以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は第1実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図である。図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ3と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ4と、マスクステージ3に保持されているマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターン像を基板P上に投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置7とを備えている。なお、ここでいう基板は半導体ウエハ等の基材上に感光材(フォトレジスト)を塗布したものを含み、マスクは基板上に縮小投影されるデバイスパターンを形成されたレチクルを含む。なお、本実施形態においては、マスクとして透過型のマスクを用いるが、反射型のマスクを用いてもよい。
本実施形態では、露光装置EXとしてマスクMと基板Pとを走査方向に同期移動しつつマスクMに形成されたパターンを基板Pに露光する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)を使用する場合を例にして説明する。以下の説明において、水平面内においてマスクMと基板Pとの同期移動方向(走査方向)をY軸方向、水平面内においてY軸方向と直交する方向をX軸方向(非走査方向)、X軸及びY軸方向に垂直で投影光学系PLの光軸AXと平行な方向をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
本実施形態の露光装置EXは、露光波長を実質的に短くして解像度を向上するとともに焦点深度を実質的に広くするために液浸法を適用した液浸露光装置であって、少なくともマスクMのパターン像を基板Pに投影している間、投影光学系PLの像面側の露光光ELの光路Kを液体LQで満たす。本実施形態においては、液体LQとして水(純水)を用いる。投影光学系PLは複数の光学素子を有しており、液体LQは、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い最終光学素子FLと基板Pとの間の露光光ELの光路Kに満たされる。また、本実施形態においては、露光光ELの光路KはZ軸方向とほぼ平行となっている。
露光装置EXは、基板ステージ4に保持された基板Pの表面と対向するように、且つ露光光ELの光路Kを囲むように設けられ、基板Pの表面との間で液体LQを保持可能な下面を有する所定部材70と、所定部材70を支持する支持装置10とを備えている。支持装置10は、所定部材70と基板Pとが接触しないように、且つ所定部材70と最終光学素子FLとが接触しないように、所定部材70を支持する。露光装置EXは、所定部材70と基板Pとの間の第1空間K1、及び所定部材70と最終光学素子FLとの間の第2空間K2を液体LQで満たす。第1、第2空間K1、K2は、露光光ELの光路Kを含む空間であり、露光装置EXは、第1、第2空間K1、K2を液体LQで満たすことによって、露光光ELの光路Kを液体LQで満たす。
露光装置EXは、投影光学系PLと光路Kを満たす液体LQとを介してマスクMを通過した露光光ELを基板P上に照射することによって、マスクMのパターン像を基板P上に投影して、基板Pを露光する。また、本実施形態の露光装置EXは、光路Kを満たす液体LQが、投影光学系PLの投影領域ARを含む基板P上の一部の領域に、投影領域ARよりも大きく且つ基板Pよりも小さい液浸領域LRを局所的に形成する局所液浸方式を採用している。
なお、液浸領域LRは、基板P上だけでなく、投影光学系PLの像面側において、最終光学素子FLの下面と対向する位置に配置された物体上、例えば基板ステージ4の一部などにも形成可能である。
露光装置EXは、床面上に設けられたベースBPと、そのベースBP上に設置されたメインコラム6とを備えている。照明光学系ILは、メインコラム6の上部に固定された支持フレーム6Fにより支持されている。照明光学系ILは、マスクM上の所定の照明領域を均一な照度分布の露光光ELで照明するものである。照明光学系ILから射出される露光光ELとしては、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)などが用いられる。本実施形態においてはArFエキシマレーザ光が用いられる。
マスクステージ3は、リニアモータ等のアクチュエータを含むマスクステージ駆動装置3Dの駆動により、マスクMを保持した状態で、マスクステージ定盤3B上で、X軸、Y軸、及びθZ方向に移動可能である。マスクステージ3は、エアベアリング3Aによりマスクステージ定盤3Bの上面(ガイド面)に対して非接触支持されている。マスクステージ定盤3Bは、メインコラム6の内側に向かって突出する上側支持部6Aに防振装置3Sを介して支持されている。マスクステージ3(ひいてはマスクM)の位置情報はレーザ干渉計3Lによって計測される。レーザ干渉計3Lは、マスクステージ3上に設けられた移動鏡3Kを用いてマスクステージ3の位置情報を計測する。制御装置7は、レーザ干渉計3Lの計測結果に基づいてマスクステージ駆動装置3Dを駆動し、マスクステージ3に保持されているマスクMの位置制御を行う。
投影光学系PLは、マスクMのパターン像を所定の投影倍率で基板Pに投影するものであって、複数の光学素子を有しており、それら光学素子は鏡筒5で保持されている。鏡筒5はフランジ5Fを有しており、投影光学系PLはフランジ5Fを介して鏡筒定盤5Bに支持されている。鏡筒定盤5Bは、メインコラム6の内側に向かって突出する下側支持部6Bに防振装置5Sを介して支持されている。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
基板ステージ4は、基板Pを保持する基板ホルダ4Hを有しており、リニアモータ等のアクチュエータを含む基板ステージ駆動装置4Dの駆動により、基板ステージ定盤4B上で、基板ホルダ4Hに保持した基板Pの表面を、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に移動可能である。基板ステージ4は、エアベアリング4Aにより基板ステージ定盤4Bの上面(ガイド面)に対して非接触支持されている。基板ステージ定盤4Bは、ベースBPに防振装置4Sを介して支持されている。基板ステージ4(ひいては基板P)の位置情報はレーザ干渉計4Lによって計測される。レーザ干渉計4Lは、基板ステージ4に設けられた移動鏡4Kを用いて基板ステージ4のX軸、Y軸、及びθZ方向に関する位置情報を計測する。また、基板ステージ4(基板ホルダ4H)に保持されている基板Pの表面の面位置情報(Z軸、θX、及びθY方向に関する位置情報)は、不図示のフォーカス・レベリング検出系によって検出される。制御装置7は、レーザ干渉計4Lの計測結果及びフォーカス・レベリング検出系の検出結果に基づいて基板ステージ駆動装置4Dを駆動し、基板ステージ4(基板ホルダ4H)に保持されている基板Pの位置制御を行う。また、基板ホルダ4Hは、基板ステージ4上に設けられた凹部4Rに配置されており、基板ステージ4のうち凹部4R以外の上面4Fは、基板ホルダ4Hに保持された基板Pの表面とほぼ同じ高さ(面一)になるような平坦面となっている。なお、基板ホルダ4Hに保持された基板Pの表面と基板ステージ4の上面4Fとの間に段差があってもよい。
図2は所定部材70近傍を示す図である。図2において、所定部材70は、基板ステージ4に保持された基板Pの表面と対向するように、且つ露光光ELの光路Kを囲むように設けられ、基板Pの表面との間で液体LQを保持可能な下面71A、72Aを有している。所定部材70の下面71A、72Aは、基板ステージ4に保持された基板Pの表面と対向するように設けられる。下面71A、72Aは、光路Kを満たす液体LQと接触するようになっている。また、最終光学素子FLの下面、及び所定部材70の最終光学素子FLと対向する上面も、光路Kを満たす液体LQと接触するようになっている。
所定部材70の下面71Aは、基板Pがほぼ静止している状態において、基板Pに最も近い位置に設けられ、基板Pの表面(XY平面)とほぼ平行に設けられた平坦な面である。また、下面72Aは、光路Kに対して下面71Aの外側に設けられ、基板Pがほぼ静止している状態において、光路Kから外側に向かうにつれて基板Pの表面との間隔が漸次大きくなるように下面71Aに対して傾斜した面である。以下の説明においては、下面71Aを、第1面71A、と適宜称し、下面72Aを、第2面72A、と適宜称する。
本実施形態の所定部材70は、第1面71Aを有する第1部材71と、第2面72Aを有する第2部材72とを有している。所定部材70のうち、第1部材71の一部は、最終光学素子FLと基板Pとの間に配置されており、第1部材71の中央には、露光光ELが通過可能な開口70Kが設けられている。第1面71Aは、開口70K(光路K)を囲むように設けられている。開口70Kは、露光光ELが照射される投影領域AR(露光光ELの断面)よりも大きく形成されている。
本実施形態においては、第2部材72は、第1部材71を囲むように複数設けられている。図には、光路K(第1部材71)に対して、+Y側及び−Y側のそれぞれに設けられた第2部材72が示されている。なお、本実施形態においては、第2部材72は、光路K(第1部材71)に対して、+X側及び−X側のそれぞれにも設けられている。
第1、第2部材71、72を含む所定部材70は、支持装置10によって支持されている。支持装置10は、所定部材70と基板Pとが接触しないように(離れるように)、且つ所定部材70と最終光学素子FLとが接触しないように(離れるように)、所定部材70を支持する。
支持装置10は、第1部材71を支持する第1支持機構(不図示)と、第2部材72を支持する第2支持機構12とを備えている。第1支持機構は、第1部材71の第1面71Aと基板Pの表面(XY平面)とがほぼ平行となるように、第1部材71を動かないように支持する。第1支持機構は、例えば下側支持部6Bと第1部材71とを接続して、最終光学素子FLに対する第1部材71の位置を固定する。
第1部材71と第2部材72とは接続機構15を介して接続されている。接続機構15は、第1部材71に対して第2部材72を移動可能に支持する。接続機構15は、第1部材71の所定位置と、第2部材72の光路Kに近い端(以下、第1の位置T1、と称する)とを接続している。本実施形態においては、接続機構15はヒンジ機構を備えており、第2部材72は、第1の位置T1を中心として第1部材71に対して回転(傾斜)可能となっている。
支持装置10の第2支持機構12は、メインコラム6の下側支持部6Bに対して第2部材72を揺動可能に支持する(図1参照)。第2支持機構12は、メインコラム6の下側支持部6Bに接続された支持部材13と、支持部材13と第2部材72とを接続する弾性部材14とを備えている。すなわち、第2部材72は、支持部材13及び弾性部材14を含む第2支持機構12を介して下側支持部6Bに接続されている。本実施形態においては、弾性部材14はばね(コイルばね)を含み、弾性部材14を含む第2支持機構12は、第2部材72を揺動可能に支持する。第2支持機構12の弾性部材14は、第2部材72の光路Kに対して遠い端(以下、第2の位置T2、と称する)に接続されている。第2部材72のそれぞれは、第2支持機構12に第2の位置T2を支持された状態で、第1の位置T1を中心として、回動(傾斜)可能となっている。
支持装置10(第2支持機構12)は、基板Pがほぼ静止している状態において、第2面72Aが第1面71Aに対して所定の角度θ1で傾斜するように、第2部材72の第2の位置T2を支持している。第2部材72には、第1、第2空間K1、K2を満たす液体LQの力(液体LQの表面張力に起因する力、液体LQの重みなど)、第2支持機構12の弾性部材14による力(弾性力、上方への付勢力)、及び重力(自重による下方への力)などが作用するが、本実施形態においては、基板Pがほぼ静止している状態において、第2面72Aが第1面71Aに対して所定の角度θ1で傾斜するように、液体LQの力及び重力などを考慮して、第2支持機構12の弾性部材14の弾性力(上方への付勢力)が最適化されている。換言すれば、弾性部材14を含む支持装置10は、基板Pがほぼ静止している状態において、第2面72Aが第1面71Aに対して所定の角度θ1で傾斜した状態を維持するように、第2部材72の第2の位置T2を上方へ付勢しつつ支持している。
なお、図には、光路K(第1部材71)に対して+Y側及び−Y側のそれぞれに設けられた2つの第2部材72が示されており、それら第2部材72のそれぞれは、第2支持機構12に支持された状態で、第1の位置T1を中心としてθX方向に回転(傾斜)可能であるが、上述のように、第2部材72は、第1部材71を囲むように複数設けられる。例えば光路K(第1部材71)に対して+X側及び−X側のそれぞれに設けられている第2部材72は、第2支持機構12に支持された状態で、第1の位置T1を中心として、θY方向に回転(傾斜)可能となっている。
また、所定部材70の所定位置には、光路Kを含む第1、第2空間K1、K2に液体LQを供給するための不図示の液体供給口、及び液体LQを回収するための液体回収口が設けられている。上述のように、第1空間K1は所定部材70と基板Pとの間の空間であり、第2空間K2は、所定部材70と最終光学素子FLとの間の空間である。制御装置7は、液体供給口を介した液体供給動作及び液体回収口を介した液体回収動作を行うことによって、露光光ELの光路Kを含む第1、第2空間K1、K2を液体LQで満たす。
また、第1面71A及び第2面72Aは、液体LQに対して親液性を有している。本実施形態においては、第1部材71及び第2部材72は、チタンによって形成されている。チタンの表面は、液体LQに対して親液性(親水性)を有しており、第1面71A及び第2面72Aは、第1空間K1を満たす液体LQと良好に密着することができる。チタンは、その表面に光触媒作用を有する不動態膜を形成可能であり、その表面の親液性(親水性)を維持することができる。そのため、第1面71Aにおける液体LQの接触角、及び第2面72Aにおける液体LQの接触角のそれぞれは、例えば20°以下に維持される。
なお、第1面71A及び第2面72Aに液体LQに対して親液性を有する材料膜を被覆するなど、第1面71A及び第2面72Aに液体LQに対して親液性を付与する表面処理(親液化処理)を施すようにしてもよい。例えば、第1面71A及び第2面72Aをステンレス(例えばSUS316)で形成し、その表面に酸化クロムを付着する処理を行ってもよい。そのような処理としては、例えば株式会社神鋼環境ソリューションの「GOLDEP」処理あるいは「GOLDEP WHITE」処理が挙げられる。
そして、後述するように、支持装置10は、基板Pの表面と第2面72Aとの間に存在する液体LQが、第2面72Aから離れないように(剥離しないように)、第2部材72を支持している。具体的には、光路Kを含む第1空間K1を液体LQで満たした状態で基板Pを移動した場合において、基板Pの表面と第2面72Aとの間に存在する液体LQが第2面72Aから離れないように(剥離しないように)、基板Pの移動に応じて第2面72Aが基板Pの表面に近づくように、第2部材72が支持装置10で支持されている。
次に、上述の構成を有する露光装置EXを用いて基板Pを露光する方法について説明する。
基板Pを露光するために、制御装置7は、露光光ELの光路Kを含む第1、第2空間K1、K2を液体LQで満たす。第1空間K1を満たす液体LQは、基板P上に液浸領域LRを局所的に形成する。また、図2に示すように、露光光ELの光路Kを含む第1、第2空間K1、K2が液体LQで満たされ、基板Pがほぼ静止している状態においては、支持装置10は、第1面71Aに対して第2面72Aが所定の角度θ1で傾斜するように、第2部材72を支持している。露光光ELの光路KからY軸方向(X軸方向)に離れるにつれて基板Pとの間隔が大きくなるように傾斜した第2面72Aを設けたことにより、液体LQを第1面71Aと基板Pの表面との間、すなわち光路K近傍に集めることができる。
制御装置7は、露光光ELの光路Kを液体LQで満たした状態で、投影光学系PLと基板Pとを相対的に移動しながらマスクMのパターン像を投影光学系PL及び光路Kの液体LQを介して基板P上に投影する。上述のように、本実施形態の露光装置EXは、Y軸方向を走査方向とする走査型露光装置であるため、制御装置7は、基板ステージ4を制御して、基板Pを所定速度でY軸方向に移動しつつ基板P上に露光光ELを照射して、基板Pを露光する。
このような走査型露光装置において、例えば基板Pの表面と対向する所定部材70の構造によっては、例えば基板Pの走査速度(移動速度)の高速化に伴って、光路Kを満たす液体LQが流出したり、基板P上に薄膜を形成する等の不具合が生じる。
例えば、図3の模式図に示すように、所定部材70のY軸方向の下面に、XY平面に対して大きな角度の斜面が形成された状態で、液浸領域LRに対して基板Pを−Y方向に所定速度で所定距離だけ移動した場合、所定部材70の下面と基板Pとの間に存在する液体LQの一部が所定部材70の下面から離れ(剥離し)、基板P上に液体LQの薄膜を形成する可能性がある。その液体LQの薄膜は、所定部材70とは離れているため、所定部材70に設けられた液体回収口を用いて回収することが困難となる状況が生じる可能性がある。すると、液体LQが基板Pと所定部材70との間の第1空間K1よりも外側に流出したり、あるいは液体LQの薄膜がちぎれ、滴となって基板P上に残留する不具合が生じる可能性がある。そして、基板Pの移動速度の高速化に伴って、基板P上に液体LQの薄膜が形成される可能性が高くなるため、基板Pの移動の高速化に伴って、液体回収口を用いて液体LQを十分に回収することができなる可能性が高くなる。
本実施形態においては、支持装置10(第2支持機構12)は、基板Pが移動するときに、第2面72Aのうち基板Pの移動方向前方側が基板Pの表面に近づくように、所定部材70の第2部材72を支持している。基板Pが露光光ELの光路Kに対して交差する方向、すなわちY軸方向(又はX軸方向)に移動した場合において、その基板Pの移動に応じて、基板Pの表面に第2面72Aが近づくことにより、所定部材70の第2面72Aから液体LQが離れないように(剥離しないように)することができる。
図4(A)に示すように、所定部材70の下面71A、72Aと基板Pの表面との間で液体LQを保持した状態で、基板Pを−Y方向に移動したとき、基板Pの移動に応じて生じる液体LQの力(圧力)によって、光路Kに対して+Y側及び−Y側のそれぞれに設けられた第2部材72の第2面72Aの、基板Pの移動方向前方側、すなわち光路Kに対して−Y側の第2部材72の第2面72Aが基板Pの表面に近づく現象が生じる。基板Pの−Y方向への移動によって、光路K(第1空間K1)を満たす液体LQは、基板Pの表面に引きずられるようにして−Y方向へ移動しようとするが、その際の液体LQの表面張力、重力等によって、光路Kに対して−Y側の第2面72Aが基板Pの表面に近づくように第2部材72が動く現象が生じる。
第2支持機構12の弾性部材14による上方への付勢力は最適化されており、基板Pの移動に応じて生じる液体LQの力(下方への力)が、弾性部材14による上方への付勢力に打ち勝って、光路Kに対して−Y側の第2部材72の第2面72Aが基板Pの表面に近づくようになっている。
第2部材72の第2面72Aが基板Pの表面に近づくことにより、基板Pの表面と第2面72Aとの間に存在する液体LQは、第2面72Aに密着しやすくなる。すなわち、露光光ELの光路Kを液体LQで満たした状態で基板Pを移動した場合、基板Pの移動に伴って第2部材72の第2面72Aが基板Pの表面に近づくことにより、基板Pの表面と第2面72Aとの間に存在する液体LQが第2面72Aから離れない(剥離しない)ようになる。したがって、図3を参照して説明したような、基板P上に液体LQの薄膜が形成される等の不具合の発生を抑制することができ、液体LQの流出や、基板P上での液体LQの残留を抑制することができる。
このように、支持装置10は、基板Pの表面と第2部材72の第2面72Aとの間に存在する液体LQが、第2面72Aから離れないように、第2部材72を支持している。また、第2面72Aは親液性であるため、液体LQを良好に保持することができる。
また、基板Pの−Y方向への移動に伴って、光路Kに対して+Y側の第2部材72の第2面72Aと基板Pの表面との間の液体LQの量が減少すると、光路Kに対して+Y側の第2部材72を支持する弾性部材14による上方への付勢力が、液体LQの力(圧力)に打ち勝って、+Y側の第2部材72の第2面72Aは、基板Pの表面から離れる。光路Kに対して+Y側に存在していた液体LQは、第1面71Aと基板Pの表面との間に移動する。したがって、第1面71Aと基板Pの表面との間には液体LQが良好に満たされる。上述のように、第1面71Aは基板Pの表面とほぼ平行な平坦面であって親液性を有しており、基板Pの表面と第1面71Aとの間に存在する液体LQは第1面71Aに密着し、露光光ELの光路Kを満たすための液体LQは、第1面71Aと基板Pの表面との間において良好に保持される。
同様に、図4(B)に示すように、光路Kを液体LQで満たした状態で、基板Pを+Y方向へ移動した場合には、基板Pの移動に応じて生じる液体LQの力によって、光路Kに対して+Y側の第2部材72が、第2面72Aを基板Pの表面に近づけるように動く。これにより、基板P上に液体LQの薄膜が形成されたり、液体LQの滴が基板P上に残留する等の不具合の発生が抑制される。
以上説明したように、基板Pが移動するときに、第2面72Aのうち基板Pの移動方向前方側が基板Pの表面に近づくように第2部材72を支持する支持装置10を設けたので、基板P上に液体LQの薄膜が形成されたり、液体LQが滴となって基板P上に残留したり、第1空間K1から液体LQが流出する等の不具合の発生を抑えることができる。したがって、基板Pを良好に露光することができる。
また、所定部材70は、第1面71Aを有しているため、基板Pとの間で液体LQを良好に保持することができる。したがって、基板Pの露光中等においても、露光光ELの光路Kを液体LQで確実に満たすことができ、光路Kから液体LQが無くなってしまう状態(液切れ状態)、すなわち光路Kに気体部分が生成されてしまうといった不具合を防止することができる。
また、第1面71Aに対して傾斜した第2面72Aを設けたことにより、液体LQを第1面71Aと基板Pの表面との間に良好に集めることができ、光路Kを液体LQで良好に満たすことができる。
なお、本実施形態においては、基板PをY軸方向(スキャン方向)に移動する場合を例にして説明したが、もちろん、基板PをX軸方向(非スキャン方向)に移動する場合においても同様である。支持装置10(第2支持機構12)に支持された第2部材72を光路Kに対して+X側及び−X側のそれぞれに設けておくことにより、基板PをX軸方向に移動する場合にも、液体LQの薄膜が形成される等の不具合の発生を抑制することができる。また、X軸方向及びY軸方向に限らず、XY平面内においてX軸方向(Y軸方向)と傾斜した所定方向に基板Pを移動する場合にも同様である。
<第2実施形態>
次に第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図5は第2実施形態に係る所定部材70を示す図である。図5に示すように、本実施形態においては、第1面71A及び第2面72Aは1つの所定部材70に形成されている。すなわち、本実施形態においては、所定部材70は1つの部材によって形成されている。第1面71Aは、基板Pがほぼ静止している状態において、所定部材70のうち、基板Pに最も近い位置に設けられ、基板Pの表面とほぼ平行に設けられた平坦な面である。第2面72Aは、光路Kに対して第1面71Aの外側に設けられ、光路Kから外側に向かうにつれて基板Pの表面との間隔が漸次大きくなるように第1面71Aに対して傾斜した面である。所定部材70を支持する支持装置10は、弾性部材14を備えており、所定部材70を揺動可能に支持する。
図6(A)に示すように、光路Kを含む第1、第2空間K1、K2を液体LQで満たした状態で、基板Pを−Y方向に移動することにより、基板Pの移動に応じて生じる液体LQの力によって、所定部材70の下面71A、72Aの光路Kに対して−Y側が基板Pの表面に近づく。本実施形態においては、下面71A、72Aは1つの所定部材70に形成されているため、基板Pの移動に応じて、下面71A、72A全体が傾斜する。また、図6(B)に示すように、光路Kを含む第1、第2空間K1、K2を液体LQで満たした状態で、基板Pを+Y方向に移動することにより、基板Pの移動に応じて生じる液体LQの力によって、所定部材70の下面71A、72Aの光路Kに対して+Y側が基板Pの表面に近づく。
以上説明したように、1つの所定部材70に下面71A、72Aが形成されていてもよい。そして、基板Pが移動するときに、下面71A、72Aのうち基板Pの移動方向前方側が基板Pの表面に近づくように所定部材70を支持装置10で支持することにより、液体LQの薄膜が形成される等の不具合の発生を抑制することができる。
なお、本実施形態においては、基板PをY軸方向(スキャン方向)に移動する場合を例にして説明したが、もちろん、基板PをX軸方向(非スキャン方向)に移動する場合においても同様である。所定部材70のうち、光路Kに対して+X側及び−X側のそれぞれにも、下面71A、72Bを設け、基板PのX軸方向への移動に応じて、所定部材70が動くようにすればよい。また、X軸方向、Y軸方向に限らず、XY平面内において、X軸方向(Y軸方向)と傾斜した所定方向に基板Pを移動する場合にも同様である。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。図7は第3実施形態を説明するための図である。図7において、所定部材70は、第1面71Aと第2面72Aとを有している。本実施形態の所定部材70は、上述の第1実施形態同様、第1面71Aを有する第1部材71と、第2面72Aを有する第2部材72とを含んでいる。第1部材71と第2部材72とは、ヒンジ機構を含む接続機構15を介して接続されている。
本実施形態の支持装置10は、所定部材70を駆動する駆動装置16を備えている。駆動装置16は、第2部材72の第2の位置T2に接続されており、第2の位置T2をほぼ上下方向(ほぼZ軸に沿う方向)に駆動可能である。制御装置7は、駆動装置16を用いて第2部材72を駆動することができる。第2部材72は、駆動装置16の駆動により、第1の位置T1を中心として回転(傾斜)することができる。
光路Kを含む第1、第2空間K1、K2を液体LQで満たした状態で、基板Pを例えば−Y方向に移動しながら露光する場合には、制御装置7は、第2面72Aのうち基板Pの移動方向前方側(−Y側)が基板Pの表面に近づくように、駆動装置16を用いて第2部材72を駆動する。制御装置7は、基板Pの移動方向を例えばレーザ干渉計4Lの出力などから求めることができ、基板Pの移動方向に応じて駆動装置16を制御する。制御装置7は、光路Kに対して−Y側の第2面72Aを有する第2部材72を駆動可能な駆動装置16を用いて、その第2部材72を駆動することにより、第2面72Aを基板Pの表面に近づけることができる。また、基板Pを+Y方向に移動しながら露光する場合には、制御装置7は、第2面72Aのうち基板Pの移動方向前方側(+Y側)が基板Pの表面に近づくように、駆動装置16を用いて第2部材72を駆動する。
以上説明したように、基板Pの移動に応じて、駆動装置16を用いて第2面72Aを有する第2部材72を能動的に駆動することによって、第2面72Aの基板Pの移動方向前方側を基板Pの表面に近づけるようにしてもよい。この場合でも、液体LQの薄膜が形成される等の不具合の発生を抑制し、基板Pを良好に露光することができる。
なお、制御装置7は、基板Pの移動速度に応じて、駆動装置16を制御し、第1面71Aに対する第2面72Aの角度を調整するようにしてもよい。
なお、本実施形態においては、所定部材70は第1、第2部材71、72を有しており、駆動装置16は第2部材72を駆動しているが、第2実施形態で説明したような、下面71A、72Aを有する1つの所定部材70を駆動装置16で駆動するようにしてもよい。
なお、上述の第1〜第3実施形態においては、第2面72Aは平面であるが、曲面であってもよい。あるいは、第2面72Aは複数の平面の組み合わせであってもよい。例えば、光路Kに対して第1面71Aの外側に、第2面72Aの一部として第1面71Aと第1の角度を有する第1平面を形成し、更に光路Kに対して第1平面の外側に、第2面72Aの一部として第1面71Aと第2の角度を有する第2平面を設けるようにしてもよい。
また、上述の第1〜第3実施形態においては、所定部材70の一部を最終光学素子FLと基板Pとの間に配置しているが、所定部材70の一部が最終光学素子FLとの間に介在しないように、最終光学素子FLの周囲に所定部材70を配置してもよい。
なお、上述の各実施形態においては、所定部材70は、チタン、ステンレスなど、固い材料で形成されているが、基板Pの表面との間で液体LQを保持可能な面を有していれば、例えば布状の部材、フィルム状の部材、あるいはゴム製の部材など、柔らかい部材(柔軟部材、可撓性部材、弾性部材)で形成されてもよい。所定部材70を柔らかい部材で形成した場合においても、例えば基板Pの移動に応じて生じる液体LQの力によって、その柔らかい部材の下面のうち基板Pの移動方向前方側を基板Pの表面に近づけることができる。また、その柔らかい部材を駆動装置を用いて駆動してもよい。
また、柔らかい部材を用いて所定部材70を形成した場合には、例えばワイヤー等を含む傘の骨のような構造を構築し、その構造を用いて柔らかい部材を支持するようにしてもよい。これにより、その柔らかい部材が基板P及び最終光学素子FLに接触しないように、すなわち、その柔らかい部材の形状を許容範囲内で維持することができる。
上述したように、本実施形態における液体LQは純水により構成されている。純水は、半導体製造工場等で容易に大量に入手できるとともに、基板P上のフォトレジストや光学素子(レンズ)等に対する悪影響がない利点がある。また、純水は環境に対する悪影響がないとともに、不純物の含有量が極めて低いため、基板Pの表面、及び投影光学系PLの先端面に設けられている光学素子の表面を洗浄する作用も期待できる。なお工場等から供給される純水の純度が低い場合には、露光装置が超純水製造器を持つようにしてもよい。
そして、波長が193nm程度の露光光ELに対する純水(水)の屈折率nはほぼ1.44程度と言われており、露光光ELの光源としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)を用いた場合、基板P上では1/n、すなわち約134nmに短波長化されて高い解像度が得られる。更に、焦点深度は空気中に比べて約n倍、すなわち約1.44倍に拡大されるため、空気中で使用する場合と同程度の焦点深度が確保できればよい場合には、投影光学系PLの開口数をより増加させることができ、この点でも解像度が向上する。
本実施形態では、投影光学系PLの先端に光学素子FLが取り付けられており、この光学素子により投影光学系PLの光学特性、例えば収差(球面収差、コマ収差等)の調整を行うことができる。なお、投影光学系PLの先端に取り付ける光学素子としては、投影光学系PLの光学特性の調整に用いる光学プレートであってもよい。あるいは露光光ELを透過可能な平行平面板であってもよい。
なお、液体LQの流れによって生じる投影光学系PLの先端の光学素子と基板Pとの間の圧力が大きい場合には、その光学素子を交換可能とするのではなく、その圧力によって光学素子が動かないように堅固に固定してもよい。
なお、本実施形態では、投影光学系PLと基板P表面との間は液体LQで満たされている構成であるが、例えば基板Pの表面に平行平面板からなるカバーガラスを取り付けた状態で液体LQを満たす構成であってもよい。
また、上述の実施形態の投影光学系は、先端の光学素子の像面側の光路を液体で満たしているが、国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているように、先端の光学素子の物体面側の光路も液体で満たす投影光学系を採用することもできる。
なお、本実施形態の液体LQは水であるが、水以外の液体であってもよい、例えば、露光光ELの光源がF2レーザである場合、このF2レーザ光は水を透過しないので、液体LQとしてはF2レーザ光を透過可能な例えば、過フッ化ポリエーテル(PFPE)やフッ素系オイル等のフッ素系流体であってもよい。この場合、液体LQと接触する部分には、例えばフッ素を含む極性の小さい分子構造の物質で薄膜を形成することで親液化処理する。また、液体LQとしては、その他にも、露光光ELに対する透過性があってできるだけ屈折率が高く、投影光学系PLや基板P表面に塗布されているフォトレジストに対して安定なもの(例えばセダー油)を用いることも可能である。
また、液体LQとしては、屈折率が1.6〜1.8程度のものを使用してもよい。更に、石英や蛍石よりも屈折率が高い(例えば1.6以上)材料で光学素子FLを形成してもよい。
なお、上記各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
また、露光装置EXとしては、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で第1パターンの縮小像を投影光学系(例えば1/8縮小倍率で反射素子を含まない屈折型投影光学系)を用いて基板P上に一括露光する方式の露光装置にも適用できる。この場合、更にその後に、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で第2パターンの縮小像をその投影光学系を用いて、第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光するスティッチ方式の一括露光装置にも適用できる。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、本発明は、特開平10−163099号公報、特開平10−214783号公報、特表2000−505958号公報などに開示されているような複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
更に、特開平11−135400号公報や特開2000−164504号公報に開示されているように、基板を保持する基板ステージと基準マークが形成された基準部材や各種の光電センサを搭載した計測ステージとを備えた露光装置にも本発明を適用することができる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6,778,257号公報に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスクを用いてもよい。
また、国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
以上のように、本願実施形態の露光装置EXは、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図8に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクのパターンを基板に露光する露光処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
4…基板ステージ、10…支持装置、14…弾性部材、16…駆動装置、70…所定部材、71…第1部材、71A…第1面、72…第2部材、72A…第2面、EL…露光光、EX…露光装置、K…光路、LQ…液体、LR…液浸領域、P…基板、PL…投影光学系