JP5137850B2 - 蛍光体およびそれを用いた波長変換器、発光装置、照明装置 - Google Patents

蛍光体およびそれを用いた波長変換器、発光装置、照明装置 Download PDF

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Description

本発明は、紫外線又は可視光を吸収し、長波長の可視光を発する蛍光体、およびLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)などの発光素子から発せられる光を波長変換し、該波長変換した光を外部に放出する蛍光体を含有する波長変換器、さらに波長変換器を搭載した発光装置、該発光装置を具備した照明装置に関する。
半導体材料からなる発光素子(以下「LEDチップ」とも言う)は、小型で電力効率が良く鮮やかに発色する。LEDチップは、製品寿命が長い、オン・オフ点灯の繰り返しに強い、消費電力が低い、という優れた特徴を有するため、液晶等のバックライト光源および蛍光ランプ等の照明用光源への応用が期待されている。
LEDチップは、LEDチップの光の一部を蛍光体で波長変換し、当該波長変換された光と波長変換されないLEDの光とを混合して放出することにより、LEDの光とは異なる色を発光する発光装置に応用されている。
このような発光装置としては、例えば、青色LEDチップ上に(Y,Gd)3(Al,Ga)5O12の組成式で表されるYAG系蛍光体等の黄色成分の蛍光体を配置したものが知られている。
この発光装置では、LEDチップから発する光が黄色成分の蛍光体に照射されると、黄色成分の蛍光体は励起されて可視光を発し、この可視光が出力として利用される。
ところが、LEDチップの明るさを変えると、青色と黄色との光量比が変化するため、白色の色調が変化し、演色性に劣るといった問題があった。
そこで、このような課題を解決するために、LEDチップとして400nm以下のピークを有する紫色LEDチップを用いるとともに、波長変換器には3種類の蛍光体を高分子樹脂中に混ぜ込んだ構造を採用し、紫色光を赤色、緑色、青色の各波長に変換して白色を発光することが提案されている(特許文献1参照)。
これにより、演色性を向上することができる。
しかしながら、特許文献1に記載の発光装置では、励起光400nm付近の紫外域領域に対する赤色に発光する蛍光体の量子効率が低いため、白色光の発光効率を向上できない
という問題があった。
このような状況を鑑み、赤色に発光する蛍光体の開発が行われてきており、従来、Ba3−x−yEuMnMgSiの化学式で表される赤色に発光する珪酸塩系蛍光体が知られている(例えば、非特許文献1)。
特開2002−314142号公報 ジャーナル・オブ・エレクトロケミカル・ソサイエティ(Journal of Electrochemical Society)、1968年、P773-778
しかしながら、非特許文献1に記載されているBa3−x−yEuMnMgSiの化学式で表される珪酸塩系蛍光体では、未だ量子効率が低いという問題があった。
本発明者等は、非特許文献1のBa3−x−yEuMnMgSiの化学式で表される珪酸塩系蛍光体について、トレース実験を行った結果、量子効率が未だ低かった。
非特許文献1のBa3−x−yEuMnMgSiの化学式で表される珪酸塩系蛍光体の量子効率が低い理由について検討した。
その結果、本来の目的ではない、言い換えれば赤色に発光しない結晶(異相)が容易に析出し、これらの赤色に発光しない結晶の析出は制御することが困難であり、これにより、赤色の量子効率が低いことが判った。すなわち、本来の目的から外れた結晶のうち、BaMgSi結晶、BaMgSiO結晶およびBaSiO結晶は、赤色以外の緑色の蛍光を発するため、赤色以外の光が混ざることになり、赤色の量子効率が低かった。
本発明は、赤色の蛍光を発する量子効率の高い蛍光体およびそれを用いた波長変換器、発光装置、照明装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、本来の目的から外れた結晶(異相)について鋭意検討した結果、従来、Ba、Eu、Mn、Mg、Siを含有する(Ba3−x−yEuMnMgSiの化学式で表される)珪酸塩系蛍光体においては、賦活剤のMnはBaサイトの一部と置換すると考えられており、このような組成となるように調合し、熱処理されていた。しかしながら、この蛍光体のMn置換サイトはBaサイトではなく、Mgサイトであることを、本発明者等のEXAFS(Extended X−ray Absorption Fine Structure X線吸収微細構造)測定によって見出した。
つまりBa3−x−yEuMnMgSiの化学式では非化学量論組成になるので、BaMgSi結晶、BaSiO結晶、BaMgSiO結晶が析出し易く、本来の目的ではない結晶が容易に析出し、これらの本来の目的ではない結晶の析出は、化学式Ba3−x−yEuMnMgSiで設計する限り、制御することが困難であり、赤色に発光する蛍光体の量子効率が低く、品質のばらつきの原因となることを見出し、本発明に至った。
本発明の蛍光体は、組成式Ba 2.8 Eu 0.1 MgMn 0.1 Si 2.025 で表され、主結晶がEuおよびMnを含有するBa MgSi結晶であり、該Ba MgSi結晶の2θ=31.5°〜33°で検出されるピークのX線回折強度をAとし、Ba MgSi結晶の2θ=27.7°〜29.2°で検出されるピークの
X線回折強度をBとし、Ba SiO結晶の2θ=29.2°〜30.8°で検出されるピークのX線回折強度をCとし、BaMgSiO4結晶の2θ=28.0°〜29.4
°で検出されるピークのX線回折強度をDとしたとき、B/(A+B+C+D)が0.1以下、C/(A+B+C+D)が0.1以下、D/(A+B+C+D)が0.095、
組成式Ba 2. Eu 0. MgMn 0.1 Si 2. で表され、主結晶がEuおよびMnを含有するBa MgSi 結晶であり、該Ba MgSi 結晶の2θ=31.5°〜33°で検出されるピークのX線回折強度をAとし、Ba MgSi 結晶の2θ=27.7°〜29.2°で検出されるピークのX線回折強度をBとし、Ba SiO 結晶の2θ=29.2°〜30.8°で検出されるピークのX線回折強度をCとし、BaMgSiO 4 結晶の2θ=28.0°〜29.4°で検出されるピークのX線
回折強度をDとしたとき、B/(A+B+C+D)が0.1以下、C/(A+B+C+D)が0.1以下、D/(A+B+C+D)が0.0821、
および、組成式Ba 2.8 Eu 0.2 Mg 0.925 Mn 0.075 Si 1.905 で表され、主結晶がEuおよびMnを含有するBa 3 MgSi 結晶であり、該Ba
MgSi 結晶の2θ=31.5°〜33°で検出されるピークのX線回折強度をAとし、Ba MgSi 結晶の2θ=27.7°〜29.2°で検出されるピークのX線回折強度をBとし、Ba SiO 結晶の2θ=29.2°〜30.8°で検出されるピークのX線回折強度をCとし、BaMgSiO 結晶の2θ=28.0°〜29.4°で検出されるピークのX線回折強度をDとしたとき、B/(A+B+C+D)が0.1以下、C/(A+B+C+D)が0.1以下、D/(A+B+C+D)が0.082以上0.250以下
のうちのいずれかであることを特徴とする。
また、本発明の蛍光体は、前記組成式Ba 2.8 Eu 0.2 Mg 0.925 Mn 0.075 Si 1.905 におけるX線回折強度比の前記D/(A+B+C+D)が0.138以上0.173以下であることを特徴とする。
本発明の波長変換器は、光源から発せられる光の波長を変換して、波長が変換された光を含む出力光を出力する波長変換器であって、透明マトリクス中に上記蛍光体が分散されていることを特徴とする。言い換えれば、波長変換器は、光源から発せられる光の波長を変換して、波長が変換された光を含む出力光を出力する波長変換器であって、透明マトリクスと、該透明マトリックス中に分散する上記蛍光体とを含むことを特徴とする。
本発明の発光装置は、表面に発光素子が載置される載置部を有するとともに電気配線を備えた基体と、前記載置部に載置されるとともに前記電気配線に電気的に接続された前記発光素子と、該発光素子が発光する光を波長変換する上記波長変換器とを具備してなることを特徴とする。言い換えれば、発光装置は、発光素子と、該発光素子が載置される載置部を有する基体と、該基体の表面に設けられ、前記発光素子に電気的に接続された電気配線と、前記発光素子が発光する光の一部の波長を他の波長に変換する上記波長変換器とを具備してなることを特徴とする。
本発明の照明装置は、上記発光装置を複数具備してなることを特徴とする。
本発明の蛍光体によれば、赤色以外の緑色の光の発生が抑制され、赤色の量子効率を高くできる。
また、本発明の蛍光体は、組成式Ba 2.8 Eu 0.2 Mg 0.925 Mn 0.075 Si 1.905 におけるX線回折強度比のD/(A+B+C+D)を0.138以上0.173以下とすることにより、言い換えれば、主結晶のM1MgSi結晶
(ここで、M1はBaであり、以下同じ。)の他にM1MgSiO結晶を所定量以上析出させることにより、M1MgSiO結晶が殆ど析出しない場合よりも赤色の量子効率を向上できる。M1MgSiO結晶が殆ど析出しない場合よりも赤色の量子効率を向上できる理由は明確ではないが、本発明者等は、所定量のM1MgSiO結晶が存在する場合には、M1MgSiOで吸収した光が主結晶のM1MgSi結晶にエネルギー伝達されるため、赤色の量子効率が向上すると考えている。
本発明の波長変換器は、光源から発せられる光の波長を変換して、波長が変換された光を含む出力光を出力する波長変換器であって、透明マトリクス中に上記蛍光体が分散されているため、このような波長変換器を発光装置に用いると、赤色の量子効率を向上できるため、白色光の発光効率を向上できる。
本発明の発光装置は、表面に発光素子が載置される載置部を有するとともに電気配線を備えた基体と、前記載置部に載置されるとともに前記電気配線に電気的に接続された前記発光素子と、該発光素子が発光する光を波長変換する上記波長変換器とを具備してなるため、上記した波長変換器を用いることにより、白色光の発光効率を向上できる。
本発明の照明装置は、上記発光装置を複数具備してなるため、演色性を向上できる。
本実施形態の蛍光体は、組成式Ba 2.8 Eu 0.1 MgMn 0.1 Si 2.025 、組成式Ba 2. Eu 0. MgMn 0.1 Si 2. および組成式Ba 2.8 Eu 0.2 Mg 0.925 Mn 0.075 Si 1.905 のいずれかで表される。これらの化学組成で表される蛍光体は、励起光を赤色に変換することのできる結晶が再現よく形成されるとともに、結晶相の制御を容易に行うことができ、さらに赤色以外の変換光の発生を抑制することができる。
そして、本実施形態では、組成式Ba 2.8 Eu 0.1 MgMn 0.1 Si 2.025 で表される蛍光体においては、主結晶がEuおよびMnを含有するM1MgSi結晶であり、該M1MgSi結晶の2θ=31.5°〜33°で検出されるピークのX線回折強度をAとし、M1MgSi結晶の2θ=27.7°〜29.2°で検出されるピークのX線回折強度をBとし、M1SiO結晶の2θ=29.2°〜30.8°で検出されるピークのX線回折強度をCとし、M1MgSiO結晶の2θ=28.0°〜29.4°で検出されるピークのX線回折強度をDとしたとき、B/(A+B+C+D)が0.1以下、C/(A+B+C+D)が0.1以下、D/(A+B+C+D)が0.0950であること、また、組成式Ba 2.8 Eu 0.2 Mg 0.925 Mn 0.075 Si 1.905 で表される蛍光体においては、D/(A+B+C+D)が0.0821であること、さらに、組成式Ba 2.8 Eu 0.2 Mg 0.925 Mn 0.075 Si 1.905 で表される蛍光体においては、D/(A+B+C+D)が0.082以上0.250以下であることが重要である。
本実施形態の蛍光体は、EuおよびMnを含有するM1MgSi結晶を主たる結晶とするものであり、Eu、Mnは、励起光を吸収して発光する賦活剤として機能するものである。本実施形態においては、主結晶とは、A/(A+B+C+D)が0.5よりも大きいものであるが、特には0.695より大きいものであり、さらには0.74以上のものをいう。
このように、B/(A+B+C+D)が0.1以下であり、C/(A+B+C+D)が0.1以下であり、組成式Ba 2.8 Eu 0.1 MgMn 0.1 Si 2.025 で表される蛍光体において、D/(A+B+C+D)が0.0950である場合、または、組
成式Ba 2.8 Eu 0.2 Mg 0.925 Mn 0.075 Si 1.905 で表される蛍光体においては、D/(A+B+C+D)が0.0821である場合、さらには、組成式Ba 2.8 Eu 0.2 Mg 0.925 Mn 0.075 Si 1.905 で表される蛍光体において、D/(A+B+C+D)が0.082以上0.250以下である場合は、Eu、Mnを賦活剤として含有するM1MgSi結晶以外からの緑色発光を抑制でき、赤色の量子効率が高い蛍光体が得られる。
一方、組成式Ba 2.8 Eu 0.1 MgMn 0.1 Si 2.025 で表される蛍光体において、B/(A+B+C+D)、C/(A+B+C+D)が0.1よりも大きく、D/(A+B+C+D)が0.0950から外れる場合、または、組成式Ba 2.8 Eu 0.2 Mg 0.925 Mn 0.075 Si 1.905 で表される蛍光体においては、D/(A+B+C+D)が0.0821から外れる場合、さらには、組成式Ba 2.8 Eu 0.2 Mg 0.925 Mn 0.075 Si 1.905 で表される蛍光体において、D/(A+B+C+D)が0.082以上0.250以下の範囲を外れる場合には、いずれも赤色の量子効率が低くなる。MMgSi結晶、M1SiO結晶については実質的に存在しないか、生成量が少ない方が望ましい。
また、M1MgSiO結晶については、組成式Ba 2.8 Eu 0.2 Mg 0.925 Mn 0.075 Si 1.905 におけるX線回折強度比のD/(A+B+C+D)が0.138以上0.173以下を満足することにより、M1MgSi結晶単独からなる場合よりも小さい場合よりも、却って赤色の量子効率を向上できる
本実施形態の蛍光体では、図1に示すように、Eu、Mnを含有するM1MgSi結晶を主たる結晶とするものであり、第2相としてM1MgSiO結晶が生成し、異相として、M1MgSi結晶、M1SiO結晶が生成することがあるが、上記したように、M1MgSi結晶、M1SiO結晶については実質的に存在しないか、生成量が少ない方が望ましい。尚、図1は、M1MgSiO結晶量が増減する複数の蛍光体の粉末X線回折測定結果を示している。
本実施形態の蛍光体は、図2に示すように、M1MgSi結晶粒子中にM1MgSiO4結晶粒子が存在している。本発明者等は、このような組織とすることにより、
M1MgSiOで吸収した光をM1MgSi結晶に十分にエネルギー伝達することができ、赤色の量子効率が向上すると考えている。
M1としてはBaがよい。
M1がBaのときには、EuおよびMnを含有するM13MgSi2O8は、2θ=31
.5°〜32°で検出されるピークのX線回折強度をAとし、M12MgSi2O7結晶の2θ=27.7°〜28.2°で検出されるピークのX線回折強度をBとし、M12SiO4結晶の2θ=29.2°〜29.8°で検出されるピークのX線回折強度をCとし、M1MgSiO4結晶の2θ=28.0°〜28.4°で検出されるピークのX線回折
強度をDとする。
なお、M1がBaと、SrまたはCaとを組み合わせたものである場合、上記ピークのそれぞれが、M1がBaのときより少々高角側に移動し、EuおよびMnを含有するM1MgSi結晶は2θ=32.0°〜33°で、M1MgSi結晶は2θ=28.2°〜29.2°で、M1SiO結晶は2θ=29.7°〜30.8°、M1MgSiO結晶は2θ=28.7°〜29.4°で検出される。
本実施形態の蛍光体は、Ba、Mg、Eu、MnおよびSiの元素源化合物と、必要に
応じて、塩化アンモニウム、塩化バリウムまたは塩化ストロンチウム等のフラックスを、下記の(A)又は(B)の混合法により調整した混合物を仮焼し、還元雰囲気で熱処理し、洗浄し、乾燥させて篩い分けし、D90が50μm以下の粉体の集合体からなる蛍光体を製造することができる。尚、D90とは累積粒度分布において微粒側から累積90%のときの粒径をいう。
(A):ハンマーミル、ロールミル、ボールミルまたはジェットミル等の乾式粉砕機を用いた乾式混合法。
(B):水等を加えてスラリー状態又は溶液状態で、粉砕機により混合し、噴霧乾燥、加熱乾燥、又は自然乾燥等により乾燥させる湿式混合法。
これらの混合法の中で、特に、賦活剤の元素化合物においては、少量の化合物を全体に均一に混合、分散させる必要があることから液体媒体を用いるのが好ましく、又、他の元素化合物において全体に均一な混合が得られる面からも、後者湿式混合法が好ましい。
仮焼方法としては、アルミナまたは石英製の坩堝またはトレイ等の耐熱容器中で、酸素または窒素等の気体の単独或いは混合雰囲気下で加熱することによりなされる。
熱処理方法としてはアルミナまたは石英製の坩堝またはトレイ等の耐熱容器中で、1000℃〜1300℃で、酸素、水素、窒素の混合雰囲気下、1〜24時間、加熱することによりなされる。
また、加熱プロセス中の構成成分の蒸発を抑制するために、埋め焼き、マイクロ波焼成を行っても良い。
0.04≦D/(A+B+C+D)≦0.26を満足させるには、蛍光体の組成を制御することによっても可能であるが、混合物の仮焼温度、仮焼時間、還元雰囲気での熱処理温度、熱処理時間の条件を変更することによって、同一組成であっても、0.04≦D/(A+B+C+D)≦0.26を満足するように制御できる。
仮焼温度、還元熱処理温度の組み合わせは、950℃≦仮焼温度≦1250℃、1150℃≦還元熱処理温度≦1250℃である。仮焼温度保持時間は1〜6時間、還元熱処理保持時間は1〜12時間がよい。仮焼温度と還元熱処理温度の組み合わせが高すぎる場合、第2相のBaMgSiO4結晶が多量に析出し、緑色発光することで赤色の量子効率を
低下させる。また、仮焼温度が低すぎる場合、第2相のBaMgSiO結晶の析出量が少なくなり、エネルギー伝達が少なく、量子効率向上効果が小さい。
次に、本実施形態の波長変換器、さらに該波長変換器を搭載した発光装置を、図面を用いて説明する。図3は、本実施形態の発光装置11の一実施形態を示す概略断面図である。図3によれば、本実施形態の発光装置11は、電極13が形成された基板(基体)15と、基板15上に設けられている発光素子17と、基板15上に発光素子17を覆うように形成された1層の波長変換器19と、光を反射する反射部材21とを備えている。尚、符号22はワイヤ、符号16は接着剤である。
波長変換器19は、例えば、透明マトリクス中に、波長が430nmから490nmの蛍光(青色)を発する蛍光体(図示せず)、波長が520nmから570nmの蛍光(緑色)を発する蛍光体(図示せず)、波長が600nmから650nmの蛍光(赤色)を発する蛍光体(図示せず)が含有されており、光源である発光素子17から発せられる光の一部の波長を他の波長に変換して、波長が変換された光を含む出力光を出力し、ある波長
を有する発光素子17の光を他の波長を有する光に変換する。
青色を発する蛍光体は、例えば、波長が400nm前後の光で励起される量子効率が高い材料からなる。一方、緑色を発する蛍光体は、例えば、波長が400nmから460nmまでの光で励起される材料からなる。また、赤色を発する蛍光体は、例えば、波長が400nmから460nmだけでなく、550nm付近の光でも励起される材料からなる。
この波長変換器19において、赤色を発する蛍光体として、本実施形態の蛍光体を用いることで、本実施形態の波長変換器19および発光装置11を容易に作製することができる。
波長変換器19は、蛍光体を均一に分散および担持し、かつ蛍光体の光劣化を抑制することができるため、高分子樹脂やガラス材料などの透明マトリクス中に蛍光体を分散して形成することが好ましい。高分子樹脂膜、ゾルゲルガラス薄膜などのガラス材料としては、透明性が高く、かつ加熱や光によって容易に変色しない耐久性を有するものが望ましい。
高分子樹脂膜は、材料は特に限定されるものではなく、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、酢酸セルロース、ポリアリレート、さらにこれら材料の誘導体が用いられる。特に、350nm以上の波長域において高い光透過性を有していることが好ましい。
このような透明性に加え、耐熱性の観点から、シリコーン樹脂がより好適に用いられる。
ガラス材料は、シリカ、チタニア、ジルコニア、さらにそれらのコンポジット系を例示できる。ガラス材料中に蛍光体をそれぞれ単独で分散させて形成する。高分子樹脂膜と比較して、光、特に紫外線に対する耐久性が高く、さらに熱に対する耐久性が高いことから、製品の長寿命化を実現できる。また、ガラス材料は、安定性を向上させることができることから、信頼性の高い発光装置を実現できる。
波長変換器19は、ゾルゲルガラス膜などのガラス材料または高分子樹脂膜を用いて、塗布法により形成することができる。一般的な塗布法であれば限定されないが、ディスペンサーによる塗布が好ましい。例えば、液状で未硬化の樹脂、ガラス材料、または溶剤で可塑性を持たせた樹脂およびガラス材料に、蛍光体を混合することにより製造することができる。未硬化の樹脂としては、例えばシリコーン樹脂が使用できる。これらの樹脂は2液を混合して硬化させるタイプのものであっても1液で硬化するタイプのものであっても良く、2液を混合して硬化させるタイプの場合、両液にそれぞれ蛍光体を混練してもよく、あるいはどちらか一方の液に蛍光体を混練しても構わない。また、溶剤で可塑性を持たせた樹脂としては例えばアクリル樹脂を使用することができる。
硬化した波長変換器19は、未硬化状態でディスペンサー等の塗布法を使用するなどして、フィルム状に成形したり、所定の型に流し込んで固めることで得られる。樹脂およびガラス材料を硬化させる方法としては、熱エネルギーや光エネルギーを使う方法がある他、溶剤を揮発させる方法がある。
電極13を形成する導体は、発光素子17を電気的に接続するための導電路としての機能を有し、基体15の下面から上面に引き出され、ワイヤ22にて発光素子17と電気的に接続されている。導体としては、例えば、W、Mo、CuまたはAg等の金属粉末を含むメタライズ層を用いることができる。導体は、基板15がセラミックスから成る場合、その上面に配線導体がタングステン(W)またはモリブデン(Mo)−マンガン(Mn)
等から成る金属ペーストを高温で熱処理して形成され、基板15が樹脂から成る場合、銅(Cu)または鉄(Fe)−ニッケル(Ni)合金等から成るリード端子がモールド成型されて基板15の内部に設置固定される。
基板15は、熱伝導性が高く、かつ全反射率の大きいことが求められるため、例えばアルミナ、窒化アルミニウム等のセラミック材料の他に、金属酸化物微粒子を分散させた高分子樹脂が好適に用いられる。
発光素子17は、蛍光体の励起を効率的に行なうことができるため、中心波長が370〜420nmの光を発する半導体材料を備えた発光素子を用いている。これにより、出力光の強度を高め、より発光効率の高い発光装置を得ることが可能となる。
発光素子17は、上記中心波長を発するものが好ましいが、発光素子基板表面に、半導体材料からなる発光層を備える構造(図示せず)を有していることが、高い外部量子効率を有する点で好ましい。このような半導体材料として、ZnSeまたは窒化物半導体(GaN等)等種々の半導体を挙げることができるが、発光波長が上記波長範囲であれば、特に半導体材料の種類は限定されない。これらの半導体材料を有機金属気相成長法(MOCVD法)や分子線エピタシャル成長法等の結晶成長法により、発光素子基板上に半導体材料からなる発光層を有する積層構造を形成すれば良い。発光素子基板は、結晶性の良い窒化物半導体を量産性よく形成させるために、例えば窒化物半導体からなる発光層を表面に形成する場合、サファイア、スピネル、SiC、Si、ZnO、ZrB、GaNまたは石英等の材料が好適に用いられる。
発光素子17と波長変換器19の側面には、必要に応じて、光を反射する反射部材21を設け、側面に逃げる光を前方に反射し、出力光の強度を高めることができる。反射部材21の材料としては、例えばアルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、銅(Cu)、金(Au)、鉄(Fe)またはこれらの積層構造物や合金、さらにアルミナセラミックス等のセラミックス、またはエポキシ樹脂等の樹脂を用いることができる。
本実施形態の発光装置は、図3に示すように、波長変換器19を発光素子17上に設置することにより得られる。波長変換器19を発光素子17上に設置する方法としては硬化したシート状の波長変換器19を発光素子17上に設置することが可能であるほか、液状の未硬化の材料を発光素子17上に設置した後、硬化させて設置することも可能である。
本実施形態の照明装置は、図3に示すような発光装置を、例えば、基板に複数配置し、これらの発光装置を電気的に接続して構成される。また、基板15の表面に複数の発光素子17、波長変換器19、反射部材21を形成し、複数の発光装置を形成し、これらの発光装置を電気的に接続して照明装置を形成しても良い。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明の蛍光体及び波長変換器ならびに発光装置を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
炭酸バリウム粉末、酸化マグネシウム粉末、炭酸ストロンチウム粉末、炭酸カルシウム粉末、二酸化珪素粉末、酸化ユウロピウム粉末および酸化マンガン粉末、酢酸亜鉛粉末、二酸化ゲルマニウム粉末を用いて、それぞれの構成元素を表1に示すモル比の割合で、ポリポット中で混合し、乾燥後、大気雰囲気下1150℃で3時間仮焼した。
その後、12%の水素を含む窒素ガス流下1250℃で9時間過熱することにより熱処
理し、洗浄し、乾燥させて篩い分けし、D90が50μm以下の粉体の集合体からなる蛍光体を製造した。
なお、試料No.16においては、M1をモル比で、炭酸ストロンチウム:炭酸バリウム=0.15:0.85とし、主結晶は(Ba,Sr)MgSiであり、異相は(Ba,Sr)SiOであり、試料No.17においては、M1をモル比で、炭酸カルシウム:炭酸バリウム=0.15:0.85とし、主結晶は(Ba,Ca)MgSi、異相は(Ba,Ca)SiOである。
また、試料No.18においては、モル比で、酢酸亜鉛:酸化マグネシウム=0.15:0.85とし、試料No.19においては、モル比で二酸化ゲルマニウム:二酸化珪素=0.15:0.85とした。
なお、試料No.1〜19の蛍光体は、いわゆるフラックスを用いずに作製したものである。
上述の工程で作製した蛍光体のX線回折測定は以下の条件で行った。すなわち、走査範囲の回折角度誤差がΔ2θ=0.05°以下に光学調整された(Cu−Kα)のX線源からなる粉末X線回折装置(マックサイエンス社製MAC M18XCE)を用い、かつ試料偏心に伴う回折角の誤差が標準シリコンの111ピークを用いて、Δ2θ=0.05°以下の角度再現性が保障される条件で粉末X線回折測定を実施した。
そして、Eu、Mnを賦活剤として含有する主結晶であるBaMgSiの2θ=31.5°〜32°で検出されるピークのX線回折強度をAとし、BaMgSi結晶の2θ=27.7°〜28.2°で検出されるピークのX線回折強度をBとし、BaSiO結晶の2θ=29.2°〜29.8°で検出されるピークのX線回折強度をCとし、BaMgSiO結晶の2θ=28.0°〜28.4°で検出されるピークのX線回折強度をDとしたときのA/(A+B+C+D)を主結晶のピーク強度比とし、B/(A+B+C+D)をBaMgSi結晶のピーク強度比とし、C/(A+B+C+D)をBaSiO結晶のピーク強度比とし、D/(A+B+C+D)をBaMgSiO結晶のピーク強度比として表2に記載した。尚、No.16、17については、ピークが少し高角側に移動する。
また、得られた蛍光体の量子効率は、日本分光社製分光蛍光光度計FP−6500を用いて測定した。蛍光体の量子効率は、専用セルに蛍光体粉末を充填し、395nmの励起光を照射させて、蛍光スペクトルを測定した。その結果を、分光蛍光光度計付属の量子効率測定ソフトを用いて、赤色の量子効率を算出し、結果を表2に記載した。表2中のピーク比の欄の−は、X線回折測定結果でピークを目視にて見いだせなかったことを意味する。ここで、表1、2における試料No.1〜3、6〜7、11、12、14、16および17は参考資料である。
Figure 0005137850
Figure 0005137850
図4(a)に試料No.2のX線回折のパターンを示す。また、図4(b)に試料No.7のX線回折のパターンを示す。図中の縦軸はX線回折強度を示し、最大値を1とした相対値で示している。横軸は回折角である。No.7では2θ=28.0°〜28.4°でピークが確認でき、BaMgSiO結晶の析出が確認できた。
一方、No.2ではBaMgSi結晶、BaSiO結晶、BaMgSiO結晶に由来するピークが非常に小さく、これらの結晶の析出が抑制され、目的とする結晶が精度よく析出していることが確認された。
本発明にかかる試料では、M1MgSi結晶、M1SiO結晶、M1MgSiO結晶の析出が抑制されるため、緑色の光の発生が抑制され、赤色の量子効率が高くなることが判る。
さらに、D/(A+B+C+D)が0.04〜0.26の範囲内の試料では、特に、3
5%以上の量子効率が得られることが判る。
炭酸バリウム粉末および酸化マグネシウム粉末、二酸化珪素粉末、酸化ユウロピウム粉末、酸化マンガン粉末、フラックスとして塩化アンモニウム粉末を用いて、表3の組成となるように秤量し、ポリポット中で混合し、乾燥後、大気雰囲気下1150℃で3時間仮焼した。その後、12%の水素を含む窒素ガス流下1250℃で9時間過熱することにより熱処理し、蛍光体を製造した。
実施例1と同様にして、ピーク強度比と蛍光体の量子効率を求め、表4に記載した。ここで、表3、4における試料No.20〜27は参考資料である。
Figure 0005137850
Figure 0005137850
これらの表3、4から、試No.20〜27では、BaMgSi結晶、BaSiO結晶、BaMgSiO結晶の析出が抑制されるため、緑色の光の発生が抑制され、赤色の量子効率が高くなることが判る。特に、D/(A+B+C+D)が0.04
〜0.26の範囲内の試料では、35%以上の量子効率が得られることが判る。
M13−aEuMg1−bMnSiの組成式において、a、b、cが表5に示す値となるように、炭酸バリウム粉末、酸化マグネシウム粉末、炭酸ストロンチウム粉末、二酸化珪素粉末、酸化ユウロピウム粉末および酸化マンガン粉末を調合し、さらにフラックスとして塩化アンモニウムを所定量添加し、ポリポット中で混合し、乾燥後、大気雰囲気下で、表5に示す温度で3時間仮焼し、その後、12%の水素を含む窒素ガス(還元雰囲気下)で表5に示す温度で9時間熱処理し、本発明にかかる蛍光体を作製した。尚、No.4の試料では、M1としてBaとSrを用いた。主結晶は(Ba,Sr)MgSiであり、第2相は(Ba,Sr)MgSiOである。
本発明にかかる蛍光体の走査型電子顕微鏡(SEM)写真(1000倍)を図2に示す。
本発明の範囲内の試料では、第2相のM1MgSiO4結晶粒子はM13MgSi2O8結晶粒子内に存在していた。
得られた蛍光体の量子効率は、日本分光社製分光蛍光光度計FP−6500を用いて測定した。蛍光体の量子効率は、専用セルに蛍光体粉末を充填し、395nmの励起光を照射させて、蛍光スペクトルを測定した。その結果を、分光蛍光光度計付属の量子効率測定ソフトを用いて、赤色の量子効率を算出し、結果を表6に記載した。
光体のX線回折測定は上記と同様にして行った。
この結果から、M1MgSi結晶の2θ=31.5°〜32°付近で検出されるピークのX線回折強度をAとし、M1MgSi結晶の2θ=27.7°〜28.2°でのピークのX線回折強度をBとし、M1SiO結晶の2θ=29.2°〜29.8°でのピークのX線回折強度をCとし、M1MgSiO結晶の2θ=28.0°〜28.4°でのピークのX線回折強度をDとしたとき、B/(A+B+C+D)、C/(A+B+C+D)、D/(A+B+C+D)を求め、それぞれ表に記載した。尚、試料No.4については、M1がBaの場合よりもピーク位置が少し高角側に移動して検出される。
本発明の範囲内の試料では、実質的に主結晶のBaMgSi結晶と第2相のBaMgSiO結晶からなり、M1MgSi結晶、M1SiO結晶は実質的に存在してなかった。
試料のピーク強度比D/(A+B+C+D)と、赤色の量子効率との関係を図5に示す。ここで、表5、6における試料No.1〜7および12は参考資料である。
Figure 0005137850
Figure 0005137850
表5、6および図5から、蛍光体D/(A+B+C+D)が0.4〜0.26であり、BaMgSiO4結晶からのエネルギー伝達が効率よく起こり、赤色の量子効率が高い
ことが判る。
これに対して、X線回折におけるピーク強度の相対値が本発明の範囲外である蛍光体(試料No.13)は、BaMgSiO4結晶の析出量が多すぎるため、赤色の量子効率が低いことが判る。
本発明者等は、BaMgSi結晶粒子とBaMgSiO結晶粒子が別個に存在する場合と、BaMgSi結晶粒子中にBaMgSiO結晶粒子が存在する場合の量子効率について実験を行った。
すなわち、BaMgSi結晶粉末に対してBaMgSiO結晶粉末を添加し、混合して、量子効率を求め、図6のグラフに表した。この図6より、BaMgSi結晶粉末に対するBaMgSiO結晶粉末の添加量が多くなればなるほど、量子効率が低下していき、これにより、BaMgSi結晶粒子中にBaMgSiO結晶粒子が存在することにより、量子効率を向上できることがわかる。
蛍光体を粉末X線回折にて測定した結果を示すグラフである。 M1MgSi結晶粒子中にM1MgSiO結晶粒子が存在する組織を示すSEM写真である。 発光装置の構造を示す概略断面図である。 (a)は表1の試料No.2のX線回折図であり、(b)は表1の試料No.7のX線回折図である。 ピーク強度比D/(A+B+C+D)と、赤色の量子効率との関係を示すグラフである。 BaMgSi結晶粉末に対してBaMgSiO結晶粉末の添加量を増加させていった場合の量子効率を示すグラフである。
11・・・発光装置
13・・・電極
15・・・基板
17・・・発光素子
19・・・波長変換器

Claims (5)

  1. 組成式Ba 2.8 Eu 0.1 MgMn 0.1 Si 2.025 で表され、主結晶がEuおよびMnを含有するBa MgSi結晶であり、該Ba MgSi結晶の2θ=31.5°〜33°で検出されるピークのX線回折強度をAとし、Ba MgSi結晶の2θ=27.7°〜29.2°で検出されるピークのX線回折強度をBとし、Ba SiO結晶の2θ=29.2°〜30.8°で検出されるピークのX線回折強度をCとし、BaMgSiO4結晶の2θ=28.0°〜29.4°で検出されるピー
    クのX線回折強度をDとしたとき、B/(A+B+C+D)が0.1以下、C/(A+B+C+D)が0.1以下、D/(A+B+C+D)が0.095、
    組成式Ba 2. Eu 0. MgMn 0.1 Si 2. で表され、主結晶がEuおよびMnを含有するBa MgSi 結晶であり、該Ba MgSi 結晶の2θ=31.5°〜33°で検出されるピークのX線回折強度をAとし、Ba MgSi 結晶の2θ=27.7°〜29.2°で検出されるピークのX線回折強度をBとし、Ba SiO 結晶の2θ=29.2°〜30.8°で検出されるピークのX線回折強度をCとし、BaMgSiO 4 結晶の2θ=28.0°〜29.4°で検出されるピークのX線回折強度をDとしたとき、B/(A+B+C+D)が0.1以下、C/(A+B+C+D)が0.1以下、D/(A+B+C+D)が0.0821、
    および、組成式Ba 2.8 Eu 0.2 Mg 0.925 Mn 0.075 Si 1.905 で表され、主結晶がEuおよびMnを含有するBa 3 MgSi 結晶であり、該Ba MgSi 結晶の2θ=31.5°〜33°で検出されるピークのX線回折強度をAとし、Ba MgSi 結晶の2θ=27.7°〜29.2°で検出されるピークのX線回折強度をBとし、Ba SiO 結晶の2θ=29.2°〜30.8°で検出されるピークのX線回折強度をCとし、BaMgSiO 結晶の2θ=28.0°〜29.4°で検出されるピークのX線回折強度をDとしたとき、B/(A+B+C+D)が0.1以下、C/(A+B+C+D)が0.1以下、D/(A+B+C+D)が0.082以上0.250以下のうちのいずれかであることを特徴とする蛍光体。
  2. 前記組成式Ba 2.8 Eu 0.2 Mg 0.925 Mn 0.075 Si 1.905 におけるX線回折強度比の前記D/(A+B+C+D)が0.138以上0.173以下であることを特徴とする請求項1記載の蛍光体。
  3. 光源から発せられる光の波長を変換して、波長が変換された光を含む出力光を出力する波長変換器であって、透明マトリクス中に請求項1または2に記載の蛍光体が分散されて
    いることを特徴とする波長変換器。
  4. 表面に発光素子が載置される載置部を有するとともに電気配線を備えた基体と、前記載置部に載置されるとともに前記電気配線に電気的に接続された前記発光素子と、該発光素子が発光する光を波長変換する請求項記載の波長変換器とを具備してなることを特徴とする発光装置。
  5. 請求項記載の発光装置を複数具備してなることを特徴とする照明装置。
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