JP5310624B2 - 燃料圧力制御装置 - Google Patents
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Description
このように、コモンレール圧が上昇判定圧を超えて上昇するまでスタータを複数回に分けて駆動するので、スタータへの電流供給を停止した後もスタータおよび燃料供給ポンプが慣性で回転して燃料が圧送される状態が複数回生じる。その結果、スタータへの電流供給停止後の慣性による燃料供給ポンプからの圧送量という観点からは、同じ圧送量が必要な場合には、スタータを複数回に分けて駆動する方が、連続して1回だけ駆動するよりもスタータに電流を供給する時間が短くなり、電力消費量を低減できる。
これにより、コモンレール圧が始動圧よりも低下すれば、スタータを駆動して燃料供給ポンプからコモンレールに燃料が供給されるので、コモンレール圧が上昇する。その結果、アイドルストップから内燃機関を再始動するときのコモンレール圧が始動圧よりも低下することを極力低減し、アイドルストップから内燃機関を速やかに再始動できる。
(燃料噴射システム10)
蓄圧式の燃料噴射システム10は、燃料供給ポンプ16、コモンレール20、圧力センサ22、減圧弁30、燃料噴射弁40、電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)50、電子駆動装置(EDU:Electronic Driving Unit)52、スタータ70等から構成されており、内燃機関として図示しない4気筒のディーゼルエンジン(以下、単にエンジンとも言う。)の各気筒に燃料を噴射する。尚、図の煩雑さを避けるため、図1においては、EDU52から1個の燃料噴射弁40への制御信号線、ならびにコモンレール20から1個の燃料噴射弁40への噴射配管202だけを示している。
燃料噴射弁40は、4気筒のディーゼルエンジンの各気筒に搭載され、コモンレール20が蓄圧している燃料を気筒内に噴射する。燃料噴射弁40は、エンジンの運転状態に基づいて、1回の燃焼サイクルにおいてメイン噴射の前後にパイロット噴射およびポスト噴射を含む多段噴射を行う。
(コモンレール圧制御)
本実施形態の燃料噴射システム10は、図2に示すように、エンジン運転状態がアイドル状態である等の所定のアイドルストップ条件が成立すると、燃料噴射弁40からの燃料噴射を停止しエンジンの回転を停止するアイドルストップを実行する。
ECU50は、アイドルストップ条件が成立するとアイドルストップ要求フラグをオンにし、アイドルストップ中におけるコモンレール圧の目標圧である目標残圧を始動圧よりも高く設定する。
そして、ECU50は、燃料噴射弁40からの燃料噴射を停止し、エンジン回転数が所定回転数に低下すると、調量弁18を開弁して燃料供給ポンプ16に燃料を吸入し、燃料供給ポンプ16からコモンレール20に燃料を圧送する。この場合、燃料供給ポンプ16の吸入量、つまり圧送量は調量弁18により固定値に設定される。
(2)エンジン停止
図2に示すように、エンジンが停止すると、ECU50は、エンジン停止判定フラグをオフにする。エンジン停止判定フラグは、オンのときにエンジン運転中を表し、オフのときにエンジン停止中を表す。
(3−1)始動気筒判別前
ブレーキペダルの踏み込みが解除されることなどによりアイドルストップ条件が成立しなくなると、ECU50は、スタータ70を駆動するとともに、調量弁18を制御して、燃料供給ポンプ16の吸入量、つまり圧送量を再始動用の固定値に設定する。
(3−2)始動気筒判別後
クランクシャフトおよびカムシャフトの回転が進み、クランク角センサ60およびカム角センサ62の出力信号から始動気筒が判別されると、ECU50は、アイドルストップ要求フラグをオフにし、エンジン停止判定フラグをオンにし、燃料噴射弁40に始動気筒からの燃料噴射を指令する。そして、ECU50は、減圧弁30による時間同期に基づくアイドルストップ用のコモンレール圧の調圧制御を終了し、実コモンレール圧と目標圧との差圧に基づくF/B制御を実行する。
ECU50は、アイドルストップ条件が成立してエンジンが停止し、減圧弁30によるコモンレール圧の調圧制御によりコモンレール圧が所定範囲内で目標残圧に調圧されることにより残圧制御が完了すると、コモンレール圧が、スタータ70の駆動を実行してコモンレール圧を上昇させる必要のある始動圧よりも低下したか否かを判定する。
ECU50は、コモンレール圧が始動圧よりも低下すると、スタータ駆動判定フラグをオンにする。そして、スタータ70を駆動して燃料供給ポンプ16から燃料を圧送させ、コモンレール20に燃料を供給する。これにより、コモンレール圧が上昇する。そして、コモンレール圧が上昇判定圧を超えると、ECU50はスタータ70の駆動を停止し、スタータ駆動判定フラグをオフにする。
(1)スタータ連続駆動
コモンレール圧を目標残圧よりも上昇させるためにスタータ70を駆動する場合、図2に示すように、コモンレール圧が目標残圧を超えるまでスタータ70を連続して駆動することが考えられる。
また、コモンレール圧を目標残圧よりも上昇させるためにスタータ70を駆動する場合、図3に示すように、コモンレール圧が目標残圧を超えるまで、スタータ70を複数回に分けて駆動することが考えられる。
次に、アイドルストップ時にECU50が実行するコモンレール圧制御ルーチンについて図4および図5に基づいて説明する。図4のルーチンは、アイドルストップ条件が成立し、減圧弁30の制御が角度同期から時間同期に変更されている間、時間同期の割り込みタイミング毎に実行される。図5の(A)、(B)は、図4のS418において処理されるスタータ駆動制御の異なるルーチンを表している。図4および図5において「S」はステップを表している。
実コモンレール圧が低下判定圧以上の場合(S406:No)、ECU50は、スタータ駆動判定フラグがオンであるか否かを判定する(S410)。
図4のS418でスタータ70を駆動するときにスタータ70を連続駆動する場合のルーチンを図5の(A)に示す。
図4のS418でスタータ70を駆動するときにスタータ70を複数回に分けて駆動する場合のルーチンを図5の(B)に示す。
以上説明した上記実施形態では、燃料噴射システム10毎の燃料リーク量のばらつき、あるいは経年変化による燃料リーク量の増加等により、アイドルストップ中にコモンレール圧が所定圧よりも低下する場合において、スタータ70を駆動して燃料供給ポンプ16から燃料を圧送させ、コモンレール圧を上昇させる。
これにより、アイドルストップ中に燃料噴射システム10から燃料がリークしてコモンレール圧が低下しても、アイドルストップ条件が成立したときにコモンレール圧を上昇させず、エンジンが停止指令を受けたときの圧力のままにしておく場合に比べ、再始動時のコモンレール圧を高圧にできる。その結果、燃料噴射弁40から速やかに燃料噴射を再開し、アイドルストップからエンジンを速やかに再始動できる。
また、図4のS406の処理が本発明の圧力判定手段が実行する機能に相当し、S412〜S428、ならびに図5のS430、およびS440〜S454の処理が本発明の圧力制御手段が実行する機能に相当する。
上記実施形態では、アイドルストップ条件が成立すると、エンジンが停止するまでの間に調量弁18を制御して燃料供給ポンプ16から燃料を圧送することによりコモンレール圧を上昇させ、エンジンを再始動するときの始動圧よりも高い目標残圧に調圧した。
Claims (7)
- 燃料を蓄圧するコモンレールと、
内燃機関を始動するスタータと、
前記内燃機関の回転駆動力が伝達されて前記コモンレールに燃料を圧送する燃料供給ポンプと、
前記コモンレールで蓄圧された燃料を内燃機関の各気筒に噴射する燃料噴射弁と、
を備える燃料噴射システムに適用され、前記コモンレール内の燃料圧力であるコモンレール圧を制御する燃料圧力制御装置において、
アイドルストップ条件が成立し、前記内燃機関のアイドルストップ中に前記コモンレール圧が所定の低下判定圧よりも低下したか否かを判定する圧力判定手段と、
前記アイドルストップ中であり、かつ前記内燃機関の再始動条件が成立する前において、前記コモンレール圧が前記低下判定圧よりも低下していると前記圧力判定手段が判定すると、前記スタータを自動的に駆動して前記内燃機関を再始動させることなく前記燃料供給ポンプから燃料を圧送させる圧力制御手段と、
を備えることを特徴とする燃料圧力制御装置。 - 前記圧力制御手段は、前記コモンレール圧が前記低下判定圧以上に設定された所定の上昇判定圧を超えるまで前記スタータを連続して駆動することを特徴とする請求項1に記載の燃料圧力制御装置。
- 前記圧力制御手段は、前記コモンレール圧が前記低下判定圧以上に設定された所定の上昇判定圧を超えるまで前記スタータを複数回に分けて駆動することを特徴とする請求項1に記載の燃料圧力制御装置。
- 前記燃料供給ポンプは、前記燃料供給ポンプへの燃料の吸入量を調量する調量弁を備え、
前記圧力制御手段は、前記スタータを駆動する所定時間前に前記調量弁を開弁し前記燃料供給ポンプへの燃料吸入を許可する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料圧力制御装置。 - 前記燃料供給ポンプは、前記燃料供給ポンプの吐出側に設置され前記燃料供給ポンプからの燃料の吐出量を調量する調量弁を備え、
前記圧力制御手段は、前記スタータを駆動すると同時に前記調量弁を閉弁することにより前記燃料供給ポンプからの燃料吐出を許可する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料圧力制御装置。 - 前記低下判定圧は、前記内燃機関を始動するときに前記燃料噴射弁から燃料を噴射可能な始動圧であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の燃料圧力制御装置。
- 前記圧力制御手段は、アイドルストップ条件が成立すると、前記コモンレール圧を上昇させ、前記内燃機関を始動するときに前記燃料噴射弁から燃料を噴射可能な始動圧よりも高い目標残圧に前記コモンレール圧を調圧することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の燃料圧力制御装置。
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