JP5134170B2 - 柱状部材を有する海洋構造物の抗力低減装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スパーブイやスパーブイ型ボーリング櫓、海洋上の作業に用いられるプラットホームなど、水中に設置されている柱状部材を有する海洋構造物が潮流や波浪などにより傾くのを低減させたり、流体による抗力を低減させるための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、「急潮流用スパーブイ」と呼ばれている引き込み係留式棒状ブイは、断面円形の円柱状部材と円筒形もしくは球状の浮力体との組み合わせで本体が構成されている。
このブイあるいはこのブイを用いているボーリング櫓が潮流や波浪などにより傾くのを低減させるために、従来は、浮力体の直径および高さを単に大きくし(すなわち、サイズアップし)、浮力を大きくする方式を採っていた。
また、海洋上の作業に用いられるプラットホームは水中で傾くことはないが、潮流や波浪が大きくなればなるほど流体による抗力が増大する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、海洋構造物の柱状部材に特殊形状のカバーを取り付け、その長軸が自動的に水中における水の流れに平行になるようにすることにより、海洋構造物が水中で受ける流体による抗力を低減させ得るようにしたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、図1(a)の原理図に示すように、楕円形、長円形もしくはそれらに類似する形状のカバー1を、海洋構造物の柱状部材2に対して水中における水の流れに前後方向にスライド可能に設けることによって、達成することができる。
水中に設置されている海洋構造物が図1(a)の矢印(1)方向から潮流や波浪を受ける場合には、楕円形、長円形もしくはそれらに類似する形状のカバー1の長軸は水中における水の流れに並行であり、そのカバー1は柱状部材2に対し図1(a)の右側にスライドして図1(a)の状態となり、水中における水の流れ中の抗力を大幅に低減させることができる。逆に、水中における水の流れが180°転流しても、すなわち、図1(a)の矢印(1)方向と正反対の方向から潮流や波浪を受ける場合には、カバー1が図1(a)の状態から左側にスライドし、先程の場合と同じように水中における水の流れ中の抗力を大幅に低減させることができる。
【0005】
また、上記目的は、図1(b)の原理図に示すように、楕円形、長円形もしくはそれらに類似する形状のカバー1を、海洋構造物の柱状部材2に対して水中における水の流れに前後方向にスライドならびに回転可能に設けることによっても、達成することができる。
この場合には、カバー1が柱状部材2に対して水中における水の流れに前後方向にスライドするのに加えて、カバー1を水中における水の流れに追従させることができる。すなわち、図1(b)の矢印(1)方向から潮流や波浪を受ける場合には、カバー1は上述した場合と同様にスライドする。一方、図1(b)の矢印(1)から矢印(2) に示すように水中における水の流れが変わると、カバー1は柱状部材2に対して矢印で示すように回転して鎖線で示す状態となり、この場合にも、水中における水の流れ中の抗力を大幅に低減させることができる。
【0006】
このように、楕円形、長円形もしくはそれらに類似する形状のカバー1を、海洋構造物の柱状部材2に対して水中における水の流れに前後方向にスライド可能に、あるいは、水中における水の流れに前後方向にスライドならびに回転可能に設けることによって、潮流や波浪などによる水中における水の流れ中の抗力を大幅に低減させることができる。
このカバー1には、潮流や波浪などによる水中における水の流れ中の抗力を低減させる以外にもう一つの機能がある。すなわち、海洋構造物の柱状部材2の後流渦で自励振動が生じることに起因する水中における水の流れに直角方向の振動を防ぐことができる。これにより、例えば、図10に示す急潮流用スパーブイ型ボーリング櫓のように細長い海洋構造物の姿勢を水中における水の流れ中で直立安定させることが可能となる。
【0007】
柱状部材2の軸方向に対してカバー1,1を上下に分割して取り付けることが望ましい。このようにすると、海洋構造物の設置場所における地形状況などにより、潮流や波浪などによる流向が水深方向において異なる場合でも、上下に分割して取り付けられている各カバー1,1をその水深での流向に自動的に対応させることができる。
【0008】
カバー1の先端部及び後端部に、紐状物ないし帯状物3を取り付けておくのが望ましい。このようにすると、海洋構造物の設置場所での潮流や波浪などによる水中における水の流れにより、カバー1の先端部及び後端部に取り付けられている紐状物ないし帯状物3が翻り、柱状部材2に対するカバー1の水中における水の流れに前後方向のスライド動作が容易かつスムーズになるだけでなく、カバー1を水中における水の流れに並行になりやすくすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態を、図面に基いて詳細に説明する。
本発明における柱状部材2とは、ここに例示されているように断面円形の円柱形であることが最適であり、また、断面円形に近ければ近いほど好ましいであろうが、例えば、断面四角形の柱状部材の場合でも本発明にいう『抗力の低減』は少なくとも達成し得るであろう。
また、本発明の抗力低減装置は、スパーブイやスパーブイ型ボーリング櫓(図2〜図10に例示されている)に適用できるほか、海洋上の作業に用いられるプラットホーム(図11に例示されている)など、水中に設置される様々な海洋構造物に広く適用することができる。
【0010】
図1(a)は、楕円形、長円形もしくはそれらに類似する形状のカバー1を、海洋構造物の円柱形の柱状部材2に対して水中における水の流れに前後方向にスライド可能に設けた場合(本発明の第一の実施の形態)の原理図である。
水中に設置されている海洋構造物が図1(a)の矢印方向から潮流や波浪を受ける場合には、楕円形、長円形もしくはそれらに類似する形状のカバー1の長軸は水中における水の流れに並行であり、そのカバー1は円柱形の柱状部材2に対し図1(a)の右側へスライドして図1(a)の状態となり、水中における水の流れ中の抗力を大幅に低減させることができる。逆に、水中における水の流れが180°転流しても、すなわち、図1(a)の矢印方向と正反対の方向から潮流や波浪を受ける場合には、カバー1が図1(a)の状態から左側にスライドし、先程の場合と同じように水中における水の流れ中の抗力を大幅に低減させることができる。
【0011】
図2〜図4に、海洋構造物の円柱形の柱状部材2に対しカバー1を水中における水の流れに前後方向にスライド可能ならしめるための具体例を示す。ここには、カバー1の長手方向両側に長手方向に沿う長孔1a,1aを形成し、両長孔1a,1aに対応するごとく円柱形の柱状部材2に取り付けた前後一対のローラ2a,2aを前記両長孔1a,1a内に位置させた場合を例示する。
図2(a)あるいは図2(b)の矢印方向から潮流や波浪を受けると、円柱形の柱状部材2に取り付けられている前後一対のローラ2a,2aが転動し、水中における水の流れに並行であるカバー1は図2(a)の右側あるいは図2(b) の左側へスライドし、それぞれの図に示す状態となる。
【0012】
前記カバー1は合成樹脂、例えば、FRP製とすることができる。図3、図4に示すように、カバー1のうち長孔1a付近を肉厚として長孔1aを補強しておくとよい。また、ローラ2aも合成樹脂製とすることができる。
なお、図2、図3における符号1bは、カバー1の前後において長手方向両側に跨がるごとく配置したストッパーで、カバー1がそれ以上スライドしないようにするためのものである。カバー1の補強の役もする。また、符号1cは前後一対のローラ2a,2aを円柱形の柱状部材2に取り付けるためのブラケットである。
【0013】
図1(b)は、楕円形、長円形もしくはそれらに類似する形状のカバー1を、海洋構造物の円柱形の柱状部材2に対して水中における水の流れに前後方向にスライドならびに回転可能に設けた場合(本発明の第二の実施の形態)の原理図である。
この場合には、カバー1が円柱形の柱状部材2に対して水中における水の流れに前後方向にスライドするのに加えて、カバー1を水中における水の流れに追従させることができる。すなわち、図1(b)の矢印(1)方向から潮流や波浪を受ける場合には、カバー1は上述した場合と同様にスライドする。一方、図1(b)の矢印(1)から矢印(2)に示すように水中における水の流れが変わると、カバー1は円柱形の柱状部材2に対して矢印で示すように回転して鎖線で示す状態となり、この場合にも、水中における水の流れ中の抗力を大幅に低減させることができる。
【0014】
図5、図6に、海洋構造物の円柱形の柱状部材2に対しカバー1を水中における水の流れに前後方向にスライドならびに回転可能ならしめるための2つの具体例を示す。なお、図7は図6に示すものをさらに詳細に示したものである。
図5には、楕円形、長円形もしくはそれらに類似する形状のカバー1の前後二カ所を平面真円形に膨出させ、両膨出部1d,1d以外の部分をそれより間隔の狭い前後に並行のスライド壁1e,1eとする一方、前記スライド壁1e,1e間の距離よりわずかに小さい平坦面を両側に有し、それら以外の部分は前記膨出部1dの内径よりわずかに小さい円弧面を有するすべり部材2bを円柱形の柱状部材2の外周面に装着した場合を例示する。
【0015】
この場合には、カバー1が円柱形の柱状部材2に対して水中における水の流れに前後方向にスライドするのに加えて、カバー1を水中における水の流れに追従させることができる。すなわち、図5(a)あるいは図5(b)の矢印(1)方向から潮流や波浪を受ける場合には、カバー1の膨出部1d,1d間のスライド壁1e,1eが円柱形の柱状部材2の外周面に装着されているすべり部材2bの両側の平坦面に誘導され、水中における水の流れに並行であるカバー1は図5(a)の右側あるいは図5(b)の左側へスライドし、それぞれの図に示す状態となる。
一方、図5(a)あるいは図5(b)の矢印(1)から矢印(2)に示すように水中における水の流れが変わると、カバー1の膨出部1dが円柱形の柱状部材2の外周面に装着されているすべり部材2bの円弧面に誘導され、カバー1は図5(a)あるいは図5(b)の矢印で示すように円柱形の柱状部材2を中心に回転し、この場合にも、水中における水の流れ中の抗力を大幅に低減させることができる。
なお、この場合のカバー1も合成樹脂、例えば、FRP製とすることができ、また、すべり部材2bも合成樹脂製とすることができる。
【0016】
図6、図7には、図5に示す場合と異なる別の具体例を示す。すなわち、海洋構造物の円柱形の柱状部材2に対しカバー1を水中における水の流れに前後方向にスライドならびに回転可能ならしめるために、両図に詳示するように、カバー1の長手方向両側に長手方向に沿う長孔1f,1fを形成し、また、カバー1内であって円柱形の柱状部材2の外方に配置した水平状の取付板1gに左右一対のローラ2e,2eを取り付け、両ローラ2e,2eを前記両長孔1f,1f内に位置させるとともに、前記取付板1gには円柱形の柱状部材2を取り囲むごとく配置されていてその外周面に沿って回転する複数個のガイドローラ1h,1hを取り付けた場合を例示する。
【0017】
図6(a)あるいは図6(b)の矢印方向から潮流や波浪を受けると、円柱形の柱状部材2の外方に配置されている水平状の取付板1g上の左右一対のローラ2e,2eが転動し、水中における水の流れに並行であるカバー1は図6(a)の右側あるいは図6(b)の左側へスライドし、それぞれの図に示す状態となる。
一方、図6(a)あるいは図6(b)の矢印(1)から矢印(2)に示すように水中における水の流れが変わると、前記取付板1g上において円柱形の柱状部材2を取り囲むごとく配置されている複数個のガイドローラ1h,1hがこの柱状部材2の外周面に沿って転動するから、取付板1gとともにカバー1は図6(a)あるいは図6(b)の矢印で示すように円柱形の柱状部材2を中心に回転し、この場合にも、水中における水の流れ中の抗力を大幅に低減させることができる。
【0018】
この場合のカバー1も合成樹脂、例えば、FRP製とすることができ、また、ローラ2e、ローラ1hも合成樹脂製とすることができる。
図7(a)および図7(c)に示すように、カバー1のうち長孔1f付近を肉厚として長孔1fを補強しておくとよい。
なお、図6(a),(b)および図7(b)における符号1iは、カバー1の前後において長手方向両側に跨がるごとく配置したストッパーで、カバー1がそれ以上スライドしないようにするためのものである。カバー1の補強の役もする。また、図7(b)における符号2fは、円柱形の柱状部材2に巻き付けるようにその外周面に取り付けられたストッパーで、前記ガイドローラ1h,1hのガイドの役をなすものである。
【0019】
図2〜図4、図5及び図6〜図7にそれぞれ示すカバー1には、抗力を低減させる以外にもう一つの機能がある。すなわち、海洋構造物の円柱形の柱状部材2の後流渦で自励振動が生じることによる水中における水の流れに直角方向の振動を防ぐことである。
これにより、例えば、図10に示すスパーブイ型ボーリング櫓などのように、きわめて細長い海洋構造物の姿勢を水中における水の流れ中で直立安定させることが可能となる。
【0020】
円柱形の柱状部材2に対して少なくとも水中における水の流れに前後方向にスライド可能なカバー1(図2〜図4、図5及び図6〜図7にそれぞれ示す)の前後方向の長さは、カバー全長の約1/3の位置が円柱形の柱状部材2の中心に一致するようにするのがよい。すなわち、図8におけるL:L’が約1:2となるようにカバー1の前後方向の長さを設定するのがよい。
この位置が楕円形、長円形もしくはそれらに類似する形状のカバー1の揚力中心(水中における水の流れに直角方向の力点、横方向の力)であり、この点に円柱形の柱状部材2の中心がくるようにカバー1の前後方向の長さを設定しておくと、水中における水の流れに直角方向の力点すなわち横方向の力を円柱形の柱状部材2の中心で受けることになる。したがって、円柱形の柱状部材2を有する海洋構造物が潮流や波浪を受ける水中で安定した状態にあり、また、潮流や波浪を受けるカバー1が壊れにくい。
【0021】
カバー1は円柱形の柱状部材2の軸方向に長く伸びるような大きなものであってもよい。例えば、本発明を急潮流用スパーブイ型ボーリング櫓に適用した場合においては、円柱形の柱状部材2が図11に示す程度まで覆われるように一つのカバー1の大きさを設定してもよいが、図2、図5、図6及び図7(b)に示すように、円柱形の柱状部材2の軸方向に対してカバー1,1を上下に分割して取り付けることが望ましい。
このようにすると、海洋構造物の設置場所における地形状況などにより、潮流や波浪などによる流向が水深方向において異なる場合でも、上下に分割して取り付けられている各カバー1,1をその水深での流向に自動的に対応させることができる。すなわち、海洋構造物の設置場所における地形状況などにより、潮流や波浪などによる流向が水深方向、例えば、水面付近とそれより深い所とにおいて異なる場合があるが、円柱形の柱状部材2の軸方向に対してカバー1,1を上下に分割して取り付けておくと、このような場合にも対応できる。
【0022】
図9には、カバー1の先端部及び後端部に紐状物ないし帯状物3を取り付けた場合が例示されている。このように、カバー1の先端部及び後端部に紐状物ないし帯状物3が取り付けられていると、海洋構造物の設置場所での潮流や波浪などによる水中における水の流れにより、この紐状物ないし帯状物3が図9に示すように翻り、円柱形の柱状部材2に対するカバー1の水中における水の流れに前後方向のスライド動作が容易かつスムーズになるだけでなく、カバー1を水中における水の流れに並行になりやすくすることができる。
円柱形の柱状部材2の軸方向に対してカバー1,1を上下に分割して取り付けた場合には、図9(b)に示すように、各カバー1,1の先端部及び後端部にそれぞれ紐状物ないし帯状物3を取り付けるものとする。
【0023】
本発明は、円柱形の柱状部材2を有する海洋構造物のほとんどのものに適用することができる。例えば、急潮流用スパーブイや図10に示す急潮流用スパーブイ型ボーリング櫓Sに適用できるほか、図11に示す海上プラットホームPの縦材p1、水平材p2や斜め方向に配置されている部材にも適用することができる。
そして、いずれの場合でも、水中に設置されている円柱状部材2を有する海洋構造物の水中における水の流れ中の抗力を大幅に低減させることができる。
【0024】
図11では、海上プラットホームPの縦材p1のうちの1本のみに、また、水平材p2のうちの1本のみに、いずれも本発明の抗力低減装置を取り付けた状態を示しているが、それら全てに取り付けてもよいし、適切な部分のみに取り付けてもよい。なお、海上プラットホームPの場合には、プラットホーム上にはクレーンその他の作業機械が搭載されている。
また、前記スパーブイ型ボーリング櫓では、図2、図3、図5及び図7(a)に示すように、センターパイプである円柱形の柱状部材2が二重パイプになっており、内側のパイプ内には図10において符号4で示すボーリング機材が挿通せしめられている。このスパーブイ型ボーリング櫓は、通常、係留具5により海底G上の沈錘6に係留され、浮力体7(球形が好ましい)は水中に引き込まれている。
【0025】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、楕円形、長円形もしくはそれらに類似する形状のカバーが、海洋構造物の柱状部材に対して水中における水の流れに前後方向にスライド可能に、また、請求項2記載の発明によれば、楕円形、長円形もしくはそれらに類似する形状のカバーが、海洋構造物の柱状部材に対して水中における水の流れに前後方向にスライドならびに回転可能に設けられているから、海洋構造物が水中で受ける流体による抗力を大幅に低減させることができ、また、海洋構造物が水中に設置されている場合にはその姿勢を水中における水の流れ中で直立安定させることを可能ならしめ得る効果がある。
【0026】
請求項3記載の発明によれば、海洋構造物の設置場所における地形状況などにより、潮流や波浪などによる流向が水深方向において異なる場合でも、上下に分割して取り付けられている各カバーをその水深での流向に自動的に対応させることができる効果がある。
【0027】
請求項4記載の発明によれば、柱状部材に対するカバーの水中における水の流れに前後方向のスライド動作が容易かつスムーズになるだけでなく、カバーを水中における水の流れに並行になりやすくすることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による柱状部材を有する海洋構造物の抗力低減装置の原理図で、
(a)は楕円形、長円形もしくはそれらに類似する形状のカバーを、海洋構造物の円柱形の柱状部材に対して水中における水の流れに前後方向にスライド可能に設けた場合(本発明の第一の実施の形態)を、
(b)は楕円形、長円形もしくはそれらに類似する形状のカバーを、海洋構造物の円柱形の柱状部材に対して水中における水の流れに前後方向にスライドならびに回転可能に設けた場合(本発明の第二の実施の形態)を示す。
【図2】海洋構造物の円柱形の柱状部材に対しカバーを水中における水の流れに前後方向にスライド可能ならしめるための具体例を示すもので、
(a)は矢印方向から潮流や波浪を受け、カバーが右側にスライドした場合の平面図ならびに正面図、
(b)は矢印方向から潮流や波浪を受け、カバーが左側にスライドした場合の平面図ならびに正面図である。
【図3】図2(a)の平面図をさらに詳細に示す拡大平面図で、一部を切断して示す。
【図4】円柱形の柱状部材に取り付けたローラがカバーの長孔内に位置する状態を示す縦断面図である。
【図5】海洋構造物の円柱形の柱状部材に対しカバーを水中における水の流れに前後方向にスライドならびに回転可能ならしめるための具体例を示すもので、
(a)は矢印方向から潮流や波浪を受け、カバーが右側にスライドした場合とその状態から回転し得る様子を示す平面図ならびに正面図、
(b)は矢印方向から潮流や波浪を受け、カバーが左側にスライドした場合とその状態から回転し得る様子を示す平面図ならびに正面図である。
【図6】海洋構造物の円柱形の柱状部材に対しカバーを水中における水の流れに前後方向にスライドならびに回転可能ならしめるための別の具体例を示すもので、
(a)は矢印方向から潮流や波浪を受け、カバーが右側にスライドした場合とその状態から回転し得る様子を示す平面図ならびに正面図、
(b)は矢印方向から潮流や波浪を受け、カバーが左側にスライドした場合とその状態から回転し得る様子を示す平面図ならびに正面図である。
【図7】図6の詳細図で、(a) は拡大平面図、(b) はB−B線断面図、(c) はC−C線断面図である。
【図8】円柱状部材に対して少なくとも水中における水の流れに前後方向にスライド可能なカバーの前後方向の長さを、どのように設定したら良いかを示す原理図である。
【図9】円柱形の柱状部材に水中における水の流れに前後方向にスライド可能に設けたカバーの先端部及び後端部に、紐状物ないし帯状物を取り付けた状態を示すもので、(a) は平面図、(b) は正面図である。
【図10】本発明による抗力低減装置を急潮流用スパーブイ型ボーリング櫓に適用した場合の使用状態を示す概略図である。
【図11】本発明による抗力低減装置を海上プラットホームに適用した場合の使用状態を示す概略図である。
【符号の説明】
1…カバー、1a…長孔、1b…ストッパー、1f…長孔、1h…ローラ、1i…ストッパー、2…円柱状部材、2a…ローラ、2e…ローラ、3…紐状物ないし帯状物、S…急潮流用スパーブイ型ボーリング櫓、P…海上プラットホーム。
Claims (4)
- 楕円形、長円形もしくはそれらに類似する形状のカバー1を、海洋構造物の柱状部材2に対して水中における水の流れに前後方向にスライド可能に設けたことを特徴とする柱状部材を有する海洋構造物の抗力低減装置。
- 楕円形、長円形もしくはそれらに類似する形状のカバー1を、海洋構造物の柱状部材2に対して水中における水の流れに前後方向にスライドならびに回転可能に設けたことを特徴とする柱状部材を有する海洋構造物の抗力低減装置。
- 柱状部材2の軸方向に対してカバー1,1を上下に分割して取り付けたことを特徴とする請求項1または2記載の柱状部材を有する海洋構造物の抗力低減装置。
- カバー1の先端部及び後端部に、紐状物ないし帯状物3を取り付けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の柱状部材を有する海洋構造物の抗力低減装置。
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