JP5140355B2 - インクジェット記録装置、及びその制御装置 - Google Patents

インクジェット記録装置、及びその制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5140355B2
JP5140355B2 JP2007242380A JP2007242380A JP5140355B2 JP 5140355 B2 JP5140355 B2 JP 5140355B2 JP 2007242380 A JP2007242380 A JP 2007242380A JP 2007242380 A JP2007242380 A JP 2007242380A JP 5140355 B2 JP5140355 B2 JP 5140355B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
head
printing
valve
pipe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007242380A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009072961A (ja
Inventor
健一 佐武
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Document Solutions Inc
Original Assignee
Kyocera Document Solutions Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Document Solutions Inc filed Critical Kyocera Document Solutions Inc
Priority to JP2007242380A priority Critical patent/JP5140355B2/ja
Publication of JP2009072961A publication Critical patent/JP2009072961A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5140355B2 publication Critical patent/JP5140355B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Description

本発明は、インク滴を吐出することで印字を行うインクジェット記録装置の制御装置に関する。
従来、インクジェット記録装置において、インク滴を吐出するヘッドにインクを供給する種々の機構が提案されている。
例えば、特許文献1には、複数のインク吐出口と共通液室とを備えるヘッドを有するインクジェット記録装置である。この記録装置では、記録ヘッドで印字を行うインク供給系と記録ヘッドの吐出機能回復のためのインク回復系の2つの経路が設けられている。具体的には、インクを貯留するインク供給タンクから、供給管によりインクを共通液室に供給するようになっており、この供給管は閉回路部を備えており、この閉回路部には、吐出口がヘッド側に連通し、回復動作時に使用する回復ポンプが設けられている。また、このインクジェット記録装置には、循環管が設けられており、この循環管には電磁弁が設けられている。
一方、共通液室や供給系に残留する気泡の除去と共にヘッドを冷却するために実施される回復動作時には、このインクジェット記録装置は、電磁弁を開き、さらに回復ポンプを起動して、供給管により共通液室にインクを送り込み、共通液室から循環管によりインクをインク供給タンクに戻して循環させる。
また、インクが満たされていない状態のヘッド及び供給管にインクを充填させる初期充填時には、このインクジェット記録装置は、回復ポンプにより供給管を経て共通液室にインクを送り、気泡の排出と共にインクを吐出口から吐出させる。
特開平3−234652号公報(1991年10月18日公開)
しかし、本発明者らは、従来の技術では、ヘッドの吐出ノズルの目詰まり等の問題が起きること、そして、この問題の原因が、電磁弁の開閉のタイミングにあることを見出した。
そこで、本発明は、従来の技術の問題点に鑑み、インクジェット記録装置におけるノズル目詰まりを起きにくくすることのできる制御装置及びそれを備えたインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、印字時に弁を開けてインクをヘッドに供給するインクジェット記録装置において、印字終了後、下記式(1):
T0×ln10 ≦ T (1)
(但し、T0 = ρφ2 / 16μ、
ρ:インクの密度、
μ:インクの粘度、
φ:上記管の内径 である。)
で表される時間Tが経過するまで、弁を開いた状態に保つことで、ヘッドのノズルの目詰まりを防ぐことができることを見出した。
すなわち、本発明の制御装置は、インク滴を吐出するノズルを備えて印字を行うヘッドと、上記ヘッド外に設けられたインク貯留部と、上記インク貯留部から上記ヘッドにインクを供給可能な管と、上記管に設けられた開閉可能な弁と、を備えるインクジェット記録装置の制御装置であって、上記ヘッドによる印字終了後、時間Tが経過するまでは上記弁を開き、上記時間Tが経過すると上記弁を閉じる弁制御部を備える。
また、本発明の制御装置は、上記時間Tをカウントし、印字終了時からカウントを開始するタイマをさらに備え、上記弁制御部は、印字終了後、上記時間T経過前に次の印字が開始されたときには、さらに上記次の印字終了後、時間Tが経過するまでは上記弁を開いた状態に保つようになっていることが好ましい。
この制御装置によると、印字終了後、次の印字開始までの時間がTより短くても、次の印字中に、及び次の印字終了後時間Tが経過する前に、弁が閉じられることがない。よって、印字不良及びノズルの目詰まり等が起きにくい。
また、インク滴を吐出するノズルを備えて印字を行うヘッドと、上記ヘッド外に設けられたインク貯留部と、上記ヘッド外から上記ヘッドにインクを供給可能な管と、上記管に設けられた開閉可能な弁と、上記ヘッドによる印字終了後、時間Tが経過するまでは上記弁を開き、上記時間Tが経過すると上記弁を閉じる弁制御部を備えるインクジェット記録装置も、本発明の技術的範囲に含まれる。
印字時に弁を開けてインクをヘッドに供給するインクジェット記録装置において、印字終了後、時間Tが経過するまで、弁を開いた状態に保つことで、ヘッドのノズルの目詰まりを防ぐことができる。
I.第一実施形態
本発明の実施の一形態について、以下、図面を参照して説明する。
〔1〕インクジェット記録装置1の概要
図1は、本実施形態のインクジェット記録装置1の要部構成を示す図面である。
インクジェット記録装置1は、インクを吐出して図示しない用紙上に画像(文字を含む)を印字するヘッド2と、インクを貯留するインクタンク3とを備える。ヘッド2は、図示しない用紙に対向し、インクを吐出するインク吐出面23と、ヘッド2のインク吐出面23とは逆側に設けられた2つの供給口21、22とを備える。インク貯留部としてのインクタンク3には、内部から外部に通じる通気孔3hが形成されている。なお、「用紙」は記録媒体の一例に過ぎず、フィルム等の他の記録媒体に置き換えることができる。
インクジェット記録装置1はさらに、このインクタンク3から供給口21に至る第一管4、インクタンク3から供給口22に至る第二管5、第一管4によりインクタンク3からヘッド2に向けてインクを送るポンプ41、及び、第二管5におけるインクの流れを調整する電磁弁51を備える。第一管4、第二管5、ポンプ41、電磁弁51は、インクタンク3からヘッド2へ至るインク供給路を構成している。なお、第一管4及び第二管5の素材、形状等は特に限定されるものではない。例えば、第一管4及び第二管5は異なる素材で構成されていてもよいし、同一の素材で構成されていてもよい。また、素材としては、金属及び樹脂等の種々の素材を用いることができ、さらに互いに異なる素材で構成された管を繋ぎ合わせてもよい。
また、インクジェット記録装置1は、非印字時にヘッド2を覆うキャップ6を備えており、キャップ6には、キャップ6に溜まったインクを排出するための排出口61が設けられている。図示しないが、排出口61からインクを排出するためのポンプ等が設けられていてもよい。
第一管4及び第二管5は、インクタンク3内に端部4T及び5Tをそれぞれ備えており、端部4Tは端部5Tよりも下方に配される。このとき、端部4Tと端部5Tとの高さの差dは、端部5Tから出た気泡が端部4Tから第一管4内に入らない程度であれば、特に限定されるものではない。
ポンプ41としては、第一管4内のインクを移動させることができる装置を適宜用いることができるが、特にチューブポンプが好適に用いられる。
そして、インクジェット記録装置1はさらに、ポンプ41を駆動するポンプ駆動部42、及び電磁弁51への電流のON/OFFを切り換えることで電磁弁51を開閉させる弁駆動部52を備えると共に、制御装置100を備える。制御装置100は、ポンプ駆動部42の動作を制御するポンプ駆動制御部43、弁駆動部52の動作を制御する弁駆動制御部53、タイマ101を備える。
〔2〕ヘッド2の構造
ヘッド2の構造について説明する。図2はヘッド2の外観を示す斜視図であり、図3はヘッド2を構成する本体下部20bを上方向(図1のA方向)から見た平面図、図4はヘッド2を下方向(図1のB方向)から見た端面図、図5は図2のX‐X’矢視断面図、図6は図2及び図3のY‐Y’矢視断面図、図7は図3の一部を拡大した平面図、図8は図7のZ‐Z’矢視断面図である。なお、説明の便宜上、図3では、後述の共通流路27を点線で示すと共に、フレキシブルケーブル33等の部材を適宜省略している。
図2に示すように、ヘッド2は、ヘッド本体20及びフレキシブルケーブル33等を備える。ヘッド本体20は、本体上部20aと本体下部20bとに分けられる。
図2及び図5に示すように、本体下部20b上には圧電素子32が配されており、フレキシブルケーブル33はこれらの圧電素子32を駆動する回路(図示せず)に、図示しないヘッド駆動部からの駆動信号を伝達するようになっている。
図4に示すように、本体下部20bの下面に設けられた吐出面23には、微小径を有する吐出口25が複数形成されている。ヘッド2は、図示しない用紙搬送部によって方向Dに搬送される用紙に向けて、吐出口25からインクを吐出することで、用紙に印字するようになっている。吐出面23の長手方向(方向Dに直交する方向)の大きさは、用紙の印字領域の最大幅Eより大きく、吐出口25は、吐出面23の長手方向において少なくとも最大幅Eをカバーするように、複数設けられる。
図3及び図6に示すように、本体下部20b内には、それぞれ1つの吐出口25からインクを吐出する複数の吐出ユニット2aが吐出面23に平行に並べられている。さらに本体下部20b内には、ヘッド2の長手方向に平行に延び、かつ互いに平行な複数の共通流路27が設けられ、1個の共通流路27から複数の吐出ユニット2aにインクが供給されるようになっている。また、各共通流路27と本体上部20aの下記第二インク溜204とは、インク分配口201によって連通されている。本実施形態では、共通流路27の長手方向端部の近傍にそれぞれ1個ずつ、つまり、1個の共通流路27当たり、インク分配口201が2つずつ設けられている。
また、本体上部20aはインク供給口21及び22を備えており、本体上部20a内部には、インク供給口21及び22に連通する第一インク溜202、第一インク溜202の底部に設けられたフィルタ203、フィルタ203を介して第一インク溜202と連通する第二インク溜204、及び、第二インク溜204の底部から共通流路27まで連続するインク分配口201等が設けられる。インク分配口201は共通流路27に連通している。
なお、インク供給口は、本実施形態では1個のヘッド2当たり2箇所(インク供給口21及び22)設けられているが、本発明はこれに限定されるものではない。この他にも、2つで一対のインク供給口、又は3つ以上で一対のインク供給口を、複数の共通流路のそれぞれに設けるなど、ヘッド1個当たりに2個以上のインク供給口を設けてもよい。
インク供給口21又は22から送られてくるインクは、第一インク溜202、フィルタ203、第二インク溜204を順に通って、インク分配口201から共通流路27へと送られ、吐出ユニット2aに供給される。
図7及び図8に示すように、吐出ユニット2aは、吐出口25に対して1つずつ設けられた加圧室26、加圧室26内から吐出口25まで連続するノズル24、並びに加圧室26の上方に設けられた圧電素子32及び個別電極31を備える。加圧室26と共通流路27とは供給孔28で連通されている(図6参照)。加圧室26の上壁は、複数の加圧室26に渡って連続して形成された振動板29で構成されている。振動板29上には、同様に複数の加圧室26に渡って連続して形成された共通電極30が積層されている。共通電極30上には、加圧室26毎に別個の圧電素子32が設けられており、共通電極30と共に圧電素子32を挟むようにこれも加圧室26毎に別個の個別電極31が設けられる。吐出面23の吐出口25以外の領域は、撥水膜23aで覆われており、インクの付着を防止している。
図示しないヘッド駆動部から、フレキシブルケーブル33を介して個別電極31に駆動パルスが印加されることで、各圧電素子32は個別に駆動される。この駆動による圧電素子32の変形が振動板29に伝えられ、振動板29の変形によって加圧室26は圧縮される。その結果、加圧室26内のインクに圧力が加わり、ノズル24を通ったインクが吐出口25からインク滴となって用紙上に吐出される。こうして、インクにより用紙上に画像が記録される。
〔3〕ポンプ41及び弁51の駆動の制御
(3-1)インク充填動作
ポンプ駆動制御部43及び弁駆動制御部53は、ポンプ駆動部42及び弁駆動部52を駆動して、非印字時に、ヘッド2、並びに、第一管4、第二管5、及びポンプ41等を含むインク供給路にインクを充填するインク充填動作を実行させる。
具体的には、
1)ポンプ駆動制御部43が、ポンプ駆動部42を制御してポンプ41を所定時間稼動させる。
2)上記1)によりポンプ41が稼働している間に、弁駆動制御部53が、弁駆動部52を制御して電磁弁51の開閉を1回以上繰り返させる。
3)弁駆動制御部53が、弁駆動部52を制御して電磁弁51を開くことで、インク供給路及びヘッド2内の圧力を緩やかに低下させる。
4)ポンプ駆動制御部43が、ポンプ駆動部42を制御してポンプ41を停止させる。
上記1)及び2)の動作中、ポンプ41が稼動することで、端部4Tからインクが取り込まれ、第一管4内をインクタンク3からヘッド2へと送られる。第一管4及び第二管5内における流体抵抗(インクの流れにくさ)は、ヘッド2内のそれより格段に小さい。そのため、電磁弁51が“開”となっているとき、第一管4内をヘッド2へ送られたインクのほとんどは、第二管5を通って、端部5Tからインクタンク3に戻される。このときのインクの流れを図1中に実線矢印で示す。
このようにインクが流れることで、第一管4、第二管5、及びポンプ41等のインク供給路はインクで満たされる。そして、インク供給路中の気泡が端部5Tからインクタンク3内に排出される。このとき、端部4Tが端部5Tよりも下方に配されていることで、端部4Tから気泡が取り込まれることがない。
電磁弁51が“開”となっているときでも、第一管4を通してヘッド2へ送られたインクの一部は、上述したようにインク供給口21を介してヘッド2内に取り込まれる。このインクは、第一インク溜202及び第二インク溜204、さらに共通流路27まで入ることはある。しかし、供給孔28が微細であるため、加圧室26にまではインクは到達しにくい。つまり、電磁弁51が“開”となっているときには、少なくとも加圧室26及びノズル24はインクで満たされにくい。
上記2)の動作により、電磁弁51が“閉”となると、インクは第二管5を通ることができなくなり、第二管5内のインクによる圧力が高まる。この圧力によって、加圧室26及びノズル24にもインクが送られて、加圧室26及びノズル24にインクが充填される。このとき、余剰のインクが吐出口25から排出されるが、このインクはキャップ6で受けられて、排出口61からキャップ6外に排出される。
上記2)の動作によると、ポンプ41の稼働中に、電磁弁51の“閉”と“開”とが少なくとも1回ずつ実行される。上述したように、電磁弁51を“開”とすることで、ヘッド2及びインク供給路内から気泡が除かれ、“閉”とすることでヘッド2内にインクが充填される。すなわち、弁駆動制御部53は、弁駆動部52を介して電磁弁51を閉開することで、インクをヘッド2及びインク供給路内に充填させると共に、気泡をヘッド2及びインク供給路内から取り除くことができる。このとき、気泡の除去という観点からは、“閉”を間に挟んで“開”が2回以上実行されることが好ましい。弁が“閉”となっている間に、気泡の浮力によって第一インク溜202に集まった気泡は、その後に弁が“開”とされると、供給口21から供給口22へ向かうインクの流れによって第二管5経由でインクタンク3に排出される。
このように気泡の除去とインクの充填が完了したところで、上記3)の動作により、吐出口25からのインクの排出が停止し、ノズル24内にインクメニスカスMが形成される。
以上の動作によって、初期充填、又は印字後の回復が行われ、印字の準備が完了する。
(3-2)印字時の弁開閉制御
図9に示すように、印字時には、ポンプ41はポンプ駆動制御部43の制御下で停止される。印字が開始されると(S1でYes)、弁駆動制御部53は弁駆動部52を制御して、電磁弁51を開く(S2)。さらに、弁駆動制御部53は、弁閉フラグをクリアする(S3)。
印字が終了すると(S4でYes)、弁駆動制御部53は弁閉フラグをセットし(S5)、タイマ101がカウントを開始する。
タイマ101が時間Tをカウントした時点で弁閉フラグがセットされていれば(S7及びS8でYes)、弁駆動制御部53は電磁弁51を閉じる(S9)。
時間Tは、下記式(1):
T0×ln10 ≦ T (1)
(但し、T0 = ρφ2 / 16μ、
ρ:インクの密度、
μ:インクの粘度、
φ:第二管5の内径 である。)
で表される。
一方、タイマ101が時間Tをカウントし終える前に印字要求があった場合(S7でNo→ステップS10でYes)、タイマ101はクリアされ(S11)、弁駆動制御部53はステップS2に戻って、電磁弁52を開いたままとする。
時間Tについて、図10を参照して以下に説明する。図10は、印字中及び印字停止後の、経過時間に対するインク溜(202,204)及び第二管5内のインクの体積速度の変化を表すグラフである。
ステップS2により電磁弁51が開くと、ノズル24内のインクメニスカスMの表面張力によって、第二管5を通してヘッド2内にインクが供給される。このときのインクの進行方向を図1に点線矢印で示す。
ノズル24とインクタンク3との間の水頭差は、水頭差による圧力(インクタンク24のインク面とノズルのインク面の高さの差d’によって生じるノズルのインク面に働く力)より、インクメニスカスMによる表面張力(細いノズル24内にインクが入り込もうとする毛細管現象による表面張力)が大きくなるように設定されている。重力は、ヘッド24からインクタンク3に向けて流す方向に働き、メニスカスMの表面直力は、インクタンク3からヘッド2に向けてインクを移動させる方向に働く。非印字時はメニスカスMによる表面張力の方が水頭差による圧力より大きいので、吐出口25付近でメニスカスMは静止している。ヘッド2がインクを吐出することでノズル24内のメニスカスMが後退すると、表面張力が大きくなるので、インクタンク3からノズル24に向けてインクが移動する。
以上のように、印字中には、第二管5内に、インクタンク3からヘッド2、さらにノズル24、そして用紙へ向かう安定した流れが生じている。そこにステップS4にて印字が終了すると、ノズル24内でこの流れが急に止まる。ところが、第二管5内で安定的に流れていた流れはすぐに止まることができないので、第一インク溜202及び第二インク溜204(単に「インク溜」と称することがある)におけるインクの圧力が高まる。
インク溜内(202,204)の圧力が高まりすぎると、ヘッド2からインクタンク3への逆向きの流れが発生する。この逆向きの流れによって、インク溜(202,204)内の圧力は低くなる。インク溜(202,204)内の圧力が下がりきると、今度は、第二管5内の流れはインクタンク3からヘッド2へ向かうようになる。このようにして、インク溜(202,204)内の圧力は振動し、第二管5内には、インクタンク3からヘッド2に向かう流れと、ヘッド2からインクタンク3に向かう流れとが、交互に生じる(図10)。
このとき、インク溜(202,204)からノズル24に至るヘッド2内の流路(共通流路27等)にも、同様に、向きが互いに逆方向である2種類の流れが交互に発生はする。しかし、第二管5に比してヘッド2内の流路の流体抵抗は格段に大きいため、ヘッド2の流路内の流れの大きさは無視できる程度に小さい。それゆえ、この第二管5内の流れの大きさは、第二管5とインク溜(202,204)の構造に規定される。
具体的には、第二管5のイナータンスをM [kg/m4]、流路抵抗をR [Ns/m5]、インク溜の音響容量をC [m5/N]、第二管5内の体積速度をU [m3/s] とすると、これらの要素の関係は、
Figure 0005140355
で表される。
ここで、第二管5の長さをL、第二管5の断面積をS、第二管5の内径をφ、インクの密度をρ、粘度をμとすると、第二管5のイナータンスMは、
Figure 0005140355
で求められ、第二管5の流路抵抗Rは、
Figure 0005140355
で求められる。なお、長さLは、図1中に二点鎖線で示すように、端部5Tから供給口22に至るまでの第二管5の長さである。
インク溜の体積(第一インク溜202及び第二インク溜204の体積の合計)をW、インクの体積弾性率をκとすると、インク溜(202及び204)の音響容量Cは、
Figure 0005140355
で求められる。
先の微分方程式を、印字終了時の時刻t0において、U=U0(但し、U0は印字時の第二管5内の体積速度である)という初期条件で解けば、印字終了後の第二管5内の体積速度の時間変化を推定できる。
この解は、
Figure 0005140355
となる。
減衰振動の減衰の速さは、2τに依存している。このτはインク物性と第二管5の内径とによって決まる。
Figure 0005140355
2τをT0と置き換えると、
T0 = ρφ2 / 16μ (x)
である。
後述の実施例の実験結果から、体積速度UがU0の10分の1以下にならないうちに、電磁弁を閉じると、その後の印字時にノズル目詰まりが発生して、画像に白筋が発生した。体積速度UがU0の10分の1になるまでの時間は、[T0×ln10]で表されるので、印字停止後、電磁弁51を閉じるまでの時間Tを、
T0×ln10 ≦ T (1)
とするようにした。
すなわち、本実施形態の弁駆動制御部53は、印字終了後に時間Tが経過するまで電磁弁51を開いた状態に保つことで、ノズル目詰まりが発生しにくいという効果を奏する。
時間Tの上限は、特に限定されるものではなく、インク充填動作等を行うために電磁弁51を閉じる必要が生じるまで、開けた状態を保ってもよい。但し、一般的に用いられる電磁弁は、本実施形態と同様、通電していないときに閉じ、通電状態で開くようになっている。つまり、電磁弁への通電時間をできるだけ短くするために、電磁弁を“開”とする期間をできるだけ短くすることが好ましい。また、電磁弁を通電状態のまま長時間保つと電磁弁の温度が上がるので、時間Tの上限は、電磁弁の温度により装置内に不具合が生じない程度、としてもよい。
さらに、本実施形態では、印字終了後、時間Tが経過するまでに印字要求があった場合(S7でNo→S10でYes)、タイマ101のカウントはクリアされる(S11)。よって、印字中であるにもかかわらず、前回の印字終了から時間Tが経過したときに電磁弁51が閉じることがない。仮に、印字中に電磁弁51が閉じると、インクがヘッド2に供給されないので、印字がかすれたり、全く印字ができなくなったりするが、本実施形態の構成によると、このような不具合は起きない。
なお、制御装置100の各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成されてもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現されてもよい。すなわち、制御装置100は、制御プログラムを実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)等を備え、CPUにより、電磁弁51及びポンプ41を制御する制御プログラムを読み出し実行することで、各ブロックの機能を実現することができる。
II.その他の実施形態
〔1〕ヘッドの構成
ヘッド2に代えて、図11に示すヘッド200を用いることもできる。ヘッド200が備える部材のうち、ヘッド2について既に説明した部材と同一の機能を有する部材については、図6と同符号を付して、その説明を省略する。
ヘッド200は、第一インク溜202を囲む壁のうち、フィルタ203とは逆側の壁が、弾性部材からなる弾性板205で形成されている。弾性板205としては、例えばSUSの薄板やポリイミドの薄板等を用いることができる。弾性板205のさらに外側には、弾性板205との間に間隙を設けて外壁206が配されており、弾性板205はこの外壁206によって保護されている。外壁206には、通気孔207が設けられる。この通気孔207が設けられていることによって、弾性板205は、外壁206と弾性板205との間の間隙を介して、大気に接触するようになっている。
インク溜(202及び204)の機能は、印字開始時、印字停止時のヘッド2内の流路内の圧力変動を緩和することにある。弾性板205を設けることで、この機能を強化することができる。つまり、インク溜(202及び204)内の圧力が高まると、弾性板205は、外側(外壁206側)に突出する凸型に変形し、圧力が小さくなると、弾性板205は、内側(インク溜202側)に突出する凹型に変形することで、ヘッド2内圧力の変化をより小さく抑えることができる。
弾性板205を設ける場合は、上記式(iv)において、この弾性板205の弾性によって生じる音響容量を、インク溜の音響容量に加えればよい。
〔2〕インクを供給する管の構成
本発明は、第一実施形態に限定されるものではなく、インクタンクとヘッドとを連通する管に電磁弁が設けられており、印字中に電磁弁を開くことでインクタンクからヘッドにインクを供給するようになっているインクジェット記録装置であって、印字終了後、時間Tが経過するまでは上記弁を開けた状態に保つようになっているインクジェット記録装置として実施することができる。
例えば、図12に示すように、第一管4及び第二管5が、ポンプ41及び電磁弁51よりもヘッド2側で1つに合流しているインクジェット記録装置10にも、本発明を適用することができる。この場合、ヘッド2についても、供給口が1つとするなど、構成を適宜変更すればよい。なお、図12では、制御装置100等の図示を省略している。
本発明は以上の実施形態に限定されるものではない。また、特許請求の範囲に記載した範囲内で、公知の技術を加える等の種々の変更を加えた技術についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
第一実施形態で説明したインクジェット記録装置1を用いて、以下の試験を行った。
第二管5を、長さ1m、内径4mmとし、インクを、粘度3mPas、密度1000kg/m3とした。この第二管5の内径、インクの粘度と密度とから計算した、T0は、0.33secであった。また、印字時の第二管5内の体積速度の測定結果は、0.62×10-6 m 3 /s(U0)であった。
印字後、第二管5内の体積速度をモニターしながら、第二管5内の体積速度の振幅がU0の0.5倍、0.4倍、0.3倍、0.2倍、0.1倍、0.09倍、又は0.08倍以下になったときに、電磁弁51を閉じた。そして、電磁弁51を閉じた後、印字を再開した際に画像上に白筋が発しないかどうかを調べた。結果を表1に示す。
Figure 0005140355
表1の結果から、第二管5内の体積速度の振幅が印字時の流速の0.1倍以下になれば、電磁弁を閉じても、白筋が発生しないことが分かった。
第二管5内の体積速度の振幅は指数関数的に減少しているので、第二管5内の体積速度の振幅が印字時流速のn分の1以下になるのは、印字終了後T0×ln(n)以上の時間である。よって、管内の体積速度の振幅が印字時の体積速度の0.1倍以下になるのは、T0×ln10以上の時間なので、印字終了時刻Tを、
T0×ln10 ≦ T (1)
と決めた。
図1は、本実施形態のインクジェット記録装置1の要部構成を示す図面である。 図2はヘッド2の外観を示す斜視図である。 図3はヘッド2を上方向(図1のA方向)から見た平面図である。 図4はヘッド2を下方向(図1のB方向)から見た端面図である。 図5は図2のX‐X’矢視断面図である。 図6は図2及び図3のY‐Y’矢視断面図である。 図7は図3の一部である吐出ユニット2aを示す平面図である。 図8は図7のZ‐Z’矢視断面図である。 弁の開閉制御の流れを示すフローチャートである。 印字中及び印字停止後の、経過時間に対するインク溜(202,204)及び第二管5内のインクの体積速度の変化を表すグラフである。 ヘッド200の他の形態を示す断面図である。 第一管4及び第二管5の形態の異なるインクジェット記録装置10を示す図面である。
符号の説明
1 インクジェット記録装置
2 ヘッド
20 ヘッド本体
20a 本体上部
20b 本体下部
21、22 供給口
23 吐出面
23a 撥水膜
24 ノズル
25 吐出口
26 加圧室
27 共通流路
28 供給孔
29 振動板
30 共通電極
31 個別電極
32 圧電素子
3 インクタンク
31 通気孔
4 第一管
4T 端部
41 ポンプ
42 ポンプ駆動部
43 ポンプ駆動制御部
5 第二管
51 電磁弁(弁の一例)
5T 端部
52 弁制御部
53 弁駆動制御部
M メニスカス面

Claims (3)

  1. インク滴を吐出するノズルを備えて印字を行うヘッドと、上記ヘッド外に設けられたインク貯留部と、上記インク貯留部から上記ヘッドにインクを供給可能な吐出回復用の第一管と、上記インク貯留部と上記ヘッドとの間でインクが流通可能な印字用の第二管と、上記第二管に設けられた開閉可能な弁と、を備えるインクジェット記録装置の制御装置であって、
    上記ヘッドによる印字中に、上記第一管により上記インク貯留部から上記ヘッドへのインクの供給が停止している間は、上記弁を開いて上記第二管においてインクを流通可能とし、
    上記ヘッドによる印字終了後、下記式(1):
    T0×ln10 ≦ T (1)
    (但し、T0 = ρφ2 / 16μ、
    ρ:インクの密度、
    μ:インクの粘度、
    φ:上記管の内径である。)
    で表される時間Tが経過するまでは上記弁を開き、上記時間Tが経過すると上記弁を閉じる弁制御部を備える制御装置。
  2. 上記時間Tをカウントし、印字終了時からカウントを開始するタイマをさらに備え、
    上記弁制御部は、印字終了後、上記時間T経過前に次の印字が開始されたときには、さ
    らに上記次の印字終了後、時間Tが経過するまでは上記弁を開いた状態に保つようになっ
    ている請求項1に記載の制御装置。
  3. インク滴を吐出するノズルを備えて印字を行うヘッドと、
    上記ヘッド外に設けられたインク貯留部と、
    上記ヘッド外から上記ヘッドにインクを供給可能な吐出回復用の第一管と、
    上記インク貯留部と上記ヘッドとの間でインクを流通可能な印字用の第二管と、
    上記第二管に設けられた開閉可能な弁と、
    上記ヘッドによる印字中に、上記第一管により上記インク貯留部から上記ヘッドへのインクの供給が停止している間は、上記弁を開いて上記第二管においてインクを流通可能とし、
    上記ヘッドによる印字終了後下記式(1):
    T0×ln10 ≦ T (1)
    (但し、T0 = ρφ2 / 16μ、
    ρ:インクの密度、
    μ:インクの粘度、
    φ:上記管の内径である。)
    で表される時間Tが経過するまでは上記弁を開き、上記時間Tが経過すると上記弁を閉じる弁制御部を備えるインクジェット記録装置。
JP2007242380A 2007-09-19 2007-09-19 インクジェット記録装置、及びその制御装置 Expired - Fee Related JP5140355B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007242380A JP5140355B2 (ja) 2007-09-19 2007-09-19 インクジェット記録装置、及びその制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007242380A JP5140355B2 (ja) 2007-09-19 2007-09-19 インクジェット記録装置、及びその制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009072961A JP2009072961A (ja) 2009-04-09
JP5140355B2 true JP5140355B2 (ja) 2013-02-06

Family

ID=40608462

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007242380A Expired - Fee Related JP5140355B2 (ja) 2007-09-19 2007-09-19 インクジェット記録装置、及びその制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5140355B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016168724A (ja) * 2015-03-12 2016-09-23 セイコーエプソン株式会社 液体噴射システム、及び、タンクユニット

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005288826A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Seiko Epson Corp チョークバルブの開閉制御方法、記録装置及び液体噴射装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009072961A (ja) 2009-04-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101306005B1 (ko) 잉크순환시스템과 잉크젯 기록장치 및 잉크 순환방법
JP4047259B2 (ja) インク供給システム
JP4617798B2 (ja) インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置
JP4617799B2 (ja) インクジェット記録ヘッドのメンテナンス方法及びインクジェット記録装置
TW200408541A (en) Liquid supply system, fluid communicating structure, ink supply system, and inkjet recording head utilizing the fluid communicating structure
JPH0952364A (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドを用いたヘッドカートリッジ、液体吐出装置、液体吐出方法および記録方法
JP3267457B2 (ja) インクジェット装置及び該装置に用いられるインク供給装置
JPH11348305A (ja) インクジェット記録装置
JP4900177B2 (ja) 液滴噴射装置
CN111469557B (zh) 记录头元件和喷墨记录装置
JP4631158B2 (ja) インクジェットプリンタ
JP5140355B2 (ja) インクジェット記録装置、及びその制御装置
JP7031143B2 (ja) インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置
JP2008246860A (ja) インクジェット記録装置
JP2005125653A (ja) インクジェットヘッド、インクジェット記録装置、インクジェットヘッド洗浄装置及び洗浄方法
JP2001277503A (ja) インクジェットヘッド
JP2006088492A (ja) インクジェット記録装置
JP3052432B2 (ja) インクジェットプリンタ
JP5262043B2 (ja) 液滴噴射装置
JP2016030366A (ja) 液体噴射装置
JPH01145154A (ja) インクジェット記録装置
JP4382013B2 (ja) インクジェット記録装置
JP4276331B2 (ja) インクジェットヘッド
JP3661745B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP4853191B2 (ja) 液体噴射ヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20091023

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20091030

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100824

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120302

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120321

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120521

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121023

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121119

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5140355

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151122

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees