JP5139227B2 - 液浸リソグラフィ装置、当該装置を用いたデバイス製造方法及び当該装置の制御方法 - Google Patents

液浸リソグラフィ装置、当該装置を用いたデバイス製造方法及び当該装置の制御方法 Download PDF

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Description

[0001] 本発明は液浸リソグラフィ装置に関する。
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を備える)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが与えられる互いに近接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所定の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行にスキャンしながら、パターンを所定の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを具備している。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
[0003] 投影システムの最終要素と基板の間の空間を充填するように、リソグラフィ投影装置内の基板を水などの比較的高い屈折率を有する液に液浸することが提案されている。液体は蒸留水(超純水)でよいが、別の高い屈折率の液体を使用することもできる。本明細書の説明は、例えば実質的に非圧縮性及び/又は濡れ性の流体などの液体を参照している。しかし、ハイドロフルオロカーボンを含むが、それに制限されない炭化水素など、別の流体、特に屈折率が空気より高い流体が適切なことがある。そのポイントは、露光放射は液体中の方が波長が短いので、描像する形体の小型化を可能にすることである。(液体の効果は、システムの有効NAを大きくでき、焦点深さも大きくすることと見なすこともできる。)固体粒子(例えば石英)が懸濁している水などの、他の液浸液も提案されている。
[0004] しかし、基板を、又は基板と基板支持構造を液体の浴槽に浸すこと(例えば参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許US4,509,852号参照)は、スキャン露光中に加速すべき大きい塊の液体があることでもある。これには、追加のモータ又はさらに強力なモータが必要であり、液体中の乱流が望ましくない予測不能な効果を引き起こすことがある。
[0005] 提案されている解決法の1つは、液体供給システムが、液体封じ込めシステムを使用して、基板の局所区域及び投影システムの最終要素と基板の間にのみ液体を提供することである(基板は通常、投影システムの最終要素より大きい表面積を有する)。これを配置構成するための1つの知られている方法が、PCT特許出願公開WO99/49504号で開示されている。図2及び図3に図示されているように、液体が少なくとも1つの入口INによって基板上に、好ましくは最終要素に対する基板の動作方向に沿って供給され、投影システムの下を通過した後に少なくとも1つの出口OUTによって除去される。つまり、基板Wが−X方向にて要素の下でスキャンされると、液体が要素の+X側にて供給され、−X側にて取り上げられる。図2は、液体が入口INを介して供給され、低圧源に接続された出口OUTによって要素の他方側で取り上げられる構成を概略的に示したものである。図2の図では、液体が最終要素に対する基板の動作方向に沿って供給されるが、こうである必要はない。最終要素の周囲に配置された入口及び出口の様々な方向及び数が可能であり、一例が図3に図示され、ここでは各側に4組の入口と出口が、最終要素の周囲の規則的パターンで設けられる。
[0006] 多くのタイプの液浸リソグラフィ装置は、投影システムの最終要素と基板との間の空間に液浸流体が設けられるという共通点を有する。この液体も通常、その空間から除去される。例えば、このような除去は、液浸流体の洗浄又は液浸流体の温度調整などのためでもある。
[0007] 液浸リソグラフィでは、基板あるいは、液体供給装置又は基板支持構造などの液浸システムのコンポーネントへの損傷が生じることがある。
[0008] 例えば、損傷を検出するか、そもそもその発生を防止することが望ましい。
[0009] 本発明の態様によれば、基板を保持する基板支持構造と、投影システムと基板及び/又は基板支持構造の間の流体を取り扱う流体ハンドリングシステムと、(a)流体の電気的特性の情報を使用して、流体ハンドリングシステムと基板及び/又は基板支持構造との間の距離を測定する、及び/又は(b)流体ハンドリングシステムと基板及び/又は基板支持構造の上面との間にアイテムが存在ときを検出する検出器と、を備える液浸リソグラフィ装置が提供される。
[0010] 本発明の態様によれば、基板を保持する基板支持構造と、投影システムと基板及び/又は基板支持構造の間に流体を提供する流体ハンドリングシステムと、流体ハンドリングシステム上に少なくとも1つの電極及び基板及び/又は基板支持構造上に少なくとも1つの電極を備える検出器と、を備える液浸リソグラフィ装置が提供される。
[0011] 本発明の態様によれば、基板を保持する基板支持構造と、投影システムと基板及び/又は基板支持構造との間に流体を提供する流体ハンドリングシステムと、流体供給システム及び/又は基板及び/又は基板支持構造の間にアイテムがあるときを検出する検出器と、を備える液浸リソグラフィ装置が提供される。
[0012] 本発明の態様によれば、基板を保持する基板支持構造と、投影システムと基板及び/又は基板支持構造との間に流体を提供する流体ハンドリングシステムと、流体ハンドリングシステムと基板及び/又は基板支持構造との間の距離を測定し、測定距離の経時変化及び/又は流体ハンドリングシステムと基板及び/又は基板支持構造との平面での相対位置をメモリに記録する検出器と、を備える液浸リソグラフィ装置が提供される。
[0013] 本発明の態様によれば、基板を保持する基板支持構造と、パターン付き放射ビームを基板に投影する投影システムと、投影システムと基板支持構造との間に液体を供給する液体供給システムと、を備え、基板支持構造及び液体供給システムがそれぞれ、液体が供給される領域に電気接点を備えており、領域に液体が供給されると、接点が液浸されて、液体の抵抗及び/又はキャパシタンスを測定することができるように、且つ抵抗及び/又はキャパシタンスの測定値が基板支持構造と液体供給システムとの間の距離を示すように、接点が電気回路内にあり、さらに、基板支持構造と液体供給システムとの衝突を回避するために、測定した抵抗及び/又はキャパシタンスを使用することにより、液体供給システムと基板支持構造との間の距離を制御するコントローラを備えるリソグラフィ装置が提供される。
[0014] 本発明の態様によれば、基板を保持する基板支持構造と、投影システムと基板及び/又は基板支持構造との間に流体を提供する流体ハンドリングシステムと、流体ハンドリングシステム上の少なくとも1つの電極及び基板及び/又は基板支持構造上の少なくとも1つの電極を備えるセンサと、を備える液浸リソグラフィ装置が提供される。
[0015] 次に、本発明の実施形態を、添付の略図を参照しながら、一例としてのみ説明する。図面では対応する参照記号は対応する部品を示している。
[0021] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示したものである。この装置は、
− 放射ビームB(例えばUV放射又はDUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
− パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構成され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第一ポジショナPMに接続されたパターニングデバイス支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
− 基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第二ポジショナPWに接続された基板支持構造(例えばウェーハテーブル又は基板テーブル)WTと、
− パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSとを含む。
[0022] 照明システムは、放射の誘導、成形、又は制御を行うための、屈折、反射、磁気、電磁気、静電気型等の光学コンポーネント、又はその任意の組み合わせなどの種々のタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。
[0023] 支持構造MTは、パターニング構造の方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。この支持構造MTは、パターニングデバイスを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。支持構造MTは、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造MTは、パターニングデバイスが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
[0024] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに与えられるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特別な機能層に相当する。
[0025] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
[0026] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電気光学システム、又はその任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なされる。
[0027] ここに示している本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
[0028] リソグラフィ装置は2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の支持構造(及び/又は2つ以上のパターニングデバイス支持構造)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加の支持構造を並行して使用するか、1つ又は複数の他の支持構造を露光に使用している間に1つ又は複数の支持構造で予備工程を実行することができる。
[0029] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、それぞれ別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
[0030] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調節するアジャスタADを備えていてもよい。通常、イルミネータの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。また、イルミネータを用いて放射ビームを調整し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
[0031] 放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターンが与えられる。放射ビームBはパターニングデバイスMAを通り抜けて、基板Wのターゲット部分C上にビームを集束する投影システムPSを通過する。第二ポジショナPW及び位置センサIF(例えば干渉計デバイス、リニアエンコーダ又は容量センサ)の助けにより、基板支持構造WTを、例えば放射ビームBの経路において様々なターゲット部分Cに位置決めするように正確に移動できる。同様に、第一ポジショナPM及び別の位置センサ(図1には明示されていない)を使用して、例えばマスクライブラリから機械的に検索した後に、又はスキャン中に、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。一般的に、支持構造MTの移動は、第一ポジショナPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)を用いて実現できる。同様に、基板支持構造WTの移動は、第二ポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールの助けにより実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、支持構造MTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、固定してもよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、パターニングデバイスアラインメントマークM1、M2及び基板アラインメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アラインメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に配置してもよい(スクライブレーンアラインメントマークと呼ばれる)。同様に、パターニングデバイスMA上に複数のダイを設ける状況では、パターニングデバイスアラインメントマークをダイ間に配置してもよい。
[0032] 図示のリソグラフィ装置は以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
[0033] 1.ステップモードにおいては、支持構造MT及び基板支持構造WTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに与えたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち1回の静止露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板支持構造WTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、1回の静止露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
[0034] 2.スキャンモードにおいては、支持構造MT及び基板支持構造WTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する(つまり1回の動的露光)。支持構造MTに対する基板支持構造WTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、1回の動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決まる。
[0035] 3.別のモードでは、支持構造MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板支持構造WTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板支持構造WTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
[0036] 上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0037] 局所的液体供給システムIHがある液浸リソグラフィの解決法が、図4に図示されている。液体は、投影システムPLのいずれかの側にある2つの溝入口INによって供給され、入口INの半径方向外側に配置された複数の別個の出口OUTによって除去される。入口IN及びOUTは、中心に穴があり、投影される投影ビームが通る板に配置することができる。液体は、投影システムPLの一方側にある1つの溝入口INによって供給されて、投影システムPLの他方側にある複数の別個の出口OUTによって除去され、これによって投影システムPLと基板Wの間に液体の薄膜の流れが生じる。どの組合せの入口INと出口OUTを使用するかの選択は、基板Wの動作方向によって決定することができる(他の組合せの入口IN及び出口OUTは動作しない)。
[0038] 提案されている局所的液体供給システムの解決法を有する液浸リソグラフィの他の解決法は、投影システムの最終要素と基板支持構造の間の空間の境界の少なくとも一部に沿って延在するバリア部材(又はいわゆる液浸フードIH)を液体供給システムに設けることである。このような解決法が図5に図示されている。バリア部材は、投影システムに対してXY面で実質的に静止しているが、Z方向(光軸の方向)では多少の相対運動があってよい。シールがバリア部材と基板の表面との間に形成される。実施形態では、シールはガスシールなどの非接触シールである。
[0039] 図5を参照すると、バリア部材12が、投影システムの像フィールドの周囲で基板の非接触シールを形成し、したがって液体が封じ込められて、基板表面と投影システムの最終要素との間の液浸空間を充填する。リザーバ11は、投影システムPLの最終要素の下方に配置され、それを囲むバリア部材12によって少なくとも部分的に形成される。液体が、投影システムの下方で、バリア部材12内の空間に運び込まれる。例えば、液体はポート13を通して提供及び/又は除去することができる。バリア部材12は、投影システムの最終要素の少し上まで延在し、液体のバッファが提供されるように、液体が最終要素の上まで上昇する。バリア部材12は、その上端が実施形態では投影システム又はその最終要素の形状に非常に一致することができ、例えば円形でよい内周を有する。底部では、内周は像フィールドの形状に非常に一致し、例えば長方形であるが、そうである必要はない。
[0040] 液体は、バリア部材12の底部と基板Wの表面との間に形成されるガスシール16によってリザーバ内に封じ込められる。ガスシールは、空気又は合成空気又N2又は別の不活性ガスなどの気体によって形成され、圧力下で入口15を介してバリア部材12と基板の間のギャップに提供される。気体は、第一出口14を介して抽出される。ガス入口15への過剰圧力、出口14の真空のレベル、及びギャップの幾何学的形状は、液体を封じ込める内側への高速の気体流があるように構成される。入口及び/又は出口は、空間11を囲む環状の溝でよい。溝は連続的又は不連続的でよい。このようなシステムが、米国特許出願公開US2004−0207824号で開示されている。
[0041] それぞれが参照により全体が本明細書に組み込まれる欧州特許出願公開EP1,420,300号及び米国特許出願公開US2004−0136494号では、ツイン又はデュアルステージ液浸リソグラフィ装置の概念が開示されている。このような装置には、基板を支持する2つのテーブルが設けられる。第一位置にある支持構造で、液浸液がない状態でレベリング測定を実行し、液浸液が存在する第二位置にある支持構造で、露光を実行する。あるいは、装置は1つの支持構造のみを有してもよい。
[0042] 以下では、本発明の実施形態を液浸液を供給するように最適化された流体供給システムに関して説明しているが、本発明の実施形態は、液浸媒体として液体以外の流体を適用する流体供給システムの使用にも同等に適用可能である。実際、本発明は、本明細書で説明するタイプを含むが、それに限定されない任意の流体ハンドリングシステムに適用可能である。
[0043] 図6a及び図6bは、後者が前者の一部の拡大図であるが、液浸フードIHと基板Wの間の液体を除去するために液浸システム内で使用可能な液体除去デバイス20を示している。液体除去デバイス20は、わずかに低圧pcに維持され、液浸液で充填されたチャンバを備える。チャンバの下面は、例えば5μmから50μmの範囲の直径dholeという小さい穴を多数有する多孔質部材21で形成される。下面は、基板Wの表面などの液体が除去される表面から、1mm未満、望ましくは50μmから300μmの範囲のギャップ高さhgapに維持される。多孔質部材21は、穿孔した板又は液体が通過できるように構成された任意の他の適切な構造でよい。実施形態では、多孔質部材21は少なくともわずかに親液性(つまり水の場合は親水性)である。つまり水などの液浸液に対して90°未満の接触角を有する。
[0044] 低圧pcは、多孔質部材21の穴に形成されたメニスカス22によって、気体が液体除去デバイスのチャンバに引き込まれることが実質的に防止されるような圧力である。しかし、多孔質部材21が表面W上の液体と接触すると、流れを制限するメニスカスがなくなる。したがって、液体が液体除去デバイスのチャンバに自由に流入することができる。このようなデバイスは、基板Wの表面から液体の大部分を除去することができるが、図面に示すように、液体の薄膜が残ることがある。
[0045] 液体の除去を改良するか、最大限にするために、多孔質部材21は可能な限り薄くなければならず、液体の圧力pgapとチャンバ内の圧力pcとの圧力差は可能な限り高くなければならない。それと同時に、pcとギャップ内の気体の圧力pairとの圧力差は、有意の量の気体が液体除去デバイス20に引き込まれるのを防止するのに十分なほど低くなければならない。液体除去デバイスに気体が引き込まれるのを防止することが常に可能なわけではないが、多孔質部材は、振動を引き起こし得る大きい不均一な流れを防止する。電気鋳造、フォトエッチング及び/又はレーザ切断によって作成されたマイクロシーブを、多孔質部材21として使用することができる。適切なシーブが、オランダのEerbeekのStock veco B.V.が作成している。孔(例えば穴又は穿孔部)のサイズが、使用中に経験する圧力差でメニスカスを維持するのに適切であれば、他の多孔質板又は多孔質材料の中実ブロックも使用することができる。
[0046] このような液体除去デバイスを多くのタイプのバリア部材12及び/又は液浸フードIHに組み込むことができる。一例が、米国特許出願公開US2006−0038968号で開示されているように、図6cに図示されている。図6cは、バリア部材12の一方側の断面図であり、これは投影システムPS(図6cには図示されていない)の像フィールドを少なくとも部分的に囲むリングを形成することができる(本明細書では、リングは円形、長方形又は任意の他の形状でよく、連続的又は不連続的でよい)。この実施形態では、液体除去デバイス20は、バリア部材12の下側の最も内側の縁部付近にリング形のチャンバ31によって形成される。チャンバ31の下面は、上述したように多孔質部材30(例えば穿孔した板21)で形成される。リング形チャンバ31は、1つ又は複数の適切なポンプに接続されて、液体をチャンバから除去し、所望の低圧を維持する。使用時には、チャンバ31は液体で一杯であるが、ここでは明快さを期して空の状態で図示されている。
[0047] リング形チャンバ31の外側には、ガス抽出リング32及びガス供給リング33がある。ガス供給リング33は、その下部分に狭いスリットを有し、スリットから逃げるガスが、実施形態では下向きであるガスナイフ34を形成するような圧力で、例えば空気、人工空気又は洗浄ガスなどのガスが供給される。ガスナイフを形成するガスは、ガス抽出リング32に接続された適切な真空ポンプによって抽出され、したがってその結果のガス流は、残留液体があれば全て内側に押しやり、そこで液体除去装置及び/又は真空ポンプによって除去することができ、これは液浸液の蒸気及び/又は液体の小滴に耐性がなければならない。しかし、大部分の液体は液体除去装置20によって除去されるので、真空システムを介して除去される少量の液体は、振動につながる不安定な流れを引き起こさない。
[0048] チャンバ31、ガス抽出リング32、ガス供給リング33及び他のリングは、本明細書ではリングとして説明されているが、露光フィールドを囲んだり、完全であったりする必要はない。実施形態では、このような1つ又は複数の入口及び出口は、例えば図2、図3及び図4に示すように、単純に円形、長方形、又は露光フィールドの1つ又は複数の辺に沿って連続的又は不連続的で部分的に延在する他のタイプの要素でよい。
[0049] 図6cに示す装置では、ガスナイフを形成するガスの大部分は、ガス抽出リング32を介して抽出されるが、多少のガスが、液浸フードの周囲の環境に流入し、潜在的に干渉計位置測定システムIFを妨害することがある。これは、ガスナイフ(図示せず)の外側に追加のガス抽出リングを設けることによって防止することができる。
[0050] このような単相抽出機を液浸フード又は液体封じ込めシステム又は液体供給システム内で使用できる方法のさらなる例が、例えば欧州特許出願公開EP1,628,163号及び米国特許出願公開US2006−0158627号に見られる。大部分の出願では、多孔質部材が液体供給システムの下側にあり、基板Wが投影システムPSの下方で移動できる最高速度は、少なくとも部分的に多孔質部材21を通して液体を除去する効率によって決定される。
[0051] 単相抽出機を、液体と気体の両方(例えば気体50%、液体50%)を抽出する2相モードで使用してもよい。単相抽出機という用語は、本明細書では単相を抽出する抽出機のみではなく、より一般的に、抽出される気体及び/又は液体が通過する多孔質部材を組み込んだ抽出機と解釈されるものとする。
[0052] 上述した単相抽出機(さらに他のタイプ)は、基板の上面の局所的区域にのみ液体を供給する液体供給システムに使用することができる。さらに、このような単相抽出機は、他のタイプの液浸装置にも使用することができる。抽出機は、水以外の液浸流体に使用することができる。抽出機は、いわゆる「漏れシール」(leaky seal)液体供給システムに使用することができる。このような液体供給システムでは、液体が、投影システムの最終要素と基板の間の空間に提供される。その液体は、その空間から半径方向外側に漏れることができる。例えば、場合によって、自身と基板又は基板支持構造の上面との間にシールを形成しない液浸フード又は液体封じ込めシステム又は液体供給システムを使用する。液浸流体は、「漏れシール」装置の基板の半径方向外側で回収できるだけである。他の原理で働く液体又は流体供給又はハンドリングシステムも、本発明の実施形態の範囲に含まれる。例えば、このようなシステムは、流体又は液体のメニスカスを所定の位置で保持するためにガスの流れを使用するシステムを含む。ガスの流れは、抽出機に加えられる低圧によって生成することができる。したがって、抽出機は任意選択で所定の位置に保持されている流体又は液体と気体との両方を抽出する。つまり、2相抽出になることがある。相は、気体と流体又は液体とが約99:1の比率で抽出することができる。上述したような多孔質部材は、存在してもしなくてもよい。抽出機は、複数の下向きの針の形態でよい。針はダイアモンド状の形状で配置することができる。ダイアモンドの最長寸法は、スキャン動作の方向に対応してよい。このようなシステムは、2006年12月7日出願の米国特許出願11/635,079号に記載されている。
[0053] 基板Wは、異なる基板の露光と露光の間に基板支持構造WTから外すことができる。その時に、液体は液体封じ込めシステム12内に維持することが望ましい。これは、液体封じ込めシステムが基板支持構造WTの表面上に基板Wから離れて配置されるように、基板支持構造WTに対して液体封じ込めシステム12を、又はその逆を動かすことによって達成することができる。このような表面はシャッタ部材である。液浸液は、ガスシール16を作動させるか、シャッタ部材の表面を液体封じ込めシステム12の下面に締め付けることによって、液体封じ込めシステム内に保持することができる。締め付けは、液体封じ込めシステム12の下面に設けられた流体の流れ及び/又は圧力を制御することによって達成することができる。例えば、入口15から供給される気体の圧力及び/又は第一出口14から加えられる低圧を制御することができる。
[0054] シャッタ部材は、基板支持構造12の一体部品であるか、基板支持構造12の取り外し及び/又は交換可能なコンポーネントでよい。このような取り外し可能なコンポーネントを閉鎖ディスク(例えばダミー基板)と呼ぶことができる。デュアル又はマルチステージ構成では、基板の交換中に基板支持構造12全体を交換する。このような構成では、取り外し可能なコンポーネントを基板支持構造間で移動することができる。シャッタ部材は、例えば基板の交換前に、基板支持構造WTの隣で移動することができる中間テーブルでよい。次に、例えば基板の交換中に、液体封じ込めシステムを中間テーブル上に、又はその逆に移動させることができる。シャッタ部材は、後退可能なブリッジのように基板支持構造の可動コンポーネントでよく、これを基板の交換中に基板支持構造の間に配置することができる。シャッタ部材の表面は、基板の交換中にバリア部材の下で、又はその逆で移動することができる。
[0055] 本発明の実施形態を液体供給システムに、特に図6cに示したバリア部材12に関して説明する。しかし、本発明の実施形態は、流体除去システム又は流体供給システムなど、任意のタイプの流体又は液体ハンドリングシステムにも適用できることは明白である。特に、本発明の実施形態は、基板支持構造WTに対して所定の位置に固定されていない任意の流体又は液体ハンドリングシステムに適用可能である。
[0056] 使用時には、基板支持構造WTが基板Wを支持する。また、基板支持構造WTは、様々な他のコンポーネントを備えてよい。このようなコンポーネントは、1つ又は複数のセンサ、1つ又は複数のシール及び1つ又は複数のシャッタ部材を含む(しかし、それに限定されない)。通常、このようなコンポーネントは、基板支持構造WTの上面上に支持されるか、装着され、したがって基板支持構造WTの上面を形成する。
[0057] バリア部材12の底面と基板W又は基板支持構造WTの上面との間のギャップは、一般的に1mm未満の距離に維持される。図6の液体供給システムという特定の例では、ギャップは一実施形態では100μmから500μm、又は約100μmから200μmの範囲内に維持される。しかし、バリア部材12に加えられる力が変化するか、例えば基板Wの高さが変化するので、ギャップのサイズも変化することがある。ギャップのサイズがゼロになると、バリア部材12が基板W又は基板支持構造WTに衝突することがある。このような衝突は、基板支持構造WT及び/又は基板W及び/又はバリア部材12に損傷を引き起こすことがある。このような衝突は、液浸液を汚染し得る粒子を生じることがある。これは、結像の欠陥又はさらなる損傷につながることがある。
[0058] 粒子90がバリア部材12と基板W及び/又は基板支持構造WTの間に捕捉されることもある。粒子は、例えばレジスト及びトップコートなど、基板に存在する有機プロセス層に由来する薄片を含むことがある。このような粒子90は、バリア部材12及び/又は基板支持構造WT及び/又は基板W(基板支持構造上に装着又は支持されたコンポーネントを含む)と接触することがある。このような粒子90が図6cに図示されている。このような粒子90が存在すると、基板Wの上面、基板支持構造WTの上面、基板支持構造WTの上面又はバリア部材12の底面に装着された任意のシール又はセンサの上面を(おそらくは引っ掻き傷の形態で)損傷することがある。このような損傷はいずれも望ましくない。というのは、装置の性能に影響し、さらなる残骸を生じることがあるからである。さらに、液浸液中に残骸があると、結像性能が失われることがある。
[0059] 本発明の実施形態は、以上の問題及び/又は他の問題を軽減するように設計されている。実施形態では、基板を保持するように構築及び構成された基板支持構造と、パターン付き放射ビームを基板に投影するように構成された投影システムと、投影システムと基板支持構造の間に液体を供給するように構築及び構成された液体供給システムと、を備え、基板支持構造及び液体供給システムはそれぞれ、液体が供給される領域に電気接点を備え、領域に液体が供給されると、接点が液浸されて、液体の抵抗及び/又はキャパシタンスを測定することができるように、且つ抵抗及び/又はキャパシタンスの測定値が基板支持構造と液体供給システムとの間の距離を示すように、接点が電気回路内にあり、さらに、基板支持構造と液体供給システムとの衝突を回避するために、測定した抵抗及び/又はキャパシタンスを使用することにより、液体供給システムと基板支持構造との間の距離を制御するように構成されたコントローラを備えるリソグラフィ装置が提供される。
[0060] 実施形態では、バリア部材12(流体ハンドリングシステム/流体供給又は除去システムとも言うことができる)と基板W及び/又は基板支持構造WTとの間の距離を測定するように構成された検出器100が提供される。
[0061] 実施形態では、アイテムがいつバリア部材12及び/又は基板W及び/又は基板支持構造WTの間にあり、それと接触しているかを検出するように構成された検出器100が提供される。
[0062] 検出器100は、バリア部材12上に、例えば基板W及び/又は基板支持構造WTに面する表面に、電極105などの少なくとも1つのセンサを備えることができる。検出器100はさらに、基板W及び/又は基板支持構造WT上又はその中に電極107、109などの少なくとも1つのセンサを備える。検出器は、電極105、107、109と電子的に通信するプロセッサ110を備えてよい。プロセッサ110は、電極105、107、109からの電気信号を使用して、検出器100によって測定された測定値を割り出すことができる。
[0063] パラメータ及び/又は検出器100によって測定された計算結果を、メモリ150に記憶することができる。メモリ150は、リソグラフィ装置の一部である、及び/又はそこから取り外すことができる。したがって、潜在的に損傷を与える動作が発生したことを検出器100が検出した場合、メモリ150を検査することによって、後に損傷が発生する位置を発見することが可能である。
[0064] 検出器は、信号発生器160に接続することができる。検出器100の出力は、信号発生器160が信号を生成するために使用することができる。信号は、潜在的に損傷を与える状況の発生を示す。この信号は、発生に、例えば装置の使用者又はコントローラの注意を引くことができる。
[0065] さらに、検出器はコントローラ140に接続することができる。検出器100の出力をコントローラ140に送信することができる。出力に応答して、コントローラは、バリア部材12と基板支持構造WTの相互に対する相対位置を制御することができる。
[0066] 特定タイプの検出器100が図6cに図示されている。関連するプロセッサ(例えば電子機器)110、コントローラ140、メモリ150及び信号発生器160を、任意の他のタイプの検出器内で、又はそれと一緒に使用することもできる。他のタイプの検出器は、空気圧センサ、光学センサ(レベルセンサ又は干渉計など)、電気センサ、磁気センサ、以上の組合せ、又は任意の他のセンサを含むが、それに限定されない。さらに、他の検出器の組合せを設けてもよい。例えば、基板支持構造WTの位置及びバリア部材12の位置を、例えば基準フレームRFなどの既知の固定点に対して測定することができる。これらの2つの測定から、基板支持構造WTとバリア部材12の相対位置を出すことが可能であり、これは図6cの検出器100によって直接測定される。さらに、基板Wからのバリア部材12の高さは、基板支持構造WTの位置の情報、測定ステップ中に作成する基板Wのレベリングマップ、及び投影システムPS、計測基準フレームRF又はベースフレームに対するバリア部材の高さから計算することができる。
[0067] 図6cの実施形態の検出器100は、以下のうち少なくとも1つを実行することができる。つまり、(a)バリア部材12の底面と基板支持構造WT及び/又は基板Wの上面との間の距離を測定する、及び(b)粒子90又はアイテム、又はバリア部材12と基板支持構造WT及び/又は基板W(又はそれに装着されるアイテム)のうち1つ又は複数との衝突を検出する。検出器100は、バリア部材12と基板支持構造WT及び/又は基板Wとの間における電気抵抗の変化を検出することによって、これらの機能のうち少なくとも1つを実行する。代替的又は追加的に、検出器100はバリア12と基板支持構造WT及び/又は基板Wとの間におけるキャパシタンスの変化を測定することによって、以上の少なくとも(a)又は(b)を検出する。
[0068] 液浸液の電気特性は、例えば組成、温度などに応じて変化することができる。液浸液の正確な特性を知ることは必要なく、測定された抵抗及び/又はキャパシタンスの変化が最も関係がある。しかし、液浸液の特性に関する何らかの情報が、測定値の解釈に役立つことがある。これらの特性は、装置内で直接測定するか、データベースに記憶することができる。液浸液として使用する超純水中にある量の二酸化炭素を溶解させることが有利なことがある(例えばPCT特許出願公開WO2006/084641号及び米国特許出願公開US2007/0139632号参照)。これを実行する1つの理由は、液浸流体の電気特性を意図的に変化させることである。例えば、液浸液の電気抵抗は、溶解した二酸化炭素の量とともに変化する。したがって、データベースは、溶解した二酸化炭素の量の変化に伴う電気抵抗の変化に関する情報を含むことができる。
[0069] 図6cに示すように、検出器100は少なくとも2つの電極を備える。少なくとも1つの電極がバリア部材12上に配置される。電極の少なくとも一方は、基板支持構造WT(つまり基板支持構造WTの本体及び/又は基板支持構造のコンポーネントの1つ)及び/又は基板Wに配置される。つまり、電極は、液浸液と接触し得る装置の任意の部品に配置することができる。バリア部材12及び/又は基板支持構造WT及び/又は基板W上にさらなる電極を配置してもよい。これらのアイテムそれぞれに複数の電極が存在すると、検出時に損傷があり得る位置に関する情報をさらに生成する、及び/又はギャップの形状の2次元マップを与えることができる。例えば、バリア部材12の周囲(例えば周縁)に複数の電極105を配置してよい。この方法で、検出器100が、これらの電極の1つのみで衝突事象が検出されたと示した場合、その情報は、衝突が発生した理由を明らかにする、及び/又は衝突によって引き起こされた損傷を修理する場合に有用になる。基板支持構造WT及び/又は基板Wに対するバリア部材12の相対傾斜を割り出すことも有用なことがある。1つの電極105が、バリア部材12の底面の全体又は一部を覆うことが可能である。バリア部材12の場合、バリア部材12の本体は導電性材料を備えることができる。例えば、バリア部材12の本体をステンレス鋼で作成することができる。ステンレス鋼は導電性であるので、バリア部材12上に少なくとも1つの電極を形成するために、特殊な測定を実行する必要はない。しかし、バリア部材12の本体が導電性材料で作成されている場合でも、その上に複数の電極を設けることがなお可能である。しかし、その場合、電極105をバリア部材12の本体から電気的に絶縁する必要がある。
[0070] 通常、基板Wも基板支持構造WTの上面も導電性ではない。その場合、基板W及び/又は基板支持構造WTの上面の区域の少なくとも一部を導電性コーティングで被覆することが可能である。適切なコーティングは、ニッケル又はクロム又はその合金を含んでよい。クロムは、金属を腐食から保護する(酸化による)受動層を形成するので、特に望ましい。非金属コーティングが適切なこともある。例えば、炭化珪素と窒化チタンは両方とも導電性である。したがって、基板W及び/又は基板支持構造WT上に形成された1つ又は複数の電極は、これらの材料のうち1つ又は複数で作成することができる。
[0071] 検出器100がバリア部材12上に形成された少なくとも1つの電極と基板支持構造WT及び/又は基板W上に形成された少なくとも1つの電極107、109との間で検出された抵抗の変化に基づいて、検出器100が作動する場合、プロセッサ110を介して電極間に電気回路が作成される。流体供給システム上の電極105と基板支持構造WT及び/又は基板W上の電極107、109との間の物理的ギャップは、流体供給システム12からの流体で充填される。バリア部材12の本体ではない電極105をバリア部材上に配置する場合、この電極は、使用時に流体があると予想される位置に配置しなければならない。例えば、電極105は、任意の流体除去デバイス21の半径方向内側に配置しなければならない。
[0072] 図6cには、電極105が液浸流体以外を通して回路中の電極107、109に接続されると図示されているが、必ずしもそうである必要はない。例えば、電極107、109又は電極105を地面に接続することができる。
[0073] プロセッサ110は、電極105と基板支持構造WT及び/又は基板W上に形成された電極107、109との間の電気抵抗を測定する。液浸流体11の抵抗の情報から、電極105と電極107、109の間の距離に関する情報を計算することができる。距離が、したがって測定された抵抗がゼロになり、電極105が電極107、109に接触すると、衝突事象が発生したと想定することができる。粒子又はアイテム90が(基板支持構造WT及び/又は基板Wに対するバリア部材12の正常な、又は正常以下の「フライト」(flight)高さで)電極105と電極107、109の間に来るか、その間に接触すると、電極105と電極107、109の間で測定される抵抗が変化する。その粒子が導電性材料で作成され、電極105及び電極107、109に接触すると、抵抗はゼロになり、潜在的衝突事象をログ記録することができる。粒子90が導電性でない場合は、(電流が通じている区域の変化により)抵抗測定値に影響する。液浸液が超純水である場合、粒子が存在すると、測定される抵抗の低下につながるようである。この技術は、基板支持構造の主要表面より上にあるアイテムの検出に使用することもできる。このようなアイテムは、基板支持構造に付着しても、付着していなくてもよい。一例は、基板支持構造から分離した(例えば基板支持構造上のセンサの周囲にある)シールの一部かもしれない。このようなシールが突出している場合、測定される抵抗及び/又はキャパシタンスが変化することがある。したがって、この状況は、例えばさらに多くのシールが破壊する前にオペレータの注意を引くことができ、したがってさらなる損傷を回避することができる。
[0074] 代替的又は追加的に、プロセッサ110が、電極105と電極107の間のキャパシタンスを計算することができる。抵抗の変化を測定する実施形態と同様に、キャパシタンスの変化も上述した事象を示すことができる。
[0075] 実施形態では、電極105と電極107、109の間の距離に関するデータを、コントローラ140によって使用することができる。コントローラ140は、バリア部材12及び/又は基板支持構造WT及び/又は基板Wの位置を調節するように構成される。コントローラ140は、少なくとも光軸の方向での動作を担当する。プロセッサ110からの情報を使用して、バリア部材12と基板W及び/又は基板支持構造WTとの衝突を回避するか、バリア部材12と基板支持構造WT及び/又は基板Wとの間隔を特定の範囲に維持することができる。この特定の範囲は、経験、実験データ又は理論に基づいて選択される。範囲は、使用者の選択によって選択してよい。範囲は、選択された動作条件及び/又はパラメータによって決定することができる。範囲は、他の特定されたパラメータのインライン測定によって決定することができる。このような決定範囲は、操作する前に選択することができる。つまり予定される。この目的のために、バリア部材12及び/又は基板支持構造WTを光軸の方向に動かすために、1つ又は複数のアクチュエータ(図示せず)を設けてよい。コントローラ140は、基板支持構造WTのX/Y位置を制御する装置の部分でよい。
[0076] プロセッサ110の結果はメモリ150に渡すこともできる。メモリは、検出器100からの生データ及び/又は処理結果を記録することができる。例えば、メモリ150は、経時変化する流体供給システムと基板支持構造WT及び/又は基板Wの間の距離を記録することができる。代替的又は追加的に、メモリ150は基板支持構造WTの(例えばコントローラ140からの)X/Y位置を記憶することができる。この方法で、データを使用して、基板W及び/又は基板支持構造WTがバリア部材12に対してどの相対位置にあった場合に、衝突又は他の事象が発生したかを明らかにすることができる。メモリ150は、衝突事象が検出されるか、流体システム12と基板支持構造WT又は基板Wの間で損傷を与える可能性がある粒子が検出された場合に、データを記憶するだけのように構成することができる。
[0077] プロセッサ110は、信号発生器160に接続してよい。信号発生器160は、衝突(又は他の)事象又は損傷を与える可能性がある粒子が検出されたことを示す信号を発生することができる。このような信号は、この事実に注意を引くことができる。信号はこの事実に、例えばコントローラ(さらなる損傷を回避するために緊急措置を執ることができる)などの注意を引くか、進行するのに最善の方法を決定することができる使用者の注意を引くことができる。
[0078] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることは言うまでもない。例えば、これは、集積光学装置、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどである。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことは、当業者に明らかである。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに、基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
[0079] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm又は126nm、あるいはその辺りの波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
[0080] 「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折及び反射光学部品を含む様々なタイプの光学部品のいずれか、又はその組合せを指す。
[0081] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。例えば、本発明は、上記で開示したような方法を述べる機械読み取り式命令の1つ又は複数のシーケンスを含む1つ又は複数のコンピュータプログラム、又はその内部に記憶されたこのような1つ又は複数のコンピュータプログラムを有する1つ又は複数のデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態をとることができる。本明細書で言及する1つ又は複数の異なるコントローラは、リソグラフィ装置の少なくとも1つのコンポーネント内に位置する1つ又は複数のコンピュータプロセッサが1つ又は複数のコンピュータプログラムを読み取った場合に操作可能にすることができる。1つ又は複数のプロセッサが、コントローラの少なくとも1つと通信するように構成され、それによってコントローラは、1つ又は複数のコンピュータプログラムの機械読み取り式命令に従って作動する。
[0082] 本発明の1つ又は複数の実施形態は、任意の液浸リソグラフィ装置に、特に排他的ではないが以上で言及したタイプに、液浸液を基板の局所的な表面区域にのみに設けるか、封じ込められないかにかかわらず適用することができる。封じ込められない構成では、液浸液は、実質的に基板支持構造及び/又は基板の覆われていない表面全体が濡れるように、基板及び/又は基板支持構造の表面上を流れることができる。このような封じ込められない液浸システムでは、液体供給システムが液浸液を封じ込めないか、ある割合の液浸液封じ込めを提供することができるが、実質的に液浸液の封じ込めを完成しない。
[0083] 本明細書で想定するような液体供給システムは、広義に解釈されたい。特定の実施形態では、これは、投影システムと基板及び/又は基板支持構造の間の空間に液体を提供する機構又は構造の組合せでよい。これは、1つ又は複数の構造、1つ又は複数の液体入口、1つ又は複数の気体入口、1つ又は複数の気体出口、及び/又は液体を空間に提供する1つ又は複数の液体出口の組合せを備えてよい。実施形態では、空間の表面は、基板及び/又は基板支持構造の一部でよい、又は空間の表面が基板及び/又は基板支持構造の表面を完全に覆うことができる、又は空間が基板及び/又は基板支持構造を囲むことができる。液体供給システムは任意選択で、液体の位置、性質、量、形状、流量又は任意の他の特徴を制御する1つ又は複数の要素をさらに含んでよい。
[0084] 上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。
[0085] 1.基板を保持する基板支持構造と、
投影システムと前記基板及び/又は基板支持構造の間の流体を取り扱う流体ハンドリングシステムと、
(a)前記流体の電気的特性の情報を使用して、前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造との間の距離を測定する、及び/又は(b)前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造の上面との間にアイテムが存在するときを検出する検出器と、
を備える液浸リソグラフィ装置。
2.前記検出器が少なくとも2つの電極を備え、前記流体ハンドリングシステムが、使用時に前記電極が前記流体供給システムからの前記流体と接触する位置に、前記少なくとも2つの電極のうち一方を備える、請求項1に記載の液浸リソグラフィ装置。
3.前記基板及び/又は基板支持構造に面する前記流体ハンドリング供給システムの表面が、導電性材料から作成される、請求項2に記載の液浸リソグラフィ装置。
4.前記流体ハンドリングシステムに面する前記基板及び/又は基板支持構造の表面が、前記少なくとも2つの電極のうち2番目のものを備える、請求項2に記載の液浸リソグラフィ装置。
5.前記少なくとも2つの電極のうち前記2番目が、前記基板及び/又は基板支持構造上にコーティングを備える、請求項4に記載の液浸リソグラフィ装置。
6.前記コーティングが、ニッケル、ニッケル合金、クロム、クロム合金、炭化珪素、窒化チタンのリストから選択された材料のコーティングを備える、請求項5に記載の液浸リソグラフィ装置。
7.前記検出器が、前記測定及び/又は検出を実行するために、少なくとも2つの電極間の抵抗及び/又はキャパシタンスを測定する、請求項1から6のいずれか1つに記載の液浸リソグラフィ装置。
8.さらに、前記検出器によって測定された前記距離を少なくとも部分的に使用して、前記流体ハンドリングシステムと前記基板支持構造との相対位置を制御するコントローラを備える、請求項1から7のいずれか1項に記載の液浸リソグラフィ装置。
9.前記検出器による前記測定距離の経時変化及び/又は前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造との平面での相対位置をメモリに記録する、請求項1から8のいずれか1項に記載の液浸リソグラフィ装置。
10.さらに、前記検出器が、(a)前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は前記基板支持構造との間のアイテムが、前記流体供給システムと前記基板及び/又は基板支持構造との両方に接触し、及び/又は(b)前記流体供給システムと前記基板及び/又は基板支持構造が接触したことを検出すると、信号を発生する信号発生器を備える、請求項1から9のいずれか1項に記載の液浸リソグラフィ装置。
11.前記検出器が、前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造との間のアイテムが、前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造との両方に接触するときを検出する、請求項1から10のいずれか1項に記載の液浸リソグラフィ装置。
12.前記基板支持構造が、シャッタ部材、センサ、シールのリストから選択された少なくとも1つのコンポーネントを備える、請求項1から11のいずれか1項に記載の液浸リソグラフィ装置。
13.前記検出器が、前記少なくとも1つのコンポーネント上に形成された少なくとも1つの電極を備える、請求項12に記載の液浸リソグラフィ装置。
14.基板を保持する基板支持構造と、
投影システムと前記基板及び/又は基板支持構造の間に流体を提供する流体ハンドリングシステムと、
前記流体ハンドリングシステム上に少なくとも1つの電極及び前記基板及び/又は基板支持構造上に少なくとも1つの電極を備える検出器と、
を備える液浸リソグラフィ装置。
15.基板を保持する基板支持構造と、
投影システムと前記基板及び/又は基板支持構造との間に流体を提供する流体ハンドリングシステムと、
前記流体供給システムと前記基板及び/又は基板支持構造の間にいつアイテムがあるかを検出する検出器と、
を備える液浸リソグラフィ装置。
16.基板を保持する基板支持構造と、
投影システムと前記基板及び/又は基板支持構造との間に流体を提供する流体ハンドリングシステムと、
前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造との間の距離を測定し、前記測定距離の経時変化及び/又は前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造との平面での相対位置をメモリに記録する検出器と、
を備える液浸リソグラフィ装置。
17.基板を保持する基板支持構造と、
パターン付き放射ビームを前記基板に投影する投影システムと、
前記投影システムと前記基板支持構造との間に液体を供給する液体供給システムと、を備え、
前記基板支持構造及び前記液体供給システムがそれぞれ、液体が供給される領域に電気接点を備えており、
前記領域に液体が供給されると、前記接点が液浸されて、前記液体の抵抗及び/又はキャパシタンスを測定することができるように、且つ前記抵抗及び/又はキャパシタンスの測定値が前記基板支持構造と前記液体供給システムとの間の距離を示すように、前記接点が電気回路内にあり、
さらに、前記基板支持構造と前記液体供給システムとの衝突を回避するために、前記測定した抵抗及び/又はキャパシタンスを使用することにより、前記液体供給システムと前記基板支持構造との間の距離を制御するコントローラを備える
リソグラフィ装置。
18.基板支持構造上で基板を保持し、
流体ハンドリングシステムを使用して投影システムと前記基板及び/又は基板支持構造との間の流体を取り扱い、
前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造との間の距離を測定するために、前記流体の電気特性の情報を使用するか、
前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造の上面との間にアイテムが存在するときを検出するか、
その両方を実行する、
液浸リソグラフィ装置のデバイス製造方法。
19.基板を保持する基板支持構造と、
投影システムと前記基板及び/又は基板支持構造との間の流体を取り扱う流体ハンドリングシステムと、
検出器と、
を設け、
検出器を使用して、
前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造との間の距離を測定するために、前記流体の電気特性の情報を使用するか、
前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造の上面との間にアイテムが存在するときを検出するか、
その両方を実行する、
液浸リソグラフィ装置の方法。
[0016] 本発明の実施形態によるリソグラフィ装置を示した図である。 [0017] リソグラフィ投影装置に使用する液体供給システムを示した図である。 [0017] リソグラフィ投影装置に使用する液体供給システムを示した図である。 [0018] リソグラフィ投影装置に使用するさらなる液体供給システムを示した図である。 [0019] 液体供給システムを示した図である。 [0020] 図6aから図6cは、本発明の実施形態によるさらなる液体供給システムを示した図である。 [0020] 図6aから図6cは、本発明の実施形態によるさらなる液体供給システムを示した図である。 [0020] 図6aから図6cは、本発明の実施形態によるさらなる液体供給システムを示した図である。

Claims (16)

  1. 液浸リソグラフィ装置であって、
    基板を保持する基板支持構造と、
    投影システムと前記基板及び/又は基板支持構造の間の流体を取り扱う流体ハンドリングシステムと、
    (a)前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造との間の距離を測定する、及び/又は(b)前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造の上面との間に異物が存在するときを検出する、検出器と、
    を備え、
    前記(a)及び(b)は、前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造の上面との間における前記流体の電気抵抗の変化の測定に基づいて行われ、
    前記検出器が少なくとも2つの電極を備え、
    前記流体ハンドリングシステムが、前記少なくとも2つの電極のうち1つの電極を備え、当該電極は、使用時に前記流体ハンドリングシステムからの前記流体と接触する位置にあり、
    前記基板及び/又は基板支持構造に面する前記流体ハンドリングシステムの表面が、導電性材料から作成され、
    前記液浸リソグラフィ装置が、さらに、前記検出器によって測定された前記距離を少なくとも部分的に使用して、前記流体ハンドリングシステムと前記基板支持構造との相対位置を制御するコントローラを備える、液浸リソグラフィ装置。
  2. 前記流体ハンドリングシステムに面する前記基板及び/又は基板支持構造の表面が、前記少なくとも2つの電極のうち2番目のものを備える、請求項1に記載の液浸リソグラフィ装置。
  3. 前記少なくとも2つの電極のうち前記2番目が、前記基板及び/又は基板支持構造上にコーティングを備える、請求項2に記載の液浸リソグラフィ装置。
  4. 前記コーティングが、ニッケル、ニッケル合金、クロム、クロム合金、炭化珪素、窒化チタンのリストから選択された材料のコーティングを備える、請求項3に記載の液浸リソグラフィ装置。
  5. 前記検出器が、前記測定及び/又は検出を実行するために、少なくとも2つの電極間の抵抗を測定する、請求項1から4のいずれか1つに記載の液浸リソグラフィ装置。
  6. 前記検出器による前記測定距離の経時変化及び/又は前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造との平面での相対位置をメモリに記録する、請求項1から5のいずれか1項に記載の液浸リソグラフィ装置。
  7. さらに、前記検出器が、(a)前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は前記基板支持構造との間のアイテムが、前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造との両方に接触し、及び/又は(b)前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造が接触したことを検出すると、信号を発生する信号発生器を備える、請求項1から6のいずれか1項に記載の液浸リソグラフィ装置。
  8. 前記検出器が、前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造との間のアイテムが、前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造との両方に接触するときを検出する、請求項1から7のいずれか1項に記載の液浸リソグラフィ装置。
  9. 前記基板支持構造が、シャッタ部材、センサ、シールのリストから選択された少なくとも1つのコンポーネントを備える、請求項1から8のいずれか1項に記載の液浸リソグラフィ装置。
  10. 前記検出器が、前記少なくとも1つのコンポーネント上に形成された少なくとも1つの電極を備える、請求項9に記載の液浸リソグラフィ装置。
  11. 液浸リソグラフィ装置であって、
    基板を保持する基板支持構造と、
    投影システムと前記基板及び/又は基板支持構造の間に流体を提供する流体ハンドリングシステムと、
    前記流体ハンドリングシステム上に少なくとも1つの電極及び前記基板及び/又は基板支持構造上に少なくとも2つの電極を備える検出器と、
    を備え、
    前記検出器は、前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造との間の距離を測定する、及び/又は(b)前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造の上面との間に異物が存在するときを検出するものであり、
    前記(a)及び(b)は、前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造の上面との間における前記流体の電気抵抗の変化の測定に基づいて行われ、
    前記流体ハンドリングシステムが、前記少なくとも2つの電極のうち1つの電極を備え、当該電極は、使用時に前記流体ハンドリングシステムからの前記流体と接触する位置にあり、
    前記基板及び/又は基板支持構造に面する前記流体ハンドリングシステムの表面が、導電性材料から作成され、
    前記液浸リソグラフィ装置が、さらに、前記検出器によって測定された前記距離を少なくとも部分的に使用して、前記流体ハンドリングシステムと前記基板支持構造との相対位置を制御するコントローラを備える、液浸リソグラフィ装置。
  12. 液浸リソグラフィ装置であって、
    基板を保持する基板支持構造と、
    投影システムと前記基板及び/又は基板支持構造との間に流体を提供する流体ハンドリングシステムと、
    前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造の間にいつ異物があるかを検出する、検出器と、
    を備え、
    前記検出器の前記検出は、前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造の上面との間における前記流体の電気抵抗の変化の測定に基づいて行われ、
    前記検出器が少なくとも2つの電極を備え、
    前記流体ハンドリングシステムが、前記少なくとも2つの電極のうち1つの電極を備え、当該電極は、使用時に前記流体ハンドリングシステムからの前記流体と接触する位置にあり、
    前記基板及び/又は基板支持構造に面する前記流体ハンドリングシステムの表面が、導電性材料から作成され、
    前記液浸リソグラフィ装置が、さらに、前記検出器によって測定された距離を少なくとも部分的に使用して、前記流体ハンドリングシステムと前記基板支持構造との相対位置を制御するコントローラを備える、液浸リソグラフィ装置。
  13. 基板を保持する基板支持構造と、
    投影システムと前記基板及び/又は基板支持構造との間に流体を提供する流体ハンドリングシステムと、
    前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造との間の距離を測定し、前記測定距離の経時変化及び/又は前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造との平面での相対位置をメモリに記録する検出器と、
    を備え、
    前記検出器の前記測定は、前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造の上面との間における前記流体の電気抵抗の変化の測定に基づいて行われ、
    前記検出器が少なくとも2つの電極を備え、
    前記流体ハンドリングシステムが、前記少なくとも2つの電極のうち1つの電極を備え、当該電極は、使用時に前記流体ハンドリングシステムからの前記流体と接触する位置にあり、
    前記基板及び/又は基板支持構造に面する前記流体ハンドリングシステムの表面が、導電性材料から作成される、液浸リソグラフィ装置。
  14. 基板を保持する基板支持構造と、
    パターン付き放射ビームを前記基板に投影する投影システムと、
    前記投影システムと前記基板支持構造との間に液体を供給する液体供給システムと、を備え、
    前記基板支持構造及び前記液体供給システムがそれぞれ、液体が供給される領域に電気接点を備えており、
    前記領域に液体が供給されると、前記接点が液浸されて、前記液体の抵抗の変化を測定することができるように、且つ前記抵抗の測定値が前記基板支持構造と前記液体供給システムとの間の距離を示すように、前記接点が電気回路内にあり、
    さらに、前記基板支持構造と前記液体供給システムとの衝突を回避するために、前記測定した抵抗を使用することにより、前記液体供給システムと前記基板支持構造との間の距離を制御するコントローラを備え、
    出器が少なくとも2つの前記接点を備え、
    前記液体供給システムが、前記少なくとも2つの接点のうち1つの接点を備え、当該接点は、使用時に前記液体供給システムからの前記液体と接触する位置にあり、
    前記基板及び/又は基板支持構造に面する前記液体供給システムの表面が、導電性材料から作成される、リソグラフィ装置。
  15. 基板支持構造上で基板を保持し、
    流体ハンドリングシステムを使用して投影システムと前記基板及び/又は基板支持構造との間の流体を取り扱い、
    検出器を使用して前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造との間の距離を測定するために、前記流体の電気特性の情報を使用すること、
    を含み、
    前記検出器の前記測定は、前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造の上面との間における前記流体の電気抵抗の変化の測定に基づいて行われ、
    前記検出器が少なくとも2つの電極を備え、
    前記流体ハンドリングシステムが、前記少なくとも2つの電極のうち1つの電極を備え、当該電極は、使用時に前記流体ハンドリングシステムからの前記流体と接触する位置にあり、
    前記基板及び/又は基板支持構造に面する前記流体ハンドリングシステムの表面が、導電性材料から作成される、液浸リソグラフィ装置を用いたデバイス製造方法。
  16. 基板を保持する基板支持構造と、
    投影システムと前記基板及び/又は基板支持構造との間の流体を取り扱う流体ハンドリングシステムと、
    検出器と、
    を設け、
    検出器を使用して、
    前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造との間の距離を測定するために、前記流体の電気特性の情報を使用することを含み、
    前記検出器の前記測定は、前記流体ハンドリングシステムと前記基板及び/又は基板支持構造の上面との間における前記流体の電気抵抗の変化の測定に基づいて行われ、
    前記検出器が少なくとも2つの電極を備え、
    前記流体ハンドリングシステムが、前記少なくとも2つの電極のうち1つの電極を備え、当該電極は、使用時に前記流体ハンドリングシステムからの前記流体と接触する位置にあり、
    前記基板及び/又は基板支持構造に面する前記流体ハンドリングシステムの表面が、導電性材料から作成される、液浸リソグラフィ装置の制御方法。
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