JP5140013B2 - 暖機装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載された内燃機関又は変速機などの駆動系装置に循環させる循環媒体の温度を適切に制御することで、内燃機関又は駆動系装置の早期暖機を行う暖機装置に関する。
自動車などの車両に搭載される内燃機関又は変速機などの駆動系装置(パワートレイン)では、車両の始動直後における動作安定性の向上や燃費向上を図ることが必要である。ところが、内燃機関又は変速機などの駆動系装置では、循環媒体である内燃機関の潤滑油や変速機の作動油の粘性に起因して、機関又は装置の内部で機械的フリクションが生じ、動作安定性や燃費向上の妨げになることがあった。例えば、自動変速機(AT)の作動油(ATF)は、他の循環媒体と比較して油温応答性があまり良くない(温度の立ち上がりが遅い)ため、始動直後の自動変速機では、低温の作動油の粘性による機械的フリクションが生じる。このような事情から、内燃機関又は駆動系装置に循環させる循環媒体の温度を早期に適温まで上昇させることが必要である。
そこで、従来、自動変速機(AT)の作動油を早期加温するための技術として、特許文献1、2に示すような装置が知られている。特許文献1に記載の装置は、蓄熱タンクで加熱した作動油を自動変速機のオイルパン内のストレーナに供給するものである。この装置によれば、オイルパンから自動変速機内のコントロールバルブなどに供給される作動油を集中的に加熱でき、効率良く昇温させることができる。また、特許文献2に示す自動変速機では、蓄熱材を収容した熱交換器がオイルパン内に設置されている。ここでの蓄熱材は潜熱蓄熱材であり、潜熱蓄熱材は、高温の作動油との熱交換によって固相から液相に相転移して融解熱を吸熱する一方、過冷却状態の解除により液相から固相に相転移し、低温の作動油との熱交換によって凝固熱を放熱する。
特開2002−130436号公報 特開2007−303557号公報
ところで、特許文献1に記載の装置では、ストレーナに供給する作動油を加熱するための蓄熱タンクがオイルパンの外部に設置されており、加熱された作動油を蓄熱タンクからオイルパンに導入してストレーナに供給するようになっている。したがって、ストレーナ及びその近傍の局所的な加熱には効果があるが、オイルパンに溜められた作動油の全体的な加熱を効率良く行うには、あまり適していない。また、加熱用の作動油を蓄熱タンクからオイルパンまで搬送する配管などが必要であるため、オイルパンの周辺構造が複雑化するおそれもある。
また、特許文献1及び2に記載の装置は、作動油を加熱するための潜熱蓄熱材を備えているが、いずれの装置においても潜熱蓄熱材は作動油との間でのみ熱交換が可能である。ところが、既述のように、作動油は油温の応答性があまり良くないため、1回の車両の運転が短時間の場合には、油温が十分に上がらない。そのため、毎回の運転で潜熱蓄熱材の蓄熱を完了できないことがあり、その場合、次回の車両始動時に蓄熱材による作動油の早期加温を実施できないおそれがある。
一方、自動変速機の作動油は、一定以上の高温の状態が続くと劣化が進むため、自動変速機のスムーズな動作に支障をきたすおそれがある。したがって、車両の運転中、作動油が一定以上の高温状態になることを防止できるようにすることが望ましい。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関又は駆動系装置に循環させる循環媒体の加温・冷却を適切なタイミングで効果的に行うことで循環媒体の温度を最適化でき、内燃機関又は駆動系装置の始動時における動作安定性の向上や燃費向上を図ることができる暖機装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、内燃機関(30)又は駆動系の装置(40)の暖機を行う暖機装置であって、内燃機関(30)又は駆動系の装置(40)を循環する循環媒体(L,M)が貯留される循環媒体リザーバ(35,43)と、循環媒体リザーバ(35,43)内の循環媒体(L,M)を吸入して内燃機関(30)又は駆動系の装置(40)に供給する循環媒体吸入路(37,45)と、循環媒体リザーバ(35,43)内及び循環媒体吸入路(37,45)内の循環媒体(L,M)の温度制御を行うための熱交換器(10,10−2,10−3)と、を備え、熱交換器(10,10−2,10−3)は、内燃機関(30)の冷却水(W)を流通させる冷却水流通室(13)と、他媒体との熱交換による蓄熱及び放熱が可能な蓄熱材(20)を収容した蓄熱材収容室(12)と、を具備し、冷却水流通室(13)と蓄熱材収容室(12)は互いに隣接して配置されており、冷却水流通室(13)は、循環媒体リザーバ(35,43)に貯留された循環媒体(L,M)に接しており、循環媒体吸入路(37,45)が蓄熱材収容室(12)の内部を通過していることを特徴とする。
本発明にかかる暖機装置によれば、冷却水流通室(13)の冷却水(W)と蓄熱材収容室(12)の蓄熱材(20)との間、及び循環媒体リザーバ(43)内の循環媒体(M)と冷却水流通室(13)の冷却水(W)との間、及び循環媒体吸入路(45)内の循環媒体(M)と蓄熱材収容室(12)の蓄熱材(20)との間でそれぞれ直接的に熱交換を行えるようになる。これにより、内燃機関及び変速機などの駆動系装置を含む複数の機関又は装置間での相互熱交換が可能となる。したがって、内燃機関及び変速機などの駆動系装置の全体で発生する熱の効率的な利用を促進することが可能となる。
また、蓄熱材収容室の内部を通過する循環媒体吸入路を備えたことで、内燃機関又は駆動系装置の冷間始動時に、当該内燃機関又は駆動系装置に供給される循環媒体を蓄熱材による加熱で早期に昇温させることができ、かつ、その温度変動を抑制することが可能となる。したがって、内燃機関又は駆動系装置で生じる機械的フリクションを効果的に低減でき、始動時における動作安定性の向上や燃費向上を図ることができる。
また、熱交換器に内燃機関の冷却水を流通させる冷却水流通室を備えたことで、内燃機関の運転中、温度が上昇した冷却水で蓄熱材の蓄熱が行えるので、車両の一回の運転が短時間でも蓄熱材の蓄熱を効果的に行うことができ、蓄熱を完了し易くなる。したがって、次回の車両始動時に蓄熱材による循環媒体の早期加温を効果的に行えるようになる。また、内燃機関及び駆動系装置の運転中に循環媒体や蓄熱材が内燃機関の冷却水よりも高温になった場合、冷却水によって循環媒体や蓄熱材の冷却を行うことができる。したがって、循環媒体や蓄熱材が所定以上の高温状態に長時間曝されることを回避できるので、循環媒体や蓄熱材の劣化を防止できる。
また、冷却水流通室が循環媒体リザーバに貯留された循環媒体に接するように設置されているので、循環媒体を加熱するための手段を循環媒体リザーバの外部に設けている従来技術と比較して、循環媒体を流通させるための配管経路などを簡素化でき、暖機装置の構成を簡単にできる。
上記の暖機装置の一実施態様として、循環媒体(L,M)は、変速機(40)を循環する変速機作動油(M)であり、循環媒体リザーバ(35,43)は、変速機(40)に設置した変速機作動油(M)を溜める作動油受け(43)であってよい。また、他の実施態様として、循環媒体(L,M)は、内燃機関(30)を循環する内燃機関潤滑油(L)であり、循環媒体リザーバ(35,43)は、内燃機関(30)に設置した内燃機関潤滑油(L)を溜める潤滑油受け(35)であってもよい。さらに他の実施態様として、循環媒体(L,M)は、変速機(40)を循環する変速機作動油(M)及び内燃機関(30)を循環する内燃機関潤滑油(L)であり、循環媒体リザーバ(35,43)は、変速機(40)に設置された変速機作動油(M)を溜める作動油受け(43)と、内燃機関(30)に設置された内燃機関潤滑油(L)を溜める潤滑油受け(35)のいずれかであり、蓄熱材収容室(12)の内部を通過する循環媒体吸入路(45,37)は、作動油受け(43)に溜められた変速機作動油(M)を変速機(40)に供給する作動油吸入路(45)と、潤滑油受け(35)に溜められた内燃機関潤滑油(L)を内燃機関(30)に供給する潤滑油吸入路(37)の少なくともいずれかであってよい。
また、上記の暖機装置では、冷却水流通室(13)と蓄熱材収容室(12)の少なくともいずれかに、流通する冷却水(W)あるいは収容された蓄熱材(20)と熱交換対象以外との熱交換を抑制するための断熱部材(15)を設置するとよい。これによれば、冷却水流通室を流通する冷却水あるいは蓄熱材収容室に収容された蓄熱材が保有する熱が加熱対象以外の媒体へ放出されることを抑制できるので、車両で発生する熱の有効活用を促進することができる。
また、上記の暖機装置では、断熱部材(15)は、冷却水流通室(13)に対応する位置と蓄熱材収容室(12)に対応する位置との間で移動可能であり、冷却水(W)の循環媒体(M,L)に対する断熱と蓄熱材(20)の外部に対する断熱とを選択的に行えるようにするとよい。これによれば、断熱部材を移動させることで、冷却水や蓄熱材が保有する熱の無駄な放出を削減できるので、循環媒体の昇温と蓄熱材の蓄熱との両方を効率的に行えるようになる。また、この場合、蓄熱材収容室(12)と冷却水流通室(13)は、共通の円弧面に沿って配列されており、断熱部材(15)は、該断熱部材(15)を共通の円弧面の中心周りで回転移動させる回転機構(18)により、冷却水流通室(13)に対応する位置と蓄熱材収容室(12)に対応する位置との間を移動可能としてよい。これによれば、簡単な構成で冷却水の断熱と蓄熱材の断熱とを選択的に行えるようになる。
また、上記の暖機装置では、蓄熱材(20)は、過冷却状態で蓄熱が可能な潜熱蓄熱材(20)とし、蓄熱材(20)の過冷却状態を解除する解除手段(25)を蓄熱材収容室(12)に設置するとよい。潜熱蓄熱材によれば、液状の蓄熱材が凝固点以下になっても固化せず、蓄熱を保持したまま過冷却状態をとり得る。したがって、外気温が低下しても蓄熱を保持でき、かつ、長期間放置しても蓄熱を安定的に保持できるので、蓄熱材収容室の断熱構造を簡素化できる。また、解除手段による過冷却状態の解除により、所望のタイミングで蓄熱材を発熱させることができるので、内燃機関や駆動系装置の始動前及び始動直後における循環媒体の早期加温をより効果的に行えるようになる。また、蓄熱要素(20)は、化学変化による熱の吸収・放出が可能な化学蓄熱材(21)とし、蓄熱材に化学変化を生じさせる手段(23)を蓄熱材収容室(12)に設置してもよい。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態の対応する構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
本発明にかかる暖機装置によれば、内燃機関又は駆動系装置に循環させる循環媒体の加温・冷却を適切なタイミングで効果的に行うことで循環媒体の温度を最適化できるので、内燃機関又は駆動系装置の始動時における動作安定性の向上や燃費向上を図ることができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態にかかる暖機装置1を備えた内燃機関(以下、「エンジン」という)30及び駆動系装置である自動変速機40を示す概念図である。エンジン30に隣接して配置された自動変速機40は、トランスミッションケース40aと、トランスミッションケース40aの下端に設けた潤滑媒体リザーバであるトランスミッションオイルパン(作動油受け)43(以下、単に「オイルパン43」と記す。)を備えて構成されている。トランスミッションケース40aの内部には、図示しないトルクコンバータや変速機構(遊星歯車列等)、及び油圧作動するバルブ類が内蔵されたコントロールバルブ(変速制御部)が配設されている。オイルパン43は、トランスミッションケース40a内の内部機構(上記のトルクコンバータ、変速機構、コントロールバルブなど)を循環する作動油Mがトランスミッションケース40aの外部に一時的に排出された際、該作動油Mを回収して貯留するための受皿として用いられる。
本実施形態の暖機装置1は、自動変速機40に設置された熱交換器10を備えている。すなわち、自動変速機40におけるオイルパン43の上部には、オイルパン43に溜められた作動油M及び後述する作動油吸入路45を流通する作動油Mの温度制御を行うための熱交換器10が設置されている。図2は、熱交換器10の詳細構成を示す図で、(a)は、透視斜視図、(b)は、熱交換器10を後述する軸方向の一端側から見た概略側断面図である。同図に示すように、熱交換器10は、略円筒型の中空容器からなり、該中空容器の内部には、他媒体との熱交換による蓄熱及び放熱が可能な蓄熱材20を収容した蓄熱材収容室12と、エンジン30の冷却水Wを流通させる冷却水流通室13とが形成されている。なお、図2(b)及び下記の図10では、蓄熱材収容室12の蓄熱材20と冷却水流通室13の冷却水Wを分かり易く示すため、蓄熱材20に小点を並べた模様を施し、冷却水WにV字型の記号を並べた模様を施している。
熱交換器10は、冷却水W、作動油M、蓄熱材20に対する防錆性などの耐久性があり、且つ熱伝導性に優れた材料、例えば、銅、アルミニウム、ステンレスなどの金属製の板材で形成するとよい。該熱交換器10は、円筒の軸方向(以下、単に「軸方向」という)がオイルパン43の底面と平行に延びて横置状態で設置されており、蓄熱材収容室12と冷却水流通室13は、円筒の中心を通る平板状の仕切壁14を境界として、該仕切壁14の上下に対称に配置された半円筒状の室からなる。すなわち、仕切壁14の上側の内部空間が蓄熱材収容室12になっており、仕切壁14の下側の内部空間が冷却水流通室13になっている。仕切壁14は、その面がオイルパン43の底面と平行に配置されており、オイルパン43が水平な状態で、仕切壁14がオイルパン43内の作動油Mの油面Sと略平行になり、さらにオイルパン43内の作動油Mが定量のとき、仕切壁14が作動油Mの油面Sと略一致するようになっている。
蓄熱材収容室12に収容された蓄熱材20は、過冷却状態で蓄熱が可能な潜熱蓄熱材であり、凝固点以下になっても液状のままで固化しない性質を有している。このような蓄熱材20として、例えば、酢酸ナトリウム水和物からなる蓄熱材が挙げられる。酢酸ナトリウム水和物は、後述する解除手段による過冷却状態の解除によって、平衡状態に戻って固化する際に発熱し、温度の低い他の媒体を加熱することができる。ここでは、過冷却状態で蓄熱が可能な潜熱蓄熱材の代表例として酢酸ナトリウム水和物を挙げたが、他にも、水和塩化合物(化学式としてMx・nH2O(n:整数)で表わされるもの)を挙げることができ、Na2SO4・10H2O,CaCl2・6H2Oを例示することができる。
そして、蓄熱材収容室12の蓄熱材20中には、蓄熱材20の過冷却状態を解除する解除手段(以下、発核装置という。)25が設置されている。図3は、発核装置25の構成例を示す概略側面図である。発核装置25は、蓄熱材20中に設置された円形平板状の金属バネ部材26と、金属バネ部材26に打撃を与えるソレノイド27とを備えている。ソレノイド27は、ECU50の指令に応じて動作する。金属バネ部材26は、同図(a)に示す状態において、ソレノイド27による打撃で中央部26aが押圧されると、同図(b)に示すように、該中央部26aが反転するようになっている。これにより、蓄熱材20中に核が生成(発核)され、蓄熱材20の過冷却状態が解除されて固化が始まる。なお、解除手段としては、蓄熱材20中に核を生成可能な手段であれば、何れの手段でもよく、上記以外にも、例えば、蓄熱材20中で金属摩擦あるいは電圧印加などを施す手段であってもよい。
また、蓄熱材20は、上記の潜熱蓄熱材以外にも、化学反応を利用して熱の吸収・放出を行うことができる化学蓄熱材からなるものであってもよい。このような化学蓄熱材として、例えば、ゼオライトからなる蓄熱材がある。図4は、蓄熱材収容室12に収容したゼオライトからなる蓄熱材21の構成例を示す図である。この場合、蓄熱材収容室12には、蓄熱材21に反応媒体である水22を供給して化学反応を生じさせる反応媒体供給部23が設置されている。この熱交換器10では、車両の運転時に、冷却水Wや作動油Mとの熱交換でゼオライト21を加熱して脱水させ、蓄熱材21に蓄熱する。一方、次回のエンジン30始動時には、反応媒体供給部23から蓄熱材21に水22を供給して吸着させることで、蓄熱材21に吸着熱を発生させて冷却水Wや作動油Mを加熱できる。化学蓄熱材としては、ゼオライトの他にも、例えば、シリカゲル・活性炭・生石灰などがあり、化学反応を生じさせる反応媒体としては、水の他にも、エタノール・メタノール・エチレングリコール系不凍液・塩化カルシウム系不凍液などがある。また、化学蓄熱材の例としては、他にも水素吸蔵合金を用いた蓄熱材などが挙げられる。なお、以下の説明では、蓄熱材20として潜熱蓄熱材を用い、蓄熱材収容室12に発核装置25を設置した場合について説明する。
図1に戻り、エンジン30には、熱交換器10の冷却水流通室13との間で冷却水(LLC)Wを循環させる冷却水循環路31が設置されている。冷却水循環路31は、エンジン30のシリンダブロック30aに形成されたウォータージャケット(図示せず)から導出され、熱交換器10の冷却水流通室13に連通し、ウォータージャケットに再度導入されている。冷却水流通室13の一端には、冷却水循環路31から冷却水Wを導入するための冷却水入口13aが設けられており、他端には、冷却水循環路31へ冷却水Wを導出するための冷却水出口13bが設けられている。冷却水入口13aから冷却水流通室13に導入された冷却水Wは、冷却水流通室13の内部に一時的に溜まり、順次、冷却水出口13bから導出されるようになっている。
そして、冷却水循環路31には、冷却水ポンプ32が介装されている。ここでの冷却水ポンプ32は、電動ポンプである。また、冷却水循環路31には、流路を開閉するための開閉弁33が設置されている。開閉弁33を開いて冷却水ポンプ32を運転すれば、冷却水循環路31を介してエンジン30の冷却水Wを冷却水流通室13に流通させることができる。一方、開閉弁33を閉じて冷却水ポンプ32を停止させれば、冷却水流通室13への冷却水Wの流通を停止させることができる。
また、自動変速機40には、オイルパン43に貯留された作動油Mを吸い上げて自動変速機40の内部機構へ供給するための作動油吸入路(循環媒体吸入路)45が設けられている。作動油吸入路45は、吸込側の端部がオイルパン43内に設置したストレーナ46に連通しており、吐出側の端部がトランスミッションケース40aの下端近傍に設置したオイルポンプ(作動油ポンプ)47に連通している。ストレーナ46は、作動油Mに含まれる異物を除去するための網目状の吸込口46aを有しており、オイルパン43内の作動油Mに浸されている。作動油ポンプ47は、オイルパン43の作動油Mを吸い上げて、トルクコンバータ、変速機構、コントロールバルブなどの自動変速機40の内部機構へ圧送するためのギヤポンプである。
そして、ストレーナ46と作動油ポンプ47の間の作動油吸入路45は、熱交換器10の蓄熱材収容室12の内部を通過するように設置されている。すなわち、蓄熱材収容室12の一端には、ストレーナ46を通過した作動油Mを導入する作動油入口12aが設けられており、蓄熱材収容室12の他端には、作動油ポンプ47側へ作動油Mを導出する作動油出口12bが設けられている。作動油入口12aと作動油出口12bとの間の作動油吸入路45は、蓄熱材収容室12の内部を通過する作動油管路48になっている。これにより、オイルパン43から吸い上げられて自動変速機40の内部機構へ供給される作動油Mと蓄熱材収容室12の蓄熱材20との間で直接的に熱交換を行わせることができる。
図2に示すように、蓄熱材収容室12の内部を通過する作動油管路48は、屈曲細管状で、作動油入口12aから仕切壁14と平行な面内で左右に繰り返し屈曲しつつ軸方向に進み作動油出口12bに繋がっている。作動油管路48をこのような多段に屈曲する屈曲管路としたことで、蓄熱材収容室12の内部を通過する作動油吸入路45が長くなるので、作動油吸入路45を流通する作動油Mと蓄熱材20との熱交換が効果的に行えるようになる。
作動油管路48は、図1(a)に示すような多段の屈曲配管とするほか、図5乃至図7に示すような構成としてもよい。図5乃至図7は、蓄熱材収容室12に設置した作動油管路48の他の構成例を示す図である。図5に示す作動油管路48−2は、図1(a)に示す作動油管路48と同様の形状を有する屈曲配管48−2aを備えている。その上でさらに、屈曲配管48−2aの外周に円形環状の金属性の平板からなる熱交換リング48−2bを多数取り付けている。熱交換リング48−2bは、屈曲配管48−2aの外周に嵌め込まれて固定されており、屈曲配管48−2aの長手方向に沿って適宜の間隔で多数個が配列されている。このような熱交換リング48−2bを設けたことで、作動油吸入路45を流通する作動油Mと蓄熱材20との熱交換が促進される。
図6は、作動油管路48のさらに他の構成例を示す図で、(a)は、斜視図、(b)は、概略側断面図である。同図に示す作動油管路48−3は、その面が仕切壁14と平行な略平板状に形成された本体部48−3aと、該本体部48−3aの上下面に所定間隔で配列形成された複数の熱交換フィン48−3bとを備えて構成されている。熱交換フィン48−3bは、直線状で断面が三角形に形成された先尖状の突起からなる。また、本体部48−3a内には、作動油入口12aから作動油出口12bに通じる作動油通路48−3cが形成されている。熱交換フィン48−3bは、図6(b)に示すように、本体部48−3aの外側の上下面に形成されているほか、作動油通路48−3cの内面にも形成されている。このような熱交換フィン48−3bにより、作動油通路48−3cを通過する作動油Mと蓄熱材20との熱交換が促進される。
また、図7は、作動油管路48のさらに他の構成例を示す図で、(a)は、斜視図、(b)は、概略断面図である。同図に示す作動油管路48−4は、仕切壁14と平行な略平板状に形成された本体部48−4aを備えている。本体部48−4a内には、作動油入口12aから作動油出口12bに通じる作動油通路48−4bが形成されている。作動油通路48−4bは、複数本が所定間隔で平行に配列されている。隣接する通路48−4bの隙間には、多段に屈曲する細板状の熱交換フィン48−4cが設置されている。これにより、全体がラジエーター型に形成されている。この作動油管路48−4でも、熱交換フィン48−4cを介して作動油通路48−4bの作動油Mと蓄熱材20との熱交換が促進される。なお、上記の作動油管路48,48−2,48−3,48−4の構造は一例であり、蓄熱材収容室12に設置する作動油管路は、通過する作動油Mと蓄熱材20との熱交換を促進できる構造であれば、上記以外の構造としてもよい。
図8は、仕切壁14の他の構成例を示す図である。仕切壁14は、図1に示すような平板状に形成するほか、図8(a)乃至(d)のいずれかに示すような構成としてもよい。図8(a)及び(b)に示す仕切壁14−2,14−3は、断面が上下に繰り返し湾曲しており、多段に湾曲する湾曲板状に形成されている。このような湾曲板状の仕切壁14−2,14−3を備えれば、平板状の仕切壁14と比較して、冷却水流通室13の冷却水Wと蓄熱材収容室12の蓄熱材20とが直接的に熱交換を行える領域(隣接する面積)を広く確保できるので、冷却水Wと蓄熱材20との熱交換を促進することができる。なお、同図(a)の仕切壁14−2と(b)の仕切壁14−3を比較すると、(a)の仕切壁14−2の方が(b)の仕切壁14−3よりも折返数が多く、湾曲度が強くなっている。
図8(c)に示す仕切壁14−4は、上側へ略半球状に突出する突出部14−4aと下側へ略半球状に窪む窪み部14−4bとが平面内で交互に配列されており、突出部14−4aと窪み部14−4bとでエンボス状の凹凸が形成されている。突出部14−4aと窪み部14−4bは、平面内の縦横方向に沿って碁盤目状に配列されている。平板状の仕切壁にこのような突出部14−4aと窪み部14−4bを設ければ、冷却水流通室13の冷却水Wと蓄熱材収容室12の蓄熱材20とが直接的に熱交換を行える領域を広く確保できるので、冷却水Wと蓄熱材20との熱交換を促進することができる。
図8(d)に示す仕切壁14−5は、平板状の本体部14−5aの上下面に所定間隔で配列された直線状で先尖状の突起からなる多数本の熱交換フィン14−5bを備えて構成されている。平板状の仕切壁14にこのような熱交換フィン14−5bを設ければ、冷却水流通室13の冷却水Wと蓄熱材収容室12の蓄熱材20とが直接的に熱交換を行える領域を広く確保できるので、冷却水Wと蓄熱材20との熱交換を促進することができる。
図2に示すように、この熱交換器10では、冷却水流通室13と蓄熱材収容室12が仕切壁14を介して上下に隣接配置されている。また、オイルパン43に貯留された作動油Mが定量(油面Sが規定高さ)のとき、冷却水流通室13はその全体がオイルパン43内の作動油Mに浸るように設置されている。これらにより、熱交換器10では、冷却水流通室13の冷却水Wと蓄熱材収容室12の蓄熱材20との間、及びオイルパン43に溜められた作動油Mと冷却水流通室13の冷却水Wとの間、及び作動油吸入路45に吸入された作動油Mと蓄熱材収容室12の蓄熱材20との間でそれぞれ直接的に熱交換を行うことが可能となっている。
また、熱交換器10には、蓄熱材収容室12に収容された蓄熱材20の温度を測定する蓄熱材温度センサ28、冷却水流通室13内の冷却水Wの温度を測定する冷却水温度センサ34、オイルパン43から作動油吸入路45に吸い上げられた作動油Mの温度を測定する作動油温度センサ49がそれぞれ設けられている。なお、冷却水温度センサ34や作動油温度センサ49は、エンジン30や自動変速機40の内部あるいはその近傍など上記以外の場所に設置してもよい。
また、円筒状の熱交換器10の外周面には、断熱部材15が設置されている。断熱部材15は、所定の厚みを有しており、熱交換器10の外周面に沿う円弧面形状の板材であり、合成樹脂材などの断熱性に優れた材料で形成された湾曲板形状の塊状体からなる。断熱部材15は、蓄熱材収容室12と冷却水流通室13のいずれか一方の外周面の略全体を覆うことが可能な外形を有している。なお、断熱部材15の具体的な構成は、蓄熱材収容室12や冷却水流通室13の断熱性を確保できるものであれば、上記の構成には限定されない。したがって、例えば、図示は省略するが、板状部材の内部に中空部を形成し、該中空部を真空状態の断熱層にしたものでも良いし、中空部に気体あるいは液体や流動性を有する半固形状の材料などからなる断熱材料を充填した構成であってもよい。なお、図2以外の各図では、断熱部材15の図示を省略している。
断熱部材15は、熱交換器10の外周面に沿って円周方向へ摺接移動が可能となっている。すなわち、断熱部材15における軸方向の一端辺には、連続する歯列16aが形成された細帯状のラック16が取り付けられており、該ラック16に対向する位置には、ラック16の歯列16aに噛合する歯列17aが形成されたピニオン17が設置されている。ピニオン17は、回転軸17bを介して図示しないモータなどの駆動源の回転が伝達されるようになっており、ピニオン17の回転が歯列16a,17aを介してラック16に伝達されることで、ラック16が長手方向に沿って進退移動するようになっている。ラック16とピニオン17とで、断熱部材15を移動させる移動機構18が構成されている。なお、図1(b)では、移動機構18の図示を省略している。
移動機構18により、断熱部材15が熱交換器10の外周面に沿って円周方向へ摺接移動し、蓄熱材収容室12を覆う位置(以下、この位置を蓄熱材収容室12側と称す。)と、冷却水流通室13を覆う位置(以下、この位置を冷却水流通室13側と称す。)との間で移動可能となっている。断熱部材15が冷却水流通室13側に配置された状態で、断熱部材15が冷却水流通室13とオイルパン43内の作動油Mとの間に介在し、冷却水Wとオイルパン43内の作動油Mとの間の熱移動が抑制される。一方、断熱部材15が蓄熱材収容室12側に配置された状態で、断熱部材15が蓄熱材収容室12の蓄熱材20と外気との間に介在し、蓄熱材20と外気との間の熱移動が抑制される。
図9は、上記構成の暖機装置1による暖機動作のタイムチャートを示すグラフである。同図のグラフでは、横軸に暖機装置1による暖機が開始されてからの経過時間をとり、縦軸に温度をとっている。そして、エンジン30の冷却水Wの温度TW、自動変速機40の作動油Mの温度TM、蓄熱材20の温度TSの経時変化をそれぞれ示している。また、参考として、暖機装置1による加熱を行わない従来の作動油の温度変化も記載している。また、グラフの下側には、経過時間に対応した蓄熱材20、エンジン30、作動油M、冷却水W、断熱部材15の状態を併記している。暖機装置1の暖機動作は、同図のグラフに示すように、暖機開始からの経過時間に応じて第1段階〜第4段階の4段階に変化するようになっている。図10(a)乃至(d)はそれぞれ、第1段階〜第4段階に対応する熱交換器10の状態を示す図で、図2(b)に対応する熱交換器10の概略側断面図である。なお、図10に示す矢印は、高温側から低温側への熱移動を模式的に示したものである。以下、暖機装置1による暖機動作の詳細について説明する。
第1段階は、暖機装置1による自動変速機40及びエンジン30の暖機動作が開始されてからエンジン30が始動するまでの間、及びエンジン30の始動後、冷却水温度TWがT1(=60℃)以下のときである。ここでの温度T1は、酢酸ナトリウム水和物などの潜熱蓄熱材からなる蓄熱材20の融点と略等しい温度である。暖機装置1による自動変速機40及びエンジン30の暖機は、蓄熱材収容室12の発核装置25が作動(発核)することで開始される。発核装置25の作動により、蓄熱材20の凝固が始まり、蓄熱材20からの凝固熱の放出が開始される。この放熱で作動油吸入路45の作動油Mが加熱される。また、冷却水流通室13の冷却水Wも加熱される。
発核装置25の作動から所定時間が経過した後、エンジン30が始動する。エンジン30の始動により、作動油ポンプ47が動作を開始し、作動油吸入路45の作動油Mが流通する。これにより、オイルパン43内の作動油Mが作動油吸入路45を吸い上げられて自動変速機40の内部機構へ供給される。このとき、蓄熱材収容室12を通過する作動油Mが蓄熱材20によって加熱される。これにより、自動変速機40の内部機構へ供給される作動油Mを昇温させて粘性を低下させることができるので、自動変速機40の内部で生じる機械的フリクションを低減でき、自動変速機40の動作を早期に安定させることができる。
また、第1段階では、冷却水循環路31の開閉弁33を閉じ、かつ冷却水ポンプ32を停止しておくことで、冷却水流通室13の冷却水Wの流通は停止させておく。これにより、蓄熱材20から発生する融解熱が低温の冷却水Wに極力奪われないようにして、自動変速機40の内部機構へ供給される作動油Mを蓄熱材20で効果的に加熱できるようにする。また、第1段階では、図10(a)に示すように、断熱部材15を蓄熱材収容室12側に配置しておく。この断熱部材15によって、蓄熱材20と外部(外気)との間が断熱状態となる。これにより、蓄熱材20で発生した熱を極力外部に逃がさないようにできるので、作動油Mを効果的に加熱することができる。
第2段階では、冷却水Wの熱で蓄熱材20への蓄熱が行なわれる。すなわち、第2段階は、エンジン30の始動後、冷却水温度TWがT1(=約60℃)以上T2(=約80℃)以下の時である。つまり、冷却水温度TWがT1に達した時点で、冷却水Wによる蓄熱材20の蓄熱が開始され、冷却水温度TWがT2に達した時点で、蓄熱材20が十分に融解し、蓄熱材20の蓄熱が完了したと判断可能である。
この第2段階では、断熱部材15を冷却水流通室13側へ配置する。加えて、冷却水循環路31の開閉弁33を開くと共に、冷却水ポンプ32を運転することで、冷却水流通室13に冷却水Wを流通させる。すなわち、断熱部材15を冷却水流通室13側へ配置することで、冷却水Wの熱がオイルパン43内の作動油Mに奪われないようにしながら、冷却水流通室13に導入された高温の冷却水Wで蓄熱材20を加熱して蓄熱材20の融解(蓄熱材20への蓄熱)を促進する。これにより、冷却水Wで蓄熱材20を集中的に加熱でき、蓄熱材20を速やかに融解させて、蓄熱を完了させることが可能となる。したがって、車両の一回の運転時間が短時間である場合や、一回の走行距離が短い場合でも、蓄熱材20の蓄熱を高い確率で完了させることができる。したがって、次回の車両の始動時に、蓄熱材20による作動油Mや冷却水Wの加熱を効果的に行えるようになる。なお、本実施形態では、第2段階の終了時点は、冷却水温度TWがT2(=80℃)に達したことで判断しているが、これ以外にも、第2段階の終了時点は、冷却水温度TWがT1(=蓄熱材20の融点)以上になった後の経過時間に基づいて判断することも可能である。また、蓄熱材温度センサ28で測定した蓄熱材20の温度TSに基づいて判断することも可能である。
第3段階は、冷却水温度TWがT1(=80℃)以上になった後、作動油温度TMが冷却水温度TW以下の段階である。この第3段階では、図10(c)に示すように、断熱部材15を蓄熱材収容室12側へ配置する。これにより、冷却水流通室13の冷却水Wとオイルパン43内の作動油Mとの間の熱移動が許容されるので、オイルパン43内の作動油Mを高温の冷却水Wで直接的に加熱できるようになる。また、蓄熱材収容室12の蓄熱材20と外部との間の熱移動が抑制されるので、第2段階で蓄熱材20に蓄えた熱を効果的に保持できる。また、第2段階から継続して、冷却水流通室13の冷却水Wから蓄熱材収容室12の蓄熱材20にも熱が与えられるので、万一、第2段階で蓄熱材20が完全に融解していない(蓄熱材20の蓄熱が完了していない)場合でも、第3段階で蓄熱材20の蓄熱を継続することができる。また、高温状態の蓄熱材20で作動油吸入路45を流れる作動油Mが加熱されるので、第2段階に引き続き、自動変速機40の内部機構に導入される作動油Mの粘性を低く抑えることが可能となる。
第4段階は、第3段階での作動油温度TMと冷却水温度TWの関係が逆転したとき、すなわち、作動油温度TMが冷却水温度TW以上になった後の段階である。この第4段階では、図10(d)に示すように、断熱部材15は蓄熱材収容室12側に配置しておく。これにより、冷却水流通室13の冷却水Wとオイルパン43内の作動油Mと間の熱移動が許容されるが、オイルパン43内の作動油Mよりも冷却水Wの方が低温であるため、オイルパン43内の作動油Mが冷却水Wによって冷却される。したがって、作動油Mの過度の温度上昇を抑制でき、作動油Mの劣化を効果的に防止できる。また、蓄熱材収容室12の蓄熱材20よりも冷却水Wの方が低温であるため、蓄熱材収容室12の蓄熱材20も冷却水Wによって冷却される。これにより、蓄熱材20の過度の温度上昇を抑制できるので、蓄熱材20の劣化を効果的に防止できる。すなわち、作動油温度TMが冷却水温度TW以上に上昇した第4段階では、断熱部材15で蓄熱材20を覆い、エンジン30の冷却水Wでオイルパン43内の作動油Mと蓄熱材20を積極的に冷却する。
また、エンジン30及び自動変速機40の停止後(車両の停止後)は、断熱部材15を蓄熱材収容室12側へ配置する。この断熱部材15により高温状態の蓄熱材20を保温する効果が得られる。したがって、短時間の停車後に車両を再始動させる場合などにおいて、作動油温度TMや冷却水温度TWが上昇した状態を維持できるので、始動時における自動変速機40やエンジン30のスムーズな動作が可能となる。これにより、自動変速機40の動作安定性の向上や燃費向上を図ることができる。
図11は、上記の暖機動作において断熱部材15の配置を決める手順を整理したフローチャートである。この手順では、まず、エンジン30が停止しているか否かを判断する(ステップST1)。その結果、エンジン30が停止していれば(YES)、断熱部材15を蓄熱材収容室12側へ配置する(ステップST2)。一方、エンジン30が運転されていれば(NO)、続けて、冷却水温度TWがT1(=60℃)以上か否かを判断する(ステップST3)。その結果、冷却水温度TWがT1未満であれば(NO)、断熱部材15を蓄熱材収容室12側へ配置する(ステップST2)一方、冷却水温度TWがT1以上であれば(YES)、続けて、冷却水温度TWがT2(=80℃)以下か否かを判断する(ステップST4)。その結果、冷却水温度TWがT2以上であれば(NO)、断熱部材15を蓄熱材収容室12側へ配置し(ステップST2)、冷却水温度TWがT2以下であれば(YES)、断熱部材15を冷却水流通室13側へ配置する(ステップST5)。
以上説明したように、本実施形態の暖機装置1は、オイルパン43の作動油M及び作動油吸入路45の作動油Mの温度制御を行うための熱交換器10を備え、熱交換器10は、エンジン30の冷却水Wを流通させる冷却水流通室13と、過冷却状態での蓄熱及び放熱が可能な潜熱蓄熱材20を収容した蓄熱材収容室12とを具備し、冷却水流通室13と蓄熱材収容室12は互いに隣接して配置され、冷却水流通室13は、オイルパン43に貯留された作動油Mに接しており、作動油吸入路45が蓄熱材収容室12の内部を通過している。これにより、冷却水流通室13の冷却水Wと蓄熱材収容室12の蓄熱材20との間、及びオイルパン43の作動油Mと冷却水流通室13の冷却水Wとの間、及び作動油吸入路45の作動油Mと蓄熱材収容室12の蓄熱材20との間でそれぞれ直接的に熱交換を行うことが可能である。
したがって、エンジン30の始動直後、作動油Mが十分に温まっていない段階でも、蓄熱材20の発熱によりオイルパン43から自動変速機40の内部機構へ供給される作動油Mを効果的に加温することが可能となる。つまり、作動油吸入路45に蓄熱材収容室12を通過する作動油管路48を設けたことで、エンジン30の冷間始動時に、自動変速機40に供給される作動油Mを早期に昇温させ、かつ、その温度変動を抑制することが可能となる。したがって、自動変速機40の機械的フリクションを低減できるので、車両の始動時における駆動系の動作安定性の向上や燃費向上を図ることができる。
それに加えて、この暖機装置1では、熱交換器10に冷却水流通室13を備えたことで、エンジン30の運転中に温度が上昇した冷却水Wで蓄熱材20の蓄熱が行える。これにより、車両の一回の運転が短時間であっても蓄熱材20の蓄熱を効果的に行うことができ、蓄熱を完了し易くなる。したがって、次回の車両運転時に、蓄熱材20による作動油Mの早期加温が効果的に行えるようになる。さらに、エンジン30や自動変速機40の運転中に作動油Mや蓄熱材20が冷却水Wよりも高温になった場合、冷却水Wによって作動油Mや蓄熱材20の冷却を行うことができる。したがって、作動油Mや蓄熱材20が所定以上の高温状態に長時間曝されることを回避できるので、作動油Mや蓄熱材20の劣化を効果的に防止できる。
また、本実施形態の暖機装置1では、冷却水流通室13を流通する冷却水W及び蓄熱材収容室12に収容した蓄熱材20と熱交換対象以外との熱交換を抑制するための断熱部材15を備えている。この断熱部材15により、冷却水Wあるいは蓄熱材20が保有する熱が加熱対象の媒体(作動油Mや冷却水W)以外へ放出されることを抑制できるので、エンジン30や自動変速機40で発生する熱の有効活用を促進することができる。そして、本実施形態では、断熱部材15は、冷却水流通室13側と蓄熱材収容室12側との間で移動可能であり、これにより、冷却水Wの断熱と蓄熱材20の断熱とを選択的に行えるようになっている。したがって、冷却水Wが保有する熱及び蓄熱材20が保有する熱の無駄な放出を抑制でき、作動油Mの加熱と蓄熱材20の蓄熱との両方を効率的に行えるようになる。また、本実施形態では、ラック16とピニオン17とからなる移動機構18により、断熱部材15が冷却水流通室13側と蓄熱材収容室12側との間で回転移動する構成を採用している。したがって、簡単な構成で冷却水Wの断熱と蓄熱材20の断熱とを選択的に行えるようになる。
また、本実施形態の暖機装置1では、蓄熱材20は、過冷却状態で蓄熱が可能な潜熱蓄熱材であり、蓄熱材収容室12には、蓄熱材20の過冷却状態を解除する発核装置25が設けられている。蓄熱材20を潜熱蓄熱材としたことで、液状の蓄熱材20が凝固点以下になっても固化せず、蓄熱を保持したまま過冷却状態をとり得る。したがって、外気温が低下しても蓄熱を保持でき、かつ、長期間放置しても蓄熱を安定的に保持できるので、蓄熱材収容室12の保温構造を簡素化できる。また、発核装置25による過冷却状態の解除により、所望のタイミングで蓄熱材20を発熱させることができるので、エンジン30の始動前及び始動後における作動油Mや冷却水Wの早期加温を効果的に行えるようになる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態にかかる暖機装置について説明する。なお、第2実施形態の説明及び対応する図面においては、第1実施形態と同一又は相当する構成部分には同一の符号を付し、以下ではその部分の詳細な説明は省略する。また、以下で説明する事項以外の事項、及び図示する以外の事項については、第1実施形態と同じである。
図12は、第2実施形態にかかる暖機装置1−2を搭載したエンジン30及び自動変速機40の概念図である。本実施形態の暖機装置1−2は、エンジン30に設置されており、エンジン30の潤滑油Lを加熱することでエンジン30の暖機を行うものである。エンジン30のシリンダブロック30aの下端には、潤滑媒体リザーバである潤滑油Lを貯留するためのエンジンオイルパン(潤滑油受け)35(以下、単に「オイルパン35」と記す。)が設置されている。また、オイルパン35に貯留された潤滑油Lを吸引してシリンダブロック30aの内部に供給するための潤滑油吸入路37が設けられている。潤滑油吸入路37は、吸込側の端部がオイルパン35内に設置したストレーナ36に連通しており、吐出側の端部がシリンダブロック30aの下端近傍に配置したオイルポンプ(潤滑油ポンプ)38に連通している。
オイルパン35の上部には、オイルパン35に溜められた潤滑油L及び潤滑油吸入路37を流通する潤滑油Lの温度制御を行うための熱交換器10−2が設置されている。熱交換器10−2は、蓄熱材20を収容した蓄熱材収容室12とエンジン30の冷却水Wを流通させる冷却水流通室13とを備えている。冷却水流通室13は、オイルパン35内の潤滑油Lに浸されており、蓄熱材収容室12の内部には、潤滑油吸入路37が通過している。すなわち、ストレーナ36と潤滑油ポンプ38の間の潤滑油吸入路37は、熱交換器10−2における蓄熱材収容室12の内部を通過する潤滑油管路39になっている。これにより、オイルパン35から吸い上げられてエンジン30の内部機構へ導入される潤滑油Lと蓄熱材収容室12内の蓄熱材20との間で直接的に熱交換を行わせることができる。
つまり、本実施形態の熱交換器10−2は、第1実施形態の熱交換器10と比較して、冷却水流通室13に接する作動油Mが潤滑油Lに置き換えられており、蓄熱材収容室12を通過する作動油吸入路45が潤滑油吸入路37に置き換えられているが、その他の構成は、第1実施形態の熱交換器10と同じである。
このように、本実施形態の暖機装置1−2では、オイルパン35の潤滑油L及び潤滑油吸入路37の潤滑油Lの温度制御を行うための熱交換器10−2を備え、熱交換器10−2は、エンジン30の冷却水Wを流通させる冷却水流通室13と、潜熱蓄熱材20を収容した蓄熱材収容室12とを具備し、冷却水流通室13と蓄熱材収容室12は、互いに隣接して配置されており、かつ、冷却水流通室13は、オイルパン35に貯留された潤滑油Lに接しており、かつ、潤滑油吸入路37が蓄熱材収容室12を通過するように設置されている。これにより、冷却水流通室13の冷却水Wと蓄熱材収容室12の蓄熱材20との間、及びオイルパン35の潤滑油Lと冷却水流通室13の冷却水Wとの間、及び潤滑油吸入路37の潤滑油Lと蓄熱材収容室12の蓄熱材20との間でそれぞれ直接的に熱交換を行うことが可能である。
したがって、エンジン30の始動前及び始動直後、潤滑油Lが十分に温まっていない段階でも、蓄熱材20の発熱によりオイルパン35からエンジン30の内部機構へ供給される潤滑油Lを加熱することが可能となる。つまり、潤滑油吸入路37に蓄熱材収容室12を通過する潤滑油管路39を備えたことで、エンジン30の冷間始動時に、エンジン30に供給される潤滑油Lを早期に昇温させ、かつ、その温度変動を抑制することが可能となる。したがって、始動直後のエンジン30に生じる機械的フリクションを低減できるので、車両の始動時におけるエンジン30の動作安定性の向上や燃費向上を図ることができる。
また、本実施形態の暖機装置1−2でも、第1実施形態の暖機装置1と同様、熱交換器10−2に冷却水流通室13を備えたことで、エンジン30の運転中に温度が上昇した冷却水Wで蓄熱材20の蓄熱が行える。これにより、車両の一回の運転が短時間であっても蓄熱材20の蓄熱を効果的に行うことができ、蓄熱を完了し易くなる。したがって、次回の車両運転時に、蓄熱材20による潤滑油Lの早期加温が効果的に行えるようになる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態にかかる暖機装置について説明する。図13は、第3実施形態にかかる暖機装置1−3を搭載したエンジン30及び自動変速機40の概念図である。本実施形態の暖機装置1−3は、第2実施形態の暖機装置1−2と同様、エンジン30に設置されているが、この暖機装置1−3は、エンジン30の潤滑油Lだけでなく自動変速機40の作動油Mも加熱できるように構成されている。
エンジン30のオイルパン35の上部には、オイルパン35に溜められた潤滑油L及び自動変速機40のオイルパン43から吸い上げた作動油Mの温度制御を行うための熱交換器10−3が設置されている。熱交換器10−3は、蓄熱材20を収容した蓄熱材収容室12と、エンジン30の冷却水Wを流通させる冷却水流通室13とを備えており、冷却水流通室13がオイルパン35内の潤滑油Lに浸されている。本実施形態の熱交換器10−3は、第2実施形態の熱交換器10−2と比較して、蓄熱材収容室12の内部を通過する潤滑油吸入路37が作動油吸入路45に置き換えられているが、その他の構成は、第2実施形態の熱交換器10−2と同じである。これにより、オイルパン43から吸い上げられて自動変速機40の内部機構へ供給される作動油Mと蓄熱材収容室12の蓄熱材20との間で直接的に熱交換を行わせることができる。
このように、本実施形態の暖機装置1−3では、オイルパン35の潤滑油L及び作動油吸入路45の作動油Mの温度制御を行うための熱交換器10−3を備え、熱交換器10−3は、エンジン30の冷却水Wを流通させる冷却水流通室13と、潜熱蓄熱材20を収容した蓄熱材収容室12とを具備し、冷却水流通室13と蓄熱材収容室12は互いに隣接して配置され、かつ、冷却水流通室13は、オイルパン35に貯留された潤滑油Lに接するように設置され、かつ、作動油吸入路45が蓄熱材収容室12の内部を通過している。これにより、冷却水流通室13の冷却水Wと蓄熱材収容室12の蓄熱材20との間、及びオイルパン35の潤滑油Lと冷却水流通室13の冷却水Wとの間、及び作動油吸入路45の作動油Mと蓄熱材収容室12の蓄熱材20との間でそれぞれ直接的に熱交換を行うことが可能である。
したがって、エンジン30及び自動変速機40の始動前及び始動直後、自動変速機40の作動油M及びエンジン30の潤滑油Lが十分に温まっていない段階でも、蓄熱材20の発熱によりオイルパン43から自動変速機40の内部機構へ供給される作動油Mやオイルパン35内の潤滑油Lを加温することが可能となる。つまり、作動油吸入路45に蓄熱材収容室12を通過する作動油管路48を備えたことで、自動変速機40の冷間始動時に、自動変速機40の内部に供給される作動油Mを早期に昇温させ、かつ、その温度変動を抑制することが可能となる。また、冷却水流通室13がオイルパン35内の潤滑油Lに接していることで、潤滑油Lを早期に昇温させることができる。したがって、始動直後の自動変速機40やエンジン30に生じる機械的フリクションを低減できるので、自動変速機40やエンジン30の動作安定性の向上や燃費向上を図ることができる。
また、本実施形態の暖機装置1−3でも、第1実施形態の暖機装置1と同様、熱交換器10−3に冷却水流通室13を備えたことで、エンジン30の運転中に温度が上昇した冷却水Wで蓄熱材20への蓄熱が行える。これにより、車両の一回の運転が短時間であっても蓄熱材20への蓄熱を効果的に行うことができ、蓄熱を完了し易くなる。したがって、次回の車両運転時に、蓄熱材20による作動油Mの早期加温が効果的に行えるようになる。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状・構造・材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。
例えば、上記各実施形態の暖機装置1,1−2,1−3では、蓄熱材収容室12の内部を通過する循環媒体吸入路は、自動変速機40の作動油Mが流通する作動油吸入路45とエンジン30の潤滑油Lが流通する潤滑油吸入路37のいずれか一方としたが、これ以外にも、作動油吸入路45と潤滑油吸入路37との両方が蓄熱材収容室12の内部を通過するように構成してもよい。これによれば、エンジン30及び自動変速機40の始動前及び始動直後、自動変速機40の作動油Mとエンジン30の潤滑油Lの両方を加熱できるので、エンジン30と自動変速機40の両方で生じる機械的フリクションを低減できるようになる。
また、上記実施形態に示す熱交換器10,10−2,10−3の具体的な形状や配置は一例であり、本発明にかかる暖機装置が備える熱交換器は、冷却水流通室の冷却水と蓄熱材収容室の蓄熱材との間、及び作動油受けの作動油と冷却水流通室の冷却水との間、及び作動油吸入路の作動油と蓄熱材収容室の蓄熱材との間でそれぞれ直接的に熱交換を行うことが可能な構造であれば、上記実施形態に示す以外の形状や配置とすることも可能である。
また、上記各実施形態では、本発明にかかる暖機装置が備える循環媒体リザーバとして、自動変速機40におけるトランスミッションケース40aの下端に別部品として取り付けたトランスミッションオイルパン43、あるいはエンジン30におけるシリンダブロック30aの下端に別部品として取り付けたエンジンオイルパン35を備えた場合を示したが、本発明にかかる循環媒体リザーバの構成はこれに限らず、他の構成であってもよい。したがって、例えば、詳細な図示は省略するが、別部品のオイルパン43を具備せず、トランスミッションケース内の下端に作動油が一時的に溜まる油溜まりを設けた構成の自動変速機では、当該油溜まりが本発明にかかる循環媒体リザーバに相当する。また、別部品のオイルパン35を具備せず、シリンダブロック内の下端に潤滑油Lが一時的に溜まる油溜まりを設けた構成のエンジンでは、当該油溜まりが本発明にかかる循環媒体リザーバに相当する。
本発明の第1実施形態にかかる暖機装置を備えたエンジン及び自動変速機の概念図である。 暖機装置が備える熱交換器の詳細構成を示す図で、(a)は、斜視図、(b)は、概略側断面図である。 蓄熱材収容室に設置した発核装置を示す概略側面図である。 蓄熱材収容室に収容した化学蓄熱材の構成例を示す図である。 蓄熱材収容室を通過する作動油管路の他の構成例を示す図である。 蓄熱材収容室を通過する作動油管路の他の構成例を示す図である。 蓄熱材収容室を通過する作動油管路の他の構成例を示す図である。 蓄熱材収容室と冷却水流通室の間に設置された仕切壁の他の構成例を示す図である。 暖機装置による暖機動作のタイムチャートを示すグラフである。 暖機動作の第1段階〜第4段階に対応する熱交換器の状態を示す図である。 断熱部材の配置を決める手順を整理したフローチャートである。 第2実施形態にかかる暖機装置を備えたエンジン及び自動変速機の概念図である。 第3実施形態にかかる暖機装置を備えたエンジン及び自動変速機の概念図である。
1 暖機装置
10 熱交換器
12 蓄熱材収容室
13 冷却水流通室
14 仕切壁
15 断熱部材
18 移動機構
20 蓄熱材
25 発核装置(解除手段)
30 エンジン(内燃機関)
31 冷却水循環路
35 エンジンオイルパン(潤滑油受け:循環媒体リザーバ)
37 潤滑油吸入路(循環媒体吸入路)
40 自動変速機(駆動系の装置)
43 トランスミッションオイルパン(作動油受け:循環媒体リザーバ)
45 作動油吸入路(循環媒体吸入路)
L 潤滑油(循環媒体)
M 作動油(循環媒体)
W 冷却水

Claims (9)

  1. 内燃機関又は駆動系の装置の暖機を行う暖機装置であって、
    前記内燃機関又は駆動系の装置を循環する循環媒体が貯留される循環媒体リザーバと、
    前記循環媒体リザーバ内の循環媒体を吸入して前記内燃機関又は駆動系の装置に供給する循環媒体吸入路と、前記循環媒体リザーバ内及び前記循環媒体吸入路内の循環媒体の温度制御を行うための熱交換器と、を備え、
    前記熱交換器は、内燃機関の冷却水を流通させる冷却水流通室と、他媒体との熱交換による蓄熱及び放熱が可能な蓄熱材を収容した蓄熱材収容室と、を具備し、
    前記冷却水流通室と前記蓄熱材収容室は互いに隣接して配置されており、前記冷却水流通室は、前記循環媒体リザーバに貯留された循環媒体に接しており、前記循環媒体吸入路が前記蓄熱材収容室の内部を通過している
    ことを特徴とする暖機装置。
  2. 前記循環媒体は、変速機を循環する変速機作動油であり、
    前記循環媒体リザーバは、前記変速機に設置された前記変速機作動油を留める作動油受けである
    ことを特徴とする請求項1に記載の暖機装置。
  3. 前記循環媒体は、内燃機関を循環する内燃機関潤滑油であり、
    前記循環媒体リザーバは、前記内燃機関に設置された前記内燃機関潤滑油を溜める潤滑油受けである
    ことを特徴とする請求項1に記載の暖機装置。
  4. 前記循環媒体は、変速機を循環する変速機作動油及び内燃機関を循環する内燃機関潤滑油であり、
    前記循環媒体リザーバは、前記変速機に設置された前記変速機作動油を溜める作動油受けと、前記内燃機関に設置された前記内燃機関潤滑油を溜める潤滑油受けのいずれかであり、
    前記蓄熱材収容室の内部を通過する循環媒体吸入路は、前記作動油受けに溜められた変速機作動油を前記変速機に供給する作動油吸入路と、前記潤滑油受けに溜められた内燃機関潤滑油を前記内燃機関に供給する潤滑油吸入路の少なくともいずれかである
    ことを特徴とする請求項1に記載の暖機装置。
  5. 前記冷却水流通室と前記蓄熱材収容室の少なくともいずれかに、流通する冷却水あるいは収容された蓄熱材と熱交換対象以外との熱交換を抑制するための断熱部材が設置されている
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の暖機装置。
  6. 前記断熱部材は、前記冷却水流通室に対応する位置と前記蓄熱材収容室に対応する位置との間で移動可能であり、前記冷却水の前記循環媒体に対する断熱と、前記蓄熱材の外部に対する断熱とを選択的に行えるように構成した
    ことを特徴とする請求項5に記載の暖機装置。
  7. 前記蓄熱材収容室と前記冷却水流通室は、共通の円弧面に沿って配列されており、前記断熱部材は、該断熱部材を前記共通の円弧面の中心周りで回転移動させる回転機構により、前記冷却水流通室に対応する位置と前記蓄熱材収容室に対応する位置との間を移動可能である
    ことを特徴とする請求項6に記載の暖機装置。
  8. 前記蓄熱材は、過冷却状態で蓄熱が可能な潜熱蓄熱材からなり、
    前記蓄熱材収容室には、前記蓄熱要素の過冷却状態を解除する解除手段が設置されている
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の暖機装置。
  9. 前記蓄熱要素は、化学変化による熱の吸収・放出が可能な化学蓄熱材からなり、
    前記蓄熱材収容室には、前記蓄熱要素に化学変化を生じさせる手段が設置されている
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の暖機装置。
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