JP5144108B2 - 電極材料の製造方法、電極材料および電池 - Google Patents

電極材料の製造方法、電極材料および電池 Download PDF

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Description

本発明は電極材料の製造方法、電極材料および電池に関する。本発明はリチウム二次電池等の電池に使用される電極材料に利用できる。
一般的には、Fe等の鉄酸化物は、資源が豊富で、コストが低廉であり、廃棄の際の毒性の問題も避け得ることから、電極材料の活物質として、近年有望視されている。しかしながらFe等の鉄酸化物は、通常、充放電の可逆性が低く、二次電池への適用が困難な物質とされているのが実情である。これに対して、合成したFe等の鉄酸化物は、比表面積が微細な微粒子であって、正極や負極等の電極材料としての展開が期待されている。
特許文献1には、リチウム二次電池用電極材料を製造するにあたり、鉄塩化物の水溶液にアルカリを添加してFeOOHの粒子を沈殿させ、更に、このように形成したFeOOHの粒子を100〜400℃の温度領域で低温焼成することにより、α−Feの超微粒子を合成する方法が開示されている。この方法で形成されるα−Feの超微粒子は、粒径がナノメートルオーダであり、極めて微小である。
特許文献2には、二次電池用正極活物質として、粒子のアスペクト比が5以下の針状のβ−FeOOHの技術が開示されている。
特許文献3には、リチウム電池に使用されるリチウム鉄酸化物を合成する方法において、オキシ水酸化鉄とリチウム化合物とを含む出発物質を水蒸気含有雰囲気で加熱する工程を実施する技術が開示されている。オキシ水酸化鉄はγ−FeOOHとされている。
特許文献4には、Fe,NiおよびCoから選ばれる金属元素を含む遷移金属化合物とリチウム化合物とマンガン化合物とを水溶媒中で加圧下に反応させてリチウムマンガン系複合酸化物を形成し、そのリチウムマンガン系複合酸化物を300〜700℃で加熱処理するリチウムマンガン系複合酸化物粉末の製造方法が開示されている。
特開2003−257426号公報 特開2002−208399号公報 特許第3605220号公報 特開2006−89320号公報
ところで、前述したように、Fe等の鉄酸化物は、資源が豊富であり、コストが低廉であり、廃棄の際の毒性の問題も避け得ることから、電極材料の活物質として期待されている。そのため、α−Feを母材とする針状粒子を簡便に製造できる電極材料の製造方法が要望されている。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、α−Feを母材とする針状粒子を簡便に製造することができる電極材料の製造方法、電極材料および電池を提供することを課題とする。
本発明者は電極材料の製造方法について鋭意開発を進めている。そして、鉄塩の溶液を加熱した状態で所定時間放置してエージング処理することにより、β−FeOOHを母材とする針状粒子を形成でき、更に、β−FeOOHを母材とする針状粒子を酸素含有雰囲気において加熱して熱処理すれば、α−Feを母材とする針状粒子を簡便に形成することができることを知見し、試験で確認し、本発明方法を開発した。
(1)様相1に係る電極材料の製造方法は、鉄塩の溶液を加熱した状態で所定時間放置してエージング処理することにより、β−FeOOHを母材とする針状粒子を形成する工程と、β−FeOOHを母材とする針状粒子を酸素含有雰囲気において加熱して熱処理することにより、α−Feを母材とする針状粒子を形成する工程とを順に実施することを特徴とする。
このようにα−Feを母材とする針状粒子が形成される。この針状粒子は活物質として機能することができる。α−Feを母材とする針状粒子は、粒状粒子に比較して、単位質量あたりの表面積を大きくできる。更に、α−Feを母材とする針状粒子は、リチウム二次電池等の電池の電極材料として使用されると、充放電量が増加すると共に、充放電の可逆性が高くなる。更に、α−Feは、適切な条件での充放電下では、充放電の前後においても結晶の母構造が変化しないか、変化しにくいため、長期充放電サイクルに適している。
更に針状粒子は粒状粒子と異なり、アスペクト比が大きく、長く延設されているため、粒子同士の接触が容易となり、リチウムイオンや電子の伝導パスの構築に有利である。またβ−FeOOHはOH基を有するため、HOを形成するおそれがあり、HOを嫌う環境下で用いるには好ましくないといえる。しかしα−Feでは上記した不都合が抑えられる。
α−Feを母材とする針状粒子は、導電剤、結着剤と混合し、圧着成形等の成形することにより電極が形成される。
(2)様相2に係る電極材料の製造方法によれば、上記様相において、エージング処理は20時間以上放置することにより行われることを特徴とする。β−FeOOHを母材とする針状粒子は、α−Feを母材とする針状粒子を形成する過程における中間生成物である。上記したようにエージング処理が所定時間以上行われることにより、β−FeOOHを母材とする針状粒子が良好に得られる。ひいては当該β−FeOOHを母材とする針状粒子を酸素含有雰囲気において加熱すれば、α−Feを母材とする針状粒子が良好に得られる。
(3)様相3に係る電極材料の製造方法によれば、上記様相において、α−Feを母材とする針状粒子は、平均長さが2〜8マイクロメートルであり、平均アスペクト比(長さ/径)が2以上であることを特徴とする。α−Feを母材とする針状粒子が上記した平均長さを有していれば、大きさが良好となり、当該針状粒子が過剰に凝集することが抑制される。
(4)様相4に係る電極材料によれば、上記様相において、α−Feを母材とする針状粒子を主要成分として含むことを特徴とする。β−FeOOHを母材とする針状粒子はOH基を有するため、HOを形成するおそれがあり、HOを嫌う環境下(リチウム電池等)において用いるには好ましくないといえる。しかしながらα−Feを母材とする針状粒子では、鉄酸化物であり、上記した不都合が抑えられる。本明細書では、主要成分とは、電極材料の全体を100質量%とするとき、10%以上占めることを意味する。
(5)様相5に係る電池は、正極と、負極と、正極および負極で挟持されたガラスセラミックスを母材とする固体電解質とを具備する電池において、正極および負極のうちの少なくとも一方は、α−Feを母材とする針状粒子を主要成分として含むことを特徴とする。α−Feを母材とする針状粒子は、単位質量あたりの表面積を大きくできる。故に、α−Feを母材とする針状粒子は、α−Feを母材とする球状粒子に比較して、単位質量あたりの表面積が大きく、高い活性度が得られる。更に、当該針状粒子がリチウム二次電池等の電池の電極材料として使用されると、充放電量が大きく、充放電の可逆性が高くなる。更に、α−Feは、充放電の前後においても結晶の母構造が変化しないか、変化しにくいため、長期充放電サイクルに適している。更に、電池が廃棄されたときであっても、Feは有害性の問題を誘発しない。
本発明によれば、α−Feを母材とする針状粒子を簡便に製造できる電極材料の製造方法、電極材料および電池を提供することができる。
本発明の係る電極材料の製造方法は、鉄塩の水溶液を加熱した状態で所定時間放置してエージング処理することにより、β−FeOOHを母材とする状粒子を形成する工程と、β−FeOOHを母材とする針状粒子を酸素含有雰囲気において加熱することにより、α−Feを母材とする針状粒子を形成する工程とを順に実施する。上記した鉄塩としては、鉄硫化物、鉄硝化物、鉄塩化物、Fe(II)やFe(III)の化合物が例示される。鉄塩化物としては塩化第二鉄、塩化第一鉄が挙げられる。塩化第二鉄としては無水物(FeCl)、水和物(FeCl・nHO)が挙げられる。塩化第一鉄としては無水物(FeCl)、水和物(FeCl・nHO)が挙げられる。
上記した鉄塩の溶液を加熱するにあたり、加熱温度としては溶液を構成する溶媒の種類によっても相違するが、30〜200℃が例示される。50〜150℃、70〜120℃が好ましい。溶液が水溶液である場合には、大気圧下では、加熱温度としては60〜100℃が好ましい。一般的には、加熱温度が低いと、反応が遅くなり、β−FeOOHを母材とする針状粒子が生成されにくい。
鉄塩の溶液を加熱する時間が長いほどエージング効果が高まるが、生産性が低下する。加熱する時間が過剰に短いと、β−FeOOHを母材とする針状粒子が生成されにくい。従って鉄塩の水溶液を加熱する時間としては、3日以上、5日以上、更には10日以上とすることができ、25日以下、30日以下が例示される。鉄塩の溶液を加熱する雰囲気としては特に限定されるものではなく、空気、酸素ガス、窒素ガス、アルゴンガス、真空等が例示される。
エージング処理により形成される中間生成物であるβ−FeOOHを母材とする針状粒子が形成される。β−FeOOHを母材とする針状粒子については、平均長さが1〜20マイクロメートル、更に2〜8マイクロメートルとすることができ、平均径が0.1〜0.5マイクロメートル、0.15〜0.35マイクロメートルとすることができる。β−FeOOHを母材とする針状粒子のアスペクト比(長さ/直径)については、2以上とすることができる。当該アスペクト比としては、2〜100,2〜50,2〜30等が例示される。β−FeOOHを母材とする針状粒子の長さは、マイクロメートル単位であり、一般的には1マイクロメートル以上である。
β−FeOOHを母材とする針状粒子を加熱することにより、α−Feを母材とする針状粒子が形成される。α−Feを母材とする針状粒子については、平均長さが1〜20マイクロメートル、更に2〜8マイクロメートルとすることができ、平均径が0.1〜0.5マイクロメートル、0.15〜0.35マイクロメートルとすることができる。このように当該針状粒子がナノメートルレベルではなく、マイクロメートルレベルとなるため、当該針状粒子の過剰凝集の抑制が期待できる。
上記したようにα−Feを母材とする針状粒子が形成される。この針状粒子は、粒状粒子に比較して、単位質量あたりの表面積を大きくでき、高い活性度が得られ、充電容量および放電容量が増加する。更に、リチウム二次電池等の電池の電極材料として使用されると、充放電の可逆性が高くなる。更に、α−Feは充放電の前後においても結晶の母構造が変化しないか、変化しにくいため、長期充放電サイクルに適している。
本発明に係る電池は、正極と、負極と、正極および負極で挟持されたガラス質セラミックスを母材とする固体電解質とを具備する。正極および負極のうちの少なくとも一方は、α−Feを母材とする針状粒子を主要成分として含む。イオン伝導性をもつ固体電解質としては、LiSーP系、LiIーAl系、LiIーLiPO−P系、LiIーLiSーB系、LiPOーLiSーSiS系、LiSーGeS系、LiSーSiS−LiSiO系、LiSーAl系、LiOーMxOy系−LiI系(M:P,Si,Ge,B,Nbのうちの金属、x=1または2、y=2〜5)が例示される。負極としては金属リチウム、リチウム化合物が例示される。リチウム化合物としては、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−アルミニウム−ニッケル合金、リチウム−アルミニウム−バナジウム合金、リチウム−アルミニウム−クロム合金、リチウム−インジウム合金が例示される。
なお、α−Feを母材とする針状粒子は優れた電極特性をもち、リチウム基準で良好な充放電電圧を有しており、活物質として正極および負極の双方に適用できる。具体的には、α−Feを母材とする針状粒子を正極とし、金属リチウム、リチウム−アルミ合金、リチウム−インジウム合金を負極とする組合わせでリチウム二次電池が形成される。あるいは、α−Feを母材とする針状粒子を負極とする場合には、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiMnO等の正極と組合わせることによりリチウム二次電池が形成される。
以下、本発明の実施例1について説明する。
(1)鉄塩化物である塩化第二鉄(FeCl)の水溶液(濃度:2モル/リットル)を作成した。
(2)この水溶液と同体積の純水(20cc)を添加して第1溶液を形成した。
(3)この第1溶液を100℃の乾燥炉に所定温度(100℃)において所定時間(5日間,120時間)放置することにより、エージング処理を行った。これにより反応が進行し、第1溶液中に沈殿物が得られた。
(4)沈殿物が生成された第1溶液を遠心分離機にセットし、第1溶液中の沈殿物と液体とを遠心分離機により分離した。このように分離させた後、液体を除去し、沈殿物を得た。この沈殿物に純水(20cc)を加えて第2溶液を形成した。超音波洗浄機により超音波を第2溶液に照射し、第2溶液中に沈殿物を分散させた。超音波照射の条件は25kHzとした。
(5)このように沈殿物を分散させた第2溶液を遠心分離機にかけた。これにより第2溶液中の固形物と純水とを遠心分離機により分離した。このように分離させた後、純水を除去し、沈殿物(固形分)を得た。更に、沈殿物に純水を加えて第2溶液を再び形成した。超音波洗浄機により超音波を第2溶液に照射し、第2溶液中に沈殿物を分散させた。上記した(4)〜(5)において、遠心分離処理および超音波洗浄処理を合計3回実施した。
(6)常温にて乾燥炉により所定時間(12時間)真空乾燥した。これによりβ−FeOOHを母材とする針状粒子が形成された。β−FeOOHを母材とする針状粒子については、平均長さが2〜8マイクロメートルであり、平均径が0.15〜0.35マイクロメートルであり、平均アスペクト比(長さ/直径)=5〜50であった。
図1は、電子顕微鏡で撮影したβ−FeOOHを母材とする針状粒子の写真(SEM,倍率1万倍)を示す。同定はX線回折装置(XRD)により行った。図2は、β−FeOOHを母材とする針状粒子のX線回折装置(XRD、CuKα線)の結果を示す。β−FeOOHのピークを△印で示す。
(7)β−FeOOHを母材とする上記した針状粒子を大気雰囲気において、500℃で2時間、電気炉により加熱処理した。これによりα−Feを母材とする針状粒子が形成された。α−Feを母材とする針状粒子については、平均長さが2〜8マイクロメートル、平均径が0.15〜0.35マイクロメートルであり、平均アスペクト比(長さ/直径)=5〜50であった。上記したように製造されたα−Feを母材とする針状粒子は、1マイクロメートル以上の長さを有しており、ナノメートル単位の長さではなく、ナノメートル単位の針状粒子に比較的して長いといえる。このようなサイズであれば、針状粒子の過剰凝集が抑制され、分散性が確保される。
上記したようにα−Feを母材とする針状粒子の長さが長いと、電極材料の活物質として使用するとき、活物質粒子間のコンタクトが取りやすいため、リチウムイオンや電子の伝導パスを容易に構築できるという利点が得られる。
図3は、電子顕微鏡で撮影したα−Feを母材とする針状粒子の写真(SEM、倍率1万倍)を示す。α−Feを母材とする針状粒子のサイズは、基本的には、β−FeOOHを母材とする針状粒子のサイズに相応する。同定はX線回折装置(XRD)により行った。図4は、α−Feを母材とする針状粒子のX線回折装置(XRD)における結果を示す。図4は、α−Feを母材とする針状粒子の回折ピークを○印で示す。
(比較例)
比較例について説明する。
(1)鉄塩化物(FeCl)の水溶液(濃度:2モル/リットル)を作成した。
(2)この水溶液と同体積のNaOH水溶液を添加し、混合溶液を形成した。この場合、濃度は3種類とした。即ち、NaOH水溶液は1モル/リットル、4モル/リットル、5.4モル/リットルとした。NaOH水溶液の濃度が高いほど、得られるα−Feを粒状粒子のサイズが小さくなる傾向が得られる。
(3)この混合溶液を100℃の乾燥炉に投入した。投入期間としては、1モル/リットルの場合には13日間とした。4モル/リットルの場合には10日間とした。5.4モル/リットルの場合には8日間とした。これにより反応が進行し、沈殿物が生成された。
(4)沈殿物が生成された混合溶液を遠心分離機にセットし、混合溶液中の沈殿物と液体とを遠心分離機により分離した。このように分離させた後、液体を除去し、沈殿物を得た。この沈殿物に純水(20cc)を加えて、超音波洗浄機により超音波を照射し、溶液中に沈殿物を分散させた。
(5)このように沈殿物を分散させた溶液を遠心分離機にかけた。これにより第2溶液中の沈殿物と純水とを遠心分離機により分離した。このように分離させた後、純水を除去し、沈殿物を得た。更に、沈殿物に純水を加えて溶液を再び形成した。超音波洗浄機により超音波を第2溶液に照射し、溶液中に沈殿物を分散させた。上記した遠心分離処理および超音波洗浄処理を合計3回実施した。
(6)常温にて乾燥炉により12時間真空乾燥した。これによりα−Feを母材とする球状粒子が形成された。この比較例では、基本的には、α−Feを母材とする針状粒子は得られなかった。図5は、混合溶液の濃度が5.4モル/リットルで形成したα−Feを母材とする球状粒子の電子顕微鏡写真(倍率35000倍)を示す。同定はX線回折装置(XRD)により行った。図6は、α−Feを母材とする球状粒子のX線回折装置(XRD)の結果を示す。図6において、α−Feを母材とする球状粒子の回折ピークを×印として示す。
上記したα−Feを母材とする針状粒子を用いて固体電池を形成した。
(1)固体電解質の形成
リチウム硫化物(LiS)とリン硫化物(P)とをモル比で80:20で混合機により混合し、不活性雰囲気(アルゴンガス雰囲気)においてメカニカルミリング処理を行うことにより、ガラス材を形成した。得られたガラス材をガラス転移点付近(約200℃)にてアルゴンガス雰囲気において、所定時間(4時間)熱処理を行い、結晶化させた。これによりガラスセラミックスで形成されたシート状の固体電解質(厚み:500マイクロメートル)を得た。固体電解質は、リチウム硫化物(LiS)とリン硫化物(P)系とされており、リチウムイオン伝導性をもつ。
(2)正極材の形成
得られた活物質(α−Feを母材とする針状粒子)とガラス状の固体電解質と導電助材(アセチレンブラック)とを、質量比で40:60:10の比率で不活性雰囲気(アルゴンガス雰囲気)において混合し、正極材を形成した。正極材に含有されている固体電解質は、リチウム硫化物(LiS)とリン硫化物(P)とをモル比で80:20で混合機により混合し、不活性雰囲気(アルゴンガス雰囲気)においてメカニカルミリング処理を行ったものである。
(3)負極材の形成
インジウム箔(直径9ミリメートル、厚さ0.3ミリメートル)に、リチウム箔(直径8ミリメートル、厚さ0.25ミリメートル)を不活性雰囲気(アルゴンガス雰囲気)において押し付けることにより、シート状の負極材を形成した。
(4)固体電池の作成
上記した正極材および負極材で固体電解質を挟んだ状態で、成形型(直径10ミリメートル)により加圧成形した。これにより正極材−固体電解質−負極材の三層ペレット状をなすリチウム電池で形成されている全固体電池(In−Li/LiS−Pglass-ceramics/α−Fe)を作成した。この正極材は、α−Feを母材とする針状粒子を主要成分として含む。
(試験例)
上記したように作成したα−Feを母材とする針状粒子を用いて構築した固体電池セルについて、64μA/cm−2にて充放電試験を行った。図7は充放電の1サイクル目の充放電曲線を示す。特性線E1は充電特性を示す。特性線E2は放電特性を示す。初期放電曲線において1.6ボルト(vs.Li)付近から1.0ボルト(vs.Li)付近からのスロープ100と、0.8ボルト(vs.Li)付近のプラトー101とが観測された。
これらはそれぞれα−Feの構造にリチウムが挿入される反応と、hexagonal構造からcubic構造へと相転移する反応と、鉄と酸化リチウムを生成する反応に相当すると考えられる。また初期放電容量は700mAhg−1であり、良好であった。
(電池の適用例)
図8はリチウム電池で形成されている全固体電池の代表的な適用例を示す。図8において、11は正極材、12は負極材、13はリチウム硫化物(LiS)とリン硫化物(P)系で形成されている固体電解質、14は正極集電体、15は負極集電体、16はガスケット、17はステンレス鋼で形成されている電池ケースを示す。正極材11は、前記したように、α−Feを母材とする針状粒子(平均長さ:2〜8マイクロメートル、平均径:0.15〜0.35マイクロメートル)を主要成分として含む。全固体電池であるため、液漏れのおそれがない。
(その他)
上記した実施例1では、鉄塩化物である塩化第二鉄(FeCl)の水溶液の濃度は2モル/リットルであるが、これに限らず、1モル/リットル、5モル/リットル、20モル/リットル等に例示されるように適宜変更できる。上記した実施例1では、第1溶液を大気圧下で100℃(沸点)において放置することにより、エージング処理を行っているが、これに限らず、第1溶液の加熱温度として60℃、70℃、90℃にできる。大気圧以上であれば、また溶媒の種類によっては、110℃、120℃等も可能である。上記した実施例1では、エージング処理の時間として5日間(120時間)とされているが、これに限らず、加熱温度などによっても適宜変更でき、3日間(72時間)、10日間(240時間)等にできる。
本発明は上記し且つ図面に示した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施可能である。ある実施例および実施形態に特有の構造および機能は他の実施例および実施形態についても適用できる。
本発明は電極材料の製造方法、電極材料および電池に関する。本発明はリチウム二次電池等の電池に使用される電極材料に利用できる。
電子顕微鏡で撮影したβ−FeOOHを母材とする針状粒子の写真図(SEM,倍率1万倍)である。 β−FeOOHを母材とする針状粒子のX線回折装置(XRD、CuKα線)の結果を示す回折図である。 電子顕微鏡で撮影したα−Feを母材とする針状粒子を示す写真図(SEM,倍率1万倍)である。 α−Feを母材とする針状粒子のX線回折装置(XRD、CuKα線)の結果を示す回折図である。 電子顕微鏡で撮影したα−Feを母材とする球状粒子を示す写真図(SEM,倍率1万倍)である。 α−Feを母材とする球状粒子のX線回折装置(XRD、CuKα線)の結果を示す回折図である。 試験結果を示すグラフである。 電池を示す断面図である。
符号の説明
1は正極材、2は負極材、3は固体電解質、4はガスケット、5は電池ケースを示す。

Claims (5)

  1. 鉄塩の溶液を加熱した状態で所定時間放置してエージング処理することにより、β−FeOOHを母材とする針状粒子を形成する工程と、
    β−FeOOHを母材とする針状粒子を酸素含有雰囲気において加熱することにより、α−Feを母材とする針状粒子を形成する工程とを順に実施することを特徴とする電極材料の製造方法。
  2. 請求項1において、前記エージング処理は20時間以上放置することにより行われることを特徴とする電極材料の製造方法。
  3. 請求項1または2において、α−Feを母材とする針状粒子は、平均長さが2〜8マイクロメートルであり、平均アスペクト比(長さ/径)が2以上であることを特徴とする電極材料の製造方法。
  4. α−Feを母材とする針状粒子を主要成分として含み、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法で製造された電極材料。
  5. 正極と、負極と、前記正極および前記負極で挟持されたガラス質セラミックスを母材とする固体電解質とを具備する電池において、
    前記正極および前記負極のうちの少なくとも一方は、α−Feを母材とする針状粒子を主要成分として含むことを特徴とする電池。
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