JP5148280B2 - 物品携行用カートンと、該カートンを形成するブランク及び方法 - Google Patents

Description

本発明は、たとえばボトルのような複数の類似の物品を包装するためのカートンに関する。さらに詳しく言うと、本発明は、ボトルの上端部に対して取り付けられる上端部把持型(top gripping type)カートンに関する。

物品を受けるための開口部を具備してなる上端部把持型物品携行器が提供されているのは周知である。開口部はたいていサンバースト開口部であり、これは、この開口部からボトルが移動するのを阻止するべく、ボトル上端部あるいはクラウンコルクの下面と係合する周方向に配置された一続きのタブを有する。そうした開口部に関する問題はタブがボトルと係合する場所であり、これはカートンを不安定なものとすることがあり、しかもタブはカートン内のボトルの不安定な特性によって強度が低下することがある。したがって、カートン内でのボトルの移動を制限する上端部把持型カートンの使用が望ましい。また、たとえばヨーグルト容器などの孔が開きやすい蓋を有する物品の蓋を上面パネルが保護するようなカートンを使用することが多くの場合に好ましい。

この種のカートンは公知であり、たとえば特許文献１(Foushee)には、二つの列に含まれる物品を保持すると共に分離させるのに好適なキール構造を有するカートンが開示されている。こうしたカートンに関連する問題は、一つの列の物品の上端部が他の列の物品の上端部に向って傾くことがあるというものである。これは運搬を困難なものとし、そしてこれはカートンの欠点である。この問題は、物品高のかなりの比率のサイドパネルを付加することによってある程度は解消されるが、これは不経済な付加的材料を必要とする。したがって、丈夫でしかも堅固な、そしてその中で保持された物品を支持する上端部把持型カートンを提供することが望まれている。また、カートン内で保持された物品の移動を制限すると共に、組み立てが容易でありかつ最小限の材料しか必要としない物品携行器を提供することが望まれている。
米国特許第5,984,086号明細書

本発明の目的は、従来技術の上記およびその他の問題を防止するか、あるいは少なくともそれを軽減することである。物品の移動を制限すると同時に、離間配置状態で上面および底面パネルを維持するために位置決めサポートが設けられる。

第１の態様によれば、本発明は、複数列に配置された類似の物品、たとえばボトルを包装するためのカートンを提供するが、当該カートンは、筒状構造体を形成するために、連続して折り曲げ可能に一続きに連結された、上面パネルと第１の側面パネルと底面パネルと第２の側面パネルとを含む、複数の主パネルと、キール構造体とを具備してなり、キール構造体は、底面パネル内に形成されると共に、物品の複数の列の間に配置されており、キール構造体は、第１の中間パネルと、上部連結パネルと、第２の中間パネルと、相補的掛止機構とを具備してなり、相補的掛止機構は二つの係合部分を具備してなり、一方の係合部分は第１の中間パネルから打ち抜き形成されると共に中間パネルに折り曲げ可能に連結されており、他方の係合部分は第２の中間パネルから打ち抜き形成されており、第２の部分と係合する第１の係合部分は第１および第２の中間パネルを互いに掛止し、これによって物品の複数の列の間に剛体状のキール構造体が形成されると共に、これによって各列内に含まれる物品の内向きの移動が抑止されるようになっている。

さらに、上記底面パネルに対して折り曲げ可能に連結された掛止機構の一方の係合部分は雄型タブとすることができ、しかも相補的掛止機構の他方の係合部分は、この雄型タブを受けるための開口部とすることができる。

好ましくは、上記開口部は変位可能な雌型タブによって形成され、この変位可能な雌型タブは、上記開口部内での上記底面パネルに連結された雄型タブの掛止(ロック)を容易なものとする。

あるいは、前記底面パネルに連結された雄型タブは、逆「Ｖ」字形状をなすよう屈曲させられる。

任意選択で、変位可能な雌型タブは切込みを具備してなり、しかも上記屈曲した雄型タブはこの切込み内に嵌め込み可能であり、これによって二つの係合部分の係合がさらに容易なものとなる。

さらに、開口部は二つの変位可能な雌型タブによって画定され、かつ底面パネルに連結された雄型タブはこれら二つの変位可能な雌型タブの間に挟み込まれ、これによって底面パネルに連結された雄型タブは係合ならびに掛止(ロック)状態で維持される。

好ましくは、上記二つの変位可能な雌型タブのうち一方は、相補的突出部を具備してなり、この突出部および上記切込みは協働可能であり、これによって両者間での底面パネルに連結された雄型タブの掛止(ロック)がさらに容易なものとなる。

好ましくは、キール構造体の上部連結パネルはカートンの上面パネルに固定され、これによってカートンに剛性が付与される。

任意選択で、キール構造体の第１および第２の中間パネルならびカートンの第１および第２の側面パネルはそれぞれ、物品の所定部分を受けるための物品係合開口部を具備してなり、これによって各物品の垂直移動が抑止される。

第２の態様によれば、本発明は、複数列に配置された複数の類似の物品、たとえばボトルを包装すると共に各列に含まれる物品の移動を抑止するためのキール構造体を有するカートンを形成するためのブランクを提供する。当該ブランクは、連続して折り曲げ可能に一続きに連結された、上面パネルと第１の側面パネルと底面パネルと第２の側面パネルとを含む、複数の主パネルと、キール構造体を形成するために、連続して折り曲げ可能に一続きに連結された、第１の中間パネルと、上部連結パネルと、第２の中間パネルとを含む基礎パネルを前記底面内に具備してなる。キール構造体はさらに相補的掛止機構を具備してなり、この相補的掛止機構は二つの係合部分を具備してなり、一方の係合部分は第１の側面パネルによって提供されると共に前記底面パネルに対して折り曲げ可能に連結されており、他方の係合部分は第２の中間パネルによって提供されるが、カートンの組み立て時、第２の係合部分と係合する第１の係合部分は第１および第２の中間パネルを互いに掛止し、これによって、剛体状のキール構造体が、組み上がったカートン内の物品の複数の列の間に形成され、第１および第２の中間パネルのそれぞれが、キール構造体に対して物品によって加えられる力の水平および垂直成分の両方を吸収するよう配置され、これによって、各列に含まれる物品の内向きの移動が抑止されるようになっている。

好ましくは、組み上がったカートンのキール構造体は実質的に断面が三角形であり、そしてさらに一層好ましくは、このキール構造体の第１および第２中間パネルはさらに、それぞれ物品の所定部分と係合するための物品係合開口部を具備してなり、これによって組み上がったカートン内での物品の垂直移動が抑止される。

加えて、上記底面パネルに対して折り曲げ可能に連結された相補的掛止機構の一方の係合部分は雄型タブであってもよく、そして相補的掛止機構の他方の係合部分は、このタブを受けるための開口部であってもよい。

キール構造体の上部連結パネルは、組み上がったカートンの上面パネルに固定される。

好ましくは、底面パネルは、それぞれ物品を受けるための、そこから打ち抜き形成された一連の物品受け開口部を有する。

第３の態様によれば本発明は、複数列に配置された、たとえばボトルのような類似の物品を包装するためのカートンを形成する方法を提供するが、カートンは平坦なブランクから形成され、ブランクは、筒状構造体を形成するために、連続して折り曲げ可能に一続きに連結された、上面パネルと、第１の側面パネルと、それぞれ物品を受けるための物品受け開口部を備えた底面パネルと、第２の側面パネルとを含む複数の主パネルを有しており、カートンはキール構造体を具備してなり、キール構造体は底面パネル内に形成されると共に物品の複数の列の間に配置されており、キール構造体は、第１の中間パネルと、上部連結パネルと、第２の中間パネルと、相補的掛止機構とを具備してなり、相補的掛止機構は二つの係合部分を具備してなり、一方の係合部分は第１の側面パネルの一部から打ち抜き形成されると共に中間パネルに折り曲げ可能に連結されており、他方の係合部分は第２の側面パネルから打ち抜き形成されており、上記方法は、
（ｉ）ブランクの底面パネルに形成された物品受け開口内に複数列の物品を装填するステップと、
（ｉｉ）物品の所定部分の高さまで底面パネルを上昇させるステップと、
（ｉｉｉ）キール構造体の第１および第２の中間パネルが底面パネルの面から変位するように複数列の物品を互いの列に向けて移動させるステップと、
（ｉｖ）相補的掛止機構の第１の係合部分を第２の係合部分と係合させ、これによって物品の列の間にキール構造体を形成すると共に、これによって各列に含まれる物品の内向きの移動を抑止するステップとを具備する。

以下、添付図面を参照して、本発明の二つの代表的な実施形態について実例としてのみ説明する。

図１ないし図５には本発明の第１実施形態を示す。これらの図を通じて、同一の参照数字は、本発明の同一のあるいは同じ特徴部を指し示すのに用いている。図６および図７は第２実施形態を示しており、同じ参照数字はこの第２実施形態の同じ部分を指し示すのに用いているが、二つの実施形態を区別するために、参照数字には、さらに「１００」を付加している。

図１には、それから図５のカートン１０が形成されるブランク１２を示す。ブランク１２は、図１から分かるように垂直方向に長尺であり、かつこの実施形態では板紙から形成されている。だがブランク１２は、たとえばプラスチックシートなどの、その他の折り曲げ可能な材料から形成できる。本発明を理解する助けとして図２〜図５には、２×３列に配置されたボトル「Ｂ」を示す。

図１を参照すると、ブランク１２は、カートン壁を形成するための一続きの基礎パネル、すなわち第１の上面パネル６０と、第１の側面パネル６２と、第１の底面パネル６４と、第１の中間パネル６６と、上部連結パネル６８と、第２の中間パネル７０と、第２の底面パネル７２と、第２の側面パネル７４と、第２の上面パネル７６とを具備してなる。これら基礎パネルは、断続する折り曲げ線８２，８４，８６，８８，９０，９２および９４に沿って、連続して折り曲げ可能に一続きに連結されている。

第１および第２の底面パネル６４,７２のそれぞれは、三つの物品受け開口部５０を備えるが、これはそれぞれボトル「Ｂ」を受け入れる形状となっている。本発明のカートン１０は、特に、底部よりも上端部の寸法が大きな形状となったボトル「Ｂ」と共に使用するためのものである。それゆえ各物品受け開口部５０は、ボトル「Ｂ」の底部を受け入れかつボトル「Ｂ」のフランジ状上端部の下面と係合するようなサイズとなっている。これは図２に示すとおりである。

第１および第２の側面パネル６２,７４ならびに第１および第２の中間パネル６６,７０は、それぞれボトル「Ｂ」のフランジ状上端部の一部を受けるための、一連の物品係合開口部５２をそれぞれ備える。さらに第１および第２の中間パネル６６,７０は、相補的掛止すなわち固定機構を備えるが、これは、この実施形態では、少なくとも一つの雄型タブ５４を備え、この雄型タブ５４は、適当に形成された開口部５６内に納まるよう構成されている。この実施形態では、雄型タブ５４は、部分的に第２の中間パネル７０から、そして部分的に第２の底面パネル７２から打ち抜き形成されており、この結果、各雄型タブ５４の係合部は所定形状の切断線によって形成され、かつ各雄型タブ５４は第２の底面パネル７２に対して折り曲げ可能に連結されたままとなっている。同様に、相補的開口部５６は所定形状の雌型タブ５６から形成されるが、この雌型タブ５６は第１の中間パネル６６から打ち抜き形成され、かつ折り曲げ線あるいは低強度線５７に沿って第１の中間パネル６６に対して折り曲げ可能に連結されている。所定形状の雌型タブ５６は第１の中間パネル６６の面から変位可能であり、これによって開口部５６が第１の中間パネルに形成されるようになっており、この中には雄型タブ５４を挿入できる。雄型タブ５４および開口部５６は、雄型タブが開口部５６と相互係合可能でありかつ開口部５６内に掛止(固定)可能であるような形状となっている。

図６のブランク１１２および図７の半完成カートンによって示される第２実施形態では、相補的掛止機構は異なる形態を有する。雄型タブ１５４は、その中央に配置された低強度線１４３を中心として屈曲させることができるような形状となっている。雄型タブ１５４は、屈曲した折り曲げ線１５８および１５９を介して第２の底面パネル１７２に対して折り曲げ可能に連結された状態となっている。さらに、開口部１５６が、第１の相補的形状の雌型タブ１５６を変位させることによって部分的に形成されるが、この雌型タブ１５６は、第１の中間パネル１６６の面から変位可能でありかつ折り曲げ線１５７に沿って中間パネル１６６に対して折り曲げ可能に連結された状態となっている。第２実施形態では、第１の雌型タブ１５６は半円線によって形成された半円形切込み１４５を具備してなるが、これは屈曲した雄型タブ１５４上に位置させられ、雄型タブ１５４を開口部１５６内で保持する。図６に示す第２実施形態では開口部１５６は単一の変位可能な雌型タブ１５６によって形成されるが、第２の変位可能な雌型タブ１４６を設けることも考えられ、これはやはり第１の中間パネル１６６から打ち抜き形成されるが、折り曲げ線１８２に沿ってカートンに対して折り曲げ可能に連結された状態となっている。このさらなる例では、二つの変位可能な雌型タブ１５６および１４６は協働で雄型タブ１５４を掛止(固定)状態にて保持する。

第１および第２実施形態の相補的掛止機構について、本発明の上端部把持クリップ１０内に形成されたキール構造体の構造を参照して、さらに詳しく説明する。本発明のキール構造体および相補的掛止機構について、上端部把持クリップ型のカートンに関連付けて説明するが、先の説明から、上記キール構造体および相補的掛止機構はそれぞれ他のタイプのカートンにおいても用途を有することは当業者には明白であろうし、本発明は、一つの用途に係る実例としてのみ扱った、本明細書で説明したカートンにその適用が限定されるものと解釈すべきではない。

第１実施形態のカートン１０の組み立てに目を移すと、一連の折り曲げおよび接着工程が必要となるが、これは好ましくは直線型装置において実施でき、これによって、組み立てを成し遂げるために、ブランク１２を回転させたりあるいは裏返したりする必要がなくなる。折り曲げ工程は以下で説明するそれに限定されるものではなく、特定の製造要件に従って変更可能である。

ブランク１２からカートン１０を形成するためには、３個ずつ２列に配置された６個のボトル「Ｂ」をそれぞれ、第１および第２の底面パネル６４,７２に形成されたボトル受け開口部５０と整列状態で配置する。続いては、図２に示すように、ブランク１２を実質的に垂直に持ち上げる。続いてはボトルの二つの列を互いに接近させると共にブランク１２を折り曲げ線８８および８６を中心として折り曲げる。これによって、第１および第２の中間パネル６６,７０を、第１および第２の底面パネル６４,７２の面から回動させ、そして互いに近接させる。上部連結パネル６８は、第１および第２の中間パネル６６,７０が折り曲げ線８６および８８によって画定される縁部において互いに当接(この状態では上部連結パネル６８がボトル「Ｂ」の上端部と平面接触するようその上に載る)するまで、底面パネル６４,７０の面から上方に変位させる。第１および第２の中間パネル６６,７０を一緒に移動させるとき、雄型タブ５４は対応する形状の雌型タブ５６と係合し、しかも雄型タブ５４が開口部５６内に収容され、これによって第１および第２の中間パネル６６,７０が互いに掛止されるように第１の中間パネルの面から所定形状のタブを変位させるのに利用可能である。このようにして、上部連結パネル６８と、第１の中間パネル６６と、第２の中間パネル７０とは、図３に示すように三角形断面のキール構造体を形成する。

中間パネル６６,７０のそれぞれに設けられた所定形状の物品係合開口部５２はそれぞれボトル「Ｂ」の所定部分と係合し、かつこの所定部分がキール構造体の三角形空隙内に突出することを可能とする。これによって、上部連結パネル６８がボトル「Ｂ」の上面に載ることが可能となる。上部連結パネル６８は、カートンの上面パネルと物品係合開口部５２の下側縁部との間に、(キール構造体に隣接してカートン１０内に収容されたボトルの)フランジ状縁部を挟み込むよう第１の上面パネル６０に対して固定できる。このようにして、第１および第２の中間パネル６６,７０のそれぞれに設けられた所定形状の物品係合開口部５２はまた、完成したカートン１０内でボトル「Ｂ」の移動を拘束しかつ制限するのに役立つ。

ボトル「Ｂ」の周りでカートン１０の組み立てを成し遂げるために、図４に示すように、第１および第２の側面パネル６２,７４は折り曲げ線８２および９２を中心として、それぞれ上側に９０°折り曲げる。第１および第２の側面パネル６２,７４の物品係合開口部５２はそれぞれボトル「Ｂ」のフランジ状部分の上側および下側縁部と係合する。続いては、第２の上面パネル７６を折り曲げ線９４を中心として折り曲げて、隣接する各ボトルの上側縁部と平面接触状態となるようにする。続いては、第２の上面パネル７６および上部連結パネル６８の外面に対して接着剤を塗布する。最後に、上面パネル６０を折り曲げ線８０を中心として折り曲げ、そして第２の上面パネル７６および上部連結パネル６８と平面接触状態となるようにする。こうすることで、第１の上面パネル６０が第２の上面パネル７６および上部連結パネル６８に対して固定され、これによってカートン１０の組み立てが完了となる(その状態を図５に示す)。

こうして得られたカートン１０は６個のボトルからなる列を確実に包装(保持)し、しかもカートン１０内でのボトルの動きを抑止できる。ボトル上端部の内側への動きはキール構造体によって阻止でき、かつ外側への動きは、相補的掛止機構ならびに第１および第２の側面パネル６２,７４の両方によって阻止できる。底側装填式カートン１０は、ボトル「Ｂ」からなる列用の安定した丈夫な携行器を提供できるが、これは直線型装置において、ボトルの周りで簡単に組み立てることができる。折り曲げ線８２,８４,８６,８８,９０,９２および９４に予め切り込みを入れておくことによって、カートン１０の組み立てが容易なものとなる。

キール構造体(これは、主として、第１の中間パネル６６,１６６と、第２の中間パネル７０,１７０と、上部連結パネル６８,１６８とを具備してなる)は、雄型タブ５４,１５４および開口部(開口部は変位可能な雌型タブ５６,１５６によってもたらされる)からなる一つ以上の対によって実現される相互係合可能な相補的掛止機構によって、カートン１０内で一つに保持される。

第２実施形態では、雄型タブ１５４は中央折り曲げ線１４３を中心として屈曲しており、この結果、雄型タブ１５４の頂点すなわち上端は、雌型タブ１５６に形成された実質的に半円形切込み１４５内で固定される。さらに第２の雌型タブ１４６を設けることができ、しかも第２の雌型タブ１４６が設けられる場合、それは雌型タブ１５６の半円形切込みと類似の形状の半円形突出部を有することができ、これによって、屈曲させられた雄型タブ１５４は、この雄型タブの上面上に載る半円形切込み１４５と、キール構造体の第１の側面パネル１６６の面からカートンの底面パネル１６４,１７２に対して起立したポジションへと変位可能な雌型タブ１４６との間にて掛止(ロック)された係合ポジションで保持される。開口部１５６内で雄型タブ１５４を確実に掛止するためには、第２の変位可能な雌型タブ１４６は必ずしも必要ではないが、本発明のさらなる例では、折り曲げ線１８４に沿って第１の底面パネル１６４に対して折り曲げ可能に連結された第２の変位可能な雌型タブ１４６によって、相補的係合部分の開口部内での雄型タブ１５４の係合をさらに助けることが可能であることは明白である。

そうした相補的掛止機構の配置および構成によれば、雄型タブ１５４を二つの雌型タブ１５６および１４６に対して押し付け、これによってそれを開口部１５６内に納める際に、二つの雌型タブ１５６および１４６を第１の中間パネル１６６の面から外に変位させることによって、開口部が得られる。雄型タブ１５４は開口部を通って元に戻ることはできない。なぜなら、それから雌型タブ１５６,１４６を形成する材料の自然な弾力性によって、雌型タブ１５６および１４６は、その本来のポジションに向って、すなわち第１の中間パネル１６６の面に向って後戻りし、これによって開口部が部分的に再閉塞されるからである。このようにして開口部から雄型タブ１５４が外れるのが抑止される。第２の実施形態では第２の変位可能な雌型タブ１４６は設けられていないが、第１の変位可能な雌型タブ１５６のみの自然な弾力性は、開口部１５６を部分的に再閉塞しかつそこからの雄型タブ１５４の離脱を抑止するのに十分なものである。

第２実施形態およびさらに予見される例のいずれに関しても、折り曲げ線１４３は、雄型タブ１５４を「ヘ」字形または「Ｖ」字形に屈曲させるために設けられている。雄型タブ１５４は、変位可能な雌型タブ１５６の半円形切込み１４５の間に嵌まり込む。第２の変位可能な雌型タブ１４６が設けられる場合、雌型タブ１４６の半円形突出部はまず雄型タブ１５４の下方に、すなわち「Ｖ」字形の雄型タブの中に設けられる。三つのタブ１４６,１５４および１５６が互いに嵌め込まれたことで、雄型タブ１５４は(その本来のポジションに向って後戻りする方向に動く場合には)他の二つの雌型タブ１４６および１５６を引っ張るが、これによって第１の中間パネルに形成された開口部が閉塞され、これによって雄型タブがそれ以上後戻りしないように拘束され、この結果、中間パネルすなわちキール構造体の第１および第２の側面パネルが起立状態で維持される。さらに、雌型タブ１４６が設けられない場合、変位可能な雌型タブ１５６および雄型タブ１５４は、類似の掛止(ロック)作用を得るのに十分なほど、互いに係合する。

請求項に記載された本発明の範囲から逸脱することなく上記のものを変更可能であることは当業者には明白であろう。たとえばカートンのサイズは、代替形態に含まれ得る、より多くのあるいはより少ない物品を収容するのに適したものとすることができる。物品受け開口部及び物品係合開口部のサイズおよび形状は、別な形状の物品を収容するために変更でき、かつ携行器は、底面パネルに物品受け開口部が形成されていない巻き付け(wraparound)型カートンとして構成可能である。携行器はまた、上面パネルに形成されたハンド開口部のような運搬手段を備えるよう構成されてもよく、あるいは実際、上面パネルの一つから上方に延在するハンドルパネルを具備することができる。さらに、カートンは一つのキール構造体を有するものに限定されることはなく、たとえばボトルが３×３列で配置される場合には、一つ以上のさらなるキール構造体および掛止機構を採用することができる。本発明の他の実施形態においては、本発明の範囲から逸脱することなく、キール構造体が三角形以外の断面を有していてもよいことも明らかである。掛止機構の雄型および雌型タブの配置構成はまた、本発明の他の実施形態においては変更可能であり、しかも各中間パネルが相補的掛止機構の各係合部分の一つを含み、他の中間パネルがそれと対応する係合部分を有していてもよいことは明白である。

本明細書で説明した掛止機構およびキール構造体は他のタイプのカートンにも応用でき、しかも掛止キール構造体および掛止機構は上端部把持型のカートンにその用途を限定されないことは明らかである。

本明細書で用いているように、向きに関する言及、たとえば「上面」、「底面」、「端部」、「側面」、「上側」および「下側」は、個々のパネルをそうした向きに限定するものではなく、単にこれらのパネルを互いに区別する役割を果たしているに過ぎないこともまた理解されたい。

折り曲げ可能なすなわち折り込み可能な連結に対する言及は、単一の折り曲げ線のみを必然的に意味するものと解釈すべきでないことも理解されたい。実際、折り曲げ可能な連結を、本発明の範囲から逸脱することなく、ミシン目、破断可能線あるいは折り曲げ線のうちの一つ以上から形成できることは明らかである。

以下は本発明の説明である。

複数列に配置された物品を包装(保持)するためのカートンであって、このカートンは、隣接する物品の複数の列間に配置された中空キール構造体を具備してなり、このキール構造体は、連続して折り曲げ可能に連結された、第１の中間パネル、第２の中間パネル及び上部連結パネルを含む一続きの基礎パネルならびに相補的掛止機構を具備してなり、相補的掛止機構は二つの係合部分を備え、第１の係合部分は前記第１の中間パネルのうに連結され、第２の係合部分は、前記第２の中間パネルに連結され、一続きの基礎パネルと相補的掛止機構とは、中空キール構造体を組み立てられた形態で維持するための前記第１の中間パネルの前記第２の中間パネルへの掛止(ロック)を容易なものとするべく、第１の係合部分が第２の係合部分と係合可能であるように構成され、キール構造体の剛性は、キール構造体がカートン内に含まれる複数列の物品の相対的移動を制限するべく機能できるように、相補的掛止機構によって向上する。

好ましくは、前記第１の中間パネルと前記第２の中間パネルとはそれぞれ物品係合開口部を具備してなり、各物品係合開口部は、物品の列の相対的移動をさらに抑制するために、隣接する列に含まれる物品の所定部分を収容する。

さらに一層好ましくは、第１の係合部分は変位可能な雌型タブによって形成された開口部を具備してなり、第２の係合部分は、第１の係合部分内に挿入可能であってかつ上記変位可能な雌型タブによってその内部で掛止(ロック)可能な雄型タブを具備してなる。

好ましくは、第２の係合部分である雄型タブは、逆「Ｖ」字形状をなすよう屈曲させられている。

任意選択で、変位可能な雌型タブは、第１および第２の係合部分の係合をさらに容易なものとするために第２の係合部分である雄型タブを半円形切込みの間に嵌め込み可能であるよう、半円形切込みを具備してなることができる。

任意選択で、第１の係合部分は、二つの変位可能な雌型タブを具備しており、二つの変位可能な雌型タブがそれらの間に第２の係合部分である雄型タブを挟み込むように配置され、これによって二つの係合部分が互いに掛止されてもよい。

これに代えて、第２の上記変位可能な雌型タブは相補的な半円形突出部を具備してなり、この突出部と前記切込みとは、両者間での第２の係合部分である雄型タブの掛止をさらに容易なものとするよう協働可能である。

好ましくは、第２の係合部分である雄型タブは逆「Ｖ」字形状をなすよう屈曲させられるが、これは、第１および第２の係合部分の係合をさらに容易なものとするために、半円形切込みと半円形突出部との間に嵌め込み可能である。

好ましくは、キール構造体は断面が三角形であり、そしてさらに一層好ましくは、キール構造体の上部連結パネルが、キール構造体の剛性をさらに高めるためカートンに固定される。

ボトルを包装するためのカートンを形成するためのブランクの平面図である。 カートンの組み立て準備に当って一群のボトルの周りに配された、図１のブランクの斜視図である。 本実施形態のカートン内に形成された半ば完成状態にあるキール構造体の斜視図であり、二つの相補的係合部分の相互係合状態を示している。 図１のブランクからのカートンの組み立てに関する第１の段階を示す正面、側面および上面側からの斜視図である。 図１のブランクからのカートンの組み立てに関する第２の段階を示す正面、側面および上面側からの斜視図である。 図１のブランクから形成されたカートンの正面、側面および上面側からの斜視図である。 本発明の第２実施形態による、ボトルを包装するためのカートンを形成するためのブランクの平面図である。 第２実施形態のカートン内に形成された半ば完成状態にあるキール構造体の斜視図であり、二つの相補的係合部分の相互係合状態を示している。

Ｂ ボトル
１０ カートン
１２ ブランク
５０ 物品受け開口部
５２ 物品係合開口部
５４ 雄型タブ（第２の係合部分）
５６ 開口部、雌型タブ、第１の係合部分
５７ 折り曲げ線(低強度線)
６０ 第１の上面パネル
６２ 第１の側面パネル
６４ 第１の底面パネル
６６ 第１の中間パネル
６８ 上部連結パネル
７０ 第２の中間パネル
７２ 第２の底面パネル
７４ 第２の側面パネル
７６ 第２の上面パネル
８２〜９４ 折り曲げ線
１１２ ブランク
１４３ 折り曲げ線(低強度線)
１４５ （半円形）切込み
１４６ 第２の雌型タブ
１５４ 雄型タブ、第２の係合部分
１５６ 開口部、雌型タブ、第１の係合部分
１５７〜１５９ 折り曲げ線
１６４ 第１の底面パネル
１６６ 第１の中間パネル
１６８ 上部連結パネル
１７０ 第２の中間パネル
１７２ 第２の底面パネル
１８２，１８４ 折り曲げ線

Claims (18)

1. 複数の列に配置された複数の物品を包装するためのカートンであって、
   前記カートンは、筒状構造体を形成する、上面パネル、一対の側面パネル、及び底面パネルを含む複数の主パネルを有すると共に、前記複数の列内に含まれた前記物品の移動を抑止するためのキール構造体を具備してなり、
   前記キール構造体は、前記底面パネル内に形成されかつ前記複数の列の間に配置されており、
   前記キール構造体は、連続して折り曲げ可能に一続きに連結された、第１の中間パネル、上部連結パネル、及び、第２の中間パネルを含む基礎パネルと、掛止機構と、を具備してなり、
   前記掛止機構は二つの相補的な係合部分を具備してなり、第１の前記係合部分は前記第１の中間パネルによって提供されると共に前記中間パネルに対して折り曲げ可能に連結され、第２の前記係合部分は前記第２の中間パネルによって提供され、
   前記第１および第２の係合部分は、それらが前記第１および第２の中間パネルを互いに固定するよう相互係合し、これによって、前記第１および第２の中間パネルのそれぞれが前記キール構造体に対して前記物品よって加えられる力の水平および垂直成分の両方を吸収するように配置された剛体状のキール構造体が前記物品の複数の列の間に形成され、かつ、これによって各列内に含まれた前記物品の内向きの移動が抑止されるようになっていることを特徴とするカートン。
2. 前記キール構造体は断面が実質的に三角形であることを特徴とする請求項１に記載のカートン。
3. 前記キール構造体の前記第１および第２の中間パネルは、それぞれ物品の所定部分と係合するための物品係合開口部をさらに具備してなり、これによって前記物品の垂直方向の移動を抑制するようになっていることを特徴とする請求項１または請求項２に記載のカートン。
4. 前記掛止機構の前記第２の係合部分は雄型タブであり、かつ前記掛止機構の前記第１の係合部分は前記雄型タブを受けるための開口部であることを特徴とする請求項１ないし請求項３のいずれか１項に記載のカートン。
5. 前記開口部は変位可能なタブによって形成され、この変位可能なタブは前記開口部内での前記雄型タブの掛止を容易なものとするようになっていることを特徴とする請求項４に記載のカートン。
6. 前記雄型タブは、逆「Ｖ」字形をなすように屈曲していることを特徴とする請求項４または請求項５に記載のカートン。
7. 前記第１および第２の係合部分の係合をさらに容易なものとするために、前記開口部は切込みを具備してなると共に前記雄型タブは前記切込み内に嵌め込み可能となっていることを特徴とする請求項４に記載のカートン。
8. 前記開口部は二つの変位可能なタブによって形成され、かつ前記雄型タブは、係合および掛止ポジションにて前記雄型タブを保持するために、前記二つの変位可能なタブ間に挟み込まれるようになっていることを特徴とする請求項５ないし請求項７のいずれか１項に記載のカートン。
9. 第１の前記変位可能な雌型タブは切込みを具備してなり、第２の前記変位可能な雌型タブは相補的突出部を具備してなり、前記突出部と前記切込みとは両者間での前記雄型タブの掛止をさらに容易なものとするために協働可能となっていることを特徴とする請求項８に記載のカートン。
10. 前記キール構造体の前記上部連結パネルはカートンの前記上面パネルに対して固定されることを特徴とする請求項１ないし請求項９のいずれか１項に記載のカートン。
11. 前記底面パネルは、それぞれ物品を受けるための、その一部を打ち抜いて得た、一連の物品受け開口部を有することを特徴とする請求項１０に記載のカートン。
12. 複数の列に配置された複数の物品を包装すると共に、各列に含まれる前記物品の移動を抑止するためのキール構造体を有するカートンを形成するためのブランクであって、
    前記ブランクは、筒状構造体を形成する、上面パネル、第１の側面パネル、底面パネル、及び、第２の側面パネルを含む複数の主パネルを具備してなり、前記底面パネルは、前記キール構造体を形成するために、隣接する主パネルに折り曲げ可能に一続きに連結された、第１の中間パネルと、上部連結パネルと、第２の中間パネルと、含む基礎パネルを具備してなり、前記キール構造体はさらに掛止機構を具備してなり、前記掛止機構は二つの相補的係合部分を具備してなり、第１の前記係合部分は前記第１の中間パネルによって提供され、第２の前記係合部分は前記第２の中間パネルによって提供され、
    前記カートンの組み立て時、前記第２の係合部分と係合する前記第１の係合部分は前記第１および第２の中間パネルを互いに掛止し、これによって、前記第１および第２の中間パネルのそれぞれが、前記キール構造体に対して前記物品によって加えられる力の水平および垂直成分の両方を吸収するように配置された剛体状のキール構造体が、組み上がったカートン内の前記物品の列の間に形成され、かつ、これによって、各列に含まれる前記物品の内向きの移動が抑止されるようになっていることを特徴とするブランク。
13. 組み立てられたカートンの前記キール構造体は、実質的に、断面が三角形であることを特徴とする請求項１２に記載のブランク。
14. 前記キール構造体の前記第１および第２の中間パネルはさらに、前記物品それぞれの前記所定部分と係合するための物品係合開口部を具備してなり、これによって、組み立てられたカートン内での前記物品の垂直方向の移動を抑止するようになっていることを特徴とする請求項１２または請求項１３に記載のブランク。
15. 前記掛止機構の前記第２の係合部分は雄型タブであり、かつ前記掛止機構の前記第１の係合部分は前記雄型タブを受けるための開口部であることを特徴とする請求項１２ないし請求項１４のいずれか１項に記載のブランク。
16. 前記キール構造体の前記上部連結パネルは、組み立てられたカートンにおける前記上面パネルに固定されることを特徴とする請求項１２ないし請求項１５のいずれか１項に記載のブランク。
17. 前記底面パネルは、前記物品それぞれを受けるための、その一部を打ち抜いて得た、一連の物品受け開口部を有することを特徴とする請求項１２ないし請求項１６のいずれか１項に記載のブランク。
18. 複数の列に配置された複数の物品を包装するためのカートンを形成する方法であって、
    前記カートンは平坦なブランクから形成され、前記ブランクは、筒状構造体を形成するために、連続して折り曲げに可能に一続きに連結された、上面パネルと、第１の側面パネルと、それぞれ物品を受けるための複数の物品受け開口部を備えた底面パネルと、第２の側壁パネルと、を含む複数の主パネルを有しており、前記カートンはキール構造体を具備してなり、前記キール構造体は前記底面パネル内に形成されると共に前記物品の複数の列の間に配置され、前記キール構造体は、第１の中間パネルと、上部連結パネルと、第２の中間パネルと、掛止機構と、を具備してなり、前記掛止機構は二つの相補的な係合部分を具備してなり、第１の前記係合部分は前記第１の中間パネルから打ち抜き形成され、第２の前記係合部分は前記第２の中間パネルから打ち抜き形成されており、
    前記方法は、
    （ｉ）前記ブランクの前記底面パネルに形成された前記複数の物品受け開口部内に複数列の物品をそれぞれ装填するステップと、
    （ｉｉ）前記物品の所定部分の高さまで前記底面パネルを上昇させるステップと、
    （ｉｉｉ）前記キール構造体の前記第１および第２の中間パネルが前記底面パネルの面から変位するように、複数列の物品を互いの列に向けて移動させるステップと、
    （ｉｖ）前記第１の係合部分を前記掛止機構の前記第２の係合部分と係合させ、これによって前記物品の列の間に前記キール構造体を形成すると共に、これによって各列に含まれる前記物品の内向きの移動を抑止するステップと、
    を具備することを特徴とする方法。

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