JP5151347B2 - 球体表面性状矯正装置 - Google Patents

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この発明は、玉軸受やリニアガイド等に使用する玉等の球体の性状を矯正する為に使用する矯正装置の改良に関する。具体的には、高精度の真球を形成すると共に、球体の表面に付着した異物等を除去する作業を能率良く行なえる矯正装置を実現するものである。
球体の表面の性状(真球度、異物除去)を向上させる為の装置として、従来から、非特許文献1に記載された様な球体ラッピング装置が知られている。この球体ラッピング装置1は、図6の(A)に示す様に、上下方向に対向させて設けた、それぞれが円盤状である上ラップ盤2及び下ラップ盤3と、このうちの下ラップ盤3を回転させる為の駆動軸4とから成る。このうちの上ラップ盤2の下面は、平坦面である矯正面5とし、下ラップ盤3の上面は、V字状の環状凹溝7を形成した矯正面6としている。又、この下ラップ盤3は、上記駆動軸4と同心に固設されており、この駆動軸4は、図示しない回転駆動装置により回転駆動自在としている。
上記上ラップ盤2は、図示しない押圧力付加装置により、軸方向{ 図6の(A)の上下方向} にのみ移動可能である。そして、上記上ラップ盤2を十分に下ラップ盤3と遠ざけた{ 図6の(A)の上方に移動させた} 状態で、上記環状凹溝7に複数の球体8、8を、図6の(B)の様に環状に配置する。その後、上記上ラップ盤2を下ラップ盤3に近づく方向{ 図6の(A)の下方向} に移動させ、上記各球体8、8を上記両矯正面5、6同士の間に挟持した状態で、上記駆動軸4により上記下ラップ盤3を回転させる。その結果、上記各球体8、8は、上記両矯正面5、6同士の間で、これら両矯正面5、6と転がり接触及び滑り接触をしながら自転及び公転し、上記各球体8、8の表面の性状(真球度、異物除去)が矯正される。
尚、上述の様な機構では、上記各球体8、8は、上記下ラップ盤3の矯正面6に形成されたV字状の環状凹溝7の内側a{ 図6の(A)の右側} と、同じく外側b{ 図6の(A)の左側} と、上記上ラップ盤2の矯正面cとの、3点に接触している。この為、V字状の環状凹溝7の内側aと外側bと矯正面cとの直径の差による周速の違いにより、上記各球体8、8は自転に基づく滑り運動をしながら、上記公転を行なう。そして、自転軸の変化により、研磨される表面の位置を順次変化させる。但し、この様な環状凹溝7の内外側a、bの直径差によって各球体8、8の自転軸を変化させる方法では、自転軸の変化量は十分でなく、これら各球体8、8の表面全体を上記両ラップ盤2、3の矯正面5、6に接触させる為には、運転時間を相当に長くする必要がある。
又、図7〜8は、従来構造の第2例を示している。この例の場合には、1対の矯正面5a、6aに設けた環状凹溝同士の間に挟持した各球体8、8を、図7に示した自転軸hを中心として自転させつつ、図8に示した軌道j上を公転運動させる。この様な図7〜8に示した従来構造の場合には、上記各球体8、8は同一公転軌道j上を転動し、自転軸hの位相は殆ど変化しない。この為、上記両矯正面5a、6aと上記各球体8、8の表面とは、これら各球体8、8の表面の一部でしか接触せず、これら各球体8、8の表面に付着した異物が取り切れないという不具合が発生する。
又、上記各球体8、8の表面を矯正する為には、上記各矯正面5a、6aが磨耗する事が避けられない。そして、この各矯正面5a、6aが磨耗すると、各球体8、8の表面を矯正する作用(真球度、異物除去)が損なわれるという不具合がある。
一般に、上記各球体8、8の表面の異物除去を目的とする場合、上記両矯正面5a、6aにはSUS440C等が使用されているが、軸受鋼等の硬質材料製の各球体8、8との接触を考えた場合、耐久性、耐摩耗性は十分ではない。その為、これら両ラップ盤2、3の交換作業を、比較的頻繁に行なう必要が生じる。この様な作業は、上記各球体の製造コストを高くする原因となる為、これら各玉8、8の低コスト化の為に、上記各矯正面5a、6aの長寿命化を図る事が望ましい。
上述の様な事情に鑑みて、特許文献1には、図9〜11に示す様な球体ラッピング装置1aが記載されている。この球体ラッピング装置1aは、上下方向に対向させて設けた、1対のラップ盤である上ラップ盤2a及び下ラップ盤3aと、これら上下両ラップ盤2a、3aを回転させる為の駆動軸4a、4bとから成る。このうち上ラップ盤2aの下面は、平坦面である矯正面5bとしている。又、下ラップ盤3aは、内輪10と外輪11とから成る。このうちの外輪11は、図示しない加圧機構により、加圧部材12、12を介して、軸方向に移動可能である。又、上記内輪10及び外輪11は、上記上ラップ盤2aに近づく程、径方向に離れる様に形成された傾斜面9a、9bを備えており、これら9a、9bにより、V字状の環状凹溝を構成している。
球体8、8の表面の性状を整える場合には、上記V字状の環状凹溝に各球体8、8を配置する。その後、上記上ラップ盤2aを下ラップ盤3aに近づく方向(図9〜11の下方向)に移動させる事で、上記各球体8、8の表面を、上記矯正面5bと上記両傾斜面9a、9bとに、それぞれd、e、fの3点ずつで接触させる。この接触点d、e、fで上記各球体8、8を挟持した状態で、上記両ラップ盤2a、3aとを、図9〜10に矢印で示す様に、互いに反対方向に回転させる。この様にして、上記各球体8、8は、挟持している力と、これら両ラップ盤2a、3aの回転速度とに見合った状態で、各面5b、9a、9bと転がり接触及び滑り接触しながら、自転及び公転して、それぞれの表面の性状(真球度、異物除去)を整える。
尚、上記上ラップ盤2aと、下ラップ盤3aの内輪10と、同じく外輪11とは、図示しない回転駆動機構により、それぞれ独立に駆動可能な構造としている。そして、それぞれを適正に回転制御する事で、上記各球体8、8の自転軸gの位相を積極的に変化させる。即ち、この各球体8、8の表面全体に亙って、上記矯正面5b及び上記両傾斜面9a、9bと接触させる事により、表面全体の性状(真球度、異物除去)を矯正する。
又、図11に示す様に、前記加圧部材12により、上記外輪11を軸方向上方(図9〜11の上方向)に移動させる事で、上記各球体8、8と傾斜面9a、9bとの接触点を、e、fからe′、f′に迄移動させる。そして、上記各球体8、8の表面を、上記両傾斜面9a、9bの広い範囲に接触させて、上記上下ラップ盤2a、3aの長寿命化を図る。
但し、上述の図9〜11に示した様な構造では、下ラップ盤3aを、内輪10と外輪11とに分割しなければならない。又、V字状の環状凹溝を形成する為にこれら内外輪10、11の傾斜面9a、9bを加工しなければならず、装置の構造が複雑化し、コストが嵩む。更に、上記上ラップ盤2aと、下ラップ盤3aの内外輪10、11とを、独立して回転駆動する為の機構、及び、この駆動機構を制御する為の制御機構が必要となり、コストが相当に嵩む事が避けられない。
特許第3108457号公報 五十嵐正隆著、「わかり易い機械講座/精密仕上と特殊加工」、株式会社明現社、昭和52年7月10日、p.80−81
本発明は上述の様な事情に鑑みて、比較的簡単に構成できて各球体の自転軸の位相及び公転軌道を十分に変化させる事ができ、これら各球体の表面全体の性状矯正を効率良く行なえる、球体表面の性状矯正装置を実現すべく発明したものである。
本発明の球体表面性状矯正装置は、第一の矯正盤と、第二の矯正盤と、この第二の矯正盤を回転駆動する回転駆動装置と、円環状の保持部とを備える。このうちの第一の矯正盤は、押圧軸の下端部に支持されて、下面を平坦面である第一の矯正面としている。又、上記第二の矯正盤は、上記押圧軸の下方にこの押圧軸と同心に配置された駆動軸の上端部に、この駆動軸に対し偏心した状態で、且つ、この駆動軸により回転駆動される状態に支持されており、上面を上記第一の矯正面と平行な平坦面である第二の矯正面としている。又、上記回転駆動装置はこの第二の矯正面と上記第一の矯正面とを平行に保持した状態のまま、上記駆動軸により上記第二の矯正盤を回転駆動する。
又、上記保持部は、円環状であり、円筒部の上端部内周面に径方向内方に突出する内向鍔部を設ける事により、断面L字形で全体を円環状として成る保持環のうちの円筒部を上記第二の矯正盤に外嵌すると共に上記内向鍔部をこの第二の矯正盤の上面外周寄り部分に載置する事により、この第二の矯正盤の上面外周寄り部分で上記第二の矯正面を囲む部分に、この第二の矯正面よりも上方に突出する状態で設けられている。そして、上記保持部の内径側に保持器を、上記駆動軸の中心軸に対し偏心した回転中心軸を中心とする回転可能に保持する。更に、この保持器のポケットに保持された複数の球体を上記第一、第二の両矯正面同士の間に挟持した状態で、上記回転駆動装置の駆動軸により上記第二の矯正盤を回転駆動する事により、上記各球体の転動面を上記第一、第二の両矯正面同士に転がり接触及び滑り接触させ、これら各球体の転動面の性状を整える。
又、好ましくは、請求項2に記載した様に、上記第一、第二の両矯正盤同士を互いに近づける方向に押圧する力の大きさを調整可能な、押圧力調整装置を設ける。
又、好ましくは、請求項3に記載した様に、第一、第二の両矯正面のうちの少なくとも一方の矯正面の表面を、セラミックで覆う。
上述の様な本発明の球体表面性状矯正装置は、第二の矯正盤の回転中心軸と保持器の回転中心軸とを互いに偏心させている為、各球体は、ポケット内で自転しながら、保持器の中心の回りで公転運動しつつ、第一の矯正面の中心の周囲を、振れ回る様に移動する、比較的複雑な運動をする。そして、この運動に伴い、上記各球体の自転軸も随時変化する。この為、これら各球体の表面は、比較的早期に、第一、第二の矯正面と、全面に亙って接触する。この結果、これら各球体の表面全体の性状を、能率良く矯正する事ができる。
又、請求項2に記載した構造を採用すれば、次の理由により、上記各球体表面の性状を、より早期に、しかも良好に矯正する(真球度向上、異物除去)事ができる。即ち、第一、第二の両矯正面の材質、相対回転速度、これら両矯正面が上記各球体を挟持する力等は、これら各球体の表面の性状を矯正する為の重要な要素となる。この為、これら各球体の表面の性状を良好に矯正する為には、上記第一、第二の両矯正盤とこれら各球体の表面とを適正な力で接触させる事、及び、この接触時に発生する磨耗量(摩擦力)を適正に制御する事が重要になる。そして、この制御は、上記各球体を挟持する力を調整する事により、比較的容易に行なえる。そこで、請求項2に記載した様に、上記第一、第二の両矯正盤同士を互いに近づける方向に押圧する力の大きさを調整可能な押圧力調整装置を設ければ、上記各球体の表面の性状を、より早期に、しかも良好に矯正できる。
更に、請求項3に記載した構造によれば、第一、第二の両矯正盤の長寿命化を実現する事ができる。この第一、第二の両矯正盤は、繰り返し、且つ、長時間に亙り上記各球体の表面と擦れ合って、これら各球体の表面の性状を矯正する(真球度向上、異物除去)為、上記両矯正面は磨耗、変形等により劣化する。そこで、請求項3に記載した様に、これら両矯正面のうちの少なくとも一方の矯正面の表面をセラミックで覆う事により、当該矯正面の劣化を抑え、長寿命化を実現する事ができる。又、この矯正面の劣化を抑える事は、各球体の真球度を良好にできる事に繋る。
[実施の形態の第1例]
図1は、請求項1〜2に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、球体表面性状矯正装置13を構成する、第一、第二の矯正盤(ラップ盤)14、15と、これら両矯正盤14、15同士の間に各球体8、8を保持した保持器21を回転自在に保持する為の保持部16と、上記第二の矯正盤15を回転させる為の駆動軸20等の形状及び構造を工夫する事により、上記各球体8、8の表面の性状を整える(真球度向上、異物除去)為の性能を向上させる点にある。その他の部分の構成及び作用は、前述の図6に示した従来構造と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
上記第一の矯正盤14の下面は、平坦面(水平面)である第一の矯正面(ラップ面)17としている。又、この第一の矯正盤14は、エアシリンダ等の図示しない押圧力調整装置により、押圧軸19を介して、軸方向{ 図1の(B)の上下方向} に押圧可能に、且つ、昇降可能に設置している。尚、上記押圧軸19は、上記第一の矯正盤14と同心に、鉛直方向に設けられている。
又、上記第二の矯正盤15の上面は、上記第一の矯正面17と平行な平坦面(水平面)である、第二の矯正面(ラップ面)18としている。又、この第二の矯正盤15の上面でこの第二の矯正面18を囲む部分に、円環状の保持部16を設けている。この保持部16を設ける為に、円筒部23の上端部内周面に径方向内方に突出する内向鍔部24を設ける事により、断面L字形で全体を円環状として成る保持環のうちの円筒部23を上記第二の矯正盤15に外嵌すると共に上記内向鍔部24をこの第二の矯正盤15の上面外周寄り部分に載置している。そして、この第二の矯正盤15の上面外周寄り部分で上記第二の矯正面18を囲む部分に上記保持部16を、この第二の矯正面18よりも上方に突出する状態で設けている。又、上記第二の矯正盤15は、電動モータ等の図示しない回転駆動装置によって、鉛直方向に配設された前記駆動軸20を介して、回転駆動自在としている。この駆動軸20の軸心と上記保持部16の中心とは、互いに平行で、且つ、α分だけ偏心している。
又、上記保持部16と第二の矯正面18とにより、周囲及び下方を囲まれた部分に、円環状の保持器21を、回転可能に(隙間嵌で)内嵌している。そして、この保持器21に設けた複数のポケット22、22内にそれぞれ球体8、8を、転動自在に保持している。そして、これら各球体8、8を、上記第一、第二の両矯正面17、18同士の間に挟持している。これら各球体8、8の表面の性状を整える際には、この様に、これら各球体8、8を上記両矯正面17、18同士の間に挟持した状態で、上記回転駆動装置により、上記第二の矯正盤15を回転駆動する。そして、上記各球体8、8の表面(転動面)を、上記第一、第二の両矯正面17、18に、転がり接触及び滑り接触させ、その性状(真球度向上、異物除去)を整える。この際、上記第二の矯正盤15の回転に伴って上記各球体8、8は、それぞれの自転軸及び公転軌道を積極的に変化させつつ、上記両矯正面17、18同士の間で滑りつつ転動する。
即ち、上記α分の偏心に基づいて、上記各球体8、8の転動面の軌跡は、図1の(A)に示した公転軌道nの様になる。そして、上記各球体8、8が公転軌道nの変化に伴ってこれら各球体8、8の自転軸が、上記偏心量αに応じて適宜変化する。即ち、これら球体8、8の転動面と、上記第一、第二の両矯正面17、18とは、上記偏心量αに応じて、この球体8、8の表面全体に亙って転がり接触及び滑り接触する。この結果、上記各球体8、8の表面は、高精度の真球度を実現すると共に、表面全体に亙って異物除去をする事が可能となる。
具体的には、偏心量αを各球体8、8の直径の全周の長さの1/3(各球体の直径をDとした場合に、πD/3)とすれば、上記各球体の転動面の軌道軌跡は、図2に示した様に、広範囲の軌道軌跡pとなる。そして、この様に、第一、第二の両矯正面17、18の軌道軌跡pに伴って、上記各球体8、8の自転軸が変化する。その結果、各球体8、8の表面全体に亙って、異物を除去すると共に、真球度の向上を図れる。
更に、偏心量αを、各球体8、8の全周の長さの1/2(πD/2)とする事で、図3に示す様に、各球体8、8の軌道軌跡rを、上述の図2に示した軌道軌跡pに比べても、より広範囲にできる。そして、上記図2の場合よりも、上記各球体8、8の自転軸の変化を大きくして、より短時間で、各球体8、8の表面全体に亙って、異物を除去すると共に、真球度を向上させる事が可能になる。
尚、本例による球体表面の性状矯正装置を運転する場合には、上記各球体8、8の真球度及び表面の異物を除去する為に、研磨を行なう事になる。この場合に於ける研磨量は、前記駆動軸20の回転速度、上記第一、第二の両矯正面17、18が各球体8、8を押圧する力の大きさ、これら各球体8、8及び両矯正面17、18の材質等によって変化する。そこで、上記研磨量を適正にすべく、本例では上述の様に、変速自在な回転駆動装置及び押圧力の調整自在な圧力調整機構を設けている。従って、被加工物である上記各球体8、8に合わせて、適宜、上記回転速度と押圧力との一方又は双方を調節し、研磨量を調整する。
尚、上述の説明は、本例の球体表面性状矯正装置により、各球体8、8の真球度及び異物除去の二つを同時に行なう場合に就いて説明した。但し、本発明を実施する場合には、これら真球度及び異物除去の何れか一方のみの効果を得る事を目的としても良い。
更に、本例の構造では第二の矯正盤15のみを回転させているが、本発明を実施する場合に、第一、第二の両矯正盤14、15を互いに逆方向に、或は同方向に互いに異なる速度で回転させても良い。これら第一、第二の両矯正盤14、15のうち、第二の矯正盤15を回転させるか、或いは両矯正盤14、15を共に回転させるかは自由であり、加工すべき球体8、8の材質等に合わせて適宜選択する。
[実施の形態の第2例]
図4は、請求項1〜2に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、保持器21aにポケット22、22を径方向に関し複列(同心円状に2列)に設ける事で、この保持器21aに保持できる各球体8、8の数を増やしている。そして、多数の球体8、8の表面の性状矯正を、一度の作業で、効率的に行なえる様にしている。尚、より多くの球体8、8の表面の性状矯正を同時に行える様にすべく、図5の様に、保持器21bのポケット22、22の列をより多く(同心円状に3列)設ける事も可能である。その他の部分の構成及び作用は、前述の第1例に示した構造と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は、省略する。
[実施の形態の第3例]
本発明を実施する場合に好ましくは、第一、第二の矯正盤14、15の各矯正面17、18を、窒化珪素(Si34 )、アルミナ(Al23 )、ジルコニア(ZrO2 )等のセラミック製とする。この様なセラミック製の各矯正面17、18とすれば、従来使用されていたSUS440C等の材料と比べて、上記第一、第二の矯正面17、18の耐久性、耐摩耗性を向上させる事が可能となる。即ち、各球体8、8による、これら両矯正面17、18に生ずる劣化を軽減する事により、各球体8、8の真球度を高精度に維持する事ができ、又、上記両矯正盤14、15の長寿命化を図れる。
本発明の球体表面性状矯正装置の実施の形態の第1例を示しており、(B)は側面図、(A)は保持部を省略したX−X断面図に球体の公転軌道を模式的に追加した図。 偏心量αをπD/3にした場合での、各球体の公転軌道を、保持器を除いた状態で示す、実施例1の図1の(A)に相当する模式図。 同じく偏心量αをπD/2にした場合での、図2と同様の図。 本発明の実施の形態の第2例を、公転軌道を除いた状態で示す、図1の(A)と同様の図。 更に別の実施の形態を示す、図4と同様の図。 従来構造の第1例を示しており、(A)は部分切断側面図、(B)は球体と下ラップ盤とを取り出して上から見た図。 従来構造の第2例を示す、第一、第二の両矯正面と、球体の自転軸とを表す模式図。 同じく、公転軌道を表す模式図。 従来構造の第3例を表す概略図。 図9のY部拡大図。 従来構造の第3例を、外輪位置を移動させた状態で表す、図9の左部に相当する図。
符号の説明
1、1a 球体ラッピング装置
2、2a 上ラップ盤
3、3a 下ラップ盤
4、4a、4b 駆動軸
5、5a、5b 矯正面
6、6a 矯正面
7 環状凹溝
8 球体
9a、9b 傾斜面
10 内輪
11 外輪
12 加圧部材
13 球体表面性状矯正装置
14 第一の矯正盤
15 第二の矯正盤
16 保持部
17 第一の矯正面
18 第二の矯正面
19 押圧軸
20 駆動軸
21、21a、21b 保持器
22 ポケット
23 円筒部
24 内向鍔部

Claims (3)

  1. 押圧軸の下端部に支持されて、下面を平坦面である第一の矯正面とした第一の矯正盤と、この押圧軸の下方にこの押圧軸と同心に配置された駆動軸の上端部に、この駆動軸に対し偏心した状態で、且つ、この駆動軸により回転駆動される状態に支持されて、上面を上記第一の矯正面と平行な平坦面である第二の矯正面とした第二の矯正盤と、この第二の矯正面と上記第一の矯正面とを平行に保持した状態のまま、上記駆動軸により上記第二の矯正盤を回転駆動する回転駆動装置と、円筒部の上端部内周面に径方向内方に突出する内向鍔部を設ける事により、断面L字形で全体を円環状として成る保持環のうちの円筒部を上記第二の矯正盤に外嵌すると共に上記内向鍔部をこの第二の矯正盤の上面外周寄り部分に載置する事により、この第二の矯正盤の上面外周寄り部分で上記第二の矯正面を囲む部分に、この第二の矯正面よりも上方に突出する状態で設けられた円環状の保持部とを備え、この保持部の内径側に、上記駆動軸の中心軸に対し偏心した回転中心軸を中心とする回転可能に保持された円環状の保持器のポケットに保持された複数の球体を上記第一、第二の両矯正面同士の間に挟持した状態で、上記回転駆動装置の駆動軸により上記第二の矯正盤を回転駆動する事により、上記各球体の転動面を上記第一、第二の両矯正面同士に転がり接触及び滑り接触させ、これら各球体の転動面の性状を整える球体表面の性状矯正装置
  2. 第一、第二の両矯正盤同士を互いに近づける方向に押圧する力の大きさを調整可能な押圧力調整装置を設けた、請求項1に記載した球体表面の性状矯正装置。
  3. 第一、第二の両矯正面のうちの少なくとも一方の矯正面の表面がセラミックにより覆われている、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した球体表面の性状矯正装置。
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