JP4276331B2 - インクジェットヘッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、プリンタ、ワープロ、ファクシミリ等として、複数の吐出口からインク滴を吐出し、これらインク滴を紙等の記録媒体に着弾させることによって記録を行うインクジェット式の記録装置がよく用いられている。
【0003】
図10を参照しながら、従来のインクジェット式記録装置のヘッドについて説明する。101はインク滴(図示せず)を吐出するための吐出口、102は吐出口101に連通した圧力室、103は圧力室102の一部を構成している振動板、104は振動板103に密着した圧電素子である。圧電素子104は、駆動回路110から印加された電圧波形に応じて変形することによって振動板103を変形させ、この振動板103の変形により圧力室102の内圧を高めるものである。105は圧力室102にインクを供給するインク供給口、106は各インク供給口102を通じて各圧力室102と連通したインクリザーバである。107は図示しないインクタンクからインクリザーバ106にインクを供給するインク供給路、108はインクタンクからのインクに混入した気泡、ゴミ、塵等を除去するインクフィルタである。
【0004】
インクリザーバ106や圧力室102に気泡が混入すると、インクの吐出性能が低下する。そこで、吐出性能を安定させるために、通常、インクジェットヘッドは、インクリザーバ106や圧力室102のインクを強制排出し、その内部に混入した気泡を除去するパージ運転を実行可能に構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、インクタンクからのインク供給量を増加させてインク供給路107のインク供給能力を向上させるためには、インク供給路107の流路断面積は大きいほど好ましい。また、インクフィルタ108の面積が小さいと目詰まりが生じやすいため、インクフィルタ108の長寿命化を図るために、通常、その面積は大きく設定されている。その結果、従来のインクジェットヘッドは、インクフィルタ108の大面積化に伴って、インク供給路107の流路断面積も大きくなっていた。
【0006】
しかし、インク供給路107の流路断面積が大きいと、インク供給路107のインクの流速は遅くなる。そのため、パージ運転の際に、インク供給路内の気泡は除去されにくかった。従って、気泡を確実に除去する観点からは、インク供給路107の流路断面積は、ある程度小さいほうが好ましい。
【0007】
以下、図10を参照しながら、具体例を説明する。初期のインク充填時やインク不足が生じたときの強制インク充填時には、インク供給路107内の空気とインクとを置換する必要がある。そこで、パージ手段(図示せず)によって、ヘッド内の空気を吐出口101を通じて吸引除去する。このとき、初期インク充填時のように、空気がヘッド内の大部分を占めている場合は特に問題はないが、インクが圧力室102やインクリザーバ106内の大部分を占めるようになると、インクの流体抵抗が原因となって、インク及び残留空気の排出量は急激に少なくなる。インクの排出量が低下すると、インク供給路107でのインク流速が低下し、残留気泡111はインク供給路107の内面に付着しやすくなる。また、残留気泡111は、ヘッド使用中の振動で合体し、大きくなることで動きやすくなり、インクリザーバ106内に移動する場合がある。また、通常使用時のパージ動作でも、漸次移動し、インクリザーバ106に入る場合がある。このような気泡111は、いったんインクリザーバ106内に流入すると、インク供給口105に流れ込む部分の流速が落ちるために、インクリザーバ106内にそのまま残留しやすかった。
【0008】
また、圧電素子104のインク吐出動作によって吐出されたインク滴(図示せず)の分だけ、インクリザーバ106から圧力室102にインクが補給されるが、この際、インク供給口105には、インクリザーバ106から圧力室102に流れ込むインク流が発生する。しかし、インク供給口105付近に気泡110Aが残留していると、この残留気泡110Aがインク供給口105を覆って圧力室102へのインク流入を阻害する。その結果、圧力室102へのインク供給が不安定となり、インクの吐出動作が不安定になりやすかった。つまり、吐出不良が起こりやすかった。
【0009】
そこで、気泡除去のために、例えば特開昭56−75867号公報に示すように、ポンプをインク供給系に組込み、当該ポンプによってインクリザーバ内の気泡除去を試みる方法が提案されている。しかし、従来のヘッドでは、前述したようにヘッドの応答周波数を上げること等を目的として、インク供給路の流路断面積を大きくしていたため、それに伴ってポンプの容量を大きくする必要があった。そのため、気泡除去のために大容量のポンプが必要となり、コストアップを招くという欠点があった。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するものであり、その目的とするところは、ヘッド内のインクに混入した気泡を確実に除去することにより、吐出性能を安定させることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、運転モードに応じてインク供給路の流路断面積が変更可能なように構成することとした。
【0012】
具体的には、本発明に係るインクジェットヘッドは、インクを吐出するための複数の吐出口と、該各吐出口に連通した複数の圧力室と、該各吐出口からインクを吐出させるために各圧力室内のインクに圧力を付与する複数のアクチュエータと、該各圧力室にインクを補給するように該各圧力室に連通したインクリザーバとが設けられたヘッド本体と、インク内の気泡をパージするためのパージ運転時に、上記ヘッド本体内のインクを吸引するパージ手段と、上記パージ運転時に、上記各圧力室への空気の侵入を阻止するように上記ヘッド本体の上記各吐出口を覆うキャッピング手段と、上記インクリザーバに連通するとともに所定のパージ運転時に流路断面積が減少するインク供給路が形成されたインク供給路形成部材とを備え、上記インク供給路が複数形成されていることとしたものである。
【0013】
上記事項により、パージ運転時には、ヘッド本体内部に空気が入り込まないようにキャッピング手段によって各吐出口が覆われ、ヘッド本体内部のインクがパージ手段に吸引される。これにより、インク内の気泡がインクと共に吸引除去され、ヘッド本体内部にインクが充填されることになる。この際、インク供給路の流路断面積が減少するので、インク供給路のインクの流速は増加し、また、流路断面に占める気泡の断面積の割合は大きくなる。そのため、気泡はインクと共に流出しやすくなる。その結果、インク供給路に気泡が残留することがなくなり、ヘッド本体内部の気泡は確実に除去される。一方、印字運転時にインク供給路の流路断面積が大きくなると、インクの流体抵抗が減少し、インク供給量が増加する。その結果、インクはインクリザーバに安定して供給される。従って、パージ運転時には気泡を除去しやすくなり、印字運転時にはインクの吐出性能が安定する。
【0014】
また、インク供給路が複数形成されていることで、各インク供給路の流路断面積を小さくしたまま、インク供給路の全体の流路断面積を大きくすることができる。そのため、パージ運転時における各インク供給路のインク流速を速くする一方、印字運転時のインク供給量を十分に確保することが容易になる。
【0015】
ヘッド本体には、パージ運転時にインクリザーバ内のインクを排出するためのインク排出口が形成され、インク供給路は、第1インク供給路と、該第1インク供給路よりも該インク排出口から遠い位置に設けられた第2インク供給路とを有し、上記第1及び第2インク供給路は、所定のパージ運転時に該第1インク供給路の流路断面積が該第2インク供給路の流路断面積よりも小さくなるように構成されていてもよい。
【0016】
上記事項により、所定のパージ運転時には、第1インク供給路の流路断面積が第2インク供給路の流路断面積よりも小さくなるため、インクリザーバに流入するインクの量は、第1インク供給路からよりも第2インク供給路からの方が多くなる。ここで、第2インク供給路は第1インク供給路よりもインク排出口から離れた位置に設けられていることから、第2インク供給路からインクリザーバを経てインク排出口から排出されるインクの流れが促進されることになる。その結果、インクリザーバのインクの流速が増加し、インクリザーバ内の気泡が除去されやすくなる。
【0017】
インク供給路の流路断面積を所定の第1面積にまで減少させてヘッド本体内のインクを吸引する第1パージ運転と、インク供給路の流路断面積を該第1面積よりも大きな第2面積に維持してヘッド本体内のインクを吸引する第2パージ運転とを選択的に実行する制御手段を備えていてもよい。
【0018】
上記事項により、第1パージ運転のときには、インク供給路の流路断面積が第1面積にまで減少し、インク供給路のインクの流速が増加する。その結果、主にインク供給路内の気泡を除去するためのパージ動作が行われる。一方、第2パージ運転のときには、インク供給路の流路断面積が上記第1面積よりも大きな第2面積(例えば、印字運転時の流路断面積)に維持され、インクリザーバへのインク供給量が十分に確保される。その結果、インクリザーバにおけるインクの流速が速くなり、主としてインクリザーバ内の気泡を除去するためのパージ動作が行われる。
【0019】
第1インク供給路の流路断面積を減少させてヘッド本体内のインクを吸引する第1パージ運転と、第1インク供給路を遮断してヘッド本体内のインクを吸引する第2パージ運転とを選択的に実行する制御手段を備えていてもよい。
【0020】
上記事項により、第1パージ運転のときには、第1インク供給路の流路断面積が減少し、第1インク供給路のインクの流速が増加する。その結果、主に第1インク供給路内の気泡を除去するためのパージ動作が行われる。一方、第2パージ運転のときには、第1インク供給路が遮断されるため、第2インク供給路のインクの流速が増加する。その結果、第2インク供給路内及びインクリザーバ内の気泡を除去するためのパージ動作が行われる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
<実施形態1>
図1に示すインクジェットプリンタにおいて、1は本実施形態に係るインクジェットヘッドである。インクジェットヘッドは、図示省略の駆動手段によりキャリッジ軸3に案内されて主走査方向Xに往復動するキャリッジ2に搭載されている。このキャリッジ2とキャリッジ軸3とは、インクジェットヘッド1と記録紙4とを主走査方向Xに相対移動させる移動手段を構成している。
【0023】
図2及び図3に示すように、インクジェットヘッド1は、ヘッド本体30と、インク供給路形成部材31,35と、駆動回路10とを備えている。ヘッド本体30の内部には、副走査方向Yに沿って所定間隔ごとに配列された複数の圧力室12,12,…が区画形成されている。各圧力室12は、主走査方向Xに細長い略直方体形状の空間によって形成されている。各圧力室12の一端側には、ヘッド本体30の裏側(図2の上側)から表側(図2の下側)に延びるインク吐出通路32が形成され、インク吐出通路32の先端には、インク滴を吐出するための吐出口11が設けられている。
【0024】
圧力室12の裏側は、振動板13によって区画されている。振動板13の裏側には、各圧力室12ごとに圧電素子14が固着されている。なお、振動板13及び圧電素子14は、圧力室12内のインクに圧力を付与するアクチュエータを構成している。各圧電素子14の個別電極(図示せず)には、リード線33を介して駆動回路10が接続されている。この駆動回路10は、圧電素子14に駆動電圧を印加する電圧印加手段を構成している。これにより、駆動回路10からの駆動電圧信号に従って所定の圧電素子14が変位し、当該圧電素子14に対応する振動板13がたわみ変形を行って圧力室12に圧力が付与され、吐出口11からインクが吐出されることになる。
【0025】
各圧力室12の吐出口11と反対側の端部には、圧力室12とインクリザーバ16とを連通するインク供給口15が設けられている。インクリザーバ16は、副走査方向Yに細長い略直方体形状の空間からなり、各インク供給口15を通じて各圧力室12と連通している。インクリザーバ16は、各圧力室12にインクを補給するためのものであり、その内容積は各圧力室12の内容積よりも大きい。
【0026】
ヘッド本体30の副走査方向Yの一端側には、インクリザーバ16からヘッド本体の裏面を貫くインク排出口17が形成されている。ヘッド本体30の裏側におけるインク排出口17と圧電素子14との間には開口34が形成されており、当該開口34に第1インク供給路形成部材31の一端が挿入されている。また、図3に示すように、ヘッド本体30の他端側にも開口34と同様の開口36が形成されており、当該開口36に第2インク供給路形成部材35の一端が挿入されている。これら第1及び第2インク供給路形成部材31,35は、それぞれ筒状の弾性材料(例えば、ゴム等からなるチューブ)によって形成されており、その内部には第1及び第2のインク供給路18,19が設けられている。各インク供給路18,19の流路断面積は、インクリザーバ16の流路断面積よりも大きい。なお、各インク供給路形成部材31,35の弾性率は、これら部材31,35が後述のパージ運転の際の内圧(パージ圧)によって変形するが、印字運転の際に吐出口におけるメニスカスを待機状態に復元させるように発生する毛細管力により発生する負圧では、ほとんど変形しないように設定されていることが好ましい。
【0027】
インク供給路形成部材31,35の他端は、インクタンク23に接続されている。これらインク供給路形成部材31,35の他端には、インクタンク23のインクに混入した気泡、ゴミ、塵等を除去するためのインクフィルタ20,20が設けられている。
【0028】
ヘッド本体30のインク排出口17には、パージ運転時にインクリザーバ16内のインクを吸引排出するための副パージ機構21が接続されている。なお、副パージ機構21として、負圧発生機能と外気遮断機能とを兼ねる体積排出型のポンプ等を用いることとすれば、インクリザーバ16への空気の侵入を防ぐことができるので特に好適である。
【0029】
一方、24は、パージ運転時にヘッド本体30の各吐出口11を気密性を保った状態で覆うとともに、各吐出口11からヘッド本体30内のインクを吸引するための主パージ機構である。主パージ機構24は、ヘッド本体30の各吐出口11を覆うキャップ部24aとポンプ部24bとを備えている。ポンプ部24bとして、例えば体積排出型のポンプ等を好適に用いることができる。
【0030】
次に、本インクジェットプリンタの動作を説明する。本インクジェットプリンタは、インクを吐出して記録を行う印字運転の他に、インクジェットヘッド1のインクに含まれる気泡を除去するためのパージ運転を実行する。
【0031】
−印字運転−
印字運転では、図1に示すように、例えばコンピュータ等から送られてくる印字信号に応じて、キャリッジ2に装着されたインクジェットヘッド1がキャリッジ軸3に沿って主走査方向Xに往復移動し、キャリッジ2の位置に合わせて駆動回路10が所定の圧電素子14に駆動電圧を印加する。これにより、所定の圧力室12に圧力が付与され、吐出口11から吐出したインク滴が記録紙7に着弾し、インクドットによる印字が行われる。
【0032】
ところで、初期インク充填時や、インクリザーバ16や圧力室12内のインクが不足したときに行う強制インク充填時には、ヘッド内部の空気とインクとを置換し、その内部にインクを充填する必要がある。そこで、以下のようなパージ運転が行われる。
【0033】
−パージ運転−
図3に示すように、まず、パージ運転中に吐出口11から圧力室12に空気が侵入しないように、主パージ機構24のキャップ部24aによって吐出口11を封鎖する。次に、副パージ機構21により、インクリザーバ16のインクを吸引排出する。これにより、ヘッド内部(詳しくは、インクリザーバ16、圧力室12、インク供給路18,19)の圧力が徐々に減少する。そして、図4に示すように、この圧力減少に従ってインク供給路形成部材31,35が変形し、インク供給路18,19の流路断面積がインクリザーバ16の流路断面積程度にまで減少する。
【0034】
この際、インク供給路18,19の流路断面積の減少に従い、インク供給路18,19のインクの流速は増加する。また、インク内の残留気泡がインク供給路18,19に占める面積割合が大きくなる。例えば、図5に模式的に示すように、断面積がCの気泡25の占める面積割合は、インク供給路形成部材31の変形前ではC/Aであるが、変形後にはC/Bに増加する。なお、ここでA>B>Cである。従って、インク供給路形成部材31の変形に伴って気泡25の流れ方向前後の圧力差が大きくなり、気泡25は排出されやすくなる。
【0035】
次に、このようにしてインク供給路18,19及びインクリザーバ16内の気泡を除去した後、副パージ機構21の動作を停止し、主パージ機構24のポンプ部24bの運転を開始する。これにより、インク供給口15、圧力室12、吐出口11の残留気泡が吸引除去される。その後、キャップ部24aを保持したままポンプ部24bの運転を停止する。これにより、インクタンク23からインクがゆっくりと流れ込み、ヘッド内部の圧力が徐々に回復する。この圧力増加に従い、インク供給路形成部材31,35が元の形状に復帰し、インク供給路18,19の流路断面積が増加する。そして、インク供給路18,19の流路断面積が印字運転時の流路断面積に復帰した後、主パージ機構24を取り外し、パージ運転を終了する。その結果、インク供給口15、圧力室12及び吐出口11もインクで充填される。その後、印字待機状態に移行し、前述の印字運転が行われる。
【0036】
以上のように、本実施形態によれば、印字運転時にはインク供給路18,19の流路断面積は大きいのに対し、パージ運転時にはインク供給路18,19の流路断面積は小さくなる。そのため、印字運転時にはインクリザーバ16に安定してインクを供給することができ、印字周波数を向上することができる一方、パージ運転時にはインク供給路18,19内の気泡を円滑に排出することができる。従って、ヘッド内部の気泡の残留を防止することができ、インクの吐出性能を安定化することができる。
【0037】
なお、上記実施形態のパージ運転では、副パージ機構21及び主パージ機構24の双方を用いたが、主パージ機構24のみを用いてパージ運転を行ってもよいことは勿論である。初期インク充填時やインクの吐出性能が不安定になったときなど、ヘッド内部の空気量が多い場合には、両パージ機構21,24を用いたパージ運転が特に好適である。一方、ヘッド内部の気泡が少ないときは、運転効率の観点から、主パージ機構24のみを用いたパージ運転が好適である。そこで、定期的または自動的に行うパージ運転は、主パージ機構24のみで行い、ユーザが強制的に行うパージ運転は、両パージ機構21,24で行うようにしてもよい。
【0038】
<実施形態2>
実施形態2は、インク供給路形成部材31に外部から圧力を加えてインク供給路18の流路断面積を強制的に変更する流路変形機構22を設けたものである。
【0039】
図6及び図7に示すように、第1インク供給路形成部材31の側方には、その側部を押圧することによって第1インク供給路18の流路断面積を減少させるように第1インク供給路形成部材31を変形させる流路変形機構22が設けられている。流路変形機構22は、第1インク供給路形成部材31に接離するように副走査方向Yに沿って往復動自在に構成され、第1インク供給路形成部材31と対向する位置に先細り形状の押圧部37が形成されている。
【0040】
本実施形態のパージ運転では、主パージ機構24のキャップ部24aによってヘッド本体30の各吐出口11を覆った後、副パージ機構21を動作させる前に、流路変形機構22によって第1インク供給路形成部材31を変形させる。これにより、第1インク供給路18の流路断面積は、ヘッド内部の圧力に関わりなく、インクリザーバ16の流路断面積近くまで減少する。その後、副パージ機構21を作動させ、インクリザーバ16のインクの排出を開始する。これにより、第1インク供給路18においては、インクの流速は排出当初から速くなる。一方、第2インク供給路19においては、圧力減少に伴って流路断面積が減少し、インクの流速は徐々に増加する。その後、第1インク供給路18と第2インク供給路19の流路断面積がほぼ等しくなり、実施形態1と同様にして残留気泡のパージが行われる。
【0041】
以上のように、本実施形態では、あらかじめ流路変形機構22で第1インク供給路18の断面積を絞ることとしたので、副パージ機構21の動作開始直後から、第1インク供給路18のインクは高速度で流通し、第1インク供給路18内の気泡が円滑に除去される。従って、パージ運転開始直後から高効率な気泡の排出が可能となり、副パージ機構21によって排出されるインクの量を低減することができる。そのため、パージ開始直後のインクの無駄を抑制することができる。
【0042】
なお、流路変形機構22を第2インク供給路形成部材35の側方にも設け、第1インク供給路18及び第2インク供給路19の双方の流路断面積をあらかじめ小さくしておくようにしてもよい。これにより、パージ機構21,24によって排出されるインクの無駄を更に抑制することができ、パージ運転の効率を一層向上させることができる。
【0043】
<実施形態3>
実施形態3は、第1インク供給路18を遮断してインクリザーバ16のインク流速を増加させるパージ運転を実行するものである。
【0044】
本実施形態のパージ運転では、まず、実施形態2と同様にして、第1インク供給路18の流路断面積がインクリザーバ16の流路断面積程度になるように、流路変形機構22によって第1インク供給路形成部材31を変形させる。その後、副パージ機構21を作動させ、第1インク供給路18内のインクの流速が速いことを利用して、主として第1インク供給路18の残留気泡の除去を行う。
【0045】
次に、図8に示すように、流路変形機構22を第1インク供給路形成部材31側に移動させ、第1インク供給路18が遮断されるように第1インク供給路形成部材31を更に押圧する。これにより、インクタンク23のインクは第2インク供給路19のみを流通してインクリザーバ16に流入することになる。その結果、ヘッド内部には、インクタンク23から第2インク供給路19及びインクリザーバ16を経て、インク排出口17から排出されるインク流れが生成される。つまり、インク排出口17に近い方のインク供給路18が遮断され、インクリザーバ16にはインク排出口17から遠い方のインク供給路19のみからインクが供給されるので、インクリザーバ16の全域を比較的高速のインクが流通することになる。また、第2インク供給路19のインク流速が増加する。従って、第2インク供給路19及びインクリザーバ16の気泡は円滑に除去される。
【0046】
以上のように、本実施形態では、第1インク供給路18のインク流速を高めて第1インク供給路18の気泡の除去を行った後、第2インク供給路19及びインクリザーバ16のインク流速を高めて第2インク供給路19及びインクリザーバ16の気泡の除去を行うので、ヘッドの全体にわたって円滑な気泡の除去が可能となる。
【0047】
<実施形態4>
実施形態4は、インク供給路の流路断面積を減少させてインクの吸引を行うパージ運転(第1パージ運転)と、インク供給路の流路断面積を印字運転時の流路断面積に維持したままインクの吸引を行うパージ運転(第2パージ運転)とを選択的に実行するように構成したものである。
【0048】
図9に示すように、本実施形態では、第1及び第2インク供給路形成部材31,35の側部には、それぞれ流路変形機構38a,38bが固定されている。流路変形機構38a,38bは、各インク供給路形成部材31,35に対して接離するように、副走査方向Yに沿って往復移動自在に構成されている。これら流路変形機構38a,38bの移動に従ってインク供給路形成部材31,35は変形し、各インク供給路18,19の流路断面積は変更される。従って、本実施形態では、各インク供給路18,19の流路断面積は、これらインク供給路18,19内の圧力に関係なく、流路変形機構38a,38bによって強制的かつ任意に変更される。
【0049】
本実施形態のパージ運転では、まず、流路変形機構38a,38bが各インク供給路形成部材31,35を変形させ、インク供給路18,19の流路断面積を減少させる。この状態で、副パージ機構21を動作させる。その結果、インク供給路18,19の気泡は除去されやすくなり、インク供給路18,19外に円滑に排出される。
【0050】
次に、流路変形機構38a,38bを移動させ、インク供給路18,19の流路断面積が印字運転時の流路断面積と等しくなるように、各インク供給路形成部材31,35を復元させる。その結果、インクリザーバ16に供給されるインクの量が増加し、インクリザーバ16の気泡がインク排出口17を通じて排出されやすくなる。
【0051】
このように、本実施形態によれば、主としてインク供給路18,19の気泡を除去するパージ運転を行った後、主としてインクリザーバ16の気泡を除去するパージ運転を行うので、気泡の除去を効率的に行うことが可能となる。
【0052】
<その他の実施形態>
上記各実施形態では、インク供給路は2本であったが、インク供給路は3本以上であってもよい。
【0053】
流路変形機構22は、インク供給路形成部材を側方から押圧するものに限られず、インク供給路形成部材を挟み込む機構であってもよい。
【0054】
ヘッド1は、複数色のインクを吐出可能なように、各色ごとに設けられていてもよい。
【0055】
主および副パージ機構のパージ機能、キャッピング機能を分離、兼用することでコストダウンを図ることも当業者ならば容易であることは言うまでもない。
【0056】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ヘッド内のインクを吸引するパージ手段と、ヘッド本体の各吐出口を覆うキャッピング手段と、流路断面積が減少するインク供給路が形成されたインク供給路形成部材とを備え、上記インク供給路が複数形成されていることとしたので、ヘッド内部に空気が入り込まないように各吐出口を覆った状態でヘッド内部のインクをパージすることができ、より確実に気泡を除去することができる。また、各インク供給路の流路断面積を小さくしたままインク供給路の全体の流路断面積を大きくすることができる。そのため、印字運転時のインク供給量を十分に確保することができるとともに、パージ運転時における気泡の排出を円滑に行うことができる。
【0057】
請求項2の発明によれば、第1インク供給路と、当該第1インク供給路よりもインク排出口から遠い位置に設けられた第2インク供給路とを備え、所定のパージ運転時に第1インク供給路の流路断面積が第2インク供給路の流路断面積よりも小さくなるようにすることにより、第2インク供給路からインクリザーバを経てインク排出口から排出されるインクの流れが促進され、インクリザーバのインクの流速を増加させることができる。従って、インクリザーバ内の気泡を円滑に除去することができる。
【0058】
請求項3の発明によれば、インク供給路の流路断面積を所定の第1面積にまで減少させてヘッド本体内のインクを吸引する第1パージ運転と、インク供給路の流路断面積を上記第1面積よりも大きな第2面積に維持してヘッド本体内のインクを吸引する第2パージ運転とを選択的に実行する制御手段を備えることにより、第1パージ運転にあってはインク供給路の気泡を集中的に除去することができ、第2パージ運転にあってはインクリザーバ内の気泡を集中的に除去することができ、効率的なパージが可能となる。
【0059】
請求項4の発明によれば、第1インク供給路の流路断面積を減少させてヘッド本体内のインクを吸引する第1パージ運転と、第1インク供給路を遮断してヘッド本体内のインクを吸引する第2パージ運転とを選択的に実行する制御手段を備えることにより、第1パージ運転にあっては第1インク供給路の気泡を集中的に除去することができ、第2パージ運転にあっては第2インク供給路及びインクリザーバの気泡を集中的に除去することができ、効率的なパージが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタの概略構成図である。
【図2】 実施形態1に係るインクジェットヘッドの斜視図である。
【図3】 実施形態1に係るインクジェットヘッドの断面図である。
【図4】 パージ運転時の図3相当図である。
【図5】 インク供給路形成部材の部分断面図である。
【図6】 実施形態2に係る図2相当図である。
【図7】 実施形態2に係る図4相当図である。
【図8】 実施形態3に係る図4相当図である。
【図9】 実施形態4に係る図4相当図である。
【図10】 従来のインクジェットヘッドの斜視図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド
10 駆動回路
11 吐出口
12 圧力室
13 振動板
14 圧電素子
15 インク供給口
16 インクリザーバ
17 インク排出口
18 第1インク供給路
19 第2インク供給路
20 インクフィルタ
21 副パージ機構
22 流路変形機構
23 インクタンク
24 主パージ機構
30 ヘッド本体
31 第1インク供給路形成部材
35 第2インク供給路形成部材

Claims (4)

  1. インクを吐出するための複数の吐出口と、該各吐出口に連通した複数の圧力室と、該各吐出口からインクを吐出させるために各圧力室内のインクに圧力を付与する複数のアクチュエータと、該各圧力室にインクを補給するように該各圧力室に連通したインクリザーバとが設けられたヘッド本体と、
    インク内の気泡をパージするためのパージ運転時に、上記ヘッド本体内のインクを吸引するパージ手段と、
    上記パージ運転時に、上記各圧力室への空気の侵入を阻止するように上記ヘッド本体の上記各吐出口を覆うキャッピング手段と、
    上記インクリザーバに連通するとともに所定のパージ運転時に流路断面積が減少するインク供給路が形成されたインク供給路形成部材と
    を備え
    上記インク供給路が複数形成されているインクジェットヘッド。
  2. ヘッド本体には、パージ運転時にインクリザーバ内のインクを排出するためのインク排出口が形成され、
    インク供給路は、第1インク供給路と、該第1インク供給路よりも該インク排出口から遠い位置に設けられた第2インク供給路とを有し、
    上記第1及び第2インク供給路は、所定のパージ運転時に該第1インク供給路の流路断面積が該第2インク供給路の流路断面積よりも小さくなるように構成されている請求項に記載のインクジェットヘッド。
  3. インク供給路の流路断面積を所定の第1面積にまで減少させてヘッド本体内のインクを吸引する第1パージ運転と、インク供給路の流路断面積を該第1面積よりも大きな第2面積に維持してヘッド本体内のインクを吸引する第2パージ運転とを選択的に実行する制御手段を備えている請求項1または2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 第1インク供給路の流路断面積を減少させてヘッド本体内のインクを吸引する第1パージ運転と、該第1インク供給路を遮断してヘッド本体内のインクを吸引する第2パージ運転とを選択的に実行する制御手段を備えている請求項に記載のインクジェットヘッド。
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