JP5139003B2 - 組成物およびフィルム - Google Patents

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本発明は、下記式(1)で表わされる繰り返し単位を主鎖とするポリマーとポリ−L−乳酸とを含む組成物、および該組成物より得られたフィルムに関する。
式中、Phはフェニル基を表す。
近年、自然環境保護の観点から、自然環境中で分解する生分解性ポリマー及びその成形品が求められ、脂肪族ポリエステルなどの自然分解性樹脂の研究が活発に行われている。特に、ポリ乳酸は融点が130〜180℃と十分に高く、しかも透明性に優れるため、包装材料や透明性を生かした成形品等としての用途に使用されている。またポリ乳酸の原料となる乳酸は、植物等の再生可能資源から得られ、石油等の枯渇資源を使用しない点からも大いに期待されている。
ポリ乳酸は、結晶性熱可塑性ポリマーであるが、結晶化度が小さく、たとえば射出成形等による成形品は、剛性に優れているが、耐熱性が低く、あるいは耐熱性と耐衝撃性が共に低く、例えば包装容器では熱湯又は電子レンジを使用することができず、用途が限定されている。またCDケースやカセットケース等の収納部品等では高温になると熱変形を起こし、自動車内等で使用することができない。また、キャスティングや押し出しにて得られるフィルムも包装用その他用途で耐熱性の高いものが望まれている。
そこで、耐熱性を付与するために、ポリ乳酸の結晶化度を上げることが検討されている。結晶化を促進させるための手法として核剤を添加する方法が知られている。生分解性を有するポリマーにこのような添加剤を加える例として、特許文献1が挙げられる。
特許文献1には、ポリラクチド熱可塑性プラスチックへの、シリカ、カオリナイトのような無機化合物の充填剤の添加により、硬度、強度、温度抵抗性の性質を変えることが記載されており、その実施例には、L、DL−ラクチド共重合体に核剤として乳酸カルシウム5重量%を温度170℃の加熱ロールで5分間ブレンドしたところ、そのシートは剛性、強度がありかつ曇っていて、結晶化度が増加した事が記載されている。
しかしながら、ポリ乳酸を結晶化させると透明性が失われるという欠点がある。ポリ乳酸のガラス転移温度は約60℃であり、ガラス(非晶)状態で透明性を保ちながら耐熱性を上げるには、ポリマーのガラス転移温度を上げる必要があった。
このため、特許文献2には、耐熱性を付与させるために、ガラス転移温度をポリ乳酸より向上させた重合体(脂肪族芳香族ポリエステル)とその製造方法が開示されており、例えば、下記の式(1)で表わされる繰り返し単位からなるポリマーでは、ガラス転移温度が80.9℃であった、と記載されている。
式中、Phはフェニル基を表す。
特許文献2には、このような重合体は、包装材料や、コーティング材料、成形品用材料等に好適に用いることができるとされているが、今のところ、そのモノマーの製造時の収率が低いため、モノマーが高価となり、そのため重合体を安価に入手できないという問題があった。
特表平4−504731号公報(WO 90/01521号公報) 特開2006−225622号公報(段落〔0044〕、〔0047〕、〔0056〕)
本発明の目的は、上記従来技術の問題に鑑み、生分解性を有するポリ乳酸を主体とする、耐熱性と透明性及び安価であることを併せ有する製品を製造し得る組成物を提供すること、並びに該組成物より得られたフィルムを提供することにある。
本発明の組成物は、下記式(1)で表わされる繰り返し単位を主鎖とするポリマーとポリ−L−乳酸とを含む組成物からなり、式(1)で表わされる繰り返し単位を主鎖とするポリマーとポリ−L−乳酸の合計中の式(1)で表わされる繰り返し単位を主鎖とするポリマーの含有率が30重量%以上であることを特徴とする。
式中、Phはフェニル基を表す。
式(1)で表される繰り返し単位中には二つの不斉炭素があり光学異性体が存在するが、そのいずれの場合も本発明に用いることができる。
上記式(1)で表わされる繰り返し単位を主鎖とするポリマーはあたかもマンデル酸と乳酸が交互共重合したかのような構造体であるが、開環重合の際にマンデル酸単位と乳酸単位の開環がランダムに起こることとポリマー鎖に対するエステル交換反応によるスクランブリングが生じるため、一般にはマンデル酸と乳酸とを交互共重合することは難しい。
式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマーは、下記の式(2)で表される環状ジエステルを重合することによって得られる。式(2)で表される環状ジエステルには、二つの不斉炭素があり光学異性体が存在するが、そのいずれの場合も使用され得る。
式中、Phはフェニル基、*は不斉炭素原子を表す。
上記環状ジエステルの合成方法について以下に説明する。なお、合成反応のスキームを以下に示す。
式中、Phはフェニル基、Meはメチル基、*は不斉炭素原子を表す。
上記式(2)で表される環状ジエステルの1つである3−(S)−methyl−6−(S)−phenyl−1,4−dioxane−2,5−dione(シス異性体。以下、S,S−MPDDと略す)は、以下のように合成する。(R)−2−ブロモプロピオン酸(以下、2−(R)−BPAと略す)とチオニルクロライドを反応させて、塩化−2−ブロモプロピオニル(CH(Br)CHCOCl)(以下、2−(R)−BPCと略す)を得る。次いで、トリエチルアミン/ジエチルエーテル溶液中において、L−マンデル酸に上記の2−(R)−BPCを加えてエステル化を行い、D−2−(2−bromopropionyloxy)−2−phenylethanoic acid(以下、D−BPPと略す)を得る。その後、アセトン溶液中において、上記のD−BPPに炭酸ナトリウムを加えて環化反応を行い、環状ジエステルであるS,S−MPDDを得る。
また、上記式(2)で表される環状ジエステルの1つである3−(R)−methyl−6−(S)−phenyl−1,4−dioxane−2,5−dione(トランス異性体。以下、R,S−MPDDと略す)は、以下のように合成する。まず、(S)−2−ブロモプロピオン酸(以下、2−(S)−BPAと略す)とチオニルクロライドを反応させて、塩化−2−ブロモプロピオニル(CH(Br)CHCOCl)(以下、2−(S)−BPCと略す)を得る。次いで、トリエチルアミン/ジエチルエーテル溶液中において、L−マンデル酸に上記の2−(S)−BPCを加えてエステル化を行い、L−2−(2−bromopropionyloxy)−2−phenylethanoic acid(以下、L−BPPと略す)を得る。その後、アセトン溶液中において、上記のL−BPPに炭酸ナトリウムを加えて環化反応を行い、環状ジエステルであるR,S−MPDDを得る。
上記のようにして得られた環状ジエステルであるS,S−MPDDまたはR,S−MPDDをモノマーとして重合を行い、式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマーを得るには、S,S−MPDDまたはR,S−MPDDに、例えばオクチル酸スズ(II)等の重合触媒を加え、減圧下で加熱し開環重合することによって行う。この反応のスキームを以下に示す。
式中、Phはフェニル基、Meはメチル基、*は不斉炭素原子を表す。
本発明で用いられるポリ−L−乳酸は、下記式で表されるL−乳酸単位から実質的になる高分子である。
式中、*は不斉炭素原子を表す。
上記ポリ−L−乳酸は、通常、L−ラクチドの重合により得られ、ガラス転移温度は55〜60℃である。
本発明の組成物において、式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマーとポリ−L−乳酸の合計中の式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマーの含有率は、30重量%以上に限定される。その第1の理由は、式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマーの含有率が30重量%以上になると、該組成物から溶液キャスティング法によりフィルムを作製した後、アニーリングすることにより得られたフィルムのガラス転移温度が、式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマーから溶液キャスティング法により得られたフィルムをアニーリングすることにより得られたフィルムのガラス転移温度に実質的に等しくなるからである。
また、第2の理由は、式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマーの含有率が30重量%以上になると、該組成物から溶液キャスティング法によりフィルムを作製した後、アニーリングすることにより得られたフィルムの透明性が高い値に維持されるからである。逆に、上記ポリマーの含有率が30重量%未満であると、ガラス転移温度の上昇が限定的でポリ−L−乳酸単独の場合と変わらない上、アニーリングすることによりフィルムが失透し易くなるので好ましくない。これはポリ−L−乳酸はアニール時の加熱により結晶化し、透明性が失われるのに対し、式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマーの含有率が30重量%以上であるとポリ−L−乳酸との間で連続相を形成し、ポリ乳酸の分子運動が拘束されてガラス転移温度が上昇するだけでなく結晶化が阻害されるためであると推測される。
本発明の組成物において、式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマーの含有率は、30重量%以上、100%未満とすることができるが、式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマーの価格がポリ−L−乳酸よりも高いことから、該ポリマーの含有率が高くなると、組成物全体の価格が高くなるので、該ポリマーの含有率は30〜50重量%が好ましい。
本発明の組成物を構成する成分として、式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマーとポリ−L−乳酸以外の成分は必須ではないが、必要に応じて、例えば、両者を溶解する溶剤、安定剤、紫外線吸収剤、充填剤、可塑剤、着色剤などを添加してもよい。
本発明の組成物の製造方法は、式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマーとポリ−L−乳酸を混合状態で存在させ得る方法であれば、特に限定されないが、例えば、両者を溶解する溶剤に溶解させる方法、両者を高温で溶融混練させる方法などが挙げられる。該ポリマーの親和性は高いため、通常の溶液混合、溶融混練により分子レベルにまで混合が進行する。そのため、混合後得られる組成物のガラス転移温度は再現性よく測定される。工業的な混合プロセスとしては溶媒を用いない後者の溶融混練法の方が一般的には適している。
本発明のフィルムは、本発明の組成物から溶液キャスティング法により得られたフィルムをアニーリングすることにより得られたことを特徴とする。
上記のアニーリング条件は、温度については、ガラス転移温度以上融点以下の温度範囲で結晶化温度付近が最適であり、60〜130℃が好ましく、時間については、5〜60分が好ましく、5〜10分が更に好ましい。
本発明に係る組成物は、式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマーとポリ−L−乳酸の合計中の式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマーの含有率が30重量%以上であるので、該組成物から溶液キャスティング法によりフィルムを作製した後、アニーリングすることにより得られたフィルムのガラス転移温度が、マンデル酸−乳酸共重合体から溶液キャスティング法により得られたフィルムをアニーリングすることにより得られたフィルムのガラス転移温度に実質的に等しくなる。また、式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマーの含有率が30重量%以上であるので、該組成物から溶液キャスティング法によりフィルムを作製した後、アニーリングすることにより得られたフィルムの透明性が高い値に維持される。従って、この組成物から透明性を低下させることなく耐熱性を高めた製品を安価に提供することができる。
また、式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマーとポリ−L−乳酸の合計中の式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマーの含有率を30〜50重量%とすると、この組成物から透明性を低下させることなく耐熱性を高めた製品を、より一層安価に提供することができる。このように、本発明によると、ポリ−L−乳酸に加える、高価なマンデル酸−乳酸共重合体の使用量を抑えることができるので、安価にポリ乳酸の耐熱性を高めることができる。
また、本発明のフィルムは、マンデル酸−乳酸共重合体の使用量が少なくても、高価なマンデル酸−乳酸共重合体から得られるフィルムに近い、より高温でもそのフィルムの透明性が低下しないような耐熱性を有する。更に、ポリ−L−乳酸に加える、高価なマンデル酸−乳酸共重合体の使用量を抑えることができるので、透明性を低下させることなく耐熱性を高めたポリ乳酸を含むフィルムを安価に提供することができる。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳しく説明する。
以下の実施例において、ポリマーの分子量はLC-10A、refractive- index detector pumpおよびC-R7A plus Chromatopac data processorからなる島津製作所社製 gel permeation chromatography (GPC)によって決定した。測定には微細孔のサイズが固定された一組のカラム(50nm;10×250mm; Jordi Associates,Bellingham,MA)を使用した。移動相にはテトラヒドロフランを使用し、流速は1.0ml/minとした。分子量は500から100,000Daのpolystyrene standardを基準として測定した。
500MHz Hおよび125MHz13C NMRスペクトルはBrucker ARX 500spectrometerによって測定された。200MHzH NMRスペクトルはVarian Jemini spectrometerによって測定された。内部標準物質として0.03vol%tetramethylsilane(TMS)を含む重クロロホルムを溶媒に使用した。
示差走査熱量測定(DSC)はShimadzu DSC−50 thermal analyzerを用いて窒素雰囲気下(20ml/min)で10℃/minで昇温測定した。試料重量は2.0 mgとした。試料は 250℃までのfirst scanの後、液体窒素でクエンチし、室温から250℃までsecond scanを測定した。アニーリング後のTg変化はPerkin Elmer Diamond DSC autosamplerおよびintracooler 2P cooling accessoryによって測定した。
モノマーの比旋光度 [α]25 は、アセトンを溶媒に使用し、0.4 g/dlの濃度で25℃、589 nmの条件でUnion Giken PM−101 polarimeterによって測定された。
(参考例)
1.塩化−2−ブロモプロピオニル(CH(Br)CHCOCl)(2−(R)−BPC)の合成
氷浴中で攪拌しながら(R)−2−ブロモプロピオン酸(2−(R)−BPA)(47.0 g;0.31 mol)をチオニルクロライド(54.2 g;0.46 mol)中に滴下した。その反応物をオイルバス中で60℃で16時間還流した。次に未反応のチオニルクロライドを減圧下で蒸発させて取り除いた。得られた2−(R)−BPCは次の反応ステップで精製せずに使用した。
2-(R)-BPC: 1H NMR(200 MHz, CDCl3):1.95(d,3H,CH 3), 4.68(q,1H,CH) ppmであった。
2.D−2−(2−bromopropionyloxy)−2− phenylethanoic acid(D−BPP)の合成
乾燥させた300ml三口フラスコに滴下漏斗を取り付け、L−マンデル酸(5.28g;34.7mmol)をフラスコ中に入れ、減圧乾燥を行った。窒素雰囲気下でL−マンデル酸をジエチルエーテル(136mL)に溶解させ、氷浴中で1時間攪拌した。このフラスコに上記1.で得られた2−(R)−BPC(5.83g;34.7mmol)を加え、5℃以下の温度条件を保ちながらトリエチルアミン5.63gを含むトリエチルアミン/ジエチルエーテル混合溶液34.0mLを滴下した。
滴下終了後、反応物を室温で15時間攪拌した。得られた反応混合物を水、0.1N塩酸、水の順に分液漏斗を用いて洗浄した。有機相を分離し、硫酸マグネシウムを加え乾燥させた。ジエチルエーテルをロータリーエバポレーターで蒸発させD−BPPの淡黄色固体を得た。得られたD−BPPは次の環化反応において精製せずに使用した。D-BPP: 1H NMR (200MHz, CDCl3):1.85(d,3H,CH 3), 4.50(q,1H,CH), 5.98(d,1H,CH), 6.15(s,1H,OH), 7.45 (m,5H,C6 H 5) ppmであった。
3.3−(S)−methyl−6−(S)−phenyl−1,4−dioxane−2,5−dione(S,S−MPDD)(モノマー)の合成
1L二口ナスフラスコに滴下漏斗と還流塔を取り付け、60℃でメカニカルによる攪拌を行いながらアセトン(300mL)中で炭酸ナトリウム(0.262g;25.0mmol)を懸濁させた。この懸濁液にアセトン(200mL)に溶解させた上記2.で得られたD−BPP(1.36g)(25.0mmol/L)を6時間かけて滴下した。滴下終了後、 反応混合物を60℃でさらに30分加熱攪拌した。
その後、反応物から不溶物(炭酸塩)を濾別し、溶媒を蒸発させて白色粉末状の物質が得られた。これをジクロロメタンに溶解させ、0.1N塩酸および水でそれぞれ三回ずつ洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムを用いて乾燥させ、溶媒の蒸発によって得られた淡黄色物質を酢酸エチルを用いて再結晶を行った。
S,S-MPDD: 1H NMR (200 MHz, CDCl3): 1.68(d,3H,CH 3), 5.21(q,1H,CH), 5.96(s,1H,CH), 7.48(m,5H,C6 H 5) ppm. 13C NMR (125 MHz, CDCl3): 16.47, 72.85, 77.77, 127.18, 128.89, 129.77, 131.25, 165.24, 166.72 ppm. IR (KBr) ν. Anal. Calcd for C11H10O4: C, 64.08; H, 4.85. Found: C, 64.06; H, 5.00. Tm = 172 °C. [α]25 D = +123.8°, c=0.412 g/L in acetone.
であった。
4.S,S−MPDDの溶液重合(式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマーの合成)
乾燥させたNMRチューブに上記3.で得られたS,S−MPDD(30.0 mg; 0.15 mmol) を入れ、そこにオクチル酸スズ(II)/トルエン溶液(1/500 mol%)を加えて混ぜ合わせた。この混合物を3時間真空ポンプで減圧乾燥した。次に、重水素化トルエン(toluene−d8)(0.4 mL)を加えて封管し、オイルバスを用いて120℃で20時間重合した。重合後、得られた溶液をクロロホルムで抽出し、過剰量のメタノールに再沈殿を行った。沈殿物は2000rpmで1時間遠心分離させた。
固体物質をデカンテーションによって溶液と分離し、バキュームオーブンを用いて40℃で10時間乾燥させた。得られた重合体をPML1と名づけた。PML1: 1H NMR (500 MHz, CDCl3): 1.26-1.83 (b,3H,CH 3), 5.03-5.34 (b,1H,CH), 5.94-6.22 (b,1H,CH), 7.20-7.66 (b,5H,C6 H 5) ppm. 13C NMR: (125 MHz, CDCl3): 16.69, 69.82, 75.25, 127.77, 128.66, 129.34, 132.35, 167.33, 168.95 ppmであった。
また、Conversionは、96.2%、数平均分子量は45.1kDa、重量平均分子量は68.6kDa、Tgは83.8℃であった。
(比較例1)
参考例で得られたポリマー(式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマー)PML1(72.5mg)をクロロホルム(3.0mL)に溶解させ、ペトリ皿にキャストした。自然乾燥後、固化したフィルムをはがし取り、バキュームオーブンを用いて50℃で10時間乾燥を行った。このフィルムのTgは、78.9℃であった。すなわち、PML1(式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマー)はポリ−L−乳酸(PLLA)のガラス転移温度(55〜60℃)よりも高い80℃近くのガラス転移温度を示した。このことにより、PLLA(ポリ−L−乳酸)主鎖にバルキーな芳香族側鎖を持ったマンデル酸単位を導入することによって高いTgを持ったポリマーが得られることが確認された。また、上記フィルムは、透明であった。
さらに、このフィルムを120℃で1時間アニーリングを行ったところ、PML1(式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマー)のTgは90.76℃まで増加した(図1)。これはPML1(式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマー)中のラクチドの多いセグメントの結晶化が促進され、非晶領域中のマンデル酸単位の濃度が増加し、ポリマーのチェーンモビリティーが減少したためではないかと考えられる。
(実施例1)
参考例で得られたポリマーPML1(式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマー)と市販のポリ−L−乳酸である島津製作所社製、 Lacty(登録商標)(重量平均分子量210,000、ガラス転移温度:60℃)を種々の混合比(PML1の含有率で0−100重量%)でクロロホルムに溶解させ、ペトリ皿にキャストした。自然乾燥後、固化したフィルムをはがし取り、バキュームオーブンを用いて50℃で10h乾燥を行った。次いで、このフィルムを120℃で1時間アニーリングを行った。アニーリング処理後のフィルムのTgを測定した。上記フィルムのTgとPML1(式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマー)の含有率との関係を図2に示した。
図2より、PML1(式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマー)とPLLA(ポリ−L−乳酸)とのブレンドポリマーは、PLLA(ポリ−L−乳酸)よりも高いTgを示した。さらにPML1(式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマー)を30重量%以上添加すると、PLLA(ポリ−L−乳酸)のTgをPML1(式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマー)と同等にできることが確認された。この現象はアニーリングによってブレンドポリマーの非晶領域中におけるマンデル酸単位の濃度が増加したことに起因すると考えられる。したがって、PML1(式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマー)とのポリマーブレンド中のPLLA(ポリ−L−乳酸)の結晶化によってPLLA(ポリ−L−乳酸)の耐熱性が改善されたと言える。
また、上記で得られたアニーリング後のフィルムの透明性を目視にて確認したところ、ブレンドポリマー中のPML1(式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマー)の含有率が20重量%以下のものは透明性がなく、30重量%以上のものは透明であった。
本発明の組成物は、射出成形により均一な耐熱性ガラス状成形物が得られるため、包装材料や成形品等の製造に好適に用いることができる。本発明のフィルムやシートは、透明な包装材料として好適に用いられ得る。
PML1(式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマー)フィルムのアニーリング処理前とアニーリング処理後のDSCカーブを示す図である。 アニーリング処理後のフィルムのTgとPML1(式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とするポリマー)の含有率との関係を示す図である。

Claims (2)

  1. 下記式(1)で表わされる繰り返し単位を主鎖とするポリマーとポリ−L−乳酸とを含む組成物からなり、下記式(1)で表わされる繰り返し単位を主鎖とするポリマーとポリ−L−乳酸の合計中の下記式(1)で表わされる繰り返し単位を主鎖とするポリマーの含有率が30重量%以上であることを特徴とする組成物。
    式中、Phはフェニル基を表す。
  2. 請求項1記載の組成物から溶液キャスティング法により得られたフィルムにアニーリングを施すことにより得られたことを特徴とするフィルム。
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