JP5151085B2 - センサーユニットおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
一方、物体のモーション検出には、加速度センサーや角速度センサー等が複数組み合わされて使用されていた。そして、小型化、コスト低減の要請から、加速度センサーや角速度センサーの多軸化が進み、最近では、加速度と角速度を同時に検出する多軸モーションセンサーが開発されている(特許文献2、3)。
また、配線基板上にセンサー内蔵モジュールと能動素子内蔵モジュールを個々に実装するため、個々のモジュールを配線基板の所定の位置に実装するための位置合せを正確に行なう必要があり、工程管理が煩雑であるとともに、実装位置のズレを生じた場合、センサーユニットの信頼性が低下するという問題があった。
さらに、実装時にセンサーが高温に曝されることがあり、センサーの特性の低下や、センサーユニットの信頼性低下を引き起こすことがあった。
本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであり、小型で信頼性の高いセンサーユニットと、このようなセンサーユニットを簡便に製造するための製造方法を提供することを目的とする。
本発明の他の態様として、前記多軸モーションセンサーの前記センサー本体は、中央に梁を介して支持された錘と、該錘の両面に配設された所望形状の電極とを有し、前記ガラス基板は、前記錘と間隙を介して対向する面に複数の電極を有するような構成とした。
[センサーユニット]
図1は、本発明のセンサーユニットの一実施形態を示す概略断面図である。図1において、本発明のセンサーユニット1は、多軸モーションセンサー2とインターポーザ3と能動素子内蔵モジュール4とがこの順に多段状態で接合されたものである。また、多軸モーションセンサー2とインターポーザ3との間隙部には封止樹脂層5が介在し、インターポーザ3と能動素子内蔵モジュール4との間隙部にも封止樹脂層6が介在している。
センサーユニット1を構成する多軸モーションセンサー2は、従来公知の多軸モーションセンサー、例えば、3軸加速度成分と2軸角速度成分を同時に検出できるMEMS(Micro Electromechanical System)型の5軸モーションセンサー、圧力センサー、イメージセンサー等の光学センサー等であってよく、特に制限はない。図示例では、多軸モーションセンサー2は、センサー本体11と、これを挟持するように配設された第1ガラス基板12、第2ガラス基板13を備えている。
図1〜図5に示されるように、センサー本体11は、枠部材21と、シリコン層16(活性層シリコン)からなる十字型の梁22と、4本の梁22で支持された錘23と、枠部材21と各梁22とで囲まれた4箇所の領域にそれぞれ独立して配設された複数(図示例では12個)の柱部材24とを備えている。4本の梁22に支持されている錘23は、例えば、0.01〜1Pa程度の減圧環境にある。
上記のような微細貫通孔52内に配設された貫通電極53は、微細貫通孔52内に充填されたものであってもよく、また、微細貫通孔52の内壁面に形成され、貫通孔が存在するようなものであってもよい。貫通電極53の材質は、Au、Ag、Cu、Sn等の導電材料とすることができる。
尚、封止樹脂層5は、上述のような接合バンプ55を介した外部配線35と配線54の接合がなされた後に、多軸モーションセンサー2とインターポーザ3との間隙部に樹脂部材を注入して形成できる。
基板61の材質は、例えば、シリコン、ガラス等を挙げることができる。また、微細貫通孔62は、開口径が1〜50μm、好ましくは5〜30μm程度である。この微細貫通孔62の形状は、図示例では厚み方向で内径がほぼ一定のストレート形状であるが、これに限定されず、一方の開口径が広いテーパー形状をなすもの、厚み方向のほぼ中央で内径が狭くなっているような形状等であってもよい。
接合バンプ57を介したインターポーザ3の配線56と能動素子内蔵モジュール4の貫通電極63、配線64との接合は、上述の接合バンプ55を介した多軸モーションセンサー2の外部配線35とインターポーザ3の配線54との接合と同様とすることができる。尚、接合バンプ55、57の形状、寸法は同一であってもよく、また、異なるものであってもよい。
上述のようなセンサーユニット1は、多軸モーションセンサーとインターポーザと能動素子内蔵モジュールとが多段状態に接合された構造であり、配線基板を備えていないので、面積、高さともに大幅な小型化が可能となる。また、インターポーザが介在するので、端子位置等が異なる種々の多軸モーションセンサーと能動素子との組み合わせ一体化が可能である。
センサーユニット71を構成する多軸モーションセンサー2は、上述のセンサーユニット1を構成する多軸モーションセンサー2と同じであり、従来公知の多軸モーションセンサー、例えば、3軸加速度成分と2軸角速度成分を同時に検出できるMEMS型の5軸モーションセンサー、圧力センサー、イメージセンサー等の光学センサー等であってよく、特に制限はない。図示例では、センサーユニット71を構成する多軸モーションセンサー2に、上述のセンサーユニット1を構成する多軸モーションセンサー2と同じ部材番号を付し、ここでの説明は省略する。
微細貫通孔82の形状、開口径、貫通電極83の材質、形状は、上述の微細貫通孔62、貫通電極63と同様とすることができる。
上述のようなセンサーユニット71は、多軸モーションセンサーと能動素子内蔵モジュールとが多段状態に接合された構造であり、配線基板を備えていないので、面積、高さともに大幅な小型化が可能となる。
上述のセンサーユニットの実施形態は例示であり、本発明のセンサーユニットはこれらに限定されるものではない。
次に、本発明のセンサーユニットの製造方法について、上述の図1に示すセンサーユニット1を例として説明する。
図12および図13は、本発明のセンサーユニットの製造方法の一実施形態を示す工程図である。本発明では、まず、多面付けで多軸モーションセンサー2を作製する。すなわち、シリコン層16(活性層シリコン)、酸化シリコン層17、シリコン層18(基板シリコン)の3層構造を有するSOI(Silicon On Insulator)ウエハ15′と、2枚のガラスウエハ12′,13′とを多面付け(各面付け部を1Aで示す)に区画する(図12(A))。そして、これらに対して各面付け1A毎に所望の加工を施して、SOIウエハ15′に形成されたセンサー本体11を、ガラスウエハ12′,13′に形成された第1ガラス基板12、第2ガラス基板13で挟持した積層構造の多軸モーションセンサー2を多面付けで作製する(図12(B))。
まず、シリコン層16(活性層シリコン)、酸化シリコン層17、シリコン層18(基板シリコン)の3層構造を有するSOIウエハ15′に酸化処理を施して、SOIウエハ15′の両面に酸化層16′,18′を形成する(図14(A))。その後、SOIウエハ15′の各面付け1A毎に、パターンエッチングにより所望のパターンで凹部7a,7b,8を形成する(図14(B))。このパターンエッチングは、例えば、酸化層16′,18′上にマスクパターンを形成し、サンドブラスト法、ウエットエッチング法等により行うことができる。
次いで、枠部材21と十字型の梁22と複数の柱部材24(図3参照)とを形成するための溝部10をシリコン層16に形成する(図14(D))。この溝部10の形成は、例えば、マスクパターンを介して、プラズマを利用したドライエッチング法であるICP−RIE(Inductively Coupled Plasma − Reactive Ion Etching:誘導結合プラズマ−反応性イオンエッチング)法により行うことができる。また、サンドブラスト法、ウエットエッチング法、フェムト秒レーザ法により溝部10を形成することもできる。
一方、ガラスウエハ13′の各面付け1A毎に、1個の十字型の中心電極42と、これを囲むように配設された4個の周囲電極43とからなる電極41を形成する(図15(A))。次いで、このガラスウエハ13′とSOIウエハ15′のシリコン層16(活性層シリコン)とを陽極接合する(図15(B))。
次に、ガラスウエハ12′のコンタクト穴34′に外部電極34を形成するとともに、この外部電極34に接続された外部配線35を形成する(図16(C))。これにより、SOIウエハ15′に形成されたセンサー本体11を、ガラスウエハ12′,13′に形成された第1ガラス基板12、第2ガラス基板13で挟持した積層構造の多軸モーションセンサー2が多面付けで作製される。
微細貫通孔52の形成は、例えば、マスクパターンを介してICP−RIE法により行うことができる。また、サンドブラスト法、ウエットエッチング法、フェムト秒レーザ法により微細貫通孔52を形成することもできる。さらに、インターポーザ用ウエハ3′に、上述のいずれかの方法により、一方の面から所定の深さで微細孔を形成し、その後、インターポーザ用ウエハ3′の反対面を研磨して微細孔を露出させることにより、微細貫通孔52を形成してもよい。この微細貫通孔52の開口径は、1〜50μm、好ましくは5〜30μmの範囲で設定することができる。
上記の配線54,56や接合バンプ55,57は、例えば、貫通電極53が露出するように一方の面にレジストパターンを形成し、その後、貫通電極53を給電層として電解めっきにより形成する工程を表裏で行うことで形成することができる。また、スクリーン印刷法等により導電性ペーストを印刷して配線54,56や接合バンプ55,57を形成することもできる。このような接合バンプ55,57の形状は、円錐形状、円柱形状等であってよく、高さは5〜20μm、太さは10〜100μm程度とすることができる。
次いで、多面付けのセンサーユニット1をダイシングすることにより、図1に示されるようなセンサーユニット1が得られる。
図17は、本発明のセンサーユニットの製造方法の他の実施形態を示す工程図である。まず、多面付けで多軸モーションセンサー2を作製する(図17(A))。この多面付けでの多軸モーションセンサー2の作製は、上述の実施形態と同様に、シリコン層16(活性層シリコン)、酸化シリコン層17、シリコン層18(基板シリコン)の3層構造を有するSOI(Silicon On Insulator)ウエハ15′と、2枚のガラスウエハ12′,13′とを多面付け(各面付け部を71Aで示す)に区画し、上述の実施形態と同様に行うことができ、ここでの説明は省略する。但し、外部配線35の材質は、後述する多軸モーションセンサー2と能動素子内蔵モジュール74との接合工程において、能動素子内蔵モジュール74の配線84と圧着接合可能な材質、例えば、Al、Al−Si、Al−Nd等とする。
次いで、多面付けのセンサーユニット71をダイシングすることにより、図10に示されるようなセンサーユニット71が得られる。
上述のような本発明のセンサーユニットの製造方法は、ウエハレベルで多軸モーションセンサーとインターポーザと能動素子内蔵モジュールとの接合を行う一括アッセンブリー、あるいは、ウエハレベルで多軸モーションセンサーと能動素子内蔵モジュールとの接合を行う一括アッセンブリーが可能であり、工程管理が容易で製造コストの低減が可能である。また、接合が、接合バンプを用いた低温接合、あるいは、陽極接合であるため、多軸モーションセンサーへの熱の影響を阻止することができ、信頼性の高いセンサーユニットの製造が可能となる。
尚、上述のセンサーユニットの製造方法は例示であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
2…多軸モーションセンサー
3…インターポーザ
4,74…能動素子内蔵モジュール
11…センサー本体
12…第1ガラス基板
13…第2ガラス基板
15…SOI基板
34…外部配線
52,62,82…微細貫通孔
53,63,83…貫通電極
54,56…配線
55,57…接合バンプ
64,84…配線
65,85…能動素子
12′,13′…ガラスウエハ
15′…SOIウエハ
Claims (6)
- 多軸モーションセンサーと、貫通電極を有するインターポーザと、能動素子内蔵モジュールとをこの順に多段状態で備え、
前記多軸モーションセンサーは、シリコン層/酸化シリコン層/シリコン層の3層構造を有するSOI基板からなるセンサー本体と、該センサー本体を挟持するように配設されたガラス基板とを備え、前記インターポーザと対向する前記ガラス基板に外部配線を有し、
前記インターポーザは、貫通電極に接続された配線を両面に有し、一方の面の前記配線は対向する前記多軸モーションセンサーの外部配線に接合され、
前記能動素子内蔵モジュールは、基板と、該基板に内蔵された能動素子と、前記基板を貫通する複数の貫通電極を前記能動素子から外側の領域に有するとともに、前記貫通電極と前記能動素子を接続する配線を有し、前記貫通電極は前記インターポーザの前記配線に接合されており、
前記インターポーザの配線と前記多軸モーションセンサーの外部配線との接合、および、前記能動素子内蔵モジュールの貫通電極と前記インターポーザの配線との接合は、接合バンプを介したものであり、該接合バンプは、Au、Sn−Au合金、Sn−Ag合金のいずれかであり、接合バンプを挟持するようにCu/Cr積層、Cu/Ti積層、Al/Cr積層、Al/Ti積層のいずれかの金属層が配設されていることを特徴とするセンサーユニット。 - 前記接合バンプは、Au、Ag、Cu、Snあるいはこれらの合金のいずれかの導電性粉末と樹脂成分とを有する導電性ペースト、または、Au、Ag、Cu、Snのいずれかの導電材料であることを特徴とする請求項1に記載のセンサーユニット。
- 能動素子内蔵モジュールと、該能動素子内蔵モジュール上に接合された多軸モーションセンサーを備え、
前記多軸モーションセンサーは、シリコン層/酸化シリコン層/シリコン層の3層構造を有するSOI基板からなるセンサー本体と、該センサー本体を挟持するように配設されたガラス基板とを備え、前記能動素子内蔵モジュールと対向する前記ガラス基板に外部配線を有し、
前記能動素子内蔵モジュールは、基板と、該基板に内蔵された能動素子と、前記基板を貫通する複数の貫通電極を前記能動素子から外側の領域に有するとともに、前記貫通電極と前記能動素子を接続する配線を有し、
前記多軸モーションセンサーの前記外部配線を有する前記ガラス基板と前記能動素子内蔵モジュールの前記基板とが陽極接合されており、前記貫通電極は前記多軸モーションセンサーの外部配線に接続されていることを特徴とするセンサーユニット。 - 前記多軸モーションセンサーの前記センサー本体は、中央に梁を介して支持された錘と、該錘の両面に配設された所望形状の電極とを有し、前記ガラス基板は、前記錘と間隙を介して対向する面に複数の電極を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のセンサーユニット。
- シリコン層/酸化シリコン層/シリコン層の3層構造を有するSOIウエハと、2枚のガラスウエハとを多面付けに区画し、これらに対して各面付け毎に所望の加工を施して、SOIウエハに形成されたセンサー本体を、ガラスウエハに形成されたガラス基板で挟持した積層構造の多軸モーションセンサーを多面付けで作製する工程と、
インターポーザ用ウエハを多面付けに区画し、各面付け毎に複数の微細貫通孔を形成し、該微細貫通孔に導電材料を配設して貫通電極とし、該貫通電極に接続した所望の配線および接合バンプを表裏に形成して、インターポーザを多面付けで作製する工程と、
能動素子内蔵モジュール用ウエハを多面付けに区画し、各面付け毎に能動素子を内蔵させ、該能動素子の外側の領域に複数の微細貫通孔を形成し、該微細貫通孔に導電材料を配設して貫通電極とし、該貫通電極と前記能動素子とを接続するための配線を形成して、能動素子内蔵モジュールを多面付けで作製する工程と、
インターポーザの一方の面の接合バンプと前記多軸モーションセンサーの外部配線とを接合し、インターポーザの他方の面の接合バンプと前記能動素子内蔵モジュールの貫通電極とを接合して、多面付けのセンサーユニットとする工程と、
多面付けのセンサーユニットをダイシングする工程と、を有することを特徴とするセンサーユニットの製造方法。 - シリコン層/酸化シリコン層/シリコン層の3層構造を有するSOIウエハと、2枚のガラスウエハとを多面付けに区画し、これらに対して各面付け毎に所望の加工を施して、SOIウエハに形成されたセンサー本体を、ガラスウエハに形成されたガラス基板で挟持した積層構造の多軸モーションセンサーを多面付けで作製する工程と、
能動素子内蔵モジュール用のシリコンウエハを多面付けに区画し、各面付け毎に能動素子を内蔵させ、該能動素子の外側の領域に複数の微細貫通孔を形成し、該微細貫通孔に導電材料を配設して貫通電極とし、該貫通電極と前記能動素子とを接続するための配線を形成して能動素子内蔵モジュールを多面付けで作製する工程と、
前記多軸モーションセンサーの外部配線形成面側のガラスウエハと、前記能動素子内蔵モジュールの前記シリコンウエハとを陽極接合して、多面付けのセンサーユニットとする工程と、
多面付けのセンサーユニットをダイシングする工程と、を有することを特徴とするセンサーユニットの製造方法。
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