JP5135443B2 - 糸を巻き取るための装置 - Google Patents

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Description

本発明は、請求項1の上位概念部に記載された形式の装置、すなわち糸をパッケージに巻き取るための装置であって、少なくとも1つの突出したパッケージスピンドルが設けられていて、該パッケージスピンドルの周囲に、パッケージを受容するための少なくとも1つの巻管が、差し嵌め可能及びクランプ可能であり、さらに、パッケージの巻成終了後に巻管を押し出すための押出し装置が設けられており、該押出し装置が、パッケージスピンドルに対して平行に可動の押しエレメントを有していて、該押しエレメントが、リニア駆動装置によって往復案内可能である形式のものに関する。
合成糸を製造する場合に、糸を溶融紡糸後にそれぞれパッケージに巻き取るもしくは巻き上げることが公知である。連続的な材料流を実現するために、有利には、突出状態で保持された2つのパッケージスピンドルを備えた巻取り装置が使用され、両パッケージスピンドルは、1つの可動の保持体に配置されていて、交互に巻取り領域と交換領域に案内される。これによって、溶融紡糸された糸を連続的にプロセス中断成しにパッケージに巻き取ることができる。パッケージを受容するために、巻取り箇所毎に1つの巻管がパッケージスピンドルの周囲に押し込まれてクランプされている。巻取りの終了したパッケージと共にパッケージスピンドルの周囲に保持された巻管を、パッケージスピンドルから押し出すために、このような巻取り装置は押出し装置を有しており、押出し装置は、パッケージスピンドルに対して平行に可動の押しエレメントを有していて、押しエレメントは巻取りの終了したパッケージの押出しを可能にする。
従来技術では基本的に、単数又は複数のパッケージを突出したパッケージスピンドルから押し出すために使用される、異なった2つの形式の押出し装置が公知である。本発明の出発点となった第1形式の押出し装置は、外側からパッケージスピンドルもしくは満管パッケージに作用する押しエレメントを有している。この場合押しエレメントは外側から、押し出されるパッケージもしくはその巻管と係合させられ、これによりパッケージスピンドルの周囲における巻管の解除後に、巻取りの終了したパッケージが自動化されて押し出される。このような装置は例えばEP0888243B1に基づいて公知である。
このような公知の装置では、押しエレメントが外側からパッケージスピンドルに作用することに基づいて、まだ完全に巻取りが終わっていないパッケージ、つまり僅かな巻き数しか有していないパッケージ又はそれどころか空の巻管を押し出すことは、巻管もしくは巻き取られたパッケージの端面に、押しエレメントの係合部として十分な係合面が存在している場合にしか、可能でない。例えば僅かな巻き数しか有していないパッケージもしくは巻管は、しばしば手動によってしか押し出すことができない。
例えばDE10023909A1に基づいて公知の第2形式の押出し装置では、パッケージスピンドルの周囲に押しリングが配置されていて、この押しリングは、リニア駆動装置を介して軸方向移動可能にパッケージスピンドルに沿って案内されている。このような押出し装置では、押しリングは巻管の端面に直に係合するので、巻取りの終了したパッケージでも部分的に巻かれたパッケージでも、巻管の押出しが可能である。しかしながらこのような押出し装置には大きな欠点がある。それというのはこの場合、パッケージスピンドルの周囲に沿って往復案内が繰り返されることによって、押しリング及びパッケージスピンドルにおいて摩耗現象が生じてしまう。さらに巻管は、例えば巻取りの終了したパッケージの押出しを可能にするために、十分な安定性を有する必要がある。
ゆえに本発明の課題は、冒頭に述べた形式の、糸をパッケージに巻き取るための装置を改良して、パッケージ又は巻管をパッケージスピンドルから全自動式にかつ高い頻度で押し出すことができる押出し装置を備えた、装置を提供することである。
この課題を解決するために本発明の構成では、パッケージスピンドルの周囲に、軸方向可動の押しリングが保持されていて、該押しリングは、巻管のためのストッパを形成しており、押しエレメントは、パッケージが選択的に押しリングを用いて又は押しリングなしに押出し可能であるように形成されているようにした。
本発明の別の有利な構成は、請求項2以下に記載されている。
本発明は、糸の巻き取り時において空の巻管又は巻き数の僅かなパッケージは、例えば捕捉エラー又は糸切れによって発生する例外的な状態である、ということを利用している。これに対して、巻取りの終了したパッケージつまり満管パッケージをパッケージスピンドルから押し出すことが、普通の状態であり、従ってこのような状態は高い頻度で発生する。本発明は、押しエレメントがパッケージの状態に関連して異なった形式で係合するという特別な利点を有している。例えば押しエレメントはパッケージと直に係合することも又は択一的に押しリングと係合することもできる。押しリングは、例外的な状態である、空の巻管又は巻き数の僅かなパッケージを押し出すためにしか使用されないと、有利である。大部分の押出し動作もしくは押出し動作は、外側からパッケージに係合する押しエレメントによって簡単に実施される。従って本発明による装置は、パッケージの押出し後に空管がパッケージスピンドルに自動的に装着される、全自動化されたパッケージ形成過程のために特に適しており、有利である。そして手動による助成は、パッケージ交換の過程においてもはやまったく不要である。
押しエレメントの選択的な係合を簡単に実施できるようにするために、本発明による装置の有利な構成では、押しエレメントとパッケージスピンドルとが、相対的にパッケージスピンドルに対して半径方向可動に形成されていて、2つの押出しポジションの間において移動可能であり、一方の押出しポジションにおいては押しエレメントが押しリングに直に作用し、他方の押出しポジションにおいて押しエレメントがパッケージに直に作用する。さらに、選択された押出しポジションに関連して、パッケージスピンドルから取り出されるパッケージを直に対応付けることができる。例えば、第1の押出しポジションからは、不十分にしか巻かれていないすべてのパッケージを取り出して、そのままプロセスから取り除くことができる。これに対して第2の押出しポジションにおいては、巻取りの終了したすべての満管パッケージが押し出されて、次の工程へとさらに導かれることができる。
パッケージスピンドルと押しエレメントとの間における相対的な可動性のために有利な構成では、パッケージスピンドルが回転可能なパッケージリボルバに保持されていて、該パッケージリボルバは回転駆動装置(4)と連結されていて、180°ずらされた第2のパッケージスピンドルを有している。このように構成されていると、連続的なプロセスを中断なしに実施することができる。
しかしながらまた、押しエレメントが択一的に、リニア駆動装置の回転可能なピストンロッドの自由端部に配置されているような構成も可能である。このように構成されていると、パッケージをパッケージスピンドルの周囲から押し出すことを目的として、押しエレメントを異なった押出しポジションに導くことができる。
押しエレメントと押しリングとの間における結合を実施するのに有利な、本発明による装置の別の構成では、押しリングが、環状の押しカラーを有していて、該押しカラーは、押しエレメントが係合するための接触面を形成している。
このような構成においてさらに有利には、押しエレメントが、パッケージスピンドルに向かい合って位置している自由端部である成形端部を備えた成形プレートによって形成されており、成形プレートの成形端部は、並んで位置する2つの押し面を有していて、その結果選択的に一方の押し面は押しリングにおける押しカラーと共働し、他方の押し面はパッケージの端面と共働する。押しエレメントはこれによって単純な押出し体として働き、この押出し体は押し面で、移動させられる部分の対応する接触面に接触している。押し面は1つの平面に形成されていても、又は互いにずらされて形成されていてもよい。
押しエレメントが押しリングか又はパッケージに選択的に係合できるようにするために、装置の択一的な有利な構成では、押しエレメントが可動の押しプレートを有していて、該押しプレートが、パッケージスピンドルに向かって2つの押出しポジションの間において移動可能であり、一方の押出しポジションにおいて押しプレートは押しリングと共働し、他方の押出しポジションにおいて押しプレートはパッケージと共働する。
押しエレメントの異なった係合に基づいて、パッケージスピンドルに沿ってパッケージもしくは巻管を押し出すための異なった押出し運動距離が生ぜしめられる。
規定された押出し運動距離を維持できるようにするために、本発明の別の有利な構成では、押出し運動距離を制限するために押しエレメントに接近センサが配属されていて、該接近センサはリニア駆動装置の制御装置と連結されている。
次に図面を参照しながら本発明による装置の実施形態を説明する。
本発明による装置の第1実施形態を示す側面図である。 図1に示された本発明による装置を正面から見た図である。 図1及び図2に示された実施形態の一部を、第1の運転状態において示す図である。 図1及び図2に示された実施形態の一部を、第2の運転状態において示す図である。 本発明による装置の別の実施形態を示す図である。 本発明による装置のさらに別の実施形態を示す側面図である。
図1及び図2には、パッケージに糸を巻き取るための本発明による装置の第1実施形態が示されている。図1にはこの実施形態が側面図で示され、図2には正面図で示されている。図面のうちの一方にだけ関連していることが特別に述べられているのでない限り、以下の記載は両方の図面に対して言える。
図示の実施形態では、糸を連続的に中断せずに巻き取るための装置が示されている。そのために、巻取り箇所が機械フレーム1に形成されている。このような装置はしかしながら複数の巻取り箇所を備えて運転されても有利であり、この場合機械フレームにはそれぞれ、糸群を巻き取るための巻取り箇所が並んで配置されている。しかしながら本発明にとっては、1つのパッケージが巻成されるのか又は複数のパッケージが同時に巻成されるのかは、重要ではない。本発明は両方のバージョンに関係している。巻取り箇所の数とは無関係に、そのために突出したパッケージスピンドル3.1が設けられており、このパッケージスピンドル3.1はスピンドル駆動装置5.1を用いて駆動される。
図示の実施形態では、パッケージスピンドル3.1はパッケージリボルバから突出するように該パッケージリボルバ2に保持されている。パッケージリボルバ2は機械フレーム1に回転可能に支承されていて、回転駆動装置4と連結されている。この回転駆動装置4を介して、パッケージリボルバ2は時計回り方向に回転することができる。
パッケージスピンドル3.1に対して180°ずらされて、パッケージリボルバ2は第2のパッケージスピンドル3.2を有しており、この第2のパッケージスピンドル3.2は、同様に突出するように保持されていて、軸受端部において第2のスピンドル駆動装置5.2と連結されている。これらのパッケージスピンドル3.1,3.2は、パッケージリボルバ2の回転によって交互に巻取り領域と交換領域とに案内されることができる。図1及び図2に示された運転状態では、パッケージスピンドル3.1は巻取り領域に位置し、パッケージスピンドル3.2は交換領域に位置している。
糸12をパッケージ7.1に巻き取るために、パッケージスピンドル3.1の周囲とパッケージスピンドル3.2の周囲とにはそれぞれ、巻管6.1,6.2が差し嵌められてクランプされている。巻管6.1,6.2はそのためにパッケージスピンドル3.1,3.2の自由端部を介して前もって差し嵌められる。
巻取り領域においてパッケージスピンドル3.1には、糸12を巻き取るために圧着ローラ9と綾振り装置11とが配属もしくは対応配置されている。綾振り装置11と圧着ローラ9とパッケージスピンドル3.1とは、糸走路において相前後して機械フレーム1に保持されており、これによって、進入する糸12を綾振り装置11の内部における往復案内によって、圧着ローラ9を介してパッケージ表面7.1に供給して、綾巻きを行うことができる。圧着ローラ9はローラ保持体10に保持されており、このローラ保持体10は有利には可動に形成されていて、巻成されるパッケージの待避運動を制御するためのセンサとして働く。そのために例えば圧着ローラ9の行程をセンサによって検出することができ、このセンサはパッケージリボルバ2の回転駆動装置4と制御回路において接続されている。
綾振り装置11はこの場合羽根形綾振り装置(Fluegelchangierung)として形成されていても、溝付ドラム式綾振り装置(Kehrgewindewellenchangierung)又はベルト式綾振り装置(Riemenchangierung)として形成されていてもよい。この場合に重要なことは、綾振り装置11が、糸を綾振り行程内において往復案内させる手段を有していることである。
圧着ローラ9は図示の実施形態では自由回転可能なローラとして示されている。しかしながらまた基本的には、少なくとも位相的に例えばパッケージ交換中に圧着ローラ9を所定の周速度で駆動する駆動装置が、圧着ローラ9に配属されていてもよい。
図1及び図2に示された運転状態で、満管パッケージ7.2を備えたパッケージスピンドル3.2は交換領域に位置している。交換領域において各パッケージスピンドルには、この場合はパッケージスピンドル3.2には、押出し装置8が配属もしくは対応配置されている。押出し装置8はパッケージスピンドル3.2の軸線方向において可動の押しエレメント15を有しており、この押しエレメント15はリニア駆動装置16を用いて往復案内可能である。押しエレメント15には押しリング13.2が配属されており、この押しリング13.2は軸方向移動可能にパッケージスピンドル3.2の周囲に保持されている。押しリング13.2は軸受端部に到るまで、突出したパッケージスピンドル3.2に差し嵌められていて、巻管6.2のためのストッパを形成している。パッケージスピンドル3.1にも同様に押しリング13.1が差し嵌められており、この押しリング13.1は、差し嵌められた巻管6.1のためのストッパを形成している。
交換領域において押出し装置8は、パッケージスピンドル3.2における満管パッケージ7.2を押し出すために働き、これによってパッケージスピンドル3.2には新たな巻管を装着することができる。この場合押しエレメント15は満管パッケージ7.2の端面に直に作用し、その結果押しエレメント15はリニア駆動装置16の作動によって満管パッケージ7.2をパッケージスピンドル3.2の自由端部に向かって押し出す。
例えば溶融紡糸過程において糸を連続的に巻き取る場合には、糸切れ又は捕捉エラーを引き起こすような不都合を排除することはできないので、交換領域に保持されたパッケージスピンドルにおいて早期のパッケージ交換を行う必要がある。このような場合には、僅かな巻条を備えたパッケージ又はそれこそ空の巻管をパッケージスピンドル3.1又は3.2において押し出すことが必要である。このような例外的な状態においても押出しを可能にするために、押しエレメント15は押しリング13.1又は13.2と共働する。押しエレメント15はこれによって選択的にパッケージ7.2又は押しリング13.2と係合することができる。
押出し装置8の構成については、図3及び図4を参照しながらさらに詳しく述べる。図3及び図4には、同一実施形態が、異なった運転状態において示されている。
図1及び図2に示された実施形態では、押しエレメント15は成形プレート17によって形成されており、この成形プレート17はピストンロッド19の自由端部に保持されている。成形プレート17は自由端部に成形端部18を有しており、この成形端部18には2つの押し面26.1,26.2が並んで形成されている。成形プレート17の成形端部18は交換領域におけるパッケージスピンドルに、つまり図2ではパッケージスピンドル3.2に配属もしくは対応配置されている。
押しリング13.2との押しエレメント15の係合を可能にするために、パッケージスピンドル3.2における押しリング13.2は、環状の押しカラー14を有しており、この押しカラー14はパッケージスピンドル3.2に対して半径方向に張り出して形成されている。押しカラー14は押しエレメント15のための接触面を形成している。押しエレメント15を選択的に押しリング13.2か又は満管パッケージ7.2に接触させるために、パッケージリボルバ2の回転によってパッケージスピンドル3.2は2つの押出しポジションに案内される。
図3では、交換領域におけるパッケージスピンドル3.2は第1の押出しポジションにパッケージリボルバ2によって保持されている。この押出しポジションにおいて、押しリング13.2の押しカラー14は成形プレート17の案内軌道に進入しており、この場合成形プレート17の押し面26.2は、押しカラー14と直に接触している。この第1の押出しポジションにおいては従って、空の巻管又は不完全なパッケージをパッケージスピンドル3.2から有利に押し出すことができる。糸の巻取り時に不都合が発生するや否や、そして満管パッケージを巻成することができない場合には直ぐに、図示されていない制御装置を介してパッケージリボルバ2は、通常領域に保持されているパッケージスピンドルを、図3に示されているように第1の押出しポジションへと案内する。
通常時には、つまり糸が満管パッケージに巻き取られ、満管パッケージ7.2を備えたパッケージスピンドルが交換領域に案内される場合には、パッケージリボルバ2はパッケージスピンドルを直に第2の押出しポジションに案内する。図4に示されているこの第2の押出しポジションは、パッケージリボルバ2の小さな回転角だけ、第1の押出しポジションに対してずらされて位置している。図面を見易くするために図4では、満管パッケージの輪郭は破線で示されている。この状態において押しカラー14は、成形プレート17の成形端部18によって捕捉されない。押し面26.1はこれによって満管パッケージ7.2の端面と直に接触することができ、その結果満管パッケージ7.2の押出し時に押しリング13.2はパッケージスピンドル3.2におけるその後方のポジションに留まる。これにより通常時には満管パッケージ7.2だけが巻管6.2と共にパッケージスピンドル3.2から押し出される。
上に述べた実施形態では押出しポジションは、パッケージスピンドルと押しエレメントとの間における相対運動によって、パッケージスピンドルに対して半径方向に開始される。この場合運動動作は有利にはパッケージリボルバ2によって実施されることができる。基本的にはしかしながらまた、パッケージスピンドルを交換領域において1つのポジションに固定しておいて、別の押出しポジションを押しエレメントによって形成することも可能である。このような実施形態は図5に示されている。図5には、この別の実施形態の一部だけが示されており、この別の実施形態はその他の点では、図1及び図2に示された既に述べた実施形態と全く同じである。図5に示された実施形態においても、押出し装置8の押しエレメント15は同様に成形プレート17によって形成されている。この成形プレート17は、パッケージスピンドル3.2に向かい合って位置している自由な成形端部18を有している。この成形端部18には押し面26.1,26.2が並んで形成されている。成形プレート17はピストンロッド19と堅くもしくは不動に結合されている。ピストンロッド19は、図示されていないアクチュエータによって2つの角度位置の間において回動されることができ、その結果成形プレート17はピストンロッド19の角度位置に応じて選択的に、押しリング13.2か又は満管パッケージ7.2と係合されることができる。図5に示された状態では、成形プレート17は第2の押出しポジションを占めており、この第2の押出しポジションでは、押し面26.1は巻管6.2の端面に直に接触する。成形端部18と押しリング13.2の押しカラー14との間には、小さな間隔があるので、成形プレート17は押しリング13.2とは無関係に往復移動される。
ピストンロッド19の第2の角度位置において成形プレート17はパッケージスピンドル3.2に対して次のように、すなわち成形プレート17の成形端部が押しリング13.2の押しカラー14と合致するように、移動させられている。この状態においてリニア駆動装置が作動させられると、押し面26.2は押しカラー14に接触させられ、運動が続けられると押しリング13はその前に位置する巻管6.2と一緒にパッケージスピンドル3.2から押し出される。これによって、巻成が終わっていないパッケージ及び満管のパッケージを、パッケージスピンドル3.2の位置固定のポジションから取り出すことができる。
図6には、本発明による装置の別の実施形態が側面図で示されている。この実施形態は押出し装置8以外は、既に述べた実施形態と同じであるので、以下においては押出し装置の構成における相違点についてだけ説明する。
図6に示された実施形態では、押しエレメント15は可動の押しプレート21によって形成されている。この押しプレート21はプレート保持体23によってピストンロッド19の自由端部に保持されている。プレート保持体23において押しプレート21は、内側ポジションと外側ポジションとの間においてアクチュエータ22によって移動させられることができる。押しプレート21の運動方向は、交換領域に保持されたパッケージスピンドル3.2の方向で示されている。プレート保持体23における押しプレート21の外側のポジションはこの場合第1の押出しポジションであり、この押出しポジションにおいて押しエレメント15は押しリング13.2もしくは13.1と共働する。この場合に押しプレート21の自由端部は、押しリング13の押しカラー14の係合領域に進入しており、その結果リニア駆動装置16の作動時に押しプレート21は押しカラー14を直に捕捉して、押しリング13.2をパッケージスピンドル3.2の周囲に沿って移動させる。
押しプレート21の内側のポジションは第2の押出しポジションであり、この第2の押出しポジションにおいて押しプレート21は満管パッケージ7.2の端面に直に押し付けられる。この状態においてリニア駆動装置16が作動させられると、満管パッケージ7.2は巻管6.2と共にパッケージスピンドル3.2から押し出される。
リニア駆動装置16はピストンシリンダユニット26によって形成されており、この場合ピストンロッド19は、ピストンシリンダユニット20の内部において案内されるピストン27と結合されている。ピストンシリンダユニット20には、ピストン27の運動ひいてはピストンロッド19の運動を制御するために、制御装置25が配属されている。押出し運動距離を制限するために、ピストンシリンダユニット20には、制御装置25と接続されている接近センサ(Naeherungssensor)24が配属もしくは対応配置されている。これによって押しプレート21の押出しポジションとは無関係に、規定された押出し運動距離を維持することができる。
図1〜図5に示された前記実施形態もまた同様に、制限された押出し運動距離をもって実施されることができるので、押しエレメント15は休止ポジションと運転ポジションとの間において往復案内可能である。
図1〜図6に示された実施形態によっては、幾つかの構造上の可能性が例示されているに過ぎない。特に、選択的にパッケージを押しリングを用いて又は押しリングなしに押し出すことができる、押しエレメントの構成もまた可能である。この場合に重要なことは、押しリングを用いた押出しが単に、不完全なパッケージ及び完全には巻成されていないパッケージ、又は空の巻管が交換領域に保持されているような運転状態においてしか、行われないことである。
1 機械フレーム、 2 パッケージリボルバ、 3.1,3.2 パッケージスピンドル、 4 回転駆動装置、 5.1,5.2 スピンドル駆動装置、 6.1,6.2 巻管、 7.1 パッケージ、 7.2 満管パッケージ、 8 押出し装置、 9 圧着ローラ、 11 綾振り装置、 12 糸、 13.1,13.2 押しリング、 14 押しカラー、 15 押しエレメント、 16 リニア駆動装置、 17 成形プレート、 18 成形端部、 19 ピストンロッド、 20 ピストンシリンダユニット、 21 押しプレート、 22 アクチュエータ、 23 プレート保持体、 24 接近センサ、 25 制御装置、 26.1,26.2 押し面、 27 ピストン

Claims (8)

  1. 糸をパッケージ(7.2)に巻き取るための装置であって、少なくとも1つの突出したパッケージスピンドル(3.2)が設けられていて、該パッケージスピンドル(3.2)の周囲に、パッケージ(7.2)を受容するための少なくとも1つの巻管(6.2)が、差し嵌め可能及びクランプ可能であり、さらに、パッケージ(7.2)の巻成終了後に巻管(6.2)を押し出すための押出し装置(8)が設けられており、該押出し装置(8)が、パッケージスピンドル(3.1,3.2)に対して平行に可動の押しエレメント(15)を有していて、該押しエレメント(15)が、リニア駆動装置(16)によって往復案内可能である形式のものにおいて、
    パッケージスピンドル(3.2)の周囲に、軸方向可動の押しリング(13.2)が保持されていて、該押しリング(13.2)は、巻管(6.2)のためのストッパを形成しており、押しエレメント(15)は、パッケージ(7.2)が選択的に押しリング(13.2)を用いて又は押しリング(13.2)なしに押出し可能であるように形成されていることを特徴とする、糸をパッケージに巻き取るための装置。
  2. 押しエレメント(15)とパッケージスピンドル(3.2)とが、相対的にパッケージスピンドル(3.2)に対して半径方向可動に形成されていて、2つの押出しポジションの間において移動可能であり、一方の押出しポジションにおいて押しエレメント(15)が押しリング(13.2)に作用し、他方の押出しポジションにおいて押しエレメント(15)がパッケージ(7.2)に作用する、請求項1記載の装置。
  3. パッケージスピンドル(3.2)が回転可能なパッケージリボルバ(2)に保持されていて、該パッケージリボルバ(2)は回転駆動装置(4)と連結されていて、180°ずらされた第2のパッケージスピンドル(3.1)を有している、請求項1又は2記載の装置。
  4. 押しエレメント(15)が、リニア駆動装置(16)の回転可能なピストンロッド(19)の自由端部に配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の装置。
  5. 押しリング(15.2)が、環状の押しカラー(14)を有していて、該押しカラー(14)は、押しエレメント(15)が係合するための接触面を形成している、請求項1から4までのいずれか1項記載の装置。
  6. 押しエレメント(15)が、パッケージスピンドル(3.2)に向かい合って位置している自由端部である成形端部(18)を備えた成形プレート(17)を有しており、該成形端部(18)に2つの押し面(26.1,26.2)が並んで形成されていて、一方の押し面(26.2)は押しリング(13.2)における押しカラー(14)と共働し、他方の押し面(26.1)はパッケージ(7.2)の端面と共働する、請求項5記載の装置。
  7. 押しエレメント(15)が可動の押しプレート(21)を有していて、該押しプレート(21)が、パッケージスピンドル(3.2)に向かって2つの押出しポジションの間において移動可能であり、一方の押出しポジションにおいて押しプレート(21)は押しリング(13.2)と共働し、他方の押出しポジションにおいて押しプレート(21)はパッケージ(7.2)と共働する、請求項1記載の装置。
  8. 押出し運動距離を制限するために押しエレメント(15)に接近センサ(24)が配属されていて、該接近センサ(24)はリニア駆動装置(16)の制御装置(25)と連結されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の装置。
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