JP5148641B2 - 給湯器 - Google Patents

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Description

本発明は、浴槽に出湯可能な給湯器に関する。
給湯器は、供給された水をバーナや電気ヒータ等の加熱手段を用いて加熱し、こうして加熱した温水を浴槽等に供給する装置である。
この種の給湯器では、冬期等の気温が低い環境下で動作していないとき、給湯器内の通水路(通水管)に残存する水が凍結して通水路が破損してしまうおそれがあるため、このような凍結を防止するための技術が種々提案されている。例えば、特許文献1に記載の発明では、通水路に残存する水を加熱する電気ヒータを設けている。
特開平6−265208号公報
しかし、この構成では、電気ヒータによる加熱を継続的に行わなければならず、地球温暖化対策や燃料費高騰等の見地から要望されているエネルギー低減の流れにそぐわない。
本発明は、上記点に鑑み、通水路に残存する水を加熱する電気ヒータ等の加熱手段で消費するエネルギーを低減することにより、給湯器の消費(運転)エネルギーの低減を図ることを目的とする。
上記課題を解決するため第1の構成は、給水された水を加熱して浴槽に出湯可能な給湯器であって、当該給湯器外部から給水された水が流通する通水路と、前記通水路の上流側を開閉する止水手段と、前記通水路の下流側を開閉する給水手段と、外気温度を特定する外気温特定手段と、前記通水路を流通する水の温度(水温度)を特定する水温特定手段と、前記外気温特定手段により特定された外気温度、および、前記水温特定手段により特定された水温度のうち、少なくともいずれかの温度が所定温度以下となった際、前記止水手段により前記通水路の上流側を閉じると共に、前記給水手段により前記通水路の下流側を開く開閉制御手段と、を備えている。
このように構成された給湯器によれば、外気温度および水温度のいずれかが所定の温度以下となった際に、通水路の上流側を閉じ、かつ、下流側を開くことにより、通水路に残された水を通水路の下流側から排出することができる。
そのため、この「所定温度」を通水路内に残された水が凍結する可能性がある範囲外に設定しておけば、この水が凍結する前に通水路の下流側から排出することで、水の凍結による通水路の破損を防止することができる。
このように、外気温度または水温度に応じて水を排出することで通水路の破損を防止できることから、通水路に残存する水を加熱する電気ヒータ等を廃止したり、電気ヒータへの通電量を低減したり、といったことが可能となり、結果的に給湯器の消費(運転)エネルギーを低減することができる。
また、この構成は、以下に示す第2の構成のようにするとよい。
第2の構成は、前記通水路のうち前記止水手段より下流側であって前記給水手段より上流の連結部位を大気側と連通可能な状態とする大気連通手段、を備えている。そして、前記開閉制御手段は、前記外気温度および前記水温度のうち、少なくともいずれかの温度が所定温度以下となった際に、前記止水手段により前記通水路の上流側を閉じ、前記給水手段により前記通水路の下流側を開くと共に、前記大気連通手段により前記連結部位を大気側と連通させる。
この構成であれば、通水路における連結部位を大気と連通することにより、大気側から通水路の下流側に至る空気の流路を形成できるため、通水路に残存する水をより排出しやすくすることができる。
この構成における連結部位は、止水手段より下流側、かつ、給水手段より上流に設けられていればよいが、例えば、止水手段から給水手段へと至る経路のうち、給水手段に対して高さ方向に最も離れた位置に配置することが望ましい。
また、上記各構成は、以下に示す第3の構成のようにするとよい。
第3の構成は、前記通水路を加熱する加熱手段と、前記開閉制御手段による前記通水路における開閉動作以降、前記水温特定手段により特定された水温度の履歴に基づいて、前記通水路中に水が残されているか否かを推定する推定手段と、を備えており、前記開閉制御手段は、前記推定手段により水が残されていることが推定された場合に前記加熱手段により前記通水路を加熱させる。
この構成であれば、通水路の開閉が行われた以降、通水路内に水が残されていると推定される場合に、通水路を加熱して水が凍結しないようにすることができ、これにより、凍結による通水路の破損を防止することができる。
この構成における推定手段は、水温度の履歴に基づいて水が残されているか否かを判定するものであればよく、例えば、水温度の履歴で規定される温度推移のパターンと、外気温における温度推移のパターンとを対比し、両パターンの相関性が他と比べて低下している時間帯があることをもって、通水路内に水が残されていると判定すればよい。
例えば、通水路の開閉が行われた以降、一定時間だけ加熱手段による加熱を実施し、その後に検出される水温度の変化パターンが、通水路に水が残っていない場合におけるパターンと所定のしきい値以上相違している(具体的には、温度変化が遅い)ことをもって、通水路内に水が残されていると判定することとしてもよい。
給湯器の全体構成を示す図 手動給湯動作を示すフローチャート 風呂給湯動作を示すフローチャート 予約運転動作を示すフローチャート 凍結防止動作を示すフローチャート
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(1)全体構成
給湯器は、図1に示すように、給水された水を加熱して出湯する給湯部1と、浴槽100に貯留された水を保温する保温部3と、各部の動作を制御する制御部5と、を備える。
給湯部1は、外部から給水される水を出湯箇所まで通水する通水路11、通水路11の途中に介挿された給湯側熱交換器13、通水路11において給湯側熱交換器13が設けられた経路を加熱するガスバーナ15などで構成されている。なお、本実施形態においては、浴槽100、および、給湯栓200直下が出湯箇所となっている。
これらのうち、通水路11には、給湯側熱交換器13より上流側に、外部から給水される水の温度(入水温度)を検出する入水温検出センサ17および凍結防止用ヒータ61が設けられ、同経路の下流側2箇所に、この経路を経て加熱された水の温度を検出する加熱温度検出センサ19が設けられている。
また、通水路11には、上流側(給水側)から順に、給水される水を濾過するストレーナ21、給水される水の水量を検出する水量センサ23、通水路11における水量を制御する水量制御弁25が設けられている。
また、通水路11の下流側(出湯箇所側)では、浴槽100側へと至る風呂行き流路27が分岐しており、この風呂行き流路27には、風呂行き流路27を開閉して通水を制御する通水弁28、風呂行き流路27を経て浴槽100側へと供給された水量(総量)を検出するための落とし込み水量センサ29が設けられている。
また、通水路11のうち、給湯側熱交換器13より下流側には、通水路11を大気と連通する連結部位63が形成されており、この連結部位63には、通水路11を開閉して通水を制御する連通弁65が設けられている。この連結部位63は、水量制御弁25から通水弁28へと至る経路のうち、通水弁28に対して高さ方向に最も離れた位置に配置されている。
なお、通水路11には、通常の給水源(水道管)だけでなく、太陽光温熱器300からの給水を受けるための温熱路310を接続可能とし、この太陽光温熱器300からも選択的に給水を受けられるように構成してもよい。
保温部3は、浴槽100との間で水を循環可能な経路として浴槽100に接続された循環路31、浴槽100に貯留された水を浴槽100と循環路31との間で循環させる循環ポンプ33、循環路31における一部経路の外周に設けられた保温側熱交換器35、循環路31において保温側熱交換器35が設けられた経路を加熱するガスバーナ37、循環路31における一部経路の外周に設けられた送風側熱交換器41、循環路31において送風側熱交換器41が設けられた経路に向けて送風する送風機43などで構成されている。
これらのうち、循環ポンプ33は、循環路31において水が循環する経路の上流側、具体的には保温側熱交換器35と浴槽100との間に設けられている。
また、循環路31には、水が循環する経路の上流側に、浴槽100に貯留されていた水の温度を検出する浴槽温度検出センサ45が設けられ、同経路の下流側に、保温側熱交換器35が設けられた経路を経て加熱された水の温度を検出する加熱温度検出センサ47が設けられている。
また、この循環路31には、水が循環する経路の上流側、具体的には浴槽100と循環ポンプ33との間に風呂行き流路27が接続されており、風呂行き流路27から供給される水は、この接続部から循環路31を介して浴槽100に落とし込まれる。
また、送風側熱交換器41は、循環路31において水が循環する経路の下流側、具体的には保温側熱交換器35が設けられた経路よりも下流側に設けられている。
制御部5は、内蔵するマイコンなどにより各部の動作を制御するコントローラ51、浴室外でユーザの操作を受け付けるメインリモコン53、浴室内でユーザの操作を受け付けるサブリモコン55などで構成されている。これらのうち、サブリモコン55には、浴槽100周辺の外気温度を検出する外気温検出センサ57が備えられている。
(2)給湯器の動作
上述した給湯器は、ユーザの操作を受けた際に、コントローラ51が各部の動作を制御することにより、以下に示す各種動作を行う。なお、以下の動作は、スタンバイ状態(電源オン)になっていることを条件に行われる。
(2−1)手動給湯動作
はじめに、給湯栓200が開かれることにより開始される手動給湯動作の手順を図2に基づいて説明する。
まず、コントローラ51は、水量センサ23に検出される通水路11内の水量を監視し、その水量が一定以上になるまで待機状態となる(s130:NO)。
そして、水量センサ23に検出される水量が一定以上となった場合に(s130:YES)、コントローラ51は、ガスバーナ15による通水路11の加熱を開始させる(s140)。このときの加熱は、加熱温度検出センサ19に検出された温度が、あらかじめ設定された設定温度付近で保たれるように制御される。
その後、コントローラ51は、水量センサ23に検出される水量が一定以上となっている間(s150:NO)、ガスバーナ15による通水路11の加熱を継続し、水量が一定未満となったら(s150:YES)、その加熱を停止させる(s160)。
ここまでの動作は、給湯器がスタンバイ状態となっている間、繰り返される。
なお、給湯器のスタンバイ状態が解除(電源オフ)された場合には、上述したガスバーナ15による通水路11の加熱は停止され、手動給湯動作が直ちに終了する。
(2−2)風呂給湯動作
続いて、ユーザがメインリモコン53またはサブリモコン55に対し、浴槽100への給湯を行う旨の操作(例えば、特定のスイッチ操作)を行うことにより開始される風呂給湯動作の手順を図3に基づいて説明する。
まず、コントローラ51は、通水弁28に風呂行き流路27を開放させることで、通水路11から浴槽100へと至る経路を形成する(s210)。
次に、コントローラ51は、水量制御弁25を動作させることで、通水路11への一定水量での入水を開始させる(s220)。
こうして、通水路11への入水が開始されたら、コントローラ51は、水量センサ23に検出される水量が一定以上になるまで待機状態となり(s230:NO)、一定以上となった場合に(s230:YES)、コントローラ51は、ガスバーナ15による通水路11の加熱を開始させる(s240)。このときの加熱は、上記と同様、設定温度付近で保たれるように制御される。
これにより、通水路11から風呂行き流路27および循環路31の一部を介して、浴槽100への出湯が行われるようになる。
その後、コントローラ51は、落とし込み水量センサ29にて検出された水量の総量が、あらかじめ設定された設定水量に到達するまでの間(s250:NO)、ガスバーナ15による通水路11の加熱を継続し、水量の総量が設定水量に到達したら(s250:YES)、その加熱を停止させる(s260)。
次に、コントローラ51は、水量制御弁25を動作させることで、通水路11への入水を停止させる(s270)。
次に、コントローラ51は、通水弁28に風呂行き流路27を閉鎖させることで、通水路11から浴槽100への経路を閉鎖する(s280)。
上記のように、通水路11への入水が停止され(s270)、通水路11から浴槽100への経路が閉鎖され(s280)、上述したガスバーナ15による通水路11の加熱が停止された後、風呂給湯動作が終了する。
次に、コントローラ51は、浴槽100に貯留された水の保温を行う「保温モード」に設定されているか否かがチェックされる(s310)。この保温モードとは、浴槽100に貯留された水の保温を行う動作モードであり、メインリモコン53またはサブリモコン55に対する特定の操作で設定または設定解除がなされる。
ここで「保温モード」に設定されていない場合(s310:NO)、風呂給湯動作が終了する。
一方、「保温モード」に設定されている場合(s310:YES)、コントローラ51は、循環ポンプ33を作動させることにより、浴槽100に貯留された水の循環を開始させる(s320)。
こうして、浴槽100に貯留された水の循環が開始された後、コントローラ51は、浴槽温度検出センサ45により検出される温度を監視し、その温度が設定温度以上となっている間、待機状態となる(s330:YES、s340:NO)。この待機状態のときに「保温モード」が設定解除されると(s340:YES)、循環ポンプ33の停止により水の循環が停止させられた後(s390)、風呂給湯動作が終了する。
一方、浴槽温度検出センサ45により検出される温度が設定温度未満となったら(s330:NO)、コントローラ51は、ガスバーナ37による循環路31の加熱を開始させる(s350)。このときの加熱は、加熱温度検出センサ47に検出された温度が、設定温度付近で保たれるように制御される。
こうして、加熱温度検出センサ47に検出された温度が設定温度未満となっている間(s360:YES、s370:NO)、コントローラ51は、ガスバーナ37による循環路31の加熱を継続する。この加熱継続中にも、「保温モード」が設定解除されると(s370:YES)、循環ポンプ33の停止により水の循環が停止させられた後(s390)、風呂給湯動作が終了する。
そして、ガスバーナ37による循環路31の加熱継続中に、加熱温度検出センサ47に検出された温度が設定温度以上となったら(s360:NO)、ガスバーナ37による循環路31の加熱を停止させる(s380)。
ここまでに行われる循環路31の加熱開始および停止は、「保温モード」が設定解除されるまで繰り返される(s330〜s380)。
なお、水の循環および循環路31の加熱中に、給湯器のスタンバイ状態が解除された場合には、循環ポンプ33による水の循環、および、上述したガスバーナ37による循環路31の加熱は停止され、直ちに風呂給湯動作が終了する。
(2−3)予約運転動作
続いて、メインリモコン53またはサブリモコン55に対し、予約運転を指令する操作が行われることにより開始される予約運転動作の手順を図4に基づいて説明する。この「予約運転を指令する操作」とは、予約時刻および予約温度を任意に指定し、予約時刻に予約温度の水を浴槽100に貯留した状態とすべきことを指令するための操作である。
まず、コントローラ51は、指定された予約時刻および予約温度を、予約運転ためのパラメータ(設定時刻、設定温度)として設定(内蔵メモリに記憶)する(s400)。以降、こうして設定された予約時刻、予約温度は、「設定時刻」「設定温度」とする。
次に、コントローラ51は、設定時刻までの残り時間をチェックし(s410)、残り時間が所定のしきい値以下となるまで待機状態となり(s410:NO)、残り時間がしきい値以下となったら(s410:YES)、上述したのと同様の風呂給湯動作を行った後(s420)、予約運転動作を終了する。
この「しきい値」は、浴槽100に設定水量の水を貯留するのに必要な時間として定められる値であり、具体的にいえば、風呂給湯動作において設定時間までに設定温度の水を貯留するのに必要となる時間のことである。
(2−4)凍結防止動作
続いて、給湯器がスタンバイ状態となった以降、繰り返し行われる凍結防止動作を図5に基づいて説明する。
まず、コントローラ51は、上述した手動給湯動作および風呂給湯動作のいずれか(他の動作)が行われている間、待機状態となる(s500:NO)。
一方、いずれの動作も行われていなければ(s500:YES)、コントローラ51は、通水路11内の温度(水温度)を検出し(s510)、その温度が、水が凍結する可能性がある範囲外の値として設定された所定の設定温度以下であるか否かをチェックする(s520)。ここでは、入水温検出センサ17、加熱温度検出センサ19それぞれにより検出される温度がチェックされ、いずれかが設定温度以下であれば、温度が設定温度以下である、と判定される。
ここで、検出された温度が設定温度より高くなっていれば(s520:NO)、コントローラ51は、外気温度を検出し(s530)、その温度が、上記と同様の設定温度以下であるか否かをチェックする(s540)。ここでは、外気温検出センサ57により検出される温度に基づいて判定が行われる。
ここで、検出された温度が設定温度より高くなっていれば(s540:NO)、上述した他の動作が行われているか否かのチェックに戻る(s540→s500)。
また、通水路11内の水温度が設定温度以下となっている場合(s520:YES)、または、外気温度が設定温度以下となっている場合(s540:YES)、コントローラ51は、水量制御弁25を動作させることで通水路11の上流側を閉鎖する(s550)。
次に、コントローラ51は、通水弁28を動作させることにより、通水路11の下流側に位置する風呂行き流路27を開放させると共に(s560)、連通弁65を動作させることにより通水路11を大気側と連通させる(s570)。
これにより、連結部位63を介して大気側から浴槽100へと至る経路が形成される。このとき、連結部位63を介して大気側との間で空気の流通経路が形成されるため、通水路11に水が残留している場合において、この水は、通水路11の下流側に落とし込まれ、浴槽100へと排出されることになる。
次に、コントローラ51は、通水路11内の温度(水温度)および外気温を一定時間(例えば、10秒)にわたって検出した履歴を取得する(s580)。ここでは、入水温検出センサ17、加熱温度検出センサ19それぞれにより検出される温度のいずれか、または、2つ以上の温度の平均値、が一定時間にわたって監視され、その推移である履歴が、水温度の履歴として取得される。また、外気温検出センサ57により検出される温度が一定時間にわたって監視され、その水位である履歴が、外気温の履歴として取得される。
次に、コントローラ51は、上記取得された履歴で規定される温度推移のパターンに基づいて、通水路11内に水が残留しているか否かをチェックする(s590)。ここでは、温度の履歴で規定される温度推移のパターンを、外気温の履歴で規定されるパターンと対比し、両パターンの相関性が他と比べて低下している時間帯があることをもって、通水路11内に水が残されていると判定する。
上述したチェックの結果、通水路11内に水が残されていると判定した場合(s590:YES)、コントローラ51は、凍結防止用ヒータ61による通水路11の加熱を行う(s600)。ここでは、入水温検出センサ17、加熱温度検出センサ19のうち、少なくともいずれかの温度が設定温度以上となるまでの間、凍結防止用ヒータ61による通水路11の加熱が継続的に行われる。このときの加熱時間は、通水路11内に残されている水を凍結するのに充分な時間として定められたものである。
こうして、通水路11の加熱が行われた後(s600)、または、通水路11内に水が残されていないと判定された場合(s590:NO)、コントローラ51は、水量制御弁25、通水弁28および連通弁65それぞれを動作させることで開閉状態を初期状態へと戻した後(s610)、上述した他の動作が行われているか否かのチェックに戻る(s610→s500)。
本実施形態において、この初期状態とは、例えば、水量制御弁25および通水弁28が通水路11を閉鎖し、連通弁65が連結部位63を閉鎖している状態のことである。
(3)作用,効果
このように構成された給湯器によれば、外気温度および水温度のいずれかが所定の温度以下となった際に、通水路11の上流側と閉じ、かつ、下流側を開くことにより(図5のs550,s560)、通水路11に残された水を通水路11の下流側から排出することができる。
そのため、この「所定温度」を通水路内に残された水が凍結する可能性がある範囲外に設定しておけば、この水が凍結する前に通水路11の下流側から排出することで、水の凍結による通水路11の破損を防止することができる。
このように、外気温度または水温度に応じて水を排出することで通水路11の破損を防止できることから、通水路11に残存する水を加熱する凍結防止用ヒータ61への通電量を低減することが可能となる。特に、設定温度を、水が凍結する温度よりも一定温度だけ高く設定しておくことにより、凍結防止用ヒータ61等を廃止することも可能となる。
こうして、凍結防止用ヒータ61等を廃止したり、凍結防止用ヒータ61への通電量を低減したりすることで、結果的に給湯器の消費(運転)エネルギーを低減することができる。
また、上記実施形態では、通水路11における連結部位63を大気と連通することにより(図5のs570)、大気側から通水路11の下流側に至る空気の流路を形成できるため、通水路11に残存する水をより排出しやすくすることができる。
また、上記実施形態では、通水路11の開閉が行われた以降(図5のs550〜s570)、通水路11内に水が残されていると推定される場合に(同図s590「YES」)、通水路11を加熱して水が凍結しないようにすることができ、これにより、凍結による通水路11の破損を防止することができる。
(4)変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態においては、浴槽100周辺の外気温度を、外気温検出センサ57により直接的に特定するように構成されている。しかし、浴槽100周辺の外気温度は、例えば、浴槽温度検出センサ45、加熱温度検出センサ19などの検出値に基づいて推定する、つまり間接的に特定するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、サブリモコン55に外気温検出センサ57が設けられているが、この外気温検出センサ57は、サブリモコン55以外の構成要素や、浴室内部に設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、凍結防止動作において、入水温検出センサ17、加熱温度検出センサ19それぞれにより検出されるいずれかの温度が設定温度以下であることをもって、水温度が設定温度以下であると判定するように構成されている(図5のs520)。しかし、ここでは、いずれか特定の温度が設定温度以下であることをもって、水温度が設定温度以下であると判定するように構成してもよい。
また、上記実施形態においては、通水路11の開閉が行われた以降(図5のs550〜s570)、水温度の履歴で規定される温度推移のパターンを、外気温度の履歴で規定されるパターンと対比し、両パターンの相関性が他と比べて低下している時間帯があることをもって、通水路11内に水が残されていると判定している(同図s590)。
しかし、ここでは、通水路の開閉が行われた以降、一定時間だけ凍結防止用ヒータ61による加熱を実施し、その後に検出される水温度の変化パターンが、通水路11に水が残っていない場合におけるパターンと所定のしきい値以上相違していることをもって、通水路11内に水が残されていると判定する構成としてもよい。
(5)本発明との対応関係
以上説明した実施形態において、水量制御弁25が本発明における止水手段であり、通水弁28が本発明における給水手段であり、連通弁65が本発明における大気連通手段であり、凍結防止用ヒータ61が本発明における加熱手段であり、図5のs530が本発明における外気温特定手段であり、同図s510,s580が本発明における水温特定手段であり、同図s550〜570が本発明における開閉制御手段であり、同図s590が本発明における推定手段である。
1…給湯部、3…保温部、5…制御部、11…通水路、13…給湯側熱交換器、15…ガスバーナ、17…入水温検出センサ、19…加熱温度検出センサ、21…ストレーナ、23…水量センサ、25…水量制御弁、27…風呂行き流路、28…通水弁、29…込み水量センサ、31…循環路、33…循環ポンプ、35…保温側熱交換器、37…ガスバーナ、41…送風側熱交換器、43…送風機、45…浴槽温度検出センサ、47…加熱温度検出センサ、51…コントローラ、53…メインリモコン、55…サブリモコン、57…外気温検出センサ、61…凍結防止用ヒータ、63…連結部位、65…連通弁、100…浴槽、200…給湯栓、300…太陽光温熱器、310…温熱路。

Claims (2)

  1. 給水された水を加熱して浴槽に出湯可能な給湯器であって、
    当該給湯器外部から給水された水が流通する通水路と、
    前記通水路の上流側を開閉する止水手段と、
    前記通水路の下流側を開閉する給水手段と、
    外気温度を特定する外気温特定手段と、
    前記通水路を流通する水の温度(水温度)を特定する水温特定手段と、
    前記外気温特定手段により特定された外気温度、および、前記水温特定手段により特定された水温度のうち、少なくともいずれかの温度が所定温度以下となった際、前記止水手段により前記通水路の上流側を閉じると共に、前記給水手段により前記通水路の下流側を開く開閉制御手段と、
    前記止水手段から前記給水手段へと至る前記通水路のうち、該通水路を流通する水との熱交換が行われる区間よりも下流側に位置する連結部位を、大気側と連通可能な状態とする大気連通手段と、を備えており、
    前記開閉制御手段は、前記外気温度および前記水温度のうち、少なくともいずれかの温度が所定温度以下となった際に、前記止水手段により前記通水路の上流側を閉じ、前記給水手段により前記通水路の下流側を開くと共に、前記大気連通手段により前記連結部位を大気側と連通させる
    ことを特徴とする給湯器。
  2. 前記通水路を加熱する加熱手段と、
    前記開閉制御手段による前記通水路における開閉動作以降、前記水温特定手段により特定された水温度の履歴に基づいて、前記通水路中に水が残されているか否かを推定する推定手段と、を備えており、
    前記開閉制御手段は、前記推定手段により水が残されていることが推定された場合に前記加熱手段により前記通水路を加熱させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の給湯器。
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