JP2004097378A - 遊技機の棚板装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技機の棚板装置において、棚板上における球の重力作用による転動状態を多様化して、遊技者が遊技に対して飽きないようにすることである。
【解決手段】始動入賞口(入賞口)8と、該始動入賞口8の上方に配置されて、受け入れた球を一時的に保留させてから前記始動入賞口8に向けて放出する球保留装置とを備える遊技機の棚板装置であって、前記球保留装置は、受け入れた球Bを前端から放出する棚板Pと、該棚板Pの後端に沿って近接して横方向に配置される回転体R1 と、該回転体R1 を駆動する駆動モータMとを備え、前記回転体R1 は、周方向の一部に球保留凹部(球保留部)25が設けられ、その回転により前記棚板Pと球保留凹部25との間で球を保留する保留位置と、両者の間で球を保留しない非保留位置とに状態変化する構成とする。
【選択図】 図5
【解決手段】始動入賞口(入賞口)8と、該始動入賞口8の上方に配置されて、受け入れた球を一時的に保留させてから前記始動入賞口8に向けて放出する球保留装置とを備える遊技機の棚板装置であって、前記球保留装置は、受け入れた球Bを前端から放出する棚板Pと、該棚板Pの後端に沿って近接して横方向に配置される回転体R1 と、該回転体R1 を駆動する駆動モータMとを備え、前記回転体R1 は、周方向の一部に球保留凹部(球保留部)25が設けられ、その回転により前記棚板Pと球保留凹部25との間で球を保留する保留位置と、両者の間で球を保留しない非保留位置とに状態変化する構成とする。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入賞口と、この入賞口の上方に配置されて、受け入れた球を一時的に保留させてから前記入賞口に向けて放出する球保留装置とを備える遊技機の棚板装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
始動口を備えた従来のパチンコ機においては、図柄を変動表示する表示体の前面において受け入れた球を遊ばせて(主として球を左右方向に転動させて)から前方から落下させて、その下方に配設された始動口に向けて放出するいわゆる棚板(ステージ)が配置されているものが多い。
【0003】
上記棚板の形状は、例えば板状、波状等の種々あって、棚板上に転動してきた球は、その転動の勢い(速度)や入球方向の相違により左右の揺動の程度が異なる。また、棚板上を転動した球は、転動の勢いが弱くなる(球速度が遅くなる)と棚板の前端縁の異なる位置から放出され、棚板の左右方向の中央部から放出された球は、前記始動口に入賞する確率が高くなる。しかし、棚板上での揺動態様はステージの形状や傾きにより定まってしまい、単純なために長時間遊技をしていると、遊技者は遊技に対して飽きてしまう問題があった。
【0004】
また、磁石を内蔵するドラムの一部が棚板上面から突出するようにして、棚板の奥行方向(幅方向)の中央部にドラムが軸心を横方向にして配設されて、ワープ出口から棚板上に放出された球のうちドラムの背面側に達した球を吸着して、棚板の前面側に球を強制移送させて、棚板上における球の転動経路を強制変更させるものもある(例えば、特許文献1参照)。しかし、この構成では、重力を利用した球の自然な転動によるものではなくて、磁石を内蔵するドラムによって、棚板上の球の転動経路を強制変更しているために、その変更形態は、遊技者にとって一目して分かり、遊技の面白さに欠けると同時に、棚板の上面が複雑な構成となる問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−70537の第9頁、図19
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、棚板上における球の重力作用による転動状態を多様化して、遊技者が遊技に対して飽きないようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための請求項1の発明は、入賞口と、該入賞口の上方に配置されて、受け入れた球を一時的に保留させてから前記入賞口に向けて放出する球保留装置とを備える遊技機の棚板装置であって、前記球保留装置は、受け入れた球を前端から放出する棚板と、該棚板の後端に沿って近接して横方向に配置される回転体と、該回転体を駆動する駆動手段とを備え、前記回転体は、周方向の一部に球保留部が設けられ、その回転により前記棚板と球保留部との間で球を保留する保留位置と、両者の間で球を保留しない非保留位置とに状態変化することを特徴としている。
【0008】
請求項1の発明によれば、回転体の回転位相と棚板上に球に受入れられるタイミングにより、回転体の球保留部に球が保留されたり、又は保留されなかったりする。即ち、回転体の球保留部が前面を向いている状態で、棚板上を転動する球が球保留部の部分に達すると、回転体の球保留部に球が保留される確率が高くなり、回転体の回転位相と棚板上に受け入れられる球のタイミングが上記以外の場合には、回転体の球保留部に球は保留されない。そして、回転体の球保留部に一時的に保留された球は、回転体の回転により球保留部から放出された後に、棚板上で多様な態様で転動してから、その前端縁から放出されて、その一部が入賞口に入賞する。このように、遊技者から見て、球保留部を備えた回転体と、その前方に配設された棚板との組み合わせによって、棚板上における球の転動態様が多様化されるため、遊技者により飽きられることがない。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記回転体は、軸方向の中間部が膨出した略紡錘形であり、複数の回転体が棚板の後端縁に沿って横方向に同軸状に配設されていることを特徴としている。
【0010】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の上記作用効果に加えて、回転体が略紡錘状であるために、棚板上における球の転動領域に広狭が生じ、棚板に受け入れられた球の転動・保留・放出の態様が一層多くなって、遊技の面白さが一層増す。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記回転体の球保留部は、膨出した前記中間部の周方向の一部に設けられた凹部であることを特徴としている。
【0012】
請求項3の発明によれば、請求項2に記載の上記作用効果に加えて、回転体が略紡錘状になっていて、回転体の配設状態で棚板が狭くなっている回転体の膨出した中間部に球保留用の凹部が設けられている。このため、球保留部である凹部が棚板の転動面に達すると、棚板上における球の転動領域が広くなって、棚板上を転動する球が回転体の凹部に入り込み易くなると共に、これ以外の場合には、転動領域が狭くなる。これにより、棚板上における球の転動形態が大きく変化する。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記入賞口は、図柄を変動させる始動入賞口であり、球保留装置の後方には、前記始動入賞口に球が入賞することにより図柄を変動表示する図柄表示装置が設けられ、該図柄表示装置に特定図柄が表示されると遊技者に特典が付与される構成であることを特徴としている。
【0014】
請求項4の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかの発明の上記作用効果に加えて、棚板上における球の転動態様の変化と、その後方に設けられた図柄表示装置の図柄変動とが連動するために、遊技の面白さが一層高まる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、実施形態を挙げて、本発明について更に詳細に説明する。図1は、本発明に係る棚板装置C1 を備えたパチンコ機の正面図であり、図2は、図1のX−X線断面図である。図1及び図2において、遊技盤1には、外側及び内側の各球案内レール2,3が取付けらて、各球案内レール2,3で囲まれる領域が遊技領域4となっている。外側及び内側の各球案内レール2,3が内外で重なって球発射通路5を形成しており、球発射装置(図示せず)から発射された遊技球は、前記球発射通路5を通って前記遊技領域4に放出される。
【0016】
また、遊技領域4の略中央部には、センタ役物装置Aが配置され、その高さ方向の中央よりもやや上方の両側方には、ゲート口6が配置されている。センタ役物装置Aは、特別図柄表示装置7と、その前方の空間部Sの底面を形成する棚板装置C1 とで構成され、前記センタ役物装置Aの直下には、特別図柄表示装置7を作動させる始動入賞口8が配置され、該始動入賞口8の直下には、大入賞口9が配置されている。大入賞口9の左右両側には、一対の第1サイド入賞口11と、同じく一対の第2サイド入賞口12とが斜方向に沿って配置されている。また、センタ役物装置Aの前記空間部Sの底面には、棚板装置C1 が配置されていて、前記棚板装置C1 の一方の側と、特別図柄表示装置7の両斜上方との3箇所には、それぞれ風車13が配置されている。
【0017】
また,特別図柄表示装置7は、始動入賞口8に球が入賞することにより図柄変動を開始して、所定時間変動した後に停止する。そして、停止したときの複数の図柄が特定の表示態様となって開始される「大当り遊技」においては、前記大入賞口9の蓋体9aが手前側に倒れて開いた大入賞口(図示せず)が所定時間(例えば、30秒)、或いは所定個数(例えば、10個)の入賞があるまで、前記大入賞口は開放された状態を維持する。そして、前記蓋体9aの起立により大入賞口が閉じられた後においても、該大入賞口を通って受け止められた球(入賞球)が内部の特別入賞口(図示せず)を通過すると、再度、蓋体9aが手前側に倒れることにより、前記大入賞口が開放されて、最高16回(ラウンド)だけ前記「大当り遊技」が繰り返される。なお、図1において、14は、いずれの入賞口にも入賞しなかった球を回収するアウト口を示す。
【0018】
引き続いて、本発明に係る棚板装置C1 の部分について説明する。図3は、図2の棚板装置C1 の部分の拡大図であり、図4は、棚板装置C1 の部分の平面図であり、図5及び図6は、それぞれ回転体R1 の位相が異なる状態における棚板装置C1 の斜視図である。この棚板装置C1 を構成する球保留装置Dは、特別図柄表示装置7の前方の空間部Sの底面を構成する棚板Pと、該棚板Pの後端縁に沿って水平に配置されて、棚板Pの上を転動する球Bを一時的に保留させる回転体R1 と、該回転体R1 を駆動させる駆動モータMとで構成される。
【0019】
また、図4ないし図6に示されるように、棚板Pは、その長手方向の中央部に対して対称な形状になっていて、その前端縁21は、直線状となっているが、その後端縁22は、略紡錘形の回転体R1 の形状に対応してわん曲している。即ち、棚板Pの後端縁22は、長手方向の中央部に対して対称な一対のわん曲線で構成されている。また、棚板Pの上面である球の転動面23は、長手方向に対しては中央部に向けて漸次低くなるように、また幅方向(奥行方向)に対しては手前側に向けて漸次低くなるように傾斜した傾斜面となっていて、長手方向の中央部には、当該部分から手前側に放出される球が、その直下の始動入賞口8に入賞し易いような緩やかな凹部24が形成されている。なお、棚板Pの長手方向の両端部には、後述のワープ出口36が臨んでいる。
【0020】
また、図4ないし図6に示されるように、前記球保留装置Dを構成する回転体R1 は、左右一対の略紡錘形の回転体単体R11が直列状に配置されて一体となって構成される。一対の回転体単体R11は、いずれも軸方向の中央部が膨出した略紡錘形をなしていて、その内端部の細径部で一体となっていて、各回転体単体R11の中央の膨出部における周方向の一部には、球Bを一時的に保留させ得る保留凹部25が形成されている。この保留凹部25は、回転中の回転体R1 が棚板Pの転動面23に臨んで、その内部に球Bが部分的に受け入れられても、回転体R1 の回転によりそのまま一緒に回転することなく、回転体R1 の回転途中で脱出し得る形状になっている。即ち、図3及び図5に示されるように、保留凹部25は、回転体単体R11の軸方向の中央よりも僅かに外端に偏した部分に設けられていて、その正面形状は略楕円状であると共に、その中央部の最大深さは、球Bの外径の略半分であって、横断面視における中心角は、略90°である。そして、保留凹部25の深さに関しては、その外側から内側に向けては、徐々に深くなっているが、その内側形成端においては、急激に深くなっていて、回転体R1 の軸心とほぼ直交する方向に沿った保留面25aが形成されており、球Bが保留凹部25に部分収容された状態で、その保留面25a(図5参照)に当接することにより、球Bの保留を確実にしている。
【0021】
また、回転体R1 の上記形状に対応して、棚板Pの後端縁22は、回転体単体R11の外形に対応して、2つの緩やかな凹弧が横方向に連続した曲線形状になっていると共に、略紡錘形の一対の回転体単体R11から成る回転体R1 が、上記曲線形状をした棚板Pの後端縁22に近接して臨み得るように、棚板Pの背面側は、図5に示されるように、横断面において円弧状に欠落されている。これにより、図4に示されるように、回転体R1 は、棚板Pの後端縁22に近接して、遊技盤1の横方向に水平に配置される。回転体R1 の両端縁は、それぞれ軸部26が一体に設けられて、各軸部26は、それぞれ軸受27で支持されている。また、一方の軸部26の軸端には、歯車28が取付けられ、駆動モータMの駆動軸29に取付けられた歯車31と前記歯車28とが噛合されて、回転体R1 は、駆動モータMにより右側面視において時計方向に回転させられる。即ち、棚板Pの上面の転動面23を基準にすると、この転動面23において、回転体R1 の外周面は、斜下方から斜上方に向けて移動することになる。
【0022】
また、図1及び図2に示されるように、特別図柄表示装置7の略上半部の周囲は、遊技盤1の盤面から突出した状態で、装飾部材32で覆われて装飾されていると共に、この装飾部材32の両下端面に接続して、それぞれ左右一対の縦部材33が配設されている。そして、遊技盤1の盤面から突出した装飾部材32の左右両端の外側面には、ワープ入口34がそれぞれ形成されている。また、前記した左右一対の各縦部材33の内部には、ワープ通路35が形成されていて、各縦部材33の下端部の内側面であって、前記棚板Pの転動面23よりも僅かに高い位置には、それぞれワープ出口36が形成されている。また、図4に示されているように、ワープ出口36の奥行方向の形成位置は、この棚板Pの転動面23に放出された球Bが、そのまま直進した場合には、回転体単体R11の外周面に衝突する位置となっており、これにより、回転体R1 の回転位相と、ワープ出口36からの球Bの放出とのタイミングによって、回転体単体R11の外周面の保留凹部25が棚板Pの転動面23に臨んでいる場合には、棚板Pの転動面23を転動する球Bが回転体単体R11の保留凹部25に部分的に入り込んで、一時的に保留させられることになる。なお、図2及び図3において、37は、始動入賞口8の開口に設けられた一対の可動片38を開閉させるためのソレノイドを示し、39は、ソレノイド37のロッドの直線運動を可動片38の円弧運動に変換する変換機構を示し、40は、始動入賞口8に入賞した入賞球の通過を検出するセンサを示す。
【0023】
そして、回転体R1 は、駆動モータMによって上記方向(右側面視で時計方向)に連続回転しており、この状態で、遊技盤1の盤面上を流下する球Bが左右のワープ入口34のいずれかに流入して、ワープ通路35を通ってワープ出口36から棚板Pの転動面23に放出されると、前記球Bは、所定の初速度を有しているために、棚板Pの他端に向けて転動する。そして、図5及び図7に示されるように、ワープ出口36からの球Bの放出時において、回転体R1 の保留凹部25が棚板Pの転動面23に臨んでいる位置(保留位置)においては、棚板P上における球Bの転動領域が広くなって、転動面23に放出された球Bは、棚板Pの他端に向かう途中において回転体単体R11の保留凹部25に部分的に入り込む確率が高い。この保留凹部25に部分的に入り込んだ球Bは、その内側の保留面25aに当接するために、その転動が阻止されて一時的に保留させられる〔図7(イ)参照〕。
【0024】
次に、回転体R1 が更に回転して、保留凹部25の周方向の形成端と棚板Pの転動面23とがほぼ合致した状態に至る〔図7(ロ)参照〕。これを超えて回転体R1 が更に回転すると、上述したように、保留凹部25の深さが球Bの外径に比較して浅いために、保留凹部25に部分収容されていた球Bは、この保留凹部25から棚板Pの転動面23に排出され〔図7(ハ)参照〕、そのまま棚板Pの長手方向(横方向)及び奥行方向の各傾斜によって転動を開始させられ、棚板Pの長手方向の中央に設けられた凹部24に達する。球Bは、凹部24に近い位置において転動を開始していて、その速度が小さいために、棚板Pの中央の凹部24に入り込んだ球Bは、これを超えることができず、そのまま凹部24の底面の傾斜に沿って僅かに転動して、当該部分の前端縁21から遊技盤1の盤面上に落下放出される〔図7(ニ)参照〕。そして、棚板Pの長手方向の中央部の直下には、始動入賞口8が配置されているために、前記球Bは、始動入賞口8に入賞される確率が高くなる。
【0025】
なお、ワープ出口36からの球Bの放出時において、回転体R1 の保留凹部25が棚板Pの転動面23に臨んでいる場合においても、ワープ出口36から転動面23に放出されて、回転体単体R11の保留凹部25に入り込んだ球Bであっても、その流入角度、転動速度等の相違によって、そのまま保留凹部25の底面に衝突した後に保留凹部25から排出されるものもあり、或いは保留凹部25に入り込まない場合もあり得る。このように、棚板Pの転動面23に対する球Bの流入と、回転体R1 の回転位相とが同一であっても、ワープ出口36から放出される球Bの放出角度、放出速度等は、逐一異なるために、球Bの転動形態は種々異なる。
【0026】
一方、図6及び図8に示されるように、ワープ出口36からの球Bの放出時において、回転体R1 の保留凹部25が棚板Pの転動面23に臨んでいない位置(非保留位置)においては、ワープ出口36の転動面23に放出された球Bは、図8(イ)に示されるように、棚板P上における球Bの転動領域が狭くなって、棚板Pの他端に向かう途中において回転体単体R11の外周面に当接する確率が高く、これにより、その転動経路が変えられて、ほぼそのままの速度で棚板Pの他端に向けて転動し続ける。このように、回転体単体R11の外周面に当接した球Bは、初速度に近い転動速度を有しているために、棚板Pの長手方向の中央部の凹部24を超えて、棚板Pの他端に近い部分まで達して転動速度を失う〔図8(ロ)〕。その後、転動速度を失った球Bは、棚板Pの長手方向で反転し、棚板P上において左右の揺動を繰り返しながら、最終的に中央の凹部24の前端縁21、或いは凹部24の前端縁21以外の前端縁から遊技盤の盤面上に落下放出される〔図8(ハ)〕。このように、球Bは、棚板P上において左右の揺動を繰り返しながら、その前端縁21から落下放出されるため、棚板P上で上記経路を経た球Bが始動入賞口8に入賞する確率は、前記保留凹部25に部分収容された場合より低い。
【0027】
また、上記非保留位置においても、ワープ出口36から放出された球Bが棚板Pの中央の凹部24を通過して、棚板Pの他端に近い部分に達した時点において、回転体R1 の保留凹部25が僅かに棚板Pの転動面23に臨み、棚板Pの他端に近い部分に達した球Bが、転動面23に臨み始めた保留凹部25に当接することにより、転動経路を変えられることもあり得る。このように、非保留位置においても、転動面23に球Bが放出された場合でも、球Bの転動経路は、回転体R1 との関係において種々存在する。
【0028】
なお、上記した回転体R1 を備えた棚板装置C1 において、一対の回転体単体R11に設ける各保留凹部25の周方向の位相をずらしたり、或いは一つの回転体単体R11に周方向に沿って二つの保留凹部25を設けることも可能であり、これにより、棚板Pの転動面23上における球Bの転動形態が一層多様化される。
【0029】
更に、図9に示される棚板装置C2 を構成する回転体R2 は、その外周面に保留板部41が設けられた構成であって、棚板Pには、前記保留板部41を通過させるための挿通溝42が形成されている。この実施形態では、前記保留板部41は、回転体R2 の軸直角方向に対して該回転体R2 の軸方向の中央の側に傾斜していて、棚板Pの転動面23を転動する球Bを急激に停止させない構成にしてある。このように、棚板Pの転動面23に対する球Bの放出と、回転体R2 の回転位相とのタイミングによって、回転体R2 の保留板部41に球Bが当接することにより、この球Bは、保留板部41の部分で一時的に保留されて、球Bの転動経路が種々変更される。
【0030】
このように、本発明においては、棚板Pの転動面23を転動する球Bを一時的に保留させて、球Bの転動経路を変更させるために回転体の外周面に形成される球保留部は、凹部に限られず、凸部でも可能である。
【0031】
また、入賞口装置の内部に棚板装置と二種類の入賞口とが配設されていて、この棚板装置によって、遊技者に有利な特定入賞口と一般入賞口とに分けて入賞する構成の遊技機において、前記棚板装置の部分に本発明を実施することも可能である。
【0032】
【発明の効果】
本発明に棚板装置を構成する回転体は、その周方向の一部に球保留部が設けられ、その回転により前記棚板と球保留部との間で球を保留する保留位置と、両者の間で球を保留しない非保留位置とに状態変化するので、球保留部を備えた回転体と、その前方に配設された棚板との組み合わせによって、棚板上における球の転動態様が多様化されるため、遊技者により飽きられることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る棚板装置C1 を備えたパチンコ機の正面図である。
【図2】図1のX−X線断面図である。
【図3】図2の棚板装置C1 の部分の拡大図である。
【図4】棚板装置C1 の部分の平面図である。
【図5】球Bの保留位置における棚板装置C1 の斜視図である。
【図6】球Bの非保留位置における棚板装置C1 の斜視図である。
【図7】(イ)〜(ニ)は、球Bが保留されて始動入賞口8に入賞される経路を示す作用説明図である。
【図8】(イ)〜(ニ)は、球Bが保留されないで、始動入賞口8に入賞されない経路を示す作用説明図である。
【図9】保留板部41を備えた回転体R2 を有する棚板装置C2 の斜視図である。
【符号の説明】
B:球
C1,C2 :棚板装置
D:球保留装置
M:駆動モータ(駆動手段)
P:棚板
R1,R2 :回転体
R11:回転体単体
7:特別図柄表示装置(図柄表示装置)
8:始動入賞口(入賞口)
25:保留凹部
41:保留板部
【発明の属する技術分野】
本発明は、入賞口と、この入賞口の上方に配置されて、受け入れた球を一時的に保留させてから前記入賞口に向けて放出する球保留装置とを備える遊技機の棚板装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
始動口を備えた従来のパチンコ機においては、図柄を変動表示する表示体の前面において受け入れた球を遊ばせて(主として球を左右方向に転動させて)から前方から落下させて、その下方に配設された始動口に向けて放出するいわゆる棚板(ステージ)が配置されているものが多い。
【0003】
上記棚板の形状は、例えば板状、波状等の種々あって、棚板上に転動してきた球は、その転動の勢い(速度)や入球方向の相違により左右の揺動の程度が異なる。また、棚板上を転動した球は、転動の勢いが弱くなる(球速度が遅くなる)と棚板の前端縁の異なる位置から放出され、棚板の左右方向の中央部から放出された球は、前記始動口に入賞する確率が高くなる。しかし、棚板上での揺動態様はステージの形状や傾きにより定まってしまい、単純なために長時間遊技をしていると、遊技者は遊技に対して飽きてしまう問題があった。
【0004】
また、磁石を内蔵するドラムの一部が棚板上面から突出するようにして、棚板の奥行方向(幅方向)の中央部にドラムが軸心を横方向にして配設されて、ワープ出口から棚板上に放出された球のうちドラムの背面側に達した球を吸着して、棚板の前面側に球を強制移送させて、棚板上における球の転動経路を強制変更させるものもある(例えば、特許文献1参照)。しかし、この構成では、重力を利用した球の自然な転動によるものではなくて、磁石を内蔵するドラムによって、棚板上の球の転動経路を強制変更しているために、その変更形態は、遊技者にとって一目して分かり、遊技の面白さに欠けると同時に、棚板の上面が複雑な構成となる問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−70537の第9頁、図19
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、棚板上における球の重力作用による転動状態を多様化して、遊技者が遊技に対して飽きないようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための請求項1の発明は、入賞口と、該入賞口の上方に配置されて、受け入れた球を一時的に保留させてから前記入賞口に向けて放出する球保留装置とを備える遊技機の棚板装置であって、前記球保留装置は、受け入れた球を前端から放出する棚板と、該棚板の後端に沿って近接して横方向に配置される回転体と、該回転体を駆動する駆動手段とを備え、前記回転体は、周方向の一部に球保留部が設けられ、その回転により前記棚板と球保留部との間で球を保留する保留位置と、両者の間で球を保留しない非保留位置とに状態変化することを特徴としている。
【0008】
請求項1の発明によれば、回転体の回転位相と棚板上に球に受入れられるタイミングにより、回転体の球保留部に球が保留されたり、又は保留されなかったりする。即ち、回転体の球保留部が前面を向いている状態で、棚板上を転動する球が球保留部の部分に達すると、回転体の球保留部に球が保留される確率が高くなり、回転体の回転位相と棚板上に受け入れられる球のタイミングが上記以外の場合には、回転体の球保留部に球は保留されない。そして、回転体の球保留部に一時的に保留された球は、回転体の回転により球保留部から放出された後に、棚板上で多様な態様で転動してから、その前端縁から放出されて、その一部が入賞口に入賞する。このように、遊技者から見て、球保留部を備えた回転体と、その前方に配設された棚板との組み合わせによって、棚板上における球の転動態様が多様化されるため、遊技者により飽きられることがない。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記回転体は、軸方向の中間部が膨出した略紡錘形であり、複数の回転体が棚板の後端縁に沿って横方向に同軸状に配設されていることを特徴としている。
【0010】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の上記作用効果に加えて、回転体が略紡錘状であるために、棚板上における球の転動領域に広狭が生じ、棚板に受け入れられた球の転動・保留・放出の態様が一層多くなって、遊技の面白さが一層増す。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記回転体の球保留部は、膨出した前記中間部の周方向の一部に設けられた凹部であることを特徴としている。
【0012】
請求項3の発明によれば、請求項2に記載の上記作用効果に加えて、回転体が略紡錘状になっていて、回転体の配設状態で棚板が狭くなっている回転体の膨出した中間部に球保留用の凹部が設けられている。このため、球保留部である凹部が棚板の転動面に達すると、棚板上における球の転動領域が広くなって、棚板上を転動する球が回転体の凹部に入り込み易くなると共に、これ以外の場合には、転動領域が狭くなる。これにより、棚板上における球の転動形態が大きく変化する。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記入賞口は、図柄を変動させる始動入賞口であり、球保留装置の後方には、前記始動入賞口に球が入賞することにより図柄を変動表示する図柄表示装置が設けられ、該図柄表示装置に特定図柄が表示されると遊技者に特典が付与される構成であることを特徴としている。
【0014】
請求項4の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかの発明の上記作用効果に加えて、棚板上における球の転動態様の変化と、その後方に設けられた図柄表示装置の図柄変動とが連動するために、遊技の面白さが一層高まる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、実施形態を挙げて、本発明について更に詳細に説明する。図1は、本発明に係る棚板装置C1 を備えたパチンコ機の正面図であり、図2は、図1のX−X線断面図である。図1及び図2において、遊技盤1には、外側及び内側の各球案内レール2,3が取付けらて、各球案内レール2,3で囲まれる領域が遊技領域4となっている。外側及び内側の各球案内レール2,3が内外で重なって球発射通路5を形成しており、球発射装置(図示せず)から発射された遊技球は、前記球発射通路5を通って前記遊技領域4に放出される。
【0016】
また、遊技領域4の略中央部には、センタ役物装置Aが配置され、その高さ方向の中央よりもやや上方の両側方には、ゲート口6が配置されている。センタ役物装置Aは、特別図柄表示装置7と、その前方の空間部Sの底面を形成する棚板装置C1 とで構成され、前記センタ役物装置Aの直下には、特別図柄表示装置7を作動させる始動入賞口8が配置され、該始動入賞口8の直下には、大入賞口9が配置されている。大入賞口9の左右両側には、一対の第1サイド入賞口11と、同じく一対の第2サイド入賞口12とが斜方向に沿って配置されている。また、センタ役物装置Aの前記空間部Sの底面には、棚板装置C1 が配置されていて、前記棚板装置C1 の一方の側と、特別図柄表示装置7の両斜上方との3箇所には、それぞれ風車13が配置されている。
【0017】
また,特別図柄表示装置7は、始動入賞口8に球が入賞することにより図柄変動を開始して、所定時間変動した後に停止する。そして、停止したときの複数の図柄が特定の表示態様となって開始される「大当り遊技」においては、前記大入賞口9の蓋体9aが手前側に倒れて開いた大入賞口(図示せず)が所定時間(例えば、30秒)、或いは所定個数(例えば、10個)の入賞があるまで、前記大入賞口は開放された状態を維持する。そして、前記蓋体9aの起立により大入賞口が閉じられた後においても、該大入賞口を通って受け止められた球(入賞球)が内部の特別入賞口(図示せず)を通過すると、再度、蓋体9aが手前側に倒れることにより、前記大入賞口が開放されて、最高16回(ラウンド)だけ前記「大当り遊技」が繰り返される。なお、図1において、14は、いずれの入賞口にも入賞しなかった球を回収するアウト口を示す。
【0018】
引き続いて、本発明に係る棚板装置C1 の部分について説明する。図3は、図2の棚板装置C1 の部分の拡大図であり、図4は、棚板装置C1 の部分の平面図であり、図5及び図6は、それぞれ回転体R1 の位相が異なる状態における棚板装置C1 の斜視図である。この棚板装置C1 を構成する球保留装置Dは、特別図柄表示装置7の前方の空間部Sの底面を構成する棚板Pと、該棚板Pの後端縁に沿って水平に配置されて、棚板Pの上を転動する球Bを一時的に保留させる回転体R1 と、該回転体R1 を駆動させる駆動モータMとで構成される。
【0019】
また、図4ないし図6に示されるように、棚板Pは、その長手方向の中央部に対して対称な形状になっていて、その前端縁21は、直線状となっているが、その後端縁22は、略紡錘形の回転体R1 の形状に対応してわん曲している。即ち、棚板Pの後端縁22は、長手方向の中央部に対して対称な一対のわん曲線で構成されている。また、棚板Pの上面である球の転動面23は、長手方向に対しては中央部に向けて漸次低くなるように、また幅方向(奥行方向)に対しては手前側に向けて漸次低くなるように傾斜した傾斜面となっていて、長手方向の中央部には、当該部分から手前側に放出される球が、その直下の始動入賞口8に入賞し易いような緩やかな凹部24が形成されている。なお、棚板Pの長手方向の両端部には、後述のワープ出口36が臨んでいる。
【0020】
また、図4ないし図6に示されるように、前記球保留装置Dを構成する回転体R1 は、左右一対の略紡錘形の回転体単体R11が直列状に配置されて一体となって構成される。一対の回転体単体R11は、いずれも軸方向の中央部が膨出した略紡錘形をなしていて、その内端部の細径部で一体となっていて、各回転体単体R11の中央の膨出部における周方向の一部には、球Bを一時的に保留させ得る保留凹部25が形成されている。この保留凹部25は、回転中の回転体R1 が棚板Pの転動面23に臨んで、その内部に球Bが部分的に受け入れられても、回転体R1 の回転によりそのまま一緒に回転することなく、回転体R1 の回転途中で脱出し得る形状になっている。即ち、図3及び図5に示されるように、保留凹部25は、回転体単体R11の軸方向の中央よりも僅かに外端に偏した部分に設けられていて、その正面形状は略楕円状であると共に、その中央部の最大深さは、球Bの外径の略半分であって、横断面視における中心角は、略90°である。そして、保留凹部25の深さに関しては、その外側から内側に向けては、徐々に深くなっているが、その内側形成端においては、急激に深くなっていて、回転体R1 の軸心とほぼ直交する方向に沿った保留面25aが形成されており、球Bが保留凹部25に部分収容された状態で、その保留面25a(図5参照)に当接することにより、球Bの保留を確実にしている。
【0021】
また、回転体R1 の上記形状に対応して、棚板Pの後端縁22は、回転体単体R11の外形に対応して、2つの緩やかな凹弧が横方向に連続した曲線形状になっていると共に、略紡錘形の一対の回転体単体R11から成る回転体R1 が、上記曲線形状をした棚板Pの後端縁22に近接して臨み得るように、棚板Pの背面側は、図5に示されるように、横断面において円弧状に欠落されている。これにより、図4に示されるように、回転体R1 は、棚板Pの後端縁22に近接して、遊技盤1の横方向に水平に配置される。回転体R1 の両端縁は、それぞれ軸部26が一体に設けられて、各軸部26は、それぞれ軸受27で支持されている。また、一方の軸部26の軸端には、歯車28が取付けられ、駆動モータMの駆動軸29に取付けられた歯車31と前記歯車28とが噛合されて、回転体R1 は、駆動モータMにより右側面視において時計方向に回転させられる。即ち、棚板Pの上面の転動面23を基準にすると、この転動面23において、回転体R1 の外周面は、斜下方から斜上方に向けて移動することになる。
【0022】
また、図1及び図2に示されるように、特別図柄表示装置7の略上半部の周囲は、遊技盤1の盤面から突出した状態で、装飾部材32で覆われて装飾されていると共に、この装飾部材32の両下端面に接続して、それぞれ左右一対の縦部材33が配設されている。そして、遊技盤1の盤面から突出した装飾部材32の左右両端の外側面には、ワープ入口34がそれぞれ形成されている。また、前記した左右一対の各縦部材33の内部には、ワープ通路35が形成されていて、各縦部材33の下端部の内側面であって、前記棚板Pの転動面23よりも僅かに高い位置には、それぞれワープ出口36が形成されている。また、図4に示されているように、ワープ出口36の奥行方向の形成位置は、この棚板Pの転動面23に放出された球Bが、そのまま直進した場合には、回転体単体R11の外周面に衝突する位置となっており、これにより、回転体R1 の回転位相と、ワープ出口36からの球Bの放出とのタイミングによって、回転体単体R11の外周面の保留凹部25が棚板Pの転動面23に臨んでいる場合には、棚板Pの転動面23を転動する球Bが回転体単体R11の保留凹部25に部分的に入り込んで、一時的に保留させられることになる。なお、図2及び図3において、37は、始動入賞口8の開口に設けられた一対の可動片38を開閉させるためのソレノイドを示し、39は、ソレノイド37のロッドの直線運動を可動片38の円弧運動に変換する変換機構を示し、40は、始動入賞口8に入賞した入賞球の通過を検出するセンサを示す。
【0023】
そして、回転体R1 は、駆動モータMによって上記方向(右側面視で時計方向)に連続回転しており、この状態で、遊技盤1の盤面上を流下する球Bが左右のワープ入口34のいずれかに流入して、ワープ通路35を通ってワープ出口36から棚板Pの転動面23に放出されると、前記球Bは、所定の初速度を有しているために、棚板Pの他端に向けて転動する。そして、図5及び図7に示されるように、ワープ出口36からの球Bの放出時において、回転体R1 の保留凹部25が棚板Pの転動面23に臨んでいる位置(保留位置)においては、棚板P上における球Bの転動領域が広くなって、転動面23に放出された球Bは、棚板Pの他端に向かう途中において回転体単体R11の保留凹部25に部分的に入り込む確率が高い。この保留凹部25に部分的に入り込んだ球Bは、その内側の保留面25aに当接するために、その転動が阻止されて一時的に保留させられる〔図7(イ)参照〕。
【0024】
次に、回転体R1 が更に回転して、保留凹部25の周方向の形成端と棚板Pの転動面23とがほぼ合致した状態に至る〔図7(ロ)参照〕。これを超えて回転体R1 が更に回転すると、上述したように、保留凹部25の深さが球Bの外径に比較して浅いために、保留凹部25に部分収容されていた球Bは、この保留凹部25から棚板Pの転動面23に排出され〔図7(ハ)参照〕、そのまま棚板Pの長手方向(横方向)及び奥行方向の各傾斜によって転動を開始させられ、棚板Pの長手方向の中央に設けられた凹部24に達する。球Bは、凹部24に近い位置において転動を開始していて、その速度が小さいために、棚板Pの中央の凹部24に入り込んだ球Bは、これを超えることができず、そのまま凹部24の底面の傾斜に沿って僅かに転動して、当該部分の前端縁21から遊技盤1の盤面上に落下放出される〔図7(ニ)参照〕。そして、棚板Pの長手方向の中央部の直下には、始動入賞口8が配置されているために、前記球Bは、始動入賞口8に入賞される確率が高くなる。
【0025】
なお、ワープ出口36からの球Bの放出時において、回転体R1 の保留凹部25が棚板Pの転動面23に臨んでいる場合においても、ワープ出口36から転動面23に放出されて、回転体単体R11の保留凹部25に入り込んだ球Bであっても、その流入角度、転動速度等の相違によって、そのまま保留凹部25の底面に衝突した後に保留凹部25から排出されるものもあり、或いは保留凹部25に入り込まない場合もあり得る。このように、棚板Pの転動面23に対する球Bの流入と、回転体R1 の回転位相とが同一であっても、ワープ出口36から放出される球Bの放出角度、放出速度等は、逐一異なるために、球Bの転動形態は種々異なる。
【0026】
一方、図6及び図8に示されるように、ワープ出口36からの球Bの放出時において、回転体R1 の保留凹部25が棚板Pの転動面23に臨んでいない位置(非保留位置)においては、ワープ出口36の転動面23に放出された球Bは、図8(イ)に示されるように、棚板P上における球Bの転動領域が狭くなって、棚板Pの他端に向かう途中において回転体単体R11の外周面に当接する確率が高く、これにより、その転動経路が変えられて、ほぼそのままの速度で棚板Pの他端に向けて転動し続ける。このように、回転体単体R11の外周面に当接した球Bは、初速度に近い転動速度を有しているために、棚板Pの長手方向の中央部の凹部24を超えて、棚板Pの他端に近い部分まで達して転動速度を失う〔図8(ロ)〕。その後、転動速度を失った球Bは、棚板Pの長手方向で反転し、棚板P上において左右の揺動を繰り返しながら、最終的に中央の凹部24の前端縁21、或いは凹部24の前端縁21以外の前端縁から遊技盤の盤面上に落下放出される〔図8(ハ)〕。このように、球Bは、棚板P上において左右の揺動を繰り返しながら、その前端縁21から落下放出されるため、棚板P上で上記経路を経た球Bが始動入賞口8に入賞する確率は、前記保留凹部25に部分収容された場合より低い。
【0027】
また、上記非保留位置においても、ワープ出口36から放出された球Bが棚板Pの中央の凹部24を通過して、棚板Pの他端に近い部分に達した時点において、回転体R1 の保留凹部25が僅かに棚板Pの転動面23に臨み、棚板Pの他端に近い部分に達した球Bが、転動面23に臨み始めた保留凹部25に当接することにより、転動経路を変えられることもあり得る。このように、非保留位置においても、転動面23に球Bが放出された場合でも、球Bの転動経路は、回転体R1 との関係において種々存在する。
【0028】
なお、上記した回転体R1 を備えた棚板装置C1 において、一対の回転体単体R11に設ける各保留凹部25の周方向の位相をずらしたり、或いは一つの回転体単体R11に周方向に沿って二つの保留凹部25を設けることも可能であり、これにより、棚板Pの転動面23上における球Bの転動形態が一層多様化される。
【0029】
更に、図9に示される棚板装置C2 を構成する回転体R2 は、その外周面に保留板部41が設けられた構成であって、棚板Pには、前記保留板部41を通過させるための挿通溝42が形成されている。この実施形態では、前記保留板部41は、回転体R2 の軸直角方向に対して該回転体R2 の軸方向の中央の側に傾斜していて、棚板Pの転動面23を転動する球Bを急激に停止させない構成にしてある。このように、棚板Pの転動面23に対する球Bの放出と、回転体R2 の回転位相とのタイミングによって、回転体R2 の保留板部41に球Bが当接することにより、この球Bは、保留板部41の部分で一時的に保留されて、球Bの転動経路が種々変更される。
【0030】
このように、本発明においては、棚板Pの転動面23を転動する球Bを一時的に保留させて、球Bの転動経路を変更させるために回転体の外周面に形成される球保留部は、凹部に限られず、凸部でも可能である。
【0031】
また、入賞口装置の内部に棚板装置と二種類の入賞口とが配設されていて、この棚板装置によって、遊技者に有利な特定入賞口と一般入賞口とに分けて入賞する構成の遊技機において、前記棚板装置の部分に本発明を実施することも可能である。
【0032】
【発明の効果】
本発明に棚板装置を構成する回転体は、その周方向の一部に球保留部が設けられ、その回転により前記棚板と球保留部との間で球を保留する保留位置と、両者の間で球を保留しない非保留位置とに状態変化するので、球保留部を備えた回転体と、その前方に配設された棚板との組み合わせによって、棚板上における球の転動態様が多様化されるため、遊技者により飽きられることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る棚板装置C1 を備えたパチンコ機の正面図である。
【図2】図1のX−X線断面図である。
【図3】図2の棚板装置C1 の部分の拡大図である。
【図4】棚板装置C1 の部分の平面図である。
【図5】球Bの保留位置における棚板装置C1 の斜視図である。
【図6】球Bの非保留位置における棚板装置C1 の斜視図である。
【図7】(イ)〜(ニ)は、球Bが保留されて始動入賞口8に入賞される経路を示す作用説明図である。
【図8】(イ)〜(ニ)は、球Bが保留されないで、始動入賞口8に入賞されない経路を示す作用説明図である。
【図9】保留板部41を備えた回転体R2 を有する棚板装置C2 の斜視図である。
【符号の説明】
B:球
C1,C2 :棚板装置
D:球保留装置
M:駆動モータ(駆動手段)
P:棚板
R1,R2 :回転体
R11:回転体単体
7:特別図柄表示装置(図柄表示装置)
8:始動入賞口(入賞口)
25:保留凹部
41:保留板部
Claims (4)
- 入賞口と、該入賞口の上方に配置されて、受け入れた球を一時的に保留させてから前記入賞口に向けて放出する球保留装置とを備える遊技機の棚板装置であって、
前記球保留装置は、受け入れた球を前端から放出する棚板と、該棚板の後端に沿って近接して横方向に配置される回転体と、該回転体を駆動する駆動手段とを備え、
前記回転体は、周方向の一部に球保留部が設けられ、その回転により前記棚板と球保留部との間で球を保留する保留位置と、両者の間で球を保留しない非保留位置とに状態変化することを特徴とする遊技機の棚板装置。 - 前記回転体は、軸方向の中間部が膨出した略紡錘形であり、複数の回転体が棚板の後端縁に沿って横方向に同軸状に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機の棚板装置。
- 前記回転体の球保留部は、膨出した前記中間部の周方向の一部に設けられた凹部であることを特徴とする請求項2に記載の遊技機の棚板装置。
- 前記入賞口は、図柄を変動させる始動入賞口であり、球保留装置の後方には、前記始動入賞口に球が入賞することにより図柄を変動表示する図柄表示装置が設けられ、該図柄表示装置に特定図柄が表示されると遊技者に特典が付与される構成であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の遊技機の棚板装置。
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Cited By (2)
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JP2010063630A (ja) * | 2008-09-10 | 2010-03-25 | Kyoraku Sangyo Kk | 遊技機 |
JP2010063631A (ja) * | 2008-09-10 | 2010-03-25 | Kyoraku Sangyo Kk | 遊技機 |
-
2002
- 2002-09-06 JP JP2002261494A patent/JP2004097378A/ja not_active Withdrawn
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