JP5134453B2 - 踏切障害物検知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、道路と複数の線路が交差する踏切内に滞留して、障害物となることのある人、車椅子、自転車及び自動車等を検知する踏切障害物検知装置に関する。
従来、踏切障害物検知装置として、天候の影響を受け難い、例えばミリ波等の電波を利用したものが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。これらの特許文献1、2に開示された踏切障害物検知装置は、障害物検知領域の対向する隅部等に、反射型の送受信器を設け、送受信器から例えばミリ波等の電波を障害物検知領域に送信し、その反射波を受信して、障害物有りと判定する。
障害物の有無を判定するに当たっては、送信波の送信時に対する反射波の遅れ時間に基づき、送受信器から物体までの距離を判定する。距離判定に当たっては、送受信器から、測定しようとする距離に対応させた複数の周波数をスイープさせた送信波を送信し、この送信波と、反射波とのビート信号を生成し、得られたビート信号に、FFT(高速フーリエ変換)処理を施す。FFT処理によれば、物体の距離に対応した周波数においてピークを示す受信レベルが得られるので、受信レベルにしきい値を設定することにより、送受信器から物体までの距離を判定することができる。
障害物は、踏切の全平面において検知しなければならない。そこで、一般には、複数の送受信器を用い、送受信器のそれぞれに、分割された障害物検知領域を分担させ、送受信器群全体として、踏切の全面をカバーする。
ところで、この種の踏切障害物検知装置の設置される踏切には、様々な既設物が存在しており、これらの既設物からの反射波に基づくデータから分離して、検知しようとする物体からの反射波に基づくデータを抽出しなければならない。
また、この種の踏切障害物検知装置においても、他の電子機器と同様に、ノイズが発生することがある。ノイズが発生しても、そのレベルが、受信レベルに設定されたしきい値以下であれば、障害物検知機能に障害となることはない。しかし、しきい値を超えるようなノイズが発生した場合には、誤検知を招く。
更に、送受信器は、ミリ波など、指向性の強い送信波を、ビームとして放射する。このため、送受信器が、検知処理を完了するに要する時間よりも短い時間で、物体がビームを横切ってしまい、物体を検知し損なう場合がある。ちなみに、現在提案されている踏切障害物検知装置では、個々の送受信器から放射される送信波のビーム内に、物体が2秒以上存在しない限り、検知できない。
上述したような現象が、複数備えられた送受信器のそれぞれにおいて発生した場合には、送受信器群全体としても、物体を検知できない結果になりかねない。
特許文献1、2には、上述した問題点についての言及がなく、当然のこととして、その解決手段についての開示もない。
特開2001−325690号公報 特開2005−231461号公報
本発明の課題は、既設物から分離して、障害物となる物体を確実に検知しえる踏み切り障害物検知装置を提供することである。
本発明のもう一つの課題は、受信レベルのしきい値を超えるようなノイズが発生した場合にも、誤検知を招くことのない踏切障害物検知装置を提供することである。
本発明の更にもう一つの課題は、個々の送受信器が、検知処理を完了するのに要する時間よりも短い時間で、物体が移動した場合でも、この物体を確実に検知できる踏切障害物検知装置を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明に係る踏切障害物検知装置は、送受信器と、演算処理部とを含む構成において、前記送受信器は、前記踏切内の予め設定した検知領域に電波を送信し、電波による送信波が前記検知領域内に存在する物体によって反射された反射波を受信する。前記演算処理部は、前記物体の存在しない状態における前記検知領域の背景データを、予め記憶し、前記送受信器から供給された前記反射波の前記受信信号に基づいて受信データを生成し、前記受信データを前記背景データと対比して、前記物体の検知信号を生成する。
上述したように、本発明では、演算処理部は、物体の存在しない状態における検知領域の背景データを、予め記憶している。この背景データには、既設物からの反射波を処理して得られたデータが含まれている。演算処理部は、送受信器から供給された反射波の受信信号に基づいて受信データを生成し、受信データを背景データと対比して、物体の検知信号を生成する。
ここで、この背景データには、既設物からの反射波を処理して得られたデータが含まれている。受信データにも、本来検知すべき物体からの反射波とともに、既設物からの反射波を処理して得られたデータが含まれている。したがって、受信データを背景データと対比することにより、既設物から分離して、障害物となる物体のみを確実に検知しえる。
本発明に係る踏切障害物検知装置において、送受信器は、好ましくは、測定しようとする距離に対応する複数の周波数をスイープさせた送信波を送信する。演算処理部は、送信波と反射波とのビート信号を生成し、ビート信号を高速フーリエ変換(FFT変換)によって処理して受信データを生成し、受信データにおいて、ピークを示す周波数情報から、送受信器と物体との間の距離を判定する。
上述したFFT変換を用いて、送受信器と物体との間の距離を判定することの利点は、送受信器と物体との間の距離を、送信波に用いられる周波数に応じて、高精度で測定できる点にある。この利点は、送信波として、高周波で、波長の短いミリ波を用いることにより、最も顕著に現れる。
踏切障害物検知装置においては、送受信器から、ミリ波など、指向性の強い送信波を、ビームとして放射するため、送受信器が、検知処理を完了するに要する時間よりも短い時間で、物体がビームを横切ってしまい、物体を検知し損なう場合がある。この点については、既に述べたとおりである。
この問題を解決する手段として、本発明では、前記演算処理部は、前記送受信器から供給された前記受信信号に基づく受信データを、時系列的に記憶し、物体が同一距離にあると判定される結果が時系列的に現れたとき、物体が存在すると判定する。
この構成によれば、送受信器の検知処理を完了するに要する時間よりも短い時間で、物体が送信波のビームを横切ってしまい、物体を検知し得ない場合であっても、送受信器から供給された受信信号に基づく受信データを、時系列的に記憶し、物体が同一距離にあると判定される結果が時系列的に現れたとき、物体が存在すると判定することにより、物体を確実に検知できる。
しかも、受信データに、しきい値を超えるスパイクノイズが現れた場合にも、スパイクノイズは、単発的であって、時系列性をもたないから、それに起因する誤検知を回避することができる。
以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(a)既設物から分離して、障害物となる物体を確実に検知しえる踏み切り障害物検知装置を提供することができる。
(b)送受信器が、検知処理を完了するのに要する時間よりも短い時間で、物体が移動した場合でも、この物体を確実に検知し得る踏切障害物検知装置を提供することができる。
(c)受信レベルのしきい値を超えるようなノイズが発生した場合にも、誤検知を招くことのない踏切障害物検知装置を提供することができる。
図1は、本発明による踏切障害物検知装置の実施形態を示す構成概要図である。図示の踏切障害物検知装置は、踏切11に入った物体10の有無を検知するもので、送受信器21、22と、反射板31〜34、41〜44と、演算処理部5とを備える。物体10には、人、車椅子、自転車又は自動車等が含まれる。
踏切11は、線路61(上り方向)、62(下り方向)とが同一平面上で交差しており、遮断棹72、74を有する遮断機71、73が設けられている。
送受信器21、22は、それぞれ担当の検知領域K1、K2に対して、送信波T1〜T4を送信し、踏切11内の物体10からの反射波R1〜R4を受信する。送信波T1〜T4は、好ましくは、ミリ波帯の電波を用いる。ミリ波は、周知のように、周波数が30〜300GHz(波長10〜1mm)の電波であり、極めて狭い指向性を持つ。したがって、送信波T1〜T4は、ビームとして送信される。
送受信器21、22は、遮断機71、73の遮断棹72、74の内側、且つ、建築限界線の外側で、踏切11を挟んで斜めの対角方向に2つ一組で配置され、それぞれの検知領域K1、K2に送信波T1〜T4を送信するようになっている。
送受信器21の担当する検知領域K1は、遮断機71の内側から隣の線路62の建築限界線までの領域であって、線路61と踏切11を含んだ略四辺形の領域に設定してある。送受信器21は、遮断機71のある側の隅部近傍に配置してある。
送受信器22の担当する検知領域K2は、検知領域K1と一部重複し、遮断機73の内側から隣の線路61の建築限界線までの領域であって、線路62と踏切11を含んだ略四辺形の領域に設定してある。送受信器22は、遮断機73のある側の隅部近傍に配置する。
反射板31〜34は、踏切11を挟んで送受信器21と対向するように設けられる。この反射板31〜34は、送受信器21から放射された送信波T1〜T4を反射し、その反射波R1〜R4を送受信器21に向けて反射するものである。反射板41〜44は、踏切11を挟んで送受信器22と対向するように設けられる。この反射板41〜44は、送受信器22から送信された送信波T1〜T4を反射し、その反射波R1〜R4を、送受信器22に向けて反射する。
演算処理部5は、送受信器21、22に接続され、送受信器21、22の動作を制御すると共に、送受信器21、22において受信した反射波R1〜R4に基づいて生成される信号処理情報を用いて、検知領域K1、K2内の物体10の有無を判定する。また、送受信器21、22から伝送される反射波R1〜R4の受信情報に基づいて、送受信器21、22の診断を行う自己診断機能を備えるもので、送受信器21、22の近傍又は所定の電気機器室等に設けられる。演算処理部5は、論理処理部の機能を備えるものであり、検知領域K1、K2の境界距離データ及び予め登録されたID情報が記憶されている。
演算処理部5から出力される障害物の有無判定結果及び自己診断結果は、例えば鉄道交通システムの運行制御を行う図示しない地上制御装置へ送出され、踏切の遮断機の開閉や列車の運行停止等の制御に用いられる。
演算処理部5は、CPU又はマイクロプロセッサ (MPU) によって構成することができる。演算処理において参照されるデータは、演算処理部5の構成要素として備えられたメモリ又は外部メモリから読み出される。
図2は、送受信器21、22の具体的な構成例を示すブロック図である。送受信器21、22は、同一構成であるので、ここでは送受信器21について説明する。
図2に図示された送受信器21は、例えばFM−CW方式の測距機能を備えるもので、送受信部200と、信号処理部210とを備える。送受信部200は、送信部205、アンテナ切換部206、アンテナ201〜204及び受信部207を含んでいる。送信部205は、信号処理部210からの変調制御信号に基づいて、正弦波、鋸波又は三角波の信号を生成する。アンテナ切換部206は、信号処理部210から供給される切換制御信号S4により、送信部205から供給された送信信号S1を、アンテナ201〜204に選択的に供給すべく切換える動作を行う。
アンテナ201〜204は、アンテナ切換部206による時分割駆動などの切換制御を受けながら、送信部205から供給される送信信号S1を、例えばミリ波帯の送信波T1〜T4として、外部に送信すると共に、障害物などの物体10からの反射波R1〜R4を受信する。アンテナ201〜204は、測定しようとする距離に対応する複数の周波数f1〜f8をスイープさせた送信波T1〜T4を送信する。
例えば、アンテナ201から送信される送信波T1を例にとると、送信波T1は、例えば、距離1mに対応する周波数f1、距離2mに対応する周波数f2、距離3mに対応する周波数f3、...距離8mに対応する周波数f8のように、スイープさせる。他のアンテナ202〜204も同様である。アンテナ数は、4つに限定されるものではない。アンテナ数が多いほど、検知領域K1、K2内を緻密に監視でき、しかも、電波の無駄な放射領域を少なくできる。選択されるべき周波数も、上記に限定されない。
受信部207は、送信部205から供給された送信信号S1と、アンテナ201〜204で受信した反射波R1〜R4から得られた受信信号S2との差分をとり、ビート信号を生成する。
信号処理部210は、送受信器21を構成するアンテナ201〜204と物体10との間の距離を算出すると共に、送受信部200を制御するものであって、A/D変換部211、処理部212及びD/A変換部213を含む。A/D変換部211は、送受信部200の受信部207から供給されたビート信号S3をA/D変換する。
処理部212は、A/D変換部211から供給された信号を処理して、送受信器21と物体10との間の距離、より具体的にはアンテナ201〜204と物体10との間の距離を算出する。また、処理部212は、送受信部200のアンテナ切換部206に切換制御信号S4を供給して、アンテナ201〜204を所定の時間間隔で切換るように制御する。したがって、アンテナ201〜204は、時分割に駆動される。
D/A変換部213は、処理部212から供給された電圧信号をD/A変換し、その出力信号を送受信部200の送信部205に送出し、それによって送信部205で生成される送信信号の変調制御をする。
次に、送受信器21、22による障害物の距離測定動作を、図3及び図4を参照して説明する。尚、距離測定動作は、送受信器21、22の両者において、同様に行われるので、ここでは、代表的に、送受信器21の動作について説明する。
送信部205から、アンテナ切換部206を経由して、アンテナ201〜20に送信信号S1が供給される。アンテナ201〜204は、アンテナ切換部206により時分割に駆動され、アンテナ201〜204から、図3(A)に図示するように、送信波T1〜T4が順次に送信される。そして、アンテナ201〜204から送信された送信波T1〜T4が物体によって反射され、図3(B)に示すように、アンテナ201〜204によって反射波R1〜R4が受信される。反射波R1〜R4は、アンテナ切換部206により、受信信号S2に変換され、受信部207に供給される。
受信部207では、送信信号S1と、受信信号S2がミキシングされ、その周波数の差分が演算される。ここで、送受信器21と物体10間の距離がD1である場合、図3(A)、(B)に示すように、受信信号S2は、送信信号S1に対して時間τ1=2D1/c(cは光速)だけ遅れる。このとき、受信部207で生成されるビート信号の周波数をfb1とする。
一方、送受信器21と物体10間の距離D2が距離D1よりも遠い場合には、送信信号S1に対する受信信号S2の遅延時間はτ2=2D2/cとなり、図3(A)、(C)に示すように、距離D1の場合よりも遅れる。従って、この場合には、上距離D1の場合に生成されるビート信号の周波数fb1よりも高い周波数fb2のビート信号が得られる。
次に、処理部212においては、送受信部200の受信部207から伝送されるビート信号をディジタル処理、例えばFFT(高速周波数変換)処理することにより、送受信器21と物体10との間の距離に応じて、図4に示すような周波数解析結果が得られる。例えば物体10までの距離がD1の場合には、周波数fb1にメインローブを有する検知信号P1が得られ、距離D2の場合には、周波数fb2にメインローブを有する検知信号P2が得られる。処理部212は、予め距離とメインローブの周波数との相関データを記憶しており、受信レベルに設定されたしきい値Vth1を用いて、処理部212においてFFT処理して得られたメインローブの周波数fb1、fb2から送受信器21と物体10との間の距離を算出することができる。
上述したFFT変換を用いて、送受信器21と物体10との間の距離D1、D2を判定することの利点は、送受信器21と物体10との間の距離を、送信波T1〜T4に用いられる周波数f1〜f8に応じて、高精度で測定できる点にある。この利点は、送信波T1〜T4として、高周波で、波長の短いミリ波を用いることにより、最も顕著に現れる。説明は省略するが、送受信器22においても、同様の検知動作のもと、同様の作用効果が得られる。
上述した構成及び作用効果は、実質的に、特許文献1に開示された内容である。もっとも、特許文献1には、踏切に存在する既設物から分離して、障害物となる物体を確実に検知するための手段については、開示がない。そこで、本発明では、まず、既設物から分離して、障害物となる物体を確実に検知するための手段を開示する。
その手段として、本発明に係る踏切障害物検知装置では、演算処理部5の処理プロセス(ソフトウエア)に工夫を加えた。この点について、図1及び図5を参照して説明する。
演算処理部5は、図5(A)に示すように、物体10の存在しない状態における検知領域K1、K2の背景データを、例えば、演算処理部5に備えられたメモリ又は外部メモリに登録しておく。背景データには、踏切11に設置されている既設物の情報も含まれている。
また、この種の踏切障害物検知装置では、通常、送受信器21、22に対して、反射板31〜34、41〜44を対面配置してあり、反射板31〜34、41〜44からの反射波を受信したときは、その反射波R1〜R4に基づいて送受信器21、22が正常か否か自己診断を行う構成がとられるので、背景データには、反射板31〜34、41〜44の検知信号Prも含まれる。
演算処理部5は、受信信号に基づいて、図5(B)に示すような受信データを生成する。図5(B)の受信データは、送信波T1〜T4を生成する送信信号S1と、反射波R1〜R4より得られた受信信号S2のビート信号を、FFT変換して得られたものである。図5(B)の受信データには、踏切11に設置されている既設物の情報が含まれる他、距離L01に受信レベルのピークを持つ検知信号P1と、反射板31〜34、41〜44の位置L02にピーク値を持つ検知信号Prとが含まれている。検知信号P1及び検知信号Prは、何れも、そのピーク値がしきい値Vth1を超えている。このうち、検知信号Prは、反射板31〜34、41〜44の位置を表わすものであり、検知信号P1は物体10の検知情報である。
検知信号P1が物体10の検知情報であることを確定するため、本発明では、図5(B)に図示された受信データを、図5(A)に図示した背景データと対比して、物体10の検知信号を生成する。この場合の対比は、概念的には、図5(B)の受信データから、図5(A)の背景データを差し引いた処理と観念される。
上述した対比処理によれば、図5(A)に図示した背景データ、及び、図5(B)の受信データの何れにも含まれている既設物の情報、及び、反射板31〜34、41〜44の検知信号Prは、上述した差し引き処理により、キャンセルされる。これにより、図5(C)に図示するように、距離L01の位置に、物体10の検知信号P1が現れることになるから、障害物となる物体10を、踏切11に存在する既設物から分離して、確実に検知することができる。
次に、スパイクノイズが受信データに現れた場合に、それに起因する誤検知を回避するにはどうするかが問題となる。また、切障害物検知装置においては、送受信器21、22のそれぞれから、ミリ波など、指向性の強い送信波T1〜T4を、ビームとして放射するため、送受信器21、22が、検知処理を完了するに要する時間よりも短い時間で、物体10がビームを横切ってしまい、物体10を検知し損なう場合もある。
これらの問題を解決する手段として、本発明では、演算処理部5は、送受信器21、22のそれぞれから供給された受信信号S2に基づく受信データ、特にそのピーク値を、時系列的に記憶し、物体10が同一距離にあると判定される結果が時系列的に現れたとき、物体10が存在すると判定する。この点について、図6を参照して更に詳しく説明する。
例えば、アンテナ201〜204のうち、アンテナ201による送受信動作を検討すると、アンテナ201は時分割に駆動される。その1回目の時分割駆動によって送信される1つの送信波T1に対応して、図6(A)に示すように、受信データに、距離L1、L2、L3の位置でピーク値Vp1〜Vp3を示す検知信号P1、P2、P3が現れたものとする。この1回目の走査では、検知信号P1、P2、P3が物体検知信号なのか、それとも、単なるスパイクノイズなのか、判定することができない。そこで、この段階では、演算処理部5のメモリに、検知信号P1、P2、P3のピーク値Vp1〜Vp3を記憶しておく。アンテナ201からは、送信波T1のビームほか、放射角度を代えて、送信波T2〜T4のビームも放射される(図1参照)が、ここでは、送信波T1のビームだけを問題にする。
次に、アンテナ201の2回目の時分割駆動による送信波T1に対応して、図6(B)に示すように、受信データには、距離L2、L3の位置でピーク値Vp2、Vp3を示す検知信号P2、P3が現れたが、距離L1の位置では、検知信号P1が消滅していたものとする。検知信号P1が消滅する原因には、検知信号P1が、単なるスパイクノイズであった場合が含まれる。スパイクノイズは、単発的であって、時系列性をもたないから、1回目の走査時に現れても、2回目の走査時には現れないことが多い。
演算処理部5は、時系列的に記憶された1回目の検知信号P1、P2、P3のピーク値Vp1〜Vp3、及び、2回目の検知信号P2、P3のピーク値Vp2、Vp3を対比する。そして、図6(A)、(B)の場合、1回目の走査で生じていた検知信号P1のピーク値Vp1が2回目の走査で消滅しているので、演算処理部5は、1回目の走査で生じていた検知信号P1を、スパイクノイズであると判定し、図6(C)に示す判定結果を生じる。これにより、スパイクノイズによる誤検知を回避することができる。
一方、図6(A)、(B)に示すように、検知信P2、P3のピーク値Vp2、Vp3が得られているとしても、送受信器21が検知処理を完了するに要する時間よりも短い時間で、物体10が、送信波T1のビームを横切ってしまった場合には、物体10を検知し損なう場合がある。
そこで、図6(A)に示すように、1回目の走査で物体10が距離L02、L03にあると判定される検知信号P2、P3のピーク値Vp2、Vp3を記憶しておき、図6(B)に示すように、2回目の走査において、物体10が距離L02、L03にあると判定される検知信号P2、P3のピーク値Vp2、Vp3が時系列的に再び現れたとき、図6(C)に示すように、距離L02、L03の位置に物体10が存在するという判定結果を下す。
この処理によれば、個々の送受信器21、22をみれば、その検知処理を完了するに要する時間よりも短い時間で、物体10が送信波T1〜T4のビームを横切ってしまい、物体10を検知し得ない場合であっても、送受信器21、22のそれぞれから供給された受信信号S2に基づく受信データを、時系列的に記憶し、物体10が同一距離にあると判定される結果が時系列的に現れたとき、物体10が存在すると判定することにより、物体10を確実に検知できる。
送受信器21は、送信波T1のビームのほか、送信波T2〜T4のビームをも送信する。物体10が、送受信器21の検知処理時間よりも短い時間で移動する場合も、上述したような検知不能の問題を生じることがある。その対策手段としても、上述した処理を適用することができる。即ち、送信波T1〜T4のそれぞれにおいて、検知信号から抽出されたピーク値を、ビーム間で受け渡し、送信波T1〜T4のそれぞれのビームに対応する検知信号のピーク値を合成してから物体検知を行う。これにより、送信波T1〜T4のビームを跨いで移動する物体も、連続的に検知することができる。
上記実施形態では、複数のアンテナを備える踏切障害物検知装置の例で説明したが、1つのアンテナを走査して検知領域K1、K2内に電波を送信走査する走査方式の踏切障害物検知装置でもよい。
この場合は、アンテナの走査角度と送受信器21、22からそれぞれの検知領域K1、K2の境界までの距離とを対応付けて記憶しておく。これにより、アンテナの走査角度、その時の検知領域K1、K2の境界距離データ及び物体10までの算出距離データから、物体10が検知領域K1、K2の内部にあるか否か判定することが可能となり、上述の実施形態と同様の処理動作が可能になる。
本発明に係る踏切障害物検知装置の一実施形態を概要的に示す図である。 本発明に係る踏切障害物検知装置に用いられる送受信器の構成を概略的に示すブロック図である。 本発明に係る踏切障害物検知装置に用いられる送受信器から送信される送信波及びその反射波である反射波の波形図である。 本発明に係る踏切障害物検知装置に用いられる演算処理部におけるFFT処理による周波数解析結果を示す図である。 本発明に係る踏切障害物検知装置の背景処理を説明する図である。 本発明に係る踏切障害物検知装置のスパイクノイズ処理、及び、物体移動に関する処理を説明する図である
符号の説明
10 物体
21、22 送受信器
31〜34、41〜44 反射板
201〜204 アンテナ
205 送信部
206 アンテナ切換部
207 受信部
5 演算処理部
K1、K2 検知領域
T1〜T4 送信波
R1〜R4 反射波

Claims (4)

  1. 送受信器と、演算処理部とを含む踏切障害物検知装置であって、
    前記送受信器は、前記踏切内の予め設定した検知領域に電波を送信し、前記電波による送信波が前記検知領域内に存在する物体によって反射された反射波を受信するものであり、
    前記演算処理部は、前記送受信器から供給された受信信号に基づく受信データを、時系列的に記憶し、物体が同一距離にあると判定される結果が時系列的に現れたとき物体が存在すると判定し、前記結果が時系列的に現れなかったとき前記受信信号をノイズであると判定する、
    踏切障害物検知装置。
  2. 送受信器と、演算処理部とを含む踏切障害物検知装置であって、
    前記送受信器は、複数のアンテナを有しており、
    前記複数のアンテナのそれぞれは、前記踏切内の予め設定した検知領域の担当領域に前記電波を送信し、前記電波による送信波が前記検知領域内に存在する物体によって反射された反射波を受信するものであり、
    前記演算処理部は、前記アンテナのそれぞれから供給された受信信号に基づく複数の受信データを、時系列的に記憶し、物体が同一距離にあると判定される結果が時系列的に現れたとき、物体が存在すると判定する、
    踏切障害物検知装置。
  3. 請求項1又は2に記載された踏切障害物検知装置であって、
    前記演算処理部は、前記物体の存在しない状態における前記検知領域の背景データを、予め記憶し、前記送受信器から供給された前記反射波の前記受信信号に基づいて受信データを生成し、前記受信データを前記背景データと対比して、前記物体の検知信号を生成する、
    踏切障害物検知装置。
  4. 請求項3に記載された踏切障害物検知装置であって、
    前記送受信器は、測定しようとする距離に対応する複数の周波数をスイープさせた前記送信波を送信し、
    前記演算処理部は、前記送信波と前記反射波とのビート信号を生成し、前記ビート信号を高速フーリエ変換によって処理して前記受信データを生成し、前記受信データにおいて、ピークを示す周波数情報から、前記送受信器と前記物体との間の距離を判定する、
    踏切障害物検知装置。
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