JP5140938B2 - 色素増感型太陽電池 - Google Patents

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂からなる接着層を有する色素増感型太陽電池用基板を用いた色素増感型太陽電池に関するものである。
地球温暖化等の環境問題が世界的に進行している近年、環境に対する負荷が小さいクリーンエネルギーとして太陽光発電が注目を浴びており、積極的に研究開発が進められている。このような太陽電池としては、単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、化合物半導体太陽電池などが既に実用化されている。しかしながら、これらの太陽電池は製造コストが高く、また、製造段階でのエネルギー消費が大きいといった問題を抱えている。このような状況下、色素増感型太陽電池は低コスト化の可能性が高い新規な太陽電池として着目されており、精力的に研究開発が行われている。
一般的な色素増感型太陽電池には、基材上に、金属酸化物からなる第1電極層、および表面に色素増感剤が吸着した金属酸化物半導体微粒子を有する多孔質層がこの順で積層された色素増感型太陽電池用基板が用いられ、上記多孔質層上に、電解質層、第2電極層および対向基材がこの順に積層された構成を有するものである。
ここで、上記色素増感型太陽電池用基板が有する多孔質層は、多孔質体からなるものであるが、このような多孔質体を製造するには通常高温下での焼成が必要とされる。このため、従来の色素増感型太陽電池用基板を製造する方法としては、基材上に第1電極層をスパッタリング法等で作製し、次いで、上記第1電極層上に、多孔質層を構成する材料を塗布等し、それを焼成することにより多孔質体である多孔質層を得る方法が用いられてきた。
しかしながら、このような方法は、焼成する際に600℃程度に加熱することが必要であるために、基材として樹脂フィルム等の耐熱性の低いものを使用することができないという問題があった。
このような問題に対して、特許文献1においては、耐熱性の高い基板上に、多孔質層を構成する材料等を塗布し、それを焼成することにより多孔質層を得て、次いで、上記多孔質層を樹脂フィルム等の耐熱性の低いものに転写することにより半導体電極を得る方法が開示されている(以下、このような方法を転写法と称する。)。このような転写法は、耐熱性の低い基材を用いた色素増感型太陽電池用基板を得ることができるという利点があることから、樹脂製フイルム基材を用いてフレキシブルな色素増感型太陽電池用基板を製造することが可能な方法として着目されている。
また、特許文献1に開示されたような転写法を用いて色素増感型太陽電池用基板を製造する場合においては、多孔質層を被転写媒体に転写するために接着性樹脂が用いられており、このような接着性樹脂としては、上述した電解質層に含まれる腐食性の高い酸化還元対に対する耐久性の観点から、主として熱可塑性樹脂が用いられてきた。
特開2002−184475号公報
しかしながら、本発明者らは上記転写法によって作製された色素増感型太陽電池用基板を用いる色素増感型太陽電池について鋭意検討した結果、上記接着性樹脂として熱可塑性樹脂を用いると、電解質層を封入するためのシール材を硬化させる熱処理工程において、上記熱可塑性樹脂が軟化してしまい、これに起因して例えば、第1電極層等の接着層に接する他の層の機能が損なわれる等の問題点があること見出した。そして、このような問題点から、熱可塑性樹脂からなる接着層を有する色素増感型太陽電池用基板を用いて作製した色素増感型太陽電池は、上記接着層を有さない色素増感型太陽電池用基板を用いたものと比較して、発電効率が低下してしまうという問題点を見出した。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、熱可塑性樹脂からなる接着層を有する色素増感型太陽電池用基板を用いた発電効率の高い色素増感型太陽電池を提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、基材と、上記基材上に形成され、熱可塑性樹脂からなる接着層と、上記接着層上に形成され、金属酸化物からなる第1電極層と、上記第1電極層上に形成され、表面に色素増感剤が吸着した金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層とを有する色素増感型太陽電池用基板、および、対向基材と、上記対向基材上に形成された第2電極層とを有する対電極基材が、酸化還元対を含む電解質層を介して、上記多孔質層と上記第2電極層とが対向するように配置されており、さらに、上記色素増感型太陽電池用基板と上記対電極基材との間であり、かつ、上記電解質層の周囲に上記電解質層を密封するように形成されたシール材を有する色素増感型太陽電池であって、上記シール材が、上記接着層を軟化させないで硬化させることが可能な硬化型樹脂からなるものであることを特徴とする、色素増感型太陽電池を提供する。
本発明によれば、上記シール材が上記熱可塑性樹脂を軟化させないで硬化させることが可能な硬化型樹脂からなるものであることにより、上記硬化型樹脂を硬化させる際に、上記接着層が軟化することを防止することができる。これにより、上記接着層が軟化することに起因して、上記接着層上に形成された上記第1電極層の電極としての機能が損なわれるにことを防止できる。このようなことから、本発明によれば熱可塑性樹脂からなる接着層を有する色素増感型太陽電池用基板を用いた発電効率の高い色素増感型太陽電池を得ることができる。
本発明においては、上記硬化型樹脂が紫外線硬化型樹脂であることが好ましい。上記硬化型樹脂が紫外線硬化型樹脂であることにより、上記硬化型樹脂を硬化させる際に熱処理を必要としないため、上記シール材を形成する際に接着層が軟化することを防止できる。このため、上記シール材を形成する際に色素増感型太陽電池の発電効率が損なわれることを防止できるからである。
また本発明においては、上記硬化型樹脂が熱硬化型樹脂であっても良い。熱硬化性樹脂であっても上記接着層を軟化させずに硬化できるものであれば、上記硬化型樹脂を硬化させる際に接着層が軟化することを防止できるため、上記シール材を形成することによって色素増感型太陽電池の発電効率が損なわれることを防止できるからである。
さらに本発明においては、上記硬化型樹脂が2液硬化型樹脂であっても良い。上記硬化型樹脂が2液硬化型樹脂であっても、上記硬化型樹脂を硬化させる際に熱処理を必要としないため、上記シール材を形成する際に接着層が軟化することを防止できるからである。
本発明は、熱可塑性樹脂からなる接着層を有する色素増感型太陽電池用基板を用いた発電効率の高い色素増感型太陽電池を提供できるという効果を奏する。
以下、本発明の色素増感型太陽電池について詳細に説明する。
本発明の色素増感型太陽電池は、基材と、上記基材上に形成され、熱可塑性樹脂からなる接着層と、上記接着層上に形成され、金属酸化物からなる第1電極層と、上記第1電極層上に形成され、表面に色素増感剤が吸着した金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層とを有する色素増感型太陽電池用基板、および、対向基材と、上記対向基材上に形成された第2電極層とを有する対電極基材が、酸化還元対を含む電解質層を介して上記多孔質層と上記第2電極層とが対向するように配置されており、さらに、上記色素増感型太陽電池用基板と上記対電極基材との間であり、かつ、上記電解質層の周囲に上記電解質層を密封するように形成されたシール材を有する色素増感型太陽電池であって、上記シール材が、上記接着層を軟化させないで硬化させることが可能な硬化型樹脂からなるものであることを特徴とするものである。
このような本発明の色素増感型太陽電池について図を参照しながら説明する。図1は本発明の色素増感型太陽電池の一例を示す概略断面図である。図1に例示するように本発明の色素増感型太陽電池1は、色素増感型太陽電池用基板10と対電極基材20により、電解質層30が挟持されており、上記電解質層30の周囲に形成されたシール材40により上記電解質層30が密封された構成を有するものである。
ここで、上記色素増感型太陽電池用基板10は、基材11上に、熱可塑性樹脂からなる接着層12と、金属酸化物からなる第1電極層13と、表面に色素増感剤が吸着した金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層14とがこの順で積層された構成を有するものである。
また、上記対電極基材20は、対向基材21上に第2電極層が積層された構成を有するものである。
さらに、上記色素増感型太陽電池用基板10と上記対電極基材20とは、上記電解質層30を介して上記多孔質層14と上記第2電極層22とが対向するように配置されており、上記電解質層30の周囲にはシール材40が形成された構成を有するものである。
このような例において、本発明の色素増感型太陽電池1は、上記シール材40が、上記接着層12を軟化させないで硬化させることが可能な硬化型樹脂からなるものであることを特徴とするものである。
従来、色素増感型太陽電池の発電機構を担う電解質層を封止するために用いられるシール材としては、電解質層に含まれる酸化還元対に対する耐性や、接着性等の観点から熱硬化型樹脂が用いられてきた。このため、熱可塑性樹脂からなる接着層を有する色素増感型太陽電池用基板を用いて色素増感型太陽電池を作製すると、上記シール材に用いられる熱硬化型樹脂を硬化させる熱処理工程において、上記接着層が軟化してしまうという問題があった。このような問題は、例えば、上記接着層上に積層された第1電極層のクラックや変形の原因となり、結果として太陽電池としての発電効率を損なうことになるものであった。このようなことから、熱可塑性樹脂からなる接着層を有する色素増感型太陽電池用基板を用いて、発電効率の高い色素増感型太陽電池を得ることが困難であった。
しかしながら本発明によれば、上記シール材を構成する材料として、接着層を軟化させずに硬化させることが可能な硬化型樹脂を用いることにより、上記硬化型樹脂を硬化させる際に上記接着層を軟化することを防止できるため、熱可塑性樹脂からなる接着層を有する色素増感型太陽電池用基板を用いた発電効率の高い色素増感型太陽電池を提供することができる。
本発明の色素増感型太陽電池は、色素増感型太陽電池用基板、対電極基材、電解質層、および、シール材を有するものである。以下、このような各構成について詳細に説明する。
1.シール材
まず、本発明に用いられるシール材について説明する。本発明に用いられるシール材は、上記色素増感型太陽電池用基板と上記対電極基材との間であり、かつ、上記電解質層の周囲に形成されるものであり、上記色素増感型太陽電池用基板と上記対電極基材とのギャップを調整し、また、上記電解質層を封止する機能を有するものである。
また、本発明に用いられるシール材は、後述する接着層を軟化させないで硬化させることが可能な硬化型樹脂からなることを特徴とするものである。本発明に用いられるシール材がこのような硬化型樹脂からなるものであることにより、シール材を硬化させる際に後述する接着層が軟化してしまうことを防止でき、このようなことから本発明は、熱可塑性樹脂からなる接着層を有する色素増感型太陽電池用基板を用いた発電効率の高い色素増感型太陽電池を提供することができるのである。以下、本発明に用いられるシール材について説明する。
上記シール材に用いられる硬化型樹脂について説明する。上記シール材に用いられる硬化型樹脂としては、後述する接着層を軟化させないで硬化させることが可能なものであれば特に限定されない。ここで、上記「接着層を軟化させないで」とは、「接着層を融点以上の温度に昇温させないで」と同意である。したがって、上記「接着層を軟化させないで硬化させることが可能なもの」とは、「接着層を融点以上に昇温させることなく硬化可能なもの」という意味である。
なお、本発明おける上記「融点」は、示差走査熱量分析装置(DSC(Differential Scanning Calorimetry))により、10℃/分の昇温速度で得られたDSCカーブの吸熱ピークのピークトップ温度を意味するものとする。
上記硬化型樹脂としては、活性放射線を照射することにより硬化する活性放射線硬化型樹脂、加熱することにより硬化する熱硬化型樹脂、および、2液を混合することにより硬化する2液硬化型樹脂を挙げることができる。
上記硬化型樹脂として用いることがきる活性放射線硬化型樹脂について説明する。本発明に用いられる活性放射線硬化型樹脂としては、後述する接着層を軟化させない活性放射線を照射することにより、硬化できるものであれば特に限定されるものではない。ここで、活性放射線とは、硬化型樹脂のモノマーやオリゴマー等に照射することにより、モノマー等の重合反応に必要な活性化エネルギーを供給できる放射線をいう。
このような活性放射線硬化型樹脂としては、特定範囲の波長を有する光(電磁波)を照射することにより硬化する光硬化型樹脂と、電子線を照射することにより硬化する電子線硬化型樹脂とを挙げることができる。
本発明に用いられる上記活性放射線硬化型樹脂としては、上記光硬化型樹脂および上記電子線硬化型樹脂のいずれであっても好適に用いることができるが、なかでも本発明においては光硬化型樹脂を用いることが好ましい。光硬化型樹脂は広く他分野においても利用されており、すでに確立された技術であることから、本発明への応用が容易だからである。
また、上記光硬化型樹脂としては紫外線を照射することにより硬化する紫外線硬化型樹脂、可視光を照射することにより硬化する可視光硬化型樹脂等を挙げることができるが、なかでも本発明においては紫外線硬化型樹脂を用いることが好ましい。紫外線硬化型樹脂を用いることにより、上記シール材を硬化する際に後述する接着層が加熱されることを確実に防止できるからである。また、紫外線照射装置の容易性等の観点で有用だからである。
上記紫外線硬化型樹脂を硬化させる紫外線の波長範囲としては、後述する接着層を軟化させない範囲内であれば特に限定されるものではないが、通常、150nm〜500nmの範囲内が好ましく、なかでも250nm〜450nmの範囲内が好ましく、特に300nm〜400nmの範囲内が好ましい。
本発明に用いられる上記紫外線硬化型樹脂の具体例としては、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、カチオン重合系モノマー、アクリレートオリゴマー、ポリエステル系オリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマー等を挙げることができる。なかでも本発明においては、アクリレートモノマー、および、アクリレートオリゴマーを用いることが好ましい。
なお、本発明においては、上記活性放射線硬化型樹脂を1種類のみ用いても良く、または、2種類以上を混合して用いてもよい。
次に、上記硬化型樹脂として用いられる熱硬化型樹脂について説明する。本発明に用いられる熱硬化型樹脂としては、後述する接着層の融点よりも低い温度で硬化するものであれば特に限定されるものではない。接着層の融点よりも低い温度で硬化するものであれば、硬化させる際に熱処理を行ったとしても、接着層が軟化することを防止できるからである。
本発明に用いられる熱硬化型樹脂の硬化温度としては、後述する接着層の融点よりも低い温度であれば特に限定されない。
ここで、上記熱硬化型樹脂の硬化温度は、例えば、示差走査熱量分析装置(DSC(Differential Scanning Calorimetry))を用いることにより測定することができる。
本発明に用いられる熱硬化型樹脂としては、後述する接着層の融点に応じて、それよりも低い温度で硬化できるものを任意に選択して用いることができる。このような熱硬化型樹脂の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、フッ素樹脂等を挙げることができる。
本発明においてはこのような熱硬化型樹脂の中から、後述する接着層の融点に応じて、当該融点よりも低い温度で硬化する樹脂を1種類または2種類以上を選択して用いることができる。
次に、上記硬化型樹脂として用いられる2液硬化型樹脂について説明する。本発明に用いられる2液硬化型樹脂としては、硬化させる際に後述する接着層の融点よりも高い温度に加熱することを要しないものであれば特に限定されない。このような2液硬化型樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができる。なかでも本発明においては、エポキシ樹脂およびウレタン樹脂を用いることが好ましい。
本発明に用いられるシール材の高さとしては、後述する色素増感型太陽電池用基板と後述する対電極基材とのギャップを所望の範囲内にすることができる高さであれば特に限定されない。なかでも本発明においては1μm〜300μmの範囲内であることが好ましく、さらには5μm〜200μmの範囲内であることが好ましく、特に10μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。なお、上記シール材の高さは、後述する電解質層の最大厚みに相当するものである。
また、本発明に用いられるシール材の幅としては、0.1mm〜10mmの範囲内であることが好ましく、なかでも0.2mm〜5mmの範囲内であることが好ましく、特に0.5mm〜3mmの範囲内であることが好ましい。
2.色素増感型太陽電池用基板
次に、本発明に用いられる色素増感型太陽電池用基板について説明する。本発明に用いられる色素増感型太陽電池用基板は、基材と、上記基材上に形成され、熱可塑性樹脂からなる接着層と、上記接着層上に形成され、金属酸化物からなる第1電極層と、上記第1電極層上に形成され、表面に色素増感剤が吸着した金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層とを有するものである。以下、このような色素増感型太陽電池用基板の各構成について詳細に説明する。
(1)接着層
上記色素増感型太陽電池用基板に用いられる接着層について説明する。上記接着層は、熱可塑性樹脂からなるものであり、本発明に用いられる色素増感型太陽電池用基板を転写法を用いて作製する際に、後述する多孔質層の転写性を向上させる機能を有するものである。
本発明に用いられる接着層の融点は、上述したシール材を構成する硬化型樹脂を選択する基準となるものであるが、本発明に用いられる接着層の融点は40℃〜150℃の範囲内であることが好ましく、なかでも60℃〜120℃の範囲内であることが好ましく、特に80℃〜100℃の範囲内であることが好ましい。融点が上記範囲よりも高いと、上記基材と後述する第1電極層とを所望の密着力で接着できない可能性があり、また上記範囲よりも低いと、上記シール材を構成する硬化型樹脂として用いることができる熱硬化型樹脂が著しく制約されてしまう可能性があるからである。
なお、上記融点の測定方法としては、上記「1.シール材」の項において説明した方法と同様であるため、ここでの説明は省略する。
上記接着層を構成する上記熱可塑性樹脂は、融点が50℃〜200℃の範囲内であることが好ましく、特に60℃〜180℃の範囲内であることが好ましく、なかでも65℃〜150℃の範囲内であることが好ましい。本発明に用いられる色素増感型太陽電池用基板を転写法により作成する場合は、上記熱可塑性樹脂により後述する基材と第1電極層とを熱融着することになるが、上記熱可塑性樹脂の融点が上記範囲よりも高いと熱融着させる際の加熱温度が高くなってしまい、後述する基材等が熱損傷を受けてしまう場合があるからである。また、融点が上記範囲よりも低いと、本発明の色素増感型太陽電池を屋外で使用した場合に、環境によっては接着層が溶融し、これに起因して、例えば、接着層上に形成された第1電極層の機能を損なってしまう可能性があるからである。
上記熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリスチレン、エチレン‐プロピレンゴム等のポリオレフィン、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、エチレン‐アクリル酸共重合体、エチルセルロース、トリ酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリ(メタ)アクリル酸とそのエステルとの共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール、ポリアセタール、ポリアミド、ポリイミド、ナイロン、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等を挙げることができる。なかでも、接着性、電解液に対する耐性、光透過性及び転写性の点から、ポリオレフィン、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シラン変性樹脂、および酸変性樹脂が好ましい。
また、上記熱可塑性樹脂の別の例としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン等の炭素数2〜8程度のα―オレフィンの単独重合体、それらのα―オレフィンとエチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等の炭素数2〜20程度の他のα−オレフィンや、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等との共重合体、(無水)マレイン酸変性樹脂、シラン変性樹脂やオレフィン系エラストマー等のポリオレフィン化合物を挙げることができる。
上記α−オレフィンの単独又は共重合体としては、例えば、低・中・高密度ポリエチレン等(分岐状又は直鎖状)のエチレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、アタクチックポリプロピレン、プロピレン単独重合体、1−ブテン単独重合体などのポリオレフィン;エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体又はそのアイオノマー、エチレン−アクリル酸エチル共重合体などのエチレン−(メタ)アクリレート共重合体、マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸3元共重合体などの(無水)マレイン酸変性樹脂、エチレン不飽和シラン化合物とポリオレフィン化合物との共重合体からなるシラン変性樹脂などの変性ポリオレフィン;などを挙げることができる。
上記オレフィン系エラストマーとしては、ポリエチレンやポリプロピレンをハードセグメントとし、エチレン−プロピレンゴム(EPR)やエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)をソフトセグメントとするエラストマーなどが挙げられる。
これらのポリオレフィン化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。本発明においてはこれらのポリオレフィン化合物のうち、接着性の点から、変性ポリオレフィン、特に変性エチレン系樹脂(例えば、エチレン不飽和シラン化合物とポリオレフィン化合物との共重合体からなるシラン変性樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体などのエチレン共重合体など)が好ましい。なかでもシラン変性樹脂を接着層とする場合が最も好ましい。シラン変性樹脂を用いることにより、接着層が示す接着力をより強固にすることができるからである。
また、本発明においては上記シラン変性樹脂のなかでもポリオレフィン化合物とエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体を用いることが好ましい。このような共重合体を用いることにより、例えば、本発明に用いられる色素増感型太陽電池用基板の製造方法等に応じて、シラン変性樹脂の諸物性を好適な範囲に調整することが容易になるからである。
ここで、本発明において上記共重合体は、シラノール触媒による架橋をしていてもしていなくてもどちらでもよい。
上記共重合体に用いられるポリオレフィン化合物としては、エチレン、プロピレン、1-ブテン等の炭素数2〜8程度のα-オレフィンの単独重合体、それらのα-オレフィンとエチレン、プロピレン、1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン等の炭素数2〜20程度の他のα-オレフィンや、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等との共重合体等が挙げられ、具体的には、例えば、低・中・高密度ポリエチレン等(分岐状又は直鎖状)のエチレン単独重合体、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-1-ブテン共重合体、エチレン-4-メチル-1-ペンテン共重合体、エチレン-1-ヘキセン共重合体、エチレン-1-オクテン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エチル共重合体等のエチレン系樹脂、プロピレン単独重合体、プロピレン-エチレン共重合体、プロピレン-エチレン-1-ブテン共重合体等のプロピレン系樹脂、及び、1-ブテン単独重合体、1-ブテン-エチレン共重合体、1-ブテン-プロピレン共重合体等の1-ブテン系樹脂等が挙げられる。なかでも本発明においては、ポリエチレン系樹脂が好ましい。
このようなポリエチレン系樹脂(以下、重合用ポリエチレンと称する。)としては、ポリエチレン系のポリマーであれば特に限定されない。このようなポリエチレン系のポリマーとしては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、極超低密度ポリエチレン、または直鎖状低密度ポリエチレンを挙げることができる。また本発明においては、これらのポリエチレン系ポリマーの一種類を単体として用いても良く、また、2種類以上を混合して用いても良い。
また上記重合用ポリエチレンとしては、上記ポリエチレン系ポリマーのなかでも密度が低いものが好ましく、具体的には、密度が0.850g/cm〜0.960g/cmの範囲内であることが好ましく、特に0.865g/cm〜0.930g/cmの範囲内であることが好ましい。密度が低いポリエチレン系ポリマーは、一般的に側鎖を多く含有しているためグラフト重合に好適に用いることができるが、密度が上記範囲よりも高いと、グラフト重合が不十分になり、接着層に所望の接着力を付与することができない場合があるからである。また、密度が上記範囲よりも低いと、接着層の機械強度が損なわれる可能性があるからである。
上記ポリオレフィン化合物とエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体に用いられるエチレン性不飽和シラン化合物としては、上記重合用ポリエチレンと重合して、熱可塑性樹脂を形成できるものであれば特に限定されない。このようなエチレン性不飽和シラン化合物としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリオペンチロキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリベンジルオキシシラン、ビニルトリメチレンジオキシシラン、ビニルトリエチレンジオキシシラン、ビニルプロピオニルオキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、およびビニルトリカルボキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種のものであることが好ましい。
本発明に上記ポリオレフィン化合物とエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体は、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、およびグラフト共重合体のいずれであってもよい。なかでも本発明においては、グラフト共重合体であることが好ましく、さらには、重合用ポリエチレンの主鎖とし、エチレン性不飽和シラン化合物が側鎖として重合したグラフト共重合体が好ましい。このようなグラフト共重合体は、接着力に寄与するシラノール基の自由度が高くなるため、接着層の接着力をより強固にすることができるからである。
次に、上記ポリオレフィン化合物と上記エチレン性不飽和シラン化合物とのグラフト共重合体の製造方法について説明する。このようなグラフト共重合体の製造方法は、所望の収率を得ることができる方法であれば特に限定されることなく、公知の重合手段により製造することができる。なかでも本発明においては、上記ポリオレフィン化合物と、上記エチレン性不飽和シラン化合物と、遊離ラジカル発生剤と、からなるシラン変性樹脂組成物を加熱溶融混合することによりグラフト共重合体を得る方法が好ましい。このような方法によれば高収率で上記グラフト共重合体を得ることが容易だからである。
上記加熱溶融混合時の加熱温度は、所望の時間内に重合反応を終えることができる範囲内であれば特に限定されないが、通常、300℃以下が好ましく、特に270℃以下が好ましく、なかでも、160℃〜250℃の範囲内が好ましい。加熱温度が上記範囲よりも低いと、重合反応が十分に進行しない場合があり、また加熱温度が上記範囲よりも高いと、シラノール基部分が架橋しゲル化する可能性があるからである。
また上記遊離ラジカル発生剤としては、上記重合反応の促進に寄与できる化合物であれば特に限定されない。このような遊離ラジカル発生剤としては、例えば、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ヒドロパーオキシ)ヘキサン等のヒドロパーオキサイド類;ジ‐t‐ブチルパーオキサイド、t‐ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐パーオキシ)ヘキシン‐3等のジアルキルパーオキサイド類;ビス‐3,5,5‐トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、o‐メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4‐ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t‐ブチル‐パーオキシイソブチレート、t‐ブチルパーオキシアセテート、t‐ブチルパーオキシ‐2‐エチルヘキサノエート、t‐ブチルパーオキシピバレート、t‐ブチルパーオキシオクトエート、t‐ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t‐ブチルパーオキシベンゾエート、ジ‐t‐ブチルパーオキシフタレート、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン‐3等のパーオキシエステル類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類等の有機過酸化物、またはアゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物などが挙げることができる。これらの遊離ラジカル発生剤は、一種類のみを単体として用いてもよく、また2種類以上を混合して用いても良い。
また、上記シラン変性樹脂組成物中の遊離ラジカル発生剤の含有量は、遊離ラジカル発生剤の種類や重合反応条件に応じて、任意に決定することができるが、重合反応により得られるシラン変性樹脂中の残存量が0.001質量%以下となる範囲内であることが好ましい。なかでも本発明においては、上記シラン変性樹脂組成物中のポリオレフィン化合物100重量部に対して、0.001重量部以上含まれていることが好ましく、特に0.01重量部〜5重量部含まれていることが好ましい。
さらに、上記シラン変性樹脂成物中のエチレン性不飽和シラン化合物の含有量は、重合用ポリエチレン100重量部に対して、0.001重量部〜4重量部の範囲内が好ましく、特に0.01重量部〜3重量部の範囲内が好ましい。エチレン性不飽和シラン化合物の含有量が上記範囲よりも多いと、重合されることなく遊離したエチレン性不飽和シラン化合物が残存する可能性が有り、また上記範囲よりも少ないと接着層の密着力が不十分となる場合があるからである。
上記接着層には、必要に応じてシラン変性樹脂以外の他の化合物を含むことができる。本発明においては、このような他の化合物として熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、なかでもポリオレフィン化合物(以下、添加用ポリオレフィン化合物と称する。)を用いることが好ましい。また、接着層に含まれる上記シラン変性樹脂として、ポリオレフィン化合物とエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体を用いる場合には、このような添加用ポリオレフィン化合物として、上記共重合体に用いられるポリオレフィン化合物と化合物を用いることが好ましい。
本発明においては、上記ポリオレフィン化合物として、ポリエチレン系樹脂(以下、添加用ポリエチレンと称する。)を用いることが好ましい。本発明においては、上記シラン変性樹脂として、ポリエチレン系樹脂とエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体を用いることが好ましいからである。
上記添加用ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、および直鎖状低密度ポリエチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種のものであることが好ましい。
また、上記接着層に上記添加用ポリオレフィン化合物を含ませる場合の含有量は、上記シラン変性樹脂100重量部に対し、0.01重量部〜9900重量部の範囲内が好ましく、特に0.1重量部〜2000重量部の範囲内がより好ましい。含有量が上記範囲よりも少ないと、コストの面において不利となってしまう場合があり、また上記範囲よりも多いと、接着層の接着力が不十分となる可能性があるからである。
さらに、本発明に用いられる接着層は、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤および酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含有することが好ましい。これらの添加剤を含むことにより、長期間安定した機械強度、黄変防止効果、ひび割れ防止効果、加工適性を得ることができるからである。
上記光安定化剤は、接着層に用いられる熱可塑性樹脂中の光劣化開始の活性種を補足し、光酸化を防止するものである。このような光安定化剤としては、例えば、ヒンダードアミン系化合物、ヒンダードピペリジン系化合物などを挙げることができる。
上記紫外線吸収剤は、太陽光中の有害な紫外線を吸収して、分子内で無害な熱エネルギーへと変換し、接着層に用いられる熱可塑性樹脂中の光劣化開始の活性種が励起されるのを防止するものである。このような紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サルチレート系、アクリロニトリル系、金属錯塩系、ヒンダードアミン系、および超微粒子酸化チタン(粒子径:0.01μm〜0.06μm)もしくは超微粒子酸化亜鉛(粒子径:0.01μm〜0.04μm)などの無機系等の紫外線吸収剤を挙げることができる。
また、上記熱安定剤としては、トリス(2,4‐ジ‐t‐ブチルフェニル)フォスファイト、ビス[2,4‐ビス(1,1−ジメチルエチル)‐6‐メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、テトラキス(2,4‐ジ‐t‐ブチルフェニル)[1,1‐ビフェニル]‐4,4´‐ジイルビスホスフォナイト、およびビス(2,4‐ジ‐t‐ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト等のリン系熱安定剤;8‐ヒドロキシ‐5,7‐ジ‐t‐ブチル‐フラン‐2‐オンとo‐キシレンとの反応生成物等のラクトン系熱安定剤などを挙げることができる。なかでも本発明において熱安定剤を用いる場合は、リン系熱安定剤とラクトン系熱安定剤とを併用することが好ましい。
さらに、上記酸化防止剤は、接着層に用いられる熱可塑性樹脂の酸化劣化を防止するものである。このような酸化防止剤としては、例えば、フェノール系、アミン系、イオウ系、リン系、およびラクトン系などの酸化防止剤を挙げることができる。
これらの光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤および酸化防止剤は、それぞれ1種単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。
光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤および酸化防止剤の含有量は、その粒子形状、密度などにより異なるものではあるが、それぞれ接着層の材料中0.001質量%〜5質量%の範囲内であることが好ましい。
さらに、本発明に用いられる他の化合物としては上記以外に、架橋剤、分散剤、レベリング剤、可塑剤、消泡剤等を挙げることができる。
本発明に用いられる接着層の厚みは、接着層を構成する熱可塑性樹脂の種類に応じて、必要な接着力を発現できる範囲内であれば特に限定されないが、通常、5μm〜300μmの範囲内が好ましく、特に10μm〜200μmの範囲内が好ましい。接着層の厚みが上記範囲よりも薄いと所望の接着力を得ることができない場合があり、また厚みが上記範囲よりも厚いと接着層により層間接着強度を十分に発現させるために過剰な加熱が必要となり、基材などへの熱ダメージが大きくなる場合があるからである。
(2)基材
上記色素増感型太陽電池用基板に用いられる基材について説明する。本発明に用いられる基材は、本発明の色素増感型太陽電池が太陽光を受光する受光面に配置されるものであるため、太陽光に対する透過性を備えることが必要とされるものである。したがって、本発明に用いられる基材としては、後述する色素増感剤の種類に応じて、上記色素増感剤の吸収波長に相当する太陽光を透過できるものであれば特に限定されない。なかでも本発明においては、波長400nm〜1000nmの光に対する透過率が、78%以上であることが好ましく、さらには80%以上であることが好ましい。基材の透過率が上記範囲よりも低いと、本発明の色素増感型太陽電池の発電効率が損なわれてしまう可能性があるからである。
また、本発明に用いられる基材は、上記透明性を有するもののなかでも、耐熱性、耐候性、水蒸気、その他のガスバリア性に優れたものであることが好ましい。基材がガスバリア性を有することにより、本発明の色素増感型太陽電池の経時安定性を向上できるからである。より具体的には、酸素透過率が温度23℃、湿度90%の条件下において1cc/m/day・atm以下、水蒸気透過率が温度37.8℃、湿度100%の条件下において1g/m/day以下のガスバリア性を有する基材を用いることが好ましい。本発明に用いられる基材は、このようなガスバリア性を達成するために、任意の基材上にガスバリア層が設けられたものを用いてもよい。
本発明に用いられる基材の具体例としては、石英ガラス、パイレックス(登録商標)、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体フィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエーテルサルフォン(PES)フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)フィルム、ポリエーテルイミド(PEI)フィルム、ポリイミド(PI)フィルム、ポリエステルナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂製フイルム基材を挙げることができる。
なかでも本発明においては、上記樹脂製フイルム基材を用いることが好ましい。樹脂製フイルム基材は、加工性に優れているため、他のデバイスとの組合せが容易であり、本発明の色素増感型太陽電池の用途を広げることができるからである。また、樹脂製フイルム基材を用いることにより、製造コストの削減にも寄与することができるからである。
さらに、本発明においては上記樹脂製フィルム基材のなかでも、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ポリエステルナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)を用いることが好ましい。
なお、本発明における基材は、1種類のみを単独で用いても良く、また、2種以上を積層して用いても良い。
本発明に用いられる基材の厚みは、通常、50μm〜2000μmの範囲内であることが好ましく、なかでも75μm〜1800μmの範囲内であることが好ましく、特に100μm〜1500μmの範囲内であることが好ましい。基材の厚みが上記範囲より薄いと、本発明の色素増感型太陽電池に必要な自己支持性を確保できない場合があり、また厚みが上記範囲よりも厚いと、加工適性を損なってしまう可能性があるからである。
(3)第1電極層
次に、上記色素増感型太陽電池用基板に用いられる第1電極層について説明する。上記第1電極層は、金属酸化物からなることを特徴とするものである。
上記第1電極層を構成する金属酸化物としては、導電性に優れ、かつ後述する酸化還元対に対して耐性を示すものであれば特に限定はされない。なかでも本発明においては、太陽光の透過性に優れた材料を用いることが好ましい。本発明の色素増感型太陽電池は、通常、基材側から太陽光を受光する態様により使用されるため、上記金属酸化物が太陽光の透過性に乏しいと、本発明の色素増感型太陽電池の発電効率が損なわれてしまうからである。
このような太陽光の透過性に優れた上記金属酸化物としては、例えば、SnO、ITO、IZO、ZnOを挙げることができる。なかでも本発明においては、フッ素ドープしたSnO(以下、FTOと称する。)、ITOを用いることが好ましい。FTOおよびITOは、導電性および太陽光の透過性の両方に優れているからである。
上記第1電極層は、単層からなる構成であっても良く、また、複数の層を積層した構成であっても良い。複数の層を積層した構成としては、例えば、仕事関数が互いに異なる層を積層する態様や、互いに異なる金属酸化物からなる層を積層する態様を挙げることができる。
また、第1電極層の厚みは、所望の導電性を実現できる範囲内であれば特に限定されない。なかでも本発明においては5nm〜2000nmの範囲内が好ましく、特に10nm〜1000nmの範囲内であることが好ましい。上記範囲よりも厚いと、均質な第1電極層を形成することが困難となる場合があり、また、上記範囲よりも薄いと第1電極層の導電性が不足する恐れがあるからである。
なお、上記1電極層の厚みは、第1電極層が複数の層から構成される場合には、すべての層を厚みを合計した総厚みを指すものとする。
(4)多孔質層
次に、上記色素増感型太陽電池基板に用いられる多孔質層について説明する。上記多孔質層は、表面に色素増感剤が吸着した金属酸化物半導体微粒子を含むことを特徴とするものである。
i.金属酸化物半導体微粒子
上記多孔質層に含まれる金属酸化物半導体微粒子について説明する。上記金属酸化物半導体微粒子としては、所望のエネルギー変換効率を示すものであれば特に限定されるものではない。このような金属酸化物半導体微粒子としては、例えば、TiO、ZnO、SnO、ITO、ZrO、MgO、Al、CeO、Bi、Mn、Y、WO、Ta、Nb、La等を挙げることができる。これらの金属酸化物半導体微粒子は、エネルギー変換効率に優れるからである。なかでも本発明においては、上記金属酸化物半導体微粒子としてTiOを用いることが最も好ましい。
本発明においては上記金属酸化物半導体微粒子のうち、いずれか1種を使用しても良く、または、2種以上を混合して使用してもよい。
さらに、上記の金属酸化物半導体微粒子のうち、一種をコア微粒子とし、他の金属酸化物半導体微粒子により、コア微粒子を包含してシェルを形成するコアシェル構造としてもよい。
上記金属酸化物半導体微粒子の粒径としては、多孔質層中に所望の表面積を得ることができる範囲内であれば特に限定はされないが、通常、1nm〜10μmの範囲内が好ましく、特に10nm〜1000nmの範囲内であることが好ましい。上記範囲よりも小さいと各々の金属酸化物半導体微粒子が凝集し二次粒子を形成してしまう場合があるからである。また上記範囲より大きいと、多孔質層が厚膜化してしまうだけではなく、多孔質層の多孔度、すなわち比表面積が減少するため、多孔質層に光電変換するのに十分な色素増感剤を担持することができない場合があるからである。
また本発明においては、上記金属酸化物半導体微粒子として、粒径の異なる複数の金属酸化物半導体微粒子の混合物を用いることが好ましい。粒径の異なる金属酸化物半導体微粒子の混合物を用いることにより、多孔質層における光散乱効果を高めることができるため、色素増感剤による光吸収を効率的に行うことが可能となるからである。
このような粒径の異なる複数の金属酸化物半導体微粒子の混合物としては、同種類の金属酸化物半導体微粒子の混合物であっても良く、または異なる種類の金属酸化物半導体微粒子の混合物であってもよい。異なる粒径の組み合わせとしては、例えば、10〜50nmの範囲内にある金属酸化物半導体微粒子と、50〜800nmの範囲内にある金属酸化物半導体微粒子とを混合して用いる態様を挙げることができる。
上記多孔質層には、上記第1電極層を構成する金属酸化物が有する金属元素と同一の金属元素(以下、電極金属元素と称する場合がある。)を含むことが好ましい。上記多孔質層が、電極金属元素を含むことにより、本発明の酸化物半導体電極を導電性に優れたものにできるからである。このような電極金属元素を含む場合おいて、上記多孔質層中の電極金属元素の存在分布としては、第1電極層側の表面から反対側表面に向かって減少傾向の濃度勾配をもつ存在分布を有することが好ましい。このような分布を有することにより、多孔質層の集電効率を一層向上することができるからである。
なお、多孔質層中に電極金属元素が含まれること、および上記の存在分布を有することは、電子線をプローブとして特定したい金属元素の特性X線強度を二次元でマッピングすることにより判断することができる。具体的には、日本電子社(JEOL)製のEPMA(Electron Probe Micro Analyzer)により判断することができる。また、上記金属元素の濃度勾配については、上記EPMAにより得られる断面元素マッピング図の縦方向(断面垂直方向)の検出強度プロファイルにより判断することができる。
ii.色素増感剤
上記金属酸化物半導体微粒子の表面に吸着される色素増感剤について説明する。上記色素増感剤としては、光を吸収し起電力を生じさせることが可能なものであれば特に限定されない。このような色素増感剤としては、有機色素または金属錯体色素を挙げることができる。
本発明に用いられる上記有機色素としては、アクリジン系、アゾ系、インジゴ系、キノン系、クマリン系、メロシアニン系、フェニルキサンテン系の色素が挙げられる。本発明においてはこれらの有機色素のなかでも、クマリン系色素を用いることが好ましい。
また、本発明に用いられる上記金属錯体色素としては、ルテニウム系色素が好ましく、特にルテニウム錯体であるルテニウムビピリジン色素およびルテニウムターピリジン色素が好ましい。このようなルテニウム錯体は、吸収する光の波長範囲が広いため、光電変換できる光の波長領域を大幅に広げることができるからである。
iii.その他
上記多孔質層の厚みとしては、多孔質層に所望の機械強度を付与できる範囲内であれば特に限定されないが、通常、1μm〜100μmの範囲内が好ましく、特に5μm〜30μmの範囲内が好ましい。上記範囲よりも厚いと、接着層からの剥離や多孔質層自体の凝集破壊が起りやすく、膜抵抗となりやすくなってしまう場合があるからである。また、上記範囲よりも薄いと厚みが均一な多孔質層を形成するのが困難となったり、色素増感剤を含んだ多孔質層が太陽光などを十分に吸収できないために、性能不良になる可能性があるからである。
上記多孔質層は、単一の層からなる構成でもよく、また複数の層が積層された構成でも良いが、本発明においては複数の層が積層された構成を有することが好ましい。上記複数の層が積層された構成としては、本発明の酸化物半導体電極の製造方法等に応じて任意の構成を適宜選択して採用することができるが、本発明においては上記第1電極層と接する酸化物半導体層と、上記酸化物半導体層上に形成され、かつ上記酸化物半導体層よりも空孔率が高い介在層と、からなる2層構造とすることが好ましい。多孔質層をこのような2層構造とすることにより、例えば、転写法により色素増感型太陽電池用基板を作製することが容易になるからである。
本発明における多孔質層が上記酸化物半導体層と、介在層との2層構造を有する場合について図を参照しながら説明する。図2は、本発明における多孔質層が酸化物半導体層と、介在層との2層構造からなる場合の一例を示す概略断面図である。図2に例示するように、本発明の色素増感型太陽電池2は、多孔質層14が、第1電極層13上に形成された酸化物半導体層14aと、上記酸化物半導体層14a上に形成された介在層14bとが積層された構成を有していても良い。このような例において、上記介在層14bは、上記酸化物半導体層14aよりも空孔率が高いことを特徴とするものである。
上記多孔質層を上記第1電極層と接する酸化物半導体層と、上記酸化物半導体層上に形成され、かつ上記酸化物半導体層よりも空孔率が高い介在層とからなる2層構造とする場合には、上記介在層は上記酸化物半導体層上に均一に形成されている必要は無い。すなわち、上記介在層の形態は、色素増感型太陽電池用基板を作製する際に、上記介在層に接着した耐熱基板を剥離する際の剥離態様に依存するものであり、上記剥離態様に応じて、例えば、介在層が厚み分布を有していてもよく、または、酸化物半導体層上に介在層が存在しない部分があっても良い。
上記多孔質層を上記酸化物半導体層と上記介在層との2層構造とする場合における、酸化物半導体層と介在層との厚み比としては、10:0.1〜10:5の範囲内であることが好ましく、なかでも、10:0.1〜10:3の範囲内であることが好ましい。介在層の厚みが上記範囲よりも厚いと、介在層の凝集破壊が起り易くなることによって、本発明に用いられる色素増感型太陽電池用基板の生産性が低下してしまったり、上記金属酸化物半導体微粒子の表面に所望量の色素増感剤を吸着させることができない可能性があるからである。また厚みが上記範囲よりも薄いと介在層の存在が本発明に用いられる色素増感型太陽電池用基板の生産性向上に寄与できない場合があるからである。
上記酸化物半導体層の空孔率としては、10%〜60%の範囲内であることが好ましく、なかでも、20%〜50%の範囲内であることが好ましい。上記範囲よりも小さいと、比表面積が小さくなるため、色素増感剤を含んだ多孔質層が太陽光などを有効に吸収できなくなる可能性があるからである。また上記範囲よりも大きいと、酸化物半導体層に所望量の色素増感剤を含むことができなくなる可能性があるからである。
上記介在層の空孔率としては、上記酸化物半導体層の空孔率よりも大きければ特に限定されないが、通常、25%〜65%の範囲内であることが好ましく、なかでも、30%〜60%の範囲内であることが好ましい。上記範囲よりも小さいと、多孔質層の転写性が損なわれる可能性があり、また上記範囲よりも大きいと、均質な介在層を形成することが困難になる場合があるからである。
なお、本発明における空孔率とは単位体積当たりの金属半導体微粒子の非占有率のことを示す。上記空孔率の測定方法としては、細孔容積をガス吸着量測定装置(Autosorb−1MP;Quantachrome製)にて測定し、単位面積あたりの体積との比率から算出する。介在層の空孔率については酸化物半導体層と積層された多孔質層として求め、酸化物半導体層単体で求めた値より算出する。
3.対電極基材
次に、本発明に用いられる対電極基材について説明する。本発明に用いられる対電極基材は、対向基材と、上記対向基材上に形成された第2電極層とを有するものである。また本発明に用いられる対電極基材には、必要に応じて上記以外のその他の構成が含まれていても良い。このようなその他の層としては、例えば触媒層を挙げることができる。本発明においては、上記第2電極層上に触媒層を形成することにより、本発明の色素増感型太陽電池をより発電効率に優れたものにできる。上記触媒層の例としては、上記第2電極層上にPtを蒸着した態様を挙げることができるが、この限りではない。
なお、上記第2電極層としては、上記「2.色素増感型太陽電池用基板 (3)第1電極層」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。また、上記対向基材としては、上記「2.色素増感型太陽電池用基板 (2)基材」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
4.電解質層
次に、本発明における電解質層について説明する。本発明における電解質層は、酸化還元対を含むものである。
本発明における電解質層に含まれる酸化還元対について説明する。本発明に用いられる酸化還元対としては、一般的に電解質層において用いられているものであれば特に限定はされない。なかでも本発明においては、上記酸化還元対としてヨウ素およびヨウ化物の組合せ、臭素および臭化物の組合せを用いることが好ましい。
上記ヨウ素およびヨウ化物の組合せとしては、例えば、LiI、NaI、KI、CaI等の金属ヨウ化物と、Iとの組合せを挙げることができる。
また、臭素および臭化物の組み合わせとしては、例えば、LiBr、NaBr、KBr、CaBr等の金属臭化物と、Brとの組合せを挙げることができる。
本発明における電解質層には、上記酸化還元対以外のその他の化合物が含まれていても良い。このようなその他の化合物としては、例えば、架橋剤、光重合開始剤、増粘剤、常温融解塩等の添加剤を例示することができる。
また、本発明における電解質層は、ゲル状または液体状のいずれの形態からなる電解質層であってもよい。電解質層をゲル状とした場合には、物理ゲルと化学ゲルのいずれであってもよい。ここで、物理ゲルは物理的な相互作用で室温付近でゲル化しているものであり、化学ゲルは架橋反応などにより化学結合でゲルを形成しているものである。
また、電解質層を液体状とした場合には、例えば、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、炭酸プロピレンなどを溶媒とし、酸化還元対を含んだものや、同じくイミダゾリウム塩をカチオンとするイオン性液体を溶媒とすることができる。
5.色素増感型太陽電池
本発明の色素増感型太陽電池は、上記色素増感型太陽電池用基板の多孔質層等、および、上記対電極基材の第2電極基材等がパターニングされていることにより、一対の色素増感型太陽電池用基板および対電極基材に複数のセルが連結された構成を有するものであっても良い。このような構成を有することにより、本発明の色素増感型太陽電池を起電力の高いものにできるからである。
このような構成を有する色素増感型太陽電池の例について図を参照しながら説明する。図3は、本発明の色素増感型太陽電池が、複数のセルが連結した構成を有する場合の一例を示す概略断面図である。図3に例示するように、本発明の色素増感型太陽電池3は、色素増感型太陽電池用基板10が有する接着層12、第1電極層13、多孔質層14、および対電極基材20が有する第2電極層22がパターニングされていることにより、一対の色素増感型太陽電池用基板10と対電極基材20に複数のセルCが形成されており、これらのセルCが配線50により連結された構成を有するものであっても良い。なお、図3に示す例は、3つのセルCが連結された構成を有するものになる。
また、上記パターニングの形状としては、本発明の色素増感型太陽電池に求める起電力等により任意に決定することができるが、なかでも本発明においてはストライプ形状のパターニングとすることが最も好ましい。
6.色素増感型太陽電池の製造方法
次に、本発明の色素増感型太陽電池の製造方法について説明する。本発明の色素増感型太陽電池の製造方法としては、上述した構成を有する色素増感型太陽電池を製造できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、上記構成を有する色素増感型太陽電池用基板および対電極基材を作製した後、上記色素増感型太陽電池用基板が有する多孔質層と、上記対電極基材が有する第2電極層とが一定の間隔をもって対向するようにシール材を介して両者を配置し、次いで上記多孔質層と第2電極層との間に電解質層を形成する方法を挙げることができる。以下、本発明の色素増感型太陽電池の製造方法の一例として、このような製造方法を詳細に説明する。また、以下の説明においては、まず上記色素増感型太陽電池用基板および対電極基材の製造方法について説明し、次いで、上記色素増感型太陽電池用基板と対電極基材とを用いて本発明の色素増感型太陽電池を作製する方法を説明する。
(1)色素増感型太陽電池用基板の製造方法
まず、本発明に用いられる色素増感型太陽電池用基板の製造方法について説明する。本発明に用いられる色素増感型太陽電池用基板の製造方法としては、上述した構成を有する色紙増感型太陽電池用基板を製造できる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、基材および接着層が積層された構成を有する積層体の接着層側に、多孔質層および第1電極層を転写する方法(転写法)により製造することができる。
具体的には、耐熱基板上に多孔質層を形成する多孔質層形成工程と、上記多孔質層上に第1電極層を形成する第1電極層形成工程と、上記第1電極層上に接着層と基材とをこの順で積層する基材付与工程と、により耐熱基板積層体を作製する耐熱基板付積層体形成工程と、上記耐熱基板付積層体が有する耐熱基板を上記多孔質層から剥離することにより酸化物半導体電極を作製する耐熱基板剥離工程と、上記酸化物半導体電極が有する多孔質層に色素増感剤を担持させる色素増感剤担持工程とにより製造することができる。
i.耐熱基板付積層体形成工程
まず、上記耐熱基板付積層体形成工程について説明する。上記耐熱基板付積層体形成工程は、多孔質層形成工程と、第1電極層形成工程と、基材付与工程と、により耐熱基板付積層体を作製する工程である。
(多孔質層形成工程)
上記多孔質層形成工程は、耐熱基板上に多孔質層を形成する工程である。このような多孔質層形成工程においては、例えば、金属酸化物半導体微粒子と、樹脂と、溶媒とを含む多孔質層形成用塗工液を耐熱基板上に塗工した後、これを焼成することにより耐熱基板上に多孔質層を形成することができる。
また、本工程において耐熱基板上に介在層形成用層を形成する介在層形成用層形成工程と、上記介在層形成用層上に酸化物半導体層形成用層を形成する酸化物半導体層形成用層形成工程と、上記介在層形成用層および上記酸化物半導体層形成用層を焼成して、多孔質である介在層および酸化物半導体層からなる多孔質層を形成する焼成工程とを用いることにより、本工程により形成される多孔質層を酸化物半導体層および介在層の2層からなる構成を有するものとすることができる。
本工程に用いられる耐熱基板としては、後述する焼成工程における加熱温度に対する耐熱性を有するものであれば特に限定されない。ここで、上記「耐熱性」とは多孔質層を形成する際に行われる焼成工程における加熱温度に対する耐熱性をいうものであり、このように耐熱性に優れた耐熱基板を用いることにより、後述する焼成工程において充分に高温に加熱することが可能になるため、多孔質層に含まれる金属酸化物半導体微粒子間の結着性を高くすることができる。このような耐熱基板としては、具体的には、ガラス、セラミクス、または金属板等からなる耐熱基板を挙げることができる。
上記多孔質層形成用塗工液に用いられる金属酸化物半導体微粒子は、上記「2.色素増感型太陽電池用基板 (4)多孔質層」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。また、上記多孔質層形成用塗工液中の金属酸化物半導体微粒子中の含有量は、上記多孔質層に付与する空孔率に応じて適宜調整すればよい。
上記多孔質層形成用塗工液に用いられる樹脂は、焼成工程において、分解されやすいものであれば特に限定はされない。このような樹脂としては、例えば、特開2005−166648号公報に記載されたものを好適に用いることができる。
また、上記多孔質層形成用塗工液に用いられる溶媒は、上記樹脂を所望量溶解できるものであれば特に限定されないが、水ないしアルコール系の溶媒が好適に用いられる。
上記多孔質層形成用塗工液を上記耐熱基板上に塗布することにより多孔質層形成用層を形成する方法としては、特に限定されず一般的に公知の方法を用いることができる。また、上記多孔質層形成用層を焼成する方法についても、上記樹脂を分解することにより空孔を形成できる方法であれば特に限定されない。このような多孔質層形成用層の形成方法および多孔質層形成用層の焼成方法としては、例えば、特開2005−166648号公報に記載された方法を好適に用いることができる。
(第1電極層形成工程)
次に、第1電極層形成工程について説明する。第1電極層形成工程は、上記多孔質層上に金属酸化物からなる第1電極層を形成する工程である。
本工程において、上記多孔質層上に第1電極層を形成する方法としては、厚みが均一で平面性に優れた第1電極層を形成できる方法であれば特に限定されず、例えば、下地電極層形成用塗工液を用いて多孔質層の内部または表面に下地電極層を設ける溶液処理工程と、上記下地電極層上に主たる第1電極層を設ける上側電極層形成工程と、により2工程で第1電極層を形成する方法を用いることができる。このような方法によれば、上記多孔質層に、第1電極層を構成する金属酸化物が有する金属元素を容易に含ませることができ、緻密な第1電極層を形成することができる。また多孔質層を形成する金属酸化物半導体微粒子表面を第1電極層を構成する金属酸化物が被覆することで多孔質層から電解質中への逆電子移動が抑制することができる。このような第1電極層の形成方法の具体例としては、特開2005−166648号公報に記載された方法を好適に用いることができる。
(基材付与工程)
次に、上記基材付与工程について説明する。本工程は、上記第1電極層上に接着層と基材とをこの順で付与する工程である。
本工程において上記第1電極層上に接着層と基材とを付与する方法としては、例えば、予め基材上に接着層を形成しておき、接着層を有する基材を、上記第1電極層に接着層が接するように配置して熱融着させる方法と、熱可塑性樹脂からなるフィルムを作製し、当該フイルムを介して、上記第1電極層と、基材とをラミネートする方法等を挙げることができる。また、上記基材に接着層を形成する方法としては、例えば、熱可塑性樹脂を含む接着層形成用塗工液を上記基材上に塗工する方法を用いることができる。
なお、本工程に用いられる基材および接着層を構成する熱可塑性樹脂等については、上記「2.色素増感型太陽電池用基板」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
ii.耐熱基板剥離工程
次に上記耐熱基板剥離工程について説明する。本工程は上記耐熱基板付積層体形成工程において作製された耐熱基板付積層体から耐熱基板を剥離することにより、酸化物半導体電極を作製する工程である。
本工程において、耐熱基板付積層体から耐熱基板を剥離する方法としては特に限定されず、一般的な剥離方法を用いることができる。また本工程においては、耐熱基板を機械的研磨除去や、エッチングなどによる化学的除去により剥離することもできる。
また、本工程において耐熱基板を剥離する態様としては、耐熱基板と多孔質層との境界から層間剥離しても良く、また多孔質層の凝集破壊を伴って剥離しても良い。また、多孔質層が酸化物半導体層と介在層との2層からなる場合は、耐熱基板を介在層から剥離することになるが、この場合も同様に耐熱基板を耐熱基板と介在層との境界から層間剥離しても良く、また介在層の凝集破壊を伴って剥離しても良い。
iii.色素増感剤担持工程
次に、上記色素増感剤担持工程について説明する。本工程は、上記酸化物半導体電極の多孔質層に含まれる金属酸化物半導体微粒子の表面に色素増感剤を吸着させることにより、色素増感型太陽電池用基板を作製する工程である。
本工程において、上記多孔質層に色素増感剤を担持させる方法としては、上記多孔質層に含まれる金属酸化物半導体微粒子の表面に色素増感剤を吸着させることが可能な方法であれば特に限定されない。このような方法としては、例えば、色素増感剤の溶液に多孔質層を浸透させた後に乾燥させる方法や、色素増感剤の溶液を多孔質層に塗布し浸透させた後に乾燥させる方法等を挙げることができる。
(2)対電極基材の作製方法
上記対電極基材は、対向基材上に第2電極層を形成することにより作成することができるが、対向基材上に第2電極層を形成する方法は特に限定されず一般的な方法を用いることができる。
(3)色素増感型太陽電池の作製方法
次に、上記色素増感型太陽電池用基板が有する多孔質層と、上記対電極基材が有する第2電極層とが一定の間隔をもって対向するように、シール材を介して両者を配置し、次いで上記多孔質層と第2電極層との間に電解質層を形成することにより色素増感型太陽電池を作製する方法の一例について説明する。
上記方法の一例としては、上記色素増感型太陽電池用基板の多孔質層上、または、上記対電極基材の第2電極層上のいずれか一方に、シール材を構成する硬化型樹脂を所望の高さで付与した後、上記色素増感型太陽電池用基板と対電極基材とを、上記シール材を介して上記多孔質層と上記第2電極層とが対向するように配置し、次いで上記硬化型樹脂を硬化させることにより上記色素増感型太陽電池用基板と対電極基材と接着し、さらにその後、上記多孔質層と第2電極層との間に電解質層を形成する方法を挙げることができる。本発明においては、上記シール材を構成する硬化型樹脂として、上記接着剤層を軟化させずに硬化できるものを用いているため、上記シール材の硬化に際しても接着層を軟化させることがなく、これにより発電効率に優れた色素増感型太陽電池を得ることができる。
上記多孔質層と第2電極層との間に電解質層を形成する方法としては、例えば、酸化還元対を有する電解質層形成用組成物を上記多孔質層と第2電極層との間に注入する方法を挙げることができる。
上記多孔質層と、対電極基材が有する第2電極層との間隙に電解質層形成用組成物を注入する方法としては、例えば、毛細管現象を利用して注入させる方法や、上記多孔質層と、上記第2電極との間隙を真空状態にし、電解質層形成用組成物を接触させた状態で大気圧に開放することで注入する方法などを挙げることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。
1.実施例1
(1)色素増感型太陽電池用基板の作製
介在層形成用塗工液として一次粒径20nmのTiO微粒子(日本アエロジル社製P25)1質量%、主成分がポリメチルメタクリレートであるアクリル樹脂(分子量25000、ガラス転移温度105℃)(三菱レーヨン社製BR87)10質量%となるようにホモジナイザーを用いてメチルエチルケトンおよびトルエンにアクリル樹脂を溶解させた後、TiO微粒子を分散させることにより介在層形成用塗工液を調製した。この塗工液を耐熱基材として用意したチタン基板(厚さ150μm、サイズ10cm×10cm)上にワイヤーバーにて塗工し乾燥させることにより、上記耐熱基材上に介在層形成用層を形成した。
次に、酸化物半導体層形成用塗工液としてSolaronix SA社製Ti Nanoxide Dを準備し、当該酸化物半導体層形成用塗工液を上記耐熱基材上に形成された剥離層形成用層上にドクターブレード(5Mil)にて塗布した後、室温下において20分、100℃において30分間乾燥させた。これにより、上記介在層形成用層上に酸化物半導体層形成用層を形成した。
次に、電気マッフル炉(デンケン社製P90)を用いて、上記介在層形成用層および酸化物半導体層形成用層を500℃で30分間、大気圧雰囲気下にて焼成した。これにより、多孔質体として形成された剥離層および酸化物半導体層からなる多孔質層を得た。
その後、エタノールに塩化インジウム0.1mol/L、塩化スズ0.005mol/Lを溶解することにより第1電極層形成用塗工液を調整した。次いで、上記多孔質層が形成された耐熱基板を上記多孔質層が上向きとなるようにホットプレート(400℃)上へ設置することにより上記多孔質層を加熱し、当該加熱された多孔質層上に上記第1電極層形成用塗工液を超音波噴霧器により噴霧することにより、厚み500nmのITO膜からなる第1電極層を形成した。
次に、PETフィルム(東洋紡E5100、厚み125μm)からなる基材上に、接着層として融点98.4℃のサーリンフィルム(デュポン社、厚さ30μm)を配置し、上記第1電極層とサーリンフィルムを接触させて130℃で熱ラミネートした。
次に、室温まで冷却した後、基材を剥離することにより、第1電極層及び多孔質層を基材上へ転写して酸化物半導体層電極を得た。
その後、色素増感剤としてルテニウム錯体(小島化学株式会社RuL(NCS))を無水エタノール溶液に濃度3×10−4mol/Lとなるように溶解して吸着用色素溶液を作製し、当該吸着用色素溶液に上記酸化物半導体電極を浸漬することにより、上記多孔質層に色素増感剤を担持させて色素増感型太陽電池用基板を作製した。
(2)色素増感型太陽電池の作製
上記色素増感型太陽電池用基板の多孔質層を1cm×1cmにトリミングし、多孔質層以外の領域は第1電極層を露出させた。その後、ディスペンサ(ムサシエンジニアリング SHOTmini)にて多孔質層の外周に紫外線硬化型樹脂からなるシール材(スリーボンド社製 31X−101)を巾1mmとなるように塗布した。
次に、表面抵抗7Ω/□である、ITO膜からなる第2電極層を有する対向基材(膜厚150nm)を用い、上記第2電極層上に触媒層として膜厚50nmの白金膜をスパッタリングすることにより、対電極基材を作製した。また、対電極基材には、電解質層形成用の孔を2箇所開けた。
このような対向電極基材と、上記シール材塗布した色素増感型太陽電池用基板とを、上記シール材を介して、対向電極基材の触媒層と色素増感型太陽電池用基板の多孔質層とが対向するように貼り合せた。その後、紫外線露光機により計3000mJ/cmの紫外線を照射することにより上記シール材を構成する紫外線硬化型樹脂を硬化させた。
次に、メトキシアセトニトリルを溶媒とし、濃度0.1mol/Lのヨウ化リチウム、濃度0.05mol/Lのヨウ素、濃度0.3mol/Lのジメチルプロピルイミダゾリウムアイオダイド、濃度0.5mol/Lのターシャリーブチルピリジンを溶解させて電解質層形成用組成物を調整した。その後、上記対電極基材に形成した注入孔より上記電解質層形成用組成物を注入し、2液硬化型エポキシ樹脂により上記注入孔を塞ぐことによって、色素増感太陽電池を作製した。
(3)評価
作製した色素増感型太陽電池の評価は、AM1.5、擬似太陽光(入射光強度100mW/cm)を光源として、色素増感剤を吸着させた多孔質層を有する色素増感型太陽電池用基板側から入射させ、ソースメジャーユニット(ケースレー2400型)にて電圧印加により電流電圧特性を測定した。その結果、短絡電流15、2mA/cm、開放電圧710mV、変換効率6.2%であった。
2.実施例2
(1)色素増感型太陽電池用基板の作製
実施例1と同様の方法により、色素増感型太陽電池用基板を作製した。
(2)色素増感型太陽電池の作製
シール材として、熱硬化性型樹脂(味の素ファインテクノ(株)社製、AE−11)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により色素増感型太陽電池を作製した。
(3)評価
作製した色素増感型太陽電池について実施例1と同様の方法による評価を行った結果、短絡電流14.8mA/cm、開放電圧700mV、変換効率5.9%であった。
2.実施例3
(1)色素増感型太陽電池用基板の作製
実施例1と同様の方法により、色素増感型太陽電池用基板を作製した。
(2)色素増感型太陽電池の作製
シール材として、2液硬化型樹脂(ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製 アラルダイトスタンダード)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により色素増感型太陽電池を作製した。
(3)評価
作製した色素増感型太陽電池について実施例1と同様の方法による評価を行った結果、短絡電流15.7mA/cm、開放電圧680mV、変換効率6.0%であった。
3.比較例
シール材を熱硬化型樹脂(スリーボンド社製11X−187)とし、電解質層形成用組成物を注入する前に130℃、1時間の熱硬化工程を行ったこと以外は、実施例1と同様の方法により色素増感型太陽電池を作成した。
その結果、上記熱硬化工程において、接着層のサーリンが溶融してしまい、第1電極層に多数のクラックが生じた。また、太陽電池の電流電圧特性評価結果は、短絡電流6、1mA/cm、開放電圧520mV、変換効率1.8%であった。
以上より、本発明によれば、接着層を有する色素増感型太陽電池用基板を用いて発電効率の高い色素増感型太陽電池を得ることができる。
本発明の色素増感型太陽電池の一例を示す概略断面図である。 本発明の色素増感型太陽電池の他の例を示す概略断面図である。 本発明の色素増感型太陽電池の他の例を示す概略断面図である。
符号の説明
1、2、3 … 色素増感型太陽電池
10 … 色素増感型太陽電池用基板
11 … 基材
12 … 接着層
13 … 第1電極層
14 … 多孔質層
14a … 酸化物半導体層
14b … 介在層
20 … 対電極基材
21 … 対向基材
22 … 第2電極層
30 … 電解質層
40 … シール材
50 … 配線

Claims (4)

  1. 基材と、前記基材上に形成され、熱可塑性樹脂からなる接着層と、前記接着層上に形成
    され、金属酸化物からなる第1電極層と、前記第1電極層上に形成され、表面に色素増感
    剤が吸着した金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層とを有する色素増感型太陽電池用基
    板、
    および、対向基材と、前記対向基材上に形成された第2電極層とを有する対電極基材が
    、酸化還元対を含む電解質層を介して、前記多孔質層と前記第2電極層とが対向するよう
    に配置されており、
    さらに、前記色素増感型太陽電池用基板と前記対電極基材との間であり、かつ、前記電
    解質層の周囲に前記電解質層を密封するように形成されたシール材を有する色素増感型太
    陽電池であって、
    前記シール材が、活性放射線硬化型樹脂からなるものであることを特徴とする、色素増感型太陽電池。
  2. 前記活性放射線硬化型樹脂が紫外線硬化型樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載の色素増感型太陽電池。
  3. 基材と、前記基材上に形成され、熱可塑性樹脂からなる接着層と、前記接着層上に形成
    され、金属酸化物からなる第1電極層と、前記第1電極層上に形成され、表面に色素増感
    剤が吸着した金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層とを有する色素増感型太陽電池用基
    板、
    および、対向基材と、前記対向基材上に形成された第2電極層とを有する対電極基材が
    、酸化還元対を含む電解質層を介して、前記多孔質層と前記第2電極層とが対向するよう
    に配置されており、
    さらに、前記色素増感型太陽電池用基板と前記対電極基材との間であり、かつ、前記電
    解質層の周囲に前記電解質層を密封するように形成されたシール材を有する色素増感型太
    陽電池であって、
    前記シール材が、前記接着層の融点よりも低い熱硬化型樹脂(エポキシ樹脂を除く。)からなるものであることを特徴とする、色素増感型太陽電池。
  4. 基材と、前記基材上に形成され、熱可塑性樹脂からなる接着層と、前記接着層上に形成
    され、金属酸化物からなる第1電極層と、前記第1電極層上に形成され、表面に色素増感
    剤が吸着した金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層とを有する色素増感型太陽電池用基
    板、
    および、対向基材と、前記対向基材上に形成された第2電極層とを有する対電極基材が
    、酸化還元対を含む電解質層を介して、前記多孔質層と前記第2電極層とが対向するよう
    に配置されており、
    さらに、前記色素増感型太陽電池用基板と前記対電極基材との間であり、かつ、前記電
    解質層の周囲に前記電解質層を密封するように形成されたシール材を有する色素増感型太
    陽電池であって、
    前記シール材が、2液硬化型樹脂(エポキシ樹脂を除く。)からなるものであることを特徴とする、色素増感型太陽電池。
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