JP5151441B2 - 柱梁仕口部の構築方法、柱梁架構、連層pc柱部材 - Google Patents

柱梁仕口部の構築方法、柱梁架構、連層pc柱部材 Download PDF

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Description

本発明は、複数階層の柱を構成するPC部材を柱筋により連結した連層PC柱部材、この連層PC柱部材を用いて柱梁仕口部を構築する方法及びこの方法により柱梁仕口部が構築された柱梁架構に関する。
従来より、施工期間を短縮するなどの目的のため、PC部材を用いて鉄筋コンクリート造建物の柱梁架構を構築することが行われている。このようなPC部材を用いて柱梁仕口部を構築する方法として、柱梁仕口部の上方又は下方にあたるPC部材の端面より柱筋を突出させるとともに、逆側のPC部材の端面に機械式継手を埋設しておき、柱梁仕口部に接続されるPC梁部材を建て込み、機械式継手により各階の柱を構成するPC部材の柱筋を接続し、柱梁仕口部にコンクリートを打設する方法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
また、柱梁仕口部を構築する方法として、複数階に跨る長さに形成され、柱梁仕口部を貫通するように梁接合筋が埋設された連層PC柱部材を建て込み、柱梁仕口部側の端面から梁筋が突出するPC梁部材を建て込み、PC柱部材の梁接合筋とPC梁部材の梁筋とを機械式継手により継手し、その周囲にコンクリートを打設することにより柱梁仕口部を構築する方法も用いられている(例えば、特許文献2参照)。この方法によれば、複数層の柱を連層PC柱部材を建て込むことにより一括して構築することができるため、工期の短縮が可能となる。
特開2000―120166号公報 特開2001―279811号公報
しかしながら、特許文献1記載の方法では、各階の柱を構成するPC柱部材の柱筋を継手するため、機械式継手の使用量が非常に多くなってしまい、施工コストがかかり、また、各機械式継手にグラウトの充填を行わなければならず、施工に手間がかかる。
また、特許文献2記載の方法では、柱梁仕口部内は柱筋及び梁筋が交錯しているため、配筋作業が困難であり、部材の製作に手間がかかった。さらに、柱梁仕口部に前後左右方向から梁が接続される場合には、連層PC柱部材の柱梁仕口部の各面から突出するように梁接合筋を設けなければならない。このような場合には、床面上に寝かした状態で連層PC柱部材を製作することができず、嵩上げした状態で製作する必要があるため、さらにPC柱部材の製作に手間がかかった。また、このように連層PC柱部材は表面より梁接合筋等が突出しているため、部材の幅が大きくなってしまい、現場への搬入が困難であるという問題があった。
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、鉄筋コンクリート造建物の柱梁架構をPC柱部材を用いて構築する際に、機械式継手の使用量を減らすとともに、PC柱部材を容易に製作できるようにすることである。
本発明の柱梁仕口部の構築方法は、鉄筋コンクリート造の柱梁架構の柱及び梁が接合される柱梁仕口部を構築する方法であって、前記柱梁架構の複数階層以上の所定階数範囲の各階の柱脚から柱頭までの柱の少なくとも一部を構成する複数のPC柱部材と、前記複数のPC柱部材を貫通するとともに、これら複数のPC柱部材を間隔をおいて連結する柱筋とを備え、前記PC柱部材の間の柱梁仕口部にあたる部分のコンクリートは打設されておらず、前記柱筋が露出する連層PC柱部材を建て込むPC柱部材建て込みステップと、梁主筋を有するPC梁部材を前記柱梁仕口部にあたる部分の両側部に建て込むPC梁部材建て込みステップと、前記柱梁仕口部にあたる部分において、前記両側部に建て込んだPC梁部材の梁主筋を直接又はやとい筋を介して継手する継手ステップと、前記柱梁仕口部を構成するコンクリートを打設するコンクリート打設ステップと、を備え、前記所定階数範囲の最上階の柱を構成するPC柱部材は、前記最上階の柱の柱脚から柱頭までを構成し、
前記所定階数範囲の最上階の直上階にあたる柱梁仕口部を、当該柱梁仕口部の対向する側面に接合される梁を構成するPC梁部材が一体となり当該柱梁仕口部にあたる部分にコンクリートが打設されていない2スパンPC梁部材を、その柱梁仕口部にあたる部分が前記連層PC柱部材の前記所定階数範囲の最上階の柱を構成するPC柱部材の上部に位置するように建て込み、前記所定階数範囲の最上階の直上階の柱梁仕口部にあたる部分にコンクリートを打設することにより構築することを特徴とする。
本発明において、廃前記PC柱部材建て込みステップでは、前記連層PC柱部材を、隣接する前記連層PC柱部材が交互に一階層ずれるように千鳥状に建て込み、前記連層PC柱部材のうち、最上階の高さが隣接する連層PC柱部材よりも一階層低い連層PC柱部材の最上階の直上階の柱梁仕口部にあたる部分に、前記2スパンPC梁部材の柱梁仕口部にあたる部分が位置するように建て込み、前記継手ステップでは、前記2スパンPC梁部材を構成する前記PC梁部材の端部から突出する梁主筋を、前記一層低い連層PC梁部材に隣接する連層PC梁の前記柱梁仕口部にあたる部分において、当該柱梁仕口部の反対側に設置される前記2連PC梁部材を構成する前記PC梁部材の端部から突出する梁主筋と直接又はやとい筋を介して継手することとしてもよい
本発明によれば、複数層の柱を構成するPC部材が柱筋により連結された連層PC柱部材を用いることにより、柱筋の継手箇所が減るため機械式継手の使用量を減らすことができる。さらに、柱梁仕口部を構成するコンクリートを現場打ちとすることにより、梁との接続のための接合鉄筋等をPC部材の表面から突出するように設ける必要がなく、PC部材の製作の手間を削減でき、また、部材の幅も大きくならないため、容易に現場への搬入作業を行うことができる。
以下、本発明の鉄筋コンクリート造建物の柱梁仕口部の構築方法の一実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態の鉄筋コンクリート造建物の柱梁仕口部の構築方法において用いられる連層PC柱部材10を示す図である。同図に示すように、連層PC柱部材10は、複数層(図1では2層分)の柱を構成するPC柱部材11、12と、これらPC柱部材11、12を貫通する複数の柱筋13と、を備え、これらPC柱部材11、12は柱筋13により連結されている。また、連層PC柱部材10の上方及び中間の仕口部15、16にあたる部分には、コンクリートが打設されておらず、柱筋13が露出している。また、柱筋13の下端には機械式継手14が接続されており、下方のPC柱部材12の下面に機械式継手14の鉄筋挿入口が開口している。
このように、仕口部15、16を構成するコンクリートが打設されておらず、後述するように、仕口部15、16の梁筋については現場において配筋するため、従来のようにPC柱部材の表面より突出するように接合鉄筋等を埋設する必要がない。このため、連層PC柱部材10を製作する際に、仕口部における配筋作業の手間を削減でき、また、嵩上げ等を行わなくても製作できる。また、連層PC柱部材10は、表面から接合鉄筋等が突出していないため、容易に現場への搬入作業を行うことができる。
以下、このような連層PC柱部材10を用いた鉄筋コンクリート造建物の柱梁仕口部の構築方法を、図2に示すような鉄筋コンクリート造建物の柱梁架構を構築する場合を例として説明する。なお、図2において(A)は平面図であり、(B)は(A)におけるA通りの断面図であり、(C)は(A)における3通りの断面図である。
なお、本実施形態の柱梁架構の構築方法では、2層分の長さを有する連層PC柱部材10を用いて柱を構築するため、各柱において1階おきに連層PC柱部材10の接続箇所が位置することとなる。図2(A)において、灰色に彩色した柱は、連層PC柱部材10の接続箇所がN−1階、N+1階、の柱の脚部に位置しており、斜線を付した柱は、連層PC柱部材10の接続箇所がN階、N+2階の脚部に位置している。以下、接続箇所がN−1階及びN+1階の柱の脚部に位置している柱を第1の柱群30Aとし、接続箇所がN階、N+2階の脚部に位置している柱を第2の柱群30Bとして説明を行う。図2(B)に示すように、A通りには、第1の柱群の柱30Aと第2の柱群の柱30Bが交互に並んでおり、図2(C)に示すように、柱梁架構100の3通りにはA通り〜C通りに向かって、第1の柱群の柱30A、第2の柱群の柱30B、第2の柱群の柱30Bの順序で並んでいる。
また、図3は、柱梁架構を構築する際に用いられるPC梁部材20を示し、(A)は側面図であり、(B)は(A)におけるB−B´断面図である。同図に示すように、PC梁部材20は、梁の下部を構成するプレキャストコンクリート21と、このプレキャストコンクリート21に梁の長手方向に延びるように埋設された下端の梁筋24と、梁の長手方向に適宜な間隔をあけて、下部がプレキャストコンクリート21内に埋設されたせん断補強筋22と、せん断補強筋22に結束線などにより取り付けられた上端の梁筋23と、を備える。なお、以下に説明する柱梁架構の構築方法では、一部の箇所については、2スパン分のPC梁部材20が梁筋24により連結されたPC梁部材20A、20Bを用いている。
以下、柱梁架構の構築方法について説明する。
図4A〜図4Fは、及び、図5A〜図5Fは、柱梁架構の構築方法を説明するための図であり、図4A〜図4Fは図2(A)のA通りを示し、図5A〜図5Fは柱梁架構100の3通りを示す。
図4A及び図5Aに示すように、第2柱群30BのN階及びN+1階の柱を構成する連層PC柱部材10Bを建て込むにあたり、第1の柱群30Aの柱は、N−1階及びN階の柱を構成する連層PC柱部材10Aの建て込みが完了しており、第2の柱群30Bの柱は、N−1階及びN−2階の柱を構成する連層PC柱部材10Bの建て込みが完了している。また、図4Aに示すように、A通りのN階までの梁40を構成するPC梁部材20Aが建て込まれ、これらのPC梁部材20Aの梁筋23Aは、梁やとい筋26Aを介して接続されている。また、図5Aに示すように、3通りのN階までの梁40を構成するPC梁部材20B、20Cが建て込まれ、N−1階の梁を構成するPC梁部材20Cの梁筋23C,24Cは機械式継手25Cにより継手されている。また、N−1階及びN階の梁を構成するPC梁部材20B、20Cの梁筋23B,23C、24B,24Cには、夫々やとい筋26B、26Cが継手され、これらやとい筋26B、26Cの端部は仕口部内まで到達している。
まず、図4B及び図5Bに示すように、第2の柱群30BのN階及びN+1階の柱を構成する連層PC柱部材10Bを、部材下部に埋設された機械式継手内に、N−2階及びN−1階の柱を構成する連層PC柱部材10Bの柱筋13Bの上端が挿入されるように建て込む。なお、連層PC柱部材10Bは、仕口部を構成するコンクリートが打設されておらず、部材重量が軽いため、小型の揚重機でも揚重することができる。そして、既に建て込まれている第2の柱群30BのN−2階及びN−1階の柱を構成する連層PC柱部材10Bの柱筋13Bと、新たに建て込んだN階及びN+1階の柱を構成する連層PC柱部材10Bの柱筋13Bとを、柱のN階及びN+1階の部分を構成する連層PC柱部材10Bの下端に埋設された機械式継手14により継手する。
次に、図4Cに示すように、A通りのN+1階の梁を構成する2スパン分の長さを有するPC梁部材20Aを略鉛直下方に降下させて、第1の柱群30AのN−1階及びN階の柱を構成する連層PC柱部材10Aの上部の仕口部15Aに当たる部分を梁筋23A、24Aが横切るように建て込む。PC梁部材20Aを構成する梁筋23A、24Aは、PC梁部材20Aを建て込む際に第2の柱群30Aと干渉しないように、第2の柱群30Bの柱の間の距離に比べて短い鉄筋が用いられ、また、プレキャストコンクリート21Aも柱間スパンに比べて短く形成されており、PC梁部材20Aを建て込んだ状態において、PC梁部材20Aを構成するプレキャストコンクリート21Aの端部は、第2の柱群30Bを構成する連層PC柱部材10Bの中間の仕口部16Bまで到達しておらず、仕口部16Bとプレキャストコンクリート21Aの端部との間に隙間(以下、在来ゾーンという)が形成される。
そして、図4Dに示すように、第2の柱群30Bの柱のN+1階の仕口部16B(すなわち、2、4通りの連層PC柱部材10Bの中間の仕口部)を挟んで隣接するPC梁部材20Aの梁筋23A,24Aに梁やとい筋26Aの端部を機械式継手25Aにより夫々継手し、梁やとい筋26Aを介してPC梁部材20Aの梁筋23A,24Aを接続する。なお、この継手作業は在来ゾーンにおいて行えばよい。そして、これと同様に、図2(A)におけるC通りの梁を構成するPC梁部材を建て込み、梁筋を接続する。
次に、図5Cに示すように、3通りのN+1階の梁を構成する1スパン分の長さを有するPC梁部材20Cを仕口部16Bにあたる高さまで降下させ、B通りの柱を構成する連層PC柱部材10Bの中間の仕口部16Bにあたる部分に向かって水平移動させて建て込む。PC梁部材20Cの梁筋23C,24Cは、A〜C通りの柱10A、10Bや、図4Cを参照して説明した工程で建て込まれたA通り、C通りのPC梁部材20Aの梁筋23A、24Aと干渉しないように隣接する柱間の間隔に比べて短い鉄筋が用いられており、また、プレキャストコンクリート21Cは隣接する柱間の間隔に比べて短く形成されている。このため、PC梁部材20Cを建て込んだ状態において、プレキャストコンクリート21C及び梁筋23C、24CのA通り及びC通り側の端部は、A通り及びC通りの柱のN+1階の仕口部15A,16Bまで到達しておらず、仕口部15A,16Bと、プレキャストコンクリート21Cの端部との間に隙間(在来ゾーン)が形成されている。なお、図中左側のPC梁部材20Cの上端の梁筋23CのA通り側の端部は、PC梁部材20Cを建て込む際に連層PC柱部材10Aや梁筋23A,24Aと干渉しないため、建て込みが完了した状態で、先端が仕口部15A内まで到達するような位置まで延びている。また、これと同様に、PC梁部材を建て込む際に他の部材と干渉する虞がない場合には、下端筋も先端が仕口部15A内まで到達するようにしてもよい。
そして、図5Dに示すように、3通りに建て込まれた連層PC柱部材10Bの仕口部16B内において、これらのPC梁部材20Cの梁筋23C、24Cを機械式継手25Cにより継手する。また、梁筋23C、24Cの仕口部15A側の端部には、仕口部15A内まで到達するように梁やとい筋26Cを機械式継手25Cにより継手する。なお、梁やとい筋26Cと梁筋23C、24Cとの継手作業は、在来ゾーンにおいて行えばよい。
また、これと同様に、図2(A)における1、2、4,5通りのN+1階の梁を構成するPC梁部材を建て込む。この際、2、4通りでは、A通りのみN+1階までの柱を構成する連層PC柱部材20Bの建て込みが完了し、B、C通りでは、N階までの柱を構成する連層PC柱部材20Aの建て込みが完了した状態であるが、このような場合には、後に図5Eを参照しながら詳述するように2スパン分の長さを有するPC梁部材を用いることができる。
次に、図4D及び図5Dに示すように、第1の柱群30AのN+1階及びN+2階の柱を構成する連層PC柱部材10Aを、部材下部に埋設された機械式継手14内に、既に建て込まれているN−1階及びN階の柱を構成する連層PC柱部材10Aの柱筋13Aの上端が挿入されるように連層PC柱部材10Aを建て込む。そして、N−1階及びN階の柱を構成する連層PC柱部材10Aの柱筋13Aと、N+1階及びN+2階の柱を構成する連層PC柱部材10Aの柱筋13Aと、をN+1階及びN+2階の柱を構成する連層PC柱部材10Aの下方のPC部材12Aに埋設された機械式継手14により継手する。
次に、図4Eに示すように、A通りのN+2階の梁を構成する2スパン分の長さを有するPC梁部材20Aを、第1の柱群30Aを構成する柱の間に建て込む。PC梁部材20Aを建て込む際には、第2柱群30Bの柱を構成する連層PC柱部材10Bの上部の仕口部15Bに当たる空間を梁筋23A、24Aが横切るように建て込む。そして、図4Fに示すように、第1の柱群10Aの柱のN+2階の仕口部16Aを挟んで隣接するPC梁部材20Aの梁筋23A,24Aに、梁やとい筋26Aの端部を機械式継手25Aにより夫々継手し、梁やとい筋26Aを介してPC梁部材20Aの梁筋23A,24Aを接続する。そして、上記の工程と同様にC通りの梁を構成するPC梁部材を建て込み、梁筋を接続する。
次に、図5Eに示すように、3通りのN+2階の梁を構成する2スパン分の長さを有するPC梁部材20Bを建て込む。PC梁部材20Bを建て込む際には、連層PC柱部材10Bの上方のPC部材11Bの上部の仕口部15Bに当たる空間を梁筋23B、24Bが横切るように建て込む。なお、PC梁部材20Bを建て込む際に、PC梁部材20Bの上端の梁筋23BのC通り側の端部は、他の部材と干渉することがないため、建て込みが完了した状態で先端が仕口部15Bまで到達するような位置まで延びている 。そして、図5Fに示すように、梁筋23B、24BのA通り側の端部に、仕口部15B内まで到達するように梁やとい筋26Bを機械式継手25Bにより継手し、また、下端の梁筋24BのC通り側の端部に梁やとい筋26Bを機械式継手25Bにより継手する。
また、これと同様に、1、2、4,5通りの梁のN+2階の梁を構成するPC梁部材を建て込む。この際、2、4通りでは、A通りではN+1階までの柱を構成する連層PC柱部材20Bの建て込みが完了し、B、C通りでは、N+2階までの柱を構成する連層PC柱部材20Aの建て込みが完了した状態であるが、このような場合には、図5Cを参照しながら後述する2スパン分の長さを有するPC梁部材を用いることができる。
以上の工程により、図4F及び図5Fに示すように、第1の柱群30Aは、N+1階及びN+2階の柱を構成する連層PC柱部材10Aの建て込みが完了しており、第2の柱群30Bの柱は、N階及びN+1階の柱を構成する連層PC柱部材10Bの建て込みが完了しており、N+1階までの梁を構成するPC梁部材20A,20Bの建て込みが完了している状態(すなわち、図4A及び図5AのN階をN+2階とした状態)となる。このため、上記の工程を繰り返すことにより、仕口部15A,15B、16A,16B及びPC梁部材20A、20B、20Cの上部のコンクリートの打設作業を残した状態の鉄筋コンクリート造の柱梁架構を構築することができる。
そして、仕口部15A,15B、16A,16B、PC梁部材20A、20B、20Cの上部、及び在来ゾーンにコンクリートを打設する。なお、このコンクリートの打設作業は、仕口部15A,15B、16A,16Bにおける梁筋の配筋が完了した後、すぐに打設してもよいし、上記の工程を繰り返し、複数層の連層PC柱部材10A,10B、PC梁部材20A,20B、20Cの建て込み、及び仕口部15A,15B、16A,16Bにおける梁筋の配筋を行った後、適宜なタイミングで行ってもよい。また、仕口部15A,15B、16A,16Bと梁を構成するコンクリートは一度に打設してもよいし、分けて打設してもよい。以上の工程により、図2に示すような鉄筋コンクリート造の柱梁架構を構築することができる。
以上説明したように、本実施形態の鉄筋コンクリート造建物の構築方法によれば、2層分の柱を構成するPC部材11、12を柱筋13により連結した連層PC柱部材10を用いることにより、柱筋の接合箇所が減り、使用する機械式継手の数を削減することができる。
また、従来は、PC梁部材の仕口部の両側に梁が接続される場合には、PC梁部材の両側において梁筋を継手していたため、PC梁部材の仕口部の両側において梁筋を継手するための機械式継手が必要であった。これに対して、本実施形態では、連層PC柱部材10A、10Bの上部の仕口部15A,15Bの両側の梁は、2スパン分連結されたPC梁部材20A、20Bを用いて構築するため、仕口部15A,15Bにおける梁筋を配筋する際に、機械式継手は不要である。また、B―B´断面において、連層PC柱部材10A、10Bの中間部の仕口部16Bを構築する場合には、1スパン分の長さを有するPC梁部材20Cを水平方向に移動させて建て込み、梁筋を1箇所で継手するため、梁筋を継手するために必要となる機械式継手の数を減らすことができる。このように使用する機械式継手の数が減ることによりコストを削減できるとともに、機械式継手内にグラウトを充填する手間が減るため施工性を向上することができる。
また、本実施形態の連層PC柱部材10A、10Bは、現場において仕口部の配筋をおこなうため、従来のようにPC柱部材の表面より突出するように接合鉄筋等を埋設する必要がない。このため、部材の製作の際に、仕口部における配筋作業が不要であり、また、嵩上げ等をしなくても、部材を寝かした状態で製作することができ、連層PC柱部材10A,10Bの製作時の手間を減らすことができる。また、連層PC柱部材10は、表面から接合鉄筋等が突出していないため、部材の幅が大きくないため容易に現場への搬入作業を行うことができる。
また、PC梁部材20A,20B、20Cと仕口部との間に在来ゾーンを設けるようにしたため、この在来ゾーンにおいて梁筋23A,23B、23C、24A、24B、24Cとやとい筋26A、26B、26Cとの継手作業を行うことができ、継手作業を柱主筋が交錯する仕口部内で行う必要がないため、施工性を向上することができる。
また、複数層の柱を構成するPC柱部材を一括して建て込むことができるため、施工性を向上することができる。また、仕口部を現場で打設することとしたため、PC工場で打設するコンクリート量を削減することができ、コストを削減することができる。
なお、上記の実施形態では、連層PC柱部材10の柱筋13を柱脚部において接合することとしたが、これに限らず、柱頭部において連層PC柱部材10の柱筋13を継手することしてもよい。このような場合には、図6(A)に示すような各階の柱を構成するPC部材51、52を貫通するとともに、下端が下方のPC部材52の下面より突出するように複数層の柱筋53を埋設し、機械式継手54を上方のPC部材51の上面に鉄筋挿入口が開口するように柱筋53の上端に接続した連層PC柱部材50を用いればよい。
さらに、柱の中間部において連層PC柱部材の柱筋を継手することも可能であり、このような場合には、図6(B)に示すように、中間階の柱を構成するコンクリートをPC柱部材62と、その上階の柱の脚部から中間部までを構成するPC柱部材61と、中間階の下階の柱の頭部から中間部までを構成するPC柱部材63と、が柱筋64により連結され、上方のPC柱部材61の上面から柱筋64が突出するとともに、下方のPC柱部材63の下面に鉄筋挿入口が開口するように機械式継手65が埋設された連層PC柱部材60を用いることも可能である。また、図6(C)に示すように、中間階の柱を構成するコンクリートをPC柱部材72と、その上階の柱の脚部から中間部までを構成するPC柱部材71と、中間階の下階の柱の頭部から中間部までを構成するPC柱部材73と、が柱筋74により連結され、下方のPC柱部材71の下面から柱筋74が突出するとともに、下方のPC柱部材73の上面に鉄筋挿入口が開口するように機械式継手75が埋設された連層PC柱部材70を用いることも可能である。
また、本実施形態では、2階層分の柱を構成するPC部材を、柱筋により接続した連層PC柱部材について説明したが、これに限らず、3階層分以上の柱を構成するPC部材を柱筋により接続した連層PC柱部材を用いてもよい。また、予め1階層分の柱を構成するPC柱部材を仕口部にあたる部分に空間が形成されるように先行して建て込み、柱筋を継手した後、前記建て込まれたPC柱部材の間の空間の側部にPC梁部材を建て込み、柱梁仕口部を構築する場合にも本発明を適用することができる。
また、本実施形態では、連層PC柱部材のPC部材間の仕口部にあたる部分に、全くコンクリートが打設されていない場合について説明したが、これに限らず、PC梁部材の建て込み、及び梁筋の継手作業に障害とならなければ、仕口部を構成するコンクリートの一部が打設されていてもよい。図7は、仕口部の両側部を構成するコンクリートが打設された連層PC柱部材110を示す図であり、(A)は立面図、(B)は仕口部115,116における水平断面図、(C)はこの連層PC柱部材110の両側部に接続されるPC梁部材120を建て込んだ様子を示す図である。同図に示すように、仕口部115,116の両側部を構成するコンクリート117が打設されていても、両側部に打設されたコンクリート117の間の空間を通してやとい筋126を介して機械式継手125により梁筋123を接続することができる。さらに、PC梁部材が隣接する二側面に接続される場合には図8(A)に示すように、仕口部115、116のPC梁部材の接続されない側の側部を構成するコンクリート117が打設された連層PC柱部材130を、また、三面にPC梁部材が接続される場合には、図8(B)に示すように、仕口部115,116の一側部を構成するコンクリート157が打設された連層PC柱部材150を用いることができる。
また、本実施形態では、PC梁部材の梁筋とやとい筋を機械式継手により継手する場合について説明したが、これに変えて、図9〜図12に示すように、重ね継手により梁筋とやとい筋を継手することも可能である。
図9は、重ね継手により梁筋とやとい筋226を継手する方法を用いて、一方向から梁が接続される仕口部を連層PC柱部材10のプレキャストコンクリート部材11、12の間の空間16に構築する様子を示す図である。同図に示すように、このような場合には、予め、上端筋223及び下端筋224の近傍にやとい筋226、227を進出可能に取り付けたPC梁部材220を、連層PC柱部材10を構成するプレキャストコンクリート部材11,12の間の仕口部にあたる空間16の側部に建て込む。そして、図9に示すように、やとい筋226、227をその先端が仕口部にあたる空間16内に到達するように進出させる。そして、仕口部及び梁を構成するコンクリートを打設する。これにより、やとい筋226、227と梁筋223,224の一部が重なり合った状態でコンクリートに埋設され、重ね継手によりやとい筋226、227と梁筋223、224とが継手されることとなる。なお、上記のような場合には、PC梁部材を構成するコンクリートと仕口部との間に在来ゾーンを設ける必要はない。
また、図10は、この方法により対向する面に梁が接続される仕口部を構築する様子を示す図である。このような場合には、仕口部に接続される一方のPC梁部材240に、予め、上端筋223及び下端筋224の近傍にやとい筋246、247を進出可能に取り付けておく。そして、一対のPC梁部材240、250を、連層PC柱部材10を構成するプレキャストコンクリート部材11,12の間の仕口部にあたる空間16の側部に対向するように建て込む。次に、やとい筋246、247をその先端が他方のPC梁部材250の上端筋223及び下端筋224と夫々一部が重なり合うように進出させる。そして、仕口部及び梁を構成するコンクリートを打設する。これにより、一対のPC梁部材240、250の上端筋223及び下端筋224が夫々やとい筋246、247と重ね継手により継手されることとなり、一対のPC梁部材240、250の上端筋246及び下端筋247が夫々接続されることとなる。
また、上端筋の近傍にやとい筋を設けず、上端筋を仕口部に向かって進出可能に設ける構成とすることも可能である。図11は、かかる方法により一対の柱間に梁を構築する様子を示す図である。同図に示すように、このような場合には、上端筋を一対の鉄筋261、262から構成し、PC梁部材260にこれら一対の鉄筋261、262を両側の仕口部にあたる空間15,16向かって進出可能に取り付けておき、また、下端筋224の近傍に両端部から仕口部に向かって進出可能にやとい筋247を取り付けておく。次に、図11に示すように、PC梁部材260を建て込み、上端筋を構成する一対の鉄筋261、262を両側の仕口部に当たる空間15、16に向かって進出させ、また、やとい筋247を先端が仕口部にあたる空間15、16内に到達するように進出させる。そして、仕口部及び梁を構成するコンクリートを打設する。これにより、上端筋を構成する一対の鉄筋261、262同士が部分的に重なり合った状態でコンクリートに埋設されるため、重ね継手によりこれら一対の鉄筋261、262が継手されることとなり、また、下端筋224とやとい筋247とが互いに部分的に重なり合った状態でコンクリートに埋設されるため、重ね継手により継手されることとなる。
また、このようにPC梁部材の上端筋を進出可能な一対の鉄筋261、262により構成する場合には、以下に説明する方法により対向する梁部材の上端筋を継手することができる。すなわち、まず、図12に示すように、一対のPC梁部材260を端面が対向するように建て込み、上端筋を構成する鉄筋261、262が互いに部分的に重なり合うように進出させる。そして、梁及び仕口部を構成するコンクリートを打設することにより、一対のPC梁部材260の上端筋を構成する鉄筋261、262が重ね継手により継手される。
また、本実施形態では、PC梁部材を建て込んだ状態において、仕口部と、PC梁部材の間に在来ゾーンを設けることとしたが、必ずしも、在来ゾーンを設ける必要はなく、例えば、図3に示すような、梁の下部を構成するコンクリートのみが打設されたPC梁部材を用いることにより、仕口部内においてもやとい筋と梁筋の継手作業を行うことができる。
また、本実施形態では、図3に示すような、梁の下部を構成するコンクリートがプレキャストコンクリートにより構成されたPC梁部材20を用いて梁を構築するものとしたが、これに限らず、図13(A)に示すように下端筋24が2段筋となっているPC梁部材320や、同図(B)に示すように、スラブとの接合部にあたる部分以外のコンクリートがプレキャストコンクリート341により構成されたPC梁部材340や、同図(C)示すように、フルPC梁部材360を用いて構築することも可能である。なお、これらのPC梁部材を用いることで、現場において仕口部における梁筋とやとい筋の継手作業が困難になる場合には、上記の実施形態と同様に在来ゾーンを設け、この在来ゾーンにおいて継手作業を行えばよい。
また、梁及び仕口部を全て現場打ちコンクリートにより構築してもよい。このような場合には、フルPC梁部材を建て込み、梁筋を接続する工程に変えて、仕口部を貫通するように梁筋を配筋する工程を行い、仕口部及びPC梁部材の上部にコンクリートを打設する工程に変えて、仕口部及び梁を構成するコンクリートを打設する工程を行えばよい。
また、本実施形態では、柱を構成するコンクリートの柱脚から柱頭までをプレキャストコンクリートにより構成するものとしたが、これに限らず、柱を構成するコンクリートの柱脚から柱頭までのうち一部を現場打ち
としてもよい。
また、本実施形態では、図5Cに示すように、端面より梁筋24C,25Cが突出するPC梁部材20Cを、柱梁仕口部16Bの両側より柱梁仕口部16Bに向かって水平移動させて建て込み、これらPC梁部材20Cの梁筋24C,25Cを機械式継手25Cにより継手し、柱梁仕口部16Bにコンクリートを打設することにより、柱梁仕口部16Bを構築するものとしたが、これに限らず、部材端面より突出する梁筋を備えた一方のPC梁部材と、部材端面に鉄筋挿入口が開口する機械式継手が埋入された他方のPC梁部材とを、他方のPC梁部材の機械式継手内に一方のPC梁部材の梁筋が挿入されるように建て込み、機械式継手によりこれらのPC梁部材の梁筋を継手し、柱梁仕口部にあたる部分にコンクリートを打設して柱梁仕口部を構築することも可能である。なお、上記の方法を用いる場合であっても、梁筋の機械式継手により継手した側と逆側の端部に、隣接する柱の柱梁仕口部内まで到達し、又は貫通するようにやとい筋を接続し、隣接する柱の柱梁仕口部にコンクリートを打設することにより、隣接する柱の柱梁仕口部に梁を接続することができる。
本実施形態の鉄筋コンクリート造建物の柱梁仕口部の構築方法において用いられる連層PC柱部材を示す図である。 本実施形態の鉄筋コンクリート造建物の柱梁仕口部の構築方法により構築される鉄筋コンクリート造建物の柱梁架構を示す図であり、(A)は平面図であり、(B)は(A)におけるA通りの断面図であり、(C)は(A)における3通りの断面図である。 柱梁架構を構築する際に用いられるPC梁部材を示し、(A)は側面図であり、(B)は(A)におけるB−B´断面図である。 柱梁架構の構築方法を説明するための図(その1)であり、図2(A)のA通りを示す。 柱梁架構の構築方法を説明するための図(その2)であり、図2(A)のA通りを示す。 柱梁架構の構築方法を説明するための図(その3)であり、図2(A)のA通りを示す。 柱梁架構の構築方法を説明するための図(その4)であり、図2(A)のA通りを示す。 柱梁架構の構築方法を説明するための図(その5)であり、図2(A)のA通りを示す。 柱梁架構の構築方法を説明するための図(その6)であり、図2(A)のA通りを示す。 柱梁架構の構築方法を説明するための図(その7)であり、図2(A)の3通りを示す。 柱梁架構の構築方法を説明するための図(その8)であり、図2(A)の3通りを示す。 柱梁架構の構築方法を説明するための図(その9)であり、図2(A)の3通りを示す。 柱梁架構の構築方法を説明するための図(その10)であり、図2(A)の3通りを示す。 柱梁架構の構築方法を説明するための図(その11)であり、図2(A)の3通りを示す。 柱梁架構の構築方法を説明するための図(その12)であり、図2(A)の3通りを示す。 別の実施形態の連層PC柱部材を示す図である。 仕口部にあたる部分の側部を構成するコンクリートが構築された連層PC柱部材を示す図であり、(A)は立面図、(B)は仕口部における水平断面図、(C)は仕口部の側部にPC梁部材を建て込んだ状態を示す図である。 仕口部にあたる部分の一部を構成するコンクリートが構築された連層PC柱部材を示す図であり、(A)は隣接する二面に梁が接続される場合の仕口部を示す水平断面図、(B)は三面に梁が接続される場合の仕口部を示す水平断面図である。 やとい筋を進出可能に設けたPC梁部材を用いて柱梁仕口部を構築する方法を説明するための図である。 やとい筋を進出可能に設けたPC梁部材を用いて、対向する面に梁が接続される柱梁仕口部を構築する方法を説明するための図である。 上端筋を両側に進出可能な一対の鉄筋により構成したPC梁部材を用いて、対向する面に梁が接続される柱梁仕口部を構築する方法を説明するための図である。 上端筋を両側に進出可能な一対の鉄筋により構成したPC梁部材を用いて、隣接する柱間に梁を接合する方法を説明するための図である。 (A)は、下端筋が2段筋となったハーフPC梁部材を示す図であり、(B)は、スラブに接合される部分以外の部分がプレキャストコンクリートにより構成されたPC梁部材を示す図であり、(C)は、フルPC梁部材を示す図である。
符号の説明
10、10A、10B 連層PC柱部材
11 上方のPC柱部材
12 下方のPC柱部材
13 柱筋
14 機械式継手
15、16 仕口部
20、20A,20B、20C PC梁部材
21、21A,21B、21C プレキャストコンクリート
22 せん断補強筋
23、23A,23B、23C 上端の梁筋
24、24A,24B、24C 下端の梁筋
25、25A,25B、25C 機械式継手
26A,26B、26C 梁やとい筋
30A 第1の柱群
30B 第2の柱群
50、60、70 連層PC柱部材
51、52、61、62、63、71、72,73 PC部材
53、63、73 柱筋
54、64、74 機械式継手

Claims (2)

  1. 鉄筋コンクリート造の柱梁架構の柱及び梁が接合される柱梁仕口部を構築する方法であって、
    前記柱梁架構の複数階層以上の所定階数範囲の各階の柱脚から柱頭までの柱の少なくとも一部を構成する複数のPC柱部材と、前記複数のPC柱部材を貫通するとともに、これら複数のPC柱部材を間隔をおいて連結する柱筋とを備え、前記PC柱部材の間の柱梁仕口部にあたる部分のコンクリートは打設されておらず、前記柱筋が露出する連層PC柱部材を建て込むPC柱部材建て込みステップと、
    梁主筋を有するPC梁部材を前記柱梁仕口部にあたる部分の側部に建て込むPC梁部材建て込みステップと、
    前記柱梁仕口部にあたる部分において、前記両側部に建て込んだPC梁部材の梁主筋を直接又はやとい筋を介して継手する継手ステップと、
    前記柱梁仕口部を構成するコンクリートを打設するコンクリート打設ステップと、を備え
    前記所定階数範囲の最上階の柱を構成するPC柱部材は、前記最上階の柱の柱脚から柱頭までを構成し、
    前記所定階数範囲の最上階の直上階にあたる柱梁仕口部を、当該柱梁仕口部の対向する側面に接合される梁を構成するPC梁部材が一体となり当該柱梁仕口部にあたる部分にコンクリートが打設されていない2スパンPC梁部材を、その柱梁仕口部にあたる部分が前記連層PC柱部材の前記所定階数範囲の最上階の柱を構成するPC柱部材の上部に位置するように建て込み、前記所定階数範囲の最上階の直上階の柱梁仕口部にあたる部分にコンクリートを打設することにより構築することを特徴とする鉄筋コンクリート造の柱梁仕口部の構築方法。
  2. 請求項1に記載の鉄筋コンクリート造の柱梁仕口部の構築方法において、
    前記PC柱部材建て込みステップでは、前記連層PC柱部材を、隣接する前記連層PC柱部材が交互に一階層ずれるように千鳥状に建て込み、
    前記連層PC柱部材のうち、最上階の高さが隣接する連層PC柱部材よりも一階層低い連層PC柱部材の最上階の直上階の柱梁仕口部にあたる部分に、前記2スパンPC梁部材の柱梁仕口部にあたる部分が位置するように建て込み、
    前記継手ステップでは、前記2スパンPC梁部材を構成する前記PC梁部材の端部から突出する梁主筋を、前記一層低い連層PC梁部材に隣接する連層PC梁の前記柱梁仕口部にあたる部分において、当該柱梁仕口部の反対側に設置される前記2連PC梁部材を構成する前記PC梁部材の端部から突出する梁主筋と直接又はやとい筋を介して継手することを特徴とする鉄筋コンクリート造の柱梁仕口部の構築方法
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