JP2006310587A - 露光装置及びデバイス製造方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】光路空間に満たされた液体の状態を素早く精確に検出し、デバイス生産性の低下を抑制できる露光装置を提供する。
【解決手段】露光装置EXは、液体LQに検出光Laを投射する投射部61と、液体LQを通過した検出光Laを受光可能な受光部62とを有し、受光部62の出力値を統計演算して、該演算結果に基づいて液体LQ中の気泡の情報を取得する気泡検出装置60を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液体を介して基板を露光する露光装置、及びデバイス製造方法に関するものである。
半導体デバイスや液晶表示デバイス等のマイクロデバイスの製造工程の一つであるフォトリソグラフィ工程では、マスク上に形成されたパターンを感光性の基板上に投影露光する露光装置が用いられる。この露光装置は、マスクを保持するマスクステージと基板を保持する基板ステージとを有し、マスクステージ及び基板ステージを逐次移動しながらマスクのパターンを投影光学系を介して基板に投影露光するものである。マイクロデバイスの製造においては、デバイスの高密度化のために、基板上に形成されるパターンの微細化が要求されている。この要求に応えるために露光装置の更なる高解像度化が望まれており、その高解像度化を実現するための手段の一つとして、下記特許文献に開示されているような、露光光の光路空間を液体で満たし、その液体を介して基板を露光する液浸露光装置が案出されている。
国際公開第99/49504号パンフレット 特開2004−207696号公報
液浸露光装置においては、光路空間を所望状態の液体で満たすことが重要である。例えば、光路空間に満たされた液体中に気泡が存在すると、この気泡により基板上に投影されるパターン像が劣化する可能性がある。そのようなパターン像の劣化を放置しておくと、最終的なデバイスになった後に不良品として発見される場合があり、この場合、デバイス生産性の低下を招くこととなる。そのため、液体中の気泡に関する情報を素早く精確に検出できる技術の案出が望まれる。
また、光路空間に満たされた液体が所望温度を有していない場合には、基板上に投影されるパターン像が劣化する可能性がある。そのため、液体の温度に関する情報を素早く精確に検出して、デバイス生産性の低下を抑制するための適切な処置を行うことができる技術の案出が望まれる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、光路空間に満たされた液体の状態を素早く精確に検出し、デバイス生産性の低下を抑制できる露光装置、並びにデバイス製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は実施の形態に示す各図に対応付けした以下の構成を採用している。但し、各要素に付した括弧付き符号はその要素の例示に過ぎず、各要素を限定するものではない。
本発明の第1の態様に従えば、露光光(EL)の光路空間(K1)を液体(LQ)で満たし、液体(LQ)を介して基板(P)上に露光光(EL)を照射して基板(P)を露光する露光装置において、液体(LQ)に検出光(La)を投射する投射部(61)と、液体(LQ)を通過した検出光(La)を受光可能な受光部(62)とを有し、受光部(62)の出力値を統計演算して、該演算結果に基づいて液体(LQ)中の気泡の情報を取得する気泡検出装置(60)を備えた露光装置(EX)が提供される。
本発明の第1の態様に従えば、液体中の気泡に関する情報を素早く精確に取得することができる。したがって、この検出結果に基づいて、デバイス生産性の低下を抑制するための適切な処置を行うことができる。
本発明の第2の態様に従えば、露光光(EL)の光路空間(K1)を液体(LQ)で満たし、液体(LQ)を介して基板(P)に露光光(EL)を照射して基板(P)を露光する露光装置において、液体(LQ)に検出光(La)を投射する投射部(61)と、液体(LQ)を通過した検出光(La)を受光可能な受光部(62)とを有し、受光部(62)の出力値を統計演算して、該演算結果に基づいて液体(LQ)の温度を調整する温度調整装置(60)を備えた露光装置(EX)が提供される。
本発明の第2の態様によれば、液体の温度に関する情報を素早く精確に取得することができ、その取得した情報に基づいて液体の温度を調整することができる。したがって、デバイス生産性の低下を抑制するための適切な処置を行うことができる。
本発明の第3の態様に従えば、上記態様の露光装置(EX)を用いるデバイス製造方法が提供される。
本発明の第3の態様によれば、生産性の低下を抑制しつつデバイスを製造することができる。
本発明によれば、光路空間に満たされた液体の状態を素早く精確に検出し、デバイス生産性の低下を抑制できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は第1実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図である。図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージMSTと、基板Pを保持する基板ホルダPHを有し、基板Pを保持した基板ホルダPHを移動可能な基板ステージPSTと、マスクステージMSTに保持されているマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターン像を基板P上に投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置CONTとを備えている。
本実施形態の露光装置EXは、露光波長を実質的に短くして解像度を向上するとともに焦点深度を実質的に広くするために液浸法を適用した液浸露光装置であって、投影光学系PLの像面近傍における露光光ELの光路空間K1を液体LQで満たすための液浸機構1を備えている。液浸機構1は、光路空間K1の近傍に設けられ、液体LQを供給する供給口12及び液体LQを回収する回収口22を有するノズル部材70と、供給管13、及びノズル部材70に設けられた供給口12を介して液体LQを供給する液体供給装置11と、ノズル部材70に設けられた回収口22、及び回収管23を介して液体LQを回収する液体回収装置21とを備えている。液体供給装置11及び液体回収装置21を含む液浸機構1の動作は制御装置CONTに制御される。ノズル部材70は、基板P(基板ステージPST)の上方において、投影光学系PLを構成する複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い最終光学素子LS1を囲むように環状に形成されている。
また、本実施形態の露光装置EXは、投影光学系PLの投影領域ARを含む基板P上の一部の領域に、投影領域ARよりも大きく且つ基板Pよりも小さい液体LQの液浸領域LRを局所的に形成する局所液浸方式を採用している。露光装置EXは、少なくともマスクMのパターン像を基板Pに投影している間、投影光学系PLの像面に最も近い最終光学素子LS1と、投影光学系PLの像面側に配置された基板Pとの間の露光光ELの光路空間K1を液体LQで満たし、投影光学系PLと光路空間K1に満たされた液体LQとを介してマスクMを通過した露光光ELを基板Pに照射することによって、マスクMのパターン像で基板Pを露光する。制御装置CONTは、液浸機構1の液体供給装置11を使って液体LQを所定量供給するとともに、液体回収装置21を使って液体LQを所定量回収することで、光路空間K1を液体LQで満たし、基板P上に液体LQの液浸領域LRを局所的に形成する。
また、露光装置EXは、光路空間K1に満たされた液体LQに検出光Laを投射する投射部61と、液体LQを通過した検出光Laを受光可能な受光部62とを有し、受光部62の出力値を統計演算して、その演算結果に基づいて液体LQ中の気泡の情報を取得する気泡検出装置60を備えている。気泡検出装置60の動作は制御装置CONTに制御される。
また、露光装置EXは、少なくとも投影光学系PLを収容するチャンバ装置CHを備えている。チャンバ装置CHは、投影光学系PL及び光路空間K1を含むチャンバ装置CHの内部空間の環境(温度、湿度、クリーン度等)を調整可能な空調系300を備えている。本実施形態では、照明光学系IL、マスクステージMST、投影光学系PL、及び基板ステージPSTを含む露光装置EXを構成する大部分の各種機器・部材がチャンバ装置CHの内部空間に収容されており、空調系300は、このチャンバ装置CHの内部空間の環境を調整可能である。
なお、本実施形態においては、液浸領域LRは基板P上に形成されるものとして説明する場合があるが、投影光学系PLの像面側において、最終光学素子LS1と対向する位置に配置された物体上、例えば基板ステージPSTの上面などにも形成可能である。
本実施形態では、露光装置EXとしてマスクMと基板Pとを走査方向に同期移動しつつマスクMに形成されたパターンの像を基板P上に投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)を使用する場合を例にして説明する。以下の説明において、水平面内においてマスクMと基板Pとの同期移動方向(走査方向)をY軸方向、水平面内においてY軸方向と直交する方向をX軸方向(非走査方向)、X軸及びY軸方向に垂直で投影光学系PLの光軸AXと一致する方向をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。なお、ここでいう「基板」は半導体ウエハ等の基材上に感光材(レジスト)を塗布したものを含み、「マスク」は基板上に縮小投影されるデバイスパターンを形成されたレチクルを含む。
照明光学系ILは、露光用光源、露光用光源から射出された光束の照度を均一化するオプティカルインテグレータ、オプティカルインテグレータからの露光光ELを集光するコンデンサレンズ、リレーレンズ系、及び露光光ELによるマスクM上の照明領域を設定する視野絞り等を有している。マスクM上の所定の照明領域は照明光学系ILにより均一な照度分布の露光光ELで照明される。照明光学系ILから射出される露光光ELとしては、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びFレーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)などが用いられる。本実施形態においてはArFエキシマレーザ光が用いられる。
本実施形態においては、液体LQとして純水が用いられている。純水は、ArFエキシマレーザ光のみならず、例えば、水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)も透過可能である。
マスクステージMSTは、マスクMを保持して移動可能である。マスクステージMSTは、マスクMを真空吸着(又は静電吸着)により保持する。マスクステージMSTは、制御装置CONTにより制御されるリニアモータ等を含むマスクステージ駆動装置MSTDの駆動により、マスクMを保持した状態で、投影光学系PLの光軸AXに垂直な平面内、すなわちXY平面内で2次元移動可能及びθZ方向に微少回転可能である。マスクステージMST上には移動鏡91が設けられている。また、所定位置にはレーザ干渉計92が設けられている。マスクステージMST上のマスクMの2次元方向の位置、及びθZ方向の回転角(場合によってはθX、θY方向の回転角も含む)は移動鏡91を使ってレーザ干渉計92によりリアルタイムで計測される。レーザ干渉計92の計測結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは、レーザ干渉計92の計測結果に基づいてマスクステージ駆動装置MSTDを駆動し、マスクステージMSTに保持されているマスクMの位置制御を行う。
投影光学系PLは、マスクMのパターンを所定の投影倍率βで基板Pに投影露光するものであって、複数の光学素子で構成されており、それら光学素子は鏡筒PKで保持されている。本実施形態において、投影光学系PLは、投影倍率βが例えば1/4、1/5、あるいは1/8の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、本実施形態においては、投影光学系PLを構成する複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い最終光学素子LS1のみが液体LQと接触するように、鏡筒PKに保持されている。
基板ステージPSTは、基板Pを保持する基板ホルダPHを有し、投影光学系PLの像面側において、ベース部材BP上で移動可能である。基板ホルダPHは、例えば真空吸着等により基板Pを保持する。基板ステージPST上には凹部96が設けられており、基板Pを保持するための基板ホルダPHは凹部96に配置されている。そして、基板ステージPSTのうち凹部96以外の上面97は、基板ホルダPHに保持された基板Pの表面とほぼ同じ高さ(面一)になるような平坦面となっている。なお、光路空間K1に液体LQを満たし続けることができるならば、基板ステージPSTの上面97と基板ホルダPHに保持された基板Pの表面とに段差があってもよい。
基板ステージPSTは、制御装置CONTにより制御されるリニアモータ等を含む基板ステージ駆動装置PSTDの駆動により、基板Pを基板ホルダPHを介して保持した状態で、ベース部材BP上でXY平面内で2次元移動可能及びθZ方向に微小回転可能である。更に基板ステージPSTは、Z軸方向、θX方向、及びθY方向にも移動可能である。したがって、基板ステージPSTに支持された基板Pの表面は、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に移動可能である。
基板ステージPSTの側面には移動鏡93が設けられている。また、所定位置にはレーザ干渉計94が設けられている。基板ステージPST上の基板Pの2次元方向の位置、及び回転角は移動鏡93を使ってレーザ干渉計94によりリアルタイムで計測される。レーザ干渉計94の計測結果は制御装置CONTに出力される。
次に、液浸機構1について説明する。液浸機構1の液体供給装置11は、液体LQを収容するタンク、加圧ポンプ、供給する液体LQの温度を調整する温度調整装置、及び液体LQ中の異物を取り除くフィルタユニット等を備えている。図1には一例として温度調整装置(温調装置)18が示されている。液体供給装置11には供給管13の一端部が接続されており、供給管13の他端部はノズル部材70に接続されている。液体供給装置11の液体供給動作は制御装置CONTにより制御される。制御装置CONTは、液体供給装置11を制御することで、供給口12からの単位時間当たりの液体供給量を調整可能である。なお、液体供給装置11のタンク、加圧ポンプ、温度調整装置、フィルタユニット等は、その全てを露光装置EXが備えている必要はなく、露光装置EXが設置される工場等の設備を代用してもよい。
液浸機構1の液体回収装置21は、真空ポンプ等の真空系、回収された液体LQと気体とを分離する気液分離器、及び回収した液体LQを収容するタンク等を備えている。液体回収装置21には回収管23の一端部が接続されており、回収管23の他端部はノズル部材70に接続されている。液体回収装置21の液体回収動作は制御装置CONTにより制御される。制御装置CONTは、液体回収装置21を制御することで、回収口22を介した単位時間当たりの液体回収量を調整可能である。なお、液体回収装置21の真空系、気液分離器、タンク等は、その全てを露光装置EXが備えている必要はなく、露光装置EXが設置される工場等の設備を代用してもよい。
液体LQを供給する供給口12及び液体LQを回収する回収口22はノズル部材70の下面70Aに形成されている。ノズル部材70の下面70Aは、基板Pの表面、及び基板ステージPSTの上面97と対向する位置に設けられている。ノズル部材70は、最終光学素子LS1の側面を囲むように設けられた環状部材であって、供給口12は、ノズル部材70の下面70Aにおいて、投影光学系PLの最終光学素子LS1(投影光学系PLの光軸AX)を囲むように複数設けられている。また、回収口22は、ノズル部材70の下面70Aにおいて、最終光学素子LS1に対して供給口12よりも外側に設けられており、最終光学素子LS1及び供給口12を囲むように設けられている。
そして、制御装置CONTは、液体供給装置11を使って基板P上に液体LQを所定量供給するとともに、液体回収装置21を使って基板P上の液体LQを所定量回収することで、投影光学系PLと基板Pとの間の露光光ELの光路空間K1を液体LQで満たし、基板P上に液体LQの液浸領域LRを局所的に形成する。液体LQの液浸領域LRを形成する際、制御装置CONTは、液体供給装置11及び液体回収装置21のそれぞれを駆動する。制御装置CONTの制御のもとで液体供給装置11から液体LQが送出されると、その液体供給装置11から送出された液体LQは、供給管13を流れた後、ノズル部材70の内部に形成された供給流路を介して、供給口12より投影光学系PLの像面側に供給される。また、制御装置CONTのもとで液体回収装置21が駆動されると、投影光学系PLの像面側の液体LQは回収口22を介してノズル部材70の内部に形成された回収流路に流入し、回収管23を流れた後、液体回収装置21に回収される。
次に、図2を参照しながら気泡検出装置60について説明する。気泡検出装置60は、基板Pと、基板Pと対向する位置に設けられ露光光ELが通過する最終光学素子LS1との間の光路空間K1に満たされた液体LQ中の気泡の情報を取得するものであって、光路空間K1の液体LQに検出光Laを投射する投射部61と、液体LQを通過した検出光Laを受光可能な受光部62とを有している。投射部61は、検出光Laを基板Pの表面に対して傾斜方向から投射することにより、光路空間K1の液体LQに検出光Laを投射する。検出光Laは、液体LQを介して基板Pの表面に投射される。基板Pの表面に投射され、その基板Pの表面で反射した検出光Laは、受光部62に到達可能となっている。投射部61は、検出光Laを光路空間K1に対して離れた位置から基板Pの表面に対して投射する。本実施形態においては、投射部61は光路空間K1に対して−X側(一方側)に離れた位置に設けられ、受光部62は光路空間K1に対して+X側(他方側)に離れた位置に設けられている。
ノズル部材70には、検出光Laを通過(透過)させるための通過部71が設けられている。通過部71は、検出光Laを透過可能な光学部材を含んで構成されている。投射部61から投射された検出光Laは、ノズル部材70に設けられた光学部材のうち、ノズル部材70の−X側の側面に設けられた第1面71Aより入射し、ノズル部材70の下面70Aのうち光路空間K1に対して−X側の領域に設けられた第2面71Bより射出される。射出面71Bより射出された検出光Laは、ノズル部材70の下面70Aと基板Pの表面との間に満たされている液体LQを通過した後、基板Pの表面に傾斜方向から照射される。基板Pの表面で反射した検出光Laは、ノズル部材70の下面70Aのうち光路空間K1に対して+X側の領域に設けられた第3面71Cより入射し、ノズル部材70の+X側の側面に設けられた第4面71Dより射出される。そして、第4面71Dより射出された検出光Laは受光部62に到達するようになっている。
ここで、第2面71B及び第3面71Cは、光路空間K1に対して供給口12よりも内側(光路空間K1に近い側)に設けられており、第2面71B及び第3面71Cは、光路空間K1に満たされた液体LQと接触(密着)するように設けられている。すなわち、本実施形態においては、液浸機構1は、ノズル部材70の下面70Aと基板Pの表面との間の空間を含む光路空間K1に液体LQを満たすようになっている。したがって、光路空間K1に満たされた液体LQ中に気泡を含む気体部分が無い場合には、第2面71Bから射出された検出光Laは、気体部分を通過することなく、液体LQを通過した後、基板Pの表面に到達し、その基板Pの表面で反射した後、気体部分を通過することなく、第3面71Cより入射する。
なお図2において、検出光Laが通過する第1面70A〜第4面70Dを有する光学部材の形状や配置(位置、角度など)は、検出光Laが基板Pの表面に照射され、基板P表面で反射した検出光Laが受光部62に到達するように最適化されているが、ここでは説明を簡単にするために詳細は省略する。
本実施形態の気泡検出装置60の投射部61は、液体LQ(基板Pの表面)に、複数の検出光Laを投射する。投射部61は、液体LQに複数の検出光Laを略同時に投射する。投射部61は、検出光Laを射出する複数の射出部を有しており、射出部の数に応じた複数の検出光Laを投射する。
図3は基板Pの表面に投射された検出光Laを示す模式図である。本実施形態においては、投射部61は25個の射出部を有しており、図3に示すように、基板P(液体LQ)には25本の検出光La(La1〜La25)が投射される。投射部61から投射される複数の検出光La1〜La25の基板Pの表面に対する入射角度はそれぞれ同じ角度に設定されており、投射部61から投射された複数(25本)の検出光La1〜La25は、基板P上におけるマトリクス状の複数の所定位置のそれぞれに照射される。受光部62は、投射部61から投射される複数の検出光La1〜La25に対応する複数(25個)の受光センサ62Sを有している。なお、図2では、図面を見やすくするため、複数の検出光La1〜La25、及び複数の受光センサ62Sのうち、一部の検出光La、及びそれに対応する受光センサ62Sが図示されている。
また、投射部61から投射される複数の検出光La1〜La25のうち、少なくとも一部の検出光Laは基板P上の投影領域ARに投射されるようになっている。本実施形態においては、基板P上においてマトリクス状に照射される25本の検出光La1〜La25のうち、中央の検出光La13が投影領域ARのほぼ中央部に照射される。また、本実施形態においては、投影領域ARの中央部と液浸領域LRの中央部とはほぼ一致しており、検出光La13は、液浸領域LRのほぼ中央部に照射される。
なお、本実施形態においては、検出光La1〜La25は、その断面視における形状をスリット状(矩形状)に設定された所謂スリット光であるが、スリット光に限られず、例えばその断面視における形状を略円形状に設定された所謂スポット光でもよい。
次に、気泡検出装置60による気泡検出の原理について説明する。気泡検出装置60の受光部62は、光路空間K1に所望状態の液体LQが満たされているとき、投射部61から投射され、液体LQを通過し、基板Pの表面で反射した検出光Laを受光可能なように設けられている。すなわち、基板Pの表面と基準面(例えば投影光学系PL及び液体LQを介して形成される像面)とが所定の位置関係になっているとともに、液体LQ中に気泡が無く、液体LQが所望状態である場合、投射部61から光路空間K1の液体LQに投射された検出光Laは、液体LQを通過して基板Pの表面で反射し、受光部62の受光センサ62Sの受光面上に設定された基準位置に所定の光量で到達するようになっている。また、液体LQが所望状態である場合、受光センサ62Sの出力値(受光信号)はほぼ一定となる。換言すれば、液体LQが所望状態である場合、受光センサ62Sの出力値は、時間経過に対して揺らぎの無いほぼ一定値となる。
一方、液体LQ中に気泡が存在し、検出光Laの光路上に気泡が配置されると、その検出光Laの一部が散乱したり、あるいはその検出光Laの光路が変動する等して、検出光Laが受光部62の受光センサ62Sに到達しない、あるいは検出光Laが受光センサ62Sの受光面上に到達する位置(受光位置)と基準位置とのずれ量が所定量以上となる、あるいは検出光Laの光量が低下された状態で受光センサ62Sに到達する等の状況が生じる。したがって、気泡検出装置60は、受光部62(受光センサ62S)の受光結果に基づいて、液体LQ中を通過する検出光Laの光路上に気泡が有るか否かを判断することができる。
例えば、図4の模式図に示すように、液体LQ中を通過する検出光Laの光路近傍に気泡が存在する場合、その気泡の影響によって、検出光Laの光路上の液体LQの状態(比重、密度等)が変動する可能性がある。すなわち、検出光Laの光路近傍に存在する気泡が液体LQ中を動くことによって、検出光Laの光路上の液体LQを揺らして比重(密度)等を変動させ、その比重(密度)等が変動した液体LQ中を検出光Laが通過することによって、その検出光Laに対応する受光センサの出力値に揺らぎが生じる可能性がある。すなわち、検出光Laの光路上に気泡が存在しなくても、検出光Laの光路近傍に存在する気泡の影響によって、その検出光Laに対応する受光センサ62Sの出力値に揺らぎが生じる現象が生じる。換言すれば、検出光Laの光路近傍に気泡が存在する場合、その検出光Laが受光センサ62Sの受光面上に到達する位置(受光位置)と基準位置とのずれ量が所定量以下であるものの、基準位置に対する受光位置が時間経過に伴って揺動する(揺らぐ)現象が生じる。したがって、気泡検出装置60は、受光部62(受光センサ62S)の受光結果に基づいて、検出光Laの光路上に配置された気泡のみならず、液体LQ中を通過する検出光Laの光路近傍に存在する気泡も検出することができる。
図5は受光部62の受光センサ62Sの出力値と時間との関係を示す図である。ここで、受光センサ62Sは、受光面上での基準位置と受光位置とのずれ量を出力値として出力するものとする。図5中、横軸は時間、縦軸は受光センサ62Sの受光面上での基準位置(ここでは0)と受光位置とのずれ量である。図5には25本の検出光La1〜La25のそれぞれに対応する受光センサ62Sの出力値のうち、一例として、第1、第2、第3の検出光La1、La2、La3に対応する受光センサ62Sの出力値が示されている。
第1、第2の検出光La1、La2に対応する受光センサ62Sの出力値(受光位置)は、基準値(基準位置)に対するずれ量が所定量以下であるとともに、基準値に対してほぼ一定であり、大きな揺らぎが生じていないため、第1、第2の検出光La1、La2の光路上及び光路近傍には気泡が存在しないと判断される。
一方、第3の検出光La3に対応する受光センサの出力値(受光位置)は、基準値(基準位置)に対するずれ量が所定量以下であるものの、揺らぎが大きいため、第3の検出光Laの光路上には気泡が存在しないものの、第3の検出光La3の光路近傍に気泡が存在していると判断される。
また、気泡検出装置60は、基板ステージPSTに保持されている基板Pの表面の面位置情報を検出可能な所謂斜入射方式のフォーカス・レベリング検出系として機能する。フォーカス・レベリング検出系は、基板Pの表面の面位置情報(Z軸方向の位置情報、及びθX及びθY方向の傾斜情報)を検出する。制御装置CONTは、フォーカス・レベリング検出系として機能する気泡検出装置60の検出結果に基づいて、基板ステージ駆動装置PSTDを駆動し、基板Pのフォーカス位置(Z位置)及び傾斜角(θX、θY)を制御して基板Pの表面と投影光学系PL及び液体LQを介した像面との位置関係を調整可能であるとともに、レーザ干渉計94の計測結果に基づいて、基板PのX軸方向、Y軸方向、及びθZ方向における位置制御を行うことができる。
次に、上述の露光装置EXを用いて基板Pを露光する方法について図6のフローチャート図を参照しながら説明する。
まず、制御装置CONTは、液体LQが存在していない初期状態の光路空間K1を液体LQで満たすために、基板ステージPSTを所定の位置(初期満たし位置)に移動する(ステップSA1)。なお、基板ステージPST(基板ホルダPH)には基板Pが既にロードされている。
ここで、以下の説明においては、液体LQが存在していない初期状態の光路空間K1を液体LQで満たすために、その光路空間K1に対して液体LQを供給する動作を適宜、「初期満たし動作」と称する。すなわち、初期満たし動作とは、液体LQが無い状態(空の状態)の光路空間K1に対して液体LQを供給することによって、その光路空間K1を液体LQで満たす動作を言う。
本実施形態においては、光路空間K1を初期満たしするために、制御装置CONTは、投影光学系PLの最終光学素子LS1と、基板ステージPSTの上面97とが対向するように、基板ステージ駆動装置PSTDを介して基板ステージPSTの位置を調整する。
基板ステージPSTを初期満たし動作可能な初期満たし位置へ移動した後、制御装置CONTは、光路空間K1の初期満たし動作を開始する(ステップSA2)。すなわち、制御装置CONTは、最終光学素子LS1と基板ステージPSTの上面97とを対向させ、最終光学素子LS1と基板ステージPSTの上面97との間の液体LQが存在していない光路空間K1に対する液体LQの供給を開始する。制御装置CONTは、最終光学素子LS1と基板ステージPSTの上面97とを対向させた状態で、その最終光学素子LS1と基板ステージPSTの上面97との間に液浸機構1を使って液体LQを供給することで、最終光学素子LS1の像面側の光路空間K1を液体LQで満たすことができる。光路空間K1を液体LQで満たす際には、制御装置CONTは、液浸機構1の液体供給装置11による液体供給動作と、液体回収装置21による液体回収動作とを並行して行う。
上述のステップSA1やステップSA2においては、基板ステージPSTに設けられているエンコーダなどの位置計測装置によって、基板Pを含む基板ステージPSTのZ軸方向の位置、ひいては最終光学素子LS1の下面と基板ステージPSTの上面97との間のギャップが計測され、制御装置CONTは、その位置計測装置の計測結果に基づいて、基板ステージPSTのZ軸方向及びθX、θY方向の位置制御(サーボ制御)を行う。
そして、液浸機構1の液体供給装置11による液体供給動作と、液体回収装置21による液体回収動作とを所定時間並行して行うことにより、光路空間K1が液体LQで満たされ、初期満たし動作が終了する(ステップSA3)。なお、本実施形態においては、制御装置CONTは、初期満たし動作のために光路空間K1に液体LQの供給を開始したときから、予め設定された所定時間経過後に、初期満たし動作が終了したと判断する。
次に、制御装置CONTは、基板ステージPSTをXY方向に移動して液体LQの液浸領域LRを基板P上に移動した後、気泡検出装置(フォーカス・レベリング検出系)60の受光部62を構成する複数(25個)の受光センサ62Sのうち、所定の受光センサ62Sを用いて、基板ステージPSTに保持された基板Pの表面の面位置情報の取得(サーボ)を開始する。そして、制御装置CONTは、その取得した面位置情報に基づいて、基板Pの表面のZ軸方向及びθX、θY方向の位置制御(サーボ制御)を開始する(ステップSA4)。
以下の説明においては、初期満たし終了後、基板Pの表面の位置制御(サーボ制御)を開始するときに使用される受光センサ62Sを適宜、「第1の所定センサ」と称する。
上述したように、気泡検出装置(フォーカス・レベリング検出系)60の受光部62は、光路空間K1に液体LQが満たされているとき、投射部61から投射され、液体LQを通過し、基板Pの表面で反射した検出光Laを受光可能なように設けられているため、初期満たし終了前においては、基板Pを含む基板ステージPSTのZ軸方向及びθX、θY方向の位置情報は、基板ステージPSTに設けられたエンコーダ等の位置計測装置によって計測され、初期満たし終了後においては、気泡検出装置(フォーカス・レベリング検出系)60によって計測される。
本実施形態においては、初期満たし終了した後、基板Pの表面の位置制御(サーボ制御)を開始するときに使用される第1の所定センサとして、液浸領域LRの中央部に照射される所定数の検出光(例えば検出光La8、La12、La14、La18など)に対応する受光センサ62Sが用いられる。そして、制御装置CONTは、この第1の所定センサの受光結果に基づいて、基板Pのサーボ制御を開始する。なお、上述の第1の所定センサは一例であって、基板Pのサーボ制御を開始するとき、他の検出光Laに対応する受光センサ62Sの検出結果を使用してもよい。あるいは、上述の検出光La8、La12、La14、La18に対応する受光センサ62Sに加えて、例えば中央部の検出光La13に対応する受光センサ62Sを用い、これら検出光La8、La12、La13、La14、La18のそれぞれに対応する受光センサ62Sを第1の所定センサとし、サーボ制御を開始するときには、その第1の所定センサの検出結果を用いるようにしてもよい。
制御装置CONTは、第1の所定センサの受光結果に基づいて、第1の所定センサがサーボ可能な状態であるか否かを判別する(ステップSA5)。
ここで、サーボ可能な状態とは、受光部62(受光センサ62S)から所定の出力値が出力される状態を言う。具体的には、検出光Laが受光センサ62Sの受光面上に到達する位置(受光位置)と基準位置とのずれ量が所定量以下である状態を言う。制御装置CONTは、受光部62(受光センサ62S)からの出力値に基づいて、サーボ可能な状態か否かを判断することができる。
サーボ可能な状態であるか否かを判別するとき、制御装置CONTは、第1の所定センサの受光結果をモニタしつつ、基板Pを保持した基板ステージPSTをZ軸方向に移動し、第1の所定センサがサーボ可能な基板P(基板ステージPST)のZ軸方向の位置を探す動作を実行する。サーボ可能な基板P(基板ステージPST)のZ軸方向の位置は、基板ステージPSTのZ軸方向の全ストロークのうちの一部の範囲であるため、制御装置CONTは、基板ステージPSTをZ軸方向に移動しつつ、第1の所定センサがサーボ可能な位置を探す。また、第1の所定センサがサーボ可能な位置を探すときには、基板P(基板ステージPST)のZ軸方向の位置制御(フォーカス位置制御)のみならず、第1の所定センサを構成する複数の受光センサ62Sのそれぞれがサーボ可能な状態となるように、基板P(基板ステージPST)のθX、θY方向の位置制御(レベリング制御)も行われる。
ステップSA5において、第1の所定センサがサーボ可能であると判断した場合、制御装置CONTは、第1の所定センサ以外の受光センサ62S(第2の所定センサ)もサーボ可能な状態か否かを確認する(ステップSA6)。
以下の説明においては、第1の所定センサがサーボ可能であると判断された後、次にサーボ可能であるか否かが判断される受光センサ62Sを適宜、「第2の所定センサ」と称する。本実施形態においては、第2の所定センサとして、例えば検出光La1、La5、La11、La15、La21、La25に対応する受光センサ62Sが用いられる。
そして、制御装置CONTは、第2の所定センサもサーボ可能な状態であるか否かを判別する(ステップSA7)。
ステップSA7において、第2の所定センサがサーボ可能であると判断した場合、制御装置CONTは、サーボ可能な第1、第2の所定センサの出力値を取得する(ステップSA8)。
制御装置CONTは、上述の第1、第2の所定センサの出力値を、所定のサンプリング間隔で所定時間取得する。そして、制御装置CONTは、受光部62(受光センサ62S)の出力値を統計演算して、その演算結果に基づいて、液体LQ中の気泡の情報を取得する。
具体的には、制御装置CONTは、例えば0.025秒のサンプリング間隔で、10秒間、第1、第2の所定センサの出力値を取得する。そして、制御装置CONTは、この複数の出力値の平均値のまわりの散らばり度合いに基づいて、液体LQ中の気泡の有無を検出する。
本実施形態においては、制御装置CONTは、所定のサンプリング間隔で所定時間取得した複数の出力値の標準偏差を導出する(ステップSA9)。標準偏差は、第1、第2の所定センサを構成する複数(ここでは10個)の受光センサ62Sの出力値毎に導出される。
制御装置CONTは、導出した標準偏差値が、予め設定されている所定値以下か否かを判別する(ステップSA10)。
すなわち、標準偏差値が大きいということは、図4や図5等を参照して説明したように、受光センサ62Sの出力値の揺らぎが大きいということになり、検出光Laの光路近傍に気泡が存在しているということになる。したがって、複数(ここでは10個)の受光センサ62Sのうち、例えば検出光La11に対応する受光センサ62Sの出力値に基づく標準偏差値が所定値よりも大きい場合には、検出光La11の光路近傍に気泡が存在すると判断することができる。
ここで、所定値とは、光路空間K1に満たされている液体LQを所望状態に維持することができる標準偏差値の許容値、ひいては液体LQ中を通過する光(検出光La、露光光EL等)を所望状態で通過させることができる許容値である。標準偏差値が所定値以下であれば、気泡に起因する光の揺らぎが小さく、存在する気泡の数や大きさが許容レベル以下であるため、検出光Laを用いて基板Pの面位置情報を検出するときの検出精度や、露光光ELを用いて基板PにマスクMのパターンを露光するときの露光精度は維持される。一方、標準偏差値が所定値以上である場合、気泡に起因する光の揺らぎが大きく、また存在する気泡の数や大きさが許容レベル以上であるため、検出光Laを用いて基板Pの面位置情報を検出するときの検出精度や、露光光ELを用いて基板PにマスクMのパターンを露光するときの露光精度を維持することができない。この所定値は、予め実験やシミュレーションによって求めておくことができ、制御装置CONTに記憶されている。
このように、制御装置CONTは、導出した標準偏差に基づいて、液体LQ中の気泡の有無を検出する。また、投射部61は液体LQに複数の検出光La1〜La25を投射し、受光部62は複数の検出光La1〜La25のそれぞれに対応する受光センサ62Sを含んで設けられているため、制御装置CONTは、複数の受光センサ62Sそれぞれの受光結果に基づいて、液体LQ中における気泡の位置を求めることができる。具体的には、制御装置CONTは、複数の受光センサ62Sそれぞれの受光結果に基づいて、液体LQ中の気泡が、複数の検出光La1〜La25のうちどの検出光の近傍に存在するのかを求めることができる。
ステップSA10において、導出した標準偏差値が所定値以下であると判断した場合、制御装置CONTは、液体LQ中に気泡が無い、あるいは存在しているとしてもその数や大きさは許容レベル以下と判断し、正常な露光動作を行うことができると判断し、基板Pの露光動作へと移行する(ステップSA11)。
なお、上述のステップSA5において、サーボ不能であると判断した場合、制御装置CONTは、基板ステージPSTを、Z軸方向の全ストロークにわたって大きく動かし、サーボ可能な位置を探す(ステップSA12)。気泡以外の何らかの原因でサーボ不能な状況が発生したことも考えられるため、制御装置CONTは、基板ステージPSTをZ軸方向に大きく動かし、第1の所定センサがサーボ可能な位置を探す。
そして、再び、第1の所定センサがサーボ可能な状態となったか否かが判断される(ステップSA13)。検出光La8、La12、La14、La18に対応する受光センサの受光結果をモニタしつつ、基板ステージPSTをZ軸方向に大きく動かして、第1の所定センサがサーボ可能な位置を探す動作を実行しても、サーボ不能である場合には、例えば光路空間K1に満たされた液体LQ中に多量の気泡、あるいは巨大な気泡が存在する等の不都合が発生している可能性が高いため、制御装置CONTは、光路空間K1を満たす液体LQ中に許容レベル以上の気泡があると判断し、光路空間K1の液体LQを排除(全て回収)する(ステップSA14)。光路空間K1の液体LQを排除する場合には、制御装置CONTは、液体供給装置11(供給口12)から光路空間K1に対する液体LQの供給を停止し、その液体LQの供給を停止した後においても、液体回収装置21(回収口22)を用いた液体LQの回収を所定時間継続する。そして、制御装置CONTは、初期満たし動作を再度実行する。
また、上述のステップSA7において、第2の所定センサがサーボ不能であると判断した場合、制御装置CONTは、液体LQ中に気泡があると判断し、液体LQを排除した後(ステップSA14)、初期満たし動作を再度実行する(ステップSA2)。
また、上述のステップSA10において、導出した標準偏差値が所定値以上であると判断した場合、制御装置CONTは、液体LQ中に許容レベル以上の気泡があると判断し、光路空間K1の液体LQを排除した後(ステップSA14)、初期満たし動作を再度実行する(ステップSA2)。
なお、所定回数(例えば3回)連続して初期満たし動作を再度実行するような状況が生じた場合には、制御装置CONTは、初期満たし動作が正常に実行されない旨を不図示の表示装置や警報装置で通知し、基板ステージPSTを初期満たし位置に移動し、光路空間K1の液体LQを排除した状態とすることができる。
以上説明したように、気泡検出装置60によって、検出光Laの光路上に存在する気泡はもちろん、検出光Laの光路近傍(光路上以外の領域)に存在する気泡も検出することができ、光路空間K1に満たされた液体LQ中の気泡の情報を素早く精確に取得することができる。したがって、取得した気泡の情報に基づいて、例えば気泡が有る場合には初期満たし動作を再度実行して気泡を排除する等、デバイス生産性の低下を抑制するための適切な処置を行うことができる。
なお、本実施形態においては、初期満たし動作後、基板Pを露光する前に、気泡検出装置60を用いて液体LQ中の気泡の情報を取得しているが、基板Pを液浸露光中に、気泡検出装置60を用いて液体LQ中の気泡の情報を取得することも可能である。そして、基板Pの液浸露光中に、導出した標準偏差値が所定値以上となった場合、例えば露光処理動作を中断したり、あるいは不図示の表示装置や警報装置を用いて、標準偏差値が所定値以上になった旨を通知することができる。また、気泡検出装置60を用いた液体LQ中の気泡の情報を取得する動作は、初期満たし動作直後のみならず、例えば所定時間間隔毎、所定基板処理枚数毎(ロット毎)などに実行してもよい。
また、気泡検出装置60は、気泡の位置を求めることができるため、例えば気泡の位置を表示装置で表示するなどの動作を行うことができる。また、受光センサ62Sの出力値の揺らぎの度合い(標準偏差値)に基づいて、気泡の数や大きさを推測することも可能である。
なお、上述の実施形態において、検出光Laの光路上に存在する気泡を検出するために、受光部62の一部として、投射部61からの検出光Laが直接入射しない位置に散乱光を受光するための不図示の散乱光用センサを配置し、投射部61からの検出光Laが液体LQ中の気泡に当たって反射する散乱光を、その散乱光用センサで受光(暗視野検出)することによって、検出光Laの光路上の気泡の有無を判断することもできる。気泡に投射された検出光Laは散乱するため、気泡に投射された検出光Laの一部が散乱することで、通常では検出されない強い光が散乱光用センサに入射し、この検出光Laに対応する受光センサ62Sに受光される光強度が低下する。制御装置CONTは、この散乱光用センサ及び受光センサ62Sで検出される光の強度に基づいて、検出光Laの光路上に気泡が存在するか否かを検出することもできる。また、散乱光用センサを設けた場合には、その散乱光用センサで検出される光の強度に基づいて気泡の大きさや量を求めることができる。例えば、小さい気泡はより大きな角度で光を散乱するので、制御装置CONTは、散乱光用センサの検出結果に基づいて、気泡からの散乱光の方向を求めることにより、気泡の大きさを求めることができる。更に、受光した光の強度を検出することで基板P上の単位面積当たりの気泡の量を求めることもできる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図7に示す露光装置EXは、基板Pを保持する基板ステージPSTと、露光処理に関する計測を行う計測器を搭載し、基板ステージPSTとは独立して移動可能な計測ステージKSTとを備えている。計測ステージKSTには、基準マークが形成された基準部材や各種の光電センサが搭載されている。なお、計測ステージKSTの詳細は、例えば特開平11−135400号公報や特開2000−164504号公報等に開示されている。
上述の第1実施形態においては、最終光学素子LS1と基板ステージPSTの上面97とを対向させた状態で初期満たし動作を行っているが、初期満たし動作を実行するときや液体LQ中の気泡の情報を取得するとき、図7に示すように、投影光学系PLと計測ステージKSTとを対向させた状態で行ってもよい。また、制御装置CONTは、投影光学系PLの最終光学素子LS1の光射出側に形成された液浸領域LRを、基板ステージPST上と計測ステージKST上との間で移動可能である。液浸領域LRを移動する際には、制御装置CONTは、基板ステージPSTの上面と計測ステージKSTの上面とを接触又は接近させた状態で、基板ステージPSTと計測ステージKSTとをXY方向に一緒に移動し、液浸機構1によって形成された液浸領域LRを基板ステージPSTの上面と計測ステージKSTの上面との間で移動する。こうすることにより、基板ステージPSTと計測ステージKSTとの隙間(ギャップ)からの液体LQの流出を抑えつつ、投影光学系PLの光路空間K1を液体LQで満たした状態で、基板ステージPST上と計測ステージKST上との間で液浸領域LRを移動することができる。したがって、計測ステージKST上で初期満たし動作などを行った後、液浸領域LRを基板ステージPST上に移動することにより、基板Pを液浸露光することができる。
なお、初期満たし動作を実行するときや液体LQ中の気泡の情報を取得するときには、投影光学系PLの最終光学素子LS1と基板ステージPST及び計測ステージKST以外の所定の物体(例えば基板P)とを対向させた状態で行うようにしてもよい。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。上述の第1実施形態においては、ノズル部材70に検出光Laを通過させるための通過部71を設け、気泡検出装置60の検出光Laはノズル部材70の通過部71を通過する構成であるが、本実施形態においては、図8に示すように、投射部61から投射された検出光Laは、光路空間K1に満たされた液体LQの一方側(−X側)の界面から入射し、他方側(+X側)の界面から射出され、受光部62に到達するように設けられている。なお、第3実施形態の検出光Laはノズル部材70(通過部71)を通過しないが、上述の第1、第2実施形態同様、投射部61には25個の射出部が設けられており、基板P(液体LQ)には25本の検出光Laが投射される。また、投射部61から投射される複数の検出光La1〜La25の基板Pの表面に対する入射角度はそれぞれ同じ角度に設定されており、投射部61から投射された複数(25本)の検出光La1〜La25は、基板P上においてマトリクス状の複数の所定位置のそれぞれに照射される。また、受光部62は、投射部61から投射される複数の検出光La1〜La25に対応する複数(25個)の受光センサ62Sを有している。
第1の所定センサを用いてサーボを開始するとき(ステップSA4)、第1の所定センサとして、検出光La8、La12、La13、La14、La18など液浸領域LRの中央部に照射される検出光に対応する受光センサ62Sを用いることにより、気泡の影響を大きく受けずに、受光センサ62Sによって検出光を受光することができる。すなわち、液浸領域LRの中央部に照射される検出光La8、La12、La13、La14、La18の光路は比較的気泡の影響を受けにくい光路に設定されている。
図9の模式図に示すように、気泡は液体LQとの比重差により液浸領域LRの上部に集まりやすいが、第1の所定センサ以外の受光センサ62Sに対応する検出光La(例えば検出光La11、La15等)は、投射部61と受光部62との間において、液浸領域LRの上部を通過するので、その光路上に気泡が配置される可能性が高い。したがって、その検出光La(La11、La15等)に対応する受光センサ65Sは気泡の影響を受けやすいこととなる。一方、第1の所定センサに対応する検出光Laは、投影領域AR(液浸領域LR)の中央部を通る形態であって、その検出光Laの光路は液浸領域LRの上部を通過しないため、気泡の影響を受けにくい。したがって、サーボ制御を開始するときには、気泡の影響を受けにくい光路に設定されている検出光Laの受光結果に基づいて、サーボ制御を開始することにより、サーボ制御を円滑に開始することができる。
なお、図6のステップSA7等において、検出光La1、La5、La11、La15、La21、La25などに対応する受光センサ62Sを含む第2の所定センサがサーボ不能なときには、これらの検出光の光路は液浸領域LRの上部に設けられているため、制御装置CONTは、液浸領域LRの上部(ノズル部材70の下面70A近傍)に気泡があると判断できる。このように、制御装置CONTは、第2の所定センサの出力値に基づいて、気泡のZ軸方向の位置を求めることができる。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態の露光装置EXは、上述の気泡検出装置60の受光部62の出力値を統計演算して、その演算結果に基づいて、光路空間K1の液体LQの温度を調整する。光路空間K1の液体LQの温度を調整するための温度調整装置は、上述の投射部61、受光部62、液体供給装置11の温調装置18、及び制御装置CONTを含んで構成されている。
光路空間K1に満たされた液体LQ中に温度分布が発生すると、液体LQを通過する光(検出光La、露光光EL等)に対する屈折率分布が生じる。この屈折率分布によって、受光部62で検出光Laを受光したときの出力値に揺らぎが生じる。制御装置CONTは、上述の実施形態同様、受光部62の複数の出力値の平均値のまわりの散らばり度合いに基づいて、液体LQの温度分布(ひいては屈折率分布)が低減されるように、光路空間K1の液体LQの温度を調整する。具体的には、制御装置CONTは、受光部62の出力値を所定のサンプリング間隔で所定時間取得し、出力値の標準偏差に基づいて、標準偏差値が予め定められた所定値以下となるように、液体供給装置11に設けられた温調装置18を制御し、液体供給装置11によって光路空間K1に供給される液体LQの温度を調整することによって、光路空間K1の液体LQの温度を調整する。
光路空間K1に満たされた液体LQの温度分布の発生の原因の1つとして、液体供給装置11より光路空間K1に供給される液体LQの温度と、空調系300により調整される露光装置EXを収容するチャンバ装置CHの内部空間の温度との差が挙げられる。上述のように、空調系300は、光路空間K1近傍の空間の温度を調整可能である。
液体供給装置11の温調装置18を用いて、光路空間K1に供給される液体LQを所望温度に調整できたとしても、光路空間K1に供給された液体LQの温度と、空調系300により調整された光路空間K1近傍の空間の温度との間に差があると、その温度差に起因して、光路空間K1を満たす液体LQ中に温度分布(屈折率分布)が生じる可能性がある。液体LQの温度分布(屈折率分布)は、基板P上に投影するパターン像の劣化を招く。
そこで、制御装置CONTは、受光部62の出力値を統計演算して、液体LQの温度分布の情報(ひいては屈折率分布の情報)を取得し、光路空間K1に供給された液体LQとその周囲の空間との間の温度差を低減するように、すなわち、光路空間K1に満たされる液体LQの温度分布(屈折率分布)を低減するように、液体供給装置11に設けられた温調装置18を制御する。
制御装置CONTは、受光部62からの出力値に基づいて導出した標準偏差値が予め定められた所定値以下となるように、すなわち液体LQの温度分布に起因する受光部62の出力値の揺らぎが低減されるように、温調装置18を使って、光路空間K1に対して供給する液体LQの温度を調整する。こうすることにより、液体LQの温度の情報を素早く精確に取得することができるとともに、液体LQの温度(温度分布)を所望状態にすることができる。したがって、デバイス生産性の低下を抑制することができる。
なお、第4実施形態の温度調整装置60も、基板Pの面位置情報を検出可能なフォーカス・レベリング検出系としての機能を備えている。
なお、上述の気泡検出装置(温度調整装置)60に、基板Pの面位置情報を検出するためのフォーカス・レベリング検出系の機能を持たせずに、気泡検出装置(温度調整装置)60とは別に、基板P表面の面位置情報を検出するフォーカス・レベリング検出系を搭載してもよい。このフォーカス・レベリング検出系は、光学的な検出系であってもよいし、非光学的な検出系であってもよい。また、このフォーカス・レベリング検出系は、液体LQを介して検出を行うものであってもよいし、液体LQを介さずに検出するものであってもよい。
上述したように、本実施形態における液体LQは純水により構成されている。純水は、半導体製造工場等で容易に大量に入手できるとともに、基板P上のフォトレジストや光学素子(レンズ)等に対する悪影響がない利点がある。また、純水は環境に対する悪影響がないとともに、不純物の含有量が極めて低いため、基板Pの表面、及び投影光学系PLの先端面に設けられている光学素子の表面を洗浄する作用も期待できる。なお工場等から供給される純水の純度が低い場合には、露光装置が超純水製造器を持つようにしてもよい。
そして、波長が193nm程度の露光光ELに対する純水(水)の屈折率nはほぼ1.44程度と言われており、露光光ELの光源としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)を用いた場合、基板P上では1/n、すなわち約134nmに短波長化されて高い解像度が得られる。更に、焦点深度は空気中に比べて約n倍、すなわち約1.44倍に拡大されるため、空気中で使用する場合と同程度の焦点深度が確保できればよい場合には、投影光学系PLの開口数をより増加させることができ、この点でも解像度が向上する。
本実施形態では、投影光学系PLの先端に光学素子LS1が取り付けられており、この光学素子により投影光学系PLの光学特性、例えば収差(球面収差、コマ収差等)の調整を行うことができる。なお、投影光学系PLの先端に取り付ける光学素子としては、投影光学系PLの光学特性の調整に用いる光学プレートであってもよい。あるいは露光光ELを透過可能な平行平面板であってもよい。
なお、液体LQの流れによって生じる投影光学系PLの先端の光学素子と基板Pとの間の圧力が大きい場合には、その光学素子を交換可能とするのではなく、その圧力によって光学素子が動かないように堅固に固定してもよい。
なお、本実施形態では、投影光学系PLと基板P表面との間は液体LQで満たされている構成であるが、例えば基板Pの表面に平行平面板からなるカバーガラスを取り付けた状態で液体LQを満たす構成であってもよい。
また、上述の実施形態の投影光学系は、先端の光学素子の像面側の光路空間を液体で満たしているが、国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているように、先端の光学素子の物体面側の光路空間も液体で満たす投影光学系を採用することもできる。すなわち、気泡検出装置60を用いた検出動作は、最終光学素子LS1の像面側の光路空間K1に満たされた液体LQに対してのみならず、最終光学素子LS1の物体面側に満たされる液体LQに対しても行うことができる。
なお、本実施形態の液体LQは水であるが、水以外の液体であってもよい、例えば、露光光ELの光源がFレーザである場合、このFレーザ光は水を透過しないので、液体LQとしてはFレーザ光を透過可能な例えば、過フッ化ポリエーテル(PFPE)やフッ素系オイル等のフッ素系流体であってもよい。この場合、液体LQと接触する部分には、例えばフッ素を含む極性の小さい分子構造の物質で薄膜を形成することで親液化処理する。また、液体LQとしては、その他にも、露光光ELに対する透過性があってできるだけ屈折率が高く、投影光学系PLや基板P表面に塗布されているフォトレジストに対して安定なもの(例えばセダー油)を用いることも可能である。
また、液体LQとしては、屈折率が1.6〜1.8程度のものを使用してもよい。更に、石英や蛍石よりも屈折率が高い(例えば1.6以上)材料で光学素子LS1を形成してもよい。
なお、上記各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
また、露光装置EXとしては、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で第1パターンの縮小像を投影光学系(例えば1/8縮小倍率で反射素子を含まない屈折型投影光学系)を用いて基板P上に一括露光する方式の露光装置にも適用できる。この場合、更にその後に、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で第2パターンの縮小像をその投影光学系を用いて、第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光するスティッチ方式の一括露光装置にも適用できる。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、本発明は、特開平10−163099号公報、特開平10−214783号公報、特表2000−505958号公報などに開示されているような複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
また、基板を保持する基板ステージと、基準マークが形成された基準部材や各種の光電センサを搭載した計測ステージとを複数備えた露光装置にも本発明を適用することができる。
また、上述の実施形態においては、投影光学系PLと基板Pとの間に局所的に液体を満たす露光装置を採用しているが、本発明は、特開平6−124873号公報、特開平10−303114号公報、米国特許第5,825,043号などに開示されているような露光対象の基板の表面全体が液体中に浸かっている状態で露光を行う液浸露光装置にも適用可能である。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6,778,257号公報に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスクを用いてもよい。
また、国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
本願実施形態の露光装置EXは、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図10に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクのパターンを基板に露光する露光処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
露光装置の一実施形態を示す概略構成図である。 気泡検出装置の一実施形態を説明するための側面図である。 気泡検出装置を説明するための平面図である。 気泡検出装置の検出原理を説明するための模式図である。 気泡検出装置の検出原理を説明するための図である。 露光装置の動作の一例を説明するためのフローチャート図である。 露光装置の別の実施形態を説明するための図である。 気泡検出装置の別の実施形態を説明するための図である。 気泡検出装置の検出原理を説明するための模式図である。 マイクロデバイスの製造工程の一例を説明するためのフローチャート図である。
符号の説明
1…液浸機構、11…液体供給装置、18…温調装置(温度調整装置)、60…気泡検出装置、61…投射部、62…受光部、EL…露光光、EX…露光装置、K1…光路空間、La(La1〜La25)…検出光、LQ…液体、LS1…最終光学素子、P…基板

Claims (12)

  1. 露光光の光路空間を液体で満たし、前記液体を介して基板上に露光光を照射して前記基板を露光する露光装置において、
    前記液体に検出光を投射する投射部と、前記液体を通過した検出光を受光可能な受光部とを有し、前記受光部の出力値を統計演算して、該演算結果に基づいて前記液体中の気泡の情報を取得する気泡検出装置を備えた露光装置。
  2. 前記気泡検出装置は、前記受光部の複数の出力値の平均値のまわりの散らばり度合いに基づいて、前記液体中の気泡の有無を検出する請求項1記載の露光装置。
  3. 前記気泡検出装置は、前記出力値を所定のサンプリング間隔で所定時間取得し、前記出力値の標準偏差に基づいて、前記液体中の気泡の有無を検出する請求項1又は2記載の露光装置。
  4. 前記投射部は前記液体に複数の検出光を投射し、前記受光部は前記複数の検出光のそれぞれに対応して設けられ、前記受光部の受光結果に基づいて前記液体中における気泡の位置を求める請求項1〜3のいずれか一項記載の露光装置。
  5. 前記気泡検出装置は、前記基板と、該基板と対向する位置に設けられ前記露光光が通過する光学部材との間の光路空間に満たされた液体中の気泡を検出する請求項1〜4のいずれか一項記載の露光装置。
  6. 前記気泡検出装置は、前記基板の面位置情報を検出可能である請求項1〜5のいずれか一項記載の露光装置。
  7. 前記演算結果に基づいて、前記液体の温度を調整する温度調整装置を更に備えた請求項1〜6のいずれか一項記載の露光装置。
  8. 露光光の光路空間を液体で満たし、前記液体を介して基板に露光光を照射して前記基板を露光する露光装置において、
    前記液体に検出光を投射する投射部と、前記液体を通過した検出光を受光可能な受光部とを有し、前記受光部の出力値を統計演算して、該演算結果に基づいて前記液体の温度を調整する温度調整装置を備えた露光装置。
  9. 前記温度調整装置は、前記受光部の複数の出力値の平均値のまわりの散らばり度合いに基づいて、前記液体の温度を調整する請求項8記載の露光装置。
  10. 前記光路空間に対して液体を供給する液体供給装置を備え、
    前記温度調整装置は、前記液体供給装置によって供給される液体の温度を調整する請求項8又は9記載の露光装置。
  11. 前記温度調整装置は、前記基板の面位置情報を検出可能である請求項8〜10のいずれか一項記載の露光装置。
  12. 請求項1〜請求項11のいずれか一項記載の露光装置を用いるデバイス製造方法。
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