JP5143486B2 - エレベータ装置 - Google Patents
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Description
また、従来のエレベータ用の非常ブレーキ装置では、例えば、エレベータドアの戸開信号に連動させて、制動ボルトをブレーキ星形車のスポーク間に挿入させている。これにより、何らかの理由で、操作ブレーキによるエレベータ箱の制動動作が行えなくなり、さらに駆動ロープ車を回転させる力が働いた場合でも、ブレーキ星形車のスポークが制動ボルトに当たるので、駆動ロープ車の回転が規制される。即ち、エレベータドアが開状態のときには、駆動ロープ車の回転が阻止されて、エレベータ箱が位置変動することが防止されていた(例えば、特許文献1参照)。
また、従来のエレベータ用の非常ブレーキ装置に用いられるばねは、重量の大きなエレベータ箱の位置変動を阻止する必要性から、ブレーキ要素を駆動ロープ車の環状端部表面に非常に大きな力で押し付けて配設しなければならず、剛性の高い特殊なものが要求されていた。ばねは特殊であるために高価であり、これにより装置全体の製造コストが増大するという問題があった。
図1はこの発明に係るエレベータ装置の模式図、図2は図1のA部拡大図、図3はこの発明に係るエレベータ装置の戸開走行防止装置の要部断面図であり、可動鉄心が軸回転規制位置にある状態を示している。図4は図3のIV−IV矢視断面図、図5は図1のB部拡大図、図6はこの発明に係るエレベータ装置の戸開走行防止装置のシステム構成図、図7はこの発明に係るエレベータ装置の戸開走行防止装置の要部断面図であり、可動鉄心が軸回転規制解除位置にある状態を示している。
図1及び図2において、エレベータ装置1は、乗場戸3aが配設された乗場3、昇降路壁2及び各階の乗場3に配設された乗場戸3aに囲まれる昇降路4内を昇降自在に配設されたかご5、昇降路4の上部に設置される機械室7、駆動綱車9と電動機10を有する巻上機8、エレベータ制御盤13、吊り合いおもり14、主索15、そらせ車16、ブレーキドラム17、制動機18、及び戸開走行防止装置25を備えている。
電動機10は、筐体11及びトルク伝達軸としてのモータ軸12を有している。筐体11は、電動機10の主要構成(図示せず)を収納し、機械室7の床部に固定されている。また、モータ軸12は、その軸回りに回転自在に筐体11に支持されて、両端が筐体11から延出されている。このとき、筐体11から延出されたモータ軸12の一端側に戸開走行防止装置25が配設され、モータ軸12の他端側に駆動綱車9がモータ軸12に同軸に固定されている。
即ち、ブレーキコイルがエレベータ制御盤13によって通電させられると、電磁力が発生し、この電磁力は、ブレーキアーム21をブレーキドラム17の径方向の外側に移動させる力として働くようになっている。これにより、ブレーキシュー19がブレーキドラム17から離反して駆動綱車9の回転の規制が解除され、かご5は、駆動綱車9の回転に応じた昇降路4内の昇降が可能となる。
戸開検出手段26は、かご戸5a及び乗場戸3aまわりに配設され、挿通棒作動機構30、作動回路部40、電源45、及び軸回転規制盤46が、モータ軸12の一端側の軸まわりに配設されている。そして、作動回路部40には電源45から電圧が供給されている。
戸開検出手段26は、かご戸開検出手段27A及び乗場戸開検出手段27Bから構成されている。
そして、かご戸開検出手段27Aは、かご戸全閉スイッチ28aとかご側カム29aを有している。かご側カム29aは、かご戸5aの上端に固定され、かご戸全閉スイッチ28aは、かご戸5aが全閉したときにかご側カム29aと係合するように、かご戸5aの開閉動作に連動しないかご5の固定部に固定されている。
そして、乗場戸全閉スイッチ28bは、かご戸全閉スイッチ28aと同様に、乗場戸3aが全閉されて乗場側カム29bと係合されたときに所定の大きさの電圧(H電圧)を戸閉信号として出力し、乗場戸3aが開動作されて乗場側カム29bとの係合が解除されたときに接地電圧(L電圧)を戸開信号として出力する出力端子を有している。
図3において、挿通棒作動機構30は、鉄心内包体31、ボビン35、それぞれ挿通棒移動手段としての励磁コイル36とスプリング39、挿通棒としての可動鉄心37、及びボルトナット38を有している。なお、図3では説明の便宜上、筐体11とモータ軸12を除く電動機10の構成を省略して図示している。
基体32は、直方体状に形成され、その長手方向をモータ軸12の軸方向に合わせ、かつ、該長手方向の一端を筐体11におけるモータ軸12の軸方向の一端に合わせて筐体11に固定されている。また、貫通孔33が孔方向を基体32の長手方向に合わせて基体32に形成されている。そして、貫通孔33の内周壁面は、その孔方向に垂直な断面が円になるように形成されている。
ボビン35は第3の孔部33cの孔径と同じ内径を有する円筒部35a、及び円筒部35aの両端で径方向に延在する環状のツバ部35bを有している。
励磁コイル36は、絶縁材に被覆された銅線などを円筒部35aの外周面に巻回して形成されている。
そして、励磁コイル36付きのボビン35が、円筒部35aの軸方向を貫通孔33の孔方向にあわせ、第1の孔部33aに収納されている。そして、ツバ部35bが基体32の内壁に固定されている。
そして、可動鉄心37は、円筒部35aに遊嵌状態に挿通され、さらに、延出部37bが第2の孔部33bに遊嵌状態に挿通されて、延出部37bの先端側は基体32の一側の開口から延出されている。これにより、可動鉄心37は、貫通孔33の孔方向(モータ軸12の軸方向)のみに移動が制限される。
このとき、スプリング39は、その付勢力で可動鉄心37を軸方向の一側に押圧するように第3の孔部33cに縮設されている。また、第2の孔部33bの孔径は、可動鉄心37の円柱基部37aの直径より小さくなっている。このため、可動鉄心37に働く力がスプリング39の付勢力のみであるとき、図3に示されるように、円柱基部37aの一端面が、スプリング39の付勢力によって第1の孔部33aの一端部に移動されたところで、円柱基部37aの一端面の外周側が、第1の孔部33aを形成する基体32の壁面に当接され、それ以上の可動鉄心37のスプリング39の付勢力による移動が制限される。このときの可動鉄心37の位置を軸回転規制位置とする。
図2〜図4において、軸回転規制盤46は円盤状に形成され、基体32よりモータ軸12の一端側に所定の距離だけ離反させた位置でモータ軸12に同軸に固定されている。また、軸回転規制盤46には、12個の延出部挿通孔46aが、モータ軸12の軸心に円心が合わせられた同一円周上に等角ピッチで形成されている。このとき、モータ軸12の軸心と延出部37bの軸心との間の距離が、モータ軸12の軸心と延出部挿通孔46aの孔中心との間の距離と等しくなっている。
図6において、作動回路部40は、AND素子41、抵抗42a,42b、及びトランジスタ43を有している。また、電源45は、高圧側端子45a及び低圧側端子45bを有している。なお、低圧側端子45bは接地されている。
図6において、かご戸全閉スイッチ28a及び乗場戸全閉スイッチ28bの出力のそれぞれは、AND素子41の入力端子41a,41bのそれぞれに接続されている。また、励磁コイル36の一端が作動回路部40に配設された抵抗42bを介して電源45の高圧側端子45aに接続され、励磁コイル36の他端がトランジスタ43のコレクタCに接続されている。また、エミッタEは電源45の低圧側端子45bに接続されている。
これにより、ベースBに所定の大きさ以上の電圧が印加されるとエミッタE−コレクタC間は導通されて励磁コイル36を通電させ、また、ベースBへの印加電圧が所定の大きさ未満になるとエミッタE−コレクタC間の導通が遮断されて励磁コイル36への通電も遮断される。
図5〜図7において、かご戸5a及び乗場戸3aが全閉状態にあるときには、かご戸全閉スイッチ28a及び乗場戸全閉スイッチ28bのそれぞれが、かご側カム29a及び乗場側カム29bのそれぞれと係合している。即ち、かご戸全閉スイッチ28a及び乗場戸全閉スイッチ28bのそれぞれから出力される電圧はH電圧(戸閉信号)であり、H電圧がAND素子41の入力端子41a,41bに入力されるので、励磁コイル36が通電される。
また、戸6が開状態にあるときは、可動鉄心37が軸回転規制位置に移動するので、延出部37bの先端が、モータ軸12の一端側に固定された軸回転規制盤46の延出部挿通孔46aに挿通されるようになっている。これにより、制動機18による駆動綱車9の回転の制動が行えなくなった場合でも、戸6が開状態のまま、かご5が昇降されることが防止される。
従って、従来のように、駆動綱車9の回転を規制するために、操作ブレーキに加えて用いたブレーキ要素や大きな付勢力を有するばねが不要となる。即ち、エレベータ装置1はブレーキ要素が不要となるので、短い間隔で行う必要のあった磨耗チェックや、ブレーキ要素が磨耗されたことによる交換作業などのメンテナンスを省略でき、その設置に伴うメンテナンスの労力を大幅に低減しつつ、戸6が開状態のまま、かご5が昇降することを防止できる。また、戸開走行防止装置25は、大きな付勢力を有する従来のばねのような高価な特殊部品も必要がないので、エレベータ装置1の製造コストの増大を抑制することができる。
Claims (1)
- 電動機、該電動機の回転トルクがトルク伝達軸を介して伝達されて回転駆動される駆動綱車、該駆動綱車に巻き掛けられた主索、上記主索の一端が連結され、かご戸を有するかご、上記かご戸と対面可能に配設された乗場戸を有する乗場、上記主索の他端が連結された吊り合いおもり、及び上記駆動綱車の回転を規制可能に上記駆動綱車に隣接して配設された制動機を有し、上記かごが上記駆動綱車の回転に応じて昇降路内を昇降するエレベータ装置において、
他端側に上記駆動綱車が固定された上記トルク伝達軸の一端側に同軸に固定され、同一円周上に等角ピッチで形成された複数の延出部挿通孔を有する軸回転規制盤と、
上記トルク伝達軸の軸方向のみに移動可能に配設された挿通棒、及び該挿通棒をその先端が上記延出部挿通孔に挿通される軸回転規制位置と該先端が上記延出部挿通孔から外れる軸回転規制解除位置との間を往復移動させる挿通棒移動手段を備える挿通棒作動機構と、
上記かご戸及び上記乗場戸が開状態にあるときに戸開信号を送信し、上記かご戸及び上記乗場戸が閉状態にあるときに戸閉信号を送信する戸開検出手段と、
上記戸開信号を受信すると、上記挿通棒を上記軸回転規制位置に移動させ、上記戸閉信号を受信すると上記挿通棒を上記軸回転規制解除位置に移動させるように上記挿通棒移動手段に対して駆動制御する作動回路部と、
を備えることを特徴とするエレベータ装置。
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