JP5141706B2 - 燃料圧力制御装置 - Google Patents
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Description
(燃料噴射システム10)
蓄圧式の燃料噴射システム10は、燃料供給ポンプ16、コモンレール20、圧力センサ22、減圧弁30、燃料噴射弁40、電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)50、電子駆動装置(EDU:Electronic Driving Unit)52等から構成されており、内燃機関として図示しない4気筒のディーゼルエンジン(以下、単にエンジンとも言う。)の各気筒に燃料を噴射する。尚、図の煩雑さを避けるため、図1においては、EDU52から1個の燃料噴射弁40への制御信号線、ならびにコモンレール20から1個の燃料噴射弁40への噴射配管202だけを示している。
燃料噴射弁40は、4気筒のディーゼルエンジンの各気筒に搭載され、コモンレール20が蓄圧している燃料を気筒内に噴射する。燃料噴射弁40は、エンジンの運転状態に基づいて、1回の燃焼サイクルにおいてメイン噴射の前後にパイロット噴射およびポスト噴射を含む多段噴射を行う。
(コモンレール圧制御)
本実施形態の燃料噴射システム10は、図2に示すように、エンジン運転状態がアイドル状態である等の所定のアイドルストップ条件が成立すると、燃料噴射弁40からの燃料噴射を停止しエンジンの回転を停止するアイドルストップを実行する。
ECU50は、アイドルストップ条件が成立するとアイドルストップ要求フラグをオンにし、アイドルストップ中におけるコモンレール圧の目標圧である目標残圧を、アイドルストップ状態からエンジンを再始動するときの目標圧(始動圧とも言う。)よりも高く設定する。
そして、ECU50は、燃料噴射弁40からの燃料噴射を停止し、エンジン回転数が所定回転数、例えば400rpmに低下すると、調量弁を開弁して燃料供給ポンプ16に燃料を吸入し、燃料供給ポンプ16からコモンレール20に燃料を圧送する。この場合、燃料供給ポンプ16の吸入量、つまり圧送量は調量弁により固定値に設定される。
(2)エンジン停止
図2に示すように、エンジンが停止すると、ECU50は、エンジン停止フラグをオフにする。そして、エンジンが停止すると、燃料供給ポンプ16から燃料は圧送されなくなるので、コモンレール圧はそれ以上上昇しない。このとき、ECU50は燃料供給ポンプ16の調量弁を閉弁する停止制御を実行し、燃料供給ポンプ16からの燃料リーク量を極力低減する。また、燃料噴射弁40がピエゾアクチュエータ駆動式の場合には、燃料噴射弁40からの燃料リーク量を殆ど0にできる。
(3−1)始動気筒判別前
ブレーキペダルの踏み込みが解除されることなどによりアイドルストップ条件が成立しなくなると、ECU50は、スタータを回転させるとともに、調量弁を制御して、燃料供給ポンプ16の吸入量、つまり圧送量を再始動用の固定値に設定する。
(3−2)始動気筒判別後
クランクシャフトおよびカムシャフトの回転が進み、クランク角センサ60およびカム角センサ62の出力信号から始動気筒が判別されると、ECU50は、アイドルストップ要求フラグをオフにし、エンジン停止判定フラグをオンにし、燃料噴射弁40に始動気筒からの燃料噴射を指令する。そして、ECU50は、減圧弁30による時間同期に基づくアイドルストップ用のコモンレール圧の調圧制御を終了し、実圧と目標圧との差圧に基づくF/B制御を実行する。
ECU50は、アイドルストップ条件が成立してエンジンが停止し、減圧弁30によるコモンレール圧の調圧制御によりコモンレール圧が所定範囲内で目標残圧に調圧されることにより残圧制御が完了すると、そのときのコモンレール圧をスタート圧力Psとして圧力センサ22から取得する。そして、アイドルストップが解除されると、スタータによりエンジンの再始動が開始されるときのコモンレール圧を、終了圧力Peとして圧力センサ22から取得する。
(デューティ比増加)
ECU50は、燃料リーク量が予め設定された所定値を超えると、次回以降のトリップでアイドルストップ条件が成立するときに、燃料リーク量が所定値以下の場合に設定するよりも調量弁を制御するデューティ比を増加させる。
ここで、アイドルストップ中の燃料リーク量が所定値を超える場合、燃料リーク量に基づいて吸入量とデューティ比とのマップからデューティ比を設定する代わりに、コモンレール圧が目標の昇圧量に達するまで、燃料リーク量が所定値以下の場合に設定されるデューティ比からトリップ毎に、例えば5%毎に順次増加してもよい。
ECU50は、燃料リーク量が予め設定された所定値を超えると、図4に示すように、次回以降のトリップでアイドルストップ条件が成立してアイドルストップ要求フラグがオンになり、燃料供給ポンプ16の吸入量を一旦0にする停止制御を実行してから、早期に調量弁を開弁して燃料供給ポンプ16に燃料を吸入する吸入制御の開始時期を早める。
(1)吸入制御の開始時期を早めて燃料圧送時間を増加すると、アイドルストップ条件が成立し、エンジンが停止するまでの間で、燃料圧送されてないときに実行すべき制御が妨げられることがある。
(2)また、吸入制御の開始時期を早めると、燃料噴射弁40の噴射停止が完了していないときに燃料圧送が開始され、燃料噴射弁40から不要な燃料噴射が実行される恐れがある。
(3)また、エンジンが停止するときにはエンジン回転数は減少しながらばらついて変動し、そのばらつきはエンジン回転数が高いほど大きい。したがって、吸入開始時期が早まり燃料圧送を開始するエンジン回転数が高くなると、エンジン回転数の変動が大きくなる。その結果、吸入量および圧送量のばらつきが大きくなり、コモンレール圧の上昇量のばらつきが大きくなることがある。
(コモンレール圧制御ルーチン)
次に、アイドルストップ時にECU50が実行するコモンレール圧制御ルーチンについて図5に基づいて説明する。図5のルーチンは、アイドルストップ条件が成立すると実行される。図5において「S」はステップを表している。
ECU50は、所定の吸入時間が経過すると(S414:Yes)、そのときのコモンレール圧を圧力センサ22の出力信号から検出し、調量弁の制御を開始する前に記憶したコモンレール圧との差圧から、燃料供給ポンプ16からの燃料圧送により上昇したコモンレール圧の実際の昇圧量の実測値を算出する(S416)。
圧力昇圧量の実測値が目標値以下の場合(S418:No)、ECU50は、デューティ比が上限ガード値以上であるか否かを判定する(S420)。
また、図5のS400〜S426の処理が本発明の圧力制御手段が実行する機能に相当し、S400の処理が本発明のリーク量検出手段が実行する機能に相当する。
上記実施形態では、燃料リーク量が所定値を超える場合、デューティ比増加制御または圧送時間増加制御におり、アイドルストップによりエンジンが停止するときのコモンレー圧を燃料リーク量が所定値以下の場合よりも上昇させた。
Claims (5)
- 燃料を蓄圧するコモンレールと、
前記コモンレールに燃料を圧送する燃料供給ポンプと、
前記コモンレールで蓄圧された燃料を内燃機関の各気筒に噴射する燃料噴射弁と、
を備える燃料噴射システムに適用され、前記コモンレール内の燃料圧力であるコモンレール圧を制御する燃料圧力制御装置において、
前記コモンレール圧を制御する圧力制御手段と、
アイドルストップ条件が成立し、前記圧力制御手段が前記コモンレール圧を上昇させ、前記内燃機関を始動するときの前記コモンレール圧の始動圧よりも高い目標残圧に前記コモンレール圧を制御してからの前記燃料噴射システムの燃料リーク量を検出するリーク量検出手段と、
を備え、
前記圧力制御手段は、前記リーク量検出手段が検出する前記燃料リーク量が予め設定された所定値を超える場合、次回以降にアイドルストップ条件が成立するときに、前記燃料リーク量が所定値以下の場合に前記目標残圧に前記コモンレール圧を制御するときよりも、前記内燃機関が停止するときの前記コモンレール圧を上昇させる、
ことを特徴とする燃料圧力制御装置。 - 前記燃料噴射システムは、通電制御により前記コモンレール内の燃料を排出して前記コモンレール圧を減圧する減圧弁を備え、
前記圧力制御手段は、前記燃料リーク量が前記所定値以下の場合、次回以降に前記アイドルストップ条件が成立するときに、前記燃料供給ポンプからの燃料圧送を制御するとともに前記減圧弁を制御して前記目標残圧に前記コモンレール圧を制御し、前記燃料リーク量が前記所定値を超える場合、次回以降に前記アイドルストップ条件が成立するときに、前記減圧弁を制御せずに前記燃料供給ポンプからの燃料圧送だけを制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の燃料圧力制御装置。 - 前記燃料供給ポンプは、前記燃料供給ポンプの圧送量を調量する調量弁を有し、
前記圧力制御手段は、前記燃料リーク量が前記所定値を超える場合、次回以降に前記アイドルストップ条件が成立するときに、前記調量弁を制御することにより、前記燃料リーク量が所定値以下の場合よりも前記燃料供給ポンプからの単位時間当たりの燃料圧送量を増加させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の燃料圧力制御装置。 - 前記圧力制御手段は、前記燃料リーク量が前記所定値を超える場合、次回以降に前記アイドルストップ条件が成立するときに、前記調量弁を制御することにより前記燃料供給ポンプからの単位時間当たりの燃料圧送量を増加させても燃料圧送量が不足する場合、前記調量弁を制御することにより、前記燃料リーク量が前記所定値以下の場合よりも早期に前記燃料供給ポンプからの燃料圧送量を開始させることを特徴とする請求項3に記載の燃料圧力制御装置。
- 前記燃料供給ポンプは、前記燃料供給ポンプの圧送量を調量する調量弁を有し、
前記圧力制御手段は、前記燃料リーク量が前記所定値を超える場合、次回以降に前記アイドルストップ条件が成立するときに、前記調量弁を制御することにより、前記燃料リーク量が前記所定値以下の場合よりも早期に前記燃料供給ポンプからの燃料圧送を開始させる、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の燃料圧力制御装置。
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