以下に添付図面を参照して、この発明にかかる遊技機の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(遊技機の基本構成)
まず、この発明の遊技機の一例について説明する。図1は、この発明の遊技機の一例を示す正面図である。この発明の遊技機は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の盤面には、ガラス枠ランプ(図2における符号262を参照)が設けられている。遊技機は、ランプ制御部(図2における符号230を参照)によってガラス枠ランプを駆動制御して、ガラス枠ランプを点灯あるいは点滅させる。これによって、遊技の演出効果を高めることができる。
遊技盤101の下部位置には、発射部(図示を省略する)が配置されている。発射部は、遊技領域103内に遊技球を発射する。発射部によって発射された遊技球は、レール102a、102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下する。遊技領域103には、遊技球が落下する際に遊技球が衝突する複数の釘(図示を省略する)が設けられている。また、遊技領域103には、遊技球が衝突することによって回転する風車(図示を省略する)などが配設されている。複数の釘や風車などは、遊技領域103内を落下する遊技球の落下方向を変化させる。遊技領域103の中央部分には、演出部104が配置されている。
演出部104は、液晶表示器(LCD)などによって実現される表示装置104aと、表示装置104aの前側(遊技者側)に設けられた演出用の役物(以下「演出役物」という)104bと、によって構成されている。遊技者は、演出役物104bを通して、当該演出役物104bのうしろ側(背面側)にある表示装置104aにおける表示画面の表示内容を見ることになる。演出部104は、表示装置104aにおける画像の表示動作と演出役物104bの動作とを連動させた演出を実行する。
これによって、遊技者は、演出役物104bによる演出と表示装置104aによる演出とを、視線をずらすことなく同時に見ることができるため、表示装置104aにおける画像の表示動作と演出役物104bの動作とを連動することにより演出効果を高めることができる。以下、表示装置104aによって画像が表示される領域であって、演出役物104bが配置された領域を、演出領域として説明する。演出役物104bについては後述する。
遊技盤101は、演出部104の表示領域以外の位置に、演出役物を備えていてもよい。そして、この演出役物は、装飾用のLEDなどを備えていてもよい。この場合、遊技機は、演出役物が備える装飾用のLEDの発光タイミングを制御することによって演出効果を高めることができる。また、演出役物は、たとえばモータやソレノイド(いずれも図示を省略する)などの駆動力を受けて動作する可動式の演出役物であってもよい。
遊技領域103において演出部104の周囲には、始動入賞口105、入賞ゲート106、複数の普通入賞口107などが配設されている。始動入賞口105、入賞ゲート106、複数の普通入賞口107には、各入賞口105〜107における遊技球の入賞の有無に応じて出力が変化するスイッチ(図2における符号251を参照)が設けられている。遊技領域103の下方には、大入賞口109が設けられている。大入賞口109は、大当たり状態以外の状態では大入賞扉109aによって閉塞されており、大当たり状態になると一定の期間だけ開放される。
大入賞口109および大入賞扉109aは、大入賞口109の開閉を検出する大入賞口開閉スイッチや、大入賞口109に入賞した遊技球を検出する左カウントスイッチや右カウントスイッチ(いずれも図示を省略する)などとともに、いわゆるアタッカーを構成する。遊技領域103の最下部には、回収口108が設けられている。回収口108は、上述したいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する。
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材110が設けられている。枠部材110は、遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲む形状を有している。また、枠部材110は、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。これにより、この実施の形態の遊技機を、枠部材110を備えていない他機種の遊技機よりも目立たせることができる。遊技機を目立たせることにより、多くの遊技者の関心を引き、それによって遊技機の稼働率の向上を図るとともに、遊技機に対する不正行為に対する抑止力の強化を図ることができる。
枠部材110において、遊技領域103よりも上側の縁および下側の縁には、演出ライト部111が設けられている。演出ライト部111は、それぞれ複数のライト112を備えている。各ライト112は、装飾LED(図2における符号261を参照)を含み、光の照射方向を上下方向に変更することができる。また、演出ライト部111は、光の照射方向を回転させることができる。遊技機は、各ライト112が照射する光の照射方向を変更するモータ(図示を省略する)などを備えている。
枠部材110の下部位置には、操作ハンドル113が配置されている。操作ハンドル113は、上記の発射部の駆動によって遊技球を発射させる際に、遊技者によって操作される。操作ハンドル113は、上記の枠部材110と同様に、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。また操作ハンドル113は、上記の発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材114を備えている。発射指示部材114は、操作ハンドル113の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。
発射部は、発射指示部材114が遊技者によって直接操作されている場合に、遊技球を発射させる。操作ハンドル113は、遊技者が発射指示部材114を直接操作していることを検出するセンサなどを備えている。また、枠部材110には、音声を出力する下部バスSP(図2における符号271を参照)や上部ステレオスピーカ(図2における符号272を参照)が組み込まれている。遊技機は、上部ステレオスピーカや下部バスSPから、たとえば演出部104の表示内容に応じた音声を出力する。これによって演出効果を高めることができる。
枠部材110において、遊技領域103の下側には、遊技者による操作を受け付けるチャンスボタン117が設けられている。この実施の形態において、チャンスボタン117は、凸状ボタン形状を有している。チャンスボタン117は、凸状ボタンの他、タッチパネル方式を採用した入力パッドなどであってもよい。チャンスボタン117の操作は、たとえば遊技中における特定のリーチ演出に際し、チャンスボタン117の操作を促すガイダンスが表示されている間有効となる。
枠部材110において、チャンスボタン117の隣には、十字キー118が設けられている。十字キー118は、演出部104に表示される文字や図形などを指し示す位置を変更するカーソルキーと、カーソルキーの操作によって選択された文字や図形などを確定する「ENTER」キー(図示を省略する)と、を備えている。チャンスボタン117や十字キー118は、たとえば特定の演出に際して、チャンスボタン117や十字キー118の操作を促す表示画面が演出部104に表示された場合に操作される。
(遊技機の制御部の内部構成)
つぎに、遊技機の制御部の内部構成について説明する。図2は、遊技機の制御部の内部構成を示すブロック図である。遊技機の制御部は、複数の制御部により構成されている。図2において、制御部は、主制御部210と、演出制御部220と、ランプ制御部230と、音声制御部240と、役物制御部280と、を有する。主制御部210、演出制御部220、ランプ制御部230、音声制御部240および役物制御部280は、それぞれ別々の基板に設けられている。
主制御部210は、遊技機の遊技にかかる基本動作を制御する。主制御部210は、たとえばメイン基板によってその機能を実現することができる。主制御部210は、CPU211と、ROM212と、RAM213と、I/O214〜216と、ラムクリアスイッチ217と、を備えて構成される。
CPU211は、ROM212に記憶されたプログラムに基づき、遊技内容の進行にともなう基本処理を実行する。ROM212は、遊技内容の進行にともなう基本処理を実行するための各種プログラムや、大当たり判定に用いる大当たり値などを記憶している。RAM213は、CPU211の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。CPU211は、遊技内容の進行にともなう基本処理として、たとえば大当たり判定用乱数のカウントをおこなう。
具体的には、たとえば大当たり確率が1/307に設定されている遊技機の場合、CPU211は、遊技機が起動している間中、1ループが0〜306までの数値で+1ずつカウントアップする。CPU211は、このカウントアップを、主制御部210への電源供給時から開始し、1ループ分のカウント後は、つぎの1ループ分のカウントをおこなう、というようにループ状のカウントをおこなう。RAM213は、このような大当たり判定用乱数のカウントに際してのカウンタとして機能する。
そして、CPU211は、発射部によって発射された遊技球が始動入賞口105に入賞(以下「始動入賞」という)すると、始動入賞した時点のカウント値を大当たり判定用乱数として取得する。大当たり判定用乱数は、始動入賞したタイミングによって異なる。具体的には、たとえば上記の大当たり確率が設定されている遊技機であれば、CPU211は、0〜306までの整数を含む数値群から、始動入賞した時点でカウントされた数値を、大当たり判定用乱数として取得する。上記の例であれば、0〜306までの整数によって構成される数値群の中の数値を大当たり判定用乱数として取得する。
CPU211は、大当たり判定用乱数を取得するごとに、取得した大当たり判定用乱数とROM212に記憶されている大当たり値とを比較して、大当たり判定をおこなう。CPU211は、具体的には、たとえば大当たり判定用乱数と大当たり値とが一致するか否かを判定し、一致する場合を大当たりと判定する。大当たり判定は、当該大当たり判定をおこなうための大当たり判定用乱数を取得した時点、すなわち始動入賞があった時点において先の始動入賞に対応した演出の実行中である場合、当該実行中の演出が終了してからおこなう。
I/O214は、始動スイッチ(始動SW)251が出力した信号と、ゲートスイッチ(ゲートSW)252が出力した信号と、をCPU211に入力する。始動SW251およびゲートSW252は、たとえば近接センサなどによって実現することができる。この場合、始動SW251およびゲートSW252は、遊技球が各スイッチ251、252に接近したタイミングでオン状態を示す信号を出力する。
CPU211は、一定時間(たとえば4msec)ごとに始動SW251およびゲートSW252の出力を監視している。遊技機は、たとえば遊技球が始動入賞口105を通過した場合、始動SW251からの出力は2回以上連続してオン状態となる。CPU211は、始動SW251からの出力が2回以上連続してオン状態となった場合を、遊技球が始動入賞口105を通過した(始動入賞があった)ものとして判断する。
また、I/O214は、大入賞口スイッチ(大入賞口SW)253からの出力信号をCPU211に入力する。大入賞口SW253は、たとえば近接センサなどによって実現することができる。CPU211は、大入賞口SW253からの出力信号に基づいて、遊技球が大入賞口109に入賞したことを検出する。また、CPU211は、遊技球が大入賞口109に入賞したことを受信すると、賞球制御部(図示を省略する)に対して、賞球制御信号を出力する。
賞球制御部は、主制御部210からの賞球制御信号を受信すると、賞球制御部に接続される払出部に対して、各入賞口(始動入賞口105、普通入賞口107、大入賞口109)に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御をおこなう。賞球制御部は、賞球制御の処理を実行するCPUと、CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAMと、主制御部210や図示を省略する払出部に対するデータの出力をおこなうI/Oなどを備えて構成される。賞球制御部については図示を省略する。
払出部は、遊技球を貯留する貯留部(図示を省略する)に連通しており、遊技球の払い出しに際して駆動されるモータを備えている。払出部は、モータの駆動時間(駆動量)を調整することによって、入賞した遊技球に対応した賞球数分の遊技球を払い出す。賞球制御部は、このモータを駆動制御することによって入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御をおこなう。
CPU211は、大当たりが発生した場合に、I/O214を介して、大入賞口ソレノイド254に対して大入賞口ソレノイド254の開閉信号を出力する。また、CPU211は、大当たりが発生した場合に、大入賞口109を一定期間開放するように大入賞口ソレノイド254の開閉を制御する。さらに、CPU211は、大当たりが発生した場合に、大入賞口109の開放を所定ラウンド(たとえば15ラウンド)繰り返すように大入賞口ソレノイド254の開閉を制御する。
I/O214は、普通入賞口スイッチ(普通入賞口SW)255、256からの出力信号を、CPU211に入力する。普通入賞口SW255、256は、たとえば近接センサなどによって実現することができる。CPU211は、普通入賞口SW255、256からの出力信号に基づいて、遊技球が普通入賞口107に入賞したことを検出する。また、CPU211は、遊技球が普通入賞口107に入賞したことを受信すると、上述した賞球制御部に対して賞球制御信号を出力する。
I/O215は、ラムクリアスイッチ217からの出力信号を、CPU211に入力する。ラムクリアスイッチ217は、押圧操作されている状態でオン状態を示す信号を出力する。そして、ラムクリアスイッチ217は、押圧操作が解除された場合に、オフ状態を示す信号を出力(あるいは、信号の出力を停止)する。ラムクリアスイッチ217は、たとえばメイン基板などに設けられており、これによってラムクリアスイッチ217を操作することによる操作信号を直接主制御部210に入力し、ラムクリア信号を遊技機の外部から入力できないようにすることができる。
CPU211は、たとえば電源スイッチ(図示を省略する)が操作されるなどして電源の供給があった場合、ラムクリアスイッチ217からオン状態を示す信号が出力されていると、遊技の遊技情報を初期化(ラムクリア)する。CPU211は、ラムクリアに際して、たとえばRWM領域に記憶された初期値乱数や初期値データなどを0(ゼロ)にする。
CPU211は、始動SW251、ゲートSW252、大入賞口SW253、普通入賞口SW255、256から受信した各種の出力信号に応じた制御信号を生成し、生成した制御信号をI/O216を介して演出制御部220に出力する。また、CPU211は、電源の供給状態とラムクリアスイッチ217からの出力信号に応じた制御信号を生成し、生成した制御信号をI/O216を介して演出制御部220に出力する。
演出制御部220は、主制御部210が出力した制御信号に基づいて、遊技機の演出制御をおこなう。演出制御部220は、たとえば演出制御基板によって実現することができる。演出制御部220は、CPU221と、ROM222と、RAM223と、I/O224、225、226と、を備えて構成される。
CPU221は、I/O224を介して主制御部210からの制御信号およびROM222に記憶されたプログラムに基づいて、遊技内容を演出する演出処理を実行する。ROM222は、演出処理の実行にかかる各種プログラムや、演出部104における表示装置104aに表示する各種画像データを記憶する。各種画像データは、背景画像、図柄画像、キャラクター画像などである。RAM223は、CPU221の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
CPU221は、たとえばROM222に記憶されたプログラムを読み込んで、背景画像表示処理、図柄画像表示/変動処理、キャラクター画像表示処理など各種画像処理を実行する。また、CPU221は、各種画像処理の実行に際し、適宜必要な画像データをROM222から読み出し、読み出した画像データを、I/O225を介して表示装置104aに出力する。ここで、CPU221は、具体的には、たとえば入賞するまでの間遊技内容を演出する図柄や、リーチ(3つの図柄のうち2つが揃った状態)図柄、大当たり時の遊技内容を演出する図柄などをあらわす画像データを出力する。
演出部104は、表示装置104aに所定の画像を表示するための画像データを、演出制御部220が備えるVRAMなどに書き込む。演出部104は、演出制御部220が備えるVRAMへの画像データの書き込みに際して、図柄画像やキャラクター画像が背景画像よりも手前に見えるように、画像データの加工をおこなう。具体的には、たとえば演出部104が表示する背景画像と図柄画像の表示位置が表示画面内の同一位置に重なる場合、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、VRAMなどにおいて図柄画像を優先して記憶させる。表示装置104aは、VRAMに書き込まれた画像データに基づいて、図柄画像やキャラクター画像が背景画像よりも手前に見える画像を表示する。
I/O225は、上述したチャンスボタン117からのチャンスボタン操作信号を、CPU221に入力する。また、I/O225は、十字キー118や「ENTER」ボタンなど、チャンスボタン117以外の別のボタンからの操作信号を、CPU221に入力してもよい。I/O226は、CPU221によって制御されて、演出処理をおこなうための各種の信号のうち、装飾LED261、ガラス枠ランプ262およびサイドランプ263などの遊技機が備える各種の光源の発光動作の制御に関する制御信号をランプ制御部230に出力する。ランプ制御部230は、演出制御部220がおこなう演出処理のうち、装飾LED261、ガラス枠ランプ262、サイドランプ263などの発光体の発光制御をおこなう。ランプ制御部230は、CPU231と、ROM232と、RAM233と、I/O234、235と、を備えて構成される。
また、I/O226は、演出処理をおこなうための各種の信号のうち、下部バスSP271や上部ステレオスピーカ272からの音声出力制御に関する制御信号を音声制御部240に出力する。また、I/O226は、演出処理をおこなうための各種の信号のうち、演出役物104bなどの役物の制御に関する制御信号を、役物制御部280に出力する。役物制御部280については後述する。
CPU231は、I/O234によって入力された演出制御部220からの制御信号に基づいて、ROM232に記憶されたプログラムを読み込む。そして、CPU231は、読み込んだプログラムを実行することにより、I/O235から出力した制御信号によって装飾LED261、ガラス枠ランプ262、サイドランプ263などの発光体の発光/消灯を制御する。RAM233は、CPU231の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、CPU231による発光体の発光/消灯に際して適宜必要なデータが書き込まれる。
音声制御部240は、演出制御部220がおこなう演出処理のうち、音声出力に関する音声出力処理をおこなう。音声制御部240は、CPU241と、ROM242と、RAM243と、I/O244、245と、を備えて構成される。CPU241は、I/O244によって入力した演出制御部220からの制御信号に基づいて、ROM242に記憶されたプログラムを読み込んで音声出力処理をおこなって音声信号を生成する。RAM243は、音声出力処理に際して、CPU241の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、CPU241による音声出力処理に際して適宜必要なデータが書き込まれる。
CPU241は、音声出力処理に際して、演出に用いるBGM、キャラクターの台詞、効果音などを含む音声信号を生成する。CPU241は、生成した音声信号をI/O245を介して下部バスSP271や上部ステレオスピーカ272へ出力する。下部バスSP271や上部ステレオスピーカ272は、ボイスコイル(図示を省略する)を備えており、音声制御部240から出力された音声信号にしたがった電気信号をボイスコイルに印加することによって音声を出力する。
役物制御部280は、演出制御部220がおこなう演出処理のうち、演出役物104bを含む各種の演出役物に関する駆動制御処理をおこなう。役物制御部280は、CPU281と、ROM282と、RAM283と、I/O284、285と、を備えて構成される。CPU281は、I/O284によって入力した演出制御部220からの制御信号に基づいて、ROM282に記憶されたプログラムを読み込んで駆動制御処理をおこなって演出役物104bを含む各種の演出役物を動作させるためのモータ286やソレノイド287などを駆動制御する。RAM283は、音声出力処理に際して、CPU241の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、CPU281による音声出力処理に際して適宜必要なデータが書き込まれる。
I/O284は、疑似球検出センサ288からの出力信号をCPU281に入力する。疑似球検出センサ288は、演出領域中へ投入される疑似球(図3における符号Fを参照)が移動する経路上であって、疑似球の移動方向において、演出役物104b(特に、図3における演出役物311)よりも上流側に設けられており、演出領域中へ投入される疑似球の通過の有無に応じて出力が変化する。疑似球検出センサ288は、たとえば疑似球の移動方向において演出役物104bのうちもっとも上流側に設けられた演出役物(図3における符号311を参照)の直近に設けられていることが好ましく、これによって疑似球が演出役物104b中に確実に投入されたことを検出することができる。CPU281は、疑似球検出センサ288からの出力信号に基づいて、演出領域中に疑似球が投入されたことを検出する。疑似球検出センサ288による演出領域中への疑似球の投入の有無の判断方法は、始動SW251による遊技球の始動入賞の有無の判断方法と同様であるため説明を省略する。疑似球については説明を後述する。
疑似球検出センサ288は、疑似球の移動方向において、演出役物104bのうちもっとも上流側に設けられた演出役物から所定距離離間した位置に設けられていてもよい。これによって、演出領域中への疑似球の投入がおこなわれてから、表示装置104aにおいて所定の演出画像を表示するまでの処理時間を確保することができる。また、疑似球検出センサ288は、I/O214を介して主制御部210が備えるCPU211に接続されていてもよい。
この場合CPU211は、疑似球検出センサ288からの出力信号に基づいて演出領域中に疑似球が投入されたことを検出し、検出結果を演出制御部220を介して役物制御部280に対して出力する。また疑似球検出センサ288は、I/O225を介して演出制御部220が備えるCPU221に接続されていてもよい。この場合CPU221は、疑似球検出センサ288からの出力信号に基づいて演出領域中に疑似球が投入されたことを検出し、検出結果を役物制御部280に対して出力する。
また、I/O284は、回収口通過センサ289からの出力信号をCPU281に入力する。回収口通過センサ289は、演出領域の外へ排出される疑似球が移動する経路上に設けられている。回収口通過センサ289は、Vゾーン(図3における符号343を参照)あるいは図示を省略する疑似球回収口を介して、演出領域の外部に排出される疑似球が移動する経路上に設けられており、疑似球の移動方向において、Vゾーンおよび疑似球回収口よりも下流側に設けられている。
回収口通過センサ289は、演出領域の外部に排出される疑似球の通過の有無に応じて出力が変化する。CPU281は、回収口通過センサ289からの出力信号に基づいて、疑似球が演出領域の外部に排出されたことを検出する。回収口通過センサ289による演出領域中への疑似球の投入の有無は、始動SW251による遊技球の始動入賞の有無の判断方法と同様であるため説明を省略する。
図2に示したように、この実施の形態においては、上記構成の主制御部210と、演出制御部220、ランプ制御部230、音声制御部240および役物制御部280は、それぞれ異なるプリント基板(メイン基板、サブ基板、ランプ制御基板、音声制御基板および役物制御基板)に設けられる。主制御部210、演出制御部220、ランプ制御部230、音声制御部240および役物制御部280は、各々が異なる基板に設けられている形態に限らない。たとえば、演出制御部220とランプ制御部230と音声制御部240と役物制御部280とを同一のプリント基板上に設けるなど、一部あるいはすべての制御部を同一のプリント基板上に設けることも可能である。
(遊技機の基本動作)
上記の構成を備えた遊技機は、発射部によって発射された遊技球が始動入賞口105、入賞ゲート106あるいは普通入賞口107のいずれに入賞したかに応じて、所定の動作を実行する。遊技機は、発射部によって発射された遊技球がたとえば入賞ゲート106に入賞した場合、始動入賞口105を一定時間だけ開放させる。また、遊技機は、発射部によって発射された遊技球がたとえば複数の普通入賞口107の中のいずれか1つの普通入賞口107に入賞した場合、普通入賞時の賞球数(たとえば10個)の遊技球の払い出しをおこなう。
また、遊技機は、発射部によって発射された遊技球がたとえば始動入賞口105に入賞した場合、遊技機は、大当たり判定用の数値としての大当たり判定用乱数を取得する。そして、遊技機は、取得した大当たり判定用乱数と、あらかじめ定められた数値(大当たり値)と、が一致するか否かを判断する。遊技機は、取得した大当たり判定用乱数と大当たり値とが一致しない場合をハズレ状態とし、演出部104においてハズレ演出を実行する。
一方、遊技機は、取得した大当たり判定用乱数と大当たり値とが一致する場合を大当たり状態とし、演出部104において大当たり演出を実行する。また、遊技機は、大当たり状態になると、大入賞口109を一定の期間開放する。遊技機は、大入賞口109の開放を所定ラウンド(たとえば15ラウンド)繰り返し、その間に入賞した遊技球に対応した数の賞球を払い出す。
遊技機は、演出部104における各種演出(ハズレ演出あるいは大当たり演出)に際して、所定の球体形状の移動部材を用いる。所定の球体形状の移動部材は、表示装置104aの表示画面に表示される仮想的な物体ではなく、質量や具体的な形をもって空間に存在している物体であればよい。すなわち遊技機は、表示装置104aの表示画面に表示する仮想的な物体あるいは空間と、質量や具体的な形をもって空間に存在している物体と、を用いた演出をおこなう。
所定の球体形状の移動部材は、演出役物104bによって構成される移動経路に沿って移動可能な物体であれば特に限定されるものではないが、移動経路中を自重によって上方から下方に向かって移動可能な球体形状の物体であることが好ましい。この実施の形態においては、所定の球体形状の移動部材として疑似球を用いる。
疑似球は、遊技機における遊技に用いる遊技球と同じ実球であるが、遊技の進行(当たりやハズレの決定)に関与しない。疑似球としては、具体的には、たとえばハズレが確定し回収口108に回収される前の遊技球や、遊技に用いる遊技球とは別の経路を通るように、遊技に用いる遊技球とは隔離された経路を循環する、遊技球と同じいわゆる実球を用いることができる。疑似球は、各種演出に際して、演出部104に設けられた演出役物104bによって、表示装置104aの前側(遊技者側)に設けられた所定の経路中のみを案内される。
遊技機は、疑似球を保持するとともに演出領域中に疑似球を投入する疑似球保持機構を備えている。疑似球保持機構は、役物制御部280によって駆動制御されるモータ286によって駆動されて、演出領域中に疑似球を1球ずつ投入する。疑似球保持機構については後述する(図6における符号600を参照)。
(演出役物104bの構成)
つぎに、演出部104における演出役物104bの構成について説明する。演出役物104bは、疑似球を用いた演出にかかわる。図3は、演出部104における演出役物104bの構成を示す説明図である。図3において、演出部104における演出領域は、変動開始領域310と、第1の予告区間領域320と、第2の予告区間領域330と、結果確定領域340と、に分割されている。演出役物104bは、変動開始領域310、第1の予告区間領域320、第2の予告区間領域330および結果確定領域340の各領域にそれぞれ設けられており、各領域310、320、330、340を疑似球Fが順次連続して移動できるように連結されている。
演出役物104bのうち、変動開始領域310に設けられた演出役物311は、演出領域中に疑似球Fを投入する経路を備えている。第1の予告区間領域320に設けられた演出役物(ブリッジ)321は、所定の傾斜をなすように設けられている。所定の傾斜は、疑似球Fが、変動開始領域310側から第2の予告区間領域330側に転がるような傾斜とすることが好ましい。この実施の形態においては、ブリッジ321によって形成される、疑似球Fが回転移動する経路によって移動経路が実現されている。
ブリッジ321は、変動開始領域310と第2の予告区間領域330とを連結する経路を構成している。演出役物311、ブリッジ321は、透明なプラスチック材料などを用いて形成されているとよい。これによって、背面側に設けられた表示装置104aが表示する画像の視認性を大きく損なうことなく、演出領域において疑似球Fを移動させることができる。
ブリッジ321には、疑似球Fの転がりを停止する位置に突出するツメ322、323が設けられている。ツメ322、323は、疑似球Fの転がりを停止する突出位置とブリッジ321から退避する退避位置との間でそれぞれ変位可能に設けられている。また、ツメ322、323は、役物制御部280によって駆動制御されるモータ286の駆動力を受けて突出位置あるいは退避位置のいずれか一方に選択的に位置付けられる。
ツメ322、323は、ブリッジ321によって形成される移動経路上の2箇所に設けられており、各々独立して突出位置あるいは退避位置に変位する。突出位置に位置付けられているツメ322、323は、ブリッジ321上を転がってきた疑似球Fを停止させ、疑似球Fの転がりを停止する。疑似球Fの転がりを停止しているツメ322、323が退避位置に変位すると、疑似球Fは再びブリッジ321上を変動開始領域310側から第2の予告区間領域330側に向かって転がる。
ツメ322、323は、表示画面の演出内容と同期して、移動経路において疑似球Fが移動に際して通過する位置に突出することにより、移動経路の途中で疑似球Fの移動を停止させる。この実施の形態においては、ツメ322、323によって移動停止部材を実現することができる。ツメ322、323の動作機構については説明を後述する(図7、図8、図9、図10を参照)。
ブリッジ321には、ツメ322、323を遊技者側から覆うガード部材322a、323aが設けられている。ガード部材322a、323aは、不透明な材料によって形成されており、ツメ322、323の動きを遊技者側から視認しにくくしている。ガード部材322a、323aは、ブリッジ321と同じ透明なプラスチック材料などを用いて形成されていてもよい。この場合、ブリッジに塗装を施すか、シールを貼るなどしてツメ322、323の動きを遊技者側から視認されないようにするとよい。
各ツメ322、323の上方には、突起324、325が設けられている。突起324、325は、それぞれ、各ツメ322、323が突出していない場合には疑似球Fが通過可能であるとともに、各ツメ322、323が突出した場合には当該各ツメ322、323との間隔が各ツメ322、323の直径よりも短くなることで疑似球Fが通過不可能となる位置に設けられている。
具体的には、突起324、325は、ブリッジ321上を転がる疑似球Fに接触せず、かつ、突出位置に位置付けられたツメ322、323の先端との間隔が疑似球Fの直径未満の間隔となる位置に設けられている。これによって、ブリッジ321上を転がってきた疑似球Fが、突出位置に位置付けられているツメ322、323を乗り越えて転がり続けることを防止し、ツメ322、323が突出位置に位置付けられている場合には疑似球Fをツメ322、323の位置で確実に停止させることができる。この実施の形態においては、突起324、325によって当接部材を実現することができる。
疑似球Fをツメ322、323の位置で確実に停止させることができない場合、たとえば表示装置104aにおいて疑似球Fを停止させる画像を表示する演出をおこなっているにもかかわらず、疑似球Fの動きが演出内容に一致せず、演出自体が台無しになる。すなわち疑似球Fをツメ322、323の位置で確実に停止させることができなければ演出としての形をなさなくなるが、この実施の形態においてはツメ322、323が突出位置に位置付けられている場合に疑似球Fをツメ322、323の位置で確実に停止させることによって、表示装置104aが表示する演出画像と疑似球Fの動きとをリンクさせ、演出を効果的におこなうことができる。
ブリッジ321は、分岐ブリッジ321aを含んで構成されている。分岐ブリッジ321aは、第2の予告区間領域330側に設けられたツメ323よりも第2の予告区間領域330側に設けられており、疑似球Fを第2の予告区間領域330に案内する案内位置と疑似球Fを第1の予告区間領域320から排出する排出位置との間で変位可能に設けられている。分岐ブリッジ321aは、透明なプラスチック材料などを用いて形成されているとよい。
分岐ブリッジ321aは、遊技機に対して位置固定された回動軸(図7における符号710を参照)を中心として、ツメ323側に位置する自由端部が変位するように回動可能な状態で設けられている。分岐ブリッジ321aは、回動することによってブリッジ321に開口を形成し、この開口から疑似球Fを落下させることによって、転がってきた疑似球Fが第2の予告区間領域330に移動することを防止する。
分岐ブリッジ321aは、重心の位置を調整するなどして、疑似球Fの自重が加わらない状態では常に案内位置に位置するように付勢されている。重心の位置は、分岐ブリッジ321aの自由端部に疑似球Fの自重以上の力が加わった場合に分岐ブリッジ321aを回動させる程度の付勢力を作用させるように調整されている。
分岐ブリッジ321aの自由端部側には、分岐ブリッジ321aの自由端部を支持する、図示を省略する分岐ツメが係合している。分岐ツメは、ブリッジ321の本体側に設けられており、分岐ツメは、分岐ブリッジ321aが回動しないように分岐ブリッジ321aの自由端部に係合する回動停止位置と、分岐ブリッジ321aの回動を許容する回動許容位置と、に変位可能に設けられている。分岐ツメが回動停止位置に位置付けられている状態では、疑似球Fは分岐ブリッジ321a上を転がって第2の予告区間領域330に到達する。
分岐ブリッジ321aは、分岐ツメが回動許容位置に位置付けられている状態で疑似球Fが転がってきた場合、疑似球Fの自重によって、固定された一端を中心として回動する。これにより、疑似球Fは第1の予告区間領域320から排出され、第2の予告区間領域330を経由することなく結果確定領域340に至る。第2の予告区間領域330を経由することなく結果確定領域340に至った疑似球Fは、図示を省略する疑似球回収口から演出部104の外部に排出される。
分岐ブリッジ321aは、疑似球Fが転がってくる側すなわち疑似球Fの進行方向において上流側が開口するように設けられていることが好ましい。これにより分岐ブリッジ321aは、疑似球Fが分岐ブリッジ321aに乗った時点から回動しはじめ、疑似球Fが転がってきた向きとは逆向きの傾斜をなすため、疑似球Fの転がる勢いを減少させ、疑似球Fを移動経路から確実に排出することができる。
第2の予告区間領域330に設けられた演出役物331は、分岐ブリッジ321aを通過して転がってきた疑似球Fが上側から下側に転がる(落下する)ような経路を構成している。演出役物331は、疑似球Fが螺旋状の軌跡を描きながら転がる(落下する)ように、螺旋状の経路(以下「螺旋経路」という)を構成している。第2の予告区間領域330に進入した疑似球Fは、自重によって演出役物331中を落下し、分岐ボックス332に至る。
分岐ボックス332は、螺旋経路を落下してきた疑似球Fを、受け皿333あるいはそれ以外に分配する。分岐ボックス332は、演出役物331の下方に設けられて、支点332aを中心に回動可能に設けられた振り子332bを備えている。振り子332bは、役物制御部280によって駆動制御されるモータ286あるいはソレノイド287などの駆動力を受けて所定方向に回動する。
図4−1および図4−2は、分岐ボックス332の構造を示す説明図である。図4−1においては分岐ボックス332を構成する各部を斜め方向から見た状態を示し、図4−2においては分岐ボックス332の一部を斜め方向から見た状態を示している。図4−1および図4−2において、分岐ボックス332は、遊技者側からの振り子332bの視認を遮るためのカバー410を備えている。
カバー410は、振り子332bには接触しない位置に設けられている。また、カバー410は、不透明なプラスチック材料などを用いて形成されている。カバー410を設けることによって、分岐ボックス332における振り子332bの動きを遊技者から視認しにくくすることができ、演出の展開を事前に予測できにくくすることができる。カバー410は、ブリッジ321と同じ透明なプラスチック材料などを用いて形成されていてもよく、この場合はブリッジに塗装を施すかシールを貼るなどして振り子332bの動きを遊技者側から視認しにくくすることが好ましい。
図5−1、図5−2および図5−3は、振り子332bの動作を示す説明図である。図5−1においては振り子332bが基準位置にある状態を示し、図5−2においては振り子332bがハズレ演出に際して動作した状態を示し、図5−3においては振り子332bが大当たり演出に際して動作した状態を示している。
図5−1、図5−2および図5−3において、振り子332bは、遊技を待機している状態や非演出時などは基準位置に位置付けられており、始動入賞時の判定結果に応じて時計回りあるいは反時計回りに回動する。振り子332bは、具体的には、ハズレ演出に際しては支点332aを中心に反時計回り方向に回動し、大当たり演出に際しては支点332aを中心に時計回り方向に回動する。
この実施の形態においては、振り子332bが時計回り方向に回動した場合に、螺旋状の経路を落下してきた疑似球Fを受け皿333に分配することができる。また、この実施の形態においては、振り子332bが反時計回り方向に回動した場合に、螺旋状の経路を落下してきた疑似球Fを受け皿333の外に分配する。受け皿333の外に分配された疑似球Fは、疑似球回収口から演出部104の外部に排出される。受け皿333は振り子332b側ほど高くなるように傾斜して設けられており、受け皿333に排出された疑似球Fは受け皿333における低い方の端部で停止する。
結果確定領域340に設けられた演出役物(リフト機構)341は受け皿333に排出された疑似球FをVゾーンに移動するリフト機構を構成し、結果確定領域340に設けられた演出役物342は疑似球FをVゾーン343に導く経路を構成する。リフト機構341および演出役物342は、透明なプラスチック材料などを用いて形成されている。これによって、背面側に設けられた表示装置104aが表示する画像の視認性を大きく損なうことなく、演出領域において疑似球Fを移動させることができる。
リフト機構341は、具体的には、たとえば受け皿333に排出された疑似球Fを把持する把持部341aと、把持部341aを開閉する図示を省略するソレノイドと、把持部341aに連結されたアーム341bと、アーム341bに連結された図示を省略するモータと、を備えている。またリフト機構341は、受け皿333の位置にある把持部341aをソレノイドの駆動によって開閉することにより疑似球Fを把持し、疑似球Fを把持した状態でモータを駆動してアーム341bを移動することにより、疑似球Fを受け皿333からVゾーン343の上方へ移動する。
リフト機構341は、受け皿333からVゾーン343の上方へ移動する間に、把持部341aをソレノイドの駆動によって開放することにより疑似球Fを落下させる。Vゾーン343の上方において把持部341aを開放した場合、疑似球FはVゾーン343に落下する。Vゾーン343の上方以外において把持部341aを開放した場合、把持部341aから落下した疑似球Fは、疑似球回収口から演出部104の外部に排出される。
Vゾーン343には、疑似球FがVゾーン343を通過したことを検出する図示を省略するVゾーン通過センサが設けられている。Vゾーン通過センサは、疑似球FがVゾーン343を通過した場合、Vゾーン343に設けられたVゾーン通過センサの出力が所定時間(あるいは所定パルス数)連続してオン状態となる。オン状態が連続する回数は、疑似球Fの大きさによって適宜所定の範囲内に定められる。
Vゾーン343に設けられたVゾーン通過センサは、演出部104において発生した異常の検出に利用することもできる。具体的には、Vゾーン343に設けられたVゾーン通過センサの出力が所定時間(あるいは所定パルス数)以上連続してオン状態となった場合を、Vゾーン343に疑似球Fが詰まっているなど、演出部104に異常が発生していることを検出することができる。
つぎに、疑似球保持機構について説明する。図6は、疑似球保持機構の構成を示す説明図である。図6において、疑似球保持機構600は、演出役物311を介して演出領域内に疑似球Fを投入する機構であって、遊技盤101の背面側に設けられている。疑似球保持機構600は、誘導部602を備えている。誘導部602は、図示を省略する疑似球貯留部と演出役物311によって形成される移動経路601とを連通する。誘導部602は、筒形状あるいは管形状をなす誘導経路603を備え、その内径は疑似球F(F1、F2)の直径と同等あるいは疑似球F1、F2の直径よりも若干大きい。
誘導経路603は、疑似球貯留部側よりも演出役物311側の方が低くなるように傾斜した状態で設けられている。これによって、疑似球貯留部が貯留する疑似球Fが、疑似球貯留部側から演出役物311側へ、自重によって誘導経路603を転がりながら移動する。誘導経路603は、疑似球貯留部に直接連通されているものに限らず、疑似球貯留部に連通する別の部材を介して間接的に連通されていてもよい。
疑似球保持機構600は、誘導経路603における演出役物311側に設けられた規制部材604を備えている。規制部材604は、誘導経路603中を移動する疑似球F1、F2を停止させるように誘導経路603の内側に突き出している。誘導経路603中を移動する疑似球F1、F2は、規制部材604によって規制される位置で停止する。誘導経路603においては、誘導経路603の長さに応じた所定数の疑似球Fを保留することができる。
規制部材604は、回動軸605を中心として回動自在とされている。回動軸605は、誘導経路603中を移動する遊技球F1、F2の移動を妨げることのない位置に設けられている。規制部材604は、回動軸605を中心として回動することによって誘導経路603の内側に突き出した位置と、誘導経路603から退避した位置と、の間で変位する。規制部材604は、複数設けられており、いずれも回動軸605を中心とする円の半径方向に突き出している。
この実施の形態においては、規制部材604は4つ設けられており、回動軸605は1回の回動において90度ずつ回動する。規制部材604と規制部材604との間隔は遊技球1個分程度とされている。回動軸605にはモータ286が連結されており、回動軸605はモータ286の回転駆動力が伝達されることによって回動する。複数の規制部材604は、それぞれ回動軸の回動にともなって回動する。回動軸605に連結されたモータ286は、役物制御部280によって駆動制御され、保留数が1以上の状態で演出が終了した場合に回転駆動する。
つぎに、ツメ322、323の動作機構について説明する。図7、図8、図9および図10は、ツメ322、323の動作機構を示す説明図である。図7においては、ツメ322、323の動作にかかる機構部全体を、遊技機に正対する側から見た状態を示している。図8は、ツメ322、323の動作にかかる機構部全体を、当該機構部の上側から見た状態を示している。図9においては、ツメ322、323の動作にかかる機構部のうち、ツメ322、323の動作に直接関与する機構部を斜め方向から見た状態を示している。図10においては、図9に示した機構部を分解して斜め方向から見た状態を示している。
図7、図8、図9および図10において、ツメ322、323は、それぞれ、ツメ部材701、702に設けられている。ツメ322、323は、それぞれ、プラスチック材料などを用いてツメ部材701、702に一体に成型されている。ツメ部材701、702は、それぞれ、遊技盤101に設けられた回動軸703、704を中心として回動可能に設けられている。ツメ部材701、702は、それぞれ、遊技盤101の盤面に平行な面内において回動可能とされており、回動することによって各ツメ322、323を突出位置または退避位置に選択的に位置付ける。
ツメ部材701、702は、それぞれ回動用突起部材701a、702aを備えている。回動用突起部材701a、702aは、それぞれ、ツメ部材701、702と一体に成型されている。回動用突起部材701a、702aは、ツメ部材701、702が退避位置に位置付けられている場合に、回動制御用アーム705、706の先端部705a、706aに当接する。回動制御用アーム705、706の先端部705a、706aは、先端ほど細くなる形状をなし、回動用突起部材701a、702aに対してそれぞれ下側から当接している。
回動制御用アーム705、706において、先端部705a、706aとは反対側の端部は、それぞれ板カム801、802を介して、モータ286の駆動軸707に連結されている。モータ286の駆動軸707には、さらに、板カム804を介して回動制御用アーム708が連結されている。回動制御用アーム705、706、708は、それぞれ、ブリッジ321の長手方向に沿って往復移動可能に設けられている。また、回動制御用アーム705、706、708は、付勢部材901、902、903によって、それぞれモータ286から離反する方向に付勢されている。付勢部材901、902、903は、たとえば圧縮スプリングによって実現することができる。
各回動制御用アーム705、706、708において、対応する板カム801、802、804に対向する側の面には、当該対応する板カム801、802、804側に突出する突起1001、1002、1003が設けられている。各突起1001、1002、1003は、駆動軸707を中心とする円の半径方向において、板カム801、802、804の外周縁よりも内側に設けられている。駆動軸707の回転にともなって板カム801、802、804が回転すると、突起1001、1002、1003が板カム801、802、804の外周縁に当接して、駆動軸707を中心とする円の半径方向における板カム801、802、804の外周縁よりも外側に押し出される。
回動制御用アーム705、706、708は、それぞれ板カム801、802、804に連結する長穴1004、1005、1006を備えている。長穴1004、1005、1006は、それぞれ、回動制御用アーム705、706、708の往復移動方向を長手方向として回動制御用アーム705、706、708を板厚方向に貫通している。突起1001、1002、1003が、駆動軸707を中心とする円の半径方向における板カム801、802、804の外周縁よりも外側に押し出されると、回動制御用アーム705、706、708は、それぞれ、長穴1004、1005、1006に対する連結位置を変化させることによって付勢部材901、902、903による付勢方向に抗する方向(たとえば図7の紙面左右方向における右方向)にスライド移動する。
突起1001、1002、1003は、回転にともなう板カム801、802、804の位置に応じて駆動軸707に対する位置を変え、駆動軸707を中心とする円の半径方向における板カム801、802、804の外周縁よりも内側あるいは外側に位置する。回動制御用アーム705、706、708は、それぞれ、突起1001、1002、1003が駆動軸707に対する位置の変化にともなって、ブリッジ321の長手方向に沿って往復移動する。
各板カム801、802、804はそれぞれ同じ形状からなり、駆動軸707を中心として互いに120度ずつずれた角度で組み合わされている。このため、回動制御用アーム705、706、708のうちの少なくともいずれかは、付勢部材901、902、903による付勢方向に抗する方向にスライド移動した状態となる。回動制御用アーム705、706は、突起1001、1002、1003が、駆動軸707を中心とする円の半径方向における板カム801、802、804の外周縁よりも内側に位置する状態において付勢部材901、902によって付勢され、付勢部材901、902、903による付勢方向にしたがってスライド移動し、たとえば図7の紙面左右方向における左端部までスライド移動した状態となる。
回動制御用アーム705、706が図7の紙面左右方向における左端部までスライド移動した状態では、先端部705a、706aによって回動用突起部材701a、702aが下側から上側に押し上げられた状態となる。そして、先端部705a、706aが押し上げられることにより、ツメ部材701、702が下側から上側に押し上げられる。これによって、ツメ322、323が突出位置に位置付けられる。
また、回動制御用アーム705、706が付勢部材901、902による付勢方向に抗する方向にスライド移動し、図7の紙面左右方向における右端部までスライド移動した状態では、先端部705a、706aが回動用突起部材701a、702aよりも図7の紙面左右方向における右端部までスライド移動するため、ツメ部材701、702は自重によって上側から下側に回動する。これによって、ツメ322、323が待機位置に位置付けられる。
分岐ブリッジ321aは、遊技盤101に設けられた回動軸710を中心として回動可能に設けられている。分岐ブリッジ321aは、ツメ部材701、702と同様に、遊技盤101の盤面に平行な面内において回動可能とされており、回動することによって排出位置との間または排出位置に選択的に位置する。回動制御用アーム708の先端部708aは、分岐ブリッジ321aに対して下側から当接している。先端部708aは、回動制御用アーム708が図7の紙面左右方向における左端部までスライド移動した状態において、分岐ブリッジ321aを案内位置に位置付け、分岐ブリッジ321aの排出位置への回動を規制する。
ツメ322、323と突起324、325との位置関係は、ツメ部材701、702の回動にともなって変化する。ツメ322、323が退避位置に位置付けられている場合、ツメ322と突起324との距離およびツメ323と突起325との距離は、疑似球Fの直径寸法よりも大きい。これにより、ツメ322と突起324との間およびツメ323と突起325との間を、疑似球Fが通過することが可能となる。
一方、ツメ322、323が突出位置に位置付けられている場合、ツメ322と突起324との距離およびツメ323と突起325との距離は、疑似球Fの直径寸法よりも小さくなる。これにより、ツメ322と突起324との間およびツメ323と突起325との間を、疑似球Fが通過することが不可能となり、ブリッジ321上に排出された疑似球Fはツメ322と突起324との間あるいはツメ323と突起325との間で停止する。
以上説明したように、この実施の形態の遊技機によれば、所定の演出内容を表示する表示画面と、表示画面の前面において、疑似球Fが移動する移動経路と、を備え、疑似球Fの移動経路の移動と、表示画面の演出内容とを同期させる遊技機であって、移動経路は所定の傾斜を有し、疑似球Fが当該疑似球Fの自重によって移動経路上を移動する構成をなし、表示画面の演出内容と同期して、移動経路において疑似球Fが移動に際して通過する位置に突出することにより、移動経路の途中で疑似球Fの移動を停止させる移動停止部材を設けたことを特徴とし、移動経路を移動する疑似球Fを、表示画面の演出内容と同期して移動経路の途中で停止させることによって、表示画面の演出内容および疑似球Fの動きを制御することができる。
これによって、1種の機種のように当たりハズレが確定するまでの間の期待感や高揚感を増長させつつ、実在する物体(実体)である疑似球Fを用いた演出をおこなうことによって2種の機種のような分かりやすい演出をおこなうことができる。そして、このような演出によって、2種の機種のような分かりやすい演出をおこないながら表示画面を用いた1種の演出をおこなうことができるので、遊技者の期待感や高揚感の増長と、遊技者の遊技経験にかかわらない当たりハズレの分かりやすい案内と、を両立することができる。したがって、この実施の形態の遊技機によれば、遊技者を楽しませ、遊技者を満足させることができる。
また、この実施の形態の遊技機によれば、複数設けられたツメ部材701、702のそれぞれが異なる板カム801、802、804を介して単一のモータ286に連結されており、モータ286の駆動軸707を中心とする周方向の寸法をツメ部材701、702ごとに異ならせることにより少なくとも1つのツメ部材701、702を選択的に突出させるような状態で板カム801、802、804がモータ286に連結されていることを特徴としているため、複数あるツメ部材701、702の動きを単一のモータ286で制御することによって、構造を複雑化することなく、遊技機の枠体内などの限られた空間内において実体である疑似球Fを用いた演出をおこなうことができる。
また、この実施の形態の遊技機によれば、疑似球Fが、移動経路において回転移動することを特徴とし、疑似球Fを回転移動させながら移動経路を移動させることによって、疑似球Fの動きを多様化することができる。これによって、疑似球Fを用いた演出に躍動感をもたせ、疑似球Fの動きを目で追う遊技者の高揚感を増大させることができ、遊技者を楽しませ、遊技者を満足させることができる。
また、この実施の形態の遊技機によれば、疑似球Fが、球体形状の部材であることを特徴とするため、ブリッジ321上において疑似球Fをスムーズに移動させることができる。これによって、疑似球Fが移動経路の途中で引っかかるなどして停止するなどの不測の事態の発生を回避し、表示画面の演出内容と疑似球Fの動きとの一致を図り、矛盾のない演出をおこなうことができる。そして、矛盾のない演出をおこなうことによって、演出の一体感の低下を防止するとともに分かりやすい演出をおこなうことができ、遊技者を楽しませ、遊技者を満足させることができる。
また、この実施の形態の遊技機によれば、疑似球Fが、実際の遊技に用いる遊技球の外見と同等の外見によって形成されていることを特徴とするため、実際の遊技と疑似球Fを用いた演出との一体感をもたせ、疑似球Fを用いた演出のみを過剰に際立たせることなく違和感のない演出をおこなうことができる。
(別の実施の形態)
移動経路において、突起324、325との間隔を調整する移動停止部材は、上述した実施の形態に限るものではない。図11、図12および図13は、移動停止部材の別の実施の形態を示す説明図である。図11、図12および図13において、別の実施の形態となる移動停止部材を実現する突起1101、1102は、ブリッジ1103の長手方向を軸心方向とするシャフト1104に設けられている。ブリッジ1103は、図11の紙面左右方向における右側が左側よりも上側に位置するように傾斜した状態で設けられる。シャフト1104は、当該シャフト1104の軸心を中心として回動可能に設けられている。
突起1101、1102は、それぞれ、シャフト1104の周方向すなわちシャフト1104の軸心を中心とする円の半径方向に突出するように設けられており、シャフト1104の回動にともなって、シャフト1104の周方向に移動する。突起1101、1102は、シャフト1104の回動方向にしたがって、シャフト1104の回動方向と同じ方向に移動する。
突起1101、1102は、たとえば断面が略正円となる円柱形状とすることができる。また、突起1101、1102は、たとえば角柱形状であってもよいし、疑似球Fの移動方向に直交する方向を面方向とする平板形状であってもよい。さらに、突起1101、1102は、疑似球Fの移動方向上流側が凹んだ形状をなしていてもよい。これによって、移動経路上を移動する疑似球Fとの接触をよくして、疑似球Fを確実に停止させることができる。
ブリッジ1103は、シャフト1104および外筒1105によって構成されている。外筒1105は、略円筒形状からなり、シャフト1104の外周を覆うように設けられている。ブリッジ1103において上側となる外周面には、外筒1105の内周側に凹んだ溝1105aが設けられている。溝1105aは、ブリッジ1103の長手方向に沿って設けられている。この実施の形態においては、ブリッジ1103によって、より詳細には外筒1105に設けられた溝1105aによって、移動経路を実現することができる。溝1105aを設けることによって、略円筒形状のブリッジ1103の外周面において、疑似球Fを所望する方向(ブリッジ1103の長手方向)に移動させることができる。
外筒1105の外周面には、ブリッジ1103の軸心を中心とする円の周方向を長手方向とするスリット(長孔)1106、1107が設けられている。スリット1106、1107は、それぞれブリッジ1103の半径方向に外筒1105を貫通している。外筒1105は、スリット1106、1107と突起1101、1102とを噛み合わせた状態で、シャフト1104の外周を覆うように設けられている。
シャフト1104は、外筒1105の内周側において、ブリッジ1103の軸心を中心として外筒1105に対して相対的に回動可能に設けられている。シャフト1104が、軸心を中心として回動すると、突起1101、1102は、それぞれ、スリット1106、1107内をスリット1106、1107の長手方向に沿ってスライド移動する。
シャフト1104の一端側には、図示を省略するモータが設けられている。モータは、直接あるいはギアなどの連結部材を介してシャフト1104に連結されており、シャフト1104を当該シャフト1104の軸心を中心として回動させる。モータは、たとえばモータの駆動軸がシャフト1104の軸心と平行になるような状態で、シャフト1104に直接連結することができる。
突起1101、1102は、それぞれ、シャフト1104の回動にともなって、溝1105aを介してブリッジ1103の外周面から突出する突出位置と、溝1105aから退避した退避位置と、の間を変位する。突起1101、1102は、それぞれ、突出位置に位置付けられている場合に、疑似球Fの転がりを停止する。突起1101、1102は、シャフト1104の回動にともなって変位するため、いずれか一方が突出位置に位置付けられている場合、他方は退避位置に位置付けられる。
以上説明したように、別の実施の形態の遊技機によれば、複数設けられた突起1101、1102のそれぞれが、ブリッジ1103における溝1105aの長手方向を軸心方向とするシャフト1104の周方向に複数突出するように設けられており、シャフト1104が単一のモータによって駆動されることによって少なくとも1つの突起1101、1102を選択的に突出位置に位置付けるように、シャフト1104の軸心を中心として回動することを特徴としているため、複数ある突起1101、1102の動きを単一のモータで制御することによって、構造を複雑化することなく、遊技機の枠体内などの限られた空間内において実体を用いた演出をおこなうことができる。
また、別の実施の形態の遊技機によれば、モータの駆動軸をシャフト1104に直接連結することができるので、モータの駆動力を突起1101、1102に伝達するための機構を構成する部品点数を抑え、モータの駆動力を突起1101、1102に伝達するための機構を簡易な構成によって実現することができる。