JP5142331B2 - ウエストベルトの製造方法及び使い捨ておむつの製造方法 - Google Patents
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[2]前記伸縮性シートを得た後、前記伸縮性シートの前記脚周り伸縮材のうち、前記伸縮性シートを切断する軌跡と交差する部分を切断する(F)工程を更に備える前記[1]に記載のウエストベルトの製造方法。
[8]前記伸縮性シートを得た後、前記伸縮性シートの前記脚周り伸縮材のうち、前記伸縮性シートを切断する軌跡と交差する部分を切断する(F)工程を更に備える前記[7]に記載の使い捨ておむつの製造方法。
[11]前記伸縮性シートを切断する軌跡は、直線状である前記[7]または[8]に記載の使い捨ておむつの製造方法。
本発明のウエストベルトの製造方法は、着用者の体に吸収性本体を固定するためのウエストベルトを製造する方法であり、以下の(A)工程〜(E)工程を備えている。
(A)工程は、帯状の長尺シートに、その長手方向に沿ってウエスト周り伸縮材を伸張状態で付設するとともに、脚周り伸縮材を、長尺シートの長手方向に沿う波状の軌跡を描き、且つ当該脚周り伸縮材が接着または溶着により長尺シートに付設された付設部分とこの付設部分以外の非付設部分とを有するように伸張状態で付設して伸縮性シートを得る工程である。このような工程によって、ウエスト周り伸縮材を、長尺シートの流れ方向(長手方向)に伸張させながら付設すればよいので、ウエスト周り伸縮材の伸張率を自由に設定して付設することが可能であるという利点がある。
長尺シートは、不織布からなるものであることが好ましく、不織布としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂からなる乾式不織布、湿式不織布などを用いることができる。具体的には、スパンボンド、SMS、エアースルー不織布等を挙げることができる。これらの中でも、スパンボンドは強度が高いため好適に用いることができる。また、エアースルー不織布は手触り感に優れていることから、帯状体の表面(外側)の素材として用いることが好ましい。
ウエスト周り伸縮材は、長尺シートの長手方向に沿って伸張状態で付設されるものである。ウエスト周り伸縮材の付設位置は、長尺シートの両端部、及び、上記両端部に加えて、上記両端部よりも中間部付近(即ち、着用者の下腹部周りに相当する部分の全部または一部)に付設することができる。このウエスト周り伸縮材を付設することによって、ウエスト開口部に伸縮性に富むギャザー(ウエストギャザー)を形成することができる。そして、このウエストギャザーにより、おむつ着用時においてウエスト周りに隙間が形成され難くなり、ウエスト周りからの尿漏れを防止することができる。また、おむつのフィット性が良好となり、おむつのずり落ちが防止される。
脚周り伸縮材は、長尺シートに、その長手方向に沿う波状の軌跡を描くように伸張状態で付設するものであり、着用者の脚周りに相当する部位に配置される伸縮材である。この脚周り伸縮材を配置することによって、おむつの脚周り開口部に伸縮性に富むギャザー(レグギャザー)を形成することができる。従って、脚周りに隙間が形成され難くなり、脚周り開口部からの尿漏れを効果的に防止することができる。また、脚周り伸縮材を配置すると、おむつを交換する際に吸収性本体の両側で脚周り伸縮材が収縮するため、股下部近傍が椀状に変形し、凹部が形成される。このため、尿や体液がその凹部に溜まり、尿や体液をこぼすことなく、容易におむつの交換を行うことができる。
(B)工程は、伸縮性シートのうち脚周り伸縮材が付設された領域を伸縮性シートの長手方向に沿って切断して、伸縮性シートの短手方向の一方の端縁を含み、脚周り伸縮材の頂上部を有する第一の中間体シートと、他方の端縁を含み、脚周り伸縮材の頂上部を有する第二の中間体シートを得る工程である。
(C)工程は、第一の中間体シートと第二の中間体シートを、一方の端縁と他方の端縁がそれぞれ同じ側に位置するとともに、脚周り伸縮材の頂上部どうしが重なるように積層させて積層体を得る工程である。「脚周り伸縮材の頂上部どうしが重なる」とは、第一の中間体シートに付設された脚周り伸縮材の各頂上部と、第二の中間体シートに付設された脚周り伸縮材の各頂上部と、がそれぞれ重なることを意味する。なお、第一の中間体シートと第二の中間体シートの幅は同じであることが好ましいが、異なっていてもよい。また、一方の端部と他方の端部を同じ側に位置させた際には、それぞれの端部を揃えることが好ましいが、ズレた状態であってもよい(揃えなくてもよい)。このように積層体を形成することによって、脚周り開口部にギャザー(レグギャザー)を形成したウエストベルト(おむつ)を容易に作製することができる。
(D)工程は、積層体に、頂上部を通り積層体の短手方向に沿って、第一の中間体シートと第二の中間体シートを相互に固定する固定部を形成して接合体を得る工程である。
(E)工程は、接合体を、頂上部を通り接合体の短手方向に沿って切断してウエストベルトを得る工程である。
本発明のウエストベルトの製造方法は、伸縮性シートを得た後、伸縮性シートの脚周り伸縮材のうち、伸縮性シートを切断する軌跡と交差する部分を切断する(F)工程を更に備えることができる。本工程を備えることによって、切断された縮性シートの切断端部において伸縮材による伸縮性が発現されないため、引きつれが防止される。脚周り伸縮材の切断方法は、具体的には、細かいパターンのエンボス、カッターなどによる切断、加圧及び/または加熱による切断などを挙げることができる。なお、脚周り伸縮材を切断する際には、伸縮性シートを切断してしまわないように注意する。
本発明のウエストベルトの製造方法によって製造されるウエストベルトは、ウエスト周り伸縮材及び脚周り伸縮材によって収縮された収縮領域と、収縮領域以外の非収縮領域とが形成されていることが好ましい。このように非収縮領域を有すると、この非収縮領域に吸収性本体を固定した際に、吸収性本体がウエストベルトに安定的に固定されるという利点がある。更に、吸収性本体とウエストベルトの間に隙間が生じ難いため、排泄物の漏れを防止することができるという利点がある。また、吸収性本体に形成されるしわの程度を軽減することができるので、快適に着用することができることに加えて、外観上も好ましい。このような理由から、非収縮領域は、吸収性本体が固定され得る部分に形成されていることが好ましい。
本発明のウエストベルトの製造方法によって製造されるウエストベルトは、着用者の腹側に位置するシート(腹側シート)に、ウエストベルトを破断可能な破断部が形成されていることが好ましい。破断部を形成すると、この破断部を破断することによって使い捨ておむつを容易に脱がすことが可能であるため、使い捨ておむつの交換に手間がかからないという利点がある。
本発明のウエストベルトの製造方法によって製造されるウエストベルトは、その内面に、ウエストベルトの厚さ方向に窪む凹部、及び、ウエストベルトの厚さ方向に突出する凸部の少なくともいずれかが形成されていることが好ましい。
本発明のウエストベルトの製造方法によって製造されるウエストベルトには、貫通孔が形成されていることが好ましい。貫通孔を形成することによって、ウエストベルトの通気性を向上させることができるという利点がある。即ち、長時間着用した場合であっても、ムレ難く、あせもなどのスキントラブルを防止することができる。
本発明の使い捨ておむつの製造方法は、以下の(G)工程〜(L)工程の各工程を備えている。
本発明の使い捨ておむつの製造方法の(G)工程及び(H)工程は、それぞれ、本発明のウエストベルトの製造方法の(A)工程及び(B)工程と同様の工程を採用することができる。
(I)工程は、吸収体と、この吸収体の表面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシートと、吸収体の裏面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシートとを有する吸収性本体の長手方向の両端部を、第一の中間体シートと第二の中間体シートの隣合う脚周り伸縮材の間にそれぞれ配置し、固定して吸収性本体固定体を得る工程である。
吸収体は、着用者の尿を吸収し、保持するための部材である。吸収体は、着用者の尿や体液を吸収し保持する必要から、吸収性材料によって構成される。
トップシートは、吸収体の表面(着用時における着用者側の面)を被覆するように配置されるシートである。トップシートは、吸収体に着用者の尿を吸収させる必要から、その少なくとも一部(全部ないし一部)が液透過性材料により構成される。通常、少なくとも吸収体の表面近傍については、着用者の尿や体液を透過させ得る液透過性の材料によって構成される。少なくとも一部が液透過性材料により構成されている限り、必ずしもトップシート全体が液透過性材料で構成されている必要はない。
バックシートは、吸収体の裏面(着用時における着用者の着衣側の面)を被覆するように配置されるシートである。バックシートは、着用者の尿がおむつ外部に漏洩してしまうことを防止するため、液不透過性材料によって構成される。
吸収性本体には、着用者の排泄した尿の横漏れを防止するため、立体ギャザーを備えることもできる。立体ギャザーは、着用者の排泄した尿の横漏れを防止するための部材であり、立体的に起立可能なように構成された防漏壁である。このような立体ギャザーを形成することにより、立体ギャザーが防波堤となり、使い捨ておむつの脚周り開口部等からの漏れ(いわゆる「横漏れ」)を有効に防止することができる。
吸収性本体は、その立体ギャザーの両側縁に、レグギャザーを備えることもできる。レグギャザーは、立体ギャザーと同様に排泄物の漏れを防止するためのものである。レグギャザーは、着用者の脚周りに、吸収性本体に沿って固定されることで、吸収性本体の横ズレを防止して、排泄物の漏れを有効に防止することができる。レグギャザーは、立体ギャザーの両側縁で、吸収体の外側に配置されることが好ましい。
(J)工程は、吸収性本体が内側に位置するように吸収性本体固定体を折り曲げて、第一の中間体シートと第二の中間体シートを、一方の端縁と他方の端縁がそれぞれ同じ側に位置するとともに、脚周り伸縮材の頂上部どうしが重なるように積層させておむつ用積層体を得る工程である。
(K)工程は、頂上部を通るとともにおむつ用積層体の短手方向に沿って第一の中間体シートと第二の中間体シートを相互に固定する固定部を形成しておむつ用接合体を得る工程である。固定部は、既に上述した固定部と同様にして形成することができる。
(L)工程は、おむつ用接合体を、頂上部を通るとともにおむつ用接合体の短手方向に沿って切断して、ウエストベルトと、このウエストベルトに固定された上記吸収性本体と、を有する使い捨ておむつを得る工程である。
Claims (11)
- 着用者の体に吸収性本体を固定するためのウエストベルトの製造方法であって、
帯状の長尺シートに、その長手方向に沿ってウエスト周り伸縮材を伸張状態で付設するとともに、脚周り伸縮材を、前記長尺シートの長手方向に沿う波状の軌跡を描き、且つ当該脚周り伸縮材が接着または溶着により前記長尺シートに付設された付設部分と前記付設部分以外の非付設部分とを有するように伸張状態で付設して伸縮性シートを得る(A)工程と、
前記伸縮性シートのうち前記脚周り伸縮材が付設された領域を前記伸縮性シートの長手方向に沿って切断して、前記伸縮性シートの短手方向の一方の端縁を含み、前記脚周り伸縮材の頂上部を有する第一の中間体シートと、他方の端縁を含み、前記脚周り伸縮材の頂上部を有する第二の中間体シートを得る(B)工程と、
前記第一の中間体シートと前記第二の中間体シートを、前記一方の端縁と前記他方の端縁がそれぞれ同じ側に位置するとともに、前記脚周り伸縮材の前記頂上部どうしが重なるように積層させて積層体を得る(C)工程と、
前記積層体に、前記頂上部を通り前記積層体の短手方向に沿って、前記第一の中間体シートと前記第二の中間体シートを相互に固定する固定部を形成して接合体を得る(D)工程と、
前記接合体を、前記頂上部を通り前記接合体の短手方向に沿って切断してウエストベルトを得る(E)工程と、を備え、
前記(A)工程において、前記脚周り伸縮材の前記非付設部分は、前記伸縮性シートを切断する軌跡上に位置しているウエストベルトの製造方法。 - 前記伸縮性シートを得た後、前記伸縮性シートの前記脚周り伸縮材のうち、前記伸縮性シートを切断する軌跡と交差する部分を切断する(F)工程を更に備える請求項1に記載のウエストベルトの製造方法。
- 前記伸縮性シートを切断する軌跡は、波長及び位相が前記脚周り伸縮材が描く前記波状の軌跡の波長及び位相と同じであり、振幅が、前記脚周り伸縮材が描く前記波状の軌跡の振幅に比して小さい波状である請求項1または2に記載のウエストベルトの製造方法。
- 前記脚周り伸縮材が描く前記波状の軌跡、及び、前記伸縮性シートを切断する前記波状の軌跡が、それぞれS字カーブ状である請求項1〜3のいずれか一項に記載のウエストベルトの製造方法。
- 前記伸縮性シートを切断する軌跡は、直線状である請求項1に記載のウエストベルトの製造方法。
- 前記固定部は、着脱可能な第一の固定部と着脱不能な第二の固定部を有しており、前記接合体には、その長手方向に、前記第一の固定部と前記第二の固定部が交互に配置されている請求項1〜5のいずれか一項に記載のウエストベルトの製造方法。
- 帯状の長尺シートに、その長手方向に沿ってウエスト周り伸縮材を伸張状態で付設するとともに、脚周り伸縮材を、前記長尺シートの長手方向に沿う波状の軌跡を描き、且つ当該脚周り伸縮材が接着または溶着により前記長尺シートに付設された付設部分と前記付設部分以外の非付設部分とを有するように伸張状態で付設して伸縮性シートを得る(G)工程と、
前記伸縮性シートのうち前記脚周り伸縮材が付設された領域を前記伸縮性シートの長手方向に沿って切断して、前記伸縮性シートの短手方向の一方の端縁を含み、前記脚周り伸縮材の頂上部を有する第一の中間体シートと、他方の端縁を含み、前記脚周り伸縮材の頂上部を有する第二の中間体シートを得る(H)工程と、
吸収体と、前記吸収体の表面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシートと、前記吸収体の裏面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシートとを有する吸収性本体の長手方向の両端部を、前記第一の中間体シートと前記第二の中間体シートの隣合う前記脚周り伸縮材の間にそれぞれ配置し、固定して吸収性本体固定体を得る(I)工程と、
前記吸収性本体が内側に位置するように前記吸収性本体固定体を折り曲げて、前記第一の中間体シートと前記第二の中間体シートを、前記一方の端縁と前記他方の端縁がそれぞれ同じ側に位置するとともに、前記脚周り伸縮材の前記頂上部どうしが重なるように積層させておむつ用積層体を得る(J)工程と、
前記おむつ用積層体に、前記頂上部を通り前記おむつ用積層体の短手方向に沿って、前記第一の中間体シートと前記第二の中間体シートを相互に固定する固定部を形成しておむつ用接合体を得る(K)工程と、
前記おむつ用接合体を、前記頂上部を通り前記おむつ用接合体の短手方向に沿って切断して、ウエストベルトと、前記ウエストベルトに固定された前記吸収性本体と、を有する使い捨ておむつを得る(L)工程と、を備え、
前記(G)工程において、前記脚周り伸縮材の前記非付設部分は、前記伸縮性シートを切断する軌跡上に位置している使い捨ておむつの製造方法。 - 前記伸縮性シートを得た後、前記伸縮性シートの前記脚周り伸縮材のうち、前記伸縮性シートを切断する軌跡と交差する部分を切断する(F)工程を更に備える請求項7に記載の使い捨ておむつの製造方法。
- 前記伸縮性シートを切断する軌跡は、波長及び位相が前記脚周り伸縮材が描く前記波状の軌跡の波長及び位相と同じであり、振幅が、前記脚周り伸縮材が描く前記波状の軌跡の振幅に比して小さい波状である請求項7または8に記載の使い捨ておむつの製造方法。
- 前記脚周り伸縮材が描く前記波状の軌跡、及び、前記伸縮性シートを切断する前記波状の軌跡が、それぞれS字カーブ状である請求項7〜9のいずれか一項に記載の使い捨ておむつの製造方法。
- 前記伸縮性シートを切断する軌跡は、直線状である請求項7または8に記載の使い捨ておむつの製造方法。
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