JP2006210408A - 投影光学系の検査装置、及び投影光学系の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 液浸露光に用いる投影光学系の光学性能を精度良く検査できる検査装置を提供する。
【解決手段】 検査装置INSは、投影光学系PLの像面側に設けられ、液体LQを保持可能な周壁部71を有する液体保持部材70と、周壁部71の内側に設けられた反射球面8Sと、反射球面8Sで反射した測定光を投影光学系PLを介して光電検出する光電検出器と、周壁部71の外側に設けられ、周壁部71の上面を通過して周壁部71の内側より流出した液体LQを回収する回収溝73とを備えている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、液浸露光に用いる投影光学系の検査装置、及び投影光学系の製造方法に関するものである。
半導体デバイスや液晶表示デバイス等のマイクロデバイスの製造工程の一つであるフォトリソグラフィ工程では、マスク上に形成されたパターンを投影光学系を介して感光性の基板上に投影露光する露光装置が用いられる。マスクのパターンを基板上に精確に投影するために、投影光学系には優れた光学性能が要求されるため、従来より、投影光学系の光学性能を検査装置を使って検査することが行われている。下記特許文献1、2には、投影光学系の光学性能を検査する技術の一例が開示されている。
特開2002−296005号公報
特開平10−160582号公報
ところで、近時においては、露光装置の更なる高解像度化の要求に応えるために、投影光学系と基板との間の露光光の光路空間を液体で満たす液浸法を適用した液浸露光装置が案出されている。そのため、この液浸露光に用いられる投影光学系の光学性能を精度良く検査(測定)できる検査装置の案出が望まれている。液浸露光に用いられる投影光学系の光学性能を検査するとき、投影光学系の像面側の光路空間を液体で満たすことが考えられるが、精度良い検査を行うためには、投影光学系の像面側の光路空間を確実に液体で満たすとともに、液体の漏出を防止することが大切である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、液浸露光に用いる投影光学系の光学性能を精度良く検査できる検査装置、及びその検査装置を用いる投影光学系の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は実施の形態に示す各図に対応付けした以下の構成を採用している。但し、各要素に付した括弧付き符号はその要素の例示に過ぎず、各要素を限定するものではない。
本発明の第1の態様に従えば、液浸露光に用いる投影光学系(PL)の光学性能を検査する検査装置において、投影光学系(PL)の像面側に設けられ、液体(LQ)を保持可能な周壁部(71)を有する液体保持部材(70)と、周壁部(71)の内側に設けられた反射球面(8S)と、反射球面(8S)で反射した測定光を投影光学系(PL)を介して光電検出する光電検出器(30)と、周壁部(71)の外側に設けられ、周壁部(71)の上面を通過して周壁部(71)の内側より流出した液体(LQ)を回収する回収溝(73)とを備え、光電検出器(30)の検出結果に基づいて、投影光学系(PL)の光学性能を検査する検査装置(INS)が提供される。
本発明の第1の態様によれば、投影光学系の像面側の光路空間を液体で満たし、液体の漏出を防止して、投影光学系の光学性能を精度良く検査することができる。
本発明の第2の態様に従えば、上記態様の検査装置を用いる投影光学系の製造方法が提供される。
本発明の第2の態様によれば、光学性能を精度良く検査された投影光学系を製造することができる。
本発明によれば、液浸露光に用いる投影光学系の光学性能を精度良く検査できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。なお以下の説明においては、図中にXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。また、XY平面は水平面と平行であり、Z軸は鉛直方向に沿った軸とする。
<第1実施形態>
図1は第1実施形態に係る検査装置を示す概略構成図である。図1において、検査装置INSは、液浸露光に用いる投影光学系PLの光学性能を検査するものであって、光源1と、干渉計部2と、干渉計部2を保持して移動可能な第1ステージ3と、検査対象である投影光学系PLの像面側に設けられた反射球面8Sと、反射球面8Sを保持して移動可能な第2ステージ9と、検査装置INS全体の動作を統括制御する制御装置CONTとを備えている。また、検査装置INSは、床面F上に防振ユニット100を介して支持されたメインコラム101と、メインコラム101上に固定された支持フレーム102とを備えている。メインコラム101には、内側に向けて突出する段部103が形成されている。
図1は第1実施形態に係る検査装置を示す概略構成図である。図1において、検査装置INSは、液浸露光に用いる投影光学系PLの光学性能を検査するものであって、光源1と、干渉計部2と、干渉計部2を保持して移動可能な第1ステージ3と、検査対象である投影光学系PLの像面側に設けられた反射球面8Sと、反射球面8Sを保持して移動可能な第2ステージ9と、検査装置INS全体の動作を統括制御する制御装置CONTとを備えている。また、検査装置INSは、床面F上に防振ユニット100を介して支持されたメインコラム101と、メインコラム101上に固定された支持フレーム102とを備えている。メインコラム101には、内側に向けて突出する段部103が形成されている。
また、検査装置INSは、投影光学系PLと反射球面8Sとの間の空間を液体LQで満たすための液浸機構LFを備えている。液浸機構LFは、投影光学系PLの像面側に設けられ、液体LQを保持可能な周壁部71を有する液体保持部材70と、液体保持部材70に設けられた供給口52を介して投影光学系PLと反射球面8Sとの間に液体LQを供給するための液体供給機構50と、周壁部71の外側の回収溝73に設けられた回収口62を介して液体LQを回収するための液体回収機構60とを備えている。本実施形態においては、液体LQとして純水を用いる。
光源1は、所定形状の断面を有する光束を射出する光源であり、例えばArFエキシマレーザ光源(波長193nm)である。液体LQとして用いられる純水はArFエキシマレーザ光を透過可能である。光源1から射出される光束は干渉計部2に供給される。干渉計部2は、光源1から供給される光束から参照光と測定光とを生成し、測定光を検査対象としての投影光学系PLに供給するとともに、投影光学系PLを通過した測定光と参照光とを干渉させて得られる干渉光の干渉縞を検出する。干渉計部2は、干渉縞の検出結果を制御装置CONTに出力する。制御装置CONTは、干渉計部2から出力された検出結果(干渉縞そのもの)を不図示の表示装置に表示し、又は検出結果を解析して投影光学系PLにおいて生ずる波面収差を数値的に求めて、得られた数値を表示装置に表示する。
第1ステージ3は、第1定盤3Bの上面(ガイド面)に対して非接触支持されており、第1定盤3B上で、干渉計部2を保持して移動可能である。なお、第1ステージ3及び第1定盤3Bの中央部には測定光を通過させる開口部がそれぞれ形成されている。第1定盤3Bは、支持フレーム102の上部に支持されている。第1ステージ3は、制御装置CONTにより制御されるリニアモータ等を含む第1駆動装置3Dの駆動により、干渉計部2を保持した状態で、第1定盤3B上において、XY平面内において移動可能である。更に、第1ステージ3は、Z軸方向、θX、θY、及びθZ方向にも移動可能に構成されている。したがって、第1ステージ3に保持された干渉計部2は、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に移動可能である。
第1ステージ3には、干渉計用反射面を有する移動鏡4A、4Bが設けられている。また、移動鏡4Aの反射面に対応してレーザ干渉計5が設けられており、移動鏡4Bの反射面に対応してレーザ干渉計6が設けられている。本実施形態においては、移動鏡4A、4Bは、第1ステージ3の上部に設けられている。また、レーザ干渉計5は、移動鏡4Aの反射面と対向するように、支持フレーム102上の支持部材104に支持されており、レーザ干渉計6は、第1ステージ3の上方において、移動鏡4Bの反射面と対向するように、不図示の支持部材に支持されている。
図1では図示を簡略化しているが、移動鏡4AはX軸に垂直な反射面を有する移動鏡及びY軸に垂直な反射面を有する移動鏡から構成されている。また、レーザ干渉計5は、Y軸に沿って移動鏡4Aの反射面にレーザ光を照射する2個のY軸用のレーザ干渉計及びX軸に沿って移動鏡4Aの反射面にレーザ光を照射するX軸用のレーザ干渉計より構成され、Y軸用の1個のレーザ干渉計及びX軸用の1個のレーザ干渉計により第1ステージ3のX軸方向及びY軸方向の位置が検出される。また、Y軸用の2個のレーザ干渉計の検出値の差により、第1ステージ3のθZ方向の回転角が検出される。
移動鏡4BはZ軸に垂直な反射面を有している。レーザ干渉計6は、移動鏡4Bの反射面にレーザ光を照射し、その反射光を検出することによって、第1ステージ3のZ軸方向の位置及び姿勢を検出する。図1においては、レーザ干渉計6及び移動鏡4Bを1つのみ図示しているが、実際にはそれぞれ3つ設けられており、レーザ干渉計6は、第1ステージ3のZ軸方向の位置及び傾き(θX方向及びθY方向の回転角)を検出する。
このように、レーザ干渉計5、6は、第1ステージ3に設けられた移動鏡4A、4Bの反射面と協働して第1ステージ3のX軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向の位置を検出する。レーザ干渉計5、6の検出結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは、レーザ干渉計5、6の検出結果に基づいて、第1駆動装置3Dを駆動し、第1ステージ3に保持されている干渉計部2の位置及び姿勢を制御する。
干渉計部2の−Z方向には、検査対象としての投影光学系PLが配置され、干渉計部2で生成された測定光が投影光学系PLに供給される。投影光学系PLを構成する複数の光学素子は鏡筒PKに保持されており、鏡筒PKの外周にはフランジPFが設けられている。メインコラム101の段部103上には、投影光学系PLのフランジ部PFを支持するための支持機構105が設けられており、投影光学系PLはフランジPF及び支持機構105を介してメインコラム101の段部103に支持されている。また、投影光学系PLを構成する複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い第1光学素子LS1は鏡筒PKより露出している。
投影光学系PLの像面側に設けられた反射球面8Sは、投影光学系PL及び液体LQを通過した測定光を反射して再度投影光学系PLに導くためのものであり、投影光学系PLに向かって凸状の球面である。
第2ステージ9は、第2定盤9Bの上面(ガイド面)に対して非接触支持されており、第2定盤9B上で、反射球面8Sを保持して移動可能である。第2定盤9Bは、メインコラム101の下部に設けられた下側段部106に支持されている。第2ステージ9は、制御装置CONTにより制御されるリニアモータ等を含む第2駆動装置9Dの駆動により、反射球面8Sを保持した状態で、第2定盤9B上において、XY平面内において移動可能である。更に、第2ステージ9は、Z軸方向、θX、θY、及びθZ方向にも移動可能に構成されている。したがって、第2ステージ9に保持された反射球面8Sは、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に移動可能である。このように、第2駆動装置9Dは、投影光学系PLと反射球面8Sとを相対的に移動可能である。
第2ステージ9には、干渉計用反射面を有する移動鏡10A、10Bが設けられている。また、移動鏡10Aの反射面に対応してレーザ干渉計11が設けられており、移動鏡10Bの反射面に対応してレーザ干渉計12が設けられている。本実施形態においては、移動鏡10Aは、第2ステージ9の側部に設けられており、移動鏡10Bは第2ステージ9の下部に設けられている。また、レーザ干渉計11は、移動鏡10Aの反射面と対向するように、メインコラム9の一部に支持されており、レーザ干渉計12は、第2定盤9Bの下方において、移動鏡10Bの反射面と対向するように、メインコラム9の一部に支持されている。なお、第2定盤9Bの一部には、レーザ干渉計12の検出光を通過させるための開口部K3が形成されている。
図1では図示を簡略化しているが、移動鏡10AはX軸に垂直な反射面を有する移動鏡及びY軸に垂直な反射面を有する移動鏡から構成されている。また、レーザ干渉計11は、Y軸に沿って移動鏡10Aの反射面にレーザ光を照射する2個のY軸用のレーザ干渉計及びX軸に沿って移動鏡10Aの反射面にレーザ光を照射するX軸用のレーザ干渉計より構成され、Y軸用の1個のレーザ干渉計及びX軸用の1個のレーザ干渉計により第2ステージ9のX軸方向及びY軸方向の位置が検出される。また、Y軸用の2個のレーザ干渉計の検出値の差により、第2ステージ9のθZ方向の回転角が検出される。
移動鏡10BはZ軸に垂直な反射面を有している。レーザ干渉計12は、移動鏡10Bの反射面にレーザ光を照射し、その反射光を検出することによって、第2ステージ9のZ軸方向の位置及び姿勢を検出する。図1においては、レーザ干渉計12及び移動鏡10Bを1つのみ図示しているが、実際にはそれぞれ3つ設けられており、レーザ干渉計12は、第2ステージ9のZ軸方向の位置及び傾き(θX方向及びθY方向の回転角)を検出する。
このように、レーザ干渉計11、12は、第2ステージ9に設けられた移動鏡10A、10Bの反射面と協働して第2ステージ9のX軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向の位置を検出する。レーザ干渉計11、12の検出結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは、レーザ干渉計11、12の検出結果に基づいて、第2駆動装置9Dを駆動し、第2ステージ9に保持されている反射球面の位置及び姿勢を制御する。
液浸機構LFの液体供給機構50は、投影光学系PLの第1光学素子LS1と反射球面8Sとの間の空間に液体LQを供給するためのものであって、液体LQを供給可能な液体供給装置51と、液体供給装置51にその一端部を接続する供給管53とを備えている。供給管53の他端部は液体保持部材70に接続されている。液体供給装置51は、液体LQを収容するタンク、加圧ポンプ、液体LQの温度を調整する温調装置、液体LQ中の気体成分を低減する脱気装置、及び液体LQ中の異物を取り除くフィルタユニット等を備えている。液体供給機構50の動作は制御装置CONTにより制御される。
液浸機構LFの液体回収機構60は、液体供給機構50で供給された液体LQを回収するためのものであって、液体保持部材70の回収溝73に第1回収管64を介して接続され、液体LQを収容可能な収容部材65と、収容部材65に収容された液体LQを第2回収管63を介して吸引回収可能な液体回収装置61とを備えている。液体回収装置61は、例えば真空ポンプ等の真空系(吸引装置)、回収された液体LQと気体とを分離する気液分離器、及び回収した液体LQを収容するタンク等を備えている。液体回収機構60の動作は制御装置CONTにより制御される。
図2は干渉計部2を示す概略構成図である。図2において、干渉計部2は、レンズ21と、コリメートレンズ22と、折り曲げミラー23と、ビームスプリッタ24と、折り曲げミラー25、26と、基準レンズ27と、リレーレンズ28、29と、光電検出器(センサ)30とを備えている。
レンズ21は、光源1から供給される光束を一度集光し、コリメートレンズ22はレンズ21で集光された光束を平行光束に変換する。折り曲げミラー23は、コリメートレンズ22を通過して−Y方向に進む光束を+Z方向に偏向する。ビームスプリッタ24は、折り曲げミラー23で偏向されて+Z方向に進む光束を透過させるとともに、折り曲げミラー25から−Z方向に進む光束を+Y方向に反射する。折り曲げミラー25はビームスプリッタ24を透過して+Z方向に進む光束を−Y方向に偏向し、折り曲げミラー26は折り曲げミラー25で偏向されて−Y方向に進む光束を−Z方向に偏向する。
基準レンズ27は+Z方向に凸となるよう配置されたメニスカスレンズであり、参照光及び測定光を生成するために設けられる。この基準レンズ27は、投影光学系PL側の面が球面に設定された基準面27aであり、折り曲げミラー26で偏向されて−Z方向に進む光束は基準面27aに対して垂直に入射する。基準面27aを透過した光束は測定光として用いられ、基準面27aで反射された光束は参照光として用いられる。制御装置CONTは、基準レンズ27の焦点が投影光学系PLの物体面OPに配置されるように、レーザ干渉計6の検出結果をモニタしつつ、第1駆動装置3Dを介して第1ステージ3のZ軸方向の位置を制御する。
リレーレンズ28、29は、折り曲げミラー26、25を順に介してビームスプリッタ24で反射された光束(参照光と測定光との干渉光)をリレーするレンズである。干渉計部2に設けられたレンズ21、コリメートレンズ22、基準レンズ27、及びリレーレンズ28、29は投影光学系PLが備える光学素子と同様に合成石英又は蛍石等の硝材を用いて形成されている。
センサ30は、干渉光を検出するものであり、例えば二次元CCD(Charge Coupled Device)等の光電変換素子を用いることができる。このように、図2に示す干渉計部2においては、フィゾー型の干渉計が構成されている。センサ30の検出結果は制御装置CONTに出力される。なお、図2においては、便宜上、投影光学系PLに設けられる光学素子のうち、最も物体面側に配置される光学素子LS3、及び最も像面側に配置される光学素子LS2、LS1を図示しているが、実際には十数〜数十個の光学素子が設けられている。液体供給機構50からの液体LQは、第1光学素子LS1と反射球面8Sとの間に供給される。
図3は第2ステージ9を示す側断面図である。図3において、第2ステージ9は、第2駆動装置9Dにより駆動されるステージ本体90と、ステージ本体90に支持された第1支持部材91と、第1支持部材91に支持された第2支持部材92と、第2支持部材92の上端部に支持された第3支持部材93とを備えている。
ステージ本体90は、第1支持部材91を配置可能な穴部90Hを有しており、第1支持部材91は穴部90Hの内側に配置されている。第1支持部材91の上端部にはステージ本体90の上面と接触するフランジ部91Fが設けられており、ステージ本体90と第1支持部材91とは固定されている。
第1支持部材91は、第2支持部材92を配置可能な内部空間を有したほぼ有底筒状の部材であり、第1支持部材91の内部空間側の底面には、第2支持部材92を支持する複数の凸部91Tが設けられている。第1支持部材91と第2支持部材92(可動部材94)とは凸部91Tにおいてのみ接続(接触)され、それ以外の部分は互いに離れている。本実施形態においては、凸部91Tは3つ設けられており、第2支持部材92は3つの凸部91Tで支持される。
第2支持部材92の平面視ほぼ中央部には凸部92Tが設けられており、凸部92Tを囲むように環状の凹部(空間部)92Hが形成されている。凹部92Hには、液浸機構LFの供給管53及び第1回収管64が配置される。そして、第2支持部材92の凸部92Tの上端部に第3支持部材93が支持されている。第3支持部材93は、反射球面8Sを有する球状部材8を支持するものであって、フランジ部93Fと、フランジ部93Fよりも上方に突出する凸部93Tとを有している。第2支持部材92の凸部92T及び第3支持部材93は平面視においてほぼ円形状であり、第3支持部材93のフランジ部93Fは、第2支持部材92の凸部92Tの上面とほぼ同じ径を有し、その凸部92Tの上面と接続される。第3支持部材93の凸部93Tは、フランジ部93Fよりも小径に設けられており、球状部材8は凸部93Tの上面93Aにおいて支持される。第2支持部材92と第3支持部材93とは固定されている。以下の説明においては、第2ステージ9の一部を構成し、反射球面8Sを有する球状部材8を保持する第3支持部材93及びその第3支持部材93に固定された第2支持部材92を合わせて適宜、「可動部材94」と称する。
移動鏡10A、10Bは、第2ステージ9の第2支持部材92に設けられている。第2支持部材92は、凸部92Tに対して凹部92Hより外側に設けられた周縁部92Sを有しており、周縁部92Sの一部は、第1支持部材91の上端部(フランジ部91F)よりも上方に突出している。そして、第1支持部材91の上端部より上方に突出した周縁部92Sの一部には開口部K1が設けられている。移動鏡10Aは、その反射面が周縁部92Sの開口部K1の内側に配置されるように、第2支持部材92の周縁部92Sの内側面に接続されている。レーザ干渉計11は、開口部K1を介して移動鏡10Aの反射面に検出光を照射可能である。また、第2支持部材92の平面視ほぼ中央部には、Z軸方向に貫通する貫通孔92Kが形成されており、貫通孔92Kの下端部に移動鏡10Bが設けられている。移動鏡10Bは、その反射面が貫通孔92Kの下端部の開口部K2の内側に配置されるように、貫通孔92Kの内側に接続されている。また、第1支持部材91の下面には、開口部K2に対応する開口部K2’が設けられている。また上述のように、第2定盤9Bの一部には、レーザ干渉計12の検出光を通過させるための開口部K3が形成されている。レーザ干渉計12は、開口部K2、K2’、K3を介して移動鏡10Bの反射面に検出光を照射可能である。
移動鏡10A、10Bが設けられた第2支持部材92と、球状部材8を支持した第3支持部材93とは固定されており、第2支持部材92及び第3支持部材93のそれぞれは低熱膨張材料で形成されているため、制御装置CONTは、第2支持部材92に設けられた移動鏡10A、10Bの反射面と協働してレーザ干渉計11、12を使って第2支持部材92の位置を検出することで、干渉計11、12によって規定される座標系での球状部材8(反射球面8S)の位置を求めることができる。
液体保持部材70は、投影光学系PLの像面側に設けられており、板状の基材75と、基材75上に設けられた周壁部71と、周壁部71の外側に設けられた回収溝73と、周壁部71の内側に設けられ、投影光学系PLの像面に最も近い第1光学素子LS1が配置される開口部74とを有している。周壁部71の外側には、周壁部71を囲むように第2周壁部72が設けられており、回収溝73は、周壁部71と第2周壁部72との間に設けられている。
液体保持部材70は、連結機構96を介して第1支持部材91に接続されており、液体保持部材70と第1支持部材91とは固定されている。基材75の上面75Aは、投影光学系PLの像面側の端面(第1光学素子LS1の下面)T1と対向するように設けられており、基材75の上面75Aには、液体供給機構50から液体LQを供給するための供給口52が設けられている。以下の説明においては、液体保持部材70のうち、投影光学系PLの像面側の端面T1に対向する基材75の上面75Aを適宜、「底面部75A」と称する。
供給口52は、底面部75Aのうち、周壁部71よりも内側に設けられている。液体供給機構50は、供給口52を介して、周壁部71の内側に液体LQを供給する。供給口52は底面部75Aに設けられており、+Z方向に向けて液体LQを供給する。周壁部71は、周壁部71の内側で液体LQを保持する。そして、第1光学素子LS1は、周壁部71の内側に保持された液体LQと接触するように、液体保持部材70の開口部74に配置される。
回収溝73は、周壁部71の上面を通過して周壁部71の内側より流出した液体LQを回収する。すなわち、回収溝73は周壁部71で囲まれた空間からオーバーフローした液体LQを回収するように設けられている。回収溝73の内側には、液体回収機構60を構成する回収口62が設けられている。本実施形態においては、回収口62は、回収溝73の内側の底面部75Aに設けられている。後に詳述するように、回収溝73の液体LQは、回収口62、第1回収管64、収容部材65、及び第2回収管63を介して液体回収装置61に回収される。
液体保持部材70のうち、周壁部71の内側の底面部75Aの一部には、第3支持部材93の凸部93Tを配置可能な貫通穴70Kが設けられている。貫通穴70Kは、第3支持部材93に対応するように、平面視ほぼ円形状である。第3支持部材93の凸部93Tが液体保持部材70の貫通穴70Kに配置されることにより、第3支持部材93の凸部93Tの上面93Aにおいて支持されている球状部材8の反射球面8Sは、液体保持部材70の周壁部71の内側に配置される。
液体保持部材70の貫通穴70Kの径は、第3支持部材93の凸部93Tの径よりも大きく、第1支持部材91に連結機構96を介して接続された液体保持部材70の貫通穴70Kの内側面と凸部93Tの側面との間には所定のギャップ(隙間)が設けられている。また、液体保持部材70の下面と第3支持部材93のフランジ部93Fの上面との間には、液体LQの漏出を防止するためのシール部材95が設けられている。シール部材95は、例えばOリングによって構成されている。液体保持部材70の貫通穴70Kの内側面と第3支持部材93の凸部93Tの側面との間には所定のギャップ(隙間)が設けられており、液体保持部材70と第3支持部材93(可動部材94)とは、シール部材95のみを介して接続され、それ以外の部分は互いに離れている。このように、液体保持部材70と可動部材94とは別々の部材として形成され、実質的に分離されている。
図4は液体保持部材70の斜視図である。図4に示すように、本実施形態の供給口52は、所定の径を有する平面視円形状であり、底面部75Aの4箇所の所定位置のそれぞれに設けられている。ここでは、供給口52は周壁部71の内側の底面部75Aの四隅のそれぞれに設けられている。そして、第3支持部材93(可動部材94)の凸部93Tの上面93Aにおいて支持された球状部材8の反射球面8Sは、周壁部71の内側に配置されている。なお、供給口52の大きさ、形状、数、及び配置は、周壁部71の内側に円滑に液体LQを供給可能であれば任意の構成を採用することができる。例えば、供給口52を底面部75Aの2箇所に設けてもよいし、小さな供給口52を複数マトリクス状(例えば10行×10列)に配置してもよい。また、供給口52を周壁部71の内側の底面部75Aの中央領域近傍に配置してもよい。あるいは、供給口52近傍に、供給口52から供給された液体LQの流れをガイドする例えばフィン状の部材や、供給口52と離れた位置で対向し、供給口52より+Z方向に供給された液体LQの流れの向きをXY方向(水平方向)に向けるためのキャップ状の部材を配置してもよい。また、底面部75Aや周壁部71の内側面に複数の溝を形成して液体LQの流れをガイドしてもよい。また、供給口52は、周壁部71の内側面に設けられていてもよい。
回収溝73は周壁部71を囲むように環状に設けられている。回収口62は、回収溝73の内側における底面部75Aの4箇所の所定位置のそれぞれに設けられている。また、本実施形態の回収口62は、所定の径を有する平面視円形状である。
周壁部71の上面の複数の所定位置のそれぞれには切欠部(凹部)71Kが設けられている。周壁部71の内側の液体LQは、切欠部71Kを通過して回収溝73に流出することができる。切欠部71Kは、回収口62に対応するように4つ設けられており、回収口62の近傍に設けられている。これにより、周壁部71の内側より切欠部71Kを通過して回収溝73に流出した液体LQは、回収口62を介して円滑に回収される。なお、回収口62の大きさ、形状、数、及び配置は、液体LQを回収溝73より円滑に回収(排出)可能であれば任意の構成を採用することができる。また、切欠部71Kを設けずに、周壁部71を越えて流出した液体LQを回収するようにしてもよい。
球状部材8は、第3支持部材93(可動部材94)の凸部93Tの上面93Aに形成された平面視六角形の凹部の内側に配置されている。凹部の内側には球状部材8を支持するための3つの支持面が設けられており、第3支持部材93は、3つの支持面によって球状部材8の3箇所を支持するようになっている。また、第3支持部材93を挟んで、球状部材8が支持されている上面93Aと反対側には磁石42(図3参照)が設けられている。本実施形態の球状部材8は鋼球の表面にシリコン膜を被覆したものであり、磁性体を含んでいる。したがって、第3支持部材93を挟んで、球状部材8が支持されている上面93Aと反対側に磁石42を設けることにより、球状部材8を磁力によって支持面に接触させ、吸着保持することができる。また、このような構成とすることにより、第3支持部材93に対して球状部材8を容易に脱着(交換)可能とすることができる。また、球状部材8の周囲に設けられた第3支持部材93の上面93Aは、鏡面加工などにより平坦度良く仕上げられている。上面93Aは、高い光反射率を有する光反射部となっている。また、上面93Aには、球状部材8の反射球面8Sを囲むように、平面視において環状でほぼ矩形状の溝45が設けられている。
本実施形態においては、第3支持部材93に支持された球状部材8のZ軸方向に関する中心位置と、第3支持部材93の上面93AのZ軸方向に関する位置とがほぼ一致するように設けられている。本実施形態の球状部材8の径(直径)は2mm程度であるため、球状部材8の表面は上面93Aより1mm程度突出しており、その突出した球状部材8の表面はほぼ半球状である。そして、その球状部材8の上面93Aより突出した半球状の領域が反射球面8Sとして機能する。また、第3支持部材93に支持された球状部材8のXY方向に関する中心位置と、矩形状で環状の溝45のXY方向に関する中心位置(図心位置)とがほぼ一致するように設けられている。
次に、上述の検査装置INFを用いて検査対象としての投影光学系PLの光学性能の検査する検査方法について説明する。投影光学系PLの光学性能を検査するために、制御装置CONTは、液体供給機構50及び液体回収機構60のそれぞれを駆動する。液体供給機構50の液体供給装置51から送出された液体LQは、供給管53、及び供給口52を介して、液体保持部材70の周壁部71の内側に供給される。液体保持部材70は、周壁部71の内側に液体LQを保持する。液体保持部材70の開口部74の内側には投影光学系PLの第1光学素子LS1が配置されており、周壁部71の内側に保持された液体LQは、第1光学素子LS1と接触する。また、反射球面8Sは周壁部71の内側に配置されているため、図5の模式図に示すように、周壁部71の内側に所定量以上の液体LQが保持されることにより、投影光学系PLと反射球面8Sとの間に液体LQが満たされる。
制御装置CONTは、レーザ干渉計5の検出結果をモニタしつつ、干渉計部2に設けられた基準レンズ27のXY平面内における焦点位置が最初の検査位置に配置されるように、第1駆動装置3Dを介して第1ステージ3を駆動し、XY平面内において第1ステージ3を位置決めする。これと同時に、制御装置CONTは、レーザ干渉計11の検出結果をモニタしつつ第2駆動装置9Dを介して第2ステージ9をXY平面内で移動させて、第1ステージ3のXY平面内における位置に応じた位置に第2ステージ9を位置決めする。これにより、上面93Aに直交し、反射球面8Sの最上部を通る光軸が、投影光学系PLに関して基準レンズ27の焦点の位置と光学的に共役な点を通るように、反射球面8Sは位置決めされる。
これと同時に、制御装置CONTは、レーザ干渉計6、12の検出結果をモニタしつつ、第1、第2ステージ3、9のZ軸方向の位置及び姿勢を制御する。このとき、Z軸方向における基準レンズ27の焦点位置が、投影光学系PLの物体面OP内に含まれるように第1ステージ3を制御するとともに、上面93Aが投影光学系PLの像面と一致するように第1ステージ9を制御する。
以上の処理が完了すると、制御装置CONTは光源1に対して制御信号を出力して光源1を発光させる。光源1が発光すると、光源1から−Y方向に進む光束は干渉計部2が備えるレンズ21に導かれる。レンズ21に導かれた光束は、コリメートレンズ22を通過して平行光に変換された後、折り曲げミラー23に入射し、+Z方向に偏向される。この光束はビームスプリッタ24を透過して折り曲げミラー25で−Y方向に偏向され、更に折り曲げミラー26で−Z方向に偏向された後、基準レンズ27に入射する。
光束が基準レンズ27に入射すると、基準レンズ27の基準面27aに垂直に入射し、光束の一部が透過し、残りが反射される。基準面27aを透過した光束は、測定光として干渉計部2から射出され、投影光学系PLの物体面OPの位置に集光する。集光した測定光は球面波状に広がりながら投影光学系PLに入射し光学素子LS3、LS2等を通過して光学素子LS1に入射し、光学素子LS1から投影光学系PLの像面側に射出される。
投影光学系PLから射出された測定光は液体LQを透過して反射球面8Sに照射される。反射球面8Sに照射された測定光は、反射球面8Sで反射されて、液体LQ及び投影光学系PLを再び通過して干渉計部2に設けられた基準レンズ27に入射する。
基準レンズ27に入射した測定光及び基準レンズ27の基準面27aで生成される参照光は、折り曲げミラー26、25を順に介してビームスプリッタ24で反射され、リレーレンズ28、29を順に通過してセンサ30で受光される。このように、センサ30は、反射球面8Sで反射した測定光を、投影光学系PLと反射球面8Sとの間の液体LQ、及び投影光学系PLを介して光電検出する。
センサ30には投影光学系PLを通過した測定光と投影光学系PLを通過していない参照光とが入射されるため、センサ30にはそれらの干渉光が入射し、投影光学系PLの光学性能(残存収差等)に応じた干渉縞が検出される。この検出結果は制御装置CONTへ出力されて干渉縞そのものが不図示の表示装置に表示され、又は制御装置CONTにより解析されて投影光学系PLにおいて生ずる波面収差を示す数値がモニタに表示される。以上により、最初の検査位置における投影光学系PLの光学性能の検査がセンサ30の検出結果に基づいて行われたことになる。
次に、制御装置CONTは、レーザ干渉計5の検出結果をモニタしつつ、XY平面内における基準レンズ27の焦点の位置が次の検査位置に配置するように、第1駆動装置3Dを介して第1ステージ3を駆動し、XY平面内において第1ステージ3を位置決めする。これと同時に、制御装置CONTは、レーザ干渉計11の検出結果をモニタしつつ第2駆動装置9Dを介して第2ステージ9をXY平面内に移動させて、改めて位置決めした第1ステージ3のXY平面内における位置に応じた位置に第2ステージ9を位置決めする。ここでも、上面93Aに直交し、反射球面8Sの最上部を通る光軸が、投影光学系PLに関して基準レンズ27の焦点の位置と光学的に共役な点を通るように、反射球面8Sは位置決めされる。
第1、第2ステージ3、9のXY平面内の位置を変えたときにも、制御装置CONTは、レーザ干渉計6、12の検出結果をモニタしつつ、第1、第2ステージ3、9のZ軸方向の位置及び姿勢を制御して、Z軸方向における基準レンズ27の焦点位置が投影光学系PLの物体面OP内に含まれ、上面93Aが投影光学系PLの像面と一致するようにする。そして、第1、第2ステージ3、9の位置決めが終了すると、再度上記と同様に干渉縞を検出し、以下同様にして、第1、第2ステージ3、9のXY平面内における位置を変えつつ複数位置で測定を行う。このようにして、像高が異なる複数位置における投影光学系PLの光学性能を検査する。
本実施形態においては、液体供給機構50は、少なくとも測定光が反射球面8Sに照射されている最中には、液体LQを供給し続ける。これにより、測定光の照射による投影光学系PLと反射球面8Sとの間の液体LQの温度上昇を防止することができる。したがって、液体LQの温度上昇に伴う液体LQの測定光に対する屈折率変化、ひいては検査精度の劣化を防止することができる。
液体LQが供給され続けることにより、周壁部71の内側の液体LQは周壁部71の上面を通過して回収溝73に流出する。
図6は周壁部71の内側の液体LQが周壁部71の上面を通過して回収溝73に流出している状態を示す図である。図6において、液体回収機構60は、回収溝73の内側に設けられた複数(4つ)の回収口62と、回収口62のそれぞれに接続された第1回収管64と、液体LQを収容可能な収容部材65と、収容部材65に収容された液体LQを第2回収管63を介して吸引回収する液体回収装置61とを備えている。
第1回収管64は、可撓性を有するチューブ部材により形成されている。本実施形態においては、第1回収管64は、フッ素系樹脂によって形成されたチューブ部材である。なお、検査装置INSが置かれている環境や検査精度などに影響を与えない材料であれば、第1回収管64は任意の材料によって形成可能である。回収口62には第1回収管64の一端部(上端部)が接続される。
収容部材65は、液体保持部材70とは別の部材であって、液体保持部材70と離れた位置に設けられている。図1に示すように、本実施形態においては、収容部材65は、床面F上に設けられている。収容部材65は、液体LQを収容可能な内部空間65Hを有している。また、収容部材65は、内部空間65Hと外部空間(大気空間)との間で気体を流通させるための開口部65Kを有している。開口部65Kは、収容部材65の側壁の上部に設けられている。開口部65Kにより、内部空間65Hは大気開放された状態となっている。
第1回収管64の他端部(下端部)64Bは、収容部材65の内部空間65Hに配置される。第1回収管64は、回収溝73の内側の回収口62と収容部材65の内部空間65Hとを接続する流路を形成している。また、第1回収管64の下端部64Bは、収容部材65の内部空間65Hの上部に配置されている。
第2回収管63は、その一端部63Aを液体回収装置61に接続し、他端部(下端部)63Bを収容部材65の内部空間65Hに配置している。上述のように、液体回収装置61は、真空系(吸引装置)を含んで構成されており、制御装置CONTは、液体回収装置61を駆動することにより、収容部材65に収容された液体LQを第2回収管63を介して吸引回収することができる。
第2回収管63の下端部63Bは、収容部材65の内部空間65Hの下部に配置されている。より具体的には、第2回収管63の下端部63Bは、第1回収管64の下端部64Bよりも下側(−Z側)に配置されている。したがって、収容部材65に所定量の液体LQが収容された場合、換言すれば、液体LQの液面の位置(液位、水位)が所定位置(高さ)となった場合、その液体LQの液面は、第2回収管63の下端部63Bとは接触するが、第1回収管64の下端部64Bとは接触しないようになっている。
切欠部71Kを含む周壁部71の上面を通過して周壁部71の内側より流出した液体LQは、回収溝73に回収された後、回収口62に向かって流れる。ここで、回収溝73に回収された液体LQが回収口62に流れやすいように、回収溝73の内側の底面部75Aに、回収口62に向かう傾斜部を設けておいてもよい。回収溝73に回収された液体LQは、重力作用により、回収口62及び第1回収管64を介して収容部材65に流れる。
回収溝73に回収され、重力作用により第1回収管64を介して収容部材65に流れた液体LQが、収容部材65において所定量以上収容された場合、すなわち、液体LQの液面の位置(高さ)が所定高さ以上となった場合、図6に示すように、収容部材65に収容された液体LQの液面は、第2回収管63の下端部63Bと接触する。一方、第1回収管64の下端部64Bは第2回収管63の下端部63Bよりも高い位置に設けられているため、液体LQの液面に接触しない。すなわち、第2回収管63の下端部63Bは収容部材65の内部空間65Hの液体空間に接続され、第1回収管64の下端部64Bは収容部材65の内部空間65Hの気体空間に接続された状態となる。
この状態で液体回収装置61が駆動されることにより、収容部材65に収容されている液体LQは、第2回収管63を介して液体回収装置61に吸引回収される。このように、回収溝73の液体LQは、回収口62、第1回収管64、収容部材65、及び第2回収管63を介して液体回収装置61に回収される。
上述のように、測定光が反射球面8Sに照射されている最中、すなわち投影光学系PLの検査中においては、液体供給機構50は、周壁部71の内側に液体LQを供給し続けている。そのため、周壁部71の内側の液体LQは回収溝73に流出し続ける。したがって、収容部材65には回収溝73で回収された液体LQが連続的に流れ込む。本実施形態においては、制御装置CONTは、投影光学系PLの検査中において、液体回収装置61を駆動し続けているため、回収溝73より第1供給管64を介して供給され、収容部材65に収容された液体LQの液面の高さが所定高さ以上となったときに、収容部材65に収容された液体LQは液体回収装置61に吸引回収される。
以上説明したように、周壁部71の内側に液体LQを保持することで、投影光学系PLと反射球面8Sとの間に液体LQを円滑に満たすことができ、投影光学系PLの光学性能を精度良く検査することができる。また、周壁部71の外側に回収溝73を設けたので、液体LQを良好に回収して、液体LQの漏出を防止することができる。したがって、液体LQの漏出に起因して、検査装置INSの置かれている環境(湿度、温度など)が変動したり、周辺機器・部材が故障したり錆びたりするなどの不都合を防止し、検査精度を維持することができる。また、回収溝73は、周壁部71の上面を通過して周壁部71の内側より流出した液体LQを回収するようになっており、周壁部71で囲まれた空間からオーバーフローした液体LQを回収するようになっている。したがって、制御装置CONTは、液体供給機構50によって液体LQを供給し続けることで、周壁部71の内側に保持される液体LQの液面の高さをほぼ一定に維持することができる。したがって、周壁部71の内側に保持される液体LQの圧力や温度など、液体LQの状態をほぼ一定に維持することができる。液体LQの圧力が変動した場合、液体LQに接触する第1光学素子LS1が変位又は変形するなどの不都合が生じる可能性がある。また、液体LQの温度が変動した場合、液体LQの屈折率が変化して測定光の光路が変動したり、あるいは第1光学素子LS1が熱変形するなどの不都合が生じる可能性がある。本実施形態では、周壁部71の内側に保持される液体LQの状態(圧力、温度など)をほぼ一定に維持することができるため、上述の不都合の発生を防止することができる。また、開口部74などを介して周壁部71の内側に異物(ゴミ)が入り込み、周壁部71の内側に保持された液体LQの液面に付着した場合でも、液体LQは周壁部71の上面を通過して回収溝73に流出するので、異物を液体LQと一緒に周壁部71の外側へ排出することができる。
回収溝73は周壁部71を囲むように環状に設けられているため、周壁部71の上面の任意の位置から液体LQが流出したとしても、その液体LQを良好に回収することができる。
本実施形態においては、液体回収機構60は、回収溝73の液体LQを重力作用により第1回収管64を介して収容部材65に流す構成であるため、液体保持部材70等に振動が発生することを防止している。例えば真空ポンプ等を含む吸引装置と回収溝73とを回収管を介して直接的に接続し、その吸引装置を使って液体LQを強制的に吸引回収した場合、液体保持部材70や第2ステージ9等に振動が発生し、検査精度に影響を及ぼす可能性がある。本実施形態では、回収溝73の液体LQを重力作用によって回収溝73の外側へ自然に排出するようにしたので、液体保持部材70や第2ステージ9等に振動が発生することを抑制することができる。
そして、回収溝73から重力作用によって排出された液体LQは、液体保持部材70とは別に設けられた収容部材65に収容されるので、その収容部材65に収容された液体LQを液体回収装置61を使って吸引回収することで、液体保持部材70に振動が発生することを抑えつつ液体LQを円滑に回収し、液体LQの漏出を防止することができる。また、液体保持部材70と収容部材65とを接続する第1回収管64は可撓性を有するチューブ部材によって構成されているため、収容部材65で生じた振動の液体保持部材70への伝達を低減することができる。
なお本実施形態では、制御装置CONTは、投影光学系PLの検査中に液体回収装置61を駆動し続けているが、液体回収装置61の駆動を停止することもできる。収容部材65の内部空間65Hの大きさが十分に大きければ、投影光学系PLの検査中に液体回収装置61の駆動を停止した状態で液体供給機構50の液体供給動作を行っても、液体LQの漏出を防止することができる。そして、投影光学系PLの検査中に液体回収装置61の駆動を停止することで、投影光学系PLの検査中においては液体回収装置61の吸引動作に起因する振動は発生しないので、投影光学系PLを精度良く検査することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について図7を参照しながら説明する。本実施形態の特徴的な部分は、液体回収装置61を使って収容部材65の内部空間65Hの液体LQを吸引することによって、回収溝73に回収された液体LQを一部の第1回収管64を介して収容部材65に強制的に流すことができる点にある。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第2実施形態について図7を参照しながら説明する。本実施形態の特徴的な部分は、液体回収装置61を使って収容部材65の内部空間65Hの液体LQを吸引することによって、回収溝73に回収された液体LQを一部の第1回収管64を介して収容部材65に強制的に流すことができる点にある。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図7において、液体回収機構60は、液体LQを収容可能な収容部材65と、回収溝73と収容部材65とを接続する複数の第1回収管64とを備えている。収容部材65の内部空間65Hには、一部の第1回収管64の下端部64Bを含む空間65Mを略密閉空間にするための密閉用部材66が設けられている。本実施形態においては、密閉用部材66は、収容部材65の内部空間65H側の天井部に取り付けられている。また図7においては、2つの第1回収管64のうち少なくとも一方(左側)の第1回収管64を囲むように設けられた略筒状部材である。そして、密閉用部材66の下端部66Bは、第2回収管63の下端部63Bよりも下側(−Z側)に設けられている。筒状部材である密閉用部材66の内径は、第1回収管64の内径よりも十分に大きい。第1回収管64の下端部64Bは、第2回収管63の下端部63B及び密閉用部材66の下端部66Bよりも高い位置に設けられている。そして、図7に示すように、収容部材65において液体LQが所定量収容された状態においては、密閉用部材66の下端部66Bと液体LQとが接触し、密閉用部材66と、収容部材65に収容された液体LQの液面とで囲まれた空間によって、密閉空間65Mが形成されている。また、図7に示すように、収容部材65において液体LQが所定量収容されている状態においては、収容部材65に収容された液体LQは、第2回収管63の下端部63Bと接触する。一方、第1回収管64の下端部64Bは液体LQの液面に接触しない。すなわち、第2回収管63の下端部63B、及び密閉用部材66の下端部66Bは収容部材65の内部空間65Hの液体空間に接続され、第1回収管64の下端部64Bは収容部材65の内部空間65H(密閉空間65M)の気体空間に接続された状態となる。
制御装置CONTは、投影光学系PLの検査中において、液体供給機構50を使って、周壁部71の内側に液体LQを供給し続ける。また、制御装置CONTは、液体供給機構50を使って液体LQを供給している間、液体回収装置61を駆動し続ける。回収溝73からは、第1回収管64を介して収容部材65に液体LQが供給される。
図7に示す状態で液体回収装置61が駆動されることにより、収容部材65に収容されている液体LQは、第2回収管63を介して液体回収装置61に吸引回収される。液体回収装置61に液体LQが回収されることにより、収容部材65に収容されている液体LQの液面の位置(高さ)が下がり、密閉空間65Mの圧力が低下する。密閉空間65Mの圧力が低下し、密閉空間65Mが負圧化されることによって、回収溝73の液体LQは、図7において左側の第1回収管64を介して収容部材65に流入する。このように、液体回収装置61が収容部材60の内部空間65Hの液体LQを吸引することによって、回収溝73に回収された液体LQを左側の第1回収管64を介して収容部材65に強制的に流すことができる。
なお、他方(右側)の第1回収管64には密閉用部材66が設けられておらず、収容部材65には開口部65Kが設けられているので、回収溝73に流れ込んだ液体LQは、重力作用により右側の第1回収管64を介して収容部材65に自然落下する。
また図7においては、第2回収管63の下端部63Bは液体LQに接触しており、液体回収装置61は第2回収管63を介して液体LQを回収しているが、第2回収管63の下端部63Bは液体LQに接触していなくてもよい。この場合、密閉用部材66の下端部66Bが液体LQに接触していて、回収溝73に流れ込んだ液体LQを左側の第1回収管64を介して収容部材65に流すことができない場合にも、回収溝73に流れ込んだ液体LQを右側の第1回収管64を介して収容部材65に自然落下させることができる。また、開口部65Kの大きさが十分に小さい場合、あるいは開口部65Kが無い場合には、密閉用部材66の下端部66Bが液体LQに接触していなくても、液体回収装置61が収容部材65の内部空間65Hの気体を吸引することにより、回収溝73に回収された液体LQを両方の第1回収管64を介して収容部材65に流すことができる。
このように、収容部材65の内部空間65Hの気体又は液体LQを吸引することによって、回収溝73の液体LQを半強制的に回収することも可能であり、第1実施形態に比べて回収溝73の液体LQをより確実に回収することができる。なお第2実施形態の場合、第1実施形態に比べて振動が発生する可能性が高くなるが、回収溝73と吸引装置とを直接的に接続する場合に比べて振動を抑えることができる。また、第2回収管63に液体と気体とが一緒に流入した場合、第2回収管64や収容部材65に収容されている液体LQに振動が発生する可能性があるが、第1回収管64の下端部64Bは、収容部材65の内部空間65Hの気体空間に接続されているため、気体空間による振動減衰作用によって、第1回収管64を介した液体保持部材70への振動の伝達を低減することができる。また、第1回収管64は可撓性を有するチューブ部材によって構成されているため、液体保持部材70へ振動が伝達されることを抑制できる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について図8を参照しながら説明する。本実施形態の特徴的な部分は、回収溝73から第1回収管64を介して収容部材65に液体LQが流れているか否かを検出する液流センサを設けた点にある。
次に、第3実施形態について図8を参照しながら説明する。本実施形態の特徴的な部分は、回収溝73から第1回収管64を介して収容部材65に液体LQが流れているか否かを検出する液流センサを設けた点にある。
図8において、液体回収機構60は、回収溝73から第1回収管64を介して収容部材65に液体LQが流れているか否かを検出する液流センサ80を備えている。液流センサ80は、第1回収管64に設けられている。液流センサ80は、第1回収管64を流れている液体LQが有るか否かを光学的に検出する。
回収溝73には、周壁部71を越えて溢れ出た液体LQが流れ込むので、一例として、図8に示すように、第1回収管64には、液体(純水)と気体(空気)とが交互に流れる。なお、本実施形態においては、第1回収管64に液体と気体とが交互に流れるように、回収口62の径、第1回収管64の径、周壁部71の内側から回収溝73に流出する単位時間当たりの液体LQの量、回収溝73の平面視における面積などを設定してもよい。例えば、第1回収管64の内径を6〜8mmに設定すると、液体と気体とが交互にスムースに流れる。本実施形態においては、第1回収管64の内径は6mm程度に設定されている。
図9は液流センサ80を示す模式図である。図9において、液流センサ80は、第1回収管64に対して検出光を照射する照射部80Aと、検出光に対して所定の位置に設けられ、検出光を受光可能な受光部80Bとを備えている。また、本実施形態の第1回収管64は、照射部80Aより射出された検出光に対して透明であり、検出光を透過可能となっている。照射部80Aは第1回収管64の所定位置(検出位置)80Cに検出光を照射する。第1回収管64には液体と気体とが交互に流れるが、照射部80Aが第1回収管64の検出位置80Cに検出光を照射した場合、液体が検出位置80Cを通過したときの受光部80Bの受光状態と、気体が検出位置80Cを通過したときの受光部80Bの受光状態とは互いに異なるため、液流センサ80は、第1回収管64の検出位置80Cに液体及び気体のどちらが流れているのかを判断することができる。
図10(A)は、第1回収管64に液体と気体とが交互に流れているときの受光部80Bの受光結果の一例を示す図である。本実施形態においては、第1回収管64の検出位置80Cに気体が流れているときには、第1回収管64の検出光に対する屈折率と気体の検出光に対する屈折率との差が大きいため、第1回収管と気体との内側の界面で検出光が反射して受光部80Bに入射する。また、第1回収管64の検出位置80Cに液体が流れているときには、第1回収管64の検出光に対する屈折率と液体の検出光に対する屈折率との差が小さくなるため、第1回収管64と液体との内側の界面で検出光が反射せず、受光部80Bに検出光が入射しない。本実施形態において、液流センサ80は、受光部80Bで検出光が受光されない液体LQが通過するときに出力信号がONとなり、受光部80Bで検出光が受光される気体が通過するときに出力信号がOFFとなる。受光部80Bの受光結果(出力信号)は制御装置CONTに出力される。図10(A)、図10(B)は、液流センサ80の出力信号の一例を示すものである。制御装置CONTは、図10(A)に示したような受光信号が得られた場合、第1回収管64に液体と気体とが交互に流れていると判断し、回収溝73から第1回収管64を介して収容部材65に液体LQが正常に排出されていると判断する。
図10(B)は、第1回収管64に液体が正常に流れていないときの受光部80Bの受光結果の一例を示す図である。第1回収管64の検出位置80Cに液体が正常に流れていない場合、受光部80Bで受光した受光信号は、図10(B)のようになる場合がある。回収溝73から第1回収管64を介して収容部材65に液体LQが正常に流れていない場合、周壁部71の内側より流出した液体LQが回収溝73より溢れて漏出する可能性がある。制御装置CONTは、図10(B)に示すような受光信号が得られた場合、回収溝73から第1回収管64を介して収容部材65に液体LQが正常に排出されておらず、異常が生じたと判断する。
制御装置CONTは、液流センサ80の検出結果に基づいて、液体供給機構50の動作を制御する。具体的には、制御装置CONTは、液流センサ80の検出結果に基づいて、異常が生じたと判断した場合、液体供給機構50による液体LQの供給動作を停止する。これにより、周壁部71の内側から回収溝73への液体LQの流出を止めることができ、液体LQが回収溝73より溢れて漏出することを防止したり、あるいは漏出した液体LQによる被害の拡大を防止することができる。
本実施形態では、液体LQの流れを液流センサを使って第1回収管64の外側より光学的に検出している。このような構成とすることにより、第1回収管64の内側にセンサプローブなどの物体を設ける必要が無いため、液体LQは第1回収管64を円滑に流れることができる。上述の第1実施形態の場合には、液体LQは重力作用によって第1回収管64を流れるため、第1回収管64の内側に液体KQの流れの抵抗となるような物体があると、液体LQを円滑に流すことができなくなる可能性がある。本実施形態では、第1回収管64の外側から、液体LQが流れているか否かを光学的に検出するようにしているので、回収溝73からの液体LQの漏出などを防止できる。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について図11を参照しながら説明する。本実施形態の特徴的な部分は、回収溝73の液体LQの液面の位置(高さ)を検出する液面センサを設けた点にある。
次に、第4実施形態について図11を参照しながら説明する。本実施形態の特徴的な部分は、回収溝73の液体LQの液面の位置(高さ)を検出する液面センサを設けた点にある。
図11において、液体回収機構60は、回収溝73の液体LQの液面の位置を検出する液面センサ82を備えている。液面センサ82は第2周壁部72の内側面の上部に設けられている。液面センサ82は、第2周壁部72の内側面の上部において、周方向(θZ方向)の複数の所定位置のそれぞれに設けられている。本実施形態では、複数の液面センサ82は、周方向に関してほぼ等間隔に設けられている。
液面センサ82は、例えば2つのプローブを有し、一方のプローブはプラス電極に接続され、他方のプローブはマイナス電極に接続されている。2つのプローブに液体LQが接触している場合と接触していない場合とでは、2つのプローブ間に流れる電流値が異なるため、液面センサ82は、2つのプローブ間に流れる電流値に基づいて、液体LQが接触したかどうかを求めることができる。
制御装置CONTは、液面センサ82の検出結果に基づいて、液体供給機構50の動作を制御する。液面センサ82は第2周壁部72の内側面の上部に設けられているため、液面センサ82が液体LQを検出したとき、液体LQが回収溝73より溢れて漏出する可能性がある。制御装置CONTは、液面センサ82が液体LQを検出した場合には、液体供給機構50による液体LQの供給動作を停止する。これにより、周壁部71の内側から回収溝73への液体LQの流出を止めることができ、液体LQが回収溝73より溢れて漏出することを防止したり、あるいは漏出した液体LQによる被害の拡大を防止することができる。
なお、液体LQが超純水の場合には、超純水の電気抵抗値と空気の電気抵抗値との差が小さいため、上述のような電流値(電気抵抗値)の差によって液体LQの有無を判断する液面センサ82を用いた場合、液体LQの有無を精度良く検出できない可能性がある。そのような場合には、例えば回収溝73の内側に、金属イオンを発生させるような物体(例えば金属片)を設けて、周壁部71より流出した液体LQに金属片を接触させて金属イオンを与えることで、液体LQの電気抵抗値と空気の電気抵抗値との差を大きくすることができる。これにより、液面センサ82の検出精度を向上することができる。なお、液面センサ82として、検出光を照射する照射部と、検出光を受光可能な受光部とを有し、液体LQの有無を光学的に検出するセンサを用いてもよい。
なお、投影光学系PLの製造工程の概略は以下の通りである。つまり、まず投影光学系PLを通過する光の波長、必要となる解像度等から投影光学系PLを設計する。次に、設計された投影光学系PLに設けられる光学素子(例えば、レンズ、回折格子)の各々を製造し、投影光学系PLの鏡筒に組み込んで投影光学系PLを組み立てる。投影光学系PLの組み立てが完了すると、上述の各実施形態に示した検査装置を用いて、組み立てられた投影光学系PLが必要となる光学性能を有しているか否かを検査する。必要となる光学性能が得られない場合には、投影光学系PL内に設けられた光学素子の位置を微調整して再度検査を行う。この微調整及び検査を繰り返して投影光学系PLの光学性能が所望の光学性能になるよう調整する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態においては、光源1がArFエキシマレーザ光源の場合を例に挙げて説明したが、ArFエキシマレーザ光源以外に、例えばg線(波長436nm)、i線(波長365nm)を射出する超高圧水銀ランプ、又はKrFエキシマレーザ(波長248nm)、F2レーザ(波長157nm)、Kr2レーザ(波長146nm)、YAGレーザの高周波発生装置、若しくは半導体レーザの高周波発生装置を用いることができる。
なお、液体LQとして純水以外の液体を用いることができる。例えば露光光としてF2レーザを用いる場合には、F2レーザは純水を透過しないので、液体としては過フッ化ポリエーテル等のフッ素系の液体を用いればよい。
また、上記実施形態では、フィゾー型の干渉計部を構成して投影光学系の光学性能を検査しているが、トワイマン・グリーン型や例えば特開2000−97616号公報に開示された、所謂PDI(Phase Diffraction Interferometer:位相回折干渉計)型などの他形式の干渉計部を適用できることは言うまでもない。
また、上述の実施形態においては、反射球面として投影光学系に向かって凸状の反射球面を用いているが、凹状の反射球面を用いてもよい。
また、上述の実施形態において、投影光学系の第1光学素子LS1はレンズであってもよいし、無屈折力の平行平面板であってもよい。
また、国際公開第2004/019128号公報に開示されているように、第1光学素子LS1の像面側だけでなく、その反対側の光路空間を液体で満たして使用される投影光学系の検査にも本発明を適用することができる。
8…球状部材、8S…反射球面、30…センサ(光電検出器)、50…液体供給機構、52…供給口、60…液体回収機構、61…液体回収装置、62…回収口、63、64…回収管、65…収容部材、65H…内部空間、70…液体保持部材、71…周壁部、73…回収溝、75A…底面部、80…液流センサ(液流検出装置)、82…液面センサ(液面検出装置)、CONT…制御装置、INS…検査装置、LQ…液体、LS1…第1光学素子、PL…投影光学系
Claims (11)
- 液浸露光に用いる投影光学系の光学性能を検査する検査装置において、
前記投影光学系の像面側に設けられ、液体を保持可能な周壁部を有する液体保持部材と、
前記周壁部の内側に設けられた反射球面と、
前記反射球面で反射した測定光を前記投影光学系を介して光電検出する光電検出器と、
前記周壁部の外側に設けられ、前記周壁部の上面を通過して前記周壁部の内側より流出した液体を回収する回収溝とを備え、
前記光電検出器の検出結果に基づいて、前記投影光学系の光学性能を検査する検査装置。 - 前記回収溝は前記周壁部を囲むように環状に設けられている請求項1記載の検査装置。
- 液体を収容可能な収容部材と、前記回収溝と前記収容部材とを接続する流路とを備え、
前記回収溝に回収された液体を重力作用により前記流路を介して前記収容部材に流す請求項1又は2記載の検査装置。 - 前記収容部材に収容された液体を吸引回収する回収装置を備えた請求項3記載の検査装置。
- 液体を収容可能な収容部材と、前記回収溝と前記収容部材とを接続する流路と、
前記収容部材の内部空間の気体又は液体を吸引することによって、前記回収溝に回収された液体を前記流路を介して前記収容部材に流す回収装置とを備えた請求項1又は2記載の検査装置。 - 前記流路の一端部が前記回収溝と接続され、
前記流路の他端部が前記収容部材の内部空間の気体空間に接続される請求項5記載の検査装置。 - 前記流路の少なくとも一部は可撓性を有するチューブ部材により形成されていることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項記載の検査装置。
- 前記回収溝から前記流路を介して前記収容部材に液体が流れているか否かを検出する液流検出装置を備えた請求項3〜7のいずれか一項記載の検査装置。
- 前記回収溝の液体の液面の位置を検出する液面検出装置を備えた請求項1〜8のいずれか一項記載の検査装置。
- 前記周壁部の内側へ液体を供給する液体供給機構と、
前記検出装置の検出結果に基づいて、前記液体供給機構の動作を制御する制御装置とを備えた請求項8又は9記載の検査装置。 - 請求項1〜請求項10のいずれか一項記載の検査装置を用いる投影光学系の製造方法。
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