JPWO2006134910A1 - 光学素子、光学素子保持装置、露光装置、及びデバイス製造方法 - Google Patents

光学素子、光学素子保持装置、露光装置、及びデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

光学素子(LS2)は、その側面(T6)に、光学素子保持装置の一部が入り込むための溝部(50)を有している。

Description

本発明は、光学素子、光学素子保持装置、露光装置、及びデバイス製造方法に関するものである。
本願は、2005年6月14日に出願された特願2005−173340号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
露光装置をはじめとする各種光学機器の光学系を構成するレンズ等の光学素子を保持装置で保持する場合、光学素子の側面から突出したつば部を保持する場合が多い(特許文献1参照)。
特開2001−74991号公報(対応米国特許第6,239,924号明細書)
光学素子の側面に突出したつば部を保持装置が十分に保持するためには、光学素子の径方向、厚み方向に所定の大きさを備えたつば部を形成する必要がある。ところで、つば部を含む光学素子の外径及び厚さは、素子表面の研磨作業の観点から素子表面の曲率によって一意的に決定される。例えば、中心厚が周縁厚に比べて極端に厚い光学素子の場合、保持装置が十分に保持できる程度のつば部を確保するためには、光学素子を外径方向及び厚さ方向に大きくしなければならない。そのため、光学素子が大型化し、ひいては光学機器全体の大型化を招く不都合が生じる可能性がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、変形を抑制しつつ良好に保持される光学素子、及びその光学素子を保持する光学素子保持装置を提供することを目的とする。また、良好に保持された光学素子を使って基板を露光する露光装置、及びデバイス製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は実施の形態に示す各図に対応付けした以下の構成を採用している。但し、各要素に付した括弧付き符号はその要素の例示に過ぎず、各要素を限定するものではない。
本発明の第1の態様に従えば、保持部材(100)によって周縁部が保持される光学素子において、光学素子(LS2)の側面(T6)に、保持部材(100)の一部が入り込むための溝部(50)が形成されている光学素子(LS2)が提供される。
本発明の第1の態様によれば、光学素子の側面に、保持部材の一部が入り込むための溝部を設けたので、光学素子を大型化することなく、良好に保持される。また、側面から突出する突出部が無いので、研磨処理など光学素子に対する所定の処理を円滑に行うことができる。
本発明の第2の態様に従えば、光学素子(LS2)の周縁部を保持する保持部材を備える光学素子保持装置において、光学素子(LS2)は、側面(T6)に形成された溝部(50)を有し、保持部材は、光学素子(LS2)を支持する第1の支持部(101)と、溝部(50)に入り込み、かつ第1の支持部(101)と共に光学素子(LS2)の一部を挟み込む第2の支持部(102)とを有する光学素子保持装置(LH)が提供される。
本発明の第2の態様によれば、光学素子の変形を抑制しつつ良好に保持することができる。
本発明の第3の態様に従えば、光学素子(LS1〜LS7)を介して基板(P)に露光光(EL)を照射して基板(P)を露光する露光装置において、光学素子として上記態様の光学素子が用いられる露光装置(EX)が提供される。
本発明の第3の態様によれば、良好に保持された光学素子を使って基板を良好に露光することができる。
本発明の第4の態様に従えば、上記態様の露光装置(EX)を用いるデバイス製造方法が提供される。
本発明の第4の態様によれば、基板を良好に露光できる露光装置を使ってデバイスを製造することができる。
本発明によれば、光学素子を良好に保持することができる。また、良好に保持された光学素子を使って基板を良好に露光できる。
第1実施形態に係る光学素子を示す側断面図である。 第1実施形態に係る光学素子を示す平面図である。 第1実施形態に係る光学素子を示す斜視図である。 第1実施形態に係る保持部材を説明するための図である。 光学素子の上面を研磨処理している様子を示す模式図である。 第2実施形態に係る光学素子を示す図である。 第2実施形態に係る光学素子を示す図である。 第3実施形態に係る保持部材を説明するための図である。 第4実施形態に係る光学素子を示す図である。 第5実施形態に係る光学素子を示す図である。 第6実施形態に係る光学素子を示す図である。 第7実施形態に係る保持部材を説明するための図である。 露光装置の一実施形態を示す概略構成図である。 マイクロデバイスの製造工程の一例を説明するためのフローチャート図である。
符号の説明
50…溝部、50A…第1の溝部、50B…第2の溝部、56…つば部、100…保持部材(光学素子保持装置)、101…第1の支持部、102…第2の支持部、122…取付構造体(第1の支持部)、134…受座(第1の支持部)、AX…光軸、EL…露光光、EX…露光装置、LH…光学素子保持装置、LQ…液体、LS1…第1光学素子、LS2…光学素子(第2光学素子)、P…基板、PL…投影光学系、T3…下面(射出面)、T4…上面(入射面)、T6…側面
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。なお以下の説明においては、図中にXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。また、XY平面は水平面と平行であり、Z軸は鉛直方向に沿った軸とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について図1〜図4を参照しながら説明する。図1は第1実施形態に係る光学素子LS2を示す側断面図、図2は光学素子LS2の平面図、図3は光学素子LS2の斜視図である。また図4は、光学素子LS2が保持部材(光学素子保持装置)100によって保持されている状態を示す図である。
光学素子LS2は、保持部材100によって周縁部を保持されるようになっている。すなわち、光学素子LS2は、素子本体の側面T6に保持部材100の一部が入り込むための溝部50が形成されている。図2に示すように、本実施形態の光学素子LS2は、平面視においてほぼ円形状であり、溝部50は、光学素子LS2の接線方向に沿って側面T6に複数形成されている。本実施形態においては、溝部50は、光学素子LS2の接線方向に沿って、光学素子LS2の側面T6の3箇所に形成されている。
光学素子LS2は、光を入射する上面(入射面)T4と、入射した光を射出する下面(射出面)T3とを有している。図1に示すように、上面T4は、上方に膨らむように断面視円弧状に形成され、ほぼ球面となっている。一方、下面T3は、ほぼ平面となっている。すなわち、光学素子LS2は、屈折力(レンズ作用)を有する光学素子であって、上方に向かって凸状に形成された正の屈折力を有する球面状の上面T4と、平面状の下面T3とを有した構成となっている。
なお、側面T6は、上面T4と連続した面、すなわち、上面T4と同じ曲率を有する面であってもよい。また、側面T6は、上面T4が曲率を有するのに対し、平面を有する面であってもよい。
図4に示すように、光学素子保持装置(保持部材)100は、光学素子LS2を支持する第1支持部101と、溝部50に入り込み、かつ第1支持部101と共に光学素子LS2のつば部56を挟み込む第2支持部102とを有している。第1支持部101は、光学素子LS2の下面T3側に配置されており、光学素子LS2の下面T3を支持する。
第2支持部102は、溝部50の内側の面のうち、+Z側を向く第1面51に接している。第2支持部102は、例えば板ばね部材等の弾性部材を含み、弾性変形可能である。第1面51と下面T3との間にはつば部56が形成されており、第2支持部102は、第1支持部101と共に、光学素子LS2のつば部56を挟み込む。
光学素子保持装置100は、複数(3つ)の溝部50に対応するように、複数(3つ)設けられる。また、図1に示すように、光は、上面T4のうち、光が入射する所定領域(第1領域)SR1に照射され、光学素子LS2を通過した後、下面T3の所定領域(第2領域)SR2より射出される。光学素子保持装置100及び溝部50は、通過する光を妨げない所定領域(第3領域)に設けられる。
すなわち、第3領域は、第1領域と第2領域とは異なる領域に設けられる。したがって、この第3領域は、上面T4のうち第1領域を除く領域と、下面T3のうち第2領域を除く領域を含む領域である。なお、本実施形態では、一例として、側面T6gaが第3領域に含まれるものとして説明する。
以上説明したように、光学素子LS2の側面T6に、光学素子保持装置100の一部が入り込むための溝部50を設けたので、光学素子LS2の変形を抑えつつ、その光学素子LS2を光学素子保持装置100で良好に保持することができる。すなわち、光学素子LS2の側面T6から突出する突出部を設けることなく、通過する光を妨げない位置に溝部50を形成しているので、溝部50の位置や大きさを調整してつば部56の厚みを厚くすることができるため、光学素子LS2の変形を抑えつつ、その光学素子LS2を光学素子保持装置100で良好に保持することができる。また、本実施形態においては、溝部50は、光学素子LS2の側面T6の接線方向に沿って複数形成された構成であり、光学素子LS2のうち、溝部50が形成された領域以外の領域は厚肉となっているため、光学素子LS2全体の強度を維持することができる。したがって、光学素子保持装置100で保持した際、光学素子LS2の上面T4や下面T3の変形(歪み)を効果的に抑制することができる。
また、光学素子LS2の側面T6には突出した突出部が無いので、光学素子LS2のコンパクト化を図ることができる。したがって、光学素子LS2やそれを保持する光学素子保持装置100、あるいは光学素子LS2及び光学素子保持装置100の周囲に配置される周辺機器・部材の設計・配置の自由度を向上することができる。
また、光学素子LS2の側面T6には突出した突出部が無いので、例えば図5に示すように、上面T4を研磨装置300で研磨する際にも、第1領域SR1の端部まで良好に研磨することができる。光学素子LS2の側面T6に、その側面T6から突出した突出部(つば部)を設けた場合、研磨装置300と突出部とが干渉し、第1領域SR1の端部まで良好に研磨することができない不都合が生じる可能性がある。第1領域SR1の端部まで研磨するために、突出部(つば部)を小さくする構成が考えられるが、突出部(つば部)の強度が低下するため、その突出部(つば部)を保持部材で保持した際、突出部(つば部)を含む光学素子を変形させてしまう可能性がある。本実施形態においては、光学素子LS2の側面T6に突出部を設けないようにしたので、第1領域SR1の端部まで良好に研磨処理を施すことができる。この場合、第1領域SR1が溝部50近傍まで設定されていても、すなわち、第1領域SR1が球面である上面T4の大部分の領域に設定されていても、その第1領域SR1の端部まで良好に研磨処理することができる。また、突出部が無いので、研磨処理のみならず、研磨処理以外の光学素子LS2に対する所定の処理を円滑に行うことができる。同様に、光学素子LS2の下面T3に対する処理も円滑に行うことができる。このように光学素子LS2の表面を良好に処理することができるので、良好な光学特性を有する光学素子LS2を製造することができる。
なお、本実施形態においては、溝部50は、光学素子LS2の側面T6の接線方向に沿って3つ形成されているが、その数は任意に設定可能である。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について図6A及び6Bを参照して説明する。図6Aは第2実施形態に係る光学素子LS2を示す側断面図、図6Bは平面図である。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図6A及び6Bに示すように、溝部50は、光軸AXを囲むように、光学素子LS2の側面T6に環状に形成されている。本実施形態において、光軸AXはZ軸方向と平行である。このように、溝部50を光軸AXを囲むように形成することもできる。この場合、光学素子保持装置100の配置や数を任意に設定できる。そして、溝部50の位置や大きさを調整することによって、光学素子LS2の側面T6から突出する突出部を設けることなく、つば部56の厚みを厚くすることができ、光学素子LS2の変形を抑えつつ、その光学素子LS2を光学素子保持装置100で良好に保持することができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について図7を参照して説明する。図7に示すように、光学素子LS2の側面T6に形成された溝部50には、光学素子保持装置100の第1支持部101が入り込んでいる。また、光学素子保持装置100の第2支持部102は、光学素子LS2の上面T4側に配置されている。第1支持部101は、溝部50の内側の面のうち、−Z側を向く第2面22を支持している。第2支持部102は、光学素子LS2の上面T4の一部に接している。第2支持部102は、第1支持部101と共に、光学素子LS2の一部を挟み込む。このように、第1支持部101を溝部50に入り込ませ、第2支持部102を上面T4側に配置することも可能である。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について図8を参照して説明する。図8において、光学素子LS2の側面T6には、溝部が光軸と平行な方向(Z軸方向)に沿って所定距離離して複数形成されている。本実施形態においては、光学素子LS2は、その側面T6に、Z軸方向に所定距離離して形成された第1溝部50Aと第2溝部50Bとを有している。第1溝部50Aは、第2溝部50Bに対して−Z側(下側)に形成されている。また、第1、第2溝部50A、50Bのそれぞれは、上述の第1実施形態と同様、光学素子LS2の側面T6の接線方向に沿って複数(3つ)形成されている。そして、下面T3と第1溝部50Aとの間には第1つば部56Aが形成され、第1溝部50Aと第2溝部50Bとの間には第2つば部56Bが形成されている。
光学素子保持装置100のうち、第1支持部101は、第1溝部50Aに入り込み、第2支持部102は、第2溝部50Bに入り込み、かつ第1支持部101と共に光学素子LS2の第2つば部56Bを挟み込んでいる。第1支持部101は、第1溝部50Aの内側の面のうち、−Z側を向く第2面52を支持している。一方、第2支持部102は、第2溝部50Bの内側の面のうち、+Z側を向く第3面53側に配置され、第3面53と接している。このように、光学素子LS2の側面T6のうちZ軸方向に沿った複数の位置のそれぞれに、溝部50(50A、50B)を形成することも可能である。
なお、第4実施形態において、光学素子保持装置100の第1支持部101で光学素子LS2の下面T3を支持し、第2支持部102を第1溝部50Aに入り込ませて第1面51に接触させ、第1支持部101と第2支持部102とで第1つば部56Aを挟み込んでもよい。あるいは、光学素子保持装置100の第1支持部101を第2溝部50Bに入り込ませ、第2溝部50Bの内側の面のうち、−Z側を向く第4面54を第1支持部101で支持し、第2支持部102を光学素子LS2の上面T4の一部に接触させてもよい。
あるいは、光学素子保持装置100をZ軸方向に複数並べて設けてもよい。例えば、第1の保持部材の第1支持部と第2支持部とで第1つば部56Aを挟み込み、第2の保持部材の第1支持部と第2支持部とで第2つば部56Bを挟み込んでもよい。
なお、第4実施形態において、第1、第2溝部50A,50Bのそれぞれは、光学素子LS2の側面T6の接線方向に沿って複数形成されているように説明したが、上述の第2実施形態と同様、第1、第2溝部50A、50Bのそれぞれが、光軸を囲むように環状に形成されていてもよい。あるいは、第1溝部50A及び第2溝部50Bの一方が接線方向に沿って複数形成され、他方が光軸を囲むように環状に形成されていてもよい。
なお、本実施形態においては、光学素子LS2は、その側面T6に、光軸と平行な方向に所定距離離して形成された2つの溝部50A、50Bを有しているが、例えば3つあるいは4つなど、任意の複数の溝部50を形成してもよい。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態について図9を参照して説明する。図9において、光学素子LS2の側面T6には溝部50が形成されている。溝部50は、上述の第1実施形態同様、光学素子LS2の側面T6の接線方向に沿って複数(3つ)形成されている。
本実施形態においては、下面T3の外径D1は、上面T4の外径D2よりも小さく形成されている。そして、側面T6は、溝部50を有し、上面T4の外径D2とほぼ同じ外径を有する第3領域SR3と、第3領域SR3の下に設けられ、下面T3の外径D1とほぼ同じ外径を有する第4領域SR4とを有している。そして、第3領域SR3と第4領域SR4との間には段部が形成されている。以下の説明においては、側面T6のうち、第3領域SR3よりも光軸側へ凹んだ第4領域SR4を適宜、「凹部57」と称する。
光学素子LS2は、凹部57によって形成された−Z側を向く第5面55と、−X側を向く第6面58とを有している。そして、溝部50の内側の第1面51と第5面55との間にはつば部56が形成されている。光学素子保持装置100のうち、第1支持部101は、第5面55を支持している。第2支持部102は、溝部50に入り込み、かつ第1支持部101と共に光学素子LS2のつば部56を挟み込んでいる。また、本実施形態では、溝部50は、第1実施形態同様、接線方向に沿って複数形成された構成であり、光学素子LS2の強度は維持されている。
このように、凹部57を設けたことにより、つば部56の下側の領域を比較的広くすることができるため、例えば光学素子LS2の周囲に配置される周辺機器・部材の配置の自由度を向上することができる。
なお、第6実施形態において、溝部50を光軸を囲むように環状に形成してもよい。
なお、第6実施形態において、第6面58と、下面T3とが交差する角部59を面取り又はカットしても良い。
<第6実施形態>
次に、第6実施形態について図10を参照して説明する。上述した第1〜第5実施形態においては、光学素子LS2の上面T4は球面状であるが、図10に示すように、光学素子は例えば平行平面板であってもよい。
図10において、光学素子LS1の上面T2はほぼ平面であり、下面T1もほぼ平面となっている。また、上面T2と下面T1とは互いにほぼ平行である。光は、上面T2に入射され、光学素子LS1を通過した後、下面T1より射出される。
上述の第4実施形態同様、光学素子LS1は、その側面T5に、Z軸方向に所定距離離して形成された第1溝部50Aと第2溝部50Bとを有している。そして、第1溝部50Aと第2溝部50Bとの間に形成されたつば部56が光学素子保持装置100の第1支持部101と第2支持部102とによって挟み込まれる。
なお、第6実施形態において、第1、第2溝部50A、50Bのそれぞれは、光学素子LS1の側面T5の接線方向に沿って複数形成されていてもよいし、第1、第2溝部50A、50Bのそれぞれが、光軸を囲むように環状に形成されていてもよいし、第1溝部50A及び第2溝部50Bの一方が接線方向に沿って複数形成され、他方が光軸を囲むように環状に形成されていてもよい。
なお、第6実施形態において、上述の第1実施形態同様、光学素子LS1の側面T5にZ軸方向に関して1つの溝部50を設ける構成でもよい。また、第6実施形態において、上述の第5実施形態同様、上面T2の外径と下面T1の外径とを互いに異ならせ、側面T5の一部に凹部を形成してもよい。
<第7実施形態>
次に、第7実施形態について図11を参照して説明する。上述した第1〜第6実施形態においては、第1支持部101が光学素子LS2(つば部)の−Z側を向く面を支持し、第2支持部102が光学素子LS2(つば部)の+Z側を向く面に接しているが、図11に示すように、第2支持部102が光学素子LS2(つば部)の−Z側を向く面を支持し、第1支持部101が光学素子LS2(つば部)の+Z側を向く面に接するようにしてもよい。
図11において、光学素子LS2の側面T6には、光学素子保持装置100の一部が入り込むための溝部50が形成されている。そして、光学素子保持装置100のうち、第1支持部101が溝部50に入り込んでいる。第1支持部101は、溝部50の内側の面のうち、+Z側を向く第1面51に接している。第2支持部102は、光学素子LS2の下面T3側に配置されており、光学素子LS2の下面T3を支持している。そして、光学素子保持装置100は、第1支持部101と第2支持部102とで、第2光学素子LS2のつば部56を挟み込んでいる。
なお、上述の第1〜第7実施形態においては、保持部材は光学素子LS2の側面の一部を第1支持部と第2支持部とで挟み込むことによって保持しているが、例えば第1支持部及び第2支持部の少なくとも一方と光学素子との間を接着剤などを用いて接着するようにしてもよい。あるいは、第1支持部及び第2支持部の少なくとも一方に吸着保持部を設け、光学素子を吸着保持するようにしてもよい。あるいは、第1支持部及び第2支持部の少なくとも一方と光学素子との間をボルト部材などを用いて接続するようにしてもよい。また、上述の各実施形態において、溝部の形状は、直線に限られず、通過する光を妨げなければ、曲線など任意の形状でもよい。
また、光学素子の外形形状は、円形、楕円形、あるいは円形の外周部を一部カットして直線部を形成した形状であってもよい。
さらに、上記実施形態では、光学素子の下面が平面を有する構成について説明したが、曲率(凹面あるいは凸面)を有する面であってもよい。
また、第1支部部を形成する材質は、金属、セラミック、シリコン、硝材(例えば、石英ガラス、蛍石)など、種々のもの使用することが可能である。
<露光装置>
次に、露光装置の一実施形態について説明する。図12は露光装置EXの一実施形態を示す概略構成図である。図12において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージMSTと、基板Pを保持する基板ホルダPHを有し、基板Pを保持した基板ホルダPHを移動可能な基板ステージPSTと、マスクステージMSTに保持されているマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターン像を基板ステージPSTに保持されている基板Pに投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置CONTとを備えている。
本実施形態の露光装置EXは、露光波長を実質的に短くして解像度を向上するとともに焦点深度を実質的に広くするために液浸法を適用した液浸露光装置であって、投影光学系PLを構成する複数の光学素子LS1〜LS7のうち、投影光学系PLの像面に最も近い第1光学素子LS1と基板Pとの間の露光光ELの光路空間である第1空間K1を液体LQで満たすための第1液浸機構1を備えている。基板Pは投影光学系PL(第1光学素子LS1)の像面側に配置され、第1光学素子LS1の下面T1は基板Pの表面と対向するように配置される。第1液浸機構1は、第1空間K1の近傍に設けられ、液体LQを供給する供給口12及び液体LQを回収する回収口22を有する第1ノズル部材71と、供給管13、及び第1ノズル部材71に設けられた供給口12を介して液体LQを供給する第1液体供給装置11と、第1ノズル部材71に設けられた回収口22、及び回収管23を介して液体LQを回収する第1液体回収装置21とを備えている。第1ノズル部材71は、基板P(基板ステージPST)の上方において、投影光学系PLを構成する複数の光学素子のうち、第1光学素子LS1の下部を囲むように環状に形成されている。第1液体供給装置11及び第1液体回収装置21を含む第1液浸機構1の動作は、制御装置CONTに制御される。
また、露光装置EXは、第1光学素子LS1と、第1光学素子LS1に次いで投影光学系PLの像面に近い第2光学素子LS2との間の露光光ELの光路空間である第2空間K2を液体LQで満たすための第2液浸機構2を備えている。第2光学素子LS2は第1光学素子LS1の上方に配置され、第1光学素子LS1の上面T2は、第2光学素子LS2の下面T3と対向するように配置される。第2液浸機構2は、第2空間K2の近傍に設けられ、液体LQを供給する供給口32及び液体LQを回収する回収口42を有する第2ノズル部材72と、供給管33、及び第2ノズル部材72に設けられた供給口32を介して液体LQを供給する第2液体供給装置31と、第2ノズル部材72に設けられた回収口42、及び回収管43を介して液体LQを回収する第2液体回収装置41とを備えている。第2ノズル部材72は、第1ノズル部材71の上方において、投影光学系PLを構成する複数の光学素子のうち、第1光学素子LS1の上部を囲むように環状に形成されている。本実施形態においては、第1光学素子LS1は第2ノズル部材72に支持されるようになっている。
第1液浸機構1によって供給された液体LQは、第1光学素子LS1とその像面側に配置された基板Pとの間に保持され、第2液浸機構2によって供給された液体LQは、第1光学素子LS1の上面T2と第2光学素子LS2の下面T3との間に保持される。露光装置EXは、少なくともマスクMのパターン像を基板P上に投影している間、第1液浸機構1を使って、第1光学素子LS1と基板Pとの間の第1空間K1を液体LQで満たすとともに、第2液浸機構2を使って、第1光学素子LS1と第2光学素子LS2との間の第2空間K2を液体LQで満たす。
本実施形態においては、露光装置EXは、投影光学系PLの投影領域を含む基板P上の一部に、投影領域よりも大きく且つ基板Pよりも小さい液体LQの液浸領域を局所的に形成する局所液浸方式を採用している。また、本実施形態においては、露光装置EXは、第1光学素子LS1の上面T2のうち、露光光ELが通過する所定領域を含む領域に液体LQの液浸領域を形成する。露光装置EXは、第1、第2光学素子LS1、LS2を含む投影光学系PL、第2空間K2に満たされた液体LQ、及び第1空間K1に満たされた液体LQを介して、マスクMを通過した露光光ELを基板Pに照射することによって、マスクMのパターンを基板Pに投影する。
また、本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを走査方向(例えばY軸方向)に同期移動しつつマスクMに形成されたパターンを基板Pに露光する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。なお、ここでいう「基板」は半導体ウエハ等の基材上に感光材(レジスト)を塗布したものを含み、「マスク」は基板上に縮小投影されるデバイスパターンを形成されたレチクルを含む。
照明光学系ILは、露光用光源、露光用光源から射出された光束の照度を均一化するオプティカルインテグレータ、オプティカルインテグレータからの露光光ELを集光するコンデンサレンズ、リレーレンズ系、及び露光光ELによるマスクM上の照明領域を設定する視野絞り等を有している。マスクM上の所定の照明領域は照明光学系ILにより均一な照度分布の露光光ELで照明される。照明光学系ILから射出される露光光ELとしては、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びFレーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)などが用いられる。本実施形態においてはArFエキシマレーザ光が用いられる。
本実施形態においては、液体LQとして純水が用いられている。純水は、ArFエキシマレーザ光のみならず、例えば、水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)も透過可能である。
マスクステージMSTは、マスクMを保持して移動可能である。マスクステージMSTは、マスクMを真空吸着(又は静電吸着)により保持する。マスクステージMSTは、制御装置CONTにより制御されるリニアモータ等を含むマスクステージ駆動装置MSTDの駆動により、マスクMを保持した状態で、投影光学系PLの光軸AXに垂直な平面内、すなわちXY平面内で2次元移動可能及びθZ方向に微少回転可能である。マスクステージMST上には移動鏡91が設けられている。また、所定の位置にはレーザ干渉計92が設けられている。マスクステージMST上のマスクMの2次元方向の位置、及びθZ方向の回転角(場合によってはθX、θY方向の回転角も含む)はレーザ干渉計92によりリアルタイムで計測される。レーザ干渉計92の計測結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは、レーザ干渉計92の計測結果に基づいてマスクステージ駆動装置MSTDを駆動し、マスクステージMSTに保持されているマスクMの位置制御を行う。
投影光学系PLは、第1面(物体面)に配置されたマスクMのパターンを所定の投影倍率βで、第2面(像面)に配置された基板Pの表面に投影露光するものであって、投影光学系PLの像面に最も近い位置に配置された第1光学素子LS1を含む複数の光学素子LS1〜LS7で構成されている。マスクMのパターンを基板Pに投影するときには、露光光ELが投影光学系PLを通過する。本実施形態において、投影光学系PLは、投影倍率βが例えば1/4、1/5、あるいは1/8の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。
第1光学素子LS1は、露光光ELを透過可能な無屈折力の平行平面板であって、下面T1と上面T2とは平行である。第1光学素子LS1は第2ノズル部材72によって支持される。第2ノズル部材72は、第1光学素子LS1を囲む枠部材であって、第1光学素子LS1の外周部(フランジ部)を支持する支持部を有しており、第1光学素子LS1は、第2ノズル部材72に設けられた支持部によって支持されている。第1光学素子LS1を支持する第2ノズル部材72は鏡筒PKの下端部(下面)に接続されている。また、第1光学素子LS1を支持する第2ノズル部材72は、鏡筒PKに対して脱着可能に設けられている。
第2光学素子LS2は、屈折力(レンズ作用)を有する光学素子であって、平面状の下面T3と、物体面側(マスクM側)に向かって凸状に形成され、正の屈折力を有する上面T4とを有している。第2光学素子LS2の上面T4は正の屈折力を有しているため、上面T4に入射する光(露光光EL)の反射損失が低減されており、ひいては大きい像側開口数が確保されている。
本実施形態において、投影光学系PLを構成する複数の光学素子LS1〜LS7のうち、第2光学素子LS2の側面T6に溝部50が設けられている。そして、鏡筒PKの一部に、第2光学素子LS2を保持するための光学素子保持装置LH(保持部材)が設けられる。溝部50と光学素子保持装置LHとの関係は第1〜第7実施形態で説明した通りである。屈折力(レンズ作用)を有する第2光学素子LS2は、良好に位置決めされた状態で鏡筒PKの保持装置LHに保持されている。保持装置LHに保持された第2光学素子LS2の下面T3と、第2ノズル部材72に支持された第1光学素子LS1の上面T2とはほぼ平行となっている。
基板ステージPSTは、基板Pを保持する基板ホルダPHを有しており、基板ホルダPHに基板Pを保持して移動可能である。基板ホルダPHは、例えば真空吸着等により基板Pを保持する。基板ステージPST上には凹部96が設けられており、基板Pを保持するための基板ホルダPHは凹部96に配置されている。そして、基板ステージPSTのうち凹部96以外の上面97は、基板ホルダPHに保持された基板Pの表面とほぼ同じ高さ(面一)になるような平坦面となっている。なお、第1空間K1に液体LQを満たし続けることができるならば、基板ステージPSTの上面97と基板ホルダPHに保持された基板Pの表面とに段差があってもよい。
基板ステージPSTは、制御装置CONTにより制御されるリニアモータ等を含む基板ステージ駆動装置PSTDの駆動により、基板Pを基板ホルダPHを介して保持した状態で、ベース部材BP上でXY平面内で2次元移動可能及びθZ方向に微小回転可能である。更に、基板ステージPSTは、Z軸方向、θX方向、及びθY方向にも移動可能である。したがって、基板ステージPSTに保持された基板Pの表面は、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に移動可能である。基板ステージPSTの側面には移動鏡93が設けられている。また、所定の位置にはレーザ干渉計94が設けられている。基板ステージPST上の基板Pの2次元方向の位置、及び回転角はレーザ干渉計94によりリアルタイムで計測される。また、不図示ではあるが、露光装置EXは、基板ステージPSTに保持されている基板Pの表面の面位置情報を検出するフォーカス・レベリング検出系を備えている。
レーザ干渉計94の計測結果及びフォーカス・レベリング検出系の検出結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは、フォーカス・レベリング検出系の検出結果に基づいて、基板ステージ駆動装置PSTDを駆動し、基板Pのフォーカス位置(Z位置)及び傾斜角(θX、θY)を制御して、基板Pの表面と投影光学系PL及び液体LQを介して形成される像面との位置関係を調整するとともに、レーザ干渉計94の計測結果に基づいて、基板PのX軸方向、Y軸方向、及びθZ方向における位置制御を行う。
次に、第1液浸機構1について説明する。第1液浸機構1の第1液体供給装置11は、第1光学素子LS1と基板Pとの間の光路空間である第1空間K1を液体LQで満たすために液体LQを供給するものであって、液体LQを収容するタンク、加圧ポンプ、供給する液体LQの温度を調整する温度調整装置、及び液体LQ中の異物を取り除くフィルタユニット等を備えている。第1液体供給装置11には供給管13の一端部が接続されており、供給管13の他端部は第1ノズル部材71に接続されている。第1液体供給装置11の液体供給動作は制御装置CONTにより制御される。なお、第1液体供給装置11のタンク、加圧ポンプ、温調装置、フィルタユニット等は、その全てを露光装置EXが備えている必要はなく、露光装置EXが設置される工場等の設備を代用してもよい。
第1液浸機構1の第1液体回収装置21は、第1光学素子LS1と基板Pとの間の光路空間である第1空間K1に満たされている液体LQを回収するためのものであって、真空ポンプ等の真空系、回収された液体LQと気体とを分離する気液分離器、及び回収した液体LQを収容するタンク等を備えている。第1液体回収装置21には回収管23の一端部が接続されており、回収管23の他端部は第1ノズル部材71に接続されている。第1液体回収装置21の液体回収動作は制御装置CONTにより制御される。なお、第1液体回収装置21の真空系、気液分離器、タンク等は、その全てを露光装置EXが備えている必要はなく、露光装置EXが設置される工場等の設備を代用してもよい。
第1空間K1に液体LQを供給する供給口12及び第1空間K1の液体LQを回収する回収口22は第1ノズル部材71の下面に形成されている。第1ノズル部材71の下面は、基板Pの表面、及び基板ステージPSTの上面97と対向する位置に設けられている。第1ノズル部材71は、第1光学素子LS1の側面を囲むように設けられた環状又は矩形状部材であって、供給口12は、第1ノズル部材71の下面において、投影光学系PLの第1光学素子LS1(投影光学系PLの光軸AX)を囲むように複数設けられている。また、回収口22は、第1ノズル部材71の下面において、第1光学素子LS1に対して供給口12よりも外側に(供給口12よりも離れて)設けられており、最終光学素子LS1及び供給口12を囲むように設けられている。
そして、制御装置CONTは、第1液体供給装置11を使って第1空間K1に液体LQを所定量供給するとともに、第1液体回収装置21を使って第1空間K1の液体LQを所定量回収することで、投影光学系PLと基板Pとの間の露光光ELの光路空間である第1空間K1を液体LQで満たす。第1空間K1を液体LQで満たす際、制御装置CONTは、第1液体供給装置11及び第1液体回収装置21のそれぞれを駆動する。制御装置CONTの制御のもとで第1液体供給装置11から液体LQが送出されると、その第1液体供給装置11から送出された液体LQは、供給管13を流れた後、第1ノズル部材71の内部に形成された供給流路を介して、供給口12より第1空間K1に供給される。また、制御装置CONTの制御のもとで第1液体回収装置21が駆動されると、第1空間K1の液体LQは回収口22を介して第1ノズル部材71の内部に設けられた回収流路に流入し、回収管23を流れた後、第1液体回収装置21に回収される。
次に、第2液浸機構2について説明する。第2液浸機構2の第2液体供給装置31は、第1光学素子LS1の上面T2と第2光学素子LS2の下面T3との間の光路空間である第2空間K2を液体LQで満たすために液体LQを供給するものである。第2液体供給装置31は、第1液浸機構1の第1液体供給装置11とほぼ同等の構成を有している。第2液体供給装置31には供給管33の一端部が接続されており、供給管33の他端部は第2ノズル部材72に接続されている。第2液体供給装置31の液体供給動作は制御装置CONTにより制御される。
第2液浸機構2の第2液体回収装置41は、第2空間K2の液体LQを回収するものである。第2液体回収装置41は、第1液浸機構1の第1液体回収装置21とほぼ同等の構成を有している。第2液体回収装置41には回収管43の一端部が接続されており、回収管43の他端部は第2ノズル部材72に接続されている。第2液体回収装置41の液体回収動作は制御装置CONTにより制御される。
第2空間K2に液体LQを供給する供給口32及び第2空間K2の液体LQを回収する回収口42は第2ノズル部材72の所定位置に形成されている。本実施形態においては、供給口32は、第2ノズル部材72のうち、第2空間K2に対して−X側の所定位置に設けられている。回収口42は、第2ノズル部材72のうち、第2空間K2を挟んで供給口32と対向する位置に設けられている。
第2空間K2を液体LQで満たす際には、制御装置CONTは、第2液浸機構2の第2液体供給装置31を使って液体LQを所定量供給することで、第1光学素子LS1と第2光学素子LS2との間の露光光ELの光路空間である第2空間K2を液体LQで満たす。第2空間K2を液体LQで満たす際、制御装置CONTは、第2液体供給装置31を駆動する。制御装置CONTの制御のもとで第2液体供給装置31から液体LQが送出されると、その第2液体供給装置31から送出された液体LQは、供給管33を流れた後、第2ノズル部材72の内部に形成された供給流路を介して、供給口32より第2空間K2に供給される。また、制御装置CONTの制御のもとで第2液体回収装置41が駆動されると、第2空間K2の液体LQは回収口42を介して第2ノズル部材72の内部に形成された回収流路に流入し、回収管43を流れた後、第2液体回収装置41に回収される。
基板Pを液浸露光する際には、制御装置CONTは、第1液浸機構1及び第2液浸機構2を使って、第1空間K1及び第2空間K2のそれぞれを液体LQで満たす。第1空間K1及び第2空間K2を液体LQで満たした後、制御装置CONTは、照明光学系ILによりマスクステージMSTに保持されているマスクMを露光光ELで照明する。照明光学系ILより射出された露光光ELは、マスクMを通過し、複数の光学素子LS7〜LS3のそれぞれを通過した後、第2光学素子LS2の上面T4の所定領域(第1領域SR1)に入射し、第2光学素子LS2を通過し、下面T3の所定領域(第2領域SR2)を通過した後、第2空間K2に満たされている液体LQに入射する。その液体LQを通過した露光光ELは、第1光学素子LS1の上面T2の所定領域を通過した後、下面T1の所定領域を通過し、第1空間K1に満たされている液体LQに入射した後、基板P上に到達する。これにより、基板Pは液浸露光される。
本実施形態においては、第2光学素子LS2に溝部を設け、保持装置はその溝部を使って第2光学素子LS2を保持しているが、投影光学系PLを構成する他の光学素子(LS1、LS3〜LS7)にも溝部を設けることが可能である。そして、光学素子保持装置(保持部材)は、その溝部を用いて光学素子(LS1、LS3〜LS7)を保持することができる。
なお、上述の実施形態においては、溝部を有する光学素子として、露光装置EXに搭載される投影光学系PLを構成する光学素子を例にして説明したが、もちろん、投影光学系PL(露光装置EX)以外の光学系、例えば、フォーカス・レベリング検出系やアライメント顕微鏡などを構成する光学素子に溝部を設けることが可能であるとともに、その光学素子を、本発明に係る保持部材(保持装置)で保持することが可能である。
なお、上述の本実施形態の液浸露光装置EXは、液体LQとして純水を使用している。純水は、半導体製造工場等で容易に大量に入手できるとともに、基板P上のフォトレジストや光学素子(レンズ)等に対する悪影響がない利点がある。また、純水は環境に対する悪影響がないとともに、不純物の含有量が極めて低いため、基板Pの表面、及び投影光学系PLの先端面に設けられている光学素子の表面を洗浄する作用も期待できる。
そして、波長が193nm程度の露光光ELに対する純水(水)の屈折率nはほぼ1.44程度と言われており、露光光ELの光源としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)を用いた場合、基板P上では1/n、すなわち約134nmに短波長化されて高い解像度が得られる。更に、焦点深度は空気中に比べて約n倍、すなわち約1.44倍に拡大されるため、空気中で使用する場合と同程度の焦点深度が確保できればよい場合には、投影光学系PLの開口数をより増加させることができ、この点でも解像度が向上する。
なお、本実施形態の液体LQは水であるが、水以外の液体であってもよい、例えば、露光光ELの光源がFレーザである場合、このFレーザ光は水を透過しないので、液体LQとしてはFレーザ光を透過可能な例えば、過フッ化ポリエーテル(PFPE)やフッ素系オイル等のフッ素系流体であってもよい。また、液体LQとしては、その他にも、露光光ELに対する透過性があってできるだけ屈折率が高く、投影光学系PLや基板P表面に塗布されているフォトレジストに対して安定なもの(例えばセダー油)を用いることも可能である。
また、液体LQとしては、屈折率が1.6〜1.8程度のものを使用してもよい。更に、石英や蛍石よりも屈折率が高い(例えば1.6以上)材料で光学素子を形成してもよい。
なお、上記各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
また、露光装置EXとしては、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で第1パターンの縮小像を投影光学系(例えば1/8縮小倍率で反射素子を含まない屈折型投影光学系)を用いて基板P上に一括露光する方式の露光装置にも適用できる。この場合、更にその後に、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で第2パターンの縮小像をその投影光学系を用いて、第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光するスティッチ方式の一括露光装置にも適用できる。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、本発明は、特開平10−163099号公報、特開平10−214783号公報、特表2000−505958号公報などに開示されているような複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
更に、特開平11−135400号公報や特開2000−164504号公報に開示されているように、基板を保持する基板ステージと基準マークが形成された基準部材や各種の光電センサを搭載した計測ステージとを備えた露光装置にも本発明を適用することができる。
また、上述の実施形態においては、投影光学系PLと基板Pとの間に局所的に液体を満たす露光装置を採用しているが、本発明は、特開平6−124873号公報、特開平10−303114号公報、米国特許第5,825,043号などに開示されているような露光対象の基板の表面全体が液体中に浸かっている状態で露光を行う液浸露光装置にも適用可能である。
また、上述の実施形態においては、露光光の光路空間を液体で満たす液浸露光装置を例にして説明しているが、本発明は、露光光の光路空間を気体で満たす通常のドライ型露光装置にも適用することができる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6,778,257号公報に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスクを用いてもよい。
また、国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
以上のように、本願実施形態の露光装置EXは、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図13に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクのパターンを基板に露光する処理を含むステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。

Claims (17)

  1. 保持部材によって保持される周縁部を有する素子本体と、
    前記素子本体のうち、光が入射する領域を有する面及び前記光が射出する領域を有する面とは異なる面に形成され、前記保持部材の一部が入り込む溝部と、を備える光学素子。
  2. 前記溝部は、前記素子本体の接線方向に沿って形成された複数の溝要素を有する請求項1記載の光学素子。
  3. 前記溝部は、光軸を囲む環状の溝要素を有する請求項1記載の光学素子。
  4. 前記溝部は、光軸と平行な方向に、互いに離間した複数の溝要素を有する請求項1〜3のいずれか一項記載の光学素子。
  5. 周縁部に溝部が形成された光学素子を保持する保持部材を備え、
    前記保持部材は、前記光学素子を支持する第1の支持部と、前記溝部に入り込み、かつ前記第1の支持部と共に前記光学素子の一部を挟み込む第2の支持部とを有する光学素子保持装置。
  6. 前記光学素子は、光を入射する入射面と、入射した前記光を射出する射出面とを有し、
    前記第1の支持部は、前記入射面と前記射出面との間に配置される請求項5記載の光学素子保持装置。
  7. 前記溝部は、前記光学素子の側面で、かつ光軸と平行な方向に互いに離間して形成された第1の溝部と第2の溝部とを有し、
    前記第1の支持部は、前記第1の溝部に入り込み、
    前記第2の支持部は、前記第2の溝部に入り込み、かつ前記第1の支持部と共に前記光学素子の一部を挟み込む請求項5記載の光学素子保持装置。
  8. 前記光学素子の一部は、前記第1の溝部と前記第2の溝部との間に形成されたつば部を含む請求項7記載の光学素子保持装置。
  9. 第1面の像を第2面に形成し、複数の光学素子を備える投影光学系において、
    前記複数の光学素子のうち、少なくとも一つの光学素子として、請求項1〜4のいずれか一項記載の光学素子が用いられる投影光学系。
  10. 第1面の像を第2面に形成し、複数の光学素子を備える投影光学系において、
    前記複数の光学素子のうち、少なくとも一つの光学素子を保持する光学素子保持装置として、請求項5〜8のいずれか一項記載の光学素子保持装置を備える投影光学系。
  11. 光学素子を介して基板に露光光を照射して前記基板を露光する露光装置において、
    前記光学素子として請求項1〜4のいずれか一項記載の光学素子が用いられる露光装置。
  12. 前記露光光が通過する投影光学系を有し、
    前記光学素子は前記投影光学系の一部を構成する請求項11記載の露光装置。
  13. 前記投影光学系は、該投影光学系の像面に最も近い第1光学素子と、
    前記第1光学素子に次いで前記像面に近い第2光学素子とを有し、
    前記第2光学素子に前記溝部が設けられている請求項11又は12記載の露光装置。
  14. 前記第1光学素子と前記第2光学素子との間に液体が満たされる請求項11〜13のいずれか一項記載の露光装置。
  15. 前記第1光学素子の像面側に前記基板が配置され、前記第1光学素子と前記基板との間に液体が満たされる請求項11〜14のいずれか一項記載の露光装置。
  16. 光学素子を介して基板に露光光を照射して前記基板を露光する露光装置において、
    前記光学素子を保持する請求項5〜8のいずれか一項記載の光学素子保持装置を備えた露光装置。
  17. 請求項11〜16のいずれか一項記載の露光装置を用いるデバイス製造方法。
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