JP5142405B2 - 浚渫装置及び浚渫方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水平掘削グラブバケットを用いる浚渫装置及び浚渫方法に関する。
グラブ浚渫は、浚渫船からクレーンで吊り下げられたグラブバケットで水底の土砂を掘削し、グラブバケットを昇降させて水底の土砂を浚渫するもので、深度による掘削への影響が少ない工法である。従来のグラブ浚渫工法によれば、掘削時の余堀が大きく、土砂のオーバーフローがあり汚濁の水中拡散が生じ易く、また、掘削後の水底形状が不陸になるといった問題があった。これに対し、水底上部に堆積した汚染部分をグラブバケットにより水平に掘削し、薄層浚渫が可能なグラブ浚渫工法が開発されている。
図9,図10を参照して従来の水平掘削浚渫工法2例について説明する。図9の第1の従来例は水平掘削グラブバケットを用いたものであり(特許文献1参照)、図10の第2の従来例は通常のグラブバケットを用いで水平掘削を行うものである(特許文献2参照)。
図9(a)(b)に示すグラブバケット100は、支軸103を中心に開閉する一対のバケットシェル101,102を備え、バケットシェル101,102が外側の接続部101b,102bで昇降用チェーン103,104に接続され、昇降用チェーン103,104が上方の接合部106で接合されて、接合部106がクレーン(図示省略)からのワイヤ107に接続され、ワイヤ107の上げ下げによりバケットシェル101,102が昇降する。また、バケットシェル101,102の開閉操作のためにクレーンからの開閉用ワイヤ105が支軸103に接続され、開閉用ワイヤ105の上げ下げによりバケットシェル101,102が開閉する。
昇降用チェーン103,104の接続部101b,102bからバケットシェル101,102の刃先101a,102aまでの長さが、開閉用ワイヤ105で支軸103を上げ下げしたときに、刃先101a,102aの軌跡が所定高さの範囲で上下しながら水平方向に移動できる長さとなっている。このため、開閉用ワイヤ105の上げ下げによってバケットシェル101,102が開閉すると、刃先101a,102aの軌跡が所定高さの範囲で上下しながら水平方向に移動して掘削できるようになっている。
図9の水平掘削グラブバケットを用いた浚渫工法によれば、薄層浚渫が可能となり、水底上部に堆積した汚染部分を水平に掘削でき、土砂のオーバーフローがなく汚濁の水中拡散のない環境対応型の浚渫工法を実現できる。
図10に示すグラブバケット150は、支持体155に昇降ワイヤ156が連結され、支持体155の両端部にはアーム支持軸158によって一対のアーム153,154が回転可能に軸支され、アーム153,154の下端部がバケット支持軸159によってバケット151,152が回転可能に軸支されている。バケット151,152は、滑車機構160と連結軸161で回転可能に連結され、開閉用ワイヤ157によって滑車機構160と連動して回転する。開閉用ワイヤ157が繰出されると一対のバケット151,152が左右に開口する。開閉用ワイヤ157の繰出入れ量によって、バケット151,152の開閉角度が規定される。昇降ワイヤ156の繰出入量及び開閉用ワイヤ157の繰出入量を検出し、これらの検出データから、バケットの側面方向における刃先位置151a,152aをデータ処理装置によって算出し、算出されたバケットの側面方向における刃先位置151a,152aの移動軌跡をリアルタイムでモニタに画像表示し、オペレータが刃先位置151a,152aの移動軌跡を見ながら刃先位置151a,152aを調整して水平に移動させることができ、容易に水底を平らに浚渫することが可能となる。
特開2005−264606号公報 特開2006−27830号公報
図11の水底Gの傾斜する法面で浚渫を行う場合、図9,図10のようなグラブバケットを用いて、基本的に図11に示すような設計で段掘りを行うことで設計断面を満足する法面を形成する。しかし、従来の浚渫工法によれば、図11のように断面が直線である設計断面に対して段掘りを行うことになるので、図11のハッチングで示すように法面余掘りが大きくなってしまい、また、法面の形状が階段状になってしまう。
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、法面で浚渫を行う際に階段状となり易い法面を平滑化できるとともに法面掘削時の法面余掘りを低減することのできる浚渫装置及び浚渫方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の浚渫装置は、支軸を中心に回動可能に接合された一対のバケットシェルから水平掘削が可能なように構成されたグラブバケットを備え、前記グラブバケットを用いて水底で法面を浚渫するときに、前記バケットシェルを法面の傾斜角に対応して支軸の中心線が水平方向から傾斜するように斜めに位置調整した状態で法面掘削を行うことにより、法面の平滑化及び法面余掘りの低減化を実現できるようにしたものである。
すなわち、本実施形態による浚渫装置は、水平掘削が可能なグラブバケットと、前記グラブバケットを昇降させるための昇降手段と、前記グラブバケットの開閉操作を行うための開閉手段と、を備える浚渫装置であって、前記グラブバケットは、支軸を中心に回動可能に接合された一対のバケットシェルと、前記バケットシェルを吊す吊り手段と、を備え、前記吊り手段を前記昇降手段により上下させることで前記バケットシェルが昇降し、前記開閉手段による上下操作で前記バケットシェルが開閉し、前記吊り手段は、前記昇降手段の昇降用綱部材により水平方向に延びるように支持される吊り部材と、前記吊り部材と前記バケットシェルとの間に配置された一対の吊り用綱部材と、浚渫対象の法面の傾斜角に基づいて前記吊り用綱部材の吊り長さを調整可能な吊り長さ調整手段と、を備え、前記吊り手段は、前記吊り用綱部材のいずれか一方の吊り長さを前記吊り長さ調整手段により調整することで前記一対のバケットシェルを前記支軸の中心線が水平方向から傾斜するように斜めに吊すことが可能であることを特徴とする。
この浚渫装置によれば、水平掘削が可能なグラブバケットを構成する一対のバケットシェルを支軸の中心線が水平方向から傾斜するように斜めに吊すことが可能であるので、グラブバケットを浚渫対象の法面の傾斜角に基づいて法面に対し斜めに配置でき、各バケットシェルの刃先全体を法面と略平行に配置できる。このため、法面で浚渫を行う際に階段状となり易い法面を平滑化できるとともに法面掘削時の法面余掘りを低減することができる。
上記浚渫装置において、前記吊り長さ調整手段は、前記吊り用綱部材のいずれか一方と前記吊り部材との間に配置された吊り長さ調整用綱部材を備えることが好ましい。吊り長さ調整用綱部材の長さを変えることで浚渫対象の法面の傾斜角の変化に対応できる。
また、前記一対の吊り用綱部材は、その一方が前記支軸を挟んで前記一対のバケットシェルの一端の両隅近傍に2本接続され、その他方が前記支軸を挟んで前記一対のバケットシェルの他端の両隅近傍に2本接続され、前記吊り部材及び前記吊り長さ調整用綱部材にそれぞれ1箇所で接続することが好ましい。
なお、前記吊り部材の水平方向に延びる軸と前記支軸の中心線とが同一の鉛直方向の面を通るように前記吊り部材と前記支軸とが配置されることが好ましい。
また、前記一対のバケットシェルは、前記開閉手段による上下操作で前記支軸を中心に回動し開閉するとき、各バケットシェルの刃先の軌跡が高さ位置をほぼ一定にしたまま水平移動するように構成されている。
本実施形態による浚渫方法は、支軸を中心に回動可能に接合された一対のバケットシェルを備え水平掘削が可能なグラブバケットを用いて水底で法面を浚渫する浚渫方法であって、前記バケットシェルを前記法面の傾斜角に基づいて前記支軸の中心線が水平方向から傾斜するように斜めに位置調整した状態で前記法面の浚渫を行うことを特徴とする。
この浚渫方法によれば、グラブバケットを支軸の中心線が水平方向から傾斜するように斜めに吊すので、浚渫対象の法面の傾斜角に基づいて法面に対し斜めに配置でき、各バケットシェルの刃先全体を法面と略平行に配置できる。このため、法面で浚渫を行う際に階段状となり易い法面を平滑化できるとともに法面掘削時の法面余掘りを低減することができる。
上記浚渫方法において、前記一対のバケットシェルは、前記支軸を中心に回動し開閉するように構成され、前記開閉のとき各バケットシェルの刃先の軌跡が高さ位置をほぼ一定にしたまま水平移動するように構成されている。
本発明の浚渫装置及び浚渫方法によれば、法面で浚渫を行う際に階段状となり易い法面を平滑化できるとともに法面掘削時の法面余掘りを低減することができる。
本実施形態のグラブバケットの概略的構成を示す正面図である。 図1のバケットシェルが開いた状態を示す正面図(a)、半分開いた状態を示す正面図(b)及び閉じた状態を示す正面図(c)である。 本実施形態による浚渫装置の開状態のグラブバケットを示す側面図(a)及び正面図(b)である。 閉状態のグラブバケットを示す側面図(a)及び正面図(b)である。 図3(b)と同様の開状態のグラブバケットの内部を正面からみた図である。 図3〜図5のグラブバケットを用いる水平掘削浚渫工法の工程(a)〜(e)を示す図である。 図3〜図6の開状態のグラブバケットを斜めに吊り下げた状態で示す斜視図である。 図7のグラブバケット(閉状態)を示す側面図である。 第1の従来例の水平掘削浚渫工法に用いられるグラブバケットの側面図(a)及び正面図(b)である。 第2の従来例のグラブバケットの側面図である。 従来技術による法面浚渫の問題を説明するための水底の断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。本実施形態のグラブバケットは、図9のグラブバケットと同様に一対のバケットシェルが開閉するときに各バケットシェルの刃先の軌跡が水平に移動するように構成されているが、バケットシェルを吊り下げる構成が異なる。
まず、図1,図2を参照して開閉時の一対のバケットシェルの刃先の軌跡が水平に移動する構成について説明する。図1は本実施形態のグラブバケットの概略的構成を示す正面図である。図2は図1のバケットシェルが開いた状態を示す正面図(a)、半分開いた状態を示す正面図(b)及び閉じた状態を示す正面図(c)である。
図1に示すように、グラブバケット1は、支軸2を中心に回動し開閉する鋼製の一対のバケットシェル3,4と、バケットシェル3,4を吊り下げる吊りワイヤ5,6と、バケットシェル3、4の開閉操作を行う開閉手段である開閉用ワイヤ7と、を備える。バケットシェル3,4は支軸2で接合され、支軸2に開閉用ワイヤ7が接合されるとともに、吊りワイヤ9から左右に伸びた二本の吊りワイヤ5,6がバケットシェル3,4の外側端部に接続されている。吊りワイヤ5,6の接続部からバケットシェルの刃先3a,4aまでの長さabが、開閉用ワイヤ7で支軸2を上げ下げしたときに、刃先3a、4aの軌跡が水平に移動できる長さになっており、このときの軌跡の高さ位置の変化は少ない。このため、グラブバケット1によれば、開閉用ワイヤ7の上げ下げによってバケットシェル3,4が開閉するときに刃先3a、4aの軌跡が水平移動することで、水底で水平掘削ができる。
図1,図2(a)〜(c)を参照してバケットシェル3,4が開閉するときのバケットシェル3,4の刃先3a,4aの軌跡について検討する。なお、かかる検討は本出願人が上記特許文献1において開示したものである。
図1のグラブバケット1の刃先3a、4aの座標(X、Y)は次式(1)、(2)で表すことができる。
X=msinθx+absinψx (1)
Y=mcosθx+abcosψx (2)
ただし、mは吊りワイヤ5、6の長さ、θxは吊りワイヤ5、6とY軸とのなす角度、abは吊りワイヤ5、6の接続部からバケットシェルの刃先3a、4aまでの長さ、ψxは線分abとY軸とのなす角度である。また、点c(支軸2の中心)は常にX=0とする。
上記式(2)から刃先3a、4aのY座標を求める。例えば、m=3099mm、ab=877mm、bc=1969mm、ca=1666mmの寸法でグラブバケット1を製作した場合、図2(a)に示すようにバケットシェル3,4が開いた状態では、θx=32.3°、ψx=-6.8°となるため、Y座標を式(2)から求めると、Y=3099×cos32.3°+877×cos(-6.8°)=3490mm(解1)となる。
また、図2(b)に示すように開閉用ワイヤ7の上げによりバケットシェル3,4が半分開いた状態では、θx=27.66°、ψx=23.15°となるため、同様に、Y=3099×cos27.66°+877×cos23.15°=3551mm(解2)となる。同様に、図2(c)に示すように開閉用ワイヤ7のさらなる上げによりバケットシェル3,4が閉じた状態では、θx=13.7°、ψx=57.1°となるため、Y=3099×cos13.7°+877×cos57.1°=3487mm(解3)となる。
上記解1〜3を比較すると、3490mm(解1)−3487mm(解3)=3mm、また、3490mm(解1)−3551mm(解2)=−61mm、また、3487mm(解3)−3551mm(解2)=−63mmとなる。この結果から、開閉用ワイヤ7の上げ下げでバケットシェル3,4が開閉するときに刃先3a、4aが高さ距離65mm以内で移動しながら水平に移動することを確認できた。
以上のように、図1のグラブバケット1によれば、式(2)によるY座標が一定となるように長さab等を決めることで、刃先3a、4aが高さ位置をほぼ一定に保ったままで水平にするバケットシェル3,4の設計が可能になる。
次に、本実施形態による浚渫装置の構成について図3,図4を参照して説明する。図3は本実施形態による浚渫装置の開状態のグラブバケットを示す側面図(a)及び正面図(b)である。図4は同じく閉状態のグラブバケットを示す側面図(a)及び正面図(b)である。図3,図4のグラブバケットは、図1のグラブバケットと基本的構成が同一であり、同一部分には同じ符号を付す。
図3,図4の浚渫装置10は、支軸2を中心に回動し開閉する鋼製の一対のバケットシェル3,4を有するグラブバケット1と、バケットシェル3,4を吊り下げて昇降する昇降用チェーン15,16と水平に保持される吊り部材11とを含む昇降手段と、バケットシェル3,4の開閉操作を行うための開閉用ワイヤ7を含む開閉手段と、を備える。開閉用ワイヤ7はグラブバケット1が閉じられて上昇するときグラブバケット1の巻き上げ荷重を主に負担し、このとき昇降用チェーン15,16はグラブバケット1が水平平面で回転しないようにグラブバケット1を支持しながら開閉用ワイヤ7と同期して巻き上げられる。
一対のバケットシェル3,4は、図3(a)(b)のように180度開いた状態から、開閉用ワイヤ7を上方に移動させ引っ張ることで支軸2を中心に回動し、図4(a)(b)のように閉じた状態となる。また、図4(a)(b)の閉じた状態から開閉用ワイヤ7を緩めて下方に移動させることでバケットシェル3,4は自重により回動し開いた状態となる。
図3(a)のように昇降用チェーン15,16が、水平方向に延びる支軸2の中心線pの両端部側に接続され、図3(b)のように各端部において昇降用チェーン15がバケットシェル3の上部で支軸2から離れた位置に接続され、昇降用チェーン16がバケットシェル4の上部で支軸2から離れた位置に接続されている。
バケットシェル3,4の上方には、形鋼等からなる棒状の吊り部材11が支軸2の中心線pに対しほぼ平行に水平方向に延びるように配置され、図3(b)のように2本の昇降用チェーン15,16が吊り部材11の端部に1箇所で略Δ(デルタ)字状に接続され、デルタ部を構成している。
吊り部材11の上部の両端部には昇降用ワイヤ12,13が接続され、バケットシェル3,4が吊り部材11を介して昇降用チェーン15,16により四隅で水平に吊り下げられる。昇降用ワイヤ12,13または開閉用ワイヤ7の上げ下げにより、吊り部材11及び昇降用チェーン15,16を介してバケットシェル3,4が昇降する。
次に、開閉用ワイヤ7によるバケットシェル3,4の開閉機構について図5を参照して説明する。図5は、図3(b)と同様の開状態のグラブバケットの内部を正面からみた図である。
図5のように、バケットシェル3,4の開閉機構は、開閉用ワイヤ7がバケットシェル3の上部に設けた上部滑車17と、バケットシェル3の下部に設けた下部滑車18と、バケットシェル4の下部に設けた下部滑車19とにわたって掛け渡されて、バケットシェル4の上部ピン20に接合されている。開閉用ワイヤ7が上側に引っ張られると、この引っ張り力によって支軸2が上側に押し上げられてバケットシェル3、4が支軸2を中心に回動し図4(a)(b)のように閉じた状態になる。また、この閉じた状態から開閉用ワイヤ7の引っ張り力を緩めると、バケットシェル3、4の自重により支軸2を中心に回動して、図3(a)(b)の開いた状態になる。
なお、開閉用ワイヤ7は、浚渫用起重機船のウインチ(図示省略)によりクレーンを介して巻き上げ・巻き下げが可能でバケットシェル3、4を回動させ開閉できるとともにグラブバケット1を巻き上げることができる。同様に、昇降用ワイヤ12,13は、同期して回転駆動される2つのウインチ(図示省略)によりクレーンを介して巻き上げ・巻き下げが可能でグラブバケット1とともに昇降する。このため、起重機船のブリッジからみて、中心にグラブバケット開閉用主巻ウインチ、その両横にグラブバケット昇降用補巻ウインチのある起重機船を使用することが好ましい。
次に、図1〜図5の浚渫装置による水平掘削浚渫工程について図6を参照して説明する。図6は図1〜図5のグラブバケットを用いる水平掘削浚渫工法の工程(a)〜(e)を示す図である。
まず、図3のようにバケットシェル3,4を180度に開放した状態で、図3,図4の昇降用ワイヤ12,13を下げてグラブバケット1を水中に沈め、設計浚渫深度まで下げ、図6(a)のように水底Gに設置する。このとき、開閉用ワイヤ7には未だ荷重をかけない。
次に、開閉用ワイヤ7の巻き上げによる引き上げを開始すると、吊荷重が徐々に開閉用ワイヤ7へと移ると同時に、グラブバケット1は、図6(b)のようにバケットシェル3,4が支軸2を中心に閉じる方向に回動し、さらに開閉用ワイヤ7を引き上げると、図6(c)(d)のようにバケットシェル3,4がさらに閉じる方向に回動する。
上記バケットシェル3,4の閉じる過程で、バケットシェル3,4の刃先3a、4aは、高さ位置をほぼ一定にしたまま水平に移動して水底Gの土砂Dを水平掘削しバケットシェル3,4の内部に移す。そして、最終的に図6(e)のようにバケットシェル3,4が閉じる方向にさらに回動して土砂Dを内部に保持した状態で閉じる。なお、図6(b)〜(e)の工程では昇降用ワイヤ12,13は動かさない。
次に、グラブバケット1を、図3,図4の開閉用ワイヤ7を巻き上げることで水中から引き上げて土砂運搬船(図示省略)へと移動させてから開いて、内部の土砂を土砂運搬船に移す。このとき、昇降用ワイヤ12,13はグラブバケット1が回転しないように開閉用ワイヤ7に合わせて巻き上げるが、荷重は主として開閉用ワイヤ7が受け持つ。
上述のように、本実施形態の浚渫装置によれば、図6(a)〜(e)の工程において機械的な機構によってバケットシェル3,4の刃先3a、4aを水平に動かすことができ、水平掘削が可能となる。
次に、図3〜図6の浚渫装置により水底の法面に対し水平掘削を行う場合の構成について図7,図8を参照して説明する。図7は図3〜図6の開状態のグラブバケットを斜めに吊り下げた状態で示す斜視図である。図8は図7のグラブバケット(閉状態)を示す側面図である。
図7,図8に示すグラブバケット1は、図3のバケットシェル3,4を吊り下げる一方側の昇降用チェーン15,16と吊り部材11との間の吊り長さ調整用チェーン21を配置している。すなわち、昇降用チェーン15,16の接合部にフック等からなる接続部22を設け、昇降用チェーン15,16に吊り長さ調整用チェーン21を接続している。
図7のように、一方側の昇降用チェーン15,16(A部)に吊り長さ調整用チェーン21による吊り長さ調整手段(B部)を加えることで、バケットシェル3,4を水平方向から傾斜するように斜めに吊り下げる。この場合、吊り長さ調整用チェーン21の長さを浚渫対象の法面の傾斜角θ(図8)に基づいて決めることで、各バケットシェル3,4の刃先3a,4aの全体を法面と略平行に配置できる。このように、グラブバケット1を浚渫対象の法面にあわせて斜めに配置することができる。
また、図3でも図7でも、吊り部材11の水平に延びる軸n(図3,図4,図8)を通りかつ鉛直方向に延びて形成される面がバケットシェル3,4の支軸2の中心線pを通るように吊り部材11とバケットシェル3,4とが配置されている。図3では水平に延びる吊り部材11とバケットシェル3,4の支軸2の中心線pとが平行であるようにグラブバケット1を水平に配置しているが、図7では水平に延びる吊り部材11に対し支軸2の中心線pが傾斜するようにグラブバケット1を斜めに配置している。
図7のようにグラブバケット1を浚渫対象の法面にあわせて斜めに吊り下げることで、図6(a)〜(e)と同様にして法面において掘削ができ、法面に合わせた効率的な掘削・浚渫が可能になる。
なお、図6(a)〜(e)が法面掘削であるとした場合、水底Gは図の紙面垂直方向に傾斜しており、紙面垂直方向が法線方向である。また、グラブバケット1を吊したとき、吊り部材11の長さ方向(軸nの方向)が法面の法線方向と一致するようにグラブバケット1を位置決める。
なお、図7,図8では、昇降用チェーン15,16のデルタ部(図7のA部)のチェーン長さは変えず、吊り長さ調整用チェーン21(図7のB部)を使用することによってグラブバケット1を傾けているが、これは、デルタ部(A部)の長さを変えてしまうと、図6(a)〜(e)のような掘削ができなくなるからである。
以上のように、本実施形態の浚渫装置によれば、グラブバケット1を水平に吊り下げた場合とまったく同様に昇降用ワイヤ12,13により法面の設計高さまでグラブバケット1を下げて水底に設置してから開閉用ワイヤ7を巻き上げるだけで法面に合わせた平滑な浚渫面を形成することができる。また、平滑な法面掘削が可能となるので、法面余掘りを低減することができ、設計断面に近い平滑で余掘り量の少ない浚渫断面を容易に形成することができる。
すなわち、図11のように法面で浚渫を行う際に階段状となり易い法面を平滑化できるとともに法面掘削時の法面余掘りを低減することができ、法面において効率的な薄層浚渫が可能となる。
また、グラブバケット1の吊り下げのために水平に延びた吊り部材11を用いることで、グラブバケット1を設置するまでの間にグラブバケット1の回転を少なくできる。水底の掘削時にはある程度の回転は許容できる一方、法面掘削の場合はグラブバケット1が回転してしまうと三次元的に法面の浚渫面の形状が低下してしまうが、吊り部材11の配置により浚渫面の形状が低下を防止できる。また、吊り部材11を用いることで、吊り長さ調整用チェーン21による法面傾斜角にあわせた傾き調整が容易になる。
また、特殊なグラブバケット高さ制御などを必要とせず、開閉用ワイヤ7を巻き上げるだけで、機械的な構造によって平滑で法面に合わせた効率的な浚渫が可能となる。
なお、従来の図10のような通常のグラブバケットを使用した水平掘削は、グラブバケットを閉じると同時に、グラブ全体の高さを制御することによって水平掘削を可能にしているが、かかる技術を使用して法面を本実施形態と同様に斜面掘削するのは技術的に不可能に近い。
以上のように本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、バケットシェル3,4の図5の開閉機構は一例であって、他の機構であってもよい。
また、昇降用チェーン15,16や吊り長さ調整用チェーン21は、ワイヤやロープ等の綱部材であってもよい。また、吊り部材11は、形鋼以外の棒状部材であってもよく、鋼管や丸棒等であってもよい。
本発明の浚渫装置及び浚渫方法によれば、グラブバケットを浚渫対象の法面にあわせて斜めに吊り下げる構成とすることで、法面浚渫における段掘りをなくし、法面余掘りを低減することができ、設計断面に近い平滑で余掘り量の少ない浚渫断面を容易に形成することができる。このため、法面において薄層浚渫が可能となり、水底の上部に堆積した汚染部分を効率的に掘削でき、土砂のオーバーフローがなく汚濁の水中拡散のない環境対応型の浚渫工法を実現できる。
1:グラブバケット
2:支軸
3,4:バケットシェル
3a,4a:刃先
7:開閉用ワイヤ
10:浚渫装置
11:吊り部材
12,13:昇降用ワイヤ(昇降用綱部材)
15,16:昇降用チェーン(吊り用綱部材)
21:吊り長さ調整用チェーン(吊り長さ調整用綱部材)
G:水底
θ:傾斜角

Claims (8)

  1. 支軸を中心に回動可能に接合された一対のバケットシェルを備え水平掘削が可能なグラブバケットを用いて水底で法面を浚渫する浚渫装置であって、
    前記バケットシェルを前記法面の傾斜角に基づいて前記支軸の中心線が水平方向から傾斜するように斜めに位置調整した状態で前記法面の浚渫を行うことを特徴とする浚渫装置
  2. 前記一対のバケットシェルは、前記支軸を中心に回動し開閉するように構成され、前記開閉のとき各バケットシェルの刃先の軌跡が高さ位置をほぼ一定にしたまま水平移動するように構成されている請求項1に記載の浚渫装置
  3. 水平掘削が可能なグラブバケットと、前記グラブバケットを昇降させるための昇降手段と、前記グラブバケットの開閉操作を行うための開閉手段と、を備える浚渫装置であって、
    前記グラブバケットは、支軸を中心に回動可能に接合された一対のバケットシェルと、前記バケットシェルを吊す吊り手段と、を備え、前記吊り手段を前記昇降手段により上下させることで前記バケットシェルが昇降し、前記開閉手段による上下操作で前記バケットシェルが開閉し、
    前記吊り手段は、前記昇降手段の昇降用綱部材により水平方向に延びるように支持される吊り部材と、前記吊り部材と前記バケットシェルとの間に配置された一対の吊り用綱部材と、浚渫対象の法面の傾斜角に基づいて前記吊り用綱部材の吊り長さを調整可能な吊り長さ調整手段と、を備え、
    前記吊り手段は、前記吊り用綱部材のいずれか一方の吊り長さを前記吊り長さ調整手段により調整することで前記一対のバケットシェルを前記支軸の中心線が水平方向から傾斜するように斜めに吊すことが可能であることを特徴とする浚渫装置。
  4. 前記吊り長さ調整手段は、前記吊り用綱部材のいずれか一方と前記吊り部材との間に配置された吊り長さ調整用綱部材を備える請求項に記載の浚渫装置。
  5. 前記一対の吊り用綱部材は、その一方が前記支軸を挟んで前記一対のバケットシェルの一端の両隅近傍に2本接続され、その他方が前記支軸を挟んで前記一対のバケットシェルの他端の両隅近傍に2本接続され、前記吊り部材及び前記吊り長さ調整用綱部材にそれぞれ1箇所で接続する請求項に記載の浚渫装置。
  6. 前記一対のバケットシェルは、前記開閉手段による上下操作で前記支軸を中心に回動し開閉するとき、各バケットシェルの刃先の軌跡が高さ位置をほぼ一定にしたまま水平移動するように構成されている請求項乃至のいずれか1項に記載の浚渫装置。
  7. 支軸を中心に回動可能に接合された一対のバケットシェルを備え水平掘削が可能なグラブバケットを用いて水底で法面を浚渫する浚渫方法であって、
    前記バケットシェルを前記法面の傾斜角に基づいて前記支軸の中心線が水平方向から傾斜するように斜めに位置調整した状態で前記法面の浚渫を行うことを特徴とする浚渫方法。
  8. 前記一対のバケットシェルは、前記支軸を中心に回動し開閉するように構成され、前記開閉のとき各バケットシェルの刃先の軌跡が高さ位置をほぼ一定にしたまま水平移動するように構成されている請求項に記載の浚渫方法。
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