JP5148973B2 - 抄紙用フェルト - Google Patents

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Description

本発明は、抄紙機に使用される、抄紙用フェルト(以下、単にフェルトということがある)に関する。
抄紙機における製紙工程には成形(フォーミング)、プレス、乾燥の大きく分けて3つのパートがあり、それぞれのパートにおいて紙の原料から水分が連続的に除去される。
そして、それぞれのパートでは、脱水の機能に対応した抄紙用具が用いられている。
従来、プレスパートではフェルトが使用され、湿紙を載せたフェルトがプレス機構で加圧されることで、湿紙中の水分がフェルトへと移行する仕組みになっている。
なお、プレス加圧部は、一対のプレスロールにより構成されるものや、プレスロールとプレスロールの周面に対応した形状を有するシューとにより構成されるものが一般的である。
このフェルトの構成を図1に基づき説明する。図1はフェルトの横断方向(CMD方向)に沿って切断した断面図である。抄紙用フェルト10は、基体20にバット繊維層として、湿紙側バット繊維層31と裏面側バット繊維層32とをそれぞれ積層し、ニードルパンチング等により植毛して構成されている。
なお、基体20は経糸21と緯糸22とを製織して構成される織布が通常使用されている。
フェルトの基本的な機能は、湿紙から水を搾る(搾水性)、湿紙の平滑性を高める(平滑性)、湿紙を搬送する(湿紙搬送性)といったものであるが、とりわけ重要視されているのは、湿紙から水を搾る機能である。
湿紙が一対のプレスロール間を通過する際、加圧により水分が湿紙からフェルトに移行する。フェルト中の水分は、加圧によりフェルト裏面側から排出されるか、抄紙機のサクションボックスで吸引されフェルト系外に排出されるので、加圧下で圧縮され除圧時に回復する機能を持つフェルトが要求されている。
最近の抄紙技術の動向として、生産性向上のため抄紙機の高速化およびプレスパートにおけるロール又はシュープレスの高加圧化が進んでいる。そのためフェルトが高加圧下において扁平化して水透過性や圧縮回復性が低下し、搾水性が著しく低下する等の問題があった。
そこで、この問題を解決する手法の1つとして、フェルトを構成する繊維層に高分子弾性材料を包含する方法がある。
例えば、フェルトを構成する繊維に、エマルション型樹脂を含浸し且つ湿紙側部分に工夫を凝らしたものが知られている(特許文献1参照)。このフェルトは、より詳細には、基層の表面に形成されたバット繊維にエマルション型樹脂が含浸されるとともに、当該バット繊維層の湿紙側の表面が緻密で且つセーム革状の滑らかな表面となるようにカレンダー加工されることにより、バリヤー層が形成されているものであった。
ところが、このような基層の表面に形成されたバット繊維に樹脂が含浸されたフェルトであっても、最近の高速抄紙機とりわけクローズドドロー抄紙機のプレスパートで使用されるフェルトについて、フェルトの掛け入れ性とプレス加圧部での再湿現象について問題があった。
抄紙用フェルトは、プレス加圧部出口で加圧が開放されると同時に湿紙内部において負圧が発生するため、フェルトに内在する水分を湿紙が吸収してしまう、いわゆる再湿現象が起こる。従来のフェルト(特許文献1)において、バット繊維層には樹脂が包含されて密度が高くなっており、ある程度の再湿現象は抑制されている。しかし、フェルト全体(基体とバット層のすべて)が樹脂で包含されていると、フェルトは硬化して抄紙機への掛け入れ性が悪化する。そのため、従来のフェルトでは、湿紙側バット繊維層のみに樹脂を包含させているものがあった。しかしこのようなフェルトでは、裏面側バット繊維層の密度が低いのでプレス加圧後でもバット層内の蓄水量が多いため、クローズドドロー抄紙機のプレスパートで使用された場合、再湿を抑制することができなかった。
米国特許第4500588号明細書
したがって、本発明の課題は抄紙用フェルトにおいて、使用初期から長期にわたりフェルトの諸機能すなわち圧縮回復性や搾水性、湿紙平滑性といった機能を維持し、しかもクローズドドロー抄紙機においてもフェルトが柔軟で掛け入れ性が良く、プレス加圧部での再湿が抑制できる抄紙用フェルトを提供することにある。
本発明は、基体と、湿紙側バット繊維層と、裏面側バット繊維層とを有し、前記湿紙側バット繊維層は50g/m 〜100g/m 高分子弾性材料に包含され、前記裏面側バット繊維層は20g/m 〜400g/m 溶融繊維を含み、前記溶融繊維の少なくとも一部が溶融し相互に固着して立体網目構造を形成し、前記裏面側バット繊維層の密度が0.25g/cm 〜0.55g/cm の範囲内であることを特徴とする、抄紙用フェルトにより、前記課題を解決した。
また、本発明は前記高分子弾性材料が、ウレタン系エマルション,酢酸ビニル系エマルション,スチレン―ブタジエン系エマルション,アクリル系エマルション,の何れか1種または複数種を含むエマルション型樹脂からなることを特徴とする抄紙用フェルトである。
また、本発明は、前記溶融繊維が融点180℃以下の低融点成分を含む溶融繊維であることを特徴とする抄紙用フェルトである。
本発明によれば、抄紙用フェルトを抄紙機に掛け入れた使用初期から長期にわたり圧縮回復性や搾水性、湿紙平滑性といったフェルトの機能が維持され、しかもクローズドドロー抄紙機においてもフェルトが柔軟で掛け入れ性が良く、プレス加圧部での再湿が抑制できる。
本発明の抄紙用フェルトの実施形態を説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
図2はフェルトの横断方向(CMD方向)に沿って切断した断面図である。抄紙用フェルト10は基体20にバット繊維31,32を積層し、ニードリングで絡合一体化した抄紙用フェルトである。
基体20は経糸21と緯糸22を織機等により製織した織物を通常用い、経糸21と緯糸22は、ナイロン、ポリエステル、オレフィンなどのモノフィラメント及びマルチフィラメントを用いる。
織物の構造としては、1重織、または2重織、3重織などの多重織構造を有してよい。また、織物の他、経糸と緯糸を織込むことなく接着剤等により接着形成した基体や、不織布、フィルムや樹脂成型体等の基体を用いてもよい。
ステープルファイバーからなるバット繊維層31,32にはナイロン繊維等の合成繊維や羊毛等の天然繊維の短繊維をウェッブ状に形成し積層したもので、太さや材質の異なる繊維をブレンドして用いても良い。
バット繊維層は湿紙側バット繊維層31と抄紙機のプレスロール又はシュープレス側に位置する裏面側バット繊維層32からなる。そして湿紙側バット繊維層31は、表面性を高めるため、最も湿紙側のバット繊維層311に細い繊維を用い、内層側のバット繊維層312にはそれより太い繊維を用いることができる。そして湿紙側バット繊維層31は高分子弾性材料に包含されている。また裏面側バット繊維層32は溶融繊維を含むバット繊維層である。
図3では本発明の抄紙用フェルト10において、ステープルファイバー41からなる湿紙側バット繊維層31は高分子弾性材料50に包含され一体化してバット繊維層31を形成しており、かつ裏面側バット繊維層32は溶融繊維を含むバット繊維層である。
このように、湿紙側バット繊維層31が高分子弾性材料50に包含され一体化しているため、フェルトがプレス圧力による圧縮が繰返されても、湿紙側バット繊維層31は弾性変形可能な高分子弾性材料50の耐圧力効果によって、該バット繊維層31の内に形成された空隙が潰されずに残るため、水透過性と圧縮回復性は低下しない。したがってフェルトの使用初期から長期にわたり圧縮回復性や搾水性、湿紙平滑性といったフェルトの機能を維持することができる。
そして、裏面側バット繊維層32は溶融繊維を含んでおり、フェルトを熱処理することで、裏面側バット繊維層32を密度の高い柔軟な層に形成できるので、フェルトとして掛け入れ性が良くプレス加圧部での湿紙の再湿を抑制することができる。すなわち、裏面側バット繊維層32は溶融繊維を含んでいるから、熱処理されると溶融繊維の少なくとも一部が溶融し相互に固着してバット繊維層が立体網目構造を形成する。このような網目構造体は密度が高く緻密であるから、バット層内の蓄水量が少なくでき、フェルトの再湿を抑制することができる。同時に、バット繊維32の網目構造体は高分子弾性材料50に包含されたバット繊維層31に比べてはるかに柔軟である。
なお、前記溶融繊維は、融点が180℃以下の低融点成分からなる合成繊維、または融点が180℃以下の低融点成分を含む合成繊維を使用することができる。
本発明の抄紙用フェルトの湿紙側バット繊維層31は、フェルトの使用初期から長期にわたり圧縮回復性や搾水性、湿紙平滑性などの機能を発揮するのに対して、裏面側バット繊維層32はクローズドドロー抄紙機用フェルトに必要な柔軟性と再湿の抑制効果を発揮するため、密度が高く柔軟なバット繊維層を形成している。このように湿紙側バット繊維層31と裏面側バット層32、それぞれの特性を複合することによって、本発明の抄紙用フェルトは特に高速クローズドドロー抄紙機に好適に使用できるものとなっている。
ここで、湿紙側バット繊維31が高分子弾性材料50に包含されていない場合、繰り返し圧縮によるフェルトの変形が大きくなるので、フェルトの搾水性、湿紙平滑性、湿紙搬送性といった機能が維持できず好ましくない。
また、湿紙側バット繊維31が高分子弾性材料50に包含されていても、裏面側バット繊維層32に溶融繊維を含んでいないときは、クローズドドロー抄紙機でのプレス加圧部で湿紙の再湿抑制効果を発揮できなくなってしまう。
本発明における高分子弾性材料とは、ウレタン系エマルション,酢酸ビニル系エマルション,スチレン―ブタジエン系エマルション,アクリル系エマルション,の何れか1種または複数種を含むエマルション型樹脂からなり、エマルション型樹脂の水分の蒸発により前記高分子弾性材料の固形物がバット繊維を包含することができるものを用いるが、エマルション型樹脂の安定化のためエマルション型樹脂には界面活性剤,粘度調整剤が加えられているものを用いると良い。
ここで、高分子弾性材料の包含量としては、湿紙側バット繊維層31において20g/m〜150g/m包含していることが好ましい。これより少ないとフェルトの圧縮回復性を持続し、搾水性、湿紙平滑性といった機能を維持することができず、これより多いとフェルトの通水性が悪く、搾水性の機能に影響するので好ましくない。
湿紙側バット繊維31に高分子弾性材料50を包含させて一体化する方法としては、基体とバット繊維とをニードルパンチングにより植毛してフェルトを形成した後で、エマルション型樹脂の水希釈液を塗布し、乾燥することで形成できる。
また、本発明の溶融繊維は融点180℃以下の低融点成分を含む溶融繊維である。本発明では溶融繊維の含有量を、裏面側バット繊維層32において10g/m00g/mの範囲で使用することができる。溶融繊維の含有量が10g/m以下であると、裏面側バット繊維層32の密度は低くなってしまい、クローズドドロー抄紙機用フェルトに必要なプレス加圧部での再湿の抑制効果が十分でない。
逆に溶融繊維の含有量が00g/m以上であると、裏面側バット繊維層32の密度が高く成り過ぎてしまい柔軟性が低くなるから、フェルトの掛け入れ性を低下させることとなる。なお、本発明において裏面バット繊維層32の好ましい密度は、0.25g/cm〜0.55g/cmの範囲である。
ここで、融点180℃以下の低融点成分を含む溶融繊維とは、繊維を構成する成分のすべてが融点180℃以下の低融点成分である溶融繊維と、繊維を構成する成分の一部が融点180℃以下の低融点成分である溶融繊維とがある。後者の場合、特に芯が融点200℃以上の高融点成分で、鞘が融点180℃以下の低融点成分からなる芯鞘複合繊維が好適に使用できる。
なお、本発明では裏面側バット繊維層32における溶融繊維の含有量は10g/m〜200g/mの範囲で使用することが好適であるが、この溶融繊維の含有量とは、融点180℃以下の低融点成分の量を意味するから、繊維を構成する成分の一部が融点180℃以下の低融点成分である溶融繊維の場合、例えば前記芯鞘複合繊維などの場合では低融点成分に換算した溶融繊維の量となる。
本発明における融点180℃以下の低融点成分は、素材としてはポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンやポリエステルやポリアミド(ナイロン)が使用できる。特に低融点のナイロンとして、ナイロン6/12、ナイロン6/612、ナイロン66/6、ナイロン66/12、ナイロン66/612などの二元共重合ナイロンや、ナイロン6/66/12、ナイロン6/66/610などの三元共重合ナイロンなどを使用することができる。
本発明では、裏面側バット繊維層32を熱処理して高密度で柔軟な層を形成できる。具体的には、基体の湿紙側と裏面側にそれぞれバット繊維層を形成してフェルトを製作してから、1対のロール間に前記フェルトを無端状に掛け渡し、フェルトを走行させながら裏面側バット繊維層32に含まれる溶融繊維に、溶融する温度以上の熱風を当てるか、または熱風を当てた直後に前記フェルトを熱プレスすることにより、裏面側バット繊維層32の溶融繊維の少なくとも一部を溶融して密度の高い柔軟な層を形成することができる。ここで、好ましくは熱風温度としては160℃〜200℃の範囲、熱プレス温度としては140℃〜180℃の範囲が好ましい。
本発明に係る抄紙用フェルトの効果を確認すべく、以下のような実験を行った。
ここで、実施例、比較例ともに諸条件を共通にするため、全てのフェルトの基本構成を次の通りとした。
基体:ナイロンモノフィラメントの撚糸を1/1平織で製織、坪量750g/m
湿紙側バット繊維層:ナイロン6の17dtexのステープルファイバー、坪量500g/m
裏面側バット繊維層:下記の芯鞘複合繊維の17dtexのステープルファイバーとナイロン6の17dtexのステープルファイバーを混綿して使用した、合計坪量200g/mの繊維層。芯鞘複合繊維の含有量は表1に記載した。
芯鞘複合繊維:芯成分がナイロン6で、鞘成分が融点140℃の共重合ナイロン6/12であり、芯成分と鞘成分の重量割合が1:1の合成繊維。
基体に湿紙側のバット繊維層と裏面側のバット繊維層を積層しニードリングにより絡合してフェルトを形成した後、高分子弾性材料であるウレタン系エマルション(第一工業製薬製「スーパーフレックス」)の水希釈液を用い、フェルトの湿紙側から所定量を塗布した。高分子弾性材料の塗布量(包含量)は表1に記載した。また、フェルトの湿紙側と裏面側の両面に高分子弾性材料を塗布したもの(比較例4)も作製した。次にすべてのフェルトを105℃で乾燥し、更に180℃の熱風を当てながら160℃−50kg/cmで熱プレスして、実施例1〜6、および比較例1〜4のフェルトを完成した。
完成したフェルトの諸物性を表1に記載した。裏面バット層の密度(g/cm)は、裏面バット坪量(200g/m)を裏面バット層の厚みで除した値である。またフェルトの剛軟性は、日本工業規格JIS L-1096(一般織物試験方法)に記載されている、剛軟性A法(ガーレ法)に基づき、完成したフェルトの試験片の表裏を測定し、それぞれ5回の平均値を算出し、比較例1を100としたときの相対値で表している。
Figure 0005148973















表1の結果から、実施例のフェルトは裏面側バット繊維層の密度が高いが剛軟性が低く保たれるから、フェルトは柔軟で抄紙機への掛け入れ性が良いことが確認できた。
次に、図4に示す実験装置により、完成した実施例と比較例のフェルトの機能評価の実験を行った。
図4の実験装置は、一対のプレスロールP(下部プレスが1500mm径シュープレスで、上部プレスがスチールロール)とガイドロールG、洗浄装置SPおよびサクション吸引ボックスSBで構成されており、フェルトFを実験装置に掛け入れ、フェルトに一定の張力を掛けてプレスロールを回転させ繰り返しプレスする装置である。実験装置の駆動条件は、シュープレス圧力が1000kg/cm、フェルト走行速度が1500m/分で、走行中は洗浄装置から清水をフェルト面積に対して0.1リットル/mをスプレーし、更にサクション吸引ボックスで吸引して、プレス入口でのフェルト水分を30%一定に調整して、240時間継続して走行実験を行った。
「機能評価」
フェルトの圧縮率と回復率については下式による。なお、計測に当たっては、実験開始直後の数値と、実験終了時の数値とをそれぞれ求めた。また、圧縮率、回復率は水に1時間浸漬したフェルトに一定の加圧(30kg/cm)を掛けた時の厚みを求め、次式により求めたものである。
圧縮率(%)=(圧縮時のフェルトの厚み/初期の無加圧でのフェルトの厚み)×100
回復率(%)=(圧力解放直後のフェルトの厚み/圧縮時のフェルトの厚み)×100
また、フェルトの再湿抑制効果の評価は、実験装置のプレス入口に水分50%の湿紙ハンドサンプルを投入し、Aの地点(プレス出口直後のもの)とBの地点(プレス出口から離れたガイドロール上)でそれぞれ回収して、湿紙への再湿抑制効果を調べた。
この両者の水分差が0.5%未満のものは再湿抑制効果として良好の評価、0.5%以上で0.9%未満のものは再湿抑制効果がやや良好という評価、0.9%以上のものは再湿が多く再湿抑制効果が不良という評価を行った。
この結果を、表2に示す。
Figure 0005148973
フェルトの圧縮率と回復率について、実験開始初期では実施例のフェルトは低い値であるが、実験終了間際では比較例よりも高い値で推移するから、抄紙用フェルトとして圧縮回復性の持続が良く、従って湿紙の搾水性およびその持続性に優れることが確認された。また、プレス加圧後の湿紙がフェルトと共に搬送されても、フェルトから水分が再湿することが少ないことが確認された。
本発明によれば、フェルト中のバット繊維に高分子弾性材料が包含されて一体化して湿紙側バット繊維層を形成しており、更に裏面側バット繊維層には溶融繊維の高密度で柔軟な層が形成されているため、フェルトが抄紙機に掛け入れ易く、しかもプレス圧力による圧縮が繰返されても、高分子弾性材料の耐圧力効果によって、圧縮回復性の持続性に優れたフェルトを構成することが出来た。
またに、裏面側バット繊維層には溶融繊維が多く含まれているものほど、湿紙への再湿が抑制されたフェルトを構成することができた。
従来の抄紙用フェルトの概略を示す断面図である。 本発明の抄紙用フェルトの概略を示す断面図である。 本発明の他の抄紙用フェルトの概略を示す断面図である。 本発明の実験装置の概略図である。
符号の説明
10:抄紙用プレスフェルト
20:基体
31:表面側バット繊維
32:裏面側バット繊維
21:経糸
22:緯糸
41:ステープルファイバー
50:高分子弾性材料
F:フェルト
G:ガイドロール
SP:洗浄装置
SB:サクション吸引ボックス

Claims (3)

  1. 基体と、湿紙側バット繊維層と、裏面側バット繊維層とを有し、
    前記湿紙側バット繊維層は50g/m 〜100g/m 高分子弾性材料に包含され、
    前記裏面側バット繊維層は20g/m 〜400g/m 溶融繊維を含み、
    前記溶融繊維の少なくとも一部が溶融し相互に固着して立体網目構造を形成し、前記裏面側バット繊維層の密度が0.25g/cm 〜0.55g/cm の範囲内であることを特徴とする、
    抄紙用フェルト。
  2. 前記高分子弾性材料は、ウレタン系エマルション,酢酸ビニル系エマルション,スチレン―ブタジエン系エマルション,アクリル系エマルション,の何れか1種または複数種を含むエマルション型樹脂からなることを特徴とする、請求項1に記載の抄紙用フェルト。
  3. 前記溶融繊維が、融点180℃以下の低融点成分を含む溶融繊維であることを特徴とする、請求項1に記載の抄紙用フェルト。
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