわたって、帯電動作による帯電電位を安定に維持することができる。本実施の形態ではクリーニングユニット25を設けるけれども、それに限定されず、クリーニングユニット25を設けなくてもよい。
トナー像形成手段20によれば、帯電手段22によって均一な帯電状態にある感光体ドラム21の表面に、露光ユニット23から画像情報に応じた信号光を照射して静電潜像を形成し、これに現像手段24からトナーを供給してトナー像を形成し、このトナー像を中間転写ベルト28に転写した後に、感光体ドラム21表面に残留するトナーをクリーニングユニット25で除去する。この一連のトナー像形成動作が繰り返し実行される。
転写手段30は、感光体ドラム21の上方に配置され、中間転写体である中間転写ベルト28と、駆動ローラ29と、従動ローラ31と、中間転写ローラ32b,32c,32m,32yと、転写ベルトクリーニングユニット33、転写ローラ34とを含む。中間転写ベルト28は、駆動ローラ29と従動ローラ31とによって張架されてループ状の移動経路を形成する無端ベルト状部材であり、矢符Bの方向、すなわち感光体ドラム21と接する面が感光体ドラム21yから21bに向う方向に移動するように回転駆動する。
中間転写ベルト28が、感光体ドラム21に接しながら感光体ドラム21を通過する際、中間転写ベルト28を介して感光体ドラム21に対向配置される中間転写ローラ32から、感光体ドラム21表面のトナーの帯電極性とは逆極性の転写バイアスが印加され、感光体ドラム21の表面に形成されたトナー像が中間転写ベルト28上へ転写される。フルカラー画像の場合、各感光体ドラム21y,21m,21c,21bで形成される各色のトナー画像が、中間転写ベルト28上に順次重ねて転写されることによって、フルカラートナー像が形成される。駆動ローラ29は図示しない駆動手段によってその軸線回りに回転駆動可能に設けられ、その回転駆動によって、中間転写ベルト28を矢符B方向へ回転駆動させる。従動ローラ31は駆動ローラ29の回転駆動に従動回転可能に設けられ、中間転写ベルト28が弛まないように一定の張力を中間転写ベルト28に付与する。中間転写ローラ32は、中間転写ベルト28を介して感光体ドラム21に圧接し、かつ図示しない駆動手段によってその軸線回りに回転駆動可能に設けられる。中間転写ローラ32は、前述のように転写バイアスを印加する図示しない電源が接続され、感光体ドラム21表面のトナー像を中間転写ベルト28に転写する機能を有する。転写ベルトクリーニングユニット33は、中間転写ベルト28を介して従動ローラ31に対向し、中間転写ベルト28の外周面に接触するように設けられる。感光体ドラム21との接触によって中間転写ベルト28に付着し、記録媒体に転写されずに残留するトナーは、記録媒体の裏面を汚染する原因となるので、転写ベルトクリーニングユニット33が中間転写ベルト28表面の残留トナーを除去し回収する。転写ローラ34は、中間転写ベルト28を介して駆動ローラ29に圧接し、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に設けられる。転写ローラ34と駆動ローラ29との圧接部(転写ニップ部)において、中間転写ベルト28に担持されて搬送されて来るトナー像が、後述する記録媒体供給手段50から送給される記録媒体に転写される。トナー像を担持する記録媒体は、定着手段40に送給される。転写手段30によれば、感光体ドラム21と中間転写ローラ32との圧接部において感光体ドラム21から中間転写ベルト28に転写されるトナー像が、中間転写ベルト28の矢符B方向への回転駆動によって転写ニップ部に搬送され、そこで記録媒体に転写される。
定着手段40は、転写手段30よりも記録媒体の搬送方向下流側に設けられ、定着ローラ35と加圧ローラ36とを含む。定着ローラ35は図示しない駆動手段によって回転駆動可能に設けられ、記録媒体に担持される未定着トナー像を構成するトナーを加熱して溶融させ、記録媒体に定着させる。定着ローラ35の内部には図示しない加熱手段が設けられる。加熱手段は、定着ローラ35表面が所定の温度(加熱温度)になるように定着ローラ35を加熱する。加熱手段には、たとえば、ヒータ、ハロゲンランプなどを使用できる。加熱手段は、後記する定着条件制御手段によって制御される。定着ローラ35表面近傍には温度検知センサが設けられ、定着ローラ35の表面温度を検知する。温度検知センサによる検知結果は、後記する制御手段の記憶部に書き込まれる。定着条件制御手段は、記憶部に書き込まれた検知結果に基づいて、加熱手段の動作を制御する。加圧ローラ36は定着ローラ35に圧接するように設けられ、定着ローラ35の回転駆動に従動回転可能に支持される。加圧ローラ36は、定着ローラ35によってトナーが溶融して記録媒体に定着する際に、トナーと記録媒体とを押圧することによって、トナー像の記録媒体への定着を補助する。定着ローラ35と加圧ローラ36との圧接部が定着ニップ部である。定着手段40によれば、転写手段30においてトナー像が転写された記録媒体が、定着ローラ35と加圧ローラ36とによって挟持され、定着ニップ部を通過する際に、トナー像が加熱下に記録媒体に押圧されることによって、トナー像が記録媒体に定着され、画像が形成される。
記録媒体供給手段50は、自動給紙トレイ37と、ピックアップローラ38と、搬送ローラ39a,39bと、レジストローラ41と、手差給紙トレイ42とを含む。自動給紙トレイ37は画像形成装置10の鉛直方向下部に設けられ、記録媒体を貯留する容器状部材である。記録媒体には、普通紙、カラーコピー用紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート、葉書などがある。ピックアップローラ38は、自動給紙トレイ37に貯留される記録媒体を1枚ずつ取り出し、用紙搬送路S1に送給する。搬送ローラ39aは互いに圧接するように設けられる一対のローラ部材であり、記録媒体をレジストローラ41に向けて搬送する。レジストローラ41は互いに圧接するように設けられる一対のローラ部材であり、搬送ローラ39aから送給される記録媒体を、中間転写ベルト28に担持されるトナー像が転写ニップ部に搬送されるのに同期して、転写ニップ部に送給する。手差給紙トレイ42は、手動動作によって記録媒体を画像形成装置内に取り込む装置であり、手差給紙トレイ42から取り込まれる記録媒体は、搬送ローラ39bによって用紙搬送路S2内を通過し、レジストローラ41に送給される。記録媒体供給手段50によれば、自動給紙トレイ37または手差給紙トレイ42から1枚ずつ供給される記録媒体を、中間転写ベルト28に担持されるトナー像が転写ニップ部に搬送されるのに同期して、転写ニップ部に送給する。
排出手段60は、搬送ローラ39cと、排出ローラ43と、排出トレイ44とを含む。搬送ローラ39cは、用紙搬送方向において定着ニップ部よりも下流側に設けられ、定着手段40によって画像が定着された記録媒体を排出ローラ43に向けて搬送する。排出ローラ43は、画像が定着された記録媒体を、画像形成装置10の鉛直方向上面に設けられる排出トレイ44に排出する。排出トレイ44は、画像が定着された記録媒体を貯留する。
画像形成装置10は、図示しない制御手段を含む。制御手段は、たとえば、画像形成装置10の内部空間における上部に設けられ、記憶部と演算部と制御部とを含む。制御手段の記憶部には、画像形成装置10の上面に配置される図示しない操作パネルを介する各種設定値、画像形成装置10内部の各所に配置される図示しないセンサなどからの検知結果、外部機器からの画像情報などが入力される。また、各種手段を実行するプログラムが書き込まれる。各種手段とは、たとえば、記録媒体判定手段、付着量制御手段、定着条件制御手段などである。記憶部には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、リードオンリィメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)などが挙げられる。外部機器には、画像情報の形成または取得が可能であり、かつ画像形成装置に電気的に接続可能な電気・電子機器を使用でき、たとえば、コンピュータ、デジタルカメラ、テレビジョン受像機、ビデオレコーダ、DVD(Digital
Versatile Disc)レコーダ、HDDVD(High-Definition Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスクレコーダ、ファクシミリ装置、携帯端末装置などが挙げられる。演算部は、記憶部に書き込まれる各種データ(画像形成命令、検知結果、画像情報など)および各種手段のプログラムを取り出し、各種判定を行う。制御部は、演算部の判定結果に応じて該当装置に制御信号を送付し、動作制御を行う。制御部および演算部は中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)を備えるマイクロコンピュータ、マイクロプロセッサなどによって実現される処理回路を含む。制御手段は、前述の処理回路とともに主電源を含み、電源は制御手段だけでなく、画像形成装置10内部における各装置にも電力を供給する。
画像形成装置10は、現像手段24を備え、本発明のトナーを用いて画像形成するので、定着性が良好で、長期間にわたって高精細で高解像度の高画質画像を形成することができる。
[第1結着樹脂および第2結着樹脂の溶融粘度]
試料1.0gを秤量し、フローテスターCFT−500型(島津製作所製)を用いて、付属の成形器で加圧し、この試料を次の条件でフローテスター測定して見掛け粘度を求めた。
昇温速度:3.0(℃/分) 初期温度:70(℃)
最高温度:200(℃) サンプリング間隔:3(℃)
予熱時間:300(秒) 荷 重:30(kg)
ダイ径 :1.0(mm) ダイ長さ:10.0(mm)
プランジャー底面積:1.0(cm
求められた見掛け粘度を温度でプロットして、温度−見掛け粘度曲線を求め、得られた曲線より、100℃の見掛け粘度を求め、それを試料の溶融粘度とした。
[第1結着樹脂および第2結着樹脂の軟化点(℃)]
流動特性評価装置(商品名:フローテスターCFT−500C、株式会社島津製作所製)を用い試料1gを昇温速度毎分6℃で加熱し、荷重10kgf/cm2(9.8×105Pa)を与えてダイ(ノズル口径1mm、長さ1mm)から試料の半分量が流出したときの温度を求め、試料の軟化点とした。
[第1結晶性物質および第2結晶性物質の融点(℃)]
示差走査熱量計(商品名:Diamond DSC、パーキンエルマージャパン株式会社製)を用い、試料0.01gを温度20℃から昇温速度毎分10℃で200℃まで加熱し、次いで200℃から20℃に急冷する操作を2回繰返し、DSC曲線を測定した。2回目の操作で測定したDSC曲線の融解に相当する吸熱ピークの温度を試料の融点とした。
[第1結着樹脂および第2結着樹脂、ならびに第1結晶性物質および第2結晶性物質の酸価(KOHmg/g)]
中和滴定法によって測定した。ヘキサン/エタノール混合溶液50mLに試料5gを溶解し、指示薬としてフェノールフタレインのエタノール溶液を数滴加えた後、0.1モル/lの水酸化カリウム(KOH)水溶液で滴定を行なった。試料溶液の色が無色から紫色に変化した点を終点とし、終点に達するまでに要した水酸化カリウム水溶液の量と滴定に供した試料の重量とから、試料の酸価(mgKOH/g)を算出した。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
ポリエステル樹脂A(第1結着樹脂、溶融粘度:7220Pa・s、軟化点:103℃、酸価:9KOHmg/g)30.0重量部と、第1結晶性物質(ステアリン酸アミド、商品名:アルフローS10、日本油脂社製、融点:102℃)5.0重量部とを、バッチ式加圧ニーダ(商品名:KDHJ−60、株式会社ダルトン製)を用いて、温度110℃、圧力5Paの条件下で40分間、溶融混練を行い、第1混練物を得た。第1混練物を室温まで冷却し、粗粉砕を行って粉砕物を得た。
ヘンシェルミキサ(商品名:FMミキサ、三井鉱山株式会社製)を用いて、回転速度30rpmで10分間、前記粉砕物35重量部と、ポリエステル樹脂B(第2結着樹脂、溶融粘度:9081Pa・s、軟化点:141℃、酸価:30KOHmg/g)50.0重量部と、第2結晶性物質(パラフィンワックス、商品名:HNP10、融点:75℃、日本精鑞社製)5重量部と、マスターバッチ(C.I.Pigment Red57:1を40重量%、ポリエステル樹脂Aを60重量%含有)8.8重量部と、アルキルサリチル酸金属塩(帯電制御剤、商品名:BONTRON E−84、オリエント化学株式会社製)1.2重量部とを混合した後、オープンロール型連続混練機(商品名:MOS320−1800、三井鉱山株式会社製)を用いて、溶融混練し、第2混練物を得た。このときのオープンロールの設定条件は、加熱ロールの供給側温度が140℃、排出側温度が70℃、冷却ロールの供給側温度が80℃、排出側温度が15℃であった。加熱ロールおよび冷却ロールとしては、ともに直径が320mm、有効長が1550mmであるロールを用い、供給側および排出側におけるロール間ギャップをいずれも0.3mmとした。加熱ロールの回転数を75rpm、冷却ロールの回転数を65rpmとし、トナー原料の供給量を30kg/hとした。
この第2混練物をカッティングミル(商品名:VM−16、菱興産業株式会社製)で粗粉砕した後、カウンタジェットミルで微粉砕した。その後、衝撃式球形化装置(商品名:ファカルティF−600型、ホソカワミクロン株式会社製)を用いて球形化処理し、ロータリー式分級機にて過粉砕トナーを分級除去することでトナー粒子を得た。
このトナー粒子と、外添剤として疎水性シリカ(商品名:R−974、日本アエロジル株式会社製)2.2重量部、および疎水性チタン(商品名:T−805、日本アエロジル株式会社製)1.6重量部の合計3.8重量部をヘンシェルミキサ(商品名:FMミキサ、三井鉱山株式会社製)で混合することによって、トナー粒子に外添剤を外添させて実施例1のトナーを得た。実施例1のトナーの体積平均粒径は6.5μmである。
(実施例2)
実施例1で用いられた第1結晶性物質の代わりに、融点が92℃の第1結晶性物質(パラフリントH2、加藤洋行社製、フィッシャートロプッシュワックス、酸価:0KOHmg/g)を用い、マスターバッチの顔料をC.I.Pigemnt Blue15:3に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例2のトナーを得た。
(実施例3)
実施例1で用いられた第1結晶性物質の代わりに、酸価が14KOHmg/gであり、融点が90℃の第1結晶性物質(商品名:エクセレックス15341PA、メタロセン系触媒を用いて合成されたポリオレフィンワックス)を用い、第2結着樹脂の添加量を45.0重量部に変更し、実施例1で用いられたマスターバッチの代わりに、C.I.ピグメントイエロー74(着色剤)を40重量%、ポリエステル樹脂Aを60重量%含有するマスターバッチを用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例3のトナーを得た。
(実施例4)
第1結着樹脂の添加量を35.0重量部に変更し、実施例1で用いられた第1結晶性物質の代わりに、融点が124℃であり、酸価を有しない第1結晶性物質(商品名:エクセレックス20700、メタロセン系触媒を用いて合成されたポリオレフィンワックス)を15.0重量部用いて、実施例1と同様に第1混練物を作製し、その第1混練物を粗粉砕して粉砕物を作製した。次に、この粉砕物と混合する第2結着樹脂の添加量を40.0重量部に変更し、実施例1で用いられたマスターバッチの代わりに、カーボンブラック(着色剤)を40重量%、ポリエステル樹脂A60重量%を含有するマスターバッチを用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例4のトナーを得た。
(比較例1)
実施例1で用いられた第1結晶性物質の代わりに、カルナウバワックス(加藤洋行社製、天然エステルワックス、融点80℃)を用いたこと以外は実施例1と同様にして比較例1のトナーを得た。
(比較例2)
実施例1で用いられた第1結晶性物質の代わりに、融点が84℃の第1結晶性物質(商品名:Hi−Mic1080、日本精鑞写生、非極性)を用いたこと以外は実施例1と同様にして比較例2のトナーを得た。
(比較例3)
実施例1で用いられた第1結晶性物質の代わりに、融点が82℃の第1結晶性物質(エルカ酸アミド、商品名:アルフローP10、極性)を用いたこと以外は実施例1と同様にして比較例3のトナーを得た。
実施例および比較例のトナーとキャリアとを、キャリアに対するトナーの被覆率が60%となるようにV型混合器混合機(商品名:V−5、株式会社特寿工作所製)にてそれぞれ20分間混合して、実施例および比較例のトナーを含む2成分現像剤を作製した。キャリアとしては、シリコーン樹脂をコートした粒子径が45μmのフェライトコアキャリアを用いた。
実施例および比較例のトナーを含む2成分現像剤を用いて、以下の評価を行った。
〔フィルミング〕
現像ローラへのトナー付着量が0.6mg/cm〜0.7mg/cmとなり、記録用紙上に形成される未定着トナー画像の単色ソリッド部におけるトナー付着量が0.5mg/cmとなるように調整した。各トナー単色で、画像ソリッド部および文字部を含む原稿濃度5%の評価チャートを記録用紙10000枚に形成する連続実写テストを行なった。10000枚の連続実写テスト後、現像ローラおよび感光体部材の長手方向の実使用する長さに相当するソリッド画像を出力させ、得られたソリッド画像を目視によって観察し、ソリッド画像への筋またはフィルミング痕の発生の有無を判断した。また感光体表面を目視によって観察し、フィルミングの有無を判断した。
フィルミングの評価基準は以下のとおりである。
○:良好。画像上および感光体表面とも問題がない。
△:実使用上問題なし。画像上には問題がないが、感光体表面にフィルミングが確認される。
×:不良。画像上および感光体表面ともに問題が確認される。
〔画像再現性〕
上記複写機を用いて、画像濃度が0.3であり直径5mmのハーフトーン画像を画像濃度0.3以上0.5以下で複写できる条件において、線幅が正確に100μmである細線のオリジナル画像が形成される原稿を複写し、得られたコピー画像を測定用サンプルとした。この測定用サンプルを、粒子アナライザ(商品名:ルーゼックス450、株式会社ニレコ製)を用いて100倍に拡大したモニタ画像から、インジケータによって測定用サンプルに形成される細線の線幅を測定した。細線には凹凸があり、線幅は測定位置によって異なるので、複数の測定位置において線幅を測定して平均値をとり、この線幅を測定用サンプルの線幅とした。測定用サンプルの線幅を、原稿の線幅である100μmで除し、得られた値を100倍したものを細線再現性の値として得た。この細線再現性の値が100に近いほど、細線の再現性がよく、画像再現性に優れ、解像性に優れることを示す。なお、画像濃度は、反射濃度計(商品名:RD−918、マクベス社製)によって測定された光学反射濃度を示す。
画像再現性の評価基準は次のとおりである。
◎:非常に良好。細線再現性の値が100以上105未満である。
○:良好。細線再現性の値が105以上115未満である。
△:実使用上問題なし。細線再現性の値が115以上125未満である。
×:不良。細線再現性の値が125以上である。
〔定着性〕
上記複写機を改造したものを用いて、記録媒体である記録用紙(商品名:PPC用紙SF−4AM3、シャープ株式会社製)に、縦20mm、横50mmの長方形状のべた画像部を含むサンプル画像を、べた画像部における未定着状態でのトナーの記録用紙への付着量が0.5mg/cmになるように調整して未定着画像を形成し、上記複写機を改造した複写機を用いて作製した外部定着器を用いて定着画像を作成した。定着プロセス速度は124mm/秒とし、定着ローラの温度を130℃から5℃刻みで温度を上げ、コールドオフセット現象もホットオフセット現象も起こらない温度域を定着非オフセット域とした。
また、ホットオフセット現象およびコールドオフセット現象の発生は、定着時にトナーが記録用紙に定着せずに定着ローラに付着したままローラが一周した後に記録用紙に付着することで判断した。
定着性の評価基準は次のとおりである。
◎:非常に良好。定着非オフセット域が60℃以上である。
○:良好。定着非オフセット域が45℃以上60℃未満である。
△:実使用上問題なし。定着非オフセット域が35℃以上45℃未満である。
×:不良。定着非オフセット域が35℃未満である。
〔保存安定性〕
50mlのポリ瓶3本に、実施例1のトナーをそれぞれ1本当り28〜30g入れる。ポリ瓶の蓋を閉めた状態で50℃、10%RHの恒温恒湿槽に入れ、24時間毎に1本ずつ取り出し、嵩比重測定器(筒井理化学器械株式会社製)を用い、JIS K−5101−12−1に従って、トナーの嵩密度を測定した。初期、72時間後の嵩密度を比較し、変動の少ないトナーほど保存安定性が良好であると判断した。なお、24時間後および48時間後のサンプルは、トナーの嵩密度に初期から大きな変化がないことを確認するために用いた。仮に24時間後または48時間後にトナーの嵩密度が大きく変化した場合、その時点で本評価を終了する。
トナー嵩密度から、下記式(1)により変動率を算出し、変動率を用いて保存安定性を評価した。
保持率(%)=(72時間後の嵩密度/初期の嵩密度)×100 …(1)
実施例2〜4および比較例1〜3のトナーにおいても、同様にして変動率を算出した。
保存安定性の評価基準は次のとおりである。
◎:非常に良好。保持率が95%以上である。
○:良好。保持率が90%以上95%未満である。
△:保持率が80%以上90%未満である。
×:保持率が80%未満である。
評価結果を表1に示す。
Figure 2012027279
実施例1〜4では、良好な結果が得られた。比較例1〜3は、第1結晶性物質の融点と第2結晶性物質の融点との差が10℃未満なので、良好な結果が得られなかった。
実施例3,4では、メタロセン系触媒を用いて合成されたワックスを用いたので、定着性および保存安定性などが他の実施例よりも向上した。
10 画像形成装置
20 トナー像形成手段
30 転写手段
40 定着手段
50 記録媒体供給手段
60 排出手段

Claims (9)

  1. 第1結着樹脂と、第1結晶性物質とを、加熱加圧下で溶融混練して混練物を得る第1混練工程と、
    前記混練物と、前記第1結着樹脂よりも溶融粘度の高い第2結着樹脂と、前記第1結晶性物質よりも融点が10℃以上低い第2結晶性物質と、着色剤とを溶融混練する第2混練工程とを含むことを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 前記第1結晶性物質および前記第2結晶性物質が、ワックスであり、
    前記第1結晶性物質の融点が85℃以上であることを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 前記第1結晶性物質が、極性基を含むワックスであることを特徴とする請求項2に記載のトナーの製造方法。
  4. 前記第1結晶性物質および前記第2結晶性物質が、ワックスであり、
    前記第1結晶性物質および前記第2結晶性物質の少なくともいずれか一方が、メタロセン系触媒を用いて合成されたワックスであることを特徴とする請求項2または3に記載のトナーの製造方法。
  5. 前記第1結着樹脂および第2結着樹脂が、ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のトナーの製造方法。
  6. 前記メタロセン系触媒を用いて合成されたワックスが、酸価を有するワックスであることを特徴とする請求項4に記載のトナーの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載のトナーの製造方法によって得られることを特徴とするトナー。
  8. 請求項7に記載のトナーとキャリアとを含む2成分現像剤であることを特徴とする現像剤。
  9. 像担持体に潜像を形成する工程と、
    請求項8に記載の現像剤を用いて、像担持体に形成された潜像を現像してトナー像を形成する工程とを含むことを特徴とする画像形成方法。
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