JP4535017B2 - 電子写真用トナー及びその製造方法 - Google Patents

電子写真用トナー及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4535017B2
JP4535017B2 JP2006088090A JP2006088090A JP4535017B2 JP 4535017 B2 JP4535017 B2 JP 4535017B2 JP 2006088090 A JP2006088090 A JP 2006088090A JP 2006088090 A JP2006088090 A JP 2006088090A JP 4535017 B2 JP4535017 B2 JP 4535017B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
mass
resin
parts
fischer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006088090A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007264222A (ja
Inventor
郷史 三井
英樹 池田
顕治 紀平
豊 山崎
忠洋 椿
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Casio Computer Co Ltd filed Critical Casio Computer Co Ltd
Priority to JP2006088090A priority Critical patent/JP4535017B2/ja
Publication of JP2007264222A publication Critical patent/JP2007264222A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4535017B2 publication Critical patent/JP4535017B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、電子写真用トナー及びその製造方法に係り、特に、優れた耐久性及び定着性を有する電子写真用トナー及びその製造方法に関する。
従来、電子写真用トナーとして、結着樹脂としてのポリエステル樹脂に離型剤としてエステルワックスを分散させたものが知られている。しかし、エステルワックスを分散させるとトナーのガラス転移温度が低下してしまい、保存性、耐久性が損なわれてしまうという問題がある。
これを回避するために、低分子量成分を減らして高分子量成分を増加させる樹脂設計を採用することが考えられるが、それは低温定着性を損なうこととなる。このことは、パラフィンワックスを同時に添加したり、オープンロール型混練機による高度な分散を行ったとしても同様である。また、エステルワックスの分散が十分である場合には、定着性改善の効果を減少させてしまう。
このような問題を解決するため、ポリエステル樹脂に離型剤としてエステルワックス及び石油ワックスの二種類のワックスを用い、オープンロール型混練機による溶融混練によりトナーを製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、このトナーは、保存性、耐久性は良好ではあるが、低温定着性が低いという問題がある。
また、ポリエステル系樹脂からなる結着樹脂に粉砕助剤として石油樹脂を用いることにより粉砕性及び定着性の改善を図ったトナーも提案されている(例えば、特許文献2参照)が、石油樹脂はポリエステル系樹脂に対する分散性が悪いため、このトナーでは、ハーフトーンの低濃度部において、画像濃度が低下する現象が見られ、均一な画像再現が困難である。
更に、ポリエステル系樹脂からなる結着樹脂に、離型剤としてフィッシャートロプシュワックスを用いたトナーが提案されているが、フィッシャートロプシュワックスもまたポリエステル樹脂に対して分散性が劣るため、定着性には効果が認められるが、耐久性には劣るものとなる。
特開2005−141189号公報 特開平11−72956号公報 特開平7−114204号公報
本発明は、以上のような事情の下になされ、耐久性、定着性、粉砕性、及び保存性がともに優れた電子写真用トナー及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、ポリエステル樹脂からなる結着樹脂に離型剤を分散させた場合の問題点につき鋭意研究を重ねた結果、結着樹脂としてのポリエステル樹脂に対し、芳香族系石油樹脂とフィッシャートロプシュワックスを同時に、オープンロール型混練機を用いて混練することにより、芳香族系石油樹脂とフィッシャートロプシュワックスの相乗効果によって、かつオープンロール型混練機による高度な分散によって、トナーの耐久性及び定着性を飛躍的に向上させることができることを見出した。本発明は、このような知見の下になされたものである。
即ち、本発明の第1の態様は、100質量部のポリエステルからなる結着樹脂、5〜30質量部の芳香族系石油樹脂、及びフィッシャートロプシュワックスを含む原料混合物を、オープンロール型混練機により溶融混練する工程を経て製造されたことを特徴とする電子写真用トナーを提供する。
このような電子写真用トナーにおいて、前記原料混合物は、エステルワックスを更に含むことができる。また、前記芳香族系石油樹脂は、3000を超える質量平均分子量を有するC9系石油樹脂であることが望ましい。更に、前記ポリエステル樹脂と芳香族系石油樹脂の軟化点の差は、20℃以内であることが望ましい。
以上のように構成される本発明の第1の態様に係る電子写真用トナーは、5.5〜9μmの粒径を有することが望ましい。
本発明の第2の態様は、100質量部のポリエステルからなる結着樹脂、5〜30質量部の芳香族系石油樹脂、及びフィッシャートロプシュワックスを含む原料混合物を、オープンロール型混練機により溶融混練する工程、得られた混練物を粉砕する工程、及び粉砕物を分級する工程を具備することを特徴とする電子写真用トナーの製造方法を提供する。
本発明によると、ポリエステルからなる結着樹脂、所定量の芳香族系石油樹脂、及びフィッシャートロプシュワックスを含む原料混合物を、オープンロール型混練機により溶融混練して製造されたものであるため、芳香族系石油樹脂とフィッシャートロプシュワックスの相乗効果によって、かつオープンロール型混練機による高度な分散によって、優れた耐久性及び定着性を示す電子写真用トナーを得ることができる。
以下、発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明の第1の実施形態に係る電子写真用トナーは、100質量部のポリエステルからなる結着樹脂、5〜30質量部の芳香族系石油樹脂、及びフィッシャートロプシュワックスを含む原料混合物を、オープンロール型混練機により溶融混練する工程を経て製造されたことを特徴とする。
芳香族系石油樹脂とは、石油のC9留分であるビニルトルエン、アルキルスチレン、インデン等をフリーデルクラフツ触媒を用いたカチオン重合により重合して得た樹脂である。芳香族系石油樹脂としては、3000を超える質量平均分子量を有するものであることが望ましい。3000以下の質量平均分子量を有するものでは、低分子量に起因して高温オフセットが発生しやすくなり、好ましくない。
なお、ポリエステル樹脂と芳香族系石油樹脂の軟化点の差は、20℃以内であることが望ましい。軟化点の差が20℃を超えると、溶融分散性が劣り耐久性が低下する。
芳香族系石油樹脂の配合量は、ポリエステルからなる結着樹脂100質量部に対し、5〜30質量部である。芳香族系石油樹脂の配合量が5質量部未満では、トナーの低温定着性及び粉砕性が低下し、30質量部を超えると、耐久性が低下し、いずれも好ましくない。
ィッシャー・トロプシュ(Fischer-Tropsch)ワックス、一酸化炭素と水素を反応させて製造され、石油ワックスと同様、構成している炭化水素が偶数のものも奇数のものもある
フィッシャートロプシュワックスの配合量は特に限定されないが、ポリエステルからなる結着樹脂100質量部に対し、2.5〜15質量部であるのが好ましい。フィッシャートロプシュワックスの配合量が少なすぎる場合には、高温定着性が低下し、多すぎる場合には、耐久性が低下する傾向となる。
フィッシャートロプシュワックスは、他のワックスと組合わせて用いることもできる。他のワックスとしては、エステルワックス、ケトン類、アミドなどの油脂系合成ワックスやさらにポリエチレンワックスを含めた合成ワックス、動物系、植物系、石油系、鉱物系などに分類される天然ワックス、以上のワックスを原料として酸化などを後処理を加えた加工・変性ワックス等が挙げられる。ただし、その割合は、フィッシャートロプシュワックスの70質量%以下であるのが好ましい。
本発明の第1の実施形態に係るトナーは、以上説明した各成分を用いて、次のようにして製造される。
まず、ポリエステルからなる結着樹脂、芳香族系石油樹脂、及びフィッシャートロプシュワックスを含む原料混合物を混合機により混合する。混合機としては、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、V型ブレンダー、ナウターミキサー等、任意のものを用いることが出来る。
原料混合物は、次いでオープンロール型混練機に供給され、そこで溶融混練される。オープンロール型混練機としては、連続式2本ロールミル、連続式3本ロールミル、及びバッチ式ロールミル等、任意の型のものを用いることができる。
図1は、オープンタイプの連続式2本ロールミルを示す正面図である。オープンタイプの連続式2本ロールミルは、原料混合物が供給されるホッパー11と、オープンタイプの平行に配置された二本のロール12,13と、混練物が排出される排出部14とを具備している。ロール12,13の表面には、混練物を輸送するためのらせん状の溝が形成されている。
ホッパー11からロール12,13の間に供給された原料混合物は、ロール12,13の表面に巻き付いた状態で、ロール12,13の回転により繰り返し圧縮され、混練され、ロール12,13の表面の溝によって排出部14側に移動し、そこから混練物が排出される。
オープンロール型混練機から排出された溶融混練物は、通常、トナーの製造に用いられる方法に従って、冷却され、粉砕され、所定の粒度に分級されて、トナー粒子母体が得られる。冷却手段、粉砕手段及び分級手段は、特に限定されず、通常トナーの製造に用いられるものを採用することが出来る。例えば、冷却には、圧延や空気流の吹き付けによる冷却手段を用いることができ、粉砕には、衝突板式粉砕機等の気流粉砕機を用いることができ、分級には、様々な気流分級機を用いることができる。
このようにして得たトナー粒子母体に、シリカ等の外添剤を加え、混合・攪拌することにより、電子写真用トナーが得られる。
なお、このようにして製造された電子写真用トナーは、5.5〜9μmの粒径を有することが望ましい。粒径が5.5μm未満では、耐久性が低下し、9μmを超えると、均一な画像再現性が低下する。
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る電子写真用トナーは、ポリエステルからなる結着樹脂、所定量の芳香族系石油樹脂、及びフィッシャートロプシュワックスを含む原料混合物を、オープンロール型混練機により溶融混練して製造されたものであるため、芳香族系石油樹脂とフィッシャートロプシュワックスの相乗効果によって、かつオープンロール型混練機による高度な分散によって、優れた耐久性及び定着性を有している。
以下、本発明の実施例と比較例を示し、本発明について更に具体的に説明する。
実施例1
ポリエステル樹脂(Tg:65℃、Tm:130℃、花王(株)製)100質量部、電荷制御剤「LR−147」(日本カーリット社製)1質量部、着色剤15−3「ECB−301」(大日精化社製)5質量部、離型剤:フィッシャートロプシュワックス「H1N4」(サゾール社)、及び芳香族系炭化水素石油樹脂「FTR−2140」α−メチルスチレン系(三井化学社製)を、ヘンシェルミキサーにより予備混合した。
得られた原料混合物をオープンロール型連続混練機(商品名:ニーデックス、三井鉱山(株)製)に供給して連続混練を行い、混練物を得た。この混練物をフェザーミル(FM−1、(株)ホソカワミクロン製)にて粉砕し、更に衝突板式粉砕機「IDS−2」(日本ニューマチック製)にて微粉砕した後、気流式分級機「DSX−2」(日本ニューマチック製)で分級をおこない、質量平均粒径約6μmの着色微粒子を得た。
得られた着色微粒子100質量部に、外添剤として「R972」(疎水性シリカ、日本アエロジル社製)を2質量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合してトナーを得た。
この際に使用したオープンロール型連続混練機は、ロール外径0.16[m]、有効ロール長0.7[m]のものである。
得られたトナーについて、カラープリンター「スピーディア:N5」(カシオ計算機製)にて印刷試験を行った。
実施例2
フィッシャートロプシュワックス「H1N4」の量を10質量部に変更したことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
実施例3
芳香族系石油樹脂「FTR−2140」の量を5質量部に変更したことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
実施例4
芳香族系石油樹脂「FTR−2140」の量を20質量部に変更したことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
実施例5
芳香族系石油樹脂「FTR−2140」の量を30質量部に変更したことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
実施例6
トナー粒径を5.5μmとしたことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
実施例7
トナー粒径を9μmとしたことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
実施例8
フィッシャートロプシュワックス「H1N4」の量を6質量部に変更し、さらに離型剤「カルナバワックス1号粉末」(加藤洋行社輸入品)を2質量部添加したことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
実施例9
フィッシャートロプシュワックス「H1N4」の量を4質量部に変更し、さらに離型剤「カルナバワックス1号粉末」(加藤洋行社輸入品)を4質量部添加したことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
実施例10
フィッシャートロプシュワックス「H1N4」の量を2質量部に変更し、さらに離型剤「カルナバワックス1号粉末」(加藤洋行社輸入品)を6質量部添加したことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
比較例1
芳香族系石油樹脂「FTR−2140」を使用しなかったことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
比較例2
芳香族系石油樹脂「FTR−2140」を量を1質量部に変更したことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
比較例3
芳香族系石油樹脂「FTR−2140」を量を50質量部に変更したことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
比較例4
フィッシャートロプシュワックスの代わりに「カルナバワックス1号粉末」を7質量部添加したことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
比較例5
フィッシャートロプシュワックスの代わりに「カルナバワックス1号粉末」を10質量部添加したことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
比較例6
フィッシャートロプシュワックスの代わりに「カルナバワックス1号粉末」を6質量部使用し、さらにポリプロピレンワックス「NP056」三井化学社製を添加したことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
比較例7
フィッシャートロプシュワックスの代わりに「カルナバワックス1号粉末」を6質量部使用し、さらにポリプロピレンワックス「NP056」三井化学社製を添加したことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
比較例8
溶融混練工程をオープンロールの代わりに2軸押し出し機として連続押出混練機(池貝(株)製、商品名:PCM−43)にて混練を行い、トナーを得た。
比較例9
芳香族系石油樹脂の代わりに「YSレジンPX1250(ヤスハラケミカル社製:テルペン樹脂)を12.5質量部添加したことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
なお、以上の実施例及び比較例における、オープンロール型連続混練機及び2軸押出し混練機による混練条件は、下記の通りである。給量速度は、いずれの場合も10kg/hであった。
オープンロール型連続混練機の混練条件
ロール隙間:0.1mm
Fロール
供給温度:120℃、排出温度:120℃、回転数:75rpm
Bロール
供給温度:30℃、排出温度:30℃、回転数:50rpm
2軸押出し混練機の混練条件
スクリュウー回転数:250rpm
バレルシリンダ温度
C1:50℃
C2〜C8:120℃、
アダプタ:120℃、
ダイノズル:120℃。
以下に、トナーの各性能の試験方法及び評価基準を示す。
試験1−耐久性
非磁性一成分現像装置「カシオページプレストN−5」(カシオ計算機社製:カラープリンタ毎分29枚(A4横)機)にトナーを実装し、通常環境(25℃、50%RH)において、普通紙(XEROX−P紙A4サイズ)を用いて5%印字画像を10,000枚連続印字した後、ベタ画像を印字し、画像の劣化を評価する。
同時にドクターブレードを取り外し、ブレード上の融着状態を観察する。
(評価基準)
◎:画像劣化は見られず、ドクターブレード上の融着も確認されない。
○:画像劣化は見られず、実用上の問題はないが、ドクターブレード上に融着が認められる。
×:画像劣化が見られ、実用上問題あり。ドクターブレード上に融着が発生する。
試験2−低温定着性
試験1と同様の装置の定着部分の温度を可変できるように改造し、定着試験器とする。試験例1と同様の装置で未定着画像を得た後、この定着試験器にて定着温度130〜200℃の範囲で10℃毎に温度を可変し、未定着画像を定着させた際の非オフセット領域を測定し、低温定着特性とする。ここでいう定着温度は2本ある定着ロールの上の方の設定温度であり、下の定着ロールは設定温度を上ロール−20℃とした。画像パターンはベタ印字とし、用紙はXEROXP紙A4サイズ(質量64g/m2 )で行った。
(評価基準)
◎:最低定着温度が140℃未満である。
○:最低定着温度が140℃以上、150℃未満である。
×:最低定着温度が150℃以上である。
試験3−高温定着(オイルレス)特性
試験1と同様の装置を用い、定着部分のオイル塗布ローラーを外す。用紙はA4サイズ(ゼロックス−P紙)を使用し、ベタ画像を印字して、定着性を判断する。プロセス速度は129.3mm/sec、定着温度は170℃で行う。
(評価基準)
◎◎:プロセス速度129.3mm/sec、定着温度は180℃で行ってもオフセットの発生が無い。
◎:オフセットの発生がない。
○:オフセットの発生は軽微であり、実用上問題ないレベル。
×:オフセットの発生が認められ、実用上問題のあるレベル。
試験4−粉砕性
粉砕性は生産性に関係する特性であり、実施例1のトナーを基準トナーとし、衝突板式粉砕機「IDS−2」(日本ニューマチック製)にて微粉砕して6.0μmの体積平均粒径(「マルチサイザーII」(コールター社製)により測定)の実施例1のトナーを得るための供給量を、他の試料トナーについての供給量で割った値を粉砕性指標とする。粉砕性指標が大きいほど粉砕しやすいことを示す。
下記の基準で粉砕性を評価する。
◎:粉砕性指標1.2以上
○:0.8〜1.2までの間
×:0.8以下
試験5−保存性
保存性の指標として50℃/40%の環境中に48時間、トナーを充填したN5トナーカートリッジを放置し、取り出した後、23℃/50%の環境中に6時間放置した後、「スピーディア:N5」(カシオ計算機製)にて印刷試験を行った。
プリンタ電源ONの後のウォームアップ終了後、ハーフトーン画像を20枚印字し、その画像を観察した。
○:実用上なんら問題のない画像のレベル。
×:ブロッキングが発生する事による印字方向にスジが発生するレベル。
軟化点の測定
装置:フローテスター(島津製作所製、CFT−500D)
試料:1g
昇温速度:6℃/分
荷重:20kg
ノズル:直径1mm、長さ1mm
1/2法:試料の半分が流出した温度を軟化点とした。
ガラス転移点(Tg)の測定
装置:示差走査熱量計(島津製作所社製:DSC−60)
試料:8mg
昇温条件:10℃/分で160℃まで昇温し、降温速度10℃/分で35℃まで冷却した後、再度10℃/分で160℃まで昇温する。
2回目の昇温時において、転移により得られる曲線部分の2つの接線の交点をガラス転移点とした。
粒径の測定
装置:マルチサイザーII(コールター社製)
試料:ビーカーに試料少量と精製水、界面活性剤を入れ、超音波洗浄器にて分散した。
測定:アパーチャーは100μmで行い、カウントは50,000個で行い、体積平均粒径を得た。
以上の実施例及び比較例に係るトナーについて、上記各特性を測定し、評価した結果を下記表1及び表2に示す。
Figure 0004535017

Figure 0004535017
上記表1及び表2から、次のことがわかる。
ポリエステルからなる結着樹脂に5〜30質量部の芳香族系石油樹脂及びフィッシャートロプシュワックスを含む原料混合物をオープンロール型混練機により溶融混練する工程を経て製造された実施例1〜10のトナーは、耐久性、低温定着性、恒温定着性、粉砕性、及び保存性のすべてにおいて優れていることが確認された。
特に、実施例2のトナーでは、フィッシャートロプシュワックスを増量したことにより、高温定着性が極めて良好である。即ち、フィッシャートロプシュワックスを増量しても、オープンロールの混練工程では耐久性にまったく問題なくワックス分散をすることが可能であることが確認された。
実施例3では、芳香族炭化水素樹脂の量を減らして効果を確認したところ、耐久性、低温定着性、高温定着性、粉砕性について問題はなく、また芳香族炭化水素樹脂の効果が発揮されていることが確認された。
実施例4、5では、芳香族炭化水素樹脂を増量し、効果を確認したところ、粉砕性については改善効果が見られ、小粒径トナーを省エネルギーで生産するためには有効である事が確認された。また、芳香族炭化水素樹脂を増量したことによる耐久性、定着性への影響は現れず、フィッシャートロプシュワックスと芳香族炭化水素樹脂の同時溶融分散については、実施例3〜5、および実施例2の結果から、かなり広い配合範囲でワックスと樹脂の相乗効果が発揮されることが確認された。
実施例6、7では、小粒径化または大きい粒径でのトナーとしての性能が確認された。粉砕性に関して9μmのトナーについては、同時比較できないため、表中の記載は無いが、基本性能としての耐久性、低温定着性、高温定着性については何ら問題のないことが確認された。
実施例8、9及び10では、フィッシャートロプシュワックスと芳香族炭化水素樹脂の組合せがあることにより、さらに他のエステル系ワックスであるカルナバワックスを添加しても、耐久性、定着性に何ら問題がないことが確認され、上記組み合わせによる相乗効果が強いことを示す結果となった。
これに対し、比較例1では、芳香族炭化水素樹脂が無いために、生産性としての粉砕性に劣る結果となり、また低温定着性が弱い結果となった。比較例2では、芳香族炭化水素樹脂が1質量部と少ないため、生産性としての粉砕性に劣る結果となり、また低温定着性が弱い結果となった。比較例3では、芳香族炭化水素樹脂が50質量部と多いため、耐久性に関して劣る結果となった。
比較例4、5および6では、フィッシャートロプシュワックスを配合せずに、エステルワックス及び、エステルワックスとポリプロピレンワックスの組み合わせを用いたところ、高温定着性について劣る結果となり、フィッシャートロプシュワックスの効果が示されることとなった。
比較例7のカルナバワックスのみポリエステル樹脂に分散した結果では、定着性に劣る結果となり、また、オープンロールによる分散性向上のため、粉砕性も劣る結果となった。比較例8については、2軸の押し出し機による分散では、分散が不十分であり、耐久性に劣る結果となった。このことは、本発明におけるオープンロールによる芳香族炭化水素樹脂とフィッシャートロプシュワックスを高度にポリエステルに分散することで、飛躍的にトナー性能を向上させるという結果を示している。
比較例9では、芳香族炭化水素樹脂をテルペン樹脂に置き換えたことで、低温定着性が劣る結果となった。
本発明の一実施形態に用いるオープンタイプの連続式2本ロールミルの一例を示す正面図である。
符号の説明
11・・・ホッパー、12,13・・・ロール、14・・・排出部。

Claims (6)

  1. 100質量部のポリエステルからなる結着樹脂、5〜30質量部の芳香族系石油樹脂、及びフィッシャートロプシュワックスを含む原料混合物を、オープンロール型混練機により溶融混練する工程を経て製造されたことを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 前記原料混合物は、エステルワックスを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 前記芳香族系石油樹脂が、3000を超える質量平均分子量を有するC9系石油樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用トナー。
  4. 前記ポリエステル樹脂と芳香族系石油樹脂の軟化点の差が、20℃以内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  5. 5.5〜9μmの粒径を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真用トナー。
  6. 100質量部のポリエステルからなる結着樹脂、5〜30質量部の芳香族系石油樹脂、及びフィッシャートロプシュワックスを含む原料混合物を、オープンロール型混練機により溶融混練する工程、得られた混練物を粉砕する工程、及び粉砕物を分級する工程を具備することを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
JP2006088090A 2006-03-28 2006-03-28 電子写真用トナー及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4535017B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006088090A JP4535017B2 (ja) 2006-03-28 2006-03-28 電子写真用トナー及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006088090A JP4535017B2 (ja) 2006-03-28 2006-03-28 電子写真用トナー及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007264222A JP2007264222A (ja) 2007-10-11
JP4535017B2 true JP4535017B2 (ja) 2010-09-01

Family

ID=38637279

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006088090A Expired - Fee Related JP4535017B2 (ja) 2006-03-28 2006-03-28 電子写真用トナー及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4535017B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5464546B2 (ja) * 2010-04-19 2014-04-09 独立行政法人 国立印刷局 改ざん防止インキ組成物及び改ざん防止印刷物並びに改ざん防止インキ組成物の製造方法。

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1165161A (ja) * 1997-08-12 1999-03-05 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤、並びにこの現像剤を用いる画像形成方法
JPH1172956A (ja) * 1997-06-23 1999-03-16 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤および画像形成方法
JP2000131883A (ja) * 1998-10-29 2000-05-12 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー
JP2001092178A (ja) * 1999-07-16 2001-04-06 Mitsui Chemicals Inc トナー用添加剤、静電荷像現像用トナーおよび静電荷像現像剤
JP2004177714A (ja) * 2002-11-27 2004-06-24 Kao Corp トナーの製造方法
JP2005141189A (ja) * 2003-05-30 2005-06-02 Kao Corp 静電荷像現像用トナー
JP2005215501A (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 Sharp Corp トナーおよびその製造方法、非磁性一成分現像剤、ならびに画像形成装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1172956A (ja) * 1997-06-23 1999-03-16 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤および画像形成方法
JPH1165161A (ja) * 1997-08-12 1999-03-05 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤、並びにこの現像剤を用いる画像形成方法
JP2000131883A (ja) * 1998-10-29 2000-05-12 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー
JP2001092178A (ja) * 1999-07-16 2001-04-06 Mitsui Chemicals Inc トナー用添加剤、静電荷像現像用トナーおよび静電荷像現像剤
JP2004177714A (ja) * 2002-11-27 2004-06-24 Kao Corp トナーの製造方法
JP2005141189A (ja) * 2003-05-30 2005-06-02 Kao Corp 静電荷像現像用トナー
JP2005215501A (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 Sharp Corp トナーおよびその製造方法、非磁性一成分現像剤、ならびに画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007264222A (ja) 2007-10-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006293160A (ja) 電子写真用トナーおよびこれを用いる電子写真装置
JP4702382B2 (ja) 電子写真用トナー
JP2007334118A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP2008250171A (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP4483669B2 (ja) 電子写真用トナー
JP4438724B2 (ja) 電子写真用トナーの製造方法
JP4535017B2 (ja) 電子写真用トナー及びその製造方法
JP4506707B2 (ja) トナー用離型剤マスターバッチ、粉砕トナー及びその製造方法
JP2007271820A (ja) 電子写真用トナーの製造方法
JP2008122604A (ja) 電子写真用トナー
JP4483674B2 (ja) 電子写真用トナー
JP5098265B2 (ja) 電子写真用トナーの製造方法
JP6261401B2 (ja) バイオプラスチックを用いた電子写真用トナー及びその製造方法
JP4779763B2 (ja) 電子写真用トナーの製造方法
JP5109760B2 (ja) 電子写真用トナーの製造方法及び製造装置
JP2007093881A (ja) 電子写真用トナー及びその製造方法
JP2007072410A (ja) 電子写真用トナーの製造方法及び製造装置
JP2008249990A (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP5029374B2 (ja) シアン色カラートナー
JP5034549B2 (ja) 電子写真用トナーの製造方法及び製造装置
JPH07287420A (ja) トナーの製造方法
JP4027926B2 (ja) トナーの製造方法
JP2008233602A (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP2009229759A (ja) 電子写真用トナーの製造方法
JP5152372B2 (ja) 電子写真用トナーおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080820

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100302

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100406

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100510

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100525

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100607

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130625

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees