JP5139016B2 - オキソジベンゾオキセピン酢酸第3級アルキルエステルの製造方法 - Google Patents

オキソジベンゾオキセピン酢酸第3級アルキルエステルの製造方法 Download PDF

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本発明は、医薬品の製造中間体として有用なオキソジベンゾオキセピン酢酸3級アルキルエステルの製造方法並びにオキソジベンゾオキセピン酢酸t−ブチルエステルおよびそれを用いたジベンゾオキセピン酢酸誘導体の製造方法に関する。
ジベンゾオキセピン酢酸誘導体は医薬として有用な化合物であり、例えばアレルギー薬として有用な医薬品であるオロパタジン(化学名:(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸)の製法としては、次のスキームで示されるような、オキソジベンゾオキセピン酢酸を2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールと反応させたのち脱水閉環させてオキサゾリン誘導体とし、ついで3−ジメチルアミノプロピルマグネシウムクロリド(以下、「グリニア試薬」ということがある。)と反応させる工程を含む製造方法が知られている(特許文献1参照)。
Figure 0005139016
または別法として、次のスキームで示されるような、オキソジベンゾオキセピン酢酸を還元してジベンゾオキセピンエタノール誘導体とし、アルコール基を保護し、酸化した後に、グリニア試薬と反応させる工程を含む製造方法が知られている(特許文献2参照)。
Figure 0005139016
上記のいずれの製造方法においても、グリニア試薬との反応に用いるジベンゾオキセピン誘導体の製造に、煩雑な工程を要するという問題がある。
特公平7−116174号公報 特公平5−86925号公報
上記の問題に鑑みれば、グリニア試薬と反応させることができる、オロパタジンの中間体としてのジベンゾオキセピン誘導体を簡便に製造できれば、オロパタジンを経済的に製造できると期待される。
そこで本発明は、オロパタジンの製造原料としての、グリニア試薬と反応させることができるジベンゾオキセピン誘導体およびその製造方法、ならびにそれを利用したオロパタジンの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意研究の結果、オキソジベンゾオキセピン酢酸をエステル化して第3級アルキルエステルとすることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、
[1] 下記式(1):
Figure 0005139016
で表されるオキソジベンゾオキセピン酢酸をエステル化することを特徴とする下記式(2):
Figure 0005139016
(式中、R、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜2のアルキル基を示す。)
で表されるオキソジベンゾオキセピン酢酸第3級アルキルエステルの製造方法、
[2] エステル化が、無水トリフルオロ酢酸および炭素数4〜6の第3級アルコールにより行なわれる前項[1]に記載の製造方法、
[3] エステル化が、下記式(4)で表されるビニリデン化合物およびリンハロゲン化物により行われる前項[1]に記載の製造方法、
Figure 0005139016
(式中、R、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜2のアルキル基を示す。)
[4] 以下の工程1〜5を包含する方法により上記式(1)で表されるオキソジベンゾオキセピン酢酸を製造し、これをエステル化する請求項1に記載の製造方法:
[工程1]フタライドとハロゲン化剤とを反応させて2−ハロメチルベンゾイルハライドを製造する工程;
[工程2]2−ハロメチルベンゾイルハライドとROH(式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示す。)で表されるアルカノールとを反応させて下記式(5)で表される2−ハロメチル安息香酸アルキルエステルを製造する工程;
Figure 0005139016
(式中、Xはハロゲン原子を示し、Rは前記と同一意味を有する。)
[工程3]2−ハロメチル安息香酸アルキルエステルと下記式(6)で表される4−ヒドロキシフェニル酢酸アルキルエステルとを反応させて下記式(7)で表される2−(4−アルコキシカルボニルメチルフェノキシメチル)安息香酸アルキルエステルを製造する工程;
Figure 0005139016
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
Figure 0005139016
(式中、RおよびRは前記と同一意味を有する。)
[工程4]2−(4−アルコキシカルボニルメチルフェノキシメチル)安息香酸アルキルエステルを加水分解して下記式(8)で表される2−(4−カルボキシメチルフェノキシメチル)安息香酸を製造する工程;
Figure 0005139016
[工程5]2−(4−カルボキシメチルフェノキシメチル)安息香酸を無水トリフルオロ酢酸またはハロゲン化剤で処理し、ルイス酸を触媒として閉環して上記式(1)で表されるオキソジベンゾオキセピン酢酸を製造する工程、
[5] 下記式(3):
Figure 0005139016
で表されるオキソジベンゾオキセピン酢酸t−ブチルエステル、および
[6] 下記式(3):
Figure 0005139016
で表されるオキソジベンゾオキセピン酢酸t−ブチルエステルを3−ジメチルアミノプロピルマグネシウムクロリドと反応させて下記式(9):
Figure 0005139016
で表される11−ヒドロキシ−11−(3’−ジメチルアミノプロピル)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸t−ブチルエステルを製造し、次いでこれを脱水反応および脱エステル化反応させる工程を含むことを特徴とする下記式(10):
Figure 0005139016
で表される11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸またはその薬理的に許容しうる塩の製造方法
に関する。
本発明によれば、グリニア試薬と反応させることができる、オロパタジンの中間体としてのオキソジベンゾオキセピン酢酸第3級アルキルエステルを簡便に製造でき、ひいてはオロパタジンを経済的に製造できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明では、下記式(1):
Figure 0005139016
で表されるオキソジベンゾオキセピン酢酸をエステル化することにより、下記式(2):
Figure 0005139016
(式中、R、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜2のアルキル基を示す。)
で表されるオキソジベンゾオキセピン酢酸第3級アルキルエステルを製造する。
およびRが示すアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基が挙げられる。
本発明において、上記式(2)で表されるオキソジベンゾオキセピン酢酸第3級アルキルエスルとしては、下記式(3):
Figure 0005139016
で表されるオキソジベンゾオキセピン酢酸t−ブチルエステル、すなわち11−オキソ−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸t−ブチルエステルが好ましい。
上記式(3)で表されるオキソジベンゾオキセピン酢酸t−ブチルエステルは、本発明者らの知見によれば新規化合物であり、本発明のひとつである。
上記式(1)で表されるオキソジベンゾオキセピン酢酸をエステル化する方法としては、例えば、無水トリフルオロ酢酸および炭素数4〜6の第3級アルコールにより行う方法が好ましい。この方法においては、例えば、まず上記式(1)で示されるオキソジベンゾオキセピン酢酸1モルに対して1〜1.5モル程度の無水トリフルオロ酢酸を加え、0〜50℃程度の温度で0.5〜2時間程度攪拌し、次いで、炭素数4〜6の第3級アルコールを十分な量で加え、0〜100℃程度の温度で0.5〜10時間程度攪拌することによりエステル化反応を行うことができる。
炭素数4〜6の第3級アルコールの具体例としては、t−ブタノール、2−メチルブタン−2−オール、3−メチルペンタン−3−オール等が挙げられるが、中でもt−ブタノールが好ましい。t−ブタノールを用いることにより、上記式(3)で表されるオキソジベンゾオキセピン酢酸t−ブチルエステルを得ることができる。
また、上記式(1)で表されるオキソジベンゾオキセピン酢酸をエステル化する別の方法として、例えば、下記式(4)で表されるビニリデン化合物およびリンハロゲン化物により行う方法が好ましい。
Figure 0005139016
(式中、R、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜2のアルキル基を示す。)
この方法においては、上記式(1)で表されるオキソジベンゾオキセピン酢酸と上記式(4)で表されるビニリデン化合物とを、リンハロゲン化物の存在下に反応させる。該リンハロゲン化物が存在することにより、簡便かつ高収率で上記エステル化を行うことができる。
上記式(4)で表されるビニリデン化合物の使用量としては、特に限定されるものではないが、上記式(1)で表されるオキソジベンゾオキセピン酢酸1モルに対して、1.5〜10モル程度が好ましく、1.8〜5モル程度がより好ましい。
上記式(4)で表されるビニリデン化合物の代表例としては、イソブテン、2−メチル−1−ブテンが挙げられ、中でもイソブテンが好ましい。イソブテンを用いることにより、上記式(3)で表されるオキソジベンゾオキセピン酢酸t−ブチルエステルを得ることができる。
リンハロゲン化物の使用量としては、特に限定されるものではないが、上記式(1)で表されるオキソジベンゾオキセピン酢酸1モルに対して、0.05〜1モル程度が好ましく、0.15〜0.4モル程度がより好ましい。
リンハロゲン化物としては、例えば、オキシ三塩化リン、三塩化リン、五塩化リン、ジクロロホスホン酸等が挙げられ、中でもオキシ三塩化リン、三塩化リンおよびジクロロホスホン酸が好ましく、オキシ三塩化リンが特に好ましい。
上記オキソジベンゾオキセピン酢酸を上記ビニリデン化合物およびリンハロゲン化物によりエステル化する具体的な方法としては、例えば、適当な溶媒(例えばトルエン、クロロベンゼン)に低温下で上記ビニリデン化合物を溶解させ、これに上記オキソジベンゾオキセピン酢酸を加えて低温で攪拌し、さらに上記リンハロゲン化物を加えた後に昇温し、15〜60℃程度の温度で1〜24時間程度攪拌すればよい。この際、触媒量の水を使用することが反応を促進させる観点から好ましい。かかる水の量としては、上記オキソジベンゾオキセピン酢酸1モルに対して、0.05〜0.25モル程度が好ましく、0.07〜0.2モル程度がより好ましい。または、適当な溶媒(例えばトルエン、クロロベンゼン)に、上記オキソジベンゾオキセピン酢酸とリンハロゲン化物および触媒量の水を加えた後、15〜60℃程度の温度で上記ビニリデン化合物を連続的に加えることで反応を行ってもよい。
なお、上記のいずれの方法によりエステル化を行う場合においても、エステル化反応後は、必要に応じて反応液に公知の方法に準じた分液、洗浄、乾燥(脱水)、分離、濃縮処理等を適宜施し、目的物を取り出せばよい。
本発明におけるエステル化に供するための上記式(1)で表されるオキソジベンゾオキセピン酢酸を製造する方法としては、特に限定されるものではないが、以下の[工程1]〜[工程5]を包含する方法が好ましい。この方法は、収率が高いうえ、140℃未満の温度で一連の反応を行うことができるので、蒸気加熱を利用しやすく省エネルギーに有利である。したがって、この方法を利用して本発明を実施すれば、経済性がさらに向上する。以下にそれぞれの工程を説明する。
[工程1] フタライドとハロゲン化剤とを反応させて2−ハロメチルベンゾイルハライドを製造する工程:
本工程では、フタライドを適当な溶媒を用いて溶液とし、さらに触媒の存在下に加熱した溶液中に、ハロゲン化剤を添加することにより、フタライドとハロゲン化剤とを反応させることができる。フタライドとハロゲン化剤と反応させる溶媒としては、キシレンが好ましい。また、触媒としては、BF−エーテル錯体が好ましい。
溶媒の使用量としては、フタライドの100質量部に対して100〜1000質量部程度が好ましい。
また、触媒の使用量としては、フタライドの1モルに対して0.01〜0.2モル程度が好ましい。
上記溶液中には、反応を促進するために四級アンモニウム塩(例えばベンジルトリエチルアンモニウムクロリド等)等を含有させることが好ましい。その含有量としては、フタライドの1モルに対して0.01〜0.2モル程度が好ましい。
ハロゲン化剤としては、オキシ三塩化リン、五塩化リン、三塩化リン、塩化チオニル、ヨウ素、塩素、臭素、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、臭化シアンまたは1,2−ジブロモエタンなどが挙げられ、好ましくはオキシ三塩化リンまたは塩化チオニルである。ハロゲン化剤の使用量としては、フタライドの1モルに対して1〜2モル程度が好ましい。上記フタライド溶液にハロゲン化剤を添加するにあたって、溶液の温度としては、80〜130℃程度が好ましい。また、ハロゲン化剤を添加する方法としては、0.5〜2時間程度の時間をかけて滴下することが好ましい。そのようにしてハロゲン化剤を滴下した後は、反応をより確実に行うために、120〜135℃程度の温度で1〜5時間程度攪拌することが好ましい。
反応終了後には、過剰のハロゲン化剤と溶媒を除去するが、その方法としては、常圧でハロゲン化剤を留去した後に減圧下で溶媒を留去するのが好ましい。このようにして、2−ハロメチルベンゾイルハライドが残渣として得られる。
[工程2] 2−ハロメチルベンゾイルハライドとROH(式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示す。)で表されるアルカノールとを反応させて下記式(5)で表される2−ハロメチル安息香酸アルキルエステルを製造する工程:
Figure 0005139016
(式中、Xはハロゲン原子を示し、Rは前記と同一意味を有する。)
この工程では、工程1で得られた2−ハロメチルベンゾイルハライドと炭素数1〜4のアルカノール(具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール)とを反応させる。その方法としては、例えば、0.5〜2時間程度の時間をかけて前記アルカノールを2−ハロメチルベンゾイルハライドに滴下し、30〜60℃で0.5〜1時間程度攪拌すればよい。あるいは、よりマイルドにエステル化を行いたい場合には、上記でアルカノールを2−ハロメチルベンゾイルハライドに滴下する代わりに、アルカノール/トルエン混合液に2−ハロメチルベンゾイルハライドを滴下してもよい。なお、アルカノールの使用量としては、2−ハロメチルベンゾイルハライドの1モルに対して1〜3モル程度が好ましい。
このようにして反応させた反応液には、反応により生じた塩酸が含まれることになるので、アルカリで中和することが好ましい。例えば、所定量の炭酸カリウムを溶解させた水溶液に上記反応液を0〜50℃程度で滴下すればよい。中和させた後は、15〜35%程度の濃度の食塩水で洗浄した後、有機層を減圧下で濃縮することにより、式(5)で表される2−ハロメチル安息香酸アルキルエステルを残渣として得ることができる。Rで示されるアルキル基は、直鎖、分枝状もしくは環状であってよく、炭素数1〜4であるものが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
[工程3] 2−ハロメチル安息香酸アルキルエステルと下記式(6)で表される4−ヒドロキシフェニル酢酸アルキルエステルとを反応させて下記式(7)で表される2−(4−アルコキシカルボニルメチルフェノキシメチル)安息香酸アルキルエステルを製造する工程:
Figure 0005139016
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
Figure 0005139016
(式中、RおよびRは前記と同一意味を有する。)
この工程では、工程2で得られた2−ハロメチル安息香酸アルキルエステルと、別途用意した4−ヒドロキシフェニル酢酸アルキルエステルとを反応させる。4−ヒドロキシフェニル酢酸アルキルエステルを得る方法としては、例えば4−ヒドロキシフェニル酢酸に酸触媒(例えば、硫酸。)の存在下で前記アルカノールを直接反応させる方法が挙げられる。
2−ハロメチル安息香酸アルキルエステルと4−ヒドロキシフェニル酢酸アルキルエステルとを反応させる方法としては、例えば、2−ハロメチル安息香酸アルキルエステルの1モルに対して0.5〜1.5モル程度の炭酸カリウムと、4−ヒドロキシフェニル酢酸アルキルエステルの100質量部に対して100〜500質量部程度のジメチルアセトアミドを加えて50〜120℃程度に加熱した溶液に、所定量の4−ヒドロキシフェニル酢酸アルキルエステルを添加した後、同温度で1〜12時間程度攪拌することにより行うことができる。ここで、4−ヒドロキシフェニル酢酸アルキルエステルの使用量は、ほぼ化学両論通り(等モル量)とすることができ、かかる量の4−ヒドロキシフェニル酢酸アルキルエステルを0.5〜2時間程度かけて上記加熱溶液に滴下することが好ましい。Rで示されるアルキル基は、直鎖、分枝状もしくは環状であってよい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
上記の反応後は、公知の方法により目的物を分離すればよい。例えば反応液を水に注入し、有機溶媒(例えばトルエン)を加えて有機層を分取した後、さらに水で洗浄してから有機溶媒を留去することにより、工程3の目的とする式(7)で表される2−(4−アルコキシカルボニルメチルフェノキシメチル)安息香酸アルキルエステルが得られる。
[工程4] 2−(4−アルコキシカルボニルメチルフェノキシメチル)安息香酸アルキルエステルを加水分解して下記式(8)で表される2−(4−カルボキシメチルフェノキシメチル)安息香酸を製造する工程:
Figure 0005139016
この工程における加水分解の方法としては、エステルを酸またはアルカリで加水分解する公知の方法に準じて行えばよい。
[工程5] 2−(4−カルボキシメチルフェノキシメチル)安息香酸を無水トリフルオロ酢酸またはハロゲン化剤で処理し、ルイス酸を触媒として閉環して上記式(1)で表されるオキソジベンゾオキセピン酢酸を製造する工程:
この工程において、2−(4−カルボキシメチルフェノキシメチル)安息香酸を無水トリフルオロ酢酸またはハロゲン化剤で処理する方法、およびルイス酸を触媒として閉環する方法自体は、公知の方法に準じて行えばよい。
この工程において2−(4−カルボキシメチルフェノキシメチル)安息香酸を溶解させる溶媒としては、ジクロルベンゼン、クロルベンゼンなどが挙げられ、2−(4−カルボキシメチルフェノキシメチル)安息香酸1モルに対して0.5〜2L程度の量で用いることができる好ましい。また、2−(4−カルボキシメチルフェノキシメチル)安息香酸を無水トリフルオロ酢酸またはハロゲン化剤で処理する際の温度としては、10〜100℃程度が好ましい。
2−(4−カルボキシメチルフェノキシメチル)安息香酸を無水トリフルオロ酢酸により処理する場合、該処理により一旦トリフルオロ酢酸との混合酸無水物が形成されると考えられ、次いでルイス酸触媒で閉環される。無水トリフルオロ酢酸の使用量としては、2−(4−カルボキシメチルフェノキシメチル)安息香酸1モルに対して2〜2.5モル程度が好ましい。
2−(4−カルボキシメチルフェノキシメチル)安息香酸をハロゲン化剤により処理する場合、2−(4−カルボキシメチルフェノキシメチル)安息香酸の1モルに対して、ハロゲン化剤2モルを反応させて酸ハライド(ジカルボン酸ハライド)を生成させ、次いでルイス酸触媒で閉環する。ハロゲン化剤としては、オキシ三塩化リン、五塩化リン、三塩化リン、塩化チオニル、ヨウ素、塩素、臭素、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、臭化シアンまたは1,2−ジブロモエタンなどが挙げられ、好ましくはオキシ三塩化リンまたは塩化チオニルである。また、該処理時におけるハロゲン化剤の使用量としては、2−(4−カルボキシメチルフェノキシメチル)安息香酸1モルに対して2〜2.5モル程度が好ましい。
上記ルイス酸触媒としては、3フッ化ホウ素、塩化アルミニウムなどが好ましく用いられる。上記ルイス酸触媒の使用量としては、2−(4−カルボキシメチルフェノキシメチル)安息香酸1モルに対して0.05〜0.2モル程度が好ましい。また、上記ルイス酸を触媒として閉環する際の温度としては、−20℃〜30℃程度が好ましい。
本発明により得られるオキソジベンゾオキセピン酢酸第3級アルキルエステルは、グリニア試薬と反応させることができ、医薬品として有用なオロパタジンの中間体として有用である。すなわち、上記オキソジベンゾオキセピン酢酸第3級アルキルエステルをグリニア試薬と反応させ、次いで脱水反応と脱エステル反応を行うことにより、オロパタジンを製造することができる。そのようなオロパタジンの製造方法について、オキソジベンゾオキセピン酢酸第3級アルキルエステルとして上記式(3)で表されるオキソジベンゾオキセピン酢酸t−ブチルエステルを用いた場合を例に挙げて以下に説明する。
まず、上記式(3)で表されるオキソジベンゾオキセピン酢酸t−ブチルエステルをグリニア試薬と反応させて下記式(9):
Figure 0005139016
で表される11−ヒドロキシ−11−(3’−ジメチルアミノプロピル)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸t−ブチルエステルを製造する。
ここで用いるグリニア試薬すなわち3−ジメチルアミノプロピルマグネシウムクロリドは、例えば、3−ジメチルアミノプロピルクロリド塩酸塩とマグネシウムとから製造することができる。グリニア試薬の使用量としては、上記オキソジベンゾオキセピン酢酸t−ブチルエステルの1モルに対して、1〜2モル程度が好ましい。グリニア試薬は、適当な溶媒(例えばトルエン/テトラヒドロフラン混合溶媒)に10〜40%程度の濃度で溶解させた溶液として、上記オキソジベンゾオキセピン酢酸t−ブチルエステルを適当な溶媒(例えばテトラヒドロフラン)に溶解させた溶液中に徐々に滴下して添加することが好ましい。適下時の液温としては10〜30℃程度が好ましく、滴下時間としては0.5〜5時間程度が好ましい。また、滴下終了後には、十分に反応せしめるべく一定時間の攪拌を行うことが好ましい。
上記により十分に反応が進んだことを確認した後の反応液に、必要に応じ公知の方法に準じて抽出、分液、洗浄、乾燥(脱水)、濃縮等の操作を行うことにより、11−ヒドロキシ−11−(3’−ジメチルアミノプロピル)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸t−ブチルエステルを得ることができる。
次に、上記で得た11−ヒドロキシ−11−(3’−ジメチルアミノプロピル)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸t−ブチルエステルを脱水反応および脱エステル化反応させる。この反応は、例えば、1〜35%程度の濃度の塩酸を上記ブチルエステル1モルに対して1〜5モル程度の量加え、20〜100℃程度の温度で0.5〜10時間程度攪拌することにより行うことができる。通常はこの反応によりオロパタジン(カラム法で処理することにより塩酸オロパタジンを得ることができる)およびその異性体(E体)が生成するが、カラム法や結晶化法などの公知の方法に準じてオロパタジンを単離すればよい。なお、オロパタジンは脱エステル化反応に用いた酸に対応する薬理的に許容しうる塩として得られる。薬理的に許容しうる塩とは、塩酸塩、硫酸塩などの無機酸塩を意味し、好ましくは塩酸塩である。
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明が以下の実施例に限定されるものでないことはいうまでもない。
[参考例1] 11−オキソ−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸の製造
・工程1
1Lの四つ口フラスコに、キシレン643ml、フタライド134.1g(1.0モル)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド18.2g(0.08モル)およびBF−エーテル錯体9.9g(0.07モル)を加え、100℃に加熱した。次いで、塩化チオニル142.8g(1.2モル)を1時間で滴下し、さらに125〜132℃で2時間攪拌した。常圧で内温が135℃になるまでキシレンと過剰の塩化チオニル(約350ml)を留去し、さらに減圧下にキシレン(約350ml)を留去した。
・工程2
上記工程1で得られた濃縮残渣にメタノール80.1g(2.5モル)を1時間で滴下した。このとき発熱と塩酸ガスの発生を伴うので、水浴で冷却して内温を60℃以下に保った。その後、50℃で1時間攪拌を行い、25℃まで冷却した。
次に、この反応液にトルエン300mlを加えた液を、炭酸カリウム70.0g(0.51モル)を水300mlに溶解した溶液に30分間かけて滴下した。トルエン層を分取し、さらに30%食塩水130gで洗浄後、減圧下に濃縮して2−クロロメチル安息香酸メチルエステル189.2gを得た。見かけ収率は102.5%であった。
(物性データ)
MS(m/z) 184(M
・工程3
500mlの四つ口フラスコに、4−ヒドロキシフェニル酢酸30.4g(0.20モル)とメタノール300mlを仕込み、硫酸0.1gを加え加熱還流下で1時間撹拌した。次いで、減圧下で大部分のメタノールを留去した。その後、メタノール100mlを加え再度、メタノールを留去することで、4−ヒドロキシフェニル酢酸メチルエステルを得た。
上記の工程2で得た2−クロロメチル安息香酸メチルエステル38.8g(0.21モル)、炭酸カリウム30.4g(0.22モル)及びジメチルアセトアミド100mlを 1Lの四つ口フラスコに仕込み、90℃まで加熱した。
この溶液に、上記で得られた4−ヒドロキシフェニル酢酸メチルエステルの全量を1時間かけて滴下し、その後90℃で7時間撹拌を行った。反応液を水400mlに注入し、次いでトルエン200mlを加え、トルエン層を分取した。得られたトルエン層を水200mlで洗浄の後、トルエンを留去し、2−(4−メトキシカルボニルメチルフェノキシメチル)安息香酸メチルエステル64.3g(0.2045モル)を得た。見かけ収率は102.2%であった。
(物性データ)
H NMR(400MHz,CDCl
δ 3.57(s,2H), 3.68(s,3H), 3.90(s,3H),
5.49(s,2H), 6.95(d,J=8.8Hz,2H),
7.19(d,J=8.4Hz,2H), 7.37(t,J=7.6Hz,1H),
7.74(d,J=7.6Hz,1H), 8.02(d,J=8.0Hz,1H)
・工程4
上記の工程3で得られた2−(4−メトキシカルボニルメチルフェノキシメチル)安息香酸メチルエステルの全量を四つ口フラスコに仕込み、水酸化ナトリウム17.0gを水100mlに溶解した溶液と、メタノール150mlとを加え、65℃で2時間撹拌を行った。その後室温(約25℃)まで冷却してから、水200mlで希釈し、次いで活性炭2.0gを加え室温で1時間撹拌の後、ブフナーロートで濾過して活性炭を分別し、さらに該活性炭をブフナーロート上にて水100mlで洗浄した。濾過母液と洗浄液とを合わせ、60℃に加熱したものに、酢酸26.5gを水50mlに溶解した溶液を2時間かけて滴下し、同温度で結晶を析出させた。次いで、10℃まで冷却後、ブフナーロートにより濾過して結晶を採取し、さらに水200mlで洗浄した。洗浄後の結晶を減圧下に乾燥して2−(4−カルボキシメチルフェノキシメチル)安息香酸46.5g(0.1624モル)を得た。収率(工程3の4−ヒドロキシフェニル酢酸からの収率)は81.2%であった。
(物性データ)
H NMR(400MHz,DMSOd
δ 3.47(s,2H), 5.45(s,2H),
6.90(d,J=8.0Hz,2H), 7.16(d,J=8.4Hz,2H),
7.47(t,J=7.6Hz,1H), 7.36(t,J=7.4Hz,1H),
7.57(d,J=7.2Hz,1H), 7.86(d,J=7.6Hz,1H)
・工程5
上記の工程4で得られた2−(4−カルボキシメチルフェノキシメチル)安息香酸の全量と、クロルベンゼン200mlとを500mlの四つ口フラスコに仕込み、無水トリフルオロ酢酸75.0g(0.3753モル)を加え、約20℃で4時間攪拌した。次いで、−10〜0℃でBF−エーテル錯体2.3g(0.0162モル)を10分間かけて滴下した後、さらに30分攪拌してから分液し、有機層を水200mlで洗浄した。洗浄後の有機層を、水酸化ナトリウム7.2gを300mlの水に溶解した液中に加えて30分間攪拌した後、分液した。分液した水層に活性炭2.0gを加えて30分間攪拌し、ブフナーロートにより濾過して活性炭を分別し、さらに該活性炭をブフナーロート上にて水10mlで洗浄した。濾液と洗浄液とを合わせたものを約40℃に保ち、これに酢酸11.3g(0.1876モル)と水50mlとの混合液を30分間かけて滴下した。滴下終了後、0〜10℃に冷却し、ブフナーロートにより濾過して析出結晶を採取し、さらに水200mlで洗浄した。洗浄後の結晶を減圧下で乾燥し、表題化合物[11−オキソ−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸]42.0gを得た。収率(2−(4−カルボキシメチルフェノキシメチル)安息香酸からの収率)は96.4%、HPLCで測定した純度は99.9%であった。
(HPLC条件)
カラム:Inertsil ODS−5μm(4.6mmID×15cm)
移動相:0.02%トリフルオロ酢酸水溶液/アセトニトリル=5/5→3/7(30分)
検出波長:UV254nm
(物性データ)
H NMR(400MHz,DMSOd
δ 3.63(s,2H), 5.30(s,2H),
7.07(d,J=8.0Hz,2H), 7.48(t,J=3.6Hz,1H),
7.55(d−d,J=7.9Hz,2H),
7.67(t,J=7.6Hz,1H), 7.78(d,J=7.6Hz,1H),
7.97(d,J=2.0Hz,1H)
[実施例1] 11−オキソ−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸t−ブチルエステルの製造
参考例1に記載の方法と同じ方法で得た11−オキソ−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸60.4g(0.225モル)と、トルエン300mlとを1Lの四つ口フラスコに仕込み、無水トリフルオロ酢酸49.6g(0.236モル)を加えて約20℃で1時間攪拌した。これにt−ブタノール100mlを加えて約20℃で2時間攪拌し、さらに80℃で2時間攪拌した。これを約20℃まで冷却し、水600mlを加えて20分間攪拌した後、分液した。有機層を400mlの水で洗浄し、次いで炭酸カリウム6.2g(0.045モル)を100mlの水に溶解した溶液で洗浄した。この洗浄後の有機層に活性炭3.0gを加えて攪拌した後、ブフナーロートで濾過して活性炭を分別し、さらに50mlのトルエンで該活性炭をブフナーロート上にて洗浄した。濾過母液と洗浄液とを合一し、減圧下に濃縮して、表題化合物58.3gを得た。見かけ収率は79.9%、HPLCで測定した純度は99.1%であった。
(HPLC条件)
カラム:Inertsil ODS−5μm(4.6mmID×15cm)
移動相:0.02%トリフルオロ酢酸水溶液/アセトニトリル=5/5→3/7(30分)
検出波長:UV254nm
(物性データ)
1H NMR(400MHz,CDCl
δ 1.45(s,9H), 3.55(s,2H), 5.17(s,2H),
7.02(d,J=8.4,1H), 7.40−7.48(m,3H),
7.54(t,J=6.4Hz,1H), 7.89(d,J=6.4Hz,1H),
8.11(d,J=2.4Hz,1H)
[実施例2] 11−オキソ−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸t−ブチルエステルの製造
3000mlの四つ口フラスコにモノクロルベンゼン1500mlと11−オキソ−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸200g(0.746モル)を仕込み、次いでオキシ三塩化リン45.8g(0.298モル)および水2.7g(0.149モル)を添加した。その後、混合物を40℃に加熱し、イソブテン209.2g(3.728モル)を約8時間かけて吹き込み反応させた。この反応液を、水800mlに炭酸カリウム206.2g(1.492モル)を溶解した溶液中へ冷却しながら投入し、さらに約25℃で1時間攪拌した後、モノクロルベンゼン層を分取した。さらに、モノクロルベンゼン層を水200mlに炭酸カリウム51.5g(0.323モル)を溶かした溶液で洗浄した後、減圧下に濃縮して表題化合物の粗製オイル243gを得た。
得られた粗製オイルをメタノール500mlに溶解し、活性炭10gを加え、50℃で1時間攪拌した後、ブフナーロートで濾過し、50℃に温めたメタノール50mlで活性炭を洗浄した。この母液と洗浄液を徐々に冷却すると30℃で結晶が析出した。さらに10℃にまで冷却の後、ブフナーロートで結晶を濾過し、10℃に冷却したメタノール150mlで結晶を洗浄した。得られた結晶を減圧下に乾燥し、表題化合物206.2g(0.636モル)を得た。収率は85.3%、HPLCで測定した純度は99.4%であった。融点68.8℃。
[実施例3] 11−オキソ−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸t−ブチルエステルの製造
500mlの四つ口フラスコにトルエン100mlを仕込み、0℃に冷却し、そこにイソブテン11.2g(0.20モル)を吹き込んだ。この溶液に、参考例1に記載の方法と同じ方法で得た11−オキソ−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸13.4g(0.05モル)を添加し、0℃で攪拌した。さらに、この溶液にオキシ三塩化リン1.53g(0.01モル)を加えた後、ゆっくりと室温(約25℃)まで温度を上げ、次いで、水0.09gを添加した。その後、オートクレーブ中で40℃に加熱し、5時間攪拌して反応させた。この反応液を、水100mlに炭酸カリウム13.8g(0.10モル)を溶解させた溶液中に投入し、室温(約25℃)で30分間攪拌した後、トルエン層を分取し、これを硫酸マグネシウム2.0gで脱水し、ブフナーロートで濾過した。この濾過母液を減圧下に濃縮して、表題化合物10.8g(0.0033モル)を得た。見かけ収率は66.7%、HPLCで測定した純度は99.5%であった。
(HPLC条件)
カラム:Inertsil ODS−5μm(4.6mmID×15cm)
移動相:0.02%トリフルオロ酢酸水溶液/アセトニトリル=5/5→3/7(30分)
検出波長:UV254nm
(物性データ)
1H NMR(400MHz,CDCl
δ 1.45(s,9H), 3.55(s,2H), 5.17(s,2H),
7.02(d,J=8.4,1H), 7.40−7.48(m,3H),
7.54(t,J=6.4Hz,1H), 7.89(d,J=6.4Hz,1H),
8.11(d,J=2.4Hz,1H)
[実施例4] 11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸の製造
実施例1と同じ方法で得た11−オキソ−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸t−ブチルエステル 6.49g(0.02モル)、テトラヒドロフラン50mlを四つ口フラスコに仕込み、これに15〜20℃で、3−ジメチルアミノプロピルマグネシウムクロリド(3−ジメチルアミノプロピルクロリド塩酸塩とマグネシウムから製造した)0.03モル相当を含有するトルエン(15.4ml)/テトラヒドロフラン(11.7ml)混合溶媒溶液を2.5時間かけて滴下した。滴下終了後、30分間攪拌し、HPLCで原料の消失を確認した。この反応液を、30mlの水と5.4gの酢酸との混合液に加えた後、28%アンモニア水でpHを9.6にした。これを分液し、有機層を15%食塩水50mlで洗浄後、濃縮し、11−ヒドロキシ−11−(3’−ジメチルアミノプロピル)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸t−ブチルエステルを97.7%の収率で得た。
(物性データ)
1H NMR(400MHz,CDCl
δ 1.41(s,9H), 1.43−1.45(m,2H),
1.96(q,J=8.4Hz,1H), 2.19−2.26(m,2H),
2.26(s,6H), 3.20(q,J=8.0Hz,1H),
3.48(s,1H), 5.02(d,J=15.6Hz,1H),
5.45(d,J=15.6Hz,1H),
6.87(d,J=6.8Hz,1H), 7.03(d,J=7.6Hz,1H),
7.13−7.16(m,2H), 7.23(t,J=8.0Hz,2H),
7.67(d,J=2.0Hz,1H), 8.08(d,J=9.6Hz,1H)
上記と同じ方法で得た11−ヒドロキシ−11−(3’−ジメチルアミノプロピル)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸t−ブチルエステル 8.04g(0.02モル)と、35%塩酸4.2g(0.04モル)およびトルエン16.0mlを四つ口フラスコに仕込み、100℃で6時間攪拌し、HPLCで原料の消失を確認して表題化合物を得た。

Claims (6)

  1. 下記式(1):
    Figure 0005139016
    で表されるオキソジベンゾオキセピン酢酸をエステル化することを特徴とする下記式(2):
    Figure 0005139016
    (式中、R、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜2のアルキル基を示す。)
    で表されるオキソジベンゾオキセピン酢酸第3級アルキルエステルの製造方法。
  2. エステル化が、無水トリフルオロ酢酸および炭素数4〜6の第3級アルコールにより行なわれる請求項1に記載の製造方法。
  3. エステル化が、下記式(4)で表されるビニリデン化合物およびリンハロゲン化物により行われる請求項1に記載の製造方法。
    Figure 0005139016
    (式中、R、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜2のアルキル基を示す。)
  4. 以下の工程1〜5を包含する方法により上記式(1)で表されるオキソジベンゾオキセピン酢酸を製造し、これをエステル化する請求項1に記載の製造方法:
    [工程1]フタライドとハロゲン化剤とを反応させて2−ハロメチルベンゾイルハライドを製造する工程;
    [工程2]2−ハロメチルベンゾイルハライドとROH(式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示す。)で表されるアルカノールとを反応させて下記式(5)で表される2−ハロメチル安息香酸アルキルエステルを製造する工程;
    Figure 0005139016
    (式中、Xはハロゲン原子を示し、Rは前記と同一意味を有する。)
    [工程3]2−ハロメチル安息香酸アルキルエステルと下記式(6)で表される4−ヒドロキシフェニル酢酸アルキルエステルとを反応させて下記式(7)で表される2−(4−アルコキシカルボニルメチルフェノキシメチル)安息香酸アルキルエステルを製造する工程;
    Figure 0005139016
    (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)

    Figure 0005139016
    (式中、RおよびRは前記と同一意味を有する。)
    [工程4]2−(4−アルコキシカルボニルメチルフェノキシメチル)安息香酸アルキルエステルを加水分解して下記式(8)で表される2−(4−カルボキシメチルフェノキシメチル)安息香酸を製造する工程;
    Figure 0005139016
    [工程5]2−(4−カルボキシメチルフェノキシメチル)安息香酸を無水トリフルオロ酢酸またはハロゲン化剤で処理し、ルイス酸を触媒として閉環して上記式(1)で表されるオキソジベンゾオキセピン酢酸を製造する工程。
  5. 下記式(3):
    Figure 0005139016
    で表されるオキソジベンゾオキセピン酢酸t−ブチルエステル。
  6. 下記式(3):
    Figure 0005139016
    で表されるオキソジベンゾオキセピン酢酸t−ブチルエステルを3−ジメチルアミノプロピルマグネシウムクロリドと反応させて下記式(9):
    Figure 0005139016
    で表される11−ヒドロキシ−11−(3’−ジメチルアミノプロピル)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸t−ブチルエステルを製造し、次いでこれを脱水反応および脱エステル化反応させる工程を含むことを特徴とする下記式(10):
    Figure 0005139016
    で表される11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸またはその薬理的に許容しうる塩の製造方法。
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