JP5135679B2 - 積層型圧電素子の製造方法 - Google Patents

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本発明は、例えばリード付きの電子部品の製造方法に関し、より詳細には、電極にリード線を半田付けにより接合する工程を備えた電子部品の製造方法に関する。
従来、様々なリード付き電子部品が広く用いられている。例えば、下記の特許文献1及び2には、リード線が接合された積層型の圧電アクチュエータが開示されている。
図9は、特許文献1に記載の積層型圧電アクチュエータを説明するための模式的正面断面図である。積層型圧電アクチュエータ101は、圧電体層と内部電極とを交互に積層してなる積層型圧電体102を有する。積層型圧電体102内には、複数の内部電極103a〜103fが積層されている。ここでは、内部電極103a〜103fは、圧電体層の全面に形成されている。そして、積層型圧電体102の第1の側面102a上には、ガラス絶縁層104a〜140cが、それぞれ、内部電極103a,103c,103eの露出部分を覆うように形成されている。
他方、第2の側面102b上においては、ガラス絶縁層105a〜105cが、それぞれ、内部電極103b,103d,103fの露出部分を覆うように形成されている。
第1,第2の側面102a,102b上に、第1,第2の外部電極106,107が形成されている。外部電極106は、内部電極103b,103d,103fに電気的に接続されており、外部電極107は、内部電極103a,103c,103eに電気的に接続されている。
また、外部電極106,107に電気的に接続されるように、リード線108,109が外部電極106,107に半田付けされている。また、外部電極106,107は、絶縁性樹脂層110により被覆されている。
積層型圧電アクチュエータ101では、リード線108,109から交流電界を印加することにより、積層型圧電体102が厚み方向に伸縮し、アクチュエータとして動作する。
特開平3−12974号公報 特開2003−17768号公報
特許文献1に記載の積層型圧電アクチュエータ101などのように、リード線が接合された電子部品では、リード線は、通常、半田付けにより外部電極に接合されている。この場合、リード線の外部電極に対する接合強度が十分な大きさとされている必要がある。さもないと、リード線が外部電極から外れ、接続不良が生じる。
ところで、積層型圧電アクチュエータ101のように、駆動に際して、変位もしくは変形する電子部品では、変位に伴ってリード線と外部電極との接合部分に応力が加わることが多い。従って、このような応力に耐え得るようにリード線を半田付けする必要があった。
そのため、図10(a)に模式的断面図で示すように、通常、電子部品111の外表面に設けられた外部電極112にリード線113を半田114により接合する場合、リード線113の先端部分を、外部電極112の外表面に接触させ、半田付けが行われていた。すなわち、リード線113の先端近傍部分を、外部電極112の表面に平行に配置し、その状態で半田114により接合が行われていた。これは、半田114により外部電極112に接合されるリード線113の接合部分の長さを長くして、接合強度を高めるためであった。
しかしながら、リード線113を外部電極112から遠ざける方向に力が加わったり、あるいはリード線113に対して外部電極112が遠ざかるように電子部品111が変形もしくは変位した場合、図10(b)に示すように矢印Aで示す応力が加わることとなる。
その結果、図10(c)に示すように、半田114によりリード線113が外部電極112に接合されている部分の接合強度が高められていたとしても、外部電極112ごと電子部品111の電子部品素体表面から剥がれることがあった。このような外部電極112の電子部品素体からの剥がれは、積層型圧電アクチュエータ以外の電子部品においても問題となっていた。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、リード線が電極に半田付けにより接合されている積層型圧電素子において、リード線を電極から遠ざける方向に応力が加わった場合でも、リード線と電極との接合強度が十分であり、リード線の脱落が生じ難いだけでなく、電極の剥離も生じ難い積層型圧電素子の製造方法を提供することにある。
本発明によれば、積層型圧電素子を構成している基材の一面に電極が設けられており、該電極にリード線を半田付けする工程を備える積層型圧電素子の製造方法であって、外表面に電極が設けられている基材を用意する工程と、前記電極の端縁上に、あるいは該端縁近傍に半田付着防止部材を付与する工程と、リード線の先端に連なる第1のリード線部分が電極主面と平行となるように、さらに前記第1のリード線部分に連なる第2のリード線部分が、前記端縁に向かって延ばされており、かつ前記半田付着防止部材の前記電極の前記端縁とは反対側において第2のリード線部分を当接させて前記リード線を前記電極に半田付けする工程とを備え、前記半田付着防止部材が、少なくとも前記電極上に付与されている、積層型圧電素子の製造方法提供される
本発明に係る積層型圧電素子の製造方法の広い局面では、積層型圧電素子を構成している基材の一面に電極が設けられており、該電極にリード線を半田付けする工程を備える積層型圧電素子の製造方法であって、外表面に電極が設けられている基材を用意する工程と、前記電極の端縁よりも外側の基材表面に半田付着防止部材を付与する工程とを備え、前記半田付着防止部材と前記電極の端縁との距離がリード線の直径以下とされており、前記リード線を前記電極に半田付けする工程をさらに備える、積層型圧電素子の製造方法が提供される。
本発明に係る積層型圧電素子の製造方法のさらに他の特定の局面では、前記電極が薄膜形成法により形成された薄膜電極である。
本発明に係る積層型圧電素子の製造方法のさらに他の特定の局面では、前記積層型圧電素子が圧電セラミック層と内部電極とが交互に積層されている積層型圧電体と、該積層型圧電体の一対の側面に設けられた第1,第2の外部電極とを有する積層型圧電アクチュエータであり、前記リード線が接続される電極が、前記第1,第2の外部電極であり、前記第2のリード線部分の延びる方向が、前記積層型圧電体の積層方向と直交する方向である。
本発明に係る積層型圧電素子の製造方法では、基材の外表面に電極が設けられており、電極の端縁上に、あるいは端縁近傍に半田付着防止部材が付与される。そして、先端に連なる第1のリード線部分が電極の主面と平行となるように、さらに前記第1のリード線部分に連なる第2のリード線部分が上記端縁に向って延ばされており、かつ半田付着防止部材が付与されている部分の上記端縁とは反対側において第2のリード線部分を当接させて、上記リード線が電極に半田付けされる。
従って、リード線は、半田により電極に接合されているが、該電極の端縁においては、電極に接合されていない。すなわち、電極の上記端縁とリード線とが隔てられているため、リード線と、リード線と上記基材とが互いに遠ざかる方向に応力が加わったとしても、電極は基材から剥離し難い。
これは以下の理由による。すなわち、従来の積層型圧電素子では、電極の端縁であってリード線引き出し方向に位置している端縁までリード線が接合されていたため、リード線と積層型圧電素子とを遠ざける方向に応力が加わった場合、該電極端縁において、電極が上記応力により積層型圧電素子から剥離し易かった。これに対して、本発明では、上記のように、電極が基材から剥離する際の剥離開始点となり易い端縁においては、電極端縁とリード線とが分離されているため、上記のような電極の端縁を開始点とする電極の剥離が生じ難い。
従って、本発明によれば、リード線と上記基材とを互いに遠ざける方向に応力が加わった場合であっても、電極の剥離が生じ難い、信頼性に優れた電子部品を提供することが可能となる。
半田付着防止部材が少なくとも電極上に設けられている場合には、半田が電極表面から突出されるので、電極端縁でのリード線の接触を確実に防止することができる。
特に、半田付着防止部材が上記端縁に至るように形成されている場合には、半田付着防止部材が、電極端縁よりも表面から突出されることになるため、リード線の電極端縁への接触をより確実に防止することができる。
さらに、本願の第2の発明によれば、半田付着防止部材は、電極の端縁よりも外側の基材表面に設けられており、かつ半田付着防止部材と電極の上記端縁との距離がリード線の直径以下とされている場合には、電極端縁の近くで、半田付着防止部材を確実に電極表面から突出させることができ、それによってリード線と電極端縁との接触をより確実に防止することができる。
極が薄膜形成法により形成された薄膜電極である場合には、薄膜電極は積層型圧電素子表面から外力により剥離し易いが、本発明によって、薄膜電極の積層型圧電素子からの剥離を確実に防止することが可能となる。
積層型圧電素子が、圧電セラミック層と内部電極とが交互に積層されている積層型圧電体と、積層型圧電体の一対の側面に設けられた第1,第2の外部電極とを有する積層型の圧電アクチュエータであり、リード線が接続される電極が、上記第1,第2の外部電極であり、前記第2のリード線部分が延びる方向が、積層型圧電アクチュエータの積層方向と直交する方向である場合には、積層方向と直交する方向には、駆動に際して変位しないため、積層型圧電アクチュエータの変位による応力がリード線と第1,第2の外部電極との接合部分に加わり難い。しかも、本発明に従って、上記第1,第2の外部電極の端縁からリード線が遠ざけられているため、第1,第2の外部電極端縁を開始点とする第1,第2の外部電極の積層型圧電体の側面からの剥離が生じ難い。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより本発明を明らかにする。
図1(a)は、本発明の一実施形態により得られた圧電アクチュエータを説明するための模式的斜視図であり、(b)は、その要部を説明するための模式的部分切欠平面断面図である。
本実施形態の製造方法では、まず、図2に示す積層型圧電体2を用意する。積層型圧電体2は、セラミックス−内部電極一体焼成法を用いて構成された積層型の圧電体により形成されている。このようなセラミックス内部電極一体焼成法は、従来より周知の方法であり、この周知の方法に従って、積層型圧電体2を用意することができる。
積層型圧電体2は、対向し合う第1,第2の側面2a,2bを有する。内部電極3aは、図3(a)に示すように、側面2aから他方の側面2b側に向って延ばされている。他方、図3(b)に示すように、内部電極3bは、第2の側面2bに露出しており、第1の側面2a側に向って延ばされている。複数の内部電極3a,3c,3e,3g,3iは、第1の側面2aに引き出されている。他方、複数の内部電極3b,3d,3f,3hは、第2の側面2bに引き出されている。すなわち、内部電極3a〜3iは、交互に第1の側面2aまたは第2の側面2bに引き出されている。積層型圧電体2は積層方向に分極処理されている。
上記内部電極3a〜3iは、適宜の金属材料により形成され、また圧電体層を構成する圧電材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスなどの適宜の圧電セラミックスが用いられる。
次に、上記積層型圧電体2の第1,第2の側面2a,2b上に、それぞれ、第1,第2の外部電極4,5をスパッタリングにより形成する。外部電極4,5は、本実施形態では、スパッタリングにより形成された薄膜電極である。もっとも、薄膜電極は、メッキもしくは蒸着等の他の薄膜形成方法により形成していてもよい。
上記外部電極4,5を構成する金属材料は特に限定されず、Ag、Cu、Au、Cr、Niあるいはこれらの金属の合金などを用いることができる。
薄膜電極は、薄膜形成法により積層型圧電体2の外表面に高精度に形成することができるが、積層型圧電体2の外表面に対する密着強度は必ずしも高くない。
従って、外部電極4,5に積層型圧電体2から遠ざかる方向に応力が加わると、外部電極4,5の端縁から剥離が生じ易いという欠点を有する。しかしながら、後述のように、本実施形態では、外部電極4,5の剥離が確実に抑制される。
図1(a)に示すように、外部電極4,5上に、半田付着防止部材6,7を付与する。第2の側面2b側を代表して示すように、外部電極5上に厚みを持った矩形枠状の形状の半田付着防止部材7を付与する。半田付着防止部材7としては、ソルダーレジストなどの半田が付着し難い適宜の材料を用い得る。ソルダーレジストを用いた場合、外部電極5の外表面に容易にかつ高精度に半田付着防止部材7を形成することができ、かつ半田の付着を確実に防止することができ、望ましい。もっとも、ソルダーレジスト以外の半田に対して親和性を有しない適宜の材料により、半田付着防止部材7を形成してもよい。
次に、図1(a)に示すように、半田付着防止部材7に囲まれた領域において、リード線8を半田9により接合する。ここでは、リード線8を、半田9に接合される部分から、積層型圧電体2の積層方向と直交する方向に延び、外部電極5の端縁5aを超えて外側に延びるように配置する。半田付けに際しては、半田付着防止部材の外側端縁が外部電極5の端縁5a上に位置しているので、リード線8の先端に連なる第1のリード線部分8aを外部電極5の主面と平行に配置する。本実施形態では、特に、図1(b)に示すように、第1のリード線部分8aを、外部電極5の主面と平行であるだけでなく、外部電極5の主面に接触させておく。もっとも、第1のリード線部分8aは、外部電極5の主面と平行である限り、必ずしも外部電極5に接触させずともよい。
外部電極5の主面に第1のリード線部分8aを接触させることにより、第1のリード線部分8aと外部電極5との接合強度をより効果的に高めることができるとともに、リード線8と外部電極5との導通の信頼性を高めることができる。
第2のリード線部分8bは、第1のリード線部分8aに連なる部分であり、外部電極5の端縁5a側に向って延ばされている部分である。第2のリード線部分8bを、半田付着防止部材に当接させて、その状態で、リード線8を5に半田付けする。
半田付着防止部材7は、矩形枠状の形状を有し、外部電極5の主面から突出されている。すなわち、半田付着防止部材7は厚みを有するため、半田付着防止部材7は外部電極5の主面よりも外側に突出されている。
従って、端縁5aよりも内側領域において、半田付着防止部材7が存在するため、第2のリード線部分8bは、半田付着防止部材に内側面7cと外表面7dとの稜線7bに当接され、端縁5aには至らず、その手前の半田付着防止部材7が設けられている部分において、外部電極5から遠ざけられる。
上記のようにして、リード線8が外部電極5に半田9により接合される。従って、例えば図1(b)において、矢印Bで示す方向に応力が加わったとしても、この応力が加わるのは外部電極5の端縁5aではなく、リード線8と半田9との接触部分及びその下方である。よって、外部電極5の端縁5aを開始点とする外部電極5の剥離が生じ難い。
なお、半田9による接合に際し、リード線8は稜線7bに接触されていたが、接合後にはリード線8は稜線7bに接触されていてもよく、あるいは接触されておらずともよい。
前述したように、薄膜形成法により形成された外部電極5は、積層型圧電体2に対する密着強度が必ずしも高くなく、端縁において、積層型圧電体2から遠ざかる方向に応力が加わると、剥離が生じ易いという欠点があった。これに対して、本実施形態の製造方法によれば、外部電極5の端縁において、外部電極5を積層型圧電体2から遠ざかる方向に応力が加わり難い構造になるため、外部電極5の剥離を確実に抑制することができる。
なお、第1の側面2a側においても、同様に、半田付着防止部材6が設けられており、かつ半田付着防止部材6で囲まれた領域において、リード線が半田により接合されている。
なお、上記実施形態では、矩形枠状の半田付着防止部材7を設けたが、図4に示すように、特に円形の貫通孔11aが設けられた半田付着防止部材11を用いてもよく、その場合には、上記貫通孔11a内において、半田によりリード線を接合すればよい。すなわち、半田付着防止部材11は、外部電極5のリード線が引き出される方向に位置する端縁5a近傍に半田付着防止部材11の一部が位置する限り、その平面形状は特に限定されない。
また、図5(a)に示す変形例のように、外部電極5上から、端縁5aを超えて外側に至るように、半田付着防止部材12を形成してもよい。この場合においても、端縁5aよりも内側において、半田付着防止部材12が存在するため、リード線8は、半田付着防止部材12の存在により端縁5aから分離され、遠ざけられる。
すなわち、半田付着防止部材は少なくとも一部が外部電極5上に配置されておればよい。
また、図5(b)に示す変形例のように、電子部品素子としての積層型圧電体2の側面2bの一部に外部電極を形成してもよい。図示のように、外部電極13上ではなく、外部電極13の外側の領域に半田付着防止部材14が設けられていてもよい。すなわち、第2のリード線部分8bの延びる方向に位置する外部電極13の端縁13aの外側の領域において、半田付着防止部材14を配置してもよい。この場合、好ましくは、端縁13aに接触するように、あるいは端縁13a近傍に半田付着防止部材14を配置することが望ましい。それによって、リード線8の外部電極13の端縁13aとの接触をより確実に防止することができる。この場合、リード線8を端縁13aから確実に遠ざけるには、半田付着防止部材14と端縁13aとの間の距離については、リード線8の直径以下とすることが望ましい。
なお、半田付着防止部材14は枠状の形状を有しておらずともよい。すなわち、半田付着防止部材の平面形状は枠状に限らず、直線状あるいは曲線状などの適宜の形状とされ得る。
なお、図1(a)では、図示は省略しているが、正面2c及び背面2dを覆うように、エポキシ樹脂などの絶縁性樹脂からなる外装樹脂層を形成することが望ましい。それによって、圧電アクチュエータ1の耐環境特性を高めることができる。
また、図1に示した圧電アクチュエータ1では、積層型圧電体2を用いたが、図6及び図7に示す変形例のような積層型圧電体を用いてもよい。
図6に示す変形例の積層型圧電体21では、圧電体層と同じ平面形状の内部電極22a,22bとが交互に積層されている。そして、積層型圧電体21の第1の側面21a上において、絶縁層23a〜23cが、内部電極22a,22c,22eの露出部分を被覆するように設けられている。
他方、第2の側面21bでは、内部電極22b,22dの露出部分を被覆するように絶縁層24a,24bが設けられている。そして、第1,第2の側面21a,21bに、それぞれ、第1,第2の外部電極25,26が形成されている。外部電極25,26にリード線を接合する場合にも、上記実施形態と同様に、半田付着防止部材を付与し、リード線を接合することにより、外部電極25,26の端縁を起点とした剥離を効果的に抑制することができる。
図7に示す積層型圧電体31では、複数の内部電極32a〜32eが圧電体層と交互に積層されている。ここでは、内部電極32a,32c,32eは、第1の側面31aに設けられた凹部に露出している。そして、この凹部に絶縁層33a〜33cが充填されている。他方、第2の側面31bにおいては、凹部が外部電極32b,32dが引き出されている部分に設けられており、これらの凹部に絶縁層34a,34bが充填されている。第1,第2の側面31a,31bの全面に外部電極36,37が形成されている。
上記積層型圧電体21,31を用いた積層型圧電アクチュエータにも本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、積層型圧電アクチュエータについて説明したが、本発明の製造方法は、外表面に設けられた電極にリード線を半田付けにより接合する構造を有する積層型圧電素子に一般的に用いることができる
次に、具体的な実験例につき説明する。
図1(a),(b)に示した本実施形態に従って、積層型圧電アクチュエータ1を作製し、リード線の引き剥がし強度を求めた。積層型圧電体2は、PZT系セラミックスからなる圧電体層70層を内部電極69層を介して積層し、圧電体層の厚みを30μm、積層型圧電体の高さを2.5mm、幅及び奥行きをそれぞれ1.2mm、一対の側面2a,2bを結ぶ方向(X方向とする)の長さである内部電極同士の重なり長さを1.0mmとした。外部電極4,5としては、スパッタリング法により、ニクロム及び銀からなる電極を計1ミクロンの厚みとなるように形成した。そして、外部電極4,5上に、図1に示したように、ソルダーレジストからなる半田付着防止部材6,7を、外部電極,4,5の端縁に至るように形成した。半田付着防止部材6,7の幅は0.15mmとした。従って、外部電極5の端縁5aと半田付着防止部材7の内側側面7cとの距離は上記幅と同じ、0.15mmとなる。
このような半田付着防止部材を形成した後に、クリーム半田を0.3mg付与し、半田付けを行った。なお、使用したリード線はポリウレタン銅線を使用し、直径は0.12mmとした。
そして、積層型圧電アクチュエータ1を作製した後、図8(a)及び(b)に略図的に示すように、リード線8を積層型圧電体2から遠ざかる方向に、すなわち矢印Z方向に引っ張り、図8(c)に示すように、外部電極5の端縁5aから剥離が生じるか否か測定した。上記剥離が生じた際の引っ張り強度を剥離強度とした。結果を下記の表1に示す。
また、比較のために、上記半田付着防止部材を設けず、リード線を外部電極5の端縁5aに至るように半田付けを行った積層型の圧電アクチュエータを用意し、同様に剥離強度を求めた。結果を下記の表2に示す。
Figure 0005135679
Figure 0005135679
表1から明らかなように、上記実施形態の製造方法によれば、10個のサンプルのいずれにおいても、剥離強度が1.26N以上と高かった。これに対して、比較のために用意した積層型の圧電アクチュエータでは、10個のサンプルの内、7個のサンプルにおいて、剥離強度が1Nを大きく下回っており、従って、外部電極の剥離が上記実施形態の場合に比べて著しく生じ易いことがわかる。
(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る積層型圧電アクチュエータの製造方法により得られる積層型圧電アクチュエータを示す斜視図及びその要部を説明するための模式的部分拡大底面図。 図1に示した実施形態の製造方法で用意される積層型圧電体を示す斜視図。 (a)及び(b)は、図2に示した積層型圧電体の外部電極の形状を説明するための各模式的平面断面図。 半田付着防止部材の変形例を説明するための積層型圧電アクチュエータの斜視図。 (a)及び(b)は、半田付着防止部材の配置構造の変形例を説明するための積層型圧電アクチュエータの部分拡大底面図。 本発明が適用される積層型圧電体の一例を示す斜視図。 本発明が適用される積層型圧電体の他の例を示す斜視図。 (a)〜(c)は、本実施形態で得られた圧電アクチュエータの電極剥離強度試験の方法を説明するための各略図的底面図。 従来の積層型圧電アクチュエータの模式的正面断面図。 (a)〜(c)は従来の電子部品の問題点を説明するための図であって、リード線接合部分を拡大して示す各模式的部分切欠断面図。
符号の説明
1…積層型圧電アクチュエータ
2…積層型圧電体
2a,2b…第1,第2の側面
2c…正面
2d…背面
3a〜3i…内部電極
4,5…第1,第2の外部電極
5a…端縁
6,7…半田付着防止部材
7a…端縁
7b…稜線
7c…内側面
7d…外表面
8…リード線
8a…第1のリード線部分
8b…第2のリード線部分
9…半田
11…半田付着防止部材
11a…貫通孔
12…半田付着防止部材
13…外部電極
13a…端縁
14…半田付着防止部材
21…積層型圧電体
21a,21b…側面
22a〜22e…内部電極
23a〜23c…絶縁層
24a,24b…絶縁層
25,26…外部電極
31…積層型圧電体
31a,31b…側面
32a〜32e…内部電極
33a〜33c,34a,34b…絶縁層
36,37…外部電極

Claims (4)

  1. 積層型圧電素子を構成している基材の一面に電極が設けられており、該電極にリード線を半田付けする工程を備える積層型圧電素子の製造方法であって、
    外表面に電極が設けられている基材を用意する工程と、
    前記電極の端縁上に、あるいは該端縁近傍に半田付着防止部材を付与する工程と、
    リード線の先端に連なる第1のリード線部分が電極主面と平行となるように、さらに前記第1のリード線部分に連なる第2のリード線部分が、前記端縁に向かって延ばされており、かつ前記半田付着防止部材の前記電極の前記端縁とは反対側において第2のリード線部分を当接させて前記リード線を前記電極に半田付けする工程とを備え、前記半田付着防止部材が、少なくとも前記電極上に付与されている、積層型圧電素子の製造方法。
  2. 積層型圧電素子を構成している基材の一面に電極が設けられており、該電極にリード線を半田付けする工程を備える積層型圧電素子の製造方法であって、
    外表面に電極が設けられている基材を用意する工程と、
    前記電極の端縁よりも外側の基材表面に半田付着防止部材を付与する工程とを備え、
    前記半田付着防止部材と前記電極の端縁との距離がリード線の直径以下とされており、
    前記リード線を前記電極に半田付けする工程をさらに備える、積層型圧電素子の製造方法。
  3. 前記電極が薄膜形成法により形成された薄膜電極である、請求項1または2に記載の積層型圧電素子の製造方法。
  4. 前記積層型圧電素子が圧電セラミック層と内部電極とが交互に積層されている積層型圧電体と、該積層型圧電体の一対の側面に設けられた第1,第2の外部電極とを有する積層型圧電アクチュエータであり、前記リード線が接続される電極が、前記第1,第2の外部電極であり、前記第2のリード線部分の延びる方向が、前記積層型圧電体における積層方向と直交する方向である、請求項1〜のいずれか1項に記載の積層型圧電素子の製造方法。
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